図面 (/)

技術 直噴式内燃機関の燃料噴射制御装置

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 服部竜延
出願日 2004年5月27日 (16年6ヶ月経過) 出願番号 2004-158104
公開日 2005年12月8日 (15年0ヶ月経過) 公開番号 2005-337138
状態 特許登録済
技術分野 燃料噴射装置 内燃機関の複合的制御 内燃機関に供給する空気・燃料の電気的制御 内燃機関の複合的制御
主要キーワード オリフィス流量 変化線 アウトレットオリフィス 差圧比 直動タイプ サブピストン 物理的関係 メインピストン
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年12月8日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (11)

課題

直噴式内燃機関において燃料噴射率の寄与の違いを考慮して高精度な燃料噴射制御を実現する。

解決手段

燃料噴射率の寄与の違いに応じて燃料噴射弁開閉弁駆動過渡期間と全開期間とに区分して過渡期間燃料噴射率補償補正量dQ1(S120,S124)と全開期間燃料噴射率補償補正量dQ2と(S122,S126)を算出している。そして過渡期間燃料噴射率補償補正量dQ1及び全開期間燃料噴射率補償補正量dQ2は、推定燃料噴射率rqi(S128)に基づいて燃料噴射率補償補正時間dThに変換して(S130)、開弁時期補償補正時間dTt(S132,S134)と共に基本燃料噴射時間Tbsに対する補正を実行している(S136)。こうして課題が達成される。

概要

背景

直噴式内燃機関における燃料噴射制御においては、予め標準筒内圧力下での実験にて設定されているマップに基づいて、内燃機関運転状態から燃料噴射量を算出している。そして実際の筒内圧力と実際の燃料圧力との差圧から得られる燃料噴射率Kに基づいて燃料噴射量Tpを補正(Tp/K)して、実際の燃料噴射制御に用いている(例えば特許文献1参照)。
特開平9−256886号公報(第4頁、図3)

概要

直噴式内燃機関において燃料噴射率の寄与の違いを考慮して高精度な燃料噴射制御を実現する。 燃料噴射率の寄与の違いに応じて燃料噴射弁開閉弁駆動過渡期間と全開期間とに区分して過渡期間燃料噴射率補償補正量dQ1(S120,S124)と全開期間燃料噴射率補償補正量dQ2と(S122,S126)を算出している。そして過渡期間燃料噴射率補償補正量dQ1及び全開期間燃料噴射率補償補正量dQ2は、推定燃料噴射率rqi(S128)に基づいて燃料噴射率補償補正時間dThに変換して(S130)、開弁時期補償補正時間dTt(S132,S134)と共に基本燃料噴射時間Tbsに対する補正を実行している(S136)。こうして課題が達成される。

目的

そして、このように燃料噴射率の寄与の違いを考慮して燃料噴射量を補正する燃料噴射制御においても更に改良できることが判明した。
本発明は、直噴式内燃機関において、燃料噴射率の寄与の違いを考慮して高精度な燃料噴射制御を実現することを目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

燃料噴射における圧力要因に基づいて生じる燃料噴射弁から筒内への燃料噴射量誤差補償して燃料噴射を行う直噴式内燃機関燃料噴射制御装置であって、前記圧力要因に基づいて生じる燃料噴射率の変化に応じた燃料噴射量誤差を補償するための燃料噴射率補償補正量を、燃料噴射過程における燃料噴射率の寄与の違いに応じて算出する補正量算出手段と、前記補正量算出手段にて算出された燃料噴射率補償補正量を、燃料噴射時における推定燃料噴射率に基づいて燃料噴射時間に変換することで、燃料噴射率補償補正時間を算出する燃料噴射率補償補正時間算出手段と、前記直噴式内燃機関の運転状態に基づいて要求燃料噴射量に対応する燃料噴射時間を算出する燃料噴射時間算出手段と、前記燃料噴射率補償補正時間算出手段にて算出された燃料噴射率補償補正時間を含む補正時間により、前記燃料噴射時間算出手段にて算出された燃料噴射時間を補正する燃料噴射時間補正手段と、を備えたことを特徴とする直噴式内燃機関の燃料噴射制御装置。

請求項2

燃料噴射における圧力要因に基づいて生じる燃料噴射弁から筒内への燃料噴射量誤差を補償して燃料噴射を行う直噴式内燃機関の燃料噴射制御装置であって、前記圧力要因に基づいて生じる前記燃料噴射弁の開弁時期の変化に応じた燃料噴射量誤差を補償する開弁時期補償補正時間を算出する開弁時期補償補正時間算出手段と、前記圧力要因に基づいて生じる燃料噴射率の変化に応じた燃料噴射量誤差を補償するための燃料噴射率補償補正量を、燃料噴射過程における燃料噴射率の寄与の違いに応じて算出する補正量算出手段と、前記補正量算出手段にて算出された燃料噴射率補償補正量を、燃料噴射時における推定燃料噴射率に基づいて燃料噴射時間に変換することで、燃料噴射率補償補正時間を算出する燃料噴射率補償補正時間算出手段と、前記直噴式内燃機関の運転状態に基づいて要求燃料噴射量に対応する燃料噴射時間を算出する燃料噴射時間算出手段と、前記開弁時期補償補正時間算出手段にて算出された開弁時期補償補正時間と前記燃料噴射率補償補正時間算出手段にて算出された燃料噴射率補償補正時間とを含む補正時間により、前記燃料噴射時間算出手段にて算出された燃料噴射時間を補正する燃料噴射時間補正手段と、を備えたことを特徴とする直噴式内燃機関の燃料噴射制御装置。

請求項3

請求項1又は2において、前記推定燃料噴射率は、予め、筒内圧力燃料圧力及び前記要求燃料噴射量をパラメータとするマップから、燃料噴射時における実際の筒内圧力、燃料圧力及び前記要求燃料噴射量に基づいて算出されることを特徴とする直噴式内燃機関の燃料噴射制御装置。

