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技術 薬液注入装置及び薬液注入工法

出願人 大成建設株式会社株式会社キャプティ三信建設工業株式会社
発明者 志波由紀夫檜垣貫司川井俊介勝田力鈴木毅彦林敬次郎小泉亮之祐
出願日 2004年5月14日 (17年1ヶ月経過) 出願番号 2004-145092
公開日 2005年11月24日 (15年6ヶ月経過) 公開番号 2005-325605
状態 特許登録済
技術分野 地盤中に固結物質を施すことによる地盤強化
主要キーワード 各分流路 電気的駆動弁 各区画空間 状況表示器 占有断面積 圧力表示器 所定注入量 単位サイクル
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年11月24日)のものです。
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図面 (12)

課題

薬液対象地盤注入する際、1本の注入管を使用するだけで、多数の薬液吐出孔から同時又は個別に薬液を注入する薬液注入装置及びその工法の提供。

解決手段

注入内管2上に複数箇所設けられたパッカー6を有するパッカー系統PSと、薬液を分流させる分流路9及び該分流路9を開閉する電磁弁SVからなる薬液系統MSと、各電磁弁SVのケーブル10を束ねたケーブル系統CSとを線状に集合させ、注入内管2が挿入される注入外管3には、薬液吐出孔3aが各パッカー6,6間に設けられ、ケーブル系統CSには、各電磁弁を同時又は個別の任意な開閉制御を行う薬液弁操作器MCを備えている。

概要

背景

軟弱な地盤特性を改良して土木建設工事に貢献できる地盤改良工法の一つとして地盤の中に薬液注入する薬液注入工法がある。従来の薬液注入工法においては、近年、例えば図10の(a)ないし(e)に示すように、まず対象とする地盤を図示しないボーリングマシンで削孔してケーシングを挿入し、このケーシング内に外管ストレーナ管)を建て込み、この外管の中に、一重又は二重構造となっている送液管の先端に薬液吐出部を取り付けた内管注入管)を挿入し、次に薬液吐出部を所定箇所に位置させ、薬液吐出部の上下のパッカーダブルパッカー)を作動させながら薬液吐出部から薬液を吐出し、外管の薬液吐出孔を経て薬液注入対象地盤に所定量の薬液を注入させ、これを単位サイクルとする操作を順次に薬液吐出部の位置を上方又は下方に移動させて行い、最終的に所要範囲全体に薬液をステップ注入する工法(第1の方式)が行われている。

また、このほかに図11の(a)に示すように、改良すべき地盤Gの近傍地表面Aから地盤B中の対象領域Fに屈曲又は直線を組み合わせてボーリングし、得られたボーリング孔H中に図11の(b)に示す注入外管Cを埋設し、この注入外管C内に多数の薬液吐出口qをもつ細管pを束ね結束注入細管BPを挿入するとともに、この結束注入細管BPを互いに隣接するパッカーR,R間に注入外管Cの吐出口Qが位置するように各細管pの薬液吐出口qをずらしながら建て込み、各々の細管pを各々の独立したポンプ繋ぎ、一つ一つのポンプを制御しながら多数の薬液吐出口qから注入外管Cの吐出口Qを通じて薬液を注入する工法(第2の方式)がある(特許文献1参照)。
特開2003−261934号公報(段落0008〜0011,0037、図1,13)

概要

薬液を対象地盤に注入する際、1本の注入管を使用するだけで、多数の薬液吐出孔から同時又は個別に薬液を注入する薬液注入装置及びその工法の提供。 注入内管2上に複数箇所設けられたパッカー6を有するパッカー系統PSと、薬液を分流させる分流路9及び該分流路9を開閉する電磁弁SVからなる薬液系統MSと、各電磁弁SVのケーブル10を束ねたケーブル系統CSとを線状に集合させ、注入内管2が挿入される注入外管3には、薬液吐出孔3aが各パッカー6,6間に設けられ、ケーブル系統CSには、各電磁弁を同時又は個別の任意な開閉制御を行う薬液弁操作器MCを備えている。

目的

そこで、本発明の課題は、前記のような従来技術における制約を改善し、1本の注入管を使用するだけで、多数の薬液吐出孔から同時に又は任意の薬液吐出孔から個別に薬液を注入することができ、また、薬液注入対象地盤の特性や範囲に応じてきめ細かな地盤改良の薬液の選択的注入を可能とし、少ない手間で効率的な薬液注入を可能とする薬液注入装置の提供及び経済的な薬液注入工法の提供を目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

注入内管と、該注入内管が挿入され複数の薬液吐出孔を有する注入外管とを備える薬液注入装置であって、前記注入内管は、加圧流体送出する加圧本管、該加圧本管上に複数箇所設けられる前記加圧流体を分岐させる分岐流路、及び該分岐流路に接続される前記注入内管外周の複数箇所に設けられたパッカーからなるパッカー系統と、薬液を送出する送液本管、該送液本管上に1箇所以上設けられ前記薬液を分流させる分流路、及び該分流路を開閉する電気的駆動弁からなる薬液系統と、前記各電気的駆動弁からのケーブル束ねてなるケーブル系統とを線状に集合させた構成を備え、前記注入外管の前記薬液吐出孔は、前記各パッカー間に設けられ、前記ケーブル系統は、前記各電気的駆動弁を同時又は個別の任意な開閉制御を行う薬液弁操作器に接続されることを特徴とする薬液注入装置。

請求項2

請求項1において、前記注入外管の前記薬液吐出孔は、薬液注入対象範囲分割注入単位ごとに設けられ、前記分流路及び前記電気的駆動弁は、前記分割注入単位に対応する前記送液本管上の箇所に設けられることを特徴とする薬液注入装置。

請求項3

請求項1又は請求項2において、前記各分流路、電気的駆動弁、分岐流路、及びパッカーで一つの組が構成され、各パッカーと前記注入内管と前記注入外管との間で区画空間を前記分割注入単位ごとに形成し、該区画空間を通じて前記薬液吐出孔から前記薬液を吐出するようにしたことを特徴とする薬液注入装置。

