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技術 積層体およびその製造方法、有機EL装置およびその製造方法、ならびに電子機器

出願人 セイコーエプソン株式会社
発明者 高島猛森井克行
出願日 2004年3月17日 (15年6ヶ月経過) 出願番号 2004-076610
公開日 2005年9月29日 (13年11ヶ月経過) 公開番号 2005-267967
状態 未査定
技術分野 電場発光光源(EL) 積層体(2) エレクトロルミネッセンス光源
主要キーワード ガス排出管路 親液性処理 外部容器 補助陰極 ガス供給管路 有機質層 テノイルトリフルオロアセトン 赤色用有機
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図面 (7)

課題

機能性有機物層、例えば有機発光層に、機能性物質、例えば電子注入材料簡易な方法によって分散させることができる積層体、例えば有機EL装置の製造方法を提供する。

解決手段

有機EL装置の製造方法は、基体の上方に陽極を形成する工程と、前記陽極の上方に有機発光層を成膜して、積層体500を形成する工程と、前記積層体500と電子注入材料とを超臨界流体に接触させ、該電子注入材料を該超臨界流体とともに前記有機発光層に分散させる工程と、前記有機発光層から前記超臨界流体を除去する工程と、前記有機発光層の上方に陰極を形成する工程と、を含む。

概要

背景

一般に、有機EL(エレクトロルミネッセンス)装置を構成する有機EL素子は、陽極陰極との間に有機発光材料からなる有機発光層を有し、両電極から注入された電子正孔とが発光層内で再結合し、励起したエネルギーが光として放出される。このような有機EL装置は、各電極と発光層との間の電荷注入障壁が高いため、通常は陽極バッファ層となる正孔注入層(「正孔輸送層」ともいわれる)、および陰極バッファ層となる電子注入層(「電子輸送層」ともいわれる)をそれぞれ設けた積層構造となっている。この積層構造において電子注入層としては、例えばフッ化リチウム(LiF)や酸化マグネシウム(MgO)が知られており、これらを設けることで低電圧駆動を実現した有機EL装置が知られている(例えば、非特許文献1参照)。

ところで、現在、有機EL装置に用いられる有機発光材料は、低分子系高分子系とに大別されている。低分子系有機発光材料を用いた有機発光層は、通常、真空蒸着法などの気相プロセスを用いて形成され、マスクを用いてパターニングされる(例えば、非特許文献2参照)。これに対し、高分子系有機発光材料は、溶剤に溶かすことができるため、塗布法による成膜が可能であり、例えばインクジェット法等の液滴吐出法を用いたパターニングが可能である(例えば、非特許文献3参照)。そして、このような液滴吐出法を用いた有機EL装置の製造方法も知られている(例えば、特許文献1参照)。

また、陽極バッファ層としての正孔注入層についても、塗布法で成膜することのできる材料が開発されていることにより、液相プロセスで成膜が可能となっている(例えば、非特許文献4参照)。

また、陰極バッファ層としての電子注入層の形成については、主に真空蒸着法が用いられるため、エネルギーコスト材料コストともに高価となり、しかも今後ディスプレイとして実用化される際に基板の大型化を妨げる一因になると考えられている。また、気相プロセスを用いた場合には、下地となる有機物層や基板が高熱の環境に晒されることから、耐熱性に乏しい材料の場合には発光特性劣化や基板の変形といった問題が起こることが懸念される。

そこで、陰極バッファ層(電子注入層または電子輸送層)についても液相プロセスで形成する例として、電子輸送性高分子繰り返し単位中にアルキル基またはアルコキシル基を1〜5個含む)を溶解または分散して湿式法で形成する方法(例えば、特許文献2参照)や、テトラヒドロアルミン酸塩を溶解または分散させた溶液もしくは分散液を用い、湿式法で電子注入層を形成する方法(例えば、特許文献3参照)等が知られている。

しかしながら、液相プロセスで電子注入層を形成する場合、下地となる発光層の影響を受けたり、あるいは有機発光層に影響を与えてしまうことから、以下のような課題がある。

例えば、発光層の形成に用いた溶媒もしくは分散媒と同種の溶媒もしくは分散媒を用いて電子注入層を成膜した場合、電子注入層の形成材料を塗布した際に下地層たとえば発光層が再溶解してしまい、下地層の特性に悪影響を与えてしまう。また、使用する溶媒もしくは分散媒によっては、電子注入層の形成材料を塗布した際の下地層に対する濡れ性が悪くなってしまうことから、得られる電子注入層の膜厚均一性が損なわれ、結果として良好な特性が得られなくなってしまうことがある。
特開平10−12377号公報
特開2000−252076号公報
特開2000−252079号公報
Appl.Phys.Lett.,70,(1997),p.152
Appl.Phys.Lett.,51,(1997),p.34
Appl.Phys.Lett.,71,(1997),p.34
Nature 357,477 (1992)

概要

機能性有機物層、例えば有機発光層に、機能性物質、例えば電子注入材料簡易な方法によって分散させることができる積層体、例えば有機EL装置の製造方法を提供する。 有機EL装置の製造方法は、基体の上方に陽極を形成する工程と、前記陽極の上方に有機発光層を成膜して、積層体500を形成する工程と、前記積層体500と電子注入材料とを超臨界流体に接触させ、該電子注入材料を該超臨界流体とともに前記有機発光層に分散させる工程と、前記有機発光層から前記超臨界流体を除去する工程と、前記有機発光層の上方に陰極を形成する工程と、を含む。

