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技術 エネルギーの利用装置およびエネルギーの利用方法

出願人 本田技研工業株式会社
発明者 蒲地厚志伊丹俊輔岡登一志
出願日 2004年5月12日 (15年4ヶ月経過) 出願番号 2004-141911
公開日 2005年11月24日 (13年9ヶ月経過) 公開番号 2005-327483
状態 未査定
技術分野 水素、水、水素化物 燃料電池(システム)
主要キーワード 気化ステップ 気化過程 反応動作 運転エネルギー 循環物質 気体分離装置 単位セル構造 回収ステップ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (2)

課題

排熱を利用して電気エネルギーを高効率で得ることができる技術を提供する。

解決手段

排熱を利用して脱水素触媒の作用によりイソプロピルアルコール(IPA)から、水素(H2)、アセトンおよび未反応IPAを含んだ第1のガスを得る。この第1のガスを圧縮装置103で圧縮し、IPAの沸点を高め、高温環境下においてIPAを液化し、アセトンおよび水素を分離する。アセトンと水素は燃料電池反応に利用し、この反応によりIPAが再生される。他方、IPAは、加圧され高温環境下で液化されるので、凝縮熱を効果的に取り出せ、それを圧力開放による気化膨張過程において有効に利用することができる。またこの膨張エネルギーを圧縮装置103の駆動力に利用することができる。こうして装置内において、IPA→水素およびアセトン→発電によるIPAの再生、といったサイクルが繰り返され、排熱を利用した電力の生成が、高い効率で行われる。

概要

背景

工場ゴミ焼却炉から排出される熱を利用して、発電を行うエネルギー高次利用システムが知られている。このシステムとして特許文献1に記載されている熱エネルギーの利用システムがある。このシステムでは、工場排熱等の適当な熱源からの熱を利用して、脱水素触媒の作用により有機化合物における脱水素反応を行わせる第1工程、脱水素反応によって生成した有機不飽和化合物水素とを未反応物から分離する第2工程、この第2工程において分離された有機不飽和化合物と水素とを水素化触媒の作用によって反応させ、エネルギー発生させ、同時に第1工程において利用した出発物質である有機化合物を再生する第3工程を繰り返すことで、適当な熱源からの排熱を利用してエネルギーを得る。

例えば、このシステムにおいて、有機不飽和化合物と水素とを水素化触媒の作用によって反応させる方法を燃料電池における発電反応に利用すれば、電気エネルギーを得ることができる。

なお、上述したような2次的に得られる熱を、外部に排出される熱という意味で排熱と表現する場合と、利用されないという意味で廃熱と表現される場合があるが、本明細書においては、両者の意味を含めて排熱と表現する。

特公平1−25972号公報

概要

排熱を利用して電気エネルギーを高効率で得ることができる技術を提供する。 排熱を利用して脱水素触媒の作用によりイソプロピルアルコール(IPA)から、水素(H2)、アセトンおよび未反応IPAを含んだ第1のガスを得る。この第1のガスを圧縮装置103で圧縮し、IPAの沸点を高め、高温環境下においてIPAを液化し、アセトンおよび水素を分離する。アセトンと水素は燃料電池反応に利用し、この反応によりIPAが再生される。他方、IPAは、加圧され高温環境下で液化されるので、凝縮熱を効果的に取り出せ、それを圧力開放による気化膨張過程において有効に利用することができる。またこの膨張エネルギーを圧縮装置103の駆動力に利用することができる。こうして装置内において、IPA→水素およびアセトン→発電によるIPAの再生、といったサイクルが繰り返され、排熱を利用した電力の生成が、高い効率で行われる。

目的

本発明は、上述したような問題点を解決し、排熱を利用して電気エネルギーを高効率で得ることができる技術を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

