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技術 電波減衰算出装置、減衰最大値解析装置、降雨影響度解析装置及び電波減衰算出プログラム

出願人 日本放送協会
発明者 峯松史明
出願日 2004年5月6日 (16年6ヶ月経過) 出願番号 2004-137929
公開日 2005年11月17日 (15年0ヶ月経過) 公開番号 2005-321235
状態 拒絶査定
技術分野 その他の電気量の測定 気象学
主要キーワード 空間路 影響度データ 大気吸収 時系列値 自己回帰係数 カップリングロス 超過確率 地域気象観測システム
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年11月17日)のものです。
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図面 (9)

課題

時間とともに変化する衛星放送電波降雨による減衰量解析するとともに、降雨減衰による影響度を解析することができる電波減衰算出装置を提供する。

解決手段

電波減衰算出装置3は、衛星放送の電波を送信する衛星と前記電波を受信する地上の受信局との位置を示す位置データに基づいて、電波の伝搬路において降雨が発生している領域の空間路長であるスラントパス長を算出するスラントパス長算出手段31と、単位時間ごとの降雨強度時系列値を算出する降雨強度算出手段33と、スラントパス長と降雨強度の時系列値とに基づいて、単位時間ごとの降雨強度の時系列値を積分した所定時間あたりの雨量の、伝搬路における降雨による電波の減衰量の時系列値を算出する減衰算出手段34とを備えることを特徴とする。

概要

背景

一般に、衛星放送や、人工衛星(以下、衛星という)から送信される放送波(以下、電波という)を用いた通信では、送受信される電波の周波数帯が通常数GHz以上となるため、降雨による電波の減衰(以下、降雨減衰という)が生じる。この降雨減衰によって、受信機送受信局(以下、単に送受信局という)で受信される番組や通信が一時的に途絶えることがあった。

そこで、従来、送受信局から電波を送信する送信電力を予め高めに設定して、送信電力に一定の降雨マージンを与えることで、降雨減衰の補償(降雨減衰補償)を行っている。これによって、降雨減衰が生じても、ある程度の搬送波電力雑音電力比CN比;career to noise ratio)を保つことができ、番組や通信の遮断を防ぐことができる。

また、降雨が発生している地域に対して、降雨の発生している期間に、より大きい降雨マージンを与え、強い電波を送信する技術の開発が進められている。そして、この降雨減衰を補償するための降雨マージンの大きさを決定する方法には、例えば、所定の地点に降雨減衰を観測するモニタ局を設置し、ここで観測された降雨減衰に基づいて、その周辺エリアの降雨マージンを決定する1局モニタ法(非特許文献1参照)や、気象庁地域気象観測システムAMeDAS;Automated Meteorological Data Acquisition System)のデータや、降水短時間予報のデータ等の1時間あたりの雨量を参考にし、この1時間の間は雨量が一定であると仮定して降雨マージンを決定する方法等が検討されている。
福地一、外2名、「21GHz帯度衛星放送ステム」、テレビジョン会報告、1994年8月25日、第18巻、第45号、p.13−18

概要

時間とともに変化する衛星放送の電波の降雨による減衰量解析するとともに、降雨減衰による影響度を解析することができる電波減衰算出装置を提供する。 電波減衰算出装置3は、衛星放送の電波を送信する衛星と前記電波を受信する地上の受信局との位置を示す位置データに基づいて、電波の伝搬路において降雨が発生している領域の空間路長であるスラントパス長を算出するスラントパス長算出手段31と、単位時間ごとの降雨強度時系列値を算出する降雨強度算出手段33と、スラントパス長と降雨強度の時系列値とに基づいて、単位時間ごとの降雨強度の時系列値を積分した所定時間あたりの雨量の、伝搬路における降雨による電波の減衰量の時系列値を算出する減衰算出手段34とを備えることを特徴とする。

目的

本発明は、前記従来技術の問題を解決するために成されたもので、時間とともに変化する衛星放送の電波の降雨による減衰量を解析するとともに、降雨減衰による影響度を解析することができる電波減衰算出装置、減衰最大値解析装置、降雨影響度解析装置及び電波減衰算出プログラムを提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

単位時間ごとの降雨強度時系列値を算出し、前記単位時間ごとの降雨強度の時系列値を積分した所定時間あたりの雨量降雨による衛星放送電波減衰量を算出する電波減衰算出装置であって、前記衛星放送の電波を送信する衛星と前記電波を受信する地上の受信局との位置を示す位置データに基づいて、前記電波の伝搬路において降雨が発生している領域の空間路長であるスラントパス長を算出するスラントパス長算出手段と、前記単位時間ごとの降雨強度の時系列値を算出する降雨強度算出手段と、前記スラントパス長算出手段によって算出されたスラントパス長と、前記降雨強度算出手段によって算出された降雨強度の時系列値とに基づいて、前記単位時間ごとの降雨強度の時系列値を積分した前記所定時間あたりの雨量の、前記伝搬路における降雨による前記電波の減衰量の時系列値を算出する減衰算出手段とを備えることを特徴とする電波減衰算出装置。

請求項2

請求項1に記載の電波減衰算出装置によって、降雨による衛星放送の電波の減衰の解析対象となる地域を所定の単位で分割した区分ごとに算出された、前記電波の減衰量の時系列値に基づいて、前記区分ごとに前記衛星放送の電波の降雨による減衰量の最大値解析する減衰最大値解析装置であって、前記区分ごとの所定時間あたりの雨量を示す雨量データを入力する雨量データ入力手段と、前記区分と、当該区分について算出された減衰量の時系列値と、この減衰量の時系列値の所定時間あたりの雨量とを対応させた減衰データを記憶する減衰データ記憶手段と、この減衰データ記憶手段に記憶された減衰データと、前記雨量データ入力手段によって入力された雨量データとに基づいて、前記区分ごとに、前記電波の減衰量の時系列値における所定時間ごとの最大値を解析する最大減衰量解析手段と、この最大減衰量解析手段によって解析された前記最大値の分布と、外部から入力された、前記分布において前記減衰量の最大値がある値より大きな値をとる確率である超過確率許容値とに基づいて、前記区分ごとに前記超過確率が前記許容値となる減衰量である区分別減衰量を算出する電波減衰解析手段とを備えることを特徴とする減衰最大値解析装置。

請求項3

請求項1に記載の電波減衰算出装置によって、降雨による衛星放送の電波の減衰の解析対象となる地域を所定の単位で分割した区分ごとに算出された、前記電波の減衰量の時系列値に基づいて、前記区分ごとに前記衛星放送の電波の降雨による減衰の影響度を示す影響度データを生成する降雨影響度解析装置であって、前記区分ごとの所定時間あたりの雨量を示す雨量データを入力する雨量データ入力手段と、前記区分と、当該区分について算出された減衰量の時系列値と、この減衰量の時系列値の所定時間あたりの雨量とを対応させた減衰データを記憶する減衰データ記憶手段と、この減衰データ記憶手段に記憶された減衰データと、前記雨量データ入力手段によって入力された雨量データとに基づいて、前記区分ごとの前記電波の受信時におけるCN比の時系列値を解析するCN比解析手段と、このCN比解析手段によって解析されたCN比の時系列値と、前記区分ごとに予め定められた、前記衛星放送の再生に必要となる前記電波のCN比とに基づいて、前記降雨による前記電波の減衰による、当該衛星放送の伝送に対する前記区分ごとの影響度を示す影響度データを生成する影響度データ生成手段とを備えることを特徴とする降雨影響度解析装置。

請求項4

単位時間ごとの降雨強度の時系列値を算出し、前記単位時間ごとの降雨強度の時系列値を積分した所定時間あたりの雨量の降雨による衛星放送の電波の減衰量を算出する電波減衰算出装置であって、前記衛星放送の電波を送信する衛星と前記電波を受信する地上の受信局との位置を示す位置データに基づいて、前記電波の伝搬路において降雨が発生している領域の空間路長であるスラントパス長を算出するスラントパス長算出手段と、前記所定時間に前記雨量となる、前記単位時間ごとの降雨強度の時系列値を算出する降雨強度算出手段と、前記スラントパス長算出手段によって算出されたスラントパス長と、前記降雨強度算出手段によって算出された降雨強度の時系列値とに基づいて、前記単位時間ごとの降雨強度の時系列値を積分した前記所定時間あたりの雨量の、前記伝搬路における降雨による前記電波の減衰量の時系列値における所定時間ごとの最大値を算出する最大減衰量算出手段とを備えることを特徴とする電波減衰算出装置。

