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技術 消火剤およびその消火剤を使用した消火方法

出願人 株式会社三井E&Sホールディングス
発明者 水上和正竹内三津男松本康夫
出願日 2005年3月3日 (15年9ヶ月経過) 出願番号 2005-058403
公開日 2005年11月4日 (15年1ヶ月経過) 公開番号 2005-305128
状態 未査定
技術分野 防災 消化剤;有害な化学剤の無害化
主要キーワード ゲストガス ガス循環ブロア 耐圧殻 山林火災 移送タンク 小粒体 表面溝 ボウル状
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年11月4日)のものです。
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図面 (12)

課題

二酸化炭素ガスによる消火室内外で可能にし、消火剤火元まで効率的に運ぶことができ、高温な場所でのみ二酸化炭素ガスを即、大量に放出できる優れた消火能力をもち、かつ、消火対象区域に存在する機材などの水による損害を最小限に抑えることのできる消火剤および消火方法を提供する。

解決手段

二酸化炭素ガスをゲストガスとしたガスハイドレートHを消火剤とし、火炎Aの熱でガスハイドレートHを融解させることで包蔵している二酸化炭素ガスGを局部的に即時、大量に放出させ、火炎Aへの酸素供給遮断する遮断膜を形成することで消火する。

概要

背景

従来、火災が発生した時は、一般的に消防車等から水を放水して消火することが行われている。しかしながら、水による消火は、消火場所に存在する機器家具等に大量の水がかけられるため、再利用ができなくなるという問題がある。そのため、コンピュータ室など重要機器類が設置されている室内の火災においては、二酸化炭素を放出し、大気中の酸素火炎遮断することによる消火が行われている。

この二酸化炭素による消火方法においては、リチウム複合酸化物を用いることで、大気中に放置しても劣化せず、特殊な装置を用いることなく消火をおこなうことができる消火剤が提案されている(特許文献1参照)。ところが、従来の二酸化炭素を用いる消火方法においては、火災区域を一挙に二酸化炭素で充満させて消火をするため、消火対象区域外にも消火剤が広がることになり、消火剤が大量に必要となる。言い換えれば、消火対象区域外にも二酸化炭素が拡散して、消火剤に無駄が生じていると言え、また室内消火に限定されていた。
特開2001—178842号公報

概要

二酸化炭素ガスによる消火を室内外で可能にし、消火剤を火元まで効率的に運ぶことができ、高温な場所でのみ二酸化炭素ガスを即、大量に放出できる優れた消火能力をもち、かつ、消火対象区域に存在する機材などの水による損害を最小限に抑えることのできる消火剤および消火方法を提供する。二酸化炭素ガスをゲストガスとしたガスハイドレートHを消火剤とし、火炎Aの熱でガスハイドレートHを融解させることで包蔵している二酸化炭素ガスGを局部的に即時、大量に放出させ、火炎Aへの酸素供給を遮断する遮断膜を形成することで消火する。

目的

そこで本発明は、室内、室外野外)を問わず、消火剤(二酸化炭素ガス)を火元に効率的に運ぶことができ、特別な装置等なしで火元および火元付近の高温な場所でのみ即、大量に消火剤を放出できる優れた消火能力をもち、かつ、消火対象区域に存在する機材などの水による損害も最小限に抑えることのできる消火剤およびその消火剤を用いた消火方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

請求項2

ガスハイドレートを中粒体とした請求項1に記載の消火剤。

請求項3

ガスハイドレートを小粒体とした請求項1に記載の消火剤。

請求項4

ガスハイドレートを粉粒体とした請求項1に記載の消火剤。

請求項5

ガスハイドレートで形成される前記粒体に、表面溝、表面凹部または貫通孔の少なくともいずれか1つを設けた請求項2または3に記載の消火剤。

請求項6

二酸化炭素ガスをゲストガスとするガスハイドレートを消火対象区域に向けて噴出し、該ガスハイドレートを火炎の熱で融解させて、該ガスハイドレートに包蔵されている前記ゲストガスを放出させて火炎を覆いまたは廻り囲み、火炎への酸素供給遮断して消火する消火方法

