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技術 電解質膜−電極接合体の製造方法

出願人 JSR株式会社本田技研工業株式会社
発明者 吉井公彦小松敏川井淳司金岡長之井口勝相馬浩満田直樹
出願日 2004年3月24日 (16年3ヶ月経過) 出願番号 2004-087511
公開日 2005年10月6日 (14年8ヶ月経過) 公開番号 2005-276599
状態 特許登録済
技術分野 燃料電池(本体)
主要キーワード 定置型燃料電池 高分子固体 乾燥重 熱プレス後 チタンメッシュ 電極材料中 車載用途 パーフルオロスルホン酸系樹脂
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年10月6日)のものです。
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課題

水素メタノール水溶液燃料とした高分子固体型燃料電池に用いられる電解質膜電極接合体の作製を熱プレスで行う場合に、接合部の接着性が良好な電解質膜−電極接合体を製造することができる方法を提供すること。

解決手段

本発明に係る電解質膜-電極接合体の製造方法は、固体高分子電解質膜の両面に、ガス拡散層触媒層とからなる一対のガス拡散電極を、触媒層側が電解質膜に接するように配置し、熱プレスにより接合することを含む方法であって、熱プレス時における固体高分子電解質膜の含水率が、該固体高分子電解質膜の乾燥重量に対して20〜70重量%であることを特徴とする。前記熱プレスは、異なる温度下で連続的に2段階の工程で行われことが好ましい。

概要

背景

燃料電池は、騒音をほとんど発生せず、低公害および高効率の観点でクリーン発電装置として、近年特に注目されている。そして、リン酸型と呼ばれる燃料電池はすでにビルディング発電プラント用の定置型燃料電池として実用化されている。

しかし、リン酸型燃料電池は200℃以上の動作温度が必要であることや、装置の小型化が困難であることなどの欠点を有する。一方、固体高分子型と呼ばれる燃料電池は、100℃以下の温度で動作でき、小型で高出力が可能であるため、車載用途携帯機器用途などの実用化へ向けての研究が盛んになっている。

固体高分子型燃料電池に用いられる電解質膜電極接合体MEA)は、電解質膜の両面にガス拡散電極熱プレスにより接合して作製される。前記ガス拡散電極は、カーボンペーパーカーボンクロスなどの基材上に、白金担持カーボンなどの触媒層が形成されたものであり、必要に応じてバインダーと呼ばれる結着剤を用いる。

このような接合体は、実際に燃料電池に組み込んで発電に使用した際、接合部の触媒層が電解質膜から剥離しない程度の接着力を有していることが必要である。接着力が十分でない場合は、長時間の発電運転後に接合部が剥離するという問題が生じる。接合部が剥離すると、接合体全体としての抵抗値が増大し、十分な出力が取り出せない場合がある。

前記電解質膜としては、一般的に、米国デュポン社のナフィオンなどのパーフルオロスルホン酸系の材料が用いられることが多い(例えば特許文献1参照)。このようなパーフルオロスルホン酸系材料からなる電解質膜は、熱プレスによる電極との接着性が比較的良好であるため、MEA作製時に接合部の接着性が問題となることは少ない。これは、パーフルオロスルホン酸系材料の軟化する温度が、通常、熱プレス時印加される温度よりも低いため、電解質膜が柔らかくなった状態で電極の触媒層とプレスされることから、良好な接着性が得られると考えられる。また、上述した電極中に含まれるバインダーとして、電解質膜材料と類似した構造を有するパーフルオロスルホン酸系材料が用いられることが多いことも、良好な接着性が得られる要因と考えられる。しかし、パーフルオロスルホン酸系材料はコストが非常に高く、また、フッ素を含むため、合成時や廃棄時に環境への悪影響が大きいことが指摘されてきた。

そのため、コストの低い芳香族スルホン化ポリマーを用いることが試みられているが(例えば特許文献2参照)、このような芳香系スルホン化ポリマーを用いた場合、MEA作製時において電解質膜と電極との界面の接着性が、パーフルオロスルホン酸系材料に比べて悪化するという問題が生じる。これは、耐熱性化学的定性を付与するために芳香環を導入したことにより、膜の軟化する温度が上昇すること、電極材料中のバインダーとして一般的に用いられるパーフルオロスルホン酸系材料との親和性が低下することなどが理由として考えられる。
特開平11−204119号公報
特開平11−515040号公報

