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技術 屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物、屈折率分布型レンズ、屈折率分布型レンズの製造方法、光学製品及び光学機器

出願人 日本板硝子株式会社
発明者 宮内太郎大川和哉柴達史松山富蔵
出願日 2004年4月5日 (16年8ヶ月経過) 出願番号 2004-110769
公開日 2005年10月20日 (15年2ヶ月経過) 公開番号 2005-289775
状態 特許登録済
技術分野 光学要素・レンズ ガラスの表面処理 ガラス組成物(第三版)
主要キーワード ガラス素線 平均変化率 ラインチャート Li含有率 レンズ周期 開口角θ lpm 面評価
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

鉛を含有せず、かつアルカリイオン易動度が抑制された高品質屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物屈折率分布型レンズ及びこの屈折率分布型レンズの製造方法を提供する。

解決手段

基本ガラス組成が、モル%で表示して、40≦SiO2≦65、1≦TiO2≦10、0≦MgO≦22、2≦Li2O≦18、2≦Na2O≦20、6≦Li2O+Na2O≦32、CaO、SrO、BaOのいずれか2つ以上が0.1以上15以下、であることを特徴とする屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物。このガラス組成物を用いた屈折率分布型レンズ及びその製造方法。このレンズを用いたレンズアレイ10等の光学製品及び光学機器

概要

背景

屈折率分布型レンズは、ロッド状あるいはファイバー状レンズであって、その断面内で中心から周辺部方向へ向けて変化する屈折率分布を有している。この屈折率分布は理想的には次式で表される。
n(r)=nc(1−Ar2/2)
ここで、ncはレンズ光軸中心屈折率、Aは屈折率分布定数、rは中心から半径方向の距離である。

この屈折率分布型レンズは、その両端面が平面でも光を結像できる特性を有している。このため、微小径のレンズに代表される小型のレンズも容易に作製でき、光学系部品として広く用いられている。

さらに、この屈折率分布型レンズをアレイ状に配列したロッドレンズアレイは、個々のレンズからの正立等倍像を重ねることにより大面積の像を対象とすることができる。またこのロッドレンズアレイは、レンズ端面の加工も平面研磨でよいという利点を有している。このため、複写機ファクシミリLEDプリンター、液晶シャッタープリンター、マルチファンクションプリンター等の結像光学素子として、広範な用途に使用されている。また、このレンズは通信用レンズとしても用いられる。

このような屈折率分布型レンズは、例えばイオン交換法により作製することができる。イオン交換法とは、図1の通り、修飾酸化物を構成し得る第1陽イオン(例えば、Li+)含有のガラス体2と、修飾酸化物を構成し得る第2陽イオン(例えば、Na+)含有の溶融塩4とを高温で接触せしめることによって、ガラス体中の第1陽イオンを溶融塩中の第2陽イオンで置換する方法である。なお、符号3はイオン交換炉を表わしている。

このイオン交換法によって、ガラスロッド内の第1陽イオンと第2陽イオンの分布を変化させることができる。このガラスロッド内のイオン濃度の分布によって、ガラスロッドの屈折率を、その断面の中心から周辺部に向かって変化させることができる。このようにして、屈折率分布型レンズを作製することができる(図2参照)。なお、符号6は屈折率分布曲線であり、その半径方向の位置における屈折率を表している。rは、中心から半径方向の距離、0はレンズ光軸中心、r0は半径、Ncはレンズ中心部の屈折率、Neはレンズ周面部の屈折率を表している。

本出願人は特公昭51−21594号公報において、Csを含むガラス硝酸カリウム溶融塩中でイオン交換し、色収差の優れた屈折率分布型レンズを開示している。

また、特公昭59−41934号公報において、屈折率分布型レンズ用のガラス組成物として、Li2OとNa2Oを含むガラス組成物を開示し、さらにこの組成物を用いて、より大きな開口角の屈折率分布型レンズを作製する方法も開示している。

さらに、特公平7−88234号公報において、Li2OとNa2Oを含むガラス組成物を用い、Li2O/Na2O(モル比)を1.25〜1.5として、13゜以上の開口角と90%以上の有効視野面積率を有する屈折率分布型レンズを開示している。

また、環境問題への配慮から、鉛フリーレンズが求められている。特に欧州では「使用済電気電子機器に関する指令(WEEE)」、「有害物質使用禁止指令(RoHS)」などの規制により、鉛の使用が禁止されている。

そこで、本出願人は、特開2001−139341号公報、特開2002−121048号公報、特開2002−211947号公報、特開2002−284543号公報において、酸化鉛を含まない屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物を開示している。
特公昭51−21594号公報
特公昭59−41934号公報
特公平7−88234号公報
特開2001−139341号公報
特開2002−121048号公報
特開2002−211947号公報
特開2002−284543号公報

概要

鉛を含有せず、かつアルカリイオン易動度が抑制された高品質な屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物、屈折率分布型レンズ及びこの屈折率分布型レンズの製造方法を提供する。基本ガラス組成が、モル%で表示して、40≦SiO2≦65、1≦TiO2≦10、0≦MgO≦22、2≦Li2O≦18、2≦Na2O≦20、6≦Li2O+Na2O≦32、CaO、SrO、BaOのいずれか2つ以上が0.1以上15以下、であることを特徴とする屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物。このガラス組成物を用いた屈折率分布型レンズ及びその製造方法。このレンズを用いたレンズアレイ10等の光学製品及び光学機器

目的

本発明は、鉛を含有せず、かつアルカリイオン易動度が抑制された高品質な屈折率分布型レンズ及びこの屈折率分布型レンズの製造方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

基本ガラス組成が、モル%で表示して、40≦SiO2≦65、1≦TiO2≦10、0≦MgO≦22、2≦Li2O≦18、2≦Na2O≦20、6≦Li2O+Na2O≦38、CaO、SrO、BaOのいずれか2つ以上が0.1以上15以下、であることを特徴とする屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物

請求項2

請求項1において、2≦Li2O<12、6≦Li2O+Na2O<32、であることを特徴とする屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物。

請求項3

請求項1において、0≦B2O3≦20、2≦MgO≦22、0≦CaO≦15、0.1≦SrO≦15、0.1≦BaO≦15、2≦CaO+SrO+BaO≦25、5≦MgO+CaO+SrO+BaO≦47、2≦Li2O<12、2≦Na2O≦15、6≦Li2O+Na2O<27、41≦SiO2+TiO2+B2O3+Al2O3≦70、0≦ZnO≦10、0≦Y2O3≦5、0≦ZrO2≦2、0≦ZnO+Y2O3+ZrO2+Nb2O5+In2O3+La2O3+Ta2O5≦15、であることを特徴とする屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物。

請求項4

請求項1において、0≦B2O3≦10、2≦MgO≦16、0≦CaO≦15、2≦SrO≦12、2≦BaO≦12、4≦CaO+SrO+BaO≦20、5≦MgO+CaO+SrO+BaO≦36、5≦Li2O<12、5≦Na2O≦15、10≦Li2O+Na2O<27、0≦K2O≦3、0≦Cs2O≦3、0.7≦Li2O/Na2O≦2、50≦SiO2+TiO2+B2O3+Al2O3≦70、0≦ZnO≦8、0≦Y2O3≦5、0.2≦ZrO2≦2、0.2≦ZnO+Y2O3+ZrO2+Nb2O5+In2O3+La2O3+Ta2O5≦10、であることを特徴とする屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物。