請求項7

ガスハイドレートの中粒体、小粒体または粉粒体の少なくとも2種類を混合して噴出する請求項6に記載の消火方法。

請求項8

ガスハイドレートの中粒体または小粒体を消火時に元の粒体の大きさよりも小さくして消火する請求項6に記載の消火方法。

請求項9

ガスハイドレートの粉粒体を開口部を有する箱体に所定量充填し、該充填した粉粒体を前記開口部から押し出して、進行方向後方巻き込む渦流を形成する前記粉粒体からなる環状体を発生させて噴出する請求項6に記載の消火方法。

技術分野

0001

本発明は、火災の際に使用される消火剤およびその消火剤を用いた消火方法に関するものである。

背景技術

0002

従来、火災が発生した時は、一般的に消防車等から水を放水して消火することが行われている。しかしながら、水による消火は、消火場所に存在する機器家具等に大量の水がかけられるため、再利用ができなくなるという問題がある。そのため、コンピュータ室など重要機器類が設置されている室内の火災においては、二酸化炭素を放出し、大気中の酸素火炎遮断することによる消火が行われている。

0003

この二酸化炭素による消火方法においては、リチウム複合酸化物を用いることで、大気中に放置しても劣化せず、特殊な装置を用いることなく消火をおこなうことができる消火剤が提案されている(特許文献1参照)。ところが、従来の二酸化炭素を用いる消火方法においては、火災区域を一挙に二酸化炭素で充満させて消火をするため、消火対象区域外にも消火剤が広がることになり、消火剤が大量に必要となる。言い換えれば、消火対象区域外にも二酸化炭素が拡散して、消火剤に無駄が生じていると言え、また室内消火に限定されていた。
特開2001—178842号公報

発明が解決しようとする課題

0004

そこで本発明は、室内、室外野外)を問わず、消火剤(二酸化炭素ガス)を火元に効率的に運ぶことができ、特別な装置等なしで火元および火元付近高温な場所でのみ即、大量に消火剤を放出できる優れた消火能力をもち、かつ、消火対象区域に存在する機材などの水による損害も最小限に抑えることのできる消火剤およびその消火剤を用いた消火方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0005

請求項1に記載の消火剤は、二酸化炭素ガスをゲストガスとするガスハイドレートからなるものである。

0006

請求項2に記載の消火剤は、請求項1に記載の消火剤においてガスハイドレートを中粒体としたものである。

0007

ここで、ガスハイドレートの中粒体とは粒径が20mm超で30mm以下、好ましくは22mm程度のものをいい、形状は球状に限られず歪んだ球状、円柱状、三面体形状などでもよく、この粒径の球体に収まるものならばよい。

0008

請求項3に記載の消火剤は、請求項1に記載の消火剤においてガスハイドレートを小粒体としたものである。

0009

ここで、ガスハイドレートの小粒体とは粒径が3mm以上20mm以下、好ましくは5mm程度のものをいい、形状は球状に限られず歪んだ球状、円柱状、三面体形状などでもよく、この粒径の球体に収まるものならばよい。

0010

請求項4に記載の消火剤は、請求項1に記載の消火剤においてガスハイドレートを粉粒体としたものである。

0011

ここで、ガスハイドレートの粉状体とは粒径が0.5mm以上3mm未満、好ましくは1mm程度のものをいい、形状は問わずこの粒径の球体に収まるものならばよい。

0012

請求項5に記載の消火剤は、請求項2または3に記載の消火剤においてガスハイドレートで形成される粒体に、表面溝、表面凹部または貫通孔の少なくともいずれか1つを設けたものである。

0013

請求項6に記載の消火方法は、二酸化炭素ガスをゲストガスとするガスハイドレートを、消火対象区域に向けて噴出し、該ガスハイドレートを火炎の熱で融解させて、該ガスハイドレートに包蔵されている前記ゲストガスを放出させて火炎を覆いまたは廻り囲み、火炎への酸素供給を遮断して消火するようにしたものである。

