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技術 車両用トノカバー装置

出願人 株式会社林技術研究所
発明者 柴田剛亀川篤志
出願日 2004年5月31日 (15年11ヶ月経過) 出願番号 2004-161253
公開日 2005年12月8日 (14年4ヶ月経過) 公開番号 2005-335655
状態 特許登録済
技術分野 階段・物品収容
主要キーワード 弾性力低下 弾性挟持力 非矩形状 引出開口 引出端 ケース形状 ケース内方 巻取り収納
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年12月8日)のものです。
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図面 (6)

課題

非使用時に把持ボードを水平および垂直方向に2種類の保持状態を可能とすると共に、トノカバーシートおよび把持ボードを巻取り収納する時および引き出して使用する時に、煩雑な操作を必要としない操作性に優れたトノカバー装置を提供する。

解決手段

トノカバーシート展張時に荷室側部に設けた係止装置係止固定する係止フックに、収納ケーススリット状開口係合可能な上(下)緩衝係合部材一体成形し、また、上緩衝係合部材ケース上縁厚肉部に類似した曲率を有する凹溝を形成し、下緩衝係合部材の表面を段階的に角度を変えて傾斜する形状とするとともに、ケース下縁がケース上縁よりもトノカバーシート引出方向に突出した構成とする。

概要

背景

従来より、荷室乗員室区画されておらず、リヤシートの後部に荷室が設けられるハッチバック型の自動車などでは、荷室に載置した荷物を外部から視認されないようにするために、荷室全体を遮蔽するトノカバーシートとこのトノカバーシートを巻取り収納する筒状のケースからなるトノカバー装置が設けられている。

この種のトノカバー装置は、トノカバーシートの一端縁部が固着された巻取り軸収納ケース内に回転可能に支持されており、巻取り軸は巻取り方向回転付勢させて、トノカバーシートを巻取り収納可能としている。トノカバー装置は荷室のリヤシート後部近くに設けられ、収納ケースに形成したスリット状の開口からトノカバーシートを車両後方引出可能とすることで、荷室を覆い隠す構成となっている。

トノカバーシートの引出端には、手で掴むための把持部を設けるために、また、引出開口よりも大きく形成することで、トノカバーシートの引出端が内部に巻き取られることを防ぐことを目的として、板状の把持ボードが結合されており、操作性が高められている。また、荷室の後端部を形成するバックドアは通常、後側に湾曲した形状となっているため、把持ボードをこの形状に対応した形状とすることで荷室全面を覆い隠すことが可能な構成とすることができる。

トノカバー装置を使用する際には、把持ボードに形成した把持部を掴み、巻取り軸の付勢力に抗して収納ケースの引出開口からトノカバーシートを引き出し、把持ボードの両端部に取付け係止フック荷室側部に設けた係止装置係止させて、トノカバーシートの展張状態を維持固定する。

このような把持ボードは一定の厚みを有した樹脂などの成形体からなるため、トノカバーシートの巻取り収納時には、把持ボードの自重によって垂れ下がった状態となり、車両走行時には振動等によって、把持ボードが収納ケースなどと干渉して異音が発生するという不具合が生じていた。

上述のような問題を解決する為の構成が特許文献1に開示されている。この文献に記載のトノカバー装置は、把持ボードに係止具を設けるとともに、ケースの両端を覆うキャップに前記係止具が嵌まり込む係合孔を形成し、トノカバーシートを巻取り収納時に前記係止具と前記係合孔とが嵌合することによって、前記把持ボードが水平に保持可能であり、上記課題を解決できるとしている。また、前記把持ボードを垂直に垂れ下げ保持状態へと切り替えることも可能であるとしている。

しかしながら、この特許文献1に記載のトノカバー装置においては、把持ボードに前記キャップと係合する係止具、そして、ケースの両端に取付けられる前記キャップには、前記係止具と係合する係合孔を形成する必要があり、その分、加工工数が増え、コストが嵩むという課題が残っていた。