目的

本発明の目的は、機能性有機物層に機能性物質を簡易な方法によって分散させることができる積層体の製造方法および積層体を提供することにある。

効果

実績

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請求項1

基体の上方に機能性有機物層成膜して、積層体を形成する工程と、前記積層体と機能性物質超臨界流体とを共存させ、該機能性物質を該超臨界流体とともに前記機能性有機物層に分散させる工程と、前記機能性有機物層から前記超臨界流体を除去する工程と、を含む、積層体の製造方法。

請求項2

請求項1において、前記超臨界流体は、二酸化炭素またはエチルアルコールである、積層体の製造方法。

請求項3

請求項1または2に記載の積層体の製造方法によって得られた積層体。

請求項4

基体の上方に陽極を形成する工程と、前記陽極の上方に有機発光層を成膜して、積層体を形成する工程と、前記積層体と電子注入材料と超臨界流体とを共存させ、該電子注入材料を該超臨界流体とともに前記有機発光層に分散させる工程と、前記有機発光層から前記超臨界流体を除去する工程と、前記有機発光層の上方に陰極を形成する工程と、を含む、有機EL装置の製造方法。

請求項5

請求項4において、前記電子注入材料は、有機金属錯体である、有機EL装置の製造方法。

請求項6

請求項5において、前記有機金属錯体は、アセチルアセトナト錯体である、有機EL装置の製造方法。

請求項7

請求項4ないし6のいずれかにおいて、前記超臨界流体は、二酸化炭素またはエチルアルコールである、有機EL装置の製造方法。

請求項8

請求項4ないし7のいずれかにおいて、前記積層体と前記電子注入材料と前記超臨界流体とを共存させる工程は、前記積層体を密閉可能な容器に入れ、該容器に該電子注入材料と該超臨界流体と入れることにより行われる、有機EL装置の製造方法。

請求項9

請求項4ないし8のいずれかにおいて、前記有機発光層は、有機発光材料を含む溶液あるいは分散液を用いた液相プロセスで形成される、有機EL装置の製造方法。

請求項10

請求項4ないし9のいずれかにおいて、前記陰極は、導電性材料を含む溶液あるいは分散液を用いた液相プロセスで形成される、有機EL装置の製造方法。

請求項11

請求項4ないし10のいずれかにおいて、前記陽極と前記有機発光層との間に正孔注入層が形成される、有機EL装置の製造方法。

請求項12

請求項9または10において、前記液相プロセスは、スピンコート法ディップ法、または液滴吐出法である、有機EL装置の製造方法。

請求項13

請求項4ないし12のいずれかに記載の有機EL装置の製造方法によって得られた、有機EL装置。

請求項14

基板と、前記基板の上方に形成された陽極と、前記陽極の上方に形成された有機発光層と、前記有機発光層の上方に形成された陰極と、を含み、前記有機発光層には電子注入材料が分散され、かつ、該電子注入材料は、該有機発光層の厚さ方向に対して、該有機発光層の陽極側より陰極側の濃度が高くなるように分布している、有機EL装置。

請求項15

請求項13または14に記載の有機EL装置を含む、電子機器

技術分野

0001

本発明は、積層体およびその製造方法、有機EL装置およびその製造方法、ならびに電子機器に関する。

背景技術

0002

一般に、有機EL(エレクトロルミネッセンス)装置を構成する有機EL素子は、陽極陰極との間に有機発光材料からなる有機発光層を有し、両電極から注入された電子正孔とが発光層内で再結合し、励起したエネルギーが光として放出される。このような有機EL装置は、各電極と発光層との間の電荷注入障壁が高いため、通常は陽極バッファ層となる正孔注入層(「正孔輸送層」ともいわれる)、および陰極バッファ層となる電子注入層(「電子輸送層」ともいわれる)をそれぞれ設けた積層構造となっている。この積層構造において電子注入層としては、例えばフッ化リチウム(LiF)や酸化マグネシウム(MgO)が知られており、これらを設けることで低電圧駆動を実現した有機EL装置が知られている(例えば、非特許文献1参照)。

0003

ところで、現在、有機EL装置に用いられる有機発光材料は、低分子系高分子系とに大別されている。低分子系有機発光材料を用いた有機発光層は、通常、真空蒸着法などの気相プロセスを用いて形成され、マスクを用いてパターニングされる(例えば、非特許文献2参照)。これに対し、高分子系有機発光材料は、溶剤に溶かすことができるため、塗布法による成膜が可能であり、例えばインクジェット法等の液滴吐出法を用いたパターニングが可能である(例えば、非特許文献3参照)。そして、このような液滴吐出法を用いた有機EL装置の製造方法も知られている(例えば、特許文献1参照)。

0004

また、陽極バッファ層としての正孔注入層についても、塗布法で成膜することのできる材料が開発されていることにより、液相プロセスで成膜が可能となっている(例えば、非特許文献4参照)。

0005

また、陰極バッファ層としての電子注入層の形成については、主に真空蒸着法が用いられるため、エネルギーコスト材料コストともに高価となり、しかも今後ディスプレイとして実用化される際に基板の大型化を妨げる一因になると考えられている。また、気相プロセスを用いた場合には、下地となる有機物層や基板が高熱の環境に晒されることから、耐熱性に乏しい材料の場合には発光特性劣化や基板の変形といった問題が起こることが懸念される。

0006

そこで、陰極バッファ層(電子注入層または電子輸送層)についても液相プロセスで形成する例として、電子輸送性高分子繰り返し単位中にアルキル基またはアルコキシル基を1〜5個含む)を溶解または分散して湿式法で形成する方法(例えば、特許文献2参照)や、テトラヒドロアルミン酸塩を溶解または分散させた溶液もしくは分散液を用い、湿式法で電子注入層を形成する方法(例えば、特許文献3参照)等が知られている。