請求項5

単位時間ごとの降雨強度の時系列値を算出し、前記単位時間ごとの降雨強度の時系列値を積分した所定時間あたりの雨量の降雨による衛星放送の電波の減衰量を算出するためにコンピュータを、前記衛星放送の電波を送信する衛星と前記電波を受信する地上の受信局との位置を示す位置データに基づいて、前記電波の伝搬路において降雨が発生している領域の空間路長であるスラントパス長を算出するスラントパス長算出手段、前記所定時間に前記雨量となる、前記単位時間ごとの降雨強度の時系列値を算出する降雨強度算出手段、前記スラントパス長算出手段によって算出されたスラントパス長と、前記降雨強度算出手段によって算出された降雨強度の時系列値とに基づいて、前記単位時間ごとの降雨強度の時系列値を積分した前記所定時間あたりの雨量の、前記伝搬路における降雨による前記電波の減衰量の時系列値を算出する減衰算出手段として機能させることを特徴とする電波減衰算出プログラム

技術分野

0001

本発明は、降雨による衛星放送電波減衰補償する技術に係り、特に降雨による電波の減衰を補償するために、電波の減衰量を算出する技術に関する。

背景技術

0002

一般に、衛星放送や、人工衛星(以下、衛星という)から送信される放送波(以下、電波という)を用いた通信では、送受信される電波の周波数帯が通常数GHz以上となるため、降雨による電波の減衰(以下、降雨減衰という)が生じる。この降雨減衰によって、受信機送受信局(以下、単に送受信局という)で受信される番組や通信が一時的に途絶えることがあった。

0003

そこで、従来、送受信局から電波を送信する送信電力を予め高めに設定して、送信電力に一定の降雨マージンを与えることで、降雨減衰の補償(降雨減衰補償)を行っている。これによって、降雨減衰が生じても、ある程度の搬送波電力雑音電力比CN比;career to noise ratio)を保つことができ、番組や通信の遮断を防ぐことができる。

0004

また、降雨が発生している地域に対して、降雨の発生している期間に、より大きい降雨マージンを与え、強い電波を送信する技術の開発が進められている。そして、この降雨減衰を補償するための降雨マージンの大きさを決定する方法には、例えば、所定の地点に降雨減衰を観測するモニタ局を設置し、ここで観測された降雨減衰に基づいて、その周辺エリアの降雨マージンを決定する1局モニタ法(非特許文献1参照)や、気象庁地域気象観測システムAMeDAS;Automated Meteorological Data Acquisition System)のデータや、降水短時間予報のデータ等の1時間あたりの雨量を参考にし、この1時間の間は雨量が一定であると仮定して降雨マージンを決定する方法等が検討されている。
福地一、外2名、「21GHz帯度衛星放送ステム」、テレビジョン会報告、1994年8月25日、第18巻、第45号、p.13−18

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、一定の送信電力で電波を送信する方法では、一時的にあるいは局所的に降雨が集中した場合においても番組や通信が遮断されないように、電波を送信する地域全体に降雨マージンを与えようとすると、衛星の規模莫大なものになってしまう。

0006

また、1局モニタ法では、モニタ局から距離が離れるほど、モニタ局で観測された降雨による減衰量と実際の減衰量との相関が低くなるため、モニタ局周辺しか効果的に降雨減衰の補償が行えない。

0007

更に、1時間あたりの雨量を用いる方法では、この1時間の間は雨量が一定であると仮定して降雨による減衰量を算出するが、実際の雨量はこの1時間の間に変動しているため、この方法で決定された降雨マージンでは、実際の降雨減衰を効果的に補償することができない。

0008

本発明は、前記従来技術の問題を解決するために成されたもので、時間とともに変化する衛星放送の電波の降雨による減衰量を解析するとともに、降雨減衰による影響度を解析することができる電波減衰算出装置減衰最大値解析装置、降雨影響度解析装置及び電波減衰算出プログラムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

前記課題を解決するため、請求項1に記載の電波減衰算出装置は、単位時間ごとの降雨強度時系列値を算出し、前記単位時間ごとの降雨強度の時系列値を積分した所定時間あたりの雨量の降雨による衛星放送の電波の減衰量を算出する電波減衰算出装置であって、スラントパス長算出手段と、降雨強度算出手段と、減衰算出手段とを備える構成とした。

0010

かかる構成によれば、電波減衰算出装置は、スラントパス長算出手段によって、衛星放送の電波を送信する衛星と電波を受信する地上の受信局との位置を示す位置データに基づいて、この電波の伝搬路において降雨が発生している領域の空間路長であるスラントパス長を算出する。また、降雨強度算出手段によって、単位時間ごとの降雨強度の時系列値を算出する。そして、減衰算出手段によって、スラントパス長算出手段で算出されたスラントパス長と、降雨強度算出手段で算出された降雨強度の時系列値とに基づいて、単位時間ごとの降雨強度の時系列値を積分した所定時間あたりの雨量の、伝搬路における降雨による電波の減衰量の時系列値を算出する。

0011

これによって、電波減衰算出装置は、単位時間ごとの降雨強度の時系列値を算出し、これに基づいて、この降雨強度の時系列値を積分した所定時間あたりの雨量の降雨による電波の減衰量の時系列値を算出することができる。

0012

なお、地上の受信局は、衛星放送の電波を地上で受信する受信機や、衛星放送の電波を用いて通信を行う送受信局等である。また、スラントパス長は、衛星の軌道位置、及び、地上の送受信局の位置を示す緯度経度等に基づいて算出することができる。

0013

単位時間は、例えば、1分や10分等の任意の時間を設定することができる。また、所定時間は、例えば、1時間や、6時間等の、単位時間より長い時間を設定することができる。

0014

また、降雨強度の時系列値は、例えば、自己回帰モデルフラクタル理論等に基づいて算出することができる。

0015

更に、請求項2に記載の減衰最大値解析装置は、請求項1に記載の電波減衰算出装置によって、降雨による衛星放送の電波の減衰の解析対象となる地域を所定の単位で分割した区分ごとに算出された、前記電波の減衰量の時系列値に基づいて、前記区分ごとに前記衛星放送の電波の降雨による減衰量の最大値を解析する減衰最大値解析装置であって、雨量データ入力手段と、減衰データ記憶手段と、最大減衰量解析手段と、電波減衰解析手段とを備える構成とした。

0016

かかる構成によれば、減衰最大値解析装置は、雨量データ入力手段によって、降雨による衛星放送の電波の減衰量の解析対象となる地域を所定の単位で分割した区分ごとの、所定時間あたりの雨量を示す雨量データを入力する。また、減衰最大値解析装置は、減衰データ記憶手段に、この区分と、当該区分について算出された減衰量の時系列値と、この減衰量の時系列値の所定時間あたりの雨量とを対応させた減衰データを記憶し、最大減衰量解析手段によって、この減衰データと雨量データとに基づいて、区分ごとに、電波の減衰量の時系列値における所定時間ごとの最大値を解析する。更に、減衰最大値解析装置は、電波減衰解析手段によって、最大減衰量解析手段で解析された減衰量の時系列値の最大値の分布と、外部から入力された、減衰量の時系列値の最大値の分布において減衰量の最大値がある値より大きな値をとる確率である超過確率許容値とに基づいて、区分ごとに超過確率がこの許容値となる減衰量である区分別減衰量を算出する。

0017

これによって、減衰最大値解析装置は、入力された雨量データと、減衰データ記憶手段に記憶された減衰データとに基づいて、区分ごとの減衰量の時系列値の最大値を解析する。この最大値は、所定時間内における単位時間ごとの減衰量の時系列値の最大値であり、また、減衰データ記憶手段には、雨量データによって示された区分と所定時間あたりの雨量とに対応する減衰量の時系列値が複数記憶されている。そして、減衰最大値解析装置は、この複数の減衰量の時系列値のパターンごとに最大値を解析し、この最大値の分布において、外部から入力された、この減衰量の最大値がある値を超過する確率である超過確率の許容値に基づいて、超過確率がこの許容値となる減衰量である区分別減衰量を算出することができる。

0018

ここで、区分とは、電波の減衰の解析対象となる地域を、所定の単位で複数に分割したものであり、例えば、解析対象となる地域を衛星放送の電波を送信する地域の全域とした場合における、この地域を5km四方や2.5km四方の単位で分割した区分等である。また、雨量データは、例えば、気象庁によって発表された降水短時間予報の2.5km四方の区分ごとの1時間あたりの雨量の予測値や、区分ごとに測定された所定時間あたりの雨量の実測値や、予め設定された所定時間あたりの雨量を示すデータ等であってもよい。

