図面 (/)

技術 冷却装置制御装置、冷却装置異常検出装置、冷却装置異常検出方法および冷却装置の異常検出をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 石下晃生
出願日 2004年5月20日 (17年9ヶ月経過) 出願番号 2004-150263
公開日 2005年12月2日 (16年2ヶ月経過) 公開番号 2005-333738
状態 未査定
技術分野 車両の電気的な推進・制動 車両の電気的な推進・制動
主要キーワード ファン回路 初期化判定 周波数電圧変換回路 想定温度 一定能力 故障検知装置 一致比較動作 ファン出力
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年12月2日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (6)

課題

車両に搭載されるバッテリ用冷却ファン異常検出を短時間かつ効率良く実施する。

解決手段

車両システム起動後、モード指令部84は、補機バッテリ50のクリアを判定する。バックアップ用RAM66の記憶情報消失されたことにより補機バッテリ50がクリアされたことを判定すると、モード指令部84は、所定の冷却モードを指示する冷却モード指令信号SIをファン回路32に出力するとともに、タイマ68により所定時間の計時を開始する。ファン回路32は、所定の冷却モードでファンモータ36を駆動するとともにファンモータ36の回転数を検出し、ファン出力信号VMとしてモード指令部84に伝達する。モード指令部84は、ファン出力信号VMと指示した所定の冷却モードとの比較結果から冷却ファン30の異常を検出する。タイマ68にて所定時間が経過したことを検知して異常検出を終了する。

概要

背景

通常、EV(Electric Vehicle)やHV(Hybrid Vehicle)等の車両において、電気エネルギーによる駆動力は、高電圧メインバッテリから供給される直流電力インバータによって3相交流電力を変換し、これにより3相交流モータを回転させることにより得ている。また、車両の減速時には、逆に3相交流モータの回生発電により得られる回生エネルギーをメインバッテリに蓄電することにより、エネルギーを無駄なく利用して走行している。

さらに、車両においては、高電圧のメインバッテリとは別に、灯火装置点火装置電動ポンプなどの補機電装品電力を供給する補機バッテリが搭載されている。この補機バッテリは、オルタネータにより発電された電力、またはメインバッテリからの電力によって充電される。特に、メインバッテリからの電力により補機バッテリが充電される場合には、DC/DCコンバータにより電圧降圧される。

このようなメインバッテリには、主としてニッケル水素電池リチウムイオン電池などが用いられる。このため、メインバッテリの充電時には、化学反応による反応熱が発生して電池温度が上昇する。電池温度の上昇は、電池の性能および電池の寿命劣化させる原因となる。したがって、電池温度の上昇を抑えるためには、メインバッテリの冷却手段が必要となる。また、インバータやDC/DCコンバータについても、パワー素子による発熱を生じるため、冷却が必要になる。

このため、車両においては、メインバッテリ、インバータおよびDC/DCコンバータを冷却するための冷却ファンが搭載される。通常、冷却ファンは、メインバッテリなどの冷却対象の温度を検知して作動し、冷却対象を所定の温度範囲に調整するという構成が採用される。

ここで、冷却ファンにおいては、結線上に断線溶着などの異常が起こり得る。また、冷却ファンの制御に異常が生じる場合もある。このような異常が発生すると、冷却ファンの冷却能力が低下し、メインバッテリを適切な状態に維持することが困難となる。

そこで、冷却ファンの異常を検出する手段としては、たとえば特許文献1に記載されるように、冷却ファンを作動させる制御を行なったときの電池温度と冷却ファンの作動を停止させる制御を行なったときの電池温度との差を所定のしきい値と比較して、冷却ファンの正常・異常を判断する方法が提案されている。

また、特許文献2では、バッテリの発熱量と冷却ファンの冷却能力とからバッテリの想定温度変化量を算出する想定温度変化量算出手段と、バッテリの実温度変化量を算出する実温度変化量算出手段と、算出された想定温度変化量と実温度変化量との比較結果に基づいて冷却ファンの故障を検知する故障検知手段とを備えた冷却ファン故障検知装置が開示されている。

また、特許文献3では、ハイブリッドシステムの走行処理が開始してバッテリの蓄電量を算出した後にファン異常判定処理を行ない、ファン異常判定処理の結果をバッテリの充放電電力に反映することにより、予想以上のバッテリの低温化や高温化によるバッテリ劣化を防止する方法が開示されている。
特開2002−343449号公報
特開2001−86601号公報
特開平11−252808号公報
特開2003−142167号公報

概要

車両に搭載されるバッテリ用冷却ファン異常検出を短時間かつ効率良く実施する。車両システム起動後、モード指令部84は、補機バッテリ50のクリアを判定する。バックアップ用RAM66の記憶情報消失されたことにより補機バッテリ50がクリアされたことを判定すると、モード指令部84は、所定の冷却モードを指示する冷却モード指令信号SIをファン回路32に出力するとともに、タイマ68により所定時間の計時を開始する。ファン回路32は、所定の冷却モードでファンモータ36を駆動するとともにファンモータ36の回転数を検出し、ファン出力信号VMとしてモード指令部84に伝達する。モード指令部84は、ファン出力信号VMと指示した所定の冷却モードとの比較結果から冷却ファン30の異常を検出する。タイマ68にて所定時間が経過したことを検知して異常検出を終了する。

目的

それゆえ、この発明のある目的は、短時間かつ効率良く冷却ファンの異常検出が可能な冷却装置制御装置を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
5件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

車両に搭載された電気機器冷却装置を制御する冷却装置制御装置であって、前記電気機器は、第1電源と、前記第1電源の直流電圧を変換してモータを駆動する電力変換器と、前記第1電源からの電力の供給を受けて充電される第2電源とを含み、前記電気機器の温度情報に基づいて、前記冷却装置の冷却媒体供給量を制御する冷却装置制御手段と、前記第2電源が初期化されたことに応じて前記冷却装置の異常を検出する冷却装置異常検出手段とを備える、冷却装置制御装置。

