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課題
解決手段
概要
背景
従来、微粉砕機で農産物や鉱物等の各種原料を微粉砕し気流分級して微粉末を製造する気流分級式の微粉末製造装置において、微粉末を含む気流中から微粉末を分離回収するために用いられている微粉末回収装置の代表的なものとしては、パルスジェット式のバグフィルターがある。
パルスジェット式のバグフィルターは、外周がステンレススチール等の金属製のホッパー内に籠状のフィルターエレメントや円筒状の濾布を収容し、ホッパーの所定位置に設けられた流入口から流入する微粉末を含む気流中から微粉末をフィルターエレメントや濾布に付着させて分離し、微粉末が除去された空気は排出口から大気中へ排出する。
フィルターエレメントや濾布に付着した微粉末は、高圧空気をノズルからフィルターエレメントや濾布にパルスジェットとして吹きつけ、フィルターエレメントや濾布に高圧空気を通過させると共に衝撃振動を与えることにより強制的に払い落とし、ホッパー底部に設けたバルブから取出し、製品として回収する。(特許文献1参照)。
ところが、パルスジェット式のバグフィルターは、高圧空気の発生装置やエアマニホールド、エアバルブ、ノズル等の機器が必要で大がかりな装置となるうえ、パルスジェットによる微粉末の払い落としの際に、ホッパー内の気圧が急激に変動するため、微粉末製造装置の微粉砕機の気流に大きな影響を及ぼし、操業条件を不安定にする。
また、このような微粉末製造装置では、粉砕作業終了後に微粉砕機内の清掃を行う必要がある。清掃は、粉砕作業を終了する際に、吸引ファンの回転はそのままで原料の供給を停止し、次に微粉砕機の回転翼の回転数を徐々に落としながら圧気を導入するという手順で行う。
このときに排出される微粉末は、完全には粉砕されていないものを含むので、ホッパーに回収され製品に混入すると、製品の品質が低下するという問題がある。
実開平6−85016号公報
概要
ホッパー内の気圧を急激に変動させずに微粉末の払い落としを行い、微粉末製造装置の微粉砕機の気流に悪影響を及ぼさないようにして、操業条件が不安定になるのを防止する。 微粉砕機で原料を微粉砕し気流分級して微粉末を製造する気流分級式の微粉末製造装置の微粉末回収装置10に、内部気圧の変化で変形可能な濾過材で外周を構成した微粉末の回収ホッパー12L、12Rを複数基設けると共に、微粉砕機から各回収ホッパー12L、12Rへの気流の供給を所定時間ごとに切替える切替バルブ14L、14Rを設ける。
目的
本発明は、従来の微粉末回収装置における上記問題を解決するものであって、ホッパー内の気圧を急激に変動させることなく微粉末の払い落としを行うことができ、微粉末製造装置の微粉砕機の気流に悪影響を及ぼして操業条件を不安定にすることのない、微粉末回収装置を提供することを目的とする。また、製品の品質を低下させることなく微粉砕機内の清掃を容易に行えるようにする微粉末回収装置を提供することを目的とする。
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
技術分野
0001
本発明は、微粉砕機で農産物や鉱物等の各種原料を微粉砕し気流分級して微粉末を製造する気流分級式の微粉末製造装置において、気流中の微粉末を回収するために用いられる微粉末回収装置に関するものである。
背景技術
0002
従来、微粉砕機で農産物や鉱物等の各種原料を微粉砕し気流分級して微粉末を製造する気流分級式の微粉末製造装置において、微粉末を含む気流中から微粉末を分離回収するために用いられている微粉末回収装置の代表的なものとしては、パルスジェット式のバグフィルターがある。
パルスジェット式のバグフィルターは、外周がステンレススチール等の金属製のホッパー内に籠状のフィルターエレメントや円筒状の濾布を収容し、ホッパーの所定位置に設けられた流入口から流入する微粉末を含む気流中から微粉末をフィルターエレメントや濾布に付着させて分離し、微粉末が除去された空気は排出口から大気中へ排出する。
0003
フィルターエレメントや濾布に付着した微粉末は、高圧空気をノズルからフィルターエレメントや濾布にパルスジェットとして吹きつけ、フィルターエレメントや濾布に高圧空気を通過させると共に衝撃振動を与えることにより強制的に払い落とし、ホッパー底部に設けたバルブから取出し、製品として回収する。(特許文献1参照)。
