図面 (/)

技術 無線送信回路

出願人 パナソニック電工株式会社
発明者 林雅則末広善文
出願日 2004年5月26日 (16年7ヶ月経過) 出願番号 2004-156731
公開日 2005年12月8日 (15年0ヶ月経過) 公開番号 2005-341172
状態 特許登録済
技術分野 送信機
主要キーワード 渦巻き構造 等比数列 アンテナ駆動用 周期タイミング 折り返し構造 パルス信号列 アンテナ駆動回路 信号前処理
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年12月8日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題

アンテナに流れる駆動電流を低減することができる無線送信回路を提供する。

解決手段

送信信号SAをアンテナへ出力するバッファ31と、バッファ31をグラウンドに接続する伝送線路Aとを備え、伝送線路Aの長さを無線通信に用いられるパルス信号時間幅に相当する時間において信号が往復する長さとした。

概要

背景

近年、高速無線伝送方式の一つとして、所定の周期タイミングに同期したパルス信号からなるパルス信号列を用いて超広帯域通信を行うウルトラワイドバンド(UWB:Ultra Wide Band)通信方式が注目されている。UWB通信は、搬送波を用いず、例えばパルス幅が1nsec以下等の極めて細かい短パルス信号からなるパルス信号列を用いて通信を行うものである(例えば、特許文献1参照。)。

しかし、アンテナからUWB通信に用いられるパルス幅が1nsec以下の無線信号放射する場合、アンテナに駆動電流を供給するスイッチング素子を1nsec以下のスピードオンオフさせることは、スイッチング素子の応答速度や1nsec以下という極めて短い時間要素を生成する手段等の制限から困難性を伴う。

そこで、従来、図23に示すような無線送信回路がUWB通信に用いられていた。図23に示す無線送信回路は、LCR(Large-Current Radiator)アンテナを駆動するHブリッジ方式のアンテナ駆動回路で、電源グラウンドとの間に、PMOSトランジスタP101とNMOSトランジスタN101との直列回路と、PMOSトランジスタP102とNMOSトランジスタN102との直列回路とが接続され、トランジスタP101とトランジスタN101との接続点と、トランジスタP102とトランジスタN102との接続点との間にLCRアンテナ105が接続されている。

図24は、図23に示す無線送信回路の動作の一例を説明するための説明図である。まず、トランジスタP101及びP102がオン、トランジスタN101及びN102がオフしている状態では、LCRアンテナ105にはアンテナ電流Iantは流れない。次に、トランジスタP101及びN102がオン、トランジスタP102及びN101がオフにされると、LCRアンテナ105に、アンテナ電流Iantとして正方向の電流+Iが流れ、アンテナ電流Iantの立ち上がり時にLCRアンテナ105から正極性のパルス信号が放射される。

次に、トランジスタN101及びN102がオン、トランジスタP101及びP102がオフされるとアンテナ電流Iantが電流+Iからゼロに変化し、アンテナ電流Iantの立ち下がり時にLCRアンテナ105から負極性のパルス信号が放射される。この場合、正極性のパルス信号と、その後に放射された負極性のパルス信号との組み合わせにより、送信データにおける「1」が表されている。

次に、トランジスタP102及びN101がオン、トランジスタP101及びN102がオフにされると、LCRアンテナ105に、アンテナ電流Iantとして負方向の電流−Iが流れ、アンテナ電流Iantの立ち下がり時にLCRアンテナ105から負極性のパルス信号が放射される。次に、トランジスタP101及びP102がオン、トランジスタN101及びN102がオフされるとアンテナ電流Iantが電流−Iからゼロに変化し、アンテナ電流Iantの立ち上がり時にLCRアンテナ105から正極性のパルス信号が放射される。この場合、負極性のパルス信号と、その後に放射された正極性のパルス信号との組み合わせにより、送信データにおける「0」が表されている。

このように、UWB通信では、例えば、送信データの「1」「0」に対応してパルス信号の極性反転することにより、データを表現している。このとき、パルス信号の時間幅は、300ps〜500ps程度となる。
米国特許第6,002,708号明細書

概要

アンテナに流れる駆動電流を低減することができる無線送信回路を提供する。送信信号SAをアンテナへ出力するバッファ31と、バッファ31をグラウンドに接続する伝送線路Aとを備え、伝送線路Aの長さを無線通信に用いられるパルス信号の時間幅に相当する時間において信号が往復する長さとした。

目的

本発明は、このような問題に鑑みて為された発明であり、パルスを用いて通信を行う無線通信において、アンテナに流れる駆動電流を低減することができる無線送信回路を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

パルスを用いて通信を行う無線通信用アンテナに、送信信号に応じたアンテナ駆動用の信号を供給する無線送信回路であって、前記送信信号を前記アンテナへ出力する出力部と、前記出力部をグラウンドに接続する伝送線路とを備え、前記伝送線路は、前記パルスの時間幅に相当する時間において信号が往復する長さを有することを特徴とする無線送信回路。

請求項2

パルスを用いて通信を行う無線通信用のアンテナに、送信信号に応じたアンテナ駆動用の信号を供給する無線送信回路であって、前記送信信号に基づく第1の信号と、前記第1の信号を前記パルスの時間幅に応じて遅延させた第2の信号とを出力する信号前処理部と、前記信号前処理部から出力された第1の信号と第2の信号との間の差分を、前記アンテナ駆動用の信号として前記アンテナへ供給するパルス信号生成部とを備えることを特徴とする無線送信回路。

請求項3

前記信号前処理部は、前記送信信号を前記第1の信号として前記パルス信号生成部へ導く第1の伝送線路と、前記送信信号を前記第2の信号として前記パルス信号生成部へ導く第2の伝送線路とを備え、前記第2の伝送線路は、前記パルスの時間幅に相当する時間において信号が伝播する長さだけ、前記第1の伝送線路より長いことを特徴とする請求項2記載の無線送信回路。

請求項4

前記信号前処理部は、前記送信信号を伝送する第3及び第4の伝送線路と、前記第3の伝送線路により伝送された送信信号を前記第1の信号として前記パルス信号生成部へ出力する第1の出力部と、前記第4の伝送線路により伝送された送信信号を前記第2の信号として前記パルス信号生成部へ出力する第2の出力部と、前記第1の出力部をグラウンドに接続する第5の伝送線路と、前記第2の出力部をグラウンドに接続する第6の伝送線路と、を備え、前記第4の伝送線路は、前記パルスの時間幅に相当する時間において信号が伝播する長さだけ、前記第3の伝送線路より長いものであり、前記第5及び第6の伝送線路は、前記パルスの時間幅に相当する時間において信号が往復する長さを有するものであることを特徴とする請求項2記載の無線送信回路。

請求項5

前記信号前処理部は、前記送信信号を伝送する第3及び第4の伝送線路と、前記第3の伝送線路により伝送された送信信号を前記第1の信号として前記パルス信号生成部へ出力する第1の出力部と、前記第4の伝送線路により伝送された送信信号を前記第2の信号として前記パルス信号生成部へ出力する第2の出力部と、前記第1の出力部に一端部が接続され、他端部が開放された第7の伝送線路と、前記第2の出力部に一端部が接続され、他端部が開放された第8の伝送線路と、を備え、前記第4の伝送線路は、前記パルスの時間幅に相当する時間において信号が伝播する長さだけ、前記第3の伝送線路より長いものであり、前記第7及び第8の伝送線路は、前記パルスの時間幅に相当する時間において信号が往復する長さ以上の長さを有するものであることを特徴とする請求項2記載の無線送信回路。

請求項6

前記第4の伝送線路は、インダクタンスを増大させるべく形成されていることを特徴とする請求項4又は5記載の無線送信回路。

請求項7

前記信号前処理部は、前記送信信号における立ち上がり立ち下がり時スルーレートを緩やかにした信号を第3の信号として出力するスルーレート調整部と、前記第3の信号を受け付ける受付部を備え、前記受付部により受け付けられた第3の信号の電圧と予め設定された閾値電圧とを比較し、前記第3の信号の電圧が前記閾値電圧を超えている場合に前記第2の信号を立ち上げ、前記第3の信号の電圧が前記閾値電圧以下の場合に前記第2の信号を立ち下げ比較回路と、を備えることを特徴とする請求項2記載の無線送信回路。

