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技術 電気化学的水処理方法

出願人 有限会社電解技研
発明者 小池紀夫
出願日 2004年2月12日 (15年10ヶ月経過) 出願番号 2004-035518
公開日 2005年8月25日 (14年3ヶ月経過) 公開番号 2005-224691
状態 未査定
技術分野 電気・磁気による水処理
主要キーワード 攪拌器具 締着材 通電効率 チタンラス 原子力発電所用 多孔性チタン 多孔性金属電極 スクラバー水
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (2)

課題

従来の金属電極を使用する水処理では、金属電極にスケール成分析出して有効電極面積が減少し、更に金属電極表面の電極物質金属溶解性成分を有する被処理水中に溶解して金属電極の劣化を誘発していた。これらの欠点のない水処理方法を提供する。

解決手段

金属電極21を装着した電解槽13で原料水電解して殺菌能力を有する活性種を含有する電解水24を生成させ、この電解を制菌浄化部14に注水して該制菌浄化部内の被処理水を処理する。不純物を含有する被処理水が金属電極に接触しないため、金属電極へのスケール成分の析出や金属電極表面の電極物質の溶出を防止できる。

概要

背景

純水、工業用水井戸水風呂水、プ−ル水、冷却水洗浄水生活排水工場排水等の各種用水には程度の差こそあれ細菌等の各種微生物が棲息し、またミネラル等の無機物質有機物質が溶解している。これらの水溶液は適度な養分を含むことから、該水溶液が微生物繁殖に適した温度条件下に置かれると、微生物が繁殖し、水質低下を起こしたり、前記各水溶液流通する配管等の内壁に微生物が付着、蓄積して前記配管を有する機器の機能を損なうことが多い。これら各種の用水では必要とされる殺菌レベルは異なるが、いずれの用水でも水中微生物数を低減させて水質の改良を行うことが必要とされている。

このような各種用水を殺菌処理する方法として、薬剤処理オゾン処理活性炭処理紫外線照射処理加熱処理等の種々の処理法被処理水の種類に応じて選択して用いられている。しかし、いずれの方法も処理効果、操作性、安全性および環境負荷等の問題を抱え、満足の得られる方法ではなかった。
例えば、各種用水中の微生物の繁殖を抑制するための主流技術である薬剤による殺菌処理法は、その毒性から法的にも使用が厳しく規制される状況にあり、薬剤を取り扱う作業者の安全性や薬剤を含む被処理水が系外に排出された場合の環境汚染の問題などを抱えている。

紫外線照射による殺菌処理法は一過性の殺菌で色度を有する水や多量のSSを含む水の殺菌には不十分であることが多い。
このように従来より用いられている殺菌処理法では処理効率の問題または安全性の問題があり、満足できる結果は得られなかった。

このような従来技術の欠点を解消するための薬剤等を使用しない新規水処理方法として、多孔性金属電極を使用する電気化学的な水処理装置が提案されている。
この水処理装置に使用される電極として数種のタイプのものが提案されているが、最も効率的な電極は、チタン金網ラス)等の複数の多孔性金属電極をドーナツ状又は額縁状のスペーサーを介して積層して構成した電極構造体であり、該電極構造体を筒状等の電解槽内に収容し、被処理水を該電解槽内に供給して前記金属電極に接触させて酸化あるいは還元作用により水の殺菌等の水の改質を行うようにしている。

この水処理法は、比較的多量の被処理水を循環処理でき、処理効率が不十分であれば、再度電解槽に供給して処理を行って被処理水の殺菌等を確実に行うことができるという利点を有している。
純水のような電気伝導率が低い被処理水の場合には、この従来の水処理装置で問題ないが、冷却水のように水が蒸発濃縮された状態で循環利用される水系ではカルシウムマグネシウムシリカのようなスケール成分の濃度が高くなり、これらが金属電極表面へスケールとして析出し易くなるため、樹脂製ケースの中に金属電極を収納するタイプの電解槽では、チタン等の金属電極の開口部がこれらスケールによって閉塞し、通水抵抗が大きくなって通水量が低下すると共に、スケールが電気絶縁性であるため、電極部電気抵抗上がり、流れる電流値が次第に低下し、殺菌効率が悪化することがある。

