図面 (/)

技術 移植された人工器官からの変更可能に制御された物質の送達のための装置および方法

出願人 アバンテクバスキュラーコーポレーション
発明者 シャーハンモタジムヤンジョン
出願日 2002年10月25日 (18年2ヶ月経過) 出願番号 2003-539571
公開日 2005年3月24日 (15年9ヶ月経過) 公開番号 2005-507708
状態 拒絶査定
技術分野 媒体導出入付与装置 医薬品製剤 補綴 医療用材料
主要キーワード 総フラックス 機械的破断 高圧噴霧ノズル 回転心棒 支柱構造体 切断用具 高応力領域 成分ユニット
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年3月24日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題・解決手段

本発明は、血管、その他の管腔、および身体内の環境に物質送達するための、改善されたステントおよびその他の人工器官を提供する。特に、本発明は、種々の目的のためのプログラムされ制御された物質送達プロトコルを可能にする管腔人工器官(13)を提供する。人工器官(13)は、体内管腔移植される足場、および足場の少なくとも一部にわたって存在する物質貯蔵所を含む。通常、速度制御エレメントは、物質を含有する貯蔵所にわたって形成され、多くの異なる物質放出特性を提供する。

概要

背景

関連出願の相互参照
本出願は、2001年12月14日に出願された非仮出願の米国特許出願第10/017,500号(代理人ドケット番号(Attorney Docket No.):20460-001000US);および2001年11月1日に出願された第10/002,595号(代理人ドケット番号20460-001600)の利益を主張する。これらの出願は、本出願の譲受人に帰属する。これらの出願の完全な開示は、参照として本明細書に組み入れられる。

概要

本発明は、血管、その他の管腔、および身体内の環境に物質送達するための、改善されたステントおよびその他の人工器官を提供する。特に、本発明は、種々の目的のためのプログラムされ制御された物質送達プロトコルを可能にする管腔人工器官(13)を提供する。人工器官(13)は、体内管腔移植される足場、および足場の少なくとも一部にわたって存在する物質貯蔵所を含む。通常、速度制御エレメントは、物質を含有する貯蔵所にわたって形成され、多くの異なる物質放出特性を提供する。

目的

本発明は、再狭窄の減少または阻害のための血管ステントおよび移植片などの管腔の人工器官を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
6件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

以下のものを含む、患者体内における身体内使用のための装置:移植可能足場;足場と結合され、かつ制御された速度で患者の体内に治療能力がある薬剤を放出するように構成された、少なくとも1つの治療能力がある薬剤の少なくとも1つの供与源;並びに、供与源の少なくとも一部を被覆し、かつ少なくとも1つの治療能力がある薬剤を含み、かつ速度制御エレメント層からの治療的な少なくとも1つの治療能力がある薬剤の初期の相対的に迅速な放出、および供与源からの少なくとも1つの治療能力がある薬剤の徐放性の制御された放出を提供する、速度制御エレメント層。

請求項2

以下のものを含む、患者の体内における身体内使用のための装置:移植可能な足場;足場と結合された少なくとも1つの治療能力がある薬剤の少なくとも1つの供与源;および、供与源の少なくとも一部に隣接して配置され、かつ初速度およびその後の初速度よりも相対的に遅い速度で、患者の体内で治療能力がある薬剤の放出を制御するように構成された、速度制御エレメント

請求項3

速度制御エレメントが供与源を被覆する、請求項1または2記載の装置。

請求項4

速度制御エレメントが供与源の一部のみを被覆する、請求項1または2記載の装置。

請求項5

供与源が貯蔵所を含む、請求項1または2記載の装置。

請求項6

貯蔵所が膨張可能な構造体の上に少なくとも部分的に配置されている、請求項5記載の装置。

請求項7

足場が、組織に面するおよび管腔に面する表面を含む、請求項1または2記載の装置。

請求項8

貯蔵所が、管腔に面する表面に隣接して配置されている、請求項7記載の装置。

請求項9

貯蔵所が、組織に面する表面に隣接して配置されている、請求項7記載の装置。

請求項10

以下のものを含む、患者の体内における身体内使用のための装置:足場の膨張の間に異なる機械的プロフィールを示す複数の領域を有し、かつ相対的に低いおよび相対的に高い機械的プロフィールを含む、放射状に膨張可能な移植可能な足場;並びに、複数のセグメントを含み、かつ足場の少なくとも一部に隣接して配置された、少なくとも1つの治療能力がある薬剤の供与源。

請求項11

セグメントが相対的に低い機械的プロフィールの領域に隣接して配置されている、請求項10記載の装置。

請求項12

セグメントが相対的に高い機械的プロフィールの領域に隣接して配置されている、請求項10記載の装置。

請求項13

セグメントが、足場の膨張による実質的な屈曲、撓曲、伸張、または圧縮を受けない領域のみに隣接して配置されている、請求項10記載の装置。

請求項14

セグメントが、足場の膨張による約5%を超える屈曲、撓曲、伸張、または圧縮を受けない領域のみに隣接して配置されている、請求項10記載の装置。

請求項15

セグメントが、足場の膨張による実質的な屈曲、撓曲、伸張、圧縮を受ける領域のみに隣接して配置されている、請求項10記載の装置。

請求項16

相対的に高い機械的プロフィールを示す領域が、体内を通って流れている体液の直接の流れの中に存在するように構成される、請求項10記載の装置。

請求項17

足場に隣接して配置された速度制御エレメントをさらに含む、請求項10、13、または16記載の装置。

請求項18

速度制御エレメントが供与源の少なくとも一部に隣接して配置されている、請求項17記載の装置。

請求項19

速度制御エレメントが非多孔性材料から形成されている、請求項17記載の装置。

請求項20

速度制御エレメントが変更可能な厚みを有する、請求項18記載の装置。

請求項21

速度制御エレメントが、相対的に高い機械的プロフィールを有する足場領域に隣接したより大きな厚みを有する、請求項20記載の装置。

請求項22

以下のものを含む、患者の体内における身体内使用のための装置:移植可能な足場;足場の少なくとも一部と結合され、かつ患者の体内で治療能力がある薬剤を放出するように構成された、少なくとも1つの治療能力がある薬剤の少なくとも1つの供与源;および、供与源の少なくとも一部に隣接して配置され、かつ供与源へまたは供与源からの材料輸送ができるように十分に大きな少なくとも1つの分断部を含む、速度制御エレメント。

請求項23

少なくとも1つの分断部が開口部である、請求項22記載の装置。

請求項24

少なくとも1つの分断部が予め形成されている、請求項22または23記載の装置。

請求項25

少なくとも1つの分断部が患者の体内で形成される、請求項22または23記載の装置。

請求項26

輸送が、供与源への天然の体液の、または供与源からの治療能力がある薬剤の、少なくとも1つの輸送を含む、請求項22または23記載の装置。

請求項27

以下のものを含む、患者の体内における身体内使用のための装置:移植可能な足場;足場の少なくとも一部と結合され、かつ患者の体内で治療能力がある薬剤を放出するように構成された、少なくとも1つの治療能力がある薬剤の少なくとも1つの供与源;および、供与源の少なくとも一部に隣接して配置され、かつ機械的な応力または歪力の適用により機械的に変化するように構成された、速度制御エレメント。

請求項28

以下のものを含む、患者の体内における身体内使用のための装置:移植可能な足場;足場の少なくとも一部と結合し、かつ患者の体内で治療能力がある薬剤を放出するように構成された、少なくとも1つの治療能力がある薬剤の少なくとも1つの供与源;および、供与源の少なくとも一部に隣接して配置され、かつ患者の体に移植されることにより機械的変化を受ける、速度制御エレメント。

請求項29

機械的変化が機械的破断のうちの1つである、請求項27または28記載の装置。

請求項30

機械的変化が表面特性の変化のうちの1つである、請求項27または28記載の装置。

請求項31

機械的変化が多孔率の変化のうちの1つである、請求項27または28記載の装置。

請求項32

機械的応力または歪力が足場の屈曲によって適用される、請求項27記載の装置。

請求項33

機械的な応力または歪力が足場の膨張によって適用される、請求項27記載の装置。

請求項34

以下のものを含む、患者の体内における身体内使用のための装置:移植可能な足場;足場の少なくとも一部と結合され、かつ患者の体内で治療能力がある薬剤を放出するように構成された、少なくとも1つの治療能力がある薬剤の少なくとも1つの供与源;および、供与源の少なくとも一部に隣接して配置された膨張可能な速度制御エレメント。

請求項35

速度制御エレメントが身体内の環境に暴露されることにより膨張する、請求項34記載の装置。

請求項36

速度制御エレメントが供与源から治療能力がある薬剤を放出するように構成されている、請求項35記載の装置。

請求項37

ステントを含む、請求項1、10、22、または27のいずれか一項記載の装置。

請求項38

ステントが金属材料を含む、請求項37記載の装置。

請求項39

ステントが重合体材料を含む、請求項37記載の装置。

請求項40

ステントが分解性材料を含む、請求項39記載の装置。

請求項41

ステントが非分解性材料を含む、請求項39記載の装置。

請求項42

バルーン膨張可能である、請求項37記載の装置。

請求項43

自己膨張可能である、請求項37記載の装置。

請求項44

供与源がマトリックスを含む、請求項37記載の装置。

請求項45

マトリックスが、マトリックス材料を含む、請求項44記載の装置。

請求項46

速度制御エレメントが非多孔性材料から形成される、請求項1、10、22、27、または37のいずれか一項記載の装置。

請求項47

速度制御エレメントの多孔率が患者の体に移植することによって変化する、請求項46記載の装置。

請求項48

速度制御エレメントが多孔性材料から形成される、請求項1、10、22、27、または37記載の装置。

請求項49

速度制御エレメントがパリレン重合体または共重合体を含む、請求項46または47記載の装置。

請求項50

パリレンがパリレンCを含む、請求項48記載の装置。

請求項51

速度制御エレメントが足場の膨張によって少なくとも部分的に多孔性になる、請求項46記載の装置。

請求項52

患者の体において膨張されていない状態の装置からの治療能力がある薬剤の放出速度が、膨張された状態のものとは異なる、請求項46または48記載の装置。

請求項53

以下のものを含む、管腔の人工器官:体の管腔内に移植可能である足場;足場の表面の少なくとも一部にわたって配置された、物質を含有する貯蔵所;および、物質を含有する貯蔵所の少なくとも一部を被覆する速度制御エレメント層であって、その中に散在された物質を有し、かつ速度制御エレメント層からの物質の初期の迅速な放出、並びに貯蔵所からの物質の徐放性の制御された放出を提供する、速度制御エレメント層。

請求項54

以下のものを含む、管腔の人工器官:体の管腔に移植可能である足場であって、放射状に膨張可能であり、かつ放射状の膨張の間に、より大きなおよびより小さな機械的な応力または歪力を受ける領域を有する、足場;および、より小さい応力もしくは歪力を受ける領域にわたって優先的に配置されている個々の部分を含む、物質を含有する貯蔵所または層。

請求項55

物質を含有する層が、足場が膨張されるときに実質的に屈曲、伸張、または圧縮しない足場の部分のみに配置される、請求項54記載の管腔の人工器官。

請求項56

足場の少なくとも一部にわたって形成された速度制御エレメント層をさらに含む、請求項54記載の管腔の人工器官。

請求項57

速度制御エレメント層が、より大きな機械的プロフィールの領域にわたってより厚い、請求項56記載の管腔の人工器官。

請求項58

以下のものを含む、管腔の人工器官:体の管腔内に移植可能である足場;足場の表面の少なくとも一部にわたって配置された、物質を含有する貯蔵所;および、物質を含有する貯蔵所の少なくとも一部を被覆する速度制御エレメント層であって、物質を含有する貯蔵所に体液を輸送すること、および/または貯蔵所から物質を放出することができるように十分に大きな少なくとも1つの予め形成された開口部を有する、速度制御エレメント層。

請求項59

以下のものを含む、管腔の人工器官:体の管腔内に移植可能である足場;足場の表面の少なくとも一部にわたって配置された、物質を含有する貯蔵所、および、物質を含有する貯蔵所の少なくとも一部を被覆する速度制御エレメント層であって、足場を実質的に屈曲、膨張、伸張、または圧縮させることによって応力をかけたときに、破砕するように構成されている、速度制御エレメント層。

請求項60

以下のものを含む、管腔の人工器官:体の管腔内に移植可能である足場;足場の表面の少なくとも一部にわたって配置された、物質を含有する貯蔵所;および、物質を含有する貯蔵所の少なくとも一部を被覆する速度制御エレメント層であって、管腔の環境に暴露されたときに、貯蔵所から物質を放出させることができるように膨張するよう構成されている、速度制御エレメント層。

請求項61

以下のものを含む、管腔の人工器官:体の管腔内に移植可能である足場;足場の表面の少なくとも一部にわたって配置された、物質を含有する貯蔵所;および、足場の表面の少なくとも一部にわたって配置され、かつ物質を含有する貯蔵所の全てよりも少なく被覆する、速度制御エレメント。

請求項62

金属ステントを含む、請求項53〜61のいずれか一項記載の管腔の人工器官。

請求項63

金属ステントがバルーン膨張可能である、請求項62記載の管腔の人工器官。

請求項64

金属ステントが自己膨張する、請求項62記載の管腔の人工器官。

請求項65

物質を含有する貯蔵所が、マトリックス材料に散在する物質を含むマトリックス層を含む、請求項53〜61のいずれか一項記載の管腔の人工器官。

請求項66

物質およびマトリックス材料が足場に蒸着された、請求項65記載の管腔の人工器官。

請求項67

物質を含有する層が本質的に物質の均一な層からなる、請求項53〜61のいずれか一項記載の管腔の人工器官。

請求項68

物質が足場に蒸着された、請求項67記載の管腔の人工器官。

請求項69

足場が、4つの直交表面を定義する矩形横断切片を有する構造エレメントを含み、薬物が、全ての表面よりも少なく配置されている、請求項53〜61のいずれか一項記載の管腔の人工器官。

請求項70

速度制御エレメントが多孔性である、請求項53〜61のいずれか一項記載の管腔の人工器官。

請求項71

速度制御エレメントが非多孔性である、請求項53〜61のいずれか一項記載の管腔の人工器官。

請求項72

足場の少なくとも一部および物質を含有する層の少なくとも一部にわたる基層をさらに含む、請求項53〜61のいずれか一項記載の管腔の人工器官。

請求項73

速度制御エレメント層がパリレン重合体または共重合体を含む、請求項53〜61のいずれか一項記載の管腔の人工器官。

請求項74

パリレンが足場またはその部分上に蒸着された、請求項73記載の管腔の人工器官。

請求項75

パリレンがパリレンCを含む、請求項73記載の管腔の人工器官。

請求項76

パリレンが非多孔性である、請求項73記載の管腔の人工器官。

請求項77

以下のものを含む、患者の体内における身体内使用のための装置:移植可能な足場;約90%未満の結晶化度を有し、かつ足場と結合され、かつ患者の体内で治療能力がある薬剤を放出するように構成された、少なくとも1つの治療能力がある薬剤の少なくとも1つの供与源;および、供与源の少なくとも一部に隣接して配置され、かつ患者の体に対する治療能力がある薬剤の放出を制御するように構成されている、速度制御エレメント。

請求項78

治療能力がある薬剤が約50%未満の結晶化度を有する、請求項77記載の装置。

請求項79

以下のものを含む、患者の体内における身体内使用のための装置:移植可能な足場;足場と結合され、患者の体内で標的とされた組織部位において治療能力がある薬剤を放出するように構成された、少なくとも1つの治療能力がある薬剤の少なくとも1つの供与源;および、供与源の少なくとも一部に隣接して配置され、かつ約1.71×10-14μg/(cm2s)〜約1.71×10-8μg/(cm2s)のフラックス密度の治療能力がある薬剤を実現するように構成されている、速度制御エレメント。

請求項80

フラックス密度が約1.71×10-14μg/(cm2s)〜約3.43×10-9μg/(cm2s)の範囲である、請求項79記載の装置。

請求項81

フラックス密度が約8.57×10-12μg/(cm2s)〜約3.43×10-9μg/(cm2s)の範囲である、請求項79記載の装置。

請求項82

フラックス密度が約1.71×10-11μg/(cm2s)〜約1.03×10-9μg/(cm2s)の範囲である、請求項79記載の装置。

請求項83

以下のものを含む、患者の体内における身体内使用のための装置:移植可能な足場;足場と結合され、患者の体内で標的とされた組織部位において治療能力がある薬剤を放出するように構成された、少なくとも1つの治療能力がある薬剤の少なくとも1つの供与源;および、供与源の少なくとも一部に隣接して配置され、かつ患者の体内で治療能力がある薬剤の放出を制御するように構成されている、速度制御エレメント、装置は、約10%未満の膨張されていない状態の残留応力を有する。

請求項84

残留応力が約5%未満である、請求項83記載の装置。

請求項85

残留応力が約1%未満である、請求項83記載の装置。

請求項86

残留応力が約0.5%未満である、請求項83に記載の装置。

請求項87

以下の工程を含む、身体内使用のための装置を製造するための方法:第1の残留応力を有し、かつ足場を含む、移植可能な構造体、および、足場と結合され、かつ患者の体内で標的とされた組織部位において治療能力がある薬剤を放出するように構成された、少なくとも1つの治療能力がある薬剤の少なくとも1つの供与源、を提供する工程と;構造体残留応力を第2の残留応力に変更する工程と;速度制御エレメントを供与源の少なくとも一部に隣接して配置し、かつ患者の体において治療能力がある薬剤の放出を制御するように構成する工程。