請求項8

前記スルーレート調整部は、前記第3の信号を立ち上げるべく前記受付部に並列接続された複数の第1のトランジスタと、前記第3の信号を立ち下げるべく前記受付部に並列接続された複数の第2のトランジスタと、前記スルーレートの設定指示を受け付ける設定部と、前記設定部により受け付けられた設定指示に応じて、前記複数の第1及び第2のトランジスタのうち、前記送信信号に応じてオンするトランジスタを選択する選択部と、を備えることを特徴とする請求項7記載の無線送信回路。

請求項9

前記各第1のトランジスタにおけるゲート長に対するゲート幅比率は、当該比率が最も小さいトランジスタにおける当該比率を初項公比を2とした場合に等比数列となる関係を有し、前記各第2のトランジスタにおけるゲート長に対するゲート幅の比率は、当該比率が最も小さいトランジスタにおける当該比率を初項、公比を2とした場合に等比数列となる関係を有することを特徴とする請求項8記載の無線送信回路。

請求項10

前記スルーレート調整部は、前記送信信号を前記第3の信号として前記受付部へ出力すると共に、前記受付部とグラウンドとの間に介設された第3のトランジスタとコンデンサとの直列回路を複数備え、前記スルーレートの設定指示を受け付ける設定部と、前記設定部により受け付けられた設定指示に応じて、前記複数の第3のトランジスタのうちいずれかをオンする選択部と、を備えることを特徴とする請求項7記載の無線送信回路。

請求項11

前記各コンデンサの容量は、当該容量が最も小さいコンデンサにおける当該容量を初項、公比を2とした場合に等比数列となる関係を有することを特徴とする請求項10記載の無線送信回路。

技術分野

0001

本発明は、パルスを用いて通信を行う無線送信回路に関する。

背景技術

0002

近年、高速無線伝送方式の一つとして、所定の周期タイミングに同期したパルス信号からなるパルス信号列を用いて超広帯域な通信を行うウルトラワイドバンド(UWB:Ultra Wide Band)通信方式が注目されている。UWB通信は、搬送波を用いず、例えばパルス幅が1nsec以下等の極めて細かい短パルス信号からなるパルス信号列を用いて通信を行うものである(例えば、特許文献1参照。)。

0003

しかし、アンテナからUWB通信に用いられるパルス幅が1nsec以下の無線信号放射する場合、アンテナに駆動電流を供給するスイッチング素子を1nsec以下のスピードオンオフさせることは、スイッチング素子の応答速度や1nsec以下という極めて短い時間要素を生成する手段等の制限から困難性を伴う。

0004

そこで、従来、図23に示すような無線送信回路がUWB通信に用いられていた。図23に示す無線送信回路は、LCR(Large-Current Radiator)アンテナを駆動するHブリッジ方式のアンテナ駆動回路で、電源グラウンドとの間に、PMOSトランジスタP101とNMOSトランジスタN101との直列回路と、PMOSトランジスタP102とNMOSトランジスタN102との直列回路とが接続され、トランジスタP101とトランジスタN101との接続点と、トランジスタP102とトランジスタN102との接続点との間にLCRアンテナ105が接続されている。

0005

図24は、図23に示す無線送信回路の動作の一例を説明するための説明図である。まず、トランジスタP101及びP102がオン、トランジスタN101及びN102がオフしている状態では、LCRアンテナ105にはアンテナ電流Iantは流れない。次に、トランジスタP101及びN102がオン、トランジスタP102及びN101がオフにされると、LCRアンテナ105に、アンテナ電流Iantとして正方向の電流+Iが流れ、アンテナ電流Iantの立ち上がり時にLCRアンテナ105から正極性のパルス信号が放射される。

0006

次に、トランジスタN101及びN102がオン、トランジスタP101及びP102がオフされるとアンテナ電流Iantが電流+Iからゼロに変化し、アンテナ電流Iantの立ち下がり時にLCRアンテナ105から負極性のパルス信号が放射される。この場合、正極性のパルス信号と、その後に放射された負極性のパルス信号との組み合わせにより、送信データにおける「1」が表されている。

0007

次に、トランジスタP102及びN101がオン、トランジスタP101及びN102がオフにされると、LCRアンテナ105に、アンテナ電流Iantとして負方向の電流−Iが流れ、アンテナ電流Iantの立ち下がり時にLCRアンテナ105から負極性のパルス信号が放射される。次に、トランジスタP101及びP102がオン、トランジスタN101及びN102がオフされるとアンテナ電流Iantが電流−Iからゼロに変化し、アンテナ電流Iantの立ち上がり時にLCRアンテナ105から正極性のパルス信号が放射される。この場合、負極性のパルス信号と、その後に放射された正極性のパルス信号との組み合わせにより、送信データにおける「0」が表されている。

0008

このように、UWB通信では、例えば、送信データの「1」「0」に対応してパルス信号の極性反転することにより、データを表現している。このとき、パルス信号の時間幅は、300ps〜500ps程度となる。
米国特許第6,002,708号明細書

発明が解決しようとする課題

0009

ところで、上述のようなHブリッジ方式のアンテナ駆動回路においては、LCRアンテナ105から正極性のパルス信号を放射してから負極性のパルス信号を放射するまで、及びLCRアンテナ105から負極性のパルス信号を放射してから正極性のパルス信号を放射するまでの間、LCRアンテナ105には、それぞれ+I、及び−Iの直流電流が流れ続ける。そのため、UWB通信に用いるパルス信号をアンテナから放射させるために、LCRアンテナ105に流れる駆動電流が増大するという不都合があった。

0010

本発明は、このような問題に鑑みて為された発明であり、パルスを用いて通信を行う無線通信において、アンテナに流れる駆動電流を低減することができる無線送信回路を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

上述の目的を達成するために、本発明の第1の手段に係る無線送信回路は、パルスを用いて通信を行う無線通信用のアンテナに、送信信号に応じたアンテナ駆動用の信号を供給する無線送信回路であって、前記送信信号を前記アンテナへ出力する出力部と、前記出力部をグラウンドに接続する伝送線路とを備え、前記伝送線路は、前記パルスの時間幅に相当する時間において信号が往復する長さを有することを特徴としている。

0012

この発明によれば、出力部からアンテナへ送信信号が出力されると、その送信信号が伝送線路で極性が反転して反射し、もとの送信信号に重畳され、相殺される。そのため、出力部からアンテナへ供給されるアンテナ駆動用の信号は、伝送線路を送信信号が往復する時間幅を有するパルス信号となる。

0013

そして、本発明の第2の手段に係る無線送信回路は、パルスを用いて通信を行う無線通信用のアンテナに、送信信号に応じたアンテナ駆動用の信号を供給する無線送信回路であって、前記送信信号に基づく第1の信号と、前記第1の信号を前記パルスの時間幅に応じて遅延させた第2の信号とを出力する信号前処理部と、前記信号前処理部から出力された第1の信号と第2の信号との間の差分を、前記アンテナ駆動用の信号として前記アンテナへ供給するパルス信号生成部とを備えることを特徴としている。

0014

この発明によれば、信号前処理部によって、送信信号に基づく第1の信号と第1の信号をパルスの時間幅に応じて遅延させた第2の信号とがパルス信号生成部へ出力される。そして、信号前処理部から出力された第1の信号と第2の信号との間の差分が、アンテナ駆動用の信号としてアンテナへ供給される。そのため、出力部からアンテナへ供給されるアンテナ駆動用の信号は、無線通信に用いられるパルスの時間幅を有するパルス信号となる。

0015

また、上述の無線送信回路において、前記信号前処理部は、前記送信信号を前記第1の信号として前記パルス信号生成部へ導く第1の伝送線路と、前記送信信号を前記第2の信号として前記パルス信号生成部へ導く第2の伝送線路とを備え、前記第2の伝送線路は、前記パルスの時間幅に相当する時間において信号が伝播する長さだけ、前記第1の伝送線路より長いことを特徴としている。

0016

この発明によれば、送信信号は、第1の伝送線路、及び第1の伝送線路よりパルスの時間幅に相当する時間において信号が伝播する長さだけ長い第2の伝送線路によって、それぞれ第1及び第2の信号としてパルス信号生成部へ導かれる。そのため、第2の伝送線路によってパルス信号生成部へ導かれた第2の信号は、第1の信号よりも無線通信に用いられるパルスの時間幅だけ遅延する。そして、信号前処理部から出力された第1の信号と第2の信号との間の差分が、アンテナ駆動用の信号としてアンテナへ供給される。そのため、出力部からアンテナへ供給されるアンテナ駆動用の信号は、無線通信に用いられるパルスの時間幅を有するパルス信号となる。

