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技術 精錬方法

出願人 新日鐵住金株式会社水渡英昭
発明者 佐々木直人永浜洋小川雄司水渡英昭井上亮
出願日 2004年2月16日 (16年10ヶ月経過) 出願番号 2004-038510
公開日 2005年8月25日 (15年4ヶ月経過) 公開番号 2005-226148
状態 特許登録済
技術分野 銑鉄の精製;鋳鉄の製造;転炉法以外の製鋼 炭素鋼又は鋳鋼の製造
主要キーワード 制御指針 サンプリング箇所 初期組成 全鉄濃度 製品レベル 急冷スラグ 液相組成 酸化鉄成分
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年8月25日)のものです。
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図面 (13)

課題

スラグ内固相を考慮し、固・液両相の最適化を考慮することによって、少量で高効率かつ生産性の高い処理が可能な精錬方法を提供する。

解決手段

精錬処理後スラグ平均組成が、精錬処理後温度において、2CaO・SiO2−3CaO・P2O5固溶体、nCaO・P2O5固相(ここでnは2,3,4のうち少なくとも一つ)のいずれか一方または双方が存在する領域となる様に3元素平衡状態図において調整する、精錬方法。

概要

背景

溶鉄精錬では不純物を安定的に除去するためにCaOを主成分に含む精錬剤が用いられる。スラグ発生量の低減や精錬コストの削減のためには少量の精錬剤で効率良く処理を行うことが望まれるが、CaO分として生石灰石灰石などを直接添加する場合は滓化性が悪く、反応性が低いという問題があった。

この問題に対してこれまでに、例えば特許文献1では、ハロゲン化物などを添加することによって滓化性を改善した溶銑脱りん剤製法が開示されているが、ハロゲン化物の添加はCaO分の滓化を容易ならしめる一方で、精錬容器耐火物の損傷を招くという問題がある。また、特許文献2では、CaOを60−70%含む造滓剤(精錬剤)に、やはり滓化改善を目的としてFe2O3などに加えてAl2O3を8−13%添加することを提案している。しかし、Al2O3を8%以上添加した場合、スラグの粘度が上昇しスロッピングが生じるなどの問題があり、また、Al2O3濃度が高い場合はCaO濃度が相対的に低下するために脱りん能が低下するという問題がある。さらに、特許文献3では、処理中のスラグ条件を塩基度(%CaO/%SiO2)=1.2〜2.0、Al2O3=2〜16質量%、T.Fe=7〜30質量%にする溶銑の脱りん方法が開示されている。しかし、この場合もAl2O3により脱りん能が低下するという問題がある。

一方で、本来、精錬反応中のスラグは固液共存状態であるが、スラグ内に存在する固相は反応に寄与しないと考えられていた。また、固液共存状態のスラグを定量的に取り扱う知見が乏しかったことから、従来多くの場合において例えば固液を区別しないスラグ全体の平均組成を用いて脱りん能を評価するなど、均一液相であるかの如き議論がなされてきた。しかし、実際のスラグは固液共存組成であり、発明者らが特許文献4に開示したように、スラグ中固相の積極利用により精錬の効率化が可能である。したがって、スラグを固液共存状態として捉え、固・液両相をそれぞれ最適化する必要があるが、上述した特許文献1、特許文献2および特許文献3ではCaO分の滓化に主眼があり、未滓化CaO分以外のスラグ相の状態に関する考慮がなされていないという問題もある。

発明者らは、特許文献4において、処理後スラグ中に2CaO・SiO2(以降C2Sと称す)固相を存在せしめる方法を提案したが、異なる温度範囲での適用に対して開示していない。
また、特許文献4では、溶銑の脱りんを想定している。C2S固相は、CaOとSiO2の質量濃度の比が比較的低い、液相の脱りん能が低い範囲でしか存在しない。1600℃超という高温での処理となる脱炭精錬においては、C2S固相を利用しようとする場合は液相の精錬能が低く、固相を利用したとしても充分な精錬能の確保が困難となるという問題がある。
特開昭57−13109号公報
特開昭55−34653号公報
特開平8−157921号公報
特開2001−26807号公報

概要

スラグ内の固相を考慮し、固・液両相の最適化を考慮することによって、少量で高効率かつ生産性の高い処理が可能な精錬方法を提供する。精錬処理後スラグの平均組成が、精錬処理後温度において、2CaO・SiO2−3CaO・P2O5固溶体、nCaO・P2O5固相(ここでnは2,3,4のうち少なくとも一つ)のいずれか一方または双方が存在する領域となる様に3元素平衡状態において調整する、精錬方法。

目的

本発明は、上記の問題を解決するもので、精錬処理温度に応じてスラグ内の固相を考慮し、固・液両相の最適化を考慮することによって、少量で高効率かつ生産性の高い処理が可能な精錬方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

精錬処理後スラグ平均組成が、精錬処理後温度において、2CaO・SiO2−3CaO・P2O5固溶体、nCaO・P2O5固相(ここでnは2,3,4のうち少なくとも一つ)のいずれか一方または双方が存在する領域となる様に調整する、精錬方法