0007

しかしながら、液相プロセスで電子注入層を形成する場合、下地となる発光層の影響を受けたり、あるいは有機発光層に影響を与えてしまうことから、以下のような課題がある。

0008

例えば、発光層の形成に用いた溶媒もしくは分散媒と同種の溶媒もしくは分散媒を用いて電子注入層を成膜した場合、電子注入層の形成材料を塗布した際に下地層たとえば発光層が再溶解してしまい、下地層の特性に悪影響を与えてしまう。また、使用する溶媒もしくは分散媒によっては、電子注入層の形成材料を塗布した際の下地層に対する濡れ性が悪くなってしまうことから、得られる電子注入層の膜厚均一性が損なわれ、結果として良好な特性が得られなくなってしまうことがある。
特開平10−12377号公報
特開2000−252076号公報
特開2000−252079号公報
Appl.Phys.Lett.,70,(1997),p.152
Appl.Phys.Lett.,51,(1997),p.34
Appl.Phys.Lett.,71,(1997),p.34
Nature 357,477 (1992)

発明が解決しようとする課題

0009

本発明の目的は、機能性有機物層機能性物質簡易な方法によって分散させることができる積層体の製造方法および積層体を提供することにある。

0010

また、本発明の目的は、有機発光層に機能性材料、例えば電子注入材料を簡易な方法で分散させることができる有機EL装置の製造方法および有機EL装置を提供することにある。

0011

さらに、本発明の目的は、本発明の有機EL装置を含む電子機器を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

本発明にかかる積層体の製造方法は、
基体の上方に機能性有機物層を成膜して、積層体を形成する工程と、
前記積層体と機能性物質と超臨界流体とを共存させ、該機能性物質を該超臨界流体とともに前記機能性有機物層に分散させる工程と、
前記機能性有機物層から前記超臨界流体を除去する工程と、
を含む。

0013

本発明にかかる積層体の製造方法によれば、前記積層体と機能性物質と超臨界流体とを共存させることにより、簡易な方法によって該機能性物質を前記機能性有機物層に分散させることができる。かかる積層体の製造方法は、後述する有機EL装置をはじめとし、機能性物質をある機能性有機物層に分散させた該機能性有機物層を有する各種のデバイス、例えば有機EL(エレクトロルミネセンス)装置、有機TFT(薄膜トランジスタ)、有機太陽電池などに適用できる。

0014

本発明において、「超臨界流体」とは、状態図で、温度、圧力、エントロピー線図の臨界図より少し上の温度、圧力下のある状態の流体を意味する。

0015

なお、本発明において、「A」の上方に「B」を形成するとは、「A」の上に直接「B」を形成する場合、もしくは「A」の上に「A」および「B」と異なる他の部材を介して「B」を形成する場合を含む。

0016

本発明にかかる積層体の製造方法において、前記機能性物質は、分子量1万以下が好ましい。機能性有機物質の分子量がこの程度であると、機能性有機物層への分散が容易であるため、該機能性物質の分散性がよくなる。

0017

本発明にかかる積層体の製造方法において、前記超臨界流体は、二酸化炭素またはエチルアルコールであることができる。これらの超臨界流体は他の物質に比べて低温度かつ低圧力で生成できる。

0018

本発明にかかる積層体の製造方法によって得られた積層体は、上述したように各種のデバイスに適用できる。

0019

本発明にかかる有機EL装置の製造方法は、
基体の上方に陽極を形成する工程と、
前記陽極の上方に有機発光層を成膜して、積層体を形成する工程と、
前記積層体と電子注入材料と超臨界流体とを共存させ、該電子注入材料を該超臨界流体とともに前記有機発光層に分散させる工程と、
前記有機発光層から前記超臨界流体を除去する工程と、
前記有機発光層の上方に陰極を形成する工程と、
を含む。

0020

本発明にかかる有機EL装置体の製造方法によれば、前記積層体と電子注入材料と超臨界流体とを共存させることにより、簡易な方法によって該電子注入材料を前記有機発光層に分散させることができる。そして、この製造方法によれば、有機発光層に電子注入材料を分散させることにより、有機発光層と電子注入層とが異なる層で形成されている場合のように、層と層との界面が存在しない。そのため、かかる有機EL装置は、有機発光層と電子注入層とが異なる層で形成されている場合に比べ、電荷注入障壁を低くできるので高効率ならびに優れた発光特性を得ることができる。さらに、この製造方法によれば、界面を有さないで電子注入機能を有する有機発光層を形成できるので、層の剥離を生じにくく、耐久性に優れている。

0021

本発明にかかる有機EL装置の製造方法において、前記電子注入材料は、分子量1万以下が好ましい。この利点については、上述したとおりである。

0022

本発明にかかる有機EL装置の製造方法において、前記電子注入材料は、有機金属錯体であることができる。かかる有機金属錯体は、超臨界流体に安定に分散され、該超臨界流体とともに有機発光層にムラのない状態で分散される。また、積層体と超臨界流体との接触状態の条件を選択することで、有機発光層の厚さ方向での電子注入材料の分布状態コントロールできる。前記有機金属錯体は、アセチルアセトナト錯体であることができる。

0023

アセチルアセトナト錯体、例えばカルシウムアセチルアセトナトは、良好な電子注入性を有し、しかも液相プロセスに適していることから、発光層に電子注入機能を良好に付加させることができる。