0017

そして、上述の無線送信回路において、前記信号前処理部は、前記送信信号を伝送する第3及び第4の伝送線路と、前記第3の伝送線路により伝送された送信信号を前記第1の信号として前記パルス信号生成部へ出力する第1の出力部と、前記第4の伝送線路により伝送された送信信号を前記第2の信号として前記パルス信号生成部へ出力する第2の出力部と、前記第1の出力部をグラウンドに接続する第5の伝送線路と、前記第2の出力部をグラウンドに接続する第6の伝送線路と、を備え、前記第4の伝送線路は、前記パルスの時間幅に相当する時間において信号が伝播する長さだけ、前記第3の伝送線路より長いものであり、前記第5及び第6の伝送線路は、前記パルスの時間幅に相当する時間において信号が往復する長さを有するものであることを特徴としている。

0018

この発明によれば、第3の伝送線路により伝送された送信信号が第1の出力部から第1の信号としてパルス信号生成部へ出力されると、その第1の信号が第5の伝送線路で極性が反転して反射し、もとの第1の信号に重畳され、相殺される。そのため、第1の出力部からパルス信号生成部へ供給される第1の信号は、第5の伝送線路を第1の信号が往復する時間幅を有するパルス信号となる。一方、無線通信に用いられるパルスの時間幅に相当する時間において信号が伝播する長さだけ、前記第3の伝送線路より長い第4の伝送線路により伝送された送信信号が第2の出力部から第2の信号としてパルス信号生成部へ出力されると、その第2の信号が第6の伝送線路で極性が反転して反射し、もとの第2の信号に重畳され、相殺される。そのため、第2の出力部からパルス信号生成部へ供給される第2の信号は、第1の信号より無線通信に用いられるパルスの時間幅に相当する時間だけ遅延し、かつ第6の伝送線路を第2の信号が往復する時間幅を有するパルス信号となる。そして、パルス信号生成部によって、信号前処理部から出力された第1の信号と第2の信号との間の差分が、アンテナ駆動用の信号としてアンテナへ供給される。そのため、パルス信号生成部から正極性のパルス信号と負極性のパルス信号とからなる信号が、アンテナ駆動用の信号としてアンテナへ供給される。

0019

さらに、上述の無線送信回路において、前記信号前処理部は、前記送信信号を伝送する第3及び第4の伝送線路と、前記第3の伝送線路により伝送された送信信号を前記第1の信号として前記パルス信号生成部へ出力する第1の出力部と、前記第4の伝送線路により伝送された送信信号を前記第2の信号として前記パルス信号生成部へ出力する第2の出力部と、前記第1の出力部に一端部が接続され、他端部が開放された第7の伝送線路と、前記第2の出力部に一端部が接続され、他端部が開放された第8の伝送線路と、を備え、前記第4の伝送線路は、前記パルスの時間幅に相当する時間において信号が伝播する長さだけ、前記第3の伝送線路より長いものであり、前記第7及び第8の伝送線路は、前記パルスの時間幅に相当する時間において信号が往復する長さ以上の長さを有するものであることを特徴としている。

0020

この発明によれば、第3の伝送線路により伝送された送信信号が第1の出力部から第1の信号としてパルス信号生成部へ出力されると、その第1の信号が第7の伝送線路で同極性のまま反射し、もとの第1の信号に重畳されて電圧が増大する。そのため、第1の出力部からパルス信号生成部へ供給される第1の信号は、階段状の信号波形となる。一方、無線通信に用いられるパルスの時間幅に相当する時間において信号が伝播する長さだけ、前記第3の伝送線路より長い第4の伝送線路により伝送された送信信号が第2の出力部から第2の信号としてパルス信号生成部へ出力されると、その第2の信号が第8の伝送線路で同極性のまま反射し、もとの第2の信号に重畳されて電圧が増大する。そのため、第2の出力部からパルス信号生成部へ供給される第2の信号は、第1の信号より無線通信に用いられるパルスの時間幅に相当する時間だけ遅延した階段状の信号波形となる。そして、パルス信号生成部によって、信号前処理部から出力された第1の信号と第2の信号との間の差分が、アンテナ駆動用の信号としてアンテナへ供給される。そのため、パルス信号生成部からパルス信号が2つ、アンテナ駆動用の信号としてアンテナへ供給される。

0021

また、上述の無線送信回路において、前記第4の伝送線路は、インダクタンスを増大させるべく形成されている。この発明によれば、第4の伝送線路のインダクタンスが増大される。

0022

そして、上述の無線送信回路において、前記信号前処理部は、前記送信信号における立ち上がり、立ち下がり時のスルーレートを緩やかにした信号を第3の信号として出力するスルーレート調整部と、前記第3の信号を受け付ける受付部を備え、前記受付部により受け付けられた第3の信号の電圧と予め設定された閾値電圧とを比較し、前記第3の信号の電圧が前記閾値電圧を超えている場合に前記第2の信号を立ち上げ、前記第3の信号の電圧が前記閾値電圧以下の場合に前記第2の信号を立ち下げ比較回路と、を備えることを特徴としている。

0023

この発明によれば、スルーレート調整部によって、送信信号における立ち上がり、立ち下がり時のスルーレートを緩やかにした信号が第3の信号として受付部へ出力され、比較回路によって、受付部により受け付けられた第3の信号の電圧と予め設定された閾値電圧とが比較されて第3の信号の電圧が閾値電圧を超えている場合に第2の信号が立ち上げられ、第3の信号の電圧が閾値電圧以下の場合に第2の信号が立ち下げられるので、第2の信号における立ち上がり、立ち下がりが送信信号より遅延される。

0024

さらに、上述の無線送信回路において、前記スルーレート調整部は、前記第3の信号を立ち上げるべく前記受付部に並列接続された複数の第1のトランジスタと、前記第3の信号を立ち下げるべく前記受付部に並列接続された複数の第2のトランジスタと、前記スルーレートの設定指示を受け付ける設定部と、前記設定部により受け付けられた設定指示に応じて、前記複数の第1及び第2のトランジスタのうち、前記送信信号に応じてオンするトランジスタを選択する選択部と、を備えることを特徴としている。

0025

この発明によれば、設定部により受け付けられた設定指示に応じて、選択部によって、複数の第1及び第2のトランジスタのうち送信信号に応じてオンするトランジスタが選択される。そして、選択部により選択された第1のトランジスタによって第3の信号が立ち上げられ、選択部により選択された複数の第2のトランジスタによって第3の信号が立ち下げられる。これにより、スルーレートの設定指示に応じて第3の信号を立ち上げ、立ち下げするトランジスタを選択して出力インピーダンスを変化させることが可能となるので、スルーレート調整部は、第3の信号における立ち上がり、立ち下がり時のスルーレートを変化させることが可能となる。

0026

また、上述の無線送信回路において、前記各第1のトランジスタにおけるゲート長に対するゲート幅比率は、当該比率が最も小さいトランジスタにおける当該比率を初項公比を2とした場合に等比数列となる関係を有し、前記各第2のトランジスタにおけるゲート長に対するゲート幅の比率は、当該比率が最も小さいトランジスタにおける当該比率を初項、公比を2とした場合に等比数列となる関係を有することを特徴としている。

0027

この発明によれば、各第1のトランジスタにおけるゲート長に対するゲート幅の比率がそれぞれ異なるので、第1のトランジスタにおける負荷容量を充放電する出力電流はそれぞれ異なる。また、各第2のトランジスタにおけるゲート長に対するゲート幅の比率がそれぞれ異なるので、第2のトランジスタにおける負荷容量を充放電する出力電流はそれぞれ異なる。

0028

そして、上述の無線送信回路において、前記スルーレート調整部は、前記送信信号を前記第3の信号として前記受付部へ出力すると共に、前記受付部とグラウンドとの間に介設された第3のトランジスタとコンデンサとの直列回路を複数備え、前記スルーレートの設定指示を受け付ける設定部と、前記設定部により受け付けられた設定指示に応じて、前記複数の第3のトランジスタのうちいずれかをオンする選択部と、を備えることを特徴としている。

0029

この発明によれば、設定部により受け付けられたスルーレートの設定指示に応じて複数の第3のトランジスタのうちいずれかがオンされることにより、受付部にコンデンサの容量が付加されるので、スルーレート調整部は、受付部に受け付けられる第3の信号のスルーレートを変化させることが可能となる。

