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技術 アルミニウム鋳物材の表面改質法及びアルミニウム鋳物材の外観不良補修法

出願人 リョービ株式会社中田一博
発明者 駒崎徹中田一博
出願日 2004年5月17日 (16年6ヶ月経過) 出願番号 2004-146155
公開日 2005年11月24日 (14年11ヶ月経過) 公開番号 2005-324240
状態 拒絶査定
技術分野 鋳造後の仕上げ処理 鋳造前の予備処理と金属の鋳造 圧接、拡散接合 圧接、拡散接合
主要キーワード 送りネジ棒 アルミニウム鋳物材 ダイカスト鋳物 補修法 アルミニウム鋳物 鋳物材 セラミックス系材料 ガス含有量
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課題

アルミニウム鋳物材内部欠陥消滅させることができ、又はアルミニウム鋳物材表面に生じている外部不良を補修することができるアルミニウム鋳物材の表面改質法及びアルミニウム鋳物材の外観不良補修法の提供。

解決手段

アルミニウム鋳物材の表面改質法を実施するための表面改質装置1は、それぞれ円柱形状をしたプローブ部10とショルダー部20とを備える。プローブ部10はアルミニウム材からなり、ショルダー部20の軸心に沿って形成された貫通孔20aに移動可能に挿通されている。アルミニウム鋳物材の表面改質法では、ショルダー部20の一端20Aからプローブ部10を軸心方向に突出させる。そして、プローブ部10を高速回転させてアルミニウム鋳物材2の表面に接触させるとともに、アルミニウム鋳物材2に対して軸心方向に押圧する。

概要

背景

プローブ部とショルダー部とを備える表面改質装置を用いてアルミニウム鋳物材の表面を改質する方法が従来より行われている。プローブ部及びショルダー部を回転させながらアルミニウム鋳物材に接触させることにより、プローブ部及びショルダー部と鋳物材との摩擦熱によりアルミニウム鋳物材の表面を軟化させ塑性流動させて、当該表面を改質する。

特許第3229556号公報には、このような表面改質装置を用いて行うアルミニウム鋳物材の表面改質法が記載されている。表面改質装置は略円柱形状をしたショルダー部と略円柱形状のプローブ部とを備える。プローブ部は、ショルダー部の一端におけるショルダー部の軸心位置にショルダー部と同軸的に突出している。ショルダー部とプローブ部とはSKD61により一体に構成され、ショルダー部の軸心を中心として高速回転可能である。ショルダー部及びプローブ部が高速回転している状態で、プローブ部をアルミニウム鋳物材の表面に接触させることにより、アルミニウム鋳物材の表面を軟化攪拌表面改質を行う。
特許第3229556号公報(2頁〜3頁、図1)

概要

アルミニウム鋳物材の内部欠陥消滅させることができ、又はアルミニウム鋳物材表面に生じている外部不良を補修することができるアルミニウム鋳物材の表面改質法及びアルミニウム鋳物材の外観不良補修法の提供。 アルミニウム鋳物材の表面改質法を実施するための表面改質装置1は、それぞれ円柱形状をしたプローブ部10とショルダー部20とを備える。プローブ部10はアルミニウム材からなり、ショルダー部20の軸心に沿って形成された貫通孔20aに移動可能に挿通されている。アルミニウム鋳物材の表面改質法では、ショルダー部20の一端20Aからプローブ部10を軸心方向に突出させる。そして、プローブ部10を高速回転させてアルミニウム鋳物材2の表面に接触させるとともに、アルミニウム鋳物材2に対して軸心方向に押圧する。

目的

そこで、本発明は、アルミニウム鋳物材の内部欠陥を消滅させることができ、又はアルミニウム鋳物材表面に生じている外観不良を補修することができるアルミニウム鋳物材の表面改質法、アルミニウム鋳物材の外観不良補修法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

