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技術 流体の解析方法および流体の解析方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ・プログラム

出願人 株式会社SUBARU
発明者 佐藤和浩
出願日 2004年5月31日 (15年9ヶ月経過) 出願番号 2004-160978
公開日 2005年12月8日 (14年3ヶ月経過) 公開番号 2005-339460
状態 特許登録済
技術分野 CAD
主要キーワード 基準係数 設定関係 並び位置 風上差分 各計算点 付加係数 二次元解 三次元格子
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年12月8日)のものです。
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図面 (7)

課題

流れを規制する物体を考慮しつつも、物理量を効率的に算出することにより、流体流れ解析の効率化を図る。

解決手段

解析領域内に離散的に設定された計算点毎に、流れを規制する物体の有無が境界条件として設定される。そして、物理量の算出対象となる基準計算点Pの周囲に存在する第1の参照計算点Pの物理量に基づいて、計算点毎に、物理量が算出される。この場合、第1の参照計算点の境界条件と、基準計算点を中心とした第1の参照計算点の位置的な関係とに基づいて、第1の参照計算点の物理量に重み係数が設定された上で、物理量が算出される。そして、この1セットの演算を反復的に実行し、各計算点の物理量が近似的に算出される。これにより、解析領域内の流れ状態数値的に解析可能となる。

概要

背景

従来より、解析領域に設定された離散的計算点物理量をもとに、解析領域内の流れ状態数値的に解析する手法が知られている。流体の流れを示す運動方程式は、偏微分方程式で表すことができ、解析領域内の流体の流れ状態は、例えば、差分法を用いることにより数値的に解析することができる。例えば、特許文献1〜3には、差分法による近似解法を用いた反復計算を行うことにより、各計算点の物理量を近似的に算出する手法が開示されている。この類の近似解法では、各計算点の物理量が、その周囲の計算点の物理量に基づいて一義的に算出される。
特開平6−19954号公報
特開平10−11420号公報
特開平11−219349号公報

概要

流れを規制する物体を考慮しつつも、物理量を効率的に算出することにより、流体の流れ解析の効率化をる。解析領域内に離散的に設定された計算点毎に、流れを規制する物体の有無が境界条件として設定される。そして、物理量の算出対象となる基準計算点Pの周囲に存在する第1の参照計算点Pの物理量に基づいて、計算点毎に、物理量が算出される。この場合、第1の参照計算点の境界条件と、基準計算点を中心とした第1の参照計算点の位置的な関係とに基づいて、第1の参照計算点の物理量に重み係数が設定された上で、物理量が算出される。そして、この1セットの演算を反復的に実行し、各計算点の物理量が近似的に算出される。これにより、解析領域内の流れ状態が数値的に解析可能となる。

目的

かかる課題を解決するために、第1の発明は、解析領域内に離散的に設定された計算点の物理量を、反復計算を用いて近似的に算出し、解析領域内の流れ状態を数値的に解析する流体の解析方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

解析領域内に離散的に設定された計算点物理量を、反復計算を用いて近似的に算出し、前記解析領域内の流れ状態数値的に解析する流体解析方法において、前記計算点毎に、流れを規制する物体の有無を境界条件として設定する第1のステップと、前記物理量の算出対象となる基準計算点の周囲に存在する第1の参照計算点の物理量に基づいて、前記計算点毎に、前記物理量を算出する第2のステップとを有し、前記第2のステップは、前記第1の参照計算点の境界条件と、前記基準計算点を中心とした前記第1の参照計算点の位置的な関係とに基づいて、前記第1の参照計算点の物理量に重み係数を設定した上で、前記物理量を算出することを特徴とする流体の解析方法。

請求項2

前記第2のステップは、前記第1の参照計算点の物理量に、当該第1の参照計算点の境界条件に対応した前記重み係数を基準係数として設定するステップと、前記第1の参照計算点と前記基準計算点との間に、前記第1の参照計算点とは異なる第2の参照計算点が存在する場合には、前記第2の参照計算点の物理量に、当該第2の参照計算点の境界条件に対応した前記重み係数を基準係数として設定するとともに、前記第1の参照計算点の物理量に、前記第2の参照計算点の境界条件に対応した前記重み係数を付加係数として更に設定するステップとを有することを特徴とする請求項1に記載された流体の解析方法。

