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技術 組換えヒト細胞、ならびにその組換えヒト細胞を用いてヒト薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝の少なくとも一方を評価する方法

出願人 公益財団法人大阪産業振興機構
発明者 大政健史大竹久夫
出願日 2004年2月23日 (16年10ヶ月経過) 出願番号 2004-046675
公開日 2005年9月2日 (15年4ヶ月経過) 公開番号 2005-229967
状態 特許登録済
技術分野 生物学的材料の調査,分析 突然変異または遺伝子工学 酵素、微生物を含む測定、試験 微生物、その培養処理
主要キーワード レザーブレード 末端形状 層流条件 検量用 通常構造 評価用チップ カラムチューブ ベークライト製
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

薬物代謝薬物代謝酵素誘導のいずれも感度良く評価するための組換えヒト細胞、ならびにその組換えヒト細胞を用いる評価方法の提供。

解決手段

ヒト薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝の少なくとも一方の評価のための組換えヒト細胞であって、ヒト薬物代謝酵素コード配列と、前記ヒト薬物代謝酵素のプロモータ配列と、レポータータンパク質コード配列と、バイシストロニック性制御配列とを含み、前記ヒト薬物代謝酵素コード配列と、前記バイシストロニック性制御配列と、前記レポータータンパク質コード配列とが、前記ヒト薬物代謝酵素のプロモータ配列の下流に位置し、かつ前記プロモータ転写活性により前記ヒト薬物代謝酵素および前記レポータータンパク質バイシストニック性に発現可能であるベクターにより形質転換された組換えヒト細胞により前記課題を解決する。

概要

背景

薬物が生体に摂取されると、生体内臓器、主に肝臓において、代謝酵素によって生体外排泄しやすい形に代謝される。また、薬物によっては代謝酵素を増やす作用(誘導作用)を有し、その場合には薬物代謝亢進される。このような薬物代謝により、生体におけるその薬物の効き目や毒性が左右されるため、薬物代謝および薬物代謝酵素誘導を評価することは医薬品開発において重要な点の一つである。

この薬物代謝および薬物代謝酵素誘導は、従来から動物を用いて評価されていた。しかし、動物を用いる実験は、時間がかかったり、多数の動物を扱うのは労力を要するなど、負担が大きかった。さらに、実験動物はヒトと種が異なるため、実験動物で得られた薬物代謝および薬物代謝酵素誘導の結果が、ヒトのものと異なる場合もあった。

負担を軽減し、かつ種の違いによる結果の相違をなくすため、ヒト細胞を用いる薬物代謝および薬物代謝酵素誘導の評価方法が近年開発されてきている。例えば、電極上で培養させたヒト肝臓細胞に薬物を投与し、薬物の代表的代謝酵素であるヒトチクロムP450が活性発現するときに使用する電子電流計で測定することにより、その細胞の薬物代謝を電気化学的に測定する方法が開発されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、入手できるヒト肝由来樹立細胞株(例えば、HepG2、HuH、FLC等)は、初代肝臓細胞の数百分の1と活性が弱く、感度よく測定するには問題があった。

一方、前記ヒトチトクロムP450を安定に発現するヒト肝臓癌細胞由来培養細胞株と、その細胞株を用いて薬物代謝を評価する方法も知られている(例えば、特許文献2参照)。しかし、この細胞は常にヒトチトクロムP450を産生するため、薬物代謝酵素誘導を評価することはできないという問題があった。
特開2002−218972号公報
特開2001−008681号公報

概要

薬物代謝と薬物代謝酵素誘導のいずれも感度良く評価するための組換えヒト細胞、ならびにその組換えヒト細胞を用いる評価方法の提供。ヒト薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝の少なくとも一方の評価のための組換えヒト細胞であって、ヒト薬物代謝酵素コード配列と、前記ヒト薬物代謝酵素のプロモータ配列と、レポータータンパク質コード配列と、バイシストロニック性制御配列とを含み、前記ヒト薬物代謝酵素コード配列と、前記バイシストロニック性制御配列と、前記レポータータンパク質コード配列とが、前記ヒト薬物代謝酵素のプロモータ配列の下流に位置し、かつ前記プロモータ転写活性により前記ヒト薬物代謝酵素および前記レポータータンパク質バイシストニック性に発現可能であるベクターにより形質転換された組換えヒト細胞により前記課題を解決する。 なし

目的

そこで、本発明は、薬物代謝と薬物代謝酵素誘導の両方を感度良く評価するための組換えヒト細胞、ならびにその組換えヒト細胞を用いてヒト薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝の少なくとも一方を評価する方法の提供を目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

ヒト薬物代謝酵素誘導および薬物代謝の少なくとも一方の評価のための組換えヒト細胞であって、ヒト薬物代謝酵素コード配列と、前記ヒト薬物代謝酵素のプロモータ配列と、レポータータンパク質コード配列と、バイシストロニック性制御配列とを含み、前記ヒト薬物代謝酵素コード配列と、前記バイシストロニック性制御配列と、前記レポータータンパク質コード配列とが、前記ヒト薬物代謝酵素のプロモータ配列の下流に位置し、かつ前記プロモータ転写活性により前記ヒト薬物代謝酵素および前記レポータータンパク質バイシストニック性に発現可能であるベクターにより形質転換された組換えヒト細胞。

請求項2

請求項3

由来が、肝臓細胞肺臓細胞腎臓細胞、鼻粘膜細胞、消化管細胞、胎盤細胞皮膚細胞小腸細胞および咽頭細胞からなる群から選択される1以上の細胞である請求項1または2に記載の組換えヒト細胞。

請求項4

前記レポータータンパク質が、GFP、EGFP、d2EGFP、ルシフェラーゼおよびβ−ガラクトシダーゼからなる群から選択される1以上であるである請求項1〜3のいずれかに記載の組換えヒト細胞。

請求項5

前記バイシストロニック性制御配列が、インターナルリボゾームエントリー・サイト(IRES)配列であり、前記ヒト薬物代謝酵素コード配列と、前記レポータータンパク質コード配列との間に前記IRES配列が配置されている請求項1〜4のいずれかに記載の組換えヒト細胞。

請求項6

前記ヒト薬物代謝酵素のプロモータ配列の下流に、前記ヒト薬物代謝酵素コード配列と、前記IRES配列と、前記レポータータンパク質コード配列とがこの順序で配置された請求項5に記載の組換えヒト細胞。

請求項7

前記ヒトチトクロムP450が、CYP1A1、CYP1A2、CYP1B1、CYP2A6、CYP2A13、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP2J2、CYP3A4、CYP3A5、CYP3A7、CYP4B1、CYP5A1、CYP8A1およびCYP21からなる群から選択される1以上である請求項2〜6のいずれかに記載の組換えヒト細胞。

請求項8

前記CYP3A4が、下記(a)または(b)のタンパク質である請求項7に記載の組換えヒト細胞。(a)配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質。(b)配列番号1に記載のアミノ塩基配列の1から数個アミノ酸残基置換、付加、挿入もしくは欠失したアミノ酸配列からなるタンパク質であって、かつヒトチトクロムP450として酵素活性を有するタンパク質。

請求項9

前記CYP3A4のプロモータ配列が、下記(c)または(d)の配列である請求項7または8に記載の組換えヒト細胞。(c)配列番号2に記載の塩基配列。(d)配列番号2に記載の塩基配列と相同性が50%以上の塩基配列からなり、かつCYP3A4の転写調節を行うプロモータ活性を有する配列。

請求項10

ヒト薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝の少なくとも一方の評価のための組換えヒト細胞のためのベクターであって、ヒト薬物代謝酵素コード配列と、前記ヒト薬物代謝酵素のプロモータ配列と、レポータータンパク質コード配列と、バイシストロニック性制御配列とを含み、前記ヒト薬物代謝酵素コード配列と、前記バイシストロニック性制御配列と、前記レポータータンパク質コード配列とが、前記ヒト薬物代謝酵素のプロモータ配列の下流に位置し、かつ前記プロモータの転写活性により前記ヒト薬物代謝酵素および前記レポータータンパク質がバイシストロニック性に発現可能であるベクター。

請求項11

前記ヒト薬物代謝酵素が、ヒトチトクロムP450、フラビン含有モノオキシゲナーゼ、アルコール脱水素酵素、アルデヒド脱水素酵素、モノアミンオキシダーゼ、アルデヒド還元酵素、ケトン還元酵素、エステラーゼ、エポキシヒドロラーゼ、β−グルクロニダーゼ、スルファターゼ、UDP−グルクロン酸転移酵素、グルタチオンS−転移酵素、N−アセチル転移酵素、硫酸転移酵素、グリシン抱合酵素、メチル化酵素およびグルコース転移酵素からなる群から選択される1以上である請求項10に記載のベクター。

請求項12

前記レポータータンパク質が、GFP、EGFP、d2EGFP、ルシフェラーゼおよびβ−ガラクトシダーゼからなる群から選択される1以上である請求項10または11に記載のベクター。

請求項13

前記バイシストロニック性制御配列が、IRES配列であり、前記ヒト薬物代謝酵素コード配列と、前記レポータータンパク質コード配列との間に前記IRES配列が配置されている請求項10〜12のいずれかに記載のベクター。

請求項14

前記ヒト薬物代謝酵素のプロモータ配列の下流に、前記ヒト薬物代謝酵素コード配列と、前記IRES配列と、前記レポータータンパク質コード配列とがこの順序で配置された請求項13に記載のベクター。

請求項15

前記ヒトチトクロムP450が、CYP1A1、CYP1A2、CYP1B1、CYP2A6、CYP2A13、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP2J2、CYP3A4、CYP3A5、CYP3A7、CYP4B1、CYP5A1、CYP8A1およびCYP21からなる群から選択される1以上である請求項11〜14のいずれかに記載のベクター。

請求項16

前記CYP3A4が、下記(a)または(b)のタンパク質である請求項15に記載のベクター。(a)配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質。(b)配列番号1に記載のアミノ塩基配列の1から数個のアミノ酸残基が置換、付加、挿入もしくは欠失したアミノ酸配列からなるタンパク質であって、かつヒトチトクロムP450として酵素活性を有するタンパク質。

請求項17

前記CYP3A4のプロモータ配列が、下記(c)または(d)の配列である請求項15または16に記載のベクター。(c)配列番号2に記載の塩基配列。(d)配列番号2に記載の塩基配列と相同性が50%以上の塩基配列からなり、かつCYP3A4の転写調節を行うプロモータ活性を有する配列。

請求項18

受託番号FERM P−19685のベクターである請求項17に記載のベクター。

請求項19

ヒト薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝の少なくとも一方を評価する方法であって、請求項1〜9のいずれかに記載の組換えヒト細胞に被験物を接触させ、前記被験物によるヒト薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝の少なくとも一方を評価する方法。

請求項20

前記被験物によるヒト薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝の少なくとも一方の評価が、前記被験物の代謝産物を直接的または間接的に分析することによる請求項19に記載のヒト薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝の少なくとも一方を評価する方法。