ショルダー部と該ショルダー部の一端から該ショルダー部と同軸的に突出する略円柱形状のプローブ部とを備え、該ショルダー部と該プローブ部とが軸心を中心に同軸回転可能な表面改質装置を用い、該ショルダー部の該一端及び該プローブ部の突出端部をアルミニウム鋳物材の表面に接触させることによりアルミニウム鋳物材の表面を改質するアルミニウム鋳物材の表面改質法において、該プローブ部はアルミニウム材からなり、該プローブ部は該ショルダー部の軸心に沿って形成された貫通孔に移動可能に挿通され、該アルミニウム鋳物材には内部欠陥が生じており、該ショルダー部を回転させつつ該ショルダー部の該一端を該アルミニウム鋳物材の表面に接触させるとともに、該プローブ部を回転させて該アルミニウム鋳物材に対して該軸心方向押圧して、該ショルダー部及び該プローブ部と該アルミニウム鋳物材との摩擦熱により該アルミニウム鋳物材と該プローブ部とを軟化させ塑性流動させて、該アルミニウム鋳物材の該内部欠陥を消滅させることを特徴とするアルミニウム鋳物材の表面改質法。

請求項2

ショルダー部と該ショルダー部の一端から該ショルダー部と同軸的に突出する略円柱形状のプローブ部とを備え、該ショルダー部と該プローブ部とが軸心を中心に同軸回転可能な表面改質装置を用い、該ショルダー部の該一端及び該プローブ部の突出端部をアルミニウム鋳物材の表面に接触させることにより行うアルミニウム鋳物材の外観不良補修法において、該プローブ部はアルミニウム材からなり、該プローブ部は該ショルダー部の該一端に固着され、該アルミニウム鋳物材の表面には凹部の形成された外観不良が生じており、該プローブ部を該ショルダー部と一体回転させて該アルミニウム鋳物材の凹部に対して該軸心方向に押圧するとともに、該ショルダー部の該一端を該アルミニウム鋳物材の表面に接触させ、該ショルダー部及び該プローブ部と該アルミニウム鋳物材との摩擦熱により該アルミニウム鋳物材と該プローブ部とを軟化させ塑性流動させて、該アルミニウム鋳物材の該外観不良を補修することを特徴とするアルミニウム鋳物材の外観不良補修法。

請求項3

ショルダー部と該ショルダー部の一端から該ショルダー部と同軸的に突出する略円柱形状のプローブ部とを備え、該ショルダー部と該プローブ部とが軸心を中心に同軸回転可能な表面改質装置を用い、該ショルダー部の該一端及び該プローブ部の突出端部をアルミニウム鋳物材の表面に接触させることによりアルミニウム鋳物材の表面を改質するアルミニウム鋳物材の表面改質法において、該プローブ部はアルミニウム鋳物材とは異なる組成の材料からなり、該プローブ部は該ショルダー部の軸心に沿って形成された貫通孔に移動可能に挿通され、該ショルダー部を回転させつつ該ショルダー部の該一端を該アルミニウム鋳物材の表面に接触させるとともに、該プローブ部を回転させて該アルミニウム鋳物材に対して該軸心方向に押圧して、該ショルダー部及び該プローブ部と該アルミニウム鋳物材との摩擦熱により該アルミニウム鋳物材と該プローブ部とを軟化させ塑性流動させることにより、該アルミニウム鋳物材に異なった性質を組み込むことを特徴とするアルミニウム鋳物材の表面改質法。

技術分野

0001

本発明は表面改質法及び外観不良補修法に関し、特に、アルミニウム鋳物材の表面を摩擦熱により軟化攪拌させて当該表面を改質し、又は当該表面に生じている外観不良を補修するアルミニウム鋳物材の表面改質法及びアルミニウム鋳物材の外観不良補修法に関する。