請求項2

精錬処理後温度が1325℃未満の場合に、精錬処理後スラグの平均組成を、図1に示す斜線部の領域とする、請求項1に記載の精錬方法。

請求項3

精錬処理後温度が1325℃以上1375℃未満の場合に、精錬処理後スラグの平均組成を図2に示す斜線部の領域とする、請求項1に記載の精錬方法。

請求項4

精錬処理後温度が1375℃以上1425℃未満の場合に、精錬処理後スラグの平均組成を図3に示す斜線部の領域とする、請求項1に記載の精錬方法。

請求項5

精錬処理後温度が1425℃以上1475℃未満の場合に、精錬処理後スラグの平均組成を図4に示す斜線部の領域とする、請求項1に記載の精錬方法。

請求項6

精錬処理後温度が1475℃以上1525℃未満の場合に、精錬処理後スラグの平均組成を図5に示す斜線部の領域とする、請求項1に記載の精錬方法。

請求項7

精錬処理後温度が1525℃以上1575℃未満の場合に、精錬処理後スラグの平均組成を図6に示す斜線部の領域とする、請求項1に記載の精錬方法。

請求項8

精錬処理後温度が1575℃以上1625℃未満の場合に、精錬処理後スラグの平均組成を図7に示す斜線部の領域とする、請求項1に記載の精錬方法。

請求項9

精錬処理後温度が1625℃以上1675℃未満の場合に、精錬処理後スラグの平均組成を図8に示す斜線部の領域とする、請求項1に記載の精錬方法。

請求項10

精錬処理後温度が1675℃以上1725℃未満の場合に、精錬処理後スラグの平均組成を図9に示す斜線部の領域とする、請求項1に記載の精錬方法。

請求項11

精錬処理後温度が1725℃以上1775℃未満の場合に、精錬処理後スラグの平均組成を図10に示す斜線部の領域とする、請求項1に記載の精錬方法。

請求項12

精錬処理後温度が1775℃以上の場合に、精錬処理後スラグ平均組成を図11に示す斜線部の領域とする、請求項1に記載の精錬方法。

請求項13

精錬処理後スラグにおける、2CaO・SiO2−3CaO・P2O5固溶体、nCaO・P2O5固相(ここでnは2,3,4のうち少なくとも一つ)のいずれか一方または双方を、精錬処理後スラグ全体の5〜80質量%とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の精錬方法。

請求項14

精錬処理後スラグにおける、2CaO・SiO2−3CaO・P2O5固溶体、nCaO・P2O5固相(ここでnは2,3,4のうち少なくとも一つ)のいずれか一方または双方の固相中のP濃度を、それ以外の相の平均P濃度よりも高くする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の精錬方法。

請求項15

精錬処理時間のうち精錬処理開始時から50%〜80%が経過する期間内の任意の時期のスラグの平均組成を、図1〜図11をそれぞれ用いて求まる液相率90%以上の組成領域とする、請求項2〜14のいずれか1項に記載の精錬方法。

請求項16

精錬処理用フラックスとして、ハロゲン化物を含まないものを用いる、請求項1〜15のいずれか1項に記載の精錬方法。

技術分野

0001

本発明はCaOを主成分として用いる溶鉄精錬処理において、少量で高効率かつ生産性の高い処理を可能とする脱りん方法に関する。

背景技術

0002

溶鉄の精錬では不純物を安定的に除去するためにCaOを主成分に含む精錬剤が用いられる。スラグ発生量の低減や精錬コストの削減のためには少量の精錬剤で効率良く処理を行うことが望まれるが、CaO分として生石灰石灰石などを直接添加する場合は滓化性が悪く、反応性が低いという問題があった。

0003

この問題に対してこれまでに、例えば特許文献1では、ハロゲン化物などを添加することによって滓化性を改善した溶銑脱りん剤製法が開示されているが、ハロゲン化物の添加はCaO分の滓化を容易ならしめる一方で、精錬容器耐火物の損傷を招くという問題がある。また、特許文献2では、CaOを60−70%含む造滓剤(精錬剤)に、やはり滓化改善を目的としてFe2O3などに加えてAl2O3を8−13%添加することを提案している。しかし、Al2O3を8%以上添加した場合、スラグの粘度が上昇しスロッピングが生じるなどの問題があり、また、Al2O3濃度が高い場合はCaO濃度が相対的に低下するために脱りん能が低下するという問題がある。さらに、特許文献3では、処理中のスラグ条件を塩基度(%CaO/%SiO2)=1.2〜2.0、Al2O3=2〜16質量%、T.Fe=7〜30質量%にする溶銑の脱りん方法が開示されている。しかし、この場合もAl2O3により脱りん能が低下するという問題がある。