上述のような問題を解決する為の構成が特許文献2に開示されている(図5)。この文献に記載のトノカバー装置は、トノカバーシート20展張時に車両に設けた係止部に係合して、展張状態を維持する為の一対の係止具が把持ボードの両端に設けられ、この係止具にはそれぞれ、車両の前記係止部に係合する第1係合部のほかに、ケースのスリット状開口22に係合する第2係合部21が一体形成されているとともに、前記スリット状開口22がその開口幅を広げる向きに弾性変形可能に形成され、第2係合部21は前記スリット状開口を弾性変形させつつ嵌まり込むことによって係合するため、キャップに係合孔を設けることなく、また、部品点数を増やすことなく、把持ボードを水平に保持し垂れ下がりを防止可能としている。また、前記第2係合部21の上面にはスリット状開口の上縁部が嵌まり込む溝23が形成されており、第2係合部21の下面にはケース表面に当接するストッパ24を形成することによって、確実な固定を可能としている。
特開平10−44870(特願平8−215984)
特開2000−289529(特願平11−102136)

概要

非使用時に把持ボードを水平および垂直方向に2種類の保持状態を可能とすると共に、トノカバーシートおよび把持ボードを巻取り収納する時および引き出して使用する時に、煩雑な操作を必要としない操作性に優れたトノカバー装置を提供する。トノカバーシート展張時に荷室側部に設けた係止装置と係止固定する係止フックに、収納ケースのスリット状開口に係合可能な上(下)緩衝係合部材一体成形し、また、上緩衝係合部材にケース上縁厚肉部に類似した曲率を有する凹溝を形成し、下緩衝係合部材の表面を段階的に角度を変えて傾斜する形状とするとともに、ケース下縁がケース上縁よりもトノカバーシート引出方向に突出した構成とする。

目的

本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、トノカバーシート展張時に荷室側部に設けた係止装置に係止可能な係止フックを、トノカバーシートの一端縁に結合されている把持ボードの両端に取付け、前記係止フックに収納ケースに設けたスリット状開口に係合する係合部材を一体成形することによって、非使用時に把持ボードを水平および垂直方向に2種類の保持状態を可能とするトノカバー装置において、トノカバーシートおよび把持ボードを巻取り収納する時および引き出して使用する時に、前記収納ケースのスリット状開口を弾性変形させることなく前記係合部材を係脱して把持ボードを水平および垂直に切り替え保持でき、その際に煩雑な操作を必要としない操作性に優れたトノカバー装置を提供することを目的としている。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
4件

この技術が所属する分野

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請求項1

車両後部の荷室遮蔽するトノカバーシートと、該トノカバーシートをスリット状開口を介して巻取り収納可能となるように、巻取り方向回転付勢手段を設けた巻取り軸を内蔵したケースとをもってなるトノカバー装置であって、前記トノカバーシートの先端には、把持ボードが結合されており、前記トノカバーシートを展開時に前記荷室側部に設けた係止装置係止可能な係止フックが前記把持ボードの両端に取り付けられるとともに、前記係止フックは前記ケースへの係合手段を有するものであって、前記係合手段はケースに設けたスリット状開口と係合する上下の緩衝係合部材からなり、前記トノカバーシートの巻取り収納時に、前記スリット状開口におけるケース上縁厚肉部と前記係合手段の上緩衝係合部材が係合し、かつケース下縁厚肉部と前記係合手段の下緩衝係合部材とが係合して、前記把持ボードを水平に支持する第1の把持ボード支持状態をとることを特徴とする車両用トノカバー装置

請求項2

前記トノカバーシート巻取り収納時に、前記第1の把持ボード支持状態に替えて、前記ケースの外側に下緩衝係合部材が当接して、前記把持ボードを垂直方向に支持する第2の把持ボード支持状態を選択的にとることが可能であることを特徴とする請求項1に記載の車両用トノカバー装置。

請求項3

前記上緩衝係合部材には、前記ケース上縁厚肉部に類似する曲率を有した凹溝が形成されていることを特徴とする請求項1、2に記載の車両用トノカバー装置。

請求項4

前記緩衝係合部材のケースへの当接部には、柔軟な表皮材が貼着されていることを特徴とする請求項1〜3に記載の車両用トノカバー装置。

請求項5

前記下緩衝係合部材のケースとの当接面は段階的に角度を変えて傾斜する形状としたことを特徴とする請求項1に記載の車両用トノカバー装置。

請求項6

前記ケースのスリット状開口において、前記ケース下縁厚肉部が前記ケース上縁厚肉部よりも前記トノカバーシート引出方向に突出して位置するように前記ケースを形成したことを特徴とする請求項1に記載の車両用トノカバー装置。

