図面 (/)

技術 せん断補強スタッド合成床版

出願人 JFEエンジニアリング株式会社
発明者 田中祐人中西克佳猪村康弘
出願日 2004年3月18日 (15年8ヶ月経過) 出願番号 2004-078158
公開日 2005年9月29日 (14年1ヶ月経過) 公開番号 2005-264550
状態 拒絶査定
技術分野 道路の舗装構造 橋または陸橋 床構造
主要キーワード 水平方向間隔 滑走路用 頭付スタッド 鋼製壁 スタッド軸 車両通行路 構造寸法 鋼板補強材
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年9月29日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (18)

課題

せん断補強筋を設置すること無しに床版に作用する過大なせん断力に対する優れた抵抗性を有する合成床版を提供すること

解決手段

鋼板1と、鋼板上に打設したコンクリート4と、下部が該鋼板1に接合された該コンクリートのずれ止めのための頭付スタッド2、3とからなる鋼・コンクリートの合成床版Dにおいて、頭付スタッドの軸方向を前記コンクリートの断面中立軸に対して斜めに配設するか、頭付スタッドの軸を異形とすることにより、該頭付スタッドが該合成床版のせん断抵抗機能を有するようにした鋼・コンクリートの合成床版。

概要

背景

従来から、道路橋等における道路を形成するために、型鋼コンクリートとから成る合成床版が用いられている。そして、この床版の上を自動車等の重量物が通過するために、床版には曲げせん断力がかかり、ひび割れ、コンクリートの剥落等の破損が生じる。
このような床版の破損を防ぐために従来から種々の改良がなされている。

特許文献1に記載の合成床版は、鋼板上にコンクリートを現場打ちする際の鋼板の剛性を確保し、かつ鋼材重量の低減を図る目的で発明されたもので、鋼板上に打設すべきコンクリートの一部を先行打設することにより、この先行打設したコンクリートと鉄筋の一部と鋼板の一部とを有してなるコンクリート梁を形成するか、又は、鋼板の上方でかつ鉄筋よりも低い位置に架設時鉄筋を配設し、鋼板上に打設すべきコンクリートの一部を架設時鉄筋の位置付近まで先行打設することによって、この先行打設したコンクリートと架設時鉄筋と鋼板の一部とを有してなり、かつ高さが完成後の合成床版の厚さよりも低いコンクリート梁を形成して、このコンクリート梁を合成前死荷重保持のための鋼板補強材として用いるものであり、鋼板とコンクリートとは一般部のみならずハンチ部においてもスタッドにより一体化される(図11参照)。

特許文献2記載のものは、鉄筋コンクリートスラブにおいて、一定のスラブ厚さを維持しながら大きな中空化率を得る目的で発明されたもので、応力を三次元的に分配させる定着節構造主筋配力筋ラチス筋とを溶接することにより組み立てられた立体トラスと、立体トラス内に設けられた中空管と、立体トラスおよび中空管を埋設したコンクリート部材とから鉄筋コンクリートスラブを形成したものであり、コンクリートが大幅に減少した場合でも、立体トラスが十分に大きなせん断力を有し、これにより一定のスラブ厚さを維持しながら大きな中空化率を得ることができる(図12参照)。

特許文献3に記載のものは、波形鋼板コンクリートスラブとの接合方法に関する発明であり、波形鋼板の上端部または下端部に、スタッドを鋼板の両面に溶植し、この溶植は、波形鋼板の各面に略直角に、波形鋼板の長手方向に複数列に配列して行い、隣接する波形鋼板の端部と重ねられ接続される長手方向の一端部には、一方の面にのみ溶植し、他端部には、他方の面にのみ溶植している(図13参照)。

特許文献4に記載のものは、鋼製壁鉄筋コンクリート床版との接合構造において、コス縮減を目的として発明されたもので、鋼製壁と鉄筋コンクリート床版との接合部において、引張力が作用する位置における長尺ずれ止め部材の端部を、鋼製壁に固定し、短尺ずれ止め部材の端部を鋼製壁に固定し、長尺ずれ止め部材と短尺ずれ止め部材とを埋込むと共に、鋼製壁を被覆するコンクリートおよびスラブコンクリートを打設し、コンクリートに配力筋を埋設するものであり、長尺スタッドは途中コンクリート中で折り曲げられている(図14参照)。

