図面 (/)

技術 粘着シートおよびその製造方法

出願人 王子タック株式会社王子ホールディングス株式会社
発明者 後藤貴史
出願日 2004年4月12日 (16年2ヶ月経過) 出願番号 2004-116718
公開日 2005年10月27日 (14年8ヶ月経過) 公開番号 2005-298674
状態 特許登録済
技術分野 積層体(2) 接着テープ 接着剤、接着方法
主要キーワード 連通隙間 接触面積率 余弦成分 口部内径 位相角δ シール印刷機 平面視正方形状 一次仕込み
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年10月27日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

優れたエアー抜き性および粘着性を兼ね備えた粘着シートおよびその製造方法を提供すること。

解決手段

表面基材2および該表面基材2の一方の面側に積層された粘着剤層3を備える粘着シート本体を有する粘着シートであって、前記粘着剤層3が、複数の凹部4と、該凹部4の外縁の少なくとも一部に隣接する外縁凸部5とを有することを特徴とする粘着シート。

概要

背景

粘着シートは、常温指圧程度の圧力で簡単に被着体粘着できるものであり、商業用、事務用、工程管理用物流管理用、家庭用等の広範囲にわたって、ラベルシールステッカーワッペン配送伝票等の形で使用されている。
粘着シートは一般的に、シート状の表面基材と、該表面基材上に積層された粘着剤層と、該粘着剤層上に積層された剥離シートから構成されており、被着体に対して一旦粘着させた後に剥がして貼り直しできる再剥離性粘着シートのような弱粘着タイプのものから、強粘着タイプのものまで、粘着力のレベルの異なる種々の粘着シートが開発されている。

一方、粘着シートには、被着体に貼付した際に空気(エアー)を巻き込み、被着体と粘着剤層との間にエアー溜まり、いわゆる「膨れ」ができやすく、外観を損ねるという問題がある。この問題は、特に、張り直しできない強粘着タイプの粘着シートに顕著である。
その「膨れ」の生じる原因の1つとして、粘着剤層表面が通常、平坦であることが考えられている。そのため、この「膨れ」を改善するために、粘着剤層表面に多数の凸部を設けることが提案されている(例えば特許文献1,2参照)。これは、粘着剤層表面に多数の凸部を設けることにより、該粘着シートを被着体に貼付した際、粘着シートと被着体との間に、外部に通じる連通隙間が形成されるようにしてエアー抜き性を付与したもので、該連通隙間を通って、巻き込まれたエアーが外部に抜けるようになっている。
また、このような粘着シートは、被着体に対する粘着力が弱く、貼付後に剥がして張り直すことができる再剥離性粘着シートである。これは、被着体に貼着した後も上記連通隙間が残っているため、被着体との接触面積が小さくなるためである。

このような凸部を有する粘着シートは、一般的に、剥離シートに粘着剤を塗布、乾燥し、表面基材と貼り合わせて製造する転写塗工法により製造されている。すなわち、図6に示すように、複数の貫通孔を設けた剥離シート101を用意し(図6(a))、該剥離シート101上に粘着剤を塗工して粘着剤層102を形成する。その際、該剥離シート101の貫通孔内に粘着剤の一部が流入することにより、粘着剤層102表面に多数の凸部が形成される(図6(b))。次いで、粘着剤層102に表面基材103を積層することにより粘着シートが得られる(図6(c))。
実開平6−20043号公報
特開2004−2805号公報

概要

優れたエアー抜き性および粘着性を兼ね備えた粘着シートおよびその製造方法を提供すること。表面基材2および該表面基材2の一方の面側に積層された粘着剤層3を備える粘着シート本体を有する粘着シートであって、前記粘着剤層3が、複数の凹部4と、該凹部4の外縁の少なくとも一部に隣接する外縁凸部5とを有することを特徴とする粘着シート。

目的

しかし、上記のような再剥離性粘着シートは、被着体との間の連通隙間が残っているため、被着体に対する密着性が低い。そのため、外観を損ねてしまったり、流通時や保管時に、様々な要因により剥がれてしまいやすいなどの問題がある。
剥がれの問題については、粘着力の強い粘着剤を用いることが考えられるが、粘着剤の粘着力が強くなると、エアー抜き性が低下して、「膨れ」の問題が生じやすくなる。また、再剥離性も低下するため、例えば間違った位置に貼り付けてしまうなどした場合に張り直しができない等の問題も生じる。
したがって、本発明の目的は、優れたエアー抜き性および密着性を兼ね備えた粘着シートおよびその製造方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
7件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

表面基材および該表面基材の一方の面側に積層された粘着剤層を備える粘着シート本体を有する粘着シートであって、前記粘着剤層が、複数の凹部と、該凹部の外縁の少なくとも一部に隣接する外縁凸部とを有することを特徴とする粘着シート。

請求項2

前記凹部が環状である請求項1記載の粘着シート。

請求項3

前記凹部の内側に、前記外縁凸部よりも高さが低い微小凸部を有する請求項2記載の粘着シート。

請求項4

前記外縁凸部が環状または三日月状である請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着シート。

請求項5

前記粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率が102〜107Paの範囲内である請求項1〜4のいずれか一項に記載の粘着シート。

請求項6

前記粘着シート本体の粘着剤層側表面に剥離シートが積層されており、該剥離シートが、前記粘着シート本体側表面に、前記凹部に対応する複数の凸部を有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の粘着シート。

請求項7

前記剥離シートの前記凸部が環状であり、その内側に貫通孔が設けられている請求項6記載の粘着シート。

請求項8

前記表面基材が、少なくとも一部に空隙部を有するものである請求項1〜7のいずれか一項に記載の粘着シート。

請求項9

再剥離性粘着シートである請求項1〜8のいずれか一項に記載の粘着シート。

請求項10

表面基材の一方の面側に粘着剤層を形成して粘着シート本体を得る工程と、該粘着シート本体の粘着剤層側の面と剥離シートとを貼り合わせる工程とを有する粘着シートの製造方法であって、前記剥離シートとして、前記粘着シート本体側の表面に複数の凸部を有する剥離シートを用い、前記粘着剤層に、複数の凹部と、該凹部の外縁の少なくとも一部に隣接する外縁凸部とを形成することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の粘着シートの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、粘着シートおよびその製造方法に関する。

