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技術 熱電変換デバイス

出願人 学校法人立命館株式会社東海理化電機製作所
発明者 杉山進鳥山寿之長谷部臣哉糸魚川貢一上野洋
出願日 2004年5月17日 (15年4ヶ月経過) 出願番号 2004-146690
公開日 2005年11月24日 (13年10ヶ月経過) 公開番号 2005-328000
状態 特許登録済
技術分野 熱電素子 特殊な電動機、発電機 超音波モータ、圧電モータ、静電モータ
主要キーワード 異物侵入防止部材 吸熱シート 断面波形状 黒体材料 電気絶縁性シート 長手辺 熱交換シート 熱電対群
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この項目の情報は公開日時点(2005年11月24日)のものです。
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課題

繰り返し撓ませても長期にわたり好適に使用できる熱電変換デバイスを提供する。

解決手段

可撓性を有すると共に断面波形状とされていることによりその上面M1側へ突出した複数の頂部12aとその下面M2側へ突出した複数の底部とが形成された電気絶縁性シート12と、電気絶縁性シート12に設けた第1接点23と第2接点24を有する熱電対20と、可撓性を有すると共に頂部12aの上面M1に固定した吸熱シート14と、可撓性を有すると共に底部の下面M2に固定した放熱シートとを備えた熱電変換デバイスであって、吸熱シート14は頂部12aに固定し、放熱シートは底部に固定し、第1接点23は頂部12aに隣接する頂部隣接部36に配置し、第2接点24は底部に隣接する底部隣接部に配置した。

概要

背景

従来、シリコン基板等の可撓性を有さない基材に対して熱電対を構成した熱電変換デバイスが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。そのため、熱電変換デバイス全体としても可撓性を有さない構成となっている。

ところで、近年では可撓性を有する熱電変換デバイスが開発されつつある。即ち、図11の分解斜視図に示すように、熱電変換デバイス101は、可撓性を有すると共に断面波形状に形成された電気絶縁性シート102、該電気絶縁性シート102の上面Uに設けられた熱電対群103、及び熱電対群103が設けられた電気絶縁性シート102を上下両側からそれぞれ固定した熱交換シート104,105を備えている。熱電対群103は、平面状をなした電気絶縁性シート102に設け、その後、電気絶縁性シート102を断面波形状に形成している。

図12に示すように、熱電対群103は、複数の熱電対106が直列接続されて構成されている。各熱電対106は、第1金属線106aと第2金属線106bとから構成されている。各熱電対106は、その第1金属線106aと第2金属線106bとの接続点が第1接点107とされており、隣接する熱電対106同士の接続点が第2接点108とされている。

図13に示すように、各第1接点107は、電気絶縁性シート102の頂部109に位置するように設けられ、各第2接点108は、電気絶縁性シート102の底部110に位置するように設けられている。

図12に示すように、電気絶縁性シート102の熱電対群103が設けられていない部分には、波打ち方向に延びるように複数のスリット111が形成されている。電気絶縁性シート102は、波打ち方向と直交する辺112が湾曲するようにその全体を撓まそうとすると、スリット111が波打ち方向と直交する方向へ広がることにより、その全体が撓む。

図13に示すように、熱交換シート104は、可撓性を備え、頂部109及びその頂部109付近に対応する上面Uに接着固定されている。熱交換シート105は、可撓性を備え、底部110及びその底部110付近に対応する下面Dに接着固定されている。

この熱電変換デバイス101は、様々な方向へ撓ませることが可能なため、柔軟性を損ないたくないものに対して設けることが可能となる。例えば、この熱電変換デバイスを衣服の中に設けると、その衣服の柔軟性を損なうことなく体温発電したり、逆に衣服を冷却したりする等、今までにない用途に応用できるようになる。
特開2002−50801号公報

概要

繰り返し撓ませても長期にわたり好適に使用できる熱電変換デバイスを提供する。可撓性を有すると共に断面波形状とされていることによりその上面M1側へ突出した複数の頂部12aとその下面M2側へ突出した複数の底部とが形成された電気絶縁性シート12と、電気絶縁性シート12に設けた第1接点23と第2接点24を有する熱電対20と、可撓性を有すると共に頂部12aの上面M1に固定した吸熱シート14と、可撓性を有すると共に底部の下面M2に固定した放熱シートとを備えた熱電変換デバイスであって、吸熱シート14は頂部12aに固定し、放熱シートは底部に固定し、第1接点23は頂部12aに隣接する頂部隣接部36に配置し、第2接点24は底部に隣接する底部隣接部に配置した。

