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技術 液晶表示素子及びその製造方法

出願人 スタンレー電気株式会社
発明者 杉山貴鈴木修
出願日 2004年4月28日 (16年9ヶ月経過) 出願番号 2004-132347
公開日 2005年11月10日 (15年3ヶ月経過) 公開番号 2005-316027
状態 拒絶査定
技術分野 液晶3(基板、絶縁膜及び配向部材) 液晶5(電極、アクティブマトリックス) 液晶3-2(配向部材)
主要キーワード 両櫛歯状 エアコン風量 車載用エアコン 各櫛歯状電極 繋ぎ部分 電極パタン 視角表示 ストライプパタン
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (15)

課題

見る方向によって異なる表示内容を表示することのできる液晶表示素子を提供する。

解決手段

第1透明基板と、第1透明基板の一方の面上に形成される第1及び第2電極であって、相互に独立の電気回路に接続されて制御される第1及び第2電極とを含む第1基板と、第2透明基板と、第2透明基板の一方の面上に形成される第3電極とを含む第2基板であって、第1基板の第1及び第2電極の形成されている面と、第3電極の形成されている面とが向き合うように、第1基板と略平行配置される第2基板と、第1基板と第2基板間に挟持される液晶層であって、第1電極と第3電極との間に電圧印加されたとき、液晶が第1方向に倒れる第1部分、及び、第2電極と第3電極との間に電圧が印加されたとき、液晶が第1方向とは異なる第2方向に倒れる第2部分を備える液晶層とを有する液晶表示素子を提供する。

概要

背景

図13は、垂直配向型液晶表示素子(Liquid Crystal Display)の従来例を示す断面図である。垂直配向型LCD50は、一対の基板(上側基板31及び下側基板32)と、その間に挟持される液晶層39、たとえば負の誘電率異方性(Δε<0)をもつネマティック液晶分子39aで形成されるネマティック液晶層とを含んで構成される。上側基板31及び下側基板32は、それぞれ、たとえば平板ガラス基板である透明基板33,34、透明基板33,34上に、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電材で形成され、所定のパタンを有する透明電極35,36、透明電極35,36上に形成される垂直配向膜37,38とを含んで構成される。

一対の基板(上側基板31及び下側基板32)は、垂直配向膜37,38が向き合うように略平行配置され、両垂直配向膜37,38間に、液晶層39が挟持される。透明電極35,36間には、電圧印加手段43が接続されており、電圧印加手段43により両透明電極35,36間の液晶層39に任意の電圧印加することができる。垂直配向膜37,38には、プレティルト角の付与等の配向処理が施されている。配向処理により、垂直配向膜37,38に接する液晶層39の液晶分子39aは基板(上側基板31及び下側基板32)に対してほぼ垂直な、かつプレティルト角だけ傾く方向に配向される。また、液晶層39に電圧が印加されたときには、プレティルト角により液晶分子39aの倒れる方向が規定される。

一対の基板(上側基板31及び下側基板32)の外側に、一対の偏光板41,42が、たとえば直交ニコル状態に配置される。図示のように互いに直交するX方向、Y方向、Z方向を画定するとき、上側基板31に向き合う偏光板41は、たとえばX方向に偏光する光だけを透過させ、下側基板32に向き合う偏光板42は、たとえばY方向に偏光する光だけを透過させるように配置される。また、液晶層39を挟持する一対の基板(上側基板31及び下側基板32)は、各基板(上側基板31及び下側基板32)の法線方向がZ方向と平行であるように、かつ、上側基板31または下側基板32の法線方向(Z方向)から見たとき、電圧印加時の液晶分子がX方向及びY方向と45°をなす方向に倒れるように配置される。

垂直配向型LCD50においては、視角依存性を改善するために、上側基板31と偏光板41との間に視角補償フィルム40が挿入されている。視角補償フィルム40として、たとえば光軸フィルムの法線方向にあり、複屈折率が負の一軸性光学フィルムが用いられる。視角補償フィルム40は、図に示したように一方の基板側にだけ配置することもできるし、両方の基板外側に配置することもできる。視角補償フィルム40のリターデーションは液晶層39のリターデーションの1/3〜1倍程度である。なお、両方の基板側に視角補償フィルム40を配置した場合は、2枚の視角補償フィルム40のリターデーションの和が液晶層39のリターデーションの1/3〜1倍程度である。

図13に示す構造の垂直配向型LCD50は、液晶分子39aが倒れる方向からの視角特性極端に悪くなるという欠点を有する。

上下基板に形成される一対の透明電極をスリットを有する形状に形成し、一方の透明電極のスリットと他方の透明電極のスリットが表示領域で交互に配置されることを特徴とするツイストネマチック(Twisted Nematic,TN)液晶表示素子の提案がなされている。(たとえば、特許文献1参照。)
この提案によれば、スリット部に斜め方向の電界が発生するとともに、スリットの両側では斜め電界の傾く方向が逆になる。一対の電極の表示領域で、電圧印加時には液晶分子の立ち上がり方向がそれぞれ逆方向の小領域が同時に形成されるので、互いの小領域の視角依存性が補完されて、表示領域全体として視角依存性が低減し、いずれの方向から見ても視認性が良好となり、表示品質が向上する。

上記の液晶表示素子は、いずれの方向から見ても、同内容の表示が認められる。

特許第3108768号公報

概要

見る方向によって異なる表示内容を表示することのできる液晶表示素子を提供する。 第1透明基板と、第1透明基板の一方の面上に形成される第1及び第2電極であって、相互に独立の電気回路に接続されて制御される第1及び第2電極とを含む第1基板と、第2透明基板と、第2透明基板の一方の面上に形成される第3電極とを含む第2基板であって、第1基板の第1及び第2電極の形成されている面と、第3電極の形成されている面とが向き合うように、第1基板と略平行配置される第2基板と、第1基板と第2基板間に挟持される液晶層であって、第1電極と第3電極との間に電圧が印加されたとき、液晶が第1方向に倒れる第1部分、及び、第2電極と第3電極との間に電圧が印加されたとき、液晶が第1方向とは異なる第2方向に倒れる第2部分を備える液晶層とを有する液晶表示素子を提供する。

目的

本発明の目的は、見る方向によって異なる表示内容を表示することのできる液晶表示素子及びその製造方法を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
3件

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請求項1

第1の透明基板と、前記第1の透明基板の一方の面上に形成される第1及び第2の電極であって、相互に独立の電気回路に接続されて制御される第1及び第2の電極とを含む第1の基板と、第2の透明基板と、前記第2の透明基板の一方の面上に形成される第3の電極とを含む第2の基板であって、前記第1の基板の前記第1及び第2の電極の形成されている面と、前記第3の電極の形成されている面とが向き合うように、前記第1の基板と略平行配置される第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板間に挟持される液晶層であって、前記第1の電極と前記第3の電極との間に電圧印加されたとき、液晶が第1の方向に倒れる第1の部分、及び、前記第2の電極と前記第3の電極との間に電圧が印加されたとき、液晶が前記第1の方向とは異なる第2の方向に倒れる第2の部分を備える液晶層とを有する液晶表示素子

請求項2

前記第1の部分と前記第2の部分とが、前記第1及び第2の基板の法線方向から見たとき、少なくとも一方向に交互に形成されている請求項1に記載の液晶表示素子。

請求項3

前記第1の方向と前記第2の方向とが、前記第1及び第2の基板の法線方向に関して逆向きである請求項1または2に記載の液晶表示素子。

請求項4

更に、前記第1の基板が、前記第1及び第2の電極を覆うように前記第1の透明基板上に形成された第1の配向膜を含み、前記第2の基板が、前記第3の電極を覆うように前記第2の透明基板上に形成された第2の配向膜を含み、前記第1及び第2の電極がともに櫛歯状電極であり、前記第1及び第2の基板の法線方向から見たとき、前記第1の電極の櫛歯状部分と前記第2の電極の櫛歯状部分とが、櫛歯状部分の幅方向に沿って互い違いに配置されており、前記第1または第2の配向膜の少なくとも一方について、前記第1の電極の櫛歯状部分の少なくとも一部を包含する領域には、前記液晶層の液晶を前記第1の方向に倒す配向処理が施されており、前記第2の電極の櫛歯状部分の少なくとも一部を包含する領域には、前記液晶層の液晶を前記第2の方向に倒す配向処理が施されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示素子。

請求項5

更に、前記第1の基板が、前記第1及び第2の電極を覆うように前記第1の透明基板上に形成された第1の配向膜を含み、前記第2の基板が、前記第3の電極を覆うように前記第2の透明基板上に形成された第2の配向膜を含み、前記第1、第2及び第3の電極は、それぞれ一方向に長い第1、第2及び第3の電極群であり、前記第1及び第2の基板の法線方向から見たとき、前記第1の電極群の各電極と前記第2の電極群の各電極とが、各電極の長さ方向と直交する方向に沿って互い違いに配置されており、かつ、前記第1及び第2の電極群と前記第3の電極群とは交差するように配置されており、前記第1または第2の配向膜の少なくとも一方について、前記第1の電極群の各電極の少なくとも一部を包含する領域には、前記液晶層の液晶を前記第1の方向に倒す配向処理が施されており、前記第2の電極群の各電極の少なくとも一部を包含する領域には、前記液晶層の液晶を前記第2の方向に倒す配向処理が施されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示素子。