請求項21

前記被験物によるヒト薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝の少なくとも一方の評価が、前記レポータータンパク質を直接的または間接的に分析することによる請求項19または20に記載のヒト薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝の少なくとも一方を評価する方法。

請求項22

前記ヒト薬物代謝酵素が、ヒトチトクロムP450、フラビン含有モノオキシゲナーゼ、アルコール脱水素酵素、アルデヒド脱水素酵素、モノアミンオキシダーゼ、アルデヒド還元酵素、ケトン還元酵素、エステラーゼ、エポキシヒドロラーゼ、β−グルクロニダーゼ、スルファターゼ、UDP−グルクロン酸転移酵素、グルタチオンS−転移酵素、N−アセチル転移酵素、硫酸転移酵素、グリシン抱合酵素、メチル化酵素およびグルコース転移酵素からなる群から選択される1以上である請求項19〜21のいずれかに記載のヒト薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝の少なくとも一方を評価する方法。

請求項23

ヒト薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝の少なくとも一方を評価する評価用キットであって、請求項1〜9のいずれかに記載の組換えヒト細胞を含む評価用キット。

請求項24

ヒト薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝の少なくとも一方を評価する評価用バイオチップであって、基盤上に請求項1〜9のいずれかに記載の組換えヒト細胞が配置された評価用バイオチップ。

技術分野

0001

本発明は、組換えヒト細胞、ならびにその組換えヒト細胞を用いてヒト薬物代謝酵素誘導および薬物代謝の少なくとも一方を評価する方法に関するものである。

背景技術

0002

薬物が生体に摂取されると、生体内臓器、主に肝臓において、代謝酵素によって生体外排泄しやすい形に代謝される。また、薬物によっては代謝酵素を増やす作用(誘導作用)を有し、その場合には薬物代謝は亢進される。このような薬物代謝により、生体におけるその薬物の効き目や毒性が左右されるため、薬物代謝および薬物代謝酵素誘導を評価することは医薬品開発において重要な点の一つである。

0003

この薬物代謝および薬物代謝酵素誘導は、従来から動物を用いて評価されていた。しかし、動物を用いる実験は、時間がかかったり、多数の動物を扱うのは労力を要するなど、負担が大きかった。さらに、実験動物はヒトと種が異なるため、実験動物で得られた薬物代謝および薬物代謝酵素誘導の結果が、ヒトのものと異なる場合もあった。

0004

負担を軽減し、かつ種の違いによる結果の相違をなくすため、ヒト細胞を用いる薬物代謝および薬物代謝酵素誘導の評価方法が近年開発されてきている。例えば、電極上で培養させたヒト肝臓細胞に薬物を投与し、薬物の代表的代謝酵素であるヒトチクロムP450が活性発現するときに使用する電子電流計で測定することにより、その細胞の薬物代謝を電気化学的に測定する方法が開発されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、入手できるヒト肝由来樹立細胞株(例えば、HepG2、HuH、FLC等)は、初代肝臓細胞の数百分の1と活性が弱く、感度よく測定するには問題があった。

0005

一方、前記ヒトチトクロムP450を安定に発現するヒト肝臓癌細胞由来培養細胞株と、その細胞株を用いて薬物代謝を評価する方法も知られている(例えば、特許文献2参照)。しかし、この細胞は常にヒトチトクロムP450を産生するため、薬物代謝酵素誘導を評価することはできないという問題があった。
特開2002−218972号公報
特開2001−008681号公報

発明が解決しようとする課題

0006

そこで、本発明は、薬物代謝と薬物代謝酵素誘導の両方を感度良く評価するための組換えヒト細胞、ならびにその組換えヒト細胞を用いてヒト薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝の少なくとも一方を評価する方法の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、ヒト薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝の少なくとも一方の評価のための組換えヒト細胞であって、ヒト薬物代謝酵素コード配列と、前記ヒト薬物代謝酵素のプロモータ配列と、レポータータンパク質コード配列と、バイシストロニック性制御配列とを含み、前記ヒト薬物代謝酵素コード配列と、前記バイシストロニック性制御配列と、前記レポータータンパク質コード配列とが、前記ヒト薬物代謝酵素のプロモータ配列の下流に位置し、かつ前記プロモータ転写活性により前記ヒト薬物代謝酵素および前記レポータータンパク質バイシストニック性に発現可能であるベクターにより形質転換された組換えヒト細胞である。

0008

また、本発明は、ヒト薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝の少なくとも一方を評価する方法であって、本発明の組換えヒト細胞に被験物を接触させ、前記被験物によるヒト薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝の少なくとも一方を評価する方法である。

0009

前記組換えヒト細胞に被験物、例えば薬物と接触させ、前記ヒト薬物代謝酵素のプロモータの転写が活性化されれば、前記ヒト薬物代謝酵素が発現される。その結果、前記薬物は前記ヒト薬物代謝酵素で代謝され、代謝産物が生じる。この代謝産物を測定することにより薬物代謝を評価でき、かつ薬物代謝酵素の誘導を評価することができる。また、前記ヒト薬物代謝酵素のプロモータの転写が活性化されれば、前記レポータータンパク質も発現されるので、その発現量を測定することにより薬物代謝酵素誘導を評価できる。従って、例えば創薬過程において、薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝について必要な情報を簡便に得ることができるので、医薬品開発においても有用である。

発明の効果

0010

本発明の組換えヒト細胞は、薬物代謝と薬物代謝酵素誘導のいずれも感度良く評価するのに有用である。

発明を実施するための最良の形態

0011

本発明の組換えヒト細胞において、前記ヒト薬物代謝酵素は、限定されないが、例えば、ヒトチトクロムP450、フラビン含有モノオキシゲナーゼアルコール脱水素酵素アルデヒド脱水素酵素モノアミンオキシダーゼアルデヒド還元酵素ケトン還元酵素エステラーゼエポキシヒドロラーゼβ−グルクロニダーゼスルファターゼUDPグルクロン酸転移酵素グルタチオンS−転移酵素、N−アセチル転移酵素、硫酸転移酵素グリシン抱合酵素メチル化酵素、グルコース転移酵素等が挙げられる。中でも、薬物の約80%の代謝反応関与するヒトチトクロムP450が、好ましい。

0012

本発明の組換えヒト細胞の宿主細胞としては、一般に遺伝子組換え技術が適用できるものが好ましく、さらに好ましくは保存、増殖等の取扱いが容易な細胞である。このような宿主細胞としては、例えば、肝臓細胞、肺臓細胞、腎臓細胞、鼻粘膜細胞、消化管細胞、胎盤細胞皮膚細胞小腸細胞、咽頭細胞等が挙げられる。中でも、薬物代謝酵素の大半が存在する肝臓細胞が好ましい。ヒト肝臓由来の細胞株としては、例えばHepG2細胞が挙げられる。このような細胞は、各種公的機関細胞バンク)等から入手可能であるし、直接人体から採取して入手することもできる。

0013

本発明の組換えヒト細胞において、前記レポータータンパク質は、蛍光を発するタンパク質等、限定されないが、例えばGFP、EGFP、d2EGFP、ルシフェラーゼβ−ガラクトシダーゼ等が挙げられる。中でも、d2EGFPが好ましい。d2EGFPは、一定時間蛍光を発すると分解して蛍光が消える。従って、本発明の組換えヒト細胞を用いて評価する際、一度被験物と接触させてd2EGFPの蛍光を用いて薬物代謝酵素の誘導等を評価した後、その蛍光が消えるので、その組換えヒト細胞に別の被験物を接触させて新たにd2EGFPの蛍光を用いて薬物代謝酵素の誘導等を評価でき、同じ組換えヒト細胞を用いて数種類の被験物について評価できるからである。

0014

本発明の組換えヒト細胞において、前記バイシストロニック性制御配列とは、バイシストロニック性を実現する制御配列を意味し、例えばインターナルリボゾームエントリー・サイト(IRES)配列が挙げられる。なお、バイシストロニック性とは、2つの機能遺伝子が発現されることを意味する。本発明の組換えヒト細胞において、前記バイシストロニック性制御配列が、IRES配列であり、前記ヒト薬物代謝酵素コード配列と、前記レポータータンパク質コード配列との間に前記IRES配列が配置されているのが好ましい。

0015

前記バイシストロニック性制御配列がIRES配列であり、前記ヒト薬物代謝酵素コード配列と、前記レポータータンパク質コード配列との間に前記IRES配列が配置されている本発明の組換えヒト細胞において、前記ヒト薬物代謝酵素のプロモータ配列の下流に位置する、前記ヒト薬物代謝酵素コード配列と、前記IRES配列と、前記レポータータンパク質コード配列は、前記ヒト薬物代謝酵素コード配列と、前記レポータータンパク質コード配列との間に前記IRES配列が配置される限り順序は限定されない。例えば、上流側に前記ヒト薬物代謝酵素コード配列が、下流側に前記レポータータンパク質コード配列が配置されていてもよいし、下流側に前記ヒト薬物代謝酵素コード配列が、上流側に前記レポータータンパク質コード配列が配置されていてもよい。中でも、上流側に前記ヒト薬物代謝酵素コード配列が、下流側に前記レポータータンパク質コード配列が配置されている場合、すなわち、前記ヒト薬物代謝酵素のプロモータ配列の下流に、前記ヒト薬物代謝酵素コード配列と、前記IRES配列と、前記レポータータンパク質コード配列とがこの順序で配置されたのが好ましい。前記IRES配列は、転写を続行させる機能を有しているので、この順序で配置されていれば、前記ヒト薬物代謝酵素の発現後、前記レポータータンパク質も引き続き発現されるからである。

0016

なお、前記「ヒト薬物代謝酵素のプロモータ配列」とは、ヒト薬物代謝酵素の遺伝子の転写の開始部位を決定し、またその頻度を直接的に調節するDNA上の領域をいい、RNAポリメラーゼが結合して転写を始める塩基配列である。プロモータの領域は、通常、推定タンパク質コード領域の第一エキソンの上流約2kbp以内の領域であることが多いので、DNA解析用ソフトウェアを用いてゲノム塩基配列中のタンパク質コード領域を予測すれば、プロモータ領域推定することができる。推定プロモータ領域は構造遺伝子に応じて変動するが、通常構造遺伝子の上流にある。しかし、推定プロモータ領域はこれらに限定されず、構造遺伝子の下流にある場合もあり得る。好ましくは、推定プロモータ領域は、第1エキソン翻訳開始点から上流約2kbp以内に存在しうる。前記ヒト薬物代謝酵素のプロモータ配列は、例えば公知のデータベースに記載の配列を参照することができる。その際、前記ヒト薬物代謝酵素のプロモータ配列は、公知の配列と相同性が例えば50%以上、好ましくは70%以上であり、かつ前記ヒト薬物代謝酵素の転写調節を行うプロモータ活性を有する配列も全て含まれる。

