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技術 複数層付き基材の製造方法、および製造装置

出願人 東レ株式会社
発明者 橋本和幸圓崎諭日下和洋
出願日 2004年3月19日 (16年9ヶ月経過) 出願番号 2004-079918
公開日 2005年9月29日 (15年2ヶ月経過) 公開番号 2005-262121
状態 未査定
技術分野 流動性材料の適用方法、塗布方法 塗布装置3(一般、その他)
主要キーワード 電磁磁石 標準比重計 浮ひょう 一定隙間 磁力発生装置 熱風装置 移動作用 赤外線照射装置
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

粘度100mPa・S以下の塗布液どうしを層混合することなく積層塗布し、各層固有の機能を発揮する複数層付き基材の製造方法、および製造装置を提供する。

解決手段

まず、基材の同一面に湿潤状態の高密度層低密度層とを塗布する。その後、高密度層に対して、低密度層から高密度層に向かう方向に外力を作用させた状態で、高密度層と低密度層とを硬化することによって複数層付き基材を製造する。

概要

背景

RT等のモニター画面には、外部光反射を防止する反射防止層静電気の帯電を防止する帯電防止層、等を備える透明なフィルムが貼り付けられていることが多い。このうち帯電防止層には導電性微粒子が配合されており、モニター電源入り切りでモニター画面に発生する静電気をモニターの筐体などに逃がすことによって、モニター画面に埃が付着したり、人体に静電気が伝わったりするのを防止することができる。

帯電防止フィルムには、ポリエチレンテレフタレート(PET)やトリアセテート(TAC)などの透明基材の一方の面に、帯電防止層、別名アンチスタティック層(AS層)の他に、モニター画面の保護層であるハードコート層HC層)が形成されている。また、透明基材の反対側の面には、モニター画面に貼り付けるための接着層あるいは粘着層の上に剥離基材ラミネートされている。また、製品によっては、HC層、AS層以外に反射防止層などがさらに形成される。

このような帯電防止フィルムの製造方法は、次の通りである。まず透明基材の一方の面にHC液を塗布、乾燥、硬化してHC層を形成した後、同様にAS液を塗布、乾燥、硬化し、HC層の上にAS層を形成する。次に、剥離基材に接着剤あるいは粘着剤を塗布、乾燥し、接着層あるいは粘着層を形成し、これを透明基材のHC層、AS層を形成する面と反対側の面とラミネートで貼り合わせる。以上の製造方法で、透明基材上にHC層、AS層を形成するのに一層ずつ塗布、乾燥、硬化の工程を繰り返すのは、生産性が低く、製造コストが高くなるので、HC液、AS液を同時に塗布、乾燥、硬化し、工程を短縮することが求められている。

このような複数の塗布液同時塗布方法として、2種類の塗布液が吐出される2つのスリットを有する2層スリットダイを用いる塗布方法(たとえば特許文献1参照)や、複数の塗布器を基材の走行方向に並べ、上流側の塗布器から塗布した湿潤状態下層の上に下流側の塗布器から上層積層塗布するウェットオン・ウェット(たとえば特許文献2参照)などが知られている。

これらに用いられる塗布液は、粘度がいずれも100mPa・S以上のものであるが、100mPa・S以下の塗布液同士を積層塗布すると層混合という問題が発生する。以下、図面を用いて説明する。図1は粘度が100mPa・S以上のような高粘度の塗布液どうしを湿潤状態で積層塗布したときの複数層付き基材の断面図、図2は粘度が100mPa・S以下のような低粘度の塗布液どうしを湿潤状態で積層塗布したときの複数層付き基材の断面図である。

