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技術 塩化銅(I)の製造原料及び製造方法、並びにそれを用いたガスの吸着剤、吸着方法、及び回収方法

出願人 日本パイオニクス株式会社
発明者 島田孝越智幸史
出願日 2004年4月2日 (16年7ヶ月経過) 出願番号 2004-109590
公開日 2005年10月20日 (15年1ヶ月経過) 公開番号 2005-289761
状態 特許登録済
技術分野 重金属無機化合物(I) 固体収着剤及びろ過助剤
主要キーワード 水あめ状 耐腐食性材料 繰返し試験 充填筒 吸脱着試験 ベースガス 充填長 蟻酸水溶液
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重要な関連分野

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課題

耐腐食性製造設備有機溶媒回収するための設備等を用いることなく、必要なときに容易に多量の塩化銅(I)を製造することができる手段、それを用いて一酸化炭素エチレンアセチレンを効率よく多量に吸着できる吸着手段、及び前記吸着剤から一酸化炭素等を効率よく脱着させて、容易にこれを回収することができる回収手段を提供する。

解決手段

塩化銅(II)及びカルボン酸銅(II)を混合して塩化銅(I)の製造原料とする。前記製造原料を減圧下、不活性ガス雰囲気下、または還元性ガス雰囲気下で加熱処理して塩化銅(I)を製造する。また、前記製造原料を担体担持させて、前記と同様の加熱処理を行ない一酸化炭素、エチレン、アセチレンの吸着剤とする。さらに、吸着剤を加熱及び/または減圧して吸着剤から一酸化炭素を脱着させて回収する。

概要

背景

従来から、工業用に使用される塩化銅(I)は、例えば、硫酸銅(II)と塩化ナトリウム水溶液を加熱し、二酸化硫黄を接触させることにより、あるいは、塩化銅(II)と銅片銅粉)の混合物に、塩酸を加えて加熱することにより製造されている。また、塩化銅(I)の塩酸溶液一酸化炭素を吸収し、CuCl・CO・H2Oを生成することが知られており、これを担体担持する等の処理を施して、一酸化炭素の吸着剤あるいは回収剤に利用されている。例えば、塩化銅(I)とハロゲン化アルミニウム(III)の錯体を、塩酸溶媒あるいは有機溶媒等に溶かし、活性炭等の担体に担持させた吸着剤、塩化銅(I)のピリジン錯体あるいはアミン錯体を、有機溶媒等に溶かし、活性炭等の担体に担持させた吸着剤が開発されている。これらの吸着剤は、塩化銅の錯体を形成することにより一酸化炭素の吸着に対する活性を高めているものと考えられる。その他、塩化銅(I)は、エチレンアセチレンの吸着剤、炭酸アルキル炭酸エステル等の製造における有機合成触媒に利用されている。

しかし、塩化銅(I)は、空気中では酸化されやすく、容易に塩化銅(II)になるという不都合がある。そのため、塩化銅(I)の製造及び保存は、不活性ガス雰囲気下で行なっていた。また、吸着剤として塩化銅(I)を用い、ガスに含まれる一酸化炭素を、吸着剤である塩化銅(I)に吸着させる際には、例えば不活性ガスを充填筒に供給しながら吸着剤である塩化銅(I)を充填筒に充填していた。このようなことから、例えば、塩化銅(I)と、鉄化合物マンガン化合物錫化合物等の混合物を、活性炭等の担体に担持させた酸化されにくい吸着剤(特開平11−226389)が開発されている。

特開昭61−97121号公報
特開平1−39938号公報
特開平5−194327号公報
特開平6−25105号公報
特開平9−290149号公報
特開平9−290152号公報
特開平11−226389号公報
特開2002−361075号公報