請求項2

前記冷却装置異常検出手段は、前記第2電源の新品交換後において、前記冷却装置の異常を検出する、請求項1に記載の冷却装置制御装置。

請求項3

前記第2電源の初期化とは、前記第2電源が取り替えられたことによって初期化されるものである、請求項1に記載の冷却装置制御装置。

請求項4

前記冷却装置制御手段は、前記第2電源が初期化されたか否かを判定する初期化判定手段と、各々が互いに異なる前記冷却媒体の供給量を指示する複数のモードを有し、前記初期化判定手段の判定結果と前記電気機器の温度情報とに基づいて、前記複数のモードから選択した1つのモードを指令するモード指令を前記冷却装置に出力するモード指令手段と、前記モード指令の出力期間を計時するタイマ手段とをさらに含み、前記モード指令手段は、前記第2電源が初期化されたと判定されると、前記冷却装置の異常判定に必要な前記冷却媒体の供給量を指示する所定モードを選択し、前記所定モードの指令を所定期間にわたって出力し、前記冷却装置異常検出手段は、前記所定期間において、前記冷却装置の冷却媒体の供給量が前記所定モードの供給量に等しいか否かに基づいて、前記冷却装置の異常を判定する、請求項1から3のいずれか1項に記載の冷却装置制御装置。

請求項5

前記冷却装置制御手段は、前記第2電源から電力の供給を受けて一時的に情報を保持する記憶手段をさらに含み、前記初期化判定手段は、前記記憶手段において前記情報が消失されたことに基づいて、前記第2電源が初期化されたと判定する、請求項4に記載の冷却装置制御装置。

請求項6

前記冷却装置は、前記モード指令によって指示された供給量の前記冷却媒体を発生する冷却媒体発生手段と、前記冷却媒体の発生量を検出して、検出結果を前記冷却装置異常検出手段に伝達する発生量検出手段とを含む、請求項5に記載の冷却装置制御装置。

請求項7

前記初期化判定手段は、前記車両の起動時において、前記第2電源が初期化されたか否かを判定する、請求項6に記載の冷却装置制御装置。

請求項8

前記冷却装置は、前記第2電源から電力の供給を受けて前記電気機器を冷却する、請求項7に記載の冷却装置制御装置。

請求項9

車両に搭載される電気機器を冷却する冷却装置の異常を検出する冷却装置異常検出装置であって、前記電気機器は、第1電源と、前記第1電源の直流電圧を変換してモータを駆動する電力変換器と、前記第1電源からの電力の供給を受けて充電される第2電源とを含み、前記第2電源が初期化された否かを判定する初期化判定手段と、前記第2電源が初期化されたと判定されたことに応じて、前記冷却装置の異常を検出する異常検出手段とを備える、冷却装置異常検出装置。

請求項10

前記異常検出手段は、前記第2電源の新品交換後において、前記冷却装置の異常を検出する、請求項9に記載の冷却装置異常検出装置。

請求項11

前記第2電源は、前記冷却装置の異常検出時に新品の第2電源に交換される、請求項9に記載の冷却装置異常検出装置。

請求項12

前記初期化判定手段は、前記第2電源から電力の供給を受けて一時的に記憶される情報が消失されたことに基づいて、前記第2電源が初期化されたと判定する、請求項9から11のいずれか1項に記載の冷却装置異常検出装置。

請求項13

前記異常検出手段は、各々が互いに異なる冷却媒体の供給量を指示する複数のモードを有し、前記初期化判定手段の判定結果および前記電気機器の温度情報に基づいて、前記複数のモードから選択した1つのモードを指令するモード指令を前記冷却装置に出力するモード指令手段と、前記モード指令が出力される所定期間を計時するタイマ手段とを含み、前記モード指令手段は、前記第2電源が初期化されたと判定されると、前記冷却装置の異常判定に必要な前記冷却媒体の供給量を指示する所定モードを選択し、前記所定モードの指令を前記所定期間にわたって出力し、前記所定期間において、前記冷却装置の冷却媒体の供給量が前記所定モードの供給量に等しいか否かに基づいて、前記冷却装置の異常を判定する異常判定手段をさらに含む、請求項12に記載の冷却装置異常検出装置。

請求項14

前記初期化判定手段は、前記車両の起動時において、前記第2電源が初期化されたか否かを判定する、請求項13に記載の冷却装置異常検出装置。

請求項15

前記冷却装置は、前記第2電源から電力の供給を受けて前記電気機器を冷却する、請求項14に記載の冷却装置異常検出装置。

請求項16

車両に搭載される電気機器を冷却する冷却装置の異常を検出する冷却装置異常検出方法であって、前記電気機器は、第1電源と、前記第1電源の直流電圧を変換してモータを駆動する電力変換器と、前記第1電源からの電力の供給を受けて充電される第2電源とを含み、前記第2電源が初期化されたか否かを判定する初期化判定ステップと、前記第2電源が初期化されたと判定されたことに応じて、前記冷却装置の異常を検出する異常検出ステップとを備える、冷却装置異常検出方法。

請求項17

前記異常検出ステップは、前記第2電源の新品交換後において、前記冷却装置の異常を検出する、請求項16に記載の冷却装置異常検出方法。

請求項18

前記第2電源を新品の第2電源に交換するステップをさらに備える、請求項16に記載の冷却装置異常検出方法。

請求項19

前記初期化判定ステップは、前記第2電源から電力の供給を受けて一時的に記憶される情報が消失されたことに基づいて、前記第2電源が初期化されたと判定する、請求項16から18のいずれか1項に記載の冷却装置異常検出方法。

請求項20

前記異常検出ステップは、各々が互いに異なる冷却媒体の供給量を指示する複数のモードを有し、前記初期化判定手段の判定結果および前記電気機器の温度情報に基づいて、前記複数のモードから選択した1つのモードを指令するモード指令を前記冷却装置に出力するモード指令ステップと、前記モード指令が出力される所定期間を計時するステップとを含み、前記モード指令ステップは、前記第2電源が初期化されたと判定されると、前記冷却装置の異常判定に必要な前記冷却媒体の供給量を指示する所定モードを選択し、前記所定モードの指令を前記所定期間にわたって出力し、前記所定期間において、前記冷却装置の冷却媒体の供給量が前記所定モードの供給量に等しいか否かに基づいて、前記冷却装置の異常を判定する異常判定ステップをさらに含む、請求項19に記載の冷却装置異常検出方法。

