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技術 ハイ・スループット・スクリーニングにおいて同定される骨の恒常性のモジュレーター

出願人 ガラパゴス・ナムローゼ・フェンノートシャップ
発明者 フーベルトゥス・ヨハネス・マテウス・クラーセンペーテル・ヘルウィッヒ・マリア・トンメヘルムート・ヘンドリクス・ヘラルドゥス・ファン・エスリュック・ファン・ロムペイ
出願日 2002年8月22日 (17年5ヶ月経過) 出願番号 2003-523648
公開日 2005年2月10日 (15年0ヶ月経過) 公開番号 2005-503792
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 中央ステム 絶対安全 突出繊維 移行部位 微小欠損 準連続的 直接基体 候補サンプル
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年2月10日)のものです。
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図面 (20)

課題・解決手段

本発明は、分子遺伝学および医学の分野に関する。特に、本発明は機能ゲノム科学の分野、即ち、骨の恒常性、例えば骨形成誘導の調節において機能する遺伝子の同定方法に関する。特に、本発明は骨アルカリホスファターゼ活性変調を検出するために計画されたハイスループットスクリーニングにおいて同定されたポリヌクレオチドおよびそれによってコードされるポリペプチドに関する。さらに、本発明は、ベクター宿主細胞、抗体および発見されたポリヌクレオチドが関与する疾患の検出のための診断方法、およびそのような疾患の治療方法に関する。本発明はさらに新規治療戦略を開発するために計画された薬剤化合物スクリーニングのための方法及び手段に関する。

概要

背景

本発明は、分子遺伝学および医学の分野に関する。特に、本発明は機能ゲノム科学の分野に関し、とりわけ、骨の恒常性において役割を果たす新規に同定されたポリヌクレオチドおよびかかるポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドに関する。さらに、本発明はまた、骨の恒常性において役割を果たすポリヌクレオチドおよびポリペプチドを見出すために計画されたハイスループットスクリーニング方法の開発にも関する。

概要

本発明は、分子遺伝学および医学の分野に関する。特に、本発明は機能ゲノム科学の分野、即ち、骨の恒常性、例えば骨形成誘導の調節において機能する遺伝子の同定方法に関する。特に、本発明は骨アルカリホスファターゼ活性変調を検出するために計画されたハイ・スループット・スクリーニングにおいて同定されたポリヌクレオチドおよびそれによってコードされるポリペプチドに関する。さらに、本発明は、ベクター宿主細胞、抗体および発見されたポリヌクレオチドが関与する疾患の検出のための診断方法、およびそのような疾患の治療方法に関する。本発明はさらに新規な治療戦略を開発するために計画された薬剤化合物スクリーニングのための方法及び手段に関する。

目的

本発明は、ハイ・スループット・スクリーニングアッセイにおいて単離され、骨の恒常性における機能を有する核酸化合物の同定の方法及び手段を提供する

効果

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請求項1

以下の骨芽細胞分化インデューサーとして同定可能な核酸の群から選択される単離核酸:(a)配列番号:1、3、5、7、または9あるいはその相補鎖DNA配列、(b)配列番号:1、3、5、7、または9あるいはその相補鎖に対応するRNA配列、(c)(a)または(b)に規定するヌクレオチド配列の1つの特異的にハイブリダイズする核酸、(d)配列番号:2、4、6、8、または10のアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする核酸、(e)配列番号:1、3、5、7、または9のDNA配列によってコードされるタンパク質の免疫学的活性なおよび/または機能的な断片をコードする核酸、(f)配列番号:2、4、6、8、または10に規定するタンパク質をコードする核酸、または(a)から(e)のいずれかに規定される核酸であって、該配列がDNA、cDNAゲノムDNAまたは合成DNAである核酸。

請求項2

請求項1に記載の核酸配列を含むベクター

請求項3

該ベクターが発現ベクターであり、ここで核酸配列が、原核および/または真核宿主細胞における該配列の発現を可能にする1または複数の制御配列作動可能に連結している、請求項2に記載のベクター。

請求項4

該ベクターがアデノウイルスベクターである、請求項2または3に記載のベクター。

請求項5

該ベクターがレフトITRとE2B領域の部分を含むアデノウイルスアダプターベクターから作成され、E1領域が哺乳類プロモーターポリリンカー、およびポリアデニル化シグナルによって置換されている、請求項2から4のいずれかに記載のベクター。

請求項6

該核酸がアンチセンス核酸をコードする、請求項1に記載の核酸を含むポリヌクレオチド配列

請求項7

請求項6に記載のポリヌクレオチド配列を含むベクター。

請求項8

該ベクターが発現ベクターであり、ここでアンチセンスポリヌクレオチド配列が、原核および/または真核宿主細胞において該配列の発現を可能にする1または複数の制御配列に作動可能に連結している、請求項7に記載のベクター。

請求項9

以下の工程を含む遺伝子発現を調節する方法:(a)請求項1に記載の核酸配列を含むポリヌクレオチド配列を宿主細胞に導入する工程、および、(b)該ポリヌクレオチド配列が標的遺伝子転写または発現を調節する、標的遺伝子の発現を調節する工程。

請求項10

請求項1に記載の核酸配列を含むポリヌクレオチド配列を宿主細胞に、該宿主細胞における該ポリヌクレオチド配列の発現が導かれる条件下で導入することを含む、骨芽細胞分化を調節する方法。

請求項11

請求項1から6の核酸分子または請求項2から5、7または8のベクターの組み込まれたかあるいはエピソーム性のコピーを含む宿主細胞。

請求項12

該宿主細胞が、酵母、細菌、昆虫真菌、植物または哺乳類細胞である、請求項11に記載の宿主細胞。

請求項13

請求項1に記載の核酸によってコードされる単離ポリペプチド、またはそのバリアントあるいは誘導体、あるいはその免疫学的に活性なおよび/または機能的な断片。

請求項14

配列番号:2、4、6、8、または10のアミノ酸配列を有するポリペプチド、またはそのバリアントあるいは誘導体、あるいはその免疫学的に活性なおよび/または機能的な断片。

請求項15

以下の工程を含む請求項13または14に記載のポリペプチドの産生方法:(a)請求項1に記載の核酸または請求項2から5のいずれかに記載のベクターを含む宿主細胞を、ポリペプチドの発現を可能とする条件下で培養する工程、および、(b)該培養物から該ポリペプチドを回収する工程。

請求項16

請求項1に記載の核酸または請求項2から5のいずれかに記載のベクターによってコードされるポリペプチドまたは該ポリペプチドの特異的エピトープを特異的に認識する抗体を産生する方法。

請求項17

請求項1に記載の核酸または請求項13または14に記載のポリペプチドを検出する方法。

請求項18

薬物として使用するための、請求項1または6に記載の単離組換え核酸または請求項2から5、7または8のいずれかに記載のベクターあるいは該単離組換え核酸によってコードされるポリペプチド。

請求項19

骨芽細胞分化の誘導不在または減少に関する疾患の予防、治療および/または緩和のための薬物の調製のための、請求項1または6に記載の単離組換え核酸または請求項2から5、7または8のいずれかに記載のベクターあるいは該単離組換え核酸によってコードされるポリペプチドの使用。

請求項20

医薬上許容される担体と組み合わせて、請求項1または6に記載の実質的に精製された組換え核酸または請求項2から5、7または8のいずれかに記載のベクターあるいは該単離組換え核酸によってコードされるポリペプチドを、骨芽細胞分化の誘導の不在または減少に関する疾患の予防、治療および/または緩和のために医薬上有効な量含む医薬組成物

請求項21

以下の工程を含む骨芽細胞分化を誘導する方法:(a)請求項1に記載の核酸または請求項2から5のいずれかに記載のベクターを、さらにインビトロまたはインビボ細胞分化することができる所望の宿主細胞に導入する工程、(b)該核酸を発現させる工程、および、(c)該宿主細胞の骨芽細胞への分化刺激する工程。

請求項22

請求項1に記載の核酸または請求項2から5のいずれかに記載のベクターあるいは請求項13または14に記載のポリペプチドの、未分化細胞の骨芽細胞への分化を誘導し、それによって、連続的な骨マトリックスを産生させるための使用。

請求項23

以下の工程を含む骨組織のインビトロでの産生方法:(a)未分化哺乳類細胞基体に載せて、細胞基体を形成させる工程、(b)請求項1に記載のポリヌクレオチドまたは請求項2から5のいずれかに記載のベクターを該細胞に導入するか、あるいは該細胞基体を該ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドに、該未分化細胞が骨芽細胞に分化するのに十分な時間接触させ、それによって連続的な骨マトリックスを産生させる工程。

請求項24

該連続的な骨マトリックスが、該基体の表面上で少なくとも0.5μmの厚さを有する、請求項23に記載の方法。

請求項25

異常な骨芽細胞分化を検出するための診断キットを調製するための、請求項1または6に記載の単離核酸または請求項2から5、7または8のいずれかに記載のベクターあるいは該単離組換え核酸によってコードされるポリペプチドの使用。

請求項26

以下の工程を含む、対象における異常な骨芽細胞分化に関する病状または該病状に対する罹患性診断する方法:a)請求項1の核酸に対応する該対象のmRNAサンプルまたは請求項1の核酸のゲノム配列に対応する該対象のゲノムDNAのサンプルを得る工程、b)該対象のmRNAまたはゲノムDNAの核酸配列を決定する工程、c)該対象のmRNAまたはゲノムDNAの核酸配列と、データベースから得られる請求項1の核酸または請求項1の核酸をコードするゲノム配列を比較する工程;および、d)該対象のmRNAまたはゲノムDNAの核酸配列と、データベースから得られる請求項1の該核酸または請求項の核酸をコードする該ゲノム配列の相違を同定する工程。

請求項27

生物サンプルにおける請求項1の核酸または該核酸によってコードされるポリペプチドの発現の存在または量を判定することを含む、対象における異常な骨芽細胞分化に関する病状または該病状に対する罹患性を診断する方法。

請求項28

請求項1に記載の核酸または請求項2から5のいずれかに記載のベクターまたは請求項13または14に記載のポリペプチドを含む、患者における異常な骨芽細胞分化を診断するためのキット

請求項29

1または複数のコピーの請求項1の核酸を安定にその動物のゲノムに組み込んで含むトランスジェニック非ヒト動物、または請求項1の核酸の発現を調節する調節要素を含む動物。

請求項30

請求項1の核酸をコードする1または2の対立遺伝子からの1または複数のエキソン欠失、あるいは該核酸の1または複数のエキソンの欠失を含むノックアウト非ヒト動物、あるいは、請求項1の核酸配列を含む調節配列を含むゲノム領域において標的化突然変異を含む動物。

請求項31

モデル系としての請求項30または31に記載のトランスジェニックまたはノックアウト非−ヒト動物の使用。

請求項32

請求項1、6のいずれかに記載の単離核酸または請求項2から5、7または8に記載のベクターあるいは該核酸によってコードされる単離ポリペプチドの、骨芽細胞分化を誘導または抑制する薬剤の同定のための薬剤化合物スクリーニングのための使用。

請求項33

以下の工程を含む骨芽細胞分化を誘導または抑制しうる化合物を同定するための被験化合物のスクリーニングのためのアッセイ:(a)該被験化合物と請求項13または14に記載のポリペプチド、またはそのバリアントあるいは誘導体、あるいはその免疫学的に活性なおよび/または機能的な断片からなる剤を、該剤が該被験化合物に接触するのを可能にする条件下で混合する工程;および、(b)該剤と被験化合物の相互作用指標である複合体の形成を検出する工程。

請求項34

以下の工程を含む異常な骨芽細胞分化を伴う疾患または障害を予防、治療および/または緩和するのに有用なポリヌクレオチドまたはポリペプチド被験化合物を同定するための薬剤化合物スクリーニングアッセイ:(a)該被験化合物と、請求項1に記載の核酸または請求項2から5のいずれかに記載のベクターとを接触させる工程、そして、(b)該化合物が該核酸と相互作用するかを判定する工程。

請求項35

以下の工程を含む、骨芽細胞分化を誘導するタンパク質と標的分子との相互作用を調節する被験化合物を同定するための薬剤化合物スクリーニングアッセイ:(a)(i)被験化合物と、(ii)請求項13または14に記載のポリペプチドまたはそのバリアントあるいは誘導体、あるいはその免疫学的に活性なおよび/または機能的な断片からなる剤、および(iii)被験化合物の不在下で該剤が相互作用する標的分子、をその相互作用が可能な条件下で混合する工程、そして、(b)該剤と標的分子、または該剤と被験化合物を含む複合体の形成を検出する工程。

請求項36

請求項1に記載の核酸を含む骨芽細胞分化遺伝子の発現を調節する被験化合物の同定のための薬剤化合物スクリーニング方法であって、該アッセイが以下の工程を含む方法:(a)請求項1に記載の核酸を含む発現ベクターを形質移入された宿主細胞を提供する工程、(b)被験化合物を該宿主細胞に導入する工程、そして、(c)該核酸によってコードされるポリペプチドの発現レベルを測定する工程。

請求項37

複合体における結合パートナー間の相互作用を調節する化合物を同定するための薬剤化合物スクリーニングアッセイであって、ここで少なくとも該結合パートナーの1つが請求項13または14に記載のポリペプチドまたはそのバリアントあるいは誘導体、あるいはその免疫学的に活性なおよび/または機能的な断片からなる剤であり、以下の工程を含む方法:(a)被験化合物と複合体とを、複合体における相互作用を調節するのに十分な時間接触させる工程;(b)該複合体を複合体における相互作用の変化についてモニターする工程;(c)該複合体における相互作用を変化させる被験化合物を同定する工程。

請求項38

以下の工程を含む移植のための骨芽細胞を産生する方法:(a)間葉多能性細胞MPC)を含有する骨髄脂肪組織またはその他の自己ソースからMPCを単離する工程、(b)該MPCの骨芽細胞へのエキソビボでの分化を、請求項1に記載のポリヌクレオチド配列または請求項2から5に記載のベクターを該MPCに導入することにより、あるいは請求項13または14に記載のポリペプチドと該MPCを接触させることにより、誘導する工程、(c)工程(b)において産生された骨芽細胞を単離する工程。

請求項39

以下の工程を含む移植片の産生方法:(a)請求項38、工程(c)の骨芽細胞とマトリックスまたはマトリックス−形成材料とを混合して骨芽細胞組成物を形成させる工程、そして、(b)該骨芽細胞組成物を合成移植片に適用して移植片を産生する工程。

請求項40

移植片の製造のための請求項38によって得られる骨芽細胞の使用。

請求項41

骨の欠陥を満たすために用いられるマトリックスまたはマトリックス−形成材料、および請求項13または14に記載のポリペプチドまたは請求項1に記載の発現可能なポリヌクレオチドを含む形質移入可能なベクターを、骨芽細胞分化を誘導するのに有効な濃度で含む、骨の欠陥の治療用組成物

0001

本発明は、分子遺伝学および医学の分野に関する。特に、本発明は機能ゲノム科学の分野に関し、とりわけ、骨の恒常性において役割を果たす新規に同定されたポリヌクレオチドおよびかかるポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドに関する。さらに、本発明はまた、骨の恒常性において役割を果たすポリヌクレオチドおよびポリペプチドを見出すために計画されたハイスループットスクリーニング方法の開発にも関する。

0002

今やヒトゲノム配列はほぼ完全に知られていることから、生物医学的研究は新しい時代入りつつある。明かに個々の単一ORFだけではなく、スプライスバリアントももちろん含む多くの予測オープンリーディングフレーム(ORF)をゲノム配列から抽出することができる。細胞生物の生物学の完全な理解の探究において、新規なタンパク質機能についての研究が次なる必然的一歩である。かかる知識により、疾患を治療するための合理的な薬剤開発が可能となる。

