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技術 ルテニウム複合酸化物の製造方法、抵抗体ペーストの製造方法、抵抗体の製造方法、及び電子部品の製造方法

出願人 TDK株式会社
発明者 五十嵐克彦田中博文
出願日 2004年1月20日 (16年1ヶ月経過) 出願番号 2004-012488
公開日 2005年8月4日 (14年7ヶ月経過) 公開番号 2005-206397
状態 未査定
技術分野 酸化物セラミックスの組成1 重金属無機化合物(II) 抵抗器の製造装置と方法 固定抵抗器 導電材料 電線ケーブルの製造(1)
主要キーワード モジュール素子 良導電材料 STOL ルテニウム複合酸化物 中間酸化物 複合素子 単層基板 修飾酸化物成分
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課題

抵抗率の高いルテニウム複合酸化物を、厳密な組成管理を必要とすることなく、RuO2やCa、Sr、Baの酸化物が残存しない状態で製造可能とする。

解決手段

ルテニウム複合酸化物を固相反応により製造するルテニウム複合酸化物の製造方法である。化学量論組成よりもRuO2を過剰にした状態で1400℃以上で熱処理する。好ましくは、RuO2の分解温度である1410℃以上で熱処理する。ルテニウム複合酸化物が一般式ARuO3(ただし、式中、AサイトはCa、Sr、Baの少なくとも1種である。)で表される複合酸化物、例えばCaRuO3、BaRuO3、SrRuO3である。

概要

背景

例えば抵抗体ペーストは、一般に、抵抗値の調節及び結合性を与えるためのガラス組成物と、導電性材料と、有機ビヒクルとを主たる成分として構成されており、これを基板上に印刷した後、焼成することによって、厚さ5〜20μm程度の厚膜抵抗体が形成される。そして、この種の抵抗体ペースト(厚膜抵抗体)においては、通常、導電性材料として酸化ルテニウム(RuO2)や鉛ルテニウム酸化物(Pb2Ru2O6)等が用いられ、ガラスとして酸化鉛(PbO)系ガラス等が用いられている。

例えば高抵抗(10kΩ/□以上)の抵抗体には、導電性材料として抵抗率の高い鉛ルテニウム酸化物(Pb2Ru2O6)が用いられ、高抵抗の抵抗体を得ることは比較的容易であった。

近年、環境問題が盛んに議論されてきており、鉛等の有害物質電子部品からの排除が進められている。前記抵抗体ペーストや厚膜抵抗体も例外ではなく、鉛フリーとするための研究が行われている。

環境に配慮した場合、PbO系ガラスは勿論のこと、導電性材料としての鉛ルテニウム酸化物(Pb2Ru2O6)の使用も避けなければならない。そこで、鉛ルテニウム酸化物と同程度の抵抗率を持つ導電性材料として、CaRuO3、SrRuO3、BaRuO3等のルテニウム複合酸化物が使用されるようになってきている。

これらのルテニウム複合酸化物は、通常、RuO2とアルカリ土類金属炭酸塩とを固相反応させることにより製造される(例えば、非特許文献1等を参照)。非特許文献1記載の技術では、各原料化学量論組成となるように量し、例えば800℃、12時間程度の仮焼の後、1200℃で2時間、本焼成することにより、ルテニウム複合酸化物を得ている。
Am. Ceram. Soc. Bull. Vol.51 No.3 p231-p242 (1972)

概要

抵抗率の高いルテニウム複合酸化物を、厳密な組成管理を必要とすることなく、RuO2やCa、Sr、Baの酸化物が残存しない状態で製造可能とする。 ルテニウム複合酸化物を固相反応により製造するルテニウム複合酸化物の製造方法である。化学量論組成よりもRuO2を過剰にした状態で1400℃以上で熱処理する。好ましくは、RuO2の分解温度である1410℃以上で熱処理する。ルテニウム複合酸化物が一般式ARuO3(ただし、式中、AサイトはCa、Sr、Baの少なくとも1種である。)で表される複合酸化物、例えばCaRuO3、BaRuO3、SrRuO3である。 なし

目的

そこで本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、抵抗率の高いルテニウム複合酸化物を、厳密な組成管理を必要とすることなく、RuO2やCa、Sr、Baの酸化物が残存することのない状態で製造することが可能なルテニウム複合酸化物の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、このルテニウム複合酸化物の製造方法を応用することで、電気特性のばらつきが少なく、経時安定性に優れた抵抗体の作製を可能とする抵抗体ペーストの製造方法、抵抗体の製造方法、及び電子部品の製造方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