請求項21

前記初期化判定ステップは、前記車両の起動時において、前記第2電源が初期化されたか否かを判定する、請求項20に記載の冷却装置異常検出方法。

請求項22

前記冷却装置は、前記第2電源から電力の供給を受けて前記電気機器を冷却する、請求項21に記載の冷却装置異常検出方法。

請求項23

車両に搭載される電気機器を冷却する冷却装置の異常検出をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体であって、前記電気機器は、第1電源と、前記第1電源の直流電圧を変換してモータを駆動する電力変換器と、前記第1電源からの電力の供給を受けて充電される第2電源とを含み、前記第2電源が初期化されたか否かを判定する初期化判定ステップと、前記第2電源が初期化されたと判定されたことに応じて、前記冷却装置の異常を検出する異常検出ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。

請求項24

前記異常検出ステップは、前記第2電源の新品交換後において、前記冷却装置の異常を検出する、請求項23に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。

請求項25

前記第2電源を新品の第2電源に交換するステップをさらにコンピュータに実行させる、請求項23に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。

請求項26

前記初期化判定ステップは、前記第2電源から電力の供給を受けて一時的に記憶される情報が消失されたことに基づいて、前記第2電源が初期化されたと判定する、請求項23から25のいずれか1項に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。

請求項27

前記異常検出ステップは、各々が互いに異なる冷却媒体の供給量を指示する複数のモードを有し、前記初期化判定手段の判定結果および前記電気機器の温度情報に基づいて、前記複数のモードから選択した1つのモードを指令するモード指令を前記冷却装置に出力するモード指令ステップと、前記モード指令が出力される所定期間を計時するステップとを含み、前記モード指令ステップは、前記第2電源が初期化されたと判定されると、前記冷却装置の異常判定に必要な前記冷却媒体の供給量を指示する所定モードを選択し、前記所定モードの指令を前記所定期間にわたって出力し、前記所定期間において、前記冷却装置の冷却媒体の供給量が前記所定モードの供給量に等しいか否かに基づいて、前記冷却装置の異常を判定する異常判定ステップをさらに含む、請求項26に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。

請求項28

前記初期化判定ステップは、前記車両の起動時において、前記第2電源が初期化されたか否かを判定する、請求項27に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。

請求項29

前記冷却装置は、前記第2電源から電力の供給を受けて前記電気機器を冷却する、請求項28に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。

技術分野

0001

この発明は、車両に搭載された電気機器冷却装置を制御する冷却装置制御装置に関し、特に、冷却装置の異常検出を検出するための冷却装置異常検出装置、冷却装置異常検出出方法および冷却装置の異常検出をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体に関する。

背景技術

0002

通常、EV(Electric Vehicle)やHV(Hybrid Vehicle)等の車両において、電気エネルギーによる駆動力は、高電圧メインバッテリから供給される直流電力インバータによって3相交流電力を変換し、これにより3相交流モータを回転させることにより得ている。また、車両の減速時には、逆に3相交流モータの回生発電により得られる回生エネルギーをメインバッテリに蓄電することにより、エネルギーを無駄なく利用して走行している。

0003

さらに、車両においては、高電圧のメインバッテリとは別に、灯火装置点火装置電動ポンプなどの補機電装品電力を供給する補機バッテリが搭載されている。この補機バッテリは、オルタネータにより発電された電力、またはメインバッテリからの電力によって充電される。特に、メインバッテリからの電力により補機バッテリが充電される場合には、DC/DCコンバータにより電圧降圧される。

0004

このようなメインバッテリには、主としてニッケル水素電池リチウムイオン電池などが用いられる。このため、メインバッテリの充電時には、化学反応による反応熱が発生して電池温度が上昇する。電池温度の上昇は、電池の性能および電池の寿命劣化させる原因となる。したがって、電池温度の上昇を抑えるためには、メインバッテリの冷却手段が必要となる。また、インバータやDC/DCコンバータについても、パワー素子による発熱を生じるため、冷却が必要になる。

0005

このため、車両においては、メインバッテリ、インバータおよびDC/DCコンバータを冷却するための冷却ファンが搭載される。通常、冷却ファンは、メインバッテリなどの冷却対象の温度を検知して作動し、冷却対象を所定の温度範囲に調整するという構成が採用される。

0006

ここで、冷却ファンにおいては、結線上に断線溶着などの異常が起こり得る。また、冷却ファンの制御に異常が生じる場合もある。このような異常が発生すると、冷却ファンの冷却能力が低下し、メインバッテリを適切な状態に維持することが困難となる。

0007

そこで、冷却ファンの異常を検出する手段としては、たとえば特許文献1に記載されるように、冷却ファンを作動させる制御を行なったときの電池温度と冷却ファンの作動を停止させる制御を行なったときの電池温度との差を所定のしきい値と比較して、冷却ファンの正常・異常を判断する方法が提案されている。

0008

また、特許文献2では、バッテリの発熱量と冷却ファンの冷却能力とからバッテリの想定温度変化量を算出する想定温度変化量算出手段と、バッテリの実温度変化量を算出する実温度変化量算出手段と、算出された想定温度変化量と実温度変化量との比較結果に基づいて冷却ファンの故障を検知する故障検知手段とを備えた冷却ファン故障検知装置が開示されている。

0009

また、特許文献3では、ハイブリッドシステムの走行処理が開始してバッテリの蓄電量を算出した後にファン異常判定処理を行ない、ファン異常判定処理の結果をバッテリの充放電電力に反映することにより、予想以上のバッテリの低温化や高温化によるバッテリ劣化を防止する方法が開示されている。
特開2002−343449号公報
特開2001−86601号公報
特開平11−252808号公報
特開2003−142167号公報

発明が解決しようとする課題

0010

しかしながら、上記の冷却ファンの異常検出方法によれば、バッテリの温度変化を異常検出判断の指標としているため、車両システム起動させてモータを駆動し、バッテリを通常動作させた状態でなければ、冷却ファンの異常を検出することができない。

