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課題

画面液晶表示装置でも表示画像が明るくて鮮明であり、耐久性が良好な液晶表示素子を提供すること、及び耐久性に優れた薄くて軽量化された液晶表示素子を提供すること、さらには、耐久性良好な表示品位の高い液晶表示装置を提供することである。

解決手段

液晶セルの上側と下側に偏光板を配置し、偏光板は偏光素子の上側と下側に保護フィルムを配置し、下側の偏光板に輝度向上フィルム付設された液晶表示素子において、上側偏光板の上側保護フィルムが、透明支持体と、低屈折率層を有する反射防止膜とを具備し、上記低屈折率層は、平均粒径が該低屈折率層の厚みの30%〜100%であり、屈折率が1.17〜1.40である、中空構造無機微粒子を少なくとも1種含有してなることを特徴とする液晶表示素子及びそれを用いた液晶表示装置。

概要

背景

液晶表示装置(LCD)における液晶パネルには、その画像形成方式から液晶パネルの最表面を形成するガラス基板偏光素子を配置することが必要不可欠であり、一般的には偏光板が液晶パネルの液晶セル表面に貼着されている。
液晶セルは、通常、棒状液晶性分子、それを封入するための二枚の基盤および棒状液晶性分子に電圧を加えるための電極層からなる。液晶セルは、棒状液晶性分子の配向状態の違いにより様々な表示モードが提案されており、透過型については、TN(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)等、反射型については、HAN(Hybrid Aligned Nematic)等が提案されている。
LCDは、薄型・軽量・低消費電力の特徴を生かして、高度情報通信時代に必須のフラットパネルディスプレイとして多用され、その用途を年々拡大している。特に、モニターテレビなどの大型LCD化の伸びが顕著となっている。このような状況下で、近年LCDに要求される特性は、高輝度化広視野角化高速応答高精細化などがあげられる。

このようなディスプレイ表示品位を向上させるために、液晶パネルの最表面には偏光板の他に、様々な光学層が用いられるようになってきている。例えば、位相差板(1/2波長板、1/4波長板などのλ板も含む)、光学補償フィルム輝度向上フィルムなどが用いられている。特に、偏光素子と保護層からなる偏光板に、更に位相差板が積層されている楕円偏光板または円偏光板、偏光素子と保護層からなる偏光板に、更に光学補償フィルムが積層されている偏光板、あるいは、偏光素子と保護層からなる偏光板に、更に輝度向上フィルムが積層されている偏光板等が実用に供されている。
偏光素子と保護層からなる偏光板に、輝度向上フィルムを貼り合わせた偏光板は、通常液晶セルの裏側サイド(下側)に設けられて使用され、LCDの画像表示画面の明るさを向上できる(非特許文献1)。

一方、液晶セルの視認側(上側)の偏光板の視認側保護フィルム上には、防眩処理及び/又は低反射処理がほどこされたものが提案されている。(特許文献1)
特開2003−149634号公報
(株)矢野経済研究所、「2003年版、高機能フィルム市場展望戦略」p.91(2003年刊行)

概要

画面の液晶表示装置でも表示画像が明るくて鮮明であり、耐久性が良好な液晶表示素子を提供すること、及び耐久性に優れた薄くて軽量化された液晶表示素子を提供すること、さらには、耐久性良好な表示品位の高い液晶表示装置を提供することである。液晶セルの上側と下側に偏光板を配置し、偏光板は偏光素子の上側と下側に保護フィルムを配置し、下側の偏光板に輝度向上フィルムが付設された液晶表示素子において、上側偏光板の上側保護フィルムが、透明支持体と、低屈折率層を有する反射防止膜とを具備し、上記低屈折率層は、平均粒径が該低屈折率層の厚みの30%〜100%であり、屈折率が1.17〜1.40である、中空構造無機微粒子を少なくとも1種含有してなることを特徴とする液晶表示素子及びそれを用いた液晶表示装置。

目的

液晶表示装置の高視野角化、高速応答化と並び、明るくて高精細フルカラー画像に対する要求が非常に高い。特に、表示装置の20インチ以上の大画面では輝度ムラの無い高輝度の鮮明画像が強く望まれるようになり、さらには供される偏光板の耐久性への要求及び低コスト化が望まれている。
特に、前記のような種々の液晶表示装置に対応できる光学特性に優れた耐久性良好な液晶表示素子が強く望まれている。
一方、上記したような表示画面の大型化やモバイル化の進展に対して、液晶表示装置の薄型・軽量化が一層求められている。
従来の液晶表示装置ではこれらの近年要求されている性能をすべて満足することができないため、これらの要求されている性能をすべて満足しうる液晶表示素子の開発が要望されている。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
9件

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請求項1

2枚のセル基板から形成される液晶セルの上側と下側に各々偏光板を配置してなり、該偏光板は偏光素子と、偏光素子の上側と下側に各々保護フィルムを配置してなり、且つ下側偏光板に輝度向上フィルム付設された液晶表示素子において、該上側偏光板の上側保護フィルムが、透明支持体と、該透明支持体上に設けられ、該保護フィルムの最上層を構成し且つ該透明支持体の屈折率よりも低屈折率低屈折率層を有する反射防止膜とを具備してなり、上記低屈折率層は、平均粒径が該低屈折率層の厚みの30%〜100%であり、屈折率が1.17〜1.40である、中空構造無機微粒子を少なくとも1種含有してなることを特徴とする液晶表示素子。

請求項2

上記低屈折率層が、上記無機微粒子と、酸触媒の存在下で製造されてなる、下記一般式[A]で表されるオルガノシラン加水分解物および/またはその部分縮合物と、硬化性反応基を有する含フッ素ポリマーとを、各々少なくとも1種含有する硬化性組成物を塗布し硬化して形成される硬化膜であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。一般式[A]:(R10)α−Si(X)4-α(式中、R10は置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を表す。Xは水酸基または加水分解可能な基を表す。αは1〜3の整数を表す。)

請求項3

上記反射防止膜が、上記低屈折率層と上記透明支持体との間に、透明支持体の屈折率よりも高屈折率高屈折率層を少なくとも1つ有することを特徴とする請求項1又は2記載の液晶表示素子。

請求項4

上記反射防止膜が、上記低屈折率層と透明支持体との間に、透明支持体の屈折率よりも高屈折率の防眩性層を少なくとも1つ有することを特徴とする請求項1又は2記載の液晶表示素子。

請求項5

上記上側偏光板が、最上面側から上記反射防止膜、上記透明支持体、偏光素子、透明支持体をこの順で有し、該偏光板が積層一体化されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の液晶表示素子。

請求項6

上記上側偏光板が、さらに、上記液晶セルと隣接する側に光学補償フィルムを具備することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の液晶表示素子。

請求項7

上記下側偏光板が、液晶セルと隣接する面から、光学補償フィルム、偏光素子、保護フィルム及び輝度向上フィルムを順次積層されてなることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の液晶表示素子。

請求項8

上記透明支持体が、下記式(1)及び(2)を同時に満足する範囲にあるセルロースアシレートと、オクタノール水分配係数logP値)が0ないし10である可塑剤と、平均一次粒径3〜100nmの微粒子とを各々少なくとも1種含有してなる、膜厚が20〜120μmのセルロースアシレートフィルムであることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の液晶表示素子。式(1):2.3≦SA'+SB'≦3.0式(2):0≦SA'≦3.0(式中、SA'はセルロースの水酸基の水素原子を置換しているアセチル基置換度、またSB'はセルロースの水酸基の水素原子を置換している炭素原子数3〜22のアシル基の置換度を表す。)

請求項9

上記反射防止膜が、波長380nmから780nmの領域におけるCIE標準光源D65の5度入射光に対する正反射光CIE1976L*a*b*色空間のL*、a*、b*値のそれぞれの値の面内における変化率が15%未満であることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の液晶表示素子。

請求項10

上記反射防止膜が、耐候性試験前後における該フィルムの波長380nm〜680nmにおける平均反射率の変化が0.5%以下であり、且つ反射光色味変化ΔEがL*a*b*色度図上で15以下であることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の液晶表示素子。

請求項11

請求項1〜10のいずれかに記載の液晶表示素子が配置されていることを特徴とする液晶表示装置

請求項12

更に、バックライトを備えた請求項11記載の液晶表示装置。

技術分野

0001

本発明は、偏光板を用いた液晶表示素子、及びこれらを用いた液晶表示装置に関し、更に詳細には、表示画像の画像鮮明性が良好で視認性に優れ、且つ高い輝度を達成しうる液晶表示素子、並びに液晶表示装置に関する。

背景技術

0002

液晶表示装置(LCD)における液晶パネルには、その画像形成方式から液晶パネルの最表面を形成するガラス基板偏光素子を配置することが必要不可欠であり、一般的には偏光板が液晶パネルの液晶セル表面に貼着されている。
液晶セルは、通常、棒状液晶性分子、それを封入するための二枚の基盤および棒状液晶性分子に電圧を加えるための電極層からなる。液晶セルは、棒状液晶性分子の配向状態の違いにより様々な表示モードが提案されており、透過型については、TN(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)等、反射型については、HAN(Hybrid Aligned Nematic)等が提案されている。
LCDは、薄型・軽量・低消費電力の特徴を生かして、高度情報通信時代に必須のフラットパネルディスプレイとして多用され、その用途を年々拡大している。特に、モニターテレビなどの大型LCD化の伸びが顕著となっている。このような状況下で、近年LCDに要求される特性は、高輝度化広視野角化高速応答高精細化などがあげられる。

0003

このようなディスプレイ表示品位を向上させるために、液晶パネルの最表面には偏光板の他に、様々な光学層が用いられるようになってきている。例えば、位相差板(1/2波長板、1/4波長板などのλ板も含む)、光学補償フィルム輝度向上フィルムなどが用いられている。特に、偏光素子と保護層からなる偏光板に、更に位相差板が積層されている楕円偏光板または円偏光板、偏光素子と保護層からなる偏光板に、更に光学補償フィルムが積層されている偏光板、あるいは、偏光素子と保護層からなる偏光板に、更に輝度向上フィルムが積層されている偏光板等が実用に供されている。
偏光素子と保護層からなる偏光板に、輝度向上フィルムを貼り合わせた偏光板は、通常液晶セルの裏側サイド(下側)に設けられて使用され、LCDの画像表示画面の明るさを向上できる(非特許文献1)。

0004

一方、液晶セルの視認側(上側)の偏光板の視認側保護フィルム上には、防眩処理及び/又は低反射処理がほどこされたものが提案されている。(特許文献1)
特開2003−149634号公報
(株)矢野経済研究所、「2003年版、高機能フィルム市場展望戦略」p.91(2003年刊行)

発明が解決しようとする課題

0005

液晶表示装置の高視野角化、高速応答化と並び、明るくて高精細フルカラー画像に対する要求が非常に高い。特に、表示装置の20インチ以上の大画面では輝度ムラの無い高輝度の鮮明画像が強く望まれるようになり、さらには供される偏光板の耐久性への要求及び低コスト化が望まれている。
特に、前記のような種々の液晶表示装置に対応できる光学特性に優れた耐久性良好な液晶表示素子が強く望まれている。
一方、上記したような表示画面の大型化やモバイル化の進展に対して、液晶表示装置の薄型・軽量化が一層求められている。
従来の液晶表示装置ではこれらの近年要求されている性能をすべて満足することができないため、これらの要求されている性能をすべて満足しうる液晶表示素子の開発が要望されている。

0006

従って、本発明の目的は、大画面の液晶表示装置でも外光写りこみやギラツキが無く表示画像が明るくて鮮明であり、耐久性が良好な液晶表示素子を提供することである。
また、本発明の他の目的は、耐久性に優れた薄くて軽量化された液晶表示素子を提供することである。
さらに、本発明の他の目的は、輝度向上フィルムを偏光素子の片側に配置した偏光板及び反射防止膜を偏光素子の片側に塗設した偏光板を備えた、耐久性良好な表示品位の高い液晶表示装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、上記課題を解消すべく、輝度向上フィルムを配置した偏光板と反射防止膜を塗設した偏光板とを備えた液晶表示素子について鋭意検討した結果、反射防止膜を特定の粒径及び屈折率を有する無機微粒子を用いることにより上記目的を達成しうることを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、下記構成の液晶表示素子、該液晶表示素子を用いた液晶表示装置が提供され、本発明の上記目的が達成される。
1. 2枚のセル基板から形成される液晶セルの上側と下側に各々偏光板を配置してなり、該偏光板は偏光素子と、偏光素子の上側と下側に各々保護フィルムを配置してなり、且つ下側偏光板に輝度向上フィルムが付設された液晶表示素子において、
該上側偏光板の上側保護フィルムが、透明支持体と、該透明支持体上に設けられ、該保護フィルムの最上層を構成し且つ該透明支持体の屈折率よりも低屈折率低屈折率層を有する反射防止膜とを具備してなり、
上記低屈折率層は、平均粒径が該低屈折率層の厚みの30%〜100%であり、屈折率が1.17〜1.40である、中空構造の無機微粒子を少なくとも1種含有してなることを特徴とする液晶表示素子。
2. 上記低屈折率層が、上記無機微粒子と、酸触媒の存在下で製造されてなる、下記一般式[A]で表されるオルガノシラン加水分解物および/またはその部分縮合物と、硬化性反応基を有する含フッ素ポリマーとを、各々少なくとも1種含有する硬化性組成物を塗布し硬化して形成される硬化膜であることを特徴とする上記1記載の液晶表示素子。
一般式[A] : (R10)α−Si(X)4-α
(式中、R10は置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を表す。Xは水酸基または加水分解可能な基を表す。αは1〜3の整数を表す。)
3. 上記反射防止膜が、上記低屈折率層と上記透明支持体との間に、透明支持体の屈折率よりも高屈折率高屈折率層を少なくとも1つ有することを特徴とする上記1又は2記載の液晶表示素子。
4. 上記反射防止膜が、上記低屈折率層と透明支持体との間に、透明支持体の屈折率よりも高屈折率の防眩性層を少なくとも1つ有することを特徴とする上記1又は2記載の液晶表示素子。
5. 上記上側偏光板が、最上面側から上記反射防止膜、上記透明支持体、偏光素子、透明支持体をこの順で有し、該偏光板が積層一体化されていることを特徴とする上記1〜4の何れかに記載の液晶表示素子。
6. 上記上側偏光板が、さらに、上記液晶セルと隣接する側に光学補償フィルムを具備することを特徴とする上記1〜5の何れかに記載の液晶表示素子。

0008

7. 上記下側偏光板が、液晶セルと隣接する面から、光学補償フィルム、偏光素子、保護フィルム及び輝度向上フィルムを順次積層されてなることを特徴とする上記1〜6の何れかに記載の液晶表示素子。
8. 上記透明支持体が、下記式(1)及び(2)を同時に満足する範囲にあるセルロースアシレートと、オクタノール水分配係数logP値)が0ないし10である可塑剤と、平均一次粒径3〜100nmの微粒子とを各々少なくとも1種含有してなる、膜厚が20〜120μmのセルロースアシレートフィルムであることを特徴とする上記1〜7の何れかに記載の液晶表示素子。
式(1) : 2.3≦SA'+SB'≦3.0
式(2) : 0≦SA'≦3.0
(式中、SA'はセルロースの水酸基の水素原子を置換しているアセチル基置換度、またSB'はセルロースの水酸基の水素原子を置換している炭素原子数3〜22のアシル基の置換度を表す。)
9. 上記反射防止膜が、波長380nmから780nmの領域におけるCIE標準光源D65の5度入射光に対する正反射光CIE1976L*a*b*色空間のL*、a*、b*値のそれぞれの値の面内における変化率が15%未満であることを特徴とする上記1〜8の何れかに記載の液晶表示素子。
10. 上記反射防止膜が、耐候性試験前後における該フィルムの波長380nm〜680nmにおける平均反射率の変化が0.5%以下であり、且つ反射光色味変化ΔEがL*a*b*色度図上で15以下であることを特徴とする上記1〜8の何れかに記載の液晶表示素子。
11. 上記1〜10のいずれかに記載の液晶表示素子が配置されていることを特徴とする液晶表示装置。
12. 更に、バックライトを備えた上記11記載の液晶表示装置。