請求項4

請求項1ないし請求項3のいずれか一項において、前記送液本管からの前記各分流路に流量センサー圧力センサーのうち少なくとも流量センサーを設けるとともに、前記ケーブル系統にこれら流量センサーと圧力センサーのうち少なくとも流量センサーからのケーブルを加え、これら追加されたケーブルが接続され前記流量センサーと圧力センサーのうち少なくとも流量センサーにより流量と圧力のうち少なくとも流量を表示させる薬液吐出状況表示器を設けたことを特徴とする薬液注入装置。

請求項5

請求項1ないし請求項4のいずれか一項において、前記加圧本管から前記各パッカーへの前記分岐流路にパッカー用の電気的駆動弁と圧力センサーのうち少なくとも前記パッカー用の電気的駆動弁を設けるとともに、前記ケーブル系統にこれらパッカー用の電気的駆動弁と圧力センサーのうち少なくとも前記パッカー用の電気的駆動弁からのケーブルを加え、これら追加されたケーブルが接続され前記パッカー用の電気的駆動弁の同時又は個別の任意な開閉制御を行うパッカー弁操作器と前記圧力センサーによりパッカーの圧力の表示を行うパッカー圧力表示器のうち少なくともパッカー弁操作器を備えたことを特徴とする薬液注入装置。

請求項6

請求項1ないし請求項5のいずれか一項において、前記薬液系統を2系統とし、そのうちの1系統には薬液の主剤を、他の1系統には薬液の反応剤をそれぞれ流し、各々の薬液系統からの分流路を前記電気的駆動弁の下流側で合流させるように構成したことを特徴とする薬液注入装置。

請求項7

ボーリング手段により薬液注入対象地盤に削孔した薬液注入孔と請求項1に記載の薬液注入装置とを用いて行う薬液注入工法であって、前記薬液注入孔に前記注入外管を建て込み、該注入外管の内部に前記注入内管を挿入し、前記パッカーを作動させて各パッカー間の薬液の連通を遮断したのち、前記薬液弁操作器を操作することにより、任意に選択した薬液吐出口から薬液を吐出する工程を繰り返し、前記注入内管の位置を変えることなく、自由な順序で薬液注入対象範囲内を順次注入していくことを特徴とする薬液注入工法。

請求項8

ボーリング手段により薬液注入対象地盤に削孔した薬液注入孔と請求項4に記載の薬液注入装置とを用いて行う薬液注入工法であって、前記薬液注入孔に前記注入外管を建て込み、該注入外管の内部に前記注入内管を挿入し、前記パッカーを作動させて前記各薬液吐出孔間の薬液の連通を遮断したのち、全部の薬液吐出口、又は任意の複数個の薬液吐出口を選択し、各薬液吐出孔からの吐出状況を前記薬液吐出状況表示器により把握しつつ、前記薬液弁操作器からの操作により各薬液吐出孔からの薬液吐出を管理しながら、前記注入内管の位置を変えずに、薬液注入対象範囲内の全域同時注入を行う、又は適宜数の分割注入単位からなる領域の同時注入の繰返しで薬液注入対象範囲内を順次注入していくことを特徴とする薬液注入工法。

請求項9

請求項7又は請求項8に記載した薬液注入工法において、請求項1又は請求項4に記載の薬液注入装置の代わりに請求項5に記載の薬液注入装置を用いて行う薬液注入工法であって、前記パッカー弁操作器からの操作により前記パッカーをそれぞれ独立に作動させることを特徴とする薬液注入工法。

請求項10

請求項7ないし請求項9のいずれか一項に記載した薬液注入工法において、請求項6に記載の薬液注入装置を用いて行う薬液注入工法であって、前記薬液の主剤と反応剤とを前記各薬液吐出孔から吐出させる直前に合流して混合させる、いわゆる2ショット方式で行うことを特徴とする薬液注入工法。

技術分野

0001

本発明は、軟弱地盤の強度増強、液状化の恐れのある地盤液状化防止対策透水性地盤内への不透水性領域の形成などを目的とする地盤への薬液注入装置及び薬液注入工法に関する。

背景技術

0002

軟弱な地盤特性を改良して土木建設工事に貢献できる地盤改良工法の一つとして地盤の中に薬液注入する薬液注入工法がある。従来の薬液注入工法においては、近年、例えば図10の(a)ないし(e)に示すように、まず対象とする地盤を図示しないボーリングマシンで削孔してケーシングを挿入し、このケーシング内に外管ストレーナ管)を建て込み、この外管の中に、一重又は二重構造となっている送液管の先端に薬液吐出部を取り付けた内管注入管)を挿入し、次に薬液吐出部を所定箇所に位置させ、薬液吐出部の上下のパッカーダブルパッカー)を作動させながら薬液吐出部から薬液を吐出し、外管の薬液吐出孔を経て薬液注入対象地盤に所定量の薬液を注入させ、これを単位サイクルとする操作を順次に薬液吐出部の位置を上方又は下方に移動させて行い、最終的に所要範囲全体に薬液をステップ注入する工法(第1の方式)が行われている。

0003

また、このほかに図11の(a)に示すように、改良すべき地盤Gの近傍地表面Aから地盤B中の対象領域Fに屈曲又は直線を組み合わせてボーリングし、得られたボーリング孔H中に図11の(b)に示す注入外管Cを埋設し、この注入外管C内に多数の薬液吐出口qをもつ細管pを束ね結束注入細管BPを挿入するとともに、この結束注入細管BPを互いに隣接するパッカーR,R間に注入外管Cの吐出口Qが位置するように各細管pの薬液吐出口qをずらしながら建て込み、各々の細管pを各々の独立したポンプ繋ぎ、一つ一つのポンプを制御しながら多数の薬液吐出口qから注入外管Cの吐出口Qを通じて薬液を注入する工法(第2の方式)がある(特許文献1参照)。
特開2003−261934号公報(段落0008〜0011,0037、図1,13)