0014

請求項7に記載の消火方法は、請求項6に記載の消火方法においてガスハイドレートの中粒体、小粒体または粉粒体の少なくとも2種類を混合して噴出するようにしたものである。

0015

請求項8に記載の消火方法は、請求項6に記載の消火方法においてガスハイドレートの中粒体または小粒体を消火時に元の粒体の大きさよりも小さくして消火するようにしたものである。

0016

ここで消火時とは、ガスハイドレートを保存している保存タンク等から取出す時から、噴出して消火対象に到達するまでの間のある時点を意味する。

0017

請求項9に記載の消火方法は、請求項6に記載の消火方法においてガスハイドレートの粉粒体を開口部を有する箱体に所定量充填し、該充填した粉粒体を前記開口部から押し出して、進行方向後方巻き込む渦流を形成する前記粉粒体からなる環状体を発生させて噴出するようにしたものである。

発明の効果

0018

二酸化炭素ガスをゲストガスとするガスハイドレートからなる消火剤を火炎へ噴出すると火炎の熱でガスハイドレートが溶解して、包蔵していたゲストガス(二酸化炭素ガス)を大量に放出する。このガスが火炎を覆いまたは廻りを囲み、火炎に酸素が供給されるのを遮断する遮断膜を形成する。この酸素供給遮断作用によって効果的に火炎を消火することができる。

0019

また、ガスハイドレートの溶解によって放出される大量のガスは局部的に広がるだけで、火炎から離れた場所までガスが広がらず、火炎周辺生物がいても酸欠になる程ではなく安心して使用することができる。換言すれば、必要以上の消火剤を使用せずに効果的に消火することができ、火元および火元付近の高温な場所でのみ二酸化炭素ガスを大量に放出させることができる。

0020

このガスハイドレートには水分が含まれているが、火炎の熱により大半は蒸発してしまうので、水分によって機材などが濡れ被害を最小限に抑えることができる。さらに、ガスハイドレートの融解および水分の蒸発によって熱が奪われるため、この冷熱により火炎周辺の温度が下がり消火効果が向上する。
消火剤をガスハイドレートの中粒体にすると、比較的遠くまで飛ばすことができ、また噴出方向を定めるのも容易になり、効果的に消火をすることができる。特に、山林火災コンビナート火災等の大規模火災に対しても火炎流等で押し戻されることなく、消火剤を火炎に向けて噴出することができ、含水率が低いので、コンビナート火災等に使用しても安全である。即ち、火炎の勢いが極めて強い場合にはガスハイドレートの中粒体からなる消火剤が好適である。

0021

消火剤をガスハイドレートの小粒体にすると、消火剤を火炎に向けて噴出する際に空気抵抗が小さく、比較的遠くまで飛ばすことができ、また噴出方向を定め易くなり、効果的に消火をすることができる。さらに、火炎が非常に強い場合でも熱風に押し戻されることもなく消火剤を火炎に向けて噴出することができる。即ち、比較的火炎の勢いが強い場合にはガスハイドレートの小粒体からなる消火剤が好適である。

0022

消火剤をガスハイドレートの粉粒体にすると、消火剤を火炎に向けて噴出した場合、火炎を覆うまたは廻りを囲むように飛散させることができる。これによって、ガスハイドレートの溶解で放出されたガスが火炎を覆いまたは廻りを囲み易くなり、火炎への酸素遮断が確実になり、消火効果が向上する。即ち、比較的火炎の勢いが弱い場合にはガスハイドレートの粉粒体からなる消火剤が好適である。

0023

ガスハイドレートの粉粒体は、個々の重量が小さいため火炎流等の外部環境に影響されやすく、噴出方向が定まりにくく、射程距離も短くなるが、開口部を有する箱体に所定量を充填した後、開口部から押し出して進行方向後方に巻き込む渦流を形成する環状体を発生させて噴出することで、的確に火炎に向けて比較的遠くまで飛ばすことが可能となる。