0017

前記ヒト薬物代謝酵素コード配列は、前記ヒト薬物代謝酵素の活性を示すものであれば限定されない。前記配列としては、例えば、公知のものを全て利用することができる。また、前記ヒト薬物代謝酵素コード配列についても同様で、例えば公知のデータベースに記載の配列を参照することができる。その際、前記ヒト薬物代謝酵素コード配列には、公知の配列において、置換、付加、挿入もしくは欠失したアミノ酸残基の数が、例えば1〜10であって、好ましくは1〜6であり、より好ましくは1〜3であり、さらに好ましくは1〜2であり、かつ前記ヒト薬物代謝酵素をとしての活性を有するタンパク質も含む。また、前記ヒト薬物代謝酵素コード配列には、公知の配列との相同性が、例えば80%以上であって、好ましくは88%以上であり、より好ましくは94%以上であり、さらに好ましくは96%以上であり、かつ前記ヒト薬物代謝酵素をとしての活性を有するタンパク質も含む。

0018

前記IRES配列は米国特許第4,937,190号、特表2002−514086(P2002−514086A)号公報、特表2001−500021(P2001−500021A)号公報に記載されており、具体的には配列番号3に記載の塩基配列を有する。また、前記レポータータンパク質コード配列としては、前記レポータータンパク質、例えば公知のGFP(Prasher,D.C., Eckenrode,V.K., Ward,W.W., Prendergast,F.G. Cormier,M.J. "Primary structure of theAequorea victoria green-fluorescent protein" Gene 111 (2), 229-233 (1992)参照)、EGFP(配列番号4参照)、d2EGFP(配列番号5参照)、ルシフェラーゼ(Lorenz,W.W., McCann,R.O., Longiaru,M. and Cormier,M.J. "Isolation and expression of acDNAencoding Renilla reniformis luciferase" Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 88 (10), 4438-4442 (1991)参照)、β−ガラクトシダーゼ(Oshima,A., Tsuji,A., Nagao,Y., Sakuraba,H. and Suzuki,Y. "Cloning, sequencing, and expression of cDNA for human beta-galactosidase" Biochem. Biophys. Res. Commun. 157 (1), 238-244 (1988)参照)などをコードする配列が挙げられる。

0019

本発明の組換えヒト細胞において、前記ヒトチトクロムP450は、例えば、CYP1A1、CYP1A2、CYP1B1、CYP2A6、CYP2A13、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP2J2、CYP3A4、CYP3A5、CYP3A7、CYP4B1、CYP5A1、CYP8A1、CYP21等が挙げられる。中でも、CYP2C19、CYP2D6およびCYP3A4が好ましい。これらが前記ヒトチトクロムP450全体の大半を占めるからである。さらに、CYP3A4が好ましい。CYP3A4は、ヒトチトクロムP450全体の約30%を占めるからである。

0020

本発明の組換えヒト細胞において、前記CYP1A1、CYP1A2、CYP1B1、CYP2A6、CYP2A13、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP2J2、CYP3A5、CYP3A7、CYP4B1、CYP5A1、CYP8A1、CYP21等は、公知のタンパク質であり、そのアミノ酸配列は例えば下記の文献を参照できる。また、前記CYP1A1等のタンパク質には、多数の多型が知られており、例えばCYP3A4の多型については下記表1〜3に記載のもの、CYP2D6については下記表4〜6に記載のもの、CYP2C19については下記表7に記載のものが挙げられる。他にも、前記CYP1A1等のタンパク質をコードするアミノ酸配列として、前記公知の配列において、置換、付加、挿入もしくは欠失したアミノ酸残基の数が、例えば1〜10であって、好ましくは1〜6であり、より好ましくは1〜3であり、さらに好ましくは1〜2であり、かつ前記CYP1A1等としての活性を有するタンパク質をコードするアミノ酸配列も含む。

0021

CYP1A1については、Jaiswal AK, Gonzalez FJ, NebertDW. Human dioxin-inducible cytochrome P1-450: complementary DNA and amino acid sequence. Science. 1985 Apr 5;228(4695):80-3.または登録番号NM 000499(GenBank/EMBL/DDBJ)、CYP1A2についてはQuattrochi LC, Tukey RH.The human cytochrome Cyp1A2 gene contains regulatory elements responsive to 3-methylcholanthrene.Mol Pharmacol. 1989 Jul;36(1):66-71.もしくはHuman CYP1A2: sequence, gene structure, comparison with the mouse and rat orthologous gene, and differences in liver 1A2mRNAexpression.Ikeya K, Jaiswal AK, Owens RA, Jones JE, Nebert DW, Kimura S. Mol Endocrinol. 1989 Sep;3(9):1399-408. または登録番号NM 000761(GenBank/EMBL/DDBJ)、CYP1B1については、Tang YM, Wo YY, Stewart J, Hawkins AL, Griffin CA, Sutter TR, Greenlee WF. Isolation and characterization of the human cytochrome P450 CYP1B1 gene. J Biol Chem. 1996 Nov 8;271(45):28324-30. または登録番号U56438(GenBank/EMBL/DDBJ)、CYP2A6については、Yamano S, Tatsuno J, Gonzalez FJ.Biochemistry. 1990 Feb 6;29(5):1322-9. The CYP2A3 gene product catalyzes coumarin 7-hydroxylation in human liver microsomes. または登録番号NM 000762(GenBank/EMBL/DDBJ)、

0022

CYP2A13については、Fernandez-Salguero P, HoffmanSM, Cholerton S, Mohrenweiser H, Raunio H, Rautio A, Pelkonen O, Huang JD, Evans WE, Idle JR, et al.A genetic polymorphism in coumarin 7-hydroxylation: sequence of the human CYP2A genes and identification of variant CYP2A6 alleles. Am J Hum Genet. 1995 Sep;57(3):651-60. または登録番号NM 000766(GenBank/EMBL/DDBJ)、CYP2B6については、Yamano S, Nhamburo PT, Aoyama T, MeyerUA, Inaba T, Kalow W, GelboinHV, McBride OW, Gonzalez FJ.cDNAcloning and sequence and cDNA-directed expression of human P450 IIB1: identification of a normal and two variant cDNAs derived from the CYP2B locus on chromosome 19 and differential expression of the IIBmRNAs in human liver. Biochemistry. 1989 Sep 5;28(18):7340-8. または登録番号NM 000767(GenBank/EMBL/DDBJ)、CYP2C8については、Klose TS, Blaisdell JA, Goldstein JA. Gene structure of CYP2C8 and extrahepatic distribution of the human CYP2Cs. J Biochem Mol Toxicol. 1999;13(6):289-95. または登録番号AY514490(GenBank/EMBL/DDBJ)、

0023

CYP2C9については、 Romkes M, Faletto MB, Blaisdell JA, Raucy JL, Goldstein JA. Cloning and expression of complementary DNAs for multiple members of the human cytochrome P450IIC subfamily. Biochemistry. 1991 Apr 2;30(13):3247-55. または登録番号M61857 J05326(GenBank/EMBL/DDBJ)、CYP2C19については、 Romkes M, Faletto MB, Blaisdell JA, Raucy JL, Goldstein JA.Cloning and expression of complementary DNAs for multiple members of the human cytochrome P450IIC subfamily. Biochemistry. 1991 Apr 2;30(13):3247-55.、登録番号M61854 J05326(GenBank/EMBL/DDBJ)または配列番号6に示すアミノ酸配列、CYP2D6については、Kimura S, Umeno M, Skoda RC, MeyerUA, Gonzalez FJ. The human debrisoquine 4-hydroxylase (CYP2D) locus: sequence and identification of the polymorphic CYP2D6 gene, a related gene, and a pseudogene. Am J Hum Genet. 1989 Dec;45(6):889-904. 、登録番号NM 000106(GenBank/EMBL/DDBJ)または配列番号7に示すアミノ酸配列、CYP2E1については、Umeno M, McBride OW, Yang CS, GelboinHV, Gonzalez FJ. Human ethanol-inducible P450IIE1: complete gene sequence, promoter characterization, chromosome mapping, andcDNA-directed expression. Biochemistry. 1988 Dec 13;27(25):9006-13. または登録番号NM 000773またはJ02843(GenBank/EMBL/DDBJ)、CYP2J2については、King LM, Ma J, Srettabunjong S, Graves J, Bradbury JA, Li L, Spiecker M, Liao JK, Mohrenweiser H, Zeldin DC. Cloning of CYP2J2 gene and identification of functional polymorphisms. Mol Pharmacol. 2002 Apr;61(4):840-52. または登録番号AF272142(GenBank/EMBL/DDBJ)、

0024

CYP3A5については、 Aoyama T, Yamano S, Waxman DJ, LapensonDP, MeyerUA, Fischer V, Tyndale R, Inaba T, Kalow W, GelboinHV, et al. Cytochrome P-450 hPCN3, a novel cytochrome P-450 IIIA gene product that is differentially expressed in adult human liver.cDNAand deduced amino acid sequence and distinct specificities of cDNA-expressed hPCN1 and hPCN3 for the metabolism of steroid hormones and cyclosporine. J Biol Chem. 1989 Jun 25;264(18):10388-95. または登録番号NM 000777(GenBank/EMBL/DDBJ)、CYP3A7については、Komori M, Nishio K, Ohi H, Kitada M, Kamataki T. Molecular cloning and sequence analysis of cDNA containing the entire coding region for human fetal liver cytochrome P-450. J Biochem (Tokyo). 1989 Feb;105(2):161-3. または登録番号NM 000765(GenBank/EMBL/DDBJ)、

0025

CYP5A1については、Miyata A, Yokoyama C, Ihara H, Bandoh S, Takeda O, Takahashi E, Tanabe T. Characterization of the human gene (TBXAS1) encoding thromboxane synthase. Eur J Biochem. 1994 Sep 1;224(2):273-9. もしくは Strausberg,R.L.,et al., Generation and initial analysis of more than 15,000 full-length human and mousecDNAsequences, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 99 (26), 16899-16903 (2002)または登録番号BC014117、NP 001052(GenBank/EMBL/DDBJ)、CYP8A1については、Yokoyama C, Yabuki T, Inoue H, Tone Y, Hara S, Hatae T, Nagata M, TakahashiEI, Tanabe T. Human gene encoding prostacyclin synthase (PTGIS): genomic organization, chromosomal localization, and promoter activity. Genomics. 1996 Sep 1;36(2):296-304. または登録番号NM 000961(GenBank/EMBL/DDBJ)、CYP21については、Higashi Y, Yoshioka H, Yamane M, Gotoh O, Fujii-Kuriyama Y.Complete nucleotide sequence of two steroid 21-hydroxylase genes tandemly arranged in human chromosome: a pseudogene and a genuine gene. Proc Natl Acad Sci U S A. 1986 May;83(9):2841-5. または登録番号NM 000500(GenBank/EMBL/DDBJ)を参照できる。