0019

また、超過確率とは、減衰量の時系列値の最大値の分布において、減衰量の最大値がある値より大きな値をとる確率である。そして、減衰量の時系列値の最大値は、所定時間内に変化する降雨強度の最大値であるため、超過確率は、所定時間内における降雨による減衰がある値を超える確率を示している。そのため、例えば、減衰量の最大値の分布において、ある値の減衰量に対する超過確率は、この値の減衰量を補償する降雨マージンを与えて電波を送信した場合において、放送や通信が降雨によって遮断される確率となる。そして、超過確率の許容値は、この放送や通信の遮断をどの程度の確率まで許容するかを示し、超過確率がこの許容値となる減衰量は、この許容値によって示される確率で発生する大きい減衰を除外した場合の、所定時間内における減衰量の最大値となる。

0020

また、請求項3に記載の降雨影響度解析装置は、請求項1に記載の電波減衰算出装置によって、降雨による衛星放送の電波の減衰の解析対象となる地域を所定の単位で分割した区分ごとに算出された、前記電波の減衰量の時系列値に基づいて、前記区分ごとに前記衛星放送の電波の降雨による減衰の影響度を示す影響度データを生成する降雨影響度解析装置であって、雨量データ入力手段と、減衰データ記憶手段と、CN比解析手段と、影響度解析手段とを備える構成とした。

0021

かかる構成によれば、降雨影響度解析装置は、雨量データ入力手段によって、区分ごとの所定時間あたりの雨量を示す雨量データを入力する。また、降雨影響度解析装置は、減衰データ記憶手段に、この区分と、当該区分について算出された減衰量の時系列値と、この減衰量の時系列値の所定時間あたりの雨量とを対応させた減衰データを記憶し、CN比解析手段によって、この減衰データと雨量データとに基づいて、区分ごとの電波の受信時におけるCN比の時系列値を解析する。更に、降雨影響度解析装置は、影響度データ生成手段によって、CN比解析手段で解析されたCN比の時系列値と、区分ごとに予め定められた、衛星放送の再生に必要となる電波のCN比とに基づいて、降雨による電波の減衰による、当該衛星放送の伝送に対する区分ごとの影響度を示す影響度データを生成する。

0022

これによって、降雨影響度解析装置は、区分ごとの電波の受信時におけるCN比の時系列値を解析し、このCN比の時系列値と、当該衛星放送の再生に必要となる電波のCN比とに基づいて、降雨による電波の減衰が与える、当該衛星放送の伝送に対する区分ごとの影響度を示す影響度データを生成することができる。

0023

ここで、影響度データとは、降雨減衰による放送や通信の遮断等の影響度を示すデータであり、例えば、ある確率で放送や通信の遮断に遭遇する受信世帯数又は送受信局数や、ある確率で、ある時間以上継続して放送や通信が遮断される受信世帯数又は送受信局数や、ある確率で、所定時間内においてある時間を超える放送や通信の遮断に遭遇する受信世帯数又は送受信局数等である。

0024

更に、請求項4に記載の電波減衰算出装置は、単位時間ごとの降雨強度の時系列値を算出し、前記単位時間ごとの降雨強度の時系列値を積分した所定時間あたりの雨量の降雨による衛星放送の電波の減衰量を算出する電波減衰算出装置であって、スラントパス長算出手段と、降雨強度算出手段と、最大減衰量算出手段とを備える構成とした。

0025

かかる構成によれば、電波減衰算出装置は、スラントパス長算出手段によって、衛星放送の電波を送信する衛星と電波を受信する地上の受信局との位置を示す位置データに基づいて、この電波の伝搬路において降雨が発生している領域の空間路長であるスラントパス長を算出する。また、降雨強度算出手段によって、単位時間ごとの降雨強度の時系列値を算出する。更に、最大減衰量算出手段によって、スラントパス長算出手段で算出されたスラントパス長と、降雨強度算出手段で算出された降雨強度の時系列値とに基づいて、単位時間ごとの降雨強度の時系列値を積分した所定時間あたりの雨量の、伝搬路における降雨による電波の減衰量の時系列値における所定時間ごとの最大値を算出する。

0026

これによって、電波減衰算出装置は、単位時間ごとの降雨強度の時系列値を算出し、これに基づいて、この降雨強度の時系列値を積分した所定時間あたりの雨量の降雨による電波の所定時間内における単位時間あたりの減衰量の最大値を算出することができる。

0027

なお、最大減衰量算出手段によって減衰量の時系列値における所定時間ごとの最大値を算出する方法は、例えば、降雨強度の時系列値から減衰量の時系列値を解析し、この減衰量の時系列値の最大値を出力するようにしてもよいし、また、降雨強度の時系列値の最大値を解析し、この降雨強度の最大値から減衰量の最大値を算出するようにしてもよい。

0028

また、請求項5に記載の電波減衰算出プログラムは、単位時間ごとの降雨強度の時系列値を算出し、前記単位時間ごとの降雨強度の時系列値を積分した所定時間あたりの雨量の降雨による衛星放送の電波の減衰量を算出するためにコンピュータを、スラントパス長算出手段、降雨強度算出手段、減衰算出手段として機能させることとした。

0029

かかる構成によれば、電波減衰算出プログラムは、スラントパス長算出手段によって、衛星放送の電波を送信する衛星と電波を受信する地上の受信局との位置を示す位置データに基づいて、この電波の伝搬路において降雨が発生している領域の空間路長であるスラントパス長を算出する。また、降雨強度算出手段によって、単位時間ごとの降雨強度の時系列値を算出する。そして、減衰算出手段によって、スラントパス長算出手段で算出されたスラントパス長と、降雨強度算出手段で算出された降雨強度の時系列値とに基づいて、単位時間ごとの降雨強度の時系列値を積分した所定時間あたりの雨量の、伝搬路における降雨による電波の減衰量の時系列値を算出する。

0030

これによって、電波減衰算出プログラムは、単位時間ごとの降雨強度の時系列値を算出し、これに基づいて、この降雨強度の時系列値を積分した所定時間あたりの雨量の降雨による電波の減衰量の時系列値を算出することができる。

発明の効果

0031

本発明に係る電波減衰算出装置、減衰最大値解析装置、降雨影響度解析装置及び電波減衰算出プログラムでは、以下のような優れた効果を奏する。

0032

請求項1又は請求項5に記載の発明によれば、単位時間ごとの雨量である降雨強度の時系列値を算出することによって、所定時間内における降雨の雨量の変動に対応した電波の減衰量の時系列値を算出することができる。そして、例えば、所定時間ごとの様々な雨量に対応する電波の減衰量の時系列値を算出し、所定時間あたりの雨量の予測値に対応する減衰量の時系列値に基づいて、衛星放送の電波を送信する送信電力に降雨マージンを与えることで、降雨減衰の補償を効果的に行うことができる。

0033

請求項2に記載の発明によれば、予め記憶された減衰データに基づいて、所定時間あたりの雨量から、区分別減衰量を解析することができる。この区分別減衰量は、予め定めた許容値によって示される確率で発生する大きい減衰を除外した場合の、所定時間内における減衰量の最大値であるため、所定時間ごとに、この区分別減衰量を補償する降雨マージンを与えて電波を送信した場合には、放送や通信が降雨によって遮断される確率は、この許容値によって示される確率となる。そして、この許容値を十分小さい値に設定して解析された区分別減衰量に基づいて、降雨マージンを与えて電波を送信することで、時間とともに変化する降雨強度に応じた降雨減衰補償を行うことができる。また、区分ごとに減衰量の最大値を解析するので、衛星放送の電波を、例えば、フェーズドアレーアンテナのような、電波を送受信する地域の特定の範囲のみに高い電力の電波を送信できるアンテナによって送信する場合に、この区分別減衰量を、電波を送信する送信電力に反映させることで、効率よく降雨減衰の補償ができる。つまり、局所的に降雨が集中した場合においても、区分別減衰量に基づいて電波の送信電力を設定することで、降雨の集中する範囲を特定し、局所的に電波の強度を高くすることができるので、電波を送信する地域全体に高い降雨マージンをかける必要がなくなる。

0034

請求項3に記載の発明によれば、降雨減衰の影響度を客観的に把握あるいは予測できる影響度データを生成することができる。更に、降雨減衰の影響度を区分ごとに解析するため、人口分布や地域別の視聴者数の実態数に基づいて降雨減衰の影響度を評価した影響度データを生成することができるので、例えば、BSデジタル放送で採用されている階層化伝送における視聴者救済効果を統計的に把握することが可能となる。