技術分野

0001

本発明は、車両の荷室遮蔽するトノカバー装置に関するものである。

背景技術

0002

従来より、荷室が乗員室区画されておらず、リヤシートの後部に荷室が設けられるハッチバック型の自動車などでは、荷室に載置した荷物を外部から視認されないようにするために、荷室全体を遮蔽するトノカバーシートとこのトノカバーシートを巻取り収納する筒状のケースからなるトノカバー装置が設けられている。

0003

この種のトノカバー装置は、トノカバーシートの一端縁部が固着された巻取り軸収納ケース内に回転可能に支持されており、巻取り軸は巻取り方向回転付勢させて、トノカバーシートを巻取り収納可能としている。トノカバー装置は荷室のリヤシート後部近くに設けられ、収納ケースに形成したスリット状の開口からトノカバーシートを車両後方引出可能とすることで、荷室を覆い隠す構成となっている。

0004

トノカバーシートの引出端には、手で掴むための把持部を設けるために、また、引出開口よりも大きく形成することで、トノカバーシートの引出端が内部に巻き取られることを防ぐことを目的として、板状の把持ボードが結合されており、操作性が高められている。また、荷室の後端部を形成するバックドアは通常、後側に湾曲した形状となっているため、把持ボードをこの形状に対応した形状とすることで荷室全面を覆い隠すことが可能な構成とすることができる。

0005

トノカバー装置を使用する際には、把持ボードに形成した把持部を掴み、巻取り軸の付勢力に抗して収納ケースの引出開口からトノカバーシートを引き出し、把持ボードの両端部に取付け係止フック荷室側部に設けた係止装置係止させて、トノカバーシートの展張状態を維持固定する。

0006

このような把持ボードは一定の厚みを有した樹脂などの成形体からなるため、トノカバーシートの巻取り収納時には、把持ボードの自重によって垂れ下がった状態となり、車両走行時には振動等によって、把持ボードが収納ケースなどと干渉して異音が発生するという不具合が生じていた。

0007

上述のような問題を解決する為の構成が特許文献1に開示されている。この文献に記載のトノカバー装置は、把持ボードに係止具を設けるとともに、ケースの両端を覆うキャップに前記係止具が嵌まり込む係合孔を形成し、トノカバーシートを巻取り収納時に前記係止具と前記係合孔とが嵌合することによって、前記把持ボードが水平に保持可能であり、上記課題を解決できるとしている。また、前記把持ボードを垂直に垂れ下げ保持状態へと切り替えることも可能であるとしている。

0008

しかしながら、この特許文献1に記載のトノカバー装置においては、把持ボードに前記キャップと係合する係止具、そして、ケースの両端に取付けられる前記キャップには、前記係止具と係合する係合孔を形成する必要があり、その分、加工工数が増え、コストが嵩むという課題が残っていた。

0009

上述のような問題を解決する為の構成が特許文献2に開示されている(図5)。この文献に記載のトノカバー装置は、トノカバーシート20展張時に車両に設けた係止部に係合して、展張状態を維持する為の一対の係止具が把持ボードの両端に設けられ、この係止具にはそれぞれ、車両の前記係止部に係合する第1係合部のほかに、ケースのスリット状開口22に係合する第2係合部21が一体形成されているとともに、前記スリット状開口22がその開口幅を広げる向きに弾性変形可能に形成され、第2係合部21は前記スリット状開口を弾性変形させつつ嵌まり込むことによって係合するため、キャップに係合孔を設けることなく、また、部品点数を増やすことなく、把持ボードを水平に保持し垂れ下がりを防止可能としている。また、前記第2係合部21の上面にはスリット状開口の上縁部が嵌まり込む溝23が形成されており、第2係合部21の下面にはケース表面に当接するストッパ24を形成することによって、確実な固定を可能としている。
特開平10−44870(特願平8−215984)
特開2000−289529(特願平11−102136)

発明が解決しようとする課題

0010

しかしながら、上記特許文献2に記載の技術においては把持ボードが垂れ下がらないように水平に維持固定するために、ケースのスリット状開口を弾性変形させて係合部を嵌めこみ、弾性変形させたスリット状開口の復元力による弾性挟持力で固定するという構成としており、前記係止具を脱着する際に、ケースのスリット状開口を弾性変形させて拡開させる必要があるため、度重なる使用によって、係止具が破損したり、係止具の磨耗あるいはケース開口部の弾性力低下によって係合が緩くなって異音が発生したりする不具合が予想される。また、収納ケース表面に当接するストッパを前記係合部に形成している為、荷室スペース最大限に利用したい場合に、把持ボードを垂直に垂れ下げてスペースを確保することを考慮しておらず、垂れ下げて使用すると前記ストッパがケースや荷物と干渉して、異音が発生したり、破損したりする虞があった。