請求項3

境界条件は、流れを規制する物体の有無に基づいて、流れを規制する壁、または、流れを規制しない空間として設定されることを特徴とする請求項1または2に記載された流体の解析方法。

請求項4

前記重み係数は、前記境界条件が前記壁である場合には、前記算出される物理量において、自己に該当する計算点の物理量の影響を抑制させることを特徴とする請求項3に記載された流体の解析方法。

請求項5

前記重み係数は、前記境界条件が前記壁である場合には0に設定され、前記境界条件が前記空間である場合には1に設定されることを特徴とする請求項3に記載された流体の解析方法。

請求項6

解析領域内に離散的に設定されている計算点の物理量を、反復計算を用いて近似的に算出し、前記解析領域内の流れ状態を数値的に解析する流体の解析方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ・プログラムにおいて、前記計算点毎に、流れを規制する物体の有無を境界条件として設定する第1のステップと、前記物理量の算出対象となる基準計算点の周囲に存在する第1の参照計算点の物理量に基づいて、前記計算点毎に、前記物理量を算出する第2のステップとを有し、前記第2のステップは、前記第1の参照計算点の境界条件と、前記基準計算点を中心とした前記第1の参照計算点の位置的な関係とに基づいて、前記第1の参照計算点の物理量に重み係数を設定した上で、前記物理量を算出する流体の解析方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ・プログラム。

請求項7

前記第2のステップは、前記第1の参照計算点の物理量に、当該第1の参照計算点の境界条件に対応した前記重み係数を基準係数として設定するステップと、前記第1の参照計算点と前記基準計算点との間に、前記第1の参照計算点とは異なる第2の参照計算点が存在する場合には、前記第2の参照計算点の物理量に、当該第2の参照計算点の境界条件に対応した前記重み係数を基準係数として設定するとともに、前記第1の参照計算点の物理量に、前記第2の参照計算点の境界条件に対応した前記重み係数を付加係数として更に設定するステップとを有することを特徴とする請求項6に記載されたコンピュータ・プログラム。

技術分野

0001

本発明は、流体解析方法およびこの方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ・プログラム係り、特に、解析領域内における流れ状態数値解析手法に関する。

背景技術

0002

従来より、解析領域に設定された離散的計算点物理量をもとに、解析領域内の流れ状態を数値的に解析する手法が知られている。流体の流れを示す運動方程式は、偏微分方程式で表すことができ、解析領域内の流体の流れ状態は、例えば、差分法を用いることにより数値的に解析することができる。例えば、特許文献1〜3には、差分法による近似解法を用いた反復計算を行うことにより、各計算点の物理量を近似的に算出する手法が開示されている。この類の近似解法では、各計算点の物理量が、その周囲の計算点の物理量に基づいて一義的に算出される。
特開平6−19954号公報
特開平10−11420号公報
特開平11−219349号公報

発明が解決しようとする課題

0003

ところで、このような解析手法では、物体の有無を考慮しないで演算を進めると、物理量が物体を突き抜けて伝播してしまい、実際の流れ状態とは異なる物理現象が生じ、解析精度が低下するという不都合がある。そのため、従来では、解析プログラムにおいて物体の有無を判断し、この判断結果に基づいた適切な処理を実行することで、このような弊害を解消している。しかしながら、計算点毎に、物体の有無を判断する手法は計算効率が悪く、解析効率の低下を招くという問題が生じる。

0004

そこで、本発明の目的は、流れを規制する物体を考慮しつつも、物理量を効率的に算出することにより、流体の流れ解析の効率化を図ることである。

課題を解決するための手段

0005

かかる課題を解決するために、第1の発明は、解析領域内に離散的に設定された計算点の物理量を、反復計算を用いて近似的に算出し、解析領域内の流れ状態を数値的に解析する流体の解析方法を提供する。この流体の解析方法は、計算点毎に、流れを規制する物体の有無を境界条件として設定する第1のステップと、物理量の算出対象となる基準計算点の周囲に存在する第1の参照計算点の物理量に基づいて、計算点毎に、物理量を算出する第2のステップとを有し、第2のステップは、第1の参照計算点の境界条件と、基準計算点を中心とした第1の参照計算点の位置的な関係とに基づいて、第1の参照計算点の物理量に重み係数を設定した上で、物理量を算出する。