概要

水素メタノール水溶液燃料とした高分子固体型燃料電池に用いられる電解質膜−電極接合体の作製を熱プレスで行う場合に、接合部の接着性が良好な電解質膜−電極接合体を製造することができる方法を提供すること。 本発明に係る電解質膜-電極接合体の製造方法は、固体高分子電解質膜の両面に、ガス拡散層と触媒層とからなる一対のガス拡散電極を、触媒層側が電解質膜に接するように配置し、熱プレスにより接合することを含む方法であって、熱プレス時における固体高分子電解質膜の含水率が、該固体高分子電解質膜の乾燥重量に対して20〜70重量%であることを特徴とする。前記熱プレスは、異なる温度下で連続的に2段階の工程で行われことが好ましい。なし

目的

本発明の課題は、水素やメタノール水溶液を燃料とした高分子固体型燃料電池に用いられる電解質膜−電極接合体の作製を熱プレスで行う場合に、接合部の接着性が良好な電解質膜−電極接合体を製造することができる方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

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請求項1

固体高分子電解質膜の両面に、ガス拡散層触媒層とからなる一対のガス拡散電極を、触媒層側が電解質膜に接するように配置し、熱プレスにより接合することを含む電解質膜-電極接合体の製造方法であって、熱プレスの際に、固体高分子電解質膜の含水率が、該電解質膜の乾燥重量に対して20〜70重量%であることを特徴とする電解質膜-電極接合体の製造方法。

請求項2

前記熱プレスが、異なるプレス温度条件で連続的に2段階の工程で行われることを特徴とする請求項1に記載の電解質膜-電極接合体の製造方法。

請求項3

前記熱プレスが、1段階目の工程において20〜100℃のプレス温度で行われ、2段階目の工程において1段階目より高いプレス温度で行われることを特徴とする請求項2に記載の電解質膜-電極接合体の製造方法。

請求項4

前記熱プレスが、1段階目の工程および2段階目の工程ともに、20〜200kgf/cm2のプレス圧力で行われることを特徴とする請求項2に記載の電解質膜-電極接合体の製造方法。

請求項5

前記固体高分子電解質膜が、スルホン酸基を有する芳香族系ポリマーからなることを特徴とする請求項1に記載の電解質膜-電極接合体の製造方法。

請求項6

前記スルホン酸基を有する芳香族系ポリマーが、スルホン化ポリアリーレンスルホン化芳香族ポリイミドスルホン化芳香族ポリエーテルおよびスルホン化芳香族ポリエーテルエーテルケトンからなる群より選ばれることを特徴とする請求項5に記載の電解質膜-電極接合体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は電解質膜電極接合体の製造方法に関する。より詳しくは、スルホン酸基を有する芳香族系ポリマーからなる固体高分子電解質膜電極とを、熱プレスにより強固に接合する方法に関する。

背景技術

0002

燃料電池は、騒音をほとんど発生せず、低公害および高効率の観点でクリーン発電装置として、近年特に注目されている。そして、リン酸型と呼ばれる燃料電池はすでにビルディング発電プラント用の定置型燃料電池として実用化されている。

0003

しかし、リン酸型燃料電池は200℃以上の動作温度が必要であることや、装置の小型化が困難であることなどの欠点を有する。一方、固体高分子型と呼ばれる燃料電池は、100℃以下の温度で動作でき、小型で高出力が可能であるため、車載用途携帯機器用途などの実用化へ向けての研究が盛んになっている。

0004

固体高分子型燃料電池に用いられる電解質膜−電極接合体(MEA)は、電解質膜の両面にガス拡散電極を熱プレスにより接合して作製される。前記ガス拡散電極は、カーボンペーパーカーボンクロスなどの基材上に、白金担持カーボンなどの触媒層が形成されたものであり、必要に応じてバインダーと呼ばれる結着剤を用いる。