発明が解決しようとする課題

0004

従来の前記第1の方式による工法は、広い範囲を注入するには、単位サイクルのステップ注入工程を、薬液吐出部の位置を順次移動させながら多数回、繰り返す必要があり、手間と時間が多くかかる。また前記第2の方式による工法は、多数箇所から注入するので所要時間は短くてすむが、薬液吐出口qとパッカーRとの合計数同数の送液用の細管pを必要とし、これら細管pを束ねた結束注入細管BPの太さが注入外管Cの内径内に収まるように寸法的に制約されるので、一定数以上には注入外管Cの吐出口Qの数を増やすことができない。

0005

そこで、本発明の課題は、前記のような従来技術における制約を改善し、1本の注入管を使用するだけで、多数の薬液吐出孔から同時に又は任意の薬液吐出孔から個別に薬液を注入することができ、また、薬液注入対象地盤の特性や範囲に応じてきめ細かな地盤改良の薬液の選択的注入を可能とし、少ない手間で効率的な薬液注入を可能とする薬液注入装置の提供及び経済的な薬液注入工法の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を解決するために講じた手段は、次のとおりである。
請求項1では、注入内管と、該注入内管が挿入される複数の薬液吐出孔を有する注入外管とを備える薬液注入装置であって、前記注入内管は、加圧流体送出する加圧本管、該加圧本管上に複数箇所設けられる前記加圧流体を分岐させる分岐流路、及び該分岐流路に接続される前記注入内管外周の複数箇所に設けられたパッカーからなるパッカー系統と、薬液を送出する送液本管、該送液本管上に1箇所以上設けられ前記薬液を分流させる分流路、及び該分流路を開閉する電気的駆動弁からなる薬液系統と、前記各電気的駆動弁からのケーブルを束ねてなるケーブル系統とを線状に集合させた構成を備え、前記注入外管の前記薬液吐出孔は、各パッカー間に設けられ、前記ケーブル系統は、前記各電気的駆動弁を同時又は個別の任意な開閉制御を行う薬液弁操作器に接続されることを特徴とする。

0007

この構成により、本発明の薬液注入装置は、1本の注入内管の内部に配設した送液本管を使用するだけで、多数の薬液吐出孔から同時に又は任意の薬液吐出孔から個別に薬液を注入することができ、少ない手間で、下記のように効率的な薬液注入が可能となる。
・注入外管の中で注入内管の位置をずらす手間をかけることがなく、広範囲の地盤に注入できる。
・位置を固定した注入内管により複数箇所から薬液を吐出させることを可能にする。
・薬液を注入内管の内部で、全体としては1本の送液本管で送り、複数箇所設定した注入外管の薬液吐出孔位置において送液本管から分流路を介して一部分ずつを取り出すような形としたことにより、薬液吐出孔の数が増えても注入内管を細く保つことができる。
・複数配置するパッカーについても、1本の加圧本管から各パッカーの配置箇所で分岐流路を出し、1本の加圧本管で分岐流路を介してパッカー全部を膨らませることができる。
・送液本管からの薬液を分流する分流路には、ケーブル系統により地上からの遠隔操作で作動させることのできる電気的駆動弁を配置したので、その開閉を地上から遠隔操作することで薬液の吐出を制御することができる。

0008

請求項2では、請求項1の薬液注入装置において、前記注入外管の前記薬液吐出孔は、薬液注入対象範囲分割注入単位ごとに設けられ、前記分流路及び前記電気的駆動弁は、前記分割注入単位に対応する前記送液本管上の箇所に設けられることを特徴とする。

0009

この構成により、薬液注入対象地盤の一定の薬液注入対象範囲に薬液を注入する薬液注入装置として、薬液注入対象範囲を複数の分割注入単位ごとの領域に区切り、その中の任意の領域を一つずつ自由に選んで、注入内管の位置をずらすことなく、順次施工していくことができる。各領域での薬液注入量や注入圧力などは、従来技術と同様に送液本管の上流側で把握することができる。

0010

請求項3では、請求項1又は2の薬液注入装置において、前記各分流路、電気的駆動弁、分岐流路、及びパッカーで一つの組が構成され、各パッカーと前記注入内管と前記注入外管との間で区画空間を前記分割注入単位ごとに形成し、該区画空間を通じて前記薬液吐出孔から前記薬液を吐出するようにしたことを特徴とする。

0011

この構成により、前記各分流路、電気的駆動弁、分岐流路、及びパッカーで一つの組が構成されるように注入内管及び注入外管の位置が相対的に固定することが可能になるので、薬液注入対象範囲を複数の分割注入単位ごとの領域に区切り、その中の任意の領域を一つずつ自由に選んで注入する際、注入内管の位置をずらすことなく、順次確実に施工していくことができる。

0012

請求項4では、請求項1ないし請求項3のいずれか一項の薬液注入装置において、前記送液本管からの前記各分流路に流量センサー圧力センサーのうち少なくとも流量センサーを設けるとともに、前記ケーブル系統にこれら流量センサーと圧力センサーのうち少なくとも流量センサーからのケーブルを加え、これら追加されたケーブルが接続され前記流量センサーと圧力センサーのうち少なくとも流量センサーにより流量と圧力のうち少なくとも流量を表示させる薬液吐出状況表示器を設けたことを特徴とする。

0013

この構成により、全ての薬液吐出口での吐出流量が把握できるようになるとともに、必要に応じて全ての薬液吐出孔での吐出圧力を把握することができ、さらに、次の作用効果を奏する。
・薬液注入対象範囲を複数の分割注入単位ごとの領域に区切り、各領域への薬液注入は、対応する区画空間における注入速度及び累積注入量によりモニタリングできる。
・全ての区画空間から薬液を吐出するとき、モニタリングしながら薬液弁操作器から電気的駆動弁の開閉を操作することで、注入速度及び累積注入量を各領域ごとコントロールできるようにしたので、薬液注入対象範囲を一気に施工していくことができる。
・また、全ての領域ではなく任意の複数の領域を自由に選んで、それらを同時に施工していくこともできる。地盤条件近接構造物等の条件によっては、薬液を注入する分割注入単位ごとの領域の施工順序に自由度があることで全体の施工効率がよくなる。