ビル冷房用や工場生産冷却水用として広く使用されている冷却塔は水の蒸発潜熱冷却用に利用するもので、開放型密閉型があり、いずれの方式も空気中から溶け込んだ栄養分が豊富で、通常屋外設置で直接日光を浴び、水温も含めて微生物の繁殖条件が揃っている。
このような冷却水中の微生物の繁殖を抑制するために、前述のように金属電極による電気化学的水処理が採用され、それらは被処理水を電気化学的水処理装置に供給して処理を行う通水型と被処理水中に電気化学的水処理装置を浸漬して処理を行う浸漬型に大別される。
特開2001−310187号公報
特開2001−314862号公報

概要

従来の金属電極を使用する水処理では、金属電極にスケール成分が析出して有効電極面積が減少し、更に金属電極表面の電極物質金属溶解性成分を有する被処理水中に溶解して金属電極の劣化を誘発していた。これらの欠点のない水処理方法を提供する。 金属電極21を装着した電解槽13で原料水電解して殺菌能力を有する活性種を含有する電解水24を生成させ、この電解を制菌浄化部14に注水して該制菌浄化部内の被処理水を処理する。不純物を含有する被処理水が金属電極に接触しないため、金属電極へのスケール成分の析出や金属電極表面の電極物質の溶出を防止できる。

目的

本発明はこのような従来技術の欠点を解消し、金属電極の劣化を実質的に抑制し、あるいは劣化が生じてもそれを最小限に抑制しながら被処理水の電気化学的な処理を行うための方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

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請求項1

金属電極を装着した電解槽原料水電解して殺菌能力を有する活性種を含有する電解水を生成させ、この電解水を制菌浄化部に注水して該制菌浄化部内の被処理水を処理することを特徴とする電気化学的水処理方法

請求項2

活性種が、次亜塩素酸イオン、オゾン、過酸化水素及び活性酸素から選択される少なくとも一種である請求項1記載の電気化学的水処理方法。

請求項3

制菌浄化部の被処理水中活性種濃度が1mg/L以上、100mg/L以下、被処理水の平均滞留時間が1分以上、30分以下である請求項1記載の電気化学的水処理方法。

請求項4

循環タンクを設置し、該循環タンクと制菌浄化部間に被処理水を循環させながら水処理を行うようにした請求項1から3までのいずれか1項に記載の電気化学的水処理方法。

請求項5

被処理水が、スクラバー水クーリングタワー水、洗浄水温泉水及び工場循環水から選択される少なくとも一種である請求項1から4までのいずれか1項に記載の電気化学的水処理方法。

請求項6

制菌浄化部内に異物除去用網を設置した請求項1から5までのいずれか1項に記載の電気化学的水処理方法。

技術分野

0001

本発明は、各種用水の電気化学的処理方法に関し、より詳細には金属電極を使用してスクラバー水等の多数の微生物を含む被処理水を処理して清澄化する際の前記金属電極の劣化を実質的に生じさせないか、生じても劣化を最小限に抑制しながら前記水処理を行うための方法に関する。

背景技術

0002

純水、工業用水井戸水風呂水、プ−ル水、冷却水洗浄水生活排水工場排水等の各種用水には程度の差こそあれ細菌等の各種微生物が棲息し、またミネラル等の無機物質有機物質が溶解している。これらの水溶液は適度な養分を含むことから、該水溶液が微生物の繁殖に適した温度条件下に置かれると、微生物が繁殖し、水質低下を起こしたり、前記各水溶液流通する配管等の内壁に微生物が付着、蓄積して前記配管を有する機器の機能を損なうことが多い。これら各種の用水では必要とされる殺菌レベルは異なるが、いずれの用水でも水中微生物数を低減させて水質の改良を行うことが必要とされている。