背景技術

0002

プローブ部とショルダー部とを備える表面改質装置を用いてアルミニウム鋳物材の表面を改質する方法が従来より行われている。プローブ部及びショルダー部を回転させながらアルミニウム鋳物材に接触させることにより、プローブ部及びショルダー部と鋳物材との摩擦熱によりアルミニウム鋳物材の表面を軟化させ塑性流動させて、当該表面を改質する。

0003

特許第3229556号公報には、このような表面改質装置を用いて行うアルミニウム鋳物材の表面改質法が記載されている。表面改質装置は略円柱形状をしたショルダー部と略円柱形状のプローブ部とを備える。プローブ部は、ショルダー部の一端におけるショルダー部の軸心位置にショルダー部と同軸的に突出している。ショルダー部とプローブ部とはSKD61により一体に構成され、ショルダー部の軸心を中心として高速回転可能である。ショルダー部及びプローブ部が高速回転している状態で、プローブ部をアルミニウム鋳物材の表面に接触させることにより、アルミニウム鋳物材の表面を軟化攪拌し表面改質を行う。
特許第3229556号公報(2頁〜3頁、図1

発明が解決しようとする課題

0004

しかし、従来のアルミニウム鋳物材の表面改質法では、主としてアルミニウム鋳物材の表面を軟化攪拌させるだけであり、アルミニウム鋳物材の内部に、いわゆる鋳巣等の内部欠陥が生じている場合であって当該内部欠陥が大きすぎる場合には、内部欠陥を埋めることができず、内部欠陥を消滅させることができなかった。

0005

また、アルミニウム鋳物材では、湯回り不良などによって外観不良が生じることがある。従来より外観不良に対しては、溶接による肉盛部を形成して補修する方法などが行われてきた。しかし、ガス含有量の大きいダイカストでは、このような肉盛補修方法を行うことは、ダイカスト鋳物ふくれが生じ、大抵の場合不可能である。

0006

そこで、本発明は、アルミニウム鋳物材の内部欠陥を消滅させることができ、又はアルミニウム鋳物材表面に生じている外観不良を補修することができるアルミニウム鋳物材の表面改質法、アルミニウム鋳物材の外観不良補修法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記目的を達成するために、本発明は、ショルダー部20と該ショルダー部20の一端20Aから該ショルダー部20と同軸的に突出する略円柱形状のプローブ部10とを備え、該ショルダー部20と該プローブ部10とが軸心を中心に同軸回転可能な表面改質装置1を用い、該ショルダー部20の該一端20A及び該プローブ部10の突出端部10Aをアルミニウム鋳物材2の表面に接触させることによりアルミニウム鋳物材2の表面を改質するアルミニウム鋳物材の表面改質法において、該プローブ部10はアルミニウム材からなり、該プローブ部10は該ショルダー部20の軸心に沿って形成された貫通孔20aに移動可能に挿通され、該アルミニウム鋳物材2には内部欠陥が生じており、該ショルダー部20を回転させつつ該ショルダー部20の該一端20Aを該アルミニウム鋳物材2の表面に接触させるとともに、該プローブ部10を回転させて該アルミニウム鋳物材2に対して該軸心方向押圧して、該ショルダー部20及び該プローブ部10と該アルミニウム鋳物材2との摩擦熱により該アルミニウム鋳物材2と該プローブ部10とを軟化させ塑性流動させて、該アルミニウム鋳物材2の該内部欠陥を消滅させるアルミニウム鋳物材の表面改質法を提供している。