請求項88

変更する工程が残留応力を減らす工程を含む、請求項87記載の方法。

請求項89

変更する工程がしばらくの間構造体を超音波エネルギーさらす工程を含む、請求項87記載の方法。

請求項90

変更する工程がしばらくの間構造体を振動エネルギーにさらす工程を含む、請求項87記載の方法。

請求項91

変更する工程がしばらくの間構造体を第1の温度に加熱する工程を含む、請求項87記載の方法。

請求項92

第1の温度が治療能力がある薬剤の融点未満である、請求項91記載の方法。

請求項93

第1の温度が治療能力がある薬剤の融点とほぼ同じである、請求項91記載の方法。

請求項94

少なくとも1つの治療能力がある薬剤が、複数の治療能力がある薬剤を含み、第1の温度が、最も低い融点を有する治療能力がある薬剤の融点とほぼ同じである、請求項91記載の方法。

請求項95

第1の温度が治療能力がある薬剤の融点を超える、請求項91記載の方法。

請求項96

少なくとも1つの治療能力がある薬剤が、複数の治療能力がある薬剤を含み、第1の温度が、最も低い融点を有する治療能力がある薬剤の融点を超える、請求項91記載の方法。

請求項97

変更する工程が配置する工程の前に行われる、請求項87、88、89、90、91、92、93、または95に記載の方法。

請求項98

変更する工程が、配置した後に行われる、請求項87、88、89、90、91、92、93、または95に記載の方法。

請求項99

変更する工程がしばらくの間構造体を第2の温度に加熱する工程を含み、かつ配置する工程の後で行われる、請求項87記載の方法。

請求項100

第2の温度への構造体の加熱が減圧下で行われる、請求項99記載の方法。

請求項101

第2の温度への構造体の加熱が酸素非存在下で行われる、請求項99記載の方法。

請求項102

第2の温度が速度制御エレメントのガラス転移温度未満である、請求項98記載の方法。

請求項103

第1の温度がほぼ速度制御エレメントのガラス転移温度である、請求項98記載の方法。

請求項104

第1の温度が速度制御エレメントのガラス転移温度を超える、請求項98記載の方法。

請求項105

変更する工程が請求項91および99の工程を含む、請求項87記載の方法。

請求項106

以下のものを含む、患者の体内における身体内使用のための装置:移植可能な足場;足場と結合され、かつ患者の体内で治療能力がある薬剤を放出するように構成された、少なくとも1つの治療能力がある薬剤の少なくとも1つの供与源;および、供与源の少なくとも一部を被覆し、かつ非多孔性材料から形成されている、速度制御エレメント層。

請求項107

非多孔性材料がパリレンを含む、請求項106記載の装置。

請求項108

患者の体における条件に暴露されたときに、非多孔性材料が少なくとも部分的に多孔性になる、請求項106記載の装置。

請求項109

患者の体における条件に暴露されたときに、速度制御エレメントが分断される、請求項106記載の装置。

請求項110

速度制御エレメントが治療能力がある薬剤を含む、請求項106記載の装置。

請求項111

速度制御エレメントの治療能力がある薬剤が、供与源の治療能力がある薬剤と同じである、請求項110記載の装置。

請求項112

非多孔性材料が、プラズマ沈着された重合体、スパッターされた材料、蒸着された材料、電気メッキを施された金属、電気メッキを施された合金グロー放電被覆、ポリエチレンポリウレタンシリコーンゴムセルロース、およびパリレンからなる群より選択される、請求項106記載の装置。

--

0001

関連出願の相互参照
本出願は、2001年12月14日に出願された非仮出願の米国特許出願第10/017,500号(代理人ドケット番号(Attorney Docket No.):20460-001000US);および2001年11月1日に出願された第10/002,595号(代理人ドケット番号20460-001600)の利益を主張する。これらの出願は、本出願の譲受人に帰属する。これらの出願の完全な開示は、参照として本明細書に組み入れられる。

0002

発明の背景
発明の分野
本発明は概して、医療用具および方法に関する。より詳細には、本発明は、再狭窄の減少または阻害のための血管ステントおよび移植片などの管腔人工器官を提供する。

0003

本発明は概して、医療用具および方法に関する。より詳細には、本発明は、再狭窄の減少または阻害のための血管ステントおよび移植片などの管腔の人工器官を提供する。

0004

患者の血管の狭窄したアテローム硬化領域を治療して十分な血流回復するために、多くの経皮的な血管内の手技が開発されている。これらの治療で最も成功を収めたものは、経皮経管的血管形成術PTA)である。PTAでは、通常、膨張されるバルーンの形態で膨張可能な遠心端を有するカテーテルを、狭窄部位の血管に配置する。膨張可能な末端が膨張し、血管を拡大して、疾病領域を越えて十分な血流を回復する。狭窄領域解放するためのその他の手技は、方向性関節切除術(directional arthrectomy)、回転性関節切除術(rotational arthrectomy)、レーザ血管形成術ステント術などを含む。これらの手技は、広く受け入れられているが(単独でまたは組み合わせて、特にステント術と組み合わせたPTA)、これらは重大な不利な点をもったままである。狭窄領域を開放するためのPTAおよびその他の既知の手技に特に共通する不利な点は、再狭窄が頻発することである。

0005

再狭窄は、最初に好結果の血管形成術をした後に、動脈が再び狭小化することをいう。再狭窄は、全ての血管形成術患者の約50%までを苦しめ、管腔開放血管形成術の手技の際の血管壁に対する傷害の結果である。一部の患者では、傷害により、血管形成術による外傷を受けた領域において、「過形成」と称される平滑筋細胞増殖によって特徴づけられる回復反応を開始する。この平滑筋細胞の増殖は、血管形成術によって開放された管腔を数週〜数ヶ月以内に再び狭小化し、このために、再狭窄を軽減するために繰り返しPTAまたはその他の手技を必要とする。

0006

過形成を治療し、再狭窄を減少するために、多くの戦略提唱されている。以前に提唱された戦略は、血管形成術の間のバルーン膨張延長すること、加温したバルーンによる血管の治療、血管形成術に続く照射による血管の治療、領域におけるステント術、およびその他の手技を含む。これらの提案により、様々なレベルの成功が享受されているが、これらの手技のどれもが、実質的にまたは完全に、全ての再狭窄および過形成の発生を回避することに完全に成功するとは証明されていない。

0007

上述した治療の代わりに、または付属的に、再狭窄の阻害のためのPTA後に治療薬投与することも提唱されている。治療的な処置は、通常カテーテルを介してまたはステントから、治療能力がある薬剤押し出すか、または放出することを必要とする。多大な見込みを有するものの、再狭窄の阻害のための治療薬の送達は、完全に成功しているというわけではなかった。

0008

上述した治療の代わりに、または付属的に、再狭窄の阻害のためのPTA後に治療薬を投与することも提唱されている。治療的な処置は、通常カテーテルを介してまたはステントから、薬物を押し出すか、または放出することを必要とする。多大な見込みを有するものの、再狭窄の阻害のための治療薬の送達は、完全に成功しているというわけではなかった。

0009

したがって、血管形成術およびその他の介入性の治療に続くであろう再狭窄および過形成を減少、阻害、または治療するための改善された装置並びに方法を提供することは、意義ある進歩であると考えられる。本発明は、これらの少なくともいくつかのおよびその他の要求を満たす。

0010

背景技術の説明
再狭窄の防止のための局部的な薬物送達は、Lincoffら、(1994)Circulation 90: 2070-2084に記載されている。本発明に使用される例示的な管腔の人工器官の完全な記述は、同時係属中の2000年5月4日に出願された出願第09/565,560号(この開示の全体が、参照として本明細書に組み入れられる)に記載されている。移植可能なおよびその他の装置から活性物質を放出するための方法および装置は、米国特許第6,096,070号;第5,824,049号;第5,624,411号;第5,609,629号;第5,569,463号;第5,447,724号;および第5,464,650号に記載されている。血管内における薬物送達のためのステントの使用は、PCT公開国際公開公報第01/01957号、並びに米国特許第6,099,561号;第6,071,305号;第6,063,101号;第5,997,468号;第5,980,551号;第5,980,566号;第5,972,027号;第5,968,092号;第5,951,586号;第5,893,840号;第5,891,108号;第5,851,231号;第5,843,172号;第5,837,008号;第5,769,883号;第5,735,811号;第5,700,286号;第5,679,400号;第5,649,977号;第5,637,113号;第5,591,227号;第5,551,954号;第5,545,208号;第5,500,013号;第5,464,450号;第5,419,760号;第5,411,550号;第5,342,348号;第5,286,254号;および第5,163,952号に記載されている。生体分解性材料は、米国特許第6,051,276号;第5,879,808号;第5,876,452号;第5,656,297号;第5,543,158号;第5,484,584号;第5,176,907号;第4,894,231号;第4,897,268号;第4,883,666号;第4,832,686号;および第3,976,071号に記載されている。速度を制限する障壁としてのヒドロシロシロキサン(hydrocylosiloxane)の使用は、米国特許第5,463,010号に記載されている。ステントの被覆方法については、米国特許第5,356,433号に記載されている。移植可能な装置の生体適合性を増強する被覆は、米国特許第5,463,010号;第5,112,457号;および第5,067,491号に記載されている。薬物の送達、被覆、およびその他の用途のための多孔性並びに非多孔性材料は、米国特許第5,488,015号;第5,470,802号;第5,428,123号;第5,288,504号;第5,270,047号;第5,243,756号;第5,130,889号;第4,788,063号;第3,993,072号;および第3,854,480号に記載されている。エネルギーに基づいた装置は、米国特許第6,031,375号;第5,928,145号;第5,735,811号;第5,728,062号;第5,725,494号;第5,409,000号;第5,368,557号;第5,000,185号;および第4,936,281号に記載されている。磁気プロセス(その幾つかは薬物送達システムにおいて使用されている)は、米国特許第5,427,767号;第5,225,282号;第5,206,159号;第5,069,216号;第4,904,479号;第4,871,716号;第4,501,726号;第4,357,259号;第4,345,588号;および4,335,094号に記載されている。

背景技術

0011

本出願の開示は、以下の出願の開示に関連する:第09/782,927号(代理人ドケット番号20460-000920);第09/783,254号(代理人ドケット番号20460-000930);および第09/782,804号(代理人ドケット番号20460-000940)。

0012

上記の各々の参照の完全な開示は、参照として本明細書に組み入れられる。

0013

発明の簡単な概要
本発明は、感受性の高い組織部位の調製または治療のための改善された装置、並びにこれを製作し使用する方法に向けられる。特に、本発明は、身体上の、特に身体内の装置に向けられる。一つの態様において、本装置および方法は、血管内介入に続くであろう再狭窄および/または過形成の形成または進行を減少する。ある態様において、本装置は、感受性の高い組織部位に対して治療能力がある薬剤を提供する。好ましくは、治療能力がある薬剤は、身体に装置を導入することにより、感受性の高い組織部位に対して、直ちにまたは遅延期間の後に利用できるようになるような様式で、治療能力がある薬剤に提供される。

0014

本明細書において使用されるものとして、「感受性の高い組織部位」は、負傷しているか、または障害(例えば、疾患、医学的症状)の結果として負傷する可能性があるか、または血管内介入などの介入性手技の間もしくは後に負傷する可能性がある組織部位をいう。「血管内介入」の用語は、血管、通常は冠動脈などの動脈における、狭窄の、再狭窄の、または血栓の症状を少なくとも部分的に回復するために行われるであろう種々の矯正手技を含む。通常、矯正手技は、バルーン血管形成術を含むと考えられる。また、矯正手技は、方向性粥腫切除(directional atherectomy)、回転性粥腫切除(rotational therectomy)、レーザ血管形成術、ステント術等を含み得、処置された血管の管腔が拡大されて、治療前に存在した狭窄の症状を少なくとも部分的に軽減する。感受性の高い組織部位は、身体内の管腔、器官、または局在性腫瘍に関連した組織を含みうる。本明細書において使用されるものとして、「身体内」の用語は、身体内の、体内管腔または内部身体組織および/もしくは器官をいう。体内管腔は、患者の血管のいずれの血管であってもよく、静脈、動脈、大動脈、特に冠状動脈および末梢動脈を含み、並びに以前に移植された移植片、シャント瘻孔などを含む。また、本発明は、過剰の新生物細胞増殖を受けた胆管などのその他の体内管腔に適用されてもよいことが認識されるであろう。身体内部の組織および器官の例は、種々の器官、神経、、管などを含む。ある態様において、本装置は、血管のステントまたは移植片などの管腔の人工器官を含む。もう一つの態様において、本装置は、心臓ペースメーカーリードもしくはリードチップ心臓除細動器のリードもしくはリードチップ、心臓弁縫合糸、もしくは針、ペースメーカー整形用の装置、器具インプラントもしくは代替品、または上記のいずれかの一部を含んでいてもよい。

0015

本明細書において使用されるものとして、「治療能力がある薬剤」の用語は、治療下において身体(例えば、ヒト被験者)に導入される際に治療的である、または被検者の身体に入った後(もしくは、場合によっては、身体の表面にさらされたとき)に、例えば、天然のもしくは非天然の物質との反応または条件によって治療的となる、少なくとも1つの化合物を含む。天然の条件の例は、pH(例えば、酸度)、化学物質、温度、塩分、伝導度、体内管腔/器官の収縮性または膨張性の変化、および本装置を通過して流れるまたは接触する体液拍動性質を含み;非天然の条件は、磁界および超音波などのものを含む。本出願において、任意の治療能力がある薬剤またはその他の化合物の化学名は、化合物自体、およびプロドラッグ(体内で化合物の活性型に変換される前駆体物質)、および/またはその薬学誘導体類似体、もしくはその代謝産物(化合物が体内で直接、または、その他の薬剤もしくは条件(例えば、酵素的化学的エネルギー的)、もしくは環境(例えば、pH)の導入によって変化する生理活性化合物)をいうために使用される。

0016

ある態様において、本装置は、構造体および構造体に結合された少なくとも1つの治療能力がある薬剤の少なくとも1つの供与源を含む。一つの態様において、本装置は、構造体の少なくとも一部に隣接して配置され、または形成された速度制御エレメントをさらに含む。治療能力がある薬剤は、身体に本装置を導入することにより、直ちにまたは遅延期間の後に、感受性の高い組織部位に利用できるようになるような様式で、構造体および速度制御エレメントのいずれかまたは両方に、少なくとも一部が結合されている。本明細書において使用されるものとして、「結合される」の用語は、直接または間接的に、繋がれ(coupled to)、連結され(connected to)、上に配置され(disposed on)、内部に配置され(disposed within)、付着され(attached to)、接着され(adhered to)、密着され(bonded to)、隣接し(adjacent to)、閉じこめられ(entrapped in)、そしてその類似の構成などの、いずれかの結合の形態をいう。

0017

ある態様において、本装置は、身体内の標的部位(例えば、体の器官または管腔)を含む身体内に移植可能である。身体内の標的部位は、感受性の高い組織部位を含んでもよく、または代替的に、感受性の高い組織部位に血液を供給する動脈などの供給部位であってもよい。

0018

一つの態様において、構造体は、膨張可能な構造体であってもよい。もう一つの態様において、構造体は、実質的に一定の大きさもしくは直径を有してもよく、または代わりに、適用および使用に依存して、縮小可能な構造体であってもよい。膨張可能な構造体は、ステントの形態(これは、さらに管腔の開存性を維持する)であっても、または移植片の形態(これは、さらに管腔壁の強度を保護もしくは増強する)であってもよい。本装置は、少なくとも一部に、足場、好ましくは少なくとも一部が開放性格子から形成されたものを含んでいてもよい。選択的に、足場は、少なくとも実質的に閉鎖された表面を含む。膨張可能な構造体は、放射状に膨張可能であってもよい。構造体は、自己膨張性であっても、またはバルーンなどの別の物によって膨張可能であってもよい。ある態様において、構造体は、少なくとも1つの表面、通常、組織に面した表面を含む。もう一つの態様において、構造体は、組織に面した表面、もう1つの表面、通常は管腔の表面、および2つのエッジ面を含む。ある態様において、構造体は、2つの表面、通常、組織面および管腔表面の間に配置された内部を有していてもよい。ある態様において、構造体は、膨張もしくは収縮による種々の機械的応力もしくは歪力プロフィールを有する部分、または体を流れる体液(例えば、血液もしくはその他の体液)の実質的にダイレクトライン内の領域を含む。例として、身体内に移植されたときに、構造体の異なる部分が装置の膨張の間に異なる応力特性を示してもよい。一つの態様において、構造体は、お互いに関して機械的応力または歪力プロフィールが相対的に低い部分および相対的に高い部分を含む。「異なる機械的プロフィールを有する」の用語は、本明細書において、構造体または人工器官のこの特性をいうために使用される。ある態様において、装置は、軸方向に異なる被覆プロフィールを含み、その結果、人工器官が異なるプロフィールの治療能力がある薬剤および/または速度制御エレメントを含み、体液の直接の流れの中にあることにより多くの乱流に供される。