目的

従って、熱電変換デバイス101を繰り返し撓ませることによる熱電対群103の断線を抑制する対策が望まれている。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は繰り返し撓ませても長期にわたり好適に使用できる熱電変換デバイスを提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
5件

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請求項1

可撓性を有すると共に断面波形状とされていることによりその表面側へ突出した複数の頂部とその裏面側へ突出した複数の底部とが形成された電気絶縁性シートと、前記電気絶縁性シートに設け、第1接点と第2接点を有する熱電対と、可撓性を有すると共に前記頂部の表面に固定した第1熱交換シートと、可撓性を有すると共に前記底部の裏面に固定した第2熱交換シートと、を備えた熱電変換デバイスであって、前記第1熱交換シートは、前記頂部に固定し、前記第2熱交換シートは、前記底部に固定し、前記第1接点は、前記頂部に隣接する頂部隣接部に配置し、前記第2接点は、前記底部に隣接する底部隣接部に配置したことを特徴とする熱電変換デバイス。

請求項2

可撓性を有すると共に断面波形状とされていることによりその表面側へ突出した複数の頂部とその裏面側へ突出した複数の底部とが形成された電気絶縁性シートと、前記電気絶縁性シートに対して波打ち方向に延びるように設けた第1スリットと、前記電気絶縁性シートに設け、第1接点と第2接点を有する熱電対と、可撓性を有すると共に前記頂部の表面に固定した第1熱交換シートと、可撓性を有すると共に前記底部の裏面に固定した第2熱交換シートと、を備えた熱電変換デバイスであって、前記第1熱交換シートには、前記波打ち方向に延びるように第2スリットを設けたことを特徴とする熱電変換デバイス。

請求項3

前記第2熱交換シートには、前記波打ち方向に延びるように第2スリットを設けたことを特徴とする請求項2に記載の熱電変換デバイス。

請求項4

前記第2スリットが設けられた熱交換シートにおける前記電気絶縁性シートとは反対側には、該熱交換シートを覆うと共に可撓性及び伸縮性を備えた異物侵入防止部材を設けたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の熱電変換デバイス。

技術分野

0001

本発明は、電子デバイス供給電源補助電源、及び温度センサ赤外線センサ等として利用可能な素子であって、温接点冷接点との温度差により発電するゼーベック効果を利用した熱電変換デバイスに関するものである。

背景技術

0002

従来、シリコン基板等の可撓性を有さない基材に対して熱電対を構成した熱電変換デバイスが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。そのため、熱電変換デバイス全体としても可撓性を有さない構成となっている。

0003

ところで、近年では可撓性を有する熱電変換デバイスが開発されつつある。即ち、図11の分解斜視図に示すように、熱電変換デバイス101は、可撓性を有すると共に断面波形状に形成された電気絶縁性シート102、該電気絶縁性シート102の上面Uに設けられた熱電対群103、及び熱電対群103が設けられた電気絶縁性シート102を上下両側からそれぞれ固定した熱交換シート104,105を備えている。熱電対群103は、平面状をなした電気絶縁性シート102に設け、その後、電気絶縁性シート102を断面波形状に形成している。

0004

図12に示すように、熱電対群103は、複数の熱電対106が直列接続されて構成されている。各熱電対106は、第1金属線106aと第2金属線106bとから構成されている。各熱電対106は、その第1金属線106aと第2金属線106bとの接続点が第1接点107とされており、隣接する熱電対106同士の接続点が第2接点108とされている。

0005

図13に示すように、各第1接点107は、電気絶縁性シート102の頂部109に位置するように設けられ、各第2接点108は、電気絶縁性シート102の底部110に位置するように設けられている。

0006

図12に示すように、電気絶縁性シート102の熱電対群103が設けられていない部分には、波打ち方向に延びるように複数のスリット111が形成されている。電気絶縁性シート102は、波打ち方向と直交する辺112が湾曲するようにその全体を撓まそうとすると、スリット111が波打ち方向と直交する方向へ広がることにより、その全体が撓む。