請求項4

請求項1〜3のいずれかにおいて、前記圧力要因とは筒内圧力及び燃料圧力であることを特徴とする直噴式内燃機関の燃料噴射制御装置。

請求項5

請求項1〜4のいずれかにおいて、前記補正量算出手段は、燃料噴射過程における燃料噴射率の寄与の違いに応じて、前記燃料噴射弁の開閉弁駆動過渡期間と全開期間とに区分して、前記開閉弁駆動過渡期間での前記圧力要因に基づいて生じる燃料噴射率の変化に応じた燃料噴射量誤差を補償する過渡期間燃料噴射率補償補正量と、前記全開期間での前記圧力要因に基づいて生じる燃料噴射率の変化に応じた燃料噴射量誤差を補償する全開期間燃料噴射率補償補正量とを算出して、前記燃料噴射率補償補正量とすることを特徴とする直噴式内燃機関の燃料噴射制御装置。

請求項6

請求項2において、前記圧力要因とは筒内圧力及び燃料圧力であり、前記開弁時期補償補正時間算出手段は、前記開弁時期補償補正時間を、燃料噴射時における実際の筒内圧力と標準筒内圧力との差と、実際の燃料圧力の値に基づいて求めた噴射時期補正係数との積に基づいて算出することを特徴とする直噴式内燃機関の燃料噴射制御装置。

請求項7

請求項5において、前記圧力要因とは筒内圧力及び燃料圧力であり、前記補正量算出手段は、実際の燃料圧力と燃料噴射時における実際の筒内圧力との圧力差と、実際の燃料圧力と標準筒内圧力との圧力差との比に基づいて、標準燃料噴射率と実際の燃料噴射率との噴射率差と、標準燃料噴射率との比を表す変化燃料噴射率比を算出するとともに、前記全開期間燃料噴射率補償補正量を前記変化燃料噴射率比と一次式の関係に基づいて算出し、前記過渡期間燃料噴射率補償補正量を前記変化燃料噴射率比と二次式の関係に基づいて算出することを特徴とする直噴式内燃機関の燃料噴射制御装置。

請求項8

請求項3、6又は7において、前記燃料噴射時における実際の筒内圧力は、燃料噴射時における推定値又は実測値であることを特徴とする直噴式内燃機関の燃料噴射制御装置。

技術分野

0001

本発明は、燃料噴射における圧力要因に基づいて生じる燃料噴射弁から筒内への燃料噴射量誤差補償して燃料噴射を行う直噴式内燃機関燃料噴射制御装置に関する。

背景技術

0002

直噴式内燃機関における燃料噴射制御においては、予め標準筒内圧力下での実験にて設定されているマップに基づいて、内燃機関運転状態から燃料噴射量を算出している。そして実際の筒内圧力と実際の燃料圧力との差圧から得られる燃料噴射率Kに基づいて燃料噴射量Tpを補正(Tp/K)して、実際の燃料噴射制御に用いている(例えば特許文献1参照)。
特開平9−256886号公報(第4頁、図3

発明が解決しようとする課題

0003

しかし実際には燃料噴射の過程において、燃料噴射率は、燃料噴射量に対して一律の寄与ではないことが判明した。したがって従来技術にごとくの一次計算(Tp/K)のみでは誤差が生じて高精度な燃料噴射制御はできず、燃料噴射過程における燃料噴射率の寄与の違いを考慮する必要がある。

0004

このことから、燃料噴射過程における燃料噴射率の寄与の違いに応じて燃料噴射補正量を算出することにより、直噴式内燃機関において圧力要因の差異に基づいて適切に燃料噴射量を補正することができるようになり、燃料噴射量の制御精度は高められることになる。

0005

そして、このように燃料噴射率の寄与の違いを考慮して燃料噴射量を補正する燃料噴射制御においても更に改良できることが判明した。
本発明は、直噴式内燃機関において、燃料噴射率の寄与の違いを考慮して高精度な燃料噴射制御を実現することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0006

以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の直噴式内燃機関の燃料噴射制御装置は、燃料噴射における圧力要因に基づいて生じる燃料噴射弁から筒内への燃料噴射量誤差を補償して燃料噴射を行う直噴式内燃機関の燃料噴射制御装置であって、前記圧力要因に基づいて生じる燃料噴射率の変化に応じた燃料噴射量誤差を補償するための燃料噴射率補償補正量を、燃料噴射過程における燃料噴射率の寄与の違いに応じて算出する補正量算出手段と、前記補正量算出手段にて算出された燃料噴射率補償補正量を、燃料噴射時における推定燃料噴射率に基づいて燃料噴射時間に変換することで、燃料噴射率補償補正時間を算出する燃料噴射率補償補正時間算出手段と、前記直噴式内燃機関の運転状態に基づいて要求燃料噴射量に対応する燃料噴射時間を算出する燃料噴射時間算出手段と、前記燃料噴射率補償補正時間算出手段にて算出された燃料噴射率補償補正時間を含む補正時間により、前記燃料噴射時間算出手段にて算出された燃料噴射時間を補正する燃料噴射時間補正手段とを備えたことを特徴とする。

0007

このように補正量算出手段が燃料噴射過程における燃料噴射率の寄与の違いに応じて、前記燃料噴射量誤差を補償するための燃料噴射率補償補正量を算出する。そして、この燃料噴射率補償補正量は、燃料噴射率補償補正時間算出手段により、燃料噴射時における推定燃料噴射率に基づいて燃料噴射率補償補正時間に変換される。そしてこの燃料噴射率補償補正時間を含む補正時間を用いて、燃料噴射時間補正手段が、要求燃料噴射量に対応する燃料噴射時間を補正することになる。