0024

本発明にかかる有機EL装置の製造方法において、前記超臨界流体は、二酸化炭素またはエチルアルコールであることができる。

0025

本発明にかかる有機EL装置の製造方法において、前記積層体と前記電子注入材料と前記超臨界流体とを共存させる工程は、前記積層体を密閉可能な容器に入れ、該容器に該電子注入材料と該超臨界流体と入れることにより行うことができる。

0026

本発明にかかる有機EL装置の製造方法において、前記有機発光層は、有機発光材料を含む溶液あるいは分散液を用いた液相プロセスで形成することができる。また、前記陰極は、導電性材料を含む溶液あるいは分散液を用いた液相プロセスで形成することができる。このような液相プロセスを用いると、気相プロセスに比べ、簡易な方法によって各層を形成できる。かかる液相プロセスとしては、スピンコート法ディップ法、または液滴吐出法であることができる。

0027

本発明にかかる有機EL装置は、本発明にかかる有機EL装置の製造方法によって得られる。

0028

また、本発明にかかる有機EL装置は、
基板と、
前記基板の上方に形成された陽極と、
前記陽極の上方に形成された有機発光層と、
前記有機発光層の上方に形成された陰極と、
を含み、
前記有機発光層には電子注入材料が分散され、かつ、該電子注入材料は、該有機発光層の厚さ方向に対して、該有機発光層の陽極側より陰極側の濃度が高くなるように分布している。

0029

本発明にかかる有機EL装置によれば、有機発光層に電子注入材料を分布させることにより、有機発光層と電子注入層とが異なる層で形成されている場合のように、層と層との界面が存在しない。そのため、かかる有機EL装置は、電荷注入障壁をより低くできるので高効率ならびに優れた発光特性を得ることができる。さらに、本発明にかかる有機EL装置は、有機発光層が電子注入機能を有するので、有機発光層と電子注入層とを有する場合のように両者の界面を有さないので、層の剥離をより生じにくく、耐久性に優れている。

0030

本発明にかかる有機EL装置によれば、前記陽極と前記有機発光層との間に正孔注入層が形成されていることができる。このような正孔注入層を設けることにより、さらに高い効率を得ることができる。

0031

本発明にかかる電子機器は、本発明にかかる有機EL装置を含む。この電子機器によれば、有機EL装置の発光特性に優れ、その結果、表示特性に優れたものとなる。

発明を実施するための最良の形態

0032

1.有機EL装置
本実施形態では、本発明にかかる積層体の製造方法を有機EL装置に適用した例について述べる。この例では、機能性有機物層は有機発光層に相当し、機能性物質は電子注入材料に相当する。

0033

本実施形態にかかる有機EL装置の一例を図1図2を参照して説明する。図1は、有機EL装置1を模式的に示す平面図、図2は、図1のA−A線に沿った断面構造を模式的に示す断面図である。

0034

有機EL装置1は、図1に示すように、R(赤)、G(緑)、B(青)の光をそれぞれ発光するドットをその実表示領域4に有し、これによりフルカラー表示を行うことができる。

0035

図2に示すように、本実施形態の有機EL装置1は、ボトムエミッション型として構成されている。したがって基板20側から光を取り出す構成であるので、基板20としては、透明あるいは半透明のものが採用され、例えば、ガラス石英樹脂プラスチックプラスチックフィルム)等が用いられる。

0036

なお、有機EL装置がいわゆるトップエミッション型である場合には、前記基板20の対向側である封止基板(図示略)側から光を取り出す構成となるので、基板20としては、透明基板および不透明基板のいずれも用いることができる。不透明基板としては、例えば、アルミナ等のセラミックスステンレススチール等の金属シート表面酸化などの絶縁処理を施したもの、あるいは熱硬化性樹脂熱可塑性樹脂などが挙げられる。

0037

本実施形態では、基体100上に有機EL素子が設けられている。基体100は、基板20と、基板20上に形成された回路部11とを有する。

0038

回路部11は、基板20上に形成された例えば酸化シリコン層からなる保護層12と、保護層上に形成された駆動用TFT123と、第1層間絶縁層15と、第2層間絶縁層18とを有する。駆動用TFT123は、シリコンからなる半導体層13と、半導体層13上に形成されたゲート絶縁層14と、ゲート絶縁層14上に形成されたゲート電極19と、ソース電極16と、ドレイン電極17とを有する。

0039

回路部11上に有機EL素子が設けられている。有機EL素子は、陽極として機能する画素電極23と、この画素電極23上に形成され、画素電極23からの正孔を注入/輸送する正孔注入層70と、この正孔注入層70上に形成され、発光機能とともに電子注入機能をも有する有機発光層60と、この有機発光層60上に形成された陰極50とを含む。

0040

ここで特徴的なことは、前述したように有機発光層60は、発光機能のみでなく電子注入機能をも有する。これらの機能は、有機発光層60に電子注入性材料が分散されていることで発揮される。

0041

このような構成の有機EL素子1は、その有機発光層60において、正孔注入層70から注入された正孔と陰極50からの電子とが結合することにより、光を発生する。

0042

陽極として機能する画素電極23は、本実施形態ではボトムエミッション型であることから透明導電材料によって形成されている。透明導電材料としてはITO(Indium Tin Oxide)を用いることができるが、これ以外にも、例えば酸化インジウム酸化亜鉛系アモルファス材料(Indium Zinc Oxide:IZO/アイ・ゼット・オー)(登録商標))(出光興産社製)等を用いることができる。

