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技術 熱音響装置及び熱音響システム

出願人 学校法人同志社
発明者 坂本眞一渡辺好章
出願日 2004年3月26日 (16年0ヶ月経過) 出願番号 2004-091685
公開日 2005年10月6日 (14年5ヶ月経過) 公開番号 2005-274100
状態 拒絶査定
技術分野 低沸騰点冷媒を用いた圧縮式冷凍機械
主要キーワード 気体注入装置 直線管 外側コーナー エネルギー保存の法則 プラントル数 エネルギー交換 ループ管内 内側コーナー部分
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

ループ管を用いた熱音響装置において、迅速に定在波及び進行波を発生させて、迅速かつ効率良く熱交換を行いうるような熱音響装置を提供することを目的とする。

解決手段

ループ管2の内部に、第一高温側熱交換器4と第一低温側熱交換器5とに挟まれた第一のスタック3aと、第二高温側熱交換器6と第二低温側熱交換器7とに挟まれた第二のスタック3bとを設け、第一高温側熱交換器4を加熱することによって自励による音波を発生させ、この定在波及び進行波によって第二低温側熱交換器7を冷却する熱音響装置であって、ループ管を、鉛直方向に沿う複数の直線管部2aと、この直線管部2aよりも短く構成される連結管部2bとを設けて構成し、第一のスタック3aを、最も長い直線管部2aに設けるようにする。

概要

背景

音響効果を利用した熱交換装置の従来技術に関しては下記の特許文献1や非特許文献1などに記載されるものが存在する。

まず、特許文献1に記載される装置は、熱音響効果を利用した冷却装置に関するものであり、作動流体封入したループ管の内部に、高温側熱交換器及び低温側熱交換器に挟まれた第一のスタックと、高温側熱交換器及び低温側熱交換器に挟まれた蓄冷器と、を設けて構成され、第一のスタック側の高温側熱交換器を加熱することによって自励音波を発生させ、この音波に基づく定在波及び進行波によって蓄冷器側の低温側熱交換器を冷却させるようにしたものである。

また、非特許文献1にも同様に、熱音響効果を利用した冷却装置の実験的検討が開示されている。この実験に用いられる冷却装置も、金属によって構成された断面略矩形状のループ管と、ヒーター(高温側熱交換器)及び低温側熱交換器とに挟まれた第一のスタックと、この第一のスタックに対向する位置に設けられた第二のスタックとを設けて構成される。そして、第一のスタック側に設けられたヒーター(高温側熱交換器)を加熱するとともに、低温側熱交換器に水道水循環させることによって第一のスタック内に温度勾配を発生させ、この温度勾配と逆方向に自励による音波を発生させる。そして、その音エネルギーをループ管を介して蓄冷器側に移送させ、エネルギー保存の法則により、第二のスタック側でその音エネルギーと逆方向に熱エネルギーを移送させて、第二のスタックの他端側の温度計近傍を冷却させるようにしたものである。この文献によれば、所定の条件のもと、温度計が設けられる部分で約16℃の温度低下が確認されている。
特開2000—88378号公報
本眞一、上和宏、渡辺好章 著「熱音響効果を用いた音響冷却現象の実験的検討」社団法人電子情報通信学会 信学技報 TECHNICAL REPORTOFIEICE. US2002-118(2003-02)

概要

ループ管を用いた熱音響装置において、迅速に定在波及び進行波を発生させて、迅速かつ効率良く熱交換を行いうるような熱音響装置を提供することを目的とする。 ループ管2の内部に、第一高温側熱交換器4と第一低温側熱交換器5とに挟まれた第一のスタック3aと、第二高温側熱交換器6と第二低温側熱交換器7とに挟まれた第二のスタック3bとを設け、第一高温側熱交換器4を加熱することによって自励による音波を発生させ、この定在波及び進行波によって第二低温側熱交換器7を冷却する熱音響装置であって、ループ管を、鉛直方向に沿う複数の直線管部2aと、この直線管部2aよりも短く構成される連結管部2bとを設けて構成し、第一のスタック3aを、最も長い直線管部2aに設けるようにする。

目的

そこで、本発明は上記課題を解決すべく、ループ管を用いた熱音響装置において、迅速に定在波及び進行波を発生させて、迅速かつ効率良く熱交換を行いうるような熱音響装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
0件

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請求項1

ループ管の内部に、第一高温側熱交換器と第一低温側熱交換器に挟まれた第一のスタックと、第二高温側熱交換器と第二低温側熱交換器に挟まれた第二のスタックとを具備してなり、前記第一高温側熱交換器を加熱することによって自励による定在波及び進行波を発生させ、この定在波及び進行波によって前記第二低温側熱交換器を冷却し、又は/及び、前記第一低温側熱交換器を冷却することによって自励による定在波及び進行波を発生させ、この定在波及び進行波によって前記第二高温側熱交換器を加熱する熱音響装置であって、前記ループ管を、地面に対して起立する複数の直線管部と、この直線管部よりも短く構成された連結管部とを設けて構成し、前記第一のスタックを、当該複数の直線管部のうち最も長い直線管部に設けるようにしたことを特徴とする熱音響装置。