概要

耐腐食性製造設備、有機溶媒を回収するための設備等を用いることなく、必要なときに容易に多量の塩化銅(I)を製造することができる手段、それを用いて一酸化炭素、エチレン、アセチレンを効率よく多量に吸着できる吸着手段、及び前記吸着剤から一酸化炭素等を効率よく脱着させて、容易にこれを回収することができる回収手段を提供する。 塩化銅(II)及びカルボン酸銅(II)を混合して塩化銅(I)の製造原料とする。前記製造原料を減圧下、不活性ガス雰囲気下、または還元性ガス雰囲気下で加熱処理して塩化銅(I)を製造する。また、前記製造原料を担体に担持させて、前記と同様の加熱処理を行ない一酸化炭素、エチレン、アセチレンの吸着剤とする。さらに、吸着剤を加熱及び/または減圧して吸着剤から一酸化炭素を脱着させて回収する。

目的

従って、本発明が解決しようとする課題は、耐腐食性の製造設備、有機溶媒を回収するための設備等を用いることなく、必要なときに容易に多量の塩化銅(I)を製造することができる手段、それを用いて一酸化炭素、エチレン、アセチレンを効率よく多量に吸着できる吸着手段、及び前記吸着剤から一酸化炭素等を効率よく脱着させて、容易にこれを回収することができる回収手段を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

塩化銅(II)及びカルボン酸銅(II)を混合してなることを特徴とする塩化銅(I)の製造原料

請求項2

塩化銅(II)及びカルボン酸銅(II)を担体担持させた請求項1に記載の塩化銅(I)の製造原料。

請求項3

担体が、活性炭セラミックス合成ゼオライト、または合成樹脂である請求項2に記載の塩化銅(I)の製造原料。

請求項4

カルボン酸銅(II)が、蟻酸銅(II)または酢酸銅(II)である請求項1に記載の塩化銅(I)の製造原料。

請求項5

塩化銅(II)及びカルボン酸銅(II)の混合物を、減圧下、不活性ガス雰囲気下、または還元性ガス雰囲気下で加熱処理することを特徴とする塩化銅(I)の製造方法。

請求項6

担体に塩化銅(II)及びカルボン酸銅(II)を担持させ、減圧下、不活性ガス雰囲気下、または還元性ガス雰囲気下で加熱処理してなることを特徴とする一酸化炭素エチレン、及びアセチレンから選ばれるガス吸着剤

請求項7

一酸化炭素、エチレン、またはアセチレンを含むガスを、担体に塩化銅(II)及びカルボン酸銅(II)を担持させ、減圧下、不活性ガス雰囲気下、または還元性ガス雰囲気下で加熱処理した吸着剤と接触させて、該ガスに含まれる一酸化炭素、エチレン、またはアセチレンを該吸着剤に吸着させることを特徴とするガスの吸着方法

請求項8

一酸化炭素を含むガスを、担体に塩化銅(II)及びカルボン酸銅(II)を担持させ、減圧下、不活性ガス雰囲気下、または還元性ガス雰囲気下で加熱処理した吸着剤と接触させて、該ガスに含まれる一酸化炭素を該吸着剤に吸着させた後、該吸着剤を加熱及び/または減圧して該吸着剤から一酸化炭素を脱着させて回収することを特徴とするガスの回収方法