0014

請求項5では、請求項1ないし請求項4のいずれか一項の薬液注入装置において、前記加圧本管から前記各パッカーへの前記分岐流路にパッカー用の電気的駆動弁と圧力センサーのうち少なくとも前記パッカー用の電気的駆動弁を設けるとともに、前記ケーブル系統にこれらパッカー用の電気的駆動弁と圧力センサーのうち少なくとも前記パッカー用の電気的駆動弁からのケーブルを加え、これら追加されたケーブルが接続され前記パッカー用の電気的駆動弁の同時又は個別の任意な開閉制御を行うパッカー弁操作器と前記圧力センサーによりパッカーの圧力の表示を行うパッカー圧力表示器のうち少なくともパッカー弁操作器を備えたことを特徴とする。

0015

この構成により、各パッカーごとの作動をそれぞれ独立に行えるとともに、必要に応じて各パッカーごとの圧力を表示して的確にモニタリングできる。このため、各パッカーの圧力と各分流路の流量センサー及び圧力センサーをモニタリングすることにより、前記パッカーにより前記薬液吐出孔箇所が閉塞されないように、注入外管の前記薬液吐出孔に対する注入内管の前記各組の位置を的確に把握しつつ、前記注入内管を固定位置に設置して施工することができる。

0016

請求項6では、請求項1ないし請求項5のいずれか一項の薬液注入装置において、前記薬液系統を2系統とし、そのうちの1系統には薬液の主剤を、他の1系統には薬液の反応剤をそれぞれ流し、各々の薬液系統からの分流路を前記電気的駆動弁の下流側で合流させるように構成したことを特徴とする。

0017

この構成により、薬液吐出口の直前で両液を混合させて地盤に注入することができるので、ゲルタイムが数秒オーダー瞬結型薬液ないし数分オーダーの急結型薬液の注入が可能となる。

0018

請求項7の薬液注入工法は、ボーリング手段により薬液注入対象地盤に削孔した薬液注入孔と請求項1の薬液注入装置とを用いて行う薬液注入工法であって、前記薬液注入孔に前記注入外管を建て込み、該注入外管の内部に前記注入内管を挿入し、前記パッカーを作動させて各パッカー間の薬液の連通を遮断したのち、前記薬液弁操作器を操作することにより、任意に選択した薬液吐出口から薬液を吐出する工程を繰り返し、前記注入内管の位置を変えることなく、自由な順序で薬液注入対象範囲内を順次注入していくことを特徴とする。

0019

この構成により、1本の注入内管を使用するだけで、多数の薬液吐出孔から同時に又は任意の薬液吐出孔から個別に薬液を注入することができ、また、薬液注入対象地盤の特性や範囲に応じてきめ細かな地盤改良薬液の任意な選択的注入を可能とし、少ない手間で効率的な薬液注入を可能とする経済的な薬液注入工法を提供することができる。

0020

請求項8の薬液注入工法は、ボーリング手段により薬液注入対象地盤に削孔した薬液注入孔と請求項4の薬液注入装置とを用いて行う薬液注入工法であって、前記薬液注入孔に前記注入外管を建て込み、該注入外管の内部に前記注入内管を挿入し、前記パッカーを作動させて各パッカー間の薬液の連通を遮断したのち、全部の薬液吐出口、又は任意の複数個の薬液吐出口を選択し、各薬液吐出孔からの吐出状況を前記薬液吐出状況表示器により把握しつつ、前記薬液弁操作器からの操作により各薬液吐出孔からの薬液吐出を管理しながら、前記注入内管の位置を変えずに、薬液注入対象範囲内の全域同時注入を行う、又は適宜数の分割注入単位からなる領域の同時注入の繰返しで薬液注入対象範囲内を順次注入していくことを特徴とする。

0021

この構成により、全ての薬液吐出口での吐出流量と、必要に応じて全ての区画空間での吐出圧力を把握し、薬液注入対象範囲に注入する薬液を各区画空間又は全区画空間の注入速度及び累積注入量をモニタリングしつつ吐出できる。また、モニタリングしながら薬液弁操作器から電気的駆動弁の開閉を操作することで、注入速度及び累積注入量を、各領域ごとにコントロールしつつ薬液注入対象範囲を一気に施工していくことができる。
また、全域ではなく任意の分割注入単位からなる領域を自由に選んで、それらを同時に施工していくこともできるので、地盤条件や近接構造物等の条件によっては、薬液を注入する領域の施工順序に自由度があることで全体の施工効率を向上させることができる。

0022

請求項9では、請求項7又は請求項8の薬液注入工法において、請求項1又は請求項4の薬液注入装置の代わりに請求項5の薬液注入装置を用いて行う薬液注入工法であって、前記パッカー弁操作器からの操作により前記パッカーをそれぞれ独立に作動させることを特徴とする。

0023

この構成により、各パッカーごとの作動をそれぞれ独立に行いつつ薬液注入装置を操作することができるので、薬液注入対象範囲における各領域への注入を適切に行うことができる。また、薬液注入対象範囲を分割して分割注入単位ごとに注入する際に、前工程で注入を行った領域において注入外管内に残った薬液がゲル化し、作業終了後に注入内管が注入外管から引き抜けなくなるのを防ぐことができる。すなわち、各パッカーへの分岐流路にパッカー用の電気的駆動弁と圧力センサーを付け加えて各パッカーをそれぞれ独立に作動させるようにしたことで、注入外管内の区画空間の上流側のパッカーと下流側のパッカーの一方の作動を切り替え膨張解除した後、薬液系統に洗浄水を流して当該区画空間に残った薬液を希釈するとともに隣接の区画空間へ押し流すことを可能にさせる。