0003

機能ゲノム科学は、新規遺伝子およびコードされるタンパク質によって示される活性を見出すための強力かつ不偏なアプローチである。機能ゲノム科学では、測定可能な特性の増減解読される、細胞アッセイにおけるcDNA発現ライブラリースクリーニングが必要である。本発明は、ハイ・スループット・スクリーニングアッセイにおいて単離され、骨の恒常性における機能を有する核酸化合物の同定の方法及び手段を提供する。

0004

骨芽細胞分化
骨には2種類の異なる細胞タイプが含まれる。骨芽細胞、即ち骨形成細胞破骨細胞、即ち骨吸収細胞である。その機能を発揮するために、骨はこれらの2つのタイプの細胞の複雑な相互作用により、絶え間無く破壊(吸収)され、そして再構築されている。破骨細胞については、前駆細胞から機能性の破骨細胞への発達関与する転写因子増殖因子の詳細なカスケード確立されている(Karsenty、1999; Teitelbaum、2000)。それに対して骨芽細胞系統についてはほとんど知られていない。胚発生の間に、骨芽細胞分化、即ち「骨形成」は2種類の経路によって起こりうる:軟骨内骨化または膜内(intramembranous)骨化である。成長期および成人において、骨芽細胞は主に骨修復および骨の再形成に関与する。骨芽細胞系統からの細胞は、破骨細胞分化を開始させて制御する分子を合成及び分泌することも知られている。骨芽細胞は間葉起源であり、細胞培養においてはほとんど線維芽細胞と区別がつかない。骨芽細胞分化は、前駆細胞が骨芽細胞へと分化する際に起こり、内在性アルカリホスファターゼ活性(BAP)の上方制御により特徴付けられる。2つの骨芽細胞−特異的転写産物のみがこれまでに同定されている:1つは転写因子Core−結合因子1(Cbfa1)をコードし、もう1つは骨芽細胞機能阻害する分泌分子であるオステオカルシンをコードする。Cbfa1は骨芽細胞分化のマスター調節因子である。骨形成および/またはCbfa1発現を制御するその他の転写因子がインビトロおよびインビボでの研究により同定されている(図1)。例えば、Cbfa1は様々な転写因子、例えばMsx2、Bapx1またはHoxa1、あるいは分泌因子、例えばIndian hedgehog(Ihh)あるいは骨形態形成タンパク質2(BMP2)によって調節されている。発生及び出生後生活の間にこれら2つの細胞タイプが関与する生物学的プロセス多様性重要性により、それらの分化および機能を理解する必要性がある(Karsenty、1999; Teitelbaum、2000)。

0005

骨吸収と骨構築との間の微調整されたバランス崩れることにより、多くの疾患が引き起こされる。より正確には、破骨細胞活性の増減または骨芽細胞の増殖および分化の増減の結果、様々な疾患が起こる。1つの最も重要な骨疾患骨粗鬆症であるが、多くのその他の疾患の患者が多数存在する:悪性高カルシウム血症パジェット病関節リウマチおよび歯周病などの炎症性骨疾患、骨転移において起こる限局性骨形成、クルゾン症候群くる病、オプシスモディスプラジア(opsismodysplasia)、ピクノディスオストーシス/トゥールーズ・ロートレック病、骨形成不全症(Karsenty、1999; Teitelbaum、2000; Rodan and Martin、2000; Goltzman、2001; Karsenty、2001)。

0006

組織工学/骨修復:
骨再形成は、同化−骨形成−と異化−骨吸収−プロセスの間の平衡に依存する。骨折後、骨再形成プロセスが骨折の治癒に必要である。しかし、患者の骨折はあまりよく治癒しない場合がよくある。こういった患者は老人及び骨粗鬆症患者である傾向がある。かかる場合、回復を促進するために外科的介入が要求される。骨移植術を伴うかあるいは伴わずに補綴移植され得る。骨があまりに穴だらけの場合や、以前の移植片が骨にうまく導入されなかった場合などには、現在の医学ではほとんどあるいは全く手が施せない。ここで、以下の方法は有用である可能性がある(Service、2000;米国特許第6152964号):間葉前駆細胞を患者の骨髄から単離し、インビトロで骨芽細胞への分化を誘導し、移植片を覆うために用いられるバイオポリマーと混合し、そして細胞−バイオポリマー混合物によって覆われた移植片を移植する。この方法は既存の方法に対していくつかの利点を有する:セメントにより患者の骨から調製される骨片の使用の必要性が軽減する。後者の方法は患者にとって苦痛であることが多い。第二に、分化した細胞が、即座に移植片が周囲の骨に組み込まれるのを助ける。というのは該細胞は骨芽細胞であるからである。第三にこの方法には、移植片が免疫拒絶されるという危険が無い。というのは患者自身の細胞を用いるからである。

0007

それゆえ多能性の骨髄間葉前駆細胞あるいは全能性幹細胞からインビトロで骨芽細胞への分化を誘導することができる因子を見出すことが重要である。

0008

現在、インビトロで骨芽細胞分化を誘導することができる化合物はわずかしか同定されていない。例えば、デキサメタゾン、または組換えヒト分泌タンパク質では、例えば、BMP−2またはBMP−7(Service、2000)が挙げられる。

0009

それゆれ、骨芽細胞または骨の恒常性に関与するその他の細胞タイプの分化を特異的に誘導する新規なヒト分泌タンパク質を見出すことは非常に興味深い。かかるタンパク質はエキソビボ/インビトロ分化プログラムにおいて利用できる。

0010

しかし、新規な薬剤開発を導くこの分野における研究は、ハイ・スループット・スクリーニング(HTS)アッセイの欠除により阻まれている。

0011

骨の恒常性に関する現在のインビトロアッセイ系は、面倒で、時間がかかり、インビボ系に基く場合が多く、実際に自動化には適さない。しかし骨の恒常性の複雑性のために、インビトロアッセイ系はハイ・スループット・スクリーニングにおいて用いられたことが無い。長らく必要性が感じられていたにもかかわらず、骨の恒常性に関するインビトロアッセイは24、48あるいは多くとも96ウェルプレートで行なわれてきた。

0012

今日までHTSの改良のための努力は、ウェルを小さくすることに向けられてきた(小型化)。ウェルのサイズを小さくすることができれば、各プレート上のウェルの数を増やすことにより、より多くの並行試験を行なうことが可能となる。さらにアッセイ容積を小さくすることにより、ウェル当たりの試薬コストを低減させることができる。さらに、より多くの並行試験を小さいアッセイ容積で行なうことができるため、同時により多くの化合物を試験して薬剤候補化合物を見出すことができることになる。しかし、小型化にはそれ固有のコストがかかり複雑性が伴う。さらに、より小さいウェルの使用により入手可能性が制限されている一次細胞の使用が可能となる。

0013

これらのコストおよび複雑性は、スクリーニング・形式(format)の小型化の3つの主成分と直接関係する。第一に、試験容器を小さくすることができなければならない。第二に、より数が多く、サイズの小さいウェルにすべての必要なアッセイ試薬を正確に分配することができなくてはならない(これは通常同時に多くのウェルに試薬を分配する液体操作ロボットにより達成される)。第三に、高密度アレイにおける試験結果を「解読」することができなければならない。

0014

並行した独立のアッセイが必要となると、各成分によりどれほど小型化が実現可能かあるいはコスト効率がよいかという挑戦限界が与えられる。例えば、サンプルサイズがより小さければ、より少ない容量の試薬を分配し、より小さいサンプルのシグナルを解読することにおける固有の不確定性によって、サンプル間の統計的変動が大きくなる。

0015

ハイ・スループット・スクリーニングに関する具体的な問題は、発現可能な核酸標的細胞への効率的な導入に関する。発現可能な核酸を含むアデノウイルスベクターおよびアデノウイルスは標的細胞に効率よく形質導入するために周知のものである。したがって、発現可能な核酸の大きいライブラリーがアデノウイルスベクターおよびアデノウイルスにおいて作られている。しかし該ベクターおよびウイルス宿主細胞の範囲が制限されている。

0016

アデノウイルスはおよそ36000塩基対の直鎖状二本鎖DNA分子を含む。それはおよそ90−140塩基対であるが正確な長さは血清型に依存する同一の逆方向末端反復(ITR)を含む。該ウイルスの複製開始点は正確にゲノム末端にあるITR中にある。転写単位初期領域および後期領域にわけられる。複雑なスプライシングおよびポリアデニル化機構によりコアタンパク質キャプシドタンパク質ペントンヘキソン、繊維および関連タンパク質)、ウイルスプロテアーゼおよびキャプシドアセンブリー宿主タンパク質翻訳シャットダウンに必要なタンパク質をコードする12より多いRNA種が生じる(Imperiale et al、1995)。

0017

アデノウイルスと宿主細胞との相互作用は、突出繊維ノブ領域細胞受容体との相互作用を介して起こる。Ad2、Ad5、およびおそらくより多くのアデノウイルスに対する受容体が「コクサッキーウイルスおよびアデノウイルス受容体」、即ちCARタンパク質として知られている(Bergelson et al、1997)。感染の第一段階は、アデノウイルスのその標的細胞に対する結合であり、この工程は繊維タンパク質に媒介される。繊維タンパク質は三量体構造を有し(Stouten et al、1992)その長さはウイルス血清型に依存する(Signas et al、1985; Kidd et al、1993)。異なる血清型のものは構造的に類似のN−およびC−末端を備えたポリペプチドを有するが、その中央ステム領域が異なっている。ノブは、血清型の間で保存された領域をいくらか含むが、ノブタンパク質は高度の可変性を示し、様々なアデノウイルス受容体が存在することが示唆される。現在では、ヒトアデノウイルスの6種のサブグループが提案されており、これらを合計するとおよを50種類の異なるアデノウイルス血清型包含される。血清型は、動物ウマウサギ抗血清による定量的中和によって決定される免疫学的特異性に基いて規定される。異なるアデノウイルス血清型は、中和抗体に対する感受性に差があるだけでなく、サブグループCのアデノウイルス(例えば、Ad2およびAd5)はサブグループBのアデノウイルス(例えば、Ad3およびAd7)と比較して異なる受容体に結合する(Defer et al、1990; Gall et al、1996)。これらの血清型は少なくとも細胞結合に必要なタンパク質(繊維タンパク質)において異なっている。しかし、(少なくともいくつかの)これらのサブグループのメンバーがCARに結合することができるという事実は、これらのウイルスが様々な細胞タイプにおいて異なる感染効率を有するということを否定しない。したがって、これらの間でCARに対する結合能力共有されているが、異なる血清型での繊維の長さ、ノブ配列およびその他のキャプシドタンパク質(例えば、ペントン塩基)の差により、特定の標的細胞に感染するアデノウイルスの効力が決定される可能性がある。

0018

現在、機能ゲノム科学、遺伝子治療またはワクチン接種に用いられているアデノウイルス遺伝子送達ベクターのほとんどが、サブグループCアデノウイルスAd2またはAd5由来のものである。該ベクターは、組換えウイルスの複製を無効にするような少なくとも1つの欠失をE1領域において有している。この領域に、新規な遺伝情報を導入することができる。動物モデルおよび免疫不全マウスにおけるヒト異種移植において、組換えアデノウイルス、特に血清型5のものが、インビボで肝臓気道上皮および固形腫瘍に遺伝子を効率的に移入させるのに好適であることが示された(Bout 1996、1997; Blaese et al、1995)。

0019

機能ゲノム科学におけるアデノウイルスベクターの使用には、遺伝子発現ライブラリーの構築およびインビトロおよびインビボの遺伝子バリデーションが含まれ、これには適切な細胞に基くアッセイまたは特定のヒト疾患のための動物モデルが用いられる。アデノウイルス由来遺伝子移入ベクター(アデノウイルスベクター)は、特に遺伝子移入に好適な数多くの特徴を有する。しかし、アデノウイルスベクターおよびアデノウイルスの使用に関していまだに多くの欠点が存在する。特に、血清型Ad2およびAd5は、肝臓以外の器官にさらなる遺伝物質送達するのには理想的とはいえない。標準的なAd2またはAd5アデノウイルスベクターおよびアデノウイルスを用いる機能ゲノム科学にとっては、インビトロまたはエキソビボ遺伝子移入は、特に骨の恒常性に関する細胞においては非常に制限される可能性がある。

0020

(発明の概要
本発明は、1つの態様において、骨の恒常性において機能する遺伝子の同定方法、特に骨芽細胞分化を誘導する遺伝子の同定方法に関する。とりわけ、本発明のスクリーニング方法は、内在性骨アルカリホスファターゼ(BAP)活性の上方制御を測定することによって、前駆細胞の骨芽細胞への分化を誘導することにより機能するポリヌクレオチドおよびポリペプチドを同定する。アレイに並べた(arrayed)核酸ライブラリーを用いてヒト一次間葉前駆細胞(MPC)のアレイを形質導入し、ハイ・スループット設定において内在性BAP活性を上方制御する核酸を同定する。

0021

別の態様において、本発明はハイ・スループットBAPスクリーニングにおいて同定される、骨芽細胞分化プロセスを促進するポリヌクレオチドおよびそれによってコードされるポリペプチドに関する。

0022

さらに本発明は、ベクター、宿主細胞、抗体および上記ポリヌクレオチドおよびポリペプチドを含む骨芽細胞分化−関連疾患を検出するための診断方法、および特に骨細胞分化だけでなく骨再形成一般についての治療方法にも関する。本発明はさらに、骨細胞分化と骨再形成の両方に影響を及ぼす化合物を同定するために計画された薬剤化合物スクリーニングの方法と手段にも関する。

0023

(発明の詳細な記載)
本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドの同定に用いられる方法は、以下の工程を含む。
(i)アレイに並べた核酸ライブラリーを作成する工程、
(ii)該核酸ライブラリーをアレイに並べた形式において細胞へ導入する工程、および、
(iii)骨芽細胞分化を判定する工程。
好適な態様において、本発明は、骨の恒常性を調節する、特に、骨芽細胞分化を誘導する外因性ポリペプチドをコードするサンプル核酸を同定する方法を提供する。該方法は以下の工程を含む:
(a)多数の独特の発現可能なサンプル核酸のライブラリーを提供する工程、
(b)該外因性ポリペプチドが発現する条件下で該サンプル核酸を真核宿主細胞に導入する工程、および、
(c)該サンプル核酸を骨の恒常性の変調、特に該宿主細胞の骨芽細胞への分化の誘導の検出によって同定する工程。

0024

したがって、「同定する」という語は、特定のサンプル核酸が骨芽細胞分化を誘導するかどうかを認識するプロセスを意味することを理解されたい。したがって、「同定」という語は、サンプル核酸の性質や起源とは関係しない。例えば、該方法において「同定」されたサンプル核酸は、既知であるか未知であるかは関係ない。

0025

「調節」という語は、骨吸収および骨構築を含む骨の恒常性を調節、変化あるいは阻害するサンプル核酸のことを指す。この点に関して、サンプル核酸自体又は該サンプル核酸によってコードされる産物、例えば、mRNAまたはポリペプチドが、骨の恒常性に関与する機構に干渉することを理解されたい。

0026

本発明は好ましくは骨の恒常性を調節するサンプル核酸の同定方法に関する。骨の恒常性は、骨吸収と骨構築との間のバランスに関する。換言すると、破骨細胞活性の増減のバランスまたは骨芽細胞増殖および分化の増減のバランスである。したがって、骨の恒常性の変調は、骨吸収と骨構築の間のバランスの確立のことも言うことを理解されたい。

0027

「骨芽細胞分化」または「骨形成」の語は、内在性骨アルカリホスファターゼ活性(BAP)の上方制御に関する。BAPは骨芽細胞分化プログラムの初期マーカーである(Rodan and Harada、1997)。内在性BAP活性は、当該技術分野で公知の方法により測定される。特に、メチルウンベリフリル(methylumbelliferyl)ヘプタホスフェート(MUP)溶液(Sigmaカタログ番号M3168)を細胞に添加後、細胞を37℃で30分間インキュベートする。必要であれば、反応をNa2CO3溶液の添加により停止させる。次いでその結果生じる蛍光を例えば、蛍光リーダー(Fluostar、BMG)で測定する。当業者であれば必要に応じてBAP−アッセイを行なうことができると予想される。この点において、「内在性」という語は、宿主細胞の天然または生得的なBAP活性に関する。