発明の効果

0009

本発明の液晶表示素子は、明るくて、画像ボケ画像ムラが無く且つ輝度ムラの無い鮮明な表示画像が得られるものである。
また、本発明の液晶表示素子は、反射防止膜を偏光素子に直接積層した場合、薄層化と軽量化とが可能となり、表示装置の薄型化、軽量化及び低コスト化が達成できるものであり、また、特定の反射防止膜を有するので耐候性が良好で、表示装置の長寿命化が可能なものである。
さらに、光学補償フィルムを液晶セル側に積層した場合には、広視野角化され、特に大サイズの表示装置で効果的となり、さらに、光学補償膜を偏光素子の保護フィルム上に直接設けるので更なる薄層化と軽量化とが可能となり、表示装置の薄型化、軽量化及び低コスト化が達成できる。
本発明の液晶表示装置は、本発明の液晶表示素子を備えてなるので、明るくて、画像ボケや画像ムラが無く且つ輝度ムラの無い鮮明な表示画像が得られるものである。

発明を実施するための最良の形態

0010

以下、本発明の液晶表示素子についてさらに詳細に説明する。
本発明の液晶表示素子は、2枚のセル基板から形成される液晶セルの上側と下側に各々偏光板を配置してなり、該偏光板は偏光素子と、偏光素子の上側と下側に各々保護フィルムを配置してなり、且つ下側の偏光板に輝度向上フィルムが付設されてなる。
そして、本発明の液晶表示素子は、上側偏光板の上側保護フィルムが、透明支持体と、該透明支持体上に設けられ、該保護フィルムの最上層を構成し且つ該透明支持体の屈折率よりも低屈折率の低屈折率層を有する反射防止膜とを具備してなり、該低屈折率層は、特定の無機微粒子を少なくとも1種含有してなることを特徴とする。

0011

〔液晶セル〕
液晶セル形成用のセル基板としては、通常この用途に用いられるガラス板プラスチック板を用いることができ、液晶表示素子を薄型化する観点から、厚さ0.5mm以下のものが好ましい。
ここで、プラスチック板としては、透明性と機械的強度を有していれば特に限定されず、従来公知のものを全て使用できる。プラスチック板を形成する樹脂としては、例えば、ポリカーボネートポリアリレートポリエーテルスルホンポリエステルポリスルホンポリメチルメタクリレートポリエーテルイミドポリアミド等の熱可塑性樹脂や、エポキシ系樹脂不飽和ポリエステルポリジアリルフタレートポリイソニルメタクリレート等の熱硬化性樹脂などを挙げることができる。かかる樹脂は、1種又は2種以上を用いることができ、他成分との共重合体や混合物として用いることもできる。

0012

[偏光板]
本発明において、偏光板は、偏光素子と保護フィルムとからなる。具体的にはたとえば、二色性物質含有のポリビニルアルコール系フィルム等からなる偏光素子の両側に、適宜の接着層を介して保護フィルムにおける透明支持体を積層したものからなる。
[偏光素子]
上記偏光素子としては、例えば、ポリビニルアルコールや部分ホルマール化ポリビニルアルコールなどの従来に準じた適宜なビニルアルコール系ポリマーよりなるフィルムに、ヨウ素や二色性染料等よりなる二色性物質による染色処理延伸処理架橋処理等の適宜な処理を適宜な順序や方式で施してなり、自然光入射させると直線偏光を透過する適宜なものを用いることができる。特に、光透過率偏光度に優れるものが好ましい。偏光素子の厚さは、1〜30μmが好ましく、特に8〜25μmが好ましい。

0013

偏光素子の両側に設ける保護フィルムとしては、通常下記の透明支持体が用いられるが、本発明においては、後述する特定のセルロースアシレートフィルムであることが好ましい。また、上側偏光板の上側保護フィルムは、透明支持体と該透明支持体上に設けられた反射防止膜とからなる。
〔透明支持体〕
上記透明支持体としては、適宜な透明フィルムを用いることができる。保護フィルムが透明であるとは、光透過率が80%以上であることを意味する。中でも、透明性や機械的強度、熱安定性や水分遮蔽性等に優れるポリマーからなるフィルム等が好ましく用いられる。そのポリマーの例としては、例えば、ポリエステル系樹脂セルロースエステル系樹脂ポリノルボルネン系樹脂ポリエーテルスルホン系樹脂ポリカーボネート系樹脂ポリアミド系樹脂ポリイミド系樹脂ポリオレフィン系樹脂アクリル系樹脂、あるいはアクリル系、ウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型ないし紫外線硬化型の樹脂等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上組み合せて使用できる。なお偏光素子の両側の透明支持体は、その表裏で異なるポリマー等からなる透明支持体を用いてもよい。
透明支持体の厚さは、10〜200μmであることが好ましく、20〜120μmであることがより好ましく、20〜100μmであることがさらに好ましい。特に好ましくは20〜80μmである。
透明支持体は、偏光素子の保護フィルムとして使用するために、フィルムの疎水性親水性バランス、偏光素子のビニルアルコール系膜との貼合性やフィルム面内全体の光学特性の均一性が重要であり、セルロースエステル系樹脂フィルムが好ましく挙げられる。特に、セルロースの脂肪酸エステル(セルロースアシレート)フィルムが好ましく、さらにはセルロースアシレート、可塑剤および微粒子を含有するフィルムであるのが好ましい。以下に透明支持体の原料としてのセルロースアシレートについて説明する。

0014

(セルロースアシレートフィルム)
上記透明支持体として用いられるセルロースアシレートフィルムの原料のセルロースとしては、綿花リンターケナフ木材パルプ広葉樹パルプ針葉樹パルプ)等があり、何れの原料セルロースから得られるセルロースエステルでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。
本発明においてはセルロースからエステル化してセルロースアシレートを作製するが、特に好ましい前述のセルロースがそのまま利用できる訳ではなく、リンター、ケナフ、パルプを精製して用いられる。

0015

本発明において、セルロースアシレートとは、セルロースの総炭素数2〜22のカルボン酸エステルのことである。
本発明に用いられるセルロースアシレートの炭素数2〜22のアシル基としては、脂肪族アシル基でも芳香族アシル基でもよく、特に限定されない。それらは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステルアルケニルカルボニルエステル、シクロアルキルカルボニルエステル、あるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれさらに置換された基を有していてもよい。これらの好ましいアシル基としては、アセチルプロピオニルブタノイルヘプタノイルヘキサノイルオクタノイルデカノイルドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイルヘキサデカノイル、オクタデカノイル、シクロヘキサンカルボニルアダマンタンカルボニル、オレオイルフェニルアセチルベンゾイルナフチルカルボニル、シンナモイル基などを挙げることができる。これらの中でも、より好ましいアシル基は、プロピオニル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、シクロヘキサンカルボニル、ドデカノイル、オクタデカノイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルなどである。
セルロースアシレートの合成方法は、発明協会公開技報公技番号2001−1745号(2001年3月15日発行発明協会)p.9に詳細に記載されている。

0016

上記セルロースアシレートとしては、セルロースの水酸基への置換度が下記式(1)及び(2)を満足するものが好ましい。
式(1) : 2.3≦SA'+SB'≦3.0
式(2) : 0≦SA'≦3.0

0017

ここで、SA'はセルロースの水酸基の水素原子を置換しているアセチル基の置換度、またSB'はセルロースの水酸基の水素原子を置換している炭素原子数3〜22のアシル基の置換度を表す。なお、SAはセルロースの水酸基の水素原子を置換しているアセチル基を表し、SBはセルロースの水酸基の水素原子を置換している炭素原子数3〜22のアシル基を表す。

0018

セルロースを構成するβ−1,4結合しているグルコース単位は、2位、3位及び6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部又は全部をアシル基によりエステル化した重合体(ポリマー)である。アシル置換度は、2位、3位及び6位のそれぞれについて、セルロースがエステル化している割合(各位それぞれ100%のエステル化は置換度1)を意味する。
本発明では、SAとSBの置換度の総和(SA'+SB')は、より好ましくは2.6〜3.0であり、特に好ましくは2.80〜3.00である。
また、SAの置換度(SA')はより好ましくは1.4〜3.0であり、特には2.3〜2.9である。

0019

更に、下記式(3)を同時に満足することが好ましい。
式(3) : 0≦SB”≦1.2
ここで、SB”はセルロースの水酸基の水素原子を置換している炭素原子数3又は4のアシル基を表す。
さらにSB”はその28%以上が6位水酸基置換基であるのが好ましく、より好ましくは30%以上が6位水酸基の置換基であり、31%以上がさらに好ましく、特には32%以上が6位水酸基の置換基であることも好ましい。また更に、セルロースアシレートの6位のSA'とSB”の置換度の総和が0.8以上であり、さらには0.85以上であり、特には0.90以上であるセルロースアシレートフィルムも好ましいものとして挙げることができる。これらのセルロースアシレートフィルムにより溶解性の好ましい溶液が作製でき、特に非塩素系有機溶媒において、良好な溶液の作製が可能となる。
尚、置換度はセルロース中の水酸基に結合した脂肪酸結合度を測定し、計算によって得られる。測定方法としては、ASTM-D817-91、ASTM-D817-96に準拠して測定することができる。
又、水酸基へのアシル基の置換の状態は、13C NMR法によって測定される。

0020

上記セルロースアシレートフィルムは、フィルムを構成するポリマー成分が実質的に前記の式(1)及び(2)を満足するセルロースアシレートからなることが好ましい。「実質的に」とは、全ポリマー成分の55質量%以上(好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上)を意味する。セルロースアシレートは単独若しくは2種類以上の併用であっても良い。

0021

本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの重合度は、粘度平均重合度200〜700、好ましくは230〜550、更に好ましくは230〜350であり、特に好ましくは粘度平均重合度240〜320である。平均重合度は、宇田らの極限粘度法(宇田和夫、斉秀夫、繊維学会誌、第18巻第1号、105〜120頁、1962年)により測定できる。更に特開平9−95538号公報に詳細に記載されている。
該セルロースアシレートの数平均分子量Mnは、好ましくは7〜25×104の範囲、より好ましくは、8〜15×104の範囲にあることが望ましい。また、該セルロースアシレートの質量平均分子量Mwとの比、Mw/Mnは、好ましくは1.0〜5.0、より好ましくは1.0〜3.0である。なお、セルロースエステルの平均分子量および分子量分布は、高速液体クロマトグラフィーを用いて測定でき、これを用いて上記MnおよびMwを算出し、Mw/Mnを計算することができる。

0022

本発明において用いられる上記セルロースアシレートフィルムは、上述の式(1)及び(2)を満足する範囲にあるセルロースアシレート、可塑剤(特に好ましくは後述するオクタノール/水分配係数(logP値)が0ないし10である可塑剤、及び微粒子(特に好ましくは後述する平均1次粒径3〜100nmの微粒子)を各々少なくとも1種含有してなるフィルムが好ましく用いられる。

0023

次に、可塑剤及び微粒子について説明する。
「可塑剤」
上記可塑剤は、セルロースアシレートフィルムに柔軟性を与え、寸法安定性を向上させ、耐湿性を向上させるために添加される成分である。
本発明で好ましく用いられる可塑剤は、沸点が200℃以上で、25℃で液体であるか、または融点が25〜250℃である固体であることが好ましい。更に好ましくは沸点が250℃以上で、25℃で液体であるか、融点が25〜200℃の固体である可塑剤が挙げられる。可塑剤が液体の場合は、その精製は通常減圧蒸留によって実施され、高真空ほど好ましく、本発明では、特に、200℃における蒸気圧が1333Pa以下の可塑剤を用いることが好ましく、より好ましくは蒸気圧667Pa以下、更に好ましくは133〜1Paの化合物が好ましい。

0024

これらの好ましく添加される可塑剤としては、上記の物性の範囲内にあるリン酸エステル、カルボン酸エステル、ポリオールエステル等が用いられる。リン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェートTPP)およびトリクレジルホスフェート(TCP)、クレジルジフェニルホスフェートオクチルジフェニルホスフェートジフェニルビフェニルホスフェートトリオクチルホスフェートトリブチルホスフェート等が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレートDMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレートDOP)、ジフェニルフタレートDPP)およびジエチルヘキシルフタレート(DEHP)等が含まれる。クエン酸エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチルOACTE)およびO−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)、クエン酸アセチルトリエチルクエン酸アセチルトリブチル等が含まれる。これらの好ましい可塑剤は25℃においてTPP(融点約50℃)以外は液体であり、沸点も250℃以上である。

0025

その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチルリシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。グリコール酸エステルの例としては、トリアセチントリブチリンブチルフタリルブチルグリコレートエチルフタリルエチルグリコレートメチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、メチルフタリルメチルグリコレートプロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレートなどがある。
以上の例示した化合物の中でもトリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリブチルホスフェート、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジエチルヘキシルフタレート、トリアセチン、エチルフタリルエチルグリコレートが好ましい。

0026

また、特開平5−194788号、特開昭60−250053号、特開平4−227941号、特開平6−16869号、特開平5−271471号、特開平7−286068号、特開平5−5047号、特開平11−80381号、特開平7−20317号、特開平8−57879号、特開平10−152568号、特開平10−120824号の各公報などに記載されている可塑剤も好ましく用いられる。これらの公報によると可塑剤の例示だけでなくその利用方法あるいはその特性についての好ましい記載が多数あり、本発明においても好ましく用いられるものである。

0027

その他の可塑剤としては、特開平11−124445号記載の(ジ)ペンタエリスリトールエステル類、特開平11−246704号記載のグリセロールエステル類、特開2000−63560号記載のジグリセロールエステル類、特開平11−92574号記載のクエン酸エステル類、特開平11−90946号記載の置換フェニルリン酸エステル類、特開2003−165868号等記載の芳香環シクロヘキサン環を含有するエステル化合物などが好ましく用いられる。
更には本発明では、オクタノール/水分配係数(logP値)が0ないし10である可塑剤が好ましく用いられる。logP値が10を超える化合物は、セルロースアシレートとの相溶性に乏しく、フィルムの白濁粉吹きを生じる場合があり、logP値が0よりも小さな化合物は親水性が高いために、セルロースアシレートフィルムの耐水性を悪化させる場合があるので、上記範囲内のものが好ましい。logP値としてさらに好ましい範囲は1ないし8であり、特に好ましい範囲は2ないし7である。
オクタノール/水分配係数(logP値)の測定は、JIS日本工業規格Z7260−107(2000)に記載のフラスコとう法により実施することができる。また、オクタノール/水分配係数(logP値)は実測に代わって、計算化学的手法あるいは経験的方法により見積もることも可能である。計算方法としては、Crippen's fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,27,21(1987).)、Viswanadhan's fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,29,163(1989).)、Broto's fragmentation法(Eur.J.Med.Chem.- Chim.Theor.,19,71(1984).)などが好ましく用いられるが、中でもCrippen's fragmentation法がより好ましい。ある化合物のlogPの値が測定方法あるいは計算方法により異なる場合に、該化合物が本発明の範囲内であるかどうかは、Crippen's fragmentation法により判断することが好ましい。

0028

また、分子量1000〜10万の樹脂成分を有する高分子可塑剤も好ましく用いられる。例えば、特開2002−22956号公報に記載のポリエステル及び又はポリエーテル、特開平5−197073号公報に記載のポリエステルエーテルポリエステルウレタン又はポリエステル、特開平2−292342号公報に記載のコポリエステルエーテル、特開2002−146044号公報等記載のエポキシ樹脂或はノボラック樹脂等が挙げられる。
これらの可塑剤は単独若しくは2種類以上を混合して用いても良い。可塑剤の添加量はセルロースアシレート100質量部に対して2〜30質量部、特に5〜20質量部が好ましい。