請求項6

前記第1及び第2の電極群と前記第3の電極群とが直交するように配置されている請求項5に記載の液晶表示素子。

請求項7

更に、前記第3の電極はスリットを備え、前記第1及び第2の電極がともに櫛歯状電極であり、前記第1及び第2の基板の法線方向から見たとき、前記第1の電極の櫛歯状部分と前記第2の電極の櫛歯状部分とが、櫛歯状部分の幅方向に沿って互い違いに配置されており、前記スリットは、前記第1の電極の櫛歯状部分の長さ方向の一定側エッジと、対向する前記第2の電極の櫛歯状部分の長さ方向の一定側エッジとをまたぐように形成され、かつ、前記第1及び第2の電極の櫛歯状部分の長さ方向に沿う前記スリットのエッジが、前記第1及び第2の電極の隣り合う櫛歯状部分の内部領域に位置するように形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示素子。

請求項8

前記第1、第2及び第3の電極は、それぞれ一方向に長い第1、第2及び第3の電極群であり、更に、前記第3の電極群の各電極はスリットを備え、前記第1及び第2の基板の法線方向から見たとき、前記第1の電極群の各電極と前記第2の電極群の各電極とが、各電極の長さ方向と直交する方向に沿って互い違いに配置されており、かつ、前記第1及び第2の電極群と前記第3の電極群とは交差するように配置されており、前記スリットは、前記第1の電極群の各電極の長さ方向の一定側エッジと、対向する前記第2の電極群の電極の長さ方向の一定側エッジとをまたぐように形成され、かつ、前記第1及び第2の電極群の電極の長さ方向に沿う前記スリットのエッジが、前記第1及び第2の電極群の隣り合う電極の内部領域に位置するように形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示素子。

請求項9

前記第1及び第2の電極群と前記第3の電極群とが直交するように配置されている請求項8に記載の液晶表示素子。

請求項10

(a)光に感応し、液晶分子を平均的に表面に対してほぼ垂直方向配向させる性質を有する配向材料の膜を、それぞれ相互に独立の電気回路に接続されて制御される第1及び第2の電極を有する第1の基板表面に形成する工程と、(b)光に感応し、液晶分子を平均的に表面に対してほぼ垂直方向に配向させる性質を有する配向材料の膜を、電極を有する第2の基板表面に形成する工程と、(c)前記第1及び第2の基板表面に形成された配向材料の膜に、それぞれ前記第1及び第2の基板の法線方向から傾いた方向から光を照射し、垂直配向からのプレティルト角の異なる2種類の微小領域を、それぞれ前記第1及び第2の電極の形成位置に対応する位置に形成する工程と、(d)前記第1の基板と前記第2の基板とを、配向材料の膜が形成された面を向き合わせて対向配置し、前記第1及び第2の基板間に液晶層を形成する工程とを有する液晶表示素子の製造方法。

請求項11

前記工程(c)が、前記第1の基板表面に形成された配向材料の膜の一部であって、前記第1または第2の電極の一方の形成位置と対応する一部に、前記第1の基板の法線方向から傾いた第1の方向から光を照射する第1の照射工程と、前記第1の基板表面に形成された配向材料の膜の一部であって、前記第1または第2の電極の他方の形成位置と対応し、前記第1の照射工程で光が照射されていない配向材料の膜の一部に、前記第1の基板の法線方向から傾き、前記第1の方向とは異なる第2の方向から光を照射する第2の照射工程とを含む請求項10に記載の液晶表示素子の製造方法。

請求項12

前記工程(c)が、前記第2の基板表面に形成された配向材料の膜の一部であって、前記第1または第2の電極の一方の形成位置と対応する一部に、前記第2の基板の法線方向から傾いた第3の方向から光を照射する第3の照射工程と、前記第2の基板表面に形成された配向材料の膜の一部であって、前記第1または第2の電極の他方の形成位置と対応し、前記第3の照射工程で光が照射されていない配向材料の膜の一部に、前記第2の基板の法線方向から傾き、前記第3の方向とは異なる第4の方向から光を照射する第4の照射工程とを含む請求項10または11に記載の液晶表示素子の製造方法。

請求項13

前記第1の方向と前記第2の方向とが、前記第1の基板の法線方向に関して対称な方向である請求項11に記載の液晶表示素子の製造方法。

請求項14

前記第3の方向と前記第4の方向とが、前記第2の基板の法線方向に関して対称な方向である請求項12に記載の液晶表示素子の製造方法。

請求項15

前記第1及び第2の基板表面上に形成される配向材料の膜が紫外線に感応する性質を有し、前記工程(c)において、前記第1及び第2の基板表面に形成された配向材料の膜に紫外線を照射する請求項10〜14に記載の液晶表示素子の製造方法。

請求項16

(a)光に感応し、液晶分子を平均的に表面に対してほぼ垂直方向に配向させる性質を有する配向材料の膜を、電極を有する第1の基板表面に形成する工程と、(b)前記第1の基板表面に形成された配向材料の膜に、前記第1の基板の法線方向から傾いた方向から光を照射し、垂直配向からのプレティルト角の異なる2種類の微小領域を形成する工程と、(c)液晶分子を平均的に表面に対してほぼ垂直方向に配向させる性質を有する配向材料の膜を、電極を有する第2の基板表面に形成する工程と、(d)前記第1の基板と前記第2の基板とを、配向材料の膜が形成された面を向き合わせて対向配置し、前記第1及び第2の基板間に液晶層を形成する工程とを有し、前記第1の基板表面の電極と前記第2の基板表面の電極のうちのいずれか一方は、相互に独立の電気回路に接続されて制御される第1及び第2の電極を含んで構成され、前記工程(b)において、プレティルト角の異なる2種類の微小領域をそれぞれ前記第1及び第2の電極の形成位置に対応する位置に形成する液晶表示素子の製造方法。

請求項17

前記工程(b)が、前記第1の基板表面に形成された配向材料の膜の一部に、前記第1の基板の法線方向から傾いた第1の方向から光を照射する第1の照射工程と、前記第1の基板表面に形成された配向材料の膜の他の一部であって、前記第1の照射工程で光が照射されていない配向材料の膜の他の一部に、前記第1の基板の法線方向から傾き、前記第1の方向とは異なる第2の方向から光を照射する第2の照射工程とを含む請求項16に記載の液晶表示素子の製造方法。

請求項18

前記工程(b)が、前記第1の基板表面に形成された配向材料の膜に、前記第1の基板の法線方向から傾いた第3の方向から光を照射する第3の照射工程と、前記第3の照射工程において、前記第3の方向から光が照射された配向材料の膜の一部に、前記第1の基板の法線方向から傾き、前記第3の方向とは異なる第4の方向から光を照射する第4の照射工程とを含む請求項16記載の液晶表示素子の製造方法。

請求項19

前記第1の方向と前記第2の方向とが、前記第1の基板の法線方向に関して対称な方向である請求項17に記載の液晶表示素子の製造方法。

請求項20

前記第3の方向と前記第4の方向とが、前記第1の基板の法線方向に関して対称な方向である請求項18に記載の液晶表示素子の製造方法。

請求項21

前記第4の照射工程において前記第4の方向から光を照射する時間が、前記第3の照射工程において前記第3の方向から光を照射する時間より長い請求項18または20に記載の液晶表示素子の製造方法。

請求項22

前記第1の基板表面上に形成される配向材料の膜が紫外線に感応する性質を有し、前記工程(b)において、前記第1の基板表面に形成された配向材料の膜に紫外線を照射する請求項16〜21に記載の液晶表示素子の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、見る方向によって異なる内容を表示する液晶表示素子、及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

図13は、垂直配向型の液晶表示素子(Liquid Crystal Display)の従来例を示す断面図である。垂直配向型LCD50は、一対の基板(上側基板31及び下側基板32)と、その間に挟持される液晶層39、たとえば負の誘電率異方性(Δε<0)をもつネマティック液晶分子39aで形成されるネマティック液晶層とを含んで構成される。上側基板31及び下側基板32は、それぞれ、たとえば平板ガラス基板である透明基板33,34、透明基板33,34上に、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電材で形成され、所定のパタンを有する透明電極35,36、透明電極35,36上に形成される垂直配向膜37,38とを含んで構成される。

0003

一対の基板(上側基板31及び下側基板32)は、垂直配向膜37,38が向き合うように略平行配置され、両垂直配向膜37,38間に、液晶層39が挟持される。透明電極35,36間には、電圧印加手段43が接続されており、電圧印加手段43により両透明電極35,36間の液晶層39に任意の電圧印加することができる。垂直配向膜37,38には、プレティルト角の付与等の配向処理が施されている。配向処理により、垂直配向膜37,38に接する液晶層39の液晶分子39aは基板(上側基板31及び下側基板32)に対してほぼ垂直な、かつプレティルト角だけ傾く方向に配向される。また、液晶層39に電圧が印加されたときには、プレティルト角により液晶分子39aの倒れる方向が規定される。