請求項2

前記直線管部と連結管部の長さをそれぞれLa、Lbとした場合、1:0.01≦La:Lb<1:1の範囲内に設定されるものである請求項1に記載の熱音響装置。

請求項3

前記第一高温側熱交換器を加熱することによって自励による定在波及び進行波を発生させ、この定在波及び進行波によって前記第二低温側熱交換器を冷却する請求項1に記載の熱音響装置であって、前記第一のスタックを前記直線管部の中心よりも下方に設けた熱音響装置。

請求項4

前記第一低温側熱交換器を冷却することによって自励による定在波及び進行波を発生させ、この定在波及び進行波によって前記第二高温側熱交換器を加熱する請求項1に記載の熱音響装置であって、前記第一のスタックを前記直線管部の中心よりも上方に設けた熱音響装置。

請求項5

直線管部の一端と連結管部の一端とを連結したときのそれぞれの中心軸交点回路の始点とし、回路全長を1.00とするとき、第一のスタックの中心が回路全長の0.28±0.05の位置となるようにした請求項1に記載の熱音響装置。

請求項6

回路全長を1.00とするとき、回路に沿った作動流体圧力変動が、第一のスタックの近傍に第一のピークがあり、更に回路全長の約1/2進んだ位置に第二のピークが存在する場合に、前記第二のスタックの中心が前記第二のピークを過ぎた位置となるように第二のスタックを設けた請求項1に記載の熱音響装置。

請求項7

前記ループ管の外周部もしくは内部に、定在波及び進行波を発生させるための音波発生装置を設けた請求項1に記載の熱音響装置。

請求項8

前記第一のスタック、又は/及び、第二のスタックが、順次外側へ向かって内径を大きくした導通路を有するものである請求項1に記載の熱音響装置。

請求項9

前記第一のスタック、又は/及び、第二のスタックが、順次外側へ向かって内径を小さくした導通路を有するものである請求項1に記載の熱音響装置。

請求項10

前記第一のスタック、又は/及び、第二のスタックが、蛇行した導通路を有するものである請求項1に記載の熱音響装置。

請求項11

前記第一のスタック、又は/及び、第二のスタックが、順次外側へ向かって流路長を短くした導通路を有するものである請求項1に記載の熱音響装置。

請求項12

前記第一のスタック、又は/及び、第二のスタックの材質が、セラミクス燒結金属金網、金属製不織布の少なくとも1種からなるものであり、そのωτ(ω:作動流体の角周波数、τ:温度緩和時間)が0.2〜20の範囲となるように構成された請求項1に記載の熱音響装置。

請求項13

請求項1から12のいずれかに記載の熱音響装置を複数設け、一の熱音響装置における第二低温側熱交換器とこれに隣接する熱音響装置の第一低温側熱交換器を連結し、もしくは、一の熱音響装置における第二高温側熱交換器とこれに隣接する熱音響装置の第一高温側熱交換器を連結してなる熱音響システム

技術分野

0001

本発明は、熱音響効果を利用して対象物を冷却し、もしくは加熱しうる熱音響装置及びその熱音響装置を用いたシステムに関するものである。

背景技術

0002

音響効果を利用した熱交換装置の従来技術に関しては下記の特許文献1や非特許文献1などに記載されるものが存在する。

0003

まず、特許文献1に記載される装置は、熱音響効果を利用した冷却装置に関するものであり、作動流体封入したループ管の内部に、高温側熱交換器及び低温側熱交換器に挟まれた第一のスタックと、高温側熱交換器及び低温側熱交換器に挟まれた蓄冷器と、を設けて構成され、第一のスタック側の高温側熱交換器を加熱することによって自励音波を発生させ、この音波に基づく定在波及び進行波によって蓄冷器側の低温側熱交換器を冷却させるようにしたものである。

0004

また、非特許文献1にも同様に、熱音響効果を利用した冷却装置の実験的検討が開示されている。この実験に用いられる冷却装置も、金属によって構成された断面略矩形状のループ管と、ヒーター(高温側熱交換器)及び低温側熱交換器とに挟まれた第一のスタックと、この第一のスタックに対向する位置に設けられた第二のスタックとを設けて構成される。そして、第一のスタック側に設けられたヒーター(高温側熱交換器)を加熱するとともに、低温側熱交換器に水道水循環させることによって第一のスタック内に温度勾配を発生させ、この温度勾配と逆方向に自励による音波を発生させる。そして、その音エネルギーをループ管を介して蓄冷器側に移送させ、エネルギー保存の法則により、第二のスタック側でその音エネルギーと逆方向に熱エネルギーを移送させて、第二のスタックの他端側の温度計近傍を冷却させるようにしたものである。この文献によれば、所定の条件のもと、温度計が設けられる部分で約16℃の温度低下が確認されている。
特開2000—88378号公報
本眞一、上和宏、渡辺好章 著「熱音響効果を用いた音響冷却現象の実験的検討」社団法人電子情報通信学会 信学技報 TECHNICAL REPORTOFIEICE. US2002-118(2003-02)

発明が解決しようとする課題

0005

ところで、このような熱音響効果を利用した装置において、加熱から定在波及び進行波の発生までの時間を短縮する必要があり、また、定在波及び進行波が発生した後においても熱交換の効率を向上させる必要がある。そして、このように定在波及び進行波を迅速に発生させる場合においては、できる限り迅速にスタック内に温度勾配を形成し、また、できる限り迅速に発生した音波の波面を安定させることなどが必要となる。

