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技術 発光ダイオードおよび発光ダイオードの製造方法

出願人 日本電信電話株式会社
発明者 須郷満柴田泰夫上岡裕之東盛裕一
出願日 2004年5月28日 (16年8ヶ月経過) 出願番号 2004-159748
公開日 2005年12月8日 (15年2ヶ月経過) 公開番号 2005-340644
状態 拒絶査定
技術分野 発光ダイオード LED素子(パッケージ以外)
主要キーワード 光放射端 リップル特性 観測像 コヒーレンス特性 テーパ構造 発光作用 OTDR サイドロープ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年12月8日)のものです。
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図面 (7)

課題

製造工程の煩雑化を抑制しつつ、発光ダイオード広帯域化を図る。

解決手段

ストライプ導波路2およびストライプ導波路2から分岐したストライプ導波路12、22、32を基板1上に設け、各ストライプ導波路2、12、22、32には発光作用が行われる活性層を形成し、ストライプ導波路12、22、32に設けられた活性層の長さが互いに異なるように設定する。

概要

背景

従来の半導体を用いた発光デバイスとして、半導体レーザおよび発光ダイオードがよく知られている。
半導体レーザは、誘導放出による増幅作用を用いて光を生成するため、高出力特性と空間的なコヒーレンス特性に優れ、光ファイバとの結合において良好な結合効率を得ることができる。一方、半導体レーザでは、コヒーレンス性が高いため、干渉雑音が発生し、光計測などの分野では計測精度劣化を招くことがある。
また、発光ダイオードは、コヒーレンス性が低いため、干渉雑音は発生しないが、光ファイバとの結合においては結合損失が大きく、光計測用光源としての応用が限られていた。

一方、スーパールミネッセントダイオードは、誘導放出による増幅作用が用いられるため、発光ダイオードのような広いスペクトル帯域を持ちながら、高出力の光を生成することが可能となるとともに、光ファイバとの結合において高い結合効率を得ることができ、光計測用光源としては好適である。
このスーパールミネッセントダイオードは、白色光源光ファイバージャイロ高分解能OTDR(Optical Time Delay Reflectometer)などの光源として実用化されている。また、生体観測などの分野への応用も検討され、分解能を高めるため、スーパールミネッセントダイオードの広帯域化の要求が高まっている。

また、非特許文献1には、スーパールミネッセントダイオードの広帯域化を図るため、半導体結晶成長時に、バンドギャップの異なる半導体層を積層し、多層ひずみ量子井戸構造を形成する方法が開示されている。
さらに、非特許文献2には、バンドギャップの異なる半導体層を光の伝播方向に配置することにより、スーパールミネッセントダイオードの広帯域化を図る方法が開示されている。
小山二三夫“テーパ構造スーパールミネッセントダイオード”,応用物理第68巻 第2号(1999)
Osamu Mikami,Hiroshi Yasaka,and Yoshio Noguchi“Broader spectral width InGaAsP stacked active layer superluminescent diodes”

概要

製造工程の煩雑化を抑制しつつ、発光ダイオードの広帯域化をる。ストライプ導波路2およびストライプ導波路2から分岐したストライプ導波路12、22、32を基板1上に設け、各ストライプ導波路2、12、22、32には発光作用が行われる活性層を形成し、ストライプ導波路12、22、32に設けられた活性層の長さが互いに異なるように設定する。

目的

また、従来のスーパールミネッセントダイオードのスペクトル形状も活性層や導波路の構造によって決まり、スペクトル形状の調整ができないため、マルチピークなどが発生することがあり、理想的なガウス型のスペクトルを得ることが困難だった。このため、自己相関関数のピークの脇にサイドロープが現れるようになり、ゴーストなどが観測像に発生する原因となって、生体光観測などの分野への応用が困難になるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、製造工程の煩雑化を抑制しつつ、広帯域化を図ることが可能な発光ダイオードおよび発光ダイオードの製造方法を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