0024

ガスハイドレートで形成される粒体に、表面溝、表面凹部または貫通孔の少なくともいずれか1つを設けると、消火時に粒体を衝突させる等によって小さくしやすくなるので、火炎を覆いまたは廻りを囲み易くなり、火炎への酸素遮断が確実になり、消火効果が向上する。

0025

また、破砕して小さくなる前のガスハイドレートHの粒体は、小さくなった時よりも外部環境の影響を受けにくく、溶解しにくいので保存性に有利であるとともに、比較的遠くまで飛ばすことができ、噴出方向を定め易いという効果もある。

0026

また、消火をする際にガスハイドレートの中粒体、小粒体または粉粒体の少なくとも2種類を混合して火炎に向けて噴出すると、火炎の勢いに応じた大きさの粒体のガスハイドレートが確実に火炎に噴出されて消火をして火炎の勢いを弱くし、弱くなった火炎に対しては、火炎を覆い、効果的に消火をすることができる。即ち、比較的火炎の勢いが強い状態から弱くなった状態まで、効果的な消火をすることができる。

0027

火炎の勢いが強い初期段階でガスハイドレートのより大きい粒体を噴出し、火炎の勢いが弱まった時にガスハイドレートの小さめの粒体を噴出することによっても同じ効果を得ることができるが、人間が消火活動をする場合は中粒体、小粒体または粉粒体の少なくとも2種類を混合して噴出する方が煩わしさがなく好適である。

0028

一方で、自動消火装置などでは火炎の勢いに応じて噴出する消火剤を中粒体、小粒体または粉粒体から選択して消火することが容易であり、このような選択で効果的な消火をすることができる。

0029

また、ガスハイドレートの中粒体または小粒体を消火時に元の粒体よりも小さくして消火することで、消火前の貯蔵している間は、粒体をより大きい状態として、外部環境に影響を受けにくくすることができる。即ち、ガスハイドレートを溶解しにくくして保存性を確保することができる。一方で、消火の際は、火炎の勢いに応じて、より粒体を小さくして火炎を覆いまたは廻りを囲み易くして、火炎への酸素遮断を確実にして消火効果を向上させることができる。

発明を実施するための最良の形態

0030

以下、図1図9に基づき、本発明の消火剤の実施形態を説明するが、この説明は消火方法についても含めて説明するものである。

0031

まず、本発明による消火剤を製造するための装置の一例を図1に示す。耐圧殻として形成され、ドラム冷却器7で冷却されるドラム本体1内は、例えば3.5MPa程度に圧力が保持され、このドラム本体1内に水冷却器2により例えば0℃程度に冷却された水Wが供給される。このドラム本体1の下部から二酸化炭素Gが供給され、ガス循環ブロア5でバブリングすると二酸化炭素G分子の一つが、水分子が作るカゴの中に収まった結晶構造をなすガスハイドレートHが生成する。即ち、二酸化炭素ガスをゲストガスとするガスハイドレートが生成する。二酸化炭素Gの他に、不活性ガスを用いることもでき、例えば窒素アルゴンヘリウムなどが用いられる。

0032

二酸化炭素ガスハイドレートは、0℃程度で1m3 のガスハイドレート中に50m3 の二酸化炭素ガスを包蔵しているといわれている(ドライパウダー充填率0.4の場合)。なお、この時の水の体積は、0.8m3 である。このように、ガスハイドレートHは、高いガス包蔵性を有しているので、二酸化炭素をゲストガスとしたガスハイドレートを消火剤とすれば、優れた消火効果を有することになる。

0033

そして、このガスハイドレートHは、ドラム本体1に連結された排出管3から取り出される。このとき、排出されるガスハイドレートHは水Wを比較的多く含んだシャーベット状で排出される。そして、この排出されたガスハイドレートHは、シャーベット状のままで、または必要に応じて脱水されてのような粉粒体として貯蔵タンク4に貯蔵される。この貯蔵タンク4にガスハイドレートHを貯蔵する場合、シャーベット状または粉粒体を保持するため、貯蔵タンク冷却器6で内部の温度を0〜5℃、圧力を1.2MPa程度とし、かつ攪拌装置8で攪拌しておくのがよい。