0011

したがって、冷却ファンの異常検出には、少なくとも車両システムが起動してからバッテリ温度がある程度上昇した状態となるまでの所定の時間を要することになり、工場での出荷時やサービスでの修理時における異常検出の効率化が困難であった。

0012

また、従来の冷却ファン異常検出方法では、車両システムが起動するたびに検出動作を実行することから、必要以上の頻度で検出を行なっているケースもあり、この場合においても異常検出の効率化が求められていた。

0013

それゆえ、この発明のある目的は、短時間かつ効率良く冷却ファンの異常検出が可能な冷却装置制御装置を提供することである。

0014

この発明の別の目的は、冷却ファンの異常を短期間かつ効率的に検出可能な冷却装置異常検出装置および冷却装置異常検出方法を提供することである。

0015

この発明の別の目的は、冷却ファンの異常を短期間かつ効率的に検出可能な冷却装置の異常検出をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供することである。

課題を解決するための手段

0016

この発明のある局面によれば、車両に搭載された電気機器の冷却装置を制御する冷却装置制御装置であって、電気機器は、第1電源と、第1電源の直流電圧を変換してモータを駆動する電力変換器と、第1電源からの電力の供給を受けて充電される第2電源とを含み、冷却装置制御装置は、電気機器の温度情報に基づいて、冷却装置の冷却媒体供給量を制御する冷却装置制御手段と、第2電源が初期化されたことに応じて冷却装置の異常を検出する冷却装置異常検出手段とを備える。

0017

好ましくは、冷却装置異常検出手段は、第2電源の新品交換後において、冷却装置の異常を検出する。

0018

好ましくは、第2電源の初期化とは、第2電源が取り替えられたことによって初期化されるものである。

0019

好ましくは、冷却装置制御手段は、第2電源が初期化されたか否かを判定する初期化判定手段と、各々が互いに異なる冷却媒体の供給量を指示する複数のモードを有し、初期化判定手段の判定結果と電気機器の温度情報とに基づいて、複数のモードから選択した1つのモードを指令するモード指令を冷却装置に出力するモード指令手段と、モード指令の出力期間を計時するタイマ手段とをさらに含む。モード指令手段は、第2電源が初期化されたと判定されると、冷却装置の異常判定に必要な冷却媒体の供給量を指示する所定モードを選択し、所定モードの指令を所定期間にわたって出力する。冷却装置異常検出手段は、所定期間において、冷却装置の冷却媒体の供給量が所定モードの供給量に等しいか否かに基づいて、冷却装置の異常を判定する。

0020

好ましくは、冷却装置制御手段は、第2電源から電力の供給を受けて一時的に情報を保持する記憶手段をさらに含む。初期化判定手段は、記憶手段において情報が消失されたことに基づいて、第2電源が初期化されたと判定する。

0021

好ましくは、冷却装置は、モード指令によって指示された供給量の冷却媒体を発生する冷却媒体発生手段と、冷却媒体の発生量を検出して、検出結果を冷却装置異常検出手段に伝達する発生量検出手段とを含む。

0022

好ましくは、初期化判定手段は、車両の起動時において、第2電源が初期化されたか否かを判定する。

0023

好ましくは、冷却装置は、第2電源から電力の供給を受けて電気機器を冷却する。

0024

この発明の別の局面によれば、車両に搭載される電気機器を冷却する冷却装置の異常を検出する冷却装置異常検出装置であって、電気機器は、第1電源と、第1電源の直流電圧を変換してモータを駆動する電力変換器と、第1電源からの電力の供給を受けて充電される第2電源とを含み、冷却装置異常検出装置は、第2電源が初期化された否かを判定する初期化判定手段と、第2電源が初期化されたと判定されたことに応じて、冷却装置の異常を検出する異常検出手段とを備える。

0025

好ましくは、異常検出手段は、第2電源の新品交換後において、冷却装置の異常を検出する。

0026

好ましくは、第2電源は、冷却装置の異常検出時に新品の第2電源に交換される。

0027

好ましくは、初期化判定手段は、第2電源から電力の供給を受けて一時的に記憶される情報が消失されたことに基づいて、第2電源が初期化されたと判定する。

0028

好ましくは、異常検出手段は、各々が互いに異なる冷却媒体の供給量を指示する複数のモードを有し、初期化判定手段の判定結果および電気機器の温度情報に基づいて、複数のモードから選択した1つのモードを指令するモード指令を冷却装置に出力するモード指令手段と、モード指令が出力される所定期間を計時するタイマ手段とを含む。モード指令手段は、第2電源が初期化されたと判定されると、冷却装置の異常判定に必要な冷却媒体の供給量を指示する所定モードを選択し、所定モードの指令を所定期間にわたって出力する。異常検出手段は、所定期間において、冷却装置の冷却媒体の供給量が所定モードの供給量に等しいか否かに基づいて、冷却装置の異常を判定する異常判定手段をさらに含む。

0029

好ましくは、初期化判定手段は、車両の起動時において、第2電源が初期化されたか否かを判定する。

0030

好ましくは、冷却装置は、第2電源から電力の供給を受けて電気機器を冷却する。

0031

この発明の別の局面によれば、車両に搭載される電気機器を冷却する冷却装置の異常を検出する冷却装置異常検出方法であって、電気機器は、第1電源と、第1電源の直流電圧を変換してモータを駆動する電力変換器と、第1電源からの電力の供給を受けて充電される第2電源とを含み、第2電源が初期化されたか否かを判定する初期化判定ステップと、第2電源が初期化されたと判定されたことに応じて、冷却装置の異常を検出する異常検出ステップとを備える。