0004

一方で、本来、精錬反応中のスラグは固液共存状態であるが、スラグ内に存在する固相は反応に寄与しないと考えられていた。また、固液共存状態のスラグを定量的に取り扱う知見が乏しかったことから、従来多くの場合において例えば固液を区別しないスラグ全体の平均組成を用いて脱りん能を評価するなど、均一液相であるかの如き議論がなされてきた。しかし、実際のスラグは固液共存組成であり、発明者らが特許文献4に開示したように、スラグ中固相の積極利用により精錬の効率化が可能である。したがって、スラグを固液共存状態として捉え、固・液両相をそれぞれ最適化する必要があるが、上述した特許文献1、特許文献2および特許文献3ではCaO分の滓化に主眼があり、未滓化CaO分以外のスラグ相の状態に関する考慮がなされていないという問題もある。

0005

発明者らは、特許文献4において、処理後スラグ中に2CaO・SiO2(以降C2Sと称す)固相を存在せしめる方法を提案したが、異なる温度範囲での適用に対して開示していない。
また、特許文献4では、溶銑の脱りんを想定している。C2S固相は、CaOとSiO2の質量濃度の比が比較的低い、液相の脱りん能が低い範囲でしか存在しない。1600℃超という高温での処理となる脱炭精錬においては、C2S固相を利用しようとする場合は液相の精錬能が低く、固相を利用したとしても充分な精錬能の確保が困難となるという問題がある。
特開昭57−13109号公報
特開昭55−34653号公報
特開平8−157921号公報
特開2001−26807号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、上記の問題を解決するもので、精錬処理温度に応じてスラグ内の固相を考慮し、固・液両相の最適化を考慮することによって、少量で高効率かつ生産性の高い処理が可能な精錬方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明の要旨は以下の各方法にある。

0008

(1)精錬処理後スラグの平均組成が、精錬処理後温度において、2CaO・SiO2−3CaO・P2O5固溶体、nCaO・P2O5固相(ここでnは2,3,4のうち少なくとも一つ)のいずれか一方または双方が存在する領域となる様に調整する、精錬方法。

0009

(2)精錬処理後温度が1325℃未満の場合に、精錬処理後スラグの平均組成を、図1に示す斜線部の領域とする、前記(1)に記載の精錬方法。

0010

(3)精錬処理後温度が1325℃以上1375℃未満の場合に、精錬処理後スラグの平均組成を図2に示す斜線部の領域とする、前記(1)に記載の精錬方法。

0011

(4)精錬処理後温度が1375℃以上1425℃未満の場合に、精錬処理後スラグの平均組成を図3に示す斜線部の領域とする、前記(1)に記載の精錬方法。

0012

(5)精錬処理後温度が1425℃以上1475℃未満の場合に、精錬処理後スラグの平均組成を図4に示す斜線部の領域とする、前記(1)に記載の精錬方法。

0013

(6)精錬処理後温度が1475℃以上1525℃未満の場合に、精錬処理後スラグの平均組成を図5に示す斜線部の領域とする、前記(1)に記載の精錬方法。

0014

(7)精錬処理後温度が1525℃以上1575℃未満の場合に、精錬処理後スラグの平均組成を図6に示す斜線部の領域とする、前記(1)に記載の精錬方法。

0015

(8)精錬処理後温度が1575℃以上1625℃未満の場合に、精錬処理後スラグの平均組成を図7に示す斜線部の領域とする、前記(1)に記載の精錬方法。

0016

(9)精錬処理後温度が1625℃以上1675℃未満の場合に、精錬処理後スラグの平均組成を図8に示す斜線部の領域とする、前記(1)に記載の精錬方法。

0017

(10)精錬処理後温度が1675℃以上1725℃未満の場合に、精錬処理後スラグの平均組成を図9に示す斜線部の領域とする、前記(1)に記載の精錬方法。

0018

(11)精錬処理後温度が1725℃以上1775℃未満の場合に、精錬処理後スラグの平均組成を図10に示す斜線部の領域とする、前記(1)に記載の精錬方法。

0019

(12)精錬処理後温度が1775℃以上の場合に、精錬処理後のスラグ平均組成を図11に示す斜線部の領域とする、前記(1)に記載の精錬方法。

0020

(13)精錬処理後スラグにおける、2CaO・SiO2−3CaO・P2O5固溶体、nCaO・P2O5固相(ここでnは2,3,4のうち少なくとも一つ)のいずれか一方または双方を、精錬処理後スラグ全体の5〜80質量%とする、前記(1)〜(12)のいずれか1つに記載の精錬方法。

0021

(14)精錬処理後スラグにおける、2CaO・SiO2−3CaO・P2O5固溶体、nCaO・P2O5固相(ここでnは2,3,4のうち少なくとも一つ)のいずれか一方または双方の固相中のP濃度を、それ以外の相の平均P濃度よりも高くする、前記(1)〜(13)のいずれか1つに記載の精錬方法。

0022

(15)精錬処理時間のうち精錬処理開始時から50%〜80%が経過する期間内の任意の時期のスラグの平均組成を、図1図11をそれぞれ用いて求まる液相率90%以上の組成領域とする、前記(2)〜(14)のいずれか1つに記載の精錬方法。