0029

「微粒子」
上記透明支持体形成用の上記セルロースアシレートフィルムに好ましく用いられる微粒子は、フィルムの機械的強度と寸法安定性の向上、及び耐湿性を向上させるために添加されるもので、疎水性であるのが好ましい。
微粒子の1次平均粒子径としては、ヘイズを低く抑えるという観点から、好ましくは、1〜100nmであり、より好ましくは3〜100nmであり、更に好ましくは3〜80nmであり、特に好ましくは5〜60nmであり、最も好ましくは、5〜50nmである。微粒子の1次平均粒子径の測定は、透過型電子顕微鏡粒子を測定し、平均粒径を求めることができる。
微粒子の見掛け比重としては、70g/リットル以上が好ましく、更に好ましくは、90〜200g/リットルであり、特に好ましくは、100〜200g/リットルである。
微粒子の添加量はセルロースアシレート100質量部に対して0.005〜2質量部、特に0.01〜1.0質量部とするのが好ましい。

0030

微粒子の好ましい具体例は、無機化合物としては、ケイ素を含む化合物、二酸化ケイ素酸化チタン酸化亜鉛酸化アルミニウム酸化バリウム酸化ジルコニウム酸化ストロンチウム酸化アンチモン酸化スズ、酸化スズ・アンチモン炭酸カルシウムタルククレイ焼成カオリン焼成ケイ酸カルシウム水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウムケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等が好ましく、更に好ましくはケイ素を含む無機化合物や酸化ジルコニウムであり、セルロースアシレートフィルムのヘイズ上昇を抑制できるので、二酸化ケイ素が特に好ましく用いられる。

0031

上記微粒子は、表面処理されているのが、ドープ中及び製膜後のフィルム中での凝集が抑制されて微粒子として安定に分散されるので、好ましい。
表面処理は、微粒子の表面を有機化合物で処理するなどして行われ、その際用いることができる有機化合物の例には、従来公知の金属酸化物無機顔料等の無機フィラー類の表面改質剤を用いることが出来る。例えば、「顔料分散安定化と表面処理技術・評価」第一章(技術情報協会、2001年刊行)等に記載されている。
具体的には、該微粒子表面と親和性を有する極性基を有する有機化合物、カップリング化合物があげられる。
微粒子表面と親和性を有する極性基としては、カルボキシ基ホスホノ基ヒドロキシ基メルカプト基環状酸無水物基アミノ基等があげられ、分子中に少なくとも1種を含有する化合物が好ましい。例えば、長鎖脂肪族カルボン酸(例えばステアリン酸ラウリン酸オレイン酸リノール酸リノレイン酸等)、ポリオール化合物(例えばペンタエリスリトールトリアクリレートジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ECH変性グリセロール等)、ホスホノ基含有化合物(例えばEO(エチレンオキサイド)変性リン酸等)、アルカノールアミンエチレンジアミンEO付加体(5モル)等)が挙げれる。
カップリング化合物としては、従来公知の有機金属化合物が挙げられ、シランカップリング剤チタネートカップリング剤アルミネートカップリング剤等が含まれる。シランカップリング剤が最も好ましい。具体的には、例えば山下普三、金子東助「架橋ハンドブック」(大成社、1981年刊)記載のカップリング化合物が挙げられる。
表面処理に際しては、上述した化合物を2種類以上併用することもできる。

0032

有機化合物としては、例えば、シリコーン樹脂弗素樹脂及びアクリル樹脂等のポリマーが好ましく、中でも、シリコーン樹脂が好ましく用いられる。シリコーン樹脂の中でも、特に三次元網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、トスパール105、トスパール108、トスパール120、トスパール145、トスパール3120及びトスパール240(以上東シリコーン(株)製)等の商品名を有する市販品が使用できる。
本発明で使用される微粒子の形状は、特に限定されないが米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状不定形状が好ましい。微粒子は単独で用いてもよいが、2種類以上を併用して用いることもできる。

0033

微粒子分散
本発明に好ましく供される微粒子は、製膜後のフィルム中に均一に分散されることが好ましい。
そこで、上記微粒子は、以下のような態様等で微粒子分散物を調整した後にドープ液に導入されることが好ましい。
(1)溶剤と微粒子を撹拌混合した後、分散機微粒子分散液とし、ドープ液に加えて撹拌する。
(2)溶剤と微粒子を撹拌混合した後、分散機で微粒子分散液とし、別に溶剤に少量のセルロースアシレートを加え、撹拌溶解する。これに前記微粒子分散液を加えて撹拌して得られる微粒子添加液インラインミキサーでドープ液と十分混合する。
(3)溶剤に少量のセルロースアシレートを加えて撹拌溶解し、これに微粒子を加えて分散機で分散して微粒子添加液とする。微粒子添加液をインラインミキサーでドープ液と十分混合する。
更に、微粒子分散物の調整には、微粒子とともに分散剤を用いて湿式分散することが好ましい。

0034

(分散剤)
上記微粒子を安定した所定の微粒子として用いるため、分散剤を併用することが好ましい。分散剤としては、該微粒子表面と親和性を有する極性基を有する低分子化合物、または高分子化合物であることが好ましい。
上記極性基としては、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシル基スルホ基、ホスホノ基、オキシホスホノ基、−P(=O)(R1)(OH)基、−O−P(=O)(R1)(OH)基、アミド基(−CONHR2、−SO2NHR2)、環状酸無水物含有基、アミノ基、四級アンモニウム基等が挙げられる。
ここで、R1は炭素数1〜18の炭化水素基を表す(例えばメチル基エチル基プロピル基ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基ドデシル基オクタデシル基、クロロエチル基、メトキシエチル基、シアノエチル基ベンジル基メチルベンジル基フェネチル基、シクロヘキシル基等)。R2は、水素原子又は前記R1と同一の内容を表す。

0035

上記極性基において、解離性プロトンを有する基はその塩であってもよい。また、上記アミノ基は、一級アミノ基、二級アミノ基又は三級アミノ基のいずれでもよい。三級アミノ基であることが好ましい。また、四級アンモニウム基も同様に好ましい。すなわち極性基は、三級アミノ基または四級アンモニウム基であることがさらに好ましい。二級アミノ基、三級アミノ基または四級アンモニウム基の窒素原子に結合する基は、炭素原子数が1〜18の脂肪族基(上記R1の基と同一の内容のもの等)であることが好ましい。又、三級アミノ基は、窒素原子を含有する環形成のアミノ基(例えば、ピペリジン環モルホリン環ピペラジン環、ピリジン環等)であってもよく、更に四級アンモニウム基はこれら環状アミノ基の四級アモニウム基であってもよい。特に炭素原子数が1〜6のアルキル基であることがさらに好ましい。
四級アンモニウム基の対イオンは、ハライドイオンPF6イオン、SbF6イオン、BF4イオン、B(R3)4イオン(R3は、炭化水素基を表し、例えばブチル基、フェニル基トリル基ナフチル基ブチルフェニル基等)、スルホン酸イオン等が好ましい。

0036

本発明に係る分散剤の極性基としては、pKaが7以下のアニオン性基或はこれらの解離基の塩が好ましい。特に、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、オキシホスホノ基、又はこれらの解離基の塩が好ましい。
具体的には、下記の一般式(B)、(C)に示される化合物が挙げられる。
一般式(B) : (R4−B1−O)β−P(=O)−(OM1)γ
一般式(C) : R5−B2−X
式(B)及び(C)中、R4とR5は炭素数4〜40の置換、無置換のアルキル基、アルケニル基アラルキル基及びアリール基を表わし、M1は水素原子、アルカリ金属アンモニウムイオン有機アンモニウムイオンである。また、B1、B2は2価の連結基を表わし、Xはカルボン酸(又はその塩)、スルフォン酸(又はその塩)、硫酸エステル(又はその塩)を表わす。βは1、2の整数であり、γは(3−β)の整数を表わす。

0037

R4とR5の好ましい例としては、炭素数4〜40の置換、無置換のアルキル基(例えば、ブチル、ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシルノニルドデシルヘキサデシル、オクタデシルエイコサニル、ドコサニル、ミリシル、など)、炭素数4〜40の置換、無置換のアルケニル基(例えば、2−ヘキセニル、9−デセニル、オレイルなど)、炭素数4〜40の置換、無置換のアリル基(例えば、フェニル、ナフチル、メチルフェニルジメチルフェニルトリメチルフェニルエチルフェニル、プロピルフェニル、ジイソプロピルフェニルトリイソプロピルフェニル、ブチルフェニルジブチルフェニル、トリ−ブチルフェニル、イソペンチルフェニル、オクチルフェニルイソオクチルフェニル、イソノニルフェニル、ジイソノニルフェニル、ドデシルフェニル、イソペンタデシルフェニル、など)などを表わす。
B1、B2の2価の連結基について記述する。炭素数1〜10のアルキレン、ポリ(重合度1〜50)オキシエチレン、ポリ(重合度1〜50)オキシプロピレン、ポリ(重合度1〜50)オキシグリセリン、でありこれらの混合したものでも良い。これらで好ましい連結基は、メチレンエチレンプロピレンブチレン、ポリ(重合度1〜25)オキシエチレン、ポリ(重合度1〜25)オキシプロピレン、ポリ(重合度1〜15)オキシグリセリンである。
Xは、カルボン酸(又はその塩)、スルフォン酸(又はその塩)、硫酸エステル(又はその塩)である。塩としては好ましくはNa、K、アンモニウムトリメチルアンモニウムトリエチルアンモニウムピリジニウム及びトリエタノールアンモニウムである。

0038

本発明に用いられる分散剤は、上記した極性基を含有する高分子分散剤であることが好ましい。
高分子分散剤の質量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、GPC法で測定されたポリスチレン換算値として、1×103以上であることが好ましい。より好ましいMwは2×103〜1×106であり、更に好ましくは3×103〜1×105、特に好ましくは5×103〜8×104である。
この範囲のものが、微粒子が微粒子として分散されやすく、かつ凝集物沈殿物を生じない安定な分散物が得られる。

0039

高分子分散剤中の極性基は、高分子鎖重合体主鎖末端或いは重合体形成単位の側鎖置換基(以降、側鎖と略称する場合もある)として含有される。極性基は重合体主鎖の末端及び/または側鎖に結合していることが好ましい。
極性基含有重合体成分の具体例としては、例えば特開平11−153703号公報明細書中の段落番号[0024]〜[0041]記載の内容等が挙げられる。
また、側鎖に極性基を有する高分子分散剤において、極性基含有の重合単位組成は、全重合単位のうちの0.5〜90質量%の範囲であり、好ましくは1〜80質量%、特に好ましくは5〜60質量%である。
好ましくは分散剤全重合単位のうちの1〜70質量%であり、より好ましくは5〜50質量%である。

0040

本発明に係る分散剤は、極性基含有の重合成分を含有する重合成分以外の他の重合成分との共重合体であってもよい。この他の重合成分としては、極性基含有の重合成分に相当するモノマーと共重合可能なモノマーであれば特に限定はされず、分散安定性、形成皮膜の強度等種々の観点から選択されうる。好ましい例としては、メタアクリレート類、アクリレート類カルボン酸ビニルエステル類、(メタアクリルアミド及びその誘導体類スチレン及びその誘導体類、アクリロニトリル等が挙げられる。
分散剤中の他の重合成分の割合は、全重合体成分中の5〜99.5質量%が好ましく、より好ましくは30〜85質量%である。
本発明の好ましい分散剤の重合形態は特に制限はなく、ブロック共重合体またはランダム共重合体の何れであっても良い。

0041

分散剤の使用量は、微粒子100質量部に対して、1〜100質量部の範囲であることが好ましく、3〜50質量部の範囲であることがより好ましく、5〜40質量部であることが最も好ましい。また、分散剤は2種類以上を併用してもよい。

0042

分散媒体
本発明において、微粒子の湿式分散に供する分散媒体は、後述するドープに用いる有機溶媒から適宜選択して用いることができる。好ましくは、低級アルコール類(例えばメチルアルコールエチルアルコールプロピルアルコールイソプロピルアルコールブチルアルコール等)、ケトン類メチルエチルケトンシクロヘキサノン等)が挙げられる。これらの溶媒以外の溶媒としては特に限定されないが、セルロースアシレートの製膜時に用いられる溶剤を用いることが好ましい。
分散媒体は、微粒子及び分散剤を含む全分散用組成物が3〜50質量%となる割合で用いることが好ましい。更には、5〜30質量%が好ましい。この範囲において、分散が容易に進行し、得られる分散物は作業性良好な粘度の範囲となる。

0043

(微粒子の超微粒子化
上記微粒子は、平均粒子径100nm以下の微粒子分散物とすることにより、該組成物の液の安定性が向上し、このドープ組成物から製膜されたセルロースアシレートフィルムは、微粒子が硬フィルム中で超微粒子状態で均一に分散されて存在し、光学特性が均一で透明なフィルムが達成される。フィルム中で存在する微粒子の大きさは、平均粒径5〜100nmの範囲が好ましく、特に10〜80nmが最も好ましい。
更には、500nm以上の平均粒子径の大粒子が含まれないことが好ましく、300nm以上の平均粒子径の大粒子が含まれないことが特に好ましい。これにより、光学的欠陥のないヘイズ値の小さい透光性良好なフィルムであり、フィルム表面が粗大な凹凸を生じない特定の微細な凹凸形状(後述)を形成できる。

0044

上記微粒子を上記の範囲の粗大粒子を含まない超微粒子の大きさに湿式分散するには、メディアレス分散若しくはメディア分散のいずれでも良い。
メディアレス分散機としては超音波型、遠心型高圧型など従来公知のものがあり利用できる。高圧分散装置は、例えば管径1〜2000μmの細管中で装置内部の最大圧力条件が9.8MPa以上であることが好ましい。更に好ましくは19.6MPa以上である。またその際、最高到達速度が100m/sec以上に達するもの、伝熱速度が420kJ/hr以上に達するものが好ましい。高圧分散装置にはMicrofluidics Corporation社製超高圧ホモジナイザ(商品名マイクロフルイダイザ)あるいはナノマイザ社製ナノマイザがあり、他にもマントンゴーリン型高圧分散装置、例えばイズミフードマシナリ製ホモジナイザ、三和機械(株)社製UHN−01等が挙げられる。

0045

メディア分散湿式分散用の分散機としては、従来公知のものが挙げられる。具体的には、サンドグラインダーミル(例、ピン付きビーズミル)、高速インペラーミル、ペッブルミル、ローラーミルアトライター、コロイドミル、ダイノミル等が含まれる。サンドグラインダーミルおよび高速インペラーミルが特に好ましい。具体的には、生産性と微細化/単分散化等の分散性能の観点で、スーパーアペックスミル(アペックス社製)が好適に用いられる。
上記分散機と共に用いるメディアとしては、その平均粒径が0.5mm未満であり、好ましくは0.3mm以下であり、より好ましくは0.05〜0.2mmである。
また、湿式分散に用いられるメディアとしては、ビーズが好ましい。具体的には、ジルコニアビーズガラスビーズセラミックビーズスチールビーズ等が挙げられ、分散中におけるビーズの破壊等を生じ難い等の耐久性と超微粒子化の上から0.05〜0.2mmのジルコニアビーズが特に好ましい。

0046

分散物中の微粒子の一次粒子質量平均径は3〜200nmであることが好ましく、より好ましくは3〜150nm、さらに好ましくは3〜100nm、特に好ましくは5〜80nmである。
特に、本発明における湿式分散物中の分散微粒子は、分散時において微粒子の比表面積過度に大きくしないために微粒子を一次粒径以上に実質的に維持することが好ましい。
更には、湿式分散物中の分散微粒子中には、500nm以上の平均粒子径の大粒子が含まれないことが好ましく、300nm以上の平均粒子径の大粒子が含まれないことが特に好ましい。

0047

ここで、一次粒径以上に維持するためには、使用するビーズを上記の範囲内のビーズ径とすることで分散時のビーズによる破壊力を抑制し、微粒子の破壊を抑制しながら、微分散性と分散微粒子の単分散性を向上させることができると推測される。また、更なるビーズの小径化によりベッセル内にある総ビーズ数を多くすることができて衝突確率を増加させ、分散時間を短縮することが可能となると推測される。分散時間を短縮すると、その分更に粒子の破壊を抑制でき、耐候性をより向上させることができると推測される。
また、メディア分散の周速としては、分散微粒子を微分散化できる範囲内で周速が低いほうが好ましい。周速が低い方が分散時のメディアによる破壊力を抑制することができ、微粒子の破壊を抑制しながら、微分散性と分散微粒子の単分散性を向上させることができると推測される。

