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技術 金型加工の監視制御方法および装置

出願人 山本隆義
発明者 山本隆義
出願日 2004年4月22日 (16年8ヶ月経過) 出願番号 2004-155336
公開日 2005年11月4日 (15年1ヶ月経過) 公開番号 2005-305541
状態 未査定
技術分野 超音波による材料の調査、分析 プラスチック等の成形用の型 型打ち,へら絞り,深絞り
主要キーワード 発生周波数帯 金型加工装置 加工程度 ワーク材料 最適運用 金型駆動装置 レベル係数 衝撃回数
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図面 (13)

課題

金型加工においてワークの成形状態の異常を監視し、最適な金型加工の運用を行う。

解決手段

コンピュータを使用して金型加工時の成形状態を監視する装置の構成として、前記金型加工時の形成に由来する信号を検知するセンサー及び当該センサーの出力を取出す信号入力手段と、前記信号入力手段により入力された信号をデジタル信号に変換する信号変換手段と、前記信号変換手段により出力されたデジタル信号を処理し、前記金型加工時の成型状態の良否を判定する判定手段と、前記判定結果を提示する結果提示手段と、を備える金型加工の監視制御方法において、前記信号入力手段は、当該金型駆動装置動作信号を受けて起動し、前記信号変換手段を経て、前記判定手段の判定結果および運用条件設定に基づき当該金型の駆動を制御する加工制御手段を有し、前記判定結果および前記加工制御結果を提示することを特徴とする金型加工の監視制御方法および装置である。

概要

背景

金型加工等の塑性加工において、加工途中で製品に発生する亀裂等はその製品の致命的な欠陥になる。そこで、従来は、高度な熟練度を有する塑性加工の専門技術者によって製品の品質の確認を行い、その品質を保証しようとしているのが通常である。しかし、たとえ品質の確認を行う技術者が高度な熟練度を有するとしても、例えば自動車ボディサイドフレームのような大型部品を金型加工する場合には亀裂等の加工不良の発生部位を総てチェックすることには限界があるため、製品に生じた欠陥の発見遅れ、ひいては最終製品の製造工程に不具合を生じる場合がある。
そこで、製品のチェックをより完全に行うようにするための金型成形不良検出方法が開発されている(特開平3−124327号参照)。この方法は、金型加工によって成型されるパネルの一部に検査用エンボスも同時に成型することとし、この検査用エンボスの成型量を最も加工不良の生じ易い製品部分金型成型量に応じた量として、金型成型後にこのエンボスの成型状態を検査することにより、製品の成型状態の良、不良を判断する、というものである。
しかし、上述の金型成形不良検出方法では、被加工部材(以下、ワークという。)に検査用のエンボスを形成しなければならないから、このエンボスを形成するための領域をワークに確保しなければならない。よって、ワークの製品部分の設計自由度が減少する可能性がある。また、エンボスを検査するのは人であるから、エンボスの成型度合いから製品の良、不良を完全に判別することはできないばかりでなく、成型されたエンボスがかならずしも製品の成型状態を正確に表すというのもできない。更に、ワークの成型後、エンボスを検査するための工程が必要であるから、このエンボス検査工程の存在が生産性の向上を阻害する。

あるいは、特許公開平6−328156では、金型のうち、金型加工によって加工製品に加工不良が発生する可能性のある複数の部位にそれぞれ、振動センサが配設される。金型加工が正常に行われたときに発生する振動と振動センサによって検知された振動とを比較して、加工製品に加工不良が発生したか否かが判定される。
その効果として、金型に取り付けられた振動センサを使用して製品の加工不良を検知するから、加工不良を確実に検知することができる。また、振動センサは必要個数設置することができるから、例えば自動車ボディのサイドフレームのような大型部品を金型加工する場合にも亀裂等の加工不良の発生部位を総てチェックすることができる。しかも、このチェックは金型加工と同時に行われ、加工不良をチェックするための別の工程を必要としないから、金型加工の生産性を向上させることができる、というものである。

