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技術 インジゴ還元微生物及び当該インジゴ還元微生物を用いたインジゴの還元方法

出願人 国立研究開発法人産業技術総合研究所
発明者 中島健二湯本勳広田菊江
出願日 2004年3月25日 (15年10ヶ月経過) 出願番号 2004-090301
公開日 2005年10月6日 (14年4ヶ月経過) 公開番号 2005-270028
状態 特許登録済
技術分野 微生物による化合物の製造 微生物、その培養処理 染色
主要キーワード 布切れ 還元組成物 単離微生物 偏性嫌気性細菌 セラミック多孔体 モル含有量 オキシダーゼ試験 インディゴ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年10月6日)のものです。
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図面 (1)

課題

pH 10〜12で増殖が可能で、かつインジゴ還元能を有する微生物を提供するものである。

解決手段

本発明は、pH 10〜12で生育することができるアルカリバクテリウムサイクラカリフラス(Alkalibacterium psychralcaliphilus)に属する微生物であって、インジゴ還元能を有するインジゴ還元微生物、及び該微生物を用いたインジゴ還元方法にある。

概要

背景

現在、インジゴによる染色は、(1)天然藍、すなわち植物の蓼藍から調製されたすくも
を用いての発酵建による方法(正藍建)、(2) (1)の発酵建液化学合成された合成インジゴを添加する方法(割建)、(3) 藍から調製されたすくも及び合成インジゴをハイドロサルファイト還元する化学建(ハイドロ建)による方法が行なわれている。

このうち、(1) の天然藍由来のすくもや(2) (1)の発酵建液に合成インジゴを加えた方法により染色した製品は、関与する微生物の作用により、より優美にして鮮明な色調が得られ、耐水性が強い等多くの特徴を有している。

ただ、(1)の発酵建による方法及び(1)に合成インジゴを加える方法は、発酵に長時間を要すこと、管理が非常に難しく相当の経験がないと建てることができないという欠点を有している。

これまで、インジゴの微生物還元に関する特許としては高原らによる「合成藍の微生物還元法」(特許文献1)が出されているだけである。これに関連して高原らは研究論文非特許文献2)の中で、藍の発酵建液中に存在するインジゴ還元能を有する微生物を単離し、バチルス(Bacillus)属の新種、すなわちバチルスアルカリフィラス(Bacillus alkaliphilus)を提案したが、現在では本微生物は何処にも保管されていない。さらに本微生物は藍玉(蓼藍から調製されたすくもを玉状にしたもの)の中に含まれる7種類のアミノ酸からなるペプチドが必須で、これらのペプチドが含まれていない培地では増殖できない。

一方、1999年パデン(A. N. Padden)らの研究論文{インターナシナルジャーナルオブシステマチックバクテリオロジー、第49巻、pp. 1025−1031(1999年)}の中で、大青(たいせい)というアブラナ科の植物の葉を大樽の中で発酵させた発酵液からインジゴ還元能を有する偏性嫌気性細菌クロストリジウムイサチジス(Clostridium isatidis)の単離した。ただ大青は蓼藍とは品種が異なっていること、本微生物は偏性嫌気性であるためその培養が困難である、通常の還元条件であるpH 10以上の生育が良好ではないなど問題が多い。

上記の様に、これまでインジゴ還元能を有する微生物が単離されているが、現在それらの微生物を用いての発酵建が行なわれている例はない。

特許第124188号(発行日:1959.5.14)
醗酵工学雑誌」第40巻、第2号、pp. 77−80(1962年)
インターナショナルジャーナルオブシステマチックバクテリオロジー、第49巻、pp. 1025−1031(1999年)

概要

pH 10〜12で増殖が可能で、かつインジゴ還元能を有する微生物を提供するものである。 本発明は、pH 10〜12で生育することができるアルカリバクテリウムサイクラカリフィラス(Alkalibacterium psychralcaliphilus)に属する微生物であって、インジゴ還元能を有するインジゴ還元微生物、及び該微生物を用いたインジゴの還元方法にある。 なし