0005

このような接合体は、実際に燃料電池に組み込んで発電に使用した際、接合部の触媒層が電解質膜から剥離しない程度の接着力を有していることが必要である。接着力が十分でない場合は、長時間の発電運転後に接合部が剥離するという問題が生じる。接合部が剥離すると、接合体全体としての抵抗値が増大し、十分な出力が取り出せない場合がある。

0006

前記電解質膜としては、一般的に、米国デュポン社のナフィオンなどのパーフルオロスルホン酸系の材料が用いられることが多い(例えば特許文献1参照)。このようなパーフルオロスルホン酸系材料からなる電解質膜は、熱プレスによる電極との接着性が比較的良好であるため、MEA作製時に接合部の接着性が問題となることは少ない。これは、パーフルオロスルホン酸系材料の軟化する温度が、通常、熱プレス時印加される温度よりも低いため、電解質膜が柔らかくなった状態で電極の触媒層とプレスされることから、良好な接着性が得られると考えられる。また、上述した電極中に含まれるバインダーとして、電解質膜材料と類似した構造を有するパーフルオロスルホン酸系材料が用いられることが多いことも、良好な接着性が得られる要因と考えられる。しかし、パーフルオロスルホン酸系材料はコストが非常に高く、また、フッ素を含むため、合成時や廃棄時に環境への悪影響が大きいことが指摘されてきた。

0007

そのため、コストの低い芳香族スルホン化ポリマーを用いることが試みられているが(例えば特許文献2参照)、このような芳香系スルホン化ポリマーを用いた場合、MEA作製時において電解質膜と電極との界面の接着性が、パーフルオロスルホン酸系材料に比べて悪化するという問題が生じる。これは、耐熱性化学的定性を付与するために芳香環を導入したことにより、膜の軟化する温度が上昇すること、電極材料中のバインダーとして一般的に用いられるパーフルオロスルホン酸系材料との親和性が低下することなどが理由として考えられる。
特開平11−204119号公報
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発明が解決しようとする課題

0008

本発明の課題は、水素メタノール水溶液燃料とした高分子固体型燃料電池に用いられる電解質膜−電極接合体の作製を熱プレスで行う場合に、接合部の接着性が良好な電解質膜−電極接合体を製造することができる方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、電解質膜−電極接合体の製造工程において、電解質膜の含水率を制御し、特定の条件で熱プレスを行うことにより、電解質膜と電極との接合部の接着性を向上することができることを見出し、本発明を完成するに至った。

0010

すなわち、本発明に係る電解質膜-電極接合体の製造方法は、
固体高分子電解質膜の両面に、ガス拡散層と触媒層とからなる一対のガス拡散電極を、触媒層側が電解質膜に接するように配置し、熱プレスにより接合することを含む方法であって、熱プレスの際に、固体高分子電解質膜の含水率が、該電解質膜の乾燥重量に対して20〜70重量%であることを特徴とする。

0011

なお、電解質膜中の含水率が十分でない場合は、熱プレス直前水浸漬や水噴霧といった手法により、含水率を増加させることができる。このように電解質膜の含水率を制御し、膜を柔らかくした状態で熱プレスすることにより、電解質膜と電極の接合部の接着性を改良することができる。

0012

前記熱プレスは、好ましくは、異なる温度下で連続的に2段階の工程で行われ、より好ましくは、1段階目の工程において20〜100℃のプレス温度で行われ、2段階目の工程において1段階目より高いプレス温度で行われることが望ましい。

0013

さらに、前記熱プレスは、1段階目の工程および2段階目の工程ともに、20〜200kgf/cm2のプレス圧力で行われることが好ましい。
上記のような方法を採用すれば、固体高分子電解質膜がスルホン酸基を有する芳香族系ポリマー、例えば、スルホン化ポリアリーレンスルホン化芳香族ポリイミドスルホン化芳香族ポリエーテルおよびスルホン化芳香族ポリエーテルエーテルケトンからなる群より選ばれるポリマーであっても、良好な接着性を有する電解質膜−電極接合体を得ることができる。