有機化合物脱水素吸熱反応を行う吸熱反応装置と、前記吸熱反応装置で発生した水素脱水素有機化合物および未反応有機化合物を含む第1のガス加圧する圧縮装置と、前記圧縮装置によって加圧された前記第1のガスを加圧条件下において蒸留し、前記水素および前記脱水素有機化合物と、液化した前記未反応有機化合物とに分離する蒸留装置と、前記液化した未反応有機化合物を圧力の開放により気化させる気化装置と、前記気化に従う膨張力を利用して前記圧縮装置の動力を得る膨張エネルギー回収装置とを備えることを特徴とするエネルギー利用装置

請求項2

前記液化時に発生する凝縮熱を前記気化時に必要な気化熱として利用する熱伝導手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のエネルギーの利用装置。

請求項3

前記水素と脱水素有機化合物とを分離する分離装置と、前記分離装置によって分離された水素と脱水素有機化合物とを用いて発電を行う燃料電池とをさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載のエネルギーの利用装置。

請求項4

前記燃料電池において発生した有機化合物を前記吸熱反応装置に供給する供給手段をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載のエネルギーの利用装置。

請求項5

前記供給手段により、前記燃料電池において発生した熱量が前記吸熱反応装置に供給されることを特徴とする請求項4に記載のエネルギーの利用装置。

請求項6

有機化合物の脱水素吸熱反応を行う吸熱反応テップと、前記吸熱反応ステップで発生した水素、脱水素有機化合物および未反応有機化合物を含む第1のガスを加圧する圧縮ステップと、前記圧縮ステップによって加圧された第1のガスを加圧条件下において蒸留し、前記水素および前記脱水素有機化合物と、液化した前記未反応有機化合物とに分離する蒸留ステップと、前記液化した未反応有機化合物を圧力の開放により気化させる気化ステップと、前記気化に従う膨張力を利用して前記圧縮ステップの動力を得る膨張エネルギー回収ステップとを備えることを特徴とするエネルギーの利用方法

請求項7

前記液化時に発生する凝縮熱を前記気化時に必要な気化熱として利用することを特徴とする請求項6に記載のエネルギーの利用方法。

請求項8

前記水素と脱水素有機化合物とを分離する分離ステップと、前記分離ステップによって分離された水素と脱水素有機化合物とを燃料電池に供給し発電を行う発電ステップとをさらに備えることを特徴とする請求項6または7に記載のエネルギーの利用方法。

技術分野

0001

本発明は、燃料電池発熱、さらには工場排熱太陽熱を利用して燃料電池反応により電力を生成する装置およびその方法に関する。

背景技術

0002

工場やゴミ焼却炉から排出される熱を利用して、発電を行うエネルギー高次利用システムが知られている。このシステムとして特許文献1に記載されている熱エネルギーの利用システムがある。このシステムでは、工場排熱等の適当な熱源からの熱を利用して、脱水素触媒の作用により有機化合物における脱水素反応を行わせる第1工程、脱水素反応によって生成した有機不飽和化合物水素とを未反応物から分離する第2工程、この第2工程において分離された有機不飽和化合物と水素とを水素化触媒の作用によって反応させ、エネルギー発生させ、同時に第1工程において利用した出発物質である有機化合物を再生する第3工程を繰り返すことで、適当な熱源からの排熱を利用してエネルギーを得る。

0003

例えば、このシステムにおいて、有機不飽和化合物と水素とを水素化触媒の作用によって反応させる方法を燃料電池における発電反応に利用すれば、電気エネルギーを得ることができる。

0004

なお、上述したような2次的に得られる熱を、外部に排出される熱という意味で排熱と表現する場合と、利用されないという意味で廃熱と表現される場合があるが、本明細書においては、両者の意味を含めて排熱と表現する。

0005

特公平1−25972号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、上述したシステムにおいては、第2工程における有機不飽和化合物と水素とを未反応物から分離する処理が問題となる。

0007

すなわち、この分離には、蒸留による分離や膜分離が考えられるが、蒸留による分離では、蒸留を行うために蒸留対象物を冷却しなくてはならず、それはシステムの系外に熱を捨てていること(つまり無駄に消費していること)を意味し、熱の有効利用という観点から見て好ましくない。