0043

画素電極23の膜厚については、特に限定されず、たとえば50〜200nmとすることができる。また、画素電極23の表面には酸素プラズマ処理が施されることにより、これに親液性が付与されているとともに、電極表面の洗浄、および仕事関数の調整がなされている。酸素プラズマ処理については、例えば、プラズマパワー100〜800kW、酸素ガス流量50〜100ml/min、基板搬送速度0.5〜10mm/sec、基板温度70〜90℃の条件で行うことができる。

0044

正孔注入層70は、例えばポリチオフェン誘導体ポリピロール誘導体などにポリスチレンスルフォン酸が添加されてなるものによって形成することができる。すなわち、正孔輸送層70の形成材料としては、具体的には、3,4−ポリエチレンジオチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸の分散液、つまり、分散媒としてのポリスチレンスルフォン酸に3,4−ポリエチレンジオシチオフェンを分散させ、さらにこれを極性溶媒(分散媒)である水に分散させた分散液を用いることができる。

0045

なお、極性溶媒としては、前記の水に代えてイソプロピルアルコール(IPA)、ノルマルブタノールγ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンDMI)およびその誘導体カルビトールアセテートブチルカルビトールアセテート等のグリコールエーテル類等を用いることもできる。

0046

また、正孔注入層70の形成材料についても、前記のものに限定されることなく種々のものが使用できる。このような材料としては、例えば、ポリスチレンポリピロールポリアニリンポリアセチレンやその誘導体などを、適宜な分散媒、例えばポリスチレンスルフォン酸に分散させたものなどを使用することができる。

0047

有機発光層60を構成する発光層形成材料としては、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の発光材料を用いることができる。発光層形成材料としては、具体的には、(ポリパラフェニレンビニレン誘導体ポリフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、ペニレン系色素クマリン系色素ローダミン系色素、またはこれら高分子材料ルブレン、ペニレン、9,10−ジフェニルアントラセンテトラフェニルブタジエンナイルレッドクマリン6、キナクリドン等をドープしたものを用いることができる。

0048

有機発光層60の分散される電子注入性材料としては、有機金属錯体を用いることができる。有機金属錯体は、後述する超臨界流体に対して良好な分散性を有する点で好ましい。

0049

有機金属錯体としては、キレート錯体クラウンエーテル錯体等、種々の構造の錯体が挙げられる。すなわち、このような有機金属錯体は、金属元素からなる中心原子をM、有機材料からなる配位子をAとして、一般式MAn(n:中心原子Mの価数)で示される有機金属化合物である。ここで、配位子Aとしては、アセチルアセトン(acac)、ジピパロイルメタン(dpm)、ヘキサフルオロアセチルアセトン(hfa)、2,2,6,6,−テトラメチル−3,5−オクタンジオアセトン(TMOD)、テノイルトリフルオロアセトン(TTA)、1−フェニル−3−イソヘプチ−1,3−プロパンジオン商品名LIX54,LIX51;ヘンケル社)等のβ−ジケトン系の配位子、8−キノリノールオキシン)、2−メチル−8−キノリノール等のキノリノール系の配位子、トリオクチルホフフィンオキシド(TOPO)、リン酸トリブチル(TBP)、イソブチルメチルケトン(MBK)、ビス(2−エチルヘキシルリン酸(D2EHPA)等のリン酸系の配位子、酢酸安息香酸等のカルボン酸系の配位子、ジフェニルチオカルバゾン配位子等を有するものが挙げられる。この種の有機金属錯体の中でも、β−ジケトン系の配位子を有する錯体(β−ジケトン錯体)は、酸性試薬であり、かつ、酸素原子による多座配位子であり、安定な金属錯体を形成できるため好ましい。

0050

そして、本実施形態においては、配位子Aとしてアセチルアセトン(acac)を用いるのが好ましく、また中心原子Mとして、仕事関数が小さい金属、例えばCa(カルシウム)を用いるのが好ましい。したがって、本実施形態においては、電子注入性材料としてカルシウムアセチルアセトナト(Ca(acac)2)を好適に用いることができる。

0051

このカルシウムアセチルアセトナトは、良好な電子注入性を有し、有機発光層60に電子注入性(電子輸送性)としての機能を良好に付加させることができる。

0052

また、電子注入材料は、ポリマーなどからなる有機発光層60中に入りやすいように、比較的分子量の小さい、例えば分子量が1万以下の材料を用いることができる。

0053

発光層形成材料を液状化するための溶媒あるいは分散媒としては、正孔注入層70を再溶解しないように、該正孔注入層70の材料を溶解しないか、もしくは該材料に対する溶解度の小さい非極性溶媒が用いられる。特に、この液状材料を後述するようにインクジェット法等の液滴吐出法によって塗布する場合には、前記非極性溶媒として、ジハイドロベンゾフラントリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼンシクロヘキシルベンゼン、またはこれらの混合物を用いることができる。また、スピンコート法やディップ法によって塗布する場合には、トルエンキシレン、さらにはテトラヒドロフラン等を用いることができる。

0054

陰極50は、有機発光層60および有機バンク層221を覆うように形成されている。

0055

陰極50を形成するための材料としては、有機発光層60側(下部側)に仕事関数が小さい材料を形成することが望ましく、例えばカルシウム,マグネシウムセシウム、リチウムなどを用いることができる。また、上部側(封止側)には有機発光層60側よりも仕事関数が高い材料、例えばアルミニウムを用いることができる。このアルミニウムは、有機発光層60からの発光光反射する反射層としても機能することができる。陰極50の膜厚については、特に限定されないが、たとえば100〜1000nmとすることもでき、より好ましくは200〜500nmである。なお、本実施形態はボトムエミッション型であることから、この陰極50は特に光透過性である必要はない。