図1を参照すると、基材10上に低密度層8、高密度層6の順に湿潤状態で積層塗布されている。低密度層8と高密度層6のいずれも高粘度の塗布液であり、流動性が低いため、湿潤状態で接触しても低密度層8と高密度層6とは層混合をおこさず、界面で明瞭に層分離する。しかしながら、図1と同じ順で基材10上に積層塗布している図2を参照すると、低密度層8と高密度層6との間に、互いの層が混合してできる混合層7が存在し、低密度層8と混合層7、および混合層7と高密度層6との界面も不明瞭である。これは、流動性の高い低粘度の塗布液どうしを湿潤状態で接触させると、塗布液中の溶媒が相溶するためである。帯電防止フィルムの製造においても、HC液とAS液の混合がおこり、AS液に含まれる導電性微粒子がHC液に拡散してAS層に含まれる導電性粒子が減少し、帯電防止性を示す表面電気抵抗値が低下するという問題が発生した。このような100mPa・S以下の塗布液どうしを同時に塗布する方法として、塗布液の粘度差を50mPa・S以下にし、層境界での乱れを抑制する方法も提案されている(たとえば特許文献3参照)。しかし、特許文献に基づき検討した結果、粘度が100mPa・S以下の塗布液どうしを積層塗布すると、粘度差が50mPa・S以下であっても層混合を防止できないことが判明した。
特開平2−251265号公報
特開昭62−124631号公報
特開平3−8471号公報

概要

粘度100mPa・S以下の塗布液どうしを層混合することなく積層塗布し、各層固有の機能を発揮する複数層付き基材の製造方法、および製造装置を提供する。まず、基材の同一面に湿潤状態の高密度層と低密度層とを塗布する。その後、高密度層に対して、低密度層から高密度層に向かう方向に外力を作用させた状態で、高密度層と低密度層とを硬化することによって複数層付き基材を製造する。

目的

本発明の目的は、たとえば、100mPa・S以下のような低粘度の塗布液どうしであっても、層混合を抑制して積層塗布することができる複数層付き基材の製造方法、および製造装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

基材の同一面に湿潤状態の高密度層低密度層とを塗布した後、前記高密度層に対して、前記低密度層から前記高密度層に向かう方向に外力を作用させた状態で、前記高密度層と前記低密度層とを硬化することを特徴とする複数層付き基材の製造方法。

請求項2

前記高密度層は前記低密度層の下側にあって、前記外力として重力を作用させた状態で、前記高密度層と前記低密度層とを硬化することを特徴とする請求項1に記載の複数層付き基材の製造方法。

請求項3

前記高密度層と前記低密度層とが前記基材の下側にある状態で、前記高密度層と前記低密度層とを硬化することを特徴とする請求項2に記載の複数層付き基材の製造方法。

請求項4

回転体に前記基材が巻き付き、前記低密度層および前記高密度層がこの順に前記基材上に塗布された状態で前記高密度層に対して、前記外力として遠心力を作用させた状態で、前記高密度層と前記低密度層とを硬化することを特徴とする請求項1に記載の複数層付き基材の製造方法。

請求項5

前記高密度層として、粒子を含むものを用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の複数層付き基材の製造方法。

請求項6

前記高密度層および前記低密度層として、塗布前の粘度が100mPa・S以下の塗布液を用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の複数層付き基材の製造方法。

請求項7

基材の同一面に湿潤状態の磁性層非磁性層とを塗布した後、前記磁性層に対して、前記非磁性層から前記磁性層に向かう方向に磁力を作用させた状態で、前記磁性層と前記非磁性層とを硬化することを特徴とする複数層付き基材の製造方法。

請求項8

前記磁性層および前記非磁性層として、塗布前の粘度が100mPa・S以下の塗布液を用いることを特徴とする請求項7に記載の複数層付き基材の製造方法。

請求項9

基材の同一面に複数層塗膜を塗布する1台以上の塗布器と、前記複数層の塗膜を硬化する磁力発生機能付塗膜硬化装置とを備えることを特徴とする複数層付き基材の製造装置

請求項10

前記磁力を前記複数層の塗膜の厚み方向に作用させることを特徴とする請求項9に記載の複数層付き基材の製造装置。

技術分野

0001

本発明は、主に機能フィルムの製造分野に使用されるものであり、詳しくは、これらの分野における複数層付き基材の製造方法、および製造装置に関する。

背景技術

0002

RT等のモニター画面には、外部光反射を防止する反射防止層静電気の帯電を防止する帯電防止層、等を備える透明なフィルムが貼り付けられていることが多い。このうち帯電防止層には導電性微粒子が配合されており、モニター電源入り切りでモニター画面に発生する静電気をモニターの筐体などに逃がすことによって、モニター画面に埃が付着したり、人体に静電気が伝わったりするのを防止することができる。