発明の効果

0014

本発明によれば、電解質膜と電極との接合部の接着性に優れ、高い電池出力が得られるとともに、長時間の運転後においても接合部の剥離が生じない電解質膜−電極接合体を製造することができる。本発明により得られる電解質膜−電極接合体は、前記のような特性を有することから、燃料電池に好適に用いることができる。

発明を実施するための最良の形態

0015

以下、本発明に係る電解質膜−電極接合体(MEA)の製造方法について、詳細に説明する。
本発明に係るMEAの製造方法は、イオン伝導性を有する固体高分子電解質膜の両面に、ガス拡散層と触媒層とからなる一対のガス拡散電極を熱プレスで接合する方法であって、該固体高分子電解質膜が、該電解質膜の乾燥重量に対して20〜70重量%、好ましくは20〜50重量%の水分を含有している状態で熱プレスを行うことを特徴とする。電解質膜中の含水率が上記範囲にあることにより、電解質膜がやわらかい状態で熱プレスが行われるため、電解質膜と電極の接合部における接着性を向上することができる。

0016

固体高分子電解質膜が、熱プレスの際に上記含水率を有していない場合は、水浸漬や水噴霧などの水処理を行うことにより含水率を増やすことができる。このような水処理を行った場合、処理後の膜表面に付着している水滴吸水性の不織布等で除去した後の膜重量から、膜の含水率を算出する必要がある。

0017

上記水処理に用いる水としては、蒸留水イオン交換水等を挙げることができる。上記水処理に用いる水の温度は、目的とする含水率を得られるのであれば特に限定されないが、取り扱いの観点から60℃以下、好ましくは40℃以下である。また、水処理時間についても、目的とする含水率が得られるのであれば特に限定されないが、作業性を考慮して120分以下、好ましくは60分以下であることが望ましい。

0018

上記ガス拡散電極は、触媒層とガス拡散層とが接合されたものであり、触媒層が電解質膜の表面と接触するように配置して熱プレスが行われる。
上記触媒層は、導電材、バインダーおよび触媒金属などから構成される。導電材としては、炭素材料や各種金属が用いられ、例えばカーボンブラック黒鉛などが挙げられる。バインダーとしては、パーフルオロスルホン酸系樹脂スルホン化された芳香族ポリマー樹脂などが挙げられる。触媒金属としては、白金ルテニウムロジウム、およびそれらの合金などが挙げられる。

0019

上記ガス拡散層は、ガス透過性電子伝導性とを兼ね備えたものであればよく、チタンメッシュ、カーボンクロス、カーボンペーパーなどが挙げられる。
燃料の水素やメタノールなどは、アノード電気化学的に酸化されてプロトン電子を生じ、プロトンを電解質膜に、電子を外部回路に供給する。カソードでは、プロトンと酸素と電子が反応して水を生じる。

0020

本発明で用いられる電解質膜を構成する高分子化合物としては、スルホン酸基を有する芳香族系ポリマーを用いることができ、具体的には、スルホン化ポリアリーレン、スルホン化芳香族ポリイミド、スルホン化芳香族ポリエーテル、スルホン化芳香族ポリエーテルエーテルケトンなどが挙げられる。

0021

上記スルホン化ポリアリーレンとしては、例えば、下記一般式(A)で表される構成単位を有する重合体、より好ましくは下記一般式(A)で表される構成単位と、下記一般式(B)で表される構成単位とを含む下記一般式(C)で表される重合体などが挙げられる。

0022

0023

式(A)中、Yは2価の電子吸引性基を示し、具体的には−CO−、−SO2−、
−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)l−(ここで、lは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−などが挙げられる。

0024

Zは2価の電子供与性基または直接結合を示し、電子供与性基の具体例としては、
−(CH2)−、−C(CH3)2−、−O−、−S−、−CH=CH−、−C≡C—およ

0025

0026

などが挙げられる。なお、電子吸引性基とは、ハメット(Hammett)置換基常数がフェニ
ル基のm位の場合0.06以上、p位の場合0.01以上の値となる基をいう。
Arは−SO3Hで表される置換基を有する芳香族基を示し、芳香族基として具体的に
フェニル基ナフチル基アントラセニル基、フェナンチル基などが挙げられる。これらの基のうち、フェニル基、ナフチル基が好ましい。