技術分野

0001

本発明は、塩化銅(I)の製造原料及び製造方法、並びにそれを用いたガス吸着剤吸着方法、及び回収方法に関する。

背景技術

0002

従来から、工業用に使用される塩化銅(I)は、例えば、硫酸銅(II)と塩化ナトリウム水溶液を加熱し、二酸化硫黄を接触させることにより、あるいは、塩化銅(II)と銅片銅粉)の混合物に、塩酸を加えて加熱することにより製造されている。また、塩化銅(I)の塩酸溶液一酸化炭素を吸収し、CuCl・CO・H2Oを生成することが知られており、これを担体担持する等の処理を施して、一酸化炭素の吸着剤あるいは回収剤に利用されている。例えば、塩化銅(I)とハロゲン化アルミニウム(III)の錯体を、塩酸溶媒あるいは有機溶媒等に溶かし、活性炭等の担体に担持させた吸着剤、塩化銅(I)のピリジン錯体あるいはアミン錯体を、有機溶媒等に溶かし、活性炭等の担体に担持させた吸着剤が開発されている。これらの吸着剤は、塩化銅の錯体を形成することにより一酸化炭素の吸着に対する活性を高めているものと考えられる。その他、塩化銅(I)は、エチレンアセチレンの吸着剤、炭酸アルキル炭酸エステル等の製造における有機合成触媒に利用されている。

0003

しかし、塩化銅(I)は、空気中では酸化されやすく、容易に塩化銅(II)になるという不都合がある。そのため、塩化銅(I)の製造及び保存は、不活性ガス雰囲気下で行なっていた。また、吸着剤として塩化銅(I)を用い、ガスに含まれる一酸化炭素を、吸着剤である塩化銅(I)に吸着させる際には、例えば不活性ガスを充填筒に供給しながら吸着剤である塩化銅(I)を充填筒に充填していた。このようなことから、例えば、塩化銅(I)と、鉄化合物マンガン化合物錫化合物等の混合物を、活性炭等の担体に担持させた酸化されにくい吸着剤(特開平11−226389)が開発されている。

0004

特開昭61−97121号公報
特開平1−39938号公報
特開平5−194327号公報
特開平6−25105号公報
特開平9−290149号公報
特開平9−290152号公報
特開平11−226389号公報
特開2002−361075号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、前述のような塩酸溶液等を用いた塩化銅(I)の製造、塩化銅(I)を塩酸溶媒に溶かして担体に担持させる吸着剤においては、製造設備充填容器等を耐腐食性材料にする必要があった。また、塩化銅(I)を有機溶媒に溶かして担体に担持させる吸着剤においては、吸着剤の乾燥時に有機溶媒を回収するための設備が必要であった。尚、塩化銅(I)は水にほとんど溶けず、また塩化銅(II)はある程度水に溶けるが、不活性ガスまたは還元性ガス中で活性化処理し塩化銅(I)に還元する際には塩化水素が生成するという不都合、吸着能力(吸着剤単位量当たりに対するガスの吸着量)が低いという不都合があった。

0006

また、塩化銅(I)は、従来から用いられているどのような化合物と混合し、あるいは担体に担持させても、一酸化炭素の吸着能力が比較的に低いという短所があった。さらに、酸素の存在下では徐々に酸化されるので、不活性ガス等の雰囲気下で保存しなければ、製造後は時間の経過とともに吸着能力が低下するという不都合があった。この点に関し、なるべく塩化銅(I)の酸化の進行を防止するため、長期保存を避けるために、塩化銅(I)を、一酸化炭素、エチレン、アセチレンの吸着あるいは有機合成等に使用する直前で製造することが考えられるが、減圧乾燥が必要であり時間及び手間がかかるという不都合、設備の大きさの割には塩化銅(I)を大量に生産できないという不都合があった。

0007

従って、本発明が解決しようとする課題は、耐腐食性の製造設備、有機溶媒を回収するための設備等を用いることなく、必要なときに容易に多量の塩化銅(I)を製造することができる手段、それを用いて一酸化炭素、エチレン、アセチレンを効率よく多量に吸着できる吸着手段、及び前記吸着剤から一酸化炭素等を効率よく脱着させて、容易にこれを回収することができる回収手段を提供することである。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、これらの課題を解決すべく鋭意検討した結果、塩化銅(II)及びカルボン酸銅(II)の混合物は、不活性ガスまたは還元性ガス雰囲気下で加熱処理することにより、容易に塩化銅(I)を生成すること、前記混合物は変質することなく長期間空気雰囲気下で保存できること、前記混合物は空気雰囲気下で容易に担体に担持、乾燥することができ、これを減圧下、不活性ガス雰囲気下、または還元性ガス雰囲気下で加熱処理することにより、容易に一酸化炭素、エチレン、アセチレンに対する吸着能力が良好な吸着剤が得られること、及び前記吸着剤を用いて一酸化炭素を吸着させた吸着剤は、加熱あるいは減圧することにより、一酸化炭素を効率よく容易に脱着できること等を見出し、本発明の塩化銅(I)の製造原料及び製造方法、並びにそれを用いたガスの吸着剤、吸着方法、及び回収方法に到達した。