0032

好ましくは、異常検出ステップは、第2電源の新品交換後において、冷却装置の異常を検出する。

0033

好ましくは、冷却装置異常検出方法は、第2電源を新品の第2電源に交換するステップをさらに備える。

0034

好ましくは、初期化判定ステップは、第2電源から電力の供給を受けて一時的に記憶される情報が消失されたことに基づいて、第2電源が初期化されたと判定する。

0035

好ましくは、異常検出ステップは、各々が互いに異なる冷却媒体の供給量を指示する複数のモードを有し、初期化判定手段の判定結果および電気機器の温度情報に基づいて、複数のモードから選択した1つのモードを指令するモード指令を冷却装置に出力するモード指令ステップと、モード指令が出力される所定期間を計時するステップとを含む。モード指令ステップは、第2電源が初期化されたと判定されると、冷却装置の異常判定に必要な冷却媒体の供給量を指示する所定モードを選択し、所定モードの指令を所定期間にわたって出力する。異常検出ステップは、所定期間において、冷却装置の冷却媒体の供給量が所定モードの供給量に等しいか否かに基づいて、冷却装置の異常を判定する異常判定ステップをさらに含む。

0036

好ましくは、初期化判定ステップは、車両の起動時において、第2電源が初期化されたか否かを判定する。

0037

好ましくは、冷却装置は、第2電源から電力の供給を受けて電気機器を冷却する。

0038

この発明の別の局面によれば、車両に搭載される電気機器を冷却する冷却装置の異常検出をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体であって、電気機器は、第1電源と、第1電源の直流電圧を変換してモータを駆動する電力変換器と、第1電源からの電力の供給を受けて充電される第2電源とを含み、第2電源が初期化されたか否かを判定する初期化判定ステップと、第2電源が初期化されたと判定されたことに応じて、冷却装置の異常を検出する異常検出ステップとをコンピュータに実行させる。

0039

好ましくは、異常検出ステップは、第2電源の新品交換後において、冷却装置の異常を検出する。

0040

好ましくは、第2電源を新品の第2電源に交換するステップをさらにコンピュータに実行させる。

0041

好ましくは、初期化判定ステップは、第2電源から電力の供給を受けて一時的に記憶される情報が消失されたことに基づいて、第2電源が初期化されたと判定する。

0042

好ましくは、異常検出ステップは、各々が互いに異なる冷却媒体の供給量を指示する複数のモードを有し、初期化判定手段の判定結果および電気機器の温度情報に基づいて、複数のモードから選択した1つのモードを指令するモード指令を冷却装置に出力するモード指令ステップと、モード指令が出力される所定期間を計時するステップとを含む。モード指令ステップは、第2電源が初期化されたと判定されると、冷却装置の異常判定に必要な冷却媒体の供給量を指示する所定モードを選択し、所定モードの指令を所定期間にわたって出力する。異常検出ステップは、所定期間において、冷却装置の冷却媒体の供給量が所定モードの供給量に等しいか否かに基づいて、冷却装置の異常を判定する異常判定ステップをさらに含む。

0043

好ましくは、初期化判定ステップは、車両の起動時において、第2電源が初期化されたか否かを判定する。

0044

好ましくは、冷却装置は、第2電源から電力の供給を受けて電気機器を冷却する。

発明の効果

0045

この発明によれば、冷却ファンの異常検出は、工場での出荷時あるいはサービスでの修理時などの補機バッテリが初期化されるタイミングにおいてのみ実行され、実行後は、次に補機バッテリが初期化されるタイミングまで行なわれないことから、異常検出する頻度を必要最小限に抑え、異常検出の効率化を図ることができる。

0046

さらに、冷却ファンの異常検出のタイミングを補機バッテリの新品交換時とすることによって、異常検出の前提条件となる補機バッテリの性能が十分確保された上で検出が行なわれることとなり、冷却ファンの異常検出の確度を向上でき、冷却ファンを一定の能力に保つことができる。

0047

また、冷却ファンの異常検出は、車両システム起動後の初期の所定時間において実行されることから、バッテリ温度を検出して異常判定を行なう従来の異常検出方法に対して、より短い時間で異常検出をすることができる。

発明を実施するための最良の形態

0048

以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。

0049

図1は、この発明の実施の形態に従うモータ駆動装置の概略ブロック図である。

0050

図1を参照して、モータ駆動装置は、交流モータMに電力を供給するインバータ10と、インバータ10を介して電力を供給するメインバッテリ20と、冷却ファン30と、DC/DCコンバータ40と、補機バッテリ50と、バッテリの充放電を制御する電池ECU(Electrical Control Unit)60とを備える。

0051

交流モータMは、ハイブリッド自動車または電気自動車駆動輪を駆動するためのトルクを発生するための駆動モータである。また、ハイブリッド自動車においては、交流モータMは、駆動輪を駆動するモータではなく、エンジンにて駆動される発電機の機能を持つように、そして、エンジンに対して電動機として動作し、たとえばエンジン始動を行ない得るようなモータであってもよい。

0052

メインバッテリ20は、たとえばニッケル水素電池を多数直列に接続した構造からなる。他にも、メインバッテリ20としては、鉛蓄電池、リチウムイオン電池、キャパシタあるいは燃料電池であってもよい。

0053

インバータ10は、3相インバータであり、メインバッテリ20から直流電圧が供給されると、図示しない制御回路からの制御信号に基づいて直流電圧を3相交流電圧に変換して交流モータMを駆動する。これにより、交流モータMは、指定されたトルクを発生するように駆動される。

0054

DC/DCコンバータ40は、メインバッテリ20からの直流電圧を降圧して、補機バッテリ50および図示しない灯火装置などの補機電気負荷に電力を供給する。補機バッテリ50に供給された直流電圧は、補機バッテリ50を充電する。補機バッテリ50は、たとえば鉛蓄電池である。

0055

冷却ファン30は、メインバッテリ20を冷却対象とし、補機バッテリ50を電源として設けられる。なお、本実施の形態に係るモータ駆動装置において、冷却ファン30はメインバッテリ20を冷却対象とするように配されるが、メインバッテリ20の冷却に加えて、他の電気機器(たとえばDC/DCコンバータ40、インバータ10または電池ECU60)を冷却ファン30からの送風にて冷却する配置にしてもよい。

0056

モータ駆動装置は、メインバッテリ20の電池温度、端子間電圧および充放電電流値を検知するためのセンサ70をさらに備える。センサ70で検知された各種情報は、電池ECU60に伝送される。