0027

mは0〜10、好ましくは0〜2の整数、nは0〜10、好ましくは0〜2の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。

0028

0029

式(B)中、R1〜R8は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子フッ素原子アルキル基フッ素置換アルキル基アリル基アリール基およびシアノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子または基を示す。

0030

アルキル基としては、メチル基エチル基プロピル基ブチル基、アミル基ヘキシル基などが挙げられ、メチル基、エチル基などが好ましい。
フッ素置換アルキル基としては、トリフルオロメチル基パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基およびパーフルオロヘキシル基などが挙げられ、トリフルオロメチル基およびペンタフルオロエチル基などが好ましい。
アリル基としては、プロペニル基などが挙げられ、
アリール基としては、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。

0031

Wは2価の電子吸引性基または単結合を示し、Tは2価の有機基または単結合を示す。pは0または正の整数であり、上限は通常100、好ましくは10〜80である。

0032

0033

式(C)中、W、T、Y、Z、Ar、m、n、k、pおよびR1〜R8は、それぞれ上記一般式(A)および(B)中のW、T、Y、Z、Ar、m、n、k、pおよびR1〜R8と同義であり、xおよびyは、x+y=100モル%とした場合のモル比を示す。

0034

上記スルホン化ポリアリーレン(C)は、式(A)で表される構成単位を0.5〜100モル%、好ましくは10〜99.999モル%の割合で、式(B)で表される構成単位を99.5〜0モル%、好ましくは90〜0.001モル%の割合で含有していることが望ましい。

0035

上記熱プレスは、異なるプレス温度条件で連続して2段階の工程で行うことが好ましい。1段階の熱プレスで接合体を製造する場合、比較的高温で熱プレスを行う必要があるため、電解質膜中の水分の蒸発速度が高くなり、電解質膜の含水率を制御した効果が得られないことがある。

0036

熱プレスを2段階の工程で行う場合、1段階目におけるプレス温度は、20〜100℃、好ましくは20〜80℃である。上記範囲のプレス温度で1段階目の熱プレスを行うことにより、電解質膜と電極の接合部における接着性に優れた接合体が得られる。

0037

2段階目におけるプレス温度は、1段階目のプレス温度より高ければ特に限定はされないが、得られるMEAの接合部における接着性、作業性および電解質膜の耐熱性を考慮して100〜200℃、好ましくは120〜160℃とすることが望ましい。

0038

上記熱プレス工程において、1段階目および2段階目のプレス圧力は、いずれも20〜200kgf/cm2、好ましくは50〜150kgf/cm2である。プレス圧力が上記範囲よりも低いと、接合が十分でないうちに膜中の水分が蒸発してしまうことがあり、上記範囲よりも高いと、触媒層中の空隙が潰れてしまい、良好な発電特性が得られないことがある。なお、上記範囲内であれば、1段階目と2段階目のプレス圧力は異なっていてもよいが、好ましくは圧力を維持したまま2段階の熱プレスを行うことが望ましい。

0039

熱プレス工程において、1段階目および2段階目のプレスに要する時間は、十分な接合性を持ったMEAが得られるのであれば特に限定はされないが、作業性を考慮して通常1〜120分、好ましくは1〜60分、特に好ましくは1〜30分程度で行うことが望ましい。また、熱プレス後に、MEAをプレス機からすぐに取り出してもよく、また加圧した状態で空冷もしくは水冷し、降温してから取り出してもよい。

0040

熱プレス工程において、電解質膜中の水分の蒸発に伴う寸法変化を抑制する目的で、カプトンなどの耐熱性に優れた高分子材料や、ステンレスなどの金属材料などからなる枠を
用いて、電解質膜の周囲を固定してプレスしてもよい。