0056

画素電極23が形成された第2層間絶縁層18の表面は、画素電極23と、例えば酸化シリコンなどの親液性材料主体とする親液性制御層25と、アクリル樹脂ポリイミドなどからなる有機バンク層221とによって覆われている。そして、画素電極23には親液性制御層25に設けられた開口部25a、および有機バンク層221に設けられた開口部221aの内部に、正孔注入層70と、有機発光層60とが画素電極23側からこの順で積層されている。なお、本実施形態における親液性制御層25の「親液性」とは、少なくとも有機バンク層221を構成するアクリル樹脂、ポリイミドなどの材料と比べて親液性が高いことを意味する。

0057

本実施形態の有機EL装置1は、前述したようにカラー表示を行うことができる。各有機発光層60は、その発光波長帯域が光の三原色にそれぞれ対応して形成されている。例えば、有機発光層60として、発光波長帯域が赤色に対応した赤色用有機発光層60、緑色に対応した緑色用有機発光層60、青色に対応した青色用有機EL層60とをそれぞれに対応する表示領域R、G、Bに設け、これら表示領域R、G、Bをもってカラー表示を行う1画素が構成されている。また、各色表示領域境界には、金属クロムスパッタリングなどにて成膜した図示しないBM(ブラックマトリクス層)が、有機バンク層221と親液性制御層25との間に位置して形成されている。

0058

2.有機EL装置の製造方法
次に、本実施形態にかかる有機EL装置1の製造方法の製造方法の一例を、図3(a)〜(c)、図4(a)、(b)を参照して説明する。なお、図3図4に示す各断面図は、図1中のA−A線の断面図の部分に対応した図である。

0059

(1)まず、図3(a)に示すように、公知の手法によって基板20の表面に、図2に示した回路部11までを形成し、基体100を得る。続いて、基体100の最上層(第2層間絶縁層18)の全面を覆うように画素電極23となる透明導電膜を形成する。そして、この透明導電膜をパターニングすることにより、画素電極23を形成する。

0060

(2)次いで、図3(b)に示すように、画素電極23および第2層間絶縁層18上に絶縁層からなる親液性制御層25を形成する。続いて、親液性制御層25において、異なる2つの画素電極23の間に位置して形成された凹状部にブラックマトリクス層(図示せず)を形成する。ブラックマトリクス層は、具体的には、親液性制御層25の前記凹状部に対して、たとえば金属クロムを用いスパッタリング法にて成膜することができる。

0061

(3)次いで、図3(c)に示すように、親液性制御層25の所定位置、具体的には前記ブラックマトリクス層を覆うように有機バンク層221を形成する。有機バンク層の形成方法としては、例えば、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂などのレジストを溶媒に溶解したものを、スピンコート法、ディップコート法などの各種塗布法により塗布して有機質層を形成する。この、有機質層の構成材料は、後述する液状材料の溶媒に溶解せず、しかもエッチングなどによってパターニングし易いものであればどのようなものでもよい。次いで、有機質層をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いてパターニングし、有機質層に開口部221aを形成することにより、有機バンク層221を形成する。

0062

次いで、プラズマ処理によって親液性を示す領域と、撥液性を示す領域とを形成する。具体的には、該プラズマ処理は、予備加熱工程と、有機バンク層221の上面および開口部221aの壁面ならびに画素電極23の電極面23c、親液性制御層25の上面をそれぞれ親液性にする親液化工程と、有機バンク層221の上面および開口部221aの壁面を撥液性にする撥液化工程と、冷却工程とで構成される。

0063

すなわち、被処理体(基体100上に画素電極23、有機バンク層221などが積層された積層体)を所定温度、例えば70〜80℃程度に加熱し、次いで親液化工程として、大気雰囲気中で酸素反応ガスとするプラズマ処理(酸素プラズマ処理)を行う。次いで、撥液化工程として、大気雰囲気中で4フッ化メタンを反応ガスとするプラズマ処理(CF4プラズマ処理)を行い、その後、プラズマ処理のために加熱された被処理体を室温まで冷却することにより、親液性および撥液性を所定箇所に付与することができる。

0064

なお、このCF4プラズマ処理では、画素電極23の電極面23cおよび親液性制御層25についても多少の影響を受けるが、画素電極23の材料であるITOおよび親液性制御層25の構成材料である酸化シリコン、酸化チタンなどはフッ素に対する親和性に乏しいため、親液化工程で付与された水酸基フッ素基置換されることがなく、親液性が保持される。

0065

(4)次いで、図3(c)に示すように、正孔注入層70の形成を行う。この正孔注入層70の形成では、液相プロセスによって数nm〜数百nmの薄膜を作製する方法が採用される。液相プロセスとは、成膜したい材料を溶解もしくは分散させることで液状体とし、この液状体を用いてスピンコート法、ディップ法、あるいは液滴吐出法(インクジェット法)等により、薄膜を作製する方法である。スピンコート法やディップ法は全面塗布に適しているのに対し、液滴吐出法は任意の箇所に薄膜をパターニングすることができる。この正孔注入層形成工程においては、液滴吐出法によって正孔輸送層形成材料を電極面23c上に塗布することにより、エッチングなどによるパターニングを必要とせずに所定の位置に正孔注入層70を形成することができる。

0066

液滴吐出法(インクジェット法)で正孔注入層の形成材料を選択的に塗布する場合、まず、液滴吐出ヘッド(図示略)に正孔注入層の形成材料を充填し、液滴吐出ヘッドの吐出ノズルを親液性制御層25に形成された前記開口部25a内に位置する電極面23cに対向させ、液滴吐出ヘッドと基材とを相対的に移動させながら、吐出ノズルから1滴当たりの液量が制御された液滴を電極面23cに吐出する。