0009

すなわち本発明は、塩化銅(II)及びカルボン酸銅(II)を混合してなることを特徴とする塩化銅(I)の製造原料である。
また、本発明は、塩化銅(II)及びカルボン酸銅(II)の混合物を、減圧下、不活性ガス雰囲気下、または還元性ガス雰囲気下で加熱処理することを特徴とする塩化銅(I)の製造方法である。
また、本発明は、担体に塩化銅(II)及びカルボン酸銅(II)を担持させ、減圧下、不活性ガス雰囲気下、または還元性ガス雰囲気下で加熱処理してなることを特徴とする一酸化炭素、エチレン、及びアセチレンから選ばれるガスの吸着剤である。

0010

また、本発明は、一酸化炭素、エチレン、またはアセチレンを含むガスを、担体に塩化銅(II)及びカルボン酸銅(II)を担持させ、減圧下、不活性ガス雰囲気下、または還元性ガス雰囲気下で加熱処理した吸着剤と接触させて、該ガスに含まれる一酸化炭素、エチレン、またはアセチレンを該吸着剤に吸着させることを特徴とするガスの吸着方法である。
さらに、本発明は、一酸化炭素を含むガスを、担体に塩化銅(II)及びカルボン酸銅(II)を担持させ、減圧下、不活性ガス雰囲気下、または還元性ガス雰囲気下で加熱処理した吸着剤と接触させて、該ガスに含まれる一酸化炭素を該吸着剤に吸着させた後、該吸着剤を加熱及び/または減圧して該吸着剤から一酸化炭素を脱着させて回収することを特徴とするガスの回収方法でもある。

0011

本発明の塩化銅(I)の製造原料及び製造方法は、一酸化炭素、エチレン、またはアセチレンの吸着剤の製造原料及び製造方法、有機合成触媒の製造原料及び製造方法等に適用される。
また、本発明のガスの吸着剤、吸着方法、及び回収方法は、水素窒素アルゴンヘリウム二酸化炭素メタン等をベースガスとするガス中に含まれる一酸化炭素、エチレン、またはアセチレンの吸着、一酸化炭素の回収に適用される。

0012

本発明の塩化銅(I)の製造原料において使用されるカルボン酸銅(II)は、一般式(RCOO)2Cu(R:水素またはアルキル基)で表される化合物であるが、これらの中では容易に入手できる点で、蟻酸銅(II)、酢酸銅(II)が好ましい。塩化銅(II)及びカルボン酸銅(II)を単に混合して保存または使用することもできるが、塩化銅(II)及びカルボン酸銅(II)の混合物を、水、アルコール等の溶媒に溶かして、活性炭、セラミックス合成ゼオライト合成樹脂等の担体に担持させた状態で保存または使用することもできる。尚、担体を用いる場合、これらの担体の中でも活性炭が好ましく、粒状、破砕状等のほか、活性炭素繊維等の形態にして用いることができる。

0013

本発明の塩化銅(I)の製造原料において、塩化銅(II)及びカルボン酸銅(II)は、市販のものが使用できるが、これらは、酸化銅(II)、水酸化銅(II)、または塩基性炭酸銅(II)を、各々塩酸、カルボン酸に溶解させて、調製することもできる。塩化銅(II)及びカルボン酸銅(II)の混合比は、分子数の比で通常は1:0.1〜10、好ましくは1:0.2〜5である。