0008

また、本発明は、ショルダー部120と該ショルダー部120の一端120Aから該ショルダー部120と同軸的に突出する略円柱形状のプローブ部110とを備え、該ショルダー部120と該プローブ部110とが軸心を中心に同軸回転可能な表面改質装置を用い、該ショルダー部120の該一端120A及び該プローブ部110の突出端部110Aをアルミニウム鋳物材102の表面に表面に接触させることにより行うアルミニウム鋳物材の外観不良補修法において、該プローブ部110はアルミニウム材からなり、該プローブ部110は該ショルダー部120の該一端120Aに固着され、該アルミニウム鋳物材102の表面には凹部の形成された外観不良が生じており、該プローブ部110を該ショルダー部120と一体回転させて該アルミニウム鋳物材102の凹部に対して該軸心方向に押圧するとともに、該ショルダー部120の該一端120Aを該アルミニウム鋳物材102の表面に接触させ、該ショルダー部120及び該プローブ部110と該アルミニウム鋳物材102との摩擦熱により該アルミニウム鋳物材102と該プローブ部110とを軟化させ塑性流動させて、該アルミニウム鋳物材102の該外観不良を補修するアルミニウム鋳物材の外観不良補修法を提供している。

0009

更に、本発明は、ショルダー部と該ショルダー部の一端から該ショルダー部と同軸的に突出する略円柱形状のプローブ部とを備え、該ショルダー部と該プローブ部とが軸心を中心に同軸回転可能な表面改質装置を用い、該ショルダー部の該一端及び該プローブ部の突出端部をアルミニウム鋳物材の表面に接触させることにより押圧することによりアルミニウム鋳物材の表面を改質するアルミニウム鋳物材の表面改質法において、該プローブ部はアルミニウム鋳物材とは異なる組成の材料からなり、該プローブ部は該ショルダー部の軸心に沿って形成された貫通孔に移動可能に挿通され、該ショルダー部を回転させつつ該ショルダー部の該一端を該アルミニウム鋳物材の表面に接触させるとともに、該プローブ部を回転させて該アルミニウム鋳物材に対して該軸心方向に押圧して、該ショルダー部及び該プローブ部と該アルミニウム鋳物材との摩擦熱により該アルミニウム鋳物材と該プローブ部とを軟化させ塑性流動させることにより、該アルミニウム鋳物材に異なった性質を組み込むアルミニウム鋳物材の表面改質法を提供している。

発明の効果

0010

本発明の請求項1記載のアルミニウム鋳物材の表面改質法によれば、アルミニウム材からなるプローブ部はショルダー部の軸心に沿って形成された貫通孔に移動可能に挿通されており、ショルダー部を回転させつつショルダー部の一端をアルミニウム鋳物材の表面に接触させるとともに、プローブ部を回転させてアルミニウム鋳物材に対して軸心方向に押圧するため、ショルダー部の一端からアルミニウム鋳物材に対してプローブ部をその軸方向へ突出させ押圧させ続けて、ショルダー部及びプローブ部とアルミニウム鋳物材との摩擦熱によりアルミニウム鋳物材とプローブ部とを軟化させ塑性流動させて、内部欠陥を消滅させることができる。

0011

内部欠陥が大きい場合であっても、アルミニウム材からなるプローブ部が塑性流動することから内部欠陥を消滅させることができる。また、プローブ部をアルミニウム鋳物材の表面に沿って水平方向に移動させるときには、アルミニウム鋳物材の内部欠陥を消滅させながら表面改質も同時に行うことができる。

0012

本発明の請求項2記載のアルミニウム鋳物材の外観不良補修法によれば、アルミニウム材からなるプローブ部はショルダー部の一端に固着され、プローブ部をショルダー部と一体回転させてアルミニウム鋳物材の凹部に対して軸心方向に押圧するとともに、ショルダー部をアルミニウム鋳物材の表面に接触させるため、ショルダー部及びプローブ部とアルミニウム鋳物材との摩擦熱によりアルミニウム鋳物材とプローブ部とを軟化させ塑性流動させることができる。このため、凹部を埋めることができ、アルミニウム鋳物材の外観不良を補修することができる。