しかしながら、この従来技術では金型に設置した振動センサーによって、予め金型加工が正常時の振動共鳴周波数を記憶しておき、当該金型加工時に振動センサーにて検知した振動共鳴周波数とを比較して、その差異の大きさに基づき当該加工が不良であるか否かを判定するものであるため、ワークに発生する亀裂が小さい場合や亀裂に至る前の微小なワーク内部の塑性現象であるネッキングと呼ばれる不良を検出することが困難であった。特に、このネッキング現象では、表面には亀裂のような欠陥が現れないから目視画像センシングでは検出が不可能であるばかりでなく、また、ネッキング現象においては、その発生周波数帯域は振動センサーが検知できる周波数範囲より非常に高い周波数帯域であるため、当該不良に起因する物理的なデータが得られない、という根本的な技術課題があった。
さらに、従来の技術では、金型加工の監視機能が不十分であったため、当該監視結果から当該金型駆動装置を制御する加工制御装置を実現できなかった。
特開平3−124327特開平6−328156

概要

金型加工においてワークの成形状態の異常を監視し、最適な金型加工の運用を行う。コンピュータを使用して金型加工時の成形状態を監視する装置の構成として、前記金型加工時の形成に由来する信号を検知するセンサー及び当該センサーの出力を取出す信号入力手段と、前記信号入力手段により入力された信号をデジタル信号に変換する信号変換手段と、前記信号変換手段により出力されたデジタル信号を処理し、前記金型加工時の成型状態の良否を判定する判定手段と、前記判定結果を提示する結果提示手段と、を備える金型加工の監視制御方法において、前記信号入力手段は、当該金型駆動装置の動作信号を受けて起動し、前記信号変換手段を経て、前記判定手段の判定結果および運用条件設定に基づき当該金型の駆動を制御する加工制御手段を有し、前記判定結果および前記加工制御結果を提示することを特徴とする金型加工の監視制御方法および装置である。

目的

上記する従来の技術が有する種々の問題点を解決すべく、本発明は、金型加工時のワークに発生する微小な亀裂あるいはワーク内部に潜在的なネッキングが発生した場合においても、確実に異常検知を行い、さらに当該異常検知の結果に基づき、当該金型加工の生産ラインの最適な運用を可能とすることを目的とする。特に、ワークの表面検査や振動もしくは音響による検知が困難な微小な欠陥の発生を検出し、その監視結果から当該金型加工の駆動制御を行うことにより、当該金型加工の生産効率を向上するための金型加工の監視方法および監視装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

コンピュータを使用して金型加工時の成形状態監視する装置の構成として、前記金型加工時の形成に由来する信号を検知するセンサー及び当該センサーの出力を取出す信号入力手段と、前記信号入力手段により入力された信号をデジタル信号に変換する信号変換手段と、前記信号変換手段により出力されたデジタル信号を処理し、前記金型加工時の成型状態の良否を判定する判定手段と、前記判定結果を提示する結果提示手段と、を備える金型加工の監視制御方法において、前記信号入力手段は、当該金型駆動装置動作信号を受けて起動し、前記信号変換手段を経て、前記判定手段の判定結果および運用条件設定に基づき当該金型の駆動を制御する加工制御手段を有し、前記判定結果および前記加工制御結果を提示することを特徴とする金型加工の監視方法

請求項2

請求項1において、前記信号入力手段のセンサーがAE(AcousticEmission)センサーであることを特徴とする金型加工の監視方法。

請求項3

請求項1において、前記判定手段は、時間波形信号をある閾値の大きさで切出して得られたラインの長さおよび個数に基づく第1次異常判定と周波数分布時間変化の特徴量に基づく第2次異常判定の2段階の判定を行うことを特徴とする金型加工の監視方法。

請求項4

請求項1において、前記加工制御手段は、前記判定手段からの出力および運用条件設定器からの入力に基づき、金型加工の複数の運用形態切り替えることを特徴とする金型加工の監視方法。

請求項5

請求項3において、前記判定手段の第1次異常判定は前記信号入力手段からの時間波形のピーク値探知に基づきライン切出しの閾値を設定することを特徴とする金型加工の監視方法。