0019

供与源は、構造体の少なくとも一部に隣接して配置または形成されうる。供与源は、膨張可能な構造体のいずれかもしくは両方の表面の少なくとも一部に隣接して、2つの表面の間に配置された構造体の内部において、エッジのいずれかもしくは両方に隣接して、またはこれらのいずれかを組合せて、配置または形成されてもよい。構造体および速度制御エレメントのいずれかもしくは両方と治療能力がある薬剤の結合は、連続しているか、または別々のセグメントであってもよい。一つの態様において、供与源は、構造体および/または速度制御エレメントの一部のみ、好ましくは、低い機械的な応力プロフィールを有する領域に隣接して配置または形成される。

0020

膨張可能な構造体は、金属、重合体、またはその組み合わせなどの任意の適した材料から形成されてもよい。一つの態様において、膨張可能な構造体は、重合体材料金属材料、またはその組み合わせからなる群より選択される、少なくとも部分的に生体分解性の材料から形成されてもよい。少なくとも部分的に生体分解性の材料は、好ましくは時間とともに分解する。重合体材料の例には、構造体が分解する前に血管を回復することができるように遅延性分解される、ポリ-L-乳酸が含まれる。金属材料の例としては、ステンレス鋼などの身体中で分解可能な金属または合金が含まれる。本発明に使用される典型的なステントは、同時係属出願第09/565560号に記載されており、この完全な開示は、参照として本明細書に組み入れられる。

0021

ある態様において、装置は概して、近位のおよび遠位の末端、並びに組織および管腔に面した表面を有する円柱形フレームを含むステントである。本装置は通常、環を含む複数の放射状に膨張可能なユニットセグメントをさらに含む。環は、好ましくは曲がりくねった形状を有する。ある態様において、ユニットセグメントは、好ましくは、例えば膨張の結果として示されるであろう、異なる機械的プロフィールを有するセグメントを含む。ある態様において、いくつかの環は、膨張リンクを介して少なくとも1つの軸方向に隣接した環でつながれていてもよい。リンクは、好ましくはS字形の形状を有し、より好ましくは、S字形状はその長さに沿って相対的に平滑なプロフィールを有し、膨張によるキンクを最小化または減少させる。同様に、リンクは、これらの長さに沿って異なる機械的プロフィールを有するセグメントを含んでいてもよい。例えば、ジョイントおよび/またはリンクは、これらの長さに沿って、相対的に低い機械的プロフィール部分を有し、ベンドポイント交点、ジョイント、または乱流にさらされる領域において相対的に高い機械的プロフィール部分を有していてもよい。好ましくは、供与源は、構造体の表面に面する組織に隣接して配置される。好ましくは、本部分は、相対的に低い機械的プロフィールを有する構造体の領域である。

0022

一つの態様において、供与源および/または速度制御エレメントは、構造体の一部のみに独立して配置され、好ましくは、本部分は、相対的に低い機械的プロフィールを有する。もう一つの態様において、供与源は、相対的に低い機械的プロフィール領域に配置されてもよく、一方、速度制御エレメントは、低い機械的プロフィール領域、または低いおよび高い機械的プロフィール領域のいずれかにわたって配置される。

0023

治療能力がある薬剤は、上記の通りの1つまたは複数の方法で、構造体(例えば、膨張可能な構造体)および速度制御エレメントのいずれかまたは両方と結合されていてもよい。治療能力がある薬剤は、膨張可能な構造体に隣接して(例えば、上にまたは中に)配置されてもよい。代わりにまたはさらに、治療能力がある薬剤は、所望の実行(例えば、放出速度)を提供するパターンで、速度制御エレメントに隣接して(例えば、上にまたは中に)、または構造体と速度制御エレメントとの間の界面に配置されてもよい。もう一つの態様において、装置は、治療能力がある薬剤を含む外層を含む。ある態様において、治療能力がある薬剤の外層は、身体に装置を導入することにより治療能力がある薬剤のビュラス(bulous)放出を提供する。一つの態様において、供与源は、例えば、治療能力がある薬剤、および治療的な能力がある別の薬剤または効力を与える化合物などの別の化合物として、複数の化合物を含んでいてもよい。複数の化合物の各々は、供与源において、同じかまたは異なる領域にあってもよい。

0024

速度制御エレメントは、非分解性の材料、部分的に分解性の材料、実質的に分解性の材料、またはこれらの組み合わせから形成されていてもよい。材料は、合成のもしくは天然の;非重合体の、重合体の、セラミックの、もしくは金属の;またはこれらの組み合わせであってもよい。速度制御エレメントは、多孔性、マイクロ多孔性、ナノ多孔性、もしくは非多孔性の形態、またはこれらの任意の組み合わせを有していてもよい。好ましくは、装置が多孔性速度制御エレメントを含むときは、非多孔性の速度制御エレメントの少なくとも1つの層が、供与源と多孔性速度制御エレメントとの間に配置される。

0025

好ましい態様において、速度制御エレメントは、非多孔性材料、通常は非多孔性の共形(conformal)材料から形成される。適した非多孔性材料の例は、プラズマ沈着させた重合体;スパッターさせ、気化させ、電気メッキした金属および/または合金;グロー放電被覆;ポリエチレンポリウレタンシリコーンゴムセルロース;およびパリレンC、N、D、F、またはその組み合わせ、通常パリレンCを含むパリレンを含むが、これらに限定されない。ある態様において、装置は、少なくとも部分的に、治療能力がある薬剤に結合するように構成されている、もう一つの速度制御エレメント層を含む。ある態様において、ウシ血清アルブミンBSA)が非多孔性の速度制御エレメント(例えば、パリレン)に隣接して配置され、その結果、治療能力がある薬剤(例えば、ミコフェノール酸)が非多孔性の速度制御エレメントから拡散または溶出する際に、治療能力がある薬剤はBSAと結合し、治療能力がある薬剤の放出をさらに遅延または制御する。治療能力がある薬剤と結合できるもう一つの速度制御エレメントのその他の例は、ポリエチレンイミンなどの四級アンモニウム化合物を含む。一つの態様において、ヒドロゲル化合物は、治療能力がある薬剤および速度制御エレメントのいずれかもしくは両者の下に、またはマトリックスに配置される。体液がヒドロゲル化合物と接触すると、ヒドロゲル化合物が膨張して、速度制御エレメントを介して例えば速度制御エレメント層の分断を引き起こすことによって、治療能力がある薬剤の流れまたは拡散の特性に変化を引き起こす。

0026

本明細書で定義されるものとして、「多孔性材料」は、開放性のセル構造体を有する重合体材料または構造体をいう。このような材料は、マクロ多孔性、マイクロ多孔性(例えば、約1〜約100ミクロンの範囲のサイズのセル/孔サイズを有する)、ナノ多孔性(例えば、ナノメートル範囲のセル/孔サイズを有し、重合体を形成する重合体鎖の実際の長さよりも長い)として分類することができる。このような多孔性材料の典型的な鎖長は、約2〜約100オングストローム(Å)の範囲である。本明細書において使用されるものとして、「非多孔性材料」は、孔を有していないか、または材料の通常の自由体積より小さな孔サイズを有する被覆を含む材料をいう。自由体積は、分節状運動に到達できる材料における分子間の間隔に関連する。ある態様において、速度制御エレメントは、速度制御エレメント分子の体積と同等または2倍よりも小さな自由体積を有する。

0027

分子レベルにおいて、全てではないにしても、ほとんどの固体および/または非多孔性の重合体は、鎖運動が可能な何らかの自由体積を少なくとも有する。自由体積の間隔の大きさは通常、分子鎖長フラクションオーダーであり、従って用語は非多孔性である。温度が増大すると、鎖運動および自由体積も増大する。

0028

ある態様において、速度制御エレメント(供与源を被覆する外層としておよび/またはマトリックス材料として)による供与源からの治療能力がある薬剤の放出の速度は、治療能力がある薬剤分子の「分配係数」および拡散率、並びに速度制御エレメントの厚さによる影響を受ける。

0029

同じ非多孔性の重合体速度制御エレメントにおいても、異なる治療能力がある薬剤の溶解度は、非常に異なる。治療能力がある薬剤−重合体速度制御エレメントの溶解度は、以下のいずれかの1つまたは複数を含むいくつかの因子に依存する:治療能力がある薬剤および非多孔性の重合体速度制御エレメントの化学構造の差、治療能力がある薬剤および速度制御エレメントにおける官能基の存在および特徴、水素結合イオン結合、または二者間のその他の結合、分子量、治療能力がある薬剤および非多孔性の重合体速度制御エレメントの立体化学配位結晶性無定形の状態、系の温度、重合体速度制御エレメントにおける治療能力がある薬剤の溶質活量係数、治療能力がある薬剤の結晶が重合体速度制御エレメントに溶解または可溶化されるときに吸収されるモル融解熱

0030

非多孔性の重合体速度制御エレメントを介した治療能力がある薬剤の拡散は、分子エネルギー(例えば、振動回旋並進)、および分子間の引力/反発(同じ材料の部分の間または2つの異なる材料の間のもの)などの多くの因子に依存する。重合体および治療能力がある薬剤および/または速度制御エレメントの高次構造は、鎖長、分子構造結晶化度、および架橋度を含む種々の因子に依存する。

0031

ある態様において、速度制御エレメントが非多孔性材料から形成されている場合、身体内における構造体の膨張により、速度制御エレメントは、速度制御エレメント上または内において、少なくとも部分的に分断領域を形成してもよい。分断部により、供与源への溶出媒体(例えば、血液などの体液、水、血清、組織、間質液)の輸送、または供与源からの標的とされた身体内の部位への治療能力がある薬剤の輸送のいずれかもしくは両方が可能である。供与源への体液の輸送は、標的とされた身体内の部位へ戻る治療能力がある薬剤の輸送を助ける。一つの態様において、液体の流れの直接のライン内にある装置の少なくとも一部において、移植された装置に分断部が形成されていてもよい。

0032

例として、時間とともに少なくとも部分的に分解する金属材料は、速度制御エレメント;並びに大きい分子量、極性もしくは非極性の官能基、電気電荷立体障害基、疎水性親水性、または両親媒性の部分を有する非重合体として使用してもよい。装置は、複数の速度制御エレメントであって、それぞれが同じまたは異なる化学的および物理的なプロフィールおよび特性を有し、それぞれが類似のまたは異なる位置において存在し、かつ治療能力がある薬剤を含まないか、同じか、または異なった治療能力がある薬剤を含む速度制御エレメントを含んでもよいことが、理解されるはずである。もう一つの態様において、装置は、緩徐なまたは迅速な放出を可能にするために厚さを変えられる、供与原および速度制御エレメントの両方を有する領域(例えば、装置の遠位および近位の末端)を含んでいてもよい。

0033

適した非分解性またはゆっくりと分解する速度制御エレメント材料は、ポリウレタン、ポリエチレンイミン、酢酸酪酸セルロースエチレンビニルアルコール共重合体シリコーンポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluorethylene:PTFE)、パリレン、パリラスト(parylast)、ポリ(メチルメタクリレートブチレート)、ポリ-N-ブチルメタクリレート、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ2-ヒドロキシメタクリル酸エチルポリエチレングリコールメタクリレートポリ塩化ビニル、ポリ(ジメチルシロキサン)、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリエチレンビニルアセテートポリカーボネートポリアクリルアミドゲルN-ビニル-2-ピロリドン無水マレイン酸ナイロンステアリル塩化アンモニウムおよびベンジル塩化アンモニウムを含む四級アンモニウム化合物、酢酸酪酸セルロース(CAB)、並びにその他の合成または天然の重合体物質を含むものなど;その混合物、共重合体、並びにこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。ある態様において、速度制御エレメントは、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン、パリラスト(parylast)、ポリウレタン、パリレン、酢酸酪酸セルロースからなる群より選択される材料、その混合物、共重合体、およびその組み合わせから形成される。

0034

適した生体分解性の速度制御エレメント材料は、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)および共重合体、ポリジオキサノン、ポリ(グルタミン酸エチル)、ポリ(ヒドロキシ酪酸)、ポリヒドロキシバレレートおよび共重合体、ポリカプロラクトンポリ酸無水物、ポリ(オルトエステル);ポリ(イミノカーボネート)、ポリエステルアミドポリエステルアミンポリシアノアクリレートポリホスファゼン(polyphosphazene)、共重合体、およびその他の脂肪族ポリエステル、またはポリ-L-乳酸およびポリ-e-カプロラクトンの共重合体を含むその適した共重合体;その混合物、共重合体、並びにこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。適した材料のその他の例は、米国特許第5,610,241号に開示され、Leeらに対して発行された重合体を含み、これはその全体が参照として本明細書に組み入れられる。Leeは、生体分解性のバックボーン、および反応性アミノ酸基および/または保護アミノ酸基を有する側鎖を有するグラフト重合体を開示している。グラフト重合体は、カルボニル基およびカルボニル基の炭素に対するアルファ炭素を有し、カルボニル炭素に対するアルファ炭素にH原子を有し、かつバックボーンカルボニル基に対するバックボーンアルファ炭素において、その側鎖アミノ酸ペンダント基が反応性のアミノ酸基および/または保護アミノ酸基を含むペンダント基のカルボニル部分で鎖アミノ酸ペンダント基に接合された生体分解性のホモ重合体または共重合体バックボーンから本質的に成る、生体分解性のホモ重合体または共重合体の開始材料から得られる。

0035

グラフト重合体は、その他の保護された反応基を有するアミノ酸ハロゲン化物を、カルボニル基の炭素に対するアルファ炭素にカルボアニオンを含む生体分解性の重合体と反応させ、次いで保護基を脱保護することによって調製される。

0036

適した天然の材料は、フィブリンアルブミンコラーゲンゼラチングリコサミノグリカン類オリゴ糖ポリ糖類、コンドロイチンリン脂質類ホスホリルコリン糖脂質タンパク質アミノ酸、セルロース、およびこれらの混合物、共重合体、または組み合わせを含む。ある態様において、速度制御エレメントは、ウシ血清アルブミン(BSA)を含む。

0037

その他の適した材料は、チタンクロムニチノール、金、ステンレス鋼、金属合金、セラミック、またはこれらの組み合わせ;および、速度制御エレメント材料(例えば、非重合体化合物)と治療能力がある薬剤の相互作用(例えば、化学反応高分子量、立体障害、疎水性、親水性、両親媒性、加熱)の結果として治療能力がある薬剤を放出しうるその他の化合物を含む。例としては、電気化学的腐食経路によって腐食を促進するような異なる電気化学的能力を有する2つ以上の金属または金属合金の組み合わせを使用してもよい。

0038

分解性材料は、バルク分解または加水分解によって分解してもよい。ある態様において、速度制御エレメントは、その全体が、または好ましくは表面の分解もしくは加水分解によって、分解または加水分解し、その際、速度制御エレメントの表面は時間とともに分解または加水分解するが、大きさの完全性(bulk integrity)は維持されている。もう一つの態様において、疎水性の速度制御エレメントは、所望の放出速度で治療能力がある薬剤を放出する傾向があるので好ましい。非分解性の速度制御エレメントは、拡散によって治療能力がある薬剤を放出しうる。

0039

ある態様において、例えば治療能力がある薬剤が重合体材料である場合、治療能力がある薬剤は、速度制御エレメントである。ある態様において、治療能力がある薬剤は、単独でまたはマトリックス材料と結合してマトリックスを形成する。本明細書に使用されるものとして、「マトリックス」の用語は、治療能力がある薬剤と速度制御エレメントおよび/またはその他の化合物との間の結合をいう。ある態様において、マトリックスは、速度制御エレメントと治療能力がある薬剤および/またはその他の化合物/類との間に形成されたマトリックス界面を含む。ある態様において、速度制御エレメントは、同じまたは異なる材料から形成された多くの隣接する層を含んでいてもよい。治療能力がある薬剤は、1つまたは複数の速度制御エレメント層に隣接して存在していてもよい。加えておよび/または代わりに、治療能力がある薬剤は、1つまたは複数の速度制御エレメント層を有するマトリックスおよび/またはマトリックス界面を形成してもよい。

0040

治療能力がある薬剤は、免疫抑制薬抗炎症剤抗増殖剤、抗遊走剤、抗線維症剤アポトーシス誘発剤カルシウム拮抗薬抗腫瘍剤抗癌剤、抗体、抗血栓剤抗血小板剤、IIb/IIIa剤、抗ウイルス薬、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてもよい。

0041

治療能力がある薬剤の具体的な例としては:ミコフェノール酸、ミコフェノール酸モフェチルミゾリビンメチルプレドニゾロンデキサメサゾン、セルチカン(Certican)(商標)、ラパマイシントリプトリド(商標)、メトトレキセート(商標)、ベニジピン(商標)、アスコマイシン(Ascomycin)(商標)、ワートマニン(商標)、LY294002、カンプトセシン(商標)、トポテカン(Topotecan)(商標)、ヒドロキシ尿素タクロリムス(商標)(FK506)、シクロホスファミドシクロスポリンダクリズマブ(daclizumab)、アザチオプリンプレドニゾンゲムシタビン(Gemcitabine)(商標)、シロスタゾール(Pletal(商標))、トラニラストケルセチンスラミン;これらの代謝産物、誘導体、および組み合わせを含む。