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

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請求項1

生育pHがpH 10〜pH 12で、インジゴ還元能を有するアルカリバクテリウム(Alkalibacterium)属に属する微生物

請求項2

アルカリバクテリウム(Alkalibacterium)属に属する微生物が、インジゴ還元能を有するアルカリバクテリウムサイクラカリフラス(Alkalibacteriumpsychralcaliphilus)に属する微生物である請求項1記載の微生物。

請求項3

アルカリバクテリウムサイクラルカリフィラス(Alkalibacteriumpsychralcaliphilus)に属する微生物が、アルカリバクテリウムサイクラルカリフィラス(Alkalibacteriumpsychralcaliphilus)IDR2-2T株である請求項2記載の微生物。

請求項4

アルカリバクテリウムサイクラルカリフィラス(Alkalibacteriumpsychralcaliphilus)に属する微生物が、アルカリバクテリウムサイクラルカリフィラス(Alkalibacteriumpsychralcaliphilus)FERMP−19648である、請求項2に記載の微生物。

請求項5

請求項1乃至4のいずれかの項記載の微生物を含有する、インジゴ還元用組成物

請求項6

請求項1乃至4のいずれかの項記載の微生物を固定化した、インジゴ還元用組成物。

請求項7

生育培地又は藍から調製されたすくもを含有する発酵建液中で、インジゴと請求項1乃至4のいずれかの項記載の微生物とを接触することを特徴とする、インジゴを還元する方法。

請求項8

生育培地又は藍から調製されたすくもを含有する発酵建液中で、インジゴと請求項5又は6に記載のインジゴ還元用組成物とを接触することを特徴とする、インジゴを還元する方法。

技術分野

0001

本発明は、新規インジゴ還元微生物等に関するものである。特に、pH 10〜pH 12の
高アルカリ側で増殖が可能で、かつインジゴ還元能を有するインジゴ還元好アルカリ性
生物等に関する。

背景技術

0002

現在、インジゴによる染色は、(1)天然藍、すなわち植物の蓼藍から調製されたすくも
を用いての発酵建による方法(正藍建)、(2) (1)の発酵建液化学合成された合成インジゴを添加する方法(割建)、(3) 藍から調製されたすくも及び合成インジゴをハイドロサルファイトで還元する化学建(ハイドロ建)による方法が行なわれている。

0003

このうち、(1) の天然藍由来のすくもや(2) (1)の発酵建液に合成インジゴを加えた方法により染色した製品は、関与する微生物の作用により、より優美にして鮮明な色調が得られ、耐水性が強い等多くの特徴を有している。

0004

ただ、(1)の発酵建による方法及び(1)に合成インジゴを加える方法は、発酵に長時間を要すこと、管理が非常に難しく相当の経験がないと建てることができないという欠点を有している。

0005

これまで、インジゴの微生物還元に関する特許としては高原らによる「合成藍の微生物還元法」(特許文献1)が出されているだけである。これに関連して高原らは研究論文非特許文献2)の中で、藍の発酵建液中に存在するインジゴ還元能を有する微生物を単離し、バチルス(Bacillus)属の新種、すなわちバチルスアルカリフィラス(Bacillus alkaliphilus)を提案したが、現在では本微生物は何処にも保管されていない。さらに本微生物は藍玉(蓼藍から調製されたすくもを玉状にしたもの)の中に含まれる7種類のアミノ酸からなるペプチドが必須で、これらのペプチドが含まれていない培地では増殖できない。

0006

一方、1999年パデン(A. N. Padden)らの研究論文{インターナシナルジャーナルオブシステマチックバクテリオロジー、第49巻、pp. 1025−1031(1999年)}の中で、大青(たいせい)というアブラナ科の植物の葉を大樽の中で発酵させた発酵液からインジゴ還元能を有する偏性嫌気性細菌クロストリジウムイサチジス(Clostridium isatidis)の単離した。ただ大青は蓼藍とは品種が異なっていること、本微生物は偏性嫌気性であるためその培養が困難である、通常の還元条件であるpH 10以上の生育が良好ではないなど問題が多い。