0013

本発明の請求項3記載のアルミニウム鋳物材の表面改質法によれば、アルミニウム材からなるプローブ部はショルダー部の軸心に沿って形成された貫通孔に移動可能に挿通されており、ショルダー部を回転させつつショルダー部の一端をアルミニウム鋳物材の表面に接触させるとともに、プローブ部を回転させてアルミニウム鋳物材に対して軸心方向に押圧するため、ショルダー部の一端からアルミニウム鋳物材に対してプローブ部をその軸方向へ突出させ押圧させ続けて、ショルダー部及びプローブ部とアルミニウム鋳物材との摩擦熱によりアルミニウム鋳物材とプローブ部とを軟化させ塑性流動させることができる。このため、アルミニウム鋳物材に内部欠陥がある場合には内部欠陥を消滅させながら表面改質を行うことができる。

0014

また、プローブ部はアルミニウム鋳物材とは異なる組成の材料からなるため、アルミニウム鋳物材の一部に、アルミニウム鋳物材と性質の異なる組成材を組込むことができ、部分的に強度の高いアルミニウム鋳物材や、部分的に耐摩耗性の高いアルミニウム鋳物材等を製造することができる。

発明を実施するための最良の形態

0015

本発明の実施の形態によるアルミニウム鋳物材の表面改質法及び当該表面改質法を行うための表面改質装置について図1に基づき説明する。図1に示されるように、表面改質装置1は、プローブ部10、ショルダー部20、及び装置本体30等を備える。ショルダー部20は略円柱形状をしており、ショルダー部20の軸心に沿って貫通孔20aが形成されている。プローブ部10は、貫通孔20aと略同一の径を有する円柱状をなし、貫通孔20a内においてその軸心方向に向かって移動可能に挿通されており、ショルダー部20の一端20A及び他端20Bから突出可能である。

0016

ショルダー部20は鉄系材料であるSKD61からなり、軸方向が鉛直方向に指向した状態で配置され、ショルダー部20の下端に相当する一端20Aは、後述のアルミニウム鋳物材の表面改質法で説明するように、アルミニウム鋳物材2に押しつけられる。ショルダー部20の他端20Bは、ショルダー部20の鉛直上方に設けられたショルダー部保持部材31に対して回転可能なショルダー部受け32に保持されている。

0017

ショルダー部受け32は、ショルダー部20と同軸的な位置関係をなすショルダー部側プーリー32Aをなす。ショルダー部保持部材31の側面にはモータ33が固着されており、モータ33の出力軸にはモータ側プーリー33Aが設けられている。ショルダー部側プーリー32Aとモータ側プーリー33Aとには伝達ベルト34が掛渡されており、モータ33の駆動によるモータ側プーリー33Aの回転がショルダー部側プーリー32Aに伝達し、ショルダー部20がその軸心を中心として高速回転するように構成されている。

0018

ショルダー部保持部材31内には、図1に示されるように、プローブ部10が挿入されている。また、ショルダー部保持部材31内には、ショルダー部保持部材31の鉛直上方に設けられたモータ35の出力軸35Aが挿入されている。モータ35の出力軸35Aの先端にはチャック35Bが設けられており、ショルダー部保持部材31内においてプローブ部10の他端10Bはチャック35Bによってモータ35の出力軸35Aと連結されている。モータ35が駆動することにより、プローブ部10がその軸心を中心としてショルダー部20に対して高速回転することができるように構成されている。プローブ部10は後述のアルミニウム鋳物材2に近い組成のアルミニウム材からなる。

0019

モータ35の出力軸35Aが延出する方向に対する反対側、即ち、モータ35の鉛直上方側には、油圧シリンダ36が設けられている。油圧シリンダ36は装置本体30に固着されており、油圧シリンダ36内にはピストン36Aが鉛直上下方向に摺動可能に設けられている。ピストン36Aにはピストン軸36Bが設けられており、ピストン軸36Bはピストン36Aから鉛直下方に向けて延出している。ピストン軸36Bの先端には、モータ35の出力軸35Aが延出する方向に対する反対側の面が固着されている。油圧シリンダ36のピストン36Aが鉛直上下方向に移動することにより、モータ35とプローブ部10とが一体に鉛直上下方向に移動するように構成されている。