0024

請求項10では、請求項7ないし請求項9のいずれか一項の薬液注入工法において、請求項6の薬液注入装置を用いて行う薬液注入工法であって、前記薬液の主剤と反応剤とを前記各薬液吐出孔から吐出させる直前に合流して混合させる、いわゆる2ショット方式で行うことを特徴とする。

0025

この構成により、注入する薬液に瞬結型薬液や急結型薬液を使用する場合には、薬液を主剤と反応剤の2液の状態にしたまま送液し、薬液吐出孔の直前で両液を混合させて地盤に注入することができるので、ゲルタイムが数秒オーダーの瞬結型薬液ないし数分オーダーの急結型薬液でも注入が可能となり、全体の施工効率を向上させることができる。

発明の効果

0026

本発明によれば、次の効果を奏することができる。
1.本発明では、薬液注入対象地盤に薬液を注入するのに一旦注入内管を設置した後は、この位置を変える手間はいらず、薬液弁操作器による電気的駆動弁の開閉操作だけで、薬液吐出孔の全箇所から同時に、又は任意の箇所から順次に自由な順序で注入ができるので、注入に要する労力と時間を節約することができる。
2.本発明では、薬液吐出孔及びパッカーの数に制約されず薬液系統とパッカー系統とでそれぞれ1本の管で足り、注入内管の分流路を制御する電気的駆動弁のケーブルは比較的小さい占有断面積ですむので、同じ内径の注入外管を用いた場合は従来工法に比べてより多くの薬液吐出孔を設けることができ、より効率的な薬液注入が可能である。

発明を実施するための最良の形態

0027

次に、本発明の、実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1の(a)は、本発明の第1実施形態の薬液注入装置の模式図であり、(b)は、部分拡大図である。図2の(a)は、本発明の第2実施形態の薬液注入装置の模式図であり、(b)は、部分拡大図である。図3の(a)は、本発明の第3実施形態の薬液注入装置の模式図であり、(b)は、部分拡大図である。図4の(a)は、本発明の第4実施形態の薬液注入装置の模式図であり、(b)は、部分拡大図である。図5は、本発明の第5実施形態の薬液注入工法の模式図であり、(a)〜(f)は、その施工工程である。図6は、本発明の第6実施形態の薬液注入工法の模式図であり、(a),(b)は、その施工工法の変形例である。図7は本発明の第7実施形態の薬液注入工法の模式図であり、(a)〜(c)は、その施工工程である。図8は、本発明の第8実施形態の薬液注入工法の模式図であり、(a),(b)は、その施工工程である。図9は、本発明の実施形態における施工変形例の模式図である。

0028

(第1実施形態)
まず、本発明の薬液注入装置について説明する。本発明の薬液注入装置を第1実施形態に基づいて説明する。図1(a)に示すように、第1実施形態の薬液注入装置は、注入内管2と注入外管3とを主として備えている。

0029

図1の(b)に示すように、注入内管2の中には、薬液系統MS、パッカー系統PS、及びケーブル系統CSが線状に集合された状態で配設されている。薬液系統MSは、薬液を送出する1本の送液本管8と、この送液本管8に設けられた薬液を分流する分流路9と、この分流路9に配設された電気的駆動弁としての電磁弁SVとを有している。パッカー系統PSは、空気や水などの加圧された流体を送出する1本の加圧本管4と、この加圧本管4から分岐してパッカー6に加圧流体を送る分岐流路5とを有している。ケーブル系統CSは、前記電磁弁SVに接続されるケーブル10を束ねて構成されている。注入内管2上には、前記分流路9及び電磁弁SVを囲む防水ケース7が設けられており、この防水ケース7上に前記パッカー6が配設されている。前記分流路9は、各パッカー6の下流側及び上流側、又はそのどちらか一方の側に向けて分流されるように設けられる。本実施形態では、一方の下流側に向けて分流されるように設けた分流路9で説明している。

0030

一方、注入外管3には、図1の(a)に示すように、その外周における一つの円周帯域ごとに適宜数の薬液吐出孔3aが設けられている。この薬液吐出孔3aは、注入外管3内に注入内管2が挿入されたとき、該注入外管3に内接する前記パッカー6の配設位置と重ならない位置に形成されており、薬液の吐出に支障がないように設けられている。

0031

図1の(a)に示す第1実施形態では、薬液を注入する薬液注入対象地盤Gにおける薬液注入対象範囲Sを分割注入する分割注入単位Sn(nは自然数で、第n番目の分割注入単位を指し、図中のS4は第4番目の分割注入単位を意味する。また、図中の丸付き数字1〜4は、上から第1番目ないし第4番目の分割注入単位であることを便宜的に示し、以下の符号の図示を省略している。)として分割して効率的な計画施工を行う。そのため、前記分流路9、電磁弁SV、分岐流路5及びパッカー6は、一組となるようにまとめ、このまとめた組を全体として一箇所以上、好ましくは複数箇所設ける。前記分流路9、電磁弁SV、分岐流路5及びパッカー6をまとめた2つの組の間に、注入外管3の薬液吐出孔3aが位置するように設定して薬液を注入する一つの分割注入単位Snを計画する。

0032

次に、分割注入単位Snごとの薬液の注入の仕方について詳しく説明する。
図1の(a),(b)に示すように、注入内管2内に配設したパッカー系統PSは、地上に設けたパッカー加圧装置Pmに接続されており、同じく薬液系統MSは、地上の流量計及び必要に応じて圧力計が備えられたポンプPを介して薬液タンクTに接続され、ケーブル系統CSは、同じく地上に設けられた薬液弁操作器MCに接続されている。