ルテニウム複合酸化物固相反応により製造するルテニウム複合酸化物の製造方法であって、化学量論組成よりもRuO2を過剰にした状態で1400℃以上で熱処理することを特徴とするルテニウム複合酸化物の製造方法。

請求項2

前記熱処理を、1400℃以上、1700℃以下で行うことを特徴とする請求項1記載のルテニウム複合酸化物の製造方法。

請求項3

前記熱処理を、RuO2の分解温度以上で行うことを特徴とする請求項1又は2記載のルテニウム複合酸化物の製造方法。

請求項4

前記ルテニウム複合酸化物が一般式ARuO3(ただし、式中、AサイトはCa、Sr、Baの少なくとも1種である。)で表される複合酸化物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のルテニウム複合酸化物の製造方法。

請求項5

RuO2の量を20モル%以下の範囲で前記Aサイトの原料より過剰とすることを特徴とする請求項4記載のルテニウム複合酸化物の製造方法。

請求項6

ルテニウム複合酸化物を固相反応により製造し、得られたルテニウム複合酸化物及びガラス組成物有機ビヒクルと混合する抵抗体ペーストの製造方法であって、前記固相反応に際し、化学量論組成よりもRuO2を過剰にした状態で1400℃以上で熱処理することを特徴とする抵抗体ペーストの製造方法。

請求項7

請求項6記載の方法で抵抗体ペーストを形成し、この抵抗体ペーストを基板上に塗布し、焼成することにより抵抗体を形成することを特徴とする抵抗体の製造方法。

請求項8

請求項6記載の方法で抵抗体ペーストを形成し、この抵抗体ペーストを基板上に塗布し、焼成することにより抵抗体を形成することを特徴とする電子部品の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、抵抗体ペースト導電性材料として用いられるルテニウム複合酸化物の製造方法に関するものであり、さらには、これを適用した抵抗体ペーストの製造方法、抵抗体の製造方法、及び電子部品の製造方法に関する。

背景技術

0002

例えば抵抗体ペーストは、一般に、抵抗値の調節及び結合性を与えるためのガラス組成物と、導電性材料と、有機ビヒクルとを主たる成分として構成されており、これを基板上に印刷した後、焼成することによって、厚さ5〜20μm程度の厚膜抵抗体が形成される。そして、この種の抵抗体ペースト(厚膜抵抗体)においては、通常、導電性材料として酸化ルテニウム(RuO2)や鉛ルテニウム酸化物(Pb2Ru2O6)等が用いられ、ガラスとして酸化鉛(PbO)系ガラス等が用いられている。

0003

例えば高抵抗(10kΩ/□以上)の抵抗体には、導電性材料として抵抗率の高い鉛ルテニウム酸化物(Pb2Ru2O6)が用いられ、高抵抗の抵抗体を得ることは比較的容易であった。

0004

近年、環境問題が盛んに議論されてきており、鉛等の有害物質の電子部品からの排除が進められている。前記抵抗体ペーストや厚膜抵抗体も例外ではなく、鉛フリーとするための研究が行われている。

0005

環境に配慮した場合、PbO系ガラスは勿論のこと、導電性材料としての鉛ルテニウム酸化物(Pb2Ru2O6)の使用も避けなければならない。そこで、鉛ルテニウム酸化物と同程度の抵抗率を持つ導電性材料として、CaRuO3、SrRuO3、BaRuO3等のルテニウム複合酸化物が使用されるようになってきている。

0006

これらのルテニウム複合酸化物は、通常、RuO2とアルカリ土類金属炭酸塩とを固相反応させることにより製造される(例えば、非特許文献1等を参照)。非特許文献1記載の技術では、各原料化学量論組成となるように量し、例えば800℃、12時間程度の仮焼の後、1200℃で2時間、本焼成することにより、ルテニウム複合酸化物を得ている。
Am. Ceram. Soc. Bull. Vol.51 No.3 p231-p242 (1972)