請求項5

請求項1において、2≦TiO2≦8、0≦B2O3≦10、2≦MgO≦16、0≦CaO≦15、2≦SrO≦12、2≦BaO≦12、4≦CaO+SrO+BaO≦20、5≦MgO+CaO+SrO+BaO≦36、5≦Li2O<12、5≦Na2O≦15、10≦Li2O+Na2O<27、0≦K2O≦3、0≦Cs2O≦3、0.7≦Li2O/Na2O≦2、50≦SiO2+TiO2+B2O3+Al2O3≦70、0≦ZnO≦8、0≦Y2O3≦5、0.2≦ZrO2≦2、0.2≦ZnO+Y2O3+ZrO2+Nb2O5+In2O3+La2O3+Ta2O5≦10、であることを特徴とする屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物。

請求項6

請求項3乃至5のいずれか1項において、1≦B2O3≦10であることを特徴とする屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物。

請求項7

請求項1乃至6のいずれか1項において、CaO/(CaO+SrO+BaO)、SrO/(CaO+SrO+BaO)及びBaO/(CaO+SrO+BaO)のいずれか2つ以上が0.1以上、であることを特徴とする屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物。

請求項8

請求項1乃至6のいずれか1項において、CaO/(CaO+SrO+BaO)、SrO/(CaO+SrO+BaO)及びBaO/(CaO+SrO+BaO)のいずれか2つ以上が0.2以上、であることを特徴とする屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物。

請求項9

イオン交換法により屈折率分布が形成された屈折率分布型レンズであって、該屈折率分布型レンズの基本ガラス組成が請求項1乃至8のいずれか1項であることを特徴とする屈折率分布型レンズ。

請求項10

第1のアルカリ金属含有ガラス素線を、少なくとも前記アルカリ金属と異なる第2のアルカリ金属含有の溶融塩に浸漬し、前記第1のアルカリイオンと前記第2のアルカリイオンをイオン交換処理することにより、前記ガラス素線に屈折率分布を形成する屈折率分布型レンズの製造方法において、前記ガラス素線の基本ガラス組成が請求項1乃至8のいずれか1項であることを特徴とする屈折率分布型レンズの製造方法。

請求項11

請求項9に記載の屈折率分布型レンズであって、ノイズ光を除去する手段が設けられたことを特徴とする屈折率分布型レンズ。

請求項12

請求項9または11に記載の屈折率分布型レンズを用いたことを特徴とする光学製品

請求項13

請求項12に記載の光学製品を用いたことを特徴とする光学機器

技術分野

0001

本発明は鉛を含有しておらず、かつ高品質屈折率分布型レンズの製造に適した屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物に関する。また、本発明は上記屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物を用いた屈折率分布型レンズ及びその製造方法に関する。さらに、本発明は、この屈折率分布型レンズを備えた光学製品及び光学機器に関する。

背景技術

0002

屈折率分布型レンズは、ロッド状あるいはファイバー状レンズであって、その断面内で中心から周辺部方向へ向けて変化する屈折率分布を有している。この屈折率分布は理想的には次式で表される。
n(r)=nc(1−Ar2/2)
ここで、ncはレンズ光軸中心屈折率、Aは屈折率分布定数、rは中心から半径方向の距離である。

0003

この屈折率分布型レンズは、その両端面が平面でも光を結像できる特性を有している。このため、微小径のレンズに代表される小型のレンズも容易に作製でき、光学系部品として広く用いられている。

0004

さらに、この屈折率分布型レンズをアレイ状に配列したロッドレンズアレイは、個々のレンズからの正立等倍像を重ねることにより大面積の像を対象とすることができる。またこのロッドレンズアレイは、レンズ端面の加工も平面研磨でよいという利点を有している。このため、複写機ファクシミリLEDプリンター、液晶シャッタープリンター、マルチファンクションプリンター等の結像光学素子として、広範な用途に使用されている。また、このレンズは通信用レンズとしても用いられる。

0005

このような屈折率分布型レンズは、例えばイオン交換法により作製することができる。イオン交換法とは、図1の通り、修飾酸化物を構成し得る第1陽イオン(例えば、Li+)含有のガラス体2と、修飾酸化物を構成し得る第2陽イオン(例えば、Na+)含有の溶融塩4とを高温で接触せしめることによって、ガラス体中の第1陽イオンを溶融塩中の第2陽イオンで置換する方法である。なお、符号3はイオン交換炉を表わしている。

0006

このイオン交換法によって、ガラスロッド内の第1陽イオンと第2陽イオンの分布を変化させることができる。このガラスロッド内のイオン濃度の分布によって、ガラスロッドの屈折率を、その断面の中心から周辺部に向かって変化させることができる。このようにして、屈折率分布型レンズを作製することができる(図2参照)。なお、符号6は屈折率分布曲線であり、その半径方向の位置における屈折率を表している。rは、中心から半径方向の距離、0はレンズ光軸中心、r0は半径、Ncはレンズ中心部の屈折率、Neはレンズ周面部の屈折率を表している。

0007

本出願人は特公昭51−21594号公報において、Csを含むガラス硝酸カリウム溶融塩中でイオン交換し、色収差の優れた屈折率分布型レンズを開示している。

0008

また、特公昭59−41934号公報において、屈折率分布型レンズ用のガラス組成物として、Li2OとNa2Oを含むガラス組成物を開示し、さらにこの組成物を用いて、より大きな開口角の屈折率分布型レンズを作製する方法も開示している。

0009

さらに、特公平7−88234号公報において、Li2OとNa2Oを含むガラス組成物を用い、Li2O/Na2O(モル比)を1.25〜1.5として、13゜以上の開口角と90%以上の有効視野面積率を有する屈折率分布型レンズを開示している。

0010

また、環境問題への配慮から、鉛フリーレンズが求められている。特に欧州では「使用済電気電子機器に関する指令(WEEE)」、「有害物質使用禁止指令(RoHS)」などの規制により、鉛の使用が禁止されている。

0011

そこで、本出願人は、特開2001−139341号公報、特開2002−121048号公報、特開2002−211947号公報、特開2002−284543号公報において、酸化鉛を含まない屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物を開示している。
特公昭51−21594号公報
特公昭59−41934号公報
特公平7−88234号公報
特開2001−139341号公報
特開2002−121048号公報
特開2002−211947号公報
特開2002−284543号公報

発明が解決しようとする課題

0012

従来の鉛フリーの屈折率分布型レンズは、鉛を無くす代わりにLi量を増やしている。これは、鉛がレンズの開口角の増加に必要な成分であるため、鉛を無くすためには、同じく開口角を増加させる効果を有するLiを鉛の代わりとして多量に入れる必要があるからである。また、レンズとしての特性を得るためには、Li及びNaをある一定範囲の比に保つ必要があり、Li量を増加させるとNa量も増加させる必要がある。

0013

アルカリイオン易動度は、ガラスマトリクス(Si、Ti、Ba、Sr等)、アルカリ濃度及び各アルカリ濃度比に左右される。一般的に、アルカリの濃度が高くなると、その分だけガラスマトリクス量が少なくなり、その結果、ガラスの骨格部分が疎となり、アルカリイオンが移動し易い構造となってアルカリイオンの易動度が増加する。従って、Liの濃度が高くなると、総アルカリ濃度が高くなり、アルカリイオン易動度が増加する。