0008

他方で、膜分離の場合、分離効率を確保するために透過側水素分圧下げなくてはならないが、そのためには真空ポンプを使用するか、大量のスウィーブガスを流す必要がある。しかしながら、真空ポンプを利用した場合、真空ポンプにおけるエネルギー消費が問題になり、またスウィーブガスを流す場合もそのためのエネルギー消費が問題となる。

0009

このように、上述した特許文献1に記載されたシステムにおいては、有機不飽和化合物と水素を排熱により得ても、それらを分離する際に熱を系外に捨てる、あるいはエネルギーを外部から投入しなくてはならない。このため、システムの効率は低くならざるを得なかった。

0010

本発明は、上述したような問題点を解決し、排熱を利用して電気エネルギーを高効率で得ることができる技術を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明のエネルギー利用装置は、有機化合物の脱水素吸熱反応を行う吸熱反応装置と、前記吸熱反応装置で発生した水素、脱水素有機化合物および未反応有機化合物を含む第1のガスを加圧する圧縮装置と、前記圧縮装置によって加圧された前記第1のガスを加圧条件下において蒸留し、気体である前記水素および前記脱水素有機化合物と、液化した前記未反応有機化合物とに分離する蒸留装置と、前記液化した未反応有機化合物を圧力の開放により気化させる気化装置と、前記気化に従う膨張力を利用して前記圧縮装置の動力を得る膨張エネルギー回収装置とを備えることを特徴とする。

0012

本発明において、液化時に発生する凝縮熱を気化時に必要な気化熱として利用する熱伝導手段をさらに備えることは好ましい。この態様によれば、液化することで分離した未反応有機化合物を分離後に気化させる際に、液化時の凝縮熱を利用して気化を効果的に行うことができ、装置内でのエネルギーの有効利用を図ることができる。

0013

熱伝導手段としては、蒸留装置で発生した熱(凝縮熱)が、圧力の開放により未反応有機化合物の気化が行われる装置に効率よく伝わるようにする構成を挙げることができる。また熱伝導手段として、熱交換装置を用いて、蒸留装置で発生する熱を適当な熱輸送媒体に移し、その熱輸送媒体を介して、蒸留装置から未反応有機化合物の気化が行われる装置への熱の輸送を行う構成を採用することもできる。

0014

また、本発明のエネルギー利用装置において、水素と脱水素有機化合物とを分離する分離装置と、この分離装置によって分離された水素と脱水素有機化合物とを用いて発電を行う燃料電池とをさらに備えることは好ましい。この態様によれば、蒸留により分離した水素と同じく蒸留により分離した脱水素有機化合物とを、さらに分離装置によって分離し、この分離した水素と脱水素有機化合物とを作動物質として燃料電池による発電を行うことができる。

0015

蒸留は、沸点の差を利用して複数の物質の混合物の中から選択的に一部の物質を液体状態とし、他の物質を気体状態とすることで、両者を分離するものである。この際、一部の物質が液化する状態を与える必要がある。どのような物質であっても沸点は、雰囲気の圧力が低下すれば下がり、雰囲気の圧力が高くなれば上がる。

0016

本発明は、この点を利用したもので、第1のガスを加圧することで、第1のガス中に含まれる未反応有機化合物の液化をより高温の環境下において行えるため、この凝縮熱を液体状態にある未反応有機化合物の気化過程における気化熱に利用することが効率よく行え、液体状態の未反応有機化合物の気化およびその気化に伴う膨張を効果的に行うことができる。そして、この気化膨張を効果的に行わすことで、その膨張エネルギー回収し、それを圧縮装置に供給して、第1のガスの加圧動作エネルギー源を確保することができる。また、この気化した有機化合物は、吸熱反応装置に戻され、排熱を利用した第1のガスを得る過程が繰り返される。