発明が解決しようとする課題

0007

ところで、非特許文献1記載の方法でルテニウム複合酸化物を製造する場合、化学量論組成とするために、それぞれの原料を厳密に秤量することが必要である。化学量論組成を外れ組成で製造した場合、例えばRuO2が過剰な組成では、過剰なRuO2が反応せずに残り、これを用いて抵抗体を作製した場合、高い抵抗率が得られなくなるという問題がある。逆に、RuO2が不足した組成では、Ca、Sr、Baの酸化物が残り、これを用いて抵抗体を作製した場合、経時安定性に劣るという問題がある。しかしながら、原料の厳密な秤量は、作業や工程管理の繁雑化を招き、また、完全に化学量論組成に一致させることは、現実問題として難しい。

0008

そこで本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、抵抗率の高いルテニウム複合酸化物を、厳密な組成管理を必要とすることなく、RuO2やCa、Sr、Baの酸化物が残存することのない状態で製造することが可能なルテニウム複合酸化物の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、このルテニウム複合酸化物の製造方法を応用することで、電気特性のばらつきが少なく、経時安定性に優れた抵抗体の作製を可能とする抵抗体ペーストの製造方法、抵抗体の製造方法、及び電子部品の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、前述の目的を達成することを目的に、長期に亘り種々の研究を重ねてきた。その結果、ルテニウム複合酸化物の製造方法を工夫することで、実現可能であるとの結論を得るに至った。

0010

本発明は、このような知見に基づいて完成されたものである。すなわち、本発明に係るルテニウム複合酸化物の製造方法は、ルテニウム複合酸化物を固相反応により製造するルテニウム複合酸化物の製造方法であって、化学量論組成よりもRuO2を過剰にした状態で1400℃以上で熱処理することを特徴とする。

0011

また、本発明の抵抗体ペーストの製造方法は、ルテニウム複合酸化物を固相反応により製造し、得られたルテニウム複合酸化物及びガラス組成物を有機ビヒクルと混合する抵抗体ペーストの製造方法であって、前記固相反応に際し、化学量論組成よりもRuO2を過剰にした状態で1400℃以上で熱処理することを特徴とする。さらに、本発明の抵抗体の製造方法、電子部品の製造方法は、前記抵抗体ペーストの製造方法によって抵抗体ペーストを形成し、この抵抗体ペーストを基板上に塗布し、焼成することにより抵抗体を形成することを特徴とする。

0012

化学量論組成よりもRuO2を過剰にし、熱処理により固相反応を行うと、通常の温度条件では、未反応のRuO2が残存する。ここで、熱処理の温度をRuO2の分解温度に近い1400℃以上とすると、過剰なRuO2は分解され、揮散昇華)する。したがって、化学量論組成よりもRuO2を過剰にさえすれば、原料組成を厳密に目標組成に一致させなくても、RuO2やCa、Sr、Baの酸化物が残存することがない。

発明の効果

0013

本発明のルテニウム複合酸化物の製造方法によれば、抵抗率の高いルテニウム複合酸化物を、厳密な組成管理を必要とすることなく、RuO2やCa、Sr、Baの酸化物が残存しない状態で製造することが可能である。

0014

したがって、これを抵抗体ペーストや抵抗体、電子部品の製造方法に適用することで、高抵抗値を有し、電気特性のばらつきが少なく、経時安定性に優れた抵抗体、電子部品を製造することが可能である。

発明を実施するための最良の形態

0015

以下、本発明に係るルテニウム複合酸化物の製造方法、抵抗体ペースト、抵抗体、及び電子部品の製造方法について説明する。

0016

先ず、本発明のルテニウム複合酸化物の製造方法であるが、基本的には固相反応による製造である。したがって、原料を混合し、熱処理することでルテニウム複合酸化物とする。ルテニウム複合酸化物としては、一般式ARuO3(ただし、式中、AサイトはCa、Sr、Baの少なくとも1種である。)で表される複合酸化物、例えばCaRuO3、SrRuO3、BaRuO3等である。

0017

したがって、原料としては、RuO2と、前記一般式のAサイト原料、すなわちアルカリ土類金属の酸化物、炭酸塩等を用いる。このとき、RuO2の量を、アルカリ土類金属の酸化物、炭酸塩等よりも化学量論組成に対して過剰にする。RuO2の量は、化学量論組成に対して過剰であればよく、したがって、当然のことながら、過剰なRuO2の量はゼロを越える。ただし、RuO2の量は、20モル%以下の範囲で前記Aサイトの原料より過剰とすることが好ましい。過剰なRuO2の量が多すぎると、分解に長時間を要し、未反応のRuO2が残存するおそれがある。