0014

アルカリイオンの易動度が過度に大きいと次のような問題が生じる。
(1)耐候性が悪い
アルカリイオンが動き易いので、常温でもヤケが発生しやすく、品質低下を招く。
(2) 強度が低い
イオン交換法によってレンズの中心部から側面部にかけて組成勾配を形成する際、この組成勾配のためにレンズの中心部と側面部とで熱膨張係数差異が生じ、その結果、イオン交換処理後のレンズに反りが生じたり、レンズに残留応力が生じたりし、それが原因でクラックが生じる等の現象が起こり、レンズの強度が低下する。イオン交換処理温度を高くするとイオン交換処理時におけるガラスの粘性が低くなり、ガラス自体構造緩和によって反りや残留応力の発生が抑制されるが、一方、高温になると、一層イオンの移動速度が大きくなり、イオン交換が早く進みすぎてイオン交換の制御が困難となるため、再現性の高い高品質なレンズを製造することができなくなる。従って、高品質なレンズを製造するためには、イオン交換温度をガラス転移点以下にする必要があるが、その結果、レンズの強度は低下してしまう。なお、強度を向上させるためにイオン交換処理後にレンズ表面を強化する方法もあるが、その場合、手間がかかると共にコスト高となる。
(3)開口角の再現性がない
イオンが動きやすいため、イオン交換処理時にばらつきが生じやすい。このため、高品質なレンズを安定して得ることができない。
上記のアルカリイオン易動度の増加に起因する問題点の他に、従来の鉛フリーの屈折率分布型レンズは以下の問題点も有している。
(4)紡糸時に結晶化しやすい(失透しやすい)
Liが多いことに起因し、例えばBa−Ti−Oなどの結晶が生成することが原因である。
(5) レンズの色収差が大きい
TiO量が適切でないことが原因である。
(6)屈折率分布形成効率が低い
イオン交換の効率が悪いことが原因である。このため、レンズ形成のために大量のLiが必要となり、(1)〜(4)の問題の原因となると共に、コストがかかる。
(7) 粘性の温度依存性が大きい
粘性の温度依存性は組成に依存する。粘性の温度依存性が大きいとレンズ性能にばらつきが生じやすくなる。従って、上記(3)の項で記載したような問題が生じやすくなる。

0015

本発明は、鉛を含有せず、かつアルカリイオン易動度が抑制された高品質な屈折率分布型レンズ及びこの屈折率分布型レンズの製造方法を提供することを目的とする。

0016

また、本発明は、この屈折率分布型レンズに用いられる屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物、このガラス組成物を用いた屈折率分布型レンズを備えた光学製品、光学機器を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0017

本発明(請求項1)の屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物は、基本ガラス組成が、モル%で表示して、
40≦SiO2≦65、
1≦TiO2≦10、
0≦MgO≦22、
2≦Li2O≦18、
2≦Na2O≦20、
6≦Li2O+Na2O≦38、
CaO、SrO、BaOのいずれか2つ以上が0.1以上15以下、
であることを特徴とするものである。

0018

本発明(請求項2)の屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物は、請求項1において、
2≦Li2O<12、
6≦Li2O+Na2O<32、
であることを特徴とするものである。

0019

本発明(請求項3)の屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物は、請求項1において、
0≦B2O3≦20、
2≦MgO≦22、
0≦CaO≦15、
0.1≦SrO≦15、
0.1≦BaO≦15、
2≦CaO+SrO+BaO≦25、
5≦MgO+CaO+SrO+BaO≦47、
2≦Li2O<12、
2≦Na2O≦15、
6≦Li2O+Na2O<27、
41≦SiO2+TiO2+B2O3+Al2O3≦70、
0≦ZnO≦10、
0≦Y2O3≦5、
0≦ZrO2≦2、
0≦ZnO+Y2O3+ZrO2+Nb2O5+In2O3+La2O3+Ta2O5≦15、
であることを特徴とするものである。

0020

本発明(請求項4)の屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物は、請求項1において、
0≦B2O3≦10、
2≦MgO≦16、
0≦CaO≦15、
2≦SrO≦12、
2≦BaO≦12、
4≦CaO+SrO+BaO≦20、
5≦MgO+CaO+SrO+BaO≦36、
5≦Li2O<12、
5≦Na2O≦15、
10≦Li2O+Na2O<27、
0≦K2O≦3、
0≦Cs2O≦3、
0.7≦Li2O/Na2O≦2、
50≦SiO2+TiO2+B2O3+Al2O3≦70、
0≦ZnO≦8、
0≦Y2O3≦5、
0.2≦ZrO2≦2、
0.2≦ZnO+Y2O3+ZrO2+Nb2O5+In2O3+La2O3+Ta2O5≦10、
であることを特徴とするものである。

0021

本発明(請求項5)の屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物は、請求項1において、
2≦TiO2≦8、
0≦B2O3≦10、
2≦MgO≦16、
0≦CaO≦15、
2≦SrO≦12、
2≦BaO≦12、
4≦CaO+SrO+BaO≦20、
5≦MgO+CaO+SrO+BaO≦36、
5≦Li2O<12、
5≦Na2O≦15、
10≦Li2O+Na2O<27、
0≦K2O≦3、
0≦Cs2O≦3、
0.7≦Li2O/Na2O≦2、
50≦SiO2+TiO2+B2O3+Al2O3≦70、
0≦ZnO≦8、
0≦Y2O3≦5、
0.2≦ZrO2≦2、
0.2≦ZnO+Y2O3+ZrO2+Nb2O5+In2O3+La2O3+Ta2O5≦10、
であることを特徴とするものである。

0022

本発明(請求項6)の屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物は、請求項3乃至5のいずれか1項において、1≦B2O3≦10であることを特徴とするものである。

0023

本発明(請求項7)の屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物は、請求項1乃至6のいずれか1項において、CaO/(CaO+SrO+BaO)、SrO/(CaO+SrO+BaO)及びBaO/(CaO+SrO+BaO)のいずれか2つ以上が0.1以上、であることを特徴とするものである。

0024

本発明(請求項8)の屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物は、請求項1乃至6のいずれか1項において、CaO/(CaO+SrO+BaO)、SrO/(CaO+SrO+BaO)及びBaO/(CaO+SrO+BaO)のいずれか2つ以上が0.2以上、
であることを特徴とするものである。

0025

本発明(請求項9)の屈折率分布型レンズは、イオン交換法により屈折率分布が形成された屈折率分布型レンズであって、該屈折率分布型レンズの基本ガラス組成が請求項1乃至8のいずれか1項であることを特徴とするものである。

0026

本発明(請求項10)の屈折率分布型レンズの製造方法は、第1のアルカリ金属含有ガラス素線を、少なくとも前記アルカリ金属と異なる第2のアルカリ金属含有の溶融塩に浸漬し、前記第1のアルカリイオンと前記第2のアルカリイオンをイオン交換処理することにより、前記ガラス素線に屈折率分布を形成する屈折率分布型レンズの製造方法において、前記ガラス素線の基本ガラス組成が請求項1乃至8のいずれか1項であることを特徴とするものである。