0026

本発明の組換えヒト細胞において、前記CYP3A4は、下記(a)または(b)のタンパク質であるのが好ましい。なお、下記配列番号1のアミノ酸配列は公知であり、例えばGonzalez FJ, Schmid BJ, Umeno M, Mcbride OW, Hardwick JP, MeyerUA, GelboinHV, Idle JR. Human P450PCN1: sequence, chromosome localization, and direct evidence throughcDNAexpression that P450PCN1 is nifedipine oxidase. DNA. 1988 Mar;7(2):79-86または登録番号M18907、NM 017460 NM_000776(GenBank/EMBL/DDBJ))を参照できる。下記(b)のタンパク質は、下記(a)のタンパク質との相同性が、例えば94%以上であって、好ましくは96%以上であり、より好ましくは98%以上であり、さらに好ましくは99%以上である。また、下記(b)のタンパク質において、置換、付加、挿入もしくは欠失したアミノ酸残基の数は、例えば1〜10であって、好ましくは1〜6であり、より好ましくは1〜3であり、さらに好ましくは1〜2である。
(a)配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質。
(b)配列番号1に記載のアミノ塩基配列の1から数個のアミノ酸残基が置換、付加、挿入もしくは欠失したアミノ酸配列からなるタンパク質であって、かつヒトチトクロムP450として酵素活性を有するタンパク質。

0027

前記CYP1A1、CYP1A2、CYP1B1、CYP2A6、CYP2A13、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP2J2、CYP3A5、CYP3A7、CYP4B1、CYP5A1、CYP8A1、CYP21等をコードする配列は、例えば前記文献をそれぞれ参照できる。また、前記CYP1A1等をコードする配列は、多数のAlleleが知られており、例えばCYP3A4のAlleleについては下記表1〜3に記載のもの、CYP2D6については下記表4〜6に記載のもの、CYP2C19については下記表7に記載のものが挙げられる。他にも、前記CYP1A1等をコードする配列として、公知の配列と相同性が例えば50%以上、好ましくは70%以上であり、かつヒトチトクロムP450として酵素活性を有するタンパク質をコードする配列も全て含まれる。また、前記CYP1A1等をコードする配列において、置換、付加、挿入もしくは欠失したアミノ酸残基の数は、例えば1〜10であって、好ましくは1〜6であり、より好ましくは1〜3であり、さらに好ましくは1〜2である。

0028

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0035

本発明の組換えヒト細胞において、前記CYP3A4をコードする配列は、下記(e)または(f)の配列であるのが好ましい。なお、下記配列番号8の塩基配列は公知であり、例えばGonzalez FJ, Schmid BJ, Umeno M, Mcbride OW, Hardwick JP, MeyerUA, GelboinHV, Idle JR. Human P450PCN1: sequence, chromosome localization, and direct evidence throughcDNAexpression that P450PCN1 is nifedipine oxidase. DNA. 1988 Mar;7(2):79-86.または登録番号M18907,NM 017460 NM 000776(GenBank/EMBL/DDBJ))を参照できる。下記(f)の配列は、下記(e)の配列との相同性が、例えば94%以上であって、好ましくは96%以上であり、より好ましくは98%以上であり、さらに好ましくは99%以上である。下記(f)の配列は、例えば、前記表1〜3に記載のものであってもよい。
(e)配列番号8に記載の塩基配列。
(f)配列番号8に記載の塩基と相同性が94%以上の塩基配列からなり、かつヒトチトクロムP450として酵素活性を有するタンパク質をコードする配列。

0036

本発明の組換えヒト細胞において、前記CYP1A1、CYP1A2、CYP1B1、CYP2A6、CYP2A13、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP2J2、CYP3A5、CYP3A7、CYP4B1、CYP5A1、CYP8A1、CYP21等のプロモータ配列は、例えば下記の文献を参照できる。また、前記CYP1A1等のプロモータ配列には、Allele、例えば公知のプロモータ配列と相同性が例えば50%以上、好ましくは70%以上であり、かつCYP1A1等の転写調節を行うプロモータ活性を有する配列も全て含まれる。

0037

CYP3A4については、Furukawa M, Okubo T, Ogino M, Yamazaki T, Shimada M, Nagata K, Yamazoe Y. "Adenovirus vector-mediated reporter system for in vivo analyses of human CYP3A4 gene activation" J Biochem (Tokyo). 2002 Jan;131(1):71-8. ;Ogg MS, Gray TJ, Gibson GG. Related Articles, Links
"Development of an in vitro reporter gene assay to assess xenobiotic induction of the human CYP3A4 gene." Eur J Drug Metab Pharmacokinet. 1997 Oct-Dec;22(4):311-3. ;El-Sankary W, Bombail V, Gibson GG, Plant N. "Glucocorticoid-mediated induction of CYP3A4 is decreased by disruption of a protein: DNA interaction distinct from the pregnane X receptor response element" Drug Metab Dispos. 2002 Sep;30(9):1029-34.または登録番号AF185589、AF181105(GenBank/EMBL/DDBJ)、

0038

CYP2D6については、Cairns W, Smith CA, McLaren AW, Wolf CR. "Characterization of the human cytochrome P4502D6 promoter. A potential role for antagonistic interactions between members of the nuclear receptor family" J Biol Chem. 1996 Oct 11;271(41):25269-76. もしくはRaimundo,S. and Zanger,U. Polymorphisms in the human cyp2d6 gene promoter region and their use in diagnostic and therapeutic applications Patent: WO 0155432-A 10 02-AUG-2001 または登録番号AX207224〜AX207233(GenBank/EMBL/DDBJ)、CYP1A1については、Vecchini F, Lenoir-Viale MC, Cathelineau C, Magdalou J, Bernard BA, Shroot B."Presence of a retinoid responsive element in the promoter region of the human cytochrome P4501A1 gene." Biochem Biophys Res Commun. 1994 Jun 30;201(3):1205-12.、CYP1A2については、Chung I, Bresnick E. "Identification of positive and negative regulatory elements of the human cytochrome P4501A2 (CYP1A2) gene."Arch Biochem Biophys. 1997 Feb 15;338(2):220-6. ;Quattrochi LC, Vu T, Tukey RH. "The human CYP1A2 gene and induction by 3-methylcholanthrene. A region of DNA that supportsAH-receptor binding and promoter-specific induction. "J Biol Chem. 1994 Mar 4;269(9):6949-54.、CYP1B1については、Wo YY, Stewart J, Greenlee WF. "Functional analysis of the promoter for the human CYP1B1 gene." J Biol Chem. 1997 Oct 17;272(42):26702-7、CYP2C19については、Arefayene M, Skaar TC, Zhao X, Rae JM, Tanus-Santos JE, Brinkmann U, Brehm I, Salat U, Nguyen A, Desta Z, Flockhart DA. "Sequence diversity and functional characterization of the 5'-regulatory region of human CYP2C19." Pharmacogenetics. 2003 Apr;13(4):199-206. ; de MoraisSM, Schweikl H, Blaisdell J, Goldstein JA. "Gene structure and upstream regulatory regions of human CYP2C9 and CYP2C18." Biochem Biophys Res Commun. 1993 Jul 15;194(1):194-201. もしくは、M., Skaar,T.C., Zhao,X., Rae,J.M., Tanus-Santos,J.E., Brinkmann,U., Brehm,I., Salat,U., Nguyen,A., Desta,Z. and Flockhart,D.A. Sequence diversity and functional characterization of the 5'-regulatory region of human CYP2C19 Pharmacogenetics 13 (4), 199-206 (2003) もしくはde Morais SM, Schweikl H, Blaisdell J, Goldstein JA. Related Articles, Links Gene structure and upstream regulatory regions of human CYP2C9 and CYP2C18. Biochem Biophys Res Commun. 1993 Jul 15;194(1):194-201.または登録番号AF354181、L16877、AJ293345(GenBank/EMBL/DDBJ)、

0039

CYP3A5については、 Schuetz JD, Schuetz EG, Thottassery JV, Guzelian PS, Strom S, Sun D. " Identification of a novel dexamethasone responsive enhancer in the human CYP3A5 gene and its activation in human and rat liver cells." Mol Pharmacol. 1996 Jan;49(1):63-72. または登録番号L35912(GenBank/EMBL/DDBJ)、CYP21については、 Wijesuriya SD, Zhang G, Dardis A, Miller WL. "Transcriptional regulatory elements of the human gene for cytochrome P450c21 (steroid 21-hydroxylase) lie within intron 35 of the linked C4B gene."J Biol Chem. 1999 Dec 31;274(53):38097-106. または登録番号M94070(GenBank/EMBL/DDBJ)を参照できる。

0040

本発明の組換えヒト細胞において、前記CYP3A4のプロモータ配列は、下記(c)または(d)の配列であるのが好ましい。なお、下記配列番号2の塩基配列は、公知の塩基配列、例えば登録番号AF185589(GenBank/EMBL/DDBJ)を基にし、下記配列番号11および配列番号12のプライマーを用いて、前記登録番号AF185589(GenBank/EMBL/DDBJ)の11374個の塩基配列から、10121〜10564番目の塩基配列を調製して、得ることができる。下記(d)の塩基配列は、下記(c)の塩基配列との相同性が、例えば50%以上であって、好ましくは70%以上であり、より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。
(c)配列番号2に記載の塩基配列。
(d)配列番号2に記載の塩基配列と相同性が50%以上の塩基配列からなり、かつCYP3A4の転写調節を行うプロモータ活性を有する配列。

0041

前記ヒト宿主細胞を、ヒト薬物代謝酵素コード配列と、前記ヒト薬物代謝酵素のプロモータ配列と、レポータータンパク質コード配列と、バイシストロニック性制御配列とを含み、前記ヒト薬物代謝酵素コード配列と、前記バイシストロニック性制御配列と、前記レポータータンパク質コード配列とが、前記ヒト薬物代謝酵素のプロモータ配列の下流に位置し、かつ前記プロモータの転写活性により前記ヒト薬物代謝酵素および前記レポータータンパク質がバイシストロニック性に発現可能であるであるベクターにより形質転換する方法としては、特に限定されず、前記宿主細胞に適した従来公知の形質転換の方法により行うことができる。例えば、当業者に公知の任意のベクターを用いて、前記ヒト薬物代謝酵素コード配列と、前記ヒト薬物代謝酵素のプロモータ配列と、レポータータンパク質コード配列と、バイシストロニック性制御配列とを所望の順番に導入し、次いで、そのベクターによりヒト宿主細胞を形質転換させることにより製造することができる。前記ベクターへの各配列の導入、ベクターによる細胞の形質転換等の操作は、当該技術分野で公知の任意の方法および手段により容易に行うことができる。また、後記する本発明の受託番号FERM P−19685のベクター(p3A4cp−d2EGFP)を用いてヒト宿主細胞を形質転換させれば、本発明の組換えヒト細胞の一例を容易に得ることができる。