0017

つまり、排熱を利用した脱水素吸熱反応により、有機化合物より第1のガスを得、この第1のガスを加圧することで、未反応有機化合物の蒸留分離過程における凝縮熱を効果的に発生させ、この凝縮熱を液化分離後における未反応有機化合物の気化過程における気化熱として効率よく利用し、この気化によって発生した膨張エネルギーを利用して、上記の第1のガスの加圧を行い、膨張エネルギーを失った有機化合物は最初の脱水素吸熱反応に再利用されるサイクルが実現される。このサイクルでは、排熱源から得られる熱量を最大限有効に利用することができ、外部から供給するエネルギーを極力抑えながら、第1のガスから水素と脱水素有機化合物とを分離することができる。

0018

また、燃料電池反応においては、第1のガスから分離された水素と脱水素有機化合物とからそもそもの出発物質である有機化合物が得られ、それを初段の脱水素吸熱反応過程に戻すことで、有機化合物→排熱により分解→燃料電池発電→有機化合物の合成といったサイクルが実現される。

0019

このように、本発明においては、物質の状態が変わる時に必要な熱量(潜熱)を無駄にせず、有効に利用することで、有機化合物を循環物質として適当な排熱源からの排熱エネルギーを利用して電力を得ることができる。

0020

仮に上述したサイクルにおいて、第1のガスの加圧が行われないと、蒸留時に冷却を行わなくてはならず、そのため排熱源から得た熱量を無駄にしなければならない。さらに蒸留過程において発生する凝縮熱の温度が低いため、この凝縮熱を利用した未反応有機化合物の気化を効果的に行えず、そのため吸熱反応過程に未反応有機化合物を戻すサイクルを有効に機能せることができない。そのため、排熱源以外からのエネルギーの供給を行わなくては、装置の動作効率を確保することができなくなり、有効なエネルギーの利用が行えなくなる。

0021

本発明において、有機化合物としては、イソプロピルアルコールシクロヘキサノールシクロヘキサンメチルシクロヘキサンジメチルシクロヘキサン等を用いることができる。

0022

例えば、有機化合物としてイソプロピルアルコール(IPA:(CH3)2CHOH))を利用した場合、水素(H2)および脱水素有機化合物であるアセトン(ACE:CH3COCH3)を得ることができる。

0023

本発明のエネルギー利用装置において、燃料電池において発生した有機化合物を吸熱反応装置に供給する供給手段をさらに備えることは好ましい。この態様によれば、有機化合物を装置内で循環させる閉鎖システム構築することができ、反応に必要な供給物質の必要がない、あるいは必要があってもその量が少なくて済むシステムを得ることができる。

0024

また、上記の供給手段により、燃料電池において発生した熱量が吸熱反応装置に供給される構成とすることは好ましい。この態様によれば、装置内に取り込まれた熱量を無駄なく、装置内の反応動作に利用することができる。

0025

以上説明したように、本発明によれば、システム内において、有機化合物→水素および脱水素有機化合物→燃料電池発電→有機化合物の再生、といったサイクルが繰り返される循環システムが構築される。すなわち、排熱の熱エネルギーをエネルギー源として、この循環サイクルが内部で連続的に繰り返されることで、電力を生成することができる。特にこの循環サイクルによる発電は、排熱の温度が150℃程度以下の低品位な排熱であっても機能する。したがって、従来は利用効率が低く、コスト的な問題から捨てられていた熱量を電力として有効に再利用することができる。

0026

本発明は、エネルギーの利用方法として把握することもできる。すなわち、本発明のエネルギーの利用方法は、有機化合物の脱水素吸熱反応を行う吸熱反応ステップと、前記吸熱反応ステップで発生した水素、脱水素有機化合物および未反応有機化合物を含む第1のガスを加圧する圧縮ステップと、前記圧縮ステップによって加圧された第1のガスを加圧条件下において蒸留し、前記水素および前記脱水素有機化合物と、液化した前記未反応有機化合物とに分離する蒸留ステップと、前記液化した未反応有機化合物を圧力の開放により気化させる気化ステップと、前記気化に従う膨張力を利用して前記圧縮ステップの動力を得る膨張エネルギー回収ステップとを備えることを特徴とする。