0023

(16)精錬処理用フラックスとして、ハロゲン化物を含まないものを用いることを特徴とする(1)〜(15)のいずれかに記載の精錬方法。

発明の効果

0024

本発明によって、スラグ内の固相を考慮し、固・液両相の最適化を考慮し、少量で高効率かつ生産性の高い処理が可能な脱りん法を得ることができる。

発明を実施するための最良の形態

0025

本発明者らは、精錬処理後温度に応じて、スラグの組成を適切な範囲に調整することで、スラグ内の固・液両相の最適化を図り、効率良く脱りんを行えることを新たに見出した。

0026

スラグの組成を精錬処理温度に応じて適切に調整することによる脱りん反応の形態は2つあり、これらを適宜、単独または併用させることができる。

0027

以下に、これら2つの脱りん反応の形態について説明する。

0028

まず、1つ目の形態は、スラグ液相中にPが含まれる場合に、50μm程度の粒径のC2S固相が5秒程度で周囲の液相に見合った組成の2CaO・SiO2と3CaO・P2O5との固溶体(以降C2SSSと称す)に変化するものである。

0029

固相が関与する反応における従来からの技術常識では、このような短時間で反応が平衡に到達することはほとんど考えられておらず、この知見は本発明者らの詳細な研究を通して初めて明らかにされたものである。

0030

したがって、精錬処理中のスラグにC2Sを固相として存在せしめることができる様に、精錬処理温度に応じてスラグの組成を調整することによって、遅延なくC2S相とPとが反応してC2SSSを生じ、固相内にPを濃縮しスラグ全体の脱りん能を向上する手法を考案したものである。

0031

スラグ液相中にPがわずかでも含まれていれば上記の固相内へのPの濃縮が生じるが、スラグ全体を平均したP濃度が2質量%以上の場合に顕著である。

0032

次に、2つ目の形態は、精錬反応中にnCaO・P2O5(n=4,3,2)といったPを含む固相を晶出させるものである。

0033

従来の平衡論的な知見では、例えばCaO−SiO2−FetO系(ここでFetOは2価と3価の鉄の酸化物の総和を意味しており、本明細書ではFetOと記載する)におけるCaO単相飽和領域では液相中にPが存在しても、nCaO・P2O5(n=4,3,2)といったPを含む固相は存在しないと考えられてきた。

0034

しかし、本発明者らの詳細な研究の結果、CaO飽和組成において液相中にPが含まれていればnCaO・P2O5(n=4,3,2)が安定して存在することが明らかとなった。これは、CaOと平衡する比較的CaO濃度の高い液相中にメタルから酸化されたPが移行した際、P分とCaO分が反応してnCaO・P2O5(n=4,3,2)固相が生成し晶出するためと考えられる。

0035

スラグ液相中にPがわずかでも含まれていれば上記の固相内へのPの濃縮が生じるが、スラグ全体を平均したP濃度が2質量%以上の場合に顕著である。

0036

また、FetO濃度吹酸等で減少することなく適切に維持された場合、不足したCaO分を補うためにCaO固相からCaOがスラグ液相に供給されると考えられる。

0037

このように、CaO固相が精錬処理中のスラグに存在する場合において、CaO固相内にPを濃化させることによって液相中のP濃度が上昇せず、精錬能を向上できることを見出した。

0038

従って、精錬処理中のスラグにCaO固相を存在せしめることによって、CaOとP分が反応してnCaO・P2O5固相を晶出させることで、Pを濃縮しスラグ全体の脱りん能を向上する手法を考案したものである。

0039

上記の1つ目の形態のC2S固相を用いた場合と比較すると、2つ目の形態のnCaO・P2O5(n=4,3,2)固相を晶出させる場合の方が、平衡論的には脱りん能が良好である。しかし温度によっては固相率が著しく高くなり反応が阻害される。

0040

従って、精錬処理前の溶銑のP濃度や、製品に要求されるPレベルに応じて、C2S固相を用いる場合、nCaO・P2O5(n=4,3,2)固相を晶出させる場合、或いはこれら両方を用いる場合を、適宜選択すれば良い。

0041

また、脱炭精錬においては、通常約1600℃程度と高温のため、C2S固相を脱りんに利用した場合、スラグ液相の精錬能が低いためにスラグ液相中のP濃度が上昇しにくく、C2S固相を用いたとしても、スラグ液相からスラグ中C2S固相へのPの固溶が、効率良く進まないと言う問題が生じる場合もある。この様な場合は、nCaO・P2O5(n=4,3,2)固相を晶出させる脱りんを選択することが好ましい。

0042

上記の事実に鑑み、精錬処理後スラグの平均組成が、精錬処理後温度において、2CaO・SiO2−3CaO・P2O5固溶体、nCaO・P2O5固相(ここでnは2,3,4のうち少なくとも一つ)のいずれか一方または双方が存在する領域となる様に調整することを特徴とする反応効率の高い精錬方法を提案する。

0043

尚、ある温度においてC2S固相やCaO固相を存在させるには、その温度におけるCaO−SiO2−FetOの3元系状態図を用いて、スラグ組成を調整することで、基本的には達成できる。