0035

請求項4の発明によれば、単位時間ごとの降雨強度を算出し、所定時間における電波の減衰量の最大値を算出する。そして、ここで算出された降雨強度の降雨によって生じる、所定時間における減衰量は、この最大値より小さい値となる。そのため、この減衰量の最大値に基づいて所定時間ごとの降雨マージンを設定することで、降雨減衰の補償を効果的に行うことができる。

発明を実施するための最良の形態

0036

以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
メッシュ降雨減衰解析装置による降雨減衰補償の概要
まず、図1及び図2を参照して、本発明の実施の形態であるメッシュ別降雨減衰解析装置1による降雨減衰補償の概要について説明する。図1は、本発明におけるメッシュ別降雨減衰解析装置1の概要を模式的に示す説明図である。図2は、本発明におけるメッシュ別降雨減衰解析装置1によって算出された降雨による衛星放送の電波の減衰量に基づいて、降雨減衰補償を行う例を示す説明図、図2(a)は、フェーズドアレーアンテナAによって、電波を送受信する地域に降雨マージンを与えた電波を送信し、降雨の集中する一部の範囲に特に高い強度の電波を送信する例を示す模式図、図2(b)は、(a)において送信される電波の強さを表すグラフである。

0037

図1に示すように、メッシュ別降雨減衰解析装置1は、降雨の発生時における衛星放送の電波の減衰量を解析するとともに、この時の降雨減衰の影響度を示す影響度データを生成する。なお、ここでは、降雨減衰の影響度の解析対象となる地域である日本国内全域を、2.5km四方の正方形の単位で分割し、分割された区分(以下、メッシュという)ごとの1時間あたりの雨量(1時間雨量)の予測値を雨量データとして入力し、メッシュ別減衰量(区分別減衰量)として、メッシュごとの減衰量の予測値を算出することとした。この雨量データには、例えば、気象庁によって発表される降水短時間予報のデータを用いることができる。

0038

そして、このメッシュ別減衰量は、メッシュごとの降雨減衰を反映した衛星放送の電波の減衰量の予測値であるため、このメッシュ別減衰量に合わせて、衛星放送の電波を送受信する衛星の送信電力を増力することで、降雨減衰補償を行うことができる。

0039

また、図2(a)に示すように、この電波を送信するアンテナを、フェーズドアレーアンテナAとすることで、電波を送受信する地域の一部の範囲に特に高い強度の電波(増力ビーム)を送信できる。このフェーズドアレーアンテナAは、電波を送信する複数のホーンh、h、…と、このホーンh、h、…によって送信された電波を反射し、電波を地上の送受信局に送信する反射鏡Rとを備え、各々のホーンhから送信される電波の位相振幅を調整することで、送信される電波の強度を所望の放射パターンにすることができる。

0040

そのため、本発明におけるメッシュ別降雨減衰解析装置1によって算出されたメッシュ別減衰量に基づいて、減衰量の大きい範囲には降雨マージンを大きく設定することで、効率よく降雨減衰補償を行うことができる。図2の例では、降雨が集中する範囲D1、D2の減衰量が特に大きいため、図2(b)に示すように、フェーズドアレーアンテナAによって、この範囲D1、D2には、晴天時に必要となる送信電力値Icに、更に降雨マージンIb1、Ib2を加えた増力ビームB1、B2を送信する。また、それ以外の範囲についても、メッシュ別降雨減衰解析装置1によって算出されたメッシュ別減衰量に基づいて、減衰量の高い部分には晴天時に必要となる送信電力値Icに適宜降雨マージンを与えて、フェーズドアレーアンテナAによって電波を送信することができる。

0041

[メッシュ別降雨減衰解析装置の構成(第一の実施の形態)]
次に、図3を参照して、本発明における第一の実施の形態であるメッシュ別降雨減衰解析装置1の構成について説明する。図3は、本発明における第一の実施の形態であるメッシュ別降雨減衰解析装置1の構成を示したブロック図である。メッシュ別降雨減衰解析装置1は、衛星放送の電波の減衰量の時系列値を算出し、この減衰量の時系列値と、外部から入力されるメッシュごとの1時間雨量を示す雨量データとに基づいて、この減衰量の時系列値の最大値を解析するとともに、降雨減衰の影響度を示す影響度データを生成するものである。ここでは、メッシュ別降雨減衰解析装置1は、電波減衰算出装置3と、減衰最大値解析装置5とを備える。

0042

(電波減衰算出装置の構成)
電波減衰算出装置3は、メッシュごとの衛星放送の電波の減衰量を算出するものである。ここでは、電波減衰算出装置3は、スラントパス長算出手段31と、パス縮率乗算手段32と、降雨強度算出手段33と、減衰算出手段34と、大気吸収損・シンチレーション効果加算手段35と、減衰データ出力手段36と、位置データ記憶手段37とを備える。そして、ここでは、電波減衰算出装置3は、メッシュごとに衛星放送の電波の減衰量の時系列値を複数算出し、この減衰量の時系列値を、メッシュと、この降雨強度の時系列値を積分した1時間雨量とに対応させた減衰データとして減衰最大値解析装置5の減衰データ記憶手段53に記憶することとした。

0043

スラントパス長算出手段31は、メッシュごとに、衛星放送の電波の伝搬路において降雨の発生している領域の空間路長であるスラントパス長を算出するものである。ここで算出されたスラントパス長は、パス短縮率乗算手段32に出力される

0044

なお、このスラントパス長は、例えば、国際電気通信連合ITU;International Telecommunication Union)の勧告ITU−R P.618−で定められている方法等の一般的な方法で算出することができる。ここで、図4を参照(適宜図3参照)して、スラントパス長算出手段31が、ITU−R P.618−に記載されている方法によって、スラントパス長を算出する例について説明する。図4は、衛星放送の電波の伝送路とスラントパス長を模式的に示した説明図である。

0045

図4に示すように、仰角θ(°)の衛星放送の電波の伝送路Tにおいて、メッシュ内の送受信局の標高hS(km)の面と、降雨の発生する領域の上限の高さ(標高)hR(km)とに挟まれる部分の長さLS(km)が、スラントパス長となる。ここで、降雨の発生する領域の上限の高さは、降雨が固体から液体になる境界面の高さであり、メッシュごとに、時期等に依存する適切な値を予め設定しておくことができる。そして、スラントパス長算出手段31は、このスラントパス長LSを、以下の式(1)、(2)に基づいて算出する。なお、Re(km)は、地球の有効半径であり、また、伝送路Tの仰角θは、位置データ記憶手段37に記憶された、送受信局の位置(緯度と経度)を示す送受信局位置データと、衛星の軌道位置を示す衛星軌道位置データとに基づいて算出することができる。

0046

0047

図3に戻って説明を続ける。パス短縮率乗算手段32は、降雨の発生する領域における雨量の不均一性の影響を補正するためのパス短縮率を、スラントパス長算出手段31から入力されたスラントパス長に乗算するものである。ここでパス短縮率が乗算されたスラントパス長は、減衰算出手段34に出力される。なお、このパス短縮率には、例えば、実測値に基づいて予めメッシュごとに求めておいた値等を用いることができる。

0048

降雨強度算出手段33は、単位時間ごとの降雨強度の時系列値を算出するものである。ここで算出された降雨強度の時系列値は、減衰算出手段34に出力される。

0049

なお、ここでは、単位時間ごとの降雨強度を1分あたりの雨量(1分間降雨強度)とした。この1分間降雨強度は、1時間の間に時間とともに変化する降雨の1分ごとの雨量である。ここで、降雨強度算出手段33は、この降雨強度の時系列値を、例えば、自己回帰モデルに基づいて算出することができる。以下、降雨強度算出手段33が、自己回帰モデルに基づいて、1時間に設定された雨量となる降雨において、1分間降雨強度の時系列値を算出する方法について説明する。

0050

ここで、時刻i分の時系列をxiとすると、自己回帰モデルにおいて、この時系列xiは以下の式(3)によって表される。

0051

0052

ここで、b1、b2、…、bnは、自己回帰係数であり、このメッシュにおける降雨特性によって決まる係数である。また、niは、ガウス乱数であり、平均ゼロ、標準偏差1でランダムに変化する。更に、ρ2は、決定係数である。また、時系列xiは、平均値がゼロであり、時系列値xiは以下の式(4)で表されるものとする。そして、1分間降雨強度Ri(mm/h)は以下の式(5)で表される。ここで、Rmは1分間降雨強度Riの中央値、σlogRは1分間降雨強度Riの対数値における標準偏差である。