0033

パッカー系統PSに接続されたパッカー6と薬液系統MSからの薬液の吐出を制御する電磁弁SVとは、前記したように一つの組にまとめて配設することが好ましいが、必ずしも同位置や同数でなくてもよい。また、隣接するパッカー6,6に挟まれて注入外管3と注入内管2との間に形成される区画空間に薬液吐出口9c及び必要に応じて電磁弁SVを2箇所以上設けてもよい。
各電磁弁SVはそれぞれ、薬液弁操作器MCから個別に開閉が操作できるようケーブル系統CSにより接続されている。薬液弁操作器MCを操作することにより任意の電気的駆動弁としての電磁弁SV、例えば、薬液注入の施工計画における薬液注入対象範囲Sを分割した上方から第4番目の分割注入単位S4に位置する電磁弁SVを選択し、この電磁弁SVを開放すれば、そこから薬液が吐出されて分割注入単位S4に注入される。薬液は薬液タンクTから1本の送液本管8で送られるので、1台のポンプPで済む。

0034

パッカー6,6,・・・は、水、空気などを用いたパッカー加圧装置Pmにより、同時に加圧されて膨張することで注入外管3に密着する。これにより、パッカー6を越えて薬液が隣接する区画空間に流れるようなことはない。注入外管3には、注入内管2から吐出された薬液が地盤中に出て行く薬液吐出孔3a,3a,・・・があけられている。注入外管3は、地盤から注入外管3内へ土が流入しないように対策されているものを用いる。

0035

(第2実施形態)
図2の(a),(b)は本発明の第2実施形態を示す。この第2実施形態は、図1の(a),(b)に示した第1実施形態において、図2の(b)に示すように、分流路9に流量センサーSqを配設し、注入外管3と注入内管2との間に形成される区画空間に圧力センサーSpを追加的に設けた点が異なる。そして、この流量センサーSqと圧力センサーSpとは、ケーブル10a,10bにより図2の(a)に示すように地上に追加配置された薬液吐出状況表示器DPに接続されている。

0036

流量センサーSqは、当該薬液吐出口9cから吐出される薬液の流出状況を計量するものであり、その配置位置は薬液を送出する分流路9の電磁弁SVの上流側でも下流側でもよい。各センサーのケーブル10a,10bは、薬液吐出状況表示器DPに接続される。ここで、時間単位の薬液流出量(qi:リットル毎分)が表示されるとともに、吐出開始から現時点までの積算流出量(総計リットル量)が計算され表示される。

0037

圧力センサーSpは、注入内管2と注入外管3との間の区画空間に吐出された薬液の圧力を計測するものであり、その配設位置は、目的が達せられる適宜な位置であればよい。ケーブル10bは薬液吐出状況表示器DPに接続され、圧力値(pi)が表示される。薬液の圧力は送出経路の上流ほど高いので、最上流のポンプ圧力だけを把握すればよい場合は、圧力センサーSpの設置は必ずしも必要ではなく、ポンプPに圧力計を備えることで圧力センサーSpを省略してもよい。

0038

(第3実施形態)
図3の(a),(b)は本発明の第3実施形態を示す。この第3実施形態は、図2の(a),(b)に示した第2実施形態において、分岐流路5にパッカー用の電気的駆動弁である電磁弁EVを配設し、パッカー6内にパッカー圧力センサーSeを追加的に設けた点が異なる。図3の(b)に示すように、加圧本管4からパッカー6への分岐流路5にパッカー用の電磁弁EVと、パッカー6内にパッカー圧力センサーSeを追加的に設けるとともに、地上にも図3の(a)に示すようにパッカー弁操作器PC及びパッカー圧力表示器PDが加えられている。パッカー用の電磁弁EVはパッカー弁操作器PCと、パッカー圧力センサーSeはパッカー圧力表示器PDとケーブル10c,10dによりそれぞれ接続されている。パッカー弁操作器PCを操作することにより、任意のパッカー用の電磁弁EVを個別に開閉可能にしたものである。個別のパッカー6の圧力計測は必要でなく最上流のパッカー加圧装置Pmの圧力だけを把握すればよい場合は、パッカー加圧装置Pmに圧力計が設置されていればよく、各パッカー6へのパッカー圧力センサーSeの設置とパッカー圧力表示器PDは必要ない。

0039

(第4実施形態)
図4の(a),(b)は本発明の第4実施形態を示す。この第4実施形態は、図1の(a),(b)に示した第1実施形態において、図4の(b)に示すように、2本の送液本管8a、8bを配設して薬液系統を薬液A系統MSA及び薬液B系統MSBの2つの薬液系統とし、それぞれに別々の薬液(A,B)を使用することができるように構成したものである。薬液系統MSAは、薬液(A)を送出する送液本管8aと、この送液本管8aに設けられた薬液(A)を分流する分流路9aと、この分流路9aに配設された電磁弁SVAとを有している。この薬液系統MSAに併設されるもう1つの薬液系統MSBには、同じく薬液(B)を送出する送液本管8bと、この送液本管8bに設けられた分流路9bと、この分流路9bに配設された電磁弁SVBとが設けられている。

0040

そして、特徴的な構成としては、電磁弁SVA,SVBの下流に、薬液を吐出する薬液吐出口9cの直前に2種類の薬液を混合させるための薬液合流室9dを分流路9aと分流路9bの下流に設けたことである。この薬液合流室9dは、図4の(b)に示すように薬液吐出口9cを併設した型とするように設けるのが望ましい。薬液系統MSA及び薬液系統MSBは、図4の(a)に示すように、地上に設置した流量計を備えるポンプPa及びPbを介してそれぞれ薬液AタンクTa、薬液BタンクTbに接続されている。そして、薬液系統MSA及びMSBは、第1実施形態と同じくケーブル系統CSにより電磁弁SVA及び電磁弁SVBからのケーブル10,10eが薬液弁操作器MCに接続されている。この薬液合流室9dを設けることにより、薬液吐出孔3aから吐出する直前において両液を混合させて地盤に注入することができるので、ゲルタイムが数秒オーダーの瞬結型薬液ないし数分オーダーの急結型薬液の注入が可能となる。なお、前記した2種類の薬液の混合は、前記薬液合流室9dを使用せず、図示はしていないが、別々の薬液吐出口から直接に前記区画空間に吐出させて、該区画空間において混合させるようにしてもよい。