0014

また、本発明の塩化銅(I)の製造原料は、水分を含んでいてもよい。さらに、使用目的に悪影響を及ぼさない不純物不活性物質バインダー等が含まれていてもよいが、担体を含めない原料全体に対する塩化銅(II)及びカルボン酸銅(II)の含有率は、通常は50wt%以上、好ましくは90wt%以上とされる。また、担体に担持させる場合、担体を含めた原料全体に対する塩化銅(II)及びカルボン酸銅(II)の含有率は、通常は10wt%以上、好ましくは20wt%以上とされる。

0015

本発明の製造原料は、例えば、押出成形法、あるいは打錠成形法等により成形することができ、その形状、大きさ等に限定はないが、球形であれば、通常は直径が1〜10mm程度の大きさ、円柱形であれば、通常は直径が1〜5mm程度、高さ2〜20mm程度の大きさ、あるいはこれに類似する形状、これに相当する大きさとなるように調製される。また、担体に担持させる場合においても、その担体の形状、大きさ等に限定はなく、前記と同様な形状、大きさのものが調製される。

0016

本発明の塩化銅(I)は、前述の製造原料を、減圧下、不活性ガス雰囲気下、または還元性ガス雰囲気下で加熱処理することにより製造される。使用される不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム等を、還元性ガスとしては、水素、一酸化炭素、エーテル類アルコール類ケトン類エステル類炭化水素類等を例示することができる。また、加熱処理の際の温度は、通常は80〜350℃であり、不活性ガス雰囲気下、または還元性ガス雰囲気下で加熱処理する場合の圧力については特に限定はなく、通常は0.05〜1200kPaで行なわれる。

0017

本発明のガスの吸着剤は、前述の製造原料のうち、塩化銅(II)及びカルボン酸銅(II)が担体に担持されているものを、減圧下、不活性ガス雰囲気下、または還元性ガス雰囲気下で加熱処理して得られるものである。使用される不活性ガスまたは還元性ガスは前記と同様である。また、加熱処理の温度、圧力も前記と同様である。
尚、例えば塩化銅(II)と蟻酸銅(II)の混合物を加熱処理する際には、主に次のような化学反応が起こると考えられる。

0018

0019

本発明のガスの吸着剤が、一酸化炭素、エチレン、またはアセチレンを多量に吸着でき、吸着能力が優れている原因は、本発明の塩化銅(I)の製造原料が、乾燥時に結晶化しにくく水あめ状に乾燥し、担体への担持量を多くすることができるため、及び、添加後にカルボン酸の熱分解による還元が行なわれ、カルボン酸の欠損による空洞が発生して表面積が増加するためと考えられる。この点に関し、本発明のガスの吸着剤は、塩化銅(I)を単独で担体に担持させたもの、塩化銅(II)を単独で担体に担持させたもの、カルボン酸銅(II)を単独で担体に担持させたものとは根本的に異なり、これらよりも極めて優れた吸着能力を有するものであるとともに、塩化銅(II)単独の加熱処理の際に発生する塩化水素を発生させることがない。尚、本発明による塩化銅(I)の結晶構造は、Nantokite構造(天然産のCuCl)のものが含まれていることが確認されている。

0020

本発明のガスの吸着方法は、一酸化炭素、エチレン、またはアセチレンを含むガスを、前述の吸着剤と接触させて、前記ガスに含まれる一酸化炭素、エチレン、またはアセチレンを吸着剤に吸着させる方法であるが、通常は塩化銅(I)の製造原料を減圧下、不活性ガス雰囲気下、または還元性ガス雰囲気下で加熱処理した直後に実施される。すなわち、塩化銅(II)及びカルボン酸銅(II)を担体に担持させた塩化銅(I)の製造原料を、吸着筒に充填し、減圧下、不活性ガス雰囲気下、または還元性ガス雰囲気下で加熱処理して、塩化銅(I)を含む吸着剤を調製した後、この吸着筒に、一酸化炭素、エチレン、またはアセチレンを含むガスを通すことにより行なわれる。