0003

このような各種用水を殺菌処理する方法として、薬剤処理オゾン処理活性炭処理紫外線照射処理加熱処理等の種々の処理法が被処理水の種類に応じて選択して用いられている。しかし、いずれの方法も処理効果、操作性、安全性および環境負荷等の問題を抱え、満足の得られる方法ではなかった。
例えば、各種用水中の微生物の繁殖を抑制するための主流技術である薬剤による殺菌処理法は、その毒性から法的にも使用が厳しく規制される状況にあり、薬剤を取り扱う作業者の安全性や薬剤を含む被処理水が系外に排出された場合の環境汚染の問題などを抱えている。

0004

紫外線照射による殺菌処理法は一過性の殺菌で色度を有する水や多量のSSを含む水の殺菌には不十分であることが多い。
このように従来より用いられている殺菌処理法では処理効率の問題または安全性の問題があり、満足できる結果は得られなかった。

0005

このような従来技術の欠点を解消するための薬剤等を使用しない新規水処理方法として、多孔性金属電極を使用する電気化学的な水処理装置が提案されている。
この水処理装置に使用される電極として数種のタイプのものが提案されているが、最も効率的な電極は、チタン金網ラス)等の複数の多孔性金属電極をドーナツ状又は額縁状のスペーサーを介して積層して構成した電極構造体であり、該電極構造体を筒状等の電解槽内に収容し、被処理水を該電解槽内に供給して前記金属電極に接触させて酸化あるいは還元作用により水の殺菌等の水の改質を行うようにしている。

0006

この水処理法は、比較的多量の被処理水を循環処理でき、処理効率が不十分であれば、再度電解槽に供給して処理を行って被処理水の殺菌等を確実に行うことができるという利点を有している。
純水のような電気伝導率が低い被処理水の場合には、この従来の水処理装置で問題ないが、冷却水のように水が蒸発濃縮された状態で循環利用される水系ではカルシウムマグネシウムシリカのようなスケール成分の濃度が高くなり、これらが金属電極表面へスケールとして析出し易くなるため、樹脂製ケースの中に金属電極を収納するタイプの電解槽では、チタン等の金属電極の開口部がこれらスケールによって閉塞し、通水抵抗が大きくなって通水量が低下すると共に、スケールが電気絶縁性であるため、電極部電気抵抗上がり、流れる電流値が次第に低下し、殺菌効率が悪化することがある。

0007

ビル冷房用や工場生産冷却水用として広く使用されている冷却塔は水の蒸発潜熱冷却用に利用するもので、開放型密閉型があり、いずれの方式も空気中から溶け込んだ栄養分が豊富で、通常屋外設置で直接日光を浴び、水温も含めて微生物の繁殖条件が揃っている。
このような冷却水中の微生物の繁殖を抑制するために、前述のように金属電極による電気化学的水処理が採用され、それらは被処理水を電気化学的水処理装置に供給して処理を行う通水型と被処理水中に電気化学的水処理装置を浸漬して処理を行う浸漬型に大別される。
特開2001−310187号公報
特開2001−314862号公報

発明が解決しようとする課題

0008

いずれの方式の電解槽でもカルシウム等のスケール成分が電極表面に析出して電流値が低下し、殺菌効率が悪化する。
従来は定期的にスケールが析出した金属電極を塩酸水溶液等で洗浄し、前記スケールを溶解し除去していた。洗浄頻度は被処理水中のスケール成分の濃度によって異なるが、1年間に1〜6回程度が必要であった。この洗浄には危険物である塩酸等が必要であり、作業性や安全管理上も問題であった。

0009

金属電極による電気化学的水処理法において、金属電極(陰極)でのカルシウムやマグネシウムから成るスケールの析出を抑えるために、一定時間ごとに極性反転し、陽極で生成される酸(H+)の作用で金属表面に析出したスケールを溶解し、その成長を抑える方法が一般に採用されているが、被処理水中のスケール成分濃度が高い場合には長期にわたりスケール化を有効に抑えることは難しい。その他金属電極へのスケールの析出を抑制するために、被処理水中に水溶性ポリマーホスホン酸等のスケール防止剤を添加する方法(特許文献1参照)や硬度除去手段(イオン交換逆浸透膜晶析電解)を用いて被処理水の硬度を低減させる方法(特許文献2参照)などが提案されているが、被処理水中のスケール成分濃度が高くなるようなケースでは、処理効果が低下したり、処理コストの増加やメンテナンスの増大をもたらすといった問題を抱えている。また、前者のスケール防止剤を添加する方法では被処理水のCODなどの増加を招き、被処理水が最終的に系外に排出される場合に環境負荷を増大させるなど環境保全上の問題も抱えている。