0042

ある態様において、治療能力がある薬剤の供与源は、重合体の構造体上のサブユニットとして治療能力がある薬剤部分を含む重合体材料である。治療能力がある薬剤部分は、重合され、適切な結合(例えば、エチレン結合)を介してお互いに結合し、治療能力がある薬剤の重合体を形成する。治療能力がある薬剤の重合体は、一旦血液などの組織または体液と接触すると、治療能力がある薬剤の重合体のサブユニットが分離する。または、治療能力がある薬剤は、治療能力がある薬剤の重合体が、好ましくは表面の分解またはは加水分解を介して分解または加水分解して、好ましくは時間経過に従って感受性の高い組織部位に対して治療能力がある薬剤を利用可能とするように、放出されてもよい。治療能力がある薬剤を重合するための方法および化合物の例は、Kathryn Uhrichによる、表題「Polyanhydrides With Therapeutically Useful Degradation Products」の特許出願、国際公開公報第99/12990号(ラトガーズ大学に帰属する)に記載されており、この完全な開示は参照として本明細書に組み入れられる。治療能力がある薬剤および反応に適した成分ユニットの例には、酸触媒されるエステル化反応におけるアジピン酸および/またはサリチル酸を伴うミコフェノール酸;酸触媒されるエステル化反応におけるアスピリンおよび/またはアジピン酸を伴うミコフェノール酸、酸その他のNSAIDを伴うミコフェノール酸、および/または触媒されるエステル化反応におけるアジピン酸を含む。ある態様において、治療能力がある薬剤の重合体は、重合体のおよび/または金属のバックボーンを伴っていてもよい。

0043

本発明の装置は、1つもしくは複数の相が、同じかまたは異なる実行(例えば、放出)プロフィールを有する1つもしくは複数の相において、治療能力がある薬剤を放出するか、または利用可能にするように配置してもよい。治療能力がある薬剤は、持続性断続性、または連続性で;1つまたは複数の相および/または送達速度で;1つまたは複数の平滑筋細胞増殖、炎症、免疫応答高血圧、または同様のものの活性化の補完のいずれかを減少するために有効であろう量で、組織が利用できるように作製されてもよい。少なくとも1つの治療能力がある薬剤のいずれか1つが、増殖/再狭窄の活性を妨げることもしくは減少すること、血栓形成を減少することもしくは阻害すること、血小板活性化を減少することもしくは抑制すること、血管攣縮を減少することもしくは妨げること等を含む1つまたは複数の機能を実行してもよい。

0044

放出速度を、速度制御エレメントの大きさ、量、位置、弾性(すなわち、速度制御エレメント重合体は、装置の屈曲の際に伸びるまたは弛緩するため)、および治療能力がある薬剤の疎水性によってさらに制御してもよい。例としては、ミコフェノール酸(MPA)よりも疎水性の治療能力がある薬剤のメチプレドニソロン(methyprednisolone:MP)は、周囲の身体内の部位または回避培地内にミコフェノール酸よりも遅い速度で放出される。

0045

組織が利用できるようにした治療能力がある薬剤の総量は、部分的には、所望の治療結果のレベルおよび量に依存する。治療能力がある薬剤は、1つまたは複数の相であって、それぞれがその他の相と同様のまたは異なる放出の速度および期間を有する相において利用できるようにされてもよい。放出速度は、予め定義されていてもよい。ある態様において、放出の速度は、感受性の高い組織部位に対して持続可能なレベルの治療能力がある薬剤を提供するであろう。もう一つの態様において、放出の速度は、実質的に一定である。速度は、減少させてもよく、および/または時間とともに増大してもよく、これは、選択的に、実質的に放出しない期間を含んでいてもよい。放出速度は、複数の速度を含んでもよい。ある態様において、複数の放出速度は、実質的に一定である、減少する、増大する、実質的に放出しない、からなる群より選択される少なくとも2つの速度を含む。

0046

利用可能にされたまたは放出された治療能力がある薬剤の総量は、典型的には約0.1μg〜約10g、一般に約0.1μg〜約10mg、好ましくは約1μg〜約10mg、より好ましくは約1μg〜約2mg、10μg〜の約2mg、または約50μg〜約1mgの範囲の量であると考えられる。

0047

ある態様において、治療能力がある薬剤は、本装置の移植時間から測定して、約1日〜約200日;約1日〜約45日;または約7日〜約21日の範囲の時間で放出されてもよい。

0048

ある態様において、1日あたりの治療能力がある薬剤の放出速度は、約0.001マイクログラム(μg)〜約1000μg、通常約0.001μg〜約200μg、通常約0.5μg〜約200μg、および典型的には、約1μg〜約60μgの範囲で変動してもよい。

0049

一つの態様において、速度制御エレメントは、標的とされた組織部位へ速度制御エレメントを横切る(または、マトリックスによる場合には、通る)治療能力がある薬剤のフラックス(flux)密度が、約1.71x10-14μg/(cm2s)〜約1.71x10-8μg/(cm2s)、通常約1.71x10-14μg/(cm2s)〜約1 3.43x10-9μg/(cm2s)、通常約8.57x10-12μg/(cm2s)〜約3.43x10-9μg/(cm2s)、および典型的には約1.71x10-11μg/(cm2s)〜約1.03x10-9μg/(cm2s)の範囲であるような、物理的および/または化学的特性(例えば、厚さなどの物理的な大きさおよび重合体の化学構造などの化学的性質)の特性を有するように構成される。所望の屈曲(flex)密度は、治療能力がある薬剤と速度制御エレメントとの間の総界面積、速度制御エレメントを横切る(または、マトリックスによる場合には、通る)治療能力がある薬剤の拡散係数による影響を受ける。したがって、薬物の性質、および所望の治療的な用量(例えば、総フラックス(μg/日))、および装置のデザイン(例えば、治療能力がある薬剤を含む装置の総面積)、種々の特性(例えば、物理的および/または化学的)に依存して、所望の結果を生じさせるように構成されてもよい。

0050

治療能力がある薬剤は、最初の相および1つまたは複数の次の相において利用できるようにしてもよい。治療能力がある薬剤は、異なる相において送達される場合は、初期の送達速度は、典型的には約0〜約99%の次の放出速度、通常約0%〜約90%、好ましくは約0%〜75%であると考えられる。ある態様において、最初の相における物質の哺乳類の組織中濃度は、典型的には約0.001ナノグラム(ng)/mgの組織〜約100μg/mgの組織;約1ng/mgの組織〜約100μg/mgの組織;約1ng/mgの組織〜約10μg/mgの組織の範囲内であると考えられる。次の相における物質の哺乳類の組織中濃度は、典型的には約0.001ng/mgの組織〜約600μg/mgの組織、好ましくは約1ng/mgの組織〜約10μg/mgの組織の範囲内であると考えられる。

0051

最初の相の間の送達速度は、典型的には1日につき約0.001ng〜約50μg、通常1日につき約0.1μg〜約30μg、より好ましくは、1日につき約1μg〜1日につき約20μgの範囲であると考えられる。次の相の送達速度は、1日につき約0.01μg〜1日につき約200μg、通常1日につき約1μg〜1日につき約100μgの範囲であってよい。一つの態様において、治療能力がある薬剤は、プログラムされた方法および/または制御された方法で、効率および/または効能が増大されて、感受性の高い組織部位において利用できるようにされる。さらに、本発明は、血管壁の内皮化(endothelialization)に対する障害の制限または減少をもたらす。

0052

最初の、次の、およびその他のさらなる相の期間は変化させてもよい。例えば、治療能力がある薬剤の放出は、最初の装置の移植から遅らせてもよい。典型的には、遅れは、処置された部位において十分なセルラライゼーション(cellularization)または内皮化(endothelialization)を生じさせるために十分な長さである。典型的には、最初の相の期間は、本装置の少なくとも一部において、初期のセルラライゼーション(cellularization)または内皮化(endothelialization)をさせるために十分に長い時間である。典型的には、最初の相の期間は、遅延相または放出相であるかにかかわらず、通常約12週未満、さらに通常約1時間〜約8週、より好ましくは約12時間〜約4週、約12時間〜約2週、約1日〜約2週、または約1日〜約1週である。

0053

また、次の1つまたは複数の相の期間は、典型的には、約4時間〜約24週、約1日〜約12週、約2日〜約8週、より好ましくは約3日〜約50日の範囲で変更してもよい。ある態様において、特定期間は、血管の環境に関する。1つ以上の相が、同様のもしくは異なる放出の期間、量、および/または速度を含んでいてもよい。例えば、1つのシナリオにおいて、遅延性の最初の相、続く第1の次の放出の速度の相、および第2の次の放出の速度の第2の次の相などがあってもよい。

0054

本装置が、複数の化合物(例えば、第1の治療能力がある薬剤、およびもう一つの治療能力がある薬剤または可能にする化合物などのもう一つの化合物)を含む供与源を含む場合、複数の化合物が、同じ層または存在するならば異なる層から、異なる時間および/または速度で放出されてもよい。複数の化合物のそれぞれは、別の介入性手技とは独立して、同時またはその後に利用できるように作製されてもよく、お互いに同時または経時的であってもよい。例えば、第1の治療能力がある薬剤(例えば、トリプトリド(商標))は、介入性手技の時から、2日〜3月の期間内に放出される第2の治療能力がある薬剤(例えば、ミコフェノール酸)と共に、1日〜45日の期間内に放出されてもよい。

0055

さらに、本装置の生体適合性を与えるまたは増強するために、供与源および/または本装置の最外層全体に、生体適合性の(例えば、血液適合性を持つ)層を形成してもよい。生体適合性層として使用するために適した生体適合物質は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ヒドロゲル、シリコーン、ポリウレタン、ヘパリンの被覆を含むが、これらに限定されない。

0056

ある態様において、本装置は、もう一つの治療能力がある薬剤などのもう一つの化合物、または治療能力がある薬剤の放出および効力のいずれかもしくは両方を可能とするおよび/または増強するもう一つの化合物を更に含む。もう一つの治療能力がある薬剤は、第1の治療能力がある薬剤と同じまたは異なる様式の膨張可能な構造体を伴ってもよい。

0057

もう一つの治療能力がある薬剤は、治療能力がある薬剤によって生じ得る可能性がある反応および副生成物代償するなどの様式で、治療能力がある薬剤と相乗作用して作用してもよい。例えば、治療能力がある薬剤は、所望の内皮細胞の生成を減少させてもよく、従って、適した治療的な能力があるもう一つの薬剤を含むことにより、より多くの内皮化(endothelialization)が達成されてもよい。

0058

もう一つの治療能力がある薬剤は、抗癌剤;化学療法薬血栓溶解剤血管拡張剤抗微生物または抗生物有糸分裂阻害剤成長因子アンタゴニストフリーラジカルスカベンジャ;生物学的な薬剤;放射線療法剤放射線不透過剤放射標識された薬剤;ヘパリンおよびその誘導体などの血液凝固阻止剤サリドマイド(商標)などの抗血管形成治療能力がある薬剤;血管形成治療能力がある薬剤;PDGF-Bおよび/またはEGF阻害剤乾癬治療能力がある薬剤を含む抗炎症薬リボフラビンチアゾフリン;ザフリン(zafurin);アセチルサリチル酸などのシクロオキシゲナーゼ阻害剤クロピドグレル(例えば、プラビックス(Plavix)(商標))およびチクロピジン(例えば、チクリド(Ticlid)(商標))などのADP阻害剤、シロスタゾール(例えば、プレタール(Pletal)(商標))などのホスホジエステラーゼIII阻害剤アブシキシマブ(abciximab)(例えば、レオプロ(Rheopro)(商標))などの糖タンパク質IIb/IIIa薬を含む抗血小板剤;エプチフィバチド(eptifibatide)(例えば、インテグリン(Integrilin)(商標))、およびジピリダモールなどのアデノシン再取り込み阻害剤;抗酸化剤酸化窒素ドナーを含む治癒剤および/または促進剤;制吐剤;制嘔吐剤;これらの誘導体および組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つの化合物を含んでいてもよい。もう一つの治療薬は、同じまたは異なる速度および相において、治療能力がある薬剤の前に、同時に、または後に放出されてもよい。

0059

ある態様において、もう一つの化合物は、外部のエネルギー形態または天然の状態に応答して、治療能力がある薬剤の放出に影響を及ぼすことができる化合物を含む。応答可能な化合物は、治療能力がある薬剤、速度制御エレメント、膨張可能な構造体、またはこれらの組み合わせと結合していてもよい。第2の可能にする化合物は、治療能力がある薬剤に結合された磁性粒子から形成されていてもよい。エネルギー源は、移植の後に人工器官において磁界を向けて、治療能力がある薬剤の放出を生じさせるための磁気供与源であってもよい。

0060

本発明の装置を製造するための方法のある態様において、移植可能な構造体は、治療能力がある薬剤の供与源を提供する。治療能力がある薬剤が被覆された構造体は、通常、治療能力がある薬剤の融点とほぼ同じ温度かそれ未満の温度にしばらくの間加熱される。また、加熱工程の期間に依存して、より低いまたはより高い温度が使用されてもよい。ある態様において、加熱は、治療能力がある薬剤の結晶化度の変化を助け、従って、速度制御エレメント下により一様な表面を提供する。別の態様では、治療能力がある薬剤で被覆された構造体は、速度制御エレメントが構造体上に提供された後にも加熱される。

0061

もう一つの態様において、治療能力がある薬剤/速度制御エレメントで被覆された構造体は、速度制御エレメントのガラス転移温度(Tg)とほぼ同じ温度またはそれ未満の温度に加熱される。また、より高いまたはより低い温度を、加熱工程の期間に適切に適応させて使用してもよい。一つの態様において、加熱は、減圧下および/または酸素の不存在下で行われる。この温度への被覆された装置の加熱では、装置の残留応力の減少を補助することにより、速度制御エレメント被覆における望ましくない分断部を形成する可能性が減少される。一部の態様において、装置が身体内に移植される前および/または後に分断部が存在するように、意図して装置に設計されてもよい。また、熱以外のその他のエネルギーの形態、例えば超音波または振動エネルギーを、残留応力を減少させる際に使用してもよい。

0062

本発明は、移植可能な足場であって、これと結合した少なくとも1つの治療能力がある薬剤の少なくとも1つの供与源を有し、かつ足場が移植されたときに放出されるように構成された移植可能な足場を含む身体内の装置をさらに提供する。非多孔性材料を含む速度制御エレメントは、供与源の少なくとも一部を被覆する。好ましくは、非多孔性材料は、パリレンを含み、より好ましくは本質的にパリレンからなり、そして多くの場合パリレンからなる。しかし、その他の非多孔性材料は、プラズマ沈着された重合体、スパッターされた材料、蒸着された材料、電気メッキを施された金属、電気メッキを施された合金、グロー放電被覆、ポリエチレン、ポリウレタン、シリコーンゴム、セルロースなどにも使用が見出されるであろう。通常、非多孔層は、移植された領域、典型的には血管における条件にさらされたときに、少なくとも部分的に多孔性になる。または、速度制御メンバーは、分断されてもよく、例えば、移植されたときに、ひびが入るかまたは穴を形成してもよい。多くの場合、治療能力がある薬剤は、速度制御エレメントに存在し、通常、供与源のものと同じ物質である。

0063

発明の詳細な説明
図1A-1Cおよび横断面図面の図2A-2Nは、本発明の特徴を具体化する人工器官13などの装置10を図示しており、かつ感受性の高い組織部位22、および治療能力がある薬剤28を含む膨張可能な構造体16に隣接する供与源25を含む体内管腔19などの、一般に身体内に移植可能な膨張可能な構造体16を含む。装置10は、示したとおり、体内管腔19に配置されている。図に示された供与源25は、膨張可能な構造体の表面に隣接して配置されているが、隣接するという語が、典型的な図または記述によって限定されることが企図されないことは認識されるべきである。

0064

本明細書において使用されるものとして、「治療能力がある薬剤」の用語は、治療下において身体(例えば、ヒト被験者)に導入される際に治療的であるか、または被検者の身体に入った後(または、場合によっては、身体の表面にさらされたとき)に、例えば天然のもしくは非天然の物質との反応もしくは条件によって治療的となるかのいずれかである、少なくとも1つの化合物を含む。天然の条件の例は、pH(例えば、酸度)、化学薬品、温度、塩分、伝導度、体内管腔/器官の収縮性もしくは膨張性の変化、および装置を通って流れるもしくは接触する体液の拍動性質を含み;非天然の条件は、磁界および超音波などのものを含む。本出願において、任意の治療能力がある薬剤またはその他の化合物の化学名は、化合物自体、およびプロドラッグ(体内で化合物の活性型に変換される前駆体物質)、および/またはその薬学的誘導体、類似体、もしくは代謝産物(化合物が体内で直接、その他の薬剤もしくは条件(例えば、酵素的、化学的、エネルギー的)、または環境(例えば、pH)の導入によって変化する生理活性化合物)をいうために使用される。

0065

膨張可能な構造体は、金属、重合体、またはその組み合わせなどの任意の適した材料から形成されてもよい。一つの態様において、膨張可能な構造体は、少なくとも部分的に、重合体材料、金属材料、またはその組み合わせからなる群より選択される生体分解性の材料から形成されてもよい。少なくとも部分的に生体分解性の材料は、好ましくは時間とともに分解する。重合体材料の例は、ポリ-L-乳酸を含み、構造体が分解する前に血管を回復することができるように遅延性分解される。金属材料の例は、ステンレス鋼などの、身体中で分解可能な金属または合金を含む。

0066

治療能力がある薬剤は、免疫抑制薬、抗炎症剤、抗増殖剤、抗遊走剤、抗線維症剤、アポトーシス誘発剤、カルシウム拮抗薬、抗腫瘍剤、抗癌剤、抗体、抗血栓剤、抗血小板剤、IIb/IIIa剤、抗ウイルス薬、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてもよい。