0030

さらに、上述の無線送信回路において、前記各コンデンサの容量は、当該容量が最も小さいコンデンサにおける当該容量を初項、公比を2とした場合に等比数列となる関係を有することを特徴としている。この発明によれば、各第3のトランジスタがオンした場合に受付部に付加されるコンデンサの容量を異ならせることができる。

発明の効果

0031

このような構成の無線送信回路は、出力部からアンテナへ供給されるアンテナ駆動用の信号は、伝送線路を送信信号が往復する時間幅を有するパルス信号となるので、アンテナに流れる駆動電流を低減することができる。

0032

そして、このような構成の無線送信回路は、出力部からアンテナへ供給されるアンテナ駆動用の信号は、無線通信に用いられるパルスの時間幅を有するパルス信号となるので、アンテナに流れる駆動電流を低減することができる。

発明を実施するための最良の形態

0033

以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。

0034

(第1実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係る無線送信回路を用いた無線送信装置の構成の一例を示すブロック図である。図1に示す無線送信装置1は、制御部2と、信号前処理部3と、パルス信号生成部4と、バンドパスフィルタ5と、アンテナ6とが直列に接続されて構成されている。また、信号前処理部3とパルス信号生成部4とから、無線送信回路7が構成されている。

0035

制御部2は、送信の対象となる送信データから、無線送信に適した送信信号SAを生成し、信号前処理部3へ出力する。図2は、送信データ「0010」を送信する場合に、制御部2から出力される送信信号SAの一例を示す波形図である。図2(a)は、送信データの「1」「0」をパルス信号の有り無しに対応させた送信信号SAの波形の一例である。図2(b)は、送信データの「1」「0」をパルス信号の立ち上がり、立ち下がりに対応させた送信信号SAの波形の一例である。

0036

図3は、信号前処理部3とパルス信号生成部4との構成の一例を示す回路図である。図3に示す信号前処理部3は、制御部2からの送信信号SAを受信してアンテナ6を駆動するための前処理信号SBを出力する出力部であるバッファ31と、バッファ31の出力端子をグラウンドに接続する伝送線路Aとを備える。

0037

伝送線路Aは、例えばマイクロストリップ線路で構成された、長さが10mmの伝送線路である。図4は、伝送線路Aの断面の一例を示す断面図である。図3に示す伝送線路Aは、厚さhの誘電体基板32の上面に形成された、幅W、厚さtの配線パターンにより構成されている。誘電体基板32の下面には、誘電体基板32の下面を広く覆うように導体パターンが形成されている。例えば、図4に示す伝送線路Aを伝播する信号の速度Vpは、下記の式(1)で与えられる。

0038

0039

今、W=0.15mm、t=0.035mm、h=0.2mm、誘電体基板32の比誘電率εr=4.7とすると、Vp=1.65×108(m/s)=165mm/nsとなる。そして、伝送線路Aを伝播する信号が伝送線路Aを往復、すなわち20mm伝播すると、20/165=121(ps)かかることとなる。すなわち、伝送線路Aは、UWB通信に用いられるパルスの時間幅121psにおいて信号が往復する長さにされている。

0040

パルス信号生成部4は、バラントランスコモンモードチョークコイル)T1から構成されており、信号前処理部3から出力された前処理信号SBは、バラントランスT1の一方のコイルを介してアンテナ駆動用の信号であるアンテナ駆動信号SCとしてバンドパスフィルタ5を介してアンテナ6へ供給される。また、バラントランスT1の他方のコイルは、両端がグラウンドに接続されている。また、パルス信号生成部4は、信号前処理部3とバンドパスフィルタ5との間におけるインピーダンス整合する。

0041

バンドパスフィルタ5は、パルス信号生成部4からのアンテナ駆動信号SCに含まれる周波数成分のうち、UWB規格適合する周波数帯域を選択的にアンテナ6へ出力する。図5は、バンドパスフィルタ5の構成の一例を示す回路図である。図5に示すバンドパスフィルタ5は、入力端子INが、コンデンサC1、インダクタL1、及びインダクタL2の一端に接続されている。また、コンデンサC1及びインダクタL1の他端がグラウンドに接続され、インダクタL2の他端がコンデンサC2と出力端子OUTとを介してアンテナ6に接続されている。そして、コンデンサC2と出力端子OUTとの接続点が、コンデンサC3及びインダクタL3の一端に接続され、コンデンサC3及びインダクタL3の他端がグラウンドに接続されている。

0042

アンテナ6は、例えばモノポールアンテナが用いられる。

0043

次に、上述のように構成された無線送信回路7の動作を説明する。図6は、無線送信回路7の動作を説明するための信号波形図である。図3に戻って、制御部2から信号前処理部3におけるバッファ31へ、図6に示す矩形波状の送信信号SAが出力される。そうすると、バッファ31からパルス信号生成部4及び伝送線路Aへ、送信信号SAに応じて前処理信号SBが出力される。このとき、伝送線路Aの他端はグラウンドに接続されているため、バッファ31から伝送線路Aへ出力された前処理信号SBは、伝送線路Aの他端部で極性が反転して全反射し、もとの前処理信号SBの波形を打ち消す。その結果、前処理信号SBは、信号の立ち上がりから信号が伝送線路Aを往復する時間、すなわち121ps後に打ち消される結果、前処理信号SBはパルス幅121psのパルス信号とされる。

0044

次に、信号前処理部3から出力されたパルス幅121psの前処理信号SBは、パルス信号生成部4により伝送線路のインピーダンスが整合されているため、信号反射を生じることなくアンテナ駆動信号SCとしてバンドパスフィルタ5を介してアンテナ6へ供給される。そして、アンテナ6から、UWB通信の無線信号としてパルス幅121psのパルス信号が放射される。

0045

これにより、アンテナ6を駆動するアンテナ駆動信号SCを、UWB通信の無線信号と同等の短いパルス幅の信号とすることができるので、アンテナ6に流れる駆動電流を低減することができる。

0046

なお、バンドパスフィルタ5を用いず、パルス信号生成部4から直接アンテナ6へアンテナ駆動信号SCを供給してアンテナ6を駆動する構成としても良い。また、パルス信号生成部4として、例えば図7に示すバラントランスT1を用いても良い。さらに、アンテナ6は、モノポールアンテナに限られず、例えば図7に示すダイポールアンテナをアンテナ6として用いても良い。

0047

これにより、例えば図23に示す背景技術に係るHブリッジ方式のアンテナ駆動回路を用いた無線送信回路では、直流電流を流すことができないために用いることができなかったモノポールアンテナをアンテナ6として用いることができる。

0048

さらに、図23に示す背景技術に係るHブリッジ方式のアンテナ駆動回路を用いた無線送信回路では、図24に示すように、アンテナ電流Iantの立ち上がり時と立ち下がり時の両方でアンテナからパルス信号が放射されるため、UWB通信のために規定されたパルス信号間隔でパルス信号を放射するためにはそのパルス信号間隔の時間幅で、アンテナ電流Iantを流す必要があった。

0049

一方、図3に示す無線送信回路7においては、図6に示すように、送信信号SAの立ち上がりでのみアンテナ駆動信号SCがアンテナ6に供給され、アンテナ6からパルス信号が放射されるので、UWB通信のために規定されたパルス信号間隔に関わらず送信信号SAのパルス幅を短縮することが可能となる。これにより、送信信号SAによりオンされるバッファ31のオン時間を短縮することが可能となるので、バッファ31の出力電流を低減し、無線送信回路7における消費電流を低減することが容易となる。

0050

(第2実施形態)
次に、本発明の第2の実施の形態に係る無線送信回路について説明する。図8は、本発明の第2の実施の形態に係る無線送信回路7aの構成の一例を示すブロック図である。図8に示す無線送信回路7aと図3に示す無線送信回路7とでは、下記の点で異なる。すなわち、図8に示す無線送信回路7aにおいて、信号前処理部3aは、制御部2からの送信信号SAを、バッファ33を介して第1の信号に相当する前処理信号SB1としてパルス信号生成部4aへ導く第1の伝送線路に相当する伝送線路Bと、制御部2からの送信信号SAを、バッファ34を介して第2の信号に相当する前処理信号SB2としてパルス信号生成部4aへ導く第2の伝送線路に相当する伝送線路Cと、を備えている。