非特許文献1には、Tヘッドバー工法について記載されている。このTヘッドバーは、従来せん断補強筋端部に定着のため設けられるフックと呼ばれる曲げ加工を省略するために発明されたもので、鉄筋定着部頭付きスタッドにおけるような頭部分を付けたものである(図15参照)。

特開2002−180420号公報
特開2000−120203号公報
特開2002−38420号公報
特許第3300162号公報
Tヘッドバー工法パンフレット清水建設株式会社

概要

せん断補強筋を設置すること無しに床版に作用する過大なせん断力に対する優れた抵抗性を有する合成床版を提供すること鋼板1と、鋼板上に打設したコンクリート4と、下部が該鋼板1に接合された該コンクリートのずれ止めのための頭付スタッド2、3とからなる鋼・コンクリートの合成床版Dにおいて、頭付スタッドの軸方向を前記コンクリートの断面中立軸に対して斜めに配設するか、頭付スタッドの軸を異形とすることにより、該頭付スタッドが該合成床版のせん断抵抗機能を有するようにした鋼・コンクリートの合成床版。

目的

本発明は、上記のような問題点を解決するために成されたもので、せん断補強筋を設置すること無しに床版に作用する過大なせん断力に対する優れた抵抗性を有する合成床版を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

鋼板と、鋼板上に打設したコンクリートと、下部が該鋼板に接合された該コンクリートのずれ止めのための頭付スタッドとからなる鋼・コンクリートの合成床版であって、該頭付スタッドが該合成床版のせん断抵抗機能を有することを特徴とする鋼・コンクリートの合成床版。

請求項2

前記コンクリート中に床版曲げ抵抗する配筋部を有することを特徴とする請求項1記載の鋼・コンクリートの合成床版。

請求項3

前記頭付スタッドの頭部が前記配筋部又は前記配筋部以上の位置にくるように配設された頭付スタッドであることを特徴とする請求項2記載の鋼・コンクリートの合成床版。

請求項4

前記頭付スタッドの軸方向が前記コンクリートの断面中立軸に対して斜めに配設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の鋼・コンクリートの合成床版。

請求項5

前記頭付スタッドの軸部が異形であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の鋼・コンクリートの合成床版。

請求項6

前記合成床版の(設計荷重/床版厚)が2.0kN/mm以上であり、その用途が航空機滑走路用であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の鋼・コンクリートの合成床版。

請求項7

前記床版の(設計荷重/床版厚)が0.5kN/mm以上であり、その用途が道路用又は車両通行用であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の鋼・コンクリートの合成床版。

請求項8

前記床版がハンチ部を少なくとも1方向に持ち、前記頭付スタッドが該ハンチ部に配設されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の鋼・コンクリートの合成床版。

請求項9

頭付スタッドの頭の少なくとも1方向の自由突出長が配筋部の鉄筋の直径以上であることを特徴とする請求項2〜8のいずれかに記載の鋼・コンクリートの合成床版。

請求項10

前記頭付スタッドが途中で曲げられたスタッドであり、その曲げによって配筋を容易にすることを特徴とする請求項2〜9のいずれかに記載の鋼・コンクリートの合成床版。

請求項11

前記頭付スタッドの頭が前記コンクリートの上表面に対して平行となるように配設されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の鋼・コンクリートの合成床版。

請求項12

前記頭付スタッドが斜頭スタッドであることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の鋼・コンクリートの合成床版。

技術分野

0001

本発明は、橋梁その他構造物に用いられる底鋼板と該底鋼板上に打設したコンクリートとから成る合成床版に関するものである。

背景技術

0002

従来から、道路橋等における道路を形成するために、型鋼とコンクリートとから成る合成床版が用いられている。そして、この床版の上を自動車等の重量物が通過するために、床版には曲げせん断力がかかり、ひび割れ、コンクリートの剥落等の破損が生じる。
このような床版の破損を防ぐために従来から種々の改良がなされている。