0028

「誘導」という語は、骨芽細胞分化を誘導、上方制御または刺激するポリペプチドのことをいう。この点において、サンプル核酸自体または該サンプル核酸によってコードされる産物が骨芽細胞分化を誘導することを理解されたい。

0029

本発明は特に、本明細書に記載した方法に関することが理解される。該方法において、該サンプル核酸の宿主細胞の骨芽細胞への分化誘導の検出による同定は、内在性骨アルカリホスファターゼ(BAP)活性の測定を含む。

0030

本発明によるサンプル核酸は、ゲノムDNA、cDNA、RNA、以前にクローニングされたDNA、遺伝子、EST、合成オリゴヌクレオチドランダム化配列アンチセンス核酸、低分子干渉RNA(siRNA)、遺伝的サプレッサー要素、リボザイム突然変異ジンクフィンガーをコードするDNA、抗体配列をコードするDNAあるいはそれらの組合せのいずれであってもよい。サンプル核酸は、全長タンパク質をコードするものでもよいが、部分的、非全長タンパク質またはタンパク質ドメインをコードするものでもよい。この点において「外因性ポリペプチド」という語は、サンプル核酸によってコードされるアミノ酸配列を指すことを理解されたい。

0031

好ましくは、サンプル核酸はベクターまたは対応するウイルスにクローニングされたサンプル核酸のセットまたはライブラリーの一部であり(以下を参照されたい)、サンプル核酸のセットまたはライブラリーは、2から2x107の別々のサンプル核酸を含むものであってよく、通常は100から1x106種類のサンプル核酸を含む。

0032

細胞へのサンプル核酸の導入とは、サンプル核酸が当業者に公知のあらゆる方法によって細胞に、形質移入、感染または形質導入されることをいう。核酸は当該技術分野で公知のいかなる方法によって送達してもよく、例えば、リン酸カルシウム共沈および直接針注入が含まれるがこれらに限定されない。核酸は送達媒体、例えば、ウイルス配列ウイルス粒子リポソーム製剤リポフェクチンまたは沈降剤などによって送達してもよい。利用可能なウイルスベクターには、ヘルペスウイルスベクター、バキュロウイルスベクターレンチウイルスベクターレトロウイルスベクターアルファウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクターまたはアデノウイルスベクター、アデノウイルスあるいはそれらのあらゆる組合せが含まれるがこれらに限定されない。

0033

本明細書に記載する本発明による方法においてアデノウイルスベクターが導入される真核宿主細胞または宿主細胞系は、インビトロで骨芽細胞へと分化誘導され得るいずれの細胞であってもよい。これらの細胞は、哺乳類、例えば、ヒト、イヌおよびげっ歯類爬虫類鳥類両生類、および魚類を含むがそれらに限定されないあらゆる生物から得られる。宿主細胞は好ましくは間葉起源である。好ましくは真核宿主細胞は間葉多能性細胞(MPC)であり、これは間葉幹細胞MSC)とも呼ばれる。より好ましくは真核宿主細胞は、一次MPCであり、さらに好ましくはヒト一次MPCである。本出願において、「間葉」という語は、細胞の表現型、即ち、当該技術分野で周知のように、骨芽細胞、軟骨細胞間質性線維芽細胞、筋芽細胞神経細胞、前脂肪脂肪細胞および/または端細胞(tenoblast)へと分化可能な細胞の表現型のことをいう。

0034

したがって、本発明は特に本明細書に記載した方法に関することが理解される。該方法では、該真核宿主細胞は間葉多能性細胞(MPC)、好ましくは一次MPC、より好ましくは一次ヒトMPCである。

0035

骨芽細胞分化は、間葉細胞の再構築に関し、これに伴いBAP活性が上方制御される。したがって、「表現型のアッセイ」という語は、好ましくは本発明の方法を用いることによる表現型の対照に対する変化の判定によって、骨の恒常性に関与する1または複数の機構を干渉する(調節する)サンプル核酸の能力の評価に関する。対照はモジュレーター不在下での特定の表現型を示す。したがってサンプル核酸の影響による間葉細胞の生存も、その生存がモジュレータの結果であるならば、本発明に包含されることが理解されよう。生存および/または増殖の向上により、培養の集密がより早くなる。集密状態はほとんどの分化プログラムの開始を引き起こし、導入されたサンプル核酸とともに作用して骨芽細胞分化プログラムを開始させる。

0036

形質導入細胞の表現型のアッセイとは、各ウェルを対照ウェルと比較した表現型の違いについてスコア付けし、特に対照ウェルと比較したBAP活性の上方制御をスコア付けすることをいう。対照の設定は当該技術分野で周知であり、例えば、一般に対照ウェルは調査対象のウェルと1つのパラメーターのみにおいて異なるものである。スコア付けは、光学顕微鏡によって、または蛍光マーカーでの細胞の染色後に蛍光顕微鏡によって視覚的に行なうことができ、また、例えば発光吸光、蛍光、および/またはFRETの測定によって行なうこともできる。スコア付けに利用可能な上記技術はすべて当該技術分野で周知である。さらに当業者であれば、特定の必要性に応じて該技術を改変することができることが理解される。ハイ・スループット・スクリーニングのためには自動データ捕捉および画像分析器が好適である。

0037

サンプル核酸を含有する組換えアデノウイルスベクターライブラリーの作成、およびサンプル核酸を含有するウイルスベクターへの対応するパッケージング細胞系、例えば、PER.C6またはPER.C6/E2Aパッケージング細胞系(米国特許第5994128号、国際特許出願第WO99/64582号)への導入による活性の組換えアデノウイルスの産生は、すべて国際特許出願第WO99/64582号に記載され、さらに実施例において説明されるハイ・スループット設定において基本的に行なわれる。したがって、アデノウイルスライブラリーはアデノウイルスベクターライブラリーに直接由来し、それに匹敵するものである。アデノウイルスベクターライブラリーおよびアデノウイルスライブラリーはともに多数の独特の発現可能なサンプル核酸を含有する。実質的に第一のタイプの1または複数のアデノウイルスベクターまたはアデノウイルスからなるそれぞれのライブラリーは、少なくとも1つの独特の核酸を水性培地中に含む。アデノウイルスベクターライブラリーとアデノウイルスライブラリーの両方が本発明による方法において利用可能であることを理解されたい。

0038

したがって、本発明は本発明による方法に関し、ここで該ライブラリーは実質的に第一のタイプの1または複数のアデノウイルスベクターまたはアデノウイルスからなり、水性培地中に少なくとも1つの独特の核酸を含む。

0039

本発明は本発明による方法に関し、ここで該ライブラリーは多数の区画を含み、該区画のそれぞれは、水性培地中に少なくとも1つの独特の核酸を含む、実質的に第1のタイプの1または複数のアデノウイルスベクターまたはアデノウイルスからなることを理解されたい。

0040

サンプル核酸によってコードされる1または複数の産物を同定し機能を割り当てるために、サンプル核酸の1または複数の産物、例えば、RNAまたはポリペプチドを発現する組換えアデノウイルスベクターまたはアデノウイルスが宿主細胞に、ハイ・スループット設定において導入される。

0041

アデノウイルスベクターまたはアデノウイルスの機能ゲノム科学における使用には、遺伝子発現ライブラリーの構築および適切かつ意味のある細胞ベースのアッセイまたは特定のヒト疾患のための動物モデルによるインビトロおよびインビボでの遺伝子バリデーションが含まれる。アデノウイルス由来の遺伝子移入ベクター(アデノウイルスベクター)は特に遺伝子移入に有用な多くの特徴を有する。しかし、アデノウイルスベクターまたはアデノウイルスの使用に関する多くの欠点がいまだに存在する。特に、血清型Ad2およびAd5は肝臓以外の器官に遺伝物質を送達するためには理想的ではない。標準的Ad2またはAd5アデノウイルスベクターまたはアデノウイルスを用いる機能ゲノム科学のためのインビトロまたはエキソビボ遺伝子移入は、特に該アデノウイルスベクターまたはアデノウイルスを骨の恒常性に関与する細胞に用いる場合には非常に制限されている。本発明により細胞受容体の数を増加させるかあるいは血清型に特異的な受容体を導入することによって顕著に形質導入効率が向上することが立証された。この点において、「余剰の」受容体の数を増加させることによっても形質導入効率が有意に向上する。様々なアデノウイルスベクターまたはアデノウイルスライブラリーはAd2またはAd5ウイルスに基くものであるため、Ad2およびAd5のためのCAR受容体は特に有用である。したがって本発明は、受容体を、該ライブラリーが作成されたアデノウイルスベクターまたはアデノウイルスの繊維タンパク質を認識する宿主細胞に導入する方法に関する。同様に、本発明は該ライブラリーが作成されたアデノウイルスベクターまたはアデノウイルスの繊維タンパク質を認識する宿主細胞における受容体数を増加させる方法に関する。受容体数の増加は、例えば、該受容体をコードする核酸を導入することによって行なわれる。受容体の導入は本明細書に記載する手段にしたがって行なうことができる。本発明は特に、第二のタイプの、すなわちサンプル核酸を含むアデノウイルスベクターとは異なる、アデノウイルスベクターまたはアデノウイルスによる受容体の導入に関する。第一のタイプのアデノウイルスベクターまたはアデノウイルスは、該サンプル核酸ライブラリーが作成された、多数の独特の発現可能な核酸を含むアデノウイルスベクターまたはアデノウイルスであることは明かである。同様に第二のタイプのアデノウイルスベクターまたはアデノウイルスとは、繊維タンパク質に対する受容体を特異的にコードする核酸を含むアデノウイルスベクターまたはアデノウイルスであることは明かである。したがって、「第一のタイプ」または「第二のタイプ」という語は、特定の繊維タンパク質に関するものではない。第二のタイプのアデノウイルスベクターまたはアデノウイルスにおけるCAR受容体と、第一のタイプのアデノウイルスベクターまたはアデノウイルスにおけるAd5fib5との組合せは特にこの点において有用であることが立証された。

0042

それゆえ、本発明は特に、第一のタイプのアデノウイルスベクターまたはアデノウイルスを宿主細胞に導入し、第一のタイプの該アデノウイルスベクターまたはアデノウイルスに対する宿主細胞受容体数を増加させる方法に関し、該方法は、以下の工程を含む:
(a)第一のタイプのアデノウイルスベクターまたはアデノウイルスの繊維タンパク質に対する宿主細胞受容体をコードする遺伝子を含む第二のタイプのアデノウイルスベクターまたはアデノウイルスを提供する工程、
(b)第二のタイプのアデノウイルスベクターまたはアデノウイルスを該宿主細胞に、該宿主細胞受容体の発現を可能とする条件下で導入する工程、
(c)第一のタイプのアデノウイルスベクターまたはアデノウイルスを提供する工程であって、該第一のタイプのアデノウイルスベクターまたはアデノウイルスはサンプル核酸を含むものである工程、および、
(d)第一のタイプのアデノウイルスベクターまたはアデノウイルスを工程(b)の宿主細胞に、第一のタイプのアデノウイルスの繊維タンパク質の、第二のタイプのアデノウイルスベクターまたはアデノウイルスによって提供される宿主細胞受容体への結合を介して導入する工程。

0043

したがって、本発明は特に本発明による方法に関すると考えられ、ここで該方法に先行して以下の工程が行なわれる:
(a)第一のタイプのアデノウイルスベクターまたはアデノウイルスの繊維タンパク質と相互作用可能な細胞受容体をコードする核酸配列を含む、第二のタイプのアデノウイルスベクターまたはアデノウイルスを提供する工程、および、
(b)該第二のタイプのアデノウイルスベクターまたはアデノウイルスを該真核宿主細胞に該宿主細胞における該細胞受容体の発現を可能とする条件下で導入する工程。

0044

ハイ・スループット・スクリーニング
複雑性の観点から、骨の恒常性の維持、特に骨芽細胞分化に関与する因子の潜在数が多く、因子間の関係が複雑であることから、多数の因子をスクリーニングすることが好ましい。それゆえ、本発明の設定において骨の恒常性および特に骨芽細胞分化の変調として規定されるサンプル核酸の機能の測定は、好ましくはハイ・スループットおよび/または小型化された設定において行なわれる。

0045

本明細書において用いる場合、「ハイ・スループット・スクリーニング」または「HTS」という用語は、自動化した方法における既知の物(すなわち標的)を未知の物(すなわち被験化合物)のグループ(すなわちライブラリー)に曝すことを含むアッセイを意味し、ここで、標的に関連する反応の進行を、特定の被験化合物の生物活性のレベル相関する結果についてアッセイする。この標的−関連反応には、結合、例えば受容体へのリガンドの結合が含まれることが多い。HTSは多くの別々の化合物が並行して試験される方法であり、多数の被験化合物が同時またはほぼ同時にその生物活性についてスクリーニングされる。ここではロボット操作が用いられ、サンプル容量は小さい。

0046

現在もっとも普及している技術は96ウェルマイクロタイタープレートを用いるものである。この形式では、96の別々の試験が、1つの8cmx12cmのプラスティックプレート上で同時に行なわれる。該プレートは96の反応ウェルを含む。これらのウェルでは典型的には50から500μlのアッセイ容量が要求され、プレートに加えて、多くの装置、試薬、ピペッター、ロボット、プレート洗浄器およびプレートリーダーが広範な同種及び異種アッセイのための96ウェル形式に適合するように市販されている。本発明は特に、96−ウェル、384−ウェルあるいはそれ以上の設定に関する。

0047

したがって、本発明は本明細書に記載の方法に関し、ここで少なくとも1つの工程、例えば導入工程、より好ましくは2以上の工程が小型化および/またはハイ・スループット形式で行なわれる。

0048

本発明のさらなる態様において一次スクリーニングからの候補サンプル核酸が骨の恒常性、特に骨芽細胞分化の真のモジュレーターであるか否かを確認する方法が提供される。したがって、本発明は本発明による、さらに確認工程を含む方法に関する。確認工程において、該サンプル核酸はさらにALPL(ヒトアルカリホスファターゼ肝臓/骨/腎臓)、ALPI(ヒトアルカリホスファターゼ腸)、ALPP(ヒトアルカリホスファターゼ胎盤)、および/またはALPP2(ヒトアルカリホスファターゼ胎盤−様)の転写の誘導について確認される。転写の誘導を判定するアッセイは当該技術分野で公知であり、ALPL、ALPI、ALPP、および/またはALPP2mRNAのノザンブロット分析または定量的RTPCRを含むがこれらに限定されない。

0049

当業者であれば、確認アッセイの代わりとなる型式が存在し、あるいは確認アッセイが特定の用途に応じて適用されることが理解できるであろう。これらのアッセイの多様性は当業者の能力の範囲内である。したがって、代わりとなるアッセイ、例えば実施例10、11、12、13に記載のもの、および本明細書に記載の確認アッセイを改変したものも本発明に含まれる。

0050

同定されるモジュレーター、およびその用途
本発明による方法の結果、骨の恒常性に干渉することができる、特に骨芽細胞分化を誘導することができるモジュレーターまたはサンプル核酸が同定される。骨の恒常性の変調または骨芽細胞への分化は、サンプル核酸それ自体あるいはサンプル核酸によってコードされる産物によって引き起こされる。本発明の1つの態様は、本発明による方法によって同定可能なあらゆる核酸を提供する。

0051

本発明はさらに、一次スクリーニングおよび確認アッセイにおける、骨の恒常性を調節するか、あるいは骨芽細胞分化を誘導する核酸のグループの配列同一性(配列番号:1、3、5、7、および9)および対応するポリペプチド(配列番号:2、4、6、8、および10)を提供する。