背景技術

0002

粘着シートは、常温指圧程度の圧力で簡単に被着体粘着できるものであり、商業用、事務用、工程管理用物流管理用、家庭用等の広範囲にわたって、ラベルシールステッカーワッペン配送伝票等の形で使用されている。
粘着シートは一般的に、シート状の表面基材と、該表面基材上に積層された粘着剤層と、該粘着剤層上に積層された剥離シートから構成されており、被着体に対して一旦粘着させた後に剥がして貼り直しできる再剥離性粘着シートのような弱粘着タイプのものから、強粘着タイプのものまで、粘着力のレベルの異なる種々の粘着シートが開発されている。

0003

一方、粘着シートには、被着体に貼付した際に空気(エアー)を巻き込み、被着体と粘着剤層との間にエアー溜まり、いわゆる「膨れ」ができやすく、外観を損ねるという問題がある。この問題は、特に、張り直しできない強粘着タイプの粘着シートに顕著である。
その「膨れ」の生じる原因の1つとして、粘着剤層表面が通常、平坦であることが考えられている。そのため、この「膨れ」を改善するために、粘着剤層表面に多数の凸部を設けることが提案されている(例えば特許文献1,2参照)。これは、粘着剤層表面に多数の凸部を設けることにより、該粘着シートを被着体に貼付した際、粘着シートと被着体との間に、外部に通じる連通隙間が形成されるようにしてエアー抜き性を付与したもので、該連通隙間を通って、巻き込まれたエアーが外部に抜けるようになっている。
また、このような粘着シートは、被着体に対する粘着力が弱く、貼付後に剥がして張り直すことができる再剥離性粘着シートである。これは、被着体に貼着した後も上記連通隙間が残っているため、被着体との接触面積が小さくなるためである。

0004

このような凸部を有する粘着シートは、一般的に、剥離シートに粘着剤を塗布、乾燥し、表面基材と貼り合わせて製造する転写塗工法により製造されている。すなわち、図6に示すように、複数の貫通孔を設けた剥離シート101を用意し(図6(a))、該剥離シート101上に粘着剤を塗工して粘着剤層102を形成する。その際、該剥離シート101の貫通孔内に粘着剤の一部が流入することにより、粘着剤層102表面に多数の凸部が形成される(図6(b))。次いで、粘着剤層102に表面基材103を積層することにより粘着シートが得られる(図6(c))。
実開平6−20043号公報
特開2004−2805号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、上記のような再剥離性粘着シートは、被着体との間の連通隙間が残っているため、被着体に対する密着性が低い。そのため、外観を損ねてしまったり、流通時や保管時に、様々な要因により剥がれてしまいやすいなどの問題がある。
剥がれの問題については、粘着力の強い粘着剤を用いることが考えられるが、粘着剤の粘着力が強くなると、エアー抜き性が低下して、「膨れ」の問題が生じやすくなる。また、再剥離性も低下するため、例えば間違った位置に貼り付けてしまうなどした場合に張り直しができない等の問題も生じる。
したがって、本発明の目的は、優れたエアー抜き性および密着性を兼ね備えた粘着シートおよびその製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明者は、種々の材料について検討した結果、特定の構造の粘着剤層を有する粘着シートにより上記課題が解決されることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記粘着シートおよびその製造方法に関する。
(1)表面基材および該表面基材の一方の面側に積層された粘着剤層を備える粘着シート本体を有する粘着シートであって、
前記粘着剤層が、複数の凹部と、該凹部の外縁の少なくとも一部に隣接する外縁凸部とを有することを特徴とする粘着シート。
(2)前記凹部が環状である(1)記載の粘着シート。
(3)前記凹部の内側に、前記外縁凸部よりも高さが低い微小凸部を有する(2)記載の粘着シート。
(4)前記外縁凸部が環状または三日月状である(1)〜(3)のいずれか一項に記載の粘着シート。
(5)前記粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率が102〜107Paの範囲内である(1)〜(4)のいずれか一項に記載の粘着シート。
(6)前記粘着シート本体の粘着剤層側表面に剥離シートが積層されており、該剥離シートが、前記粘着シート本体側表面に、前記凹部に対応する複数の凸部を有する(1)〜(5)のいずれか一項に記載の粘着シート。
(7)前記剥離シートの前記凸部が環状であり、その内側に貫通孔が設けられている(6)記載の粘着シート。
(8)前記表面基材が、少なくとも一部に空隙部を有するものである(1)〜(7)のいずれか一項に記載の粘着シート。
(9)再剥離性粘着シートである(1)〜(8)のいずれか一項に記載の粘着シート。
(10)表面基材の一方の面側に粘着剤層を形成して粘着シート本体を得る工程と、該粘着シート本体の粘着剤層側の面と剥離シートとを貼り合わせる工程とを有する粘着シートの製造方法であって、
前記剥離シートとして、前記粘着シート本体側の表面に複数の凸部を有する剥離シートを用い、前記粘着剤層に、複数の凹部と、該凹部の外縁の少なくとも一部に隣接する外縁凸部とを形成することを特徴とする(1)〜(9)のいずれか一項に記載の粘着シートの製造方法。