0053

0054

そして、このメッシュ内における1分間降雨強度Riの実測値に基づいて、メッシュごとに自己回帰係数b1、b2、…、bnと決定係数ρ2とを予め求めておくことで、降雨強度算出手段33は、1分間降雨強度Riを算出することができる。そして、降雨強度算出手段33は、この方法によって、メッシュごとに1分間降雨強度の時系列値のパターンを所定の数だけ生成する。

0055

なお、降雨強度算出手段33は、降雨強度の時系列値を他の方法によって算出することとしてもよく、例えば、Assela Pathirana,et al.“A multiracial Approach to predict high−resolution rainfall distribution”、土木学会年次学術講演会講演概要集第2部、JN:S0901A、Vol.55th、p.250−251に記載されるような、フラクタル理論に基づいて、長い積分時間の雨量(1時間雨量)の時系列データから、短い積分時間の降雨強度(1分間降雨強度)の時系列データを生成することとしてもよい。

0056

減衰算出手段34は、パス短縮率乗算手段32から入力されるスラントパス長と、降雨強度算出手段33から入力される降雨強度の時系列値とに基づいて、メッシュごとの降雨による減衰量の時系列値を算出するものである。ここで算出された降雨による減衰量の時系列値は、大気吸収損・シンチレーション効果加算手段35に出力される。なお、減衰算出手段34は、スラントパス長と降雨強度の時系列値とに基づいて、減衰量を国際電気通信連合の勧告ITU−R P.838−1で定められている方法等によって算出することができる。

0057

以下、減衰算出手段34がスラントパス長と降雨強度の時系列値とに基づいて、メッシュごとに降雨による減衰量の時系列値を算出する方法について説明する。ここで、降雨強度Ri(mm/h)の時のスラントパス長1kmあたりの減衰量γR(dB/km)は、以下の式(6)で表される。

0058

γR=k・Riα ・・・(6)

0059

なお、kとαは、衛星放送の電波の周波数に依存する係数である。そして、メッシュごとの降雨による減衰量の時系列値Ai(dB)は、以下の式(7)に示すように、このスラントパス1kmあたりの減衰量γR(dB/km)と、パス短縮率乗算手段32においてパス短縮率ξを乗算されたスラントパス長とを掛け合わせることで得られる。

0060

Ai=γR・LS・ξ ・・・(7)

0061

大気吸収損・シンチレーション効果加算手段35は、減衰算出手段34によって算出された降雨による減衰量の時系列値に、大気による吸収損とシンチレーションによる変動分を加算して、衛星放送の電波の減衰量の時系列値を算出し、減衰量の時系列値をメッシュと、この降雨強度の時系列値を積分した1時間雨量とに対応させた減衰データを生成するものである。なお、大気吸収損・シンチレーション効果加算手段35は、大気による吸収損を、例えば、国際電気通信連合の勧告ITU−R P.676−5で定められている方法等の一般的な方法によって算出することができる。また、大気吸収損・シンチレーション効果加算手段35は、シンチレーションによる変動分を、例えば、E.Matriccian,et al.“Relationship between scintillation and rain attenuation at 19.77GHz”,Radio Science,Vol.31,No.2,P273−279,1996に記載されている方法等の一般的な方法によって算出することができる。ここで生成された減衰データは、減衰データ出力手段36に出力される。

0062

減衰データ出力手段36は、大気吸収損・シンチレーション効果加算手段35から入力された減衰データを外部へ出力するものである。なお、ここでは、減衰データ出力手段36は、減衰データを減衰最大値解析装置5に出力することとした。

0063

位置データ記憶手段37は、スラントパス長算出手段31によってスラントパス長を算出するのに必要となる、送受信局の位置と衛星の軌道位置とを記憶するもので、半導体メモリハードディスク等の一般的な記憶手段である。ここでは、位置データ記憶手段37に、送受信局の位置(緯度と経度)を示す送受信局位置データ(位置データ)と、衛星の軌道位置を示す衛星軌道位置データ(位置データ)とを記憶することとした。

0064

(減衰最大値解析装置の構成)
次に、減衰最大値解析装置5の構成について説明する。減衰最大値解析装置(降雨影響度解析装置)5は、外部から入力される、メッシュごとの1時間雨量の予測値を示す雨量データと、電波減衰算出装置3によって算出された減衰データとに基づいて、衛星放送の電波の減衰量を解析し、降雨による減衰の影響度を評価するものである。ここでは、減衰最大値解析装置5は、雨量データ入力手段51と、減衰データ入力手段52と、減衰データ記憶手段53と、メッシュ別減衰量生成手段54と、解析データ記憶手段55と、影響度解析手段56と、減衰量出力手段57と、影響度データ出力手段58とを備える。

0065

雨量データ入力手段51は、メッシュごとの1時間雨量を示す雨量データを外部から入力するものである。なお、ここでは、この雨量データをメッシュごとの1時間雨量の予測値とするが、この雨量データは、予め設定された所定時間あたりの雨量や、AMeDAS等によって所定の単位のメッシュごとに観測された所定時間あたりの雨量の実測値であってもよい。ここで入力された雨量データは、メッシュ別減衰量生成手段54の最大減衰量解析部54aに出力される。

0066

減衰データ入力手段52は、電波減衰算出装置3の大気吸収損・シンチレーション効果加算手段35によって算出された減衰量の時系列値を減衰データ出力手段36から入力し、減衰データ記憶手段53に出力するものである。

0067

減衰データ記憶手段53は、電波減衰算出装置3によって算出された減衰データを記憶するもので、半導体メモリ、ハードディスク等の一般的な記憶手段である。この減衰データは、後記するメッシュ別減衰量生成手段54の最大減衰量解析部54aによって、雨量データに基づいて、メッシュごとの衛星放送の電波の最大減衰量を解析する際に参照されて用いられる。また、この減衰データは、影響度解析手段56のCN比解析部56aによって、雨量データに基づいて、メッシュごとの衛星放送の電波のCN比を解析する際にも参照されて用いられる。なお、この減衰データは、電波減衰算出装置3の大気吸収損・シンチレーション効果加算手段35によって算出された減衰量の時系列値を、各々のメッシュとこの降雨強度の時系列値を積分した1時間雨量とに対応させたものである。そして、この減衰データ記憶手段53には、各々のメッシュごとに、複数の減衰値の時系列値のパターンが記憶されている。

0068

メッシュ別減衰量生成手段54は、雨量データ入力手段51から入力された雨量データと、減衰データ記憶手段53に記憶された減衰データとに基づいて、メッシュごとに、超過確率が所定の確率となる衛星放送の電波の減衰量を解析するものである。ここでは、メッシュ別減衰量生成手段54は、最大減衰量解析部54aと、電波減衰解析部54bとを備える。

0069

最大減衰量解析部(最大減衰量解析手段)54aは、雨量データ入力手段51から入力された雨量データと、減衰データ記憶手段53に記憶された減衰データとに基づいて、この雨量データに対応する減衰量の時系列値の最大値である最大減衰量を、当該時系列値のパターンごとに解析するものである。ここで、最大減衰量解析部54aは、減衰データ記憶手段53から、この雨量データによって示される各々のメッシュの1時間雨量に対応する電波の減衰量の時系列値を読み出し、この時系列値のパターンごとに最大減衰量を解析する。ここで解析された最大値減衰量は、電波減衰解析部54bに出力される。

0070

電波減衰解析部(電波減衰解析手段)54bは、最大減衰量解析部54aから入力された最大減衰量の分布を解析し、図示しない入力手段から入力された、あるいは、予め設定された超過確率の許容値に基づいて、メッシュごとに、超過確率がこの許容値となる減衰量であるメッシュ別減衰量を算出するものである。ここで解析されたメッシュ別減衰量は、減衰量出力手段57に出力される。なお、超過確率とは、最大減衰量がある値を超過する確率である。

0071

ここで、図5を参照(適宜図3参照)して、メッシュ別減衰量生成手段54が、雨量データと減衰データとに基づいて、メッシュ別減衰量を解析する方法を、具体例を用いて説明する。ここでは、あるメッシュにおける、12GHz帯の周波数帯の電波の、降雨による減衰量の最大値である最大降雨減衰量の分布から、メッシュ別減衰量を解析する例について説明する。なお、12GHz帯では、電波の大気による吸収損とシンチレーションによる変動分は十分小さく無視できるため、降雨による減衰量を当該電波の減衰量とみなすこととした。図5は、あるメッシュにおける、1時間雨量が2mm/h(ミリメートル/時間)、3mm/h、6mm/h、10mm/h、16mm/h、20mm/hの各々の場合の、12GHz帯の周波数帯の電波の最大降雨減衰量と、その最大降雨減衰量を超える確率である超過確率との関係を示したグラフである。