0051

伝送線路Bと伝送線路Cとは、上述の伝送線路Aと同様のマイクロストリップ線路により構成されており、例えば図9(a)に示すように、伝送線路Bは長さ100mm、伝送線路Cは120mmとされ、伝送線路Cは伝送線路Bより20mm長くされている。すなわち、伝送線路Cは、UWB無線で用いられるパルス信号幅である121psにおいて、伝播速度Vpが165mm/nsの信号が伝播する長さである20mmだけ伝送線路Bより長くされている。

0052

パルス信号生成部4は、バラントランスT1から構成されており、バッファ33から出力された前処理信号SB1は、バラントランスT1の一方のコイルを介してアンテナ駆動信号SCとしてバンドパスフィルタ5を介してアンテナ6へ供給される。また、前処理信号SB2を出力するバッファ34の出力部は、バラントランスT1の他方のコイルを介してグラウンドに接続される。

0053

そして、パルス信号生成部4aは、パルス信号生成部4とバンドパスフィルタ5との間におけるインピーダンスを整合すると共に、前処理信号SB1と前処理信号SB2との間における同相成分を除去し、前処理信号SB1と前処理信号SB2との間の差分をアンテナ駆動信号SCとしてバンドパスフィルタ5を介してアンテナ6へ供給する。

0054

その他の構成は図1に示す無線送信装置1と同様であるのでその説明を省略し、以下、図8に示す無線送信回路7aの動作を説明する。図10は、無線送信回路7aの動作を説明するための信号波形図である。まず、制御部2から図10に示す矩形波状の送信信号SAが、伝送線路Bを介してバッファ33へ出力される一方、伝送線路Cを介してバッファ34へ出力される。このとき、伝送線路B,Cにおける信号の伝播速度Vpは165mm/nsであるので、図9(b)に示すように、送信信号SAは、長さ100mmの伝送線路Bで606ps遅延する一方、長さ120mmの伝送線路Cで727ps遅延する。そうすると、図10に示すように、バッファ33からパルス信号生成部4aへ前処理信号SB1が出力される一方、バッファ34からパルス信号生成部4aへ前処理信号SB1よりも121ps遅延した前処理信号SB2が出力される。

0055

次に、パルス信号生成部4aによって、前処理信号SB1と前処理信号SB2との間における同相成分が除去され、前処理信号SB1と前処理信号SB2との間の差分、すなわちパルス幅121psの信号がアンテナ駆動信号SCとしてバンドパスフィルタ5を介してアンテナ6へ供給される。そして、アンテナ6から、UWB通信の無線信号として正極性のパルス幅121psのパルス信号が放射される。

0056

同様にして、送信信号SAの立ち下がり時には、パルス信号生成部4aからパルス幅121psの負極性のパルス信号がアンテナ駆動信号SCとしてバンドパスフィルタ5を介してアンテナ6へ供給され、アンテナ6から負極性のパルス幅121psのパルス信号が放射される。

0057

これにより、アンテナ6を駆動するアンテナ駆動信号SCを、UWB通信の無線信号パルスと同等の短いパルス幅の信号とすることができ、図23に示す背景技術に係るHブリッジ方式のアンテナ駆動回路のように直流電流が流れないので、アンテナ6に流れる駆動電流を低減すると共にバッファ33,34の出力電流を低減し、無線送信回路7における消費電流を低減することができる。

0058

なお、図11に示す信号前処理部3bのように、送信信号SAがバッファ33,34からそれぞれ伝送線路B,Cを経由してパルス信号生成部4aへ出力される構成であってもよい。

0059

また、伝送線路Cは、例えば図12(a)に示すように、折り返し構造を有して形成されることが望ましい。これにより、伝送線路Cにおけるインダクタンスを増大させることができる。そして、伝送線路Cにおけるインダクタンスが増大すると、前処理信号SB2の立ち上がり、立ち下がりが急峻になる結果、パルス信号生成部4aから出力されるアンテナ駆動信号SCの高調波成分を増加させることができ、よりUWB無線に適した周波数帯域を有するパルス信号をアンテナ6から放射させることが可能となる。図12(b)は伝送線路Cにおけるインダクタンスを増大させた場合の前処理信号SB2及びアンテナ駆動信号SCの波形を示す波形図である。破線で示す波形は伝送線路Cにおけるインダクタンスを増大させない場合の波形であり、実線で示す波形は伝送線路Cにおけるインダクタンスを増大さた場合のインダクタンスにより急峻にされた波形である。

0060

なお、伝送線路Cは、折り返し構造を有してインダクタンスを増大させる例に限定されず、例えば渦巻き構造等、インダクタンスを増大させることができる構造を有していればよい。

0061

(第3実施形態)
次に、本発明の第3の実施の形態に係る無線送信回路について説明する。図13は、本発明の第3の実施の形態に係る無線送信回路7bの構成の一例を示すブロック図である。図13に示す無線送信回路7bと図8に示す無線送信回路7aとでは、下記の点で異なる。すなわち、図13に示す無線送信回路7bは、アンテナ6から後述する図15(a)に示すガウシアンパルスを放射させるようにしたもので、無線送信回路7bにおいて、信号前処理部3cは、第1の出力部に相当するバッファ33の出力をグラウンドに接続する第5の伝送線路に相当する伝送線路Dと、第2の出力部に相当するバッファ34の出力をグラウンドに接続する第6の伝送線路に相当する伝送線路Eとをさらに備えている。そして、伝送線路D,Eは、UWB通信に用いられるパルスの時間幅121psにおいて信号が往復する長さ、すなわち10mmにされている。

0062

その他の構成は図1に示す無線送信装置1及び図8に示す無線送信回路7aと同様であるのでその説明を省略し、以下、図13に示す無線送信回路7bの動作を説明する。図14は、無線送信回路7bの動作を説明するための信号波形図である。まず、制御部2から図14に示す矩形波状の送信信号SAが、第3の伝送線路に相当する伝送線路Bを介してバッファ33へ出力される一方、第4の伝送線路に相当する伝送線路Cを介してバッファ34へ出力される。そうすると、伝送線路Bによって送信信号SAが606ps遅延された信号SD1としてバッファ33へ導かれ、伝送線路Cによって送信信号SAが727ps遅延された信号SD2としてバッファ34へ導かれる結果、バッファ33からパルス信号生成部4a及び伝送線路Dへ前処理信号SB1が出力される一方、バッファ34からパルス信号生成部4a及び伝送線路Eへ前処理信号SB1よりも121ps遅延した前処理信号SB2が出力される。

0063

このとき、伝送線路D,Eの他端はグラウンドに接続されているため、バッファ33から伝送線路Dへ出力された前処理信号SB1は、伝送線路Dの他端部で極性が反転して全反射し、もとの前処理信号SB1の波形を打ち消す。その結果、前処理信号SB1は、信号の立ち上がりから信号が伝送線路Dを往復する時間、すなわち121ps後に打ち消される結果、前処理信号SB1はパルス幅121psのパルス信号とされる。同様に、バッファ34から伝送線路Eへ出力された前処理信号SB2は、伝送線路Eの他端部で極性が反転して全反射し、もとの前処理信号SB2の波形を打ち消す結果、前処理信号SB2は、前処理信号SB1より121ps遅れると共にパルス幅121psのパルス信号とされる。

0064

次に、パルス信号生成部4aによって、前処理信号SB1と前処理信号SB2との間における同相成分が除去され、前処理信号SB1と前処理信号SB2との間の差分、すなわちパルス幅121psの正極性のパルス信号とパルス幅121psの負極性のパルス信号とが連続した信号波形、すなわち図15(a)に示すガウシアンパルスの信号波形を有するアンテナ駆動信号SCが、バンドパスフィルタ5を介してアンテナ6へ供給される。この場合、ガウシアンパルスのパルス幅twは、242psとなる。そして、アンテナ6から、UWB通信の無線信号としてパルス幅242psのガウシアンパルスによるパルス信号が放射される。

0065

これにより、アンテナ6を駆動するアンテナ駆動信号SCを、UWB通信の無線信号パルスと同等の短いパルス幅の信号とすることができ、図23に示す背景技術に係るHブリッジ方式のアンテナ駆動回路のように直流電流が流れないので、アンテナ6に流れる駆動電流を低減すると共にバッファ33,34の出力電流を低減し、無線送信回路7における消費電流を低減することができる。

0066

また、アンテナ6からガウシアンパルスによるパルス信号が放射させることができるので、UWB規格によって規定されているパルス信号の特性に近似するより良好な信号パルスを得ることができる。図15(b)は、インパルス状の信号パルスの特性と、ガウシアンパルスの特性と、UWB規格によって規定されているパルス信号の特性とを示すグラフである。図15(b)に示すように、インパルス状の信号パルスよりもガウシアンパルスの方がUWB規格によって規定されているパルス信号の特性に近似し、良好な信号パルスを得ることができる。