0003

帯電防止フィルムには、ポリエチレンテレフタレート(PET)やトリアセテート(TAC)などの透明基材の一方の面に、帯電防止層、別名アンチスタティック層(AS層)の他に、モニター画面の保護層であるハードコート層HC層)が形成されている。また、透明基材の反対側の面には、モニター画面に貼り付けるための接着層あるいは粘着層の上に剥離基材ラミネートされている。また、製品によっては、HC層、AS層以外に反射防止層などがさらに形成される。

0004

このような帯電防止フィルムの製造方法は、次の通りである。まず透明基材の一方の面にHC液を塗布、乾燥、硬化してHC層を形成した後、同様にAS液を塗布、乾燥、硬化し、HC層の上にAS層を形成する。次に、剥離基材に接着剤あるいは粘着剤を塗布、乾燥し、接着層あるいは粘着層を形成し、これを透明基材のHC層、AS層を形成する面と反対側の面とラミネートで貼り合わせる。以上の製造方法で、透明基材上にHC層、AS層を形成するのに一層ずつ塗布、乾燥、硬化の工程を繰り返すのは、生産性が低く、製造コストが高くなるので、HC液、AS液を同時に塗布、乾燥、硬化し、工程を短縮することが求められている。

0005

このような複数の塗布液同時塗布方法として、2種類の塗布液が吐出される2つのスリットを有する2層スリットダイを用いる塗布方法(たとえば特許文献1参照)や、複数の塗布器を基材の走行方向に並べ、上流側の塗布器から塗布した湿潤状態下層の上に下流側の塗布器から上層積層塗布するウェットオン・ウェット(たとえば特許文献2参照)などが知られている。

0006

これらに用いられる塗布液は、粘度がいずれも100mPa・S以上のものであるが、100mPa・S以下の塗布液同士を積層塗布すると層混合という問題が発生する。以下、図面を用いて説明する。図1は粘度が100mPa・S以上のような高粘度の塗布液どうしを湿潤状態で積層塗布したときの複数層付き基材の断面図、図2は粘度が100mPa・S以下のような低粘度の塗布液どうしを湿潤状態で積層塗布したときの複数層付き基材の断面図である。

0007

図1を参照すると、基材10上に低密度層8、高密度層6の順に湿潤状態で積層塗布されている。低密度層8と高密度層6のいずれも高粘度の塗布液であり、流動性が低いため、湿潤状態で接触しても低密度層8と高密度層6とは層混合をおこさず、界面で明瞭に層分離する。しかしながら、図1と同じ順で基材10上に積層塗布している図2を参照すると、低密度層8と高密度層6との間に、互いの層が混合してできる混合層7が存在し、低密度層8と混合層7、および混合層7と高密度層6との界面も不明瞭である。これは、流動性の高い低粘度の塗布液どうしを湿潤状態で接触させると、塗布液中の溶媒が相溶するためである。帯電防止フィルムの製造においても、HC液とAS液の混合がおこり、AS液に含まれる導電性微粒子がHC液に拡散してAS層に含まれる導電性粒子が減少し、帯電防止性を示す表面電気抵抗値が低下するという問題が発生した。このような100mPa・S以下の塗布液どうしを同時に塗布する方法として、塗布液の粘度差を50mPa・S以下にし、層境界での乱れを抑制する方法も提案されている(たとえば特許文献3参照)。しかし、特許文献に基づき検討した結果、粘度が100mPa・S以下の塗布液どうしを積層塗布すると、粘度差が50mPa・S以下であっても層混合を防止できないことが判明した。
特開平2−251265号公報
特開昭62−124631号公報
特開平3−8471号公報

発明が解決しようとする課題

0008

本発明の目的は、たとえば、100mPa・S以下のような低粘度の塗布液どうしであっても、層混合を抑制して積層塗布することができる複数層付き基材の製造方法、および製造装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