発光領域の長さが互に異なるように途中で分岐した光導波路が設けられていることを特徴とする発光ダイオード

請求項2

前記分岐した各光導波路電流を個々に注入する電極をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の発光ダイオード。

請求項3

前記光導波路の複数の箇所に分岐点が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の発光ダイオード。

請求項4

前記分岐した光導波路の末端は端面から離間していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の発光ダイオード。

請求項5

前記光導波路は、活性層が設けられた第1の光導波路と、活性層の長さが互に異なるように構成され、前記第1の光導波路から分岐した第2の光導波路とを備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の発光ダイオード。

請求項6

前記第1の光導波路に電流を注入する第1の電極と、前記第1の電極と電気的に分離され、前記第2の光導波路に電流を注入する第2の電極とを備えることを特徴とする請求項5記載の発光ダイオード。

請求項7

前記第1の活性層および前記第2の活性層はストライプ構造であることを特徴とする請求項5または6記載の発光ダイオード。

請求項8

半導体基板上に形成された下層クラッド層と、前記下層クラッド層上に形成され、長さが互に異なるように途中で分岐した複数のストライプ構造を有する活性層と、前記活性層の両側を埋め込む埋め込み層と、前記活性層および前記埋め込み層上に形成された上層クラッド層とを備えることを特徴とする発光ダイオード。

請求項9

エピタキシャル成長にて半導体基板上に下層クラッド層を形成する工程と、エピタキシャル成長にて前記下層クラッド層上に活性層を形成する工程と、前記活性層上に酸化膜を形成する工程と、長さが互に異なるように途中で分岐した複数のストライプ形状を有するように、前記酸化膜をパターニングする工程と、前記酸化膜をマスクとして前記活性層をエッチングすることにより、長さが互いに異なるように途中で分岐した複数のストライプ形状を有するように前記活性層をパターニングする工程と、前記酸化膜をマスクとしてエピタキシャル成長を行うことにより、前記活性層の両側に配置された埋め込み層を選択的に形成する工程と、前記活性層および前記埋め込み層上に上層クラッド層を形成する工程とを備えることを特徴とする発光ダイオードの製造方法。

請求項10

前記上層クラッド層上に導電膜を形成する工程と、前記導電膜をパターニングすることにより、前記ストライプごとに互いに電気的に分離された電極を形成する工程とを備えることを特徴とする請求項9記載の発光ダイオードの製造方法。

技術分野

0001

本発明は発光ダイオードおよび発光ダイオードの製造方法に関し、特に、広帯域スーパールミネッセントダイオードに適用して好適なものである。

背景技術

0002

従来の半導体を用いた発光デバイスとして、半導体レーザおよび発光ダイオードがよく知られている。
半導体レーザは、誘導放出による増幅作用を用いて光を生成するため、高出力特性と空間的なコヒーレンス特性に優れ、光ファイバとの結合において良好な結合効率を得ることができる。一方、半導体レーザでは、コヒーレンス性が高いため、干渉雑音が発生し、光計測などの分野では計測精度劣化を招くことがある。
また、発光ダイオードは、コヒーレンス性が低いため、干渉雑音は発生しないが、光ファイバとの結合においては結合損失が大きく、光計測用光源としての応用が限られていた。

0003

一方、スーパールミネッセントダイオードは、誘導放出による増幅作用が用いられるため、発光ダイオードのような広いスペクトル帯域を持ちながら、高出力の光を生成することが可能となるとともに、光ファイバとの結合において高い結合効率を得ることができ、光計測用光源としては好適である。
このスーパールミネッセントダイオードは、白色光源光ファイバージャイロ高分解能OTDR(Optical Time Delay Reflectometer)などの光源として実用化されている。また、生体観測などの分野への応用も検討され、分解能を高めるため、スーパールミネッセントダイオードの広帯域化の要求が高まっている。