0042

また、本発明のベクターは、ヒト薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝の少なくとも一方の評価のための組換えヒト細胞のためのベクターであって、ヒト薬物代謝酵素コード配列と、前記ヒト薬物代謝酵素のプロモータ配列と、レポータータンパク質コード配列と、バイシストロニック性制御配列とを含み、前記ヒト薬物代謝酵素コード配列と、前記バイシストロニック性制御配列と、前記レポータータンパク質コード配列とが、前記ヒト薬物代謝酵素のプロモータ配列の下流に位置し、かつ前記プロモータの転写活性により前記ヒト薬物代謝酵素および前記レポータータンパク質がバイシストロニック性に発現可能であるベクターである。

0043

また、本発明のベクターにおいて、前記組換えヒト細胞と同様、前記ヒト薬物代謝酵素は、例えば、ヒトチトクロムP450、フラビン含有モノオキシゲナーゼ、アルコール脱水素酵素、アルデヒド脱水素酵素、モノアミンオキシダーゼ、アルデヒド還元酵素、ケトン還元酵素、エステラーゼ、エポキシヒドロラーゼ、β−グルクロニダーゼ、スルファターゼ、UDP−グルクロン酸転移酵素、グルタチオンS−転移酵素、N−アセチル転移酵素、硫酸転移酵素、グリシン抱合酵素、メチル化酵素、グルコース転移酵素等が挙げられる。中でもヒトチトクロムP450が好ましい。

0044

また、本発明のベクターにおいて、前記レポータータンパク質は、蛍光を発するタンパク質等、限定されないが、例えばGFP、EGFP、d2EGFP、ルシフェラーゼ、β−ガラクトシダーゼ等が挙げられる。中でもd2EGFPが好ましい。

0045

本発明の組換えヒト細胞において、前記バイシストロニック性制御配列が、IRES配列であり、前記ヒト薬物代謝酵素コード配列と、前記レポータータンパク質コード配列との間に前記IRES配列が配置されているのが好ましい。

0046

また、前記バイシストロニック性制御配列が、IRES配列であり、前記ヒト薬物代謝酵素コード配列と、前記レポータータンパク質コード配列との間に前記IRES配列が配置されている本発明のベクターにおいて、前記ヒト薬物代謝酵素のプロモータ配列の下流に、前記ヒト薬物代謝酵素コード配列と、前記IRES配列と、前記レポータータンパク質コード配列とがこの順序で配置されたポリヌクレオチドが導入されるのが好ましい。

0047

また、本発明のベクターにおいて、前記ヒトチトクロムP450は、例えば、CYP1A1、CYP1A2、CYP1B1、CYP2A6、CYP2A13、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP2J2、CYP3A4、CYP3A5、CYP3A7、CYP4B1、CYP5A1、CYP8A1、CYP21等が挙げられる。中でも、CYP2C19、CYP2D6およびCYP3A4が好ましく、CYP3A4がより好ましい。

0048

本発明のベクターにおいて、前記CYP1A1、CYP1A2、CYP1B1、CYP2A6、CYP2A13、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP2J2、CYP3A5、CYP3A7、CYP4B1、CYP5A1、CYP8A1、CYP21等は、公知のタンパク質であり、そのアミノ酸配列は例えば前記本発明の組換えヒト細胞において列挙した前記文献をそれぞれ参照できる。

0049

本発明のベクターにおいて、前記CYP3A4は、下記(a)または(b)のタンパク質であるのが好ましい。なお、下記配列番号1のアミノ酸配列は公知であり、例えばGonzalez FJ, Schmid BJ, Umeno M, Mcbride OW, Hardwick JP, MeyerUA, GelboinHV, Idle JR. Human P450PCN1: sequence, chromosome localization, and direct evidence throughcDNAexpression that P450PCN1 is nifedipine oxidase. DNA. 1988 Mar;7(2):79-86または登録番号M18907、NM 017460 NM 000776(GenBank/EMBL/DDBJ))を参照できる。下記(b)のタンパク質は、下記(a)のタンパク質との相同性が、例えば94%以上であって、好ましくは96%以上であり、より好ましくは98%以上であり、さらに好ましくは99%以上である。また、下記(b)のタンパク質において、置換、付加、挿入もしくは欠失したアミノ酸残基の数は、例えば1〜10であって、好ましくは1〜6であり、より好ましくは1〜3であり、さらに好ましくは1〜2である。
(a)配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質。
(b)配列番号1に記載のアミノ塩基配列の1から数個のアミノ酸残基が置換、付加、挿入もしくは欠失したアミノ酸配列からなるタンパク質であって、かつヒトチトクロムP450として酵素活性を有するタンパク質。

0050

本発明のベクターにおいて、前記CYP1A1、CYP1A2、CYP1B1、CYP2A6、CYP2A13、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP2J2、CYP3A5、CYP3A7、CYP4B1、CYP5A1、CYP8A1、CYP21等をコードする配列は、例えば前記本発明の組換えヒト細胞において列挙した前記文献をそれぞれ参照できる。その際、前記CYP1A1等をコードする配列には、公知の配列において、置換、付加、挿入もしくは欠失したアミノ酸残基の数が、例えば1〜10であって、好ましくは1〜6であり、より好ましくは1〜3であり、さらに好ましくは1〜2であり、かつ前記CYP1A1等の酵素をとしての活性を有するタンパク質も含む。また、前記CYP1A1等をコードする配列には、公知の配列との相同性が、例えば80%以上であって、好ましくは88%以上であり、より好ましくは94%以上であり、さらに好ましくは96%以上であり、かつ前記CYP1A1等の酵素をとしての活性を有するタンパク質も含む。

0051

本発明のベクターにおいて、前記CYP3A4をコードする配列は、下記(e)または(f)の配列であるのが好ましい。なお、下記配列番号8の塩基配列は公知であり、例えばGonzalez FJ, Schmid BJ, Umeno M, Mcbride OW, Hardwick JP, MeyerUA, GelboinHV, Idle JR. Human P450PCN1: sequence, chromosome localization, and direct evidence throughcDNAexpression that P450PCN1 is nifedipine oxidase. DNA. 1988 Mar;7(2):79-86.または登録番号M18907,NM 017460 NM 000776(GenBank/EMBL/DDBJ))を参照できる。下記(f)の配列は、下記(e)の配列との相同性が、例えば94%以上であって、好ましくは96%以上であり、より好ましくは98%以上であり、さらに好ましくは99%以上である。下記(f)の配列は、例えば、前記表1〜3に記載のものであってもよい。
(e)配列番号8に記載の塩基配列。
(f)配列番号8に記載の塩基と相同性が94%以上の塩基配列からなり、かつヒトチトクロムP450として酵素活性を有するタンパク質をコードする配列。

0052

本発明のベクターにおける前記ヒト薬物代謝酵素コード配列は、前記の本発明における前記ヒト薬物代謝酵素コード配列を参照できる。また、前記CYP1A1、CYP1A2、CYP1B1、CYP2A6、CYP2A13、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP2J2、CYP3A5、CYP3A7、CYP4B1、CYP5A1、CYP8A1およびCYP21をコードする配列は、前記文献をそれぞれ参照できる。さらに、CYP2C19およびCYP2D6は、配列番号9および配列番号10の塩基配列をそれぞれ参照できる。

0053

本発明のベクターにおいて、前記CYP1A1、CYP1A2、CYP1B1、CYP2A6、CYP2A13、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP2J2、CYP3A5、CYP3A7、CYP4B1、CYP5A1、CYP8A1、CYP21等のプロモータ配列は、例えば前記本発明の組換えヒト細胞において列挙した前記文献をそれぞれ参照できる。また、前記CYP1A1等のプロモータ配列には、Allele、例えば公知のプロモータ配列と相同性が例えば50%以上、好ましくは70%以上であり、かつCYP1A1等の転写調節を行うプロモータ活性を有する配列も全て含まれる。

0054

本発明のベクターにおいて、前記CYP3A4のプロモータ配列は、下記(c)または(d)の配列であるのが好ましい。なお、下記配列番号2の塩基配列は、公知の塩基配列、例えば登録番号AF185589(GenBank/EMBL/DDBJ)を基にし、下記配列番号11および配列番号12のプライマーを用いて、前記登録番号AF185589(GenBank/EMBL/DDBJ)の11374個の塩基配列から、10121〜10564番目の塩基配列を調製して、得ることができる。下記(d)の塩基配列は、下記(c)の塩基配列との相同性が、例えば50%以上であって、好ましくは70%以上であり、より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。
(c)配列番号2に記載の塩基配列。
(d)配列番号2に記載の塩基配列と相同性が50%以上の塩基配列からなり、かつCYP3A4の転写調節を行うプロモータ活性を有する配列。

0055

本発明のベクターは、例えば、当該分野に公知のベクターを使用し、前記ヒト薬物代謝酵素コード配列と、前記ヒト薬物代謝酵素のプロモータ配列と、レポータータンパク質コード配列と、IRES配列とを、所望の順番で導入することにより製造することができる。前記ベクターへの各配列の導入等の操作は、当該技術分野で公知の任意の方法および手段、例えば制限酵素を用いる方法、部位特異的遺伝子組み換え等により容易に行うことができる。

0056

本発明で用いる当該分野に公知のベクターとしては、限定されず、例えば、プラスミドウイルスベクター等を用いることができる。プラスミドの例としては、pMSG、pSVL、pSVK3、pMAM-neo、pTX、pBPV、pHβAPr-1-neo、pSV2-dhfr、(細胞工学実験操作入門、石田功、三沢典彦 講談社サイエンティフィック1992年)、pCDNA系ベクター(インビトロジェン社)、pEF系ベクター(インビトロジェン社)等が挙げられる。ウイルスベクターの例としては、アデノウイルスレンチウイルスEBウイルス、BKウイルスレトロウイルスパピローマウイルスポリオーマウイルス等が挙げられる。

0057

本発明の受託番号FERM P−19685のベクター(p3A4cp−d2EGFP)には、上流からこの順序で、配列番号2に記載のCYP3Aプロモータ配列と、配列番号8に記載のCYP3A4をコードする配列と、配列番号3に記載のIRES配列と、配列番号5に記載のd2EGFPをコードする配列が含まれているので、このベクターを利用すれば、容易に本発明のベクターの一例をクローニングすることができる。

0058

本発明のヒト薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝の少なくとも一方を評価する方法は、前記のように、本発明の組換えヒト細胞に被験物を接触させ、前記被験物によるヒト薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝の少なくとも一方を評価する方法である。前記被験物としては、特に限定されないが、新規または公知の薬物、毒物漢方薬や、健康食品アルコール等が挙げられる。また、前記被験物を本発明の組換えヒト細胞に接触させる方法としては、例えば、本発明の組換えヒト細胞と混合する方法や、または、前記細胞を含む培養液を被験物と混合する方法や、前記細胞が固定されたウェル中に、前記被験物の溶液を入れて一定時間放置する方法等が挙げられる。

0059

本発明のヒト薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝の少なくとも一方を評価する方法において、前記被験物によるヒト薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝の少なくとも一方の評価が、前記被験物の代謝産物を直接的または間接的に分析することによるのが好ましい。前記被験物の代謝産物を直接的に分析する方法としては、前記代謝産物が蛍光を有する場合には、その蛍光強度直接測定する方法が挙げられる。また、前記被験物の代謝産物を間接的に分析する方法としては、被験物に蛍光色素で標識した抗体と結合させ、その蛍光色素の蛍光強度を間接的に測定する方法が挙げられる。