0027

上記エネルギーの利用方法において、液化時に発生する凝縮熱を気化時に必要な気化熱として利用することは好ましい。また上記エネルギーの利用方法において、気化した水素と脱水素有機化合物とを分離する分離ステップと、この分離ステップによって分離された水素と脱水素有機化合物とを燃料電池に供給し発電を行う発電ステップとをさらに備えることは好ましい。

0028

本発明における排熱の熱源は、特に限定されないが、例えば燃料電池、エンジン、工場内の各種設備焼却炉溶鉱炉電気炉太陽光地熱ガスタービン等の燃焼機関等を挙げることができる。

発明の効果

0029

本発明によれば、吸熱反応装置から蒸留装置に供給される原料ガスを圧縮装置により加圧することで、蒸留に必要な環境温度を高くし、それにより蒸留時に発生する未反応有機化合物の凝縮熱を未反応有機化合物の気化に有効に利用することができる。

0030

また、加圧条件下における蒸留によって、水素と脱水素有機化合物を得、この水素と脱水素有機化合物をさらに分離し、さらにこの分離した水素と脱水素有機化合物を利用して燃料電池反応を行い、発電を行うことができる。こうして、排熱を利用して電気エネルギーを高効率で得ることができる技術を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0031

(実施形態の構成の概略)
以下、有機化合物としてイソプロピルアルコール(IPA:(CH3)2CHOH))を利用し、水素(H2)および脱水素有機化合物であるアセトン(ACE:CH3COCH3)を得、さらに水素およびアセトンを利用して燃料電池における発電を行う構成の一例を説明する。

0032

図1は、本発明を利用したエネルギー利用装置の一例を示す概念図である。図1に示すエネルギー利用装置101は、吸熱反応装置102、圧縮装置103、蒸留装置104、膨張弁106、気液分離装置107、膨張弁109、燃料電池110および膨張エネルギー回収装置111を備えている。

0033

吸熱反応装置102は、脱水素触媒を備え、外部から供給される熱を吸収し、イソプロピルアルコール(IPA:(CH3)2CHOH))をアセトン(CH3COCH3)と水素(H2)とに分解する機能を有する。

0034

この例においては、脱水素触媒として、活性炭表面ルテニウム微粒子担持させたものを用いている。脱水素触媒としては、脱水素作用を有する金属、金属酸化物炭化物等を利用することができる。

0035

圧縮装置103は、吸熱反応装置102においてIPAから得られた水素、アセトンおよび未反応のIPAを主成分とする第1のガスを圧縮し圧力を高める機能を有するポンプである。圧縮装置103は、後述する膨張エネルギー回収装置111から回転力直接伝達されて動作する。なお、図示省略してあるが、圧縮装置103には、補助動力としてモータが接続され、膨張エネルギー回収装置111からの駆動を補助する構成となっている。

0036

圧縮装置103における圧縮の程度は、有機化合物であるIPAの沸点が吸熱反応装置102から排出される第1のガスの温度より高い温度になり、同時に脱水素有機化合物であるアセトンの沸点が第1のガスの温度より低い温度となるように設定される。

0037

例えば、排熱源から供給される熱の温度が120℃であり、第1のガスの温度がそれよりやや低下した100℃であるとすると、圧縮装置103における圧縮の程度は、蒸留装置104内におけるIPAの沸点が100℃を超え、アセトンの沸点が100℃未満の温度となるように設定される。

0038

例えば、第1のガスを圧縮装置103によって2気圧に圧縮した場合、IPAの沸点は100℃を超えた温度に上昇するが、アセトンの沸点は75℃を超えたあたりの値になるので、アセトンを気体状態においたままで、IPAを液化させることができる。なお、IPAおよびアセトンの圧力に対する沸点の値は、実測データが用意されているので、それを用いればよい。