0048

更には、分散物中の分散粒子がその平均粒径、および粒子径の単分散性が上記した範囲を満足する上で、分散物中の粗大凝集物を除去するためにビーズとの分離処理において精密濾過されるように濾材を配置することも好ましい。精密濾過するための濾材は濾過粒子サイズ0.1〜25μmが好ましい。精密濾過は濾過粒子サイズを変えながら繰り返し行うことも好ましい。精密濾過するための濾材のタイプは上記性能を有していれば特に限定されないが例えばフィラメント型、フェルト型、メッシュ型が挙げられる。分散物を精密濾過するための濾材の材質は上記性能を有しており、かつ塗布液に悪影響を及ばさなければ特に限定はされないが例えばステンレスポリエチレンポリプロピレンナイロン等が挙げられる。

0049

[他の添加剤]
紫外線防止剤
上記セルロースアシレートフィルムには、フィルム自身耐光性向上、或は偏光板、液晶表示装置の液晶化合物等の画像表示部材劣化防止のために、更に紫外線防止剤を添加することが好ましい。
紫外線吸収剤としては、液晶の劣化防止の点より波長370nm以下の紫外線吸収能に優れ、かつ良好な画像表示性の点より波長400nm以上の可視光の吸収が可及的に少ないものを用いることが好ましい。特に、波長370nmでの透過率が、20%以下であることが望ましく、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。
例えば、オキシベンゾフェノン系化合物ベンゾトリアゾール系化合物サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物ニッケル錯塩系化合物、前記のような紫外線吸収性基を含有する高分子紫外線吸収化合物等があげられるが、これらに限定されない。

0050

紫外線吸収剤は2種以上用いてもよい。紫外線吸収剤のドープへの添加方法は、アルコールメチレンクロライドジオキソランなどの有機溶媒に溶解してから添加するか、または直接ドープ組成中に添加してもよい。無機粉体のように有機溶剤に溶解しないものは、有機溶剤とセルロースエステル中にデゾルバやサンドミルを使用し、分散してからドープに添加する。
本発明において、紫外線吸収剤の使用量は、セルロースアシレート100質量部に対し0.1〜5.0質量部、好ましくは0.5〜2.0質量部、より好ましくは0.8〜2.0質量部である。

0051

(他の添加剤)
更に、本発明のセルロースアシレート組成物には、各調製工程において用途に応じた他の種々の添加剤(例えば、劣化防止剤(例えば、酸化防止剤過酸化物分解剤ラジカル禁止剤金属不活性化剤酸捕獲剤アミン等)、光学方性コントロール剤剥離剤帯電防止剤赤外吸収剤等)を加えることができ、それらは固体でもよく油状物でもよい。すなわち、その融点や沸点において特に限定されるものではない。さらにまた、赤外吸収剤としては例えば特開平2001−194522号公報に記載のものが使用できる。
これらの添加剤の添加する時期はドープ作製工程において何れで添加してもよいが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。更にまた、各素材の添加量は機能が発現する限りにおいて特に限定されない。また、セルロースアシレートフィルムが多層から形成される場合、各層の添加物の種類や添加量が異なってもよい。例えば特開平2001−151902号公報などに記載されているが、これらは従来から知られている技術である。上記の紫外線吸収剤を含めてこれらの詳細は、発明協会公開技報公技番号2001−1745号(2001年3月15日発行、発明協会)p.16−22に詳細に記載されている素材が好ましく用いられる。これらの添加剤の使用量は、セルロースアシレート全組成物中、0.001〜20質量%の範囲で適宜用いられることが好ましい。

0052

「溶媒」
次に、本発明のセルロースアシレートを溶解する有機溶媒について記述する。
用いる有機溶媒としては、従来公知の有機溶媒が挙げられ、例えば溶解度パラメーターで17〜22の範囲ものが好ましい。低級脂肪族炭化水素塩化物、低級脂肪族アルコール、炭素原子数3から12までのケトン、炭素原子数3〜12のエステル、炭素原子数3〜12のエーテル、炭素原子数5〜8の脂肪族炭化水素類、炭素数6〜12の芳香族炭化水素類フルオロアルコール類(例えば、特開平8−143709号公報段落番号[0020]、同11−60807号公報 段落番号[0037]等に記載の化合物)等が挙げられる。
特に、本発明では、溶媒は2種類以上の有機溶媒を混合して用いることが好ましく、特に好ましい有機溶媒は、互いに異なる3種類以上の混合溶媒であって、第1の溶媒が炭素原子数が3〜4のケトンおよび炭素原子数が3〜4のエステル或いはその混合液であり、第2の溶媒が炭素原子数が5〜7のケトン類またはアセト酢酸エステルから選ばれ、第3の溶媒として沸点が30〜170℃のアルコールまたは沸点が30〜170℃の炭化水素から選ばれることが好ましい。使用する有機溶媒は具体的には、例えば特開2002−146043号公報 段落番号〔0021〕〜〔0025〕、特開2002−146045号公報 段落番号〔0016〕〜〔0021〕等に記載の溶媒系の例が挙げられる。
本発明のセルロースアシレートは、有機溶媒に10〜30質量%溶解している溶液であることが好ましいが、より好ましくは13〜27質量%であり、特には15〜25質量%溶解しているセルロースアシレート溶液であることが好ましい。これらの濃度にセルロースアシレートを調製する方法は、溶解する段階で所定の濃度になるように調製してもよく、また予め低濃度溶液(例えば9〜14質量%)として作製した後に後述する濃縮工程で所定の高濃度溶液に調整してもよい。さらに、予め高濃度のセルロースアシレート溶液として後に、種々の添加物を添加することで所定の低濃度のセルロースアシレート溶液としてもよく、いずれかの方法で本発明のセルロースアシレート溶液濃度になるように実施されれば特に問題ない。

0053

「ドープの調整」
本発明のセルロースアシレート溶液(ドープ)の調製については、その溶解方法は特に限定されず、室温溶解法でもよくさらには冷却溶解法あるいは高温溶解方法、さらにはこれらの組み合わせで実施される。これらに関しては、例えば特開平5−163301号、特開昭61−106628号、特開昭58−127737号、特開平9−95544号、特開平10−95854号、特開平10−45950号、特開2000−53784号、特開平11−322946号、特開平11−322947号、特開平2−276830号、特開2000−273239号、特開平11−71463号、特開平04−259511号、特開2000−273184号、特開平11−323017号、特開平11−302388号などの各公報にセルロースアシレート溶液の調製法が記載されている。前記したこれらのセルロースアシレートの有機溶媒への溶解方法は、本発明においても適宜本発明の範囲であればこれらの技術を適用できるものである。これらの詳細は、特に非塩素系溶媒系については前記の公技番号2001−1745号p.22−25に詳細に記載されている方法で実施される。さらに本発明のセルロースアシレートのドープ溶液は、溶液濃縮,ろ過が通常実施され、同様に前記の公技番号 2001−1745号p.25に詳細に記載されている。なお、高温度で溶解する場合は、使用する有機溶媒の沸点以上の場合がほとんどであり、その場合は加圧状態で用いられる。

0054

本発明のセルロースアシレート溶液は、その溶液の粘度と動的貯蔵弾性率が特定の範囲であることが好ましい。試料溶液1mLをレオメーター(CLS 500)に直径4cm/2°のSteel Cone(共にTA Instrumennts社製)を用い、測定条件はOscillation Step/Temperature Rampで40℃〜−10℃の範囲を2℃/分で可変して測定し、40℃の静的非ニュートン粘度n*(Pa・sec)及び−5℃の貯蔵弾性率G'(Pa)を求める。試料溶液は予め測定開始温度にて液温一定となるまで保温した後に測定を開始する。本発明では、40℃での粘度が1〜300Pa・secであり、かつ−5℃での動的貯蔵弾性率が1万〜100万Paである。より好ましくは、40℃での粘度が1〜200Pa・secであり、かつ−5℃での動的貯蔵弾性率が3万〜50万Paである。

0055

「セルロースアシレートフィルムの製造方法」
次に、上記セルロースアシレート溶液を用いた透明支持体としてのセルロースアシレートフィルムの製造方法について述べる。上記セルロースアシレートフィルムを製造する方法及び設備は、セルローストリアセテートフィルム製造に供するドラム方法若しくはバンド方法と称される、従来公知の溶液流延製膜方法及び溶液流延製膜装置が用いられる。

0056

以下、バンド法を例として製膜の工程を説明する。溶解機)から調製されたドープ(セルロースアシレート溶液)を貯蔵釜で一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡して最終調製をする。ドープをドープ排出口から、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドープを加圧型ダイの口金スリット)からエンドレス走行している流延部の金属支持体の上に均一に流延され、金属支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きドープ膜ウェブとも呼ぶ)を金属支持体から剥離する。得られるウェブの両端をクリップで挟み、幅保持しながらテンターで搬送して乾燥し、続いて乾燥装置ロール群で搬送し乾燥を終了して巻き取り機で所定の長さに巻き取る。テンターとロール群の乾燥装置との組み合わせはその目的により変わる。電子ディスプレイ用機能性保護膜に用いる溶液流延製膜方法においては、溶液流延製膜装置の他に、下引層、帯電防止層ハレーション防止層、保護層等のフィルムへの表面加工のために、塗布装置が付加されることが多い。これらの各製造工程については、前記の公技番号2001−1745号p.25−30に詳細に記載され、流延(共流延を含む)、金属支持体、乾燥、剥離、延伸などに分類される。
流延工程では1種類のセルロースアシレート溶液を単層流延してもよいし、2種類以上のセルロースアシレート溶液を同時及び又は逐次共流延してもよい。

0057

[セルロースアシレートフィルムの特性]
(フィルム表面の性状
支持体として用いるセルロースアシレートフィルムが特定の表面形状を有するのが好ましい。以下、セルロースアシレートフィルムの表面形状について説明する。
前記セルロースアシレートフィルムの反射防止層を設ける側の表面は、JIS B0601−1994に基づくフィルムの表面凹凸算術平均粗さ(Ra)が0.0001〜0.1μm、十点平均粗さ(Rz)が0.0001〜0.3μm、及び最大高さ(Ry)が0.5μm以下であり、好ましくは算術平均粗さ(Ra)が0.0001〜0.08μm、十点平均粗さ(Rz)が0.0001〜0.1μm、及び最大高さ(Ry)が0.5μm以下であり、更に好ましくは、算術平均粗さ(Ra)が0.0002〜0.015μm、十点平均粗さ(Rz)が0.002 〜0.05μm、且つ最大高さ(Ry)が0.05μm以下であり、特に好ましくは、算術平均粗さ(Ra)が0.001〜0.010μm、十点平均粗さ(Rz)が0.002〜0.025μm、且つ最大高さ(Ry)が0.04μm以下である。
上記の範囲内において、塗布ムラの無い均一な塗布面状で、且つ支持体と塗布膜密着性が良好な反射防止層が設けられる。
表面の凹と凸の形状は、透過型電子顕微鏡(TEM)、原子間力顕微鏡AFM)等により評価することが出来る。
また、上記セルロースアシレートフィルムにおける視覚的な大きさが100μm以上である光学的欠陥の数は、1m2当たり1個以下であるのが、均一で鮮明なフィルムを得率よく生産できる等の点から好ましい。
この光学的な欠陥は、偏光顕微鏡を用い、クロスニコル下でフィルムの遅相軸を偏光子吸収軸と平行にして観察することができる。輝点として見える欠点を円形面積近似し、その直径が100μm以上のものを数える。100μm以上の輝点は、肉眼で容易に観測できる。
即ち、上記セルロースアシレートフィルムは、その表面が、JISB0601−1994に基づく表面凹凸の算術平均粗さ(Ra)が0.0001〜0.1μm、十点平均粗さ(Rz)が0.0001〜0.3μm、且つ視覚的な大きさが100μm以上である光学的欠陥の数が1m2当たり1個以下であるのが好ましい。
(他方の表面形状)
また、上記支持体の反射防止層側と反対側の表面の算術平均粗さ(Ra)及び最大高さ(Ry)が、反射防止層側表面の算術平均粗さ(Ra)及び最大高さ(Ry)の3倍以下であることが好ましい。更に好ましくは1〜2倍であり、特に好ましくは1〜1.5倍である。このような範囲において、フィルムの透明性、ロール形態での耐接着性等が良好となる。
以上のような表面形状としたフィルムとすることで、光学的な欠陥や輝度向上のムラ等の表示画像の不均一さが著しく軽減される。
本発明に用いる透明支持体の動摩擦係数は0.4以下であることが好ましく、0.3以下であることが特に好ましい。動摩擦係数が大きいと搬送ロールとの間で強く擦られる結果支持体から発塵しやすくなり、フィルム上への異物付着が多くなり、光学フィルムとしての点欠陥塗布スジ頻度許容値を超えてしまう。動摩擦係数は5mmφの鋼球を用いる鋼球法により測定することができる。
又、本発明に用いる透明支持体の表面抵抗率は、1.2x1012Ω/□以下であることが好ましく、1.0x1012Ω/□以下であることがより好ましく、0.8x1012Ω/□以以下であることが特に好ましい。表面抵抗率を本発明の範囲内とすることにより透明支持体や光学フィルムへの異物の付着が抑えられる。

0058

(フィルムの光学的特性
上記セルロースアシレートフィルムは、光透過率が90%以上、ヘイズが1%以下であることが好ましい。より好ましくは、光透過率が92%以上、ヘイズが0〜0.5%であることが好ましい。
ヘイズ値は、JIS−K−7105に準じヘ−ズメーター(例えば、日本電色工業(株)製MODEL 1001DP、色彩技術研究所製HR−100等)を用いて測定できる。
セルロースアシレートフィルムの屈折率は1.45〜1.50の範囲が好ましい。

0059

(フィルムの力学特性
(フィルムの機械的特性
本発明に用いる透明支持体の幅方向カール値は−10/m〜+10/mであることが好ましい。長尺広幅の透明支持体(具体的には、長さ100〜5000m及び幅0.7〜150mの長尺品)に対し行う際に、透明支持体の幅方向のカール値が前述の範囲内にあると、フィルムのハンドリングの支障や、フィルムの切断が起きることが無く、また、フィルムのエッジや中央部などで、フィルムが搬送ロールと強く接触することからくる発塵や、フィルム上への異物付着が少なくなり、本発明の偏光板の点欠陥や塗布スジの頻度が許容値を超えることがなく、好ましい。又、偏光素子貼り合せ時に気泡が入ることを防ぐことができて好ましい。
カール値は、アメリカ国家規格協会の規定する測定方法(ANSI/ASCPH1.29−1985)に従い測定することができる。
本発明に用いる透明支持体の残留溶剤量は1.5%以下とすることでカールを抑制でき、好ましい。さらに、0.01〜1.0%以下であることがより好ましい。
これは、前述の溶液流延製膜方法による成膜時の残留溶剤量を少なくすることで自由堆積が小さくなることが主要な効果要因になるためと思われる。

0060

セルロースアシレートフィルムの引き裂き強度は、そのJISK7128−2:1998の引裂き試験方法(エルメンドルフ引裂き法)に基づく引裂き強度が、2g以上であるのが、前記の膜厚においても膜の強度が充分に保持できる点で好ましい。より好ましくは、5〜25gであり、更に好ましくは6〜25gである。また60μm換算では、8g以上が好ましく、より好ましくは8〜15gである。
具体的には、試料片50mm×64mmを、25℃、65%RHの条件下に2時間調湿した後に軽荷重引裂き強度試験機を用いて測定できる。
また、引掻き強度は2g以上であることが好ましく、5g以上であることがより好ましく、10g以上であることが特に好ましい。この範囲とすることにより、フィルム表面の耐傷性ハンドリング性が問題なく保持される。
引掻き強度は、円錐頂角が90度で先端の半径が0.25mのサファイヤ針を用いて支持体表面を引掻き、引掻き跡が目視にて確認できる荷重(g)をもって評価することができる。