0007

図13に示すように、熱交換シート104は、可撓性を備え、頂部109及びその頂部109付近に対応する上面Uに接着固定されている。熱交換シート105は、可撓性を備え、底部110及びその底部110付近に対応する下面Dに接着固定されている。

0008

この熱電変換デバイス101は、様々な方向へ撓ませることが可能なため、柔軟性を損ないたくないものに対して設けることが可能となる。例えば、この熱電変換デバイスを衣服の中に設けると、その衣服の柔軟性を損なうことなく体温で発電したり、逆に衣服を冷却したりする等、今までにない用途に応用できるようになる。
特開2002−50801号公報

発明が解決しようとする課題

0009

しかしながら、熱電変換デバイス101においては、平面状をなす電気絶縁性シート102に対して熱電対群103を設けてから、断面波形状に形成している。このため、図14(a)に示すように、電気絶縁性シート102の頂部109は大きく湾曲しており、その上面Uに設けられた第1接点107には過大な引っ張り応力が常に加わっている。また、図14(b)に示すように、電気絶縁性シート102の底部110は大きく湾曲しており、その上面Uに設けられた第2接点108には過大な圧縮応力が常に加わっている。そしてさらに、この熱電変換デバイス101を撓ますと、第1接点107にはより大きな引っ張り応力が加わったり、第2接点108にはより大きな圧縮応力が加わったりする。このため、熱電変換デバイス101を繰り返し撓ませると、第1接点107及び第2接点108に加わる応力の大きさが繰り返し変化し、この結果、熱電対群103が断線してしまうことがある。

0010

加えて、電気絶縁性シート102は、複数のスリット111を形成することにより、辺112が湾曲するようにその全体が可撓できるように構成していた。しかしながら、電気絶縁性シート102に接着固定されている熱交換シート104は、それ自体に可撓性を有しているものの、スリット111を有する電気絶縁性シート102の可撓性には及ばなかった。この電気絶縁性シート102と熱交換シート104との可撓性の違いにより、電気絶縁性シート102と熱交換シート104との接着部には、応力が発生する。そのため、電気絶縁性シート102と熱交換シート104との接着部に配置され、かつ熱交換シート104に直に接着されている各第1接点107には、応力が加わる。第1接点107(及び第2接点108)は、異なる金属同士の接続部であるため、熱電対群103におけるその他の部分よりも断線を起こしやすい。よって、熱電変換デバイス101を繰り返し撓ませると、第1接点107に応力が繰り返し加わり、熱電対群103が断線してしまうことがある。

0011

従って、熱電変換デバイス101を繰り返し撓ませることによる熱電対群103の断線を抑制する対策が望まれている。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は繰り返し撓ませても長期にわたり好適に使用できる熱電変換デバイスを提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、可撓性を有すると共に断面波形状とされていることによりその表面側へ突出した複数の頂部とその裏面側へ突出した複数の底部とが形成された電気絶縁性シートと、前記電気絶縁性シートに設け、第1接点と第2接点を有する熱電対と、可撓性を有すると共に前記頂部の表面に固定した第1熱交換シートと、可撓性を有すると共に前記底部の裏面に固定した第2熱交換シートと、を備えた熱電変換デバイスであって、前記第1熱交換シートは、前記頂部に固定し、前記第2熱交換シートは、前記底部に固定し、前記第1接点は、前記頂部に隣接する頂部隣接部に配置し、前記第2接点は、前記底部に隣接する底部隣接部に配置した。

0013

請求項2に記載の発明は、可撓性を有すると共に断面波形状とされていることによりその表面側へ突出した複数の頂部とその裏面側へ突出した複数の底部とが形成された電気絶縁性シートと、前記電気絶縁性シートに対して波打ち方向に延びるように設けた第1スリットと、前記電気絶縁性シートに設け、第1接点と第2接点を有する熱電対と、可撓性を有すると共に前記頂部の表面に固定した第1熱交換シートと、可撓性を有すると共に前記底部の裏面に固定した第2熱交換シートと、を備えた熱電変換デバイスであって、前記第1熱交換シートには、前記波打ち方向に延びるように第2スリットを設けた。