0067

治療能力がある薬剤の具体的な例としては:ミコフェノール酸、ミコフェノール酸モフェチル、ミゾリビン、メチルプレドニゾロン、デキサメサゾン、セルチカン(Certican)(商標)、ラパマイシン、トリプトリド(商標)、メトトレキセート(商標)、ベニジピン(商標)、アスコマイシン(Ascomycin)(商標)、ワートマニン(商標)、LY294002、カンプトセシン(商標)、トポテカン(Topotecan)(商標)、ヒドロキシ尿素、タクロリムス(商標)(FK506)、シクロホスファミド、シクロスポリン、ダクリズマブ(daclizumab)、アザチオプリン、プレドニゾン、ゲムシタビン(Gemcitabine)(商標)、シロスタゾール(Pletal(商標))、トラニラスト、ケルセチン、スラミン;これらの代謝産物、誘導体、および組み合わせを含む。

0068

ある態様において、治療能力がある薬剤の供与源は、重合体の構造体上のサブユニットとして治療能力がある薬剤部分を含む重合体材料である。治療能力がある薬剤部分は、重合され、適切な結合(例えばエチレン結合)を介してお互いに結合し、治療能力がある薬剤の重合体を形成する。治療能力がある薬剤の重合体は、一旦組織または血液などの体液と接触すると、治療能力がある薬剤の重合体のサブユニットが分離する。または、治療能力がある薬剤は、治療能力がある薬剤の重合体が、好ましくは表面の分解または加水分解を介して分解または加水分解して、好ましくは時間経過に従って感受性の高い組織部位が治療能力がある薬剤を利用可能なように放出されてもよい。治療能力がある薬剤を重合するための方法および化合物の例は、Kathryn Uhrichによる、表題「Polyanhydrides With Therapeutically Useful Degradation Products」の特許出願、国際公開公報第99/12990号(ラトガーズ大学に帰属する)に記載されており、この完全な開示は参照として本明細書に組み入れられる。治療能力がある薬剤および反応に適した成分ユニットの例には、酸触媒されるエステル化反応におけるアジピン酸および/またはサリチル酸を伴うミコフェノール酸;酸触媒されるエステル化反応におけるアスピリンおよび/またはアジピン酸を伴うミコフェノール酸、酸その他のNSAIDを伴うミコフェノール酸、および/または触媒されるエステル化反応におけるアジピン酸を含む。ある態様において、治療能力がある薬剤の重合体は、重合体のおよび/または金属のバックボーンを伴っていてもよい。

0069

膨張可能な構造体16は、いずれの限定も企図せずに示したとおり、組織に面する表面31および管腔に面する表面34、並びに選択的に図2Bに示したとおりの管腔を含み得る内部37を有する。以下の描写は、説明の目的のみのためのものであり、必ずしも実際の人工器官13の形、大きさ、配置、または分布を反映するというわけではないことはいうまでもない。人工器官は、多くのステントの場合と同様に、連続性の構造体または断続性の構造体を有してもよい(例えば、ステントの横断面が、膨張可能な構造体を形成する基質もっぱら含むというわけではなく、例えば一部のステントは、スクリーンまたはメッシュ様の横断面を有する)。供与源は、図1Bに示したとおり管腔に面する表面;および図1Cに示したとおりの組織に面する表面;のいずれかもしくは両方の少なくとも一部に隣接して、膨張可能な構造体の内部またはその任意の組み合わせの内部に配置または形成されてもよい。

0070

1つまたは複数の配置において、治療能力がある薬剤を治療能力がある薬剤に利用可能にするための供与源25は、膨張可能な構造体を伴う。図2Aおよび2Bで示す供与源は、例えば、マトリックス40が膨張可能な構造体16および治療能力がある薬剤28によって形成されるときに、または治療能力がある薬剤28が膨張可能な構造体16の内部(または、場合によっては膨張可能な構造体16の外側)37に配置されるときに、膨張可能な構造体16内にある。ある態様において、供与源25は、典型的には、約1オングストローム(A)〜約50ミクロン(μm)、約100オングストローム〜約20ミクロン、通常約100オングストローム〜約10ミクロン、通常約5000オングストローム〜約5ミクロン、および名目上約7500オングストローム〜約2ミクロンの範囲の厚さを有する。

0071

ここで、図2Cを参照して、本装置は、速度制御エレメント43をさらに含む。速度制御エレメントは、マトリックス40または膨張可能な構造体の内部37からの治療能力がある薬剤28の放出を制御するために、膨張可能な構造体16の少なくとも一部にわたって形成されていてもよい。供与源は、治療能力がある薬剤が、治療能力がある薬剤の重合体であるときには、速度制御エレメント自体であってもよい。

0072

ある態様において、供与源は、治療能力がある薬剤およびマトリックス形成材料を含むマトリックスを含んでもよい。例として、供与源は、ミコフェノール酸およびアルブミン(例えば、ウシ血清アルブミンすなわちBSA)を含むマトリックスを含んでいてもよい。例えば、例えばBSAに対して親和性を有する治療能力がある薬剤のマトリックス材料が存在すると、感受性の高い組織部位に対するミコフェノール酸の溶出する(従って、放出する)速度を減少させる。

0073

速度制御エレメントは、非分解性の材料、部分的に分解性の材料、実質的に分解性の材料、またはこれらの組み合わせから形成されていてもよい。材料は、合成もしくは天然の;非重合体、重合体、セラミック、もしくは金属の;またはこれらの組み合わせであってもよい。速度制御エレメントは、多孔性、マイクロ多孔性、ナノ多孔性、もしくは非多孔性の形態、またはこれらの任意の組み合わせを有していてもよい。好ましくは、装置が多孔性速度制御エレメントを含むときは、非多孔性の速度制御エレメントの少なくとも1つの層が、供与源と多孔性速度制御エレメントの間に配置される。

0074

好ましい態様において、速度制御エレメントは、非多孔性の材料、通常は非多孔性の共形材料から形成される。適した非多孔性材料の例は:プラズマ沈着された重合体;スパッターされ、蒸着され、電気メッキを施された金属および/または合金;グロー放電被覆;ポリエチレン;ポリウレタン;シリコーンゴム;セルロース;およびパリレンC、N、D、F、またはその組み合わせ、通常パリレンCを含むパリレンを含むが、これらに限定されない。

0075

適した非分解性またはゆっくりと分解する速度制御エレメント材料は、ポリウレタン、ポリエチレンイミン、酢酸酪酸セルロース、エチレンビニルアルコール共重合体、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluorethylene:PTFE)、パリレン、パリラスト(parylast)、ポリ(メチルメタクリレートブチレート)、ポリ-n-ブチルメタクリレート、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ2-ヒドロキシメタクリル酸エチル、ポリエチレングリコールメタクリルレート、ポリ塩化ビニル、ポリ(ジメチルシロキサン)、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリ(エチレンオキサイド)、ポリエチレンビニルアセテート、ポリカーボネート、ポリアクリルアミドゲル、N-ビニル-2-ピロリドン、無水マレイン酸、ナイロン、ステアリル塩化アンモニウムおよびベンジル塩化アンモニウムを含む四級アンモニウム化合物、酢酸酪酸セルロース(CAB)、並びにその他の合成または天然の重合体物質を含むものなど;その混合物、共重合体、並びにこれらの組み合わせ含むが、これらに限定されない。ある態様において、速度制御エレメントは、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン、パリラスト、ポリウレタン、パリレン、酢酸酪酸セルロースからなる群より選択される材料;その混合物、共重合体、並びにこれらの組み合わせより形成される。

0076

適した生体分解性の速度制御エレメント材料は、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)および共重合体、ポリジオキサノン、ポリ(グルタミン酸エチル)、ポリ(ヒドロキシ酪酸)、ポリヒドロキシバレレートおよび共重合体、ポリカプロラクトン、ポリ酸無水物、ポリ(オルトエステル);ポリ(イミノカーボネート)、ポリエステルアミド、ポリエステルアミン、ポリシアノアクリレート、ポリホスファゼン(polyphosphazenes)、共重合体、およびその他の脂肪族ポリエステル、またはポリ-L-乳酸およびポリ-e-カプロラクトンの共重合体を含む適した共重合体;その混合物、共重合体、並びにこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。適した材料のその他の例は、米国特許第5,610,241号に開示され、Leeらに対して発行された重合体を含み、これはその全体が参照として本明細書に組み入れられる。Leeは、生体分解性のバックボーン、ならびに反応性のアミノ酸基および/または保護アミノ酸基を有する側鎖を有するグラフト重合体を開示している。グラフト重合体は、カルボニル基およびカルボニル基の炭素に対するアルファ炭素を有し、カルボニル炭素に対するアルファ炭素にH原子を有し、かつバックボーンカルボニル基に対するバックボーンアルファ炭素において、その側鎖アミノ酸ペンダント基が反応性のアミノ酸基(類)および/または保護アミノ酸基を含むペンダント基のカルボニル部分で鎖アミノ酸ペンダント基に接合された生体分解性のホモ重合体または共重合体バックボーンから本質的に成る、生体分解性のホモ重合体または共重合体の開始材料から得られる。

0077

グラフト重合体は、その他の保護された反応基を有するアミノ酸ハロゲン化物を、カルボニル基の炭素に対するアルファ炭素にカルボアニオンを含む生体分解性の重合体と反応させ、次いで保護基を脱保護することによって調製される。

0078

適した天然の材料は、フィブリン、アルブミン、コラーゲン、ゼラチン、グリコサミノグリカン類、オリゴ糖およびポリ糖類、コンドロイチン、リン脂質類、ホスホリルコリン、糖脂質、タンパク質、アミノ酸、セルロース、およびこれらの混合物、共重合体、または組み合わせを含む。ある態様において、速度制御エレメントは、ウシ血清アルブミン(BSA)を含む。

0079

その他の適した材料は、チタン、クロム、ニチノール、金、ステンレス鋼、金属合金、セラミック、またはこれらの組み合わせ;および速度制御エレメント材料(例えば、非重合体化合物)と治療能力がある薬剤の相互作用(例えば、化学反応、高分子量、立体障害、疎水性、親水性、両親媒性、加熱)の結果として治療能力がある薬剤を放出しうるその他の化合物を含む。例としては、電気化学的腐食経路によって腐食を促進するような異なる電気化学的能力を有する2つ以上の金属または金属合金の組み合わせを使用してもよい。

0080

分解性材料は、バルク分解または加水分解によって分解してもよい。ある態様において、速度制御エレメントは、全体の分解もしくは加水分解、または好ましくは表面の分解もしくは加水分解によって、分解もしくは加水分解され、その際速度制御エレメントの表面は時間とともに分解または加水分解されるが、大きさの完全性は維持される。もう一つの態様において、疎水性の速度制御エレメントは、所望の放出速度で治療能力がある薬剤を放出する傾向があるので好ましい。非分解性の速度制御エレメントは、拡散によって治療能力がある薬剤を放出しうる。

0081

図2Dは、膨張可能な構造体における組織または管腔に面した表面の1つと速度制御エレメント43との間に配置された、治療能力がある薬剤28を有する態様の特徴を図示する。

0082

図2Eに示すように、供与源25は、膨張可能な構造体16の組織または管腔に面した表面の1つの少なくとも一部に形成された速度制御エレメント43を含み、治療能力がある薬剤28と共にマトリックス40を形成する。先に説明したように、治療能力がある薬剤28は、例えば、治療能力がある薬剤の重合体がマトリックスを形成する場合のように、それ自体が速度制御エレメントとして作用してもよい。

0083

マトリックスは、図2Fおよび2Gに示すように、速度制御エレメント43と膨張可能な構造体16との間に形成されて、その間にマトリックス界面46を形成してもよく、および/または治療能力がある薬剤28と速度制御エレメント43との間に形成されてもよい。マトリックス界面は、2つの層(例えば、速度制御エレメントおよび治療能力がある薬剤)の物理的な配置の結果として形成されてもよい。代わりにおよび/またはさらに、マトリックス界面は、治療能力がある薬剤と重合体、オリゴマーカップリング剤、または小分子との間の化学反応の結果として形成されてもよい。マトリックス界面は、好ましくは、さらに、感受性の高い組織部位に対する治療能力がある薬剤の放出の制御をもたらす。

0084

ある態様において、図2Hに示した特徴の、人工器官13の最も外側の層は、最も外側の層とその他の層との間で形成されたマトリックス界面46の有無にかかわらず、治療能力がある薬剤から形成されてもよい。治療能力がある薬剤28は、大部分の図に離散粒子として示したが、平滑な層または粒子の層、例えば図2Hに示したとおりのマトリックス界面46の一部として形成されてもよい。

0085

別の態様において、図2Iに示した特徴の、第2の速度制御エレメント49の少なくとも1つの層は、マトリックス40全体に形成され、感受性の高い組織部位に対する治療能力がある薬剤28の放出速度にさらに影響を及ぼす。第2の速度制御エレメント49は、第1の速度制御エレメント43を形成するものと同じまたは異なる材料のものであってもよい。

0086

ここで、図2Jおよび2Kを参照し、供与源は、複数の化合物、例えば第1の治療能力がある薬剤28、および治療的な能力があるもう一つの薬剤50または可能とする化合物61(図2N)などのもう一つの化合物50を含んでいてもよい。複数の化合物のそれぞれは、供与源の同じまたは異なる領域にあってもよい。例えば、図2Kに示すように、第1の治療能力がある薬剤28は、マトリックス40に存在してもよく、一方、第2の治療能力がある薬剤50は、第2の治療能力がある薬剤50および第2の速度制御エレメント55によって形成される第2のマトリックス52にあってもよい。速度制御エレメント43および55は、同じまたは異なる材料から形成されてもよい。

0087

もう一つの治療能力がある薬剤は、抗癌剤;化学療法薬;血栓溶解剤;血管拡張剤;抗微生物または抗生物有糸分裂阻害剤;成長因子アンタゴニスト;フリーラジカルスカベンジャ;生物学的な薬剤;放射線療法剤;放射線不透過剤;放射標識された薬剤;ヘパリンおよびその誘導体などの血液凝固阻止剤;サリドマイド(商標)などの抗血管形成治療能力がある薬剤;血管形成治療能力がある薬剤;PDGF-Bおよび/またはEGF阻害剤;乾癬治療能力がある薬剤を含む抗炎症薬;リボフラビン;チアゾフリン;ザフリン(zafurin);アセチルサリチル酸などのシクロオキシゲナーゼ阻害剤、クロピドグレル(例えば、プラビックス(Plavix)(商標))およびチクロピジン(例えば、チクリド(Ticlid)(商標))などのADP阻害剤、シロスタゾール(例えば、プレタール(Pletal)(商標))などのホスホジエステラーゼIII阻害剤、アブシキシマブ(abciximab)(例えば、レオプロ(Rheopro)(商標))などの糖タンパク質IIb/IIIa薬を含む抗血小板剤;エプチフィバチド(eptifibatide)(例えば、インテグリリン(Integrilin)(商標))、およびジピリダモールなどのアデノシン再取り込み阻害剤;抗酸化剤、酸化窒素ドナーを含む治癒剤および/または促進剤;制吐剤;制嘔吐剤;これらの誘導体および組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つの化合物を含んでいてもよい。もう一つの治療薬は、同じまたは異なる速度および相において、治療能力がある薬剤の前に、同時に、または後に放出されてもよい。

0088

もう一つの態様において、図2Lおよび2Mに示した特徴の、治療能力がある薬剤28は、貯蔵所58内の膨張可能な構造体16内または上に配置される。速度制御エレメント43は、治療能力がある薬剤の放出に影響を及ぼすために、貯蔵所58および/または治療能力がある薬剤28に隣接して配置されてもよい。前に述べたとおり、典型的な図および記述により「隣接する」の用語を限定することは意図されない。

0089

更なる態様において、図2Nに示した特徴の、もう一つの化合物は、外部のエネルギー形態または天然の条件に応答可能にして、治療能力がある薬剤の放出に影響を及ぼすことを可能にする化合物61を含む。応答可能な化合物は、治療能力がある薬剤、速度制御エレメント、膨張可能な構造体、またはこれらの組み合わせと結合していてもよい。図2Nに示すように、応答可能な化合物は、治療能力がある薬剤と結合される。可能にする化合物61は、治療能力がある薬剤28に結合された磁性粒子から形成されてもよい。エネルギー源は、治療能力がある薬剤28の放出を生じさせるために、移植の後に人工器官13において磁界を向けるための磁気供与源であってもよい。磁性粒子61は、磁気ビーズから形成されてもよく、典型的には約1nm〜約100nmの範囲の大きさを有すると考えられる。磁気供与源は、典型的には約0.01T〜約2Tの範囲の強度で人工器官13をその磁界にさらし、これが磁性粒子61を活性化することにより、人工器官からの治療能力がある薬剤の放出を生じると考えられる。もう一つの可能にする化合物は、上記の通りに、人工器官13のその他の配置に存在してもよい。

0090

その他の適切な外部エネルギー源は、これらがもう一つの化合物を必要とするか否か、またはこれらの性能が、もう一つの化合物の有無によって影響を受けないかにかかわらず、超音波、磁気共鳴映像法、磁界、高周波温度変化電磁X線、照射、熱、ガンマ、振動、マイクロ波、またはこれらの組み合わせを含む。