上記の本発明の目的は、以下に述べる手段によって達成される。

0010

本発明によれば、基材の同一面に湿潤状態の高密度層と低密度層とを塗布した後、前記高密度層に対して、前記低密度層から前記高密度層に向かう方向に外力を作用させた状態で、前記高密度層と前記低密度層とを硬化することを特徴とする複数層付き基材の製造方法が提供される。

0011

また、本発明の好ましい形態によれば、前記高密度層は前記低密度層の下側にあって、前記外力として重力を作用させた状態で、前記高密度層と前記低密度層とを硬化することを特徴とする複数層付き基材の製造方法が提供される。

0012

また、本発明の好ましい形態によれば、前記高密度層と前記低密度層とが前記基材の下側にある状態で、前記高密度層と前記低密度層とを硬化することを特徴とする複数層付き基材の製造方法が提供される。

0013

また、本発明の好ましい形態によれば、回転体に前記基材が巻き付き、前記低密度層および前記高密度層がこの順に前記基材上に塗布された状態で前記高密度層に対して、前記外力として遠心力を作用させた状態で、前記高密度層と前記低密度層とを硬化することを特徴とする複数層付き基材の製造方法が提供される。

0014

また、本発明の好ましい形態によれば、前記高密度層として、粒子を含むものを用いることを特徴とする複数層付き基材の製造方法が提供される。

0015

また、本発明の好ましい形態によれば、前記高密度層および前記低密度層として、塗布前の粘度が100mPa・S以下の塗布液を用いることを特徴とする複数層付き基材の製造方法が提供される。

0016

また、本発明によれば、基材の同一面に湿潤状態の磁性層非磁性層とを塗布した後、前記磁性層に対して、前記非磁性層から前記磁性層に向かう方向に磁力を作用させた状態で、前記磁性層と前記非磁性層とを硬化することを特徴とする複数層付き基材の製造方法が提供される。

0017

また、本発明の好ましい形態によれば、前記磁性層および前記非磁性層として、塗布前の粘度が100mPa・S以下の塗布液を用いることを特徴とする複数層付き基材の製造方法が提供される。

0018

また、本発明によれば、基材の同一面に複数層塗膜を塗布する1台以上の塗布器と、前記複数層の塗膜を硬化する磁力発生機能付塗膜硬化装置とを備えることを特徴とする複数層付き基材の製造装置が提供される。

0019

また、本発明の好ましい形態によれば、前記磁力を前記複数層の塗膜の厚み方向に作用させることを特徴とする複数層付き基材の製造装置が提供される。

0020

本発明において、前記外力とは前記複数層の塗膜に同一発生源から同一方向に作用する力をいう。

0021

また、本発明において、前記高密度層、および前記低密度層の密度とは、溶媒、微粒子添加物等の塗布液に含まれる全ての物質を均一に混合させたときのものであり、高密度層は低密度層と比較して密度が高いものをいう。

発明の効果

0022

本発明は、基材の同一面に湿潤状態の高密度層と低密度層とを塗布した後、前記高密度層に対して、前記低密度層から前記高密度層に向かう方向に外力を作用させた状態で、前記高密度層と前記低密度層とを硬化することを特徴とする複数層付き基材の製造方法なのであるから、100mPa・S以下の塗布液どうしを、層混合することなく積層塗布することができ、各層固有の機能を発揮する複数層付き基材を製造することができる。

発明を実施するための最良の形態

0023

以下、本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。

0024

図3は本発明の一実施態様例である塗布装置1の概略正面断面図図4は本発明の別の一実施態様例である塗布装置2の概略正面断面図、図5は本発明のまた別の一実施態様例である塗布装置3の概略正面断面図、図6は本発明のさらにまた別の一実施態様例である塗布装置4の概略正面断面図である。