0004

一対の基板(上側基板31及び下側基板32)の外側に、一対の偏光板41,42が、たとえば直交ニコル状態に配置される。図示のように互いに直交するX方向、Y方向、Z方向を画定するとき、上側基板31に向き合う偏光板41は、たとえばX方向に偏光する光だけを透過させ、下側基板32に向き合う偏光板42は、たとえばY方向に偏光する光だけを透過させるように配置される。また、液晶層39を挟持する一対の基板(上側基板31及び下側基板32)は、各基板(上側基板31及び下側基板32)の法線方向がZ方向と平行であるように、かつ、上側基板31または下側基板32の法線方向(Z方向)から見たとき、電圧印加時の液晶分子がX方向及びY方向と45°をなす方向に倒れるように配置される。

0005

垂直配向型LCD50においては、視角依存性を改善するために、上側基板31と偏光板41との間に視角補償フィルム40が挿入されている。視角補償フィルム40として、たとえば光軸フィルムの法線方向にあり、複屈折率が負の一軸性光学フィルムが用いられる。視角補償フィルム40は、図に示したように一方の基板側にだけ配置することもできるし、両方の基板外側に配置することもできる。視角補償フィルム40のリターデーションは液晶層39のリターデーションの1/3〜1倍程度である。なお、両方の基板側に視角補償フィルム40を配置した場合は、2枚の視角補償フィルム40のリターデーションの和が液晶層39のリターデーションの1/3〜1倍程度である。

0006

図13に示す構造の垂直配向型LCD50は、液晶分子39aが倒れる方向からの視角特性極端に悪くなるという欠点を有する。

0007

上下基板に形成される一対の透明電極をスリットを有する形状に形成し、一方の透明電極のスリットと他方の透明電極のスリットが表示領域で交互に配置されることを特徴とするツイストネマチック(Twisted Nematic,TN)液晶表示素子の提案がなされている。(たとえば、特許文献1参照。)
この提案によれば、スリット部に斜め方向の電界が発生するとともに、スリットの両側では斜め電界の傾く方向が逆になる。一対の電極の表示領域で、電圧印加時には液晶分子の立ち上がり方向がそれぞれ逆方向の小領域が同時に形成されるので、互いの小領域の視角依存性が補完されて、表示領域全体として視角依存性が低減し、いずれの方向から見ても視認性が良好となり、表示品質が向上する。

0008

上記の液晶表示素子は、いずれの方向から見ても、同内容の表示が認められる。

0009

特許第3108768号公報

発明が解決しようとする課題

0010

本発明の目的は、見る方向によって異なる表示内容を表示することのできる液晶表示素子及びその製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0011

本発明の一観点によれば、第1の透明基板と、前記第1の透明基板の一方の面上に形成される第1及び第2の電極であって、相互に独立の電気回路に接続されて制御される第1及び第2の電極とを含む第1の基板と、第2の透明基板と、前記第2の透明基板の一方の面上に形成される第3の電極とを含む第2の基板であって、前記第1の基板の前記第1及び第2の電極の形成されている面と、前記第3の電極の形成されている面とが向き合うように、前記第1の基板と略平行配置される第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板間に挟持される液晶層であって、前記第1の電極と前記第3の電極との間に電圧が印加されたとき、液晶が第1の方向に倒れる第1の部分、及び、前記第2の電極と前記第3の電極との間に電圧が印加されたとき、液晶が前記第1の方向とは異なる第2の方向に倒れる第2の部分を備える液晶層とを有する液晶表示素子が提供される。

0012

この液晶表示素子は、見る方向によって異なる表示内容を表示することができる。

0013

また、本発明の他の一観点によれば、(a)光に感応し、液晶分子を平均的に表面に対してほぼ垂直方向に配向させる性質を有する配向材料の膜を、それぞれ相互に独立の電気回路に接続されて制御される第1及び第2の電極を有する第1の基板表面に形成する工程と、(b)光に感応し、液晶分子を平均的に表面に対してほぼ垂直方向に配向させる性質を有する配向材料の膜を、電極を有する第2の基板表面に形成する工程と、(c)前記第1及び第2の基板表面に形成された配向材料の膜に、それぞれ前記第1及び第2の基板の法線方向から傾いた方向から光を照射し、垂直配向からのプレティルト角の異なる2種類の微小領域を、それぞれ前記第1及び第2の電極の形成位置に対応する位置に形成する工程と、(d)前記第1の基板と前記第2の基板とを、配向材料の膜が形成された面を向き合わせて対向配置し、前記第1及び第2の基板間に液晶層を形成する工程とを有する液晶表示素子の製造方法が提供される。

0014

この液晶表示素子の製造方法を用いて、見る方向によって異なる表示内容を表示可能な液晶表示素子を製造することができる。

0015

更に、本発明の他の観点によれば、(a)光に感応し、液晶分子を平均的に表面に対してほぼ垂直方向に配向させる性質を有する配向材料の膜を、電極を有する第1の基板表面に形成する工程と、(b)前記第1の基板表面に形成された配向材料の膜に、前記第1の基板の法線方向から傾いた方向から光を照射し、垂直配向からのプレティルト角の異なる2種類の微小領域を形成する工程と、(c)液晶分子を平均的に表面に対してほぼ垂直方向に配向させる性質を有する配向材料の膜を、電極を有する第2の基板表面に形成する工程と、(d)前記第1の基板と前記第2の基板とを、配向材料の膜が形成された面を向き合わせて対向配置し、前記第1及び第2の基板間に液晶層を形成する工程とを有し、前記第1の基板表面の電極と前記第2の基板表面の電極のうちのいずれか一方は、相互に独立の電気回路に接続されて制御される第1及び第2の電極を含んで構成され、前記工程(b)において、プレティルト角の異なる2種類の微小領域をそれぞれ前記第1及び第2の電極の形成位置に対応する位置に形成する液晶表示素子の製造方法が提供される。

0016

この液晶表示素子の製造方法によれば、簡略化された製造工程で、見る方向によって異なる表示内容を表示可能な液晶表示素子を製造することができる。また、表示品質の悪化を抑制することができる。

発明の効果

0017

本発明によれば、見る方向によって異なる表示内容を表示することのできる液晶表示素子及びその製造方法を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0018

背景技術では、視角依存性という欠点を改善するためにマルチドメイン構造を採用し、いずれの方向から見ても良好な視認性を実現する液晶表示素子の発明について述べた。本願においては、視角依存性という欠点をむしろ積極的に活用し、見る方向によって異なる複数の表示を可能とする液晶表示素子及びその製造方法を提案する。なお、本提案は、見る方向によって表示内容が異なるディスプレイを1枚の液晶表示素子で実現しようとするものである。

0019

後述の実施例においては、表示領域内に異なった視角特性をもつ複数の領域、いわゆるマルチドメイン構造を作製し、当該複数の領域ごとに異なる駆動信号を印加し、当該複数の領域ごとに別内容の表示を行う液晶表示素子を取り上げる。

0020

それに先立って、見る方向によって表示内容の異なる表示が可能である理由を説明する。ここでは2ドメイン構造の液晶表示素子を例として、左右斜め方向から見たときに異なった表示が実現できる理由を説明する。

0021

図1は、2ドメイン構造(右方向に視角をもつドメインと左方向に視角をもつドメインとを備える2ドメイン構造)を有する垂直配向型液晶表示素子の視角特性図である。実線で示したグラフが、左方向に視角をもつドメイン(液晶層中央の液晶分子が右方向に倒れるドメイン)の視角特性を表すグラフ、点線で示したグラフが、右方向に視角をもつドメイン(液晶層中央の液晶分子が左方向に倒れるドメイン)の視角特性を表すグラフである。また、白丸を実線または点線で結んだグラフは、ON電圧を印加した場合を示し、白四角を実線または点線で結んだグラフはOFF電圧を印加した場合を示す。横軸は、左右両側への視角を単位「°(度)」で示す。基板の法線方向を0°とし、右側への視角を正としている。縦軸は、液晶表示素子に入射する光の透過率を単位「%」で示す。

0022

液晶表示素子が左右両方向にほぼ同視角をもつ2ドメイン構造を有することに起因して、白丸を実線で結んだグラフと白丸を点線で結んだグラフ、及び、白四角を実線で結んだグラフと白四角を点線で結んだグラフとは、視角0°の線に関してそれぞれ対称である。

0023

白四角を実線または点線で結んだ2本のグラフを参照する。右方向に視角をもつドメインにおいても左方向に視角をもつドメインにおいても、OFF電圧印加時には、視角方向によらず入射光の透過率はほぼ0%であり、有効な表示を行えないことがわかる。

0024

白丸を実線または点線で結んだ2本のグラフを参照する。たとえば、ON電圧印加時に基板法線方向(視角0°方向)から表示領域を見た場合には、2種のドメインの光透過率が等しいため、両種のドメインの表示が均等に混ざり合うことがわかる。