0034

また、ガスハイドレートHはペレット成型装置で所定の大きさにペレット(小粒体、中粒体)化され、貯蔵タンク4に粉粒体などと同様の条件で貯蔵される。

0035

ガスハイドレートHは、いわゆる自己保存性によって常圧・低温(−20℃程度)で貯蔵ができるが、粒体Pにした際は、より大きい方が外部環境の影響を受けにくくなる。即ち、粒径Pを大きい状態としたほうが、溶解しにくく、包蔵している二酸化炭素Gを放出しにくくなり、保存には有利である。

0036

貯蔵されたガスハイドレートHは、消火剤として火災発生時にこの貯蔵タンク4からコンプレッサー9などを稼動して取り出され、火炎中にまたは火炎上部に噴出される。噴出されたガスハイドレートHは熱融解して包蔵していた二酸化炭素Gを放出し、約50倍程度に膨張して火炎を覆いまたは廻りを囲み、酸素を遮断して消火をおこなう。

0037

ガスハイドレートHにゼラチン状物質を添加しておくと、消火剤の流動性が向上し、消火剤の射程距離を長くすることができ、また、ゼラチン状物質の粘着性により消火剤が付着しやすくなり、特に天井、壁面の火炎を消火するのに好適である。

0038

また、ガスハイドレートHに鉄化合物を混合するとさらに効果的な消火をすることができる。鉄化合物には燃焼抑制効果があることは、よく知られているが、この燃焼抑制効果を利用するものである。

0039

つぎに、この消火剤による消火方法について説明する。図2に、第一の実施形態として比較的大型建築物消火設備の例を示す。消火剤としてのガスハイドレートHの製造装置10で生成されたガスハイドレートHは、一旦貯蔵タンク11に蓄えられる。そして、室内12内に火災が発生した時は、図示しないセンサーからの信号により、例えばスクリューコンベアなどの供給装置13とコンプレッサー14を駆動して、ガスハイドレートHを噴出ノズル15から火炎A上に噴出する。噴出されたガスハイドレートHは火炎Aの熱によって融解して包蔵していたガスGを放出し、火炎Aを覆うまたは廻りを囲むことで酸素の供給を遮断する遮断膜を形成して消火する。さらにガスハイドレートHの冷熱により火炎A周辺の温度が低下するので消火効果が向上することになる。また、火炎Aから遠ざかるほどガスGの放出は抑えられる。

0040

この実施形態において、製造装置10と貯蔵タンク11と供給装置13とコンプレッサー14とは、いずれも建築物の屋上Bに配置するのが好ましい。そして、ガスハイドレートHは、粉粒体、小粒体、シャーベット状のいずれに形成してもよい。そして粉粒体、小粒体を混合して噴出してもよく、また火炎の勢いの強い場合は小粒体を噴出し、火炎の勢いが弱まった場合は粉粒体を噴出するようにしてもよい。場合によっては、ガスハイドレートHの中粒体を用いることもできる。

0041

つぎに、第二の実施形態を図3に示す。消火剤としてのガスハイドレートHの製造装置10、貯蔵タンク11および供給装置13は、例えば、消防署敷地内等の所定地域Cに設置されている。そして、移送用タンク16とコンプレッサー17は、消防車としての専用車両Dに搭載されている。そして、火災が発生した時は、貯蔵タンク11から供給装置13を駆動してガスハイドレートHを移送用タンク16に供給し火災現場まで移送して、コンプレッサー17を作動させることにより噴出ノズル18から図示しない火炎中にまたは火炎の廻りを囲むようにガスハイドレートHを噴出して消火する。

0042

火災が発生し、貯蔵タンク11または移送用タンク16に貯蔵されているガスハイドレートHの中粒体または小粒体をこれらのタンク11、16から取出す際に、粉砕装置等で小さくして、消火に用いることができる。