0011

本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、トノカバーシート展張時に荷室側部に設けた係止装置に係止可能な係止フックを、トノカバーシートの一端縁に結合されている把持ボードの両端に取付け、前記係止フックに収納ケースに設けたスリット状開口に係合する係合部材一体成形することによって、非使用時に把持ボードを水平および垂直方向に2種類の保持状態を可能とするトノカバー装置において、トノカバーシートおよび把持ボードを巻取り収納する時および引き出して使用する時に、前記収納ケースのスリット状開口を弾性変形させることなく前記係合部材を係脱して把持ボードを水平および垂直に切り替え保持でき、その際に煩雑な操作を必要としない操作性に優れたトノカバー装置を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0012

上記目的を達成する為に、請求項1記載のトノカバー装置は、車両後部の荷室を遮蔽するトノカバーシートと、該トノカバーシートをスリット状開口を介して巻取り収納可能となるように、巻取り方向に回転付勢手段を設けた巻取り軸を内蔵したケースとをもってなるトノカバー装置であって、前記トノカバーシートの先端には、把持ボードが結合されており、前記トノカバーシート展張時に前記荷室側部に設けた係止装置に係止可能な係止フックが前記把持ボードの両端に取付けられ、さらに、前記係止フックには上下の緩衝係合部材からなる係合手段を有するものであって、前記トノカバーシートの巻取り収納時に、前記ケースのスリット状開口におけるケース上縁と前記係合手段の上緩衝部材が係合し、かつケース下縁と前記係合手段の下緩衝部材とが当接して、前記把持ボードを水平に支持する第1の把持ボード支持状態をとることを特徴とする。

0013

また、前記トノカバーシート巻取り収納時には、前記第1の把持ボード支持状態に替えて、前記ケースと下緩衝係合部材とが当接して、前記把持ボードを垂直方向に支持する第2の把持ボード支持状態を選択的にとる構成とする(請求項2)。

0014

前記上緩衝係合部材には、ケースの開口縁に形成したケース上縁厚肉部に類似する曲率を有した凹溝が形成され(請求項3)、前記緩衝係合部材のケースへの当接部には、柔軟な表皮材を貼着した構成(請求項4)とする。

0015

トノカバーシート巻取り収納時には、トノカバーシートおよび把持ボードが巻取り軸に設けた回転付勢手段によってケース内部に引き込まれ、前記下緩衝係合部材が前記ケース下縁と当接することによって、上(下)緩衝係合部材および把持ボードが軌道を変え、前記上緩衝係合部材の凹溝が前記ケース上縁に嵌まり込むように、前記下緩衝部材の表面が段階的に角度を変えて傾斜する形状とする(請求項5)。

0016

また、前記ケースのスリット状開口において、前記ケース下縁厚肉部が前記ケース上縁厚肉部よりも前記トノカバーシート引出方向に突出して位置するように前記ケースを形成したことを特徴とする(請求項6)。

発明の効果

0017

請求項1に記載の発明によれば、トノカバーシート展張時に車両側部に設けた係止部に係止して、トノカバーシートの展張状態を維持固定するための係止フックを把持ボードに取り付け、この係止フックにケースのスリット状開口に係合する上(下)緩衝係合部材を設けることによって、把持ボードを水平に保持固定することが可能となり、あらたに把持ボードの固定装置や係止部の受けなどの部品を必要とすることがなく垂れ下がりを防止できる。そのため、走行時に把持ボードが垂れ下がり、ケースや荷物と干渉することによって発生する異音を防止することが可能となる。

0018

請求項2に記載の発明によれば、トノカバーシート収納時に把持ボードを水平に固定する第1の支持状態に替わり把持ボードを垂直に位置させる第2の支持状態を選択的にとることが可能であり、荷室のスペースを広げてより大きな荷物も積載することが可能となる。