0006

しかるに、上記特許文献1では、音波の発生源となる第一のスタックを地面に対して水平な直線管部に設けるようにしているため、第一のスタックの高温側熱交換器に入力された熱がこの直線管部内で左右方向に広がってしまい、この熱が第一のスタック内に入り込んでスタック内に大きな温度勾配を形成することができない。このため、自励の音波の発生までに長い時間を要することとなり、冷却効率を良くすることができないという問題があった。また、定在波及び進行波を迅速に発生させるためには、第一のスタックで発生された音波の波面をできる限り迅速に安定させることが必要であるが、第一のスタックとループ管の角部までの距離が短いと、安定する前の波面がループ管の角部で反射してしまい、そこで波面が乱れて自励の音波の発生までに長い時間を要することとなるという問題があった。

0007

そこで、本発明は上記課題を解決すべく、ループ管を用いた熱音響装置において、迅速に定在波及び進行波を発生させて、迅速かつ効率良く熱交換を行いうるような熱音響装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明は上記課題を解決するために、ループ管の内部に、第一高温側熱交換器と第一低温側熱交換器に挟まれた第一のスタックと、第二高温側熱交換器と第二低温側熱交換器に挟まれた第二のスタックとを具備してなり、前記第一高温側熱交換器を加熱することによって自励による定在波及び進行波を発生させ、この定在波及び進行波によって前記第二低温側熱交換器を冷却し、又は/及び、前記第一低温側熱交換器を冷却することによって自励による定在波及び進行波を発生させ、この定在波及び進行波によって前記第二高温側熱交換器を加熱する熱音響装置であって、前記ループ管を、地面に対して起立する複数の直線管部と、この直線管部よりも短く構成された連結管部とを設けて構成し、前記第一のスタックを、当該複数の直線管部のうち最も長い直線管部に設けるようにする。

0009

このように構成すれば、第一のスタックで発生した音波の波面を最も長く設定された直線管部内で安定させることができ、迅速に定在波及び進行波を発生させることができるようになる。また、地面に対して起立する直線管部に第一のスタックを設けるようにしたので、その第一のスタック側で発生した上昇気流下降気流を利用して音波の発生までの時間を短縮化することができるようになる。更に、定在波及び進行波が発生した後においても、熱交換の効率を向上させることができるようになる。

0010

また、このようなループ管の直線管部と連結管部のそれぞれの長さをLa、Lbとした場合、1:0.01≦La:Lb<1:1となるようにそれぞれの長さを設定する。

0011

このように構成すれば、上述と同様に直線管部が相対的に長くなるため、音波の波面を安定させることができるようになる。そして、好ましくは、可能な限り直線管部を長くするのが好ましく、La:Lb≦1:0.5のように設定すると、より発生した音波の波面を安定させることができるようになる。

0012

更に、このような装置において、第一高温側熱交換器を加熱し、第二低温側熱交換器を冷却するような場合、第一のスタックを直線管部の中心よりも下方に設けるようにする。

0013

このように構成すれば、第一高温側熱交換器に加えられる熱による上昇気流の発生空間を上側に大きく確保することができ、この上昇気流を利用することによって迅速に定在波及び進行波を発生させることができるようになる。

0014

加えて、第一低温側熱交換器を冷却し、第二高温側熱交換器を加熱するような場合、第一のスタックを直線管部の中心よりも上方に設けるようにする。

0015

このように構成すれば、第一低温側熱交換器に加えられる冷たい熱(以下「冷熱」と称する)による下降気流の発生空間を下側に大きく確保することができ、この下降気流を利用することによって迅速に定在波及び進行波を発生させることができるようになる。

0016

また、直線管部の一端と連結管部の一端とを連結したときのそれぞれの中心軸交点回路の始点とし、回路全長を1.00とするとき、第一のスタックの中心が回路全長の0.28±0.05の位置となるように設定する。

0017

このように構成すれば、第一のスタックにおける第一高温側熱交換器と第一低温側熱交換器のそれぞれの温度が適切であると、より迅速に自励による音波の発生を生じることができる。

0018

また、回路全長を1.00とするとき、回路に沿った作動流体の圧力変動が、第一のスタックの近傍に第一のピークがあり、更に回路全長の約1/2進んだ位置に第二のピークが存在する場合に、前記第二のスタックの中心が前記第二のピークを過ぎた位置となるように第二のスタックを設ける。

0019

このように構成すれば、第二のスタックでの冷却効率や加熱効率を高めることができるようになる。

0020

また、ループ管の外周部もしくは内部に、定在波及び進行波を発生させるための音波発生装置を設けるようにする。

0021

このように構成すれば、自励による音波だけでなく音波発生装置からの強制振動によって、より迅速に定在波及び進行波を発生させることができるようになる。

0022

また、第一のスタック、又は/及び、第二のスタックとして、順次外側へ向かって内径を大きくした導通路を有するものを用いる。

0023

このようなものを用いれば、ループ管内部における境界層近傍での導通路の内径を大きくすることができるため、この部分でのエネルギー交換を効率よく行うことができるようになる。

0024

また、第一のスタック、又は/及び、第二のスタックとして、順次外側へ向かって内径を小さくした導通路を有するものを用いる。

0025

このようなものを用いれば、ループ管内部における中心部分での導通路の内径を大きくすることができるため、この中心部分でのエネルギー交換を効率よく行うことができるようになる。