0072

最大減衰量解析部54aに雨量データ入力手段51から雨量データが入力されると、最大減衰量解析部54aは、その雨量データの示すメッシュと1時間雨量とに対応する電波の減衰量の時系列値を減衰データ記憶手段53から読み出す。そして、最大減衰量解析部54aは、読み出した減衰量の時系列値のパターンごとに、この1時間内での1分ごとの減衰量の時系列値の最大値を解析し、最大降雨減衰量(最大減衰量)とする。

0073

このようにして、最大減衰量解析部54aによって、あるメッシュについて解析された、1時間雨量が2mm/h、3mm/h、6mm/h、10mm/h、16mm/h、20mm/hの各々の場合の最大降雨減衰量の分布を図5に示す。なお、図5では、比較のため、電波の減衰量を測定した実測値の最大値の分布も併せて示した。減衰データに基づいて解析された最大降雨減衰量の分布は、実測値とよく合致している。

0074

また、図5において、例えば、1時間あたりの雨量が2mm/hの場合、最大降雨減衰量が3dBを超える確率(超過確率)は約5%、4dBを超える確率は約1%となる。なお、この超過確率は、最大降雨減衰量がある値を超える確率であり、つまり、この1時間の間に減衰量がある値を超える確率である。例えば、1時間雨量が2mm/hの場合には、この1時間の間に減衰量が4dBを超える確率が1%であることを示す。そのため、例えば、後記する減衰量出力手段57から出力された減衰量に基づいて、衛星放送の電波を送信する送信電力に、この4dBの減衰を補償する降雨マージンを与えた場合には、1時間雨量が2mm/hの場合は99%の確率で降雨減衰が補償されることを示している。

0075

そして、電波減衰解析部54bは、この最大減衰量の分布に基づいて、メッシュ別減衰量を算出する。ここで、例えば、超過確率の許容値として1%が、図示しない入力手段から入力されているとする。すると、電波減衰解析部54bは、超過確率が1%となる最大降雨減衰量を、このメッシュにおけるメッシュ別減衰量とする。例えば、電波減衰解析部54bは、1時間雨量が2mm/hの場合のこのメッシュにおけるメッシュ別減衰量を、4dBと算出する。

0076

なお、この超過確率は、降雨減衰をどの程度の確率で補償するかに応じて、任意の値を設定することができる。

0077

また、ここでは、メッシュ別減衰量生成手段54は、最大降雨減衰量の分布に基づいて、ある確率で生じる最大降雨減衰量を、このメッシュにおける減衰量とすることとしたが、例えば、減衰量の時系列値のパターンごとに、減衰量が予め設定された閾値を継続して超える時間である遮断時間が、この1時間内において予め設定された時間をある確率で超える減衰量の値を、このメッシュにおける減衰量とすることとしてもよい。

0078

図3に戻って説明を続ける。解析データ記憶手段55は、後記する影響度解析手段56のCN比解析部56aによるCN比の時系列値の解析と、影響度データ生成部56bによる影響度データの生成とに必要となるデータを記憶するもので、半導体メモリ、ハードディスク等の一般的な記憶手段である。ここでは、解析データ記憶手段55に、送受信局データと、衛星データと、伝送条件データと、メッシュ別データとを記憶することとした。

0079

送受信局データとは、衛星放送の電波を受信あるいは送受信する地上の送受信局のパラメータであり、例えば、送受信局の受信アンテナ利得値送信アンテナ実効等方放射電力値(EIRP;Effective Isotropic Radiated Power)、送受信局の受信装置ノイズフィギュア値、アンテナのポインティングロス値、カップリングロス値等である。また、衛星データとは、例えば、衛星の受信アンテナの利得値、送信アンテナの実効等方放射電力値、衛星の受信装置のノイズフィギュア値等である。この送受信局データと、衛星データは、CN比解析部56aによってCN比の時系列値を解析する際に参照されて用いられる。

0080

伝送条件データは、変調方式誤り訂正方式等の、CN比に影響を与える因子に、衛星放送の再生に必要となるCN比を対応させたデータである。また、メッシュ別データは、例えば、メッシュごとの人口密度、受信世帯数や送受信局数、視聴率受信契約率等である。この伝送条件データと、メッシュ別データは、影響度データ生成部56bによって影響度データを生成する際に参照されて用いられる。

0081

影響度解析手段56は、雨量データ入力手段51から入力された雨量データと、減衰データ記憶手段53に記憶された減衰データとに基づいて、メッシュごとに降雨減衰の影響度を示す影響度データを生成するものである。ここでは、影響度解析手段56は、CN比解析部56aと、影響度データ生成部56bとを備える。

0082

CN比解析部(CN比解析手段)56aは、雨量データと減衰データとに基づいて、メッシュごとの衛星放送の電波のCN比の時系列値を解析するものである。ここで、CN比解析部56aは、減衰データ記憶手段53から、この雨量データによって示される各々のメッシュの1時間雨量に対応する電波の減衰量の時系列値を読み出し、この時系列値のパターンごとに、解析データ記憶手段55に記憶された送受信局データと衛星データとに基づいて、CN比の時系列値を解析する。ここで解析されたCN比の時系列値は、影響度データ生成部56bに出力される。

0083

影響度データ生成部(影響度データ生成手段)56bは、CN比解析部56aから入力されたCN比の時系列値と、解析データ記憶手段55に記憶された伝送条件データとメッシュ別データとに基づいて、メッシュごとに影響度データを生成するものである。ここで生成された影響度データは、影響度データ出力手段58に出力される。

0084

なお、影響度データとは、降雨減衰による放送や通信の遮断等の影響度を示すデータであり、例えば、ある確率で放送や通信の遮断に遭遇する受信世帯数又は送受信局数や、ある確率である時間以上継続して放送や通信が遮断される受信世帯数又は送受信局数等である。

0085

ここで、影響度データ生成部56bは、図示しない入力手段から入力された変調方式名や誤り訂正方式名に基づいて解析データ記憶手段55に記憶された伝送条件データから、当該電波の正常な送受信に必要なCN比を読み出す。そして、影響度データ生成部56bは、メッシュごとに、CN比解析部56aから入力されたCN比の時系列値と、伝送条件データから読み出された、衛星放送の再生に必要となるCN比とを比較する。この影響度データ生成部56bには、メッシュごとに、このCN比の時系列値のパターンが複数入力され、影響度データ生成部56bは、各々の時系列値のパターンについて、放送や通信の遮断に遭遇するか、あるいは、ある時間以上継続して放送や通信が遮断されるかを解析することで、このメッシュにおいて放送や通信の遮断に遭遇する確率や、ある時間以上継続して放送や通信が遮断される確率等を解析することができる。そして、影響度データ生成部56bは、解析データ記憶手段55から読み出された、受信世帯数等のデータであるメッシュ別データに基づいて影響度データを解析することができる。

0086

減衰量出力手段57は、メッシュ別減衰量生成手段54の電波減衰解析部54bから入力されるメッシュ別減衰量を外部へ出力するものである。

0087

影響度データ出力手段58は、影響度解析手段56の影響度データ生成部56bから入力される影響度データを外部へ出力するものである。

0088

以上のようにメッシュ別降雨減衰解析装置1を構成することで、メッシュ別降雨減衰解析装置1は、電波減衰算出装置3によって、メッシュごとに、降雨減衰を反映させた衛星放送の電波の減衰量を算出することができる。そして、減衰最大値解析装置5によって、この減衰量を示す減衰データと、外部から入力された雨量データとに基づいて、メッシュごとの電波の減衰量であるメッシュ別減衰量を解析することができる。そして、このメッシュ別減衰量に基づいて、衛星放送の電波の降雨マージンを決定することで、降雨減衰の補償を効果的に行うことができる。

0089

なお、本発明の減衰最大値解析装置は、少なくとも雨量データ入力手段51と、減衰データ記憶手段53と、最大減衰量解析部54aと、電波減衰解析部54bとを備える構成であればよい。また、降雨影響度解析装置は、少なくとも雨量データ入力手段51と、減衰データ記憶手段53と、CN比解析部56aと、影響度データ生成部56bとを備える構成であればよい。