0025

まず図3の本発明の一実施態様例である塗布装置1では、基材10はロール12に巻き付けられ、矢印の方向に走行している。ロール12上の基材10から一定隙間だけ離れた位置に、高密度層液52と低密度層液54を基材10の厚さ方向に積層塗布する塗布器である2層スリットダイ20が置かれている。2層スリットダイ20を用いて高密度層液52と低密度層液54とを基材10に塗布する方向は、基材10が走行する方向である矢印の方向に一致する。この2層スリットダイ20には、第1のタンク44にある高密度層液52が第1のポンプ40によって第1のフィルター56と第1の配管48を経て供給される。供給された高密度層液52は2層スリットダイ20内の第1のスリット22を通って、基材10に塗布されて高密度層6になる。第2のタンク46にある低密度層液54も第2のポンプ42によって第2のフィルター58と第2の配管50を経て2層スリットダイ20に供給され、2層スリットダイ20内の第2のスリット24を通って、基材10に塗布されて低密度層8になる。塗布後、高密度層6、低密度層8は基材10の上側に位置した状態で、2層スリットダイ20の下流側である基材10の矢印の方向に走行し、高密度層6、低密度層8を硬化する塗膜硬化装置60に至る。塗膜硬化装置60は、熱風を吹き付けて溶媒を揮発させるホットブロア赤外線照射して溶媒を揮発させる赤外線照射装置等の乾燥装置、あるいは紫外線電子線で硬化する塗布液であれば、紫外線照射装置電子線照射装置などの放射線照射装置であるが、塗膜を硬化する装置ならいかなる形態のものであってもよい。また、乾燥装置と放射線照射装置等の複数の装置を組み合わせたものであってもよく、塗膜を硬化する機能を満たすものであれば、いかなる構成であってもよい。

0026

塗布装置1を用いて単なる2種の異なる低粘度液を2層に積層塗布すると、層混合する。この層混合は隣り合う塗布液の物性差が小さくなるまで進むので、各層を独立して保持することができなくなり、各層固有の機能を発揮できなくなる。しかし本実施態様では、塗布してから塗膜硬化装置60に至るまで、高密度層6は低密度層8の下側に位置し、かつ低密度層8から高密度層6に向かう方向に、連続的に重力が作用している。この状態では、もともと高密度層6は低密度層8の下側にあるので、密度差によって両者が移動して、その位置を入れ替わろうとする作用はない。さらに2つの層の境界部分では高密度層6の液が、低密度層8の方へ上昇して混合させようとする力が重力によって減じられて混合しにくくなり、その状態で塗膜硬化装置60にて高密度層6と低密度層8とは硬化されるので、層混合を抑制することができる。本発明は、高密度層6と低密度層8の界面付近の小さな領域での混合までを完全に防止するものではないが、高密度層6と低密度層8それぞれの膜厚に対して混合する領域は微少であり、各層の機能を発揮するに十分な非混合領域を確保することができるので、各層固有の機能を発揮する複数層付き基材を製造することができる。

0027

次に基材10上に、低密度層8、高密度層6の順に複数層の塗膜を製造する方法を図4を用いて説明する。

0028

図4を参照すると、本発明の別の実施態様例である塗布装置2がある。塗布装置2は、基材10上に低密度層8、高密度層6の順に形成するため、塗布装置1とは基材10の走行方向が逆であることと、基材10の下側に低密度層8、高密度層6の順に形成され、この状態を維持したまま塗膜硬化装置60で硬化されること以外は全く同じものである。

0029

塗布装置2を用いると、塗布して硬化されるまで低密度層8から高密度層6に向かう方向に、連続的に重力が作用しているので、塗布装置1と同じ原理で、高密度層6と低密度層8の層混合を抑制することができる。その結果、各層固有の機能をもつ複数層付き基材を製造することができる。

0030

次に図5を参照して、本発明の別の実施態様例である塗布装置3について説明する。塗布装置3は塗布装置2とは、ロール12の下流側にさらに基材10が巻き付けられるロール14があることと、塗膜硬化装置60がロール14と一定隙間だけ離れた位置にあること以外は全く同じである。