0004

また、非特許文献1には、スーパールミネッセントダイオードの広帯域化を図るため、半導体結晶成長時に、バンドギャップの異なる半導体層を積層し、多層ひずみ量子井戸構造を形成する方法が開示されている。
さらに、非特許文献2には、バンドギャップの異なる半導体層を光の伝播方向に配置することにより、スーパールミネッセントダイオードの広帯域化を図る方法が開示されている。
小山二三夫“テーパ構造スーパールミネッセントダイオード”,応用物理第68巻 第2号(1999)
Osamu Mikami,Hiroshi Yasaka,and Yoshio Noguchi“Broader spectral width InGaAsP stacked active layer superluminescent diodes”

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、従来のスーパールミネッセントダイオードの製造方法では、スーパールミネッセントダイオードの広帯域化を図るために、厚さの異なる量子井戸積層構造を形成したり、光の伝播方向にバンドギャップを変化させたりする必要がある。このため、従来のスーパールミネッセントダイオードの製造方法では、製造工程が煩雑化し、製造歩留まりの劣化を招くという問題があった。

0006

また、従来のスーパールミネッセントダイオードのスペクトル形状活性層導波路の構造によって決まり、スペクトル形状の調整ができないため、マルチピークなどが発生することがあり、理想的なガウス型のスペクトルを得ることが困難だった。このため、自己相関関数のピークの脇にサイドロープが現れるようになり、ゴーストなどが観測像に発生する原因となって、生体光観測などの分野への応用が困難になるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、製造工程の煩雑化を抑制しつつ、広帯域化を図ることが可能な発光ダイオードおよび発光ダイオードの製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

上述した課題を解決するために、請求項1記載の発光ダイオードによれば、発光領域の長さが互に異なるように途中で分岐した光導波路が設けられていることを特徴とする。
これにより、光導波路の発光領域の長さを変えることでスペクトルのピーク波長を変化させることが可能となるとともに、これらのピーク波長の異なる光を合波させることができる。このため、光導波路のパターニング時の形状を変更することで、発光ダイオードの広帯域化を図ることが可能となり、発光ダイオードの広帯域化を図るために、多層ひずみ量子井戸構造を光導波路に設けたり、バンドギャップの異なる半導体層を光の伝播方向に沿って形成したりする必要がなくなる。この結果、製造工程の煩雑化を抑制しつつ、発光ダイオードの広帯域化を図ることが可能となり、製造歩留まりを向上させることができる。

0008

また、請求項2記載の発光ダイオードによれば、前記分岐した各光導波路電流を個々に注入する電極をさらに備えることを特徴とする。
これにより、発光領域の長さが互に異なる光導波路ごとに動作時の電流量を調整することが可能となり、発光ダイオードの広帯域化を図りつつ、スペクトル形状を調整することができる。このため、発光ダイオードを広帯域化した場合においても、理想的なガウス型のスペクトル形状を得ることが可能となり、サイドロープの発生を防止しつつ、シングルピークの自己相関関数を得ることができる。この結果、ゴーストなどが観測像に発生することを防止することが可能となり、生体光観測などの分野への応用を容易に行うことができる。

0009

また、請求項3記載の発光ダイオードによれば、前記光導波路の複数の箇所に分岐点が設けられていることを特徴とする。
これにより、光導波路の分岐数を容易に増加させることが可能となり、発光領域の長さが互に異なるように分岐した光導波路の個数を容易に増加させることが可能となる。このため、製造工程の煩雑化を抑制しつつ、発光ダイオードの広帯域化を図ることが可能となる。

0010

また、請求項4記載の発光ダイオードによれば、前記分岐した光導波路の末端は端面から離間していることを特徴とする。
これにより、光導波路の末端における端面反射抑圧することが可能となり、光導波路を導波する光の共振作用を抑制することができ、高出力動作におけるレーザー発振を防止することができる。このため、広いスペクトル帯域で動作させることを可能としつつ、コヒーレンス性を低下させることが可能となり、干渉雑音の発生を抑制しつつ、分解能を向上させることを可能として、光計測用光源として広く用いることができる。