0003

特許文献1に記載の合成床版は、鋼板上にコンクリートを現場打ちする際の鋼板の剛性を確保し、かつ鋼材重量の低減を図る目的で発明されたもので、鋼板上に打設すべきコンクリートの一部を先行打設することにより、この先行打設したコンクリートと鉄筋の一部と鋼板の一部とを有してなるコンクリート梁を形成するか、又は、鋼板の上方でかつ鉄筋よりも低い位置に架設時鉄筋を配設し、鋼板上に打設すべきコンクリートの一部を架設時鉄筋の位置付近まで先行打設することによって、この先行打設したコンクリートと架設時鉄筋と鋼板の一部とを有してなり、かつ高さが完成後の合成床版の厚さよりも低いコンクリート梁を形成して、このコンクリート梁を合成前死荷重保持のための鋼板補強材として用いるものであり、鋼板とコンクリートとは一般部のみならずハンチ部においてもスタッドにより一体化される(図11参照)。

0004

特許文献2記載のものは、鉄筋コンクリートスラブにおいて、一定のスラブ厚さを維持しながら大きな中空化率を得る目的で発明されたもので、応力を三次元的に分配させる定着節構造主筋配力筋ラチス筋とを溶接することにより組み立てられた立体トラスと、立体トラス内に設けられた中空管と、立体トラスおよび中空管を埋設したコンクリート部材とから鉄筋コンクリートスラブを形成したものであり、コンクリートが大幅に減少した場合でも、立体トラスが十分に大きなせん断力を有し、これにより一定のスラブ厚さを維持しながら大きな中空化率を得ることができる(図12参照)。

0005

特許文献3に記載のものは、波形鋼板コンクリートスラブとの接合方法に関する発明であり、波形鋼板の上端部または下端部に、スタッドを鋼板の両面に溶植し、この溶植は、波形鋼板の各面に略直角に、波形鋼板の長手方向に複数列に配列して行い、隣接する波形鋼板の端部と重ねられ接続される長手方向の一端部には、一方の面にのみ溶植し、他端部には、他方の面にのみ溶植している(図13参照)。

0006

特許文献4に記載のものは、鋼製壁鉄筋コンクリート床版との接合構造において、コス縮減を目的として発明されたもので、鋼製壁と鉄筋コンクリート床版との接合部において、引張力が作用する位置における長尺ずれ止め部材の端部を、鋼製壁に固定し、短尺ずれ止め部材の端部を鋼製壁に固定し、長尺ずれ止め部材と短尺ずれ止め部材とを埋込むと共に、鋼製壁を被覆するコンクリートおよびスラブコンクリートを打設し、コンクリートに配力筋を埋設するものであり、長尺スタッドは途中コンクリート中で折り曲げられている(図14参照)。

0007

非特許文献1には、Tヘッドバー工法について記載されている。このTヘッドバーは、従来せん断補強筋端部に定着のため設けられるフックと呼ばれる曲げ加工を省略するために発明されたもので、鉄筋定着部頭付きスタッドにおけるような頭部分を付けたものである(図15参照)。

0008

特開2002−180420号公報
特開2000−120203号公報
特開2002−38420号公報
特許第3300162号公報
Tヘッドバー工法パンフレット清水建設株式会社

発明が解決しようとする課題

0009

従来の道路橋合成床版では、設計荷重に対して床版厚が十分厚いため、コンクリートのせん断抵抗のみで、せん断力に十分抵抗できた。ところが、床版厚を従来よりも薄くする場合、あるいは航空機滑走路のように設計荷重が大きい場合、床版の面外に作用するせん断力が抵抗力に対して大きく、これに床版厚を増加させることなく抵抗させるためには、せん断補強筋を設置する必要が生じる。しかしながら、従来よりも薄い、あるいは航空機の滑走路のように設計荷重が大きい場合、主鉄筋および配力筋が密に配置されており、せん断補強筋を設置するための十分な空間がない。