0031

塗布装置3を用いると、基材10上に2層スリットダイ20から低密度層液54、その上に高密度層液52を塗布し、基材10上に低密度層8、高密度層6の順に形成される。塗布してからロール14に至るまで、高密度層6は低密度層8の下側に位置し、かつ低密度層8から高密度層6に向かう方向に、連続的に重力が作用しているので、塗布装置2と同じ原理で高密度層6と低密度層8の層混合を抑制することができる。さらにロール14上においてロール14の中心から見て高密度層6は低密度層8の外側に位置し、かつ低密度層8から高密度層6に向かう方向に連続的に遠心力が作用しているので、低密度層8より密度が高い高密度層6には、低密度層8より大きな遠心力が作用する。この遠心力は重力と同方向に作用するので、重力と同じ原理により、ますます層混合を抑制することができるようになる。高密度層6と低密度層8の層混合が重力と遠心力によって抑制された状態で塗膜硬化装置60で硬化されるので、塗布装置1、2と同様に各層固有の機能をもつ複数層付き基材を製造することができる。

0032

塗布装置3の塗膜硬化装置60では、短時間で塗膜を硬化させることが好ましい。そのために高密度層液52、および低密度層液54として、紫外線または電子線で硬化する特性のものを使用し、塗膜硬化装置60として、紫外線または電子線等の放射線照射装置を用いることが好ましい。

0033

高密度層液52には、金属、金属化合物カーボン樹脂等の粒子が均一に分散され構成されるものが好ましい。粒子の材料には、特に制約はない。平均粒子径としては、分散性のため100μm以下であることが好ましく、塗膜に透明性が求められる場合は1μm以下であることがより好ましい。また、重力の影響を受けやすくするため10nm以上であることが好ましい。粒子の形状は、球状、楕円状や繊維状等のいかなるものであってもよい。

0034

高密度層液52と低密度層液54の密度比は好ましくは1.2以上、より好ましくは2以上である。1.2より小さいと、重力差が層混合力より小さくなって、層混合をおこすことがある。上記における密度は、JIS B7525(1992年)による浮ひょうを用いて温度15度で測定する。後述の実施例においては、日本計器株式会社の標準比重計を用いて測定した。

0035

これまで2層を積層塗布する場合について説明したが、3層以上の積層塗布であっても、外力が作用する方向に対し、低密度層8から順に密度が高くなる方向に並ぶ層構成であれば、同様に本発明を適用することができる。

0036

本発明は、粘度が100mPa・S以下の塗布液どうしの積層塗布に好適に用いることができる。上記における粘度は、JIS K7117(1987年)による回転式粘度計を用いて温度25℃、シェアレート10S-1の条件で測定する。後述の実施例においては、ビスコテック社のレオメーターRC20を用いて測定した。

0037

以上の実施態様例では、塗布器が2層スリットダイ20の場合について説明したが、同じく積層塗布が可能なスライドダイカーテンダイ等を用いてもよい。さらに単層塗布できる複数の塗布器を走行方向に並べ、上流側の塗布器から塗布された湿潤状態の層に重ねて、下流側の塗布器から別の層を塗布するウェット・オン・ウェットであってもよい。

0038

基材10は、フィルムの他に紙、あるいは金属板等、いかなるものを用いてもよい。

0039

次に、基材10上に磁性層62と非磁性層64を重ねる複数層付き基材の製造方法を図6を用いて説明する。

0040

図6には、本発明の一実施態様例である塗布装置4の概略正面断面図が示されている。塗布装置4では、高密度層液52が磁性層液62に、低密度層液54が非磁性層液64に、高密度層6が磁性層16に、低密度層8が非磁性層18になり、塗膜硬化装置60が磁力発生機能付塗膜硬化装置70になっていること以外は、塗布装置1と同じである。磁性層液64は、磁性粒子を分散させたものを含有している。磁力発生機能付塗膜硬化装置70は、磁性層16から非磁性層18に向かう方向、または非磁性層18から磁性層16に向かう方向に磁力を発生させることができる。磁力を作用させる方法としては、磁力発生機能付塗膜硬化装置70の内部に永久磁石電磁石等を配置させてもよいし、その他の電気的に磁力を発生させるものであってもよい。