ところが、パルスジェット式のバグフィルターは、高圧空気の発生装置やエアマニホールド、エアバルブ、ノズル等の機器が必要で大がかりな装置となるうえ、パルスジェットによる微粉末の払い落としの際に、ホッパー内の気圧が急激に変動するため、微粉末製造装置の微粉砕機の気流に大きな影響を及ぼし、操業条件を不安定にする。
0004
また、このような微粉末製造装置では、粉砕作業終了後に微粉砕機内の清掃を行う必要がある。清掃は、粉砕作業を終了する際に、吸引ファンの回転はそのままで原料の供給を停止し、次に微粉砕機の回転翼の回転数を徐々に落としながら圧気を導入するという手順で行う。
このときに排出される微粉末は、完全には粉砕されていないものを含むので、ホッパーに回収され製品に混入すると、製品の品質が低下するという問題がある。
実開平6−85016号公報
発明が解決しようとする課題
0005
本発明は、従来の微粉末回収装置における上記問題を解決するものであって、ホッパー内の気圧を急激に変動させることなく微粉末の払い落としを行うことができ、微粉末製造装置の微粉砕機の気流に悪影響を及ぼして操業条件を不安定にすることのない、微粉末回収装置を提供することを目的とする。また、製品の品質を低下させることなく微粉砕機内の清掃を容易に行えるようにする微粉末回収装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
0006
本発明の微粉末回収装置は、微粉砕機で原料を微粉砕し気流分級して微粉末を製造する気流分級式の微粉末製造装置の微粉末回収装置であって、内部気圧の変化で変形可能な濾過材で外周を構成した微粉末の回収ホッパーを複数基設けると共に、微粉砕機から各回収ホッパーへの気流の供給を所定時間ごとに切替える切替バルブを設けることにより上記課題を解決している。
0007
濾過材としては、柔軟な濾布や防水透湿性シート等が用いられる。
この微粉末回収装置では、各回収ホッパーへの気流の供給は、切替バルブによって所定時間ごとに切替えられる。気流が供給されている回収ホッパーでは、内部気圧が高くなって外周が膨らむ。空気は外部へ排出され微粉末は分離捕集される。
気流の供給が中止された回収ホッパーでは、回収ホッパーの内部気圧が低下し外周が収縮変形するので、付着していた微粉末は剥離して底部へ落下する。底部に落下した微粉末は取出バルブを開いて取出し、製品として回収する。
0008
ホッパー内の気圧を急激に変動させることなく微粉末の払い落としを行うことができるので、微粉砕機の気流に悪影響を及ぼして操業条件を不安定にすることはない。
切替バルブが、回収ホッパーへの気流の供給を切替える際、気流の供給を中止する回収ホッパーへ、気流を短時間断続的に供給すると、回収ホッパーの外周の膨らみと収縮が繰り返して行われるので、微粉末の払い落としがより効果的に行われる。
また、微粉砕機内の清掃を行う前に、切替バルブが回収ホッパーへの気流の供給を切替えれば、清掃のときに排出される、完全には粉砕されていないものを含む低品質の微粉末は製品に混入せず、製品の捕集されていたものと異なる回収ホッパーで捕集し分別回収できるので、製品の品質の低下が防止される。
発明の効果
0009
本発明の微粉末回収装置は、ホッパー内の気圧を急激に変動させることなく微粉末の払い落としを行うことができ、微粉末製造装置の微粉砕機の気流に悪影響を及ぼして操業条件を不安定にすることはない。また、製品の品質を低下させることなく微粉砕機内の清掃を容易に行えるようにすることができる。
発明を実施するための最良の形態
0010
図1は本発明の実施の一形態である微粉末回収装置を備えた気流分級式の微粉末製造装置の構成図、図2は本発明の実施の一形態を示す微粉末回収装置の構成図である。
気流分級式の微粉末製造装置は、原料を微粉砕し気流分級する微粉砕機1と、微粉砕された微粉末を空気と共に吸引して微粉砕機1から排出させる吸引ファン2と、吸引ファン2から送られた気流中の微粉末を回収する微粉末回収装置10と、吸引ファン2と微粉末回収装置10を接続する輸送管3とで構成されている。輸送管3の途中には、開閉バルブ4が設けられている。
0011