0006

ここで、第1の発明において、第2のステップは、第1の参照計算点の物理量に、第1の参照計算点の境界条件に対応した重み係数を基準係数として設定するステップと、第1の参照計算点と基準計算点との間に、第1の参照計算点とは異なる第2の参照計算点が存在する場合には、第2の参照計算点の物理量に、第2の参照計算点の境界条件に対応した重み係数を基準係数として設定するとともに、第1の参照計算点の物理量に、第2の参照計算点の境界条件に対応した重み係数を付加係数として更に設定するステップとを有することが好ましい。

0007

また、第1の発明において、境界条件は、流れを規制する物体の有無に基づいて、流れを規制する壁、または、流れを規制しない空間として設定されることが好ましい。この場合、重み係数は、境界条件が壁である場合には、算出される物理量において、自己に該当する計算点の物理量の影響を抑制させることが好ましい。また、重み係数は、境界条件が壁である場合には0に設定され、境界条件が空間である場合には1に設定されることが好ましい。

0008

第2の発明は、解析領域内に離散的に設定されている計算点の物理量を、反復計算を用いて近似的に算出し、解析領域内の流れ状態を数値的に解析する流体の解析方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ・プログラムを提供する。このコンピュータ・プログラムは、計算点毎に、流れを規制する物体の有無を境界条件として設定する第1のステップと、物理量の算出対象となる基準計算点の周囲に存在する第1の参照計算点の物理量に基づいて、計算点毎に、物理量を算出する第2のステップとを有し、第2のステップは、第1の参照計算点の境界条件と、基準計算点を中心とした第1の参照計算点の位置的な関係とに基づいて、第1の参照計算点の物理量に重み係数を設定した上で、物理量を算出する流体の解析方法を実行する。

0009

ここで、第2の発明において、第2のステップは、第1の参照計算点の物理量に、第1の参照計算点の境界条件に対応した重み係数を基準係数として設定するステップと、第1の参照計算点と基準計算点との間に、第1の参照計算点とは異なる第2の参照計算点が存在する場合には、第2の参照計算点の物理量に、第2の参照計算点の境界条件に対応した重み係数を基準係数として設定するとともに、第1の参照計算点の物理量に、第2の参照計算点の境界条件に対応した重み係数を付加係数として更に設定するステップとを有することが好ましい。

発明の効果

0010

本発明によれば、境界条件に応じた重み係数を設定した上で演算を実行することにより、流れ規制する物体の影響を考慮した上で計算点の物理量を算出することができる。これにより、計算点毎に物体の有無を判断する必要がないので、オペレータ作業負担の軽減を図ることができるとともに、物理量を効率的に算出することができ、解析効率の向上を図ることができる。

発明を実施するための最良の形態

0011

図1は、本実施形態にかかる解析装置ブロック構成図である。この解析装置1は、コンピュータ10、キーボードマウス等の入力装置11、CRT液晶ディスプレイ等の表示装置12および磁気ディスク等の記憶装置13で構成されている。コンピュータ10は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース主体に構成されている。このコンピュータ10は、差分法による近似解法に基づいて、解析領域内に離散的に設定された計算点の物理量(例えば、流速や圧力等)を算出し、解析領域内の流れ状態を数値的に解析する。オペレータは、表示装置12に表示された情報に基づき、入力装置11を操作して、解析対象となる領域(以下「解析領域」という)の指定や数値の入力などを行う。記憶装置13には、解析領域の流れ状態を解析するのに必要な各種のデータベースが格納されているが、特に本実施形態では、境界条件データベース13aと、演算値データベース13bとが重要になる。