0010

更に前述の金属電極を使用する通水型や浸漬型による被処理水の処理では、前記金属電極としてチタン等の基材表面に白金族金属又はその酸化物被覆した電極を使用することが多い。前記被処理水にはチタンや白金族金属又はその酸化物を溶解する不純物が含有されていることがあり、このような被処理水が前記金属電極に接触することによりチタンや白金族金属又はその酸化物が溶解して被処理水を汚染するとともに金属電極の寿命を短縮することになる。

0011

本発明はこのような従来技術の欠点を解消し、金属電極の劣化を実質的に抑制し、あるいは劣化が生じてもそれを最小限に抑制しながら被処理水の電気化学的な処理を行うための方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

本発明は、金属電極を装着した電解槽で原料水、例えば高純度水を電解して活性種を含有する電解水活性種含有水)を生成させ、この電解水を制菌浄化部に注水して該制菌浄化部内の被処理水を処理することを特徴とする電気化学的水処理方法である。前記活性種としては次亜塩素酸イオンが好ましく、該活性種の前記制菌浄化部の被処理水中の濃度が1mg/L以上、100mg/L以下、被処理水の平均滞留時間が1分以上、30分以下であることが望ましい。前記被処理水は循環タンクと制菌浄化部間に被処理水を循環させながら水処理を行うようにしても良い。被処理水は、スクラバー水、クーリングタワー水、洗浄水、温泉水及び工場循環水等から選択でき、前記制菌浄化部内には異物除去用網を設置することが望ましい。

0013

以下本発明を詳細に説明する。
本発明では、従来のように硬度成分や金属を溶解する不純物を含有することのある被処理水を直接金属電極に接触させるのではなく、実質的にこれ等の有害不純物を溶解しない原料水を金属電極を装着した活性種製造用電解槽で電解して次亜塩素酸イオン等の活性種を発生させ、この活性種を前記電解槽外の制菌浄化部に注水して該制菌浄化部内で前記活性種を被処理水と接触させて該被処理水中の微生物の殺菌を行うようにする。前記微生物としては、細菌(バクテリア)、糸状菌)、酵母変形菌単細胞藻類原生動物ウイルス等が含まれる。
これにより白金族金属やその酸化物等の高価な電極物質が被覆された金属電極が硬度成分や金属溶解性不純物を含有する被処理水に接触することがなくなり、従って金属電極表面にスケールが析出したり、電極物質が溶出したりすることが少なくなる。従ってスケール析出による有効電極面積の低下やスケール除去のための運転中止が防止でき、更にスケール除去のための操作が不要になり、水処理効率が大幅に向上する。しかも電極物質の消耗が大幅に抑制されて電極の長寿命化が達成できる。

0014

本発明で生成する活性種の種類は、処理すべき被処理水に応じて決定すれば良く、例えば次亜塩素酸イオン、オゾン、過酸化水素及び活性酸素等が含まれる。次亜塩素酸イオンを製造するためには、イオン交換水水道水、工業用水、地下水等に塩化ナトリウムを溶解した食塩水(原料水)を金属電極を装着した無隔膜型電解槽に供給して電解を行えば良く、これにより次亜塩素酸イオン(ClO-)が溶解した高純度水が得られる。オゾン水製造のためには、高純度水(原料水)を金属陽極を装着した隔膜型電解槽の陽極室に供給して電解すれば良く、又過酸化水素水製造のためには、高純度水(原料水)を金属陰極を装着した隔膜型電解槽の陰極室に供給して電解すれば良い。
制菌浄化部の被処理水中の活性種濃度は1mg/L以上、100mg/L以下が望ましい。1mg/L未満であると被処理水の殺菌等が不十分になり、100mg/Lを超えると経済的でなくなるからである。又制菌浄化部における被処理水の平均滞留時間は1分以上、30分以下であることが望ましい。1分未満であると被処理水の殺菌等が不十分になり、30分を超えてもより以上の殺菌能力の向上はないからである。
本発明に使用する電解槽は長期間の運転に耐え洗浄は殆ど必要ないが、洗浄を行う場合には過酸化水素、キレート剤無機酸や有機酸を用いたpH3以下の酸性水、pH9以上のアルカリ水のいずれかを単独で又は交互に流しても良い。