0090

また、ここでは、雨量データを、メッシュごとの1時間雨量の予測値としたが、メッシュ別降雨減衰解析装置1は、予め設定された所定時間あたりの雨量や、気象レーダ等によって観測された雨量を雨量データとして入力し、この降雨によって生じた降雨減衰を解析し、また、この降雨の影響度データを生成することとしてもよい。

0091

また、減衰最大値解析装置5によって、降雨減衰の影響度を客観的に把握あるいは予測できる影響度データを生成することができる。そして、この影響度データによって、時間とともに変化する降雨減衰の影響度を地域ごとに解析することができるため、この影響度データに基づいて、降雨減衰をどの程度の確率で補償するかを決定することで、降雨減衰を効果的に補償する降雨マージンを決定することが可能となる。更に、減衰最大値解析装置5は、人口分布や地域別の視聴者数の実態数に基づいて降雨減衰の影響度を評価した影響度データを生成することができるため、例えば、BSデジタル放送で採用されている階層化伝送における視聴者救済効果を統計的に把握することが可能となる。

0092

また、電波減衰算出装置3及び減衰最大値解析装置5は、コンピュータにおいて各手段を各機能プログラムとして実現することも可能であり、各機能プログラムを結合して、電波減衰算出プログラム、減衰最大値解析プログラム及び降雨影響度解析プログラムとして動作させることも可能である。

0093

[メッシュ別降雨減衰解析装置の動作]
次に、図6及び図7を参照して、本発明におけるメッシュ別降雨減衰解析装置1の電波減衰算出装置3と減衰最大値解析装置5との動作について説明する。

0094

(電波減衰算出装置の動作)
まず、図6を参照(適宜図3参照)して、電波減衰算出装置3が、メッシュごとに衛星放送の電波の減衰量を算出する動作について説明する。図6は、本発明における電波減衰算出装置3の動作を示したフローチャートである。

0095

(スラントパス長・降雨強度算出ステップ
電波減衰算出装置3は、スラントパス長算出手段31によって、位置データ記憶手段37に記憶された送受信局位置データと衛星軌道位置データとに基づいて、メッシュごとにスラントパス長を算出する(ステップS31)。そして、電波減衰算出装置3は、パス短縮率乗算手段32によって、ステップS31において算出されたスラントパス長にパス短縮率を乗算する(ステップS32)。また、電波減衰算出装置3は、降雨強度算出手段33によって、1分間降雨強度の時系列値を算出する(ステップS33)。

0096

(減衰算出ステップ)
そして、電波減衰算出装置3は、減衰算出手段34によって、ステップS32においてパス短縮率を乗算されたスラントパス長と、ステップS33において算出された降雨強度の時系列値とに基づいて、降雨による減衰量の時系列値を算出する(ステップS34)。

0097

更に、電波減衰算出装置3は、大気吸収損・シンチレーション効果加算手段35によって、ステップS34において算出された減衰量の時系列値に、大気による吸収損とシンチレーションによる変動分を加算した、衛星放送の電波の減衰量の時系列値を算出する(ステップS35)。そして、電波減衰算出装置3は、大気吸収損・シンチレーション効果加算手段35によって、ステップS35において算出された減衰量の時系列値をメッシュと、この降雨強度の時系列値を積分した1時間雨量とに対応させた減衰データを生成し、減衰データ出力手段36を介して減衰最大値解析装置5に出力する(ステップS36)。

0098

そして、電波減衰算出装置3は、降雨強度算出手段33によって、算出された降雨強度の時系列値のパターンの数が、予め設定された数に達したかを判断する(ステップS37)。そして、予め設定された数に達していない場合(ステップS37でNo)には、ステップS33に戻って、電波減衰算出装置3が、降雨強度算出手段33によって降雨強度の時系列値を算出する動作以降の動作を行う。

0099

また、算出された降雨強度の時系列値のパターンの数が、予め設定された数に達した場合(ステップS37でYes)には、電波減衰算出装置3は、スラントパス長算出手段31によって、すべてのメッシュについて、スラントパス長の算出を行ったかを判断する(ステップS38)。

0100

そして、すべてのメッシュについて終了していない場合(ステップS38でNo)には、ステップS31に戻って、電波減衰算出装置3が、スラントパス長算出手段31によって、次のメッシュについて、スラントパス長を算出する動作以降の動作を行う。また、すべてのメッシュについて終了した場合(ステップS38でYes)には、動作を終了する。

0101

(減衰最大値解析装置の動作)
次に、図7を参照(適宜図3参照)を参照して、減衰最大値解析装置5が、外部から入力された雨量データに基づいて、メッシュごとに衛星放送の電波の減衰量を解析し、降雨減衰の影響度を示す影響度データを生成する動作について説明する。図7は、本発明における減衰最大値解析装置5の動作を示したフローチャートである。

0102

なお、ここでは、減衰最大値解析装置5が、減衰データ入力手段52によって、減衰量の解析と影響度データの生成とに必要な減衰データを電波減衰算出装置3から入力して、減衰データ記憶手段53に記憶していることとし、これ以降の動作について説明する。

0103

減衰最大値解析装置5は、雨量データ入力手段51によって、外部から雨量データを入力する(ステップS51)。そして、減衰最大値解析装置5は、メッシュ別減衰量生成手段54の最大減衰量解析部54aによって、ステップS51において入力された雨量データと、減衰データ記憶手段53に記憶された減衰データとに基づいて、衛星放送の電波の減衰量の時系列値ごとに、この減衰量の最大値である最大減衰量を解析する。ここで、減衰最大値解析装置5は、最大減衰量解析部54aによって、雨量データに示されたメッシュと1時間雨量とに対応するすべての減衰量の時系列値を減衰データ記憶手段53から読み出し、その各々の減衰量の時系列値の最大値である最大減衰量を解析する(ステップS52)。

0104

更に、減衰最大値解析装置5は、電波減衰解析部54bによって、ステップS52において解析された最大減衰量の分布を解析し、設定された超過確率の許容値に基づいて、メッシュごとに、超過確率がこの許容値となる減衰量であるメッシュ別減衰量を解析する(ステップS53)。そして、減衰最大値解析装置5は、減衰量出力手段57によって、ステップS53において解析されたメッシュ別減衰量を出力する(ステップS54)。

0105

また、減衰最大値解析装置5は、影響度解析手段56のCN比解析部56aによって、減衰データ記憶手段53に記憶された減衰量の時系列値と、解析データ記憶手段55に記憶された送受信局データ及び衛星データとに基づいて、CN比の時系列値を解析する(ステップS55)。そして、減衰最大値解析装置5は、影響度解析手段56の影響度データ生成部56bによって、ステップS55において解析されたCN比の時系列値と、解析データ記憶手段55に記憶された伝送条件データとメッシュ別データとに基づいて、降雨減衰の影響度を解析し、影響度データを生成する(ステップS56)。そして、減衰最大値解析装置5は、影響度データ出力手段58によって、ステップS56において生成された影響度データを出力する(ステップS57)。

0106

そして、減衰最大値解析装置5は、メッシュ別減衰量生成手段54の最大減衰量解析部54aによって、このメッシュにおいて、ステップS51において入力された雨量データに示されたすべての雨量について、最大減衰量の解析を行ったかを判断する(ステップS58)。そして、すべての雨量について終了していない場合(ステップS58でNo)には、ステップS52に戻って、減衰最大値解析装置5が、最大減衰量解析部54aによって、雨量データに示された次の雨量について、最大減衰量を解析する動作以降の動作を行う。

0107

また、すべての雨量について終了した場合(ステップS58でYes)には、減衰最大値解析装置5は、最大減衰量解析部54aによって、すべてのメッシュについて、最大減衰量の解析を行ったかを判断する(ステップS59)。そして、すべてのメッシュについて終了していない場合(ステップS59でNo)には、ステップS52に戻って、減衰最大値解析装置5が、最大減衰量解析部54aによって、次のメッシュについて、最大減衰量を解析する動作以降の動作を行う。

0108

また、すべてのメッシュについて終了した場合(ステップS59でYes)には、動作を終了する。

0109

[メッシュ別降雨減衰解析装置の構成(第二の実施の形態)]
次に、図8(適宜図3参照)を参照して、本発明における第二の実施の形態であるメッシュ別降雨減衰解析装置1Aの構成について説明する。図8は、本発明における第二の実施の形態であるメッシュ別降雨減衰解析装置1Aの構成を示したブロック図である。図8に示すように、メッシュ別降雨減衰解析装置1Aは、1時間内における衛星放送の電波の減衰量の最大値を算出し、この減衰量の最大値と、外部から入力されるメッシュごとの1時間雨量を示す雨量データとに基づいて、メッシュ別減衰量を解析するとともに、降雨減衰の影響度を示す影響度データを生成するものである。