0039

蒸留装置104は、第1のガスが加圧された状態で導かれることにより、上述した沸点の差を利用して、水素とアセトンを気体、IPAを液体として分離する機能を有する。

0040

水素の沸点は常圧において約−253℃であり、アセトンの沸点は常圧において約56.5℃であり、IPAの沸点は常圧において約82.4℃であるが、本実施形態においては、上述したように、圧縮装置103によって圧縮が行われ、アセトンの沸点が第1のガスの温度未満、IPAの沸点が第1のガスの温度を超えた温度となるように調整されている。

0041

こうすることで、蒸留装置から発生する凝縮熱を後述する液化分離されたIPAの気化に効果的に利用することができる。すなわち、加圧により蒸留温度を意図的に高めることで、蒸留時に発生した凝縮熱をIPAの気化過程に効果的に供給し、IPAの気化を外部からのエネルギーの供給を行わずに効率よく行うことができる。

0042

膨張弁106は、蒸留装置104において液化分離されたIPAを断熱状態において圧力だけを下げる機能(断熱膨張機能)を有する。膨張弁106の働きによって、IPAは気化し膨張する。

0043

なお気化膨張時にIPAの温度の低下があるので、気化膨張するIPAに対して、蒸留装置104から熱量が供給され、その気化膨張が助長される。つまり、IPAの気化に必要な気化熱として、蒸留装置104において発生する凝縮熱が利用される。こうすることで、IPAの気化に際して、装置の外部から余分なエネルギーを利用しなくて済み、エネルギー利用効率の高いシステムを得ることができる。

0044

具体的には、膨張弁106からのIPAの流れを導く配管を蒸留装置104の発熱部に近接して配置し、さらにその間に高熱伝導率の材料を配置し、両者の間に効果的に熱伝導が生じる構造としている。このようにすることで、IPAの気化時に必要な気化熱が蒸留装置104から供給され、IPAの気化膨張を効果的に行わすことができる。そして、IPAの気化過程において、エネルギー利用装置101の外部から余分なエネルギーを供給しなくて済み、エネルギー利用効率の高いシステムを得ることができる。

0045

気化膨張したIPAは、膨張エネルギー回収装置111に導かれる。膨張エネルギー回収装置111は、IPAの膨張エネルギーを運動エネルギー回転エネルギー)として回収し、それを圧縮装置103に供給する。

0046

具体的には、膨張エネルギー回収装置111は、一種タービンを備え、このタービンがIPAの膨張力によって回される。またこのタービンの軸は、圧縮装置103の駆動軸に連結されており、膨張エネルギー回収装置のタービンが回転することで、圧縮装置103の駆動が行われる。こうして、膨張エネルギー回収装置111においてIPAの膨張エネルギーが回収され、圧縮装置103の運転エネルギーに利用される。なお、動力は直接伝達せず、一旦電気エネルギーに変換してもよい。

0047

気液分離装置107は、蒸留装置104の上部から気体として得られた水素とアセトンとを分離する機能を有する。また、気体分離装置107の代わりに膜分離装置を用いることもできる。

0048

すなわち、気液分離装置107においては、蒸留装置104から排出されるアセトンと水素との混合ガスを自然放熱させ、アセトンの沸点未満に冷却する。こうすることで、アセトンを液化状態、沸点が極低温である水素は気体のままとすることができ、両者を分離することができる。すなわち、アセトンを液化し、装置の下部から液体として回収し、水素は気体として装置の上部から回収することができる。

0049

膨張弁109は、気液分離装置107において分離された液化したアセトンを断熱膨張させて気化させると共に、その膨張力を利用して燃料電池110へのアセトンの輸送駆動力を得る機能を有する。

0050

なお、断熱膨張時にアセトンの温度が低下するので、膨張弁109の排出側に気液分離装置107から熱量を供給し、アセトンの気化を助長するようにしている。

0051

燃料電池110は、水素とアセトンとを原料とした燃料電池であり、下記「化1」に示す反応により、発電を行う機能を有する。

0052

0053

燃料電池110は、セパレータ陰極触媒層陽極、セパレータと積層された単位セル構造多層に積層した構造を有する。この構造においては、陽極側に水素が供給され、陰極側にアセトンが供給される。