0012

境界条件データベース13aは、後述する重み係数の設定に際して参照され、解析領域毎に個別の識別番号が付された境界条件レコード群で構成されている。個々の境界条件レコードには、計算点を識別するための識別番号と、その境界条件とが対応付け記述されている。演算値データベース13bは、演算結果としての物理量が格納され、解析領域毎に個別の識別番号が付された演算値レコード群で構成されている。個々の演算値レコードには、計算点の識別番号と、その物理量とが対応付けて記述されている。

0013

図2は、コンピュータ10の機能的な構成を示すブロック図である。コンピュータ10を機能的に捉えた場合、このコンピュータ10は、設定部10aと、演算部10bと、判断部10cとを有する。設定部10aは、解析領域内に計算点を離散的に設定するとともに、設定された計算点毎に、流れを規制する物体の有無を境界条件として設定する。演算部10bは、反復計算における一サイクル分の演算処理を実行する。具体的には、物理量の算出対象となる基準計算点の周囲に存在する参照計算点の物理量に基づいて、計算点毎に、物理量が算出される。判断部10cは、演算部10bに対して、一サイクル分の演算処理を繰り返し実行する旨を指示するとともに(繰返指示)、各計算点の物理量が近似的に算出されたと判断した場合には、演算部10bに対して、以降の演算サイクル中止する旨を指示する(中止指示)。

0014

図3は、本実施形態にかかる流体の解析手順を示すフローチャートである。まず、ステップ1において、オペレータによる入力装置11の操作に従い、解析領域に関する情報が設定される。このステップ1において設定される情報としては、解析領域の形状、内部流体物性値や流量等、流動の原因となる外力の内容、解析に使用する諸公式物理法則等が挙げられる。

0015

ステップ2では、解析領域に計算点Pが設定される。この計算点Pは、解析領域内の物理量を情報として有する点であり、解析領域内に離散的に設定される。例えば、計算点Pは、解析領域内に三次元格子を設定した上で、この格子の交差に対応して設けられるといった如くである。この場合、解析領域に設定される格子間隔は、解析に要する分解能に応じて、任意に設定することができる。すなわち、流れ状態を詳細に解析したい場合には、格子間隔が密に設定され、流れ状態をラフに解析したい場合には、格子間隔が前者よりも疎に設定される。格子間隔の適正値は、解析精度の向上および演算負荷の軽減の双方を考慮した上で、オペレータによって適宜決定される。設定された計算点Pには、各計算点Pを識別するための識別番号(1〜n(n:計算点数))が設定される。

0016

ステップ3において、設定された計算点P毎に、境界条件が設定される。ある計算点Pにおいて、その位置に流れを規制する物体がある場合には、流れを規制するという意味から「壁」という境界条件が設定される。一方、その位置に流れを規制する物体がない場合には、流れを規制しないという意味から「空間」という境界条件が設定される。すなわち、この境界条件により、各計算点Pにおいて、流れを規制する物体の有無が明らかとなる。各計算点Pの境界条件は、コンピュータ10の指示に従い、オペレータによって事前に、或いは、リアルタイムで設定される。境界条件が設定されると、現在処理している解析領域に、新たな識別番号Xが採番された上で、各計算点Pの境界条件が記述された境界条件レコードが、境界条件データベース13aに新規に追加される。なお、本実施形態において、この境界条件は、重み係数として機能する関係上、各計算点Pにおける境界条件は、予め定量化した形態で記述されている。具体的には、壁に相当する境界条件には「0」が記述され、空間に相当する境界条件には「1」が記述される。

0017

また、境界条件の設定とともに、計算点P毎に、物理量の基準値が設定される。この基準値は、反復計算の初期値として用いられる値であり、その値はランダムに設定することができる。基準値が設定されると、先に採番された識別番号Xを付した上で、各計算点Pにおける物理量の基準値を記述した演算値レコードが、演算値データベース13bに新規に追加される。