0014

請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記第2熱交換シートには、前記波打ち方向に延びるように第2スリットを設けた。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記第2スリットが設けられた熱交換シートにおける前記電気絶縁性シートとは反対側には、該熱交換シートを覆うと共に可撓性及び伸縮性を備えた異物侵入防止部材を設けた。

0015

(作用)
請求項1に記載の発明によれば以下に示す作用を得る。頂部及び底部は湾曲していることから、頂部の表面には引っ張り応力が加わっており、底部の表面には圧縮応力が加わっている。そして、この熱電変換デバイスを撓ますと、表面における頂部にはより大きな引っ張り応力が加わったり、表面における底部にはより大きな圧縮応力が加わったりする。第1接点は頂部を避けるようにして配置されており、第2接点は底部を避けるようにして配置されている。そのため、第1接点は、それを頂部に配置した場合に比して引っ張り応力が加わりにくい。また、第2接点は、それを底部に配置した場合に比して圧縮応力が加わりにくい。このため、第1接点及び第2接点は、それらを頂部及び底部に配置した場合に比して断線を起こしにくい。

0016

請求項2に記載の発明によれば以下に示す作用を得る。断面波形状をなす電気絶縁性シートは、波打ち方向と直交する辺が湾曲するようにその全体が撓もうとすると、第1スリットが波打ち方向と直交する方向へ広がることにより、その全体が撓む。その際、第1熱交換シートは、第2スリットが波打ち方向と直交する方向へ広がりながら撓むため、この結果、その全体が良好に撓む。このため、第1熱交換シートは、第1スリットが設けられた電気絶縁性シートの撓みを規制することがなく、第1熱交換シートと電気絶縁性シートとの固定部に応力が生じにくい。このため、例えば、第1接点と第1熱交換シートとを直に固定した構成とした場合であっても、第1熱交換シートと電気絶縁性シートとの固定部に応力が生じにくくなっているため、第1接点に応力が加わりにくく、この結果、第1接点の断線を起こしにくい。

0017

請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の作用に加えて以下に示す作用を得る。断面波形状をなす電気絶縁性シートは、波打ち方向と直交する辺が湾曲するようにその全体が撓もうとすると、第1スリットが波打ち方向と直交する方向へ広がることにより、その全体が撓む。その際、第2スリットを設けた第2熱交換シートは、第2スリットが波打ち方向と直交する方向へ広がりながら撓むため、この結果、その全体が良好に撓む。よって、第2熱交換シートは、第1スリットが設けられた電気絶縁性シートの撓みを規制することがない。

0018

請求項4に記載の発明によれば、請求項2又は請求項3に記載の発明の作用に加えて以下に示す作用を得る。第2スリットを設けた熱交換シートが該第2スリットを波打ち方向と直交する方向へ広げながら撓む際に、異物侵入防止部材は、伸びながら撓む。そのため、第2スリットを設けた熱交換シートと異物侵入防止部材との間に応力を生じにくい。そのため、異物侵入防止部材は、第2スリットが設けられた熱交換シートの可撓性を低下させることを抑制しつつ該第2スリットから電気絶縁性シートへ異物侵入することを防止できる。

発明の効果

0019

本発明によれば、繰り返し撓ませても長期にわたり好適に使用できる。

発明を実施するための最良の形態

0020

以下、本発明を具体化した一実施形態を図1図10に従って説明する。
図1に示すように構成された本実施形態の熱電変換デバイス11は、図3の分解斜視図に示すように、電気絶縁性シート12、該電気絶縁性シート12の上面M1に設けられた熱電対群13、吸熱シート14、放熱シート15、カバーシート16,17が積み重なる状態で構成されている。吸熱シート14は第1熱交換シートに相当し、放熱シート15は第2熱交換シートに相当し、カバーシート16,17はそれぞれ異物侵入防止部材に相当する。