0021

吸着筒に充填される吸着剤の充填長には特に制限はなく、使用用途ガス流量等により適宜設計することができる。吸着筒を流れるガスの空筒線速度は、ガスに含まれる一酸化炭素、エチレン、またはアセチレンの濃度や吸着剤の構成等によって異なり一概に限定はできないが、通常は100cm/sec以下、好ましくは30cm/sec以下である。
一酸化炭素、エチレン、またはアセチレンを吸着剤に吸着させる際の温度は、通常は0〜150℃であり、圧力は、通常は0.05〜1200kPaである。

0022

本発明のガスの回収方法は、前述の吸着剤から一酸化炭素を脱着させて回収する方法である。一酸化炭素の脱着は、吸着筒の加熱、吸着筒内の減圧、あるいはその両方を施すことにより行なわれる。尚、これらは、吸着時よりも高い温度にするための加熱、吸着時よりも低い圧力にするための減圧であり、必ずしも常温より高い温度に加熱すること、あるいは常圧よりも低い圧力に減圧することを示すものではない。しかし、加熱のみにより一酸化炭素の脱着を行なう際の温度は、通常は30〜350℃であり、減圧のみにより一酸化炭素の脱着を行なう際の圧力は、通常は0.1〜100kPaである。

0023

本発明により吸着剤から脱着した一酸化炭素は、そのまま再利用することも可能であり、気体の状態あるいは液化して貯蔵することも可能である。尚、本発明においては、吸着剤から一酸化炭素を脱着させた後、特に何も処理することなく、再度一酸化炭素の吸着を行なうことができる。また、吸着、脱着を繰返しても、吸着能力はほとんど低下することがないという特長がある。さらに、本発明の吸着剤は、空気と接触して失活しても、再度、還元性ガス雰囲気下で加熱処理することにより再生することが可能である。

0024

図1図2は、発明の塩化銅(I)の製造方法、ガスの吸着方法及び回収方法を実施するためのシステムの一例を示す構成図である。
図1のシステムにおいては、吸着筒3に塩化銅(II)及びカルボン酸銅(II)を担体に担持させた塩化銅(I)の製造原料が充填される。次に吸着筒3を加熱するとともに、不活性ガスまたは還元性ガスの供給管1から該ガスを吸着筒3に供給することにより塩化銅(I)が調製される。

0025

図1のシステムにおいて、ガスの吸着は、一酸化炭素、エチレン、またはアセチレンを含むガスの供給管2から該ガスを吸着筒3に供給することにより行なわれる。また、ガスの回収は、吸着筒内を加熱及び/または減圧するとともにブロワー4を稼動することにより行なわれる。尚、図2に示すように、吸着筒を2個並列に接続し、片方の吸着筒でガスの吸着を行ない、他の片方の吸着筒でガスの脱着を行なうことにより、効率よくガスを回収することもできる。

発明の効果

0026

本発明の塩化銅(I)の製造原料は、特別な製造設備や器具等を使用することなく、空気雰囲気下で容易に製造することができ、変質することなく長期間空気雰囲気下で保存できる。また、必要なときにこれを用いて容易かつ多量に塩化銅(I)を製造することができる。
本発明のガスの吸着剤は、効率よく多量に一酸化炭素、エチレン、またはアセチレンを吸着することができ、またこれらのガスを容易に脱着することができる。また、本発明のガスの吸着剤は、一酸化炭素を脱着させた後、特に何も処理することなく、再度一酸化炭素の吸着を行なうことができる。さらに、吸着、脱着を繰返しても、吸着能力はほとんど低下することがない。