0057

電池ECU60は、図1に示すように、バッテリ制御に関するプログラムを実行するCPU62と、CPU62で実行される制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)64やその制御プログラムの実行結果を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)66と、予め設定された時間の経過を検知するタイマ68とを含む。

0058

電池ECU60は、メインバッテリ20および補機バッテリ50の蓄電量を制御するとともに、冷却ファン30の送風量を制御してメインバッテリ20の電池温度を調整する。

0059

図2は、図1における電池ECU60による冷却ファン30の制御を説明するための制御ブロック図である。

0060

図2を参照して、冷却ファン30は、冷却空気を冷却対象に送風するファン38と、ファン38を回転させるファンモータ36と、ファンモータ36の回転数を制御するファン回路32とを備える。

0061

ファン回路32は、補機バッテリ50からの供給電圧VC接地電圧GNDとを電源電圧とし、電池ECU60のCPU62から送られる冷却モード指令信号SIに基づいて、ファンモータ36の回転数を制御する。これにより、ファン38の送風量が変化する。さらに、ファン回路32は、ファンモータ36の回転数を検出し、検出結果をファン出力信号VMとしてCPU62に出力する。

0062

電池ECU60において、CPU62は、メインバッテリ20および補機バッテリ50の蓄電量を制御するバッテリ制御部80と、冷却ファン30を制御する冷却ファン制御部82とを含む。

0063

バッテリ制御部80は、図1のセンサ70で検出されるバッテリの端子間電圧および充放電電流値からバッテリの蓄電量を算出する。算出したメインバッテリ20の蓄電量に応じて、交流モータMから発電された電力が使い分けられる。たとえば蓄電量が所定の値よりも低ければ、交流モータMは発電機として作用し、メインバッテリ20を充電する。一方、蓄電量が所定の値よりも高ければ、交流モータMは電動機として作用し、メインバッテリ20の電力を用いる。

0064

冷却ファン制御部82は、ファン38の送風量を指示する冷却モード信号SIを発生するモード指令部84を含む。

0065

モード指令部84は、通常制御時において、図1におけるセンサ70から送られるメインバッテリ20の温度情報に基づいて、ファン38の送風量を決定する。このとき、モード指令部84は、メインバッテリ20の温度レベルに応じて送風量が予め段階的に設定された複数の冷却モードを有しており、メインバッテリ20の温度に応じて適切な冷却モードを選択する。選択された冷却モードは、冷却モード指令信号SIとして、ファン回路32に出力される。

0066

ファン回路32では、与えられた冷却モード指令信号SIに対応する送風量となるようにファンモータ36を駆動する。ファンモータ36の回転数は、ファン回路32で検出されると、周波数電圧変換されてファン出力信号VMとしてモード指令部84に出力される。モード指令部84は、入力されたファン出力信号VMが指示した冷却モードに一致しているか否かを確認して、フィードバック制御を行なう。

0067

図3は、図2におけるファン回路32の詳細な構成を示す回路図である。

0068

図3を参照して、ファン回路32は、冷却モード指令信号SIに応じた制御デューティ指令値を発生するIC部33と、制御デューティ指令値に基づいた3相交流電圧を出力して、ファンモータ36を駆動するインバータ部34と、ファンモータ36の回転数を検出して回転数検出結果信号RDを周波数電圧変換する周波数電圧変換回路(以下、F/V変換回路とも称する)35とを含む。

0069

インバータ部34は、IC部33からの制御デューティ指令値に基づいて、補機バッテリからの直流電圧をU相、V相、W相からなる3相交流電圧に変換してファンモータ36を駆動する。

0070

ファンモータ36は、3相交流モータであり、3相交流電圧に応じて、冷却モード指令信号SIによって指定された送風量をファン38から発生させる。

0071

IC部33は、さらに、ファンモータ36の回転数を検出して、回転数検出信号RDをF/V変換回路35に出力する。

0072

F/V変換回路35は、回転数検出信号RDをその周波数に応じた電圧レベルの信号に変換する。変換後の回転数検出信号RDは、モード指令部84に伝達される。

0073

再び図2を参照して、モード指令部84は、冷却ファン30の異常の有無を判定する異常判定部86をさらに含む。

0074

異常判定部86は、以下に示すように、異常検出動作時において、ファン回路32から帰還されるファン出力信号VMに基づいて、冷却ファン30の異常の有無を判定する。

0075

以下に、本実施の形態に従う冷却ファン30の異常検出方法を説明する。最初に、本実施の形態に従う冷却ファン異常検出方法の特徴事項について説明する。

0076

まず、本実施の形態に従う冷却ファン異常検出方法は、車両システムの起動時、すなわちイグニッションキー(以下、IGとも称する)がオフからオン切換えられたときの初期段階において、車両起動シーケンス一環として実行されることを第1の特徴とする。

0077

次に、冷却ファン異常検出方法は、車両システムの起動直後に、補機バッテリ50が初期化されたことに伴ない実行され、次に補機バッテリ50が初期化されるタイミングまでは実行されないことを第2の特徴とする。

0078

詳細には、補機バッテリ50は、通常、車両システムが起動され、図1のモータ駆動装置が動作することに備えて蓄電された状態となっている。一方、工場からの出荷時においては、補機バッテリ50は初期化された、いわゆるクリア状態とされる。また、サービスでの修理時においては、補機バッテリ50を一旦取り外してメンテナンスを行なった場合や補機バッテリ50の性能劣化に基づく交換のために取り外した場合などであって、次に補機バッテリ50を再び搭載することで、クリア状態が形成される。本実施の形態では、車両システム起動時に、これらの補機バッテリ50のクリア状態が検出されると、冷却ファンの異常検出動作を実行する構成とする。これにより、冷却ファン30の異常検出は、工場からの出荷時やサービスでの修理時などの限られたタイミングで行なわれることとなる。

0079

このとき、補機バッテリ50がクリア状態にあるか否かの判定については、補機バッテリ50から電源供給を受けて情報を一時的に記憶するバックアップ用のRAM66が、補機バッテリ50が初期化されて電源供給が途絶えたことに応じて記憶情報を消失したことを検知することにより行なうものとする。