0019

請求項3に記載の発明によれば、前記把持ボードの第1の支持状態において、ケースの開口縁に形成したケース上縁厚肉部に類似する曲率を有した凹溝が上緩衝係合部材に形成されており、把持ボード第1の支持状態において、前記ケース上縁厚肉部と上緩衝係合部材との接触面積を増やすことによって、より確実で強固な係合が可能となり、把持ボードを安定して水平支持できるようになる。

0020

請求項4に記載の発明によれば、前記緩衝係合部材のケースへの当接部には柔軟な表皮材が貼着されており、トノカバーシートを巻取り収納する際に、前記表皮材がクッション役割を担い、前記緩衝係合部材がケースへと当接するときに、衝撃を吸収して不快な打音の発生を防止すると共に、前記緩衝係合部材およびケースの破損、変形などを防止することを可能としている。また、前記把持ボードを垂直に保持する第2の支持状態において、前記緩衝係合部材に貼着された表皮材が衝撃を吸収するクッションの役割を担い、車両走行時のガタツキによる異音の発生を防ぐ効果が得られる。

0021

請求項5に記載の発明によれば、緩衝係合部材はケースへ近づく程、上下方向の幅が狭くなる形状となるとともに、下緩衝係合部材当接面が段階的に角度を変えて傾斜する形状となっているため、前記緩衝係合部材および把持ボードは軌道を変えながらケースへと巻取り収納され、収納ケースおよび上(下)緩衝係合部材の変形を必要とすることなく、前記上緩衝係合部材の凹溝がケースのケース上縁厚肉部に嵌まり込み、上(下)緩衝係合部材がケースのスリット状開口と係合して、把持ボードを水平保持可能となるため、従来の弾性変形を伴う嵌合構造における、度重なる使用により係合が緩くなったり、緩衝係合部材が破損したりするという課題を解決することができる。

0022

請求項6に記載の発明によれば、ケースのスリット状開口において、ケース下縁厚肉部がケース上縁厚肉部よりもトノカバーシート引出方向に突出して位置しているため、トノカバーシート巻取り収納時に、先に下緩衝係合部材がケース下縁厚肉部に当接するため、下緩衝係合部材に形成した斜面が前記ケース下縁厚肉部と当接しながら巻き取られる、すなわち、緩衝係合部材および把持ボードが下緩衝係合部材に形成した斜面に対応した軌道を描いて巻き取られるため、上緩衝部材とケース上縁厚肉部が干渉することなく、上緩衝係合部材に形成した凹溝に上縁厚肉部が嵌まり込むことができるので、係合部材やケースを変形することなく、確実に把持ボードを水平支持状態とすることができる。

発明を実施するための最良の形態

0023

以下、図面をもとに本発明の好適な実施形態について説明する。図1は本発明におけるトノカバー装置の実施例を示した斜視図である。トノカバー装置1は車両の後部荷室においてリヤシート背後に設けられ、ケース5内に巻取り収納されたトノカバーシート4を把持ボード2を掴んで、車両後部方向に引き出し、車両側に設けた係止装置(不図示)に係止フック3を係止させることによって前記トノカバーシート4の展張状態を維持し、荷室を遮蔽して、荷室に載置した荷物が車両外部から視認されないようにすることができる。

0024

ケース5はアルミニウムなどの金属を、自動車の室内幅と略等しい長さを有する筒状となるように押出成形するとともに、この筒状の押出成形物の両端を、TPO(オレフィン系熱可塑性エラストマー)などの熱可塑性樹脂又は各種ゴムなどからなるキャップ11を嵌め合わせることで形成される。ケース5内部にはトノカバーシート4の一端縁部が結合された巻取り軸が内蔵されており、巻取り軸の両端部は前記キャップ11によって軸支されている。巻取り軸はトノカバーシート4の巻取り収納方向に付勢されている巻取り機構を有している。自動車室内には前記キャップ11と略同じ大きさの凹部(不図示)が設けられており、この凹部に前記キャップ11を嵌め込むことで前記トノカバー装置1は荷室に装着されて使用されるため、前記トノカバー装置1は着脱可能な構成となっている。