0021

電気絶縁性シート12は、可撓性を備えると共に断面波形状に形成され、例えばポリイミド樹脂から形成されている。吸熱シート14は、可撓性を備えると共に長方形状シートとされており、例えば、黒体材料(例えば、酸化コバルト)を混ぜたポリイミド系樹脂から構成されている。放熱シート15は、可撓性を備えると共に長方形状のシートとされており、例えば、アルミニウム箔から構成されている。カバーシート16,17は、可撓性及び伸縮性を備えると共に長方形状のシートとされており、例えばシリコーン樹脂から形成されている。

0022

この熱電変換デバイス11は、例えば、カバーシート16及び吸熱シート14を冷却すると共にカバーシート17及び放熱シート15を温めることにより、熱電対群13が発電を行うようになっている(ゼーベック効果)。逆に、この熱電変換デバイス11は、例えば、熱電対群13に電流を流すと、カバーシート16及び吸熱シート14が冷却(吸熱)され、カバーシート17及び放熱シート15が温められる(発熱される)ようなはたらきもする(ペルチェ効果)。以下、このゼーベック効果及びペルチェ効果を総称して熱電変換ということがある。

0023

電気絶縁性シート12、吸熱シート14、放熱シート15、及びカバーシート16,17は、可撓性を備えており、この結果、熱電変換デバイス11は様々な方向へ撓ませることができるようになっている。

0024

次に、熱電変換デバイス11の構成を詳述する。
図4に示すように、電気絶縁性シート12は、一対の短手辺Sと、その短手辺Sと直交する一対の長手辺Lとを有しており、長手辺Lが波打つ(図1参照)ように電気絶縁性シート12全体が断面波形状に形成されている。電気絶縁性シート12は、上記のように断面波形状に形成されていることにより、長手辺Lが曲がるように(図8参照)その全体が撓むようになっている。

0025

また、図3に示すように、電気絶縁性シート12全体が断面波形状に形成されていることにより、該電気絶縁性シート12には、複数(本実施形態では3つ)の頂部12a及び複数(本実施形態では4つ)の底部12bが短手辺Sに沿って形成されている。

0026

図4に示すように、熱電対群13は、電気絶縁性シート12の上面M1に蛇行状をなす一本の線状に成膜されており、該熱電対群13は複数の熱電対20から構成されている。詳述すると、電気絶縁性シート12は、互いに隣り合う頂部12aと底部12bとにより長手辺Lに沿って6つの区域区分されている。なお、図4の左から右へかけて順に第1区域Z1、第2区域Z2、第3区域Z3、第4区域Z4、第5区域Z5、第6区域Z6とする。第1区域Z1内に成膜された4つの熱電対20は、直列接続され、短手辺Sに沿ってかつ短手辺S方向略全域に亘って蛇行するように配置されている。同様に、第2〜第6区域Z2〜Z6内にそれぞれ成膜された3つ又は4つの熱電対20は、その区域内で直列接続され、その区域内において短手辺Sに沿ってかつ短手辺S方向略全域に亘って蛇行するように配置されている。そして、隣り合う区域同士の熱電対20の端部同士が適宜接続されていることにより、一本の熱電対群13が構成されている。

0027

熱電対20は、物理蒸着法としての真空蒸着法により成膜され、薄膜状をなしている。なお、この熱電対20は、塗布法や、メッキ法や、物理蒸着法としてのスパッタリング法にて成膜してもよい。各熱電対20は、ニッケル(Ni)からなる第1金属線21と、クロム(Cr)からなる第2金属線22とをそれぞれ備えている。

0028

なお、第1金属線21及び第2金属線22の材料(金属)は、熱電対として機能するものであれば、他の材料(金属)を採用してもよい。即ち、第1金属線21及び第2金属線22は、互いに異なる材料(金属)で熱電変換が行える材料(金属)であればどのような材料(金属)を採用してもよい。特に、ゼーベック係数の差が大きな2種類の材料(金属)を用いるほど、熱電対の出力電圧熱電変換効率)は大きくなる。また、熱電対を構成する一方の材料及び他方の材料は、半導体合金酸化物でもよい。

0029

熱電対20は、その第1金属線21と第2金属線22との接続点が第1接点23とされている。また、隣接する熱電対20同士の接続点が第2接点24とされている。各第1接点23は、電気絶縁性シート12の頂部12aに隣接するように配置され、各第2接点24は、電気絶縁性シート12の底部12bに隣接するように配置されている。