0052

好ましい態様において、本発明は骨芽細胞分化のインデューサーとして同定可能な以下からなる核酸の群から選択される単離核酸を提供する:
(a)配列番号:1、3、5、7、または9またはその相補鎖DNA配列
(b)配列番号:1、3、5、7、または9またはその相補鎖に対応するRNA配列
(c)(a)または(b)で規定されたヌクレオチド配列の1つと特異的にハイブリダイズする核酸、
(d)(a)で規定された配列と少なくとも65%の同一性を有するヌクレオチド配列を有する核酸、
(e)配列番号:2、4、6、8、または10のアミノ酸配列と少なくとも65%の同一性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする核酸、
(f)配列番号:2、4、6、8、または10のアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする核酸、
(g)配列番号:1、3、5、7、または9あるいは(a)から(f)に規定したヌクレオチド配列に対する遺伝コードの結果縮重した核酸、
(h)配列番号:2、4、6、8、または10のタンパク質をコードする、あるいは(a)から(h)に規定したヌクレオチド配列に対して生物間でのコドン使用の差により相違した核酸、
(i)配列番号:2、4、6、8、または10のタンパク質をコードする、あるいは(a)から(g)に規定した対立遺伝子の差によって相違した核酸、
(j)配列番号:1、3、5、7、または9のDNA配列によってコードされるタンパク質の免疫学的に活性なおよび/または機能的な断片をコードする核酸、
(k)配列番号:1、3、5、7、または9の核酸の遺伝子ファミリーメンバーをコードする核酸、および、
(l)配列番号:2、4、6、8、または10に規定されるタンパク質をコードする核酸または(a)から(k)のいずれかに規定される核酸であって、該配列がDNA、cDNA、ゲノムDNAまたは合成DNAである核酸。

0053

遺伝コードが縮重していること、すなわち、1つのアミノ酸は1以上のコドンによってコードされる可能性があることは周知である。縮重したコドンは同一のアミノ酸残基をコードするが、異なるヌクレオチドトリプレットを含む。したがって、特定の骨の恒常性のモジュレーターをコードするポリヌクレオチド配列が与えられると、そのモジュレーターをコードする複数の縮重したポリヌクレオチド配列が存在するであろう。これらの縮重したポリヌクレオチド配列は本発明の範囲に含まれる。

0054

さらに、当業者であれば、異なる生物、細胞、および細胞区画は異なる遺伝コードを用いることを理解しているであろう。したがって、単一のポリヌクレオチド配列はその細胞との関連に応じて異なるポリペプチドをコードし得る。したがって、標準的遺伝コードに加えて、非標準的遺伝コードによってコードされるポリペプチドも本発明に含まれる。これらの非標準的遺伝コードには、脊椎動物ミトコンドリアコード、酵母ミトコンドリアコード、カビ原生動物腔腸動物ミトコンドリアコード、マイコプラズマスピロプラズマコード、無脊椎動物ミトコンドリアコード、絨毛ダシクラダシアン(dasycladacean)およびヘキサミタ核コード、棘皮動物ミトコンドリアコード、ユープロチド(euplotid)核コード、細菌及び植物色素体コード、オルターナティブ酵母核コード、ホヤ類ミトコンドリアコード、扁形動物ミトコンドリアコード、眼瞼(blepharisma)核コード、クロフィシアン(chlorophycean)ミトコンドリアコード、吸虫ミトコンドリアコード、セネデスムズ・オブクス(scenedesmus obliquus)ミトコンドリアコード、およびトラウストチトリウム(thraustochytrium)ミトコンドリアコードが含まれるがこれらに限定されない。

0055

「免疫学的に活性」という語は、抗体によって認識される、言い替えると抗体に結合される分子またはその特定の断片、例えば、エピトープまたはハプテンを意味すると理解されたい。

0056

好適な態様において、本発明は本発明の核酸のいずれかに特異的にハイブリダイズする少なくとも10ヌクレオチドの長さの核酸分子を提供する。特に、より長い核酸分子が考慮される。すなわち、約15、20、25、30、40、50、75、100、200またはそれより長いヌクレオチドが含まれる。より短いプローブも有用であることも理解されるべきである(例えば10、11、12、13または14ヌクレオチドのもの)。様々なタイプのハイブリダイゼーション技術および形式が当該技術分野で周知である。核酸分子は例えば、放射性同位体または免疫蛍光化合物によって標識することにより、ハイブリッドの検出を可能にすることもできる。したがって、本発明は本発明の核酸の検出方法を提供する。

0057

さらなる態様において、本発明は上記のような少なくとも15ヌクレオチドの長さの核酸分子を提供し、ここで該核酸分子は本発明の核酸又はその部分を特異的に増幅させるためのプライマーとして作用するものである。該プライマーは例えば、10、11、12、13、または14ヌクレオチドのようにより短いものであってもよく、あるいは例えば、16、17、18、19、20、25、または30ヌクレオチドのようにより長いものであってもよいことを理解されたい。

0058

プライマー対は例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、転写媒介増幅(TMA)、または核酸配列ベース・増幅(NASBA)技術などの当業者に周知の増幅技術において用いることができ、それにより本発明の核酸の増幅とそれに続く検出が可能となる。好ましくは、該プライマーは、本発明の核酸を特異的に増幅するために用いるとよい。したがって、本発明は本発明の核酸の検出方法を提供する。

0059

本発明はまた、配列番号:1、3、5、7、または9に開示されている核酸あるいは対応する相補鎖のヌクレオチド配列のバリアントにも関する。

0060

本発明はまた、配列番号:1、3、5、7、または9に示されるヌクレオチド配列、あるいは対応する相補鎖またはその部分に対して少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、97.5%、98%、98.5%、99%または99.5%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む、あるいはそれからなる核酸分子にも関する。該部分は好ましくは独特の部分である。

0061

本発明の参照ヌクレオチド配列に対して、少なくとも、例えば95%の、「同一性」を有するヌクレオチド配列を有する核酸とは、該核酸のヌクレオチド配列が、参照配列に対して同一性を有するが、ただし、該ヌクレオチド配列が参照ヌクレオチド配列の100ヌクレオチド当たり5の点突然変異を有していてもよいことを表す。言いかえると、参照ヌクレオチド配列に対して少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を有する核酸を得るためには、参照配列におけるヌクレオチドの5%までが欠失または他のヌクレオチドによって置換されていてもよく、あるいは参照配列の全ヌクレオチドの5%までの数のヌクレオチドが参照配列に挿入されていてもよい。実践的には、特定の核酸分子が本発明のヌクレオチド配列に対して少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、97.5%、98%、98.5%、99%または99.5%の同一性を有するか否かは、公知のアルゴリズムを用いて決定できる。クエリー配列(本発明の配列)と問題の配列の間の最適全体マッチを決定する好ましい方法は、Blastサーチ(Altschul et al.、1997)を用いて決定する方法である。

0062

ストリンジェントハイブリダイゼーション条件またはより低いストリンジェンシーでの条件下で、配列番号:1、3、5、7、または9として特定された本発明の核酸分子のいずれかの鎖と特異的にハイブリダイズする核酸も、特に本発明に含まれる。「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」とは、一晩、68℃での、5xSSC(750mM NaCl、75mMクエン酸トリナトリウム)、50mMリン酸トリナトリウム(pH7.6)、5xデンハルト溶液、10%デキストラン硫酸および20μg/ml変性剪断サケ精子DNAを含む溶液中でのインキュベーション、次いでフィルターの0.1xSSCでの約65℃での洗浄を指す。ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーの変化はまず洗浄工程でのSSCの希釈度の変化によって達成される(洗浄バッファーにおけるSSC濃度が高ければストリンジェンシーは低くなる)。また、洗浄工程での温度の変化によっても達成される(洗浄温度が低ければストリンジェンシーは低くなる)。例えば、低いストリンジェンシー条件には、1xSSCおよび55−60℃での洗浄が含まれる。高い、および低いストリンジェンシー条件でのハイブリダイゼーションは当業者に周知の原理である(例えば、Sambrook et al. Molecular Cloning: A laboratory manual. Cold Spring Harbor laboratory press 1989を参照されたい)。

0063

本発明において提供されるヌクレオチド配列は、該配列がコード領域の一部でしかない場合や上流配列、例えばプロモーターレギュレーター要素である場合には、該部分ヌクレオチド配列と全長配列を検出するための当該技術分野で公知の様々な方法を用いて伸長させることもできる。

0064

さらに、骨の恒常性の変調において、特に骨芽細胞分化の誘導において役割を果たす本発明によって同定されるタンパク質のなかには、疾患プロセスの特異的マーカーとして作用するものもあるだろう。それゆえ、それらは疾患組織に対する標的特異的薬剤のために用いられる診断マーカーまたは治療マーカーとして利用可能である。

0065

当業者に周知の方法を用いて、少なくとも本発明の核酸の断片とともに適当な転写および翻訳制御要素を含む発現ベクターを構築することができる。これらの方法にはインビトロ組換えDNA技術、合成技術、およびインビボ遺伝子組換えが含まれる。そのような技術は、例えば、Sambrook et al. Molecular Cloning: A laboratory manual. Cold Spring Harbor laboratory press 1989において記載されている。

0066

本発明は、本発明のサンプル核酸を含むベクターにも関する。本発明は特に組換え発現ベクターを含み、該ベクターは、ベクター配列、適当な原核真核またはウイルスあるいは合成プロモーター配列、そしてその下流に本発明のサンプル核酸を含む。好ましくは、本発明によるサンプル核酸の発現に用いられるベクターは、大腸菌での発現用のベクター、酵母シャトルベクター、または酵母ツー−ハイブリッドベクター、植物ベクター、昆虫ベクター、哺乳類発現ベクターであり、例えばヘルペスウイルスベクター、バキュロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、レトロウイルスベクター、アルファウイルスベクター、アデノウイルスベクターまたはそれらの組合せが含まれるがそれらに限定されない。

0067

好適な態様において、本発明は本発明の核酸配列を含むベクターを提供する。したがって、該核酸は骨の恒常性のモジュレーターとして同定可能な核酸の群から選択されるメンバーであり、好ましくは骨芽細胞分化のインデューサーとして同定可能な核酸である。好ましくは該核酸は配列番号:1、3、5、7、または9あるいはそのバリアント、断片またはホモログからなる群から選択されるメンバーである。

0068

好適な態様において該ベクターは発現ベクターであり、ここでヌクレオチド配列は1または複数の制御配列作動可能に連結しており、それによって原核および/または真核宿主細胞における該配列の発現が可能となる。

0069

好適な態様において、該ベクターはアデノウイルスベクターである。

0070

好適な態様において該ベクターはアデノウイルスアダプターベクターから作成されたものであり、それはレフトITRおよびE2B領域の部分を含み、そこでE1領域は哺乳類プロモーター、ポリリンカー配列、およびポリアデニル化シグナルに置換されている。

0071

当業者に理解されるように、非天然コドンを有する上記の単離ヌクレオチド配列によってコードされる産物を産生するのが好ましい。例えば、特定の原核または真核宿主に好適なコドンを選択してタンパク質発現速度を上昇させ、あるいは所望の特性、例えば、より長い半減期を有するRNA転写産物を産生させることができ、それによって細胞中の発現可能なポリペプチドの量が上昇し、これは多くの用途に望ましいことである。

0072

本発明のヌクレオチド配列を当該技術分野で一般に知られている方法を用いて操作して、タンパク質をコードする配列を様々な理由のために変化させることができる。これには例えば、遺伝子産物のクローニング、プロセシング、および/または発現を改変させる変化が含まれるがこれに限定されない。ランダムフラグメンテーションによるDNAシャフリングまたは遺伝子断片または合成オリゴヌクレオチドのPCR再アセンブリーを用いてヌクレオチド配列を操作することができる。例えば、部位特異的突然変異誘発を用いて新しい制限部位を挿入すること、グリコシル化パターンを変化させること、コドン優先度を変化させること、スプライスバリアントを作ること、突然変異を導入することなどができる。

0073

さらに、天然、修飾、または組換えヌクレオチド配列を本発明の部分または全体核酸配列に連結させて融合タンパク質をコードさせることができる。例えば、本発明の核酸の産物の阻害剤についてペプチドライブラリーをスクリーニングするために、市販の抗体によって認識され得るキメラタンパク質をコードさせることは有用であろう。融合タンパク質を操作してタンパク質コード配列異種タンパク質配列の間に切断部位を含めることにより、タンパク質を異種部分から切断して精製することができる。融合タンパク質はタンパク質の精製を簡単にするために作ることもできる。例えば、複数ヒスチジングルタチオン−S−トランスフェラーゼ、またはエピトープタグをタンパク質に融合させることができる。かかる融合タンパク質を、ニッケル、グルタチオンまたは抗体カラムに通すことにより、ほとんどの不純物を除くことができる。

0074

さらなる態様において、本発明は、組み込まれた、またはエピソーム性の本発明のヌクレオチド配列のいずれかのコピーまたはその機能的断片を含む宿主細胞を提供する。より好適な態様において、本発明は本発明による核酸配列を含むベクターを含む宿主細胞を提供する。

0075

後者の宿主細胞は、哺乳類、例えば、ヒト、イヌおよびげっ歯類、両生類、爬虫類、鳥類、魚類、線虫、酵母、菌類、細菌、昆虫および植物を含むがそれらに限定されないあらゆる生物から得ることができる。

0076

この点において、「機能的部分」の語は、完全なヌクレオチド配列と実質的に類似であるが同一である必要は無い活性を示す本発明のヌクレオチド配列のあらゆる部分を意味する。すなわち、骨の恒常性を調節することができ、特に骨芽細胞分化を、インビトロとインビボの両方で誘導することができるものである。

0077

好適な態様において、本発明は上記の核酸によってコードされうる単離ポリペプチド、またはそのバリアントあるいは誘導体、あるいはその免疫学的に活性なおよび/または機能的な断片を提供する。

0078

したがって、本発明は、配列番号:2、4、6、8、または10に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはそのバリアントまたは誘導体、あるいは免疫学的に活性なおよび/または機能的な断片に関する。

0079

本発明のタンパク質の「バリアント」とは、それらがホモログである該タンパク質に対してアミノ酸置換、欠失および/または付加を含むペプチドオリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質および酵素であって、骨の恒常性を調節する能力、特に骨芽細胞分化の誘導能力を維持しているものである。言い替えると「バリアント」という語は、本発明のポリペプチドまたはタンパク質とは異なるポリペプチドまたはタンパク質であるが、その本質的特性、すなわち骨の恒常性の変調、特に骨芽細胞分化の誘導を保持しているものである。かかるバリアントによる骨の恒常性の変調、特に骨芽細胞の分化誘導は、バリアントが関連するタンパク質の機能的活性にかかわらず、骨芽細胞および/または破骨細胞の活性の阻害及び促進に関する。したがって本発明は特にドミナントネガティブおよびドミナントポジティブ、および関連するポリペプチドおよびタンパク質を含む。本発明において、タンパク質の機能的活性は、「機能」に関するものであるし、これはそれ自体で骨の恒常性を調節する能力、特に骨芽細胞分化を誘導する能力に関し(定性尺度)、また、「活性」に関するものでも有あり、これは骨の恒常性を調節する能力、特に骨芽細胞分化を誘導する能力の分子当たりの量に関する(定量的尺度)。一般に、バリアントは全体的に密接に類似し、そして多くの領域において、本発明のポリペプチドまたはタンパク質と同一性を有する。例えば、該タンパク質のホモログは、該タンパク質の生理活性のアミノ酸配列バリアントからなる。かかるホモログを作成するために、該タンパク質に存在するアミノ酸を類似の特性、例えば、疎水性親水性、疎水性モーメント抗原性α−ヘリックス構造またはβ−シート構造を形成または破壊する性向など、を有するその他のアミノ酸で置換してもよい。アミノ酸置換は典型的には一残基であるが、ポリペプチドに課された機能的束縛に応じてクラスターであってもよい;挿入は通常約1−10アミノ酸残基程度であり、欠失は約1−20残基の範囲である。好ましくは、アミノ酸置換は保存的アミノ酸置換を含む。当業者であれば、バリアントについて骨の恒常性を調節する能力、特に骨芽細胞分化を誘導する能力について、本発明において記載されるあらゆるアッセイを用いて簡単に試験することができることを理解するであろう。