発明の効果

0007

本発明により、優れたエアー抜き性および密着性を兼ね備えた粘着シートおよびその製造方法が提供できる。

発明を実施するための最良の形態

0008

以下、本発明を説明する。
≪粘着シート≫
本発明の粘着シートは、表面基材および該表面基材の一方の面側に積層された粘着剤層を備える粘着シート本体を有するものであり、該粘着剤層が、複数の凹部と、該凹部の外縁の少なくとも一部に隣接する外縁凸部とを有するという特定の表面構造を有することを特徴とするものである。
本発明の粘着シートは、このような表面構造を有することにより、優れたエアー抜き性および密着性を兼ね備えている。すなわち、本発明の粘着シートの粘着剤層表面は、基本的に、複数の凹部と、該凹部の外縁の少なくとも一部に隣接する外縁凸部と、それ以外の平坦な部分(平坦部)とから構成されている。そのため、被着体に対し、例えば位置決め等のために軽く貼り付けた仮貼着状態では、外縁凸部により、外部に通じる連通隙間が形成されているため、エアー抜き性に優れており、「膨れ」が生じにくい。また、この状態では被着体に対する密着性も低いため、粘着シートと被着体とを容易に再剥離することができる。一方、ローラー等を用いた圧着等により完全に貼着させる最終的な貼着処理を行った状態(完全貼着状態)では、外縁凸部が押し潰されて隣接する凹部内へと移行し、外部へ通じる連通隙間がほぼなくなり、粘着剤層表面の平滑性が向上する。その結果、被着体との接触面積が増大(密着性が向上)し、被着体から貼がれにくくなる。

0009

<表面構造>
以下、本発明における粘着剤層の表面構造の実施形態の一例を、図面を用いて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1,2は、本発明の粘着シートの第1実施形態である。図1(a)は平面図であり、図1(b)は、(a)に示す位置A−A’における断面図である。また、図2は、図1(b)の部分拡大図である。
本実施形態の粘着シートは、表面基材2と、該表面基材2の一方の面側に積層された粘着剤層3とからなる粘着シート本体1を有する。
粘着剤層3は、複数の円環状の凹部4と、該凹部4の外縁に隣接する円環状の外縁凸部5とを有している。また、凹部4の内側に、凹部4の底部4aよりも高さが高く、外縁凸部5の頂部5aよりも高さが低い微小凸部6を有している。
すなわち、本実施態様において、粘着剤層3の、表面基材2と反対側の表面は、凹部4と外縁凸部5と微小凸部6とからなる複数の円形部と、それ以外の平坦な部分(平坦部7)とから構成されている。

0010

円形部の大きさは、本発明の効果のためには、5〜2000μmが好ましく、10〜1500μmがより好ましく、50〜1000μmがさらに好ましい。
ここで、「円形部の大きさ」とは、外縁が外縁凸部5によって、または外縁凸部および凹部4によって形成される円形部の最大径を意味し、例えば本実施形態のように外縁凸部5が凹部4の外縁の全体にわたって形成されている場合には、該外縁凸部5の外縁と平坦部7との交点によって形成される環8の最大径である。また、後述する第2実施形態のように外縁凸部5が凹部の外縁の一部に形成されている場合には、外縁凸部5の外縁と、外縁凸部5が形成されていない部分の凹部4の外縁とによって形成される環の最大径である。
また、粘着剤層3における各円形部の間隔、すなわち各円形部の外縁間の最小距離は、本発明の効果のためには、200〜600μmが好ましく、300〜500μmがより好ましい。
また、粘着剤層3における各円形部の個数は、5個/cm2以上が好ましく、5〜10000個/cm2がより好ましい。

0011

円形部の高さ、すなわち外縁凸部5の高さは、1〜100μmが好ましく、5〜50μmがより好ましく、7〜35μmがさらに好ましい。下限値以上であると、仮貼着状態での通気性が良好で、エアー抜き性に優れる。一方、上限値以下であると、完全貼着状態とする際に外縁凸部が凹部内へと移行しやすい。そのため、連通隙間がなくなるだけでなく、さらに粘着剤層と被着体との間に残留するエアー(気泡)が殆どなくなるため、充分な密着性が得られる。
ここで、「外縁凸部5の高さ」とは、外縁凸部5の頂部5aから、平坦部7により構成される平面に下ろした垂線の長さ、すなわち図2におけるy−z間の長さを意味する。
なお、本実施形態においては、外縁凸部5として、全体の高さが均一な円環状のものを示しているが、本発明はこれに限定されず、例えば外縁凸部5の頂部5aの高さが部分的に異なっていてもよく、また、後述する第2の実施形態のように、環状でなくてもよい。その場合、「外縁凸部5の高さ」は、外縁凸部5の最大の高さを意味する。

0012

また、凹部4の底部4aと外縁凸部5の頂部5aとの距離、すなわち図2におけるx−z間の長さは、2〜150μmが好ましく、10〜100μmがより好ましい。なお、後述する本発明の粘着シートの製造方法において用いられる剥離シート表面の凸部の高さは、このx−z間の長さ以上である必要がある。

0013

図3は、本発明の粘着シートの第2実施形態である。図3(a)は平面図であり、図3(b)は断面図である。なお、図3において、上記第1実施形態に対応する構成要素には、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態は、外縁凸部15が、環状の凹部4の外縁の一部に隣接した三日月状の形状である点で上記第1実施形態と異なっている。

0014

なお、本発明において、「環状」は、上記2つの実施形態に示すような円形の環だけではなく、多角形の環、不定形の環等も含まれる。
また、上記2つの実施形態において、凹部4として環状のものを示したが、本発明において、凹部の形状はこれに限定されず、例えば、円筒形すり形、方形ひし形等の形状であってもよい。

0015

<粘着剤層>
上述のような表面構造を有する粘着剤層は、粘着剤およびその他の任意成分によって構成される。
[粘着剤]
本発明において、粘着剤層を構成する粘着剤としては、所望の粘着力及び貯蔵弾性率を得ることのできるものであれば、特に限定するものではなく、ゴム系、アクリル系、ビニルエーテル系等の任意の粘着剤が使用できる。これらの中でも、耐候性、透明性等に優れ、広範な用途に使用できることから、アクリル系粘着剤が好ましい。
アクリル系粘着剤としては、エマルジョン型溶剤型ホットメルト型等があり、本発明においては、いずれの型のものも使用できる。

0016

エマルジョン型アクリル系粘着剤
これらの中で、エマルジョン型アクリル系粘着剤は、安全面、品質面、コスト面から好ましく使用される。
エマルジョン型アクリル系粘着剤としては、例えば、少なくとも1種の(メタアクリル酸エステルの群から選択されたエステル基含有モノマーを主成分とし、これに、該エステル基含有モノマーと共重合可能な少なくとも1種のモノマーとを、乳化重合等により共重合させたコポリマーエマルジョンが挙げられる。