0030

電気絶縁性シート12の熱電対群13が成膜されていない部分には、波打ち方向に延びるように、即ち長手辺Lに沿って複数のスリット25が形成されている。スリット25は第1スリットに相当する。各スリット25のうちその約半数が、長手辺Lに沿う方向において、頂部12aを跨って形成されている。各スリット25のうちその約半数が、長手辺Lに沿う方向において、底部12bを跨って形成されている。

0031

図3及び図5に示すように、この吸熱シート14及び放熱シート15には、前記電気絶縁性シート12の各スリット25と対応する位置に、平面視において、該スリット25と同形状及び同じ大きさの第2スリットとしてのスリット30,31がそれぞれ形成されている。

0032

図2に示すように、電気絶縁性シート12の上面M1の各頂部12a部分は、吸熱シート14に対してそれぞれ固定され、電気絶縁性シート12の下面M2(裏面)の各底部12b部分は、放熱シート15に対してそれぞれ固定されている。

0033

図1に示すように、カバーシート16は、吸熱シート14における電気絶縁性シート12とは反対側、即ち吸熱シート14の上面の全面を覆うようにその吸熱シート14に固定されている。カバーシート17は、放熱シート15における電気絶縁性シート12とは反対側、即ち放熱シート15の下面の全面を覆うようにその放熱シート15に固定されている。

0034

熱電変換デバイス11は、第1接点23を頂部12aに隣接するように配置し、第2接点24を底部12bに隣接するように配置することにより、厚さ方向t(図2参照)において熱電対群13の第1接点23と第2接点24とが離間されている。この両接点23,24の距離が離れるほど、両接点23,24の温度差を広げることができ、熱電変換効率を高めることができる。

0035

次に、電気絶縁性シート12の頂部12a付近及び底部12b付近の構成について詳述する。
図6(a)に示すように、頂部12aは、非導電性接着剤37にて吸熱シート14に固定されている。電気絶縁性シート12は、頂部12aの長手辺Lに沿う両隣に頂部隣接部36を備えている。図6(b)に示すように、頂部隣接部36には、第1接点23が配置されている。

0036

また、図7(a)に示すように、底部12bは、非導電性接着剤42にて放熱シート15に固定されている。電気絶縁性シート12は、底部12bの長手辺Lに沿う両隣に底部隣接部41を備えている。図7(b)に示すように、底部隣接部41には、第2接点24が配置されている。

0037

次に、本実施形態の熱電変換デバイス11の作用・効果について説明する。
(1)電気絶縁性シート12の頂部12a及び底部12bは湾曲していることから、頂部12aの上面M1(表面)には引っ張り応力が加わっており、底部12bの上面M1(表面)には圧縮応力が加わっている。

0038

ところで図8に示すように、長手辺Lの中央が曲がるように熱電変換デバイス11を下方へ撓ませると、放熱シート15及びカバーシート17の長手辺Lに沿う中央部が、電気絶縁性シート12の下面M2に当接する。

0039

この際、上面M1における頂部12aにはより大きな引っ張り応力が加わったり、上面M1における底部12bにはより大きな圧縮応力が加わったりする。第1接点23は頂部12aを避けるようにして配置されており、第2接点24は底部12bを避けるようにして配置されている。そのため、第1接点23は、それを頂部12aに配置した場合に比して引っ張り応力が加わりにくい。また、第2接点24は、それを底部12bに配置した場合に比して圧縮応力が加わりにくい。このため、第1接点23及び第2接点24は、それらを頂部12a及び底部12bに配置した場合に比して断線を起こしにくい。従って、熱電変換デバイス11は、繰り返し撓ませても長期にわたり好適に使用できる。

0040

また、第1接点23を吸熱シート14に直に接着固定していないため、電気絶縁性シート12と吸熱シート14とで温度差が生じてしまい頂部12aの上面M1に熱応力が発生したとしても、その熱応力が第1接点23に直接加わることがなく、第1接点23が断線を起こすことがない。