0025

前記ケース5には前記トノカバーシート4の幅よりも大きなスリット状開口6が、ケース5の長手方向に沿って形成されている。前記トノカバーシート4は塩化ビニルレザーなどの柔軟で遮光性のある素材が用いられ、その一端縁はケース5に内蔵された巻取り軸に固着され、それと対向する他端縁には荷室の後端に沿う形状を有する、硬質な樹脂製の把持ボード2が固着されている。前記把持ボード2は、前記トノカバーシート4の引き出しを容易にするためだけではなく、上述したように、バックドアの形状に沿って非矩形状をした荷室後部を覆うことを可能としている。また、把持ボード2の厚みは前記スリット状開口6の厚みよりも厚くする、あるいは、把持ボード2の長さを前記スリット状開口6の長さよりも長く形成することによって、前記把持ボード2がケース5内へ引き込まれることを防ぐストッパの役割も担っている。トノカバーシート4の巻取り収納時には、前記把持ボード2の両端部に取付けられた係止フック3に形成した緩衝係合部材とスリット状開口6とが係合することによって、前記把持ボード2を水平保持し、第1の把持ボード支持状態となる。

0026

図2に前記係止フック3の斜視図(a)と正面図(b)を示している。支持部上片3aと支持部下片3bとで把持ボードを挟持固定するとともに、ネジ孔3eにネジ挿通してネジ止めすることによって前記把持ボードに係止フック3を取付け固定する。前記係止フック3には、上緩衝係合部材7および下緩衝係合部材8が一体形成されており、該上(下)緩衝係合部材が前記スリット状開口6と係合する。上緩衝係合部材7および下緩衝係合部材8は、それぞれ、係止フック3の支持部上片3aと支持部下片3bから連続して一体的に形成されるものであり、ケース5に面する向きに膨出形成される。また、前記係止フック3には前記トノカバーシート4を前記ケース5から引き出した展張状態を維持させる為に、車両側に設けられた係止装置に係止可能な係止溝3cおよび係止部3dが一体成形されている。前記係止フック3はPOM(ポリアセタール)、PP(ポリプロピレン)、PBTポリブチレンテレフタレート)などの優れた強度特性耐摩耗性耐疲労性を備えた材料が好適に用いられる。

0027

図3図1のA−A線の拡大断面図である。前記トノカバーシート4はその一端を巻取り方向に付勢された巻取り軸9と結合されており、また、他端は把持ボード2と結合している。また、ケース5にはケース5の両端に取付けられるキャップ11を固定するためのネジ溝10が設けられている。前記ケース5の開口部を構成するケース5の縁部は曲率を有した厚肉部(ケース上縁厚肉部5a、ケース下縁厚肉部5b)が一体的に形成されている。上緩衝係合部材7は係止フック3から膨出していったん下方に湾曲した後、膨出方向の先端は上方へ突出させて凸部7bが形成され、結果として凸部7bの手前には相対的な凹溝7aが形成される。この時、前記凹溝7aは前記ケース上縁厚肉部5aと類似した曲率を持つように形成され、前記上縁厚肉部5aと前記凹溝7aが係合することによって確実な固定が可能となっている。

0028

また、前記下緩衝係合部材8の外表面は上方向に段階的に傾斜した形状となっており、トノカバーシート4の巻取り収納時に、巻取り軸9の巻取り力によってスリット状開口6に向かって、前記トノカバーシートとともに巻き取られた前記係止フック3に形成された下緩衝係合部材8の傾斜面と前記ケース下縁厚肉部5bとが当接し、前記傾斜面に沿って前記上(下)緩衝係合部材が前記ケース開口部との係合位置に到達するまで移動する。ここで、前記下緩衝係合部材の前記傾斜面は段階的に角度の異なる複数の傾斜面からなる形状となっており、このため、前記係止フック3は方向を変えながら前記スリット状開口6へ嵌まり込む為、前記ケースの開口部または係合部材を弾性変形させることなく、前記上(下)緩衝係合部材は前記スリット状開口に係合することが可能となる。