0017

(メタ)アクリル酸エステルの群から選択されたエステル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。

0018

エステル基含有モノマーと共重合可能なモノマーとしては、酢酸ビニルスチレンエチレン塩化ビニル塩化ビニリデンエチレン性不飽和カルボン酸架橋性モノマー、(α−メチル)スチレン、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
エチレン性不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸クロトン酸イタコン酸マレイン酸無水マレイン酸アルキル基炭素数が1〜12のモノアルキルマレートヒドロキシエチル(プロピル)モノマレート、フタル酸、イタコン酸のモノアルキルエステル等が挙げられる。
また、架橋性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシエチル、ポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマーグリシジル(メタ)アクリレートのようなエポキシ基含有モノマージビニルベンゼンジビニルシランジアリルフタレートシクロペンタジエンメチレンビスアクリルアミドジアリルマレート、テトラアリルオキシエタン等の不飽和結合を2個以上有するモノマーを挙げることができる。

0019

上記コポリマーは、公知の乳化共重合法(例えば、一次仕込み重合法、モノマー添加重合法、プレエマルジョン加重合法等)によって製造されたものが好ましい。
乳化重合において使用される乳化剤としては、例えば、オレイン酸カリウムラウリル酸ナトリウムドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムジアルキルスルホコハク酸ナトリウムポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウムポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル硫酸ナトリウムポリオキシエチレンジアルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルリン酸塩等のアニオン系界面活性剤;更にポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマーポリエチレングリコール脂肪酸エステルポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤等を例示できる。
また、乳化重合においては、重合度調整剤として、例えば、ドデシルメルカプタンメルカプトエタノールメルカプト酢酸などのメルカプタン類を使用しても良い。
更に、乳化分散能力を有する比較的低分子量の高分子化合物、例えば、ポリビニルアルコール、及びその変生物ポリアクリルアミドポリエチレングリコール誘導体ポリカルボン酸共重合体中和物カゼイン等を単独あるいは上記の乳化剤と併用して使用できる。
その他、必要に応じて増粘剤濡れ剤レベリング剤消泡剤等適宜添加してもよい。

0020

溶剤型アクリル系粘着剤
また、溶剤型アクリル系粘着剤は、モノマー組成適合方法で多様な性能を発現し易いという面から好ましく使用される。
溶剤型アクリル系粘着剤は、(メタ)アクリル酸共重合体およびその他の任意の成分を酢酸エチルトルエン等の溶媒に溶解させたアクリル系粘着剤組成物である。
アクリル系粘着剤組成物は、(メタ)アクリル酸共重合体を主成分とするものである。
(メタ)アクリル酸共重合体としては、例えば、下記モノマー(a)を60〜99質量%を含み、更に下記モノマー(b)を0.1〜10質量%、および、下記モノマー(c)を0〜39.9質量%を有するものが挙げられる。
モノマー(a):(メタ)アクリル酸の炭素数4〜18のアルキルエステルモノマー
モノマー(b):エチレン性不飽和カルボン酸含有モノマー
モノマー(c):上記(a)、(b)と共重合可能なその他のモノマー

0021

上記モノマー(a)としては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。
モノマー(a)は、(メタ)アクリル酸共重合体中に60〜99質量%、好ましくは70〜98質量%含まれるとよい。因みに、60質量%に満たないと初期接着力が低下してしまい、また99質量%を越える過剰な配合は、ラベルを貼り付けた際に、粘着剤がはみ出したり、凝集破壊の原因となる。

0022

モノマー(b)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、モノアルキルマレイン酸、モノアルキルイタコン酸、モノアルキルフマル酸等が挙げられる。
モノマー(b)は、(メタ)アクリル酸共重合体に0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%含まれるとよい。因みに、0.1質量%に満たない場合には、被着体への糊残りが生じ易く、また10質量%を越える過剰な配合は、経時的に剥離力が重くなるなどの問題がある。この成分は、粘着剤の付着力を付与し、官能基部分が架橋した場合には凝集力が向上する。

0023

モノマー(c)としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、ジビニルベンゼン、エチレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリル アミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリル アミド等のオレフィン系不飽和化合物等が例示できる。
モノマー(c)は、使用しなくてもよいが、添加する場合は共重合体中に39.9質量%程度までの範囲で、適宜配合することができる。この成分は、粘着剤の凝集力向上に効果がある。

0024

上記(メタ)アクリル酸共重合体の製造方法は、特に限定されず、塊状重合法溶液重合法懸濁重合法など任意の方法で重合される。
なお、重合時のモノマー濃度は、通常30〜70質量%、好ましくは40〜60質量%程度が適当である。
また、重合の際に使用される重合開始剤としては、例えば過硫酸カリウム過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、2,2’−アゾビスブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4’−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物過酸化水素ベンゾイルパーオキサイドラウリルパーオキサイド等の過酸化物、過硫酸アンモニウムと亜硫酸ソーダ酸性亜硫酸ソーダ等との組み合せからなる、所謂レドックス系の重合開始剤等が挙げられる。上記重合開始剤の使用量は、通常重合に供するモノマー全量に対して、0.2〜2質量%、より好ましくは、0.3〜1質量%の範囲で調節される。
さらに、共重合に際して添加する連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタン、ノニルメルカプタン、デシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸ノニル、チオグリコール酸−2−エチルヘキシル、β−メルカプトプロピオン酸−2−エチルヘキシル等のチオグリコール酸エステル類、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、1−メチル−4−イソプロピリデン−1−シクロヘキセン等を挙げることができる。特に、チオグリコール酸エステル類、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、1−メチル−4−イソプロピリデン−1−シクロヘキセンを使用した場合には、得られる共重合体が低臭気となり好ましい。なお、連鎖移動剤の使用量は、重合させる全モノマーの0.001〜3質量%程度の範囲で調節される。なお、重合反応は、通常40〜100℃の温度条件下、2〜8時間かけて行われる。
また、重合の際に、架橋剤を添加してもよい。架橋剤としては、イソシアネート系、エポキシ系、及びアルミキレート系等が挙げられるが、本発明では、表面基材と粘着剤の密着性が良好なイソシアネート系架橋剤を使用することが好ましい。表面基材と粘着剤の密着性が劣ると、のはみ出しによる印刷トラブルなどの問題を引き起こす。(メタ)アクリル酸共重合体とイソシアネート系架橋剤の割合は、(メタ)アクリル酸共重合体、架橋剤の種類によって異なり、一概にはいえないが、例えば(メタ)アクリル酸共重合体100質量部に対し、架橋剤0.01〜10質量部程度である。過少の場合は、粘着剤層が柔らかくなり、凸部の形成や糊のはみ出しが問題となる。また、過剰の添加は、各種被着体に対する接着力や密着性が劣るおそれがある。