0091

例として、超音波外のエネルギー源は、20kHz〜100MHzの範囲、好ましくは0.1MHz〜20MHzの範囲の振動数、および0.05W/cm2〜10W/cm2の範囲、好ましくは0.5W/cm2〜5W/cm2の範囲の強度レベルを有して使用されてもよい。超音波エネルギーは、1mm〜30cmの範囲、好ましくは1cm〜20cmの範囲の距離から人工器官13において誘導される。超音波は、5秒〜30分の範囲、好ましくは1分〜15分の範囲の時間で連続的に適用またはパルスしてもよい。この期間中の人工器官13の温度は、36℃〜48℃の範囲であると考えられる。人工器官13の多孔率を増大するために、超音波を使用してもよく、これにより、人工器官13から治療能力がある薬剤28を放出することができる。また、その他のエネルギー源、例えば加熱もしくは振動も、人工器官もしくはその部分の多孔率を増大するために、または同じものの配置を変えるために使用してもよい。

0092

さらに、本装置の生体適合性を与えるまたは増強するために、供与源および/または本装置の最外層全体に、生体適合性の(例えば、血液適合性を持つ)層を形成してもよい。生体適合性層として使用するために適した生体適合材料は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ヒドロゲル、シリコーン、ポリウレタン、ヘパリンの被覆を含むが、これらに限定されない。

0093

膨張可能な構造体の大きさは、その用途に依存する。典型的には、膨張可能な構造体は、血管に適用するためには、約5mm〜約100mmの範囲の長さを有し、通常約8mm〜約50mmであると考えられる。膨張されない配置で血管に適用するための円柱状に成形された膨張可能な構造体の直径は、通常は、約0.5mm〜約10mm、さらに通常では、約0.8mm〜約8mmの範囲で変動し;膨張された配置における直径は、約1.0mm〜約100mm、好ましくは約2.0mm〜約30mmの範囲で変動する。膨張可能な構造体は、通常約0.025mm〜2.0mm、好ましくは約0.05mm〜約0.5mmの範囲の厚さを有する。

0094

環状セグメント、および膨張可能な構造体16などのその他の構造体の成分は、体内管腔ステントおよび移植片のために使用される従来の材料から形成されてもよく、典型的には、300シリーズステンレス鋼などの可鍛性の金属もしくは合金から、または超弾性合金および形状記憶合金、例えば、Nitinol(商標)合金、バネステンレス鋼などの弾力性のある金属;セラミックもしくは重合体材料などの金属性をもたない材料、またはこれらの組み合わせから形成される。重合体材料は、速度制御エレメントのために選択する材料に関して記載したものなどの、実質的に非分解性の重合体材料を含んでいてもよい。または、重合体材料は、生体分解性の速度制御エレメント材料を有する参照に記載されているものなどの、生体分解性のまたは実質的に生体分解性の重合体であってもよい。膨張可能な構成体材料が、速度制御エレメント材料から形成されている場合、膨張可能な構造体は、人工器官および治療能力がある薬剤の直接的供与源として機能するであろう。本発明の本体またはユニットセグメントのためのさらなる構造体は、米国特許第5,195,417号;第5,102,417号;および第4,776,337号に図示されており、これらの完全な開示は、参照として本明細書に組み入れられる。

0095

構造体として使用するためのその他の適した材料は、以下のものを含む:炭素もしくは炭素繊維酢酸セルロース硝酸セルロース、シリコーン、ポリエチレンテレフタラート(terphthalate)、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリオルトエステルポリ無水物ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、もしくは生体適合性の別の重合体材料、またはこれらの混合物もしくは共重合体、ポリ無水物、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチラートバリラート、もしくは生体分解性の別の重合体、またはこれらの混合物もしくは共重合体;タンパク質、細胞外基質成分、コラーゲン、フィブリン、もしくは生物学的な別の薬剤、または上に一覧を挙げた、分解性の、非分解性の、金属の、もしくはその他の任意の適した混合物。ある態様において、装置は、治療能力がある薬剤の重合体などの、重合体の供与源と共に生体分解性の構造体を含んでいてもよい。

0096

膨張可能な構造体16は、ステント70または移植片であってもよい。膨張可能な構造体がステントである場合、膨張可能な構造体16は、図3に示すとおり、通常少なくとも2つの放射状に膨張可能な、通常、円柱状の環状セグメント73を含む。典型的には、膨張可能な構造体16は、少なくとも4、しばしば、5、6、7、8、10、またはより多くの環状セグメントを有するであろう。環状セグメントの少なくともいくつかは、互いに隣接するが、その他のものは、その他の非環構造体によって分離されていてもよい。典型的なステント構造体の記述は、網羅的であることは企図されず、本発明に有用なステントのデザインのその他のバリエーションが当業者に既知であることが認識されるはずである。

0097

図3をもう一度参照し、本発明に使用される典型的なステント70(同時係属米国特許出願第08/968319号において更に詳細に記載され、本発明の譲受人に帰属する、ステントの特徴を具体化しており、この開示はその全体が参照として本明細書に組み入れられる)は、4〜50個の環状セグメント73(8つで図示されている)を含む。環状セグメント73のそれぞれは、少なくとも1つのS字形のリンク76によって隣接した環状セグメントに結合されている。環状セグメント73のそれぞれは、複数、例えば6支柱/ヒンジ・ユニットを含み、環状セグメント73のそれぞれにおけるそれぞれの6個のヒンジ/支柱構造体のうち2個は、S字形のリンク76によって隣接した環状セグメントに結合される。図3で示したとおりのステント70は、ステント70が崩壊したか、または膨張されない配置にあることを示す。

0098

「放射状に膨張可能な」の用語は、本明細書に使用されるものとして、小さな直径配置から、放射状に膨張された、通常は円柱形の配置に変化することができ、これは膨張可能な構造体16が所望の標的部位に移植されたときに達成される部分を含む。膨張可能な構造体16は、最小限に弾力的、例えば可鍛性があり、したがって標的部位においてこれを膨張させかつセットするために、内力の適用が必要であってもよい。典型的には、膨張力は、血管における手技のための血管形成術カテーテルのバルーンなどのバルーンによって提供することができる。膨張可能な構造体16は、好ましくは、特にステントの柔軟性および圧着性を増強するために有効である連続したユニットセグメントの間で、S字形のリンクを提供する。

0099

または、膨張可能な構造体16は、自己膨張することもできる。本発明の装置に使用される構造体は、膨張可能な構造体16(自己膨張する構造体など)を含み、調節されたステンレス鋼などの弾性材料、またはNitinol(商標)合金などの超弾性合金を利用して、これが、圧迫がないときにその望まれる放射状に膨張された直径を有するように、すなわち放射状に圧迫する外筒の力から解放されるように、本体部分を形成することによって提供される。体内管腔にアンカーされたままにするために、膨張可能な構造体16は、管腔によって部分的に圧迫されたままである。自己膨張する膨張可能な構造体16は、例えば膨張可能な構造体16を外筒またはチューブ内に配置して、標的部位で外筒を除去することにより、これを放射状に圧迫された配置でトラックし送達することができる。

0100

ここで図3並びに図4Aおよび4Bを参照し、本発明の特徴を含む典型的なステント70は、一般に近位のおよび遠位の末端82および85を有する円柱形フレーム79、組織および管腔に面する表面88および91、環73を含む放射状に膨張可能な複数のユニットセグメントを含むことが示されている。ユニットセグメントは、好ましくは、異なる機械的プロフィールを有する部分を含み、例えば膨張の結果として示されるであろう。例えば、部分は、ベンド、ポイント、交点、ジョイント、または乱流にさらされる領域において相対的に高い機械的プロフィールの部分のその全長と、相対的に低い機械的プロフィールの部分を含んでもよい。足場の膨張により、相対的に低い機械的プロフィールを示す領域は、典型的には実質的に曲がること、屈曲すること、伸張すること、または圧迫することはなく、通常は約5%未満である。いくつかの環73は、示したように、膨張リンク76を介して少なくとも1つの軸方向に隣接した環でつながれており、好ましくはS字形の形を有し、より好ましくはS形態は、その長さに沿って相対的に平滑なプロフィールを有し、膨張によるキンクを最小化させ、または減少させる。好ましくは、環73は、示したように、S字型の形を有する。同様に、リンクは、これらの長さに沿って異なる機械的プロフィールを有する部分を含んでいてもよい。例えば、リンクまたはジョイントは、これらの長さに沿って、相対的に低い機械的プロフィールの部分を有し、ベンド、ポイント、交点、ジョイント、または乱流にさらされる領域において相対的に高い機械的プロフィールの部分(すなわち、体を通る液体(例えば、血液またはその他の体液)の流れの実質的に直接のラインの領域)を含んでいてもよい。

0101

図5Aおよび5Bに示したとおりの態様において、治療能力がある薬剤は、高いおよび低い応力の領域94および97の両方において、構造体の組織に面する表面および管腔に面する表面の少なくとも1つの表面のすべてに隣接して配置する。図6Aから6Fに示したとおり、供与源は、組織もしくは管腔に面する表面のうちの少なくとも1つの全てに、または円柱形のフレームの部分のみに、通常は相対的に低い機械的プロフィール97を有する環および/または関節の73および76の部分のみに配置されてもよい。治療能力がある薬剤は、別々の部分に、相対的に大きな領域部分を有する部分(例えば、図6A)、好ましくは相対的に低い機械的プロフィールを有する領域に適用されてもよい。代わりにまたはさらに、治療能力がある薬剤は、より小さな表面積に(例えば、図6B)、好ましくは構造体の外面に沿って、環および/またはリンク(図6D、6F)の側面および/または縁から離れて存在してもよい。

0102

供与源は、これに含まれる治療能力がある薬剤の量を変化させてもよい。供与源が複数のセグメントに存在するときに、例えば、別々の部分に存在するときに、それぞれの供与源は、同じか、または異なる量において、同じか、または異なる治療能力がある薬剤を含んでもよく、並びに同じか、または異なる相および/または速度において、感受性の高い組織部位に治療能力がある薬剤を利用可能としてもよい。供与源は、例えば治療能力がある薬剤が治療能力がある薬剤の重合体であるときは、治療能力がある薬剤であってもよく、または例えば、同じか、もしくは異なるマトリックス形成材料と共に、1つもしくは複数の治療能力がある薬剤としてのマトリックスを含んでいてもよい。供与源は、構造体において、もしくは構造体内で、またはこれらを組み合わせて、マトリックス界面の一部として、層、マトリックスとして存在してもよい。供与源は、単層、またはお互いにすぐ隣接するか、もしくはもう一つの層(例えば、もう一つの供与源または速度制御エレメント層)によって分離された複数の層として存在してもよい。

0103

図7Aから7Dに示した態様の特徴において、ステントは、構造体の少なくとも一部に隣接して(例えば、全体に)配置された速度制御エレメント43をさらに含む。速度制御エレメントは、組織または管腔に面する表面のうちの少なくとも1つの構造体(例えば、図7A)または供与源25を含むステントの領域のみ(例えば、図7B)に隣接して配置されていてもよい。速度制御エレメントは、構造体の領域の全てではなく一部のみに配置されるとき、装置は、完全に速度制御エレメントで覆われている構造体と比較して、有利には相対的に高い柔軟性を示す可能性がある。別の態様において、速度制御エレメントは、相対的に高い応力プロフィールを有する構造体における領域のみに配置されてもよい。この後者の態様は、全体の皮膜の厚さがより厚いか、または速度制御エレメントが構造体全体にわたって適用された装置が要求されるときに、特に有効でもよい。図に示したとおり速度制御エレメントは、構造体の全ての外周を被覆しているが、速度制御エレメントは、管腔および組織に面する表面の一方または両方および/または装置の末端の構造体の一部のみを被覆してもよいことが理解されるはずである。加えて、速度制御エレメントおよび/または治療能力がある薬剤は、構造体における種々の位置で、例えば体流の直接的流れの側面において、異なる厚さを有していてもよい。

0104

図8Aから8Dに示したもう一つの態様の特徴において、装置は、治療能力がある薬剤の有無にかかわらず、隣接する治療能力がある薬剤を含むセグメントおよびそうでないものの両方に配置された速度制御エレメント43を有するセグメントを含む。好ましくは、セグメントは、相対的に低い機械的プロフィールの領域に隣接して配置された治療能力がある薬剤を含み、相対的に高い機械的プロフィールの領域は、治療能力がある薬剤を含まない。速度制御エレメントは、異なる厚さを有する部分を含む。

0105

好ましくは、治療能力がある薬剤(供与源、例えば貯蔵所)を含む装置のセグメントに隣接して配置された速度制御エレメントの厚さは、装置のその他のセグメントの厚さよりも相対的に薄い。この可変の速度制御エレメントの厚さプロフィールにより、より高い応力領域におけるクラッキングまたはピンホール形成の可能性の低下をもたらすと共に、相対的に全体に薄い厚さを維持する。治療能力がある薬剤が存在しない場合であっても、これらのセグメントのクラックおよび/またはピンホール形成の形成を最小にすることにより、抑制できない急速な、治療能力がある薬剤の放出の可能性を最小にする。

0106

非多孔性の速度制御層などの速度制御エレメント層の厚さは、約50オングストローム(A)〜約50ミクロン(μm)、約100オングストローム〜約20ミクロン、通常約100オングストローム〜約10ミクロン、通常約5000オングストローム〜約5ミクロン、および名目上7500オングストローム〜約2ミクロンの範囲で変動し得る。

0107

いかなる限定も企図しないが、非多孔性の速度制御層は、膨張により相対的に高い機械的プロフィールを受ける構造体の部分全体に適用されたときに、膨張によるピンホールのクラッキングおよび/または形成に対する感受性が高いと考えられている。クラッキングおよび/またはピンホール形成により、速度制御層に間隙を生じる。間隙は、次に、溶出培地の供与源への輸送を助け、これにより、身体上に治療能力がある薬剤をより急速に放出させる。必要および所望の効果に依存して、長期間にわたって治療能力がある薬剤を放出することが必要なときは、この効果を減少することまたは最小にすることが要求されるであろう。治療能力がある薬剤供与源は、相対的により高い機械的プロフィールを示すステントのセグメントの全てまたは一部のみがなくてもよい。

0108

治療能力がある薬剤を伴うおよび伴わない装置セグメントを有する態様において、速度制御エレメントの厚さは、好ましくは約100オングストローム〜約5ミクロンの範囲であり;好ましくは、治療能力がある薬剤を含む装置セグメントにおいて約100オングストローム〜約1ミクロンの範囲であり、および好ましくは、治療能力がある薬剤を含まない装置セグメント(例えば、高応力領域)において約0.5〜約5ミクロンの範囲である。または、速度制御エレメントの厚さは、好ましくは約0.5ミクロン〜約5ミクロンの範囲であり;好ましくは、治療能力がある薬剤を含む装置セグメントにおいて、約1ミクロン〜約5ミクロンの範囲であり、および好ましくは、治療能力がある薬剤を含まない装置セグメント(例えば、高応力領域)において約0.5〜約5ミクロンの範囲である。好ましくは、速度制御エレメントが、パリレン、より好ましくはパリレンCを含む場合、速度制御エレメントの応力領域の厚さは、約0.5ミクロン〜約10ミクロンの範囲である。

0109

もう一つの態様において、本装置は、放出速度をより遅く、または速くするための供与源および速度制御エレメントのいずれかまたは両方の変更可能な厚さを有する領域(例えば、装置の遠位および近位の末端)を含む。

0110

図6Aおよび6Bに示したものなどの態様において、供与源が、相対的に高い機械的プロフィールを有する領域に存在しないときは、非多孔性の速度制御エレメント層の厚さは、好ましくは、約50オングストローム〜5ミクロンの範囲である。

0111

もう一つの態様において、図9A〜9Dに示したとおり、本装置は、以下に記載したものと同様の方法によって作成され、かつ使用される、治療能力がある薬剤の貯蔵所に、開口部またはオリフィス100を含み、標的とされた皮質内部位に対する治療能力がある薬剤の放出を制御することができる。

0112

開口部100は、治療能力がある薬剤の供与源の上に直接か、もしくはそこから分かれ出るかのいずれかまたは両方(例えば、それぞれ図9Bおよび9Cに示したもの)で、速度制御エレメント(例えば、パリレンなどの非多孔性の速度制御エレメント)に配置されてもよい。

0113

開口部は、所望の放出速度に依存して、速度制御エレメント層の完全な厚みに連続した深さを、または完全な深さよりも短いものを有していてもよい。治療的な能力のある薬剤の所望の放出速度を実現するために、単一の装置は、同じか、または異なった開口部、大きさ、位置、パターン、および深さを含んでいてもよい。開口部は、約1オングストローム〜約100ミクロン、通常約1オングストローム〜約8ミクロンの開口の範囲であってもよい。

0114

ある態様において、図9Dに示したとおり、供与源および速度制御エレメントは、構造体表面に隆起する少なくとも一部を有する。隆起した部分103は、キャピラリー様の機能を可能にする開口部(表面またはより実質的に深いもの)を含んでいてもよい。隆起部分は、有利には、標的とされた皮質内部位の組織と比較的よく接触して、組織に対する治療能力がある薬剤のより直接の放出を可能にし、かつ血流内へは少なくすることにより、治療能力がある薬剤の洗い流しを最小にすると考えられる。

0115

各供与源(例えば、貯蔵所)内の治療能力がある薬剤の量およびタイプは、同じか、または異なっていてもよい。ある例では、縁効果を最小に、または減少させるために、治療能力がある薬剤は、装置の末端においてより多くの量で存在する。