0080

本発明のタンパク質の挿入アミノ酸配列バリアントは、1または複数のアミノ酸残基がタンパク質において予め決定された部位に導入されたものを言う。挿入は、アミノ末端および/またはカルボキシル末端への融合および配列の内部への1または複数のアミノ酸の挿入を含む。一般に、アミノ酸配列内への挿入はアミノまたはカルボキシル末端への融合よりも小さく、約1から10残基程度である。本発明のタンパク質の欠失バリアントは、タンパク質のアミノ酸配列から1または複数のアミノ酸が除かれていることにより特徴付けられる。

0081

本発明のタンパク質のアミノ酸バリアントは、当該技術分野で周知のペプチド合成技術、例えば、固相ペプチド合成など、あるいは組換えDNA操作によって簡単に作ることができる。バリアントタンパク質を作るためのDNA配列の操作は、置換、挿入または欠失バリアントとして現れるものだが、当該技術分野で周知である。

0082

本発明のタンパク質の「誘導体」とは、ポリペプチドの少なくとも約5の連続したアミノ酸残基を含むが該タンパク質の生物学的活性を保持している、ペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質および酵素をいう。好ましくは、誘導体はタンパク質の少なくとも6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15の連続したアミノ酸残基を含む。「誘導体」はさらに、ポリペプチドの天然形態のアミノ酸配列と比較して、さらなる天然の、変化したグリコシル化アシル化されたアミノ酸残基または非天然のアミノ酸残基を含んでいてもよい。あるいは、またはさらに、誘導体はポリペプチドの天然形態のアミノ酸配列に対して、1または複数の非−アミノ酸置換基、例えば、レポーター分子またはその他のリガンドを、共有結合又は非共有結合によってアミノ酸配列に結合して含んでいてもよい。例えばレポーター分子はその検出を容易にする。

0083

本発明においては、上記のような新規に同定された骨の恒常性を調節する配列、特に骨芽細胞分化を誘導する配列のホモログ、誘導体および/または免疫学的に活性な断片が実施態様である。

0084

「ホモログ」の語は、非ヒト種における分子であって、本発明の方法において判定して、用量依存性の有無に関わらず、本発明の分子に対応するもの、すなわち骨の恒常性を調節することができるもの、特に骨芽細胞分化を誘導することができるものをいう。

0085

好適な態様において、本発明は、本発明のポリペプチドを産生する方法を提供し、該方法は、上記の本発明の核酸を含む宿主細胞を該ポリペプチドの発現を可能にする条件下で培養する工程および産生したポリペプチドを培養から回収する工程を含む。本発明のポリペプチドの産生のその他の方法は、当該技術分野で周知であり、例えば化学合成によって産生される。

0086

本発明はまた、本発明のアミノ酸配列と少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、97.5%、98%、98.5%、99%または99.5%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかあるいはそれからなるポリペプチドに関し、ここで本発明の該アミノ酸配列、いわゆる参照配列は、少なくとも30アミノ酸の長さを有する。しかし、30アミノ酸より短い参照配列については、ポリペプチドは少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、97.5%、98%、98.5%、99%または99.5%の参照配列に対する同一性を有するアミノ酸配列からなる必要がある。

0087

本発明の参照アミノ酸配列に対して、少なくとも例えば95%の「同一性」を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとは、参照配列に対して同一性を有するポリペプチドのアミノ酸配列であるが、ただし、アミノ酸配列が参照ポリペプチドアミノ酸配列の100アミノ酸当たり5つまでのアミノ酸変化を有するものをいう。言い替えると、参照アミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを得るためには、参照配列におけるアミノ酸が5%まで欠失または他のアミノ酸によって置換されていてもよいか、あるいは参照配列における全アミノ酸の5%までのアミノ酸が参照配列に挿入されていてもよいことをいう。実践的には、特定のポリペプチドが本発明のポリペプチド配列に対して少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、97.5%、98%、98.5%、99%または99.5%の同一性を有するか否かは、公知のアルゴリズムによって判定することができる。クエリー配列(本発明の配列)と問題の配列の間の最適全体マッチを決定する好ましい方法は、BLASTp(Altschul et al.、1997)を用いて決定する方法である。

0088

本発明は、配列番号:2、4、6、8、または10、あるいはそれらの機能的な断片に対して少なくとも65%の同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする核酸の、骨の恒常性の調節のため、特に骨芽細胞分化の誘導のための使用に関することが理解されよう。

0089

同様に、本発明は、配列番号:2、4、6、8、または10、あるいはそれらの機能的な断片に対して少なくとも65%の同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質の、骨の恒常性の調節のため、特に骨芽細胞分化の誘導のための使用に関する。

0090

したがって本発明はまた、配列番号:1、3、5、7、または9あるいはそれらの機能的な断片に対して少なくとも65%の同一性を有する核酸配列を含む核酸の、骨の恒常性の調節のため、特に骨芽細胞分化の誘導のための使用に関する。

0091

抗体
別の好適な態様において、本発明は、本発明のポリペプチドまたは該ポリペプチドの特定のエピトープを特異的に認識する抗体を提供する。エピトープという語は、動物、好ましくは哺乳類、そしてもっとも好ましくはヒトにおける抗原性または免疫原性の活性を有するポリペプチドの部分をいう。本発明のエピトープ−担持ポリペプチドを用いて当該技術分野に周知の方法を用いて抗体を誘導することができる。該方法には例えば、インビボ免疫化インビトロ免疫化、ファージディスプレー法またはリボゾームディスプレーが含まれるがそれらに限定されない。

0092

本発明の抗体は、本発明のタンパク質に結合するあらゆるポリクローナルまたはモノクローナル抗体に関する。本明細書において用いる「モノクローナル抗体」という語は、均一な抗体集団を有する抗体組成物のことをいう。該用語は、抗体の種やソースを制限するものではなく、その製造方法に関しても制限するものではない。したがって、「抗体」の語は、ラクダヒトコブラクダおよびフタコブラクダ)由来の抗体も含み、ラマ属由来の抗体も含む。したがって、「抗体」の語は、ファージディスプレー技術または薬剤スクリーニングプログラム由来の抗体も指す。さらに、「抗体」の語は、ヒト化抗体も指し、ヒト化抗体では、免疫グロブリンフレームワーク領域の少なくとも一部がヒト免疫グロブリン配列由来である。また、「抗体」の語は、米国特許第4946778号に記載の一本鎖化抗体および抗体フラグメント、例えば、Fab、F’(ab)2、Fv、およびその他のフラグメントであって抗原結合機能および親抗体の特異性を保持しているものも指す。「抗体」の語は、また二量体抗体(diabodies)、三量体抗体(triabodies)または多量体抗体(一価二価四価または多価/一特異性、二特異性、多特異性)抗体、および酵素抗体(enzybodies)、すなわち酵素活性を有する人工抗体も指す。アフィニティーまたは特異性を増強させるその他の分子と組合せた抗体も「抗体」の語に含まれる。抗体には修飾形態、例えば、PEG化(PEGylated)またはポリシアル酸化形態(Fernandes & Gregoriadis、1997)および共有結合または非共有結合によってポリマーに結合した形態も含まれる。さらに「抗体」の語は、あらゆる性質の抗体−擬似化合物、例えば、脂質、炭水化物、核酸またはアナログ、例えば、PNA、アプタマー由来のものも含まれる(Jayasena、1999を参照されたい)。

0093

特定の態様において、本発明の抗体はヒトタンパク質およびその対応するエピトープのマウスヤギラットおよび/またはウサギホモログと交差反応する。さらに、本発明のポリヌクレオチドとストリンジェントなハイブリダイゼーション条件(本明細書に記載の条件)下でハイブリダイズする核酸によってコードされるポリペプチドに結合する抗体も本発明に含まれる。したがって、本発明は、本発明のポリペプチドの検出方法を提供し、該方法は、生物サンプルにおける本発明のポリペプチドのレベルの定量的又は定性的測定のための抗体のイムノアッセイにおける抗体の使用を含む。

0094

したがって本発明は、本明細書に記載の核酸またはポリペプチドの、好ましくは本発明の抗体による検出方法も含む。

0095

特に、本発明は、本発明による核酸によってコードされ得るポリペプチドまたは該ポリペプチドの特定のエピトープを特異的に認識する抗体に関する。

0096

本発明の抗体は、本発明のポリペプチドのアゴニストとして作用してもアンタゴニストとして作用してもよい。好ましくは、本発明の抗体は、本明細書に記載の抗原性エピトープに結合するものであり、あるいは本発明のタンパク質の特定の部分に結合するものである。

0097

本発明の抗体は、例えば、骨の恒常性、特に骨芽細胞分化における、本発明のポリペプチドの活性を精製、検出、標的化、および/または阻害するために用いられ、それらにはインビトロおよびインビボの両方での診断及び治療方法、また、薬剤スクリーニングが含まれるがそれらに限定されない(後述)。

0098

アンチセンス技術
アンチセンス技術を用いて遺伝子発現を制御することができる。例えば、遺伝子発現の阻害、即ち、当該技術分野で公知のように転写を阻害することができる。したがって、アンチセンス核酸をアンタゴニスト化合物として利用することができ、また、本発明のポリペプチドの、インビトロおよびインビボの両方での骨の恒常性の変調、特に骨芽細胞分化の誘導、に対する効果を制御するために用いることができる。

0099

したがって、さらなる態様において、本発明は、本発明のアンチセンス核酸をコードする本発明による核酸を含むポリヌクレオチド配列を提供する。かかるアンチセンス核酸は当該技術分野で標準的な組換えDNA技術によって構築することができる。

0100

好適な態様において、本発明はアンチセンス核酸をコードする本明細書に記載のポリヌクレオチド配列を含むベクターを提供する。

0101

より好適な態様において、該ベクターは発現ベクターであり、ここでアンチセンスポリヌクレオチド配列は1または複数の制御配列に作動可能に連結しており、それによって該配列の原核および/または真核宿主細胞における発現、即ち、転写が可能となる。

0102

本発明による潜在的アンタゴニストには、触媒的RNA、即ちリボザイムも含まれる。リボザイムは、部位特異的認識配列においてmRNAを切断し、本発明の核酸に対応するmRNAの破壊に用いることができる。リボザイムの構築および産生は、当該技術分野で周知である。アンチセンスアプローチにおけるように、本発明のリボザイムはアンタゴニスト化合物として利用することができ、細胞に送達することができる。そして例えば、インビトロまたはインビボで破骨細胞および/または骨芽細胞活性を阻害することができ、あるいは骨芽細胞の分化および活性に対する阻害作用を阻害することができ、特に本発明のポリペプチドの骨芽細胞分化の誘導効果を阻害又は刺激することができる。同様に、本発明の核酸、それに由来するRNA分子、その機能的同等部分または断片は、酵素活性を有していてもよく、RNA結合ポリペプチドを破壊してもよく、mRNAの内在性センス鎖に結合することによってアンチセンス薬剤として効果を発揮してもよい。これらはすべて骨の恒常性を調節することができるものであり、好ましくは骨芽細胞を誘導できるものであり、さらに好ましくはBAP発現を上方制御できるものである。

0103

同様に、本発明の核酸、それに由来するRNA分子、その機能的同等部分または断片は、骨の恒常性を調節することができる酵素活性を含むものであってよく、好ましくは、骨芽細胞を誘導することができ、さらに好ましくはBAP発現を上方制御できる酵素活性を含むものである。

0104

それゆえ、本発明は、遺伝子の転写または発現の調節方法に関し、該方法は以下の工程を含む:
(a)本発明による核酸配列を含むポリヌクレオチド配列を宿主細胞に導入する工程、および、
(b)標的遺伝子の発現を調節する工程、ここでポリヌクレオチド配列が標的の転写または発現を調節する。

0105

好適な態様において、本発明は遺伝子発現の調節方法に関し、好ましくは遺伝子発現の上方制御方法に関し、該方法は以下の工程を含む:
(a)本発明による核酸配列を含むポリヌクレオチド配列を宿主細胞に導入する工程、および、
(b)該ポリヌクレオチド配列によって、該宿主細胞における標的遺伝子の発現を制御、好ましくは上方制御する工程。

0106

それゆえ、本発明は、骨の恒常性の調節方法、好ましくは骨芽細胞分化の調節方法、とりわけ骨芽細胞分化の誘導の調節方法、さらに好ましくはBAP発現の上方制御の調節方法に関し、該方法は本発明による核酸配列を含むポリヌクレオチド配列を宿主細胞に、宿主細胞におけるポリヌクレオチド配列の発現を引き起こし、そして該ポリヌクレオチド配列によって骨の恒常性の変調、骨芽細胞分化、および/またはBAP発現の上方制御が引き起こされる条件下で導入する工程を含む。

0107

本発明はさらに、低分子干渉RNA(siRNA、以前は二本鎖RNAまたはdsRNAとして知られた)アプローチの使用により遺伝子発現を制御するための核酸配列を提供する。当該技術分野において(国際特許出願第WO99/32169号)、siRNAを標的細胞に与えることによって該細胞に存在するあらゆる所望のRNA配列の翻訳/発現を下方制御することができることが記載された。したがって、本発明の核酸は、アンタゴニストまたはアゴニスト化合物として用いることができ、そして本発明のポリペプチドの骨の恒常性の変調、そして特に骨芽細胞分化の誘導および/またはBAP発現および活性に対する、インビトロおよびインビボでの効果を調節するのに用いることができる。

0108

また、本発明は薬物としての使用のためのsiRNAに関し、これは該siRNAが該ポリヌクレオチド配列によって、骨芽細胞および/または破骨細胞活性、そして特に骨芽細胞分化の誘導を増強又は拮抗することによって特徴付けられる。

0109

したがって、本発明は細胞に関し、ここで該細胞には本明細書に記載の核酸配列を含むポリヌクレオチド配列が導入されている。該細胞は薬物として用いられることが理解されよう。というのは、該細胞を骨の恒常性の障害に関する疾病を患う患者に導入することができるからである。該細胞による再増殖は患者にとって有益である。

0110

治療および診断
導入部に記載したように、多数の疾患が骨吸収と骨構築の間の微調整されたバランス、即ち骨の恒常性の障害によって起こる。1つの最も重要な骨の恒常性の障害から生じる骨疾患は骨粗鬆症であるが、多くのその他の疾患も骨の恒常性の障害によって起こり、多数の患者が存在する。それらの疾患は、例えば、悪性高カルシウム血症、パジェット病、関節リウマチや歯周病などの炎症性骨疾患、骨格およびその他の骨転移において起こる限局性骨形成、クルゾン症候群、くる病、オプシスモディスプラジア、ピクノディスオストーシス/トゥールーズ・ロートレック病、骨形成不全症などである(Karsenty、1999; Teitelbaum、2000; Rodan and Martin、2000; Goltzman、2001; Karsenty、2001)。したがって、破骨細胞活性の増減または骨芽細胞の増殖および分化の増減により、様々な疾患が起こる。

0111

それゆえ骨の恒常性がおかされている場合、骨の恒常性を回復することは患者にとって有益であると考えられる。同様に、特定の場合、例えば、骨折または骨粗鬆症の場合、骨芽細胞分化の誘導が患者にとって有益であろうと期待される。

0112

したがって、本発明は、薬物としての使用のための、本発明による核酸、ポリペプチドまたは抗体に関する。

0113

好適な態様において、本発明は骨の恒常性の障害、特に骨芽細胞分化の誘導の欠損または減少をともなう疾患の予防、治療および/または緩和のための薬剤の調製のための、本発明による核酸、ポリペプチドまたは抗体の使用に関する。