発明を実施するための最良の形態

0027

次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。

0028

(塩化銅(I)の製造原料の調製)
市販の蟻酸銅(II)(純度99.9%)及び塩化銅(II)(純度99.9%)を、分子数の比が1:1となるように混合した。この混合物120gを80mlの水に溶解した溶液を、活性炭100gに散布含浸させた後、空気雰囲気下60℃で4時間乾燥させて塩化銅(I)の製造原料を調製した。

0029

(塩化銅(I)の調製)
前記のように調製した製造原料を、図3に示すような実験装置の吸着筒(内径20mm、高さ110mm)に、充填長が100mmになるように充填した後、窒素雰囲気下、120℃で3時間加熱処理して塩化銅(I)を調製した。尚、加熱処理中、塩化水素の発生がなかったことが確認された。

0030

(一酸化炭素の吸着試験
前記の吸着筒の入口バルブを閉にし、真空ポンプを稼動させて、出口バルブを開にした後、吸着剤に吸着されているガスを脱着させ、出口バルブを閉にし、吸着筒を切離して吸着筒の重量を測定した。次に、吸着筒を配管に接続して吸着筒の入口側の配管を一酸化炭素で満たした後、吸着筒の入口バルブを開にするとともに、100%の一酸化炭素を25℃、100kPaで吸着筒に供給して、流量が0になった時点で入口バルブを閉にし、吸着筒を切離して吸着筒の重量を測定した。吸着筒の重量変化により一酸化炭素の吸着量を求め、吸着剤単位量当たりの一酸化炭素吸着能力(L/L剤)を算出した。その結果を表1に示す。

0031

(一酸化炭素の脱着試験
次に、真空ポンプを稼動させた後、出口バルブを開にして、吸着剤に吸着されている一酸化炭素を脱着させ、吸着筒の出口バルブを閉にし、吸着筒を切離して吸着筒の重量を測定した。吸着筒の重量変化により一酸化炭素の脱着量を求め、吸着剤単位量当たりの一酸化炭素脱着量(L/L剤)を算出した。その結果を表2に示す。

0032

(一酸化炭素の吸脱繰返し試験
続いて、前述の一酸化炭素の吸着試験及び脱着試験を9回繰返して行なった。その結果を表1及び表2に示す。

0033

実施例1の塩化銅(I)の製造原料の調製において、蟻酸銅(II)及び塩化銅(II)の混合を、分子数の比が0.5:1となるように混合したほかは、実施例1と同様にして塩化銅(I)の製造原料を調製した。この製造原料を用いたほかは、実施例1と同様にして塩化銅(I)を調製し、一酸化炭素の吸脱着試験を行なった。その結果を表1及び表2に示す。

0034

実施例1の塩化銅(I)の製造原料の調製において、蟻酸銅(II)及び塩化銅(II)の混合を、分子数の比が0.8:1となるように混合したほかは、実施例1と同様にして塩化銅(I)の製造原料を調製した。この製造原料を用いたほかは、実施例1と同様にして塩化銅(I)を調製し、一酸化炭素の吸脱着試験を行なった。その結果を表1及び表2に示す。

0035

実施例1の塩化銅(I)の製造原料の調製において、蟻酸銅(II)及び塩化銅(II)の混合を、分子数の比が1.2:1となるように混合したほかは、実施例1と同様にして塩化銅(I)の製造原料を調製した。この製造原料を用いたほかは、実施例1と同様にして塩化銅(I)を調製し、一酸化炭素の吸脱着試験を行なった。その結果を表1及び表2に示す。

0036

実施例1の塩化銅(I)の製造原料の調製において、蟻酸銅(II)及び塩化銅(II)の混合を、分子数の比が1.5:1となるように混合したほかは、実施例1と同様にして塩化銅(I)の製造原料を調製した。この製造原料を用いたほかは、実施例1と同様にして塩化銅(I)を調製し、一酸化炭素の吸脱着試験を行なった。その結果を表1及び表2に示す。