0027

本発明(請求項11)の屈折率分布型レンズは、請求項9に記載の屈折率分布型レンズであって、ノイズ光を除去する手段が設けられたことを特徴とするものである。

0028

本発明(請求項12)の光学製品は、請求項9または11に記載の屈折率分布型レンズを用いたことを特徴とするものである。

0029

本発明(請求項13)の光学機器は、請求項12に記載の光学製品を用いたことを特徴とするものである。

発明の効果

0030

Ba、Sr、Ca及びMgは、この順にアルカリイオンの易動度を小さくする効力を有する。

0031

本発明の屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物では、ガラス組成物の組成を調整し、特にBaO、SrO及びCaOの量を特定することにより、アルカリイオンの易動度を調整することができる。本発明では、BaO、SrO、CaOのいずれか2つを必ず含むことにより、イオン交換時のアルカリ易動度を適度なものにすることができ、更に失透を抑制することができる。また、Li2O量を減らすことにより、易動度の調整を一層容易に行なうことができるとともに、総アルカリ濃度が低下するので、耐候性が向上するという効果も得られる。本発明では、Li2O量を減らしても、十分な開口角を有するレンズを得ることができる組成となっている。このように、本発明ではアルカリイオンの易動度を調整することができるので、ガラス組成物の粘性を低くするためにイオン交換処理温度を高くした場合であってもアルカリイオンの易動度を抑制することができ、その結果、残留応力が小さくて強度が高く、再現性の高い高品質の屈折率分布型レンズを得ることができる。また、レンズの反りを抑制することができる。

0032

本発明のガラス組成によれば、TiO2量を適性化したため、レンズの色収差が小さい屈折率分布型レンズを得ることができる。更に、本発明で得られたレンズをアレイ状に組立てる場合に、性能の良い屈折率分布型レンズアレイを得ることができ、高品質な光学製品、光学機器を得ることができる。

発明を実施するための最良の形態

0033

本発明(請求項1)の屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物は、基本ガラス組成が、モル%で表示して、
40≦SiO2≦65、
1≦TiO2≦10、
0≦MgO≦22、
2≦Li2O≦18、
2≦Na2O≦20、
6≦Li2O+Na2O≦38、
CaO、SrO、BaOのいずれか2つ以上が0.1以上15以下、
である。

0034

本発明による母材ガラス組成物において、上記各成分の組成範囲を限定した理由は、次のとおりである。
(SiO2)
SiO2はガラスの網目構造を形成する主要成分である。

0035

ガラス組成物中のSiO2の濃度が40モル%未満では、レンズ特性発現させるために、他の化学組成を相対的に大きくしなければならず、そのためにガラスの失透が発生しやすくなる。また40モル%未満とすると化学的耐久性が著しく低下する。

0036

一方、SiO2の濃度が65モル%を超えると、屈折率分布を形成するためのアルカリ成分屈折率増加成分、物性値調整成分等の濃度が制限されてしまう。このため、屈折率分布を付与するための実用的なガラス組成物を得ることが極めて困難になる。

0037

したがって、SiO2の濃度を40モル%以上、65モル%以下とする。
(TiO2)
TiO2は母材ガラス組成物の屈折率を増大させる成分で、母材ガラス組成物の必須成分である。母材ガラス組成物の屈折率を増大させることにより、屈折率分布型レンズの中心屈折率を高くすることができる。その結果、イオン交換後のレンズの中心屈折率が増大し、開口角θを大きくすることができる。さらに、TiO2を増加させることにより、屈折率分布が理想的な分布状態に近づき解像度が良化する。TiO2を10モル%としたところ、解像度の低下は観察されなかった。一方、1モル%未満とした場合、明らかに解像度が低下するので、レンズとしては実用的でない。

0038

一方、TiO2の濃度が10モル%を超えると、極端な着色が認められる。このため、着色を原因として色収差が大きくなるために、レンズの母材ガラスとして実用的でない。

0039

色収差が小さく、解像度の高いレンズを得るためには、TiO2の濃度を1モル%以上、10モル%以下とする。より好ましくは、2モル%以上、8モル%以下とする。

0040

(MgO)
MgOは、母材ガラスの溶融温度を低下させ、イオン交換後のレンズ中心部と外周部での屈折率差(=Δn)を大きくするための成分である。従来、鉛フリーレンズでは、MgOは必須成分であったが、MgOを他のアルカリ土類に代えても、レンズとして十分な性能を得ることができることを本発明者らは見出した。

0041

MgOの濃度が22モル%を超えると、母材ガラスの失透が発生し易くなる。さらに、22モル%を超えてMgOを含有させても、その他の成分の添加量を極端に減少させてしまうので、実用的なガラスを得ることが困難となる。

0042

MgOが2モル%未満であると、他のアルカリ土類量を増加させることによって、十分な屈折率差を得る、イオン易動度を下げるという効果を得る必要がでてくるため、CaO、SrO、BaOの好ましい濃度を考慮すると、好ましくは2モル%以上のMgOを含有するほうが望ましい。

0043

したがって、MgOの濃度を0モル%以上、22モル%以下とする。より好ましくは2モル%以上、22モル%以下、更に好ましくは2モル%以上、16モル%以下とする。

0044

(Li2O)
Li2Oは、本発明の母材ガラス組成物が適用されるイオン交換において、最も重要な成分の一つである。
ガラス組成物中のLi2Oの濃度が2モル%未満であれば、屈折率分布を形成させるイオン交換によって付与される濃度分布の差を大きくすることができない。その結果、レンズとしての機能を得ることができない。

0045

一方、Li2Oの濃度が18モル%を超えると、ガラスの失透が発生し易くなり、レンズの母材ガラスの作成が困難になる。加えて、耐候性が悪化してしまう。
したがって、Li2Oの濃度を2モル%以上、18モル%以下とする。好ましくは2モル%以上、12モル%以下、より好ましくは2モル%以上、12モル%未満、更に好ましくは5モル%以上、12モル%以下、最も好ましくは5モル%以上、12モル%未満とする。

0046

(Na2O)
Na2Oは、イオン交換の際に、いわゆる混合アルカリ効果によって、Liと置換されるイオン交換種のイオン(溶融塩中に含有されるイオン)とのイオン交換を助け、イオンの易動度を適度に保つ効果がある。イオン易動度を適度に保つことで、イオン交換速度を適度に調整でき、光学特性を調整することが可能となる。

0047

ガラス組成物中のNa2Oの濃度が2モル%未満では、ガラス成形時にガラスが硬くなるので、成形が困難となる。加えて、母材ガラスの溶融温度が著しく上昇してしまい、レンズの母材ガラスの作製が困難となる。また、イオンの易動度を適度に保つ効果を十分に得ることができない。

0048

一方、Na2Oの濃度が20モル%を超えると、母材ガラスの化学耐久性が低下してしまい、実用性欠けてしまう。

0049

したがって、Na2Oの濃度を2モル%以上、20モル%以下とする。より好ましくは2モル%以上、15モル%以下、更に好ましくは5モル%以上15モル%以下とする。

0050

(Li2O+Na2O)
本発明の母材ガラス組成物では、Li2OとNa2Oの合量を、6≦Li2O+Na2O(モル%)≦38の範囲とした。この範囲では、良好な解像度を得ることができる。好ましくは、6≦Li2O+Na2O(モル%)<32、より好ましくは6≦Li2O+Na2O(モル%)<27、更に好ましくは10≦Li2O+Na2O(モル%)<27の範囲とする。