0041

〔実施例〕
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。

0042

[合成例1]
撹拌機温度計冷却管、Dean-Stark管、窒素導入三方コックを取り付けた1Lの三つ口のフラスコに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンビスフェノールAF)67.3g(0.20モル)、4,4'−ジクロロベンゾフェノン(4,4'−DCBP)60.3g(0.24モル)、炭酸カリウム71.9g(0.52モル)、N,N−ジメチルアセトアミドDMAc)300mL、ト
エン150mLをとり、オイルバス中窒素雰囲気下で加熱し撹拌下130℃で反応させた。反応により生成する水をトルエン共沸させ、Dean-Stark管で系外に除去しながら反応させると、約3時間で水の生成がほとんど認められなくなった。反応温度を130℃から徐々に150℃まで上げながら大部分のトルエンを除去し、150℃で10時間反応を続けた後、4,4'−DCBP 10.0g(0.040モル)を加え、さらに5時間反
応を続けた。得られた反応液放冷後、副生した無機化合物沈殿物濾過除去し、濾液を4Lのメタノール中に投入した。沈殿した生成物濾別し、回収して乾燥後、テトラヒドロフラン300mLに溶解した。これをメタノール4Lに投入して再沈殿させて、目的の化合物95g(収率85%)を得た。

0043

得られた化合物のGPC(THF溶媒)で求めたポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は11,200であった。また、得られた重合体はTHF、NMP、DMAc、スル
ランなどに可溶で、Tgは110℃、熱分解温度は498℃であった。

0044

得られた化合物は下記式(I)で表されるオリゴマー(以下、「BCPAFオリゴマー」という)であった。なお、下記式(I)中、pは1以上の整数である。

0045

0046

[合成例2]
撹拌機、温度計、冷却管、Dean-Stark管、窒素導入の三方コックを取り付けた1Lの三つ口のフラスコに、4−[4−(2,5−ジクロロベンゾイルフェノキシベンゼン
ホン酸neo-ペンチル(A−SO3 neo-Pe)39.58g(98.64ミリモル)、合成例1で得られたBCPAFオリゴマー(Mn=11200)15.23g(1.36ミリモル)、Ni(PPh3)2Cl2 1.67g(2.55ミリモル)、PPh3 10.49g(40ミリモル)、NaI 0.45g(3ミリモル)、亜鉛末15.69g(240ミリモル)、乾燥NMP 390mLを窒素下で加えた。反応系を攪拌下に加熱し(最
終的には75℃まで加温)、3時間反応させた。重合反応液をTHF250mLで希釈し、30分攪拌し、セライト濾過助剤に用いて濾過し、濾液を大過剰のメタノール1500mLに注いで凝固させた。凝固物を濾集して風乾し、さらにTHF/NMP(それぞれ200/300mL)に再溶解し、大過剰のメタノール1500mLで凝固析出させた。風乾後、加熱乾燥により目的の黄色繊維状のネオペンチル基で保護されたスルホン酸誘導
体からなる共重合体(PolyAB-SO3 neo-Pe)47.0g(収率99%)を得た。GP
Cによる分子量はMnが47,600であり、重量平均分子量(Mw)が159,000であった。

0047

[合成例3]
合成例2で得られたPolyAB-SO3 neo-Pe 5.1gをNMP60mLに溶解し、90℃に加温した。次いで、反応系にメタノール50mLと濃塩酸8mLとの混合物を一時に加えて懸濁状態とし、温和還流条件で10時間反応させた。蒸留装置を設置し、過剰のメタノールを溜去させ、淡緑色の透明溶液を得た。この溶液を大量の水/メタノール(1:1重量比)中に注いで、ポリマーを凝固させた後、洗浄水のpHが6以上となるまで、イオン交換水でポリマーを洗浄した。こうして得られたポリマーのIRスペクトルおよびイオン交換容量の定量分析から、スルホン酸エステル基(−SO3Ra)は定量的にスルホン酸基(−SO3H)に転換していることがわかった。