0011

また、請求項5記載の発光ダイオードによれば、前記光導波路は、活性層が設けられた第1の光導波路と、活性層の長さが互に異なるように構成され、前記第1の光導波路から分岐した第2の光導波路とを備えることを特徴とする。
これにより、ピーク波長の異なる光を第1および第2の光導波路でそれぞれ生成させることが可能となるとともに、これらの光導波路でそれぞれ生成された光を合波させることができ、製造工程の煩雑化を抑制しつつ、発光ダイオードの広帯域化を図ることが可能となる。

0012

また、請求項6記載の発光ダイオードによれば、前記第1の光導波路に電流を注入する第1の電極と、前記第1の電極と電気的に分離され、前記第2の光導波路に電流を注入する第2の電極とを備えることを特徴とする。
これにより、第1および第2の光導波路に注入される電流量を別個に調整することが可能となる。このため、発光ダイオードの広帯域化を図りつつ、理想的なガウス型のスペクトル形状を得ることが可能となり、生体光観測などの分野への応用を容易に行うことができる。

0013

また、請求項7記載の発光ダイオードによれば、前記第1の活性層および前記第2の活性層はストライプ構造であることを特徴とする。
これにより、ストライプの長さを変えることでスペクトルのピーク波長を変化させることが可能となるとともに、ピーク波長の異なる光を合波させることができ、製造工程の煩雑化を抑制しつつ、発光ダイオードの広帯域化を図ることが可能となる。

0014

また、請求項8記載の発光ダイオードによれば、半導体基板上に形成された下層クラッド層と、前記下層クラッド層上に形成され、長さが互に異なるように途中で分岐した複数のストライプ構造を有する活性層と、前記活性層の両側を埋め込む埋め込み層と、前記活性層および前記埋め込み層上に形成された上層クラッド層とを備えることを特徴とする。
これにより、導波損失を抑制しつつ、末端までの長さが互に異なるように活性層を途中で分岐させることが可能となり、製造工程の煩雑化を抑制しつつ、発光ダイオードの広帯域化を図ることが可能となる。

0015

また、請求項9記載の発光ダイオードによれば、エピタキシャル成長にて半導体基板上に下層クラッド層を形成する工程と、エピタキシャル成長にて前記下層クラッド層上に活性層を形成する工程と、前記活性層上に酸化膜を形成する工程と、長さが互に異なるように途中で分岐した複数のストライプ形状を有するように、前記酸化膜をパターニングする工程と、前記酸化膜をマスクとして前記活性層をエッチングすることにより、長さが互いに異なるように途中で分岐した複数のストライプ形状を有するように前記活性層をパターニングする工程と、前記酸化膜をマスクとしてエピタキシャル成長を行うことにより、前記活性層の両側に配置された埋め込み層を選択的に形成する工程と、前記活性層および前記埋め込み層上に上層クラッド層を形成する工程とを備えることを特徴とする。

0016

これにより、活性層上に形成された酸化膜をマスクとして活性層のエッチング加工を行うことにより、活性層の長さが互に異なるように途中で分岐した光導波路を半導体基板上に形成することが可能となり、各光導波路で生成される光のスペクトルのピーク波長を互いに異ならせることができる。このため、多層ひずみ量子井戸構造を光導波路に設けたり、バンドギャップの異なる半導体層を光の伝播方向に沿って形成したりすることなく、発光ダイオードの広帯域化を図ることが可能となり、製造歩留まりを向上させることができる。

0017

また、請求項10記載の発光ダイオードによれば、前記上層クラッド層上に導電膜を形成する工程と、前記導電膜をパターニングすることにより、前記ストライプごとに互いに電気的に分離された電極を形成する工程とを備えることを特徴とする。
これにより、発光領域の長さが互に異なる光導波路ごとに動作時の電流量を調整することが可能となり、発光ダイオードの広帯域化を図りつつ、スペクトル形状を調整することができる。