0010

すなわち、従来の合成床版では、床版厚が薄い場合、次のような問題がある。
(1)せん断力に抵抗するために、せん断補強筋が別途必要となる。
(2)せん断補強筋には所定の定着長が必要となるため、主鉄筋や配力筋とせん断補強筋の定着部が干渉し、配筋が困難となる。

0011

本発明は、上記のような問題点を解決するために成されたもので、せん断補強筋を設置すること無しに床版に作用する過大なせん断力に対する優れた抵抗性を有する合成床版を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

上記課題を解決するために本発明は次に記載するような構成を有する。
(1)鋼板と、鋼板上に打設したコンクリートと、下部が該鋼板に接合された該コンクリートのずれ止めのための頭付スタッドとからなる鋼・コンクリートの合成床版であって、該頭付スタッドが該合成床版のせん断抵抗機能を有することを特徴とする鋼・コンクリートの合成床版。
(2)前記コンクリート中に床版曲げに抵抗する配筋部を有することを特徴とする上記(1)の鋼・コンクリートの合成床版。
(3)前記頭付スタッドの頭部が前記配筋部又は前記配筋部以上の位置にくるように配設された頭付スタッドであることを特徴とする上記(2)の鋼・コンクリートの合成床版。
(4)前記頭付スタッドの軸方向が前記コンクリートの断面中立軸に対して斜めに配設されていることを特徴とする上記(1)〜(3)の鋼・コンクリートの合成床版。
(5)前記頭付スタッドの軸部が異形であることを特徴とする上記(1)〜(4)の鋼・コンクリートの合成床版。
(6)前記合成床版の(設計荷重/床版厚)が2.0kN/mm以上であり、その用途が航空機の滑走路用であることを特徴とする上記(1)〜(5)の鋼・コンクリートの合成床版。
(7)前記床版の(設計荷重/床版厚)が0.5kN/mm以上であり、その用途が道路用又は車両通行用であることを特徴とする上記(1)〜(5)の鋼・コンクリートの合成床版。
(8)前記床版がハンチ部を少なくとも1方向に持ち、前記頭付スタッドが該ハンチ部に配設されていることを特徴とする上記(1)〜(7)の鋼・コンクリートの合成床版。
(9)頭付スタッドの頭の少なくとも1方向の自由突出長が配筋部の鉄筋の直径以上であることを特徴とする上記(2)〜(8)の鋼・コンクリートの合成床版。
(10)前記頭付スタッドが途中で曲げられたスタッドであり、その曲げによって配筋を容易にすることを特徴とする上記(2)〜(9)の鋼・コンクリートの合成床版。
(11)前記頭付スタッドの頭が前記コンクリートの上表面に対して平行となるように配設されていることを特徴とする上記(1)〜(10)の鋼・コンクリートの合成床版。
(12)前記頭付スタッドが斜頭スタッドであることを特徴とする上記(1)〜(11)の鋼・コンクリートの合成床版。
なお、本発明における鋼・コンクリートの合成床版とは、コンクリートが鉄筋コンクリートである場合も含む。

発明の効果

0013

本発明の効果を以下に示す。
1)せん断補強筋を設置する必要が無くなり、従来よりも薄い道路橋合成床版、あるいは道路橋よりも大きな設計荷重が作用する航空機の滑走路合成床版を提供できる。
2)床版の底鋼板ハンチ部に設置される頭付きスタッドは、せん断力によるコンクリートの割裂方向に対してクロスする側に傾斜して設置させるため、床版のせん断抵抗力をより一層増加させる。なお、ハンチ部でなくとも、床版に対して斜めに設置されたスタッドは、これとクロスする方向への割裂に対して、これを防止する働きが、鉛直に設置した場合よりも大きくなる。
3)頭付きスタッドの軸が異形鉄筋である場合、スタッドの頭と底部に加え、軸部においてもコンクリートとの付着が確保できるため、より強固なせん断補強機能を得ることができる。