0041

(第5実施形態)
図5の(a)〜(f)は本発明の第5実施形態を示す。この第5実施形態は、図1の(a),(b)に示した第1実施形態の薬液注入装置を用いた施工法の例であって、既設構造物等、地上に構築物がある地盤の構築物直下に薬液を注入する施工法を行うものである。
初めに、図5の(a)に示すように、誘導式水平ボーリング機(HDDマシン)により、直線及び曲線を組み合わせて薬液注入対象範囲Sの中央を通るボーリングを行い、ボーリング機と反対側の地表まで削孔する。次に、図5の(b)に示すように、ボーリング機と反対側の地表でボーリングロッドの先端にバックリーマーを取り付け、さらにその後方に薬液注入孔の空間を保持するためのケーシングを接続し、バックリーマーでボーリング孔を拡径しつつボーリングロッドを後退させながら、ケーシングを引き込む。次に、図5の(c)に示すように、敷設されたケーシングの中に注入外管3を建て込み、さらに注入内管2を挿入する。この場合、注入外管3の中に予め注入内管2を挿入しておいて、これらを同時に建て込んでもよい。

0042

次に、図5の(d)に示すように、ケーシングを引き抜き、注入外管3を地盤に直接接触させる。この工程においては、注入外管3を建て込んだ直後にケーシングを引き抜き、続いて注入内管2を挿入する手順でもよい。また、以上においてケーシングの敷設は必ずしも前記の通りの施工でなくてもよく、例えばボーリング機と反対側の地表まで削孔せずに、薬液注入対象範囲Sの終端までに止めてケーシングを敷設することができれば、それでもよい。そして、注入外管3の中に挿入された注入内管2の薬液系統MS、パッカー系統PS、及びケーブル系統CS(図1の(a),(b)参照)にそれぞれ地上に設置した薬液タンクTに連なるポンプP、パッカー加圧装置Pm、薬液弁操作器MCを接続し、薬液注入装置を組み上げる。このとき、薬液注入対象範囲Sの水平方向及び/又は深さ方向の広がりが大きい場合には、その広がり程度と方向に応じて適宜他の薬液注入装置を同様の手順で併設するとよい。次に、図5の(e)に示すように、パッカー6,6を作動させて各薬液吐出口(9c,9c)間の薬液の連通を遮断する。次に、薬液弁操作器MCからの操作で、任意に選択した薬液吐出口(9c)の電磁弁(SV)を開き、その他の電磁弁(SV)を閉じておき、ポンプPで薬液を送って所定量の薬液を注入する。このような操作を薬液吐出口(9c)の選択を変えてこの工程を繰り返し行うことにより、薬液注入対象範囲Sの全体に薬液を注入する。この工程の繰返しの間、注入内管2の位置は変えなくてすむ。最後に、図5の(f)に示すように、注入内管2を引き上げ、併設した他の薬液注入装置を撤収して作業を終える。注入外管3は、一般には残置する。

0043

(第6実施形態)
図6の(a),(b)は本発明の第6実施形態を示す。この第6実施形態は、図2の(a),(b)に示した第2実施形態の薬液注入装置を用いた施工法の例である。
第6実施形態は、基本的に第5実施形態において図5の(a)〜(d)までに説明したものと同じ前半の施工手順を行った後、それ以降の後半に施工する薬液注入の工程が異なる施工手順を行うものである。ここでは、重複する前半の施工手順の説明は省略する。
第6実施形態で行う薬液注入工程の施工手順としては、図6の(a),(b)に示すように、薬液注入の工法は2通りが考えられる。第1の工法は、図6の(a)に示すように、全域同時施工で、全部の薬液吐出孔(3a)(図2の(a),(b)参照)から同時に薬液を吐出させ、薬液注入対象範囲Sの全域を一気に注入する。薬液吐出状況表示器DPにより各薬液吐出孔(3a)からの吐出流量をモニターし、それぞれが所定注入量となるように、薬液弁操作器MCから注入内管(2)の電磁弁(SV)を開閉操作して吐出時間や吐出速度を調整する。

0044

第2の工法は、図6の(b)に示すように、部分領域同時施工で、薬液注入対象範囲Sをいくつかの部分領域に分け、各部分領域内で前記のような複数の薬液吐出孔(3a)からの同時注入を行い、それを繰り返すことによって範囲を移動させつつ順次注入していく。この部分領域同時施工では、薬液を注入する薬液注入対象範囲Sを適宜数の分割注入単位(Sn)(図1の(a)参照)をひとまとめにして、領域1、領域2、領域3の3つに区分した例で説明する。初めに、例えば既設構造物等の直下の中央部など、任意に選択した領域2に対する薬液の注入を施工し、その後、他の領域1又は領域3へと施工範囲を移動させて順次薬液の注入を施工する。広い領域範囲を注入する際に、注入箇所に順序をつけることによって、既設構造物等への注入圧力の影響を軽減させることができるような場合や、薬液で置き換えられる地下水の流れをコントロールしたい場合などに、この工法を使えば有利である。

0045

いずれの工法においても、注入内管(2)の位置を変えずに施工することができる。ただし、薬液注入対象範囲Sが非常に長く、注入内管(2)で薬液を吐出させることのできる長さよりも長い場合は、後記する延長ロッド(送液本管、加圧本管、及びケーブルのみからなる)を作成して注入内管(2)の全長を伸ばし、注入内管(2)の位置を変える工法が採用できる(図9参照)。また、注入外管(3)の一方の開口から注入内管(2)を挿入して注入した後、他方の開口から注入内管(2)を入れて注入する工法も施工できる。