0015

このように金属電極を装着した電解槽で生成した活性種は、活性種含有水(電解水)として該電解槽から取り出して制菌浄化部へ導入される。この制菌浄化部へは被処理水も導入され、この被処理水が前記活性種含有水と接触して、次亜塩素酸イオン、オゾン、過酸化水素及び活性酸素等の活性種により、少なくとも被処理水中の微生物等の殺菌が行われ、その他に酸化又は還元あるいは漂白等の水質改善処理が行われることがある。水質改善には、アンモニア等の不純物の分解などが含まれる。
本発明の被処理水には、白金族金属やその酸化物を溶解するシアンイオン含有メッキ用水、白金族金属やその酸化物、及びチタン等を溶解するフッ酸を含有するスクラバー水、白金族金属やその酸化物を溶解する酢酸等の有機物を含有する洗浄水、硬度成分が多いクーリングタワー濃縮水、各種不純物を含有する浄化処理前の工場循環水等が主たる対象として含まれるが、これらに限定されず、例えば次の用水が含まれる。
自然環境中の淡水海水人工的に作製された水溶液、希釈用水等、更に具体的な例としては工業用水、水道水、浄水、井戸水、雨水、回収水加湿水、排水、側溝水、貯水、海水(微生物の制菌と貝殻、藻類、水母等の殺菌)、池の水、プール水ボイラー水高架水槽飲料水、風呂水、ガス吸収塔水、冷却水、温水水耕栽培水、噴水写真現像液養魚用水鑑賞魚養殖魚)、鑑賞動物及び養殖用水、水エマルジョン製紙用水、温泉水、砂糖液、果汁希釈水染料インク希釈水、水溶性塗料希釈水、水溶性化粧品希釈水、酒希釈水、牛乳希釈水、ジュース希釈水、お希釈水、豆乳希釈水、入れ歯保管制菌水コンタクトレンズ保管制菌水、歯ブラシ保管制菌水、各種化物質含有水溶液火力又は原子力発電所用水等、更に水中微生物個数をゼロにすることが必要又は好ましい食品用水、医薬品用水、磁気記録ハードディスク洗浄用水半導体洗浄用水、自動販売機水等も含まれ、更に岸壁パイプや各種取水殺菌用の水の前処理用にも使用できる。

0016

前記制菌浄化部は通常のタンクとし、攪拌器具を使用して被処理水と活性種含有水を混合して被処理水中の微生物の殺菌等を行っても良いが、前記制菌浄化部は直線状又は螺旋状等の配管としこの配管内を前記被処理水及び活性種含有水を通水させ被処理水の処理を行っても良い。
このように被処理水と活性種含有水の接触により、被処理水の処理、つまり殺菌、酸化、還元あるいは漂白等が行われ、被処理水中には微生物の死骸、酸化、還元又は漂白された物質が残るが、これらは濾過等により容易に除去できる。例えば制菌浄化部内の適所に異物除去用網を設置し、この網に前記死骸等を集めて系外に廃棄できる。
本発明では被処理水が金属電極に接触しないため、カルシウムイオン等の硬度成分が活性種含有水と接触した後の被処理水中に残存する。この硬度成分の除去が必要な場合には、前述した通り、硬度除去手段(イオン交換、逆浸透膜、晶析、電解)を用いて被処理水の硬度を低減させれば良い。