0014

4)(設計荷重/床版厚)が2.0kN/mm以上である場合、航空機の滑走路に適用でき、(設計荷重/床版厚)が0.5kN/mm以上である場合、道路または車両通行路に適用できる。
5)頭付きスタッドが頭部が版曲げに抵抗する配筋部または配筋部以上の位置にくるように配設された頭付きスタッドであれば、スタッドを曲げに抵抗する鉄筋に絡めることにより、床版の上層下層とをスタッドによってより一体化させ、スタッドによってせん断抵抗させる効果が得られる。このとき、頭付スタッドの頭の少なくとも1方向の自由突出長が配筋部の鉄筋の直径以上であれば、配筋部に絡め易い。
6)床版に対してのスタッドの傾斜角分だけスタッドの頭と軸との角度を傾斜させた斜頭スタッドを用いれば、上記理由によりかぶりコンクリート厚を増加させる必要がなくなり、床版厚の増加、すなわち自重の増加や構造寸法の増加を防ぐことができる。

発明を実施するための最良の形態

0015

本発明の合成床版は、鋼板と、コンクリートと鋼板とのずれ止め機能およびコンクリートのせん断補強機能を果たすように該鋼板に下部が溶接等により接合された頭付きスタッドと、鋼板上に打設したコンクリートとからなる。この頭付スタッドの軸は異形であると更に好ましい。
なお、本願明細書でいう頭付きスタッドとは、スタッドの頭部においてアンカー機能を有するスタッドを指す。また、頭付スタッドの軸が異形であるとは、スタッド軸にコンクリートの付着を高めるための凸凹がある形状のことを指し、例えば、軸方向に間隔をおいて膨出部、突起部を設けた様なものをいう。さらに、設計荷重とは、床版の面外方向のせん断力に関する床版の設計荷重を指す。

0016

上記の構成により、スタッドの頭とスタッド底部の鋼板への結合とにより、スタッドが上下端で定着され、せん断力に対して抵抗できるようになる。その結果、せん断補強筋を設置する必要が無くなり、従来よりも薄い道路橋合成床版、あるいは道路橋よりも大きな設計荷重が作用する航空機の滑走路合成床版を提供できる。

0017

加えて、頭付きスタッドが頭部が床版曲げに抵抗する上面鉄筋部または上面鉄筋部以上の位置にくるように配設された頭付きスタッドであれば、スタッドを曲げに抵抗する鉄筋に絡めることにより、床版の上層と下層とをスタッドによってより一体化させ、スタッドによってせん断抵抗をより増加させる効果が得られる。このとき、頭付スタッドの頭の少なくとも1方向の自由突出長が配筋部の鉄筋の直径以上であれば、配筋部に絡め易い。

0018

また、床版の底鋼板ハンチ部に設置される頭付きスタッドは、せん断力によるコンクリートの割裂方向に対してクロスする側に傾斜して設置させるため、床版のせん断抵抗力をより一層増加させる。なお、ハンチ部でなくとも、床版に対して斜めに設置されたスタッドは、これとクロスする方向への割裂に対して、これを防止する働きが、鉛直に設置した場合よりも大きくなる。

0019

さらに、頭付きスタッドの軸が異形鉄筋である場合、スタッドの頭と底部に加え、軸部においてもコンクリートとの付着が確保できるため、より強固なせん断補強機能を得ることができる。

0020

そして、本発明の合成床版は、滑走路床版(コンクリート強度40N/mm2)の場合、設計に考慮する航空機の種類の全てを考慮し1脚あたりあるいは1輪あたりの(設計荷重/せん断抵抗面積(=せん断応力))が最も厳しくなるケースにおいて、(設計荷重/せん断抵抗面積)がコンクリートせん断強度を超えるような床版を対象とし(設計荷重/床版厚)の値で整理すると、図16に示すように、LA−1(1)タイプの航空機が最大荷重の場合2.0kN/mm以上、LA−0タイプの航空機が最大荷重の場合2.5kN/mm以上となるという理由から、(設計荷重/床版厚)が2.0kN/mm以上である場合、航空機の滑走路に適用できる。また、道路橋(コンクリート強度30N/mm2)の場合、T荷重1輪に対し(設計荷重/せん断抵抗面積)がコンクリートせん断強度を超えるような床版を対象とし(設計荷重/床版厚)の値で整理すると、図17に示すように、0.5kN/mm以上となるという理由から、(設計荷重/床版厚)が0.5kN/mm以上である場合、道路または車両通行路に適用できる。