請求項6

コンピュータを使用して金型加工時の成形状態を監視する装置の構成として、前記金型加工時の形成に由来する信号を検知するセンサー及び当該センサーの出力を取出す信号入力手段と、前記信号入力手段により入力された信号をデジタル信号に変換する信号変換手段と、前記信号変換手段により出力されたデジタル信号を処理し、前記金型加工時の成型状態の良否を判定する判定手段と、前記判定結果を提示する結果提示手段と、を備える金型加工の監視装置において、前記信号入力手段は、当該金型駆動装置の動作信号を受けて起動し、前記信号変換手段を経て、前記判定手段の判定結果および運用条件設定に基づき当該金型の駆動を制御する加工制御手段を有し、前記判定結果および前記加工制御結果を提示することを特徴とする金型加工の監視装置。

請求項7

請求項6において、前記信号入力手段のセンサーがAE(AcousticEmission)センサーであることを特徴とする金型加工の監視装置。

請求項8

請求項6において、前記判定手段は、時間波形信号をある閾値の大きさで切出して得られたラインの長さおよび個数に基づく第1次異常判定と周波数分布の時間変化の特徴量に基づく第2次異常判定の2段階の判定を行うことを特徴とする金型加工の監視装置。

請求項9

請求項6において、前記加工制御手段は、前記判定手段からの出力および運用条件設定器に基づき、金型加工の複数の運用形態を切り替えることを特徴とする金型加工の監視装置。

請求項10

請求項8において、前記判定手段の第1次異常判定は前記信号入力手段からの時間波形のピーク値の探知に基づきライン切出しの閾値を設定することを特徴とする金型加工の監視装置。

技術分野

0001

本発明は、コンピュータを使用して金型加工時における製品形成の状態の健全性監視する監視装置に関し、特に、AEセンサーを用いて製品形成中に発生する信号を処理することにより、製品にネッキングという潜在的な欠陥から微小な亀裂などを検出できるのみならず、当該監視結果を基に金型加工の運用最適化を図る監視制御技術に関する。

背景技術

0002

金型加工等の塑性加工において、加工途中で製品に発生する亀裂等はその製品の致命的な欠陥になる。そこで、従来は、高度な熟練度を有する塑性加工の専門技術者によって製品の品質の確認を行い、その品質を保証しようとしているのが通常である。しかし、たとえ品質の確認を行う技術者が高度な熟練度を有するとしても、例えば自動車ボディサイドフレームのような大型部品を金型加工する場合には亀裂等の加工不良の発生部位を総てチェックすることには限界があるため、製品に生じた欠陥の発見遅れ、ひいては最終製品の製造工程に不具合を生じる場合がある。
そこで、製品のチェックをより完全に行うようにするための金型成形不良検出方法が開発されている(特開平3−124327号参照)。この方法は、金型加工によって成型されるパネルの一部に検査用エンボスも同時に成型することとし、この検査用エンボスの成型量を最も加工不良の生じ易い製品部分金型成型量に応じた量として、金型成型後にこのエンボスの成型状態を検査することにより、製品の成型状態の良、不良を判断する、というものである。
しかし、上述の金型成形不良検出方法では、被加工部材(以下、ワークという。)に検査用のエンボスを形成しなければならないから、このエンボスを形成するための領域をワークに確保しなければならない。よって、ワークの製品部分の設計自由度が減少する可能性がある。また、エンボスを検査するのは人であるから、エンボスの成型度合いから製品の良、不良を完全に判別することはできないばかりでなく、成型されたエンボスがかならずしも製品の成型状態を正確に表すというのもできない。更に、ワークの成型後、エンボスを検査するための工程が必要であるから、このエンボス検査工程の存在が生産性の向上を阻害する。

0003

あるいは、特許公開平6−328156では、金型のうち、金型加工によって加工製品に加工不良が発生する可能性のある複数の部位にそれぞれ、振動センサが配設される。金型加工が正常に行われたときに発生する振動と振動センサによって検知された振動とを比較して、加工製品に加工不良が発生したか否かが判定される。
その効果として、金型に取り付けられた振動センサを使用して製品の加工不良を検知するから、加工不良を確実に検知することができる。また、振動センサは必要個数設置することができるから、例えば自動車ボディのサイドフレームのような大型部品を金型加工する場合にも亀裂等の加工不良の発生部位を総てチェックすることができる。しかも、このチェックは金型加工と同時に行われ、加工不良をチェックするための別の工程を必要としないから、金型加工の生産性を向上させることができる、というものである。