0025

再剥離性粘着剤
本発明の粘着シートを再剥離性粘着シートとする場合、粘着剤として、再剥離性粘着剤を用いることが好ましい。
再剥離性粘着剤としては、ベース粘着剤であるアクリル酸エステル系共重合体の架橋剤として、内部架橋を有しかつ反応性の官能基を有するミクロゲルカルボジイミド等を含有するものが、表面基材との密着性や再剥離性の点で好ましい。
ベース粘着剤としては、反応性の官能基を有するアクリル酸エステル系共重合体のエマルジョンが用いられ、反応性の官能基としては、例えば、カルボキシル基ヒドロキシル基アルコキシメチル基メチロール基およびエポキシ基等が挙げられる。即ちアクリル酸エステル系共重合体のエマルジョンとしては、(メタ)アクリル酸エステル単量体と、α,β−不飽和カルボン酸ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシ(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリル アミドまたはグリシジル(メタ)アクリレート等の単量体との共重合体エマルジョンが例示される。

0026

ミクロゲルは、一般に、乳化重合により合成される、内部架橋を有するポリマー超微粒子である。このミクロゲルは、一般に使用されている架橋剤と異なり、内部架橋を有するため、一般の可塑剤により可塑化されにくく、また架橋剤でありながらポリマーとしての粘弾性性質を持つため、粘着剤の架橋密度を高めても、形成される粘着剤層が硬くなり過ぎないことで接着性の低下も少ない。
ミクロゲルは、前記アクリル酸エステル系共重合体と反応可能な官能基を有し、例えば、エポキシ基、水酸基、又はカルボキシル基等を有するものが好ましい。中でもエポキシ基を有するミクロゲルが好ましい。これにより、相対するベース粘着剤には一般にカルボキシル基やヒドロキシル基などの官能基が導入されており、これらのベース粘着剤と良好な架橋反応性を示す。
また、ミクロゲルの樹脂組成については、特に限定されることはなく、例えば、アクリル系、スチレン系、アクリル−スチレン系、エチレン−酢酸ビニル系、エチレン−酢酸ビニル−アクリル系、スチレン−ブタジエンSBR)系等の熱可塑性樹脂が挙げられ、中でもアクリル系樹脂からなるミクロゲルは、ベース粘着剤との相溶性も良好で、好ましく用いられる。
ミクロゲルの平均粒子径は、好ましくは30〜150nmの範囲であり、このようなミクロゲルとしては、例えば、荒川化学工業(株)社製のアラカワミクロゲル「ミストパール」が挙げられる。
本発明において、ミクロゲルの固形分使用量は、ベース粘着剤のアクリル酸エステル系共重合体の固形分100質量部に対して、1〜30質量部が好ましく、5〜20質量部がより好ましい。因みに1質量部未満では架橋密度が不足して、再剥離性に乏しく、また耐可塑剤性も不十分となる場合がある。一方30質量部を越えると架橋密度が高くなり過ぎ、接着性が不十分となる場合がある。

0027

カルボジイミドとは、カルボジイミド基を1つ以上有するものである。ここで、カルボジイミド基とはカルボジイミド(NH=C=NH)から水素が1つ又は2つ引き抜かれた基(NH=C=N−、−N=C=N−)を示す。なお、カルボジイミドはシアナミドNCNH2)と互変異性の関係にあるため、シアナミド基(NCNH−)もカルボジイミド基に含まれるものとする。
このようなカルボジイミド基を有する架橋剤の具体例としては、ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミドテトラメチルキシリレンカルボジイミド、ウレア変性カルボジイミド等を挙げることができる。

0028

[その他の任意成分]
粘着剤層は、必要に応じて他の任意成分を含有してもよい。他の任意成分としては、粘着性微球体、増粘剤、pH調整剤、消泡剤、防腐防黴剤顔料無機充填剤、安定剤、濡れ剤、湿潤剤等を挙げることができる。
さらに、粘着剤層には、粘着力の引張り速度依存性を変えたり、オレフィン系樹脂に対する接着性を向上させるために、タッキファイヤーを含有させることもできる。タッキファイヤーとしては、ロジン系樹脂テルペン系樹脂脂肪族系石油樹脂芳香族系石油樹脂水添石油樹脂スチレン系樹脂アルキルフェノール樹脂等が挙げられるが、ポリオレフィンに対する接着性が良好なため、ロジン系樹脂が好ましい。ロジン系樹脂としては、ロジン重合ロジン水添ロジンロジンエステル水添ロジンエステル等が挙げられる。
さらに、本発明の目的を阻害しない範囲で、洗浄水に対する濡れなじみ)を向上させるために、界面活性剤を添加してもよい。