0018

熱処理の温度は、RuO2の分解が始まる1400℃以上とする必要があり、RuO2の分解温度、すなわち昇華温度である1410℃とすることが好ましい。熱処理温度が前記温度よりも低いと、未反応のRuO2が残存するおそれがある。熱処理の上限温度は、アルカリ土類金属酸化物の分解温度未満、さらにはルテニウム複合酸化物の分解温度未満とすることが好ましく、1700℃以下、通常は1600℃以下とすることが好ましい。熱処理の温度が高すぎると、アルカリ土類金属酸化物やルテニウム複合酸化物が分解してしまい、収率を低下する原因となる。熱処理時間は、特に限定されないが、通常、1時間〜10時間程度である。

0019

RuO2量を化学量論組成に対して過剰にし、且つ前記熱処理温度条件とすることで、RuO2の昇華により未反応のRuO2が残ることがなく、その結果、化学量論組成のルテニウム複合酸化物を得ることができる。

0020

抵抗体ペーストを製造するには、前述の方法でルテニウム複合酸化物を作製した後、これを導電性材料として、ガラス組成物及び必要に応じて添加物とともに有機ビヒクルと混合すればよい。ここで、導電性材料であるルテニウム複合酸化物は、絶縁体であるガラス中に分散されることで、構造物である厚膜抵抗体に必要な導電性を付与する役割を持ち、10kΩ/□以上の高い抵抗値が実現される。

0021

抵抗体ペースト中の導電性材料の含有量は、ガラス組成物、導電性材料、及び添加物の合計重量を100重量%とした場合に、9.4重量%〜53.3重量%とするのが好ましい。導電性材料の含有量が前記範囲を下回る場合、抵抗値が高くなりすぎてしまい、抵抗体ペーストとしての使用に適さなくなるおそれがある。逆に、導電性材料の含有量が前記範囲を越えると、ガラス組成物による導電性材料の結着が不十分になり、信頼性が低下するおそれがある。

0022

ガラス組成物は、その組成は特に限定されないが、本発明では環境保全上、鉛を実質的に含まない鉛フリーのガラス組成物を用いることが好ましい。なお、本発明において、「鉛を実質的に含まない」とは、不純物レベルとは言えない量を越える鉛を含まないことを意味し、不純物レベルの量(例えば、ガラス組成物中の含有量が0.05重量%以下程度)であれば含有されていてもよい趣旨である。鉛は、不可避不純物として極微量程度に含有されることがある。

0023

ガラス組成物は、抵抗体とされたとき、抵抗体中で導電性材料及び添加物を基板と結着させる役割を持つ。ガラス組成物は、原料として、ガラス形成酸化物成分、修飾酸化物成分等を混合して用いることができる。ガラス形成酸化物成分としては、B2O3、SiO2及びP2O5等を挙げることができる。修飾酸化物成分としては、具体的には、Na2O、Li2O、K2O等のアルカリ金属酸化物、CaO、SrO、BaO等のアルカリ土類酸化物、Al2O3、TiO2、ZnO等の中間酸化物等を挙げることができる。また、必要に応じて、前記修飾酸化物成分の他、任意の金属酸化物ガラス原料として添加することもできる。具体的な金属酸化物としては、例えばZrO2、CuO、NiO、CoO、MnO、Cr2O3、V2O5、MgO、SnO2、Y2O3、Fe2O3等を挙げることができ、ガラス化し得る範囲内であれば、これらの添加量に特別な制限はない。

0024

ガラス組成物における各成分の含有量にはそれぞれ最適範囲が存在し、例えば修飾酸化物成分の含有量が少なすぎると、導電性材料との反応性が低下し、TCR、STOL特性を劣化させるおそれがある。逆に、修飾酸化物成分の含有量が多すぎる場合、抵抗体を形成した時に、過剰な金属酸化物の析出が起こり、特性、信頼性を劣化させるおそれがある。ガラス形成酸化物成分の含有量が少ない場合、ガラス組成物の軟化点が高くなるため、所定の焼成温度にて抵抗体を形成した場合、抵抗体の焼結が不十分となり、信頼性を著しく低下させるおそれがある。逆に、ガラス形成酸化物成分の含有量が多すぎる場合、ガラス組成物の耐水性が低下するため、抵抗体としたときの信頼性を著しく低下させるおそれがある。