0025

一方、左方向に視角をもつドメイン(白丸を実線で結んだグラフ)においては、右側に視角20°から55°までの範囲で、光透過率がOFF電圧印加時のそれとほぼ同程度(約0%)となっている。また、右方向に視角をもつドメイン(白丸を点線で結んだグラフ)においては、左側に視角20°から55°までの範囲で、光透過率がOFF電圧印加時のそれとほぼ同程度(約0%)となっている。このため、右側に視角20°から55°までの範囲から表示領域を見た場合、右方向に視角をもつドメインの表示のみが認められ、左方向に視角をもつドメインの表示は認められない。これとは逆に、左側に視角20°から55°までの範囲から表示領域を見た場合、左方向に視角をもつドメインの表示のみが認められ、右方向に視角をもつドメインの表示は認められない。

0026

したがって2種のドメインに対して別々の表示電極を設け、それぞれの電極に異なった駆動電圧を印加して、2種類のドメインで異なった表示を行い、一定範囲(たとえば視角20°から55°までの範囲)から表示領域を観察する者に、異なった表示を認識させることが可能である。なお、異なった表示を認識させることの可能な視角範囲は、印加する電圧によっても調整することができる。

0027

以上、2ドメイン構造の液晶表示素子において、見る方向によって異なる内容の表示が可能である理由を説明した。同様の理由で、3種以上のドメインを有するマルチドメイン構造の液晶表示素子においても、異なったドメインごとに異なった表示を行い、見る方向の異なる観察者に異なった表示を認識させることが可能である。ただし、ツイストネマチック液晶表示素子や垂直配向型液晶表示素子等では、ON電圧印加時において、ある一方位(ツイストネマチック液晶表示素子においては液晶分子が立ち上がる方位と、液晶分子を含む面内において反対側、垂直配向型液晶表示素子においては液晶分子が倒れる方位)だけ光透過率が低くなるという特徴を有する。したがって、見る方向の異なる観察者に異なる内容を表示する液晶表示素子は、2ドメイン構造で実現することが最適であろう。

0028

図2は、第1の実施例による垂直配向型の液晶表示素子の一例を示す概略的な断面図である。図13に示した従来の液晶表示素子とは以下の点で異なっている。

0029

まず、第1の実施例による液晶表示素子においては、透明電極35(セグメント電極)が、相互に異なる2枚の櫛歯状電極35a、35bから構成されている。

0030

両櫛歯状電極35a、35bは、それぞれ一定ピッチで形成された複数の一定幅の櫛歯状部分を有している。また、2枚の櫛歯状電極35a、35bについて、櫛歯状部分の幅及び形成ピッチはともに等しい。両櫛歯状電極35a、35bは、電極の櫛歯状部分の幅方向図2においては左右方向)に沿って、櫛歯状部分が等間隔に互い違い(インターデジタル)となるように配置されている。

0031

一方の櫛歯状電極35aと透明電極36(コモン電極)との間には、電圧印加手段43aが接続されて一方の電気回路が形成されており、電圧印加手段43aによって、両電極間に任意の電圧を印加することが可能である。他方の櫛歯状電極35bと透明電極36(コモン電極)との間には、電圧印加手段43bが接続されて他方の電気回路が形成されており、これによって両電極間に任意の電圧を印加することができる。こうして2つの櫛歯状電極35a、35bによって、相互に独立の2つの電気回路が形成され、各回路中の電圧印加手段43a、43bにより、別々の電圧(駆動信号)が印加され、制御されることができる。なお、セグメント電極(櫛歯状電極35a、35b)とコモン電極(透明電極36)の配置については、後に詳述する。

0032

液晶表示素子には、液晶分子39aの配向方向が相互に異なる(たとえば逆向きである)2つの領域(ドメイン80a、80b)が、櫛歯状電極35a、35bの形成位置と対応して形成されている。図2においては、基板(上側基板31及び下側基板32)の法線方向に沿って、櫛歯状電極35aの形成位置に液晶分子39aが左側に傾く領域(ドメイン80a)が位置合わせされている。また、櫛歯状電極35bの形成位置に液晶分子39aが右側に傾く領域(ドメイン80b)が位置合わせされている。ドメイン80a、80bは、図2紙面垂直方向に長いストライプ状に、基板の法線方向から見たとき、櫛歯状電極35a、35bの櫛歯状部分の少なくとも一部を包含する領域に形成される。ドメイン80aは図の右方向に視角をもち、ドメイン80bは図の左方向に視角をもつ。2種類のドメイン80a、80bは、図2の左右方向に交互に形成されている。

0033

ある1つのドメインに着目したとき、上側基板31と下側基板32とに付与されているプレティルト角の向きは相互に逆向きである。また一方の基板(上側基板31または下側基板32)に着目したとき、隣り合う(図2においては左右方向に隣り合う)領域(ドメイン)に付与されているプレティルト角は逆向きである。

0034

一方のドメイン80aに、櫛歯状電極35aを用いてある駆動信号(電圧)を印加し、他方のドメイン80bに、櫛歯状電極35bを用いて別の駆動信号(電圧)を印加することにより、視角方向の異なった2種類のドメインごとに異なった内容の表示を行うことができる。すなわち、一方のドメイン80aは、櫛歯状電極35a及び電圧印加手段43aを用いて制御され、他方のドメイン80bは、櫛歯状電極35b及び電圧印加手段43bを用いて制御されることとなる。

0035

図3は、セグメント電極(櫛歯状透明電極35a、35b)及びコモン電極(透明電極36)の一部を示す概略的な平面図である。2枚の櫛歯状電極35a、35bは、電極の櫛歯状部分の幅方向に沿って、櫛歯状部分が互い違い(インターデジタル)となるように形成、配置され、各櫛歯状電極35a、35bごとに、視角方向の異なる2種類のドメイン80a、80bを制御して、ドメイン80a、80bごとに異なった表示を行う。

0036

図には、簡略化して各櫛歯状電極35a、35bに3本ずつの櫛歯状部分を示してあるが、櫛歯状電極35a、35bは実際にはより多くの櫛歯状部分を有する。各櫛歯状電極35a、35bの櫛歯状部分の幅は、たとえば40μmであり、隣り合う櫛歯状部分の間隔は60μmである。したがって、各櫛歯状電極35a,35bの櫛歯状部分は100μmピッチで形成されている。また、2つの櫛歯状電極35a、35bの櫛歯状部分が互い違いに配置された状態においては、隣り合う櫛歯状部分間の間隔は、たとえば10μmである。したがって、櫛歯状部分は50μmのピッチで配置されていることになる。

0037

図4(A)〜(C)は、第1の実施例による液晶表示素子の表示領域の一例を示す概略図である。図示したのは、車載用エアコンの状態をセグメント表示で表示する液晶表示素子の表示領域である。

0038

図4(A)を参照する。左上の2つの7セグメント表示部では、温度の表示がなされる。右下の図形部(バーグラフ)ではエアコン風量強弱表示が行われる。この液晶表示素子は、たとえば車のセンターコンソール付近に設置される。

0039

図4(B)を参照する。図4(B)には、左側に視角をもつドメインで表示される表示(表示領域を左側から見た観察者に認識される表示)を示した。車の助手席においては、温度19℃、風量がレベル2にエアコンが調整されていることが示されている。

0040

図4(C)を参照する。図4(C)には、右側に視角をもつドメインで表示される表示(表示領域を右側から見た観察者に認識される表示)を示した。車の運転席においては、温度23℃、風量がレベル4にエアコンが調整されていることが示されている。

0041

左右に視角方向をもつ2種類のドメインごとに異なった電圧を印加して液晶の配向状態を変化させ、異なった表示を行うことの可能なこの液晶表示素子は、たとえば運転席と助手席とを別々に空調するときの表示素子として好適に用いられるであろう。

0042

図5(A)〜(E)は、図2に示すような構造を有する、第1の実施例による液晶表示素子の製造方法(第1の製造方法)を説明するための概略図である。

0043

図5(A)を参照する。たとえば平板なガラス基板である透明基板33上に、ITO等の透明導電材膜をスパッタリングにより作製し所定の形状にパターニングして透明電極35(2枚の櫛歯状電極35a、35b)を形成する。次に、光、たとえば紫外線に感応し、液晶分子を平均的に表面に対して所定方向に配向させる性質を有する配向材料の膜を、透明基板33上に、透明電極35(櫛歯状電極35a、35b)を覆うように形成する。たとえば側鎖型の紫外線感応性垂直配向膜37を厚さ500Åに塗布し、キュアする。垂直配向膜37は、液晶分子を平均的に表面に対してほぼ垂直に配向させる。垂直配向膜37には、たとえば日産化学工業製SE−1211が好ましく用いられる。

0044

図5(B)は、垂直配向膜37に、光たとえば紫外線を露光し配向処理を施す際に使用する遮光手段であるマスク55の概略的な平面図である。マスク55は、同一幅で平行ストライプ状(短冊状)に形成される開口部55aと遮光部55bとが交互に現れる構成を有する。また、開口部55a及び遮光部55bの幅は、互い違い(インターデジタル)に配置された櫛歯状電極35a、35bの櫛歯状部分の形成ピッチと同一に形成されている。