0026

また、第一のスタック、又は/及び、第二のスタックとして、蛇行した導通路を有するものを用いるようにする。

0027

このようなものを用いれば、作動流体とスタックとの表面積を大きく確保することができるため、作動流体との熱交換を助長させてより高い熱の出力を行うことができるようになる。

0028

また、第一のスタック、又は/及び、第二のスタックとして、順次外側へ向かって流路長を短くした導通路を有するものを用いるようにする。

0029

このようなものを用いれば、ループ管の境界層に近い部分の導通路の流路長が短くなるため、速度勾配を均一にすることができ、これにより熱交換器を均一に加熱若しくは冷却することができるようになる。

0030

第一のスタック、又は/及び、第二のスタックの材質が、セラミクス燒結金属金網、金属製不織布の少なくとも1種からなるものであり、そのωτ(ω:作動流体の角周波数、τ:温度緩和時間)が0.2〜20の範囲となるように構成された請求項1に記載の熱音響装置。

0031

このように構成すれば、より迅速かつ効率良く自励による音波を発生させることができるようになる。

0032

また、このような熱音響装置を複数設け、一の熱音響装置における第二低温側熱交換器とこれに隣接する熱音響装置の第一低温側熱交換器を連結し、もしくは、一の熱音響装置における第二高温側熱交換器とこれに隣接する熱音響装置の第一高温側熱交換器を連結する。

0033

このように構成すれば、順次隣接する熱音響装置ごとに第一のスタック内の温度勾配が大きくなるため、末端側の熱音響装置でより高熱や冷熱を出力することができるようになる。

発明の効果

0034

本発明の熱音響装置は、ループ管の内部に、第一高温側熱交換器と第一低温側熱交換器に挟まれた第一のスタックと、第二高温側熱交換器と第二低温側熱交換器に挟まれた第二のスタックとを具備してなり、前記第一高温側熱交換器を加熱することによって自励による定在波及び進行波を発生させ、この定在波及び進行波によって前記第二低温側熱交換器を冷却し、又は/及び、前記第一低温側熱交換器を冷却することによって自励による定在波及び進行波を発生させ、この定在波及び進行波によって前記第二高温側熱交換器を加熱するものであって、前記ループ管を、地面に対して起立する複数の直線管部と、この直線管部よりも短く構成された連結管部とを設けて構成し、前記第一のスタックを、当該複数の直線管部のうち最も長い直線管部に設けるようにしたので、第一のスタックで発生した自励の音波の波面を長い直線管部で安定させることができ、迅速に定在波及び進行波を発生させることができるようになる。また、起立する直線管部に第一のスタックを設けるようにしたので、その第一のスタック側で発生した上昇気流や下降気流を利用して音波の発生までの時間を短縮化することができ、更に、音波発生後においても熱交換の効率を向上することができるようになる。

発明を実施するための最良の形態

0035

以下、本発明に係る熱音響装置1の第一の実施の形態について図面を参照して説明する。

0036

この実施の形態における熱音響装置1は、図1に示すように、全体として略長方形状に構成されたループ管2の内部に、第一高温側熱交換器4及び第一低温側熱交換器5に挟まれた第一のスタック3aと、第二高温側熱交換器6及び第二低温側熱交換器7に挟まれた第二のスタック3bとを具備してなるもので、第一のスタック3a側の第一高温側熱交換器4を加熱させることによって自励による定在波及び進行波を発生させ、この定在波及び進行波を第二のスタック3b側へ伝搬させることによって第二のスタック3b側に設けられた第二低温側熱交換器7を冷却させるようにしたものである。

0037

そして、この実施の形態では、第一高温側熱交換器4の加熱から定在波及び進行波の発生までの時間を短縮するために、鉛直方向(重力方向)に沿って設けられる一対の直線管部2aと、これらの直線管部2aよりも短く構成された連結管部2bとを設け、一方の直線管部2aの下方に第一高温側熱交換器4と第一低温側熱交換器5とで挟まれた第一のスタック3aを設けるようにしている。

0038

定在波及び進行波を発生させるためには、第一のスタック3aから発生した音波の波面をできる限り迅速に安定させなければならないが、第一のスタック3aが設けられている直線管部2aの長さが短いと、その連結管部2bの両端に設けられた角部20bで音波が反射してしまい、位相反転するなどして波面が乱れてしまう。このため、本実施の形態では、発生した音波の波面をできる限り迅速に安定させるために、ループ管2のうち最も長く構成された直線管部2aに第一のスタック3aを設けるようにしている。この直線管部2aの長さは、連結管部2bの長さよりも長く設定され、直線管部2aの長さをLa、連結管部2bの長さをLbとした場合、