0051

(Li2O/Na2O)
Li2OとNa2Oの比率は、0.7≦Li2O/Na2O(モル%比)≦2の範囲が好ましい。

0052

例えば、レンズとして高い解像度を要求される場合は、0.7≦Li2O/Na2O≦1.5の範囲を選択するとよい。この範囲では、最も良好な解像度を得ることができる。

0053

また、レンズとして大きな開口角θを要求される場合は、1.0≦Li2O/Na2O≦2.0の範囲を選択するとよい。この範囲では、レンズの開口角θを極大とすることができる。

0054

(CaO、SrO、BaO)
CaO、SrO、BaOは母材ガラス組成物のアルカリイオン易動度を小さくする成分として、極めて重要な成分である。

0055

CaO、SrO、BaOのいずれか2つ以上が0.1モル%未満であると、1つのアルカリ土類酸化物の濃度が大きくなり、エントロピーが低下することになり、その濃度の大きくなったアルカリ土類酸化物に起因する結晶が生じやすく、失透しやすくなる。

0056

一方、CaO、SrO、BaOのいずれか2つ以上が15モル%を超えると、増加したアルカリ土類種に起因する結晶が生じやすく、失透しやすくなるため、レンズ用のガラスとして適さない。

0057

したがって、CaO、SrO、BaOのいずれか2つ以上の濃度を0.1モル%以上15モル%以下とする。好ましくは2モル%以上12モル%以下とする。

0058

なお、BaOだけでもイオン交換速度を小さくすることは可能であるが、SrOを加えることにより、ガラス成形時の結晶化を抑制できるという効果が得られる。即ち、Baの一部をSrに置換することにより、例えばBa−Ti−Oを含む結晶の生成が抑制され、ガラス成形時の結晶化(失透)を抑制することができる。

0059

BaO、SrO、CaOは、この順番でアルカリイオン易動度を低下させる効果が高い。従って、好ましくはSrO、BaOの濃度を0.1モル%以上15モル%以下とし、CaOの濃度を0モル%以上15モル%以下とする。より好ましくは、SrO、BaOの濃度を2モル%以上12モル%以下とし、CaOの濃度を0モル%以上15モル%以下とする。

0060

CaO+SrO+BaOは2〜25モル%、特に4〜20モル%であることが好ましい。

0061

MgO+CaO+SrO+BaOは5〜47モル%、特に5〜36モル%であることが好ましい。

0062

アルカリイオン交換速度の適当な値は線径により異なり、より太いレンズではよりイオン交換速度が速くなってもイオン交換終了までの時間がかかるので、構造緩和のための十分な時間を取れるため、十分な性能のレンズが得られる。従って、生産コストとの兼合いで、レンズ線径に応じてBaOの代わりにCaOやMgOを用い、アルカリ土類の濃度を調節することができる。

0063

CaO/(CaO+SrO+BaO)、SrO/(CaO+SrO+BaO)及びBaO/(CaO+SrO+BaO)のいずれか2つ以上は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上である。0.1未満であると、CaO、SrO、BaO中、1つのアルカリ土類酸化物の濃度比が大きくなりエントロピーが低下することになり、その濃度の大きくなったアルカリ土類酸化物に起因する結晶が生じやすく、失透しやすくなるため、レンズ用のガラスとして適さない。

0064

本発明のガラス組成物は、さらに下記の成分を含んでもよい。

0065

(B2O3)
B2O3は、ガラスの網目構造を形成する成分である。また、若干ではあるが、イオン交換速度を遅くする効果も有する。

0066

B2O3は、得られるレンズの解像度や開口角θをほぼ変化させることなく、ガラス化を促進させ、ガラスの粘性を調整することができる成分である。ところで、必須成分の間の比率が目的とする値であっても、組成物としては相対的に一部の成分量が多くなり過ぎ、例えば失透を起こしてしまう場合がある。このような場合には、必須成分の間の比率を変えることなく、相対的に多くなる成分濃度を抑えるために、このB2O3を含ませるとよい。

0067

得られるレンズの解像度と開口角θを変化させることなく、添加できるB2O3の量は20モル%以下である。したがって、B2O3の濃度を0モル%以上、20モル%以下とする。好ましくは0モル%以上、10モル%以下、更に好ましくは1モル%以上、10モル%以下とする。

0068

なお、SiO2+TiO2+B2O3+Al2O3は41モル%以上、70モル%以下である。好ましくは50モル%以上70モル%以下である。Al2O3は、好ましくは0〜10mol%加えることができる。

0069

(ZnO、Y2O3、ZrO2、Nb2O5、In2O3、La2O3、Ta2O5)
屈折率調節、耐候性向上のために、上記成分を次の割合で含有させることができる。上記成分の総量は0モル%以上、15モル%以下が好ましく、より好ましくは0.2モル%以上、10モル%以下である。

0070

ZnOの濃度は0モル%以上、10モル%以下が好ましく、より好ましくは0モル%以上、8モル%以下である。

0071

Y2O3の濃度は0モル%以上、5モル%以下が好ましい。

0072

ZrO2の濃度は0モル%以上、2モル%以下が好ましく、より好ましくは0.2モル%以上2モル%以下である。

0073

(K2O、Cs2O)
K2O、Cs2Oは、混合アルカリ効果により、Mg、Ca、Sr、Baと同様、アルカリイオンの易動度を小さくする成分である。K2Oの濃度は0モル%以上、3モル%以下、Cs2Oの濃度は0モル%以上、3モル%以下であることが好ましい。

0074

本発明の屈折率分布型レンズは、イオン交換法により屈折率分布が形成された屈折率分布型レンズであって、該屈折率分布型レンズの母材ガラス組成が上記本発明組成よりなるものである。

0075

また、このレンズは、用途により、開口角より大きな入射光レンズ側面反射し発生するノイズ光を除去する手段が設けられることが好ましい。

0076

レンズ側面に吸収層または散乱層を設けることにより、ノイズ光を除去または低減することが可能である。具体的には、レンズ側面に着色層を設けて、コアクラッド構造のレンズとするか、レンズ側面に微細凹凸を設ける等の方法がある。なお、ノイズ光とはいわゆるホワイトノイズ迷光)のことを指す。

0077

本発明の光学製品は、この屈折率分布型レンズを、光軸が略平行となるように、0次元から2次元までアレイ状に配列したことを特徴としてもよい。

0078

本発明のレンズをアレイ状に配列することにより、小径レンズ素子を用いて広範囲の正立等倍像を得ることができる。

0079

本発明の光学機器は、これらの光学製品を用いたものである。

0080

本発明のレンズは使用光源の波長に依存する色収差が小さく、カラースキャナー用途として特に好適である。

0081

なお、本発明のガラス組成においては、Nb2O5、In2O3、La2O3、Ta2O5をそれぞれ0〜5mol%、GeO2を0〜10mol%加えることができる。また、添加物としてSnO2、As2O3、Sb2O3をそれぞれ0〜1mol%加えても良い。

0082

また、以下の構成でも本発明と同様の効果を得ることが可能である。

0083

(構成1)
基本ガラス組成が、モル%で表示して、
40≦SiO2≦65、
1≦TiO2≦10、
0≦MgO<2、
2≦Li2O≦18、
2≦Na2O≦20、
6≦Li2O+Na2O≦38、
CaO、SrO、BaOのいずれか2つ以上が0.1以上15以下、
であることを特徴とする屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物。