0046

(第7実施形態)
図7の(a)〜(c)は本発明の第7実施形態を示す。この第7実施形態は、基本的に図3の(a),(b)に示した第3実施形態の薬液注入装置を用いた施工法の変形例であり、薬液タンクTのほかに洗浄水タンクWを付加し、薬液吐出状況表示器(DP)を省略している点が一部異なる。
第3実施形態の説明で述べたように、パッカー(6,6)をそれぞれ独立に操作できるようにすることで、注入外管(3)と注入内管(2)との間に滞留する薬液がゲル化して注入作業終了後に注入内管(2)が引き抜けなくなるのを防ぐために、各分割注入単位(Sn)の注入終了後に滞留薬液を洗浄することができるようにした。すなわち、図7の(a)に示すように、上から第2番目の分割注入単位(S2)の注入が終了した後、図7の(b)に示すように、パッカー弁操作器PCの操作によりパッカー用の電磁弁(EV)の開閉を制御して、上から第3番目のパッカー(6)だけを作動させて第2番目のパッカー(6)を開放し、その後、図7の(c)に示すように、地上の薬液弁操作器MCによる電磁弁(SV)の操作で薬液から洗浄水に切り替えて送液すれば、滞留薬液は洗浄水で希釈されてゲル化しなくなるか、又はゲル化したものが崩されて洗浄水とともに薬液注入孔から排出される。

0047

(第8実施形態)
図8の(a),(b)は本発明の第8実施形態を示す。この第8実施形態は、図4の(a),(b)に示した第4実施形態の2つの薬液系統を備える薬液注入装置を用いた施工法の例であり、薬液タンクTbに薬液タンクTb’を付加している点が一部異なる。
第8実施形態では、薬液タンクTb’に薬液B’を貯留する。これにより、注入する薬液として薬液Aと薬液Bの他に薬液B’が使用できるように構成したことを特徴とする。注入薬液として、薬液Aと薬液Bを混合すればゲルタイムが数秒オーダーの瞬結性ないし数分オーダーの急結性となり、薬液Aと薬液B’とを混合すればゲルタイムが数十分以上の緩結性となるように各薬液を選択し、3種類の薬液を用いて複相式の注入を行えるようにする。

0048

すなわち、図4の(a),(b)に示した薬液注入装置を用いて、薬液A系統(MSA)には薬液Aを流し、薬液B系統(MSB)には薬液B又はB’のいずれかを流せるようにする。初めに、図8の(a)に示すように、薬液A系統(MSA)に薬液AタンクTaを連結したポンプPaを接続し、薬液B系統(MSB)側には、薬液BタンクTbを連結したポンプPbを接続することで、瞬結性ないし急結性の薬液の組合せにして短時間の注入を行い、注入外管(3)の周囲のシール及び粗詰め注入を行う(一次注入)。次に、図8の(b)に示すように、薬液B系統(MSB)の送液を薬液B’に切り替えて緩結性の薬液の組合せに変更し、長時間をかけて浸透注入を行う(二次注入)。そして薬液弁操作器MCからの電磁弁(SV)の切替え操作により薬液を吐出させる位置を順次移動させながら、前記の注入工程を繰り返して薬液注入対象範囲(S)の全体を注入する。また、前記のように1箇所ごとに一次注入と二次注入を続けて行うことのほか、全箇所の一次注入を電磁弁(SV)の切替え操作により順次行った後、二次注入を行うこともできる。いずれの手順でも、注入過程で注入内管(2)の位置を変えずに施工できる。

0049

(第9実施形態)
図9の(a)〜(c)は本発明の第9実施形態を示す。この第9実施形態は、図1の(a),(b)ないし図4の(a),(b)に示した各実施形態の薬液注入装置を用いた施工法の変形例である。
各実施形態の施工法において、薬液を注入する薬液注入対象範囲(S)が非常に長く、注入内管2で薬液を吐出させることのできる長さよりも長い場合に、延長ロッドを作成して注入する工法を示したものである。
まず、図9の(a)に示すように、前記したように延長ロッドを注入内管2に接続して、注入外管3内に挿入する。次に、図9の(b)に示すように、延長ロッド及び注入内管2を通じて薬液を注入外管3の薬液吐出孔(3a)から領域1(第6実施形態の説明参照)に注入する。この場合、初めに薬液を注入する範囲は、適宜選択した分割注入単位(Sn)からなる注入外管3先端部の領域1として第6実施形態で説明した要領で薬液を注入する。その後、図9の(c)に示すように、延長ロッド及び注入内管2を移動させて延長ロッドを取り外し、薬液を残りの領域に注入する。この施工法を行うことで非常に長い薬液注入対象範囲(S)の全体を施工することができる。
以上に説明した各実施形態は、本発明を限定するものではない。特許請求の範囲に記載した本発明の技術思想を逸脱しない範囲で本発明の実施形態は変更可能である。なお、各実施形態において説明した薬液弁操作器(MC)は、各電磁弁を同時又は個別の任意な開閉制御が可能に構成されている。

図面の簡単な説明

0050

(a)は本発明の第1実施形態の薬液注入装置の模式図、(b)は部分拡大図である。
(a)は本発明の第2実施形態の薬液注入装置の模式図、(b)は部分拡大図である。
(a)は本発明の第3実施形態の薬液注入装置の模式図、(b)は部分拡大図である。
(a)は本発明の第4実施形態の薬液注入装置の模式図、(b)は部分拡大図である。
本発明の第5実施形態の薬液注入工法の模式図、(a)〜(f)はその施工工程を示す図である。
本発明の第6実施形態の薬液注入工法の模式図、(a),(b)はその施工工法の変形例を示す図である。
本発明の第7実施形態の薬液注入工法の模式図、(a)〜(c)はその施工工程を示す図である。
本発明の第8実施形態の薬液注入工法の模式図、(a),(b)はその施工工程を示す図である。
本発明の実施形態における施工変形例の模式図である。
従来の第1の薬液注入装置の模式図である。
従来の第2の薬液注入装置の模式図である。

符号の説明

0051

2注入内管
3注入外管
3a薬液吐出孔
4加圧本管
5分岐流路
6パッカー
8 送液本管
9分流路
9c薬液吐出口
10ケーブル
T薬液タンク
SV電磁弁(電気的駆動弁)
MS薬液系統
PS パッカー系統
CS ケーブル系統
MC薬液弁操作器
Pm パッカー加圧装置
P ポンプ

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