0039

1:0.01≦<La:Lb<1:1
の範囲に設定されるが、好ましくは可能な限り直線管部2aを長くする方が良く、

0040

1:0.01≦<La:Lb≦1:0.5
の範囲に設定するのが好ましい。

0041

一方、この直線管部2aを連結する連結管部2bは、その両端に角部20bを設けて構成されるもので、この角部20bによって直線管部2aから伝搬してきた音波を連結管部2bへ反射させるようにしている。この角部20bの構成については、効率良く音波を連結管部2bへ反射させるために、図2に示すような構造が用いられる。図2は、直線管部2aの上端部分における角部20bの拡大図を示したものである。なお、この角部20bは、他の角部20bにおいても同様の構成が用いられるため他の部分における角部20bの構成については説明を省略する。図2において、角部20bは、直線の管部2aの内径とほぼ等しい内径を有し、かつ、ループ管2の内側コーナー部分を中心として管の内径とほぼ等しい直径を有するように構成される。これにより直線管部2aから移送されてきた音エネルギーは、角部20bにおいて全て反射され、直線管部2aに戻ることなく連結管部2b側へ移送されることになる。また、このように角部20bの内径を直線管部2aとほぼ等しく構成することによって、直線管部2aと角部20bの内壁を滑らかにすることができ、これにより音エネルギーの損失を防止して効率よく音エネルギーを移送できるようになる。なお、この角部20bの形状については、円弧形状のものに限らず、図3に示されるような直線状のものを用いることもできる。図3は、直線管部2aにおける上端部分の角部200bの拡大図を示したものである。図3において、角部200bは、その外側コーナー部分を直線管部2aに対して約45度となるように直線状に設けられる。そして、この直線状のコーナー部分により直線管部2aを伝搬する音波を全て連結管部2b側へ反射させるようにしている。

0042

これらの直線管部2aや連結管部2bは、金属製のパイプによって構成されるが、材質については金属などに限らず、透明なガラス、もしくは樹脂などによって構成することもできる。透明なガラスや樹脂などの材料で構成した場合は、実験等における第一のスタック3aや第二のスタック3bの位置の確認や管内の状況を容易に観察することができる。

0043

そして、このように構成されたループ管2の内部には、第一高温側熱交換器4と第一低温側熱交換器5とに挟まれた第一のスタック3a及び、第二高温側熱交換器6と第二低温側熱交換器7とに挟まれた第二のスタック3bが設けられる。

0044

この第一のスタック3aは、ループ管2の内壁に接するような円柱状に構成され、セラミクス、燒結金属、金網、金属製不織布などのように熱容量の大きい材質であって、ループ管の軸方向に貫通する多孔を有して構成される。なお、この第一のスタック3aは、図4図5に示すように、中心から順次外側へ向けて内径を大きくした導通路30を多数有するスタック3cや、中心から順次外側へ向けて内径を小さくした導通路30を有するスタック3dを用いることができる。また、図6図7に示すように、例えば、微小の球状セラミクスなどを多数敷き詰めて蛇行する導通路30(太線で示される導通路30)を有するスタック3eや、ループ管2の内周面に近い側の導通路30の流路長を短くしたスタック3fなどを用いても良い。

0045

また、第一高温側熱交換器4及び第一低温側熱交換器5は、共に薄い金属で構成され、その内側に定在波及び進行波を導通させるための貫通孔を設けて構成される。そして、これらの熱交換器のうち、第一高温側熱交換器4は外部から供給される電力、若しくは、廃熱未利用エネルギーなどによって加熱されるように構成される。一方、第一低温側熱交換器5はその周囲に水を循環させて相対的に第一高温側熱交換器4よりも低い温度となるように設定される。

0046

そして、このように第一高温側熱交換器4及び第一低温側熱交換器5によって挟まれた第一のスタック3aは、第一高温側熱交換器4を上側に設けた状態で直線管部2aの中央よりも下方側に設けられる。このように第一のスタック3aを直線管部2aの中央より下方に設けるようにするのは、第一高温側熱交換器4を加熱する際に生じる上昇気流を利用して迅速に音波を発生させられるようにするためであり、また、第一高温側熱交換器4を上側に設けるのは、第一高温側熱交換器4を加熱する際に発生する暖かい作動流体を第一のスタック3a内に入り込ませないようにして、第一低温側熱交換器5との間に大きな温度勾配を形成させられるようにするためである。

0047

ここで第一のスタック3aで自励による音波が発生するための条件としては、この第一のスタック3a内に作動流体が流れる際の平行通路流路半径をr、作動流体の角周波数をω、温度拡散係数をα、温度緩和時間をτ(=r2/2α)とした場合、ωτが0.2〜20の範囲内である場合に最も効率良く自励による音波を発生させることができる。このため、これらの関係を満たすようにr、ω、τを設定する。また、図2における直線管部2aの一端と連結管部2bの一端とを連結したときのそれぞれの中心軸の交点を回路の始点Xとし、回路全長を1.00とした場合、第一のスタック3aの中心を始点Xから反時計回りに回路全長の0.28±0.05となる位置に設定すれば、より迅速かつ効率良く自励による音波を発生することができる。

0048

一方、第二のスタック3bは、第一のスタック3aと同様に、ループ管2の内壁に接するような円柱状に構成され、セラミクス、燒結金属、金網、金属製不織布などのように熱容量の大きい材質であって、ループ管の軸方向に貫通する多孔を有して構成される。この第二のスタック3bは、ループ管2に沿った作動流体の圧力変動が、第一のスタック3aの近傍に第一のピークが存在して、更に回路全長の約1/2進んだ位置に第二のピークが存在する場合に、そのスタック3bの中心が第二のピークを過ぎた場所に位置するように設けられる。なお、この第二のスタック3bについては、第一のスタック3aと同様に、図4図5に示すように、中心から順次外側へ向けて内径を大きくした導通路30を多数有するスタック3cや、中心から順次外側へ向けて内径を小さくした導通路30を有するスタック3dを用いることができる。また、図6図7に示すように、例えば、微小の球状セラミクスなどを多数敷き詰めて蛇行する導通路30(太線で示される導通路30)を有するスタック3eや、ループ管2の内周面に近い側の導通路30の流路長を短くしたスタック3fなどを用いても良い。