0084

(構成2)
基本ガラス組成が、モル%で表示して、
60<SiO2≦65、
1≦TiO2≦10、
0≦MgO≦22、
2≦Li2O≦18、
2≦Na2O≦20、
6≦Li2O+Na2O≦38、
CaO、SrO、BaOのいずれか2つ以上が0.1以上15以下、
であることを特徴とする屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物。

0085

(構成3)
基本ガラス組成が、モル%で表示して、
40≦SiO2≦65、
1≦TiO2<2、
0≦MgO≦22、
2≦Li2O≦18、
2≦Na2O≦20、
6≦Li2O+Na2O≦38、
CaO、SrO、BaOのいずれか2つ以上が0.1以上15以下、
であることを特徴とする屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物。

0086

(構成4)
基本ガラス組成が、モル%で表示して、
40≦SiO2≦65、
1≦TiO2≦10、
0≦MgO≦22、
2≦Li2O≦18、
13<Na2O≦20、
15<Li2O+Na2O≦38、
CaO、SrO、BaOのいずれか2つ以上が0.1以上15以下、
であることを特徴とする屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物。

0087

(構成5)
構成2、3のいずれかにおいて、
0≦B2O3≦20、
2≦MgO≦22、
0≦CaO≦15、
0.1≦SrO≦15、
0.1≦BaO≦15、
2≦CaO+SrO+BaO≦25、
5≦MgO+CaO+SrO+BaO≦47、
2≦Li2O≦12、
2≦Na2O≦15、
6≦Li2O+Na2O≦27、
41≦SiO2+TiO2+B2O3+Al2O3≦70、
0≦ZnO≦10、
0≦Y2O3≦5、
0≦ZrO2≦2、
0≦ZnO+Y2O3+ZrO2+Nb2O5+In2O3+La2O3+Ta2O5≦15、
であることを特徴とする屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物。

0088

(構成6)
構成4において、
0≦B2O3≦20、
2≦MgO≦22、
0≦CaO≦15、
0.1≦SrO≦15、
0.1≦BaO≦15、
2≦CaO+SrO+BaO≦25、
5≦MgO+CaO+SrO+BaO≦47、
2≦Li2O≦12、
13<Na2O≦15、
15<Li2O+Na2O≦27、
41≦SiO2+TiO2+B2O3+Al2O3≦70、
0≦ZnO≦10、
0≦Y2O3≦5、
0≦ZrO2≦2、
0≦ZnO+Y2O3+ZrO2+Nb2O5+In2O3+La2O3+Ta2O5≦15、
であることを特徴とする屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物。

0089

(構成7)
構成2、3のいずれかにおいて、
0≦B2O3≦10、
2≦MgO≦16、
0≦CaO≦15、
2≦SrO≦12、
2≦BaO≦12、
4≦CaO+SrO+BaO≦20、
5≦MgO+CaO+SrO+BaO≦36、
5≦Li2O≦12、
5≦Na2O≦15、
10≦Li2O+Na2O≦27、
0≦K2O≦3、
0≦Cs2O≦3、
0.7≦Li2O/Na2O≦2、
50≦SiO2+TiO2+B2O3+Al2O3≦70、
0≦ZnO≦8、
0≦Y2O3≦5、
0.2≦ZrO2≦2、
0.2≦ZnO+Y2O3+ZrO2+Nb2O5+In2O3+La2O3+Ta2O5≦10、
であることを特徴とする屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物。

0090

(構成8)
構成4において、
0≦B2O3≦10、
2≦MgO≦16、
0≦CaO≦15、
2≦SrO≦12、
2≦BaO≦12、
4≦CaO+SrO+BaO≦20、
5≦MgO+CaO+SrO+BaO≦36、
5≦Li2O≦12、
13<Na2O≦15、
18<Li2O+Na2O≦27、
0≦K2O≦3、
0≦Cs2O≦3、
0.7≦Li2O/Na2O≦2、
50≦SiO2+TiO2+B2O3+Al2O3≦70、
0≦ZnO≦8、
0≦Y2O3≦5、
0.2≦ZrO2≦2、
0.2≦ZnO+Y2O3+ZrO2+Nb2O5+In2O3+La2O3+Ta2O5≦10、
であることを特徴とする屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物。

0091

(構成9)
構成2において、
2≦TiO2≦8、
0≦B2O3≦10、
2≦MgO≦16、
0≦CaO≦15、
2≦SrO≦12、
2≦BaO≦12、
4≦CaO+SrO+BaO≦20、
5≦MgO+CaO+SrO+BaO≦36、
5≦Li2O≦12、
5≦Na2O≦15、
10≦Li2O+Na2O≦27、
0≦K2O≦3、
0≦Cs2O≦3、
0.7≦Li2O/Na2O≦2、
50≦SiO2+TiO2+B2O3+Al2O3≦70、
0≦ZnO≦8、
0≦Y2O3≦5、
0.2≦ZrO2≦2、
0.2≦ZnO+Y2O3+ZrO2+Nb2O5+In2O3+La2O3+Ta2O5≦10、
であることを特徴とする屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物。

0092

(構成10)
構成4において、
2≦TiO2≦8、
0≦B2O3≦10、
2≦MgO≦16、
0≦CaO≦15、
2≦SrO≦12、
2≦BaO≦12、
4≦CaO+SrO+BaO≦20、
5≦MgO+CaO+SrO+BaO≦36、
5≦Li2O≦12、
13<Na2O≦15、
18<Li2O+Na2O≦27、
0≦K2O≦3、
0≦Cs2O≦3、
0.7≦Li2O/Na2O≦2、
50≦SiO2+TiO2+B2O3+Al2O3≦70、
0≦ZnO≦8、
0≦Y2O3≦5、
0.2≦ZrO2≦2、
0.2≦ZnO+Y2O3+ZrO2+Nb2O5+In2O3+La2O3+Ta2O5≦10、
であることを特徴とする屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物。

0093

(構成11)
構成9、10のいずれかにおいて、1≦B2O3≦10であることを特徴とする屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物。

0094

(構成12)
構成1乃至11のいずれか1項において、CaO/(CaO+SrO+BaO)、SrO/(CaO+SrO+BaO)及びBaO/(CaO+SrO+BaO)のいずれか2つ以上が0.1以上、であることを特徴とする屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物。

0095

(構成13)
構成7乃至11のいずれか1項において、CaO/(CaO+SrO+BaO)、SrO/(CaO+SrO+BaO)及びBaO/(CaO+SrO+BaO)のいずれか2つ以上が0.2以上、であることを特徴とする屈折率分布型レンズ用母材ガラス組成物。

0096

以下、実施例及び比較例を用いて本発明をより詳細に説明する。

0097

まず、表1、2に記載した各成分を調合溶融し、母材ガラス組成物を作成し、ファイバー状のガラス素線(直径300μm)に成形した。表1、2に示した条件で、このガラス素線をそれぞれ実施例ごとのガラス組成に対するガラス転移温度(表1、2中のイオン交換温度)に加熱した硝酸ナトリウム溶融塩中に浸漬してイオン交換処理(図1参照)を施した。各組成ごとに最適なイオン交換時間が存在し、最適時間より短い場合も長い場合もレンズは形成されないため、各組成ごとの最適なイオン交換時間でイオン交換処理を行った。なお、最適イオン交換時間が長すぎるとコストがかかり、短すぎるとレンズ形成の制御が難しくなる。