0110

メッシュ別降雨減衰解析装置1Aは、メッシュ別降雨減衰解析装置1の減衰算出手段34、大気吸収損・シンチレーション効果加算手段35、メッシュ別減衰量生成手段54及び影響度解析手段56の代わりに、最大減衰量算出手段34A、大気吸収損・シンチレーション効果加算手段35A、メッシュ別減衰量生成手段54A及び影響度解析手段56Aを備える。なお、メッシュ別降雨減衰解析装置1A内の最大減衰量算出手段34A、大気吸収損・シンチレーション効果加算手段35A、メッシュ別減衰量生成手段54A及び影響度解析手段56A以外の構成は、図3に示したものと同一であるので、同一の符号を付し、説明を省略する。

0111

最大減衰量算出手段34Aは、パス短縮率乗算手段32から入力されるスラントパス長と、降雨強度算出手段33から入力される降雨強度の時系列値とに基づいて、メッシュごとの降雨による減衰量の最大値を算出するものである。ここで算出された降雨による減衰量の最大値は、大気吸収損・シンチレーション効果加算手段35Aに出力される。

0112

なお、最大減衰量算出手段34Aは、例えば、降雨強度算出手段33から入力される降雨強度の時系列値から減衰量の時系列値を算出し、この減衰量の時系列値の最大値を大気吸収損・シンチレーション効果加算手段35Aに出力するようにしてもよいし、また、降雨強度の時系列値から最大値を選択し、この降雨強度の最大値から減衰量の最大値を算出するようにしてもよい。

0113

大気吸収損・シンチレーション効果加算手段35Aは、最大減衰量算出手段34Aによって算出された降雨による減衰量の最大値に、大気による吸収損とシンチレーションによる変動分を加算して、衛星放送の電波の減衰量の最大値(最大減衰量)を算出し、最大減衰量をメッシュと1時間雨量とに対応させた減衰データを生成するものである。ここで生成された減衰データは減衰データ出力手段36に出力される。なお、この大気吸収損・シンチレーション効果加算手段35Aは、大気吸収損・シンチレーション効果加算手段35(図3)に比べて、入力される減衰量のデータを、降雨による減衰量の時系列値から減衰量の最大値としただけで機能は同じものである。

0114

メッシュ別減衰量生成手段54Aは、雨量データ入力手段51から入力された雨量データと、減衰データ記憶手段53に記憶された減衰データとに基づいて、メッシュごとに、超過確率が所定の確率となる衛星放送の電波の減衰量を解析するものである。ここでは、メッシュ別減衰量生成手段54Aは、最大減衰量読出部54Aaと、電波減衰解析部54Abとを備える。

0115

最大減衰量読出部54Aaは、雨量データ入力手段51から入力された雨量データに対応する減衰データを、減衰データ記憶手段53から読み出すものである。ここで読み出される減衰データは、この雨量データによって示される各々のメッシュの1時間雨量に対応する最大減衰量を示している。最大減衰量読出部54Aaは、ここで読み出した最大値減衰量を、電波減衰解析部54Abに出力する。

0116

電波減衰解析部54Abは、最大減衰量読出部54Aaから入力された最大減衰量の分布を解析し、図示しない入力手段から入力された、あるいは、予め設定された超過確率の許容値に基づいて、メッシュごとに、超過確率がこの許容値となる減衰量であるメッシュ別減衰量を算出するものである。ここで解析されたメッシュ別減衰量は、減衰量出力手段57に出力される。なお、この電波減衰解析部54Abは、電波減衰解析部54b(図3)に比べて、入力されるデータを減衰量の時系列値から減衰量の最大値とし、このデータの入力元を最大減衰量解析部54a(図3)から最大減衰量読出部54Aaとしただけで機能は同じものである。

0117

影響度解析手段56Aは、雨量データ入力手段51から入力された雨量データと、減衰データ記憶手段53に記憶された減衰データとに基づいて、メッシュごとに降雨減衰の影響度を示す影響度データを生成するものである。ここでは、影響度解析手段56Aは、CN比解析部56Aaと、影響度データ生成部56Abとを備える。

0118

CN比解析部56Aaは、雨量データと減衰データとに基づいて、メッシュごとの衛星放送の電波のCN比の最小値を解析するものである。ここで、CN比解析部56Aaは、減衰データ記憶手段53から、この雨量データによって示される各々のメッシュの1時間雨量に対応する電波の減衰量の最大値をすべて読み出し、各々の最大値について、解析データ記憶手段55に記憶された送受信局データと衛星データとに基づいて、CN比の最小値を解析する。ここで解析されたCN比の最小値は、影響度データ生成部56Abに出力される。なお、このCN比解析部56Aaは、CN比解析部56a(図3)に比べて、減衰データ記憶手段53から読み出すデータを、減衰量の時系列値から減衰量の最大値としただけで機能は同じものである。

0119

影響度データ生成部56Abは、CN比解析部56Aaから入力されたCN比の最小値と、解析データ記憶手段55に記憶された伝送条件データとメッシュ別データとに基づいて、メッシュごとに影響度データを生成するものである。ここで生成された影響度データは、影響度データ出力手段58に出力される。

0120

なお、ここで解析される影響度データは、CN比の最小値に基づいて解析される影響度データであり、例えば、ある確率で放送や通信の遮断に遭遇する受信世帯数又は送受信局数等である。

0121

ここで、影響度データ生成部56Abには、メッシュごとに、このCN比の最小値が複数入力され、影響度データ生成部56Abは、CN比解析部56Aaから入力されたCN比の最小値と、解析データ記憶手段55の伝送条件データから読み出された、衛星放送の再生に必要となるCN比とを比較する。そして、影響度データ生成部56Abは、各々の最小値について、放送や通信の遮断に遭遇するかを判断することで、このメッシュにおいて放送や通信の遮断に遭遇する確率等を解析することができる。更に、影響度データ生成部56Abは、解析データ記憶手段55から読み出された受信世帯数等のデータであるメッシュ別データに基づいて影響度データを解析することができる。

0122

これによって、メッシュ別降雨減衰解析装置1Aは、電波減衰算出装置3Aによって、メッシュごとに、単位時間ごとの降雨強度の時系列値を所定の数のパターンを算出し、各々のパターンについて最大減衰量を算出することができる。そして、減衰最大値解析装置5Aによって、この最大減衰量を示す減衰データと、外部から入力された雨量データとに基づいて、メッシュごとの電波の減衰量であるメッシュ別減衰量を解析することができる。また、減衰最大値解析装置5Aによって、降雨減衰の影響度を把握あるいは予測できる影響度データを生成することができる。

図面の簡単な説明

0123

本発明におけるメッシュ別降雨減衰解析装置の概要を模式的に示す説明図である。
本発明におけるメッシュ別降雨減衰解析装置によって算出された降雨による衛星放送の電波の減衰量に基づいて、降雨減衰補償を行う例を示す説明図、(a)は、フェーズドアレーアンテナによって、電波を送受信する地域に降雨マージンを与えた電波を送信し、降雨の集中する一部の範囲に特に高い強度の電波を送信する例を示す模式図、(b)は、(a)において送信される電波の強さを表すグラフである。
本発明における第一の実施の形態であるメッシュ別降雨減衰解析装置の構成を示したブロック図である。
衛星放送の電波の伝送路とスラントパス長を模式的に示した説明図である。
あるメッシュにおける、1時間雨量が2mm/h(ミリメートル/時間)、3mm/h、6mm/h、10mm/h、16mm/h、20mm/hの各々の場合の、12GHz帯の周波数帯の電波の最大降雨減衰量と、その最大降雨減衰量を超える確率である超過確率との関係を示したグラフである。
本発明における電波減衰算出装置の動作を示したフローチャートである。
本発明における減衰最大値解析装置の動作を示したフローチャートである。
本発明における第二の実施の形態であるメッシュ別降雨減衰解析装置の構成を示したブロック図である。

符号の説明

0124

3,3A電波減衰算出装置
31スラントパス長算出手段
33降雨強度算出手段
34減衰算出手段
34A最大減衰量算出手段
5減衰最大値解析装置(降雨影響度解析装置)
51雨量データ入力手段
53減衰データ記憶手段
54a 最大減衰量解析部(最大減衰量解析手段)
54b電波減衰解析部(電波減衰解析手段)
56aCN比解析部(CN比解析手段)
56b影響度データ生成部(影響度データ生成手段)

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