0049

また、この第二のスタック3b側に設けられる第二高温側熱交換器6及び第二低温側熱交換器7も、同様に、ともに薄い金属で構成され、その内側に定在波及び進行波を導通させるための貫通孔を設けて構成される。そして、第二高温側熱交換器6の周囲に水を循環させるようにするとともに、第二低温側熱交換器7に冷却の対象物を接続する。この冷却の対象物としては、外気や、発熱を伴う家電製品パーソナルコンピュータのCPUなどが考えられるが、これ以外の対象物を冷却するようにしても良い。

0050

このように構成されたループ管2の内部には、ヘリウムアルゴンなどのような不活性ガスが封入される。なお、このような不活性ガスに限らず、窒素や空気などのような作動流体を封入しても良い。これらの作動流体は、0.1MPa〜1.0MPaに設定される。

0051

このような作動流体を封入するに際してプラントル数が小さく、また、比重も小さいヘリウムなどを使用すれば、音波の発生までの時間を短縮化することができる。しかし、このような作動流体を用いると、音速が早くなってしまって、スタック内壁との間でうまく熱交換を行うことができない。また、逆に、プラントル数が大きく、また、比重も大きいアルゴンなどを使用すると、今度は粘性が高くなって音波を迅速に発生させることができない。このため、好ましくは、ヘリウムとアルゴンの混合ガスを用いるようにする。そして、このような混合ガスを封入する場合、次のようにして行う。

0052

まず、始めにプラントル数が小さく、また、比重も小さいヘリウムをループ管2内に封入しておき、迅速に音波を発生させる。そして、発生した音波の音速を低下させるべく、次にアルゴンなどのようなプラントル数が大きく、また、比重も大きいガス注入する。このアルゴンの混入に際しては、図8に示すように、上側に設けられた連結管部2bの中央部分に気体注入装置9を設け、そこからから注入すると左右の直線管部2aに均一にアルゴンを注入し、これにより、相対的に比重の大きいアルゴンを下方に向かって流入させて内部のガスを均一化される。なお、このように先にヘリウムを封入して後からアルゴンを注入する場合に限らず、これとは逆に、先にアルゴンを封入しておき、後からヘリウムを注入するようにしても良い。この場合、下側の連結管部2bの中央部分に気体注入装置9を設け、そこからヘリウムを注入すると、相対的に比重の小さいヘリウムが上昇する際にガスを均一化させるようになる。これらの混合ガスの圧力は、0.01MPa〜5MPaに設定され、装置全体を小型化する場合は、0.01MPaなどのように比較的低い圧力に設定する。これにより小型化されたループ管2内での粘性の影響を少なくできる。

0053

次に、このように構成された熱音響装置1の動作状態について説明する。

0054

まず、ループ管2にヘリウムを封入しておき、この状態で第一のスタック3aの第一低温側熱交換器5及び第二のスタック3bの第二高温側熱交換器6の周囲に水を循環させる。この状態で第一のスタック3aにおける第一高温側熱交換器4に熱を加えると、第一高温側熱交換器4と第一低温側熱交換器5との間の温度差によって第一のスタック3a内に温度勾配が発生し、作動流体が微小に揺らぎ始める。そして、次に、この作動流体が大きく振動し始めてループ管2内を周回する。この際、第一のスタック3aが存在する直線管部2aが比較的長く設定されているので、第一のスタック3a内で発生した音波の波面が安定し、短時間のうちにループ管2内に定在波及び進行波を発生させることができる。この定在波及び進行波による音エネルギーは、エネルギー保存の法則に基づき、第一のスタック3a内での熱エネルギーの移送方向(第一高温側熱交換器4から第一低温側熱交換器5の方向)と逆方向、すなわち、第一低温側熱交換器5から第一高温側熱交換器4の方向に発生する。この音エネルギーは、ループ管2の角部20bなどにおいて効率良く反射された後、第二のスタック3b側へ移送され、第二のスタック3b側では、定在波及び進行波に基づく作動流体の圧力変化及び体積変化によって作動流体を膨張収縮させる。そして、その際に生じた熱エネルギーを音エネルギーの移送方向と逆方向である第二低温側熱交換器7から第二高温側熱交換器6側へ移送する。このようにして、第二低温側熱交換器7を冷却し、目的の対象物を冷却するようにする。

0055

なお、上述のような熱音響装置1では、第一のスタック3a内に設けられた温度勾配によって自励による音波を発生させるようにしているが、実際には、このような自励による音波が発生するまでの間には比較的長い時間を要することとなる。一方、定在波及び進行波の発生時間を短縮するためには、ループ管2の径を変えて定在波及び進行波の周波数を低くすることも可能であるが、このようにすると今度は、十分な出力を得ることができない。このような場合、図8に示すように、音波発生装置8を設けることもできる。

0056

この音波発生装置8は、スピーカー圧電素子、その他、外部から作動流体を強制振動させるような装置で構成されるもので、ループ管2の外周面に沿って設けられ、若しくは、ループ管2の内部に設けられる。この音波発生装置8は、発生する定在波及び進行波の1/2波長、1/4波長の間隔を設けて取り付けるのが好ましく、また、定在波及び進行波の進行方向に対応してループ管2の軸方向に作動流体を強制振動させるように設けるのが好ましい。このように音波発生装置8を設けると、定在波及び進行波の発生時間を短縮することができ、迅速に第二低温側熱交換器7を冷却することができるようになる。