0054

燃料電池111においては、水素とアセトンとを原料として、上記化学式「化1」で示される反応が行われ、発電が行われる共に、反応生成物としてIPA((CH3)2CHOH)が得られる。このIPAは、膨張エネルギー回収装置111に供給され、その運動エネルギーは圧縮装置103の駆動エネルギーに利用される。また、燃料電池110で合成されたIPAは、反応熱を吸収しているので、膨張エネルギー回収装置111を介して、吸熱反応装置102に戻すことで、吸熱反応を助長することができる。こうして、装置内で発生した熱を無駄なく、再度発電のために利用することができる。

0055

(実施形態の動作の一例)
以下、有機化合物としてイソプロピルアルコール(IPA:(CH3)2CHOH))を利用し、適当な熱源の排熱を利用してIPAから水素(H2)および脱水素有機化合物であるアセトン(ACE:CH3COCH3)を得、さらにこの水素およびアセトンを利用して燃料電池における発電を行う場合の一例を説明する。

0056

まず、排熱源から120℃の熱が得られたとする。この場合、吸熱反応装置102において脱水素触媒の機能により、IPAが分解され、水素、アセトンおよび未反応のIPAを含んだ第1のガスが得られる。この第1のガスは、圧縮装置103によって2気圧に圧縮され、蒸留装置104に送られる。

0057

蒸留装置104内は、圧縮装置103によって2気圧に加圧された状態となるので、1気圧(常圧)において沸点が約82.4℃のIPAをより高い温度で液化させることができる。

0058

例えば、圧力を2気圧とした場合、IPAの沸点は100℃を超えるので、蒸留装置104内を100℃に保った状態で、IPAを液化することができる。またアセトンの2気圧における沸点は、75℃を超える程度の値であるので、この条件においてアセトンは液化しない。当然水素も液化しない。したがって、100℃の温度において、IPAのみを液化させ、装置下部から取り出し、水素とアセトンとを気体として装置の上部から取り出すことができる。

0059

液化したIPAは、膨張弁106の働きによって圧力が開放され、また同時に蒸留装置104からIPAの液化時に発生した凝縮熱が供給されることで、気化膨張する。この気化膨張したIPAは、膨張エネルギー回収装置111へ送られ、膨張エネルギーがそこで回収される。つまり、気化膨張したIPAの膨張エネルギーがタービンの回転等により膨張エネルギー回収装置111において回転エネルギーに変換され、その回転エネルギーを利用して圧縮装置103が駆動される。膨張エネルギー回収装置111から排出されたガス状のIPAは、吸熱反応装置102に戻され、再び吸熱反応に再利用される。

0060

他方で、蒸留装置104から排出された水素とアセトンの混合気体は、気液分離装置107に送られ、そこで75℃の温度に冷却される。この環境では、水素は気体の状態であるがアセトンは液化するので、両者を分離することができる。

0061

気液分離装置107で分離された水素とアセトンは、燃料電池110に送られ、化学式「化1」に示す反応により発電が行われる。化学式「化1」に示す反応の結果、IPAが再生され、再生されたIPAは、膨張エネルギー回収装置111に送られ、さらに吸熱反応装置102に送られて再利用される。

0062

このようにして、IPA→水素およびアセトン→燃料電池反応による発電およびIPAの再生、という反応サイクルを装置内で繰り返し行うことで、適当な熱源からの排熱をエネルギー源として発電を行うことができる。

0063

本発明は、各種の排熱を利用した発電システムに適用することができる。

図面の簡単な説明

0064

発明を利用したエネルギーの利用装置の一例を示す概念図である。

符号の説明

0065

101…エネルギー利用装置、102…吸熱反応装置、103…圧縮装置、104…蒸留装置、106…膨張弁、107…気液分離装置、109…膨張弁、110…燃料電池、111…膨張エネルギー回収装置。

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