0041

(2)図9に示すように、熱電変換デバイス11は、短手辺Sの両端が下方に向けて撓もうとすると(図9の矢印A1参照)、即ち、波打ち方向と直交する辺(短手辺S)が湾曲するようにその全体が撓もうとすると以下に示す作用を奏する。電気絶縁性シート12は、その頂部12aを跨って形成したスリット25が短手辺S方向へ広がることにより、その全体が撓む。その際、図10図5二点鎖線枠に対応)に示すように、スリット30を形成した吸熱シート14は、スリット30が短手辺S方向へ広がりながら撓むため、この結果、その全体が良好に撓む。さらにその際、カバーシート16は、伸縮性を備えており、延びながら撓む。このため、スリット30を形成した吸熱シート14は、スリット25を形成した電気絶縁性シート12の撓みを規制することがなく、吸熱シート14と電気絶縁性シート12との固定部(非導電性接着剤37)に応力が生じにくい。

0042

このため、仮に、第1接点23を頂部12aに配置した場合には、その第1接点23と吸熱シート14とが直に固定される構成となるが、上述したように、吸熱シート14と電気絶縁性シート12との固定部(非導電性接着剤37)に応力が生じにくくなっている。よって、第1接点23に応力が加わりにくく、この結果、第1接点23の断線を起こしにくい。

0043

本実施形態の熱電変換デバイス11では、上述したように吸熱シート14と電気絶縁性シート12との固定部(非導電性接着剤37)に応力が生じにくくなっており、かつ第1接点23を頂部12aから避けて配置したため、より一層第1接点23の断線を起こしにくい。従って、熱電変換デバイス11は、繰り返し撓ませても長期にわたり好適に使用できる。

0044

(3)また、図9に示すように、熱電変換デバイス11は、短手辺Sの両端が上方に向けて撓もうとすると(図9の矢印A2参照)、即ち、波打ち方向と直交する辺(短手辺S)が湾曲するようにその全体が撓もうとすると以下に示す作用を奏する。電気絶縁性シート12は、その底部12bを跨って形成したスリット25が短手辺S方向へ広がることにより、その全体が撓む。その際、図10に示すように、スリット31を形成した放熱シート15は、スリット31が短手辺S方向へ広がりながら撓むため、この結果、その全体が良好に撓む。さらにその際、カバーシート17は、伸縮性を備えており、延びながら撓む。従って、放熱シート15及びカバーシート17は、スリット25を形成した電気絶縁性シート12の撓みを規制することがなく、この結果、熱電変換デバイス11を好適に撓ませることができる。

0045

(4)伸縮性を備えたカバーシート16を、吸熱シート14の上面の全面を覆うようにその吸熱シート14に固定し、伸縮性を備えたカバーシート17を、放熱シート15の下面の全面を覆うようにその放熱シート15に固定した。吸熱シート14(放熱シート15)がスリット30(31)を短手辺S方向へ広げながら撓む際に、カバーシート16(17)は伸びながら撓む。そのため、吸熱シート14(放熱シート15)とカバーシート16(17)との間に応力を生じにくい。このため、カバーシート16,17は、シート14,15の可撓性の低下を抑制しつつ該シート14,15のスリット30,31から電気絶縁性シート12へ異物が侵入することを防止できる。よって、異物侵入による熱電対群13の破損を防止することができ、熱電変換デバイス11を長期にわたり好適に使用できる。

0046

(5)熱電変換デバイス11は、図2に示すように、段ボール断面構造と同様の構造のため、厚さ方向tにおいて潰れにくい。言い換えると、熱電変換デバイス11は、長期にわたり使用していても、厚さ方向tにおいて第1接点23と第2接点24との距離が変化しにくい。熱電変換デバイス11は、両接点23,24の温度差を生じる要因の一つとして両接点23,24の距離がある。熱電変換デバイス11は、両接点23,24の温度差により熱電変換の大きさ(発電量放熱量・吸熱量)が決定される。よって、熱電変換デバイス11は、両接点23,24の距離が長期にわたり維持できることにより、熱電変換の大きさを長期にわたり維持することができる。

0047

(6)さらに詳しく述べると、仮に、吸熱シート14及び放熱シート15を省略し、カバーシート16,17を電気絶縁性シート12に直接固定した熱電変換デバイスを構成とすると、カバーシート16,17は伸縮性を備えているため、電気絶縁性シート12の波形形状を維持することができない。そのため、この熱電変換デバイスの場合、厚さ方向tにおいて第1接点23と第2接点24とが近接してしまい熱電変換効率を低下させてしまうことがある。