0044

本願のスラグ組成を規定するに際し、「精錬処理後温度において」としたのは、スラグ組成を一定とした場合は、異なる温度において異なる固相率となる事実による。例えば、溶銑処理のような1350℃程度の温度における、ある組成のスラグのC2S固相率は、これと同一組成のスラグの脱炭処理のような1650℃程度の温度における固相率とは異なる。

0045

したがって、目的とする精錬処理の温度において、平衡論的に目的の固相が存在する組成を選択することが重要である。この考え方は、固相の反応への寄与を考慮して初めて提案されたものである。

0046

また、精錬処理中ではなく、精錬処理後スラグの組成で規定しているのは、精錬処理中では精錬処理の進行に伴い投入した固体の副原料が溶解するため、精錬処理の途中では固相の中にPが充分含まれていないためである。

0047

さらに、スラグの平均組成とは、未溶解の副原料、固相、液相をすべて含んだスラグの組成と定義する。精錬処理後スラグに固相が2種類以上存在する場合でも、これらをすべて含有したものをスラグの平均組成とする。

0048

また、精錬処理後スラグの組成はサンプリング箇所によって多少ばらついているものの、その影響はほとんど問題にはならない程度であることが確認されているため、任意の箇所からサンプルを採取すれば、代表性があると考えられる。

0049

従って、スラグの平均組成を実際に管理する場合は、任意の箇所から採取した1g以上のスラグサンプル全量の成分分析値を用いることが出来る。

0050

また、上述の通り、存在させる固相の種類は求める処理温度によって決定することができる。たとえば溶銑処理のような比較的低温で、予備処理として軽脱りんをする場合はC2SSSを存在させる様にスラグ組成を調整することで充分な脱りん能が得られる。一方で、予備処理をせずに脱炭工程で製品レベルまでPを除去する場合には、CaO固相が共存する様にスラグ組成を調整することで、4CaO・P2O5相を共存せしめることができ、高い脱りん能が得られる。この考え方は、スラグを固液共存状態として捉え、固・液相それぞれの相の組成の最適化を提案するものである。

0051

上記の2例のスラグ組成の中間のような組成領域では、C2SSSとnCaO・P2O5相が共存する。また、スラグの混合状態によっては、スラグ中のP2O5濃度などがスラグ部位によって異なり、そのために4CaO・P2O5相と3CaO・P2O5相などが共存することもある。

0052

いずれの場合も液相中にわずかでもPが存在すればPを含有した固相を存在させることができるが、より顕著な濃縮のためには処理後のスラグ全体の平均組成でP2O5が2質量%以上あることが望ましい。

0053

また、本願の「精錬処理後スラグ」とは、原則としては精錬処理が終了した後に、溶鉄とスラグの一部あるいは大半が分離される時点でのスラグを指す。但し、この時点でのスラグを管理できない場合は、例えば転炉であれば吹き止め時点、トーピードカーを用いた精錬では処理場を離れる時点で採取したスラグで管理しても良い。

0054

また、多くの場合、精錬終了後に、溶鉄と分離された後のスラグ組成はあまり変わらない。このため、排滓場などで採取されるスラグで管理することも可能である。

0055

いずれの場合においても、急冷されて反応中の状態を保持したスラグを採取して反応中の固相・液相を区別することが理想である。但し、徐冷スラグであっても、状態図や鉱物相の形態から反応中に固相であった相と徐冷中に晶析出した固相を区別することができる。

0056

「精錬処理後温度」に関しても上記のスラグと同様に、溶鉄とスラグの一部あるいは大半が分離される時点での温度を意味している。但し、この時点での温度を管理できない場合は、例えば転炉であれば吹き止め時点、鍋やトーピードカーを用いた精錬では処理場を離れる時点の温度で管理しても良い。また、温度に関しては過去の実績から推定することも可能である。

0057

また、精錬処理後スラグの平均組成の制御は、溶鉄組成および投入する副原料を物質収支や過去の実績などを元に調整して行う。副原料としては通常製鋼工程で用いられるもので良く、例えば、生石灰、石灰石、消石灰などのCaO含有物、珪砂珪石などのSiO2含有物鉄鉱石ミルスケールダストなどの酸化鉄成分に加え、Mn鉱石ドロマイト、さらには、転炉滓使用済み耐火物などの製鋼工程で発生する副産物を使用することが可能である。

0058

Fe,Mn,Mg,およびPなどはC2S固相に固溶するものであり、本発明ではこれらの固溶体を含めてC2S固相あるいはC2SSSとする。また、FeはCaO固相に固溶するものであり、本発明ではこの固溶体を含めてCaO固相とする。さらに、Fe2O3はCaOと複合酸化物を形成することが知られているが、このCaO−Fe2O3固相が存在する場合も液相の精錬能は大きく変わらず、またCaOの供給源でもあるため、この複合酸化物をCaO固相とする。

0059

次に、具体的な精錬処理後温度において、精錬処理後スラグの平均組成に、2CaO・SiO2−3CaO・P2O5固溶体、nCaO・P2O5固相(ここでnは2,3,4のうち少なくとも一つ)のいずれか一方または双方を存在させるために、それぞれの該当する温度でC2S固相やCaO固相を存在させて良好な脱りんを行うためのスラグ組成の領域を、CaO−SiO2−FetOの3元系状態図の図1〜11の斜線部に示す。