0017

本発明の電気化学的水処理方法では、前記金属電極として液抜けを良くするため及び接触効率を向上させるため多孔性金属電極を使用することが望ましく、この他に平板状電極を使用しても良い。この場合の「多孔」とは、電解水(活性種含有水)の流通に対する抵抗が殆どである程度の開口を有することを意味し、金網状、エクスパンドメッシュ状、パンチングメタル状、格子状等の形状がある。例えばエクスパンドメッシュを使用する場合、その開口サイズ短径が1.0 〜6.0 mm、長径が2.0 〜12mm程度になるように調節することが好ましい。多孔性電極は平板状電極に比べて表面積が大きく活性種生成効率が高くなる。前記多孔性金属電極は、チタン等の耐食性金属基体上に、触媒、例えば白金イリジウムルテニウムパラジウムオスミウムロジウム又はそれらの酸化物を単独又は混合物として被覆し電極性能を向上させることが望ましい。

0018

該金属電極は、それぞれの開口部表面積の総和を、該電極の表面積総和と開口部表面積の総和を加えた電極全面積で除した値の百分率で定義される開口率が10〜80%であることが好ましい。開口率が10%未満であると圧力損失が大きくかつ目詰まりが起こりやすくなるからであり、80%を超えると電極強度に支障が生じ変形や破損が生ずることがあり、又金属電極と電解水(活性種含有水)の接触が不十分になることがあるからであり、目詰まり及び接触効率の両者を案して適切な開口率を設定することが望ましい。

0019

本発明の電気化学的水処理方法に使用可能な電解槽は、複数枚の金属電極をスペーサーを介して積層し、各金属電極及び各スペーサーをこれらを通る電気絶縁性締着材、通常はボルト及びナットにより締着し、各金属電極相互を連結して電極構造体として構成したものであることが好ましい。複数の金属電極とスペーサーから成るこの電極構造体は、金属電極の枚数を変えることにより、供給する原料水の量や電解槽内のスペースの状況により比較的自由にその厚さを増減させることができる。その増減はボルト及びナットを使用することが最適である電気絶縁性締着材により容易に行うことができ、例えば樹脂フレームの場合のように内厚の異なる多数の樹脂フレームを準備する等の必要がなくなる。金属電極の枚数を変えて金属電極本体の厚さを変えるだけでなく、金属電極自体又はスペーサーの厚さを変えることが望ましいこともあり、この場合も同様に電気絶縁性締着材の着脱により容易に目的を達成できる。

0020

積層された各金属電極への給電は、単一電源を使用して各金属電極が並列になるように接続しかつ通電するか、金属電極数と同数電源を使用して金属電極ごとに電源を接続して各金属電極ごとに通電するかにより行う。
使用するスペーサーは隣接する金属電極間電気絶縁を確保するためのもので、該電気絶縁性が保証されればその形状は制限されないが、電解水(活性種含有水)と金属電極の接触効率を向上させるためにはその面積はできるだけ小さい方が良く、例えば額縁状又はドーナツ状とすることが好ましい。なお該スペーサーの厚さは1〜10mm程度であることが望ましい。金属電極が多孔板例えばチタンラスの場合は前記スペーサーは金属電極の強度補強役割も果たす。このスペーサーは隣接する金属電極を電気的に絶縁するとともに、電解により生ずることのある酸素ガス水素ガスガス抜けを良好にする機能を有する。金属電極表面で生成する前記ガスは電解水が前記金属電極表面に接触することを阻害し、かつ各金属電極への通電効率を低下させる。しかしスペーサーの存在により生成ガスが隣接する金属電極間の空間から金属電極本体の周囲へ容易に移動して活性種生成効率を上昇させる。なお本発明はガス発生を伴う処理に限定されるものではなく、更に前記金属電極は単一枚で使用しても良い。

0021

電解槽での活性種生成は、安全面の理由で直流電圧42V以下で通電することが望ましく、又電流密度が0.1 〜2.0 A/dm2 程度になるようにすると最適の生成効率が得られる。これは0.1A/dm2 未満では充分な活性種生成が行われないことがあり、2.0A/dm2 を越えると電極寿命が短くなることがあるからである。
前記電解槽の金属電極にガス発生が生じる電流を供給すると、生成ガスは活性種含有水中に対流を生じさせ、この対流により活性種含有水全体を万遍なく金属電極表面に接触させて活性種生成効率を高めることができる。
前記活性種含有水は前述の通り、制菌浄化部で被処理水と混合されて、前記活性種により殺菌を初めとする被処理水の処理が行われる。