0116

少なくとも一つの開口部を含む態様は、治療能力がある薬剤の放出速度を制御可能に、2μg/日よりも多く、好ましくは約5μg/日よりも多く、およびより好ましくは約10μg/日よりも多く増大させる際に特に役立ち;開口部を有さない場合の速度は、50μg/日未満、好ましくは5μg/日未満、より好ましくは2μg/日未満でよい。

0117

本発明にしたがって、速度制御エレメントに開口部を含む装置を使用する場合、治療能力がある薬剤の放出速度に優れた一貫性が達成されるであろう。典型的には、速度制御エレメントは、装置間の放出速度に相対的に高い程度の差異を生じる。このような差異をもたらす要因の例は、ロット間(例えば、構造、分子量、向き、結晶化度、ガラス転移温度、多孔度、水分含量)で変動するであろうポリマーの物理的および化学的パラメータを含むが、これらに限定されない。さらに、治療能力がある薬剤は、重合体速度制御エレメントを介して浸透し、治療能力がある薬剤の相分離および膨潤、そして速度制御エレメントは、速度制御エレメントの多孔度の変化を生じ、これにより治療能力がある薬剤の放出特性を変化させる。

0118

開口部および穴は、物理的に穴を開ける道具(例えば、針、ワイヤー、薄壁または鋭利な縁のチューブ、異なった横断面および鋭利な縁を有するチューブ、傾斜のあるチューブ、ピック);速度制御エレメント上の的確な位置にまたはランダムに、1つもしくは複数の穴またはオリフィスを作製するためのレーザ電子ビーム、またはイオンビーム照射イオン打ち込みなどを含むビーム;本装置の被覆および/または使用に適用する際に針穴が作製されるように、速度制御エレメントの薄層を適用することによって針穴またはオリフィスの形成を誘導することを含む(しかしこれらに限定されない)、種々の道具および方法を使用して作製してもよい。

0119

オリフィスを作製する方法のある態様において、図10A〜10Dに示したとおり、短い直径のワイヤー、プラスチック、またはろう(例えば、ミツバチろう)、ビーズ、チューブ、または同様の物体106が、速度制御エレメントを適用する前に穴/オリフィスの所望の位置に付着される。被覆過程において、本物体は、構造体に沿って等角に被覆されて、構造体に固定されていくと考えられる。次いで、本物体を部分的に(図10C)もしくは完全に(図10D)切断または除去し(例えば、切断用具)、結果としてもはや被覆されていない構造体の一部を曝露する。本物体は、微小石けん、油、界面活性剤水溶液、または被覆後にこれを除去してその場所にオリフィスを残すことが望まれる場合はその他の放出剤で被覆することができる。

0120

もう一つの態様において、図11Aおよび11Bに示したとおり、装置70□は、装置の移植および/またはその後に標的とされる身体内部位の環境にさらされる間に膨張した結果として作製される計画的に分断される領域109を含む。

0121

例として、疎水性の治療能力がある薬剤の層が相対的に高い機械的プロフィールを有する装置領域に適用される場合、特に、高濃度の治療能力がある薬剤の場合、治療能力がある薬剤および/または隣接して(例えば、治療能力がある薬剤層の外面に)配置された速度制御エレメント層は、装置が膨張し、または標的とされた身体内部位の環境に曝露される間に、ひびが入り、分断し、および/または針穴ができてもよい。その結果、治療能力がある薬剤は、この分断された領域においてより高速に放出される。装置は、使用することにより熟成され、速度制御エレメントのプロフィールが変化(例えば、分断領域の大きさの変化、治療能力がある薬剤へのおよび治療能力がある薬剤からの溶出液の移動の結果としての多孔度の増大)するかもしれない。

0122

さらにもう一つの態様において、治療能力がある薬剤は、約90%よりも少ない、通常約50%よりも少ない結晶化度を有する。より低い結晶化度は、所望の結晶化度をもたらすために十分な時間、通常は約1分〜約24時間、典型的には約30分〜約2時間の間、治療能力がある薬剤で被覆された装置の任意の態様を(速度制御エレメントの適用前もしくは適用後に)より高温に、通常はおよそまたは治療能力がある薬剤の融点以上に加熱することにより達成されるであろう。治療能力がある薬剤が融解すると、より非晶質となることにより脆性が低くなる。治療能力がある薬剤の非晶質(または準非晶質)性は、針穴の作製または望まれない速度制御エレメント層の妨害を減少し、したがってより徐放性となる。

0123

速度制御エレメントの有無にかかわらず、治療能力がある薬剤を被覆された装置の加熱は、治療能力がある薬剤および/または速度制御エレメントを分子再構成することにより、装置の残留応力を変化する、例えば減少するために役立つであろう。

0124

ある態様において、治療能力がある薬剤/速度制御エレメントで被覆された装置は、速度制御エレメントの残留応力を変化させる、通常、約10%未満に、通常は約5%未満に、典型的には1%未満に、普通は約0.5%未満に減少させるために、十分な時間で温度に加熱する。典型的には、装置は、およそまたはTgより高い温度に、通常はTgと速度制御エレメントの融点の間に加熱される。期間は、通常は約1分〜約24時間、典型的には約30分〜約2時間の範囲である。

0125

また、速度制御エレメントおよび/または治療能力がある薬剤のための被覆された装置の残留応力は、速度制御エレメントのTgまたは治療能力がある薬剤の融点以下の温度に、それぞれ長期間装置を加熱することなどの手段により、および超音波、磁力、もしくは振動を含むその他のエネルギーの供与源を使用して減少させてもよい。

0126

ある態様において、装置は、治療能力がある薬剤と少なくとも部分的に結合するように配置されている別の速度制御エレメント層を含む。ある態様において、ウシ血清アルブミン(BSA)が非多孔性の速度制御エレメント(例えば、パリレン)に隣接して配置され、その結果、治療能力がある薬剤(例えば、ミコフェノール酸)が非多孔性の速度制御エレメントから拡散または溶出し、治療能力がある薬剤はBSAと結合し、治療能力がある薬剤の放出をさらに遅らせまたは制御する。治療能力がある薬剤と結合することができる別の速度制御エレメントのその他の例は、ポリエチレンイミンなどの四級アンモニウム化合物を含む。一つの態様において、ヒドロゲル化合物は、治療能力がある薬剤および速度制御エレメントのいずれかもしくは両方の下に、またはマトリックスに配置される。体液がヒドロゲル化合物と接触して、ヒドロゲル化合物が膨潤して速度制御エレメントを介して、例えば速度制御エレメント層の分断を引き起こすことにより、治療能力がある薬剤の拡散特性に変化を引き起こす。

0127

膨張可能な構造には、治療能力がある薬剤を人工器官に被覆すること、噴霧すること、浸漬すること、沈着させること、または塗布することによって、治療能力がある薬剤および/または任意の別の化合物を組み入れてもよい。通常、治療能力がある薬剤は、これを適用する前に溶液に溶解されている。適切な溶媒は、水性溶媒(例えばpH緩衝液pH調節剤有機塩、および無機塩を含む水)、アルコール(例えば、メタノールエタノール、プロタノール、イソプロパノールヘキサノール、およびグリセロール)、ニトリル(例えば、アセトニトリルベンゾニトリル、およびブチロニトリル)、アミド(例えば、ホルムアミドおよびN-ジメチルホルムアミド)、ケトンエステルエーテルDMSO、気体(例えばCO2)などを含む。次いで、治療能力がある薬剤の構造物を乾燥させる。または、治療能力がある薬剤を、まず治療能力がある薬剤とマトリックス材料を単独で、もしくは溶媒と組み合わせて混合することまたは溶解することによってマトリックス中に調製した後、構造体にこれを組み入れてもよい。

0128

本発明の装置を作成する方法の例において、のまたは被覆されていないステントを、まず従来の方法を使用して製造および/または加工し(例えば、デスケルし、電解研磨し、不動態化し)、その後に治療能力がある薬剤を組み入れる。例えば、裸のステントを、シラン、プラズマ沈着被覆、プラズマ処理放電などのカップリング剤、および/またはその後の工程において、裸のステントに対する速度制御エレメントの接着を促進および/または増強するためのその他の手段で任意に処理される。

0129

裸の構造(例えば人工器官)または被覆された治療能力がある薬剤の構造体は、蒸着チャンバまたはプラズマ沈着被覆チャンバに置いてもよい。固体または液体の形態の治療能力がある薬剤は、同じチャンバ内の容器またはディッシュ内の構造体下に直接置くこともできる。容器を同時にまたは周期的に所望の温度(すなわち、治療能力がある薬剤の沸点または昇華温度)に加熱し、一方で速度制御エレメント(例えば、パリレン)またはプラズマ沈着を生じる。チャンバは真空であるので、気体の治療能力がある薬剤は、照準線により、構造体を被覆すると考えられる。ディッシュの配置(丸、四角矩形、深さ、穴を伴う被覆)、治療能力がある薬剤の量/分布、穿孔処理した遮蔽物フェンス、およびその他の要因により、ステント上に直接もしくは間接的に分散または沈着された治療能力がある薬剤の厚さ、分布、および均一性を制御すると考えられる。または、構造体に、または上に、治療能力がある薬剤および/または速度制御エレメントを選択的に適用するために、ナノサイズの沈着技術を使用してもよい。

0130

例えば、本明細書には、構造体上にまたは内に、速度制御エレメントおよび/または治療能力がある薬剤を適用するためのより詳細なプロセスが記載されている。短い直径の心棒112またはその他の手段をステント内に挿入する。次いで、心棒−ステント構造体を沈着チャンバ内に置く。好ましくは、例えば図12に示したように、心棒−ステント構造体をチャンバ内部の回転性の装置上に取り外しがきくように付着させ、より安定した被覆を得てもよい。沈着チャンバをシールする。速度制御エレメント材料またはその前駆体(例えば、パリレンCのその二量体形態)を、充填扉を介して周囲温度気化器ゾーンに充填する。次いで、扉をシールする。充填される速度制御エレメントまたはその前駆体の量は、所望のまたは必要とされる被覆の厚さ、基質の全表面積、沈着チャンバの大きさ、および速度制御エレメントのタイプ(例えば、パリレンN、C、D、またはF)に依存する。例示的な態様において、充填される速度制御エレメント前駆体(例えば、パリレンCのその二量体形態)は、約3グラムであった。次いで、シールされた系を真空ポンプで、例えば約-4〜約100mTorr、通常は約4〜約15mTorrの定常状態ベース圧力にする。

0131

一旦系のベース圧力に達したら、次いで、気化器ゾーンを適切な温度、例えば約70〜約200℃(例えば80℃)に加熱する。チャンバ内の圧力を維持するために、気化器ヒータチャンバ圧力調節器によってオンオフを繰り返す。圧力がチャンバ圧設定点に達すると、チャンバ圧力が行き過ぎるのを防止するために、気化器ヒータの力が弱められる。次いで、気化器ヒータを圧力設定点であるチャンバ圧力の温度に維持し、固体の速度制御エレメントまたはその前駆体(例えば、パリレン二量体)の段階的な気化および/または昇華を助ける。

0132

真空ポンプを操作すると、前駆体の気体が熱分解ゾーンを通って下流に流れる。高温の熱分解炉では、二量体の気体を速度制御エレメント(例えば、パリレン単量体)の気体の形態に切断する。反応性の単量体の気体は、熱分解ゾーンに存在し、沈着が生じる構造体(例えば、人工器官構造体)を含む沈着チャンバに入る。単量体は、被覆に利用できる沈着チャンバ内の周囲温度の表面の全てまたは実質的に全てに対して沈着し重合体化すると考えられる。

0133

単量体の気体が沈着チャンバ内に流れると、さらなる気体により、チャンバ内の圧力の上昇が生じる。典型的には、所望の上昇は、パリレンCのベース圧力以上の約10〜約40mTorrの範囲である。沈着チャンバ内における速度制御エレメント(例えば、非多孔性のパリレンフィルム)の成長速度は、単量体の気体の分圧に比例する。二量体が気化する速度を制御することにより、沈着チャンバ内において所望の圧力を維持するために、フィードバック制御系を使用してもよい。

0134

速度制御エレメント単量体のガス(例えば、パリレンC単量体の気体)を構造体表面に沈着すると同時におよび/またはその後に、治療能力がある薬剤を含むディッシュを治療能力がある薬剤の沸点または昇華温度以上に加熱して、ガス状の治療能力がある薬剤を生じさせて、真空チャンバ内で上向きに流れさせる。構造体は、治療能力がある薬剤との照準線内にあるので、構造体を治療能力がある薬剤で被覆することもできる。したがって、治療能力がある薬剤をマトリックス(例えば、速度制御エレメントを伴う治療能力がある薬剤)の一部として、または別々の層として被覆してもよい。後者の場合、治療能力がある薬剤をまず構造体に被覆し、続いて速度制御エレメントを被覆してもよく、または逆であってもよい。もちろん、別々の層により、これらの間にマトリクス界面を形成してもよい。

0135

真空ポンプに付随したガスの流れの動力学のために、沈着チャンバ内に流れ、かつ構造体に沈着しないあらゆる速度制御エレメントおよび治療能力がある薬剤は、冷却トラップを通って真空ポンプの方へ流れる傾向があると考えられる。

0136

二量体および/または治療能力がある薬剤が完全に蒸発したときに、沈着チャンバ内の圧力は減少し、ベース圧力に達すると考えられる。この点において、沈着サイクルが完了し、系を大気圧に戻して、被覆されたステントを取り出すことができる。

0137

パリレン(例えば、パリレンC)を構造体に適用するためのプロセスのパラメータは、例示的な態様において、以下の通りである。パリレンプロセスのパラメータは:約80℃の気化(昇華)温度、約650℃の熱分解温度、約15mTorr以下のベース圧力(真空)、ベース圧力より上の約20mTorrの設定点の圧力(真空)である。治療能力がある薬剤の蒸発パラメータは:蒸発前のディッシュ温度は、沸点または昇華温度以下であり、蒸発の間のディッシュ温度は、沸点または昇華温度以上であり、約15mTorr以下のベース圧力(真空)、およびベース圧力より上の約20mTorrの設定点の圧力(真空)である。

0138

本発明の装置を作成する方法の例示的な態様において、図13Aに示したように、好ましくはステントの内径に近い外径を有する心棒112をステントのフレーム内に配置する。より良好に心棒にステントを維持するために、心棒からステントがはずれるのを防止するためにステントを心棒上に十分に圧着してもよい。心棒は、固体材料から形成されたかまたは閉じた外面を有するものである場合、選択的に、次の被覆工程の間において、円柱状のフレームの内部表面(すなわち、ステントの管腔表面)を遮蔽するためのマスクとして用いうる。

0139

選択的に、ステントの内径よりも十分に小さな外径を有する心棒および/または十分な開口部の管腔構造体(好ましくは、ステント上に所望の被覆パターンを作製するように設計されたパターン)が形成されたものは、被覆過程の間にステントの管腔表面を被覆するために使用してもよい。

0140

選択的に、概して円柱状の膨張した形状を有し、かつこの好ましくはシリコーンゴム、ナイロンなどの材料から形成された膨張可能なバルーン115を心棒として使用してもよい。バルーンのその膨張された配置は、好ましくは、ステントの内径と同じ外径を有する。心棒としてバルーンを使用することにより、被覆の完了後にステントからの除去が容易になる。

0141

図13Bに示したとおり、バルーンは、一連長軸方向に離れた大きな直径の領域(ムカデ形状など)を含むように形成されてもよい。大きな直径の領域は、ステントが相対的に高い機械的プロフィールである管腔表面と接触し、したがって被覆過程の間に相対的に高い応力の領域をマスクするように、十分に離れている。

0142

もう一つの選択的な態様において、バルーンは、軟質ゴムなどの軟質材料から形成された外部管材料を含む。バルーンを支材リンク間の空間に配置して、この縁をマスクし、こうしてリングの縁(例えば、厚さ)をマスクすると共に、ステントの組織に面する表面のみを被覆させる。

0143

本発明の装置を作成する方法のもう一つの態様において、相対的に高い機械的プロフィールの領域におけるステントの被覆を避けるまたは最小にするために、シリコーンゴムワッシャー(または、望まれるならば、その他の形状のその他の材料のもの)などの図13Cおよび13Dに示した一つまたは複数のワッシャーを、ステントの組織に面する表面の相対的に高い機械的プロフィールの領域全体に配置し、このようにして被覆プロセスの間に領域をマスクする。速度制御エレメントの適用後に、図13Bに示したものなどのワッシャーを、裂け目121を横切って避けさせて装置から容易に除去させてもよい。ワッシャーは、ステントの内径と実質的に同じか、わずかに大きいか、またはより好ましくは、より小さな内径を有していてもよい。好ましくは、ワッシャーは、ステントの相対的に高い機械的プロフィールの領域の幅よりも大きな幅を有していてもよい。

0144

さらにもう一つの態様において、構造体は、プラスチックまたは金属チューブなどのもう一つの材料に対してネガティブイメージを作製することによってマスクしてもよい。チューブは、2つの半分に切り開くこともできる。次いで、切り開かれたチューブをステント上に固定する。ステントの外側表面のみが曝露される。側面および管腔表面は曝露されない。治療能力がある薬剤をステント上に噴霧するときは、治療能力がある薬剤は、ステントの外側表面上にのみ存在する。これにより、図6B、6D、または同様の態様を生じるであろう。