0061

(フィルムの吸湿膨張係数
上記セルロースアシレートフィルムの吸湿膨張係数を30×10-5/%RH以下とすることが好ましい。吸湿膨張係数は、15×10-5/%RH以下とすることがより好ましく、10×10-5/%RH以下であることがさらに好ましい。また、吸湿膨張係数は小さい方が好ましいが、通常は、1.0×10-5/%RH以上の値である。吸湿膨張係数は、一定温度下において相対湿度を変化させた時の試料の長さの変化量を示す。
この吸湿膨張係数を調節することで、偏光板保護フィルムの耐久性が良好となり、或は光学補償フィルムの支持体に用いた場合の光学補償機能を維持したまま、額縁状の透過率上昇すなわち歪みによる光漏れを防止することができる。
吸湿膨張係数の測定方法について以下に示す。作製したセルロースアシレートフィルムから幅5mm、長さ20mmの試料を切り出し、片方の端を固定して25℃、20%RH(R0)の雰囲気下にぶら下げる。他方の端に0.5gの重りをぶら下げて、10分間放置し長さ(L0 )を測定した。次に、温度は25℃のまま、湿度を80%RH(R1)にして、長さ(L1)を測定する。吸湿膨張係数は下式により算出する。測定は同一試料につき10サンプル行い、平均値を採用する。
吸湿膨張係数[/%RH]={(L1−L0)/L0}/(R1−R0)
作製したセルロースアシレートフィルムの吸湿による寸度変化を小さくするには、本発明の可塑剤或は微粒子等を添加することにより可能となる。分子中にバルキーで疎水性を有する多環式脂環式構造の可塑剤が有効に作用すると思われる。又、セルロースアシレートフィルム中の残留溶剤量が少なくして自由体積を小さくすることが挙げられる。具体的には、セルロースアシレートフィルムに対する残留溶剤量が、0.00.01〜1.5質量%の範囲となる条件で乾燥することが好ましい。より好ましくは0.01〜1.0質量%である。

0062

(フィルムの透湿度及び含水量)
上記セルロースアシレートフィルムの透湿度は、JIS規格JISZ0208、B条件(温度40℃、湿度90%RH)において、2〜150g/m2・24hであることが好ましい。10〜120g/m2・24hであることがより好ましく、10〜100g/m2・24hであることが特に好ましい。この範囲において、偏光板の保護フィルムとして液晶表示装置に組み込まれた場合、色味の変化や視野角の低下を引き起こすことがなく、また、2g/m2・24h以上とすることにより、偏光素子の両面などに貼り付けて偏光板を作製する場合に、セルロースアシレートフィルムにより接着剤の乾燥が妨げられることがなく、接着不良を生じることがなくなる。
透湿度の測定法は、「高分子の物性II」(高分子実験講座4 共立出版)の285頁〜294頁:蒸気透過量の測定(質量法温度計法、蒸気圧法吸着量法)に記載の方法を適用することができる。
本発明の偏光板の支持体として構成されるセルロースアシレートフィルムの含水量は、ポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマーとの接着性を損なわないために、膜厚のいかんに関わらず、30℃85%RH下で0.3〜12g/m2であることが好ましい。0.5〜5g/m2であることがより好ましい。12g/m2より大きいとレターデーション湿度変化による依存性も大きくなりすぎてしまい好ましくない。

0063

[上側偏光板]
液晶表示装置に用いた場合に視認者側に位置する上側の偏光板について説明する。上側の偏光板は、偏光素子の視認者側に上記透明支持体と反射防止膜が積層されてなる反射防止機能付きの偏光板である。さらに該偏光素子の反射防止膜と反対側(液晶セル側)の透明支持体上に、光学補償フィルムを積層してなるのが好ましい。
このような偏光板は、上記透明支持体上に反射防止膜を積層したものを偏光板にそれぞれの透明支持体同士で貼り合わせたもの、或は偏光板の支持体上に直接に反射防止膜を設けたものの何れの態様でもよい。好ましくは、後者(即ち、「反射防止膜/透明支持体/偏光素子/透明支持体」の構成)の積層一体化された偏光板であり、これにより偏光板の薄層化、軽量化並びにコストの低減が可能となる。

0064

(反射防止膜)
上記反射防止膜は、透明支持体の屈折率よりも低屈折率の低屈折率層を最上層に有する。そして、該低屈折率層は、平均粒径が該低屈折率層の厚みの30%〜100%であり且つ屈折率が1.17〜1.40である中空構造の無機微粒子を少なくとも1種含有して成る。
<反射防止膜の層構成
本発明に係る反射防止膜は、透明支持体上に少なくとも該透明支持体よりも低屈折率の上記の低屈折率層を設けてなり、好ましくは、該透明支持体よりも高屈折率の高屈折率層と該低屈折率層とを透明支持体上に二層以上積層してなる多層型反射防止膜である。また、高屈折率層が高屈折率の防眩性層である構成も好ましく採用することができる。
層積層から成る反射防止膜は、透明支持体、高屈折率層、低屈折率層(最外層)の順序の層構成を有する。透明支持体、高屈折率層および低屈折率層は以下の関係を満足する屈折率を有する。なお、本明細書において、2層積層、3層積層などと言うときは、積層の数のなかに透明支持体は含まれない。
高屈折率層の屈折率>透明支持体の屈折率>低屈折率層の屈折率
また、透明支持体と高屈折率層の間に、ハードコート層を設けてもよい。更には、ハードコート層は、高屈折率ハードコート層であってもよいし、或いは防眩性高屈折率ハードコート層であってもよい。
なお、ここで記載した高屈折率、中屈折率、低屈折率とは層相互の相対的な屈折率の高低をいう。

0065

少なくとも3層積層から成る反射防止膜は、例えば透明支持体、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層(最外層)の順序の3層積層構造を有する。透明支持体、中屈折率層、高屈折率層および低屈折率層は、以下の関係を満足する屈折率を有する。
高屈折率層の屈折率>中屈折率層の屈折率>透明支持体の屈折率>低屈折率層の屈折率
また、透明支持体と中屈折率層の間に、ハードコート層を設けてもよい。更には、中屈折率層はハードコート層、即ち中屈折率ハードコート層であってもよい。
このような3層構成の反射防止膜は、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層のそれぞれの層の光学膜厚、すなわち屈折率と膜厚の積が設計波長λに対してλ/4前後、またはその倍数であることが好ましいことが特開昭59-50401号公報に記載されている。
更には、特に設計波長λに対して中屈折率層が下式(I)を、高屈折率層が下式(II)を、低屈折率層が下式(III)をそれぞれ満足することが好ましい。
式(I)
(lλ/4)×0.80<n1d1<(lλ/4)×1.00
式(II)
(mλ/4)×0.75<n2d2<(mλ/4)×0.95
式(III)
(nλ/4)×0.95<n3d3<(nλ/4)×1.05
(但し、式中、lは1であり、n1は中屈折率層の屈折率であり、そして、d1は中屈折率層の層厚(nm)であり、mは2であり、n2は高屈折率層の屈折率であり、そして、d2は高屈折率層の層厚(nm)であり、nは1であり、n3は低屈折率層の屈折率であり、そして、d3は低屈折率層の層厚(nm)である)。設計波長は400〜680nmの範囲が好ましく、より好ましくは450〜600nmの範囲であり、さらに好ましくは500〜550nmである。

0066

更に、例えばトリアセチルセルロース(屈折率:1.48)からなるような屈折率が1.45〜1.55の透明支持体に対しては、n1は1.60〜1.65、n2は1.85〜1.95、n3は1.35〜1.45の屈折率であることが特に好ましく、ポリエチレンテレフタレート(屈折率:1.66)からなるような屈折率が1.55〜1.70の透明支持体に対しては、 n1は1.65〜1.75、n2は1.85〜2.05、n3は1.35〜1.45の屈折率であることが特に好ましい。
上記のような屈折率を有する中屈折率層や高屈折率層の素材が選択できない場合には、設定屈折率よりも高い屈折率を有する層と低い屈折率を有する層を複数層組み合わせた良く知られた等価膜の原理を用いて、実質的に設定屈折率の中屈折率層あるいは高屈折率層と光学的に等価な層を形成できるので、本発明の反射率特性を実現するためにも用いることができる。上記の「少なくとも3層積層から成る反射防止膜」とは、このような等価膜を用いた4層、5層の反射防止膜も含むものである。
これにより、反射防止膜の反射光の色味がニュートラルとなり、表示装置の表示画像の視認性が優れたものとなる。

0067

<低屈折率層>
以下、まず、本発明において必須の層である低屈折率層について説明する。
低屈折率層は、反射防止性を付与する目的で、反射防止膜の最外層に設けられる。
低屈折率層の屈折率は、好ましくは1.31〜1.48である。
低屈折率層の屈折率は、式(IV)を満すことが好ましい。

0068

式(IV) (pλ/4)×0.7<n4d4<(pλ/4)×1.3

0069

式中、pは正の奇数(一般に1)であり、n4は低屈折率層の屈折率であり、そして、d4は低屈折率層の膜厚(nm)である。また、λは可視光線の波長であり、450〜650(nm)の範囲の値である。
なお、上記式(IV)を満たすとは、上記波長の範囲において式(IV)を満たすp(正の奇数、通常1である)が存在することを意味している。

0070

本発明の低屈折率層は、耐擦傷性防汚性を有する最外層として構築される。
そして、該低屈折率層は、平均粒径が該低屈折率層の厚みの30%〜100%、且つ屈折率1.17〜1.40である中空構造の無機微粒子を少なくとも1種含有して成ることを特徴とする。
上記平均粒径が、30%〜100%の範囲であると、膜の強度が十分に発現されて、好ましい。
また、屈折率が1.17〜1.40の範囲であると、無機粒子を用いた低屈折率層の屈折率の調整が容易となり、それにより膜の強度が著しく向上され、好ましい。

0071

硬化膜形成用素材
更に、上記低屈折率層は、低屈折率を実現し、且つ表面への滑り性付与が有効で耐擦傷性を大きく向上させる手段として、従来公知のシリコーンの導入及び/又はフッ素の導入された硬化膜形成用素材を適宜適用することが好ましい。特に、含フッ素化合物を含有することが好ましい。特に、本発明における低屈折率層は、熱硬化性並びに光または放射線(例えば電離放射線硬化型架橋性の含フッ素化合物を主体として形成され硬化した含フッ素ポリマーにより構成されているのが好ましい。
そのため、本発明においては、上記低屈折率層は、上記無機微粒子、酸触媒の存在下で製造されてなる、下記一般式[A]で表されるオルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物、及び硬化性反応基を有する含フッ素ポリマーを、各々少なくとも1種含有する硬化性組成物を塗布し硬化して形成される硬化膜であるのが好ましい。
一般式[A]
(R10)α−Si(X)4-α
(式中、R10は置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を表す。Xは水酸基または加水分解可能な基を表す。αは1〜3の整数を表す。)
また、上記の硬化性組成物が、更に、ラジカル重合性基及び/又はカチオン重合性基から選ばれる重合性基を少なくとも2個以上含有する多官能重合性化合物及び重合開始剤を含有するのが好ましい。

0072

以下、上記硬化性組成物について説明する。
「中空構造の無機微粒子」
上記低屈折率層はその屈折率上昇をより一層少なくするために、中空の無機微粒子を用いることを特徴とする。中空の無機微粒子は屈折率が1.17〜1.40、好ましくは1.17〜1.35、さらに好ましくは1.17〜1.30である。ここでの屈折率は粒子全体として屈折率を表し、中空の無機微粒子を形成している外殻のみの屈折率を表すものではない。
この時、粒子内の空腔の半径をa、粒子外殻の半径をbとすると、下記式(V)で表される空隙率w(%)は以下の通り計算される。

0073

式(V) : w=(4πa3/3)/(4πb3/3)×100

0074

空隙率は、好ましくは10〜60%、さらに好ましくは20〜60%、最も好ましくは30〜60%である。
中空の無機微粒子をより低屈折率に、より空隙率を大きくしようとすると、外殻の厚みが薄くなり、粒子の強度が弱くなるため、耐擦傷性の観点から1.17未満とはできない。
該低屈折率層中の中空の無機微粒子の平均粒径は、該低屈折率層の厚みの30%以上100%以下であり、好ましくは35%以上80%以下、更に好ましくは40%以上60%以下である。即ち、低屈折率層の厚みが100nmであれば、無機微粒子の粒径は30nm以上100nm以下であり、好ましくは35nm以上80nm以下、更に好ましくは、40nm以上60nm以下である。
なお、これら中空の無機微粒子の屈折率はアッベ屈折率計(アタゴ(株)製)にて測定をおこなうことができる。

0075

上記無機微粒子としては、二酸化珪素シリカ)、含フッ素粒子(フッ化マグネシウムフッ化カルシウム、フッ化バリウム)等の粒子が好ましい。特に好ましくは二酸化珪素(シリカ)粒子である。
無機微粒子の形状は米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状、短繊維状リング状、あるいは不定形状であることが好ましい。

0076

[小サイズ粒径の無機微粒子]
また、平均粒径が低屈折率層の厚みの25%未満である無機微粒子(以下、「小サイズ粒径の無機微粒子」と称す)の少なくとも1種を上記の粒径の無機微粒子(以下、この本発明の必須の無機微粒子を「大サイズ粒径の無機微粒子」と称すこともある)と併用することが好ましい。この小サイズ粒径の無機微粒子は中空構造をもたないものでよい。
小サイズ粒径の無機微粒子は、大サイズ粒径の無機微粒子同士の隙間に存在することができるため、大サイズ粒径の無機微粒子の保持剤として寄与することができ、好ましい。また、原料コストの点でも好ましい。
小サイズ粒径の無機微粒子の平均粒径は、低屈折率層が100nmの場合、1nm以上20nm以下が好ましく、5nm以上15nm以下が更に好ましく、10nm以上15nm以下が特に好ましい。
小サイズ粒径の無機微粒子の使用量は、大サイズ粒径の無機微粒子(中空構造の無機微粒子)100質量部に対して5〜100質量部が好ましく、より好ましくは10〜80質量部である。
具体的な化合物としては、前記の中空構造の無機微粒子で例示したと同様のものが挙げられる。特に好ましくは、ケイ素の酸化物が挙げられる。

0077

[無機微粒子の分散物]
上記した中空構造の無機微粒子、及び小サイズ粒径の無機微粒子のいずれの無機微粒子も、分散液中あるいは硬化性組成物溶液中で、分散安定化を図るために、あるいはバインダー成分との親和性、結合性を高めるために、プラズマ放電処理コロナ放電処理のような物理的表面処理界面活性剤やカップリング剤等による化学的表面処理がなされていても良い。カップリング剤の使用が特に好ましい。カップリング剤としては、アルコキシメタル化合物(例、チタンカップリング剤、シランカップリング剤)が好ましく用いられる。なかでも、シランカップリング剤による処理が特に好ましい。
上記カップリング剤は、低屈折率層の無機微粒子の表面処理剤として硬化性組成物溶液調製以前にあらかじめ表面処理を施すために用いられるが、該層塗布液調製時にさらに添加剤として添加して該層に含有させることが好ましい。
無機微粒子は、表面処理前に、媒体中に予め分散されていることが、表面処理の負荷軽減のために好ましい。
上記無機微粒子の配合割合は、上記低屈折率層全組成物100質量部に対して5〜90質量部とするのが膜の透明性、膜の強度等の点から好ましく、20〜60質量部とするのがさらに好ましい。又、中空構造の無機微粒子と他の粒子を配合する場合は、全粒子中の中空構造の無機微粒子は5〜95質量部が好ましく、より好ましくは10〜90質量部、特に好ましくは30〜80質量部である。