0037

実施例1の塩化銅(I)の製造原料の調製において、蟻酸銅(II)に替えて酢酸銅(II)を用いたほかは、実施例1と同様にして塩化銅(I)の製造原料を調製した。この製造原料を用いたほかは、実施例1と同様にして塩化銅(I)を調製し、一酸化炭素の吸脱着試験を行なった。その結果を表1及び表2に示す。

0038

実施例1の製造原料を用いて、実施例1と同様にして塩化銅(I)を調製し、一酸化炭素の吸脱着試験を行なった。その後、この吸着剤を空気と接触させて失活させ、吸脱着試験を行なった。さらに、この吸着剤を、一酸化炭素雰囲気下、160℃で2時間加熱処理して再度活性化させ、吸脱着試験を行なった。その結果を表3に示す。

0039

(比較例1)
実施例1の塩化銅(I)の製造原料の調製において、担体として使用した活性炭を、単独で吸着剤として用いたほかは、実施例1と同様にして一酸化炭素の吸脱着試験を行なった。尚、活性炭は、予め減圧下120℃で3時間乾燥した。その結果を表1及び表2に示す。

0040

(比較例2)
窒素雰囲気下、精製塩化銅(I)10gを、200mlのアセトニトリルに溶解し、活性炭70gに散布、含浸させた後、真空減圧下60℃で3時間乾燥させて吸着剤を調製した。尚、精製塩化銅(I)は、市販の塩化銅(I)(純度99.9%)を濃塩酸に溶解して得られた溶液を、超純水滴下し、得られた塩化銅(I)の沈殿を、エタノ−ルで洗浄して、真空乾燥を10時間行ない調製した。これを用いたほかは、実施例1と同様にして一酸化炭素の吸脱着試験を行なった。その結果を表1及び表2に示す。

0041

(比較例3)
実施例1の塩化銅(I)の製造原料の調製において、蟻酸銅(II)を用いなかったほかは、実施例1と同様にして塩化銅(I)の製造原料を調製した。この製造原料を一酸化炭素雰囲気下、160℃で3時間加熱処理して塩化銅(I)を調製し、実施例1と同様にして一酸化炭素の吸脱着試験を行なった。その結果を表1及び表2に示す。尚、製造原料の加熱処理中、塩化水素の発生が確認された。

0042

(比較例4)
実施例1の塩化銅(I)の製造原料の調製において、蟻酸銅(II)を用いず、水の替わりに蟻酸水溶液を用いたほかは、実施例1と同様にして塩化銅(I)の製造原料を調製した。この製造原料を用いて比較例3と同様にして塩化銅(I)を調製し、一酸化炭素の吸脱着試験を行なった。その結果を表1及び表2に示す。尚、製造原料の加熱処理中、塩化水素の発生が確認された。

0043

0044

0045

0046

以上のように、本発明のガスの吸着剤は、効率よく多量に一酸化炭素を吸着することができ、また一酸化炭素を容易に脱着することができる。また、吸着、脱着を繰返しても、吸着能力はほとんど低下することがない。さらに、空気と接触して失活しても、再度、還元性ガス雰囲気下で加熱処理することにより再生することが可能である。

図面の簡単な説明

0047

本発明の塩化銅(I)の製造方法、一酸化炭素、エチレン、またはアセチレンの吸着方法及び回収方法を実施するためのシステムの一例を示す構成図
本発明の塩化銅(I)の製造方法、一酸化炭素、エチレン、またはアセチレンの吸着方法及び回収方法を実施するための図1以外のシステムの一例を示す構成図
本発明の吸着剤、吸着方法、及び回収方法の試験を実施するための装置を示す構成図

符号の説明

0048

1不活性ガスまたは還元性ガスの供給管
2一酸化炭素、エチレン、またはアセチレンを含むガスの供給管
3吸着筒
4ブロワー
5 ガスの排出管
6回収された一酸化炭素を貯蔵するタンク
マスフローコントローラー
8 真空ポンプ

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