0060

本発明のヒト薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝の少なくとも一方を評価する方法において、前記被験物によるヒト薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝の少なくとも一方の評価が、前記レポータータンパク質を直接的または間接的に分析することによるのが好ましい。前記レポータータンパク質を直接的に分析する方法としては、前記代謝産物が蛍光を有する場合には、その蛍光強度を直接測定する方法が挙げられる。また、前記レポータータンパク質を間接的に分析する方法としては、レポータータンパク質に蛍光色素で標識した抗体と結合させ、その蛍光色素の蛍光強度を間接的に測定する方法が挙げられる。例えば、前記レポータータンパク質がβ−ガラクトシダーゼである場合、ONPGオルソニトロフェニルガラクトピラノシド)等の発色試薬を作用させ、その吸光度を測定する。この測定において、標準物質を用いて測定し、検量線を作成しておくことが好ましい。このような測定方法であれば、吸光度を測定するだけで、前記レポータータンパク質を簡便かつ迅速に間接的に分析することができる。

0061

本発明のヒト薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝の少なくとも一方を評価する方法において、前記ヒト薬物代謝酵素は、例えば、ヒトチトクロムP450、フラビン含有モノオキシゲナーゼ、アルコール脱水素酵素、アルデヒド脱水素酵素、モノアミンオキシダーゼ、アルデヒド還元酵素、ケトン還元酵素、エステラーゼ、エポキシヒドロラーゼ、β−グルクロニダーゼ、スルファターゼ、UDP−グルクロン酸転移酵素、グルタチオンS−転移酵素、N−アセチル転移酵素、硫酸転移酵素、グリシン抱合酵素、メチル化酵素、グルコース転移酵素が挙げられる。

0062

本発明のヒト薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝の少なくとも一方を評価する評価用キットは、本発明の組換えヒト細胞を含む評価用キットである。このようなキットは、例えば、各ウェルに前記組換えヒト細胞が固定されたプレートディッシュファイバー流体チップセラミック固定化担体等が挙げられる。このようなキットには、前記組換えヒト細胞の他に、例えば、培養組成物培地、培養組成物、培地以外には代謝薬物や、反応して発色する発色用基質、検出を容易にする感度補助剤等を含んでいてもよい。

0063

本発明のヒト薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝の少なくとも一方を評価する評価用バイオチップは、基盤上に本発明の組換えヒト細胞が配置された評価用バイオチップである。前記評価用バイオチップは、ヒト体内での薬物代謝システム模倣したため、より実際のヒト薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝の少なくとも一方を評価することが可能である。例えば、ヒト体内の肝臓での薬物代謝に着目すると、これまで、初代ヒト肝臓細胞を用いた薬物代謝評価においては、細胞培養用ウェルに培養液存在下に前記細胞を播種し、これに被験薬物を入れて、静置して反応させ、培養液上清中の反応物を測定するという手法が用いられていた。しかし、実際のヒト肝臓においては、小腸より吸収された薬物が、血流にのって肝臓内肝小葉に流れ込むため、被代謝薬物が次々に連続的に供給されるシステムによって代謝されている。そのため、肝臓ゾネーション(liver zonation)と呼ばれる、肝臓内血流に沿ったヒト薬物代謝細胞の分布、代謝分布が見られ、この分布に沿ったヒト薬物誘導および代謝が生体内にて行われている(Jungermann K, Kietzmann T. Oxygen: modulator of metabolic zonation and disease of the liver. Hepatology. 2000 Feb;31(2):255-60. Review. No abstract available.; Lindros KO. Zonation of cytochrome P450 expression, drug metabolism and toxicity in liver. Gen Pharmacol. 1997 Feb;28(2):191-6.; Jungermann K, Kietzmann T. Zonation of parenchymal and nonparenchymal metabolism in liver. Annu Rev Nutr. 1996;16:179-203.;またはAllen JW, Bhatia SN. Formation of steady-state oxygen gradients in vitro: application to liver zonation. Biotechnol Bioeng. 2003 May 5;82(3):253-62.参照)。前記評価用バイオチップは、このようなシステムを模倣しているため、例えばヒト肝臓細胞におけるヒト薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝の少なくとも一方を評価することが可能である。

0064

前記評価用バイオチップは、基盤上に本発明の組換えヒト細胞が配置された評価用チップである。前記バイオチップは、例えば、肝小葉を模した細い溝状の流路内(幅数十から数百μm)に前記細胞を配置する。そして、流路の片側より、被験物、例えば薬物溶液を連続的に流し込み、その結果得られる薬物代謝誘導を蛍光により評価し、さらに流路から排出される反応液を分析することにより薬物代謝物を評価することができる。前記流路の幅がμmオーダーの細い流路であるため、レイノルズ数2000以下の層流条件となり、肝小葉における流れ場とほぼ同じ条件が実現可能となる。層流条件下では、流れ方向の薬物溶液の混合が起こらず、被験物である薬物溶液と、この代謝に影響を及ぼす可能性がある別の薬物溶液を交互に流して、薬物同士の相互作用を評価することが可能である。また、層状にて流すことにより、同一細胞の一部分に対して薬物を供給した場合のヒト薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝の少なくとも一方を評価することができる。

0065

前記評価用バイオチップは、例えば以下のようにして製造することができる。バイオチップ上にフィブロネクチン滅菌水溶液を撒き、数時間静置する。その後、フィブロネクチンを吸い出してPBSで数回洗浄し、PBS除去後、本発明の組換えヒト細胞を播種する。培地をガラスチップの入ったシャーレ内に加えて、チップ全体が培地に浸されるようにし、37℃でインキュベートする。このようにして、例えば、本発明の組換えヒト細胞を含む評価用バイオチップを製造することができる。

0066

以下、実施例により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。

0067

動物細胞培養法
(1)使用した宿主動物細胞
HepG2 (理化学研究所細胞バンクRCB0459)
由来ヒト肝細胞
増殖形態上皮性
使用動物細胞
HepG2 (上記由来)
CYP3A4−GS−HepG2 (特開2003−274963参照)

0068

(2)使用した動物細胞培養培地
各培地は0.22μmメンブレンフィルター(7105;Falcon)を用い、ろ過滅菌した後、使用した。
RDF培地組成
RDF(HO)粉末(日本製薬;010406特注) 8.44g
ク゛ルコース(ナカライテスク;M7T4154) 2.58g
NaHCO3(和光純薬;CKN3650) 2.0 g
ク゛ルタミン(ナカライテスク;M1H9105 16919-42) 0.333g
ヘ゜ニシリンG(SIGMA 17H1214 EECNS200-710-2) 58.8mg
ストレフ゜トマイシン(和光純薬;DWL2287) 120mg
超純水(ミリ-Q H2O) 全量を1Lにするまで加える。
注1) RDF(HO)は通常のRDF培地からグルコースグルタミンを抜いたものである。
注2) 使用時には牛胎児血清(fetal bovine serum (FBS);Gibco)を培地容量の10%(vol.%)相当量加えた。
注3) CYP3A4−GS−HepG2細胞株の継代時にゼオシン(インビトロジェン(invitrogen)株式会社;R250−01)を200μm/mLとなるように添加した。

0069

DMEM培地
DMEM(ナカライテスク;14247−15) 500mL
ヘ゜ニシリンG(SIGMA 17H1214 EECNS200-710-2) 58.8mg
ストレフ゜トマイシン(和光純薬;DWL2287) 120mg

0070

細胞培養容器
細胞培養容器として50mLのT−フラスコ(住友ベークライト製MS−20050;底面積25cm2,容量50mL)(以下、小T−フラスコ)および100mmシャーレ、6ウェルプレートを用いた。小T−フラスコと100mmシャーレには通常10mL、6ウェルプレートには3mLの培地を用いた。通常の細胞株継代には小T−フラスコを用いた。

0071

(細胞の継代)
[方法1]
(1)培地をピペット抜き取り、以下に示す0.25%のトリプシン液を加えた。T−フラスコの場合は、5mL用いた。
(2) 37℃で10分間インキュベートした。
(3)細胞集団が剥がれだし始めると、トリプシンと等量の新しい培地を加えてトリプシンの反応を止め、ピペッティングにより懸濁させた。
(4) 細胞懸濁液を遠心管に移し、80×g.で10分間遠心分離した後、上澄みをピペットで除去した。
(5) 遠心管に新しい培地を加えて細胞を再び懸濁させ、新しいT−フラスコに適当量播種した。

0072

0.25%トリプシン液の組成
NaCl 8.0g
KCl 0.2g
Na2HPO4・12H2O 2.9g
KH2PO4 0.2g
トリプシン (Difco 1:250) 2.5g
dH2O 1L

0073

[方法2]
(1)培地をアスピレーターで抜き取り、PBS1mLで洗浄後、前記0.25%−トリプシン液を加えた。T−フラスコの場合は5mL用いた.
(2) 37℃で5分間インキュベートした。
(3)細胞集団が剥がれだし始めると、トリプシン液と等量の新しい培地を加えてトリプシンの反応を止め、ピペッティングにより懸濁させた。
(4)細胞懸濁液を遠心管に移し、200×g.で3分間遠心分離した後、上澄みをアスピレーターで除去した。
(5) 遠心管に新しい培地を加えて細胞を再び懸濁し、新しいT−フラスコに適当量播種した。

0074

(細胞の凍結保存法
培地に10%ジメチルスルホキシド(DMSO)を加えた液で細胞を懸濁し、セラチューブ分注してBICELL(Nihon Freezer)に入れ、−80℃で一晩凍結させた後、液体窒素中に保存した。

0075

解凍は37℃の温水中にて行い、培地10mLを入れた遠心管に細胞懸濁液を移し、80×g.で10分間遠心分離し、細胞を新しいT−フラスコに播種した。

0076

細胞濃度測定法
[方法1]
細胞計測トリパンブルーを用いた色素排除法にて測定した。0.2%トリパンブルー水溶液(w/v)と、4.25%NaCl水溶液(w/v)を4:1の割合で混合させた水溶液を用い、この水溶液と細胞浮遊液を等量混合させBurker−Turk型血球計算板(ERMA4296)に一滴(約15L)加えて検鏡し、生細胞濃度および全細胞濃度を計測した。血球計算板では右側および下側の二辺にかかる細胞について計測時に省いた。ここで血球計算板付属検定地に従い、血球計算板の深さを補正および体積を計算して細胞濃度を算出した。
[方法2]
細胞計測はトリパンブルーを用いた色素排除法にて測定した。0.2%トリパンブルー水溶液(w/v)と、4.25%NaCl水溶液(w/v)を4:1の割合で混合させた水溶液を用い、この水溶液と細胞浮遊液を等量混合させBurker−Turk型血球計算板に一滴(約15L)加えて検鏡し、生細胞濃度および全細胞濃度を計測した。