0078

「含フッ素ポリマー」
前述の通り、本発明における低屈折率層は、熱硬化性並びに光または放射線(例えば電離放射線)硬化型の架橋性の含フッ素化合物を主体として形成され硬化した含フッ素ポリマーにより構成されているのが好ましい。
本発明において、「含フッ素化合物を主体とする」とは、低屈折率層中に含まれる含フッ素化合物が低屈折率層の全質量に対し、50質量%以上であることを意味し、60質量%以上含まれることがより好ましい。
含フッ素化合物の屈折率は1.35〜1.50であることが好ましい。より好ましくは1.36〜1.47である。また、含フッ素化合物はフッ素原子を35〜80質量%の範囲で含むことが好ましい。
含フッ素化合物には、含フッ素ポリマー、含フッ素界面活性剤含フッ素エーテル含フッ素シラン化合物等が挙げられる。具体的には、例えば特開平9−222503号公報段落番号[0018]〜[0026]、同11−38202号公報 段落番号[0019]〜[0030]、同2001−40284号公報 段落番号[0027]〜[0028]等の記載の化合物等が挙げられる。
上記含フッ素ポリマーとしては、フッ素原子を含む繰り返し構造単位、架橋性若しくは重合性官能基を含む繰り返し構造単位、それ以外の置換基からなる繰り返し構造単位からなる共重合体が好ましい。すなわち、含フッ素モノマー架橋性基付与のためのモノマーとの共重合体、すなわち、架橋性もしくは重合性の官能基である硬化性反応基を有する含フッ素ポリマーが好ましく、さらにその他のモノマーが共重合された含フッ素ポリマーを用いてもよい。
架橋性若しくは重合性の官能基としては従来公知の官能基の何れでも良い。
架橋性の官能基の例には、イソシアナート基エポキシ基アジリジン基オキサゾリン基アルデヒド基カルボニル基ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基および活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン酸酸無水物シアノアクリレート誘導体メラミンエーテル化メチロール、エステルおよびウレタン、テトラメトキシシランのような金属アルコキシドも、架橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。すなわち、本発明において架橋性官能基は、すぐには反応を示すものではなくとも、分解した結果反応性を示すものであってもよい。これら架橋性官能基を有する化合物は塗布後、加熱することによって架橋構造を形成することができる。

0079

重合性の官能基としては、ラジカル重合性基、カチオン重合性基が挙げられる。
好ましくは、ラジカル重合性基(例えば、(メタ)アクリロイル基スチリル基ビニルオキシ基等)、カチオン重合性基(例えば、エポキシ基、チオエポキシ基オキセタニル基等)が挙げられる。
其の他の繰り返し構造単位としては、溶剤可溶化のために炭化水素系共重合成分により形成される繰り返し構造単位が好ましく、このような構造単位をポリマー全体中50質量%程度導入したフッ素系ポリマーが好ましい。この際には、シリコーン化合物と組み合わせることが好ましい。

0080

シリコーン化合物としては、ポリシロキサン構造を有する化合物であり、高分子鎖中に硬化性官能基あるいは重合性官能基を含有して、膜中で橋かけ構造を有するものが好ましい。例えば、上市品のサイラプレーン(チッソ(株)製等)等の反応性シリコーン、特開平11−258403号公報に記載のポリシロキサン構造の両末端にシラノール基含有の化合物等が挙げられる。

0081

架橋又は重合性基を有する含フッ素ポリマーの架橋又は重合反応は、最外層を形成するための硬化性組成物を塗布と同時または塗布後に光照射や加熱することにより実施することが好ましい。
この際、用いることのできる重合開始剤は後述する。
紫外線照射により重合反応を行なう場合には、従来公知の紫外線分光増感剤化学増感剤を併用してもよい。例えばミヒラーズケトン、アミノ酸グリシンなど)、有機アミンブチルアミンジブチルアミンなど)等が挙げられる。

0083

上記のポリマーに対しては特開平10−25388号および特開平10−147739号各公報に記載のごとく適宜硬化剤を併用しても良い。

0084

又、低屈折率層としては、シランカップリング剤等の有機金属化合物と特定のフッ素含有炭化水素基含有のシランカップリング剤とを触媒共存下に縮合反応で硬化して形成されるゾルゲル硬化膜も好ましく用いられる。
例えば、ポリフルオロアルキル基含有シラン化合物またはその部分加水分解縮合物(特開昭58−142958号公報、同58−147483号公報、同58−147484号公報等記載の化合物)、特開平9−157582号公報記載のパーフルオロアルキル基含有シランカップリング剤、フッ素含有長鎖基であるポリ「パーフルオロアルキルエーテル」基を含有するシリル化合物(特開2000−117902号公報、同2001−48590号公報、同2002−53804号公報記載の化合物等)等が挙げられる。
併用する触媒としては、従来公知の化合物が挙げられ、上記文献中に記載のものが好ましく挙げられる。

0085

本発明で特に有用な硬化性反応基を有する含フッ素ポリマーとしては、パーフルオロオレフィンとビニルエーテル類またはビニルエステル類のランダム共重合体が挙げられる。特に単独で架橋反応可能な基((メタ)アクリロイル基等のラジカル反応性基、エポキシ基、オキセタニル基等の開環重合性基等)を有していることが好ましい。これらの架橋反応性基含有重合単位はポリマーの全重合単位の5〜70mol%を占めていることが好ましく、特に好ましくは30〜60mol%を占めていることである。

0086

本発明に用いられる共重合体の好ましい態様として前記一般式1で表される化合物が挙げられる。

0087

0088

一般式1中、Lは炭素数1〜10の連結基を表し、より好ましくは炭素数1〜6の連結基であり、特に好ましくは2〜4の連結基であり、直鎖であっても分岐構造を有していてもよく、環構造を有していてもよく、O、N、Sから選ばれるヘテロ原子を有していても良い。
好ましい例としては、*−(CH2)2−O−**、*−(CH2)2−NH−**、*−(CH2)4−O−**、*−(CH2)6−O−**、*−(CH2)2−O−(CH2)2−O−**、*−CONH−(CH2)3−O−**、*−CH2CH(OH)CH2−O−**、*−CH2CH2OCONH(CH2)3−O−**(*はポリマー主鎖側の連結部位を表し、**は(メタ)アクリロイル基側の連結部位を表す。)等が挙げられる。mは0または1を表わす。

0089

一般式1中、Xは水素原子またはメチル基を表す。硬化反応性の観点から、より好ましくは水素原子である。

0090

一般式1中、Aは任意のビニルモノマーから導かれる繰返し単位を表わし、ヘキサフルオロプロピレンと共重合可能な単量体の構成成分であれば特に制限はなく、基材への密着性、ポリマーのTg(皮膜硬度に寄与する)、溶剤への溶解性、透明性、滑り性、防塵・防汚性等種々の観点から適宜選択することができ、目的に応じて単一あるいは複数のビニルモノマーによって構成されていても良い。
好ましい例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテルシクロキシルビニルエーテルイソプロピルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、グリシジルビニルエーテル、アリルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、メチル(メタ)アクリレートエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジルメタアクリレート、アリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリレート類、スチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン等のスチレン誘導体、クロトン酸マレイン酸イタコン酸等の不飽和カルボン酸およびその誘導体等を挙げることができるが、より好ましくはビニルエーテル誘導体ビニルエステル誘導体であり、特に好ましくはビニルエーテル誘導体である。

0091

x、y、zはそれぞれの構成成分のモル%を表わし、30≦x≦60、5≦y≦70、0≦z≦65を満たす値を表す。好ましくは、35≦x≦55、30≦y≦60、0≦z≦20の場合であり、特に好ましくは40≦x≦55、40≦y≦55、0≦z≦10の場合である。但し、x+y+z=100である。

0092

本発明に用いられる共重合体の特に好ましい態様として下記一般式2で表される化合物が挙げられる。

0093

0094

一般式2においてX、x、yは一般式1と同じ意味を表し、好ましい範囲も同じである。
nは2≦n≦10の整数を表し、2≦n≦6であることが好ましく、2≦n≦4であることが特に好ましい。
Bは任意のビニルモノマーから導かれる繰返し単位を単位を表わし、単一組成であっても複数の組成によって構成されていても良い。例としては、前記一般式1におけるAの例として説明したものが挙げられる。
z1およびz2はそれぞれの繰返し単位のmol%を表わし、0≦z1≦65、0≦z2≦65を満たす値を表す。それぞれ0≦z1≦30、0≦z2≦10であることが好ましく、0≦z1≦10、0≦z2≦5であることが特に好ましい。但し、x+y+z1+z2=100である。

0095

一般式1又は2で表される共重合体は、例えば、ヘキサフルオロプロピレン成分とヒドロキシアルキルビニルエーテル成分とを含んでなる共重合体に前記のいずれかの手法により(メタ)アクリロイル基を導入することにより合成できる。
以下に本発明で有用な共重合体の好ましい具体例を示すが本発明はこれらに限定されるものではない。

0096

0097

0098

0099

0100

0101

本発明に好ましく用いられる共重合体の合成は、種々の重合方法、例えば溶液重合沈澱重合懸濁重合沈殿重合塊状重合乳化重合によって水酸基含有重合体等の前駆体を合成した後、高分子反応によって(メタ)アクリロイル基を導入することにより行なうことができる。重合反応は回分式、半連続式、連続式等の公知の操作で行なうことができる。

0102

重合の開始方法ラジカル開始剤を用いる方法、光または放射線を照射する方法等がある。これらの重合方法、重合の開始方法は、例えば鶴田禎二「高分子合成方法」改定版(日刊工業新聞社刊、1971)や大津隆行、木下雅悦共著「高分子合成の実験法化学同人、昭和47年刊、124〜154頁に記載されている方法が挙げられる。

0103

上記重合方法のうち、特にラジカル開始剤を用いた溶液重合法が好ましい。溶液重合法で用いられる溶剤は、例えば酢酸エチル酢酸ブチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフランジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドベンゼントルエンアセトニトリル塩化メチレンクロロホルムジクロロエタンメタノール、エタノール、1−プロパノール2−プロパノール、1−ブタノールのような種々の有機溶剤の単独あるいは2種以上の混合物でも良いし、水との混合溶媒としても良い。

0104

重合温度は生成するポリマーの分子量、開始剤の種類などと関連して設定する必要があり0℃以下から100℃以上まで可能であるが、50〜100℃の範囲で重合を行なうことが好ましい。

0105

反応圧力は、適宜選定可能であるが、通常は、1〜100kg/cm2、特に、1〜30kg/cm2程度が望ましい。反応時間は、5〜30時間程度である。

0106

得られたポリマーの再沈殿溶媒としては、イソプロパノールヘキサン、メタノール等が好ましい。

0107

オルガノシラン化合物
次に、上記一般式[A]で表されるオルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物について説明する。
一般式[A]
(R10)α−Si(X)4-α
前記一般式〔A〕において、R10は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。アルキル基としてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヘキシル、デシル、ヘキサデシル等が挙げられる。アルキル基として好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは1〜6のものである。アリール基としてはフェニル、ナフチル等が挙げられ、好ましくはフェニル基である。
Xは、水酸基または加水分解可能な基を表し、例えばアルコキシ基(炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましい。例えばメトキシ基エトキシ基等が挙げられる)、ハロゲン原子(例えばCl、Br、I等)、及びR12COO(R12は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。例えばCH3COO、C2H5COO等が挙げられる)で表される基が挙げられ、好ましくはアルコキシ基であり、特に好ましくはメトキシ基またはエトキシ基である。
αは1〜3の整数を表し、好ましくは1または2であり、特に好ましくは1である。

0108

R10あるいはXが複数存在するとき、複数のR10あるいはXはそれぞれ同じであっても異なっていても良い。
R10に含まれる置換基としては特に制限はないが、ハロゲン原子(フッ素、塩素臭素等)、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基(メチル、エチル、i−プロピル、プロピル、t−ブチル等)、アリール基(フェニル、ナフチル等)、芳香族ヘテロ環基フリルピラゾリルピリジル等)、アルコキシ基(メトキシエトキシ、i−プロポキシヘキシルオキシ等)、アリールオキシフェノキシ等)、アルキルチオ基メチルチオエチルチオ等)、アリールチオ基フェニルチオ等)、アルケニル基(ビニル、1−プロペニル等)、アシルオキシ基アセトキシアクリロイルオキシメタクリロイルオキシ等)、アルコキシカルボニル基メトキシカルボニルエトキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(フェノキシカルボニル等)、カルバモイル基カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N−メチル−N−オクチルカルバモイル等)、アシルアミノ基アセチルアミノベンゾイルアミノ、アクリルアミノ、メタクリルアミノ等)等が挙げられ、これら置換基は更に置換されていても良い。

0109

R10が複数ある場合は、少なくとも一つが置換アルキル基もしくは置換アリール基であることが好ましい。
前記一般式〔A〕で表されるオルガノシラン化合物の中でも、下記一般式〔A−1〕で表されるビニル重合性の置換基を有するオルガノシラン化合物が好ましい。

0110

0111

前記一般式〔A−1〕において、R1は水素原子、メチル基、メトキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、フッ素原子、または塩素原子を表す。アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基エトキシカルボニル基などが挙げられる。水素原子、メチル基、メトキシ基、メトキシカルボニル基、シアノ基、フッ素原子、および塩素原子が好ましく、水素原子、メチル基、メトキシカルボニル基、フッ素原子、および塩素原子が更に好ましく、水素原子およびメチル基が特に好ましい。
Yは単結合もしくは*-COO-**、*-CONH-**又は*-O-**を表し、単結合、*-COO-**および*-CONH-**が好ましく、単結合および*-COO-**が更に好ましく、*-COO-**が特に好ましい。*は=C(R1)−に結合する位置を、**はLに結合する位置を表す。

0112

Lは2価の連結鎖を表す。具体的には、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、内部に連結基(例えば、エーテル、エステル、アミドなど)を有する置換もしくは無置換のアルキレン基、内部に連結基を有する置換もしくは無置換のアリーレン基が挙げられ、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、内部に連結基を有するアルキレン基が好ましく、無置換のアルキレン基、無置換のアリーレン基、内部にエーテルあるいはエステル連結基を有するアルキレン基が更に好ましく、無置換のアルキレン基、内部にエーテルあるいはエステル連結基を有するアルキレン基が特に好ましい。置換基は、ハロゲン、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基、アリール基等が挙げられ、これら置換基は更に置換されていても良い。

0113

nは0または1を表す。Xが複数存在するとき、複数のXはそれぞれ同じであっても異なっていても良い。nとして好ましくは0である。
R10は一般式〔A〕と同義であり、置換もしくは無置換のアルキル基、無置換のアリール基が好ましく、無置換のアルキル基、無置換のアリール基が更に好ましい。
Xは一般式〔A〕と同義であり、ハロゲン原子、水酸基、無置換のアルコキシ基が好ましく、塩素原子、水酸基、無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基が更に好ましく、水酸基、炭素数1〜3のアルコキシ基が更に好ましく、メトキシ基が特に好ましい。

0114

一般式〔A〕、一般式〔A−1〕の化合物は2種類以上を併用しても良い。以下に一般式〔A〕、一般式〔A−1〕で表される化合物の具体例を示すが、限定されるものではない。

0115

0116

0117

これらのうち、(M−1)、(M−2)、および(M−5)が特に好ましい。

0118

そして、前記オルガノシラン化合物の加水分解物および/または部分縮合物は、一般に前記オルガノシラン化合物を触媒の存在下で処理して製造されるものである。触媒としては、塩酸硫酸硝酸等の無機酸類シュウ酸酢酸ギ酸メタンスルホン酸トルエンスルホン酸等の有機酸類水酸化ナトリウム水酸化カリウムアンモニア等の無機塩基類;トリエチルアミンピリジン等の有機塩基類;トリイソプロポキシアルミニウムテトラブトキシジルコニウム等の金属アルコキシド類;Zr、Ti又はAlなどの金属を中心金属とする金属キレート化合物等が挙げられる。本発明においては、無機酸類及び有機酸類の酸触媒を用いるのが好ましい。中でも、無機酸では塩酸、硫酸が好ましく、有機酸では、水中での酸解離定数(pKa値(25℃))が4.5以下のものが好ましく、更には、塩酸、硫酸、水中での酸解離定数が3.0以下の有機酸が好ましく、特に、塩酸、硫酸、水中での酸解離定数が2.5以下の有機酸が好ましく、水中での酸解離定数が2.5以下の有機酸が更に好ましく、具体的には、メタンスルホン酸、シュウ酸、フタル酸マロン酸が更に好ましく、シュウ酸が特に好ましい。
低屈折率層における、含フッ素ポリマーに対するオルガノシランのゾル成分の使用量は、5〜100質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、8〜35質量%が更に好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。使用量が少ないと本発明の効果が得にくく、使用量が多すぎると屈折率が増加したり、膜の形状・面状が悪化したりするので好ましくない。