0045

図5(C)を参照する。マスク55を配向膜37上に配置し、光たとえば紫外線を斜め方向(透明基板33の法線方向から傾いた方向)から照射する。マスク55の配置は、櫛歯状電極35a、35bの櫛歯状部分の長さ方向とマスク55の開口部55a(または遮光部55b)の長さ方向とが平行となるように、かつ、透明基板33の法線方向から見たときに、2つの櫛歯状電極35a、35bの櫛歯状部分のうちの一方が完全に遮光部55bに隠れ、他方が開口部55aから完全に露出するように配置する。紫外線の照射方向は、たとえば垂直配向膜37の法線方向(透明基板33の法線方向)から45°傾いた方向である。紫外線は、たとえば波長254nmに中心をもつバンドパスフィルタを通して垂直配向膜37に照射される。たとえば波長254nmにおける単位面積当たり照度は1.35mWで、照射時間は3分である。

0046

図5(D)を参照する。次にマスク55を、図5(C)に示した状態から、開口部55a(または遮光部55b)の長さ方向と直交する方向(幅方向)へ半ピッチ(開口部55aまたは遮光部55bの幅)だけずらす位置合わせをして垂直配向膜37上に配置し、1回目の照射とは異なる斜め方向(透明基板33の法線方向から傾いた方向)から、光たとえば紫外線を照射する。図5(C)に示す状態では遮光部55bが当接されていた垂直配向膜37上の領域には新たに開口部55aが当接され、開口部55aが当接されていた領域には新たに遮光部55bが当接される。このため紫外線は、図5(C)を用いて説明した工程で紫外線が照射されなかった領域に照射される。2回目の紫外線照射は、1回目の紫外線照射方向と垂直配向膜37の法線方向(透明基板33の法線方向)を含む面内において、垂直配向膜37の法線方向(透明基板33の法線方向)に関して、1回目の照射とは反対側の方向、たとえば対称な方向から行われる。照射する紫外線の単位面積当たりの照度及び照射時間は、図5(C)に示した1回目の紫外線照射のそれらと等しい。このような光配向処理により2種類のプレティルト角の付与された基板31を得る。

0047

続いて図5(A)〜(D)を用いて説明した工程と同様の工程により、2種類のプレティルト角の付与された、垂直配向型液晶表示素子のもう一方の基板32を作製する。基板32の透明電極36(コモン電極)は、櫛歯形状ではないため、図5(C)を参照して行った説明中、櫛歯状部分とマスク55の開口部55a、遮光部55bとの位置合わせは行わないが、透明電極36(コモン電極)の所定の位置に対応する領域に、所定のプレティルト角が付与されるように、マスクの位置合わせを行う。このとき、後工程(次段落において説明する。)で2枚の基板31、32をプレティルト角を揃えて接着するため、マスクの位置合わせを正確に行う。

0048

図5(E)を参照する。一対の基板31,32を、プレティルト角が両基板31,32間で対応するように(後工程で両基板31,32間に液晶を注入したとき、液晶分子の配向方向が両基板31,32間で揃うように)位置合わせをして対向配置し接着する。接着は、たとえば紫外線硬化型メインシール剤を塗布した両基板31,32を、ギャップコントロール剤を介して重ね合わせ、紫外線を照射してメインシール剤を硬化させることにより行う。ギャップコントロール剤には、たとえば直径4.0μmの触媒化成工業性シリカビーズが好ましく用いられる。接着後、両基板31,32をセル単位で切断し、真空注入法で両基板31,32間に液晶(たとえばメルク製Δn=0.15)を注入し、注入口を封止して液晶層39を形成し、液晶表示素子を得る。

0049

この液晶表示素子の外側に、偏光板41,42及び視角補償フィルム40を配置する。このようにして、電圧印加時に液晶分子が反対方向に倒れる2種類の短冊状微小領域をもった2ドメインの垂直配向型液晶表示素子であって、ドメインごとに異なった表示を可能とする液晶表示素子を作製することができる。
図6(A)〜(E)は、第1の実施例による液晶表示素子の第2の製造方法を説明するための概略的な断面図である。

0050

図6(A)を参照する。図5(A)を参照して説明した工程と同様の工程によって、透明基板33上に所定のパタンが与えられた櫛歯状電極35a、35b(セグメント電極)を形成し、櫛歯状電極35a、35b上に垂直配向膜37を形成する。材料、厚さ、形成方法も、図5(A)を用いて行った説明と等しい。

0051

図6(B)を参照する。垂直配向膜37の一部に第1回目の光たとえば紫外線照射を行う。図5(B)に示したマスク55を用い、図5(C)を参照して説明した工程と同様の工程で、光配向処理によるプレティルト角の付与を行う。照射する紫外線の波長、単位面積当たりの照度、照射時間及び照射方向は、図5(C)を用いて行った説明と等しい。櫛歯状電極35a、35b(セグメント電極)の所定の位置に対応する領域に、所定のプレティルト角が付与されるように、マスクの位置合わせを行う。

0052

図6(C)を参照する。垂直配向膜37の一部に第2回目の光たとえば紫外線照射を行う。図5(D)を参照して説明した工程と同様の工程で、第1回目の紫外線照射で、紫外線が照射されなかった領域の一部に、第1回目の紫外線照射とは異なる方向から紫外線を照射してプレティルト角の付与を行う。照射する紫外線の波長、単位面積当たりの照度、照射時間及び照射方向は、図5(D)を用いて行った説明と等しい。こうして、液晶表示素子の一方の基板31を得る。なお、所望のプレティルト角を付与するには、図6(B)及び(C)に示す工程において、照射する紫外線の波長、強度、照射角度等の条件を選定すればよい。

0053

図6(D)を参照する。図6(A)〜(C)を用いて説明した工程とは別に、図5(A)を参照して説明した工程と同様の工程により、透明基板34上に所定のパタンが与えられた透明電極36(コモン電極)を形成し、透明基板34上に透明電極36(コモン電極)を覆うように垂直配向膜38を形成する。材料、厚さ、形成方法も、図5(A)を用いて行った説明と等しい。ただし、垂直配向膜38は、光感応性の材料で形成する必要はない。こうして、液晶表示素子のもう一方の基板32を得る。

0054

図6(E)を参照する。一対の基板31,32を、垂直配向膜37,38が形成された面を向き合わせ、2つの透明電極35,36の所定の電極パタンが重なり合うように位置合わせを行って接着し、両基板31,32間に液晶を供給して液晶層39を得る。両基板31,32の接着方法、使用するギャップコントロール剤、両基板31,32間に注入する液晶材料、及び液晶層形成方法は、図5(E)を参照して行った説明で用いたそれらと同様である。こうして第2の製造方法に係る液晶表示素子を作製することができる。

0055

第2の製造方法に係る液晶表示素子は、一方の基板31の液晶層39に接する面には光配向処理により所定のプレティルト角が付与され、もう一方の基板32には、垂直配向膜38が塗布、キュアされただけの単純な垂直配向処理が施されている液晶表示素子である。この点が、図2に示した第1の製造方法にかかる液晶表示素子と異なる。

0056

第2の製造方法に係る液晶表示素子においても、基板31上に光配向処理で付与される垂直配向からのプレティルト角によって2種類に区別される短冊状の微小領域が、一方向(短冊状の微小領域の幅方向、図6(E)においては左右方向)に交互に現れる。それら2種類の短冊状の微小領域は、それぞれ櫛歯状電極35a、35bの櫛歯状部分の形成位置と対応して形成される。電圧印加時には、2種類の微小領域ごとに、プレティルト角に従って液晶分子が逆方向に倒れる。垂直配向膜38に接する液晶分子は、垂直配向膜38に対して略垂直の配向を示す。2種類の微小領域ごとに、櫛歯状電極35a、35bにより異なった駆動信号(電圧)を印加して、視角方向の異なる内容を表示することができる。

0057

第2の製造方法によれば、一方の基板31のみに光配向処理を行って垂直配向からのプレティルト角の異なった2種類の微小領域(2ドメイン)を形成しているので、製造工程を簡略化することができ、低コストで、見る方向によって異なった内容を表示する液晶表示素子を製造することができる。また、図6(E)を用いて説明した両基板31,32の重ね合わせ工程(接着工程)において、高精度の位置合わせの必要がないため、作業負担が軽減される。更に、位置合わせの精度不足という問題が生じないため、表示品質の悪化を少なくすることができ、高品質の液晶表示素子を製造することができる。

0058

図7(A)〜(E)は、第1の実施例による液晶表示素子の第3の製造方法を説明するための概略的な断面図である。

0059

図7(A)を参照する。図6(A)を参照して説明した工程と等しい工程によって、透明基板33上に所定のパタンが与えられた櫛歯状電極35a、35b(セグメント電極)を形成し、櫛歯状電極35a、35b(セグメント電極)上に垂直配向膜37を形成する。材料、厚さ、形成方法についても、図6(A)を用いて行った説明と等しい。