0018

ステップ4において、解析領域内のそれぞれの計算点Pを対象として、物理量が算出される。高次度差分法は、流れの状態をコンピュータで数値解析する手法の一つであり、物理量の算出対象となる基準計算点(以下「基準点」という)Pの物理量を、その周囲の参照計算点(以下「参照点」という)Pの物理量から算出する。この高次精度差分法において、ある基準点Pの物理量を算出する場合、一次元解析では、基準点Pの物理量とともに、この基準点Pを中心に一次元的な関係にある前後2点(合計4点)以上の参照点Pの物理量が用いられる。図4は、一次元解析の計算点Pの説明図である。基準点Pを座標iとした場合、参照点Pは、同一次元(i軸)上において、少なくとも基準点Pを中心とした前後2点の計算点P(その座標i-2,i-1,i+1,i+2)となる。なお、その詳細について説明は省略するが、二次元解析では、基準点Pの他に二次元的な関係にある8点(前後・左右に各々2点)以上の参照点Pが用いられ、三次元解析では、基準点Pの他に三次元的な関係にある12点(前後・左右・上下に各々2点)以上の参照点Pが用いられる。本実施形態では、説明の簡略化を図るため、この高次精度差分法の一つである三次精度の風上差分法を用いて、説明を行う。

0019

三次精度の風上差分法の場合、周囲4点の参照点Pを用いる一次元解析において、ある計算点(基準点)Pにおける物理量Fiは、下式に基づいて一義的に算出される。

0020

同数式において、a〜eは、差分法による係数であり、その種類により異なる値を取り得る。Fは、計算点Pにおける物理量であり、添字i-2〜i+2により、各計算点Pの物理量Fが区別される。Gは、境界条件に対応して設定される重み係数である。同数式において、各計算点Pの重み係数Gには、物理量Fと同様に、添字i-2〜i+2により、各計算点Pにおける重み係数Gが区別される。同数式に示すように、基準点P(その座標i)の物理量Fiは、演算対象となる計算点(基準点および参照点)Pに重み係数Gを設定することにより、数式1に示した積和演算により一義的に特定される。

0021

図5は、ステップ4の詳細な手順を示すフローチャートである。まず、物理量Fの算出対象となる計算点Pを指定する制御変数yに従い、識別番号yの計算点Pが基準点Pとして設定される(ステップ40)。制御変数yは、本ルーチンの開始に先立ち行われるイニシャルルーチンにおいて、初期値(本実施形態では「1」)にリセットされている。そのため、初期的には、まず、識別番号「1番」の計算点Pが算出対象として特定されるとともに、この特定された計算点Pが基準点Pとして設定される。つぎに、この基準点Pを中心に、i軸上の前後2つの計算点(計4つの計算点)Pが特定され、これらの計算点Pが参照点Pとして設定される(ステップ41)。基準点Pおよび参照点Pが特定されると、境界条件データベース13aにおいて、現在の解析領域に付された識別番号Xに関連付けられた境界条件レコードが検索される。そして、抽出された境界条件レコードに記述された境界条件のうち、基準点Pおよび参照点Pに関する識別番号に対応付けられた境界条件が取得され、この境界条件に応じて、重み係数Gi-2〜Gi+2が「1」または「0」に決定される(ステップ42)。これとともに、演算値データベース13bにおいて、同一の識別番号Xに関連付けられた演算値レコードが検索される。そして、抽出された演算値レコードに記述された物理量Fのうち、基準点Pおよび参照点Pに関する物理量Fi-2〜Fi+2が取得される(ステップ43)。そして、重み係数Gi-2〜Gi+2、および、物理量Fi-2〜Fi+2に基づいて、上記数式1に示すように、重み係数Gと物理量Fとの積和演算により、基準点Pの物理量Fiが算出される(ステップ44)。