0057

また、このような熱音響装置1だけでは充分な冷却効果を得ることができない場合、図9に示すように、熱音響装置1を複数連結させた熱音響システム100を用いるようにするようにしても良い。図9において、1a、1b…1nは上述のように構成された熱音響装置1を示し、これらの第一の熱音響装置1a、第二の熱音響装置1b…第nの熱音響装置1nは隣接して直列に設けられる。これらの熱音響装置1a…における第一高温側熱交換器4は、全てヒーターなどで加熱され、一方、それぞれにおける熱音響装置1a…の第二低温側熱交換器7は、これに隣接する熱音響装置1b…の第一低温側熱交換器5に連結される。これにより、第一の熱音響装置1aにおける第一のスタック3aの温度勾配よりも第二の熱音響装置1における温度勾配の方を大きくすることができ、これにより、順次下流側に向けて熱音響装置1nの温度勾配が大きくすることができて、末端の熱音響装置1nからより低い熱を出力することができるようになる。なお、このように熱音響装置1a…を連結する場合、各熱音響装置1a…で音波を自励させようとすると、末端の熱音響装置1nで定在波及び進行波が発生するまでの間に非常に長い時間を要することになる。このため、特にループ管2の外周面若しくは内部に音波発生装置8を設けて各熱音響装置1a…での定在波及び進行波の発生までの時間を短縮化するように構成すると良い。

0058

また、上記実施の形態では、第一のスタック3a側を加熱して第二のスタック3b側を冷却する熱音響装置1を例に挙げて説明したが、これとは逆に、第一のスタック3a側を冷却して第二のスタック3b側を加熱するようにしても良い。この熱音響装置1の例を図8に示す。

0059

図10において、図1から図8までと同じ符号を示すものは上記説明したものと同じ構造を有するものを示す。この図10においては、第一のスタック3aを直線管部2aの中央よりも上方に設けるとともに、第二のスタック3bをこれに対向する直線管部2aの適所に設けるようにしている。この第一のスタック3a及び第二のスタック3bの設置位置としては、上記実施の形態における設置条件と同じ条件となる位置に設けると良い。そして、第一低温側熱交換器5にマイナス数十度もしくはこれよりも低い冷熱を入力するとともに、第一高温側熱交換器4および第二低温側熱交換器7に不凍性の液体を循環させる。すると熱音響効果の原理により、第一のスタック3aに形成された温度勾配によって自励の音波が発生し、比較的長く設定された直線管部2aで波面を安定させ、また、冷熱の下降気流を利用して迅速に定在波及び進行波を発生させる。この定在波及び進行波の音エネルギーの進行方向は、第一のスタック3aにおける熱エネルギーの移送方向(第一高温側熱交換器4から第一低温側熱交換器5の方向)と逆方向に向かうように発生する。この定在波及び進行波による音エネルギーは、ループ管2の角部20bなどにおいて効率良く反射された後、第二のスタック3b側へ伝搬され、第二のスタック3b側では、定在波及び進行波に基づく作動流体の圧力変化及び体積変化によって作動流体が膨張・収縮を繰り返し、その際に生じた熱エネルギーを音エネルギーの移送方向と逆方向である第二低温側熱交換器7から第二高温側熱交換器6側へ移送する。このようにして、第二高温側熱交換器6を加熱する。

0060

なお、この実施の形態においても、定在波及び進行波の発生を促進するためにループ管2の外周面もしくは内部に音波発生装置8を設けるようにしても良く、また、このような熱音響装置1を図9に示すように連結して末端側の熱音響装置1からより高い熱を出力するようにしても良い。

0061

このように上記実施の形態によれば、鉛直方向に沿って設けられた一対の同じ長さの直線管部2aと、この直線管部2aを連結する連結管部2bを設け、この直線管部2aを連結管部2bよりも長く設定した状態において、その直線管部2aに第一高温側熱交換器4及び第一低温側熱交換器5に挟まれた第一のスタック3aを設けるようにしたので、第一のスタック3aで発生した自励の音波の波面を長い直線管部2aで安定させることができる。また、鉛直方向に沿う直線管部2aに第一のスタック3aを設けるようにしたので、その第一のスタック3a側で発生した上昇気流や下降気流を利用して音波の発生までの時間を短縮化することができるようになり、更に、音波が発生した後においても熱交換の効率を良くすることができるようになる。

0062

そして、このようなループ管2を構成するに際して、直線管部と連結管部の長さをそれぞれLa、Lbとした場合、「1:0.01≦La:Lb<1:1」となる範囲にそれぞれの長さを設定し、より好ましくは、「La:Lb≦1:0.5」とように各長さを設定したので、発生した音波の波面をより迅速に安定化させることができる。

0063

また、このような装置において、第一のスタック3a側を加熱し、第二のスタック3b側を冷却する場合、第一のスタック3aを直線管部2aの中心よりも下方に設けるようにしたので、第一高温側熱交換器4に加えられる熱による上昇気流の発生空間を確保することができ、この上昇気流を利用することによって迅速に定在波及び進行波を発生させることができるようになる。