0145

相対的に高い機械的プロフィールを有する構造体領域などの所望の部分をマスクするために、ステント構造体を平板曲面版、チューブ、または図14Bなどの曝露された開口部もしくはスロットを有するその他の表面124などの種々の方法により、図14Aに示したようにマスクして、その結果、開口部および/またはスロットは所望の領域(例えば、低い機械的プロフィールの領域)を被覆にさらすが、その他の領域(例えば、高い機械的強度の領域)をマスクし得るであろう。または、図14Cに示したとおり、高い応力の領域におけるステントの組織に面する表面を被覆するために、柔軟なテープ127を使用してもよい。

0146

もう一つの態様において、ステントは、被覆の際にマスクされないか、または最小限にマスクされているかのいずれかである。望まれるならば、被覆が望まれない領域は、微細チップの紙ヤスリ高圧空気ノズル、適切な溶媒(例えば、メタノール、エタノールイソプロパノールアセトン、水)を含む高圧噴霧ノズル、低い力のレーザ、電子ビームなどを適用することによって除去してもよい。または、治療能力がある薬剤および/または速度制御エレメントを構造体にまたは上に選択的に適用するために、非常に細かい噴霧ノズルまたはナノサイズの沈着手段を使用してもよい。

0147

次いで、図15A〜15Bに示したように、ステントを治療能力がある薬剤の供与源に曝露する。治療能力がある薬剤28は、好ましくは、適切な溶媒(類)および/またはマトリックスに溶解または混合して、噴霧などの方法によって適用される。好ましくは、ステントは、ステントが供与源(溶媒および/またはマトリクス材料に溶解された治療能力がある薬剤)で均一に配置され得るように、回転性の装置に除去可能に固定される。好ましくは、供与源を適用する装置の幅は、ステントの全長に供与源を適用するために、十分に長くする。治療能力がある薬剤を適切なマトリックス材料に溶解し、次いで好ましくは、ステント(マスクされたものまたは他のもの)に噴霧する。

0148

または、ステントは、粉末被覆などのその他の技術を使用して供与源で被覆されてもよいが、ステントは、真空沈着チャンバまたはプラズマ沈着/グロー放電チャンバ内にあり、パルスレーザー支援沈着技術で、高真空のチャンバにおいて気化されている治療能力がある薬剤で真空沈着し、その後にステント上に沈着する。被覆の完了後に、マスクをステントから取り除く。必要または望まれる場合には、過剰な治療能力がある薬剤を以前に記載したとおりに被覆されたステントから取り除いてもよい。

0149

治療能力がある薬剤および/またはマトリックス被覆の厚さは、噴霧の期間および心棒の回転速度によって制御してもよい。治療能力がある薬剤および/またはマトリックス被覆の厚さは、典型的には、約1オングストローム(Å)〜約50ミクロン(μm)、約100オングストローム〜約20ミクロン、一般には約100オングストローム〜約10ミクロン、通常は約5000オングストローム〜約5ミクロン、名目上約7500オンクストローム〜約2ミクロンの範囲である。一旦ステントが治療能力がある薬剤および/またはマトリックスで被覆されれば、溶媒の蒸発を完全にするために、ステントを真空、乾燥器真空乾燥器に配置してもよい。

0150

非多孔性パリレン被覆は、清澄な透明であり、フィルム様質感を有する。溶媒に対して抵抗性であり、以下のものなどの有機溶媒中にフィルムの厚さの約3%より多くは膨潤しないと考えられる:アルコール(例えば、イソプロパノール、エタノール、メタノール)、ケトン(アセトンおよび2,3-ペンタンジオン)、脂肪族炭化水素イソオクタン)、芳香族炭化水素キシレントルエン)、塩素化されたオレフィントリクロロメチレン)塩素化された芳香族クロロベンゼンおよびO-ジクロロベンゼン)、複素環式の塩(ピリデン)、並びにフッ素化された溶媒(トリクロロトリフルオロエタン)。加えて、膨潤後、ひとたび溶剤真空乾燥によって除去されるならば、非多孔性のパリレンの膨張は、完全に可逆的となる。

0151

部分的に速度制御エレメントで被覆された装置を作製するためのプロセスの態様において、プロセスには、上記考察した生産工程の任意の1つまたは複数を含んでもよい。例として、構造体は、蒸着被覆以外(すなわち、非多孔性のパリレン)または非多孔性のプラズマ沈着もしくはグロー放電被覆以外の手段による、非多孔性の重合体での被覆であってもよい。または、応力を加えられた領域における蒸着またはプラズマ沈着/グロー放電被覆の一部は、レーザ、電子光線、またはその他の手段で除去されてもよく;速度制御エレメントが望ましくない場合は、領域をマスキングする。もう一つの態様において、治療能力がある薬剤を適用した後、応力を加えられた領域(治療能力がある薬剤をほとんど伴わないか、または全くない)は、速度制御エレメントでステントを被覆する前にマスキングしてもよい。マスクは、被覆の後に除去される。

0152

被覆の真空蒸着の間にパリレン反応中間体モノ(p-キシリレン)が、またはステントの応力を加えられた領域に対するプラズマ沈着/グロー放電被覆の間にプラズマフリーラジカルが流れることを妨げるために、ステントの所望の領域をフェンス(冷却または加熱)で保護してもよい。

0153

被覆の真空蒸着の間にパリレン反応中間体のモノ(p-キシリレン)が、またはステントの応力を加えられた領域に対するプラズマ沈着/グロー放電被覆の間にプラズマフリーラジカルが濃縮にステントが抵抗性となるように、被加熱フィルム、ワイヤー等をステントの所望の領域と接触させてもよい。

0154

もう一つの態様において、被覆の真空蒸着またはプラズマ沈着/グロー放電被覆の間に、被加熱流体の流れを輸送する1つまたは複数のチューブを、ステントの所望の領域と接触させてもよい。これらの保護されたステントの領域は、加熱されて、被覆の真空蒸着の間にパリレン反応中間体のモノ(p-キシリレン)が、またはステントの応力を加えられた領域に対するプラズマ沈着/グロー放電被覆の間にプラズマフリーラジカルが濃縮に抵抗性となる。

0155

非接触の供与源(例えば、対流熱源、赤外線紫外線等)は、ステントの所望の領域に直接、またはフィルム、ワイヤー、チューブなどが、ステントの所望の領域と接触していてもよい。

0156

非多孔性のパリレンで被覆されていないステントまたは速度制御エレメントを被覆するプラズマ沈着/グロー放電の領域は、非多孔性重合体の速度制御エレメントを有するステントの領域をマスキングして、次いで上記の通りにマスクを取った領域に対して治療能力がある薬剤を適用することによって、治療能力がある薬剤で被覆することができる。

0157

必要に応じて、非多孔性の速度制御エレメントは、ステント、治療能力がある薬剤、および速度制御エレメント(例えば、非多孔性の速度制御エレメント)を、1つもしくは複数の溶剤中に配置することによって、治療能力がある薬剤(類)もしくは小さな非活性分子浸潤させることができ、これは、しばらくの間、例えば、約1秒〜約1週間、通常約1時間〜約72時間、およびしばしば約2時間〜約24時間の範囲で、非多孔性の速度制御エレメントへおよび非多孔性の速度制御エレメントを通して、膨張するかまたは伝達することができる。溶剤(類)は、治療能力がある薬剤もしくは非生理活性の分子の供与源が、治療能力がある薬剤の貯蔵所から、または外部の供給源、または両方からのものであるかどうかに依存して、溶剤(類)に溶解された治療能力がある薬剤もしくは非生理活性の分子を含んでいても、または含んでいなくてもよい。腫脹の間の溶剤(類)の温度は、室温から溶剤(類)の沸点以下の高温度の範囲で変動させることができる。

0158

治療能力がある薬剤の貯蔵所および非多孔性の速度制御エレメントを有するステントは、非多孔性の速度制御エレメントが損傷を受けないと考えられる温度以下に、または治療能力がある薬剤が有意に分解しないと考えられる温度以下で、しばらくの間、通常約1秒〜約1週間、しばしば約1時間〜約72時間、および名目上約2時間〜約24時間加熱される。

0159

治療能力がある薬剤の貯蔵所および非多孔性の速度制御エレメントを有するステントは、1つまたは複数の蒸発溶剤(これは、好ましくは有機物である)としばらくの間、通常約1秒〜約1週間、しばしば約1時間〜約72時間、および名目上約2時間〜約24時間接触することができる。次いで、被覆された治療能力がある薬剤ステントをPTCAカテーテルのバルーン上に圧着し、標的とされた身体内の部位に配置する。

0160

作製の方法のもう一つの態様において、膨張可能な構造体は、装置の膨張の間のクラックおよび/またはピンホールの形成を最小にするために、メタクリルオキシプロピル-トリメトキシシラン(A-174)またはその他のシラン結合剤などのシラン処理によって最初に前処理される。例えば、装置を作製する方法において、膨張可能な治療能力がある薬剤で被覆された構造体は、約100:100:2の比を有するメタノール:水:シランの溶液に、しばらくの間、好ましくは15分間浸漬させる。次いで、構造体を除去して約10分間乾燥させ、次いでIPAでリンスする。次いで、処理された構造体を、速度制御エレメントを更に含めるために、上記の通りに処理する。シラン処理は、ステンレス鋼などの構成体材料に対する非多孔性のパリレンなどの速度制御エレメントの接着の促進を助ける。または、接着の促進を助けるために、非多孔性のプラズマ沈着/グロー放電被覆(例えば、メタン、C2F2、キシレン、シラン調光器(dimmer))を構造体表面に適用することもできる。接着促進物質による構造体の前処理により、例えば構造体の高応力領域において、速度制御エレメントを相対的に薄い厚さで適用するのを助ける。前処理は、その他の任意の態様で提供されてもよい。例として、前処理は、治療能力がある薬剤の供与源の全体に適用されてもよい(例えば、貯蔵所)。しかし、より弱い強度の速度制御エレメント-構造体接着プロフィールが望ましい場合、前処理は必要ではないであろう。

0161

または、隣接する治療能力がある薬剤の供与源を被覆する速度制御エレメントは、より厚くされるが、装置において応力を加えられた領域では、安定でしかも被覆の厚さがより薄くされることが望ましいであろう。速度制御エレメントのより厚い被覆により、標的とされた身体内の部位に対し、治療能力がある薬剤の放出速度の計画的な減少を生じる。ある態様において、治療能力がある薬剤を含まない装置セグメント、好ましくはより高い応力の領域の速度制御エレメントの被覆は、クラックおよび/またはピンホールの形成を最小にするのを助けるために相対的により厚い厚さを含む。

0162

速度制御エレメントの変更可能なまたは選択的な被覆を達成するために、以前に記載したものと同様のプロセスを利用してもよい。制御された被覆を成し遂げるために、速度制御エレメント単量体の気体(例えば、パリレン)の流速などの因子を減少してもよく、および/またはその位置を制御していてもよい。

0163

ある態様において、速度制御エレメントの沈着を制御可能に制限するために、取り外し可能な物理的フェンス(例えば、プレートに溝をつけた治療能力がある薬剤の貯蔵所と同じ幅を有する、ワイヤー、バー、チューブ)を、これに沈着されたより薄い厚さの速度制御エレメントを有することが望まれる領域に隣接して配置してもよい(例えば、ステント治療能力がある薬剤の貯蔵所)。

0164

または、速度制御エレメント単量体の気体と所望の薄い領域の材料の反応を最小にする、および/または減少させるために、低温加熱(例えば、室温以上)により、所望の薄い領域を目標としてもよい。このような加熱供与源の例は、赤外紫外加熱コイル加熱エレメント、または所望の領域を目標として異なった量の加熱を発生することができるわずかな光の供与源のいずれかを含む。

0165

もう一つの態様において、噴霧被覆などの適切な方法を使用する場合、より少量の速度制御エレメントを計画的に適用してもよい。

0166

例として、以下の典型的な方法のいずれかを使用して、多孔性パリレンC層などの、多孔性速度制御エレメントが得られるであろう。

0167

多孔性パリレンまたはプラズマ沈着/グロー放電フィルムなどの、多孔性速度制御エレメントを有する装置を作製するための態様において、沈着の温度は、実質的に速度制御エレメント物質のガラス移行温度未満であってもよい。例として、速度制御エレメントとしてのパリレンCについては、ガラス移行温度(Tg)は、約80〜100℃である。析出温度が増大すると、フィルムの結晶化度も増大する。より高温にすることにより、被覆が基質の表面に配置された後に起こりうる再配列および分子運動が可能となる。重合体の鎖は、高次構造的により高次となる。析出温度が減少するほど、フィルムの結晶化度は減少し、アモルファス様になる。温度がさらに減少すると、例えば、-40℃〜液体窒素温度(-196℃)近くに減少すると、速度制御エレメントフィルムは、ますますアモルファス様および多孔性様になる。多孔性フィルムは、205℃の窒素ガス中で約2時間などの長さの期間、適切な温度において薄膜アニールすることにより、標的とされた速度に変化させるか、または通常非多孔性の形態に変化させてもよい点に留意する必要がある。

0168

多孔性速度制御エレメント、多孔性パリレンC層を有する装置を作製するためのもう一つの態様において、以下のパラメータのいずれか1つまたは複数の組み合わせを使用してもよい:約20℃〜約200℃、好ましくは約40℃〜約60℃の気化(昇華)温度;約400℃〜約900℃、好ましくは約500℃〜約650℃、および多孔性パリレンCについては、約750℃以上の熱分解温度;約-4〜約200mTorr、好ましくは約100mTorr以上のベース圧力(減圧);ベース圧力より上の約0〜約200mTorrの圧力(減圧)設定点;約-196℃〜約0℃、好ましくは約-50℃以下、より好ましくは、約-100℃のステント温度。例として、より高いベース圧力およびまたは圧力設定点で多孔性パリレンC速度制御エレメント層を作製するための典型的な態様において、パラメータは、次のようなセットであった:140℃の気化温度、690℃の熱分解温度、120mTorrのベース圧力、135mTorrの圧力設定点、室温のステント温度。例として、より低い熱分解温度およびまたは気化温度で多孔性パリレンC速度制御エレメント層を作製するための典型的な態様において、パラメータは、次のようなセットであった:60℃の気化温度、650℃の熱分解温度、15mTorrのベース圧力、20mTorrの圧力設定点、および室温のステント温度。

0169

もう一つの典型的な態様において、多孔性速度制御エレメントは、また、非多孔性の被覆を作製するために上記した方法を使用するが、パラメータを多孔性速度制御エレメントを作製するためのパラメータに関して記載されているものに変更し、さらに次のように生産工程の1つまたは複数をさらに修飾することによって得てもよい:被覆チャンバへの入口をブロックすることにより、パリレンまたはプラズマ沈着/グロー放電リアクティブ単量体のステント充填チャンバへのガスの流れを減少させること;沈着の速度を減少させるために、ステント周辺にフェンスを配置すること;パリレン調光器に不純物を添加すること;被覆の間に、気体をチャンバに導入すること;パリレン被覆の間に、同時に被覆の中でプラズマ沈着すること;熱に不安定な基でプラズマ被覆させること;処理後の温度以上において気体を放出すること;パリレン被覆の間に、同時に被覆中でプラズマ沈着すること;体内で見出される溶剤または酵素暴露されたときに、分解に対して感受性の高い基でプラズマ被覆をすること。

0170

ここで、図16を参照し、所定の時間以上にわたった治療能力がある薬剤の放出の典型的な態様のグラフ図を示してある。本発明の図16において示した所定の速度パターンは、最初の相の間の送達速度をなくすか、いくらか低下させて利用できる治療能力がある薬剤を作製することによって、感受性の高い組織部位に対する治療能力がある薬剤の送達の効果を改善する。一旦、次の相に達すると、治療能力がある薬剤の送達速度は、実質的に高くてもよい。このように、治療能力がある薬剤の放出を遅延する時間は、初期の細胞の沈着または増殖(過形成)の少なくとも部分的な形成において、再狭窄(または場合によっては、その他の標的とされた症状)に影響を与えるようにプログラムすることができる。本発明は、治療能力がある薬剤の放出のタイミングを、少なくとも初期のセルラライゼーション(cellularization)の後で生じるようにすることによって、さらに治療能力がある薬剤の洗い流しを減少することができる。さらに、所定の速度パターンにより、治療能力がある薬剤のローディングおよび/または濃度を減少してもよい。所定の速度パターンによって、効率治療能力がある薬剤の洗い流しを最小にすること、およびその放出の効果を増大させることにより、血管壁の内皮化(endothelialization)に対する障害がなくなるように制限または減少がもたらされるであろう。

0171

実施例
実施例1−100%のエタノールまたはメタノール溶媒中の25mg/mlの治療的な能力がある薬剤の溶液を、約3.0mm×14mmの大きさを有するステンレス鋼Duraflex(商標)ステントに吹き付けた。ステントを乾燥してエタノールを蒸発させ、ステント表面に治療能力がある薬剤を残したままにした。75:25のPLLA/PCL共重合体(Polysciencesによって商業的に販売されている)は、1,4ジオキサン(Aldrich Chemicalsによって商業的に販売されている)中に調製した。治療能力がある薬剤で被覆されたステントを200rpmで回転する心棒に載せ、ステントがほぼ10〜30秒の時間回転されるように、スプレーガン(Binks Manufacturingによって商業的に販売されている)を使用して、被覆ステント上へ共重合体溶液の微細な噴霧を施した。次いで、ステントを25〜35℃の乾燥器に24時間置いて、溶剤の蒸着を完了させた。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