0007

上記の様に、これまでインジゴ還元能を有する微生物が単離されているが、現在それらの微生物を用いての発酵建が行なわれている例はない。

0008

特許第124188号(発行日:1959.5.14)
醗酵工学雑誌」第40巻、第2号、pp. 77−80(1962年)
インターナショナルジャーナルオブシステマチックバクテリオロジー、第49巻、pp. 1025−1031(1999年)

発明が解決しようとする課題

0009

現在、インジゴ還元能を有する特定の微生物を用いたインジゴの染色は、工業的には全く行われていない。

0010

現在一般的に行なわれている発酵建法は、天然染料としてすくもからインジゴを可溶化した藍の発酵建液又はこの発酵建液に合成インジゴを添加したものに、繊維を漬けることにより染色を行なっているが、この方法では発酵建液を染色可能な状態にするにはかなりの日数が必要となっている。そこで新規でインジゴ還元能の優れた微生物を単離することができれば、そのような微生物を上記発酵建液に添加することにより、大幅に日数の短縮が可能となるばかりではなく、鮮明な色彩、深淵な色調、強い対耐水性をもった商品を得ることが期待できる。

0011

そこで、本発明の目的は、インジゴ還元能に優れた微生物の単離及び当該微生物を用いたインジゴの還元方法に関する。

課題を解決するための手段

0012

本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を行なった結果、天然の蓼藍から調製されたすくもの発酵建液中に、インジゴ還元能に優れた微生物が存在することを見出し、本発明を完成するに到った。

0013

本発明者らは、北海道伊達市で作られた発酵建液からインジゴ還元能に優れた微生物を単離することに成功し、単離したインジゴ還元菌をIDR2-2株と命名した。そして、この微生物の特徴を分析し、この微生物がアルカリバクテリウム(Alkalibacterium)属に属する新種であるという知見を得た。

0014

本発明の要旨は次のとおりである。
すなわち、本発明は、(1)生育pHがpH 10〜pH 12で、インジゴ還元能を有するアルカリバクテリウム(Alkalibacterium)属に属する微生物である。

0015

また、本発明は、(2)アルカリバクテリウム(Alkalibacterium)属に属する微生物が、インジゴ還元能を有するアルカリバクテリウムサイクラカリフィラス(Alkalibacterium psychralcaliphilus)に属する微生物である上記(1)記載の微生物である。

0016

また、本発明は、(3)アルカリバクテリウムサイクラルカリフィラス(Alkalibacterium psychralcaliphilus)に属する微生物が、アルカリバクテリウム サイクラルカリフィラス(Alkalibacterium psychralcaliphilus)IDR2-2T株である上記(2)記載の微生物である。

0017

また、本発明は、(4)アルカリバクテリウムサイクラルカリフィラス(Alkalibacterium psychralcaliphilus)に属する微生物が、アルカリバクテリウム サイクラルカリフィラス(Alkalibacterium psychralcaliphilus)FERM P−19648である、上記(2)記載の微生物である。

0018

また、本発明は、(5)上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の微生物を含有する、インジゴ還元用組成物である。

0019

また、本発明は、(6)上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の微生物を固定化した、インジゴ還元用組成物である。

0020

また、本発明は、(7)生育培地又は藍から調製されたすくもを含有する発酵建液中で、インジゴと上記(1)乃至(4)のいずれかの項記載の微生物とを接触することを特徴とする、インジゴを還元する方法である。

0021

また、本発明は、(8)生育培地又は藍から調製されたすくもを含有する発酵建液中で、インジゴと上記(5)乃至(6)に記載のインジゴ還元用組成物とを接触することを特徴とする、インジゴを還元する方法である。