0008

このように補正量算出手段は、燃料噴射過程における燃料噴射率の寄与の違いに応じて燃料噴射率補償補正量を算出しているため、圧力要因の差異に基づいて適切に燃料噴射量を補正することができるようになり、燃料噴射量の制御精度は高められることになる。

0009

そして燃料噴射率補償補正量は、直接、燃料噴射量の補正には用いられるのではなく、燃料噴射時における推定燃料噴射率に基づいて燃料噴射率補償補正量を時間変換した燃料噴射率補償補正時間にて、燃料噴射時間に対する補正を実行している。このため、現実の燃料噴射時の状況に対応して要求燃料噴射量に合致する正確な燃料噴射時間の設定が可能となる。

0010

このことにより、直噴式内燃機関において、燃料噴射率の寄与の違いを考慮して高精度な燃料噴射制御を実現することができる。
請求項2に記載の直噴式内燃機関の燃料噴射制御装置は、燃料噴射における圧力要因に基づいて生じる燃料噴射弁から筒内への燃料噴射量誤差を補償して燃料噴射を行う直噴式内燃機関の燃料噴射制御装置であって、前記圧力要因に基づいて生じる前記燃料噴射弁の開弁時期の変化に応じた燃料噴射量誤差を補償する開弁時期補償補正時間を算出する開弁時期補償補正時間算出手段と、前記圧力要因に基づいて生じる燃料噴射率の変化に応じた燃料噴射量誤差を補償するための燃料噴射率補償補正量を、燃料噴射過程における燃料噴射率の寄与の違いに応じて算出する補正量算出手段と、前記補正量算出手段にて算出された燃料噴射率補償補正量を、燃料噴射時における推定燃料噴射率に基づいて燃料噴射時間に変換することで、燃料噴射率補償補正時間を算出する燃料噴射率補償補正時間算出手段と、前記直噴式内燃機関の運転状態に基づいて要求燃料噴射量に対応する燃料噴射時間を算出する燃料噴射時間算出手段と、前記開弁時期補償補正時間算出手段にて算出された開弁時期補償補正時間と前記燃料噴射率補償補正時間算出手段にて算出された燃料噴射率補償補正時間とを含む補正時間により、前記燃料噴射時間算出手段にて算出された燃料噴射時間を補正する燃料噴射時間補正手段とを備えたことを特徴とする。

0011

開弁時期補償補正時間算出手段を設けることで、圧力要因に基づいて生じる燃料噴射弁の開弁時期の変化に応じた燃料噴射量誤差を補償する開弁時期補償補正時間を算出している。そして、この開弁時期補償補正時間と前述した燃料噴射率補償補正時間とを含む補正時間により、燃料噴射時間を補正している。

0012

燃料噴射弁によっては、圧力要因の変化により開弁時期が変化する場合がある。このような場合に開弁時期補償補正時間算出手段にて開弁時期補償補正時間を求めて、請求項1にて説明した燃料噴射率補償補正時間と共に燃料噴射時間を補正することで、圧力要因の差異に基づいて適切に燃料噴射量を補正することができるようになり、燃料噴射量の制御精度は高められることになる。

0013

そして開弁時期補償補正時間と燃料噴射率補償補正時間とを含む補正時間による燃料噴射時間に対する補正であるので、現実の燃料噴射時の状況に対応して要求燃料噴射量に合致する正確な燃料噴射時間の設定が可能となる。

0014

このことにより、直噴式内燃機関において、燃料噴射率の寄与の違いを考慮して高精度な燃料噴射制御を実現することができる。
請求項3に記載の直噴式内燃機関の燃料噴射制御装置では、請求項1又は2において、前記推定燃料噴射率は、予め、筒内圧力、燃料圧力及び前記要求燃料噴射量をパラメータとするマップから、燃料噴射時における実際の筒内圧力、燃料圧力及び前記要求燃料噴射量に基づいて算出されることを特徴とする。

0015

このようなマップを予め備えておくことにより、現実の燃料噴射時の状況に対応して容易にかつ正確に、燃料噴射率補償補正量を燃料噴射率補償補正時間に変換することができるので、直噴式内燃機関において、燃料噴射率の寄与の違いを考慮して高精度な燃料噴射制御を実現することができる。

0016

請求項4に記載の直噴式内燃機関の燃料噴射制御装置では、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記圧力要因とは筒内圧力及び燃料圧力であることを特徴とする。
より具体的には圧力要因としては筒内圧力及び燃料圧力を用いる。このことにより上述した構成によって、筒内圧力及び燃料圧力の差異に基づいて適切に燃料噴射量を補正することができるようになり、燃料噴射量の制御精度は高められることになる。

0017

請求項5に記載の直噴式内燃機関の燃料噴射制御装置では、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記補正量算出手段は、燃料噴射過程における燃料噴射率の寄与の違いに応じて、前記燃料噴射弁の開閉弁駆動過渡期間と全開期間とに区分して、前記開閉弁駆動過渡期間での前記圧力要因に基づいて生じる燃料噴射率の変化に応じた燃料噴射量誤差を補償する過渡期間燃料噴射率補償補正量と、前記全開期間での前記圧力要因に基づいて生じる燃料噴射率の変化に応じた燃料噴射量誤差を補償する全開期間燃料噴射率補償補正量とを算出して、前記燃料噴射率補償補正量とすることを特徴とする。

0018

このように燃料噴射過程における燃料噴射率の寄与の違いにより、燃料噴射弁の開閉弁駆動過渡期間と全開期間とに区分することができる。そして、それぞれの区分において過渡期間燃料噴射率補償補正量と全開期間燃料噴射率補償補正量とを算出することにより、正確な燃料噴射率補償補正量となり、燃料噴射量の制御精度は高められることになる。