0004

しかしながら、この従来技術では金型に設置した振動センサーによって、予め金型加工が正常時の振動共鳴周波数を記憶しておき、当該金型加工時に振動センサーにて検知した振動共鳴周波数とを比較して、その差異の大きさに基づき当該加工が不良であるか否かを判定するものであるため、ワークに発生する亀裂が小さい場合や亀裂に至る前の微小なワーク内部の塑性現象であるネッキングと呼ばれる不良を検出することが困難であった。特に、このネッキング現象では、表面には亀裂のような欠陥が現れないから目視画像センシングでは検出が不可能であるばかりでなく、また、ネッキング現象においては、その発生周波数帯域は振動センサーが検知できる周波数範囲より非常に高い周波数帯域であるため、当該不良に起因する物理的なデータが得られない、という根本的な技術課題があった。
さらに、従来の技術では、金型加工の監視機能が不十分であったため、当該監視結果から当該金型駆動装置を制御する加工制御装置を実現できなかった。
特開平3−124327特開平6−328156

発明が解決しようとする課題

0005

上記する従来の技術が有する種々の問題点を解決すべく、本発明は、金型加工時のワークに発生する微小な亀裂あるいはワーク内部に潜在的なネッキングが発生した場合においても、確実に異常検知を行い、さらに当該異常検知の結果に基づき、当該金型加工の生産ラインの最適な運用を可能とすることを目的とする。特に、ワークの表面検査や振動もしくは音響による検知が困難な微小な欠陥の発生を検出し、その監視結果から当該金型加工の駆動制御を行うことにより、当該金型加工の生産効率を向上するための金型加工の監視方法および監視装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記の課題を解決するために、本願第1の発明では、コンピュータを使用して金型加工時の成形状態を監視する装置の構成として、前記金型加工時の形成に由来する信号を検知するセンサー及び当該センサーの出力を取出す信号入力手段と、前記信号入力手段により入力された信号をデジタル信号に変換する信号変換手段と、前記信号変換手段により出力されたデジタル信号を処理し、前記金型加工時の成型状態の良否を判定する判定手段と、前記判定結果を提示する結果提示手段と、を備える金型加工の監視方法において、
前記信号入力手段は、当該金型駆動装置の動作信号を受けて起動し、前記信号変換手段を経て、前記判定手段の判定結果および運用条件設定に基づき当該金型の駆動を制御する加工制御手段を有し、前記判定結果および前記加工制御結果を提示することを特徴とする。

0007

このような第1の発明によれば、当該金型加工の生産ラインにおいて金型加工の駆動側と、当該加工におけるワークの欠陥を検知する判定手段との連携、つまり金型加工における金型の動きと当該判定手段への信号入力の最適化および当該判定結果および運用条件設定に基づき前記金型の駆動制御を行うことができるので、当該金型加工の品質管理の維持と生産効率の向上とを満足した最適運用を達成することが可能となる。

0008

また、本願第2の発明では、第1の発明において、前記信号入力手段のセンサーがAE(Acoustic Emissionの略称)センサーであることを特徴とする。
このような第2の発明によれば、金型加工のワークの表面の亀裂発生より微小な内部欠陥から発せられる超音波領域の高い周波数の信号を検知することが可能となる。

0009

また、本願第3の発明では、第1の発明における前記判定手段は、時間波形信号をある閾値の大きさで切出して得られたラインの長さおよび個数に基づく第1次異常判定と周波数分布時間変化の特徴量に基づく第2次異常判定の2段階の判定を行うことを特徴とする。
このような第3の発明によれば、金型加工時の初期成形による塑性に起因する超音波領域の高周波信号の健全性判定のみならず、当該成形の後半部分での亀裂もしくはネッキングが発生しやすい成形時での判定が可能になり、当該金型加工におけるワークの異常判定の検知感度飛躍的に向上し、監視機能の信頼性が確保できる。このことは、当該判定結果を当該金型駆動用モータ制御判断に適用することを可能とするものである。