0041

塗布装置4を用いて、2層スリットダイ20の第1のスリット22から磁性層液62、第2のスリット24から非磁性層液64、を基材10上に塗布し、磁性層16、その上に非磁性層18を形成すると、粘度の低い磁性層液62と非磁性層液64とは層混合をおこす。層混合は、互いの塗布液の物性差が小さくなるまで進むので、各層を独立して保持することができなくなり、各層固有の機能を発揮できなくなる。しかし、本実施態様では磁力発生機能付塗膜硬化装置70を用いて、2層の境界部分で磁性層液62と非磁性層液64とが層混合しようとするのが磁力によって抑制され、その状態で硬化されるので層混合を抑制することができる。本実施態様例では、基材10上に磁性層16,非磁性層18の順に積層塗布する場合について説明したが、磁力の作用方向を反対にすれば、基材10上に非磁性層18、磁性層16の順で形成することもできる。

0042

なお磁力が作用する範囲は、磁力発生機能付塗膜硬化装置70の内部に限定されるものではなく、磁力発生機能付塗膜硬化装置70の上流側に磁石磁力発生装置等を設置し、磁力発生機能付塗膜硬化装置70の上流側から磁力を作用させ、磁性層の移動作用を促進してもよい。磁石は、フェライト磁石ネオジム磁石電磁磁石等、いかなるものであってもよい。

0043

磁力発生機能付塗膜硬化装置70の磁力の残留磁束密度は、磁性粒子に磁力の影響を与えるため、好ましくは100mT以上であり、より好ましくは200mT以上である。

0044

磁性粒子としては、鉄、ニッケルなどの金属の磁性材料粒子以外に、カーボン、シリカ等の非磁性材料粒子にニッケルメッキ等を施して磁性をもたせたものであってもよい。また、上記のような磁性粒子にさらに他の機能を付与させたものを用いてもよい。磁性粒子の平均粒子径としては、特に制約はないが、分散性のため100μm以下であることが好ましく、塗膜に透明性を求められる場合は1μm以下であることがより好ましい。また、磁力の影響を受けやすくするため10nm以上であることが好ましい。粒子の形状は、球状、楕円状や繊維状等のいかなる形状であってもよい。

0045

本発明は、粘度が100mPa・S以下の塗布液どうしの積層塗布に好適に用いることができる。上記における粘度は、JIS K7117(1987年)による回転式粘度計を用いて温度25℃、シェアレート10S-1の条件で測定する。

0046

以上の実施態様例では、塗布器が2層スリットダイ20の場合について説明したが、同じく積層塗布が可能なスライドライ、カーテンダイ等を用いてもよい。さらに単層塗布できる複数の塗布器を走行方向に並べ、上流側の塗布器から塗布された湿潤状態の層に重ねて、下流側の塗布器から別の層を塗布するウェット・オン・ウェットであってもよい。

0047

基材10は、フィルムの他に紙、あるいはアルミ等のような非磁性材料からなるものであればいかなるものを用いてもよい。

0048

[実施例1]
塗布装置2を用いて、5m/分で直径200mmのロール12上を走行する400mm、厚み188μmのPET基材10の同一面に、2層スリットダイ20からHC液、その上にAS液をともに巾370mm、wet膜厚15μmで積層塗布した。HC液は、ウレタンアクリルレートトルエンメチルエーテルの混合物を溶媒に、光開始剤レベリング剤を添加して混合し、粘度を10mPa・S、密度を0.9g/cm3にしたものであった。AS液は、ウレタンアクリルレート、メタノール酢酸ブチルの混合物を溶媒に、平均粒子径100nmのニッケル粒子(密度8g/cm3)、光開始剤(紫外線を照射されると重合反応を開始する触媒)、レベリング剤を添加して混合し、粘度を5mPa・S、密度を1.75g/cm3にしたものであった。