0019

請求項6に記載の直噴式内燃機関の燃料噴射制御装置では、請求項2において、前記圧力要因とは筒内圧力及び燃料圧力であり、前記開弁時期補償補正時間算出手段は、前記開弁時期補償補正時間を、燃料噴射時における実際の筒内圧力と標準筒内圧力との差と、実際の燃料圧力の値に基づいて求めた噴射時期補正係数との積に基づいて算出することを特徴とする。

0020

開弁時期補償補正時間については、燃料噴射時における実際の筒内圧力と標準筒内圧力との差と、実際の燃料圧力の値に基づいて求めた噴射時期補正係数との積に基づいて算出することができる。このようにして求めた開弁時期補償補正時間と燃料噴射率補償補正時間とを含む補正時間により燃料噴射時間を補正することにより、圧力要因の差異に基づいて適切に燃料噴射量を補正することができるようになり、燃料噴射量の制御精度は高められることになる。

0021

請求項7に記載の直噴式内燃機関の燃料噴射制御装置では、請求項5において、前記圧力要因とは筒内圧力及び燃料圧力であり、前記補正量算出手段は、実際の燃料圧力と燃料噴射時における実際の筒内圧力との圧力差と、実際の燃料圧力と標準筒内圧力との圧力差との比に基づいて、標準燃料噴射率と実際の燃料噴射率との噴射率差と、標準燃料噴射率との比を表す変化燃料噴射率比を算出するとともに、前記全開期間燃料噴射率補償補正量を前記変化燃料噴射率比と一次式の関係に基づいて算出し、前記過渡期間燃料噴射率補償補正量を前記変化燃料噴射率比と二次式の関係に基づいて算出することを特徴とする。

0022

前述したごとく過渡期間燃料噴射率補償補正量と全開期間燃料噴射率補償補正量とを算出する場合、過渡期間燃料噴射率補償補正量は変化燃料噴射率比と二次式の関係に基づいて算出でき、全開期間燃料噴射率補償補正量は変化燃料噴射率比と一次式の関係に基づいて算出できる。このことにより、これらの補正量を合計した燃料噴射率補償補正量は、正確な補正量となり、燃料噴射量の制御精度は高められることになる。

0023

請求項8に記載の直噴式内燃機関の燃料噴射制御装置では、請求項3、6又は7において、前記燃料噴射時における実際の筒内圧力は、燃料噴射時における推定値又は実測値であることを特徴とする。

0024

燃料噴射時における実際の筒内圧力は推定値でも良く、噴射時の実測から求めても良い。

発明を実施するための最良の形態

0025

[実施の形態1]
図1は、上述した発明が適用された車両用ディーゼルエンジン及びエンジン制御装置概略構成図である。

0026

ディーゼルエンジン2は複数気筒、例えば4気筒あるいは6気筒からなるエンジンである。各気筒の燃焼室4は吸気弁6にて開閉される吸気ポート8及び吸気マニホールド10を介してサージタンク12に連結されている。そしてサージタンク12は、吸気経路14を介してエアクリーナあるいは過給機側から空気が供給されている。尚、サージタンク12には、排気再循環(以下、「EGR」と称する)経路16からEGRガスが供給されている。そして吸気経路14にはスロットル弁18が配置され、スロットル弁18とサージタンク12との間には吸気温センサ20が配置されている。尚、スロットル弁18にはスロットル開度検出のためのスロットル開度センサ18aと弁駆動のためのモータ18bとが設けられ、サージタンク12には内部の吸気圧Pinを検出するための吸気圧センサ21が設けられている。

0027

燃焼室4は排気弁22にて開閉される排気ポート24及び排気マニホールド26を介して排気浄化触媒あるいは過給機側へ排気を排出している。尚、排気マニホールド26には、EGR経路16へEGRガスとして排気が供給されている。

0028

気筒毎に設けられて各燃焼室4内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁28は、燃料供給管30を介してコモンレール32に連結されている。このコモンレール32内へは電気制御式の吐出量可変燃料ポンプ34から燃料が供給され、燃料ポンプ34からコモンレール32内に供給された高圧燃料は各燃料供給管30を介して各燃料噴射弁28に分配供給される。尚、コモンレール32には燃料圧力Pf(いわゆるレール圧)を検出するための燃料圧力センサ36が取り付けられている。

0029

電子制御ユニット(以下「ECU」と称する)40はCPU、ROM、RAM等を備えたデジタルコンピュータと、各装置を駆動するための駆動回路とを主体として構成されている。そしてECU40は前述した吸気温センサ20、吸気圧センサ21、燃料圧力センサ36及びスロットル開度センサ18aの信号を読み込んでいる。更にアクセルペダル42の踏み込み量アクセル開度ACCP)を検出するアクセル開度センサ44、及びディーゼルエンジン2の冷却水温度THWを検出する冷却水温センサ46から信号を読み込んでいる。更に、クランク軸48の回転数(以下、「エンジン回転数NE」と称する)を検出するエンジン回転数センサ50、クランク軸48の回転位相あるいは吸気カムの回転位相を検出して基準クランク角信号G2を出力する気筒判別センサ52から信号を読み込んでいる。

0030

そしてこれらの信号から得られるエンジン運転状態操作状態に基づいて、ECU40は燃料噴射弁28による燃料噴射制御を実行する。その他、モータ18bによるスロットル開度制御、燃料ポンプ34の吐出量制御等を実行する。

0031

ここで燃料噴射弁28の構造及び動作について説明する。図2に示すごとく燃料噴射弁28は本体62、ニードル弁64及びコイルスプリング66を備えている。ニードル弁64とコイルスプリング66とは本体62内部に収納され、本体62の先端には燃料噴射孔68が形成されている。ニードル弁64は軸方向に進退移動可能であり、進出時にはシート部70に着座することにより燃料噴射孔68を閉じ、後退時にはシート部70から離れることにより燃料噴射孔68を開く。コイルスプリング66はニードル弁64を閉弁方向、すなわち燃料噴射孔68の方向に付勢している。尚、燃料噴射孔68とシート部70との間にはサック室72が形成されている。