0010

また、本願第4の発明では、上記第1の発明における前記加工制御手段は、前記判定手段からの出力および運用条件設定器からの入力に基づき、金型加工の複数の運用形態切り替えることを特徴とする。
このような第4の発明によれば、当該金型加工が、対象とするワークの品質管理上のレベルが最も厳しい、つまり前記判定手段からの判定結果は第1次判定と第2次判定との2種類存在するが、いずれの判定結果とも正常となった場合にのみ当該金型加工を続行し、他の条件では即座に当該金型加工を停止するといった運用方法を採用したり、あるいは前記2つの判定結果において明らかな異常もしくは正常ではなく、グレーな判定結果の場合には、現在の金型加工を数回続行して加工状態を監視するなどの運用を選択できるなどの運用形態を切り替えることができるので、ワークの品質管理レベルと生産スケジュールとの全体調整が可能となる。

0011

また、本願第5の発明では、上記第3の発明において、前記判定手段の第1次異常判定は前記信号入力手段からの時間波形のピーク値探知に基づきライン切出しの閾値を設定することを特徴とする。
このような第5の発明によれば、当該信号の時間波形の特徴として、前記金型加工初期からのワークの塑性加工に対応して比較的安定した信号形態ライン長という時間の長さとして抽出する方策として、当該金型加工の後半に現れるピーク値を自動検出し、それを基点として閾値を設定することにより、前記ライン長という特徴抽出が可能となる。

発明の効果

0012

本発明によれば、コンピュータを使用して金型加工時のワークの成形状態を監視し、その監視結果に応じて当該金型装置を制御する方法および装置において、製品であるワークの表面には現れない微小な欠陥であるネッキングもしくは小さな亀裂を確実に検知でき、さらに当該金型加工の運用形態に応じた金型加工装置の制御を実現できるので、従来では不可能であった精度の高いワークの成形状態監視が可能になるだけでなく、金型加工による当該製品の品質管理と生産スケジュールを最適に調整できる。

発明を実施するための最良の形態

0013

添付図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
===全体構成===
図1は、本発明の全体システムの構成を示す。
金型1は、上部と下部から成り、これらの間にワーク材料がセットされ、上下の金型がお互いに押し付けられて加工成形が行われる。また、金型1には金型を駆動する金型駆動用モータ7と当該駆動用モータの駆動に応じた金型の位置もしくは移動距離を知るためのエンコーダ信号が駆動用モータのエンコーダ8から出力されるようになっている。本発明では下部の金型に信号入力手段であるAEセンサー1を取り付ける。当該AEセンサー用電源は、カプラ3から供給され、AEセンサー1からの電気信号は、当該カプラ3へ出力される。このカプラ3にはゲイン調整フィルタ機能等が備えられている。当該カプラ3からの出力信号は、A/D変換器4にてアナログの電気信号がデジタル信号に変換された後、判定装置5に入力される。当該判定装置5では、後ほど詳述する信号処理判定アルゴリズムが実行され、当該金型加工の結果、ワークが正常に加工成形されたか否かを判定する。当該判定装置5での判定結果は、金型加工制御装置9に送られ、そこでは当該判定結果および運用条件設定器10から設定された当該金型加工によるワーク生産の品質管理レベルや生産スケジュール等の条件を案した後、後続の金型加工の運用を判断した結果を当該金型1の駆動用モータに制御信号として送る。そして、当該判定装置5にて判定した判定結果および当該金型加工制御装置9での制御結果は、結果提示手段である結果提示装置6に送られモニタ等に表示されるとともに、必要に応じて警報を発する。

0014

===信号処理と判定アルゴリズム===
次に、本発明による判定装置5における信号処理および判定アルゴリズムについて、図2に沿って詳細に説明する。まず、金型の動作信号21を受けて、本判定装置5は、信号波形取込み22を行う。当該信号波形22のピーク値(最大値)を自動にて探索23し、その大きさPpを得る。その後、高周波ノイズを除去するためにエンベロープ処理24を行った後、ライン切出し26を行う。この際、当該ライン切出し26の閾値として、外部パラメータである切出しレベル係数αを用いて α*Ppにて閾値を設定する25。このライン切出し26によりライン長m、ライン数nを計測する27。
このライン切出しについて図3に詳しく示す。判定装置に入力された時間波形全体を探索することによって、そのピーク値Ppが求まる。そのピーク値Ppに対して、1より小さい実数値αを、外部から予め設定しておき、ピーク値Ppにこの係数αを乗じた値をライン長mやライン個数nの計測のための閾値とする。このライン長mは、当該金型加工の初期におけるワークの塑性に対応した時間帯を表す特性値である。次に、ライン個数nは、当該金型加工の後半におけるワークの突発的塑性に対応した時間帯での衝撃回数を表す特性値である。なお、これらの特性値であるライン長m、ライン個数nを決定するための閾値は、それぞれLmax、Lminとして、予め外部から設定するもので、当該金型の型式加工程度、あるいはワークの材料等によって決定する。