0067

その後、乾燥処理および熱処理を行い、正孔注入層の形成材料に含まれる分散媒や溶媒を蒸発させることにより、電極面23c上に正孔注入層70を例えば数nm〜数百nmの膜厚で形成できる。この乾燥処理については、窒素雰囲気中にて室温で圧力を133.3Pa(1Torr)程度とする条件で行うことができる。また、この乾燥処理後の熱処理については、真空中にて200℃で10分間程度とする条件で行うことができる。

0068

ここで、吐出ノズルから吐出された液滴は、親液性処理がなされた電極面23c上にて広がり、親液性制御層25の開口部25a内に満たされる。その一方で、撥液(インク)処理された有機バンク層221の上面では、液滴がはじかれて付着しない。したがって、液滴が所定の吐出位置からはずれて有機バンク層221の上面に吐出されたとしても、該上面が液滴で濡れることがなく、弾かれた液滴が親液性制御層25の開口部25a内に転がり込む。

0069

(5)次いで、図4(a)に示すように、正孔注入層70上に有機発光層60を形成する。この有機発光層60の形成工程では、発光層形成材料として赤色光を発光するもの、緑色光を発光するもの、青色光を発光するものをそれぞれ用意しておき、各発光層形成材料をそれぞれ混合した3種類の液状材料を用意しておく。

0070

そして、これらの液状材料を、例えば液滴吐出法によってそれぞれ所定の箇所の正孔輸送層70上に吐出し、その後、乾燥処理および熱処理を行うことにより、有機バンク層221に形成された開口部221a内に有機発光層60を形成する。ここで、乾燥処理としては、液滴吐出法で塗布を行った場合、ホットプレート上にて200℃以下で加熱し、乾燥蒸発させるといった方法が好適に採用される。また、スピンコート法またはディップ法によって塗布を行った場合には、基板に窒素を吹き付けるか、あるいは基板を回転させて基板表面に気流を発生させることで乾燥させることができる。

0071

このようにして、基体100上に、少なくとも、陽極(画素電極)23と有機発光層60とが形成された積層体500を得ることができる。

0072

(6)次いで、有機発光層60に電子注入材料を分散させる。この工程は、上記(5)で形成された積層体500(図4(a)参照)と電子注入材料と超臨界流体とを共存させることによって行われる。具体的に積層体500と電子注入材料と超臨界流体とを共存させるには、図6に示すように、積層体500を密閉可能な容器200に入れ、該容器200に電子注入材料と該超臨界流体と入れることにより行われる。

0073

容器200には、超臨界流体を供給するための供給管路210および超臨界流体を排出するための排出管路220が接続されている。また、容器200には、ガス、例えば窒素などの不活性ガスを供給するためのガス供給管路230および不活性ガスを排出するためのガス排出管路240が接続されている。そして、各管路210〜240には、それぞれ流量調整弁250が設けられている。また、容器200は、誘導コイルヒータからなる温度制御手段(図示せず)によって温度調節ができるようになっている。また、容器200は、さらに密閉可能な外部容器(図示せず)内に収容されることができる。外部容器内では、気圧や温度が調節できるように構成される。

0074

この工程では、積層体500を容器200内に入れて、容器200を密閉した後、供給管路210を介して容器200内に超臨界流体および電子注入材料の混合物300を入れる。この状態で、容器200内を所定の圧力および温度にし、所定の時間、超臨界流体および電子注入材料の混合物300と積層体500とを接触させる。このときの温度および圧力は、超臨界流体が安定して存在することができる条件に設定される。例えば、超臨界流体として二酸化炭素を用いる場合には、容器200内の温度を80℃、圧力を15MPaとし、超臨界流体としてエチルアルコールを用いる場合には、容器200内の温度を260℃、圧力を8MPaとすることができる。なお、積層体500と電子注入材料と超臨界流体とを共存させるには、容器200内に積層体500および電子注入材料を入れ、その後、超臨界流体を容器200内に供給してもよい。

0075

超臨界流体としては、二酸化炭素、エチルアルコール、メチルアルコール、酸素などが使用できるが、好ましくは、比較的低温度、低圧力で生成できる二酸化炭素およびエチルアルコールを用いることができる。

0076

電子注入材料としては、前述した各種のものを用いることができる。電子注入材料は、そのまま用いても良いし、溶液にしてもよい。例えば、電子注入材料として、カルシウムアセチルアセトナトを用いる場合には、固体のまま、もしくはエタノールに溶解して溶液状態で用いることができる。

0077

この処理によって、電子注入材料は、有機物層への浸透性の高い超臨界流体とともに有機発光層60内に分散される。その後、有機発光層60から超臨界流体を除去することにより、有機発光層60に電子注入材料のみを分散させることができる。有機発光層60から超臨界流体を除去するためには、排出管路220を介して超臨界流体と電子注入材料との混合物300を容器200から排除した後、ガス供給管路230を介して窒素などの不活性ガスを容器200内に入れながら、さらにガス排出管路240を介して不活性ガスを排出することによって行われる。この場合、超臨界流体のみが有機発光層60から除去される。

0078

そして、積層体500と超臨界流体と電子注入材料とを共存させる条件を選択することで、有機発光層60に分散される電子注入材料の濃度、分布などをコントロールできる。電子注入材料の量は所望の電子注入特性を得られれば特に限定されないが、例えば、有機発光層60を構成する発光層形成材料に対する電子注入材料の割合を1〜50重量%とすることができる。また、有機発光層60における電子注入材料は、有機発光層60の陽極(画素電極23)側より陰極50の側で高濃度になるように分布することが望ましい。このように電子注入材料を分布させることにより、界面を形成することなく、密着性を改善しつつ電子注入性を改善させる利点がある。