0020

ショルダー部保持部材31の側面には2つの突出部31A、31Aが水平方向へ向けて延出しており、2つの突出部31A、31Aには、それぞれ鉛直方向に貫通する円形の図示せぬ突出部貫通孔が形成されている。2つの図示せぬ突出部貫通孔は、鉛直方向において同軸的な位置関係をなし、2つの図示せぬ突出部貫通孔を画成する突出部貫通孔の内周面には図示せぬ雌螺子螺刻されている。

0021

2つの図示せぬ突出部貫通孔には、送りネジ棒37が挿通されている。送りネジ棒37の外周面には雄螺子37Aが螺刻されており、雄螺子37Aは、図示せぬ突出部貫通孔に形成された図示せぬ雌螺子に螺合している。送りネジ棒37は鉛直方向に指向しており、送りネジ棒37の一端、即ち、送りネジ棒37の下端は、装置本体30に設けられた送りネジ棒受部38に回転可能に支承されており、送りネジ棒37の他端、即ち、送りネジ棒37の上端は、装置本体30に固着されたモータ39の図示せぬ出力軸に同軸的に固定されている。モータ39が駆動することにより送りネジ棒37が回転し、ショルダー部保持部材31が、ショルダー部20及びプローブ部10とともに鉛直上下方向に移動することができるように構成されている。

0022

また、装置本体30には鋳物材載置台40が設けられている。鋳物材載置台40は水平方向に移動可能であり、鋳物材載置台40上には、図1に示されるように、アルミニウム鋳物材2が載置される。アルミニウム鋳物材2の表面改質を行う部分2Aをプローブ部10の鉛直下方の位置に移動させることができるように構成されている。

0023

次に、アルミニウム鋳物材の表面改質法について説明する。アルミニウム鋳物材の表面改質法によって表面改質が行われるアルミニウム鋳物材2には、表面改質を行う部分2Aにおいて図示せぬ内部欠陥が生じており、アルミニウム鋳物材の表面改質法を実施することにより、アルミニウム鋳物材2の表面を改質すると同時に図示せぬ内部欠陥を消滅させる。

0024

アルミニウム鋳物材の表面改質法では、先ず、油圧シリンダ36を駆動させることにより、ショルダー部20の一端20Aからプローブ部10を軸心方向であって鉛直下方に突出させる。ショルダー部20の一端20Aからのプローブ部10の突出長さは、アルミニウム鋳物材2の表面から図示せぬ内部欠陥の位置までの深さと同じ値である。例えば、アルミニウム鋳物材2の表面から2mmの深さの位置に内部欠陥が生じているのであれば、2mm突出させた状態とする。

0025

次に、プローブ部10がショルダー部20の一端20Aから突出した状態でショルダー部20及びプローブ部10を高速回転させ、モータ39及び油圧シリンダ36を駆動することによりプローブ部10及びショルダー部20を鉛直下方へ移動させ、プローブ部10をアルミニウム鋳物材2の表面から内部欠陥が生じている位置に挿入するとともに、ショルダー部20の一端20Aをアルミニウム鋳物材2の表面に接触させる。

0026

最適なプローブ部10の回転数は1200rpmであり、押圧の際の加圧力は11.76kNである。このことにより、ショルダー部20及びプローブ部10とアルミニウム鋳物材2との摩擦熱によりアルミニウム鋳物材2とプローブ部10とが軟化され塑性流動され攪拌される。