0080

ここで、サービスでの修理時においては、補機バッテリ50に性能劣化が生じている場合が起こり得る。メンテナンス後に再び搭載された補機バッテリ50に性能劣化が生じていた場合、この劣化した補機バッテリ50を電源として冷却ファン30の異常検出動作を行なうとすれば、冷却ファン30が能力を十分発揮できないおそれがある。

0081

したがって、冷却ファン30の異常検出は、前提条件となる補機バッテリ50に十分な性能が確保された状態で行なわれることが望ましい。たとえば補機バッテリ50が新品に交換されたタイミングで冷却ファン30の異常を検出する構成とすれば、検出動作の前提条件が良好かつ一様となるため、冷却ファン30の異常検出の確度を向上でき、冷却ファン30を一定能力に保つことが可能となる。

0082

そこで、本実施の形態に係る冷却ファンの異常の検出を行なうタイミングとしては、上記の補機バッテリ50がクリアされる一例として、補機バッテリ50の新品交換時を含むものとする。

0083

あるいは、冷却ファン30の異常検出時を利用して補機バッテリ50を新品に交換する構成とすれば、補機バッテリ50の性能が万全となるため、その後の冷却ファン30の能力を一定に保持することができる。

0084

そこで、本実施の形態に係る冷却ファンの異常検出は、異常検出が実行されたタイミングで、補機バッテリ50を新品に交換する構成をさらに含むものとする。

0085

以上のような構成とすることにより、車両システムを起動する度に、メインバッテリを通常動作させた上で冷却ファンの異常を検出する従来の冷却ファン異常検出方法に対して、異常検出の頻度を抑えることができ、効率良く異常検出を行なうことができるとともに、冷却ファンを一定能力に保持することができる。

0086

次に、本実施の形態に従う冷却ファン異常検出方法について具体的に説明する。

0087

まず、車両システムの起動が認識されると、モード指令部84は、補機バッテリ50がクリアされたか否かを判断する。補機バッテリ50がクリアされたことの判断は、バックアップ用RAM66の記憶情報が消失されたことを確認して行なわれる。このとき、補機バッテリ50がクリアされたことが判断されると、モータ駆動装置は、冷却ファン30の異常検出動作に移行する。

0088

なお、このとき、補機バッテリ50が新品に交換されたことを検出して、冷却ファン30の異常検出動作に移行する構成としてもよい。もしくは、補機バッテリ50がクリアされたことが判断されると、補機バッテリ50を新品に交換し、冷却ファン30の異常検出動作に移行する構成としてもよい。

0089

次に、冷却ファン30の異常検出動作は、冷却ファン30を予め設定した所定の冷却モードで動作させたときのファンモータ36の動作状態を検出することによって行なわれる。

0090

詳細には、電池ECU60のモード指令部84は、所定の冷却モードを指示する冷却モード指令信号SIをファン回路32に出力する。この所定の冷却モードには、上述した複数段階の冷却モードの中から冷却ファン30の異常検出に最低限必要なレベルの送風量を指定するモードが予め設定されている。

0091

モード指令部84は、さらに、所定の冷却モードの冷却モード指令信号SIをファン回路32に与えたタイミングで、図2のタイマ68により計時動作を開始する。タイマ68は、異常検出動作を完了するのに必要十分な時間が予め設定されており、冷却モード指令信号SIの出力時を起算点として、この設定時間をカウントアップする。

0092

ファン回路32においては、指示された所定の冷却モードに応じて、ファンモータ36を駆動する。さらに、ファンモータ36の回転数を検出して、ファン出力信号VMとしてモード指令部84に伝達する。モード指令部84は、ファン出力信号VMと指示した所定の冷却モードとの一致比較動作を行ない、一致比較結果から冷却ファン30に生じた断線や溶解などの異常を検出する。

0093

詳細には、冷却ファン30の異常の有無は、冷却ファン制御部82内の異常判定部86において、ファン出力信号VMの電圧レベルを参照して判定される。たとえば、ファン出力信号VMの電圧レベルが冷却モード指令信号SIの電圧レベルに一致しない、いわゆる特性ずれが生じたときには、冷却ファン30が異常であると判定する。また、ファン出力信号VMの電圧レベルが0V付近であるときには、冷却ファン30の結線に溶解によるショート故障が生じたものとして、異常であると判定する。一方、ファン出力信号VMの電圧レベルが最大電圧付近であるときには、冷却ファン30の結線が断線したことによるオープン故障が生じたものとして、異常であると判定する。これらの異常検出の結果は、図示しない制御回路に伝送された後に、図示しない表示手段によって作業者報知される。

0094

最後に、モード指令部84において、タイマ68において所定の設定時間が経過したことが検知されたことを確認して、上記の冷却ファン異常検出動作が終了する。

0095

図4は、図1のモータ駆動装置における冷却ファン30の異常検出動作を説明するためのフローチャートである。

0096

図4を参照して、イグニッションキーがオフからオンに切り換わり、車両システムが起動すると(ステップS01)、冷却ファン制御部82内のモード指令部84において、補機バッテリがクリアされているか否かが判断される(ステップS02)。このとき、バックアップ用のRAM66の記憶情報が消失されたことが検出されると、補機バッテリ50がクリアされたものと判断される。

0097

ステップS02において、補機バッテリ50がクリアされたと判断されると、モード指令部84は、異常検出用として予め設定された所定の冷却ファンモードを選択し、選択した冷却ファンモードを指示する冷却モード指令信号SIを出力する(ステップS03)。なお、この所定の冷却ファンモードには、以下に示す冷却ファンの異常検出が可能な必要最小限レベルの送風量を指定するモードが設定されている。

0098

一方、ステップS02において、補機バッテリ50がクリアされていないと判断されると、モード指令部84は、通常制御として、メインバッテリ20の温度に応じた冷却ファンモードを算出して、算出結果をモード指令信号SIとして、ファン回路32に出力する(ステップS06)。

0099

ステップS03に戻って、冷却ファン30のファン回路32は、所定の冷却ファンモードを指示する冷却モード指令信号SIを受けると、所定の冷却ファンモードによって指定された送風量となるように、ファンモータ36の回転数を制御する。このとき、モード指令部84は、タイマ68によって所定の設定時間の計時動作を開始する。