0043

これによって、消火前の貯蔵している間は粒体Pをより大きい状態として、ガスハイドレートHを溶解しにくくして保存性を確保しつつ、消火の際は、火炎の勢いに応じて、粒体Pをより小さくして火炎を覆いまたは廻りを囲み易くして、火炎への酸素遮断を確実にして消火効果を向上させることが可能となる。

0044

つぎに、第三の実施形態を図4に示す。これは、背負い式の消火器である。この消火器22は、タンク本体23を保温材防火布等よりなる被覆材24で被覆され、かつ携帯用部材25が取り付けられて構成されている。タンク本体23上部には貯蔵タンク(図示せず)の取り出し口27に連結されてガスハイドレートHをタンク本体23内に注入するための注入口26が設けられ、タンク本体23下部には先端に噴出ノズル29が接続されたホース28が取り付けられている。

0045

この消火器22には図示しない所定地域Cの貯蔵タンクやタンクローリ等により火災現場に移送された貯蔵タンクからガスハイドレートHが注入口26より注入され、消防士によって消火器22が火災現場に運ばれ、火炎中にまたは火炎上部に噴出ノズル29からガスハイドレートHを噴出して消火する。

0046

つぎに、第四の実施形態を図5に示す。これは、ガスハイドレートHの粉粒体を噴出して消火するもので、いわゆる空気砲原理を利用した装置である。専用車両Dの上には噴出方向を変更可能に可動する開口部31aを有する充填筒31が備わっている。

0047

充填筒31の内部には、噴出装置32のピストン32aが進退可能に内装されている。この充填筒31に所定量のガスハイドレートHの粉粒体を充填し、場合によっては二酸化炭素ガスも混合して充填する。

0048

充填後、ピストン32aを開口部31aに向けて前進させるとガスハイドレートHの粉粒体が開口部31aから押し出され、進行方向後方に巻き込む渦流を形成して、環状体となって噴出する。この環状体は渦流を形成しているので拡散しにくく、方向を定めて比較的遠くまで飛ばすことができる。ピストン32aの移動速度を速くして粉粒体に衝撃波を与えるようにすると射程距離が、例えば10〜20m程度まで長くなり、安全に消火活動を行なうことができる。所定の充填量は、充填筒31の容積、開口部31aの開口面積等に基づいて射程距離が長くなるように決定する。

0049

この装置に限定されず、開口部を有する箱体の側面や開口部に対向する後面をたたいて、衝撃波を与えてガスハイドレートHの粉粒体を噴出させることもできる。

0050

本発明のガスハイドレートHの消火剤は、単なる球形だけではなく、例えば、図6図10示すように表面溝21、表面凹部20または貫通孔19の少なくともいずれか1つを設けたガスハイドレートHの中粒体、小粒体を用いることができる。

0051

図6に示すガスハイドレートHの中粒体または小粒体の粒体Pには、貫通孔19が設けられ、図7に示す粒体Pには、一対の表面凹部20が、図8に示す粒体Pには表面溝21が設けられている。図9に示す粒体Pは、貫通孔19と表面溝21とを有し、図10に示す粒体Pは、一対の表面凹部20と表面溝21とを有している。

0052

表面溝21、表面凹部20または貫通孔19は、粒体Pが外力を受けた際に、粒体Pが小さく破砕等される起因となり、大きさ、形状、組合せは、適宜決定することができる。例えば、表面溝21の深さおよび幅、表面凹部20の深さおよび表面径、貫通孔19の表面径を粒体Pの外径の5〜30%程度として、粒体Pが外力を受けた際に小さく砕け易くする。

0053

このガスハイドレートHの粒体Pを噴出して火災現場の建物等に衝突させて、粒体Pを小さく破砕することによって、火炎を覆いまたは廻りを囲み易くして、火炎への酸素遮断を確実にして消火効果を向上させることが可能となる。

0054

破砕して小さくなる前のガスハイドレートHの粒体Pは、保存性に有利であるとともに、比較的遠くまで飛ばすことができ、また噴出方向を定め易いという効果もある。

0055

つぎに、使用する消火剤の状態について説明する。ガスハイドレートHを粉粒体にして、火炎の上方から噴出すると滞空時間が長く大気中を舞うので、火炎を覆うまたは廻りを囲むような酸素供給遮断膜を容易に形成することができ、消火効果が大きくなる。特に、風の影響が少ない室内火災を消火する場合に好適である。