0027

また、図1に示されるように、アルミニウム鋳物材2の表面上の表面改質を行う部分2Aに渡ってプローブ部10が押圧されるように、プローブ部10をその軸心方向に所定の加圧力で押圧した状態のまま、鋳物材載置台40を移動させることによりアルミニウム鋳物材2を水平移動させる。このことにより、プローブ部10とアルミニウム鋳物材2とが軟化され塑性流動され攪拌されて、当該部分2Aの表面改質が行われる。そして、図示せぬ内部欠陥が埋められた後、又は図示せぬ内部欠陥を埋めながら表面改質を行った後にモータ39及び油圧シリンダ36を駆動させて、プローブ部10及びショルダー部20を鉛直上方へ移動させてアルミニウム鋳物材2から離間させる。軟化され攪拌された部分は冷却固化する。そして最後に、アルミニウム鋳物材2の表面から突出している不要部分を削り落とし、アルミニウム鋳物材2の表面を平滑化する。

0028

プローブ部10がショルダー部20の軸心に沿って形成された貫通孔20aに移動可能に挿通されており、プローブ部10を回転させたままの状態で図示せぬ内部欠陥に対してピンポイントでプローブ部10をその軸心方向に、所定の加圧力で押圧するため、ショルダー部20及びプローブ部10とアルミニウム鋳物材2との摩擦熱によりアルミニウム鋳物材2とプローブ部10とを軟化させ塑性流動させて、内部欠陥を消滅させることができる。

0029

内部欠陥が大きい場合であっても、アルミニウム材からなるプローブ部10が塑性流動することから内部欠陥を消滅させることができる。また、プローブ部10をアルミニウム鋳物材2の表面に沿って水平方向に移動させるときには、アルミニウム鋳物材2の内部欠陥を消滅させながら表面改質も同時に行うことができる。

0030

次に、本実施の形態によるアルミニウム鋳物材の外観不良補修法及び当該外観不良補修法を行うための外観不良補修装置について図2に基づき説明する。外観不良補修装置は、プローブ部110がショルダー部120の一端120Aに固着されている点において表面改質装置1とは異なる。従って、外観不良補修装置では、プローブ部110がショルダー部120の一端120Aに固着されているため、ショルダー部120には軸心に沿って貫通孔は形成されていない。また、プローブ部110を高速回転させるためのモータや、プローブ部110をショルダー部120に対して移動させるための油圧シリンダは設けられていない。これら以外の構成については表面改質装置1と同様であるため説明を省略する。

0031

図2に示されるように、ショルダー部120の一端120Aには、当該一端120Aにおいて円形に開口する凹部120aが形成されており、凹部120aには円柱形状をしたプローブ部110の一端110Aに対する他端110Bの側が嵌合し、ショルダー部120の一端120Aにプローブ部110が固着されている。プローブ部110の一端110Aの側は、本実施の形態によるアルミニウム鋳物材の表面改質法を実施するための表面改質装置1と同様にショルダー部120の一端120Aから突出している。ショルダー部120、プローブ部110の材質は、表面改質装置1のショルダー部120、プローブ部110の材質と同一である。

0032

次に、アルミニウム鋳物材の外観不良補修法について説明する。アルミニウム鋳物材の外観不良補修法によって補修されるアルミニウム鋳物材102には凹部102aが形成された外観不良が生じており、アルミニウム鋳物材の外観不良補修法を実施することにより外観不良を補修する。

0033

アルミニウム鋳物材の外観不良補修法では、先ず、ショルダー部120の一端120Aに形成された凹部120aにプローブ部110を嵌合させ固着させる。固着されるプローブ部110は、外観不良の凹部102aを埋めるのに十分な体積を有している。

0034

次に、プローブ部110とショルダー部120とを一体で高速回転させつつ、ショルダー部120を鉛直下方に移動させ、プローブ部110をアルミニウム鋳物材102の表面の凹部102aに対してピンポイントで軸心方向に押圧する。そして、ショルダー部120の一端120Aがアルミニウム鋳物材102の表面に当接するまでショルダー部120を鉛直下方に移動する。このことにより、ショルダー部120及びプローブ部110とアルミニウム鋳物材102との摩擦熱によりアルミニウム鋳物材102とプローブ部110とが軟化し塑性流動し攪拌される。そして、プローブ部110とショルダー部120が鉛直上方に移動されると、図2(b)に示されるように、外観不良の凹部102aが埋められ、冷却硬化してアルミニウム鋳物材102と同質化する。