0022

基準点Pの物理量Fiが算出されると、演算値データベース13bにおいて、識別番号Xの演算値レコードが検索される。そして、抽出された演算値レコードに記述された各計算点Pの物理量Fのうち、制御変数yに該当する計算点Pの物理量Fが、現在算出された物理量Fiに更新される(ステップ45)。そして、制御変数yの現在値と、計算点総数nとが比較され、制御変数yが計算点総数nに到達したか否か、すなわち、すべての計算点Pにおいて物理量Fが更新されたか否かが判断される(ステップ46)。制御変数yが計算点総数nに到達していない場合には、制御変数yが1インクリメントされ(ステップ47)、上述したステップ40〜ステップ46の処理が繰り返し実行される。これにより、制御変数yが計算点総数nに到達するまで、新たな計算点Pを対象として物理量Fiが順次算出される。一方、制御変数yが計算点総数nに到達した場合には、本ルーチンを抜ける。これにより、反復演算における一サイクル単位の演算処理が終了する。

0023

再度図4を参照すると、ステップ5において、反復計算を終了するか否か判断される。この判断では、反復回数が所定の判定値に到達したか否か、算出された各物理量Fiが、解析に使用される諸公式や物理法則を満足するか否か、或いは、前回と今回とのサイクルにおける計算結果の差が所定の値に収束しているか否かが判定される。このステップ5において、肯定判定された場合には、ステップ6に進む。一方、ステップ5において、否定判定された場合、ステップ4に戻り、解析領域における各格子点Pを対象とした反復計算の新たなサイクルが開始される。

0024

ステップ6では、演算値データベース13bにおいて、識別番号Xの演算値レコードが検索される。そして、抽出された演算値レコードに記述された各計算点Pの物理量Fが出力され、本ルーチンを抜ける。これにより、各計算点Pについて算出された物理量Fに基づき、解析領域内での流れ状態が数値的に解析可能となる。

0025

ここで、本実施家形態の解析手法と、従来の解析手法との相違点について説明する。三次精度の風上差分法を用いた従来の解析手法において、基準点Pにおける物理量Fiは、以下に示す一般式に基づいて、算出される。

0026

図6は、境界条件として壁が存在する計算点Pの説明図である。同図に示すように、基準点Pの物理量Fiを算出するケースにおいて、ある参照点P(その座標i-1)に壁が存在すると考える。この壁の存在により、それよりも上流の流れ(座標i-2の参照点Pの流れ)が規制されるため、実際には、基準点Pの物理量Fiは、自己と、それよりも後方の参照点P(その座標i+1,i+2)との物理量Fi,Fi+1,Fi+2に依存することとなる。しかしながら、数式2を用いて物理量Fiを求めた場合には、式中に物理量Fi-2,Fi-1の影響が残ってしまう。すなわち、計算点P(その位置i-2,i-1)の流れの影響が壁を突き抜けて基準点Pに伝わってしまう。このため、従来の解析手法では、壁が存在する場合には、座標i-2,i-1の計算点P上の物理量Fが基準点に伝播しないように、予め最適化された数式をその都度適用するなどの工夫を施していた。

0027

これに対して、本実施形態によれば、壁または空間に定義づけられる境界条件を考慮した上で、各計算点の物理量Fには重み係数Gが自動的に設定される。具体的には、まず、各物理量Fには、原則として、自己の計算点Pの境界条件に対応する重み係数(基準係数)Gがそれぞれ一つ設定されている(数式1参照)。これらの重み係数Gは、計算点Pが壁に相当する場合には0に設定され、空間に相当する場合には1に設定される。そのため、壁(その重み係数「0」)に該当する計算点Pの物理量Fは、演算式中において、その影響が抑制(本実施形態では消滅)されるように作用する。これにより、壁に該当する計算点Pの流れの影響は、基準点Pに伝わらなくするという効果を奏する。

0028

また、図6に示すように、ある参照点P(その座標i-1)の境界条件が壁である場合には、先の参照点P(その座標i-2)の物理量Fi-2が基準点Pに伝播しないように、その重み係数Gi-1が、物理量Fi-2の重み係数(付加係数)Gとして更に設定されている(数式1における右辺の第一項参照)。これにより、座標i-1以前の参照点Pの流れの影響も、基準点Pに波及的に伝播しないという効果を奏する。壁を考慮した重み係数Gの波及的な設定関係は、基準点Pを中心とした参照点Pの位置的な関係として一般化することができる。すなわち、演算に用いられる参照点Pのうち、自己と基準点Pとの間に他の参照点Pが存在している場合、この参照点Pには、他の参照点Pの重み係数Gが更に設定されることなる。