発明の効果

0018

以上説明したように、本発明によれば、光導波路の発光領域の長さを変えることにより、光導波路で生成される光のスペクトルのピーク波長を変化させることが可能となり、製造工程の煩雑化を抑制しつつ、発光ダイオードの広帯域化を図ることが可能となる。

発明を実施するための最良の形態

0019

以下、本発明の実施形態に係る発光ダイオードおよび発光ダイオードの製造方法について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る発光ダイオードの概略構成を示す平面図である。
図1において、基板1上には、ストライプ導波路2およびストライプ導波路2から分岐したストライプ導波路12、22、32が設けられている。ここで、各ストライプ導波路2、12、22、32には発光作用が行われる活性層が設けられている。そして、ストライプ導波路2、12上には、ストライプ導波路2、12に設けられた活性層に電流を注入する電極13が配置され、ストライプ導波路22上には、ストライプ導波路22に設けられた活性層に電流を注入する電極23が配置され、ストライプ導波路23上には、ストライプ導波路32に設けられた活性層に電流を注入する電極33が配置されている。そして、ストライプ導波路2、12、22、32が設けられた基板1の両端面には、反射防止膜41、42がそれぞれ形成されている。

0020

なお、ストライプ導波路12、22、32にそれぞれ電流を注入する電極13、23、33は電気的に互に分離させることが好ましい。また、反射防止膜41が設けられた光放射端面にはストライプ導波路2の先端が配置させるとともに、反射防止膜42が設けられた端面からはストライプ導波路12、22、32の末端を離間させることが好ましい。
ここで、ストライプ導波路12、22、32に設けられた発光領域の長さは互いに異なるように設定することができ、例えば、ストライプ導波路2の先端からストライプ導波路12の末端までの長さはL1、ストライプ導波路2の先端からストライプ導波路22の末端までの長さはL2、ストライプ導波路2の先端からストライプ導波路32の末端までの長さはL3(L1≠L2≠L3)とすることができる。また、ストライプ導波路2、12、22、32の幅はシングルモードが保たれるように設定することができる。
そして、ストライプ導波路12、22、32に設けられた発光領域の長さが互いに異なるように設定することにより、各ストライプ導波路12、22、32で生成される光のピーク波長を互いに異ならせることができる。

0021

図2は、発光領域の長さが互いに異なるストライプ導波路のスペクトル特性を示す図である。なお、図2の例では、ストライプ導波路2の先端からストライプ導波路12の末端までの長さL1=1.5mm、ストライプ導波路2の先端からストライプ導波路22の末端までの長さL2=1.2mm、ストライプ導波路2の先端からストライプ導波路32の末端までの長さL3=0.9mmとした。また、ストライプ導波路12、22、32の長さ以外の構造は同一とし、各ストライプ導波路12、22、32の発光領域には、量子井戸数が5の活性層を構成するとともに、各ストライプ導波路12、22、32の幅も同一とした。

0022

図2において、ストライプ導波路12、22、32の長さが長くなると、光のピーク波長が長波化することがわかる。
そして、電極13、23、33をそれぞれ介してストライプ導波路12、22、32に電流を注入することにより、各ストライプ導波路12、22、32にてピーク波長の異なる光が生成される。そして、ストライプ導波路12、22、32でそれぞれ生成されたピーク波長の異なる光はストライプ導波路2にて合波され、この合波された光はストライプ導波路2の光放射端面から外部に出射される。

0023

これにより、ストライプ導波路12、22、32の発光領域の長さを変えることでスペクトルのピーク波長を変化させることが可能となるとともに、これらのピーク波長の異なる光をストライプ導波路2にて合波させることができる。このため、ストライプ導波路2、12、22、32をパターン形成する際の形状を変更することで、発光ダイオードの広帯域化を図ることが可能となり、発光ダイオードの広帯域化を図るために、多層ひずみ量子井戸構造を光導波路に設けたり、バンドギャップの異なる半導体層を光の伝播方向に沿って形成したりする必要がなくなる。この結果、製造工程の煩雑化を抑制しつつ、発光ダイオードの広帯域化を図ることが可能となり、製造歩留まりを向上させることができる。