0048

しかしながら、本実施形態の熱電変換デバイス11のように、電気絶縁性シート12に対して、スリット30,31及び可撓性を有するシート14,15を直接固定し、その吸熱シート14及び放熱シート15の外面に対してカバーシート16,17を固定することにより、以下の3つの効果を全て得ることができる。両接点23,24の距離が長期にわたり維持されることにより熱電変換の大きさを長期にわたり維持でき、異物侵入による熱電対群13の破損を防止することができ、熱電変換デバイス11を好適に撓ませることができる。

0049

なお、上記実施形態は、以下の態様に変更してもよい。
前記実施形態では、熱電変換デバイス11は、その要件にカバーシート16,17を含んでいた。しかしながら、繰り返し撓ませても長期にわたり好適に使用できるという効果、及び熱電変換の大きさを長期にわたり維持することができるという効果については、電気絶縁性シート12、熱電対群13、吸熱シート14、及び放熱シート15のみの構成によっても得ることができる。従って、上記の両効果を得る上では、上記カバーシート16,17のうち少なくとも一方の要件を割愛することができる。

0050

前記実施形態では、熱電変換デバイス11は、第1接点23を頂部12aから避けて配置していたが、該第1接点23を頂部12aに位置するように配置してもよい。この場合であっても、吸熱シート14にスリット30が形成されていることにより、電気絶縁性シート12と吸熱シート14との固定部(非導電性接着剤37)に応力が生じにくくなっているため、第1接点23に応力が加わりにくく、この結果、第1接点23の断線を起こしにくい。従って、熱電変換デバイス11を長期にわたり好適に使用できる。

0051

前記実施形態では、熱電変換デバイス11は、その要件にシート14,15に形成したスリット30,31を含んでいた。しかしながら、繰り返し撓ませても長期にわたり好適に使用できるという効果、及び熱電変換の大きさを長期にわたり維持することができるという効果については、スリット30,31のうち少なくとも一方を割愛しても得ることができる。

0052

次に、上記実施形態及びその態様の変更から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記電気絶縁性シートには、波打ち方向に延びるように第1スリットを設け、前記第1熱交換シートには、前記波打ち方向に延びるように第2スリットを設けたことを特徴とする請求項1に記載の熱電変換デバイス。

0053

(ロ)前記第1熱交換シートは前記頂部に固定し、前記第2熱交換シートは前記底部に固定し、前記第1接点は前記頂部に隣接する頂部隣接部に配置し、前記第2接点は前記底部に隣接する底部隣接部に配置したことを特徴とする請求項2乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の熱電変換デバイス。

図面の簡単な説明

0054

本実施形態の熱電変換デバイスの斜視図。
同じく熱電変換デバイスの正断面図。
同じく熱電変換デバイスの分解斜視図。
同じく電気絶縁性シートの平面図。
同じく吸熱シート(放熱シート)の平面図。
(a)は、図2の頂部の拡大図。(b)は、頂部を概略的に示す図。
(a)は、図2の底部の拡大図。(b)は、底部を概略的に示す図。
同じく熱電変換デバイスを撓ました状態を示す正面図。
同じく熱電変換デバイスの側面図。
図5の二点鎖線で囲った部分の平面図であり、吸熱シート(放熱シート)のスリットが広がった状態を示す図。
従来技術の熱電変換デバイスの斜視図。
同じく電気絶縁性シートの平面図。
同じく熱電変換デバイスの正面図。
(a)は、図13の頂部付近の拡大図。(b)は、図13の底部付近の部分拡大図

符号の説明

0055

11…熱電変換デバイス、12…電気絶縁性シート、12a…頂部、12b…底部、14…第1熱交換シートとしての吸熱シート、15…第2熱交換シートとしての放熱シート、16,17…異物侵入防止部材としてのカバーシート、20…熱電対、23…第1接点、24…第2接点、25…第1スリットとしてのスリット、30,31…第2スリットとしてのスリット、36…頂部隣接部、41…底部隣接部、M1…表面としての上面、M2…裏面としての下面。

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