0029

この時、前記ケース5のスリット状開口6において、前記ケース下縁厚肉部5bが前記ケース上縁厚肉部5aよりも前記トノカバーシート4引出方向に突出して位置するように前記ケース5を形成しているため、トノカバーシート4の巻取り収納時に、前記上緩衝係合部材7と前記ケース上縁厚肉部5aが当接する前に、前記下緩衝係合部材8と前記ケース下縁厚肉部5bが当接するため、前記上緩衝係合部材7の先端部が前記ケース上縁厚肉部に引っ掛かり、係合位置まで到達することができずに、把持ボード2が正常な保持状態とならずに中途半端な位置に保持されるといった不具合を防止することができる。また、前記下緩衝係合部材8の前記ケース下縁厚肉部5bとの当接面には、柔軟な表皮材12が貼着されており、巻取り収納時に前記ケース下縁厚肉部5bと当接する際に、クッションの役割を担うため不快な打音の発生を防止するとともに、前記第2の把持ボード支持状態において、車両走行時のガタツキによる異音の発生も防止することができる。表皮材12としては、各種の不織布や織布、レザー表皮材などを用いることが可能であり、特に不織布を用いることが最も適する。不織布は、表面の摩擦係数が少ないので、下緩衝係合部材8がケース下縁厚肉部5bに当接しながら摺動する際に、円滑な摺動が確保され、本発明のトノカバー装置に用いるのに適する。

0030

図4(a)、(b)、(c)に前記把持ボード2、前記係止フック3および前記上(下)緩衝係合部材7、8を使用状態から、巻取り収納して、第1の把持ボード支持状態となるまでの態様を、また、図4(d)、(e)、(f)に第1の把持ボード支持状態から第2の把持ボード支持状態へと切り替えた時の態様を示した。

0031

トノカバー装置の使用状態、すなわち、把持ボード2を掴んでケース5からトノカバーシート4を引き出し、前記把持ボード2の両端に取付けた係止フック3の係止溝3cおよび係止部3dを車両側に設けた係止装置に係止させて、トノカバーシート4の展張状態を保った状態から、前記把持ボード2と手で掴み、前記係止装置と係止フック3との係止を解除して手を離すと、前記巻取り軸9の巻取り力によって前記トノカバーシート4は自動的に巻き取られる。ここで、前記把持ボード2は前記トノカバーシート4と一体であるから連動して、前記ケース5方向へと引っ張られて、前記ケース下縁厚肉部5bと前記下緩衝係合部材8の先端部とが当接する(図4(a))。

0032

この時、上緩衝係合部材7とケース上縁厚肉部5aとが接触しないように、ケース下縁厚肉部5bはケース上縁厚肉部よりもよりもトノカバーシート4の引き出し方向に突出して位置するようなケース形状とするとともに、前記ケース上縁厚肉部5a、前記ケース下縁厚肉部5bおよび巻取り軸の位置関係を、巻取り収納時に前記下緩衝係合部材8の先端部と前記ケース下縁厚肉部とが図のように当接するように、把持ボードの重量との関係から最適に設計する。

0033

図4(a)の状態から、さらに、前記巻取り軸4の巻取り力によって前記下緩衝係合部材の外表面に段階的に形成された斜面に沿って移動する為、前記上緩衝係合部材7の先端に形成した凸部7bが前記ケース上縁厚肉部5aのケース内方へと回り込み前記凹溝7aと前記ケース上縁厚肉部5aが嵌合して、第1の把持ボード支持状態をとることが可能となる(図4(b)、(c))。

0034

第1の把持ボード支持状態から、把持ボードを垂直に垂れ下げた第2の把持ボード支持状態へと切り替えるには、前記把持ボード2の端部を持ち上げて、前記ケース上縁厚肉部5aと前記上緩衝係合部材7に形成した凹溝7aとの嵌合を外して(図4(d))、前記下緩衝係合部材8とケースを前記ケース下縁厚肉部5bおよびケースの外周に沿わせて、前記把持ボード2を下方へ引き倒し(図4(e))、図4(f)の第2の把持ボード支持状態となるように位置させる。

図面の簡単な説明

0035

本発明の実施態様を示した斜視図である。
本発明の係止フックの斜視図および正面図である。
図1のA−A線の拡大断面図である。
上下緩衝係合部材がスリット状開口と係合する態様を示した断面図。
従来のトノカバー装置の係合状態を示した断面図である。

符号の説明

0036

1トノカバー装置
2把持ボード
3係止フック
3a 支持部上片
3b 支持部下片
3c係止溝
3d係止部
3eネジ孔
4トノカバーシート
5ケース
5a ケース上縁厚肉部
5bケース下縁厚肉部
6スリット状開口
7上緩衝係合部材
7a凹溝
7b 凸部
8 下緩衝係合部材
8a 先端部
9巻取り軸
10ネジ溝
11キャップ
12 表皮材

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