0060

図1〜11の斜線部の領域は、詳細な基礎実験を元に、精錬処理後温度50℃きざみの範囲で、該当する温度範囲ごとに、最適なスラグ組成領域を提案したものである。

0061

ここで、精錬処理後温度の範囲は50℃としているが、温度範囲はより細かくする方が、精度の点ではより好ましくなる。但し、温度範囲が50℃以下であれば、精度の点で許容できるため、温度範囲を50℃として、図1〜11を提案したものである。

0062

また、図1の精錬処理後温度範囲の下限は、溶銑の凝固温度と処理や搬送中の温度降下を考慮して1,200℃とすることが好ましい。さらに、図11の精錬処理後温度範囲の上限は、耐火物の損耗を考慮して1,800℃とすることが好ましい。

0063

さらに、図1〜11の斜線の領域は、Al2O3,MnO,MgO,P2O5濃度の合計が10質量%以下の条件で、CaO−FeO−SiO2の3元系に割り戻して算出したものである。ここで、Al2O3,MnO,MgO,P2O5濃度の合計が10質量%以下としたのは、不可避的に混入したこれらの成分の濃度の影響を、実際のスラグサンプルの分析値を用いて検討したところ、この濃度以下であれば、便宜的にCaO−SiO2−FetOの3元系状態図を用いても、本願発明の議論にほとんど影響がないためである。

0064

本願の図1〜11は、従来知られているこの3元系の平衡状態図と比較すると3CaO・SiO2の領域も含んでいる。本発明者らの実験によれば、P2O5の存在下ではC2Sの安定領域が拡大し、3CaO・SiO2は確認されず、Pを固溶したC2S相が確認された。したがって図示した領域のスラグ組成に制御することによってPを含有する固相を存在せしめることが可能となる。なお、太線および破線上の点も含む。

0065

さらに、精錬処理後スラグにおける、2CaO・SiO2−3CaO・P2O5固溶体、nCaO・P2O5固相(ここでnは2,3,4のうち少なくとも一つ)のいずれか一方または双方を、精錬処理後スラグ全体の5〜80質量%とすることが好ましい。

0066

ここで「精錬処理後スラグ全体」とは、未滓化石灰を含む精錬処理容器内の固液共存スラグを指す。上記の精錬処理後スラグにおける、2CaO・SiO2−3CaO・P2O5固溶体、nCaO・P2O5固相(ここでnは2,3,4のうち少なくとも一つ)のいずれか一方または双方が5質量%未満の場合は、固相の効果が充分に得られにくく、逆に80質量%超の場合は、固相率が高くなり、溶鉄からの脱りん反応に直接寄与する液相スラグ量が少なくなって脱りん反応が停滞し易くなる。

0067

また、精錬処理後スラグにおける、2CaO・SiO2−3CaO・P2O5固溶体、nCaO・P2O5固相(ここでnは2,3,4のうち少なくとも一つ)のいずれか一方または双方を、精錬処理後スラグ全体の5〜80質量%とするには、図1から11のそれぞれ相当する温度の図において、太線を各温度域における液相線、点A,Bを固相組成、点Cを固相A,Bと共存する液相組成として、固相率5〜80質量%の範囲を基本的な周知の方法により求め、その組成にスラグ平均組成を制御することにより実施できる。

0068

また、精錬処理後スラグにおける、2CaO・SiO2−3CaO・P2O5固溶体、nCaO・P2O5固相(ここでnは2,3,4のうち少なくとも一つ)のいずれか一方または双方の固相中のP濃度を、それ以外の相の平均P濃度よりも高くすることが好ましい。

0069

反応中のスラグにC2S固相やCaO固相を存在させることで、これらの固相中にはPが固溶されたり、或いはnCaO・P2O5固相(ここでnは2,3,4のうち少なくとも一つ)を生成する。

0070

脱りん反応の進行に伴い、2CaO・SiO2−3CaO・P2O5固溶体、nCaO・P2O5固相(ここでnは2,3,4のうち少なくとも一つ)が生成するため、これら生成した固相中のP濃度が増加する。

0071

従って、これらのP含有固相のP濃度が、液相やPを含有しない固相のP濃度よりも高くなるまで脱りんを行うことで、スラグが液相のみであった場合よりも少ないスラグ量でより多量のPをスラグ中に保つことができるため、精錬効率の面で好ましい。

0072

また、精錬処理時間のうち精錬処理開始時から50%〜80%が経過する期間内の任意の時期のスラグの平均組成を、図1図11をそれぞれ用いて求まる液相率90%以上の組成領域とすることが好ましい。これは、精錬処理中のスラグ組成推移制御指針を提案するものである。

0073

精錬処理の末期に、スラグ脱りん能を良好に確保することは、スラグ中にPを含有する固相を存在させることで達成できるが、精錬処理前半は相対的に溶鉄中P濃度が高いため、スラグ脱りん能が比較的低くても、脱りん速度は低下しない。