0029

[密着性]
上述したように、本発明においては、粘着剤層が上記表面構造を有することにより、仮貼着状態では、粘着シートと被着体とを容易に再剥離することができ、一方、ローラー等を用いた圧着等により完全に貼着させる最終的な貼着処理を行った完全貼着状態では被着体から貼がれにくくなる密着性を有する。これは、仮貼着状態では被着体との接触面積が小さく、完全貼着状態では接触面積が増大するためである。
粘着シートの密着性は、貼着処理前後の被着体との接触面積、すなわち仮貼着状態および完全貼着状態における接触面積を測定することにより評価することができる。
本発明において、粘着剤層は、仮貼着状態での接触面積が、1〜65%であることが好ましく、8〜30%であることがより好ましい。
また、完全貼着状態での接触面積が65〜100%であることが好ましく、90〜100%であることがより好ましい。
上記接触面積は、光学式接触面積測定装置((株)溝工学工業所製マイクロポトグラフ)を用いて測定することができる。

0030

[貯蔵弾性率]
本発明において、粘着剤層には、粘着性、粘着剤のはみ出しがない、温度および経時変化による品質変化がない、仮貼着状態での凹部および外縁凸部の形状の安定性、完全貼着状態での被着体との密着性(気泡の混入がない)等の品質が要求される。これらのうち、粘着シートの温度による品質変化、完全貼着状態での被着体との密着性、および仮貼着状態での凹部および外縁凸部の形状の安定性は、上述したような表面構造の他に、粘着剤層の貯蔵弾性率G’、すなわち硬さを調節することによっても向上させることができる。
そのため、本発明において、粘着剤層は、25℃における貯蔵弾性率G’が102〜107Paの範囲内であることが好ましい。107Paを越えると、粘着剤層が硬くなり、上述のような表面構造が形成できないおそれがある。また、粘性が乏しくなり、被着体に貼付した際に塑性変形せず、完全貼着完了後もエアーの連通隙間が残る可能性がある。一方、102Pa未満であると、粘着剤層が柔らかくなり、上記表面構造の形状安定性が悪くなってその形状が維持できなくなり、例えば仮貼着ができないおそれがある。また、流動性が高くなり、粘着剤のはみ出し等の問題が発生する可能性もある。
貯蔵弾性率G’は、より好ましくは102〜106Paの範囲である。さらに、密着性の点で、102〜105Paがより好ましい。

0031

なお、本発明における貯蔵弾性率G’とは、動的粘弾性測定装置(測定装置の例として、オリエンテック製RHEOVIBRONDDV−25FP)を用いて約2mm厚の板状に成膜した粘着剤層を120℃等に加熱し、周波数1Hzで剪断変形させたときに得られる動的複素弾性率位相角δ余弦成分を指す。なお、粘着シートとした後に粘着剤層の貯蔵弾性率G’を測定する場合は、不純物が混入しないように粘着剤層を剥がし取り、これを測定試料にするとよい。

0032

貯蔵弾性率G’を制御する方法としては、特に制限はないが、粘着剤を構成するモノマー種配合比重合度を調整することにより行うことができる。たとえば粘着剤として、上記エマルジョン型アクリル系粘着剤を用いる場合、エステル基含有モノマーの比率を上げることにより貯蔵弾性率G’を低下させることができる。

0033

<表面基材>
表面基材は、特に限定されず、例えば紙類フィルム類等の、粘着シート分野で公知の支持体が使用できる。例えば、紙類の支持体としては、キャストコート紙アート紙、コート紙、上質紙等が挙げられる。また、フィルム類の支持体としては、ポリプロピレンポリエチレンポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル等の各種高分子フィルム使用可能であり、更には蒸着紙、合成紙、布、不織布、金属ホイル等が目的や用途に応じて適宜選択される。この中でも、耐熱性の点で、ポリエチレンテレフタレート、二軸延伸ポリプロピレンが好ましい。
また、これらの支持体の片面または両面に少なくとも一層の塗工層が設けられた積層体も表面基材として使用できる。

0034

表面基材としては、特に、その少なくとも一部に空隙部を有するものが好ましい。少なくとも一部に空隙部を有する表面基材は、それ自体がクッション性を有するため、例えば表面基材に印刷を施す場合や、被着体の表面が平坦でない場合などにおいて、表面基材の表面に印刷跡などの凸凹ができにくく、粘着シートの外観が平滑性の高い優れたものとなる。
ここで、「少なくとも一部に空隙部を有する表面基材」とは、支持体の全体または一部(例えば内部)、もしくは上記のような積層体の支持体および/または塗工層のうちの少なくとも1層が、発泡部、多孔質部等の空隙部を有するものである。このような空隙部を有する支持体としては、例えば合成紙、発泡PET、発泡PP等が挙げられる。

0035

表面基材の厚さは、20〜400μmの範囲内であることが好ましい。中でも、50μm以上のものが、印刷した場合の印刷跡がほとんどなく好ましい。

0036

<剥離シート>
本発明の粘着シートは、前記粘着シート本体の粘着剤層側表面に剥離シートが積層されていてもよい。
剥離シートとしては、一般的に用いられている剥離シート、例えば剥離シート基材、あるいは剥離シート基材上に剥離剤層を設けたもの等を用いることができるが、本発明においては、前記粘着シート本体側表面に、前記凹部に対応する複数の凸部を有する剥離シートを用いることが好ましい。これは、粘着剤層の表面に上述のような表面構造を設けるためには、後述する本発明の製造方法において、このような剥離シートを用いる必要があるためである。

0037

凸部の数、形状は、上記表面構造にあわせて決定すればよい。
すなわち、凸部の大きさとしては、最大径が5〜2000μmであることが好ましく、10〜1500μmであることがより好ましい。
また、凸部の個数としては、5個/cm2以上が好ましく、5〜10000ケ/cm2がより好ましい。
また、凸部の高さとしては、粘着剤層の外縁凸部の高さ以上であればよく、例えば外縁凸部の高さ+0〜50μmの範囲内であることが好ましい。

0038

また、剥離シートにおいては、凸部が環状であり、その内側に貫通孔が設けられていることが好ましい。これにより、後述する製造方法において、粘着剤層に表面構造を形成する際、剥離シートの凸部により押しのけられた粘着剤層の一部が該貫通孔内に移動し、上述した第1および第2実施形態に示した微小凸部6が形成される。