0049

塗布後、PET基材10は矢印の方向に走行し、上からPET基材10、HC層、AS層の順に並んだ状態で塗膜硬化装置60に搬送される。塗膜硬化装置60は熱風による乾燥装置と紫外線照射によるキュア装置を組み合わせたものである。まず、乾燥装置で80℃で1分間乾燥してAS層とHC層中の溶媒を揮発させた。その後、キュア装置で照度320mW/cm2の紫外線を3秒間照射してAS層とHC層を硬化させた。最後に剥離基材である厚み100μmのPETに、粘着剤を巾370mm、ウェット膜厚80μmで塗布、80℃で1分間乾燥させて粘着層を形成し、最後に粘着層と厚み188μmのPET基材10のHC層、AS層を形成した面の反対側の面とをラミネートし、帯電防止フィルムを製作した。

0050

作成した帯電防止フィルムの表面電気抵抗値は3.1×108Ωであり、HC層とAS層を逐次塗布、乾燥、硬化させて作成した帯電防止フィルムの表面電気抵抗値1.2×108Ωとほぼ同等の性能であった。また、帯電防止フィルムの断面をSEMで観察したところ、HC層とAS層の境界は不明瞭であったが、金属粒子はAS層中に均一に分散していた。
[実施例2]
塗布装置3を用いて、実施例1とは走行速度が30m/分である以外は全く同じ条件で積層塗布した。

0051

塗布後、基材10はロール14から一定隙間を隔てた場所に置かれている塗膜硬化装置60に搬送される。塗膜硬化装置60は熱風による乾燥装置と紫外線照射によるキュア装置を組み合わせたものであるが、実施例1とは熱風装置とキュア装置の順が逆である。照度680mW/cm2の紫外線を0.5秒間照射し、HC層とAS層を硬化させた。ついで、乾燥装置で80℃で1分間乾燥させてHC層、AS層中の溶媒を揮発させた。最後に実施例1と同様にして帯電防止フィルムを作成した。

0052

作成した帯電防止フィルムの表面電気抵抗値は8.2×108Ωであり、HC層とAS層を逐次塗布、乾燥、硬化させて作成した帯電防止フィルムの表面電気抵抗値1.2×108Ωと比べるとやや性能は劣っていたが、製品としては問題ないレベルであった。また、帯電防止フィルムの断面をSEMで観察したところ、HC層とAS層の境界は不明瞭であったが、金属粒子はAS層中に均一に分散していた。
[比較例]
塗布装置1を用いて、実施例1と同じHC液、AS液をPET基材10の上にHC液、AS液の順に積層塗布した。塗布後は、実施例1と同様にして帯電防止フィルムを作成した。

0053

作成した帯電防止フィルムの表面電気抵抗値は1012Ω以上であった。また、フィルムの断面をSEMで観察したところ、HC層とAS層の境界は不明瞭であり、金属粒子は複数層全体に分散していた。

0054

本発明は、PET、TAC等の透明基材上にHC層、およびAS層を順次形成する場合に限定されるものではなく、あらゆる基材上に密度差のある低粘度の複数の塗布液を順次重ねて形成する複数層の塗膜を形成する場合に広く適用することができる。

図面の簡単な説明

0055

図1は、高粘度の塗布液どうしを積層塗布したときの2層の塗膜の断面図である。
図2は、低粘度の塗布液どうしを積層塗布したときの2層の塗膜の断面図である。
図3は、本発明の塗布装置1の概略正面断面図である。
図4は、本発明の塗布装置2の概略正面断面図である。
図5は、本発明の塗布装置3の概略正面断面図である。
図6は、本発明の塗布装置4の概略正面断面図である。

符号の説明

0056

1塗布装置1
2 塗布装置2
3 塗布装置3
4 塗布装置4
6 高密度層
7混合層
8低密度層
10基材
12ロール
14 ロール
16磁性層
18非磁性層
20 2層スリットダイ
22 第1のスリット
24 第2のスリット
40 第1のポンプ
42 第2のポンプ
44 第1のタンク
46 第2のタンク
48 第1の配管
50 第2の配管
52 高密度層液
54 低密度層液
56 第1のフィルター
58 第2のフィルター
60塗膜硬化装置
62 磁性層液
64 非磁性層液
70磁力発生機能付塗膜硬化装置

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