0025

抵抗体ペースト中のガラス組成物の含有量は、導電性材料、ガラス組成物、添加物の合計の重量を100重量%とした時に、47.7重量%〜90.6重量%とするのが好ましい。含有量が少ない場合、導電性材料、添加物の結着が不十分となり、信頼性が著しく低下するおそれがある。逆に、ガラス組成物の含有量が前記範囲を越えると、抵抗値が高くなり過ぎてしまい、抵抗体ペーストとしての使用に適さなくなるおそれがある。

0026

抵抗体ペーストには、前述のガラス組成物、導電性材料の他、特性の調整等を目的として、添加物が含まれていてもよい。抵抗体ペーストにおける添加物の含有量は、ガラス組成物、導電性材料、及び添加物の合計重量を100重量%とした場合に、0〜27.2重量%とするのが好ましく、1.0重量%〜27.2重量%とするのがより好ましい。添加物の含有量が少ない場合、十分な特性の調整が困難となる。逆に、添加物の含有量が多すぎる場合、導電性材料、添加物の結着が不十分となり、信頼性が著しく低下するおそれがある。

0027

添加物としては、任意の金属酸化物を用いることができる。具体的には、MgO、TiO2、SnO2、ZnO、CoO、CuO、NiO、MnO、Mn3O4、Fe2O3、Cr2O3、Y2O3、V2O5等が挙げられる。中でも、TCR調整剤として効果の高い酸化物であるCuO、NiO、MgOが好ましい。それぞれの添加物の含有量が多すぎる場合、STOL特性が劣化するおそれがある。

0028

有機ビヒクルは、ガラス組成物、導電性材料と添加物とを混練ペースト化させる役割を有し、この種の抵抗体ペーストに用いられるものがいずれも使用可能である。有機ビヒクルは、バインダ有機溶剤中に溶解することによって調製されるものである。バインダとしては、特に限定されず、例えば、エチルセルロースポリビニルブチラール等、各種バインダから適宜選択すればよい。有機溶剤も限定されず、テルピネオールブチルカルビトールアセトントルエン等、各種有機溶剤から適宜選択すればよい。さらに、抵抗体ペーストの物性を調節するために、分散剤等の各種添加剤を加えてもよい。

0029

前記有機ビヒクルの配合比率であるが、ガラス組成物、導電性材料、及び添加物を合計した合計重量(W1)と、有機ビヒクルの重量(W2)の比率(W2/W1)が、0.25〜4(W2:W1=1:0.25〜1:4)であることが好ましい。より好ましくは、前記比率(W2/W1)が0.5〜2である。前記比率を外れると、抵抗体を例えば基板上に形成するのに適した粘度の抵抗体ペーストを得ることができなくなるおそれがある。

0030

前述の導電性材料(ルテニウム複合酸化物)、ガラス組成物、添加物を有機ビヒクルに分散させ、抵抗体ペーストを調製するが、このとき、分散方法は特に限定されず、例えば3本ロール等で混練すればよい。

0031

抵抗体を形成するには、前述の成分を含む抵抗体ペーストを例えば基板上にスクリーン印刷等の手法で印刷(塗布)し、850℃程度の温度で焼成すればよい。基板としては、Al2O3基板やBaTiO3基板の誘電体基板や、低温焼成セラミック基板AlN基板等を用いることができる。基板形態としては、単層基板複合基板多層基板のいずれであってもよい。多層基板の場合、抵抗体は、表面に形成してもよいし、内部に形成してもよい。

0032

抵抗体の形成に際しては、通常、基板に電極となる導電パターンを形成するが、この導電パターンは、例えば、AgやPt、Pd等を含むAg系の良導電材料を含む導電ペーストを印刷することにより形成することができる。また、形成した抵抗体の表面に、ガラス膜等の保護膜を形成してもよい。

0033

本発明の抵抗体を適用可能な電子部品としては特に限定されないが、例えば単層または多層回路基板チップ抵抗器等の抵抗器アイソレータ素子、C−R複合素子モジュール素子の他、積層チップコンデンサ等のコンデンサインダクタ等が挙げられ、コンデンサやインダクタ等の電極部分にも適用することができる。

0034

以下、本発明を適用した具体的な実施例について、実験結果に基づいて説明する。なお、本発明が以下の実施例に限定されるものでないことは言うまでもない。

0035

実施例1
CaO:RuO2=49:51(モル%)になるようにCaCO3とRuO2を秤量し、湿式法にてボールミルで混合し、乾燥した後、混合粉を1450℃で5時間反応させ、CaRuO3を得た。得られたCaRuO3反応粉を湿式法にてボールミルで粉砕し、CaRuO3微粉末を得た。このCaRuO3微粉末をX線回折により調べた。