0021

頭付スタッドが合成床版に対して傾斜していると、床版の上面鉄筋にスタッドを絡ませようとした場合、スタッド頭部が床版の上面鉄筋よりも上方に位置することになり、かぶりコンクリート厚を所定量確保するために、頭部の傾斜分だけ、かぶりを増加させる必要がある。これに対し、床版に対してのスタッドの傾斜角分だけスタッドの頭と軸との角度を傾斜させた斜頭スタッドを用いれば、上記理由によりかぶりコンクリート厚を増加させる必要がなくなり、床版厚の増加、すなわち自重の増加や構造寸法の増加を防ぐことができる。他方、床版厚およびかぶりコンクリート厚を増加させない方法として、上下主鉄筋配力筋間隔を小さくする方法がある。しかしながら、この方法は、床版の耐荷力性能を低下させることに繋がるため、避けるのが望ましい。

0022

本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の合成床版Dの一例を示したものであり、合成床版Dは、ハンチ部hを有する鋼板1と、鋼板1上に打設したコンクリート4と、下部が該鋼板1に溶接された頭付スタッド2からなる。上記の構成により、スタッドの頭とスタッド底部の鋼板への結合とにより、スタッドが上下端で定着され、該頭付スタッド2は、該合成床版Dの面外方向のせん断力に対して抵抗する。
また、床版の底鋼板ハンチ部に設置される頭付きスタッド2は、せん断力によるコンクリートの割裂方向に対してクロスする側に傾斜して設置させるため、床版のせん断抵抗力をより一層増加させる。

0023

桁Bと合成床版Dとのずれ止めである頭付きスタッド3を設置した桁B上に、コンクリート4と鋼板1とのずれ止め機能およびコンクリート4のせん断補強機能を果たすように頭付きスタッド2を溶接した鋼板1上にコンクリート4を打設する。

0024

図2はせん断力に抵抗する頭付スタッド2の説明図であり、pが荷重、Sが支点、Tが引張力、Cがせん断割裂線である。合成床版D上に荷重pが作用したとき、荷重p作用点と支点Sとの間に、合成床版に対して面外方向のせん断力が発生し、これにより引張力Tがコンクリート4に作用する。その結果、コンクリート4にせん断割裂線Cが発生し、これに鋼板1上に設置した頭付きスタッド2が抵抗する。

0025

図3は、合成床版Dのハンチ部h付近の配筋(断面図)であり、図4および図5は、図3におけるA−A平面図およびB−B平面図である。Bが桁で、5aが上面配力筋、5bが下面配力筋、6aが上面主鉄筋、6bが下面主鉄筋である。ハンチ部hの鋼板1に設置した頭付スタッド2は、鋼板1に対して垂直に設置され、該頭付きスタッド2の頭部を上面配力筋5aおよび上面主鉄筋6aに絡ませている。なお、該合成床版Dは、SLが桁支持線であるとして設計している。

0026

図6は、合成床版Dにおけるハンチ部h付近の配筋(断面図)であり、配筋し易いように、下面配力筋5bおよび下面主鉄筋6b近傍で頭付きスタッド2の軸部を曲げている。

0027

図7は、図3と同条件で設計した従来の合成床版Dのハンチ部h付近の配筋(断面図)であり、図8および図9は、図7におけるA−A平面図およびB−B平面図である。7がせん断補強筋であり、両端部を上下配力筋5a、5bおよび上下主鉄筋6a、6bの高さ位置に沿わせて定着する。