0074

一方、相対的に溶鉄中P濃度が低くなり、スラグ液相中のP濃度が高くなる、精錬処理の後半においては、スラグ脱りん能が低いままであれば、脱りん速度は低下する。

0075

そこで、精錬処理の後半に、スラグ中に固相を存在させてスラグ脱りん能を高くすることにより、精錬処理の後半も良好な脱りんを達成できる。

0076

また、本発明者らの実験結果から、精錬処理の前半は、スラグ中に固相を多く存在させるよりも、むしろスラグ液相率を高くすることで、スラグ側物質移動が良好になるために、脱りん反応速度がより良好になることが明らかとなった。このため、精錬処理前半はスラグ液相率が高い条件が好ましい。

0077

ここで精錬処理の前半とは、吹酸開始から吹止までの時間のうち50%以上80%以内を指す。50%以上80%以内とした理由は、50%以上の場合に副原料の溶解の大部分が進みスラグ組成も安定するためであり、80%以内においてはスラグの平衡論的な脱りん能よりも反応速度が重要、つまり、固相を生成せしめてスラグ全体の脱りん能を向上させるよりも、固相率を低位としてスラグ中の物質移動を促進した方が脱りんが向上するためである。

0078

精錬処理の前半の期間内にスラグ液相率を高くすることで、鋼中P濃度が高い領域での反応速度を高く保つことが出来るため好ましい。

0079

また精錬処理の後半とは、処理前半の期間内で図1図11をそれぞれ用いて求まる液相率90%以上の組成領域となった後の期間を指す。

0080

精錬処理の後半のスラグの最適組成は、精錬処理の前半の期間内のスラグ液相率未満の領域とすることが望ましい。

0081

また、本発明者らは、広範な温度域において3t規模の溶鉄を用いた実験を行い、精錬処理前半の好ましいスラグ液相率とするためのスラグ平均組成を明らかとした。

0082

まず、精錬処理前半のスラグ組成は、図1から11の、太線を各温度域における液相線、点A,Bを固相組成、点Cを固相A,Bと共存する液相組成として求まる液相率90%以上の領域とすることが好ましいことが判明した。

0083

また、精錬処理後半のスラグ組成は、同様に液相率90%未満とすることが好ましい。

0084

図は吹止温度が該当する図を用いても良いが、実際には、計測あるいは推定した吹錬中の温度推移をもとに、当該温度領域の図を用いることが望ましい。

0085

本来、精錬処理スラグはAl2O3,MnO,MgO,P2O5などを含んだ多元系であるため、これらを含んだ固相を考慮することが必要な場合がある。しかし、本実験では吹錬中に、耐火物起因と推測されるMgを含んだ固相が1〜5質量%程度存在していても、脱りんへの影響は認められなかったため、液相率を求めるに際し、上記の議論ではAl2O3,MnO,MgO,P2O5の影響は無視しても良い。

0086

基本的な周知の方法として液相率・固相率の求め方は以下のようになる。例えば図12丸数字1の平均組成であるスラグは丸数字1の組成を持つ液相のみが存在することが考えられ、液相率100%となる。また丸数字2の平均組成であれば、存在する固相は点A(C2S)であり、したがって点Aから丸数字2を通る液相線までの線分上で「てこの原理」を用いて、液相率が80%、固相(C2S)が20%と判明する。同様に、丸数字3は点A、BすなわちC2S,CaOの両相飽和領域で液相組成は点Cとなり、液相率およびC2S,CaO両固相率は点A,B,Cを頂点とする三角形から求められる。すなわち、点A,B,Cから引いた点(丸数字3)を通る直線が各対辺と交わる点をa,b,cとしたとき、各相存在比はA相:B相:C相=丸数字3〜a/Aa:丸数字3〜b/Bb:丸数字3〜c/Ccとなる。ここで、丸数字3〜a/Aaとは、(点(丸数字3)と点aとを結ぶ線分の長さ)/(点Aと点aとを結ぶ線分の長さ)ということを意味している。丸数字3〜b/Bbおよび丸数字3〜c/Ccも同様である。

0087

また、点(丸数字4)の平均組成ではCaO単相飽和であり、点B(CaO)を固相として丸数字1と同様の方法で液相率、固相率を求めることが出来る。1475℃未満の場合は図1〜4に示すように液相線がCaO−SiO2を結ぶ線と交わっていない。平均組成が点D,E,Aを結ぶ三角形内にあるような、例えば点(丸数字5)で示した場合は、固相A、D、液相Eの比を上述の点(丸数字3)で示した例と同様の手法で求めることが出来る。

0088

スラグ液相率は、温度とスラグの組成で決定されるが、温度は処理の都合上制御することが通常は困難である。そのため、吹錬中にスラグ組成を変化させることによって、各温度域に合わせて液相率とP含有固相率とを制御する手法が適切である。

0089

実際のスラグ組成の制御は、以下のようにして行う。

0090

まず、CaO濃度は、石灰石、生石灰、ドロマイト、スラグなどのCaO分を含有する副原料を複数回に分割して添加することにより、吹錬中に増加させることが出来る。この際、後から添加する石灰は迅速に滓化することが望ましく、粉体低融点化合物の形で添加したほうが良い。