0032

更に、本体62には、第1燃料供給路74、第1燃料供給路74から分岐している第2燃料供給路76、燃料排出路78、制御室80及び燃料溜82が形成されている。第1燃料供給路74は、燃料供給管30(図1)を介してコモンレール32から所定圧力に調節されて供給されてくる高圧燃料を燃料溜82へ導いている。第2燃料供給路76は、コモンレール32からの高圧燃料を制御室80へ導いている。燃料排出路78は、制御室80内の圧力を低下させる際に制御室80内の高圧燃料を排出する機能を果たす。尚、第2燃料供給路76にはインレットオリフィス76aが設けられて、制御室80への燃料流入量を決定している。燃料排出路78にはアウトレットオリフィス78aが設けられて、制御室80からの燃料排出量を決定している。尚、アウトレットオリフィス78aの通路断面積は、インレットオリフィス76aよりも大きく設定されている。

0033

ニードル弁64は、メインピストン64aとサブピストン64bとを備えている。メインピストン64aは制御室80からの燃料圧力を受けてニードル弁64を閉弁方向への駆動力Fmを発生する。サブピストン64bは燃料溜82からの燃料圧力を受けてニードル弁64を開弁方向への駆動力Fsを発生する。サブピストン64bが燃料溜82から受ける燃料圧力の受圧面積はメインピストン64aが制御室80から受ける燃料圧力の受圧面積よりも小さく設定されている。

0034

ここでコイルスプリング66から付勢力Fcが与えられているとすると、定常時はFm+Fc>Fs、Fc<Fsとなるように設定されている。
アウトレットオリフィス78a部分には燃料排出路78を開閉制御する排圧制御弁84が設けられている。この排圧制御弁84が閉弁されている時には制御室80からの高圧燃料の排出を阻止して制御室80内を高圧状態に維持する機能を果たす。そして排圧制御弁84が開弁された時には制御室80から高圧燃料が排出されるので制御室80内を低圧化する機能を果たす。この排圧制御弁84は電磁弁にて構成されている。

0035

排圧制御弁84が閉弁駆動されていれば、制御室80内の燃料圧力が上昇しているので、Fm+Fc>Fsであり、メインピストン64aが燃料噴射孔68側に押されてニードル弁64はシート部70に着座しており燃料噴射弁28は閉弁状態を維持する。

0036

ECU40により排圧制御弁84が開弁駆動されると、燃料排出路78を介して制御室80内の燃料が排出され、しかもインレットオリフィス76aよりもアウトレットオリフィス78aの通路断面積が大きく設定されているため、制御室80内の燃料圧力は低下する。このため閉弁方向の駆動力Fmは小さくなる。

0037

このことによりFm+Fc<Fsとなるとニードル弁64がリフトを開始してシート部70から離れることで燃料噴射孔68から燃料噴射が開始される。そしてリフト開始から最大リフト(フルリフト)まで次第に燃料噴射率(mm3/μsec)が上昇し、全開すなわち最大リフトにて、最大の燃料噴射率となる。

0038

閉弁時にはECU40により排圧制御弁84が閉弁駆動されることにより燃料排出路78が閉じられて制御室80の燃料圧力が上昇し、Fm+Fc>Fsとなることによりニードル弁64のリフト量が小さくなり、最終的にシート部70に着座することで燃料噴射孔68からの燃料噴射は停止する。

0039

次に、本実施の形態において、ECUにより実行される制御のうち、燃料噴射制御処理について説明する。図3,4に燃料噴射制御処理のフローチャートを示す。本処理は燃料噴射間隔周期で、ここで4気筒エンジンであるとすると180°CA(CA:クランク角)毎に割り込み実行される。なお個々の処理内容に対応するフローチャート中のステップを「S〜」で表す。

0040

本処理が開始されると、まず1噴射当たりの基本燃料噴射量Qbs(mm3)が設定される(S102)。例えばECU40内に記憶されているガバナパターンに従ってアクセル開度ACCPとエンジン回転数NEとから基本燃料噴射量Qbsが求められる。

0041

次にこの基本燃料噴射量Qbsが、図5実線にて示した燃料噴射時間変換マップMaptbsに基づいて基本燃料噴射量Qbsから基本燃料噴射時間Tbs(μsec)が算出される(S104)。例えば基本燃料噴射量Qbs=QAであれば図5に示したごとく基本燃料噴射時間Tbs=TAが求められる。

0042

この燃料噴射時間変換マップMaptbsは予め標準の燃料噴射弁により標準筒内圧力Ps(例えば1MPa)下で燃料圧力Pfを変更することで燃料噴射量と燃料噴射時間との関係を測定してマップ化したものである。尚、図5は現在の燃料圧力Pf下での燃料噴射量と燃料噴射時間との関係を表しているのであり、燃料圧力Pfが変化した場合には実線部分も変化する。

0043

次に燃料噴射時期θiがTDCなどの基準クランク角に対する進角値(°CA)として設定される(S106)。これは基本燃料噴射量Qbs(あるいは基本燃料噴射時間Tbs)とエンジン回転数NEとに基づいて燃料噴射時期マップから設定される。この燃料噴射時期マップは最適燃焼のためにエンジンの種類に応じて予め実験などに基づいて設定されているものである。

0044

燃料噴射時期θiが設定されると、次に図6に示した容積比マップMapvrから燃料噴射時期θiに基づいて、燃料噴射時期θiでの燃焼室4の容積比Rvが算出される(S108)。例えば燃料噴射時期θi=θAであれば図6に示したごとく容積比Rv=RAが求められる。