0029

このような壁を考慮した重み係数Gの存在により、本実施形態では、壁が存在する場合であっても、各計算点Pにおいて、特別な判断を設けることなく、その物理量Fiを自動的に算出することができる。これにより、従来の手法のように、壁の有無の確認、および、壁の存在に応じて演算式を変更するなどの処理を省くことができるので、オペレータの作業負担の軽減を図ることができるとともに、解析効率の向上を図ることができる。

0030

なお、上述した実施形態では、参照点Pが壁である場合には、重み係数Gが「0」に設定され、参照点Pが空間である場合には、重み係数Gが「1」に設定されている。しかしながら、予め設定された境界条件に基づいて、壁に該当する計算点Pの物理量Fの影響を低減させるように重み係数Gが作用するのであれば、本発明は上述の実施形態に限定されない。一例として、参照点Pが壁である場合に、重み係数Gを「1」に設定し、参照点Pが空間である場合に、重み係数Gを「0」に設定してもよい。このケースでは、基準点Pの物理量Fiは下式により一義的に算出される。

0031

なお、数式1に基づく算出手法では、参照点Pが空間である場合、すなわち、流速がある場合には、無次元化した流速として重み係数Gを「1」とした。しかしながら、参照点Pが空間である場合に、重み係数Gを「α(任意の数)」に設定し、参照点Pが壁である場合に、重み係数Gを「0」に設定してもよい。このケースでは、基準点Pにおける物理量Fiは、下記の一般式により一義的に算出される。



モータ10

0032

なお、その詳細について説明を省略するが、数式3に基づく算出手法であっても、数式4と同様の概念に基づいて、参照点Pが壁である場合に、重み係数Gを「α(任意の数)」に設定し、参照点Pが空間である場合に、重み係数Gを「0」に設定してもよい。

0033

これらの数式3,4によれば、上述した実施形態と同様に、壁に該当する計算点Pの物理量Fの影響を低減させるように重み係数Gが作用する。また、上述した実施形態と同様に、基準点Pを中心とする参照点Pの並び位置に基いた重み係数Gの波及的な設定関係により、壁が存在する場合であっても、基準点Pの物理量Fiを一義的に算出することができる。これにより、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。

0034

また、境界条件に基づく重み係数Gが、物体に該当する計算点Pの物理量Fの値を完全に消滅させる以外にも、演算式中において、物体に該当する計算点Pの物理量Fの影響が低減するように作用させてもよい。本実施形態では、一次元解析を対象として説明を行ったが、当然ながら、二次元解析、または三次元解析において本手法を適用することも可能である。さらに、本発明の適用範囲は、差分法に限定されず、周囲に存在する参照点Pの物理量Fに基づいて、基準点Pの物理量Fを算出する種々の手法、例えば、有限要素法有限体積法等に広く適用することができる。

0035

また、上述した実施形態の解析方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ・プログラム自体も本発明の一部として機能する。当然ながらこのコンピュータ・プログラムを記録した記録媒体を、図1のような構成を有するシステムに対して供給してもよい。この場合、このシステム中のコンピュータ10が、記録媒体に格納されたコンピュータ・プログラムを読み取り実行することによって、本発明の目的を達成することができる。コンピュータ・プログラム自体が本発明の新規な機能を実現するため、そのプログラムを記録した記録媒体も本発明を構成する。コンピュータ・プログラムを記録した記録媒体としては、例えば、CD−ROMフレキシブルディスクハードディスクメモリカード光ディスク、DVDROM、DVD−RAM等が挙げられる。

図面の簡単な説明

0036

本実施形態にかかる解析装置のブロック構成図
コンピュータの機能的な構成を示すブロック図
本実施形態にかかる流体の解析手順を示すフローチャート
一次元解析の計算点の説明図
ステップ4の詳細の手順を示すフローチャート
境界条件として壁が存在する計算点の説明図

符号の説明

0037

10コンピュータ
11入力装置
12表示装置
13記憶装置
13a境界条件データベース
13b演算値データベース

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