0119

「多官能重合性化合物」
前述したように、上記硬化性組成物には、更に多官能重合性化合物を添加することもできる。
多官能重合性化合物としては、ラジカル重合性官能基及び/またはカチオン重合性官能基のいずれでも2個以上重合性基を含有してよい。ラジカル重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニルオキシ基、スチリル基、アリル基等のエチレン性不飽和基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
分子内に2個以上のラジカル重合性基を含有する多官能モノマーを含有することが好ましい。
ラジカル重合性基を有するラジカル重合性多官能モノマーとしては、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも2個有する化合物から選ばれることが好ましい。好ましくは、分子中に2〜6個の末端エチレン性不飽和結合を有する化合物である。このような化合物群ポリマー材料分野において広く知られるものであり、本発明においては、これらを特に限定なく用いることができる。これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、またはそれらの混合物並びにそれらの共重合体などの化学的形態をもつことができる。

0120

ラジカル重合性多官能モノマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が挙げられる。また、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル類やアミド類と、単官能もしくは多官能イソシアネート類エポキシ類との付加反応物、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアナート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類アミン類及びチオール類との反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。

0121

脂肪族多価アルコール化合物としては、アルカンジオールアルカントリオールシクロヘキサンジオールシクロヘキサントリオールイノシットール、シクロヘキサンジメタノールペンタエリスリトールソルビトールジペンタエリスリトールトリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセリン等が挙げられる。これら脂肪族多価アルコール化合物と、不飽和カルボン酸との重合性エステル化合物モノエステルまたはポリエステル)の例として、例えば、特開2001−139663号公報明細書段落番号[0026]〜[0027]記載の化合物が挙げられる。
その他の重合性エステルの例としては、例えば、ビニルメタクリレートアリルメタクリレートアリルアクリレート特公昭46−27926号、特公昭51−47334号、特開昭57−196231号記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開平2−226149号等記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号記載のアミノ基を有するもの等も好適に用いられる。

0122

また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とから形成される重合性アミドの具体例としては、メチレンビス−(メタ)アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミントリス(メタ)アクリルアミド、キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、特公昭54−21726号記載のシクロヘキシレン構造を有するもの等を挙げることができる。

0123

また、1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物(特公昭48−41708号公報等)、ウレタンアクリレート類(特公平2−16765号等)、エチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物(特公昭62−39418号等)、ポリエステルアクリレート類(特公昭52−30490号等))、更に、日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308頁(1984年)に記載の光硬化性モノマー及びオリゴマーも使用することができる。
これらラジカル重合性多官能モノマーは、二種類以上を併用してもよい。

0124

次に、カチオン重合性基含有の化合物(以下、「カチオン重合性化合物」または「カチオン重合性有機化合物」とも称する)について説明する。
本発明に用いられるカチオン重合性化合物は、活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤の存在下に活性エネルギー線を照射したときに重合反応及び/または架橋反応を生ずる化合物のいずれもが使用でき、代表例としては、エポキシ化合物、環状チオエーテル化合物環状エーテル化合物スピロオルソエステル化合物、ビニル炭化水素化合物ビニルエーテル化合物などを挙げることができる。本発明では前記したカチオン重合性有機化合物のうちの1種を用いても2種以上を用いてもよい。

0125

カチオン重合性基含有化合物としては、1分子中のカチオン重合性基の数は2〜10個が好ましく、特に好ましくは2〜5個である。
上記エポキシ化合物としては脂肪族エポキシ化合物及び芳香族エポキシ化合物が挙げられる。
脂肪族エポキシ化合物としては、例えば、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物ポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸ポリグリシジルエステル、グリシジルアクリレートグリシジルメタクリレートホモポリマーコポリマーなどを挙げることができる。さらに、前記のエポキシ化合物以外にも、例えば、脂肪族高級アルコールモノグリシジルエーテル高級脂肪酸グリシジルエステルエポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ブチルエポキシステアリン酸オクチル、エポキシ化アマニ油エポキシ化ポリブタジエンなどを挙げることができる。また、脂環式エポキシ化合物としては、少なくとも1個の脂環族環を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテル、或いは不飽和脂環族環(例えば、シクロヘキセンシクロペンテンジシクロオクテントリシクロデセン等)含有化合物を過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化して得られるシクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物などを挙げることができる。
また、芳香族エポキシ化合物としては、例えば少なくとも1個の芳香核を有する1価または多価フェノール或いはそのアルキレンオキサイド付加体モノまたはポリグリシジルエーテルを挙げることができる。これらのエポキシ化合物として、例えば、特開平11−242101号公報段落番号〔0084〕〜〔0086〕記載の化合物、特開平10−158385号公報 段落番号〔0044〕〜〔0046〕記載の化合物等が挙げられる。
これらのエポキシ化合物のうち、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。本発明では、上記エポキシ化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。

0126

環状チオエーテル化合物としては、上記のエポキシ環チオエポキシ環となる化合物が挙げられる。
環状エーテル化合物としてはオキセタニル基を含有する化合物が挙げられ、具体的には、例えば特開2000−239309号明細書中の段落番号〔0024〕〜〔0025〕に記載の化合物等が挙げられる。これらの化合物は、エポキシ基含有化合物と併用することが好ましい。

0127

スピロオルソエステル化合物としては、例えば特表2000−506908号公報等記載の化合物を挙げることができる。
ビニル炭化水素化合物としては、スチレン化合物ビニル基置換脂環炭化水素化合物(ビニルシクロヘキサン、ビニルビシクロヘプテン等)、ビニルエーテル化合物としては例えばプロペニル化合物(Journal of PolymerScience:Part A:Polymer Chemistry,Vol.32,2895(1994)記載等)、アルコキシアレン化合物(Journal of Polymer Science:Part A:Polymer Chemistry,Vol.33,2493(1995)記載等)、ビニル化合物(Journal of Polymer Science:Part A:Polymer Chemistry,Vol.34,1015(1996)、特開2002−29162号等記載)、イソプロペニル化合物(Journal ofPolymer Science:Part A:Polymer Chemistry,Vol.34,2051(1996)記載等)等を挙げることができる。
2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
また、多官能重合性化合物は、上記のラジカル重合性基及びカチオン重合性基から選ばれる少なくとも各1種を少なくとも分子内に含有する化合物を用いることが好ましい。例えば、特開平8−277320号明細書中の段落番号〔0031〕〜〔0052〕記載の化合物、特開2000−191737号明細書中の段落番号〔0015〕記載の化合物等が挙げられる。本発明に供される化合物は、これらの限定されるものではない。

0128

上記したラジカル重合性化合物とカチオン重合性化合物とを、ラジカル重合性化合物:カチオン重合性化合物の質量比で、90:10〜20:80の割合で含有していることが好ましく、80:20〜30:70の割合で含有していることがより好ましい。
上記多官能重合性化合物の配合量は、前記含フッ素ポリマー100質量部に対して、0.1〜20質量部とするのが好ましい。

0129

「重合開始剤」
また、上記硬化性組成物には、重合開始剤を混合して用いるのが好ましい。用いることができる重合開始剤としては、熱重合開始剤光重合開始剤などが挙げられる。
本発明の重合開始剤は、光及び/又は熱照射により、ラジカル若しくは酸を発生する化合物であることが好ましい。本発明において用いられる光重合開始剤は、極大吸収波長が400nm以下であることが好ましい。このように吸収波長を紫外線領域にすることにより、取り扱いを白灯下で実施することができる。また、近赤外線領域に極大吸収波長を持つ化合物を用いることもできる。
ラジカルを発生する化合物としては、例えば、従来公知の有機過酸化化合物アゾ系重合開始剤等の熱ラジカル重合開始剤アミン化合物(特公昭44−20189号公報記載)、有機ハロゲン化化合物カルボニル化合物メタロセン化合物ヘキサアリールビイミダゾール化合物有機ホウ酸化合物ジスルホン化合物等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。
又、酸発生剤として、例えば、有機ハロゲン化化合物、ジスルホン化合物が挙げられる。有機ハロゲン化合物、ジスルホン化合物のこれらの具体例は、前記ラジカルを発生する化合物の記載と同様のものが挙げられる。
又、光カチオン重合開始剤を用いることも好ましく、オニウム化合物等が挙げられる。オニウム化合物としては、ジアゾニウム塩アンモニウム塩イミニウム塩ホスホニウム塩ヨードニウム塩スルホニウム塩アルソニウム塩セレノニウム塩等が挙げられ、例えば特開2002−29162号明細書の段落番号〔0058〕〜〔0059〕に記載の化合物等が挙げられる。
上記重合開始剤の配合量は、前記多官能重合性化合物100質量部に対して、0.1〜30質量部とするのが好ましい。好ましくは、1〜20質量部である。

0130

「その他の添加剤」
また、上記低屈折率層には、防汚性、耐水性、耐薬品性、滑り性等の特性を付与する目的で、公知のシリコーン系化合物あるいはフッ素系化合物防汚剤滑り剤等を適宜添加されていることが好ましい。これらの添加剤を添加する場合には硬化性組成物全固形分の0.01〜20質量%の範囲で添加されることが好ましく、より好ましくは0.05〜10質量%の範囲で添加される場合であり、特に好ましくは0.1〜5質量%の場合である。

0131

シリコーン系化合物の好ましい例としてはジメチルシリルオキシ単位を繰り返し単位として複数個含む化合物鎖の末端および/または側鎖に置換基を有するものが挙げられる。ジメチルシリルオキシを繰り返し単位として含む化合物鎖中にはジメチルシリルオキシ以外の構造単位を含んでもよい。置換基は同一であっても異なっていても良く、複数個あることが好ましい。好ましい置換基の例としてはアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリール基、シンナモイル基、エポキシ基、オキセタニル基、水酸基、フルオロアルキル基ポリオキシアルキレン基、カルボキシル基、アミノ基などを含む基が挙げられる。分子量に特に制限はないが、10万以下であることが好ましく、5万以下であることが特に好ましく、3000〜30000であることが最も好ましい。シリコーン系化合物のシリコーン原子含有量には特に制限はないが18.0質量%以上であることが好ましく、25.0〜37.8質量%であることが特に好ましく、30.0〜37.0質量%であることが最も好ましい。好ましいシリコーン系化合物の例としては信越化学(株)製、X−22−174DX、X−22−2426、X−22−164b、X22−164C、X−22−170DX、X−22−176D、X−22−1821(以上商品名)やチッソ(株)製、FM−0725、FM−7725、DMS−U22、RMS−033、RMS−083、UMS−182(以上商品名)などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。

0132

フッ素系化合物としては、フルオロアルキル基を有する化合物が好ましい。該フルオロアルキル基は炭素数1〜20であることが好ましく、より好ましくは1〜10であり、直鎖(例えば−CF2CF3、−CH2(CF2)4H、−CH2(CF2)8CF3、−CH2CH2(CF2)4H等)であっても、分岐構造(例えば−CH(CF3)2、−CH2CF(CF3)2、−CH(CH3)CF2CF3、−CH(CH3)(CF2)5CF2H等)であっても、脂環式構造(好ましくは5員環または6員環、例えばパーフルオロシクロへキシル基、パーフルオロシクロペンチル基またはこれらで置換されたアルキル基等)であっても良く、エーテル結合を有していても良い(例えば−CH2OCH2CF2CF3、−CH2CH2OCH2C4F8H、−CH2CH2OCH2CH2C8F17、−CH2CH2OCF2CF2OCF2CF2H等)。該フルオロアルキル基は同一分子中に複数含まれていてもよい。
フッ素系化合物は、さらに低屈折率層皮膜との結合形成あるいは相溶性に寄与する置換基を有していることが好ましい。該置換基は同一であっても異なっていても良く、複数個あることが好ましい。好ましい置換基の例としてはアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリール基、シンナモイル基、エポキシ基、オキセタニル基、水酸基、ポリオキシアルキレン基、カルボキシル基、アミノ基などが挙げられる。フッ素系化合物はフッ素原子を含まない化合物とのポリマーであってもオリゴマーであってもよく、分子量に特に制限はなく、用いられる。フッ素系化合物のフッ素原子含有量には特に制限は無いが20質量%以上であることが好ましく、30〜70質量%であることが特に好ましく、40〜70質量%であることが最も好ましい。好ましいフッ素系化合物の例としてはダイキン化学工業(株)製、R−2020、M−2020、R−3833、M−3833(以上商品名)、大日本インキ(株)製、メガファックF−171、F−172、F−179A、ディフェンサMCF−300(以上商品名)などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。

0133

防塵性帯電防止等の特性を付与する目的で、公知のカチオン系界面活性剤あるいはポリオキシアルキレン系化合物のような防塵剤、帯電防止剤等を適宜添加することもできる。これら防塵剤、帯電防止剤は前述したシリコーン系化合物やフッ素系化合物にその構造単位が機能の一部として含まれていてもよい。これらを添加剤として添加する場合には硬化性組成物全固形分の0.01〜20質量%の範囲で添加されることが好ましく、より好ましくは0.05〜10質量%の範囲で添加される場合であり、特に好ましくは0.1〜5質量%の場合である。好ましい化合物の例としては大日本インキ(株)製、メガファックF−150(商品名)、東レダウコーニング(株)製、SH−3748(商品名)などが挙げられるが、これらに限定されない。

0134

又、低屈折率層は、ミクロボイドを内包してもよい。具体的には、例えば特開平9−222502号公報、同9−288201、同11−6902号公報等に記載の内容が挙げられる。
また、本発明においては、有機微粒子を用いることもでき、該有機微粒子としては、例えば、特開平11−3820公報の段落番号[0020]〜[0038]に記載の化合物等があげられ、その形状は、上述の無機微粒子と同じである。
低屈折率層の厚さは0.03〜0.2μmが好ましく、0.05〜0.15μmがより好ましい。

0135

「低屈折率層の性状」
上記低屈折率層は、その表面エネルギーが26mN/m以下であることが好ましい。更に好ましくは15〜25.8mN/mである。表面エネルギーをこの範囲にすることが防汚性の点で好ましい。
上記低屈折率層が、含フッ素化合物を含有する熱硬化性並びに光または放射線(例えば電離放射線)硬化型の架橋性含フッ素化合物を含有する含フッ素ポリマーによる硬化膜であることにより防汚性の効果が発現され、好ましい。
特に、最外層となる低屈折率層中に含まれる含フッ素化合物が最外層の全質量に対し、50質量%以上であることで膜表面全体がムラ無く安定した特性を示し、好ましい。
固体の表面エネルギーは、「ぬれ基礎と応用」(リアライズ社 1989.12.10発行)に記載のように接触角法湿潤熱法、および吸着法により求めることができる。本発明のフィルムの場合、接触角法を用いることが好ましい。
具体的には、表面エネルギーが既知である2種の溶液を偏光板保護フィルム面上に滴下し、液滴の表面とフィルム表面との交点において、液滴に引いた接線とフィルム表面のなす角で、液滴を含む方の角を接触角と定義し、計算によりフィルムの表面エネルギーを算出出来る。

0136

又、最表面の水に対する接触角が90゜以上であることが好ましい。更に好ましくは95゜以上であり、特に好ましくは100゜以上である。
又、低屈折率層表面の動摩擦係数は、0.25以下であることが好ましく、0.05〜0.25であることがより好ましい。更に好ましくは0.03〜0.15である。ここで記載した動摩擦係数は、直径5mmのステンレス剛球に0.98Nの荷重をかけ、速度60cm/分で表面を移動させたときの、表面と直径5mmのステンレス剛球の間の動摩擦係数をいう。

0137

低屈折率層の強度は、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
また、JIS K6902に従うテーバー試験での摩耗量は小さいほど好ましい。