0045

この容積比マップMapvrは、燃焼室4の最大容積Vmと該当クランク角での燃焼室4の容積Viとの比Vm/Viを表しているものであり、理論計算や実験にて設定されている。

0046

容積比Rvが求められると、次にこの容積比Rvと吸気圧センサ21にて検出されている吸気圧Pinとにより燃料噴射開始時筒内圧力Picが式1のごとく算出される(S110)。

0047

[式1] Pic ← Rv × Pin
この燃料噴射開始時筒内圧力Picは、今回燃料噴射対象となっている気筒において、該当する燃料噴射弁28から燃料噴射が開始される時の燃焼室4内の気圧を表している。

0048

次に式2により差圧比Rdpが算出される(S112)。
[式2] Rdp ← (Pf−Pic)/(Pf−Ps)
ここで式2の右辺は、燃料噴射開始時に燃料噴射弁28に生じる差圧(Pf−Pic)と、標準状態での差圧(Pf−Ps)との比を表している。

0049

次に燃料圧力Pfに基づいて折れ点マップMapqflから、図5に実線で示した燃料噴射時間変換マップMaptbsの折れ点Eにおける燃料噴射量Qflを求める(S114)。この折れ点マップMapqflは、例えば図7のごとく表される。

0050

図2において述べたごとく、燃料噴射弁28は燃料噴射開始時に全開(フルリフト)状態となって燃料を噴射するのではなく、開き始めから全開までに時間を要する。又、閉じる時にも一瞬にして全閉となるのではなく全開から全閉までに時間を要する。この現象を燃料噴射率(mm3/μsec)との関係で示すと図8のごとくとなる。このような開閉弁駆動過渡期間が存在するため、図5に示したごとく基本燃料噴射量Qbsに対する基本燃料噴射時間Tbsの関係が不連続に変化する折れ点Eが生じる。この折れ点Eの燃料噴射量を折れ点噴射量Qflとして、予め実験により燃料圧力Pfとの関係を、折れ点マップMapqfl(図7)として設定してある。

0051

次に差圧比Rdpに基づいて変化燃料噴射率比Rhが式3のごとく算出される(S116)。
[式3] Rh ← 1 − √(Rdp)
尚、右辺の「√()」は、図3のステップS116に表示しているごとく、()内の値の平方根を算出する演算子を表している。

0052

ここで1回の噴射において、図9の(A)に示すごとく実際の燃料噴射率パターン(実線)と標準の燃料噴射率パターン(一点鎖線)との間に差が存在するとする。全開期間の実際の噴射率rqと標準噴射率rQsとの差は「rQs−rq」で表される。この差(rQs−rq)と標準噴射率rQsとの比は式4に示すごとく計算される。

0053

[式4] (rQs−rq)/rQs = 1 − rq/rQs
この内、実際と標準との噴射率比(rq/rQs)の二乗は、物理的関係により差圧比Rdpと等しいことが分かっている。

0054

したがって、前記式3は前記式4と同等であり、前記式3で表される変化燃料噴射率比Rhは標準噴射率rQsに対する実際の噴射率rqの変化分割合を示していることになる。

0055

次に基本燃料噴射量Qbsが折れ点噴射量Qfl未満か否かが判定される(S118)。
ここで、まずQbs≧Qflの場合(S118でYES)について説明する。この場合には、図9の(A)に示した標準の噴射率パターン(一点鎖線)を、図9の(B)に示すごとく全開から全閉までの噴射率変化線と平行な破線で、全開までで噴射が終了した場合の燃料噴射量(折れ点噴射量Qflと同じ)と、全開以後の分の噴射量(Qbs−Qfl)とに分割する。この状態でハッチングで示す実際の噴射率パターン(実線)との燃料噴射量誤差(dQ1,dQ2)を算出する。

0056

まず、式5により全開までで噴射が終了した場合の燃料噴射量における誤差である過渡期間燃料噴射率補償補正量dQ1を算出する(S120)。
[式5] dQ1 ← Qfl × Rh × Rh
図9の(B)において過渡期間燃料噴射率補償補正量dQ1は、「(rQs−rq)/rQs」の二乗に比例することから、式6のごとく「(rQs−rq)/rQs」の二次式で表される。

0057

[式6] dQ1=
Qfl×{(rQs−rq)/rQs}×{(rQs−rq)/rQs}
したがって前記式3,4の関係から式6は前記式5と同等であり、前記式5のごとく変化燃料噴射率比Rhの二次式により過渡期間燃料噴射率補償補正量dQ1は算出できることになる。

0058

次に式7により全開以後の分の燃料噴射量(Qbs−Qfl)における誤差である全開期間燃料噴射率補償補正量dQ2を算出する(S122)。
[式7] dQ2 ← (Qbs−Qfl)×Rh
図9の(B)において全開期間燃料噴射率補償補正量dQ2は、「(rQs−rq)/rQs」に比例することから、式8のごとく「(rQs−rq)/rQs」の一次式でで表される。

0059

[式8] dQ2=(Qbs−Qfl)×(rQs−rq)/rQs
したがって前記式3,4の関係から式8は前記式7と同等であり、前記式7のごとく変化燃料噴射率比Rhの一次式により全開期間燃料噴射率補償補正量dQ2は算出できることになる。

0060

次に、Qbs<Qflの場合(S118でYES)について説明する。例えば、図5のQbs=QBの場合であり、ステップS104では基本燃料噴射時間Tbs=TBが求められている。

0061

この場合には、過渡期間燃料噴射率補償補正量dQ1が式9に示すごとく算出される(S124)。
[式9] dQ1 ← Qbs × Rh × Rh
このQbs<Qflの場合においては、折れ点噴射量Qflと同じ値が基本燃料噴射量Qbsに設定された場合には、前記式5により「Qfl×Rh×Rh」の値が過渡期間燃料噴射率補償補正量dQ1となる。この場合、基本燃料噴射量Qbsが折れ点噴射量Qflより小さくなることに比例して、過渡期間燃料噴射率補償補正量dQ1が小さくなることが判明しているので、式10のごとくの関係が存在する。