0015

さて、図2の本発明の判定アルゴリズムに戻って第1次異常判定以降を説明する。この第1次異常判定は、上記したライン長m、ライン個数nを用いて判定する。その判定する際の判定図を図8に示す。まず、ライン長mが、無し、つまり、0である場合には、ライン個数nの値には無関係に、ワークに大きな亀裂が発生しているものと判定する。その理由は、図7に大きな亀裂が発生する場合のAEセンサーからの時間波形を示しているが、本図から分かるように金型加工の初期に連続したワークの塑性に対応した時間波形が現れることなく、つまり、この初期の加工成形において材料に無理のない塑性を加えることなく、当該加工の後半に急激な塑性加工を行ったために、ワークに大きな亀裂が発生し、このことがAEセンサーが複数の突発的な信号を検知することに対応していることを発見した。
次に、ライン長mが、ライン長パラメータLmaxより長い場合には、まず大きな亀裂は発生していないと判定し、正常な加工か、ネッキングか、小さな亀裂であるかの判定を行う。その判定は、図8に示すようにライン個数nによって判定を行い、n=1;不明、n=2もしくは3;正常、n=4〜6;ネッキング、n≧7;小さな亀裂であると判定するものである。これらの理由は、図4の正常加工時のAEセンサーからの時間波形、図5のネッキング発生時のAEセンサーからの時間波形、図6の小さな亀裂発生時のAEセンサーからの時間波形を観察することによって判断ができる。つまり、正常時には2〜3個の突発性信号が存在する、ネッキング発生の時には4〜6個の突発性信号が発生する、そして小さな亀裂が発生するときには、7個以上の突発性信号が発生することを発見したことにある。また、ライン個数nが、1個の場合にはこれらの判定が明確ではなく、したがって不明との判定を下すこととし、次の第2次異常判定への処理にて判定を実施するものである。なお、図8に示す、これらのライン個数nの判定の閾値については、金型の型式、加工程度、ワークの材料などの条件によって適宜設定するものとする。
この第1次異常判定の結果が異常と判定されれば、その結果を加工制御装置11に送る。正常もしくは不明と判定されれば、第2次異常判定を行う。

0016

この第2次異常判定は、図9に示すようにAEセンサーからの時間波形において、当該金型加工の後半の加工成形時に由来する突発性波形部分解析の対象に選定する。その理由は、前記第1次異常判定において正常もしくは不明と判定された、明らかな異常でない場合には、実際にネッキングもしくは亀裂が発生するのは、上記した加工成形の後半で起こることにあるからである。なお、この突発性波形部分の切出しについては、当該時間波形の中の最大値探索にて求めたピーク値Ppを基本とした、第1次異常判定のおけるライン個数nに対応する部分を全て包含するように切出すことによって自動的に選定することができる。
この時間波形を解析対象として第2次異常判定を行うが、その手法については、「対象設備診断する方法、コンピュータプログラム、および対象設備を診断するための装置」として既特許登録している登録番号特許第03382240号に記載のワンショット法と称する手法を適用するもので、ここでは省略する。
そして、当該第2次異常判定の結果、正常もしくは異常の結果を前記加工制御装置11に送る。
図10に、本第2次異常判定によってネッキングの発生を検出した解析例を示す。
図中の白丸が正常時の特徴量を示し、黒丸が判定時の特徴量を示す。なお横軸は第1特徴量を、縦軸は第2特徴量を示す。正常時と判定時との2つの特徴量の分布が求まり、それらの分布間の乖離度合いに基づき異常判定を行う。具体的には、以下に示す