0056

また、ガスハイドレートHを小粒体にすれば、消火剤を噴出する際の空気抵抗の影響が小さくなる。即ち、消火剤の射程距離を長くでき、比較的遠距離から消火活動をすることができ、噴出方向を定めるのも容易となる。

0057

また、ガスハイドレートHを中粒体にすれば、消火剤を噴出する際の空気抵抗の影響が比較的小さくなる。即ち、消火剤の射程距離を長くでき、比較的遠距離から消火活動をすることができ、噴出方向を定めるのも容易となる。特に、山林火災やコンビナート火災等の極めて火炎の勢いが強い場合に好適である。含水率が低いので、コンビナート火災等の化学火災に対しても安全に用いることができる。

0058

このようにガスハイドレート消火剤をHの水分を調整して処理し、形状を変えて消火剤の状態を変化させ、シャーベット状、中粒体、小粒体、粉粒体など火災現場に合致した消火剤を製造することができる。

0059

図11(a)に示すように、外径40cm、高さ12cmのボウル状燃焼なべ19にノルマルヘプタンL1を150cc注入した状態として、トーチ点火60秒後に燃焼なべ19の周りから150g分の球状の消火剤を火炎Aに投入して、消火することを共通の条件として、球径のみを表1のように変えた実施例1〜3の消化剤による投入から消火までに要する時間を評価し、その評価結果を表1に示す。その際に図11(b)に示すように、消火後の燃焼なべ19に残った液体L2のノルマルヘプタン量を調べた。

0060

0061

以上の結果より、実施例2と3の消火剤によって、燃焼なべ19内の火炎AをガスハイドレートHから放出された二酸化炭素Gで包んで消火することができ、十分な消火効果があることが確認できた。

0062

一方、実施例1の消火剤では多少、火炎Aは小さくなったが、消火できなかった。即ち、この時の残留液体L2には、ノルマルヘプタンがなく、燃え尽きて自然鎮火という結果であった。これは、実施例3の消火剤の外径が大きすぎて、包蔵している二酸化炭素Gで火炎を覆う状態をつくることができなかったためと考えられる。つまり、火炎Aの勢い等によって適切な大きさの消火剤を用いることで、効果的に消火ができることが確認できた。

図面の簡単な説明

0063

本発明に係る消火剤の製造装置の一例を示す説明図である。
本発明に係る消火剤を用いる消火装置の第一の実施形態を示す説明図である。
本発明に係る消火剤を用いる消火装置の第二の実施形態を示す説明図である。
本発明に係る消火剤を用いる消火装置の第三の実施形態を示す説明図である。
本発明に係る消火剤を用いる消火装置の第四の実施形態を示す説明図である。
本発明に係る消火剤の粒体の形状の一例を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
本発明に係る消火剤の粒体の形状の他の例を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
本発明に係る消火剤の粒体の形状のさらに他の例を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
本発明に係る消火剤の粒体の形状のさらに他の例を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
本発明に係る消火剤の粒体の形状のさらに他の例を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
本発明に係る消火剤の消火テストの方法を示す説明図であり、(a)は消火中、(b)は消火後の状態を示している。

符号の説明

0064

1ドラム本体
2水冷却器
3排出管
4貯蔵タンク
ガス循環ブロワ
6 貯蔵タンク冷却器
7 ドラム冷却器
8攪拌装置
9コンプレッサー
10製造装置
11 貯蔵タンク
12 室内
13供給装置
14 コンプレッサー
15噴出ノズル
16移送タンク
17 コンプレッサー
18 噴出ノズル
19貫通孔
20 表面凹部
21表面溝
22消火器
23タンク本体
24被覆材
25携帯用部材
26注入口
27取出
28ホース
29 噴出ノズル
30燃焼なべ
31充填筒31a 開口部
32噴出装置32a ピストン

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