0067

また、伝送線路Eは、例えば図12(a)に示すように、折り返し構造を有して形成されることが望ましい。これにより、伝送線路Eにおけるインダクタンスを増大させることができる。そして、伝送線路Eにおけるインダクタンスが増大すると、前処理信号SB2の立ち上がり、立ち下がりが急峻になる結果、パルス信号生成部4aから出力されるアンテナ駆動信号SCの高調波成分を増加させることができ、よりUWB無線に適した周波数帯域を有するパルス信号をアンテナ6から放射させることが可能となる。図12(c)は伝送線路Cにおけるインダクタンスを増大させた場合の前処理信号SB2及びアンテナ駆動信号SCの波形を示す波形図である。破線で示す波形は伝送線路Cにおけるインダクタンスを増大させない場合の波形であり、実線で示す波形は伝送線路Cにおけるインダクタンスを増大さた場合の急峻にされた波形である。

0068

(第4実施形態)
次に、本発明の第4の実施の形態に係る無線送信回路について説明する。図16は、本発明の第4の実施の形態に係る無線送信回路7cの構成の一例を示すブロック図である。図16に示す無線送信回路7cと図13に示す無線送信回路7bとでは、下記の点で異なる。すなわち、図16に示す無線送信回路7cは、信号前処理部3dにおいて、伝送線路D,Eの代わりに第7の伝送線路に相当する伝送線路Fと、第8の伝送線路に相当する伝送線路Gとを備える。伝送線路F,Gの一端はそれぞれバッファ33,34に接続され、他端は開放されている。また、伝送線路F,Gの長さは、UWB通信に用いられるパルスの時間幅である121psにおいて信号が往復する長さである10mm以上の長さ、例えば20mmにされている。

0069

その他の構成は図1に示す無線送信装置1及び図13に示す無線送信回路7bと同様であるのでその説明を省略し、以下、図16に示す無線送信回路7cの動作を説明する。図17は、無線送信回路7cの動作を説明するための信号波形図である。まず、制御部2から矩形波状の送信信号SAが、伝送線路Bを介してバッファ33へ出力される一方、伝送線路Cを介してバッファ34へ出力される。そうすると、伝送線路Bによって送信信号SAが606ps遅延された信号SD1としてバッファ33へ導かれ、伝送線路Cによって送信信号SAが727ps遅延された信号SD2としてバッファ34へ導かれる結果、バッファ33からパルス信号生成部4a及び伝送線路Fへ前処理信号SB1が出力される一方、バッファ34からパルス信号生成部4a及び伝送線路Gへ前処理信号SB1よりも121ps遅延した前処理信号SB2が出力される。

0070

このとき、伝送線路F,Gの他端は開放されているため、バッファ33から伝送線路Fへ出力された前処理信号SB1は、伝送線路Fの開放端で同極性のまま全反射し、もとの前処理信号SB1の波形に重畳される。その結果、前処理信号SB1は、信号の立ち上がりから信号が伝送線路Fを往復する時間、すなわち242ps後に反射信号が重畳されて電圧が上昇し、階段状の信号波形となる。同様に、バッファ34から伝送線路Gへ出力された前処理信号SB2は、伝送線路Gの開放端で同極性のまま全反射し、もとの前処理信号SB2の波形に重畳される。その結果、前処理信号SB2は、信号の立ち上がりから信号が伝送線路Gを往復する時間、すなわち242ps後に反射信号が重畳されて電圧が上昇し、前処理信号SB1よりも121ps遅延した階段状の信号波形となる。

0071

次に、パルス信号生成部4aによって、前処理信号SB1と前処理信号SB2との間における同相成分が除去され、前処理信号SB1と前処理信号SB2との間の差分がアンテナ駆動信号SCとしてバンドパスフィルタ5を介してアンテナ6へ供給される。この場合、送信信号SAの立ち上がり時には、アンテナ駆動信号SCはパルス幅121psの正極性のパルス信号が2つ、121psの間隔を空けて連続した信号波形となる一方、送信信号SAの立ち下がり時には、アンテナ駆動信号SCはパルス幅121psの負極性のパルス信号が2つ、121psの間隔を空けて連続した信号波形となる。

0072

そして、アンテナ6から、UWB通信の無線信号1ビット毎に、パルス幅121psのパルス信号が2つ、121psの間隔を空けて連続した信号が放射される。これにより、アンテナ6を駆動するアンテナ駆動信号SCを、UWB通信の無線信号パルスと同等の短いパルス幅の信号とすることができ、図23に示す背景技術に係るHブリッジ方式のアンテナ駆動回路のように直流電流が流れないので、アンテナ6に流れる駆動電流を低減すると共にバッファ33,34の出力電流を低減し、無線送信回路7における消費電流を低減することができる。

0073

また、UWB通信の無線信号1ビット毎にパルス信号が2つ連続した信号を放射させることができるので、1つのパルス信号によって1ビットを送信する場合よりも1ビットを表す信号のエネルギーを増大させることができ、受信装置で1ビットの信号を受信することが容易になる。

0074

(第5実施形態)
次に、本発明の第5の実施の形態に係る無線送信回路について説明する。図18は、本発明の第5の実施の形態に係る無線送信回路7dの構成の一例を示すブロック図である。図18に示す無線送信回路7dと図8に示す無線送信回路7aとでは、下記の点で異なる。すなわち、図18に示す無線送信回路7dにおいて、信号前処理部3eは、制御部2からの送信信号SAを前処理信号SB1としてパルス信号生成部4aへ出力するバッファ35と、送信信号SAの立ち上がり、立ち下がり時のスルーレートを緩やかにした信号を第3の信号に相当する信号SEとして受付部に相当するコンパレータ37のプラス側入力端子へ出力するスルーレート調整部36と、コンパレータ37のマイナス側入力端子へ閾値電圧V1を供給する基準電圧源V1と、信号SEと閾値電圧V1とを比較して信号SEが閾値電圧V1を超えている場合に信号SFハイレベルでバッファ38へ出力し、信号SEが閾値電圧V1以下の場合に信号SFをローレベルでバッファ38へ出力するコンパレータ37と、信号SFに応じて前処理信号SB2をパルス信号生成部4aへ出力するバッファ38とを備える。

0075

また、スルーレート調整部36は、信号SEを立ち上げるべく、並列接続された4つの第1のトランジスタに相当するPMOSトランジスタTr1P,Tr2P,Tr3P,Tr4Pが、コンパレータ37のプラス側入力端子に接続されている。また、トランジスタTr1P,Tr2P,Tr3P,Tr4Pは、それぞれコンパレータ37のプラス側入力端子と回路電源との間に介設されている。一方、スルーレート調整部36は、信号SEを立ち下げるべく、並列接続された4つの第2のトランジスタに相当するNMOSトランジスタTr1N,Tr2N,Tr3N,Tr4Nが、コンパレータ37のプラス側入力端子に接続されている。また、トランジスタTr1N,Tr2N,Tr3N,Tr4Nは、それぞれコンパレータ37のプラス側入力端子とグラウンドとの間に介設されている。

0076

また、スルーレート調整部36は、制御部2からの送信信号SAをトランジスタTr1P,Tr2P,Tr3P,Tr4Pのゲートへそれぞれ反転出力するトライステートバッファBF1P,BF2P,BF3P,BF4Pと、送信信号SAをトランジスタTr1N,Tr2N,Tr3N,Tr4Nのゲートへそれぞれ反転出力するトライステートバッファBF1N,BF2N,BF3N,BF4Nとを備える。さらに、スルーレート調整部36は、選択部に相当するトライステートバッファBF1P,BF2P,BF3P,BF4P,BF1N,BF2N,BF3N,BF4Nの、ゲートを制御するスルーレート設定部39を備える。

0077

スルーレート設定部39は、設定部に相当し、例えばトライステートバッファBF1P,BF2P,BF3P,BF4P,BF1N,BF2N,BF3N,BF4Nのゲート信号を出力するレジスタを備え、例えばユーザがスイッチを操作したり、外部から制御信号を与えることによって当該レジスタにスルーレートを表すビットデータを設定すると、そのビットデータに応じてアクティブにされたトライステートバッファがゲートに接続されているトランジスタが、送信信号SAに応じてオンするトランジスタとして設定される。