0100

ファン回路32は、さらに、ファンモータ36の回転数を検出して、回転数に対応する電圧レベルのファン出力信号VMを生成して、モード指令部84に出力する。冷却ファン制御部82の異常判定部86は、ファン出力信号VMの電圧レベルに特性ずれ、もしくはオープン/ショート故障が生じていることが検出されると、冷却ファン30が異常であると判定する(ステップS04)。

0101

ステップS03,S04に示す異常検出動作は、所定の設定時間の範囲内で行なわれる。最後に、モード指令部84は、タイマ68において所定の設定時間が経過したことを検出すると、異常検出動作を終了する(ステップS05)。

0102

図5は、図4に示す冷却ファン異常検出動作の具体的な制御プログラムの一例を示す図である。

0103

図5を参照して、まず、補機バッテリ50がクリアされているか否かが判断される(ステップS10)。ステップS10において、ダイアグフラグバックアップ用のRAMの保持情報が消失されているときには、補機バッテリ50がクリアされたものと判断される。

0104

次に、補機バッテリ50がクリアされていることに応じて、冷却ファン30の異常検出を実行するための冷却ファンイニシャルチェック許可フラグを初期化する(ステップS11)。具体的には、冷却ファンイニシャルチェックフラグbxfan_inichkが初期値FFに設定される。これにより、モータ駆動装置は、冷却ファン30の異常検出動作に入る。

0105

冷却ファン30の異常検出においては、冷却ファンモード指令値fanmodeが所定のモードBMODE_INICHKに固定される(ステップS12)。

0106

さらに、タイマ68によって、冷却ファンイニシャルチェック処理カウンタbcfan_inichkがカウントアップされる(ステップS13)。このカウント動作並行して、図示しない異常検出プログラムに従って、冷却ファン30の特性ずれや結線状態などの異常検出処理が実行される。冷却ファンイニシャルチェック処理カウンタのカウント値bcfan_inichkが所定のイニシャルチェック処理時間INICHK_TIMUTを経過したことに応じて、異常検出動作を終了する(ステップS14)。

0107

最後に、冷却ファン異常検出処理が終了したことの指示手段として、冷却ファンイニシャルチェックフラグbxfan_inichkが有効化(ON)される(ステップS15)。この冷却ファンイニシャルチェックフラグは、補機バッテリ50がクリアされない限りオン状態に保たれることから、一旦異常の検出がなされると、以降の車両システム起動時には、上記の異常検出動作は実行されないこととなる。すなわち、次に冷却ファンの異常検出が実行されるのは、たとえば修理時のメンテナンス後の再搭載やバッテリ交換によって補機バッテリ50がクリアされた後において、車両システムを起動したときとなる。

0108

以上のように、この発明の実施の形態によれば、冷却ファンの異常検出は、工場での出荷時またはサービスでの修理時などの補機バッテリが初期化されたタイミングにおいてのみ行なわれることから、異常検出を行なう頻度を必要最小限に抑え、異常検出の効率化を図ることができる。

0109

また、冷却ファンの異常検出は、車両システム起動後の初期の所定時間において実行されることから、車両システムを起動してバッテリを高温状態にまで動作させた状態で異常判定を行なう従来の異常検出方法に対して、より短い判定処理時間で異常検出をすることができる。

0110

また、サービスでの修理作業が終了した後の車両未使用時においても異常を検出することができ、バッテリ使用期間において異常判定をする従来の異常検出方法に対して、短期に異常を検出することができる。

0111

さらに、冷却ファンの異常検出のタイミングを補機バッテリの新品交換時とすることによって、異常検出の前提条件となる補機バッテリの性能が十分確保された上で検出が行なわれることとなり、冷却ファンの異常検出の確度を向上でき、冷却ファンを一定の能力に保つことができる。

0112

また、冷却ファンの異常検出時を利用して補機バッテリを新品に交換すれば、冷却ファンを一定能力に保持することが可能となる。

0113

今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

図面の簡単な説明

0114

この発明の実施の形態に従うモータ駆動装置の概略ブロック図である。
図1における電池ECUによる冷却ファンの制御を説明するための制御ブロック図である。
図2におけるファン回路の詳細な構成を示す回路図である。
図1のモータ駆動装置における冷却ファンの異常検出動作を説明するためのフローチャートである。
図4に示す冷却ファンの異常検出動作の具体的な制御プログラムの一例を示す図である。

符号の説明

0115

10インバータ、20メインバッテリ、30冷却ファン、32ファン回路、33 IC、34 インバータ部、35 F/V変換回路、36ファンモータ、38ファン、40 DC/DCコンバータ、50補機バッテリ、60電池ECU、62 CPU、64 ROM、66 RAM、68タイマ、70センサ、80バッテリ制御部、82 冷却ファン制御部、84モード指令部、86 異常判定部、M交流モータ、SI冷却モード指令信号、VMファン出力信号、RD回転数検出信号。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • トヨタ自動車株式会社の「 ハイブリッド車両の制御装置」が 公開されました。( 2021/09/30)

    【課題】路面から駆動輪への入力の変化が発生したことに起因する駆動輪の回転数の制御性の低下を抑制できるようにすること。【解決手段】制御装置70は、エンジン回転数を保持する際に第1モータ回転数が変動すると... 詳細

  • 株式会社豊田自動織機の「 燃料供給装置」が 公開されました。( 2021/09/30)

    【課題】圧力差に起因する主止弁の閉弁不良を抑制できる燃料供給装置を提供すること。【解決手段】FCECUは、FCECUは、第1の差分値ΔP1hが、第2の差分値ΔP2hよりも大きい場合、燃料電池車両がキー... 詳細

  • 株式会社デンソーの「 車両の制御装置」が 公開されました。( 2021/09/30)

    【課題】電動モータのハンチングを抑制することが可能な車両の制御装置を提供する。【解決手段】制御装置50は、モータ制御部520と、ハンチング抑制部527と、を備える。モータ制御部520は、車両の駆動輪が... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