0060

図7(B)を参照する。垂直配向膜37に第1回目の光たとえば紫外線照射を行う。第1及び第2の製造方法においては、第1回目の紫外線照射時にマスク55を用いたが、第3の製造方法においては、マスク55を用いずに、たとえば垂直配向膜37の全面に紫外線を照射して、光配向処理によるプレティルト角の付与を行う。照射する紫外線の波長、単位面積当たりの照度、照射時間及び照射方向は、図6(B)を用いて行った説明と等しい。

0061

図7(C)を参照する。紫外線の照射された垂直配向膜37の一部に、第2回目の光たとえば紫外線照射を行う。第2回目の紫外線照射は、第1回目のそれとは異なり、垂直配向膜37上にマスク55を配置し、第1回目の紫外線照射とは異なる方向から紫外線を照射してプレティルト角の付与を行う。照射する紫外線の波長、単位面積当たりの照度、及び照射方向は、図6(C)を用いて行った説明と等しい。ただし、紫外線の照射時間は、第1回目の紫外線照射時の2倍の6分間である。マスクを用いて行う第2回目の紫外線照射時間を、マスクを用いないで行う第1回目の紫外線照射時間よりも長くすることで、たとえば1.2倍〜3.0倍とすることで適切にプレティルト角を付与することができる。こうして、液晶表示素子の一方の基板31を得る。なお、所望のプレティルト角を付与するには、図7(B)及び(C)に示す工程において、照射する紫外線の波長、強度、照射角度等の条件を選定すればよい。

0062

図7(D)を参照する。図7(A)〜(C)を用いて説明した工程とは別に、図7(A)を参照して説明した工程と同様の工程により、透明基板34上に所定のパタンが与えられた透明電極36(コモン電極)を形成し、透明基板34上に透明電極36(コモン電極)を覆うように垂直配向膜38を形成する。材料、厚さ、形成方法も、図7(A)を用いて行った説明と等しい。ただし、垂直配向膜38は、光感応性の材料で形成する必要はない。こうして、液晶表示素子のもう一方の基板32を得る。

0063

図7(E)を参照する。図6(E)を参照して説明した工程と同様の工程により、液晶層39を得、液晶表示素子を作製する。両基板31,32の接着方法、使用するギャップコントロール剤、両基板31,32間に注入する液晶材料、及び液晶層形成方法も、図6(E)を参照して行った説明で用いたそれらと同様である。

0064

第3の製造方法で作製される液晶表示素子も、第2の製造方法で作製される液晶表示素子と同様の構造、機能、効果を有する。

0065

第3の製造方法によれば、第2の製造方法と同様に、一方の基板31のみに光配向処理を行って垂直配向からのプレティルト角の異なった2種類の微小領域(2ドメイン)を形成しているので、製造工程を簡略化することができ、低コストで、見る方向によって異なった内容を表示する液晶表示素子を製造することができる。また、図7(E)を用いて説明した両基板31,32の重ね合わせ工程(接着工程)において、高精度の位置合わせの必要がないことに加えて、図7(C)に示す工程において、第2の製造方法では必要であった第2回目の紫外線照射時のマスクの位置合わせが不要であるため、作業負担が軽減される。位置合わせの精度不足という問題が生じないため、表示品質の悪化を少なくすることができ、高品質の液晶表示素子を製造することができる。

0066

第2の製造方法及び第3の製造方法においては、セグメント電極側の垂直配向膜にのみ光配向処理を施した。セグメント電極側に2ドメイン配向膜を設定した場合、2ドメインの領域分けセグメント櫛歯電極に沿って行われるため、製造時に基準点を設定しやすくなる。また、基板重ね時の位置決め精度はマルチドメイン構造でない液晶表示素子の重ね精度と等しい位置精度で行うことができる。なお、コモン電極側の垂直配向膜にのみ配向処理を施すこともできる。

0067

第1乃至第3の製造方法によって作製された第1の実施例による液晶表示素子の表示を観察したところ、左右方向で異なった表示内容を確認することができた。

0068

以下、図面を参照して説明するように、第2の実施例による液晶表示素子は、第1の実施例によるそれと比べてコモン電極(透明電極36)の所定の位置にスリットが設けられている点が異なる。第1の実施例による液晶表示素子は、少なくとも一方の基板(配向膜)に、相互に異なる方向のプレティルト角が付与された2種類の領域を交互に形成し、液晶層39に発生させた垂直電界を利用して、2ドメイン構造を実現した。第2の実施例においては、2枚の櫛歯形状電極で構成されるセグメント電極とスリットを有するコモン電極との間に発生する2方向の斜め電界を利用して、2ドメイン構造を実現する。

0069

このため、第2の実施例による液晶表示素子においては、配向膜にプレティルト角の付与等の特別な配向処理は施されていない。第2の実施例による液晶表示素子は、たとえば透明基板上に透明電極(セグメント電極、コモン電極)を覆うように、垂直配向膜を塗布、キュアしただけの単純な配向処理を施した液晶表示素子である。また、必ずしも配向膜は必要としない。

0070

図8(A)は、第2の実施例による液晶表示素子のセグメント電極(透明な櫛歯状電極35a、35b)及びコモン電極(透明電極36)の一部を示す概略的な平面図であり、図8(B)は、図8(A)の8B−8B線に沿った断面図である。図8(A)は、第1の実施例における図3に対応する図であり、図3と比較した場合、透明電極36(コモン電極)にスリット36aが形成されている点が異なる。また、図8(B)においては、透明電極35,36(セグメント電極、コモン電極)が形成されている透明基板33,34も併せて図示した。

0071

図8(A)を参照する。透明電極36(コモン電極)には、基板の法線方向(図8(A)においては紙面垂直方向)から見たとき、2枚の櫛歯状電極35a、35bの櫛歯状部分が等間隔に互い違い(インターデジタル)に配置されている部分に、櫛歯状部分の幅方向(図8(A)においては左右方向)に一定ピッチでスリット36aが形成されている。スリット36aは、たとえば櫛歯状部分の長さ方向(図8(A)においては上下方向)に長いストライプ形状であり、スリット幅(櫛歯状部分幅方向への長さ)は一定である。スリット36aは、一方の櫛歯状電極35aの櫛歯状部分の長さ方向の一定側エッジ図8(A)を紙面垂直上方から見たとき左側のエッジ)と、それに対向する他方の櫛歯状電極35bの櫛歯状部分の長さ方向の一定側エッジ(図8(A)を紙面垂直上方から見たとき右側のエッジ)とをまたぐように形成される。また、スリット36aの長さ方向のエッジが、隣り合う櫛歯状電極35a、35bの櫛歯状部分の内部領域に位置するように、スリット36aは形成される。

0072

図8(B)を参照して、第2の実施例による液晶表示素子の作用及び効果を説明する。上述のように、スリット36aを形成しているため、隣り合うスリット36a間の透明電極36(コモン電極)部分は、図示する断面において、両櫛歯状電極35a、35bの一対の隣り合う櫛歯状部分の幅方向の範囲内におさまっている。このような電極配置に起因して、電圧印加時には液晶層39に斜め電界4(電界の方向が基板の法線方向から傾いた電界)が発生する。

0073

透明電極36(コモン電極)に形成される各スリット36aの縁と櫛歯状電極35a、35b(セグメント電極)の縁との間に生じる斜め電界4の方向は、スリット36aの一定側では同じ方向(互いに平行な方向)となる。たとえば、スリット36aの右側端部と櫛歯状電極35aの左側端部との間に生じる斜め電界4の向きは互いに同じ方向(略平行な方向)である。また、スリット36aの左側端部と櫛歯状電極35bの右側端部との間に生じる斜め電界4の向きも互いに同じ方向(略平行な方向)である。そして、それら2つの斜め電界4の方向は相互に異なっている(透明基板33、34の法線に関して互いに逆向きである)。

0074

この結果、透明電極36(コモン電極)のうち、隣り合うスリット36aに挟まれた部分には発生する電界の方向の異なる2つの小領域α、βが画定される。また、1つのスリット36aを挟んで小領域α、βと隣り合う透明電極36の部分にも、電界の方向の相互に異なる2つの小領域γ、δが画定される。小領域αと小領域γにおける電界の方向は同じ向きであり、小領域βと小領域δにおける電界の方向は同じ向きである。更に、小領域α、小領域γは、櫛歯状電極35aとの間に印加される電圧によって液晶層39に電界を発生させ、小領域β、小領域δは、櫛歯状電極35bとの間に印加される電圧によって液晶層39に電界を発生させる。

0075

このように、一方の櫛歯状電極35aとの間に印加される電圧によって液晶層39に一方向の斜め電界4が発生させる領域と、他方の櫛歯状電極35bとの間に印加される電圧によって液晶層39に他方向の斜め電界4が発生させる領域を、透明電極36(コモン電極)上に形成することができる。電界方向の異なる2種類の小領域は、櫛歯状電極35a、35bの櫛歯状部分の幅方向(図8(B)の左右方向)に沿って、一定間隔で交互に形成される。各小領域は、図8(B)の紙面垂直方向に長いストライプ形状である。

0076

上述のように相互に方向の異なる斜め電界4を、櫛歯状電極35a、35bに対応させて液晶層39に交互に発生させ、液晶分子を電界方向に応じた方向に倒すように制御することで、視角方向によって異なった表示内容を表示することのできるマルチドメイン(2ドメイン)の液晶表示素子を実現することができる。