0062

[式10] Qbs/Qfl=dQ1/(Qfl×Rh×Rh)
式10から過渡期間燃料噴射率補償補正量dQ1は式11にて表される。
[式11] dQ1=(Qfl×Rh×Rh)×(Qbs/Qfl)
=Qbs × Rh × Rh
このようにして過渡期間燃料噴射率補償補正量dQ1は、前記式9のごとく変化燃料噴射率比Rhの二次式により算出できることになる。

0063

そしてこの時は全開期間燃料噴射率補償補正量dQ2は存在しないので、全開期間燃料噴射率補償補正量dQ2に「0」を設定する(S126)。
次に今回燃料噴射がなされる燃料噴射弁28での推定燃料噴射率rqi(mm3/μsec)が、今回燃料噴射がなされる燃料噴射弁28に対して設定されている燃料噴射率マップMaprqから、燃料圧力Pf、基本燃料噴射量Qbs及び燃料噴射開始時筒内圧力Picに基づいて算出される(S128)。

0064

各燃料噴射弁28については、それぞれの燃料噴射弁28の製造時に、燃料圧力、燃料噴射量及び筒内圧力をパラメータとして燃料噴射率データが実測されている。そしてディーゼルエンジン2に各燃料噴射弁28を組み付ける際に、各燃料噴射弁28に添付されたデータタグなどからECU40に対して読み込まれて燃料噴射率マップMaprqとしてマップ化されている。この燃料噴射弁28毎の燃料噴射率マップMaprqを用いて、噴射時点での推定燃料噴射率rqiが算出される。尚、燃料噴射弁28毎に設けられた他のマップについても同様に作成され、データタグなどからECU40に対して読み込まれている。

0065

次に式12のごとく燃料噴射率補償補正時間dTh(μsec)を算出する(S130)。
[式12] dTh ← (dQ1 + dQ2)/rqi
次に開弁時期補償補正時間dTtを求めるための、噴射時期補正係数Kiを燃料圧力Pfをパラメータとして図10に示すマップMapkiから算出する(S132)。

0066

次に式13により開弁時期補償補正時間dTtを算出する(S134)。
[式13] dTt ← Ki × (Pic − Ps)
実際の筒内圧力である燃料噴射開始時筒内圧力Picと標準筒内圧力Psとの差(Pic−Ps)は、燃料噴射弁28の開弁時期のずれ(図9のΔTh)を生じさせるものであり、このずれの程度は燃料圧力Pfにより感度が変化する。したがってマップMapkiを予め実測により作成しておき、上記式13により算出される。

0067

そして式14により、基本燃料噴射時間Tbsを、前述したごとく算出した燃料噴射率補償補正時間dTh及び開弁時期補償補正時間dTtと、更に無効噴射時間dTxとにより補正して、今回噴射対象の燃料噴射弁28に対する噴射時間(通電時間)Tauを算出する(S136)。

0068

[式14] Tau ← Tbs + dTh + dTt + dTx
そして燃料噴射時期θiに、噴射時間Tauの通電がなされるようにECU40において設定がなされて(S138)、本処理を一旦終了する。

0069

上述した構成において、請求項との関係は、燃料噴射制御処理(図3,4)のステップS132,S134が開弁時期補償補正時間算出手段としての処理に、ステップS118〜S126が補正量算出手段としての処理に相当する。更に、ステップS128,S130が燃料噴射率補償補正時間算出手段としての処理に、ステップS102,S104が燃料噴射時間算出手段としての処理に、ステップS136が燃料噴射時間補正手段としての処理に相当する。

0070

以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).燃料噴射制御処理(図3,4)のステップS118〜S126では、燃料噴射過程における燃料噴射率の寄与の違いに応じて、燃料噴射弁28の開閉弁駆動過渡期間と全開期間とに区分して燃料噴射率補償補正量を算出している。すなわち、開閉弁駆動過渡期間については過渡期間燃料噴射率補償補正量dQ1を算出し(S120,S124)、全開期間については全開期間燃料噴射率補償補正量dQ2を算出している(S122,S126)。

0071

このため圧力要因(筒内圧力及び燃料圧力)の差異に基づいて適切に燃料噴射量を補正することができるようになり、燃料噴射量の制御精度は高められることになる。
そして過渡期間燃料噴射率補償補正量dQ1及び全開期間燃料噴射率補償補正量dQ2は、直接、燃料噴射量の補正に用いられるのではなく、推定燃料噴射率rqi(S128)に基づいて燃料噴射率補償補正時間dThに変換して(S130)、基本燃料噴射時間Tbsに対する補正を実行している(S136)。このため、現実の燃料噴射時の状況に対応して要求燃料噴射量に合致する正確な燃料噴射時間Tauの設定が可能となる。

0072

更に、圧力要因に基づいて生じる燃料噴射弁28の開弁時期の変化に応じた燃料噴射量誤差を補償する開弁時期補償補正時間dTtを、噴射時期補正係数Kiと(Pic−Ps)との積により算出している(S132,S134)。そして、前述した燃料噴射率補償補正時間dThと共に、この開弁時期補償補正時間dTtによる補正を行っている(S136)。

0073

本燃料噴射弁28は、圧力要因の変化により開弁時期が変化する。したがって開弁時期補償補正時間dTtを加味して燃料噴射時間を補正することで、より適切に圧力要因の差異に基づいて適切に燃料噴射量を補正することができるようになり、燃料噴射量の制御精度は高められることになる。