0098

0099

0100

この結果、ガラス素線中のLiイオンが、混合溶融塩中のNaイオンとイオン交換され、その濃度分布に基づく屈折率分布が形成される。こうして、屈折率分布型レンズを作製した(図2参照)。

0101

母材ガラス及び作製した屈折率分布型レンズについて、以下の評価を行った。
(1)失透評価
母材ガラスを直径約1mm程度に粉砕し、メタノールで充分に洗浄した後、長さ200mm、幅12mm、深さ8mmの白金性のボートに均一に入れて一旦1300℃で1時間溶融した後、600〜1025℃の勾配炉で12、18、24、48、100時間保持した。

0102

保持後、取り出したガラスを顕微鏡で観察し、失透が生じているか否かを観察した。
A:100時間以上でも失透しない、B:48時間で失透、C:24時間で失透、D:18時間で失透、E:12時間で失透、として評価を行った。例えば工業的にガラスを成形する際には、C以上の評価であることが好ましい。

0103

(2)像面評価
レンズ性能は以下の方法で評価した。まず、屈折率分布型レンズを適当な長さ(周期長P)に切断し、両端面を平行に鏡面研磨した。周期長Pは図5に示すPのことである。図5において、P(630)は波長630nmにおける一周期長、P(530)は波長530nmにおける一周期長、P(470)は波長470nmにおける一周期長、rはレンズ半径を表す。該レンズの片側の端面に格子状のパターンを接触させ、その像の形状からレンズ性能を評価した。
像パターン端面全体にわたって歪みなく明瞭に映っているものを◎、
端面の中心部は明瞭だが周辺部はややパターンが歪んでいるものを○、
端面の中心部は明瞭だが周辺部が著しく歪んでいるものを△、
端面の中心部、周辺部ともに歪みが大きくレンズとして全く機能しないものを×とした。

0104

(3)開口角評価
開口角とは、レンズによって光束方向を変化可能な最大入射角のことである(図4)。この開口角は以下の方法で測定した。

0105

まず、上記の方法で作製した屈折率分布型レンズを適当な長さに切断し、両端面を平行に鏡面研磨した。このレンズの片側の端面に格子状のパターンを接触させ、反対側の端面から格子状パターン正立像を観察し、周期長Pを求めた。そして、屈折率分布係数√Aを、√A=2π/Pの関係を用いて計算した。この√Aと、レンズの半径r0と、プルヒリッヒ屈折計を用いて全反射臨界角法で測定したイオン交換前のガラス素線の屈折率Ncとから、次式に従って開口角θを求めた。
sinθ=√A・Nc・r0

0106

なお、上記θとNcとの関係から、本実施例及び比較例におけるイオン交換前のガラス素線の屈折率は約1.59であること、及び、中心屈折率を近似しても得られる開口角θの誤差は十分小さいことから、イオン交換後の屈折率分布型レンズの中心部における屈折率Ncは総てのレンズにおいて1.59として計算した。

0107

本実施例では、開口角が約10.1〜12.9度となるように組成を決定したが、組成を適宜変更することにより他の角度にすることも可能である。

0108

(4)Li使用効率評価
イオン交換処理の際、まず溶融塩と接しているガラス素線の周面部側からイオン交換が行われ、徐々にガラス素線の中心部に向ってイオン交換が進む。理想的には、ガラス素線の周面部のLiが総てイオン交換され、中心部に向って徐々にイオン交換量が少なくなり、ガラス素線の中心部ではLiは全くイオン交換されていない状態で、イオン交換処理を終了することが望ましい。この場合、作製した屈折率分布型レンズの周面部と中心部のLi濃度の差が最も大きくなり、レンズの周面部と中心部の屈折率差が最も大きくなる。しかし、現実的には、レンズとしての性能を満たす屈折率分布が得られるまでイオン交換処理を行なうと、ガラス素線の中心部にあるLiの一部までイオン交換されてしまう。この結果、ガラス素線の中心部のLi濃度が低下し、周面部と中心部の屈折率差が小さくなる。従って、所望の屈折率差を得るためには、ガラス素線の中心部のイオン交換を考慮して、母材ガラス組成物中のLi濃度を高くしておく必要が生じ、原料コストが高くなる。またLi濃度を高くする必要が生じると、母材ガラスを成形する際に、失透が起こりやすくなり、製造条件の自由度が下がるという不具合も生じる。

0109

そこで、イオン交換処理前におけるガラス素線中心部のLi量[Li]iとイオン交換処理後における屈折率分布型レンズの中心部のLi量[Li]pとの比[Li]p/[Li]iをLi使用効率と定義する。このLi使用効率は以下の通り算出される。

0110

ガラス素線周面部のLiの総てがイオン交換され、ガラス素線中心部ではLiは全くイオン交換されない理想的なイオン交換が行われて屈折率分布レンズが作製された場合における、レンズ中心部の屈折率をNc(ideal)、レンズ周面部の屈折率をNe(ideal)、これらの屈折率差をΔN(ideal)とすると、
ΔN(ideal)=Nc(ideal)−Ne(ideal)
となる。

0111

一方、実際のイオン交換処理を行った場合におけるレンズ中心部の屈折率をNc(lens)、レンズ周面部の屈折率をNe(lens)、これらの屈折率差をΔN(lens)とすると、
ΔN(lens)=Nc(lens)−Ne(lens)
となる。

0112

ここで、レンズ周期Pを観測し、以下の式を用いることにより、ΔN(lens)が得られる。
sinθ=2π・r0・Nc/P=√(2・Nc・ΔN(lens))
ただし、θは開口角、r0はレンズ半径、Ncはイオン交換処理前のガラス素線の屈折率、Pはレンズ周期である。なお、本実施例及び比較例におけるイオン交換前のガラス素線の屈折率は1.59であり、またレンズ中心部の屈折率の変化が開口角θに与える寄与は小さいことから、近似的にNc=1.59とした。

0113

ここで、レンズ周面部は十分にイオン交換がなされると考えられるので、Ne(lens)はNe(ideal)と近似できる。よって次の関係が成り立つ。
ΔN(lens)=Nc(lens)−Ne(lens)
=Nc(lens)−Ne(ideal)

0114

本実施例のレンズのイオン交換前後の屈折率差はLi含有率に比例するので、レンズ中心部のLi量[Li]iとイオン交換処理後における中心部のLi量[Li]pとは以下の関係が成り立つ。
[Li]p/[Li]i=ΔN(lens)/ΔN(ideal)

0115

この式より、Li使用効率を算出した。このLi使用効率は高いほどよく、工業生産する場合には、40%以上が好ましい。

0116

(実施例1〜8)
表1の通り、実施例1〜8はCaO、SrO、BaOのうちSrOとBaOを含有する組成となっている。
実施例1〜8では、イオン交換時間が7.3〜12.2時間であり、工業的生産に適した値となっている。
像面評価の結果は◎であり、像パターンが全体にわたって歪みなく明瞭に映っていた。
また、Li使用効率は62.0〜71.1%であり、良好な結果となった。

0117

(実施例9〜11)
実施例9〜11はTiO2の濃度が1.0モル%又は2.0モル%であり、本発明におけるTiO2の下限値1モル%と同等程度の低い値となっている。
実施例9〜11は、像面評価の結果がそれぞれ△、○、◎であり、イオン交換時間が7.8〜12.7時間であり、Li使用効率が61.9%以上であり、良好な結果となった。