0039

図4に、このような剥離シートの一例を示す。図4(a)は平面図であり、図4(b)は図4(a)に示す位置B−B’における断面図である。
この剥離シート11は、一方の面11a側に、複数の環状の凸部12を有しており、該凸部の内側は、該剥離シートを貫通する貫通孔が設けられている。

0040

このような剥離シートは、例えば、平面状の剥離シートに対し、粘着剤層側表面に積層される側とは反対側から、エンボス加工を行う方法、ダイヤモンド粒子付きローラー、熱針、抜き刃等を押しあてる機械的方法、レ−ザ−光穿孔方法電子穿孔法プラズマ穿孔法、高圧放電穿孔法等が適用でき、剥離シートの材質、厚さ、通過速度、凸部の大きさ、形状等に応じて適宜選択することができる。

0041

剥離シート基材は、特に制限はなく、天然紙を基材としたものでも、プラスチックを基材としたものでも良い。例を挙げれば、グラシン紙、上質紙、コーテッド紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等のプラスチックフィルム、又はこれらのプラスチックを紙に片面又は両面にラミネートしたラミネート紙、金属箔、又は金属箔と紙、プラスチックフィルムとの貼り合わせ品等が挙げられる。
剥離剤としては、シリコン樹脂フッ素樹脂アミノアルキ樹脂ポリエステル樹脂等があり、エマルジョンや溶剤型または無溶剤型として使用されるが、好ましくはシリコン樹脂である。

0042

剥離シートの厚さ(凸部の高さを除く)は、取扱いの際の強度、凸部の形成しやすさ、コスト等を考慮すると、5〜150μmが好ましく、10〜130μmがより好ましい。

0043

剥離シートは、凸部以外の部分の表面は平滑であることが好ましいが、剥離性能コントロール上、粗面であってもかまわない。
また、剥離シート上に剥離剤を塗布する前に、剥離シート表面にコロナ放電フレーム処理オゾン処理等の表面処理を行なってもよい。

0044

[再剥離性粘着シート]
本発明の粘着シートは、再剥離性粘着シートとして好適なものである。すなわち、再剥離性粘着シートは、貼付してからある期間の後に被着体から容易に剥がすことができる機能を有する粘着シートである。再剥離性粘着シートは、例えば、製品を製造する工程間の管理ラベルや、商品流通過程での物流管理ラベルとして、必要な情報を印刷し、情報伝達の目的が不要となった時点でラベルを剥がす用途などに使われている。これら再剥離性粘着シートに対する要求品質は、被着体である物品への良好な接着性と、剥がすときには糊残りや基材が破断することなく容易にかつ綺麗に剥がせることの2点であるが、本発明の粘着シートは、上述したような完全貼着状態での密着性を有しながら、再剥離性をも併せ持つので、好適に用いられる。

0045

本発明の粘着シートは、下記本発明の粘着シートの製造方法により製造できる。

0046

≪粘着シートの製造方法≫
本発明の粘着シートの製造方法は、表面基材の一方の面側に粘着剤層を形成して粘着シート本体を得る工程(以下、工程(A)ということがある)を有する方法、すなわち、表面基材上に粘着剤層を直接形成する直接塗工法を用いる製造方法である。
本発明の粘着シートの製造方法は、さらに、工程(A)で得られる粘着シート本体の粘着剤層側の面と剥離シートとを貼り合わせる工程(以下、工程(B)ということがある)を有しており、この工程において、剥離シートとして、粘着シート本体側の表面に複数の凸部を有する剥離シートを用い、前記粘着剤層に、複数の凹部と、該凹部の外縁の少なくとも一部に隣接する外縁凸部とを形成することを特徴とする。

0047

以下、本発明を図面を用いて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図5は、本発明の粘着シートの製造方法の一例を示す流れ図である。
[工程(A)]
工程(A)では、表面基材2の一方の面2a上に、上述したような粘着剤およびその他の任意成分と、水等の溶媒とを含有する塗工液を塗工、乾燥して、表面がほぼ平滑な粘着剤層3’を設ける(図5(a))。
塗工液の塗工量は、乾燥質量で10〜50g/m2程度である。塗布量が10g/m2未満では、得られる粘着シートの接着性能が不十分となるおそれがあり、一方、50g/m2を超えると粘着剤のはみ出しが発生したり、コストが高くなり好ましくない。
塗工液の塗工装置としては、特に限定されず、リバースロールコーターナイフコーターバーコータースロットダイコーターエアーナイフコーターリバースグラビアコーターバリオグラビアコーターカーテンコーター等公知の塗工機が使用できる。

0048

[工程(B)]
工程(B)では、工程(A)で得られた粘着剤層3’と、上述したような、表面に複数の環状の凸部12を有する剥離シート11とを貼り合わせる(図5(b))。
これにより、粘着剤層3’の一部が凸部12により押しのけられ、複数の環状の凹部4が形成されると同時に、押しのけられた粘着剤層3’の一部が盛り上がり、外縁凸部5を形成する。これにより、複数の凹部4と、該凹部4の外縁の少なくとも一部に隣接する外縁凸部5とを有する粘着剤層3が形成される(図5(c))。
このとき、剥離シート11の凸部12が、内側に貫通孔が形成された環状であるため、凹部4は環状となり、その内側には微小凸部6が形成される。
このようにして、表面基材2と粘着剤層3とからなる粘着シート本体1に剥離シート11が積層された粘着シートが得られる。

0049

粘着剤層3’と剥離シート11’との貼り合わせは、金属ロールゴムロールによるNIP方式ギャップ式カレンダー等を用いて行うことができる。
NIP方式を用いる場合は、ゴムロールとしては耐熱性のあるものが良く、NIP圧としては5〜50N/cm程度が望ましい。

0050

このとき、剥離シートと粘着シート本体とを重ねた後、その状態で均一に圧力をかけると、粘着剤の表面に、凹部と、その外縁の全部に隣接する環状の外縁凸部が形成できる。
一方、シートの片側から圧力をかけていくと、凹部の外縁の一部(進行方向に対して後方)に外縁凸部を形成でき、例えば第2実施形態に示した三日月状の外縁凸部が形成できる。