0114

好適な態様において、本発明は骨の恒常性の障害、特に骨芽細胞分化の誘導の欠損または減少をともなう疾患の予防、治療および/または緩和のための薬剤の調製のための、本明細書に記載の方法によって同定可能な核酸の使用に関する。

0115

好適な態様において、本発明は骨の恒常性の障害、特に骨芽細胞分化の誘導の欠損または減少をともなう疾患の予防、治療および/または緩和のための本発明による実質的に精製された核酸、ポリペプチドまたは抗体を含む医薬組成物に関する。医薬組成物は好適な担体を含んでいてもよい。

0116

本発明の核酸、ポリペプチドまたは抗体に添加する好適な担体は当該技術分野で周知である。

0117

好適な態様において、本発明はインビトロまたはインビボでの所望の標的細胞における骨の恒常性の調節のための、タンパク質融合体、またはその断片を含む本発明によるポリペプチドを提供する。

0118

別の態様において、本発明は骨の恒常性の障害を伴う疾患または障害の予防、治療および/または緩和方法を含み、該方法は、患者における本明細書に記載のポリヌクレオチドまたはポリペプチドの発現に干渉することができる分子の使用を含む。

0119

別の態様において、本発明は骨の恒常性の制御方法を含み、該方法は以下の工程を含む:
(a)所望の宿主細胞に、インビトロまたはインビボで本発明によるサンプル核酸またはサンプル核酸を含む発現ベクターを導入する工程、
(b)該核酸を発現させる工程、および、
(c)該核酸による発現産物または該発現ベクターの産物によって骨の恒常性を調節する工程。

0120

好適な態様において、本発明はさらに骨芽細胞の分化誘導方法を含み、該方法は以下の工程を含む:
(a)所望の宿主細胞に、インビトロまたはインビボで本発明によるサンプル核酸またはサンプル核酸を含む発現ベクターを導入する工程、
(b)該核酸を発現させる工程、および、
(c)宿主細胞の骨芽細胞への分化を刺激する工程。

0121

好適な態様において、本発明はインビトロまたはインビボでの所望の標的細胞における骨の恒常性の調節のため、特に骨芽細胞分化のためのタンパク質融合体またはその断片を含むポリペプチドを提供する。例えば、骨芽細胞および/または破骨細胞活性の阻害または骨芽細胞分化の誘導が哺乳類、好ましくはヒト細胞に対するポリペプチドの投与の直接的結果として起こりうる。本発明のポリペプチドを含む組成物の標的細胞への送達は、疎水性結合、親水性結合、イオン性結合および/または共有結合相互作用を介して異種ポリペプチド異種核酸毒素、またはプロドラッグとの結合を介して起こりうる。

0122

細胞核の核へのポリペプチドまたはポリヌクレオチドの送達は、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドを、ショウジョウバエからのアンテナペディアタンパク質の短い成分(16または7アミノ酸)に融合させることによって達成できる(ペネトラチン登録商標)、Cyclacel)。アンテナペディアペプチドはポリペプチドまたはポリヌクレオチドを細胞の核へと送達する。また、ヒト免疫不全TATタンパク質からのタンパク質形質導入ドメイン(PTD)および単純ヘルペスウイルス1型(HSV−1)ビリオンタンパク質VP22はともにポリペプチドまたはポリヌクレオチドに融合させた場合ポリペプチドまたはポリヌクレオチドを細胞へ導く(Cao G et. al. J Neurosci 2002 Jul 1;22(13):5423-31、H Nagahara、et. al Nature Medicine 4、1449 - 1452 (1998)、Morris et al. Biot (2001) vol 19 1173-1176)。

0123

本発明のさらなる態様は、骨量の減少によって特徴付けられる病状の治療方法を提供し、ここで該方法は、骨量増加を必要とする対象に、骨量増加に有効な量の生物活性ペプチドを投与する工程を含み、ここで該ペプチドは、実質的に配列番号:2、4、6、8、または10からなる群から選択されるメンバーに対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。

0124

多種多様な発現系を利用することができる。かかる系には、染色体、エピソームおよびウイルス−由来の系、例えば、細菌性プラスミドバクテリオファージトランスポゾン、酵母エピソーム、挿入要素酵母染色体要素、ウイルス(例えば、バキュロウイルスパポバウイルス、例えばSV40ワクシニアウイルス、アデノウイルス、伝染性上皮腫ウイルス、オーエスキー病ウイルス、アデノ随伴ウイルス、およびレトロウイルス)由来のベクター、および、それらの組合せ由来のベクター、例えば、プラスミドおよびバクテリオファージ遺伝要素由来のもの、例えばコスミドおよびファージミドが含まれる。発現系は、発現を調節および引き起こす制御領域を含んでいてもよい。一般に、宿主においてポリペプチドを産生させるためにポリヌクレオチドを維持、増殖または発現させるのに好適ないかなる系またはベクターを用いてもよい。適切なヌクレオチド配列は、発現系にあらゆる周知および常套技術を用いて挿入することができる。該技術は例えばSambrook et al.、Molecular Cloning: A Laboratory Manual (前掲)に記載のものなどである。

0125

本発明の特定の態様において、上記のようなペプチドガイド配列と、配列番号:2、4、6、8、または10からなる群から選択されるアミノ酸配列との融合体を利用することができる。

0126

このような製剤は、常套の医薬組成物中において、単回投与または複数回投与、または徐放形態によって送達することができる。投与形態は最も有効な結果を達成するために適宜選択すればよく、好ましくは1日1または複数回の注射による。

0127

正確な用量、組成物および最適な送達計画の選択は、とりわけ配列番号:2、4、6、8、または10の選択された化合物またはその誘導体の医薬特性によって影響される。また例えば、処置される症状の性質および重篤度、および患者の身体状態および精神的敏感さによって影響される。代表的な好適な送達計画には、経口、非経口(皮下、経皮筋肉内および静脈内を含む)、直腸頬側下を含む)、経皮、および経鼻注入が含まれるがこれらに限定されない。

0128

医薬上許容される塩とは、配列番号:2、4、6、8、または10の化合物またはその誘導体の所望の生物活性を保持し、毒性の副作用を示さないものである。そのような塩の例には、以下のものが含まれる。(a)無機酸と形成される酸付加塩、例えば、塩酸臭化水素酸硫酸リン酸硝酸などとの塩;有機酸と形成される塩、例えば、酢酸シュウ酸酒石酸コハク酸マレイン酸フマル酸グルコン酸クエン酸リンゴ酸アスコルビン酸安息香酸タンニン酸、パモン酸、アルギン酸ポリグルタミン酸ナフタレンスルホン酸ナフタレンジスルホン酸ポリガラクツロン酸などとの塩;(b)多価金属カチオンと形成される塩基付加塩、例えば、亜鉛カルシウムビスマスバリウムマグネシウムアルミニウム、銅、コバルト、ニッケル、カドミウムなどとの塩;または有機カチオンから形成される塩、例えば、N,N’−ジベンジルエチレンジアミンまたはエチレンジアミンから形成される塩;または(c)(a)と(b)との組合せ、例えば、亜鉛タンニン酸塩など。本発明のさらなる態様は、活性成分として、本発明の配列番号:2、4、6、8、または10の化合物あるいはその誘導体あるいはその医薬上許容される塩を、医薬上許容される非毒性担体と混合して含む医薬組成物に関する。上記のように、かかる組成物は非経口(皮下、経皮、筋肉内または静脈内)投与用に調製してもよく、特に液体溶液または懸濁液の形態として調製してもよい;経口または頬側投与、特に錠剤またはカプセルの形態として調製してもよい;直腸、経皮投与用に調製してもよい;そして経鼻投与用、特に粉末点鼻薬またはエアロゾルの形態で調製してもよい。組成物は便宜に単位用量形態で投与してもよく医薬分野で周知のあらゆる方法によって調製すればよい。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、17th ed.、Mack Publishing Company、Easton、Pa.、(1985)に記載のように調製すればよい。非経口投与用製剤は、賦形剤として、滅菌水または滅菌食塩水アルキレングリコール、例えば、プロピレングリコールポリアルキレングリコール、例えば、ポリエチレングリコール植物由来の油、水素ナフタレンなどを含んでいてもよい。経口投与用の製剤は、胆汁酸塩またはアシルカルニチンの付加によって増強させてもよい。経鼻投与用の製剤は固体であってもよく、賦形剤、例えば、ラクトースまたはデキストランを含んでいてもよく、あるいは点鼻薬または定量噴霧の形態に用いるための水性または油性の溶液であってもよい。頬側投与用の典型的な賦形剤には、糖類、ステアリン酸カルシウムステアリン酸マグネシウム、前ゼラチン化デンプンなどが含まれる。

0129

長期間にわたる対象への本発明の化合物の送達、例えば、1週間から1年間の投与は、所望の放出期間にわたって十分な活性成分を含有する徐放システムの単回投与によって達成することができる。様々な徐放システム、例えば巨大または蓄積型マイクロカプセル徐放性移植片、浸透圧ポンプベシクルミセルリポソーム経皮パッチイオン注入装置あるいは注射可能用量形態がこの目的のために利用できる。活性成分の送達が望まれる部位への局在化は徐放性装置のさらなる特徴であり、特定の障害の治療において有益であることが明らかであろう。徐放製剤の1つの形態は、ゆっくりと分解する、非毒性、非抗原性ポリマーに分散またはカプセル封入されたポリペプチドまたはその塩を含むものである。ポリマーは例えばコポリ(乳/グリコール)酸であり、これは米国特許第4675189号に記載されている。化合物または好ましくはその比較的不溶性の塩も、コレステロールまたはその他の脂質マトリックスペレットあるいはシラストマー(silastomer)マトリックス移植片中に製剤してもよい。さらなる遅効性、徐放性の移植片または注射可能な製剤は当業者に明かであろう。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems、J. R. Robinson ed.、Marcel Dekker、Inc.、New York、1978、および R. W. Baker、Controlled Release of Biologically Active Agents、John Wiley & Sons、New York、1987を参照されたい。

0130

配列番号:2、4、6、8または10の化合物およびその誘導体は所与臨床状態の治療に有用なその他の薬剤と組み合わせて投与してもよい。骨粗鬆症およびその他の骨関連障害を治療する場合、例えば、配列番号:2、4、6、8または10の化合物およびその誘導体を、食餌性カルシウムサプリメントまたはビタミンDアナログと組合せて投与してもよい(米国特許第4698328号を参照されたい)。あるいは、配列番号:2、4、6、8または10の化合物およびその誘導体を、好ましくは周期性治療計画を用いて、ビスホスホネートと組合せて(例えば米国特許第4761406号に記載)、または1または複数の骨治療薬、例えばこれらに限定されないがカルシトニンおよびエストロゲンと組合せて投与すればよい。

0131

本発明の配列番号:2、4、6、8または10の化合物またはその誘導体は、骨量の減少によって現れる様々な哺乳類の病状の予防及び治療に有用である。特に、本発明の化合物は、ヒトにおける骨粗鬆症および骨減少症の予防および治療処置用に用いられる。さらに本発明の化合物は、その他の骨疾患の予防および治療処置用に用いられる。最後に、本発明の化合物は骨折修復のためのアゴニストおよび高カルシウム血症のためのアンタゴニストとして用いられる。

0132

1つの好適な態様において、本発明は骨の恒常性の病的障害に関する障害または疾患の治療、緩和または予防のための遺伝子療法を提供する。遺伝子療法は、核酸配列を動物へと導入し、本発明のポリペプチドの発現を達成するものである。この方法には、プロモーターまたはその他の標的組織におけるポリペプチドの発現に必要な遺伝要素に作動可能に連結した本発明のポリペプチドをコードする核酸が必要とされる。かかる遺伝子治療および送達技術は当該技術分野で公知であり、例えば、欧州特許第0707071号を参照されたい。

0133

1つの態様において、本発明の核酸はの(naked)ポリヌクレオチドとして送達される。裸の核酸という語は、細胞への侵入補助、誘導または促進する作用をするあらゆる送達媒体と結合していない配列をいい、送達媒体には、ウイルス配列、ウイルス粒子、リポソーム製剤、リポフェクチンまたは沈降剤などが含まれる。裸の核酸は、当該技術分野で公知のあらゆる方法によって送達でき、送達部位への直接的針注射、静脈内注射局所投与カテーテル注入、およびいわゆる「遺伝子銃」が含まれるがこれらに限定されない。

0134

別の態様において、本発明の核酸は、選択的組織特異的プロモーターおよび/またはエンハンサーと連結させてもよく、その結果得られるハイブリッド遺伝子を標準的方法(例えばLeder et al.、米国特許第4736866号、これは引用により本出願に含まれる)によって、動物胚の初期発達段階(例えば、授精卵母細胞段階)に導入して、選択した組織において配列番号:2、4、6、8または10の化合物およびその誘導体が上昇したレベルで発現するトランスジェニック動物を作成すればよい(例えば、骨には、オステオカルシンプロモーター)。かかるプロモーターを用いてトランスジェニック動物における配列番号:2、4、6、8または10の化合物またはその誘導体の組織特異的発現直接誘導することができる。別の態様において、本発明の核酸を送達媒体を用いて送達してもよい。媒体としては、例えば、ウイルス配列、ウイルス粒子、リポソーム製剤、リポフェクチンまたは沈降剤などが挙げられる。遺伝子治療用に利用できるウイルスベクターとしては、ヘルペスウイルスベクター、バキュロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、レトロウイルスベクター、アルファウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクターまたはアデノウイルスベクターあるいはこれらの組合せが挙げられるがこれらに限定されない。好適な態様において、使用されるウイルスベクターは複製欠損のもの、例えば国際特許出願第WO99/64582号に記載のアデノウイルスベクターである。

0135

対象への核酸の送達は、直接的でもよく、この場合対象は直接核酸または核酸−担持ベクターに曝され、あるいは間接的でもよく、この場合、細胞がまずインビトロで核酸によって形質転換され、次いで対象に移植される。これら2つのアプローチはそれぞれインビボまたはエキソビボ遺伝子治療として知られており、よく記載されている。さらに、本発明によるポリペプチドを用いてバイオ医薬品を作ることができる。「バイオ医薬品」という語は、組換えまたは合成によって産生されたポリペプチドまたはタンパク質のことをいう。組換えまたは合成によってポリペプチドまたはタンパク質を産生する方法は当該技術分野で周知であり、例えば、Sambrook et al. (1987)に記載されている。該バイオ医薬品をインビボで、例えば静脈内または皮下に投与してもよい。あるいは、該バイオ医薬品をインビボで、例えば患者の細胞を単離した後、細胞を該バイオ医薬品で処理することによって投与してもよい。その後、該処理された細胞を該患者に再導入すればよい。

0136

より好適な態様において、本発明は、骨の恒常性の病的障害を含む障害および疾患を治療、緩和または予防するための遺伝子療法を提供し、該療法は、本発明によるベクターの使用を含む。

0137

例えば治療目的で、本発明の核酸またはポリペプチドが導入される細胞には、あらゆる所望の入手可能な細胞型が含まれ、これには間葉細胞、間葉細胞の前駆細胞および様々な幹細胞、特に間葉幹細胞が含まれるがこれらに限定されない。

0138

好適な態様において、本発明は骨の恒常性の病的障害を含む障害の治療、緩和または予防方法を提供し、該方法は、かかる治療を必要とする患者における、ポリヌクレオチドの発現を干渉することができる、および/または本発明のポリペプチドの発現および/または機能的活性を干渉することができる分子の使用を含む。

0139

したがって、本発明は本明細書に記載の核酸配列を含むポリヌクレオチド配列が導入された細胞に関する。該細胞は薬物として利用できることが理解できよう。というのは該細胞は骨の恒常性の障害に関する病状をわずらう患者に導入することができるからである。該細胞による再増殖は患者にとって有益である。