0048

得られたスルホン酸基を有するポリアリーレンのGPCによる分子量は、Mnが53,
200、Mwが185,000であり、スルホン酸当量は1.9meq/gであった。
[実施例1]
(電解質膜の作製)
合成例3で得られたスルホン酸基を有するポリアリーレンを、Nーメチルー2−ピロリドンに溶解し、プラスチック基板上にキャストし、150℃で30分間乾燥させて膜厚30μmのフィルム(電解質膜)を作製した。

0049

電解質膜の乾燥状態での重量は、あらかじめ該電解質膜を110℃で2時間減圧乾燥をして測定した。電解質膜中の含水率は、熱プレス工程に用いる直前の電解質膜の重量と、この乾燥状態での重量とから電解質膜中の含水量を算出し、これを乾燥状態での電解質膜の重量で割って求めた。その結果、得られた電解質膜の含水率は15%であった。

0050

(ガス拡散電極の作製)
50mlのガラス瓶に直径10mmのジルコニアボール商品名:YTZボール、株式会社ニッカトー製)25gを入れ、白金担持カーボン粒子(Pt:46重量%担持)1.68g、蒸留水2.55g、Nafion(商品名、Dupont社製)の20.6重量%水−アルコール溶液(水:アルコール(重量比)=20:60)6.14g、n−プロピルアルコール13.44gを加え、ウエーブローターで70分間攪拌してペーストを得た。カーボンペーパー上に、上記ペーストを白金塗布量が0.5mg/cm2になるよう
ドクターブレードを用いて塗布して塗膜を形成した。これを95℃で10分間加熱乾燥し、電極層を形成させた。なお、上記Nafionの水−アルコール溶液におけるアルコールは、エタノールおよびn−プロピルアルコールからなるものである。

0051

(電解質膜−電極接合体の作製)
得られた電解質膜を一辺10cmの正方形切り、室温(23℃)の蒸留水中に5分間浸漬した。電解質膜を取り出し、ベンコット(商品名)で表面の水滴を拭き取って重量を測定した。その結果、含水率が38%であることを確認した。

0052

一辺5cmの正方形に切ったガス拡散電極を電解質膜の両面に配置し、60℃、100kgf/cm2の条件で15分間の熱プレスを行った。その後、加圧を維持したまま160℃に昇温し、さらに15分の熱プレスを行ってMEAを作製した。

0053

[実施例2]
実施例1において、1段階目および2段階目の熱プレス工程でのプレス圧力をともに30kgf/cm2に変更した以外は、実施例1と同様にしてMEAを作製した。

0054

[比較例1]
実施例1において、電解質膜の水浸漬の前処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にしてMEAを作製した。

0055

[比較例2]
実施例1において、1段階目の熱プレス工程におけるプレス圧力を5kgf/cm2に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてMEAを作製した。

0056

[比較例3]
実施例1において、熱プレス工程をプレス温度160℃での1段階のみとし、プレス圧力100kgf/cm2、プレス時間15分の条件でMEAを作製した。

0057

[評価]
上記実施例1〜2、比較例1〜3で作製したMEAについて、交流インピーダンス法でMEAの膜厚方向抵抗を測定した。また、95℃の熱水中で1週間放置後の各MEAにつき、電極触媒層の電解質膜からの剥離の割合を測定した。剥離の割合は、熱水からMEAを取り出した後、両面のカーボンペーパーをピンセット等でゆっくりとはがし取り、カーボンペーパー上に残っている電極触媒層の面積を、カーボンペーパー全体の面積で割って求めた。すなわち、カーボンペーパー上に電極触媒層が全く残っていない場合が0%となり、電解質膜と電極触媒層との接合部における接着性が良好であることを意味する。各MEAの作製条件および評価結果を表1に示す。

0058

0059

表1より明らかなように、本発明のMEA(実施例1、2)は、電解質膜の含水率が少ない場合(比較例1)、プレス圧力が低い場合(比較例2)、熱プレス工程が2段階ではなく1段階であった場合(比較例3)に比べ、電極触媒の剥離がなく膜厚方向の抵抗が低い。したがって、本発明のMEAにおける電極触媒層と電解質膜の接合部は、比較例に比べ、良好な接合姓を有しており、さらに本発明のMEAは発電性能にも優れている。

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