0077

計測には以下の計算式を用いた。

0078

0079

(ベクターの製造)
使用菌株および培地
菌株
大腸菌DH5 (TOYOBO; DNA−901)
DH5 (TOYOBO; DNA−901)
培地
Agerを超純水(ミリ-Q水)で溶解し、オートクレーブした。プレートにする場合は60 g/LのAgarまたはSuper Brothを加えた。オートクレーブ後に約55℃程度にまで冷却させ、抗生物質カナマイシンまたはアンピシリン)添加の場合は50mg/ mLになるように加えた。

0080

(使用プラスミド)
P450発現ベクター構築用プラスミドとしては、pIRES2-EGFP(clontech;632306)(図1参照)と、pd2-EGFP-N1(clontech;632334)(図2参照)を、TAクローニング用プラスミドとしてはpCR 2.1 (invitrogen;TAクローニング試薬45−0046に含有されるベクター)(図3参照)を用いた。

0081

遺伝子工学実験操作)
アガロース電気泳動
1×TBE緩衝液およびゲル15mL当たり1μLとなるよう臭化エチジウム(EtBr)を添加した1%アガロースゲル(Agarose LO3;TAKARA)を調製し、小型電気泳動槽(i−Mupid−J;コスモバイオ)を用いて電気泳動を行った。試料はDNA soln.が×2〜×3となるよう泳動染色液を加えて作製し、トランスイルミネーター(FAS−III;TOYOBO)でDNAバンドを観察した。

0082

エタノール沈殿
DNA溶液にEthachinmate(NIPPONGENE)1μL、3M−酢酸ナトリウム(NIPPON GENE)を100μMになるように加えた。この溶液に99%エタノールを100μL程度加え20400×g.10分遠心しDNAを析出させた。

0083

上清を除去し、70%エタノール100〜200μLを加え、20400×g.5分遠心しDNAを析出させ、上清除去後乾固させた。

0084

フェノールクロロホルム抽出
DNA soln.にフェノール‐クロロホルムイソアミルアルコール(25:24:1)(フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール;Wako;311−90151)を1:1の割合で加えた。転倒混和後、12000rpmで10分間、室温で遠心分離し、上層を新しいサンプルチューブに移した。

0085

DNA定量
実験に用いる微量のDNAを測定する場合は、電気泳動によるバンドマーカーとの比較で計算し、プラスミド調整時等のDNA量測定は吸光光度計にて測定した。

0086

PCR法による遺伝子調整)
P450 3A4プロモータ遺伝子の調整
目的に応じた制限酵素サイトを付加させたPCRプライマーを用い、ゲノムPCRゲノム配列より目的のプロモータ領域を増幅後、TAベクター内にクローニングすることで獲得した。TAクローニング後シークエンスを行い、配列が正しく増幅されているか確認した。

0087

P450 3A4発現遺伝子の調整
生物化学工学領域作製のCYP3A4−GS−HepG2細胞に用いられたCYP3A4cDNA配列テンプレートに、目的に応じた制限酵素サイトを付加させたPCRプライマーを用い、PCRにて増幅し、TAベクター内にクローニングすることで獲得した。TAクローニング後シークエンスを行い、cDNA配列が正しく増幅されているか確認した。

0088

PCR法
CYP3A4プロモータ用プライマーは、プロモータ獲得用には配列番号11のプライマーおよび配列番号12のプライマーを、プラスミド挿入用プライマーには配列番号13のプライマー、配列番号14のプライマーおよび配列番号15のプライマーを、CYP3A4cDNA用プライマーには配列番号16のプライマーおよび配列番号17のプライマーを、用いた。ゲノムPCRAdvantage(登録商標GCゲノムPCRキット(Clontech)を用いて、付属のゲノムDNAよりCYP3A4プロモータを獲得した。

0089

(制限酵素処理)
dH2Oで溶解させたDNAに制限酵素(TAKARA,TOYOBO,New England)および付属緩衝液を加え、各酵素の至適温度で1時間〜O/N反応させた。

0090

(ゲル抽出によるDNA断片回収
70%EtOHで消毒した手術用レザーブレードを用いてゲルを切り出し、ゲル断片をエッペンに入れて断片の重さを量った。ゲル抽出キットを用いて、抽出を行った。
1) ゲル断片の重さに対して3倍×1000μLのQX1およびQIAEXII懸濁液20μLを加えた。
2) 50℃でインキュベートし、2分おきにボルテックスをかける操作を10分間行い、ゲルを溶解させDNAをガラスビーズ吸着させた。
3) 12000rpm、30秒、室温で遠心分離(DISKBOY;KURABO;FB−8000)を行った。
4)上清除去後、QX1を500μL加え洗浄した。
5) ボルテックスをかけ、再び3)の条件で遠心分離を行った。
6) QX1除去後、遠心して残りの溶液を除去した。
7) PE緩衝液500μLを加えて洗浄した。
8) ボルテックス後、12000rpmで30秒間遠心分離した。
9) PE緩衝液を抜き取り、軽く遠心して残りの緩衝液を除去した。
10) 白く乾燥するまで20〜30分自然乾燥させ、dH2O 20μLを加えて溶解するまでボルテックスし、5分間静置させてDNAを溶出させた。
11) ボルテックス後、12000rpmで30秒間遠心分離し、上清を得ることでDNAを回収した。

0091

ライゲーション
ライゲーションには、DNAライゲーション・キットVer.2(TaKaRa;6022)を用いた。このキットは、ポリエチレングリコールを用いたTaKaRa独自の緩衝液系により、DNAの末端形状による影響を受けず、ライゲーション反応を迅速に終了させることができる。

0092

環状ライゲーション(circular ligation)
1)直鎖状プラスミドベクター0.03pmolおよびインサートDNA(0.1〜0.3pmol)を含むDNA溶液5〜10μLに、DNA溶液と等量のI液(5〜10μL)を添加し、よく攪拌した。
2)16℃で1時間〜O/Nで保温した。

0093

線状ライゲーション(linear ligation)
1)目的に応じたフラグメントを混合したDNA溶液5〜10μLに対し、DNA溶液の2倍量のI液とDNA溶液と等量のII液(5〜10μL)を加
えてよく混合した。
2) 16℃で1時間〜O/Nで保温した。

0094

平滑末端ライゲーション
CMVプロモータを外したプラスミドを作製するため、平滑末端ライゲーションを行った。操作にはDNA Bluntingキット(TaKaRa)を用いた。
1) 0.1pmol以上10pmol程度までのDNA量に調整した。突出末端を有する精製直鎖上DNAに10×緩衝液1μLを加え、10μLにまでメスアップした。
2) DNA末端アニーリングを防ぐため、70℃で5分間保温後、37℃に保温した。
3) T4DNAポリメラーゼ1μLを加え、ピペッティングにより穏やかに混和後、37℃で5分間保温した。
4) 環状ライゲーションと同様の方法で、ライゲーション反応を行った。

0095

TAクローニング
TaqポリメラーゼPCR増幅させたインサートDNAに対し、pCR 2.1ベクターを用いてクローニングした。乾固後のインサートDNAを、4μLdH2Oに溶解させ、その2μLにベクター溶液を1μL、TaKaRaライゲーション溶液I3μL加えてライゲーション反応させた。ま
たpCR 2.1ベクターは、blue-white selection によるコロニー判別が可能であるため、X−galおよびIPTGを用いてblue-white selectionを併用した。

0096

(形質転換)
1)コンピテントセル中で溶解させた。
2) コンピテントセルの入った容器にライゲーション溶液を加え、氷中で30分以上保温させた。
3) 42℃の恒温槽で40秒ヒートショックさせた。
4) 氷中に2分保温させた。
5)実験手法によりSOCをDNA溶液に対して1:3〜1:9加え、37℃シェーカーで1時間インキュベーションした。
6)LBプレート1枚あたり200μLまでの溶液を播種した。

0097

(大腸菌からのプラスミドDNA調整)
Mini prep
Wizard plusSVMini prep kit (プロメガ株式会社(Promega);A1330) を用い、アルカリ抽出法にてMini prep を行った。
1)アンピシリンまたはカナマイシン加えたLB培地3mL中で、大腸菌を37℃で200rpmで24時間培養した。
2)エッペンドルフチューブに培養液を入れて9100×g.で5分間遠心分離し、上清を廃棄した。
3)Re懸濁液溶液250μLを加え、ボルテックスを行い懸濁した。
4)細胞溶解溶液250μLおよびアルカリを10μL加えて転倒混和後5分間静置し、細胞および染色体破砕した。
5)Nutorizaton 溶液350μLを加えて中和し、20400×g.で10分間遠心分離した。
6)遠心後閉環状プラスミドDNAの含まれた上清を抜き取り、廃液入れを備え付けカラムチューブに加えて17800×g.で1分間遠心分離してDNAをカラムに吸着させた。
7)廃液を除去して廃液入れを再びカラムチューブに備え付け、70%EtOHを加えた。700μLを加えて17800×g.で1分間遠心分離し、エタノール溶出およびカラム洗浄を行った。
8)廃液を除去して廃液入れを再びカラムチューブに備え付け、カラム洗浄液を250μL加えて17800×g.で2分間遠心分離し、再びカラムを洗浄した。
9)エッペンドルフチューブにカラムチューブを備え付け、H2O 10μL加えて17800×g.で1分間遠心分離し、カラムからDNAを溶出させた。

0098

Large prep
エンドフリー・プラスミドMaxi(QIAGEN(登録商標))を用い、アルカリ抽出法にてLarge prep を行った。
1) 200mL LB培溶液を50mL入りディスポーサブルチューブ4本に均等に分注した。
2) 4℃で3000×g.で10分間遠心分離を行った。
3)上清を廃棄し、緩衝液1を2.5mLずつ加えて懸濁し、懸濁液を1本にまとめた。
4) 緩衝液P2 10mLを加え、4〜6回転倒混和して5分間静置し、細胞および染色体を破砕した。
5) 緩衝液P3 10mLを加えて4〜6回転倒混和し、抽出口キャップで閉じた抽出用シリンジに液を入れ、10分間室温にて中和させた。
6) キャップを外し、新しい50mLディスポーサブルチューブに液を抽出し、氷中にて30分静置させた。
7) QIAGEN−tip500を廃液入れにセッティングし、緩衝液QBT10mLを加えて自然落下させた。
8) 自然落下終了後、QIAGEN−tip500にクリアライセートを加え、カラムにDNAを吸着させた。
9) 自然落下後、緩衝液QC30mLを2回加え、カラムを洗浄した。
10) 新しい50mLディスポーサブルチューブにQIAGEN−tip500をセッティングし、緩衝液QN 15mLを加えてDNAを洗い出した。
11) 15mL溶液を7.5mLずつ分注した。
12) 各々のチューブにイソプロパノール5.25mLずつ加え、転倒混和した。
13) 4℃で、6000×g.で30分間遠心分離した。
14) 上清廃棄後、エンドトキシン−フリー(70%エタノール添加)を1mLずつ加え、壁面のDNAをピペッティングではがしてエッペンドルフチューブに加えた。
15) 4℃で、15000×g.で10分間遠心分離後、上清を除去して乾固させた。
16) DEPC H2Oをそれぞれ100μLと200μL加えた。