数1

で定義したD.I値(Discrimination Indexの略称)の大きさで判定を行うものである。

ここで μ1,μ2:集団1と2の各々の平均値
σ1,σ2:集団1と2の各々の標準偏差
これらの集団とは、正常時と判定時での各特徴量の集団を指す。
図11には、この第2次異常判定によって、図4の正常時の波形を基準とし、図5のネッキング発生時の波形と、図6の小さな亀裂発生時の波形とを判定した場合の、上記したD.I値を縦軸にとって示したものである。
この図11から正常な加工に比較して、微小なネッキングおよび小さな亀裂発生時ではD.I値が大きくなっており、十分な識別性能であることが検証できている。

0017

===金型加工制御装置からの制御指令===
図1の全体システム構成に示すように、上記した判定装置5からの判定結果は、金型加工制御装置9に送られる。当該金型加工制御装置9では、本判定結果に加えて、外部の運用条件設定器13より予め入力設定された運用条件を勘案して、複数の運用方式切替機能を有しており、当該金型駆動用モータ7に対する総合的な制御信号を出力する。前記判定装置5からの判定結果を基に当該金型加工制御装置9内での具体的な処置の流れを図12に示す。この図12に沿って全体の処置の流れを説明する。前記判定装置5における第1次異常判定の結果が異常となった場合、その異常の程度が重度異常(例えば、大小の亀裂)の時には当該金型加工を停止する制御指令を金型駆動用モータ12へ発する。当該第1次異常判定の結果が正常もしくは不明となった時には、第2次異常判定を行い、その結果が正常であれば現状での金型加工を続行することとし、その指令を金型駆動用モータ12へ発する。次に、第1次異常判定の結果が軽度異常(例えば、ネッキング)のとき、あるいは第2次異常判定の結果が異常となったときは、以下に説明する複数の運用方式の切替に基づく金型加工の運用を行うように、金型駆動用モータ12へ指令を発する。
本発明の実施形態では、4つの種類(A方式〜D方式)の運用形態を適用した。
A方式:当該金型加工において、品質管理を最優先とする場合、つまり1枚の加工製品でも加工不良の恐れが若干でもある場合には、即座に当該金型加工の自動運用を停止する。
B方式:上記A方式と比較して、品質管理上、幾分かの軽度の加工不良の恐れがあっても、引き続きN回は当該金型加工を続行することが許される場合には、このN回の加工続行によりさらに加工成形の状態監視を行い、経過を観察する。この加工続行の回数Nは、外部の運用条件設定器13から入力設定できる。
C方式:当該判定結果による軽度の加工不良の恐れがあった場合、予め当該加工不良の原因もしくは要因が推測でき、さらにその対応策としての金型加工に関する加工条件調整法として、当該金型駆動用モータの制御方法が分かっている場合には、その予め決められた制御指令を当該金型駆動用モータ12へ発する。当該制御指令等は運用条件設定器13から入力できる。
D方式:手動操作に切り替える。この場合には、以降の金型加工の運用については熟練の加工員の判断に任せるものとし、金型駆動用モータ12の運転手動運転とする指令を発する。
上記した運用方式の選定は、運用条件設定器13からの入力を受けて行う。
また、上記した4種類の運用方式を切り替えることにより、さまざまなワークの生産において、品質管理と生産スケジュールとを考慮した最適な金型加工を実現することができる。なお、上記した4種類の運用形態は、当該金型加工の運用に応じて増減してもよい。

0018

上記した判定装置5からの判定結果および金型加工制御装置9による制御結果は、結果提示装置6のモニタ等へ表示されると同時に必要に応じて警報を発する。

図面の簡単な説明

0019

本発明の一実施例に係る全体システム構成図 本発明の金型加工の判定アルゴリズム本発明の判定アルゴリズムにおけるライン長、ライン個数の考え方正常加工時のAEセンサーからの時間波形ネッキング発生時のAEセンサーからの時間波形 小さな亀裂発生時のAEセンサーからの時間波形 大きな亀裂発生時のAEセンサーからの時間波形 第1次異常判定における判定図 第2次異常判定のための波形切出し 第2次異常判定の結果 第2次異常判定の識別結果 金型加工制御装置における全体処理の流れ

符号の説明

0020

1・・・金型
2・・・AEセンサー
3・・・カプラ
4・・・A/D変換器
5・・・判定装置
6・・・結果提示装置
7・・・金型駆動用モータ
8・・・金型駆動用モータのエンコーダ
9・・・金型加工制御装置
10・・運用条件設定器

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