発明の効果

0022

本発明により、新規なインジゴ還元微生物、及びそれらを用いたインジゴを還元する方
法が提供される。本発明のインジゴ還元微生物は、合成インジゴ単体液体培養、のみな
らずインジゴをふくんだ植物の蓼藍から調製されたすくもの液体培養液及びそれに合成イ
ンジゴを加えたの培養液に対しても還元能を示す。また、本発明のインジゴ還元微生物は
好アルカリ性であるので、高アルカリ側でのインジゴの還元が可能である。

発明を実施するための最良の形態

0023

以下、本発明について詳細に説明する。

0024

先ず、本発明のインジゴ還元微生物について説明する。
本明細書において、「インジゴ」とは合成インジゴのみならずインジゴ成分を含有している植物(蓼藍、大青、琉球藍、インディゴなど)等が含まれる。例えば、合成インジゴ植物由来インジゴ、微生物由来インジゴ、その他インジゴ含有化物等が挙げられる。

0025

本発明のインジゴ還元微生物は、pH 10〜pH 12で生育することができるアルカリバ
クテリウムサイクラルカリフィラス(Alkalibacterium psychralcaliphilus)に属する微生物であり、例えば、アルカリバクテリウムサイクラルカリフィラス(Alkalibacterium psychralcaliphilus)IDR2-2T株が挙げられる。本微生物は、前記pH 10〜pH 12で生育することができ、且つインジゴ還元能を有するアルカリバクテリウム サイクラルカリフィラス変種又は変異株であってもよい。さらに、本発明にはアルカリバクテリウム属(Alkalibacterium spp.)に属する生育pHがpH 10〜pH 12で、インジゴ還元能を有する全ての微生物も含まれる。

0026

本発明者らが単離した一例の微生物(IDR2-2T株)は、受託番号FERM P−19648として寄託されている。上記微生物は、蓼藍から調製されたすくもを発酵させた発酵建液から単離されたものである。IDR2-2T株の分離のために、ペプトン酵母エキス/合成インジゴ/無機塩類/アルカリ(PYA)培地及び強化クロストリジウム寒天RCA)培地を使用し、PYA培地で還元型インジゴを生成させ、その還元能を指標として選択した。

0027

この微生物の菌学的性質は、次のとおりである。
〔1〕形態学的性
(1)グラム染色陽性
(2)芽胞:無し
(3)運動性:有り
(4)菌形:桿菌
〔2〕培地における生育特性
色調は無色であり、コロニーの形状は円形であり、コロニーの表面は平滑である。
〔3〕化学分類学的特性
DNAのG+Cモル含有量は40.6%である。
〔4〕生理生化学的特性
カタラーゼ試験陰性
オキシダーゼ試験:陰性
デンプン分解:陰性
ゼラチン分解:陰性
各pHにおける生育
6:−
7:−
8:−
9:−
10:+
11:+
12:+
食塩(NaCl)濃度における生育
0%:+
3%:+
5%:+
7%:+
9%:+
10%:+
11%:+
12%:+
13%:+
14%:+
15%:+
16%:+
17%:+
18%:−
20%:−
各温度における生育
0℃:−
5℃:+
10℃:+
20℃:+
30℃:+
40℃:+
45℃:+
50℃:−

0028

本発明のインジゴ還元微生物は、D-アラビノース、D-キシローズ、D-グルコース、及びマルトースから酸を産生する。しかしラフィノース、myo-イノシトールマンニトール、及びシュークロースから酸を産生しない。

0029

本発明インジゴ還元微生物の菌体脂肪酸の種類と脂肪酸組成は、デカン酸(C10:0;0.7%),テトラデカン酸(C14:0;10.9%)、ヘキサデカン酸(C16:0;37.7%)、ヘキサデセン酸(C16:17c;2.2%)、ヘキサデセン酸(C16:19c;34.7%)、オクタデカン酸(C18:0;1.5%)、及びオクタデセン酸(C18:19c;10.3%)である。