0024

また、ストライプ導波路12、22、32にそれぞれ電流を注入する電極13、23、33を電気的に分離させることにより、ストライプ導波路12、22、32ごとに動作時の電流量を調整することが可能となり、発光ダイオードの広帯域化を図りつつ、スペクトル形状を調整することができる。このため、発光ダイオードを広帯域化した場合においても、理想的なガウス型のスペクトル形状を得ることが可能となり、サイドロープの発生を防止ししつ、シングルピークの自己相関関数を得ることができる。この結果、ゴーストなどが観測像に発生することを防止することが可能となり、発光ダイオードの生体光観測などの分野への応用を容易に行うことができる。

0025

また、反射防止膜42が設けられた端面からストライプ導波路12、22、32の末端を離間させることにより、ストライプ導波路12、22、32の末端における端面反射を抑圧することが可能となり、ストライプ導波路12、22、32を導波する光の共振作用を抑制することを可能として、高出力動作におけるレーザー発振を防止することができる。このため、広いスペクトル帯域で動作させることを可能としつつ、コヒーレンス性を低下させることが可能となり、発光ダイオードの干渉雑音の発生を抑制して、光計測用光源として広く用いることができる。

0026

また、ストライプ導波路12、22、32が設けられた基板1の両端面に反射防止膜41、42をそれぞれ形成することにより、基板1の両端面における反射率を低下させることができ、リップルの発生を抑制することができる。
また、窓構造や斜めストライプ構造を用いるようにしてもよく、これにより端面反射率を低下させることが可能となるとともに、製造歩留まりを向上させることができる。また、枝分れした各ストライプ導波路12、22、32の後端面に窓構造を用いる方法の他、各ストライプ導波路12、22、32の後端面に反射防止膜を形成するようにしてもよい。

0027

図3は、図1のストライプ導波路2から出射される光のスペクトル特性を示す図である。なお、図3の例では、電極13を介してストライプ導波路2、12に注入される電流値を10mA、電極23を介してストライプ導波路22に注入される電流値を100mA、電極33を介してストライプ導波路32に注入される電流値を160mAとした。
図3において、発光ダイオードの出力として20mW以上の高出力が得られるとともに、最大p−pリップルが0.5dB以下の低リップル特性を示した。また、従来のスーパールミネッセントダイオードの半値幅が60nm程度であるのに対し、図1の構成の発光ダイオードの半値幅は90nm程度となり、広帯域特性を示した。
なお、図1の実施形態では、発光ダイオードの広帯域化を図るため、ストライプ導波路2から枝分れした長さの異なるストライプ導波路12、22、33を設ける方法について説明したが、導波路の途中で枝分れした長さの異なる曲がり導波路を設けるようにしてもよい。

0028

図4は、図1の発光ダイオードをA−A´線で切断した時の具体的な構成例を示す断面図、図5は、図1の発光ダイオードをB−B´線で切断した時の具体的な構成例を示す断面図である。
図4および図5において、n−InP基板51上には、n−InPクラッド層52が積層され、n−InPクラッド層52上には、図1のストライプ導波路2、12、22、32の配置位置に対応するようにGaInAsP系活性層5、15、25、35がそれぞれ形成されている。すなわち、n−InP基板51上には、GaInAsP系活性層5からGaInAsP系活性層15、25、35がそれぞれ分岐するように、GaInAsP系活性層5、15、25、35がストライプ状にそれぞれ形成されている。また、GaInAsP系活性層15、25、35の長さは互いに異なるように設定されている。なお、GaInAsP系活性層15、25、35の構造としては、バルクの他、多層量子井戸構造、多層ひずみ量子井戸構造、量子細線あるいは量子ドットなどでもよい。