0077

図9は、第2の実施例による液晶表示素子の変形例に係る液晶表示素子のセグメント電極(櫛歯状電極35a、35b)及びコモン電極(透明電極36)の一部を示す概略的な平面図である。図8(A)と比較した場合、スリット36aの形成態様において相違する。

0078

図8(A)に示した透明電極36(コモン電極)においては、スリット36aが、櫛歯状電極35a、35bの櫛歯状部分の長さ方向に沿って、一本のストライプ形状に形成されていた。図9に示す透明電極36(コモン電極)におけるスリット36aは、図8(A)の一本のストライプ形状のスリットが、スリットの中央部分で透明電極によって橋渡しされ形成された態様のスリットである。すなわち複数(2つ)の短いストライプ形状のスリット36aが、透明電極36(コモン電極)の所定位置に、一直線上に形成されている。

0079

上記のような態様にスリット36aを形成しても、先に説明した第2の実施例による液晶表示素子と同様の作用、効果を得ることができる。

0080

図8(A)に示したスリット36aの形成態様においては、スリット36aの上下2箇所で電極が繋がれているため、その繋ぎ部分の幅をある程度確保する必要がある。しかし図9に示す形成態様においては、スリットの途中で電極部分が橋渡しされているので、上下の繋ぎ部分の幅を細くすることができ、また、全体として繋ぎ部分の電極面積を小さくすることができる。繋ぎ部分には斜め電界が発生しないため、有効な表示領域を広くすることが可能である。更に、上下2箇所以外に繋ぎ部分を有しているため、電極の電気的特性を均一化することができる。事故の防止の効果も期待できる。

0081

なお、図9には1箇所で橋渡しされたスリット36aを示したが、複数箇所で橋渡しされた、より短いスリットを形成してもよい。

0082

第2の実施例、及びその変形例による液晶表示素子の表示を観察したところ、左右方向で異なった表示内容を確認することができた。

0083

第3の実施例による液晶表示素子は、単純マトリクスドットマトリクスタイプの液晶表示素子である。

0084

図10(A)は、第3の実施例による液晶表示素子のセグメント電極35c、35d及びコモン電極(透明電極36)を示す概略的な平面図であり、図10(B)は、図10(A)の10B−10B線に沿った断面図である。なお、図10(B)においては、セグメント電極35c、35d、透明電極36(コモン電極)にとどまらず、その他の構成要件も併せて図示した。

0085

図10(A)を参照する。第3の実施例による液晶表示素子は、互いに略平行配置される2本の棒状のセグメント電極35c、35d及びそれらと対向する1本の棒状の透明電極36(コモン電極)によって、各表示ドット81が構成され、かつ、2本のセグメント電極35c、35dが各々別の端子に引き回されており、異なる電圧印加手段によって別々の駆動信号(電圧)が加えられる点に特徴を有する。透明電極36(コモン電極)の幅は、セグメント電極35c、35dの幅に比べて広い。

0086

多数の表示ドット81を形成するために、多数のセグメント電極35c、35d及び多数の透明電極36(コモン電極)が、それぞれ一定ピッチで略平行に配置される。セグメント電極35cとセグメント電極35dとは、電極の長さ方向と直交する方向(幅方向)に沿って等間隔に交互に配置される。また、セグメント電極35c、35d及び透明電極36(コモン電極)は、基板(上側基板31及び下側基板32)の法線方向(図10(A)においては紙面垂直方向)から見たとき互いに交差、たとえば直交するように配置される。

0087

図10(B)を参照する。一方のセグメント電極35cと透明電極36(コモン電極)との間には電圧印加手段43cによって駆動信号(電圧)が与えられ、他方のセグメント電極35dと透明電極36(コモン電極)との間には電圧印加手段43dによって駆動信号(電圧)が与えられる。

0088

垂直配向膜37,38には、セグメント電極35c、35dと対応する位置に、たとえば基板31、32の法線方向(図10(B)においては上下方向)から見たとき、表示ドット81内のセグメント電極35c、35dを包含する範囲に(表示ドット81の内外を問わなければセグメント電極35c、35dの少なくとも一部を包含する範囲に)プレティルト角が付与され、液晶分子39aの倒れる方向が互いに異なる(たとえば互いに逆向きである)2つのドメイン80c、80dが形成されている。ドメイン80c、ドメイン80dは、それぞれ液晶分子39aが左側に倒れる領域(図の右側に視角をもつ領域)、右側に倒れる領域(図の左側に視角をもつ領域)である。また、ドメイン80c、ドメイン80dは、それぞれセグメント電極35c、セグメント電極35dの形成位置に対応し、それらの延在方向(図10(B)においては紙面垂直方向)に沿って、ストライプ状に形成される。両ドメイン80c、80dは、セグメント電極35c、35dの幅方向(図10(B)の左右方向)に沿って同幅に互い違いに配置される。

0089

第3の実施例による液晶表示素子が上述の構造を備えるため、各表示ドット81は、その内部に視角方向が逆向きで、かつ、対応するセグメント電極35c、35dにより異なる駆動信号(電圧)が印加可能な2種類のドメイン80c、80dを含む。このため、第3の実施例による液晶表示素子は、各表示ドット81を用いて、視角方向の異なる2つの表示内容を表示することが可能である。

0090

なお、垂直配向膜37,38へのプレティルト角の付与は、たとえば第1の実施例による液晶表示素子の第1の製造方法中で説明した光配向処理を用いて行うことができる。また、本実施例(図10(B))においては、両基板31、32の垂直配向膜37,38にプレティルト角を付与してあるが、いずれかの垂直配向膜37,38にプレティルト角を付与し、2つのドメイン80c、80dを形成してもよい。この場合は、第1の液晶表示素子の第2または第3の製造方法中で説明した光配向処理を用いて、プレティルト角を付与することが可能である。

0091

第3の実施例による液晶表示素子は、透明電極35を別々の端子に引き回される棒状のセグメント電極35c、35d群として形成し、透明電極36(コモン電極(群))をそれらと交差する棒状に形成する点で、また、2つのドメイン80c、80dをそれぞれ棒状のセグメント電極35c、35dに対応させて形成する点で、第1の実施例による液晶表示素子の製造方法とは異なる。

0092

第3の実施例による液晶表示素子の表示を観察したところ、左右方向で異なった表示内容を確認することができた。

0093

図11(A)及び(B)は、第3の実施例による液晶表示素子を、それぞれ左方向、右方向から見た場合の表示例を示す。これらに示されるように、左右方向の観察者に異なった表示、たとえば異なった言語での表示を提供することが可能である。

0094

第3の実施例による液晶表示素子と第4の実施例による液晶表示素子との関係は、第1と第2のそれら間の関係と同様である。

0095

すなわち、第4の実施例による液晶表示素子は、第3の実施例によるそれと比べてコモン電極(透明電極36)の所定の位置にスリットが設けられている点が最大の相違点である。第3の実施例によるドットマトリクスタイプの液晶表示素子は、少なくとも一方の基板(配向膜)に、相互に異なる方向のプレティルト角が付与された2種類の領域を交互に形成し、液晶層39に発生させた垂直電界を利用して、2ドメイン構造を実現した。第4の実施例においては、2組のセグメント電極とスリットを有するコモン電極との間に発生する2方向の斜め電界を利用して、2ドメイン構造を実現する。

0096

このため、第4の実施例によるドットマトリクスタイプの液晶表示素子においては、配向膜にプレティルト角の付与等の特別な配向処理は施されていない。第4の実施例による液晶表示素子は、たとえば透明基板上に透明電極(セグメント電極、コモン電極)を覆うように、垂直配向膜を塗布、キュアしただけの単純な配向処理を施した液晶表示素子である。また、必ずしも配向膜は必要としない。

0097

図12(A)は、第4の実施例による液晶表示素子のセグメント電極35c、35d及びコモン電極(透明電極36)の一部を示す概略的な平面図であり、図12(B)は、図12(A)の12B−12B線に沿った断面図である。図12(A)は、第3の実施例における図10(A)に対応する図である。第4の実施例による液晶表示素子は、セグメント電極35e、35fが、第3の実施例(図10(A))におけるセグメント電極35c、35dよりも幅方向に広い棒状に形成されている。また、前述のように、透明電極36(コモン電極)にスリット36aが形成されている点が異なる。また、図12(B)においては、セグメント電極35e、35f、及びコモン電極(透明電極36)がそれぞれ形成されている透明基板33,34も併せて図示した。

0098

なお、第4の実施例による液晶表示素子は、コモン電極がスリットを備えるという点において、第2の実施例によるそれと対応する。したがって図12(A)及び(B)は、それぞれ図8(A)及び(B)に対応する。

0099

図12(A)を参照する。第4の実施例による液晶表示素子においても、2組のセグメント電極35e、35fは各々別の端子に引き回されており、異なる電圧印加手段によって別々の駆動信号(電圧)が加えられ得る。セグメント電極35e、35f及び透明電極36(コモン電極)の配置等は、図10(A)を参照して行った第3の実施例の場合と共通する。