0140

本発明は動物のゲノムに安定に組みこまれた1または複数のコピーの本発明の核酸を含むトランスジェニック非−ヒト動物または本発明の核酸の発現を調節する調節要素を含む動物に関することが理解されよう。

0141

遺伝子は様々な方法によりノックアウトすることができる。それゆえ本発明の好適な態様はノックアウト非−ヒト動物に関し、該動物は本発明の核酸をコードする1または2の対立遺伝子の欠失を含むか、あるいは該核酸の1または複数のエキソンの欠失を含む。あるいは該動物はゲノム領域において標的化突然変異を含み、ゲノム領域には調節配列が含まれ本発明のあらゆる核酸配列が含まれる。一般にノックアウトの結果、特定の遺伝子の機能が失われる。

0142

本発明のさらにより好適な態様は、本発明によるトランスジェニックまたはノックアウト非−ヒト動物の骨の恒常性、特に、骨芽細胞分化、および/または骨の恒常性に影響を与える疾患のためのモデル系としての使用に関する。

0143

別の態様において、本発明は所望の標的細胞におけるインビトロ、インビボまたはエキソビボでの骨の恒常性の調節のための抗体に基く治療法を提供する。

0144

抗体に基く治療法には哺乳類、好ましくはヒト細胞に抗−ポリペプチドまたは抗−ポリヌクレオチド抗体を投与することを含む。抗−ポリペプチドおよび抗−ポリヌクレオチド抗体の産生方法は、当該技術分野で公知である。かかる抗体は当該技術分野で公知の医薬上許容される組成物として提供される。

0145

本発明は、そのうえでマトリックスが増殖する基体(substrate)の生産方法を提供し、これは好ましくはロード・ベアリング移植片の提供に用いられ、これには関節補綴、例えば、人工臀部関節、膝関節および指関節、および顎顔面移植片、例えば歯科用移植片が含まれる。それはまた、例えば、骨欠陥および損傷又は失われた骨の増強、除去または再構築における使用のための特別の手術装置、例えば、スペーサー、または骨充填機にも利用できる。骨形成は、誘発性および誘導性プロセスによって石灰化を変化させることにより最適化することができる。ロード・ベアリング移植片(好ましくは上記のマトリックスによって被覆されたもの)の提供と上記のマトリックスを含む骨フィラーを組合せることにより、本発明による有利な方法が構成される。

0146

本発明の方法は、修正手術、即ち以前の手術装置を除く必要がある場合にも非常に好適である。

0147

未分化細胞は、分化の初期段階にある多能性の細胞であり、即ち、いまだその最終機能を有しておらず、ほとんどあらゆる所望の細胞型に誘導しうるものである。特に、例えば、骨芽細胞または破骨細胞へといまだに分化していない細胞である。かかる細胞は特に血液細胞および骨髄に存在する細胞、および脂肪組織由来の細胞である。さらに、MPCへと分化する可能性のある細胞は本発明に含まれ、これには、例えば、全能性の幹細胞、例えば胚幹細胞が含まれる。特に好適な未分化細胞は骨髄細胞であり、これには造血性細胞および特に間質性細胞が含まれる。細胞、特に間質性細胞が、その元の環境から取り出した場合に、骨形成プロセスにおいて非常に有効であることが見出された。

0148

未分化細胞は直接基体に適用してもよいが、基体に適用する前に基体の不在下で増殖させるのが好ましい。後者の態様では、細胞は増殖の後もほぼ未分化のままであり、本発明の目的のために、それらはいまだに未分化であると称される。その後に細胞を分化させる。分化は好適な誘導物質、例えば糖質コルチコイド、例えばデキサメタゾンの存在によって誘導又は促進される。特に好適な分化誘導物質は、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドである。

0149

未分化細胞の使用により、数々の利点がもたらされる。第一に、その低い分化度は、より高い増殖速度を意味し、好適に誘導され制御された機能を徐々に有するようになる。さらに、これらの細胞を培養することによって、有機及び無機成分を含む所望の骨マトリックス生産できるだけでなく、培地中およびマトリックス中に、組織の増殖および既存の生組織への適応に必須ないくつかの因子が生じる。また、培地は移植プロセスにおいてともに用いられる、増殖因子などの活性の因子のソースとなりうる。さらに、かかる未分化細胞は、例えば成熟骨細胞と比べて大量かつ容易に入手できることが多く、回収の際の罹患率が低い。100μmもの厚さのマトリックスを、未分化細胞の使用の結果として産生することができる。

0150

使用される細胞は同種異型(allogeneou)細胞でもよいが、移植されるのと同じ対象に由来する細胞、即ち自己細胞の使用が好ましい。

0151

未分化細胞を適用し、培養する基体は金属、例えば、チタン、コバルト/クロム合金またはステンレス鋼であってもよく、生理活性の表面、例えば、リン酸カルシウム、ポリマー表面、例えばポリエチレンなどであってもよい。あまり好ましくは無いが、シリカ質材料、例えばガラスセラミックスも、基体として用いることができる。リン酸カルシウムは基体の不可欠な成分ではないが、最も好ましくは、チタンなどの金属およびリン酸カルシウムである。基体は多孔性であってもそうでなくてもよい。

0152

細胞は例えば、103−106/cm2、特に104−2x105細胞/cm2の割合で与えるとよい。

0153

本発明による方法において用いる培地は通常知られている培地、例えばMEM最小必須培地)などでよい。好ましくは培地は条件培地である。この点に関して、条件培地とは、類似の細胞が以前に培養されており、培地が該細胞によって分泌されたポリペプチドなどの、細胞増殖細胞増加に重要な因子を含むものであることを理解されたい。

0154

好ましくは、本発明のポリヌクレオチドは該ポリヌクレオチドが発現する条件下で細胞に導入される。また、本発明のポリペプチドは細胞に対して与えられる。

0155

細胞は十分にマトリックス層を産生するようしばらく培養される。例えば、マトリックス層は少なくとも0.5μm、特に1から100μm、とりわけ10−50μmの厚さを有する。細胞を培地と例えば2−15週間、特に4−10週間接触させるとよい。

0156

基体に与えられた場合、マトリックスの産生の結果、基体の表面積を少なくとも50%、特に少なくとも80%を被覆する連続的または準連続的コーティングが生じる。

0157

したがって、本発明はまた、特に未分化細胞の分化および骨芽細胞の形成および骨マトリックスの連続的形成のための、骨組織産生の誘導のための本明細書に記載の核酸またはポリペプチドの使用にも関する。

0158

好適な態様において、本発明はしたがって骨組織のインビトロ産生方法を提供し、該方法は以下の工程を含む:
(a)未分化哺乳類細胞を基体に適用して細胞基体を形成させる工程、
(b)本発明のポリヌクレオチドを該細胞に導入するか、あるいは本発明によるポリペプチドと細胞基体を、未分化細胞が骨芽細胞へと分化するのに十分な時間接触させ、連続的骨マトリックスを産生する工程。

0159

好適な態様において、骨マトリックスは少なくとも基体の表面において約0.5μmの厚さを有する。

0160

別の態様において、本発明は移植片の産生方法に関し、該方法は以下の工程を含む:
(a)ヒトの間葉多能性細胞(MPC)を、例えば、骨髄、脂肪組織またはその他のMPCを含有する自己ソースから単離する工程、
(b)本発明による核酸を含むポリヌクレオチド配列をMPCに導入することにより、あるいは本発明によるポリペプチドを該MPCに与えることにより、MPCから骨芽細胞へのエキソビボ分化を誘導する工程、
(c)工程(c)の骨芽細胞をマトリックスまたはマトリックス−形成材料と混合する工程、および、
(d)工程(b)の骨芽細胞で合成移植片を被覆するか、あるいは工程(c)の骨芽細胞とマトリックスまたはマトリックス−形成材料の混合物で被覆し、移植片を産生する工程。

0161

別の態様において、本発明は、移植片の産生方法に関し、該方法は以下の工程を含む:
(a)骨髄、脂肪組織またはその他のMPCを含有する自己ソースからヒトの間葉多能性細胞(MPC)を単離する工程、
(b)本発明による核酸を含むポリヌクレオチド配列を該MPCに導入することにより、あるいは、本発明によるポリペプチドを該MPCに与えることにより、該MPCから骨芽細胞へのエキソビボ分化を誘導し、これによって移植片が産生される工程、および、(c)工程(b)の骨芽細胞を混合する工程。

0162

さらに別の態様において工程(b)の骨芽細胞をマトリックスまたはマトリックス−形成材料と混合させることにより、移植片を産生する。

0163

マトリックスまたはマトリックス−形成材料と混合され、本発明の方法により産生されたエキソビボで分化した骨芽細胞を用いて骨髄移植術またはエキソビボで分化したMPCを有効に移植するために用いることができるあらゆる経路によって静脈内、皮下への移植を行なう。

0164

別の態様において、本発明は未分化細胞から骨芽細胞または破骨細胞への分化のための、本発明のポリペプチドの使用に関する。

0165

別の態様において、本発明は本明細書に記載した方法によって入手できる分化細胞の、移植片の製造のための使用に関する。

0166

好適な態様において、本発明は骨の欠陥の治療用組成物に関し、該組成物は、骨の欠陥を満たすために用いられるマトリックスまたはマトリックス−形成材料および、骨芽細胞分化を誘導するのに十分な濃度の本発明のポリペプチドを含む。

0167

別の好適な態様において、本発明は骨の欠陥の治療用組成物に関し、該組成物は、骨の欠陥を満たすために用いられるマトリックスまたはマトリックス−形成材料と、有効な量の形質移入可能な本発明によるベクターを含む。

0168

好適な態様において、本発明は薬物としての使用のための本発明の核酸、ポリペプチドまたは抗体を提供する(疾患の治療および診断の両方のためのもの)。本発明による該治療は、上記又は下記の、骨の恒常性の病的障害または骨芽細胞分化の誘導の不在または減少を含む疾患または障害の予防、治療および/または緩和に関する。

0169

したがって、本発明は本明細書に記載の核酸、ポリペプチドまたは抗体の、調節を失った骨の恒常性、特に骨芽細胞分化の不在または低下を検出するための診断キットの調製のための使用に関する。

0170

さらなる態様において、本発明は、対象における、例えば異常な骨芽細胞分化を含む骨の恒常性の障害に関する病状またはかかる病状への罹患性を診断する方法を提供し、該方法は、以下の工程を含む:
(a)生物サンプルにおける、ゲノムおよび該核酸の調節配列中の突然変異を含む、本発明による核酸における突然変異の有無を判定する工程、および、
(b)該突然変異の有無に基いて病状または病状に対する罹患性を診断する工程。

0171

さらなる態様において、本発明は対象における異常な骨芽細胞分化に関する病状または該病状に対する罹患性を診断する方法を提供し、該方法は以下の工程を含む:
a)本発明の核酸に対応する該対象のmRNAサンプルまたは本発明の核酸のゲノム配列に対応する該対象のゲノムDNAサンプルを得る工程;
b)該対象のmRNAまたはゲノムDNAの核酸配列を決定する工程;
c)該対象のmRNAまたはゲノムDNAの核酸配列と、本発明の核酸または本発明の核酸をコードするデータベースから得られるゲノム配列とを比較する工程;および、
d)該対象のmRNAまたはゲノムDNAの核酸配列と、本発明の核酸または本発明の核酸をコードするデータベースから得られるゲノム配列との相違を同定する工程。

0172

対象のmRNAが本発明の核酸に「対応する」とは、対象のmRNAが本発明の核酸と同じ遺伝子から転写されることを意味することを理解されたい。さらに、対象のゲノムDNAが本発明の核酸をコードするゲノム配列に「対応する」とは、対象のゲノムDNAが本発明の核酸と同じ遺伝子をコードすることを意味することを理解されたい。

0173

GenBankなどのデータベースをサーチすることにより核酸に対して同一性を有する領域(エキソン)を含むゲノム配列を同定することができることは当該技術分野で周知である。かかるゲノム配列はしたがって、核酸をコードすると称される。

0174

さらに別の態様において、本発明は対象における例えば異常な骨芽細胞分化を含む骨の恒常性の障害に関する病状または病状に対する罹患性を診断する方法に関し、該方法は以下の工程を含む:
(a)生物サンプルにおける本発明の核酸または本発明のポリペプチドの発現の存在又は量を決定する工程、および、
(b)例えば異常な骨芽細胞分化を含む骨の恒常性の障害に関する病状または病状に対する罹患性を、該核酸または該ポリペプチドの発現の存在又は量に基いて診断する工程。

0175

別の態様において、本発明は対象における骨の恒常性の障害に関する病状および/または病状に対する罹患性を診断する方法を提供し、該方法は以下の工程を含む:
(a)本発明の核酸をコードする遺伝子の染色体転座の存在を判定する工程、および、
(b)該遺伝子の染色体転座の存在に基いて骨の恒常性の障害に関する病状および/または病状に対する罹患性を診断する工程。

0176

本発明において記載される診断とは好ましくは、本発明のプローブ、プライマーまたは抗体を用いた検出手段によって達成される。

0177

好適な態様において、本発明は、患者における、例えば異常な骨芽細胞分化を含む調節を失った骨の恒常性を検出する診断キットを提供し、該キットは、本発明の核酸、本発明によるプローブまたはプライマー、本発明のポリペプチド、または本発明の抗体を、好適なバッファーとともに含み、また検出手段または検出形式部分(例えば、膜などの固体担体)を含む。上記に基く診断キットを設計するための好適な形式および技術は当該技術分野で周知である。好ましい形式にはあらゆる当該技術分野で公知のマイクロアレイ形式が含まれる。

0178

薬剤スクリーニング
本発明は、骨の恒常性の障害、特に骨芽細胞分化の欠失または減少および/または破骨細胞増殖、分化および活性の増加によって特徴付けられる(またはそれに関連する)障害の治療に用いられる化合物または薬剤の同定方法を提供する。かかる方法は、本明細書において「薬剤スクリーニングアッセイ」または「バイオアッセイ」と称され、典型的には、候補/被験化合物または薬剤の、本発明のタンパク質、特に配列番号:2、4、6、8、または10、あるいはあらゆるその誘導体、ホモログ、免疫学的に活性な機能的な断片と相互作用する(例えば結合する)能力、本発明のタンパク質と標的分子との相互作用を調節する能力、および/または本発明の核酸の発現および/または本発明のタンパク質の活性を調節する能力についてスクリーニングする工程を含む。1または複数のこれらの能力を有する候補/被験化合物または薬剤は薬剤として、病的な骨の恒常性の障害、調節を失った本発明の核酸の発現および/または調節を失った本発明のタンパク質の機能的活性によって特徴付けられる障害の治療のために利用できる。候補/被験化合物、例えば抗体、低分子、例えば、小有機分子およびペプチド、およびその他の薬剤候補は、例えば、コンビナトリアルライブラリーおよび天然物ライブラリーから入手できる。

0179

治療用化合物のスクリーニングは、あらゆる当該技術分野で公知の薬剤スクリーニング技術とすればよい。

0180

したがって、本発明は本明細書に記載の核酸、ポリペプチドまたは抗体の、骨の恒常性、特に骨芽細胞分化を干渉する薬剤、被験化合物または抗体を同定するための薬剤または被験化合物スクリーニングのための使用に関する。

0181

1つの態様において、本発明は、本発明のポリペプチドまたはタンパク質、あるいはそのバリアントまたは誘導体、あるいはその免疫学的に活性なおよび/または機能的な断片と相互作用(例えば結合)する候補/被験化合物をスクリーニングするための薬剤スクリーニングアッセイを提供する。典型的には該アッセイは無細胞アッセイであり、本発明のポリペプチドまたはタンパク質、そのバリアントまたは誘導体、その触媒的活性または免疫原性活性な、および/または機能的な断片と、候補/被験化合物とを、例えば、候補/被験化合物と、本発明のポリペプチドまたはタンパク質、あるいはそのバリアントまたは誘導体、あるいはその免疫学的に活性な、および/または機能的な断片と相互作用(例えば結合)し、複合体を形成する条件下で混合する工程、および複合体の形成を検出する工程を含み、ここで、候補化合物が本発明のポリペプチドまたはタンパク質、そのバリアントまたは誘導体、あるいは免疫学的に活性なおよび/または機能的な断片と相互作用(例えば結合)する能力は、該複合体中の候補/被験化合物の存在によって示される。本発明のタンパク質と候補化合物の間の複合体の形成は、例えば、標準的イムノアッセイを用いて定量できる。