0079

また、このような超臨界流体を用いた方法によれば、液相プロセスで用いることができないような電子注入材料を有機発光層60に分散させることもできる。

0080

(7)次いで、図4(b)に示すように、有機発光層60上に陰極50を形成する。この陰極50の形成工程では、例えば蒸着法やスパッタ法等によってアルミニウム等の陰極材料を成膜する。

0081

その後、封止工程によって封止基板30の形成を行う。この封止工程では、作製した有機EL素子の内部に水や酸素が浸入するのを防ぐため、封止基板30の内側に乾燥機能を有する膜45を貼着し、さらに該封止基板30と基板20とを封止樹脂(図示略)にて封止する。封止樹脂としては、熱硬化樹脂紫外線硬化樹脂が用いられる。なお、この封止工程は、窒素、アルゴンヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行うのが好ましい。

0082

以上の工程を経て作製された有機EL装置1は、両電極間にたとえば10V以下の電圧印加することにより、画素電極23側から特に光を良好に取り出すことができる。

0083

このようにして得られた有機EL装置1にあっては、有機発光層60に電子注入性材料が分散されているので、この有機発光層60は電子注入性(電子輸送性)としての機能が付加されたものとなり、したがって発光特性が向上したものとなる。また、このように有機発光層60に電子注入性が付加されていることから、この有機発光層60上に別に電子注入層を形成する必要がなくなり、したがって発光層と電子注入層とを液相プロセスで積層する場合のように、異なる層が相互に影響を受けるといった不都合を解消することができる。

0084

なお、上述した実施形態では、陰極50を蒸着法やスパッタ法等の気相プロセスで形成したが、これに代えて、導電性材料を含有してなる溶液あるいは分散液を用いた液相プロセスで形成してもよい。

0085

すなわち、例えば陰極50を、有機発光層60に接する主陰極と、この主陰極に積層される補助陰極とで構成し、主陰極、補助陰極を共に導電性材料で形成することができる。そして、このような主陰極、補助陰極を、いずれも液滴吐出法等の液相プロセスで形成する。

0086

前記主陰極を形成するための導電性材料としては、例えばエチレンジオキシチオフェンを含む高分子化合物からなる導電性高分子材料が用いられる。具体的には、導電性高分子材料としては、前述した正孔注入層70の形成材料でもある、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸の分散液が使用可能である。また、主陰極50を構成する導電性材料として、前記の導電性高分子に代えて金属微粒子を用いてもよく、さらに導電性高分子とともにこの金属微粒子を用いるようにしてもよい。特に、導電性高分子と金属微粒子との混合材料によって主陰極を形成した場合には、比較的低温で主陰極を焼成しつつ、主陰極50の導電性を確保することが可能になる。金属微粒子として、具体的には金や銀、アルミニウム等を使用することができる。なお、金、銀等の金属微粒子の他に、カーボンペーストを採用することも可能である。

0087

前記補助陰極は、陰極50全体の導電性を高めるために主陰極に積層される。補助陰極は、主陰極を覆うことで酸素や水分などからこれを保護する機能も備えたものであり、導電性を有する金属微粒子によって形成することができる。この金属微粒子として、化学的に安定な導電性材料であれば特に限定されることなく、任意のもの、例えば金属や合金などが使用可能であり、具体的にはアルミニウムや金、銀などを用いることができる。

0088

このように、陰極50を液相プロセスで形成するようにすれば、気相プロセスの場合の真空条件が不要となり、したがって有機発光層60の形成に連続して陰極50の形成を行うことができ、これにより製造が容易になって生産性が向上する。また、画素電極(陽極)についても液相プロセスで形成するようにすれば、陽極、機能層(正孔注入層、発光層)、陰極からなる有機EL素子を全て一貫して液相プロセスで形成することができ、したがって製造がより容易になって生産性が一層向上する。

0089

なお、前記の実施形態においては、ボトムエミッション型を例にして説明したが、本実施形態はこれに限定されることなく、トップエミッション型にも、また、ボトムおよびトップの両側に光を出射するタイプのものにも適用することができる。

0090

3.電子機器
次に、本発明の電子機器を説明する。本発明の電子機器は、前記の有機EL装置1を表示部として有したものであり、具体的には、例えば図5に示すような携帯電話が挙げられる。

0091

図5において符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は本発明の有機EL装置1を用いた表示部を示している。図5に示した携帯電話は、本発明の有機EL装置からなる表示部1001を備えているので、表示特性に優れたものとなる。

0092

なお、本実施形態の電子機器としては、このような携帯電話以外にも、ワープロパソコンなどの携帯型情報処理装置や、腕時計型電子機器フラットパネルディスプレイ(例えばテレビ)などにも適用可能である。

図面の簡単な説明

0093

本発明の有機EL装置の構成を模式的に示す平面図。
図1のA−A線での要部拡大断面図。
(a)〜(c)は、有機EL装置の製造方法を工程順に説明する断面。
(a)および(b)は、図3(c)に続く工程を説明するための断面図。
本発明の電子機器を示す斜視図。
本発明の有機EL装置を形成する工程を示す断面図。

符号の説明

0094

1有機EL装置、11回路部、20基板、23画素電極(陽極)、50陰極、60有機発光層、70正孔注入層、100基体、200容器、500 積層体

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