0036

次に、前記CaRuO3微粉末とCaOガラス(CaCO334モル%、B2O336モル%、SiO225モル%、ZrO25モル%)を、比率が15:85(体積%)となるように配合し、有機ビヒクル中に分散して抵抗体ペーストを得た。この抵抗体ペーストを導体が形成されたアルミナ基板上に所定の形状(1mm×1mmの方形状)に印刷し、850℃で焼き付け、抵抗体を形成した。形成された抵抗体について、初期抵抗値信頼性試験後の抵抗値を測定し、変化率を算出した。なお、信頼性試験の条件は、温度85℃、相対湿度85%で1000時間とした。

0037

実施例2
CaO:RuO2=47:53(モル%)になるようにCaCO3とRuO2を秤量した他は実施例1と同様にしてCaRuO3微粉末を作製し、X線回折により調べた。また、このCaRuO3微粉末を用いて実施例1と同様に抵抗体を形成し、形成された抵抗体について、初期抵抗値と信頼性試験後の抵抗値を測定し、変化率を算出した。

0038

比較例1
CaO:RuO2=50:50(モル%)になるようにCaCO3とRuO2を秤量し、熱処理条件を1390℃、5時間とした他は、実施例1と同様にしてCaRuO3微粉末を作製し、X線回折により調べた。また、このCaRuO3微粉末を用いて実施例1と同様に抵抗体を形成し、形成された抵抗体について、初期抵抗値と信頼性試験後の抵抗値を測定し、変化率を算出した。

0039

比較例2
CaO:RuO2=51:49(モル%)になるようにCaCO3とRuO2を秤量し、熱処理条件を1390℃、5時間とした他は、実施例1と同様にしてCaRuO3微粉末を作製し、X線回折により調べた。また、このCaRuO3微粉末を用いて実施例1と同様に抵抗体を形成し、形成された抵抗体について、初期抵抗値と信頼性試験後の抵抗値を測定し、変化率を算出した。

0040

前記実施例1,2及び比較例1,2について、X線回折結果及び抵抗体の抵抗値及び変化率の測定結果を表1に示す。なお、X線回折結果は、ピークが認められた場合を○、ピークが認められなかった場合を×で示してある。また、抵抗値は、30個の試料平均値である。

0041

0042

この表1から明らかなように、RuO2を化学量論組成よりも過剰にし、1400℃以上で熱処理した実施例1,2では、RuO2やCaCO3が残存することなく、CaRuO3の単一相が得られており、これを用いた抵抗体では、高抵抗値を有し、信頼性試験の前後で抵抗値の変化がほとんど認められなかった。これに対して、原料組成を化学量論組成とし、熱処理温度が低い比較例1では、RuO2やCaCO3が残存し、特にRuO2の影響で、抵抗値が著しく低くなっている。比較例2のように、CaCO3を過剰にすることで、RuO2の残存が解消され、抵抗値は高くなっているが、CaCO3が残存し、信頼性試験の前後で抵抗値の変化が大きい。

0043

実施例3
BaO:RuO2=49:51(モル%)になるようにBaCO3とRuO2を秤量し、熱処理条件を1450℃、5時間とした他は、実施例1と同様にしてBaRuO3微粉末を作製し、X線回折により調べた。また、このBaRuO3微粉末を用いて実施例1と同様に抵抗体を形成し、形成された抵抗体について、初期抵抗値と信頼性試験後の抵抗値を測定し、変化率を算出した。

0044

実施例4
SrO:RuO2=49:51(モル%)になるようにSrCO3とRuO2を秤量し、熱処理条件を1450℃、5時間とした他は、実施例1と同様にしてSrRuO3微粉末を作製し、X線回折により調べた。また、このSrRuO3微粉末を用いて実施例1と同様に抵抗体を形成し、形成された抵抗体について、初期抵抗値と信頼性試験後の抵抗値を測定し、変化率を算出した。

0045

前記実施例3,4について、X線回折結果及び抵抗体の抵抗値及び変化率の測定結果を表2に示す。

0046

0047

実施例3,4においても、RuO2を化学量論組成よりも過剰にし、1400℃以上で熱処理することで、BaRuO3、あるいはSrRuO3の単一相が得られており、これらルテニウム複合酸化物を用いることで、高抵抗で抵抗値の安定した抵抗体が得られている。

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