0028

図10は、頭付きスタッド2および斜頭スタッド8と上面鉄筋との関係を示す図である。
図10(a)は、頭付スタッドが途中で折り曲げられたスタッドをハンチ部に設けた例を示したものであり、図10(b)は頭付スタッドとして斜頭スタッドをハンチ部に設けた例を示したものであり、図10(c)は図10(a)におけるハンチ部の部分拡大図である。
図10(c)、図10(d)、図10(f)に示すように、頭付きスタッド2を使用する場合、前述したように床版の上面鉄筋5a、6aに頭付きスタッド2を絡ませて頭部が床版の上面鉄筋よりも上方に位置させるようにするためには、頭径D1が大きければ大きいほど、また、かぶりコンクリート面と頭付きスタッド2の溶接面とのなす角度が大きければ大きいほど、かぶりコンクリート厚dは厚くなる。
これに対し、図10(g)に示すように、斜頭スタッド8を用いた場合には、かぶりコンクリート面とスタッドの斜頭スタッド8の溶接面とのなす角度は、かぶりコンクリート厚とは無関係になる。

0029

図11は特開2002−180420号公報の合成床版の概略図、図12は特開2000−120203号公報のせん断補強機能を有する鉄筋の概略図、図13および図14は特開2002−38420号公報および特許第3300162号公報の鋼・コンクリート接合構造の概略図、図15はTヘッドバーの概略図である。

0030

本実施の形態に係る合成床版の諸元については、桁間隔、支点間隔、および荷重の規模等に応じて種々異なるが、寸法の一例を示せば、次の通りである。
底鋼板の板厚は9mm、コンクリート部の板厚は400mm、ハンチ高さは150mm、ハンチの角度は鉛直方向1に対し水平方向3、桁間隔は5m、桁軸方向の床版長さは5m、床版一般部の頭付きスタッドの長さは330mm、頭付きスタッドの軸径および頭部の直径は22mmおよび35mm、かぶりコンクリート厚が70mm、上下面主鉄筋配力筋にはD25を用いる。また、上面鉄筋の水平方向間隔は主鉄筋、配力筋ともに125mm間隔、下面鉄筋の水平方向間隔は、主鉄筋、配力筋ともに250mm間隔である。頭付きスタッドの設置間隔は250mmである。

図面の簡単な説明

0031

本発明の合成床版の一例を示す図である。
せん断力に抵抗する頭付スタッドの説明図である。
本発明の合成床版のハンチ部付近の配筋を示す断面図である。
図3におけるA−A平面図である。
図3におけるB−B平面図である。
本発明の合成床版におけるハンチ部付近の配筋を示す図(断面図)である。
従来の合成床版のハンチ部付近の配筋を示す図(断面図)である。
図7におけるA−A平面図である。
図7におけるB−B平面図及び図7に対して直角方向の断面図である。
頭付きスタッドおよび斜頭スタッドと上面鉄筋との関係を示す図である。
特開2002−180420号公報の合成床版の概略図である。
特開2000−120203号公報の合成床版の概略図である。
特開2002−38420号公報の鋼・コンクリート接合構造の概略図である。
特許第3300162号公報のせん断補強機能を有する鉄筋の概略図である。
Tヘッドバーの概略を示す図である。
航空機の滑走路用床版における(設計荷重/床版厚)と(設計荷重/せん断抵抗面積)と(床版厚)との相関関係を示す図である。
道路用又は車両通行用床版における(設計荷重/床版厚)と(設計荷重/せん断抵抗面積)と(床版厚)との相関関係を示す図である。

符号の説明

0032

D合成床版
B 桁
h床版ハンチ部
p荷重
Cせん断割裂線
T引張力
S支点
SL桁支持線
dかぶりコンクリート厚
D1頭付きスタッドの頭の直径
1鋼板
2 頭付きスタッド(床版部)
3 頭付きスタッド(桁部)
4コンクリート
5a 上面配力筋
5b 下面配力筋
6a 上面主鉄筋
6b 下面主鉄筋
7せん断補強筋
8斜頭スタッド
9 補強材

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