0051

実施例1〜5
二軸延伸ポリプロピレンフィルム(王子製紙(株)製、商品名:PY—102#60厚さ60μm)を熱針穿孔処理し、その片面にシリコーン処理を施し剥離シートとした。この時、孔径は400μm、孔数は180ヶ/cm2であった。
次に、表面基材として厚さ60μmの合成紙((株)ユポ・コーポレーション製、商品名:ユポSGS60)に、表1に示すアクリルモノマー比(モル比)を有するアクリル酸エステル系の粘着剤を用い、該表面基材上に、乾燥後の塗工量が30g/m2となるようにコンマコーター直接法により塗工・乾燥して、表1に示す貯蔵弾性率の粘着剤層を形成した。この粘着剤層に、剥離シートを、ニップ方式で、約20N/cmで貼合せて粘着シートを得た。
実施例1〜5で得られた粘着シートの粘着剤層の表面には、環状の凹部と、該凹部の外縁の一部に隣接する三日月状の外縁凸部が形成されていた。

0052

実施例6〜10
表面基材として厚さ110μmの合成紙((株)ユポ・コーポレーション製、商品名:ユポSGS110)を使用した以外は実施例1〜5と同様にして粘着シートを得た。
実施例6〜10で得られた粘着シートの粘着剤層の表面には、環状の凹部と、該凹部の外縁の一部に隣接する三日月状の外縁凸部が形成されていた。

0053

実施例11〜15
表面基材として肉厚50μmのPETフィルム(三菱化学ポリエステル(株)製、商品名:ダイヤホイルS100−50)を使用した以外は実施例1〜5と同様にして粘着シートを得た。
実施例11〜15で得られた粘着シートの粘着剤層の表面には、環状の凹部と、該凹部の外縁の一部に隣接する三日月状の外縁凸部が形成されていた。

0054

実施例16
粘着剤層に、剥離シートを、ニップ方式で、約40N/cmで貼り合わせて粘着シートを得た以外は実施例1〜5と同様にして粘着シートを得た。
得られた粘着シートの粘着剤層の表面には、環状の凹部と、該凹部の外縁に隣接する環状の外縁凸部が形成されていた。

0055

実施例17
粘着剤(東洋インキ製、商品名:BPS−3841)を用いた以外は実施例1〜5と同様にして粘着シートを得た。
得られた粘着シートの粘着剤層の表面には、環状の凹部と、該凹部の外縁の一部に隣接する三日月状の外縁凸部が形成されていた。
実施例17で得られた粘着シートは、後述する[被着体接触面積]の評価において、圧着前の接触面積が10%、圧着後の接触面積が94%であり、また、エアー抜き性、外観等にも優れていた。さらに、再剥離性粘着シートとしても好適であった。

0056

比較例1
まず、坪量110g/m2の上質紙にポリエチレンを30μm厚さにラミネートし、さらに平面視正方形状の小凹部をエンボスロールにより形成して剥離紙を作製した。小凹部は、縦横に1mm間隔毎に配設し、開口部内径を0.3mmとし、かつ、深さを20μmに設定した。
上記剥離紙のラミネート面剥離処理面)にシリコーン樹脂を塗布し、この面に粘着剤(東洋インキ製、商品名:BPS−5160)を30g/m2塗布・乾燥して粘着剤層を形成した。
次いで、この粘着剤層に厚さ50μmのPETフィルムからなる表面基材を転写法により貼り合わせて、粘着シートを作製した。

0057

上記で得られた粘着シートについて、以下の評価を行った。その結果を表1〜3に示す。
なお、表1〜3中、BA:AA:MAは、アクリル酸ブチル:アクリル酸:アクリル酸メチルを表す。
[エアー抜け性]
高平滑なガラス板に、10cm×10cm角の粘着シートの剥離シートを剥がし、粘着シート本体を、該粘着シート本体の中央部にエアーが残るように軽く貼り付けた後、このエアーを押し出すように手で圧着した際のエアー抜けの状態を目視で以下のように評価した。
○:エアーが残っていなかった。
△:エアーがわずかに残っていたがフクレは見られなかった。
×:エアーが残ってフクレになった。
[被着体接触面積]
被着体(硬質ガラス)への加圧前後の接触面積は、光学式接触面積測定装置((株)溝尻工学工業所製 、商品名:マイクロポトグラフ)を用いて、粘着剤層と被着体との接触面積を以下の条件にて測定することにより、仮貼着状態および完全貼着状態における密着性を評価した。
サンプル寸法:3cm×3cm
仮貼着状態での接触面積:にて50gの荷重を30分かけて圧着した時の接触面積率
完全貼着状態での接触面積:錘にて2kgの荷重を1時間かけて圧着した時の接触面積率
[外観]
恩田製作所製シール印刷機OPM−W150−3Sを用い、使用インクとしてT&K TOKA製BESTCURE UV161を使用して印刷を行い、目視にて、粘着シート表面の平滑性(外観)を、以下のように評価した。
◎:印刷部に、剥離シートの凸部に由来する凹凸が全く見えない。
○:印刷部に、剥離シートの凸部に由来する凹凸がほとんど見えない。
△:印刷部に、剥離シートの凸部に由来する凹凸がわずかに見える。
×:印刷部に、剥離シートの凸部に由来する凹凸が見える。

0058

0059

0060

図面の簡単な説明

0061

本発明の第1実施形態の粘着シートの概略図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。
図1(b)の部分拡大図である。
本発明の第1実施形態の粘着シートの概略図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。
本発明で用いられる剥離シートの一例を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。
本発明の粘着シートの製造方法の一例を示す流れ図である。
従来の粘着シートの製造方法の一例を示す流れ図である。

符号の説明

0062

1…粘着シート本体、2…表面基材、3…粘着剤層、4…凹部、4a…凹部4の底部、5…外縁凸部、5a…外縁凸部の頂部、6…微小凸部、7…平坦部、8…環、11…剥離シート、12…凸部、13…貫通孔

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