0030

IDR2-2T株のDNAを抽出し、PCR法により16SrRNA遺伝子増幅し、増幅して得られた16S rRNA遺伝子の塩基配列オートシークエンサーで解析し、ブラストサーチにより類似した塩基配列を調べた。その結果に基づき、類似した塩基配列と多重アラインメントを取り、得られた結果に基づき近隣結合法(Neighbor-Joining)により系統樹を作成したところ、IDR2-2T株はアルカリバクテリウム(Alkalibacterium)属細菌分類されることが判明した。作成した系統樹を図1に示す。図1は、Alkalibacterium psychralcaliphilus IDR2-2T株の16S rRNA遺伝子に基づく系統的位置を示す図であり、系統樹内の数字ブートストラップ値が500以上を示す。バーは、0.1 Kuncユニットを示す。

0031

中でもアルカリバクテリウムオリボアプロリテイカス(Alkalibacterium olivoaprovliticus)と最も高い相同性が示された。

0032

上記16SrRNA遺伝子の塩基配列における相同性において相同性の高かったアルカリバクテリウムオリボアプロリテイカス(Alkalibacterium olivoaprovliticus)及びマリニラクチバチルスサイクロトレランス(Marinilactibacillus psychrotolerans)について、微生物を保存機関より入手し、IDR2-2T株株からDNAを抽出し、IDR2-2T株のDNAをフォトビオチンでラベルプローブを作成し、ブラックマイクロプレートに披検DNAを固定し、相同性を蛍光測定により算出した。結果はIDR2-2T株がAlkalibacterium olivoaprovliticus及びMarinilactibacillus psychrotoleransとそれぞれ24.3%及び7.6%の相同性を示した。DNA−DNA相同性試験において70%以上であると同一種と考えられるが、IDR2-2T株はAlkalibacterium 属に属する新種であることが示された。

0033

本発明のインジゴ還元微生物は、合成インジゴ単体を直接還元することができる。また天然染料としてすくもからインジゴを可溶化した蓼藍の発酵建液及び本液に合成インジゴを添加した発酵建液に本インジゴ還元微生物を加えることにより発酵建液を染色可能な状態にするための日数の大幅な短縮可能となる。本微生物そのものをインジゴを含む生育培地あるいは発酵建液中に直接添加してもよいし、固相担体(例えば、光硬化性樹脂ウレタンプレポリマーエポキシ樹脂、寒天、キトサンアルギン酸等)に菌体を固定してから用いてもよい。この際、発酵pHは10〜12が望ましい。また本発明のインジゴ還元微生物は5〜45℃の範囲の温度で増殖することができるので、広い温度範囲での利用が可能である。

0034

次に、本発明のインジゴ還元法について説明する。本発明のインジゴ還元微生物は、そのまま合成インジゴの還元に用いることもでき、またすくもからの発酵建液に含まれるインジゴを還元することもできる。さらに、本発明のインジゴ還元微生物を含有するインジゴ還元用組成物として用いてもよい。

0035

このようなインジゴ還元組成物としては、例えば液状製剤粉末製剤が挙げられる。
液状製剤とするには、例えば下記方法によって実施可能である。
インジゴ還元微生物を培養し、この培養液物を遠心分離し、菌体を回収し、pH 10に調整した生理食塩水を加えて適当な濃度となるように懸濁し、インジゴ還元用組成物とする。また、インジゴ還元用組成物には、必要に応じてpH調整剤等を加えてもよい。

0036

粉末製剤とするには、例えば下記方法によって実施可能である。
インジゴ還元微生物を培養し、この培養液を凍結乾燥等によって乾燥し、粉末製剤とする。また、培養液から菌体を遠心分離によって回収し、pH 10に調整した生理食塩水や新鮮な培地と懸濁した後、凍結乾燥等によって乾燥しもよい。また、凍結乾燥前にpH調整剤等を加えてもよい。