0029

そして、p−InP埋め込み層53およびn−InP埋め込み層54にてGaInAsP系活性層5、15、25、35の両側を順次埋め込むことにより、メサストライプ導波路構造が形成され、n−InP埋め込み層54およびGaInAsP系活性層5、15、25、35上には、p−InPクラッド層55が形成されている。なお、p−InP埋め込み層53およびn−InP埋め込み層54にてGaInAsP系活性層5、15、25、35の両側を埋め込む代わりに、FeがドーピングされたInPにてGaInAsP系活性層5、15、25、35の両側を埋め込むようにしてもよい。

0030

そして、p−InPクラッド層55上には、ストライプ導波路2、12、22、32に電流を注入する電極13、23、33が形成されている。ここで、電極13はストライプ導波路2、12上に配置し、電極23はストライプ導波路22上に配置し、電極33はストライプ導波路32上に配置することができる。また、電極13、23、33は電気的に互いに分離することができる。そして、p−InP埋め込み層53、n−InP埋め込み層54およびp−InPクラッド層55には、GaInAsP系活性層15、25、35の間に配置された分離溝6が形成されている。なお、分離溝6には樹脂などの絶縁体を埋め込むようにしてもよい。

0031

ここで、図4および図5の発光ダイオードを製造する場合、n−InPクラッド層52およびGaInAsP系活性層をn−InP基板51上に順次エピタキシャル成長させる。なお、エピタキシャル成長としては、例えば、MBE(molecular beam epitaxy)、MOCVD(metal organic chemical vaper deposition)、あるいはALCVD(atomic layer chemical vaper deposition)などの方法を用いることができる。

0032

そして、CVDなどの方法により、GaInAsP系活性層上にSiO2膜を成膜し、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いてSiO2膜を加工することにより、SiO2膜をストライプ導波路2、12、22、32の形状にパターニングする。そして、ストライプ導波路2、12、22、32の形状にパターニングされたSiO2膜をマスクとして、GaInAsP系活性層をエッチング加工することにより、ストライプ導波路2、12、22、32の形状に対応したGaInAsP系活性層5、15、25、35を形成する。

0033

そして、ストライプ導波路2、12、22、32の形状にパターニングされたSiO2膜をマスクとして、p−InP埋め込み層53およびn−InP埋め込み層54をn−InP基板51上に順次エピタキシャル成長させることにより、p−InP埋め込み層53およびn−InP埋め込み層54をGaInAsP系活性層5、15、25、35の両側に選択的に形成する。

0034

次に、エピタキシャル成長にて、n−InP埋め込み層54およびGaInAsP系活性層5、15、25、35上にp−InPクラッド層55を形成する。なお、p−InPクラッド層55上にコンタクト層を形成するようにしてもよい。そして、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いてp−InP埋め込み層53、n−InP埋め込み層54およびp−InPクラッド層55のエッチング加工を行うことにより、GaInAsP系活性層15、25、35の間に配置された分離溝6を形成する。そして、スパッタなどの方法により、p−InPクラッド層55上に金属膜を形成する。そして、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて、金属膜のエッチング加工を行うことにより、p−InPクラッド層55上に電極13、23、33を形成する。

0035

これにより、GaInAsP系活性層上に形成されたSiO2膜をマスクとしてGaInAsP系活性層のエッチング加工を行うことにより、GaInAsP系活性層15、25、35の長さが互に異なるように途中で分岐した光導波路を半導体基板上に形成することが可能となり、各GaInAsP系活性層15、25、35で生成される光のスペクトルのピーク波長を互いに異ならせることができる。このため、多層ひずみ量子井戸構造をGaInAsP系活性層15、25、35に設けたり、バンドギャップの異なる半導体層を光の伝播方向に沿って形成したりすることなく、発光ダイオードの広帯域化を図ることが可能となり、製造歩留まりを向上させることができる。