0078

トランジスタTr1P,Tr2P,Tr3P,Tr4Pのゲート幅をそれぞれWp1,Wp2,Wp3,Wp4、ゲート長をそれぞれLp1,Lp2,Lp3,Lp4とすると、各トランジスタのゲート長に対するゲート幅の比率Wp1/Lp1,Wp2/Lp2,Wp3/Lp3,Wp4/Lp4は、例えばWp1/Lp1=aとすると、初項a、公比2とする等比数列、すなわち、Wpn/Lpn=a・2n-1=a、2a、4a、8a・・・(nは整数)とされている。同様に、トランジスタTr1N,Tr2N,Tr3N,Tr4Nのゲート幅をそれぞれWN1,WN2,WN3,WN4、ゲート長をそれぞれLN1,LN2,LN3,LN4とすると、各トランジスタのゲート長に対するゲート幅の比率WN1/LN1,WN2/LN2,WN3/LN3,WN4/LN4は、例えばWN1/LN1=aとすると、初項a、公比2とする等比数列、すなわち、WNn/LNn=a・2n-1=a、2a、4a、8a・・・(nは整数)とされている。

0079

その他の構成は図8に示す無線送信回路7aと同様であるのでその説明を省略し、以下、図18に示す無線送信回路7dの動作を説明する。図19は、無線送信回路7dの動作を説明するための信号波形図である。まず、制御部2から図18に示す送信信号SAが、トライステートバッファBF1P,BF2P,BF3P,BF4P,BF1N,BF2N,BF3N,BF4Nへ出力されると共に、バッファ35を介して前処理信号SB1としてパルス信号生成部4aへ出力される。

0080

そうすると、スルーレート設定部39によってアクティブにされたトライステートバッファ、例えばトライステートバッファBF1PとトライステートバッファBF1Nとによって、ハイレベルの送信信号SAが反転されてトランジスタTr1P,Tr1Nのゲートにローレベルの信号が出力される。そうすると、PMOSトランジスタであるトランジスタTr1Pのみオンし、NMOSトランジスタであるトランジスタTr1Nはオフするので、トランジスタTr1Pによって信号SEが上昇される。このとき、信号SEの立ち上がりはトランジスタTr1Pの出力インピーダンスによって緩やかとなり、図19の破線で示す信号SEのように、スルーレートが緩やかにされる。

0081

そして、緩やかに上昇する信号SEの電圧が閾値電圧V1を超えると、コンパレータ37によって信号SFがハイレベルでバッファ38へ出力され、バッファ38から前処理信号SB2がパルス信号生成部4aへ出力される。このとき、前処理信号SB2は、バッファ35から出力された前処理信号SB1よりも、遅延時間twだけ遅れた信号となる。遅延時間twは、信号SEのスルーレートが緩やかになると増大し、信号SEのスルーレートが急峻になると減少する。

0082

一方、例えば、スルーレート設定部39によってアクティブにされたトライステートバッファがトライステートバッファBF2PとトライステートバッファBF2Nであれば、トランジスタTr2Pによって信号SEが上昇されることとなる。このとき、トランジスタTr2Pのゲート長に対するゲート幅の比率Wp2/Lp2は、トランジスタTr1Pのゲート長に対するゲート幅の比率Wp1/Lp1よりも大きいので、トランジスタTr2Pがコンパレータ37の入力容量を充放電する電流は増大する。従って信号SEのスルーレートが急峻になる結果、遅延時間twが減少する。

0083

同様に、ゲート長に対するゲート幅の比率が大きいトランジスタをオンさせるほど信号SEのスルーレートが急峻になり、遅延時間twを減少させることができる。また、複数のトランジスタをオンさせることによりさらにコンパレータ37の入力容量を充放電する電流を増大させ、信号SEのスルーレートを急峻にして遅延時間twを減少させることができるので、スルーレート設定部39に設定するスルーレートを表すビットデータに応じて、遅延時間twを調節することができる。

0084

また、送信信号SAの立ち下がり時においても、立ち上がり時と同様にしてスルーレート設定部39に設定するスルーレートを表すビットデータに応じて、遅延時間twを調節することができる。

0085

次に、上述のようにして前処理信号SB1がバッファ35からパルス信号生成部4aへ出力され、前処理信号SB1より遅延時間twだけ遅延された前処理信号SB2がバッファ38からパルス信号生成部4aへ出力されると、図8に示す無線送信回路7aと同様に、前処理信号SB1と前処理信号SB2との間における同相成分が除去され、前処理信号SB1と前処理信号SB2との間の差分、すなわち遅延時間twのパルス幅を有するアンテナ駆動信号SCがバンドパスフィルタ5を介してアンテナ6へ供給される。

0086

この場合、スルーレート設定部39に設定するビットデータに応じて遅延時間twを調節することができるので、アンテナ駆動信号SCのパルス幅を調節することができ、よりUWB通信に適したパルス幅を有する無線信号パルスをアンテナ6から放射させることができる。

0087

また、各トランジスタのゲート長に対するゲート幅の比率が初項a、公比2とする等比数列の関係にされているので、ゲート長に対するゲート幅の比率が同一のトランジスタを複数用いる場合に比べて各トランジスタにより合成される出力インピーダンスの自由度を高めることができる結果、遅延時間twの調節の自由度を向上させ、アンテナ6から放射させるパルス信号の調節の自由度を向上させることができる。

0088

また、図8に示す信号前処理部3aは、伝送線路B,Cの長さの差によって前処理信号SB1よりも前処理信号SB2を遅延させる構成であるためIC(IntegratedCircuit)に集積化することが困難である一方、図18に示す信号前処理部3eは、トランジスタを用いて前処理信号SB1よりも前処理信号SB2を遅延させるため伝送線路を必要とせず、ICに集積化することが容易である。また、信号前処理部3eをICに集積することにより、回路基板上の専有面積縮小することが容易となる。

0089

なお、送信信号SAを、一組のスルーレート調整部36及びコンパレータ37を用いて遅延時間twだけ遅延させることにより、前処理信号SB1よりも前処理信号SB2を遅延時間twだけ遅延させる例を示したが、例えば図20に示すように、スルーレート調整部36及びコンパレータ37を2組備え、一組のスルーレート調整部36及びコンパレータ37によって送信信号SAを例えば遅延時間t遅延させ、もう一組のスルーレート調整部36及びコンパレータ37によって送信信号SAを例えば遅延時間t+tw遅延させることにより、前処理信号SB1よりも前処理信号SB2を遅延時間twだけ遅延させる構成としても良い。

0090

(第6実施形態)
次に、本発明の第6の実施の形態に係る無線送信回路について説明する。図21は、本発明の第6の実施の形態に係る無線送信回路7eの構成の一例を示すブロック図である。図21に示す無線送信回路7eと図18に示す無線送信回路7dとでは、スルーレート調整部36aの構成が異なる。その他の構成は図18に示す無線送信回路7dと同様であるのでその説明を省略し、以下本実施の形態の特徴的な点について説明する。

0091

スルーレート調整部36aは、送信信号SAを信号SEとして受付部に相当するコンパレータ37のプラス側入力端子へ出力するバッファ40を備える。また、コンパレータ37のプラス側入力端子は、トランジスタTr1CとコンデンサC1との直列回路、トランジスタTr2CとコンデンサC2との直列回路、トランジスタTr3CとコンデンサC3との直列回路、及びトランジスタTr4CとコンデンサC4との直列回路によって、グラウンドに接続されている。

0092

スルーレート設定部39aは、設定部及び選択部に相当し、例えばトランジスタTr1C,Tr2C,Tr3C,Tr4Cのゲート信号を出力するレジスタを備え、例えばユーザがスイッチを操作したり、外部から制御信号を与えることによって当該レジスタにスルーレートを表すビットデータを設定すると、そのビットデータに応じてトランジスタTr1C,Tr2C,Tr3C,Tr4Cがオンされる。

0093

コンデンサC1,C2,C3,C4の容量は、それぞれC1,C2,C3,C4にされている。そして、例えばC1=aとすると、初項a、公比2とする等比数列、すなわち、Cn=a・2n-1=a、2a、4a、8a・・・(nは整数)とされている。

0094

次に、上述のように構成された無線送信回路7eの動作を、図19に示す信号波形図を参照しつつ説明する。まず、制御部2から図18に示す送信信号SAが、バッファ35を介して信号SEとしてパルス信号生成部4aへ出力されると共にバッファ40を介してコンパレータ37のプラス側入力端子へ出力される。