微粉末回収装置10は、ホッパーフレーム11で支持された2基の回収ホッパー12L、12Rを備えている。回収ホッパー12L、12Rは、内部気圧が高くなって膨らんだとき、上部が円筒状で下部が円錐状となる防水透湿性シートで外周が構成されており、その側面に形成された気流の流入口13L、13Rが、それぞれ切替バルブ14L、14Rを介して輸送管3に接続されている。
切替バルブ14L、14Rは、左右の回収ホッパー12L、12Rへの気流の供給を所定時間ごとに交互に切替えるためのものであり、一方が開のとき他方が閉となるように操作される。
0012
また、回収ホッパー12L、12Rの底部には、微粉末を取出して回収するための取出バルブ15L、15Rが設けられている。
回収ホッパー12L、12Rに使用する防水透湿性シートは、平均孔径が0.01〜10μm、好ましくは0.1〜1μmの範囲のものが良い。平均孔径が0.01μmより小さいと製造上の困難さを伴い、10μmより大きいと通気性が大きくなりすぎて微粉末が透過してしまうおそれがある。空孔率は50%より小さいと必要な透湿性の確保が困難であり、逆に98%を超えると膜の強度が低下してしまうため、空孔率は50〜98%、好ましくは60〜95%とするのが良い。
0013
微粉末製造装置において、微粉砕機1の内部には第一回転翼と第二回転翼(図示略)が所定距離互いに離隔した状態で取付けられており、微粉砕機用モータ5によって回転が与えられる。
微粉砕機1に投入された原料は、第一回転翼と第二回転翼の回転により粒子径の大きなもの程大きい遠心力が作用して周速の速い半径方向外周側に集まり、主として粒子同士の摩砕により、また粒子同士の衝突による破砕も生じて微粉砕される。微粉砕により生じた微粉末は、吸引ファン2で吸引され、空気と共に輸送管3を経て微粉末回収装置10へ輸送される。
0014
切替バルブ14L、14Rは、輸送管3から左右の回収ホッパー12L、12Rへの気流の供給を所定時間ごとに交互に切替える。
微粉末回収装置10の回収ホッパー12L、12Rは、防水透湿性シートで構成されているので、微粉末を含む気流が流入すると、空気は防水透湿性シートを透過して回収ホッパー12L、12Rから大気中に流出し、微粉末は回収ホッパー12L、12Rの底部へ緩やかに降下する。
0015
切替バルブ14L、14Rの切替えで気流の供給が中止された回収ホッパー12L、12Rでは、底部に設けた取出バルブ15L、15Rを開いて、微粉末を取出し、製品として回収する。
気流の供給が中止されると、回収ホッパー12L、12Rの内部気圧が低下し防水透湿性シートが収縮変形するので、防水透湿性シートに付着していた微粉末は剥離されて底部へ落下する。微粉末を払落すために回収ホッパーに衝撃を与える必要はないので騒音や振動は生じない。
0016
回収ホッパー12L、12R内の気圧を急激に変動させることなく微粉末の払い落としを行うことができるので、微粉末製造装置の微粉砕機1の気流に悪影響を及ぼして操業条件を不安定にすることはない。
切替バルブ14L、14Rが、回収ホッパー12L、12Rへの気流の供給を切替える際、気流の供給を中止する方の回収ホッパー12L、12Rへ、気流を短時間のうちに1〜数回断続的に供給すると、回収ホッパーの外周の膨らみと収縮が1〜数回繰り返して行われるので、微粉末の払い落としがより効果的に行われる。
切替バルブ14L、14Rによる気流の供給の切替えが行われる際に、若干の抵抗が発生するが、これは微粉砕機1の気流に悪影響を及ぼす程ではない。
0017
また、微粉末製造装置では、粉砕作業を終了するとき、微粉砕機1内の清掃を行うが、その直前に切替バルブ14L、14Rで、回収ホッパー12L、12Rへの気流の供給を切替えてから、吸引ファン2の回転はそのままで原料の供給を停止し、次に微粉砕機1の回転翼の回転数を徐々に落としながら圧気を導入する。
この切替操作により、清掃のときに排出される、完全には粉砕されていないものを含む低品質の微粉末は製品に混入せず、製品が捕集されていたものと異なる回収ホッパーで捕集されるので、製品の品質の低下が防止される。
図面の簡単な説明
0018
本発明の実施の一形態である微粉末回収装置を備えた気流分級式の微粉末製造装置の構成図である。
本発明の実施の一形態を示す微粉末回収装置の構成図である。
符号の説明
0019
1微粉砕機
2吸引ファン
3輸送管
4開閉バルブ
5 微粉砕機用モータ
10微粉末回収装置
11ホッパーフレーム
12L、12R回収ホッパー
13L、13R 流入口
14L、14R切替バルブ
15L、15R取出バルブ