0036

なお、上述した実施形態では、InP/GaInAs系材料を用いて発光ダイオードを構成する方法について説明したが、InP/GaInAsP系材料に限定されることなく、GaAs、AlGaAs、GaInAs、GaInNAsまたはAlGaAsPなど他の半導体材料を用いるようにしてもよい。また、上述した実施形態では、ストライプ導波路2、12、22、32として、メサストライプ導波路構造を用いる方法について説明したが、メサストライプ導波路構造以外にも、リブ導波路構造リッジ導波路構造またはストリップ装荷導波路構造を用いるようにしてもよい。

0037

図6は、本発明の第2実施形態に係る発光ダイオードの概略構成を示す平面図である。
図6において、基板101上には、ストライプ導波路102、ストライプ導波路102から分岐したストライプ導波路112、122およびストライプ導波路122から分岐したストライプ導波路132が設けられている。ここで、各ストライプ導波路102、112、122、132には発光作用が行われる活性層が設けられている。そして、スライプ導波路102、112上には、ストライプ導波路102、112に設けられた活性層に電流を注入する電極113が配置され、ストライプ導波路122上には、ストライプ導波路122に設けられた活性層に電流を注入する電極123が配置され、ストライプ導波路123上には、ストライプ導波路132に設けられた活性層に電流を注入する電極133が配置されている。そして、ストライプ導波路102、112、122、132が設けられた基板101の両端面には、反射防止膜141、142がそれぞれ形成されている。

0038

ここで、ストライプ導波路112、122、132に設けられた発光領域の長さは互いに異なるように設定することができる。そして、ストライプ導波路112、122、132に設けられた発光領域の長さが互いに異なるように設定することにより、各ストライプ導波路112、122、132で生成される光のピーク波長を互いに異ならせることができる。

0039

そして、電極113、123、133をそれぞれ介してストライプ導波路112、122、132に電流を注入することにより、各ストライプ導波路112、122、132にてピーク波長の異なる光が生成される。そして、ストライプ導波路122、132でそれぞれ生成されたピーク波長の異なる光はストライプ導波路122にて合波され、ストライプ導波路112、122、132でそれぞれ生成されたピーク波長の異なる光はストライプ導波路102にて合波される。そして、この合波された光はストライプ導波路102の光放射端面から外部に出射される。

0040

これにより、ストライプ導波路112、122、132の分岐数を容易に増加させることが可能となり、発光領域の長さが互に異なるように分岐したストライプ導波路112、122、132の個数を容易に増加させることが可能となる。このため、製造工程の煩雑化を抑制しつつ、発光ダイオードの広帯域化を図ることが可能となる。

0041

本発明の発光ダイオードは、例えば、白色光源、光ファイバージャイロ、高分解能OTDRなどの光源として利用可能な他、波長多重光通信ネットワーク用の多波長光源光センシング、生体光観測などの分野へ応用することができる。

図面の簡単な説明

0042

本発明の第1実施形態に係る発光ダイオードの概略構成を示す平面図である。
発光領域の長さが互いに異なるストライプ導波路のスペクトル特性を示す図である。
図1のストライプ導波路2から出射される光のスペクトル特性を示す図である。
図1の発光ダイオードをA−A´線で切断した時の具体的な構成例を示す断面図である。
図1の発光ダイオードをB−B´線で切断した時の具体的な構成例を示す断面図である。
本発明の第2実施形態に係る発光ダイオードの概略構成を示す平面図である。

符号の説明

0043

1、101基板
2、12、22、32、102、112、122、132ストライプ導波路
13、23、33、113、123、133電極
41、42、141、142反射防止膜
5、15、25、35GaInAsP系活性層
51 n−InP基板
52 n−InPクラッド層
53 p−InP埋め込み層
54 n−InP埋め込み層
55 p−InPクラッド層
6 分離溝

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