0022

前記制菌浄化部では活性種の有する能力単独で被処理水処理を行っても十分な効果を生ずるが、前記処理を紫外線殺菌オゾン殺菌、薬剤殺菌等と併用すると更に確実に短時間で被処理水の処理を行うことができる。
このように本発明によると、前述した被処理水に含まれる多種の微生物や有害不純物を効率良く殺菌又は分解するだけでなく、CODやBOD分解除去、更に微量農薬を含有する被処理水から農薬を分解除去し、着色被処理水の色を薄くするといった処理も可能である。

発明の効果

0023

以上述べたように、金属電極を装着した電解槽で活性種を電解生成させることにより活性種含有水を調製し、この活性種含有水を前記電解槽外の制菌浄化部で被処理水に接触させあるいは被処理水と混合させると、不純物を含む被処理水が金属電極に接触しないため、電極物質の劣化やスケール付着を生じさせること無く、被処理水の処理を行うことが可能になる。

発明を実施するための最良の形態

0024

本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明方法に使用可能な電気化学的水処理装置の一例を示す概略図である。

0025

図1の電気化学的水処理装置11は、原料水貯留タンク12、活性種製造用電解槽13、制菌浄化部14及び循環タンク15から成っている。原料水貯留タンク12と活性種製造用電解槽13は第1配管16で接続され、原料水貯留タンク12内に貯留されているイオン交換水、蒸留水やOR水等に高純度塩化ナトリウムを溶解した原料水17が前記第1配管16を通って前記電解槽13に供給される。この電解槽13内の底板上には1対の脚部18上に設置された、長方形の上部枠19と下部枠20の間に、4枚の金属電極21を3枚の額縁状のスペーサー22を介して積層することにより構成された金属電極構造体23が装着され、この電解槽13内の電解水は全て原料水貯留タンク12から供給される。

0026

前記上部枠19と下部枠20間に通電すると、各金属電極21は分極し、例えば上面が陽分極し下面が陰分極する。電解槽13中の電解水に溶解している塩化ナトリウムは酸化され、活性種である次亜塩素酸イオンが生成して活性種含有水となり、次亜塩素酸イオン水として電解槽13と制菌浄化部14を接続する第2配管25を通してタンク状の前記制菌浄化部14に供給される。
この制菌浄化部14は、第1循環パイプ26と第2循環パイプ27により前記循環タンク15に接続され、第1循環パイプ26により循環タンク15内の不純物を含有する被処理水28が制菌浄化部14に供給される。制菌浄化部14に供給された被処理水は、攪拌翼29で攪拌されることにより、前記電解槽13から供給される活性種含有水と十分に混合され混合水30となって被処理水中の微生物が活性種により殺菌され、その後この混合水30は、その基端部に異物除去用網31が設置された第2循環パイプ27を通して循環タンク15に循環され、必要に応じて再度制菌浄化部14に供給されて活性種含有水と接触して殺菌等が行われる。
制菌浄化部14で生成する微生物の死骸等は前記異物除去用網31で捕捉され、系外に取り出される。

0027

次に本発明に係わる電気化学水処理方法の実施例を説明するが、該実施例は本発明を限定するものではない。

0028

熱交換器から循環する冷却塔内冷却塔水の殺菌処理を次の条件で行った。
(1)冷却塔装置
冷却能力:300冷凍トン
循環水量:230t/hr
保有水量:3t
(2)冷却水の平均水質
pH:8.7
電気伝導率:900μs/cm
酸消費量(pH4.8):250mgCaCO3/L
全硬度:360mgCaCO3/L
カルシウム硬度:190mgCaCO3/L
シリカ濃度:150mgSiO2/L
塩素イオン濃度:58mgCl-/L
総菌数:約106個/ml