0035

そして、最後に、図2(c)に示されるように、アルミニウム鋳物材102の表面から突出している不要部分を削り落とし、アルミニウム鋳物材102の表面を平滑化して、外観不良を補修する。

0036

アルミニウム材からなるプローブ部110がショルダー部120の一端120Aに固着され、プローブ部110をアルミニウム鋳物材102の表面の凹部102aに対して軸心方向に押圧するとともに、ショルダー部120の一端120Aをアルミニウム鋳物材102の表面に接触させるため、ショルダー部120及びプローブ部110とアルミニウム鋳物材102との摩擦熱によりアルミニウム鋳物材102とプローブ部110とを軟化させ塑性流動させることができる。このため、凹部102aを埋めることができ、外観不良を補修することができる。

0037

本発明によるアルミニウム鋳物材の表面改質法、アルミニウム鋳物材の外観不良補修法は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、本実施の形態によるアルミニウム鋳物材の表面改質法では、プローブ部は、アルミニウム鋳物に近い組成のアルミニウム材により構成されていたが、アルミニウム鋳物材とは異なる組成であってプローブ部とアルミニウム鋳物材との摩擦熱によって軟化する材料により構成されていてもよい。

0038

このような構成とし、プローブ部を高速回転させた状態でアルミニウム鋳物材表面において水平方向へ相対移動させることにより、アルミニウム鋳物材の表面の一部にアルミニウム鋳物材と性質の異なる組成材を組込むことができ、部分的に強度や耐摩耗性等の高いアルミニウム鋳物材を製造することができる。例えば、アルミニウム鋳物材をADC12鋳物材とし、プローブ部をADC14によって構成すれば、部分的に耐摩耗性の高いアルミニウム鋳物材を製造することができる。

0039

また、本実施の形態によるアルミニウム鋳物材の表面改質法では、ショルダー部20の一端20Aからプローブ部10を突出した状態とした後にショルダー部20の一端20Aをアルミニウム鋳物材に接触させたが、ショルダー部の一端からプローブ部が突出していない状態としてショルダー部の一端をアルミニウム鋳物材に接触させた後に、ショルダー部の一端からプローブ部を軸心方向に突出させるようにしてもよい。更に、本実施の形態によるアルミニウム鋳物材の表面改質法、アルミニウム鋳物材の外観不良補修法では、ショルダー部を鉄系材料としたが、セラミックス系材料としてもよい。

0040

本発明のアルミニウム鋳物材の表面改質法及びアルミニウム鋳物材の外観不良補修法は、アルミニウム鋳物材の内部に内部欠陥が生じている場合や、表面に外観不良が生じている場合に、内部欠陥や外観不良を補修する分野において有用である。

図面の簡単な説明

0041

本発明の実施の形態によるアルミニウム鋳物材の表面改質法を行うための表面改質装置を示す概略側面図。
本発明の実施の形態によるアルミニウム鋳物材の外観不良補修法を行うための外観不良補修装置のプローブ部が、アルミニウム鋳物材の外観不良の凹部に押しつけられる前の状態を示す概略図。
本発明の実施の形態によるアルミニウム鋳物材の外観不良補修法において、アルミニウム鋳物材の外観不良の凹部が埋められた状態を示す概略図。
本発明の実施の形態によるアルミニウム鋳物材の外観不良補修法において、外観不良の凹部が埋められたアルミニウム鋳物材から不要部分を削り落とした後の状態を示す概略図。

符号の説明

0042

1表面改質装置
2、102アルミニウム鋳物材
2a内部欠陥
10、110プローブ部
20、120ショルダー部
20A、120A 一端
20a貫通孔
102a 凹部

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