0100

透明電極36(コモン電極)には、たとえば合同な複数の長方形状のスリット36aが、電極の長さ方向に一定ピッチで形成されている。基板の法線方向(図12(A)においては紙面垂直方向)から見たとき、スリット36aは、一方のセグメント電極35eの長さ方向の一定側エッジ(図12(A)を紙面垂直上方から見たとき右側のエッジ)と、それに対向する他方のセグメント電極35fの長さ方向の一定側エッジ(図12(A)を紙面垂直上方から見たとき左側のエッジ)とをまたぐように形成、配置される。また、スリット36aのエッジが、隣り合うセグメント電極35e、35fの内部領域に位置するように、スリット36aは形成、配置される。

0101

図12(B)を参照する。図8(B)を参照して説明した第2の実施例による液晶表示素子の場合と同様の理由で、透明電極36(コモン電極)にスリット36aを設けることにより、電圧印加時には液晶層39に、透明基板33、34の法線に関して相互に逆向きの2方向に、斜め電界4を発生させることができる。また、一方のセグメント電極35eとの間に印加される電圧によって液晶層39に一方向の斜め電界4を発生させる領域と、他方のセグメント電極35fとの間に印加される電圧によって液晶層39に他方向の斜め電界4を発生させる領域を、透明電極36(コモン電極)上に形成することができる。電界方向の異なる2種類の領域は、セグメント電極35e、35fの幅方向(図12(B)の左右方向)に沿って、交互にストライプ状に形成される。

0102

上述のように相互に方向の異なる斜め電界4を、セグメント電極35e、35fに対応させて液晶層39に交互に発生させ、液晶分子を電界方向に応じた方向に倒すように制御することで、視角方向によって異なった表示内容を表示することのできるマルチドメイン(2ドメイン)の液晶表示素子を実現することができる。

0103

第4の実施例による液晶表示素子の表示を観察したところ、左右方向で異なった表示内容を確認することができた。

0104

以下、好適なドメインサイズ(ストライプ状ドメインの幅)について記す。

0105

第1及び第3の実施例のように光配向処理で配向膜にプレティルト角を付与する場合、任意のサイズにドメインを作製することができる。しかし液晶表示素子を過度に大きなドメインで形成すると、ドメイン自体が視認されてしまい、良好な表示を得ることは難しい。したがって、ドメインサイズ(ストライプ状ドメインの幅)は200μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましい。一方、ドメインサイズ(ストライプ状ドメインの幅)は電極幅とも関係するため、電極パタン作製上の要請により、5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。

0106

第2及び第4の実施例のようにコモン電極にスリットを設け、斜め電界を発生させて、液晶の配向状態を変化させる液晶表示素子においては、斜め電界の効力が有効に及ぶ範囲には限界がある。また、ドメインサイズ(ストライプ状ドメインの幅)が大きいことは、セグメント電極のストライプパタンの幅が大きいこと、及び、表示部の端から端までの距離が長いことに対応する。このためドメインサイズ(ストライプ状ドメインの幅)が大きいと、表示部の端から離れた中央部において液晶の配向制御確実性が減少し、良好な2ドメイン配向を得ることが難しくなる。本願発明者ら実験を重ねた結果、200μm以下のドメインサイズ(ストライプ状ドメインの幅)で良好な2ドメイン配向が得られ、100μm以下のドメインサイズでより良好な2ドメイン配向が得られた。ドメインサイズ(ストライプ状電極の幅)の下限は、電極パタン作製上の要請により、5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましいであろう。

0107

なお、実施例においては、単純マトリクス駆動の液晶表示素子を取り上げたが、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor,TFT)駆動のようなアクティブマトリクス駆動の液晶表示素子にも適用することが可能である。

0108

アクティブマトリクス駆動に適用する場合も、基本的な構成は単純マトリクス駆動のドットマトリクスタイプの液晶表示素子の場合と同じである。単純マトリクス駆動の液晶表示素子の場合は、セグメント電極をさらに2本のストライプ電極に分けて、それぞれのストライプ電極に対応して2ドメイン配向を施したが、アクティブマトリクス駆動の液晶表示素子の場合は、図14に示すように、TFTアレイ側基板ドレイン電極を2組の櫛歯状電極83a、83b(たとえば櫛歯状電極83aは右視角表示用の電極であり、櫛歯状電極83bは左視角表示用の電極である。)に分け、それぞれの櫛歯状電極83a、83bに対応して、基板(配向膜)に2ドメイン配向を施す。2組の櫛歯状電極83a、83bにそれぞれ対応してTFT84a、84bを設けるため、TFTは通常のアクティブマトリクス駆動の液晶表示素子に比べ、2倍の数が必要となる。(たとえば、TFT84aは、櫛歯状電極83aに対応する右視角表示用のTFTであり、TFT84bは、櫛歯状電極83bに対応する左視角用表示用のTFTである。)
また、実施例においては、垂直配向型の液晶表示素子を記載したが、TN型液晶表示素子、STN(Super Twisted Nematic)型液晶表示素子、及びハイブリッド配向型液晶表示素子等にも適用することができる。

0109

各タイプの液晶表示素子において、マスクラビング法光配向法等により配向処理を施し、左右それぞれから液晶分子が立ち上がる(ハイブリッドでは、倒れる場合もある。)2ドメイン配向を作り込めばよい。また、TN型、STN型の液晶表示素子の場合はスリットによる斜め電界を利用することも可能である。ただし、スリットを利用する液晶表示素子の場合は、良質の表示を得るために、液晶層中央の液晶分子のティルト角を0°(基板に対し平行)とする必要がある。
更に、実施例においては、視角方向の異なる(液晶分子の配向方向が異なる)2種類のドメインを一方向に交互に(ストライプ状に)形成したが、必ずしも交互に(ストライプ状に)形成しなくてもよい。また、2種類のドメインを複数方向に交互に形成、たとえば市松模様状に形成することも可能である。

0110

更に、実施例においては、2つのドメインの最良視角方向が180°異なる液晶表示素子を取り上げたが、180°には限定されない。たとえば、光配向処理によりプレティルト角を付与する場合、プレティルト角を付与する方向は自由に選定できるであろう。

0111

以上、実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者には自明であろう。

0112

異なった方向から見られる可能性のある液晶表示素子、とりわけ自動車のセンターコンソール付近等、視角方向が定まっている場所に設置される液晶表示素子に、好適に利用可能である。

図面の簡単な説明

0113

2ドメイン構造(右方向に視角をもつドメインと左方向に視角をもつドメインとを備える2ドメイン構造)を有する垂直配向型液晶表示素子の視角特性図である。
第1の実施例による垂直配向型の液晶表示素子の一例を示す概略的な断面図である。
セグメント電極(櫛歯状透明電極35a、35b)及びコモン電極(透明電極36)の一部を示す概略的な平面図である。
(A)〜(C)は、第1の実施例による液晶表示素子の表示領域の一例を示す概略図である。
(A)〜(E)は、図2に示すような構造を有する、第1の実施例による液晶表示素子の製造方法(第1の製造方法)を説明するための概略図である。
第1の実施例による液晶表示素子の第2の製造方法を説明するための概略的な断面図である。
(A)〜(E)は、第1の実施例による液晶表示素子の第3の製造方法を説明するための概略的な断面図である。
(A)は、第2の実施例による液晶表示素子のセグメント電極(櫛歯状透明電極35a、35b)及びコモン電極(透明電極36)の一部を示す概略的な平面図であり、図8(B)は、図8(A)の8B−8B線に沿った断面図である。
第2の実施例による液晶表示素子の変形例に係る液晶表示素子のセグメント電極(櫛歯状電極35a、35b)及びコモン電極(透明電極36)の一部を示す概略的な平面図である。
(A)は、第3の実施例による液晶表示素子のセグメント電極35c、35d及びコモン電極(透明電極36)を示す概略的な平面図であり、図10(B)は、図10(A)の10B−10B線に沿った断面図である。
(A)及び(B)は、第3の実施例による液晶表示素子を、それぞれ左方向、右方向から見た場合の表示例を示す。
第4の実施例による液晶表示素子のセグメント電極35c、35d及びコモン電極(透明電極36)の一部を示す概略的な平面図であり、図12(B)は、図12(A)の12B−12B線に沿った断面図である。
垂直配向型の液晶表示素子(Liquid Crystal Display)の従来例を示す断面図である。
アクティブマトリクス駆動の液晶表示素子の一部を示す概略的な平面図である。

符号の説明

0114

4斜め電界
31 上側基板
32 下側基板
33,34 透明基板
35,36透明電極
35a,b櫛歯状電極
35c、d、e、fセグメント電極
36aスリット
37,38垂直配向膜
39液晶層
39a液晶分子
40視角補償フィルム
41,42偏光板
43,43a、b、c、d電圧印加手段
50垂直配向型LCD
55,56マスク
55a,56a 開口部
55b,56b遮光部
80a、b、c、dドメイン
81表示ドット
83a、b 櫛歯状電極
84a、b TFT
α、β、γ、δ 小領域

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