0074

こうして、直噴式内燃機関において、燃料噴射率の寄与の違いを考慮して高精度な燃料噴射制御を実現することができる。
(ロ).推定燃料噴射率rqiは、燃料噴射率マップMaprqから、燃料圧力Pf、要求燃料噴射量に相当する基本燃料噴射量Qbs及び燃料噴射開始時筒内圧力Picに基づいて算出される。このような燃料噴射率マップMaprqが予め燃料噴射弁28毎に備えられているので、現実の燃料噴射時の状況に対応して容易にかつ正確に、過渡期間燃料噴射率補償補正量dQ1及び全開期間燃料噴射率補償補正量dQ2を燃料噴射率補償補正時間dThに変換することができる。したがって、直噴式内燃機関において、燃料噴射率の寄与の違いを考慮して、より高精度な燃料噴射制御を実現することができる。

0075

(ハ).ステップS118〜S126にて説明したごとく、過渡期間燃料噴射率補償補正量dQ1は、変化燃料噴射率比Rhと二次式の関係に基づいて算出し、全開期間燃料噴射率補償補正量dQ2は変化燃料噴射率比Rhと一次式の関係に基づいて算出できる。このことにより全体の燃料噴射率補償補正量(dQ1+dQ2)を容易に算出することが可能となる。

0076

[その他の実施の形態]
(a).前記実施の形態1においては、図2に示したごとく燃料噴射弁28が制御室80を備えていたが、制御室80が存在しない直動タイプの燃料噴射弁では、燃料噴射弁の開弁時期のずれ(図9のΔTh)は生じないので開弁時期補償補正時間dTtを算出する必要はない。したがってこの場合には燃料噴射制御処理(図3,4)のステップS132,S134の処理は不要である。したがってステップS136での噴射時間Tauの算出は、式15のごとくとなる。

0077

[式15] Tau ← Tbs + dTh + dTx
このような燃料噴射弁による燃料噴射制御においても、開弁時期補償補正の部分を除いて、前記実施の形態1の(イ)〜(ハ)の効果を生じる。

0078

(b).前記実施の形態1では、Qbs<Qflの時には前記式9により過渡期間燃料噴射率補償補正量dQ1を算出したが、これ以外の手法として次のごとくに算出しても良い。

0079

すなわち図2に示したニードル弁64が全開(フルリフト)に至らない場合のごとく、開度(リフト量)が小さい状態で行われる燃料噴射においては、燃料噴射が行われた場合の実際の燃料噴射圧力であるサック室72内の燃料圧力は燃料圧力Pf(レール圧)に達していない。このためサック室72内の燃料圧力を推定して過渡期間燃料噴射率補償補正量dQ1を求めることができる。

0080

ここでサック室72内の燃料圧力はニードル弁64のリフト位置と燃料圧力Pfに基づいて決定される。ニードル弁64のリフト位置は、リフト速度と時間とに基づいて決定される。ニードル弁64のリフト速度は制御室80から燃料排出路78のアウトレットオリフィス78aを介して排出される燃料のオリフィス流量の特性により求めることができ、略等速度、すなわち一定とみなすことができる。したがってサック室72内の燃料圧力は時間の関数で表すことができる。

0081

そしてこのように時間に基づいて求められるサック室72内の燃料圧力と基本燃料噴射量Qbsとに基づいて、単位筒内圧力当たりの燃料噴射量の変化量を求めるためのマップを予め実験等により求めておく。そして燃料噴射開始時筒内圧力Picと標準筒内圧力Psとの差に基づいて、前記マップから燃料噴射量の変化量、すなわち誤差を求めて、このずれ量を過渡期間燃料噴射率補償補正量dQ1として設定する。

0082

(c).燃料噴射開始時筒内圧力Picは、燃料噴射時における推定値として求めたが、これ以外に筒内圧力センサを設けて実測値として求めても良い。
(d).前述した各例については、ディーゼルエンジンにて説明したが、筒内噴射型であれば、本発明はガソリンエンジンについても適用できる。

図面の簡単な説明

0083

実施の形態1の車両用ディーゼルエンジン及びエンジン制御装置の概略構成図。
実施の形態1の燃料噴射弁の構成説明図。
実施の形態1のECUが実行する燃料噴射制御処理のフローチャート。
同じく燃料噴射制御処理のフローチャート。
実施の形態1の燃料噴射時間変換マップMaptbsの構成説明図。
実施の形態1の容積比マップMapvrの構成説明図。
実施の形態1の折れ点マップMapqflの構成説明図。
実施の形態1における燃料噴射時の燃料噴射率変化説明図。
実施の形態1における過渡期間燃料噴射率補償補正量dQ1と全開期間燃料噴射率補償補正量dQ2との算出手法の説明図。
実施の形態1のマップMapkiの構成説明図。

符号の説明

0084

2…ディーゼルエンジン、4…燃焼室、6…吸気弁、8…吸気ポート、10…吸気マニホールド、12…サージタンク、14…吸気経路、16…EGR経路、18…スロットル弁、18a…スロットル開度センサ、18b…モータ、20…吸気温センサ、21…吸気圧センサ、22…排気弁、24…排気ポート、26…排気マニホールド、28…燃料噴射弁、30…燃料供給管、32…コモンレール、34…燃料ポンプ、36…燃料圧力センサ、40…ECU、42…アクセルペダル、44…アクセル開度センサ、46…冷却水温センサ、48…クランク軸、50…エンジン回転数センサ、52…気筒判別センサ、62…燃料噴射弁の本体、64…ニードル弁、64a…メインピストン、64b…サブピストン、66…コイルスプリング、68…燃料噴射孔、70…シート部、72…サック室、74…第1燃料供給路、76…第2燃料供給路、76a…インレットオリフィス、78…燃料排出路、78a…アウトレットオリフィス、80…制御室、82…燃料溜、84…排圧制御弁、E…折れ点、Fc…付勢力、Fm,Fs…駆動力。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