0037

また、本発明のインジゴ還元用組成物は、上記インジゴ還元微生物を固相担体に固定して製造することができる。インジゴ還元微生物を固定するための固相担体としては、微生物の固定に使用できるものであればいずれでも良く、特に限定されるものではない。例えば、アルギン酸、活性炭珪藻土セラミック多孔体等があげられる。このような固相担体の形状としては、球状または円柱等が好適であり、球状の場合、粒径は好ましくは0.3〜2.8 mm程度であり、さらに好ましくは0.3〜1.2 mm程度である。

0038

次に、本発明のインジゴ成分を還元する方法について説明する。本発明のインジゴを還元する方法は、本発明のインジゴ還元微生物、又はインジゴ還元用組成物を、インジゴ成分を含有する培地又は発酵建液と接触することを特徴とする。

0039

本発明のインジゴ成分を還元する方法は、インジゴ分を含有する培地に、本発明のインジゴ還元微生物を、又はインジゴ還元用組成物を投与することによって実施することができる。インジゴ還元微生物、又はインジゴ還元用組成物の投与量に特に制限はなく、培地又は天然藍由来のすくもからの発酵建液中のインジゴを還元できる量でもよい。なお、培地又は発酵建液のpHは10〜12の範囲が好ましいが、それ以下でもよい。本発明の微生物を用いることによって、合成インジゴ又は天然藍由来のすくもからの発酵建液中のインジゴを還元する方法により得られた還元型インジゴで、繊維の染色が可能となる。

0040

以下、実施例により本発明を具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例にその技術範囲が限定されるものではない。なお、以下の実施例において%は、特に断りのない限り質量%を表す。

0041

実施例1
北海道伊達市の黎明観で調製された天然蓼藍を原料としたインジゴを含む発酵建液を、インジゴ還元微生物を単離するための材料として用いた。

0042

インジゴ還元能の優れた微生物を取得するための集積培養には、PYA培地{PY培地(ペプトン、8 g;酵母エキス、3 g;インジゴ0.1 g;K2HPO4、1 g;EDTA、3.5 mg;ZnSO4・7H2O、3 mg;FeSO4・7H2O、10 mg;MnSO4・nH2O、2 mg;CuSO4・5H2O、0.1 mg;Co(NO3)2・6H2O、2 mg;H3BO3、1 mg;蒸留水、900 ml)、及びpH 10に調整するためのアルカリ緩衝液(1 MのNaHCO3/Na2CO3)100 mlをそれぞれ別滅菌し、滅菌後混合した}を用いた。

0043

また、集積培養で得られたインジゴ還元微生物の単離には、アルカリ−RCA寒天培地(アルカリ−強化クロストリジウム寒天培地){RCA培地(Reinforced Clostridial寒天培地:シグマ)900 ml及びpH 10に調整するためのアルカリ緩衝液(1 MのNaHCO3/Na2CO3)100 mlをそれぞれ別滅菌し、混合したものを、シャーレ分注固化してインジゴ還元微生物単離用培地とした。

0044

まず、インジゴ還元微生物を取得するためPYA培地100 mlを入れた100mlの三角フラスコに、前記発酵建液5 mlを加え、27℃で静置培養を行った。微生物によるインジゴ還元が行なわれたのを確認後、この培養液を5 ml取り100 mlの三角フラスコに入った集積培養用培地に加えた。このような操作を5度行い、インジゴ還元能の優れた微生物を選別した。

0045

なお、インジゴ還元の有無については、使用するインジゴは合成されたもので、水に不溶性粉末で培養前にはフラスコの底に沈んでいるが、微生物により還元されることにより沈殿していたインジゴは可溶化し、培養液中に溶ける。インジゴの還元が進むにつれ、培養液の色は深緑又は緑色に変化する。培養液の色の変化、すなわち深緑又は緑色への変化で、インジゴ還元が起こっていると判断した。