0138

[高屈折率層および中屈折率層]
上記反射防止膜が、多層型の態様をとる場合、一般に、低屈折率層、及び低屈折率層より高い屈折率を有する少なくとも一層の層(即ち、前記の高屈折率層、中屈折率層)と共に用いられることが好ましい。
上記高屈折率層は、高屈折率の無機微粒子及びマトリックスバインダーを少なくとも含有する従来公知の硬化膜が挙げられる。

0139

高屈折率の無機微粒子としては、屈折率1.65以上の無機化合物の微粒子が挙げられ、好ましくは屈折率1.9以上のものが挙げられる。
好ましい高屈折率無機微粒子の具体例は、Ti、Zr、Ta、In、Nd、Sn、Sb、Zn,La、W、Ce、Nb、V、Sm、Y等の酸化物或は複合酸化物硫化物を主成分とする粒子が挙げられる。ここで、主成分とは粒子を構成する成分の中で最も含有量(質量%)が多い成分をさす。本発明で好ましいのはTi、Zr、Ta、In、Snから選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む酸化物若しくは複合酸化物を主成分とする粒子である。本発明で使用される無機微粒子には、粒子の中に種々の元素が含有されていても構わない。例えば、Li、Si、Al、B、Ba、Co、Fe、Hg、Ag、Pt、Au、Cr、Bi、P、Sなどが挙げられる。
特に好ましくは、Co、Zr、Alから選ばれる少なくとも1つの元素を含有する二酸化チタンを主成分とする無機微粒子(以降、「特定の酸化物」と称することもある)が挙げられる。特に、好ましい元素はCoである。Tiに対する、Co、Al、Zrの総含有量は、Tiに対し0.05〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%、さらに好ましくは0.2〜7質量%、特に好ましくは0.3〜5質量%、最も好ましくは0.5〜3質量%である。
Co、Al、Zrは、二酸化チタンを主成分とする無機微粒子の内部、あるいはまた、表面に存在する。二酸化チタンを主成分とする無機微粒子の内部に存在することがより好ましく、内部と表面の両方に存在することが最も好ましい。これらの特定の金属元素は、酸化物として存在しても良い。
又、他の好ましい無機微粒子として、チタン元素と酸化物が屈折率1.95以上となる金属元素から選ばれる少なくとも1種の金属元素(以下、「Met」とも略称する)との複合酸化物の粒子で、かつ該複合酸化物はCoイオン、Zrイオン、及びAlイオンから選ばれる金属イオンの少なくとも1種がドープされてなる無機微粒子(「特定の複酸化物」と称することもある)が挙げられる。ここで、該酸化物の屈折率が1.95以上となる金属酸化物の金属元素としては、Ta、Zr、In、Nd、Sb,Sn、及びBiが好ましい。特には、Ta、Zr、Sn、Biが好ましい。複合酸化物にドープされる金属イオンの含有量は、複合酸化物を構成する全金属[Ti+Met]量に対して、25質量%を越えない範囲で含有することが屈折率維持の観点から好ましい。より好ましくは0.05〜10質量%、さらに好ましくは0.1〜5質量%、最も好ましくは0.3〜3質量%である。

0140

ドープした金属イオンは、金属イオン、金属原子の何れのもので存在してもよく、複合酸化物の表面から内部まで適宜に存在する。表面と内部との両方に存在することが好ましい。
このことにより、本発明の特定の酸化物或は特定の複酸化物の無機微粒子は、屈折率が1.90〜2.80を有する。好ましくは、2.10〜2.80であり、更に好ましくは2.20〜2.80である。又、二酸化チタンが有する光触媒活性を抑えることができ、本発明の高屈折率層の耐候性を著しく改良することができる。
上記した特定の金属元素或は金属イオンをドープする方法は、従来公知の方法を用いることができる。例えば、特開平5−330825号公報、同11−263620号公報、特表平11−512336号公報、ヨーロッパ公開特許第0335773号公報等に記載の方法、イオン注入法(例えば、権田俊一、石川順三、上条栄治編「イオンビーム応用技術」((株)シ−エムシー、1989年刊行、青木 康、表面科学、Vol.18,(5)、p.262、1998、安保正一等、表面科学、Vol.20(2)、p.60、1999等記載)等に従って製造できる。

0141

これらの無機化合物粒子は、平均粒径で1から100nmであることが好ましい。1nm以下では、比表面積が大きすぎるために、分散液中での安定性に乏しく、好ましくない。100nm以上では、バインダとの屈折率差に起因する可視光の散乱が発生し、好ましくない。

0142

このような超微粒子とするには、粒子表面が表面処理剤で処理されること(例えば、シランカップリング剤等:特開平11−295503号公報、同11−153703号公報、特開2000−9908、アニオン性化合物或は有機金属カップリング剤:特開2001−310432号公報等)、高屈折率粒子コアとしたコアシェル構造とすること(特開2001−166104号公報等)等が好ましい

0143

又、分散液安定性や、硬化後の膜強度等を確保するために、分散剤とともに湿式分散して超微粒子化することが好ましい。例えばアニオン性基含有化合物、重合性基含有のアニオン性化合物等の分散剤が好ましい。例えば、特開平11−153703号公報、特許番号US6210858B1、特開2002−2776069号公報等に記載の化合物が挙げられる。

0144

マトリックスを形成するためのマトリックスバインダーとしては、熱可塑性皮膜(例、ポリスチレンポリスチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリスチレン以外の芳香環、複素環、脂環式環状基を有するポリマー、またはフッ素以外のハロゲン、硫黄窒素・リン等のヘテロ元素を有するポリマー);皮膜組成物(例、メラミン皮膜、フェノール皮膜、またはエポキシ皮膜などを硬化剤とする皮膜組成物);ウレタン形成性組成物(例、脂環式または芳香族イソシアネートおよびポリオールの組み合わせ)、ラジカル及び/又はカチオン重合性多官能性重合性組成物(上記の化合物(ポリマー等)に二重結合及び又はカチオン重合性基を導入することにより、重合反応硬化を可能にした変性皮膜またはプレポリマーを含む組成物)、或は加水分解性基を含有の有機金属化合物及びその部分縮合体組成物などを挙げることができる。これらの皮膜形成性組成物のいずれを用いてもよいが、高い皮膜形成性を有する材料が好ましい。
ラジカル重合性及び/又はカチオン重合性の重合性基を少なくとも2個以上含有の多官能性化合物、加水分解性基を含有の有機金属化合物及びその部分縮合体組成物から選ばれる少なくとも1種の組成物が好ましい。例えば、特開2001−315242号公報、同2001−31871号公報、同2001−296401号公報等に記載の化合物が挙げられる。
これらの被膜形成用組成物は、重合性化合物とともに重合開始剤、増感剤、有機金属化合物とともに縮合反応用触媒を併用することが好ましい。具体的には、上記の文献中に記載の各化合物が挙げられる。又、金属アルコキドの加水分解縮合物から得られるコロイド状金属酸化物金属アルコキシド組成物から得られる硬化性膜も好ましい。例えば、特開2001−293818号公報等に記載されている。

0145

高屈折率層の屈折率は、−般に1.70〜2.20であり、3層積層からなる反射防止膜の場合には<反射防止膜の層構成>において前記した式を満たすことが好ましい。高屈折率層の厚さは、0.005〜10μmであることが好ましく、0.01〜5μmであることがさらに好ましい。高屈折率層のヘイズは、5%以下であることが好ましく、3%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。具体的な高屈折率層の強度は、1kg荷重鉛筆硬度でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。

0146

中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.50〜1.70であることが好ましい。3層積層からなる反射防止膜の場合には<反射防止膜の層構成>において前記した式を満たすことが好ましい。中屈折率層の厚さは、0.005〜10μmであることが好ましく、0.01〜5μmであることがさらに好ましい。
高屈折率層に無機微粒子とマトリックスバインダーを用い、中屈折率層は、高屈折率層よりも屈折率を低めに調節して形成することが特に好ましい。中屈折率層のヘイズは、3%以下であることが好ましい。中屈折率層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
また、高屈折率層は、防眩性を付与して防眩性層とすることもできる。この場合、被膜形成用組成物に、[アンチグレア機能]において後述する、防眩層用粒子を後述する使用量で用いる方法、或はエンボス加工等により凹凸を賦形する方法等が好ましい。

0147

[反射防止膜の他の層]
上記反射防止膜には、さらに、ハードコート層、プライマー層前方散乱層、帯電防止層、下塗り層や保護層等を設けてもよい。

0148

[ハードコート層]
ハードコート層は、反射防止膜に物理強度を付与するために、透明支持体の表面に設ける。特に、透明支持体と前記高屈折率層の間に設けることが好ましい。
ハードコート層は、光及び/又は熱の硬化性化合物の架橋反応、又は、重合反応により形成されることが好ましい。硬化性化合物が有する硬化性官能基としては、光重合性官能基が好ましく、又加水分解性官能基含有の有機金属化合物は有機アルコキシシリル化合物が好ましい。
これらの化合物の具体例としては、高屈折率層で例示したと同様のものが挙げられる。
ハードコート層は、一次粒子の平均粒径が300nm以下の無機微粒子を含有することが好ましい。より好ましくは10〜150nmである。
無機微粒子はハードコート層の硬度を高くすると共に、塗布層硬化収縮を抑える機能がある。また、ハードコート層の屈折率を制御する目的にも添加される。
ハードコート層の具体的な構成組成物としては、例えば、特開2002−144913号公報、同2000−9908号公報、WO00/46617号公報等記載のものが挙げられる。

0149

前記したように、高屈折率層はハードコート層を兼ねることができる。高屈折率層がハードコート層を兼ねる場合、高屈折率層で記載した手法を用いて微粒子を微細に分散してハードコート層に含有させて形成することが好ましい。
ハードコート層は、さらに後述する平均粒径0.2〜10μmの粒子を含有させて防眩機能を付与した防眩層を兼ねることもできる。
ハードコート層の膜厚は用途により適切に設計することができる。ハードコート層の膜厚は、0.2〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜7μmである。

0150

ハードコート層の強度は、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
また、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。

0151

[前方散乱層]
前方散乱層は、液晶表示装置に適用した場合の、上下左右方向に視角を傾斜させたときの視野角改良効果を付与するために設ける。上記ハードコート層中に屈折率の異なる微粒子を分散することで、ハードコート機能と兼ねることもできる。
例えば、前方散乱係数特定化した特開11−38208号公報、透明樹脂と微粒子の相対屈折率特定範囲とした特開2000−199809号公報、ヘイズ値を40%以上と規定した特開2002−107512号公報等に記載のものが挙げられる。

0152

[反射防止膜の各層の形成]
反射防止膜の各層は、ディップコート法エアーナイフコート法カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコートマイクログラビア法エクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書)により、塗布により形成することができる。ウエット塗布量を最小化することで乾燥ムラをなくす観点でマイクログラビア法およびグラビア法が好ましく、幅方向の膜厚均一性の観点で特にグラビア法が好ましい。2層以上の層を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許2761791号、同2941898号、同3508947号、同3526528号の各明細書および原崎勇次著、コーティング工学、253頁、書店(1973)に記載の方法が挙げられる

0153

[アンチグレア機能(防眩性)]
反射防止膜は、外光を散乱させるアンチグレア機能を有していてもよい。アンチグレア機能は、反射防止膜の表面に凹凸を形成することにより得られる。反射防止膜がアンチグレア機能を有する場合、反射防止膜のヘイズは、3〜50%であることが好ましく、5〜40%であることがさらに好ましく、7〜20%であることが最も好ましい。
防眩性は表面の平均表面粗さ(Ra)と相関している。表面の凹凸は100cm2の面積の中からランダムに1mm2を取り出し、取り出した表面の1mm2の面積当たりに対し、平均表面粗さ(Ra)が0.01〜0.4μmであることが好ましく、より好ましくは0.03〜0.3μm、さらに好ましくは0.05〜0.25μm、特に好ましくは0.07〜0.2μmである。
平均表面粗さ(Ra)に関しては、テクコンパクトシリーズ?(表面粗さの測定・評価法著者;奈良次郎,発行所;(株)総合技術センター)に記載されている。

0154

本発明に用いる反射防止膜の表面の凹と凸の形状は、原子間力顕微鏡(AFM)により評価することが出来る。
反射防止膜表面に凹凸を形成する方法は、これらの表面形状を充分に保持できる方法であればいずれの方法でも適用できる。
例えば、低屈折率層中に微粒子を使用し、それにより膜表面に凹凸を形成する方法(例えば、特開2000−271878号公報等)、低屈折率層の下層(高屈折率層、中屈折率層又はハードコート層)に比較的大きな粒子(粒径0.05〜5μm)を少量(0.1〜50質量%)添加して表面凹凸膜を形成し、その上にこれらの形状を維持して低屈折率層を設ける方法(例えば、特開2000−281410号公報、同2000−95893号公報等)、低屈折率層を塗設後の表面に物理的に凹凸形状を転写する方法[例えば、エンボス加工方法(例、特開昭63−278839号公報、特開平11−183710号公報、特開2000−275401号公報等)、剥離紙転写方法(例、特登3332534号公報等)、粒子スプレー転写方法(例、特開平6−87632号公報等)等が挙げられる。

0155

反射防止膜のいずれかの層に粒子を含有させて防眩層を形成する場合、該防眩層に用いる防眩層用粒子としては、平均粒径が0.2〜10μmの粒子が好ましい。ここでいう平均粒径は、二次粒子(粒子が凝集していない場合は一次粒子)の質量平均径である。
防眩層用粒子としては、無機微粒子と有機粒子が挙げられる。無機微粒子の具体例としては、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化錫、ITO、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、カオリンおよび硫酸カルシウムなどの粒子が挙げられる。二酸化珪素、酸化アルミニウムが好ましい。

0156

有機粒子としては樹脂粒子が好ましい。樹脂粒子の具体例としては、シリコン樹脂メラミン樹脂ベンゾグアナミン樹脂ポリメチルメタクリレート樹脂ポリスチレン樹脂ポリ弗化ビニリデン樹脂から作製される粒子などが挙げられる。好ましくは、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂から作製される粒子であり、特に好ましくはポリメチルメタクリレート樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリスチレン樹脂から作製される粒子である。

0157

凹凸を形成するために防眩層に用いる防眩層用粒子としては、樹脂粒子であるほうが好ましい。
粒子の平均粒径は、好ましくは0.5〜7.0μm、更に好ましくは1.0〜5.0μm、特に好ましくは1.5〜4.0μmである。
粒子の屈折率は1.35〜1.80であることが好ましく、より好ましくは1.40〜1.75、さらに好ましくは1.45〜1.75である。
粒子の粒径分布は狭いほど好ましい。粒子の粒径分布を示すS値は下記式で表され、2以下であることが好ましく、さらに好ましくは1.0以下、特に好ましくは0.7以下である。

0158

S=[D(0.9)−D(0.1)]/D(0.5)
D(0.1):体積換算粒径の積算値の10%相当粒径
D(0.5):体積換算粒径の積算値の50%相当粒径
D(0.9):体積換算粒径の積算値の90%相当粒径
また、粒子の屈折率は特に限定されないが、防眩層の屈折率とほぼ同じである(屈折率差で0.005以内)か、0.02以上異なっていることが好ましい。

0159

粒子の屈折率と、防眩層の屈折率をほぼ同じにすることで、反射防止膜を画像表示面に装着したときのコントラストが改良される。
粒子の屈折率と防眩層の屈折率の間に屈折率の差を付けることで、反射防止膜を液晶表示面に装着したときの視認性(ギラツキ故障視野角特性など)が改良される。
粒子の屈折率と防眩層の屈折率の間に屈折率の差を付ける場合、0.03〜0.5であることが好ましく、より好ましくは0.03〜0.4、特に好ましくは0.05〜0.3である。
防眩層用粒子の使用量は、防眩性を付与した層の固形分中10〜75%となる量とするのが好ましい。
防眩性を付与する粒子は、反射防止膜において構築されたいずれかの層に含有させることができ、好ましくはハードコート層、低屈折率層、高屈折率層であり、特に好ましくはハードコート層、高屈折率層である。複数の層に添加してもよい。

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