0091

また、酸化鉄濃度の制御は、鉄鉱石の初期添加、初期ソフトブロー、初期弱攪拌とし、末期ハードブロー、強攪拌とすることによって行うことができる。

0092

ここで、酸化鉄濃度は、スラグ中のFeの2価と3価の酸化物の和を指し、全鉄濃度分析値から金属鉄濃度分析値を引いた値をFeO濃度換算して管理する。

0093

また、精錬処理用フラックスとして、ハロゲン化物を含まないものを用いることが好ましい。

0094

上述の通り、精錬反応中に存在するスラグ中の固相を脱りんに利用するのが本発明の思想であり、ハロゲン化物を用いた場合、固相率が顕著に低下する恐れがあり、また耐火物など溶損の問題も起こり易い。ちなみに、ハロゲン化物としては、CaF2やCaCl2等が例示できる。

0095

従って、ハロゲン化物を用いないことによって、スラグ中の固相の脱りんへの積極利用や、精錬コストの低下を達成できる。

0096

実施例、比較例ともに、300t規模の上底吹き転炉を用いたものである。これらの例では、酸素は上吹きランスから供給し、底吹きは小径集合管羽口から処理の全般にわたってCO2を供給した。

0097

溶銑の初期組成はC:4.45〜4.63質量%、Si:0.28〜0.32質量%、Mn:0.25〜0.28質量%、P:0.09〜0.11質量%、S:0.014〜0.016質量%で、温度は1330〜1350℃であった。

0098

実施例4から11、比較例の4から11では、この溶銑を予め脱珪処理した溶銑を用いた。このときの脱珪後溶銑組成は、C:4.12〜4.24質量%、Si:0.12〜0.18質量%、Mn:0.24〜0.26質量%、P:0.09〜0.11質量%、S:0.014〜0.016質量%で、温度は1350〜1380℃であった。

0099

実施例12では、生石灰を分割添加した以外は実施例1と同様の処理を行った。この時、装入生石灰のうち70質量%を初期に一括で添加した後、吹錬時間の50%が経過した時点で残りの生石灰30質量%、を装入した。表中の「実施例12前半」は残りの生石灰装入直前サンプリングした値である。

0100

酸素吹錬停止時を「精錬処理後」としてその時点の温度Te、メタル組成、スラグ組成、精錬処理後の急冷スラグのEPMA(電子マイクロアナライザ分析から求めたP含有固相率(%P_Solid)を表1に示す。ただし、スラグ組成はCaO−SiO2−FeOの3元系に割り戻して示した。

0101

実施例1〜12では、各スラグ組成は各温度に対応する図1〜11の斜線部にあり、また急冷スラグの鉱物相解析の結果、2CaO・SiO2−3CaO・P2O5固溶体、nCaO・P2O5固相(ここでnは2,3,4のうち少なくとも一つ)のいずれか一方または双方が存在しており、かつ、この固相にPが含まれていることを確認した。また、メタル中のPを低減できており、良好な脱りんを実施できた。

0102

一方、比較例1〜11では、各スラグ組成は各温度に対応する図1〜11の斜線部からはずれており、また急冷スラグの鉱物相解析の結果、2CaO・SiO2−3CaO・P2O5固溶体、nCaO・P2O5固相(ここでnは2,3,4のうち少なくとも一つ)のいずれも確認できなかった。また、メタル中のPを充分に低減できておらず、充分な脱りんを実施できなかった。

0103

このように、本発明で提案したスラグ組成に制御することによって良好な脱りん処理を行うことが出来た。

0104

図面の簡単な説明

0105

処理後温度が1325℃未満の場合に、望ましい処理後のスラグ平均組成領域を示す図である。
処理後温度が1325℃以上1375℃未満の場合に、望ましい処理後のスラグ平均組成領域を示す図である。
処理後温度が1375℃以上1425℃未満の場合に、望ましい処理後のスラグ平均組成領域を示す図である。
処理後温度が1425℃以上1475℃未満の場合に、望ましい処理後のスラグ平均組成領域を示す図である。
処理後温度が1475℃以上1525℃未満の場合に、望ましい処理後のスラグ平均組成領域を示す図である。
処理後温度が1525℃以上1575℃未満の場合に、望ましい処理後のスラグ平均組成領域を示す図である。
処理後温度が1575℃以上1625℃未満の場合に、望ましい処理後のスラグ平均組成領域を示す図である。
処理後温度が1625℃以上1675℃未満の場合に、望ましい処理後のスラグ平均組成領域を示す図である。
処理後温度が1675℃以上1725℃未満の場合に、望ましい処理後のスラグ平均組成領域を示す図である。
処理後温度が1725℃以上1775℃未満の場合に、望ましい処理後のスラグ平均組成領域を示す図である。
処理後温度が1775℃以上の場合に、望ましい処理後のスラグ平均組成領域を示す図である。
液相率および固相率の求め方を示す図である。

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