0029

(3)電解槽
図1の活性種製造用電解槽を使用した。金属電極は、厚さ1mm、幅300mm、長さ1000mmの多孔性チタン板(チタンラス)の表面を酸化イリジウムと白金で被覆した電極4枚を使用した。4枚の金属電極は3枚の厚さ2mmのスペーサーで絶縁し、冷却塔内の冷却塔水に浸漬し、かつ隔壁で囲まれるように設置した。
(4)電気化学的水処理条件
直流電源を使用し、最大出力電流DC24A(定電流運転)、最大出力電圧40Vとなるように通電した。
前記電解槽に供給される原料水は、市販の精製塩ナトリウムをイオン交換水に溶解(0.1g/L)し、1L/分で供給した。
(5)制菌浄化部
貯水量:0.5t
被処理水の循環水量:3t/h
(6)結果
この条件で被処理水の電気化学的処理を行い、開始前、開始後1ヵ月後、6ヶ月後、及び12ヵ月後の総菌数を測定したところ、開始前は106個/ml、それ以外は102個/ml以下であった。なお一般生菌数の測定は寒天培地培養JIS法に依った。又制菌浄化部中の被処理水中の白金及びイリジウム含有量はゼロであった。更に電解槽中の金属電極表面へのスケール析出量もゼロであった。

0030

[比較例1]
図1の制菌浄化部14を設けず、電解槽13と循環タンク15間を被処理水が循環するようにしたこと以外は実施例1と同じ条件で被処理水の電気化学的処理を行った。
この条件で被処理水の電気化学的処理を行い、開始前、開始後1ヵ月後、2ヶ月後、3ヵ月後の総菌数を測定したところ、開始前は106個/ml、1ヶ月後及び2ヵ月後は102個/mlであったが、3ヵ月後には103個/mlに上昇していた。なお一般生菌数の測定は寒天培地培養JIS法に依った。

0031

温泉水の殺菌処理を次の条件で行った。
(1)原泉
原泉貯水タンクの貯水量:100t
平均使用量:20t/hr
(2)原泉の水質
pH:7.8
電気伝導率:1464μs/cm
酸消費量(pH4.8):555mgCaCO3/L
全硬度:159mgCaCO3/L
カルシウム硬度:190mgCaCO3/L
シリカ濃度:66mgSiO2/L
塩素イオン(Cl-)濃度:141mg/L
シリカ濃度:122mgSiO2/L
鉄濃度:0.08mg/L

0032

(3)電解槽
図1の活性種製造用電解槽を使用した。金属電極は、厚さ1mm、幅300mm、長さ1000mmの多孔性チタン板(チタンラス)の表面を酸化イリジウムと白金で被覆した電極2枚を使用し、2枚の金属電極は1枚の厚さ2mmのスペーサーで絶縁して電解部とした。この電解部3台を地下水に浸漬し、かつ隔壁で囲まれるように設置した。
(4)電気化学的水処理条件
直流電源を使用し、電解部3台は直列電気配線し、最大出力電流DC24A(定電流運転)、最大出力電圧40Vとなるように通電した。
前記電解槽に供給される地下水には、市販の精製塩化ナトリウムを溶解(0.5g/L)し、10L/分で供給した。
(5)制菌浄化部
貯水量:10t
被処理水の循環水量:40t/h
(6)結果
この条件で被処理水の電気化学的処理を行い、浴槽給水の一般生菌数を、寒天培地培養JIS法で測定した結果、開始前は126個/mlで、開始後は菌は検出できなかった。1ヵ月後、6ヶ月後、12ヵ月後の測定でも同様に検出できなかった。

0033

[比較例2]
図1の制菌浄化部を設けなかったこと以外は実施例2と同じ条件で被処理水の電気化学的処理を行った。
この結果、測定された一般生菌数は、開始前は126個/mlで、開始直後は27個/ml、1ヵ月後は36個/ml、6ヶ月後は18個/ml、12ヶ月後は24個/mlであった。

図面の簡単な説明

0034

本発明方法に使用可能な電気化学的水処理装置の一例を示す概略図。

符号の説明

0035

11電気化学的水処理装置
12原料水貯留タンク
13活性種製造用電解槽
14制菌浄化部
15循環タンク
21金属電極
23 金属電極構造体
24電解水
28被処理水
30混合水
31異物除去用網

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