0118

(実施例12、13)
実施例12はLi2O濃度が11モル%と多目であるが、イオン交換時間が6.0時間であり、またLi使用効率が56.8モル%と大きい値となり、良好な結果となった。
実施例12、13より、Li濃度が高くなることによりイオン交換時間が短くなることが分かる。

0119

(実施例14、15)
実施例14、15ではB2O3をそれぞれ3モル%、6モル%含有している。実施例14、15とも失透が生じず、良好なレンズが得られた。

0120

(実施例16〜19)
実施例16、17はK2Oを2.5モル%、実施例18はK2Oを1.0モル%、実施例19はK2Oを4.5モル%含む組成となっている。
実施例16〜18では、イオン交換時間が8.7〜17.6時間と工業的生産に適した値となっている。
実施例19は、K2Oを4.5モル%と多量に含んでいる。このため、実施例16〜18と比べると像面評価の結果が悪くなる。また、K2Oが多くなると、レンズの有効面積が小さくなる。

0121

(実施例20、21)
実施例20はCs2Oを1.0モル%含む組成となっている。実施例20のイオン交換時間は12.30時間であり、工業的生産に適している。
実施例21は、Cs2Oを4.5モル%と多量に含んでいる。このため、実施例20と比べると像面評価の結果が悪くなる。また、Cs2Oが多くなると、レンズの有効面積が小さくなる。

0122

(実施例22)
実施例22は、CaO、SrO、BaOの濃度がそれぞれ0モル%、2モル%及び2モル%であり、これらの合量が4.0モル%と少なめであるが、失透性、像面評価及びLi使用効率のいずれも良好な値となっている。

0123

(実施例23〜25)
実施例23〜25は、SrO、BaOに加えてCaOを含む組成となっている。実施例23〜25は、イオン交換時間が9.9〜11.9時間であり、工業的生産に適した値となっている。また、像面評価も良好である。

0124

(実施例26、29)
実施例26、29はBaOを含まず、CaO及びSrOを含む組成となっている。
実施例26、29は、イオン交換時間が9.4時間及び9.6時間と良好な値である。また失透性がBであり、良好である。

0125

(実施例27、28)
実施例27、28はSrOを含まず、CaO及びBaOを含む組成となっている。
実施例27、28は、イオン交換時間が10.4又は10.0時間と良好な値であり、また失透性に優れている。

0126

(比較例1)
比較例1は、有害物であるPbOを6.0モル%含む組成となっている。
比較例1を実施例1〜29と比較すると、実施例1〜29は失透性、像面評価、Li使用効率が比較例1とほぼ同等であることが分かる。

0127

(比較例2〜8)
比較例2〜6は、CaO、SrO、BaOのうちBaOのみを含む組成となっており、比較例7、8はCaO、SrO、BaOのうちSrOのみを含む組成となっている。
比較例2はイオン交換時間が1.50時間と極めて短く、工業的生産に適さない値となっている。
比較例3〜8は失透性がD又はEであり、失透性に劣るものとなっている。

0128

(比較例9、10)
比較例9、10は、TiO2を含まない組成となっている。
比較例9、10は像面評価の評価結果が×であり、像面評価が悪い。また、比較例9は失透性がDであり、失透性が悪い。

0129

(比較例11、14)
比較例11、14はCaO、SrO、BaOのいずれも含まない組成となっている。比較例11、14はイオン交換時間が共に3.40時間であり、工業的生産に適さない値となっている。

0130

(比較例12)
比較例12は、CaO、SrO、BaOのうちCaOを8.0モル%含み、SrO、BaOを含まない組成となっている。
比較例12は失透性がEであり、失透性に劣る。

0131

(比較例13)
比較例13はLi2Oの濃度が19.0モル%であり、Li2Oを過剰に含んでいる。
比較例13は失透性がEであり、失透性に劣る。また、Li使用効率が37.2%と極めて低い。

0132

(実施例30)
実施例3と同様の組成のガラスを実施例3と同様の方法で直径570μmの円筒状のレンズとし、レンズの側面に凹凸処理を施した。得られたレンズ素子を2次元に配列して構成したレンズアレイ概略構成図を図3に示す。

0133

図3に示すとおり、レンズアレイ10には、複数個のレンズ素子11が2次元に配列され、当該複数のレンズ素子11は一対のガラス繊維強化樹脂FRP)製基板12にはさまれている。また、当該一対のFRP製基板12と前記複数のレンズ素子11との間隙には黒色樹脂13が充填されている。

0134

このようにして構成したレンズアレイの光学特性として、像の再現性を評価する。この評価は、MTF(Modulation Transfer Function)法を用いて画像の再現率計測することによって行う。すなわち、レンズアレイの入射側に所定のラインチャートをおき、カラーフィルターおよび光拡散板を通したハロゲン光を前記ラインチャートに照射して得られる像を、前記レンズアレイを通して1対1の正立像として出力側に結像させる。このとき、正立像の入射像に対する再現率を計測する。

0135

本実施形態では、オンオフで示される矩形波ラインペアを1組として、1ミリメートルの間隔内に8組のラインペアを有する(8lpmの)ラインパターンを用いている。

0136

本実施形態のレンズアレイでは像の再現率は68%であり、60%以上の良好な値を示している。

0137

このようにして形成されたレンズアレイを用いることによって、光学特性の優れた光学機器を構成することができる。たとえば、本実施形態のレンズアレイを画像読み取り装置に組み込んで構成したスキャナや複写機では、解像度の高い、鮮明な画像を再現することができる。

0138

また、このように形成されたレンズアレイと発光素子とを画像書き込み装置に組み込んで構成したプリンタでは、解像度の高い、鮮明な画像を再現することができる。

0139

なお、図3では、光学素子として、複数のレンズ素子を2次元に配列したレンズアレイを用いているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、光学素子としてレンズ素子を0次元に配列した光学素子を用いることができる。つまり、1つのレンズを光学素子として用いることができる。また、光学素子を1次元に配列したレンズアレイを用いることもできる。さらに、2次元についても、2列だけでなく、多数列に配列させ、広面積に対応した光学素子とすることができる。

0140

(実施例31)
実施例30で用いたレンズについて、測定光源波長ごとの1周期長(pitch)を測定したところ以下のようになった。

0141

0142

光源波長630nmと470nmの1周期長の差は0.02mm、平均変化率(0.02mmを波長470nmと630nmの平均値で割ったもの)は0.1383%であり、使用光源の波長に依存する色収差が小さいレンズであることを示している。また、MTFも実施例28と同程度の良好な値を示している。本実施例のレンズは、例えばカラースキャナー用として好適に用いることができる。

図面の簡単な説明

0143

屈折率分布型レンズの製造におけるイオン交換法を説明する模式図である。
屈折率分布型レンズを説明する模式図である。
レンズ素子を2次元に配列して構成したレンズアレイの概略構成図である。
開口角θを説明する模式図である。
周期長Pを説明する模式図である。

符号の説明

0144

1屈折率分布型レンズ
2ガラス素線
3イオン交換炉
4溶融塩
6屈折率分布曲線
10レンズアレイ
11レンズ素子
12FRP製基板
13 黒色樹脂

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