0099

(シークエンス)
3100シークエンシング(Applied Biosystems)にてシークエンスを行った。
シークエンスプライマーの調整
シークエンスに関して用いたプライマーは、PCRに用いたものに加え以下のプライマーを注文した。製造は株式会社ジーンデザインに注文した。以下にプライマーを示す。CYP3A4プロモータとしては配列番号11〜17のプライマーを、CYP3A4cDNAには、配列番号18〜20のプライマーを、IRES2−d2EGFP確認用プライマーには、5’側にd1EGFP増幅用PCRプライマーとして配列番号21のプライマーを、3’側にシークエンス用プライマーとして配列番号22のプライマーを用いた。

0100

ゲルろ過によるサンプル調整
ゲルろ過の前にサンプルのPCRを行った。以下に示す試薬を用いて、PCRを行った。
プライマー(3.2 μM) 1μL
テンプレート2μL
プレミックス8μL
dH2O 9μL
全量 20μL
96 ”10
50 ”5
60 ’4
以上をそれぞれ25倍にした。
4 ∞

0101

CentriSepスピンカラムを用いてサンプルのゲルろ過調整を行った。
1)カラム内へ滅菌水800μLを加えた。
2) カラムの上のふたを閉め、ボルテックス後にカラムに気泡がないことを確認してから室温で2時間以上放置した。気泡が混入している場合は指でカラムを弾いて除去した。
3) 上のキャップ、下のストッパーの順に外し、ウォッシャーチューブをセットしてカラム内の滅菌水をゲル表面まで自然落下させた。落下しない場合は、上のキャップで少し押して水を押し出し、ねじりながらキャップを外した。
4) ウォッシャーチューブ内の滅菌水を廃棄し、再びセットして730×g.、2分間遠心分離した。
5)遠心分離後、エッペンドルフチューブにカラムをセットしてPCR反応液を加え、730×g.で2分間遠心分離した。
6) エッペンドルフチューブを乾固させてサンプルを精製した。

0102

新規プラスミド:pIRES2−d2EGFPプラスミドの構築
組換えヒト細胞の一例を製造するために用いるプラスミドの一例の製造方法を示した(図4参照)。
1) pIRES2−EGFPのMCS内に含まれるBamHI配列を制限
酵素処理した。(図4中、矢印1で示す)
2)制限酵素処理した直鎖上pIRES2−EGFPについて、NotI
またはNcoI配列で制限酵素処理した2サンプルを用意した。(図4中、
矢印2で示す)
3) BamHI/NotIで処理したサンプルからIRES+EGFP配
列を除いた配列(A)を、BamHI/NcoIで処理したサンプルからI
RESを含む配列(B)をゲル抽出より獲得した。
4) pd2EGFP−N1よりNcoI/NotIで制限酵素処理して得
たd2EGFPを含む配列(C)と、(B)の配列を線状ライゲーション反応させた。(図4中、矢印3で示す)
5) 線状ライゲーションにより獲得した配列をBamHI/NotIで制
限酵素処理し、IRES+d2EGFPを含む配列(D)をゲル抽出より獲得した。(図4中、矢印4で示す)
6) (A)と(D)の配列を環状ライゲーションさせ、pIRES2−d2EGFPプラスミドを獲得した。(図4中、矢印5で示す)(図5参照)

0103

p3A4cp−d2EGFPプラスミドの製造(図6参照)
1)実施例1で製造したpIRES2−d2EGFPプラスミドを、Sal1/Sma1配列で制限酵素処理したサンプルを用意した。
2)前記サンプルと、CYP3A4cDNA(配列番号8参照)を環状ライゲーション反応させて、p3A4c−d2EGFPプラスミドを得た。
3)得られたp3A4c−d2EGFPプラスミドを、Ase1/Nhe1配列で制限処理し、その後、CYP3A4プロモータ(配列番号2参照)を環状ライゲーション反応させて、3A4cp−d2EGFPプラスミドを得た。

0104

形質移入はTERC仕様で記載した。Effectene(登録商標)形質移入キット(QIAGEN)を用いて行った。DNAとしては、実施例2および比較例1で得たプラスミドをそれぞれ用いた。
1) HepG2を6−ウェルプレートに3×104セル/mLの条件で播種し、全量2mLとなるようにO/Nした。
2) 15mLのコニカルチューブに培地を入れ、37℃恒温槽で保温した。(3mL/ウェル)
3)エッペンドルフチューブにEC緩衝液75μL/ウェル、DNA0.5μg/ウェル、エンハンサー4μL/ウェルになるように加え、5分間インキュベートした。
4) Effectene 15μL/ウェルになるように混合し、10分間インキュベートした。
5) 培地にDNA溶液を加えた。
6) 6−ウェルプレートの培地を抜き出し、DNA溶液の混合された培地を3mL/ウェルずつ加え、37℃のインキュベーター内にO/Nでインキュベートした。

0105

(薬物代謝酵素誘導の確認実験
作製した一例の組換えヒト細胞の薬物代謝酵素の誘導を確認するため、薬物としてクロトリマゾール(SIGMA; C6019, M = 344.84)、デキサメタゾン(SIGMA; D8893, M = 392.46)、ラパマイシン(SIGMA; R8883, M = 822.95)およびフェニトイン[Aleviatin](WAKO; 166-12082, M = 252.27)を用いた。それぞれの化学構造式図7参照。
(1) 前記薬物をコニカルチューブにそれぞれ1mMになるようにして薬物試薬を調製し、−20℃で保存した。溶媒にはDMSOを用いた。
(2)形質転換させた細胞の培養されている6−ウェルプレートのウェル内の培地を抜き取り、PBSで2度洗浄した後、新しい培地を3mL加え、続けて前記薬物試薬が10μMになるように加えた。
(3) 1日〜7日間培地交換を行わずに培養を続け、必要に応じて蛍光顕微鏡(OLYMPASDP70)にて蛍光発現による誘導の度合いを確認した。クロトリマゾール、デキサメタゾン、ラパマイシンおよびフェニトインにより誘導された薬物代謝酵素を示す蛍光顕微鏡の写真図9図10図11および図12にそれぞれ示す。

0106

(薬物代謝酵素の測定)
Vivid(登録商標)CYP3A4レッドスクリーニング・キット(Invitrogen;P2856)に付属のVivid(登録商標)CYP3A4レッド・フロー(Red Fluor)(Invitrogen;P2865)を代謝能測定用基質に、Vivid(登録商標)CYP3A4レッド・スタンダード(Invitrogen;P2874)を検量用試薬に用いた。Vivid(登録商標)CYP3A4レッド・フローはCYP3A4により代謝されることにより、赤色の蛍光を示す物質となる。この蛍光強度をVivid(登録商標)CYP3A4レッド・スタンダードと比較することにより、実施例2で得られた組換えヒト細胞における薬物代謝酵素CYP3A4の量を計測することができる。(図8参照)

0107

(1) まず、Vivid(登録商標)CYP3A4レッド・フロー(分子量333.3)の1.66μg/μL溶液を調製した。調節後は実験に合わせた薬液量を投与した。
(2)使用機器; AvroTM SX 1420 multilabel counter (Perkin Elmer Ltd.)、励起波長:420 nm、蛍光波長:535 nm、励起時間0.5秒で測定した(サンプルは分析まで−20℃以下で保存)。Vivid(登録商標)CYP3A4レッド・スタンダードの調整は、始めにdH2OとVivid(登録商標)CYP450反応緩衝液I2×を等量ずつ混合した液を白色96−ウ
ェルプレートに195μL、100μL、100μL、100μL・・・(以下100μL)と10−ウェル加え、次に混合液195μLの入ったウェルにVivid(登録商標)CYP3A4レッド・スタンダードを5μL加えてよく撹拌した。さらに200μLとなった試薬入り混合液から100μL取り出し、隣のウェルに加えてよく撹拌した。この希釈を9−ウェル目まで行うことで濃度を確定した。
(3)既知量のVivid(登録商標)CYP3A4レッド・スタンダードから得られた検量線を元にサンプル中の試薬代謝物濃度を求めた。

0108

本発明の組換えヒト細胞は、ヒト薬物代謝酵素の誘導および薬物代謝の少なくとも一方の評価において有用であり、創薬開発においても適用できる。

図面の簡単な説明

0109

ヒトチトクロムP450発現ベクター構築用プラスミドの一例を示した説明図である。
ヒトチトクロムP450発現ベクター構築用プラスミドの別の一例を示した説明図である。
ヒトチトクロムP450 TAクローニング用プラスミドの一例を示した説明図である。
pIRES2−d2EGFPの製造工程の一例を示した説明図である。
pIRES2−d2EGFPの一例を示した説明図である。
3A4cp−d2EGFPの製造工程の一例を示した説明図である。
薬物代謝酵素誘導の確認実験に用いた薬物の化学構造式を示した。
薬物代謝の確認実験に用いた蛍光物質の化学構造式を示した。
クロトリマゾールにより薬物誘導されたことを示す蛍光顕微鏡の写真である。
デキサメタゾンにより薬物誘導されたことを示す蛍光顕微鏡の写真である。
ラパマイシンにより薬物誘導されたことを示す蛍光顕微鏡の写真である。
フェニトリンにより薬物誘導されたことを示す蛍光顕微鏡の写真である。

0110

配列番号1 CYP3A4タンパク質のアミノ酸配列
配列番号2 CYP3A4プロモータ配列
配列番号3 IRESをコードする配列
配列番号4 EGFPをコードする配列
配列番号5 d2−EGFPをコードする配列
配列番号6 CYP2C19タンパク質のアミノ酸配列
配列番号7 CYP2D6タンパク質のアミノ酸配列
配列番号8 CYP3A4タンパク質をコードする塩基配列
配列番号9 CYP2C19タンパク質をコードする塩基配列
配列番号10 CYP2D6タンパク質をコードする塩基配列
配列番号11 CYP3A4プロモータ用プライマー、プロモータ獲得用
配列番号12 CYP3A4プロモータ用プライマー、プロモータ獲得用
配列番号13 CYP3A4プロモータ用プライマー、プラスミド挿入用
配列番号14 CYP3A4プロモータ用プライマー、プラスミド挿入用
配列番号15 CYP3A4プロモータ用プライマー、プラスミド挿入用
配列番号16 CYP3A4cDNA用プライマー
配列番号17 CYP3A4 cDNA用プライマー
配列番号18 CYP3A4 cDNA用プライマー
配列番号19 CYP3A4 cDNA用プライマー
配列番号20 CYP3A4 cDNA用プライマー
配列番号21 IRES−d2EGFP確認用プライマー
配列番号22 IRES−d2EGFP確認用プライマー

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