0182

かかる試験において用いられる本発明のタンパク質、その触媒性または免疫原性の断片あるいはそのオリゴペプチドは、溶液中に遊離であってもよく、固体支持体に固定されていてもよく、細胞表面に担持されていてもよく、細胞内に位置していてもよい。

0183

別の態様において、本発明は、本発明のタンパク質と、本発明のタンパク質が通常相互作用する分子(標的分子)または本発明のタンパク質を特異的に認識する抗体との相互作用(おそらく本発明のタンパク質の機能的活性)を調節する(例えば、刺激または阻害する)候補/被験化合物を同定するためのスクリーニングアッセイを提供する。かかる標的分子の例には、本発明のタンパク質と同じシグナル伝達経路にあるタンパク質、例えば、本発明のタンパク質のシグナル伝達経路タンパク質上流(活性の刺激剤および阻害剤の両方を含む)または下流で機能するものが含まれる。

0184

典型的には、アッセイは無細胞アッセイであり、以下の工程を含む。本発明のポリペプチドまたはタンパク質、タンパク質標的分子および候補/被験化合物を、例えば候補化合物の存在を除いては、本発明のポリペプチドまたはタンパク質が標的分子と相互作用(例えば結合)する条件下で混合する工程、および本発明のポリペプチドまたはタンパク質を含む複合体の形成を検出する工程、または本発明のポリペプチドまたはタンパク質と標的分子との相互作用/反応を検出する工程。かかる標的分子に例には、本発明のタンパク質と同じシグナル伝達経路にあるタンパク質、例えば、本発明のタンパク質のシグナル伝達経路の上流(活性の刺激剤および阻害剤の両方を含む)又は下流で機能するタンパク質あるいはリガンドまたは既知の受容体または本発明のポリペプチドまたはタンパク質を特異的に認識する抗体が含まれる。

0185

本発明のポリペプチドおよびタンパク質由来の、バリアントまたは誘導体あるいは触媒性、または免疫学的に活性なおよび/または機能的な断片も上記の薬剤スクリーニングアッセイに利用できることが理解される。

0186

別の態様において、本発明は、本発明による核酸または本発明によるポリペプチドの活性、好ましくは骨の恒常性の変調、そしてより好ましくは骨芽細胞分化の誘導に協同する被験化合物の同定のための薬剤スクリーニングアッセイを提供し、該アッセイは以下の工程を含む:
(a)宿主細胞を提供する工程、
(b)被験化合物と、本発明による核酸または本発明によるポリペプチドとを、該被験化合物が該本発明による核酸または本発明によるポリペプチドと相互作用する条件下で混合する工程、
(c)工程(b)の産物を該宿主細胞に与える工程、および、
(d)該宿主細胞の骨芽細胞分化の誘導を判定し、それによって該被験化合物の協同活性を同定する工程。

0187

別の態様において、本発明は骨芽細胞分化を誘導するタンパク質と標的分子との相互作用を調節する被験化合物の同定のための薬剤スクリーニングアッセイを提供し、これは以下の工程を含む:
(a)(i)被験化合物、
(ii)本発明によるポリペプチドまたはそのバリアントあるいは誘導体、またはその免疫学的に活性なおよび/または機能的な断片からなる剤、および、
(iii)被験化合物の不在下で該剤と相互作用する標的分子、
をその相互作用を可能とする条件下で混合する工程、および、
(b)該剤と標的分子、または該剤と被験化合物を含む複合体の形成を検出する工程。

0188

別の態様において、本発明は骨芽細胞分化を調節、好ましくは増強または拮抗する被験化合物の同定のための薬剤スクリーニングアッセイを提供し、該アッセイは以下の工程を含む:
(a)宿主細胞上で、被験化合物がタンパク質標的分子と相互作用する条件下で、被験化合物とタンパク質標的分子とを混合する工程、
(b)該宿主細胞の骨芽細胞分化の誘導を判定する工程、
(c)本発明によるポリペプチド、またはそのバリアントあるいは誘導体、またはその免疫学的に活性なおよび/または機能的な断片と、タンパク質標的分子とを宿主細胞上で、該ポリペプチド、またはそのバリアントあるいは誘導体、またはその免疫学的に活性なおよび/または機能的な断片が該タンパク質標的分子と相互作用する条件下で混合する工程、および、
(d)該宿主細胞の骨芽細胞分化の誘導を判定する工程、
(e)工程(b)と工程(d)を比較しての骨芽細胞分化の誘導の差異を判定し、それによって骨芽細胞分化を調節、好ましくは拮抗または増強する被験化合物を同定する工程。

0189

別の好適な態様において、本発明は本発明の核酸を含む骨芽細胞分化遺伝子の発現を調節する被験化合物の同定のための薬剤スクリーニング方法を提供し、該アッセイは以下の工程を含む:
(a)本発明による核酸を含む発現ベクターを形質移入された宿主細胞を提供する工程、
(b)被験化合物を該宿主細胞に導入する工程、および、
(c)該核酸によってコードされるポリペプチドの発現レベルを測定する工程。

0190

別の好適な態様において、本発明は、以下の工程を含む競合薬剤スクリーニングアッセイを提供する:
(a)本発明による抗体を提供し、該抗体と、本発明によるポリペプチド、またはそのバリアントあるいは誘導体、またはその免疫学的に活性なおよび/または機能的な断片からなる薬剤との結合についての被験化合物を混合させる工程、ここで該抗体と該被験化合物は該薬剤への結合について競合する、そして、
(b)該薬剤に対する該抗体と該被験化合物との相対結合アフィニティーを判定する工程。

0191

別の好適な態様において、本発明は複合体中の結合パートナー間の相互作用を調節する化合物を同定するための薬剤スクリーニングアッセイを提供し、ここで該結合パートナーの少なくとも一方が、本発明によるポリペプチド、またはそのバリアントあるいは誘導体、あるいはその免疫学的に活性なおよび/または機能的な断片からなる薬剤であり、該方法は以下の工程を含む:
(a)被験化合物と複合体とを、複合体における相互作用を調節するのに十分な時間接触させる工程;
(b)複合体の相互作用における変化について該複合体をモニターする工程;および、
(c)該複合体における相互作用を変化させる被験化合物を同定する工程。

0192

本発明のヌクレオチド配列がコード領域の一部でしかない場合、当該技術分野で公知の様々な方法を用いることによってヌクレオチド配列を延長させてコード配列を完全なものにすることができる。同様に、本発明のヌクレオチド配列に当該技術分野で公知の様々な方法を用いて該ヌクレオチド配列に対応する遺伝子を同定することができる。これには、調節要素、例えばプロモーター、エンハンサー、サイレンサー転写開始部位、CpG−島、内部リボゾーム移行部位などが含まれる。したがって、本発明は、本発明において同定される配列の調節要素に正にまたは負に影響を及ぼすことができる分子を対象または宿主細胞に与えることにより、該核酸の発現を調節する手段及び方法を提供する。かかる方法としては例えば、薬剤、遺伝子調節要素、キメラジンク・フィンガー−含有タンパク質または当該技術分野で公知のあらゆる方法が挙げられる。

0193

特に、本発明は、本発明による1または複数の遺伝子の発現を調節する被験化合物の同定のための薬剤スクリーニング方法を提供し、該アッセイは以下の工程を含む:
(a)本発明による核酸に対応する遺伝子を含む宿主細胞を提供する工程、
(b)該遺伝子の発現を被験化合物が調節する条件下で、該宿主細胞に被験化合物を導入する工程、および、
(c)該遺伝子の発現を判定し、それによって該遺伝子の発現を調節する被験化合物を同定する工程。

0194

複合体形成の検出には、複合体の調節的定量が含まれ、例えば、本発明のタンパク質の誘導効果を測定することが含まれる。候補化合物の存在下での(候補化合物の不在下で検出されたものと比較しての)統計的有意差、例えば本発明のタンパク質と標的分子との相互作用の減少(例えば本発明のタンパク質と標的分子との間の複合体の形成における減少)は本発明のタンパク質と標的分子の間の相互作用の変調(例えば、刺激または阻害)を示す。本発明のタンパク質と標的分子との間の複合体の形成の変調は、例えば、イムノアッセイを用いて定量することができる。

0195

それゆえ、本発明は、複合体における結合パートナー間の相互作用を調節する化合物の同定のための薬剤スクリーニングアッセイを含み、ここで少なくとも該結合パートナーの一方は、本発明によるポリペプチド、またはそのバリアントあるいは誘導体、あるいはその免疫学的に活性なおよび/または機能的な断片であり、該方法は以下の工程を含む:
(a)複合体における相互作用を調節するのに十分な時間、複合体と被験化合物とを接触させる工程;そしてその後、
(b)相互作用における変化について該複合体をモニタリングする工程、これによって相互作用における変化が検出されると、相互作用を調節する化合物が同定される。

0196

複合体における結合パートナー間の相互作用に対するモジュレーターは、本明細書に記載の方法によって同定された場合、本発明に含まれることが明かである。特に、本発明は、本明細書に記載のあらゆる方法によって同定可能な産物または化合物を含む。

0197

また、本発明は本明細書に記載のアッセイによって同定され得る化合物と医薬上許容される担体とを混合する工程を含む組成物の産生方法も含む。

0198

本発明は、本明細書に記載のあらゆる方法によって同定可能な産物または化合物を含む組成物も包含することは明らかであろう。

0199

さらに、本発明は、本明細書に記載のあらゆる方法によって同定され得る産物または化合物の薬物としての使用も含む。

0200

上記の薬剤スクリーニングアッセイを行なうためには、本発明のタンパク質またはその標的分子のいずれかを固定化してタンパク質の一方または両方の非複合形態からの複合体の分離を簡単にすること、あるいはアッセイを自動化させることによって簡単になる。候補化合物の存在下または不在下での本発明のタンパク質の標的分子に対する相互作用(例えば、結合)は、反応物を含有するのに好適な容器で達成される。そのような容器の例としては、マイクロタイタープレート、試験管微量遠心管が含まれる。1つの態様において、マトリックスへのタンパク質の結合を可能にするドメインを付加する融合タンパク質を提供することができる。例えば、本発明のタンパク質に「His」タグを付加し、次いでNi−NTAマイクロタイタープレート(Paborsky et al.、1996)に吸着させてもよいし、本発明のタンパク質とProtAとの融合体をIgGに吸着させ、次いでこれを細胞溶解液(例えば、(35)S−標識化したもの)および候補化合物と混合し、そして混合物を複合体形成を導く条件下で(例えば、塩およびpHについての生理条件)インキュベートしてもよい。インキュベーションの後、プレートを洗浄して非結合標識を除き、そしてマトリックスを固定化する。放射能の量は直接測定してもよく、あるいは複合体の解離後の上清において測定してもよい。あるいは、複合体をマトリックスから解離させ、SDS−PAGEによって分離し、そしてビーズ画分にみられる本発明のタンパク質に結合しているタンパク質のレベルを標準的電気泳動技術を用いてゲルから定量してもよい。

0201

マトリックスにタンパク質を固定化するその他の技術を本発明の薬剤スクリーニングアッセイに用いてもよい。例えば、本発明のタンパク質またはその標的分子のいずれかをビオチンストレプトアビジンとの結合を利用して固定化してもよい。本発明のビオチン化したタンパク質分子は、ビオチン−NHS(N−ヒドロキシスクシンイミド)から当該技術分野で周知の技術を用いて調製でき(例えば、ビオチン化キット、Pierce Chemicals、Rockford、Ill.)、そしてストレプトアビジン−コーティングされた96ウェルプレート(Pierce Chemical)のウェルに固定化することができる。あるいは、本発明のタンパク質と反応するが、タンパク質とその標的分子との結合を干渉しない抗体をプレートのウェルに誘導体化させ、本発明のタンパク質を抗体結合によってウェル中にトラップしてもよい。上記のように、本発明のタンパク質に結合するタンパク質および候補化合物の調製物を本発明のタンパク質を含むプレートのウェル中でインキュベートし、ウェル中にトラップされた複合体の量を定量してもよい。かかる複合体の検出方法には、GST−固定化複合体についての上記の方法に加えて、本発明のタンパク質に対する標的分子と反応する抗体を用いた複合体の免疫検出、本発明のタンパク質と反応し標的分子と競合する抗体を用いた免疫検出;および標的分子に結合する酵素活性の検出に基く酵素結合アッセイが含まれる。

0202

本発明のタンパク質に対して好適な結合アフィニティーを有する化合物のハイ・スループット・スクリーニングを提供する薬剤スクリーニングのためのその他の技術は、「Determination of Amino Acid Antigeneity」Geysen HN、国際特許出願WO第84/03564号(13/09/84公表)に詳細に記載されており、これらは引用により本出願に含まれる。要約すると、多種多様の小ペプチド被験化合物が固体基体、例えばプラスチックピンまたはその他の表面で合成される。タンパク質被験化合物は、本発明のタンパク質の断片と反応し、そして洗浄される。結合した本発明のタンパク質は次ぎに当該技術分野で周知の方法によって検出される。精製された本発明のタンパク質は直接上記の薬剤スクリーニング技術において使用するためにプレートにコーティングしてもよい。あるいは、非−中和抗体を用いてペプチドを捕獲し、固体担体上にそれを固定化してもよい。

0203

本発明はまた、本発明のタンパク質と結合することができる中和抗体が、本発明のタンパク質に対する結合について被験化合物と特異的に競合する競合薬剤スクリーニングアッセイも含む。このようにして、抗体を用いて本発明のタンパク質の有する1または複数の抗原決定基を共有するタンパク質の存在を検出することができる。特に、本発明は以下の工程を含む競合薬剤スクリーニングアッセイに関する:
(a)本発明による抗体と被験化合物とを、ポリペプチド、またはそのバリアントあるいは誘導体、あるいはその免疫学的に活性なおよび/または機能的な断片に対する結合について競合させる工程、および、
(b)該被験化合物と比較しての該抗体の競合の量を測定する工程。

0204

さらに別の態様において、本発明は、病的な骨の恒常性の障害、骨芽細胞分化に対する干渉、本発明の核酸の調節を失った発現または本発明のタンパク質の調節を失った機能的活性によって特徴付けられる(またはそれに関連する)障害の治療において使用することができる化合物の同定方法を提供する(例えば、薬剤スクリーニングアッセイ)。同様に、本発明は、病的な骨の恒常性の障害、骨芽細胞分化に対する干渉、本発明の核酸の調節を失った発現または本発明のタンパク質の調節を失った機能的活性によって特徴付けられる(またはそれに関連する)障害の治療において使用することができる化合物の同定方法を提供する(例えば、薬剤スクリーニングアッセイ)。該方法は典型的には、化合物または薬剤の本発明の核酸の発現または本発明のタンパク質の機能的活性を調節する能力をアッセイする工程を含み、それにより病的な骨の恒常性の障害、骨芽細胞分化に対する干渉、本発明の核酸の調節を失った発現または本発明のタンパク質の調節を失った機能的活性によって特徴付けられる(またはそれに関連する)障害の治療において使用される化合物が同定される。

0205

好適な態様において本発明は異常な骨芽細胞分化を含む疾患または障害を予防、治療および/または緩和するために有用なポリヌクレオチドまたはポリペプチド被験化合物を同定する薬剤化合物スクリーニングアッセイを提供し、これは以下の工程を含む:
(a)被験化合物と本発明による核酸とを接触させる工程、および、
(b)該化合物が該核酸と相互作用するか否かを判定する工程。

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