0064

更に、これとは逆に、第一のスタック3a側を冷却し、第二のスタック3b側を加熱する場合、第一のスタック3aを直線管部2aの中心よりも上方に設けるようにしたので、第一低温側熱交換器5に加えられる冷熱による下降気流の発生空間を確保することができ、この下降気流を利用することによって迅速に定在波及び進行波を発生させることができるようになる。

0065

加えて、直線管部2aの一端と連結管部2bの一端とを連結したときのそれぞれの中心軸の交点を回路の始点とし、回路全長を1.00とするとき、第一のスタック3aの中心が回路全長の0.28±0.05の位置となるように設定したので、より迅速に自励による音波を発生させることができる。

0066

また、回路全長を1.00とするとき、回路に沿った作動流体の圧力変動が、第一のスタックの近傍に第一のピークがあり、更に回路全長の約1/2進んだ位置に第二のピークが存在する場合に、第二のスタック3bの中心が第二のピークを過ぎた位置となるように第二のスタック3bを設けるようにしたので、第二のスタック3bでの冷却効率や加熱効率を高めることができるようになる。

0067

加えて、ループ管2の外周部もしくは内部に、定在波及び進行波を発生させるための音波発生装置8を設けるようにしたので、自励による音波だけでなく音波発生装置8からの強制振動によって、より迅速に定在波及び進行波を発生させることができるようになる。

0068

また、第一のスタック3aや第二のスタック3bとして、図4に示すように、順次外側へ向かって内径を大きくした導通路30を有するスタック3cを用いるようにもしたので、ループ管2内部における境界層近傍での導通路30の内径を大きくすることができ、この部分でのエネルギー交換を効率よく行うことができるようになる。

0069

また、第一のスタック3aや第二のスタック3bとして、図5に示すように、順次外側へ向かって内径を小さくした導通路を有するスタック3dを用いるようにもしたので、ループ管2内部における中心部分での導通路30の内径を大きくすることができ、この部分でのエネルギー交換を効率よくすることができるようになる。

0070

また、第一のスタック3aや第二のスタック3bとして、図6に示すように、蛇行した導通路30を有するスタック3eを用いるようにしたので、作動流体とスタック3dとの表面積を大きく確保することができるため、作動流体との熱交換を助長させてより高い熱の出力を行うことができるようになる。

0071

また、第一のスタック3aや第二のスタック3bとして、図7に示すように、順次外側へ向かって短くした導通路を有するスタック3fを用いるようにしたので、ループ管2の境界層に近い部分の導通路の流路長を短くすることができ、速度勾配を全体的に均一にすることによって、熱交換器4、5、6、7を全体的に均一に加熱若しくは冷却することができるようになる。

0072

また、第一のスタック3aや第二のスタック3bの素材として、セラミクス、燒結金属、金網、金属製不織布の少なくとも1種からなるものを用い、そのωτ(ω:作動流体の角周波数、τ:温度緩和時間)として0.2〜20の範囲となるように設定したので、より迅速かつ効率良く自励による音波を発生させることができるようになる。

0073

また、図9に示すように、このような熱音響装置1を複数設け、一の熱音響装置1における第二低温側熱交換器7とこれ隣接する熱音響装置1の第一低温側熱交換器5、もしくは、一の熱音響装置1における第二高温側熱交換器6とこれに隣接する熱音響装置1の第一高温側熱交換器4とを連結するようにしたので、順次隣接する熱音響装置1ごとに第一のスタック3a内の温度勾配を大きくすることができ、末端側の熱音響装置1でより高い熱や冷熱を出力することができるようになる。

0074

なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。

0075

例えば、上記実施の形態においては、左右対称形となるループ管2を設けるようにしているが、これに限らず、不規則に蛇行するループ管を用いるようにしても良い。この場合、最も長い直線管部に音波の発生源となる第一のスタック3aを設けるようにすると良い。

0076

また、上記実施の形態においては、鉛直方向に沿った直線管部2aを設けるようにしているが、これに限らず、若干地面に対して傾斜するような直線管部を設けるようにしても良い。

0077

また、上記第一のスタック3aや第二のスタック3bの位置については、上記設定された条件に限定されることなく、種々の実験などにおいて適切な場所に設置するようにしても良い。

図面の簡単な説明

0078

本発明の一実施の形態を示す熱音響装置の概略図
同形態におけるループ管の角部の拡大図
他の実施の形態におけるループ管の角部の形状を示す図
他の実施の形態におけるスタックの形状を示す図
他の実施の形態におけるスタックの形状を示す図
他の実施の形態におけるスタックの形状を示す図
他の実施の形態におけるスタックの形状を示す図
音波発生装置を設けた熱音響装置の概略図
音響暖房装置を連結させた音響暖房システムの概略図
他の実施の形態における熱音響装置の概略図

符号の説明

0079

1・・・熱音響装置
2・・・ループ管
2a・・・直線管部
2b・・・連結管部
20b・・・角部
3a・・・第一のスタック
3b・・・第二のスタック
3c・・・スタック
3d・・・スタック
3e・・・スタック
3f・・・スタック
30・・・導通路
4・・・第一高温側熱交換器
5・・・第一低温側熱交換器
6・・・第二高温側熱交換器
7・・・第二低温側熱交換器
8・・・音波発生装置
9・・・気体注入装置
100・・・熱音響システム

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