0095

このとき、スルーレート設定部39aによって例えばトランジスタTr1Cがオンされていると、コンデンサC1の容量C1がバッファ40の出力負荷容量となるため、信号SEの立ち上がりは図19の破線で示す信号SEのように、スルーレートが緩やかにされる。

0096

そして、緩やかに上昇する信号SEの電圧が閾値電圧V1を超えると、コンパレータ37によって信号SFがハイレベルでバッファ38へ出力され、バッファ38から前処理信号SB2がパルス信号生成部4aへ出力される。このとき、前処理信号SB2は、バッファ35から出力された前処理信号SB1よりも、遅延時間twだけ遅れた信号となる。遅延時間twは、信号SEのスルーレートが緩やかになると増大し、信号SEのスルーレートが急峻になると減少する。

0097

一方、例えば、スルーレート設定部39aによってトランジスタTr2Cがオンされていると、コンデンサC2の容量C2がバッファ40の出力負荷容量となる。このとき、容量C2は、容量C1より大きいので、信号SEのスルーレートがより緩やかになる結果、遅延時間twが増大する。

0098

同様に、容量がより大きいコンデンサに接続されているトランジスタをオンさせるほど信号SEのスルーレートが緩やかになり、遅延時間twを増大させることができる。また、複数のトランジスタをオンさせることによりさらにバッファ40の出力負荷容量を増大させ、信号SEのスルーレートを緩やかにして遅延時間twを増大させることができるので、スルーレート設定部39aに設定するスルーレートを表すビットデータに応じて、遅延時間twを調節することができる。

0099

また、送信信号SAの立ち下がり時においても、立ち上がり時と同様にしてスルーレート設定部39aに設定するスルーレートを表すビットデータに応じて、遅延時間twを調節することができる。

0100

次に、上述のようにして前処理信号SB1がバッファ35からパルス信号生成部4aへ出力され、前処理信号SB1より遅延時間twだけ遅延された前処理信号SB2がバッファ38からパルス信号生成部4aへ出力されると、図8に示す無線送信回路7aと同様に、パルス信号生成部4aによって前処理信号SB1と前処理信号SB2との間における同相成分が除去され、前処理信号SB1と前処理信号SB2との間の差分、すなわち遅延時間twのパルス幅を有するアンテナ駆動信号SCがバンドパスフィルタ5を介してアンテナ6へ供給される。

0101

この場合、スルーレート設定部39aに設定するビットデータに応じて遅延時間twを調節することができるので、アンテナ駆動信号SCのパルス幅を調節することができ、よりUWB通信に適したパルス幅を有する無線信号パルスをアンテナ6から放射させることができる。

0102

また、図8に示す信号前処理部3aは、伝送線路B,Cの長さの差によって前処理信号SB1よりも前処理信号SB2を遅延させる構成であるため伝送線路B,CをIC(IntegratedCircuit)に集積化することが困難である一方、図21に示すスルーレート調整部36aは、トランジスタとコンデンサを用いて前処理信号SB1よりも前処理信号SB2を遅延させるため伝送線路を必要とせず、ICに集積化することが容易である。また、スルーレート調整部36aをICに集積することにより、回路基板上の専有面積を縮小することが容易となる。

0103

また、コンデンサC1,C2,C3,C4の容量は、初項a、公比2とする等比数列の関係にされているので、各コンデンサの容量が同一である場合に比べてバッファ40の出力負荷容量の自由度を高めることができる結果、遅延時間twの調節の自由度を向上させ、アンテナ6から放射させるパルス信号の調節の自由度を向上させることができる。

0104

例えば、スルーレート調整部36aにおいて、トランジスタTr4CとコンデンサC4とを備えず、コンデンサC1の容量C1を100pF、コンデンサC2の容量C2を200pF、コンデンサC3の容量C3を400pFとすると、バッファ40の出力負荷容量を100pF〜700pFまで100pF刻みで設定することが可能となる。一方、コンデンサC1,C2,C3の容量が全て100pFの場合には、バッファ40の出力負荷容量は、100pF、200pF,300pFの3通りしか設定することができない。

0105

なお、図22に示すように、信号前処理部3とパルス信号生成部4との直列回路を2組並列に接続する構成としても良い。この場合、各パルス信号生成部4から出力されたアンテナ駆動信号SCが重畳された後、バンドパスフィルタ5を介してアンテナ6へ供給されるので、アンテナ駆動信号SCにおける信号パルスのエネルギーを2倍にすることができる結果、アンテナ6から放射されるパルス信号のエネルギーを2倍に増幅することができる。

0106

また、本発明に係る無線送信回路をUWB通信に用いる例を示したが、UWB通信に限らず、パルスを用いて通信を行う無線通信方式であれば、本発明に係る無線送信回路を適用することができる。

図面の簡単な説明

0107

本発明の一実施形態に係る無線送信回路を用いた無線送信装置の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示す送信信号SAの一例を示す波形図である。
第1の実施形態に係る信号前処理部とパルス信号生成部との構成の一例を示す回路図である。
図3に示す伝送線路の断面の一例を示す断面図である。
図1に示すバンドパスフィルタの構成の一例を示す回路図である。
図3に示す無線送信回路の動作を説明するための信号波形図である。
バラントランスとアンテナの一例を示す回路図である。
本発明の第2の実施の形態に係る無線送信回路の構成の一例を示すブロック図である。
図8に示す伝送線路の一例を説明する説明図である。
図8に示す無線送信回路の動作を説明するための信号波形図である。
図8に示す無線送信回路の変形例を示すブロック図である。
伝送線路の一例を説明する説明図である。
本発明の第3の実施の形態に係る無線送信回路の構成の一例を示すブロック図である。
図13に示す無線送信回路の動作を説明するための信号波形図である。
(a)はガウシアンパルスの波形図、(b)はガウシアンパルスのエネルギー分布を説明する説明図である。
本発明の第4の実施の形態に係る無線送信回路の構成の一例を示すブロック図である。
図16に示す無線送信回路の動作を説明するための信号波形図である。
本発明の第5の実施の形態に係る無線送信回路の構成の一例を示すブロック図である。
図18に示す無線送信回路の動作を説明するための信号波形図である。
図18に示す無線送信回路の変形例を示すブロック図である。
本発明の第6の実施の形態に係る無線送信回路の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示す無線送信装置の変形例を示すブロック図である。
背景技術に係る無線送信回路を示す回路図である。
背景技術に係る無線送信回路の動作を説明するための信号波形図である。

符号の説明

0108

1無線送信装置
2 制御部
3,3a,3b,3c,3d,3e信号前処理部
4,4aパルス信号生成部
5バンドパスフィルタ
6アンテナ
7,7a,7b,7c,7d,7e無線送信回路
31バッファ
32誘電体基板
33,34,35,38,40 バッファ
36,36aスルーレート調整部
37コンパレータ
39,39a スルーレート設定部
A,B,C,D,E,F,G伝送線路
BF1N,BF2N,BF3N,BF4Nトライステートバッファ
BF1P,BF2P,BF3P,BF4P トライステートバッファ
C1,C2,C3,C4コンデンサ
SA送信信号
SB,SB1,SB2 前処理信号
SCアンテナ駆動信号
T1バラントランス
Tr1C,Tr2C,Tr3C,Tr4Cトランジスタ
Tr1N,Tr2N,Tr3N,Tr4N トランジスタ
Tr1P,Tr2P,Tr3P,Tr4P トランジスタ

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • ホーチキ株式会社の「 無線送信装置」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】空中線電力を基準範囲内にできる無線送信装置において、回路構成を簡素化し且つ消費電力を低減すること。【解決手段】 自己に設定される設定値及び自己に供給される電源電圧に応じた空中線電力にて電波を... 詳細

  • ホーチキ株式会社の「 設定システム」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】無線回路の消費電力を低減することが可能となる設定システムを提供すること。【解決手段】 無線通信用IC2に設定値を設定する制御用IC3であって、複数の設定値と、複数の電源電圧の値と、少なくとも... 詳細

  • InnovationFarm株式会社の「 ガス検針ロボット及びガス検針ロボットを使用したガス自動検針システム」が 公開されました。( 2020/10/22)

    【課題】大きな電池を必要とせず、狭いスペースにおいても設置することが可能なガス検針ロボットを提供する。【解決手段】本発明のガス検針ロボット1は、既設のガスメータと通信可能に接続され、無線通信を使用して... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