0046

上記インジゴ還元微生物を単離するため、インジゴ還元能の優れた微生物を含む培養液を1白金耳採り、上記アルカリ−RCA寒天培地に画線接種)し、27℃で培養を行った。そして48時間培養後に単一のコロニーを取り、再度アルカリ−RCA寒天培地に画線、単一コロニーを生成させた。この単離操作を5度繰り返し、インジゴ還元能の優れた微生物を単離した。

0047

得られた単離微生物のインジゴ還元能をチェックするため、本微生物をPYGA培地(グルコース2 gを加えたPY培地900 ml及びpH 10に調整するためのアルカリ緩衝液100 mlをそれぞれ別滅菌し、滅菌後混合した)に接種後、培養を行って培養液が深緑色又は緑色への変化することを観察した。

0048

このようにして得られた単離微生物をIRD2-2T株と命名した。このIDR2-2T株は独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに受託番号FERM P−19648として寄託されている。そして、この菌株についてその菌学的性質を検討した結果、本菌が、アルカリバクテリウム(Alkalibacterium)属に属する新種である知見を得、アルカリバクテリウムサイクラルカリフィラス(Alkalibacterium psychralcaliphilus)と同定した。

0049

実施例2
実施例1で示したアルカリ−RCA寒天培地をシャーレに分注して固化したプレートに、アルカリバクテリウムサイクラルカリフィラス(Alkalibacterium psychralcaliphilus)IDR2-2T株を無菌的に1白菌接種し、27℃で5日間静置培養を行う。得られる培養物から菌体を分離して、かかる菌体をインジゴ還元用組成物とした。

0050

実施例3
実施例1で示したアルカリ−RCA寒天培地の斜面(スラント)を作成し、このスラントにアルカリバクテリウムサイクラルカリフィラス(Alkalibacterium psychralcaliphilus)IDR2-2T株を無菌的に1白菌耳接種し、27℃で5日間静置培養を行う。得られる培養物から菌体を分離して、かかる菌体をインジゴ還元用組成物とした。

0051

実施例4
アルカリ−RCB寒天培地{アルカリ−強化クロストリジウム液体培地、RCB培地(Reinforced Clostridial 液体培地):シグマ}225mlを肩付きフラスコ(500ml)に入れオートクレーブで滅菌後、アルカリ緩衝液(1MのNaHCO3/Na2CO3)を加えpH10に調製し、この培地にアルカリバクテリウムサイクラルカリフィラス(Alkalibacterium psychralcaliphilus)IDR2-2T株を無菌的に1白菌耳接種し、27℃で1日(約24時間)振とう培養(12往復)を行った。得られる培養液をそのまま、或いはこの培養液を遠心分離(6,000rpm,30分間)にかけ集菌したものをインジゴ還元用組成物とした。

0052

実施例5
アルカリ−RCB寒天培地{アルカリ-強化クロストリジウム液体培地、RCB培地(Reinforced Clostridial 液体培地):シグマ}90mlを三角フラスコ(100ml)に入れオートクレーブで滅菌後、アルカリ緩衝液(1MのNaHCO3/Na2CO3)10mlを加えpH10に調製し、この培地に実施例2で得られるインジゴ還元用組成物を加え、さらに別途滅菌した流動パラフィン15mlを加え、培地が微好気あるいは嫌気状態になるように調整し、27℃で静置培養を行った。培養1日目で培養液の色が変化し始め、5日目には培養液の色は深緑色に変化し、インジゴの還元が完全に行われたことが確認できた。

0053

さらに、上層の流動パラフィンを培養フラスコから除いた後、200ml容ビーカーに移し一般に使われている発酵建液と同様に布切れの染色を試みたところ同様の染色結果が得られた。

図面の簡単な説明

0054

アルカリバクテリウムサイクラルカリフィラス(Alkalibacterium psychralcaliphilus)IDR2-2T株の16SrRNA遺伝子に基づく系統的位置を示す図である。

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