図面 (/)

技術 系統連系用インバータ装置

出願人 三洋電機株式会社
発明者 牧野康弘萬里小路正樹川田忠正
出願日 2004年1月13日 (16年5ヶ月経過) 出願番号 2004-005187
公開日 2005年7月28日 (14年11ヶ月経過) 公開番号 2005-204355
状態 特許登録済
技術分野 インバータ装置 電気的変量の制御(交流、直流、電力等) 交流の給配電
主要キーワード 許容値範囲 電磁波レベル センサ用電源 電流平滑回路 電磁波抑制 コーナー周波数 住宅地域 アイソレーションアンプ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年7月28日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

系統連系インバータ装置から発せられる電磁波、特にラジオ放送帯に係る電磁波抑制を図る。

解決手段

解列リレー30の補助接点30Dには、配線98を介して、スイッチング電源90から所定の電圧印加され、補助接点が閉じられることにより、配線98Bに接続しているフォトカプラ100がオンして、マイコン58に、解列リレーの開閉が検知される。この配線には、トロイダルコイルコンデンサによって形成されたフィルタ回路102が設けられており、このフィルタによってスイッチング信号の生成に用いるキャリア周波数を含む所定以上の周波数の抑制を図る。これにより、配線がアンテナとなって、キャリア周波数の整数倍高調波による電磁波が発生するのを抑えて、ラジオノイズの抑制を図っている。

概要

背景

近年、太陽光エネルギーとして発電した電力商用電力系統回生することが普及しつつある。発電電力を商用電力系統へ回生するときにはインバータ装置系統連系用インバータ装置)が用いられ、発電した直流電力スイッチング素子オンオフによって商用電力系統の周波数及び電圧に応じた交流電力に変換するようにしている。

このような系統連系用インバータ装置では、例えばスイッチング素子をブリッジ接続するなどして形成したインバータ回路が設けられており、このインバータ回路に入力される直流電力に基づいてスイッチング素子のオン時間(オンデューティ)を設定し、設定したオン時間でスイッチング素子を駆動するPWM制御を行う。これによりより、発電電力に応じた電流の交流電力を発生し、この交流電力を、解列リレー保護継電器等を介して系統電源へ出力(回生)するようにしている。

このようなPWM制御は、キャリア周波数が数kHz以上の高い周波数で行われる。

一方、系統連系用インバータ装置には、発電電力又は商用電源の電力から、スイッチング素子の駆動や各種のセンサ用電源を生成する電源スイッチング電源)が設けられている(例えば、特許文献2参照。)。

また、系統連系用インバータ装置では、装置の作動を制御するコントローラマイクロコンピュータマイコン)が設けられており、このマイコンが解列リレーの開閉を制御する。また、マイコンは、解列リレーの開閉を監視するようにしている。

この解列リレーの開閉の監視は、解列リレーの補助接点に、スイッチング電源から引き出した配線を接続し、所定の電圧が印加されるようにし、この配線の一方に設けたフォトカプラから出力される信号から、解列リレーの開閉を検出して行うようにしている。

ところで、スイッチング素子をオン/オフするインバータ回路では、スイッチング素子の駆動に応じた電磁波が発生しやすい。また、スイッチング素子の駆動用の電力を生成するスイッチング電源も電磁波を発生しやすい。

このために、系統連系用インバータ装置では、インバータ回路やスイッチング電源自体から発生する電磁波を、種々の方法を用いて抑制するようにしている。

電磁波抑制の基準としては、情報処理装置電波障害自主規制協議会(VCCI:Volunatary Control Council for Interference by Information Technology Equipment)で定めている技術基準が多用されている。この技術基準では、商工業地域に適用される規格区分である第1種において、準尖頭値許容値が、150kHz〜500kHzで79dBμv、500kHz〜30MHzで73dBμvとなっている。

一方、図6には、インバータ回路やスイッチング電源等から直接的に発せられる電磁波を抑制した系統連系インバータ装置における電磁波レベル測定結果の一例を示している。

この測定結果においては、VCCIの技術基準の第1種を十分に満たしており、商工業地域においては使用に問題のないレベルとなっている。

しかしながら、近年では、住宅においての太陽光発電装置の普及が望まれているが、VCCIの技術基準では、住宅地域に適用される規格区分である第2種における電磁波レベルの準尖頭値の許容値が、150kHz〜500kHzで66〜56dBμv、500kHz〜5MHzで56dBμv、5MHz〜30MHzで60dBμvとなっている。

このために、図7に示すように、ラジオ放送帯域での電磁波レベルが第1種で許容値であっても、第2種では許容値を越えてしまうことがある。このために、系統連系用インバータ装置から発生した電磁波が起因するノイズラジオノイズとして現れてしまうという問題がある。
特開2003−18750号公報
特開2003−18749号公報

概要

系統連系インバータ装置から発せられる電磁波、特にラジオ放送帯に係る電磁波抑制をる。解列リレー30の補助接点30Dには、配線98を介して、スイッチング電源90から所定の電圧が印加され、補助接点が閉じられることにより、配線98Bに接続しているフォトカプラ100がオンして、マイコン58に、解列リレーの開閉が検知される。この配線には、トロイダルコイルコンデンサによって形成されたフィルタ回路102が設けられており、このフィルタによってスイッチング信号の生成に用いるキャリア周波数を含む所定以上の周波数の抑制をる。これにより、配線がアンテナとなって、キャリア周波数の整数倍高調波による電磁波が発生するのを抑えて、ラジオノイズの抑制をっている。

目的

本発明は、上記事実に鑑みてなされたものであり、ラジオノイズのより一層の低減を図った系統連系インバータ装置を提案することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

スイッチング素子スイッチング駆動されることにより直流電力交流電力に変換するスイッチング回路と、前記スイッチング素子の駆動タイミングを設定するスイッチング信号を生成する生成手段と、所定周波数キャリアで前記スイッチング信号に基づいて前記スイッチング素子を駆動するスイッチング制御部と、前記スイッチング素子及び前記スイッチング制御部を含む駆動電力を生成する電源部と、を含み、直流電力を商用電源に応じた電圧及び周波数に変換して商用電源へ回生する系統連系用インバータ装置であって、前記電源部から引き出されて所定の接点を経て電源部に戻るループが形成される配線に、ストップバンド内に前記キャリア周波数及びキャリアの高調波が含まれるフィルタ回路を設け、前記配線を該フィルタ回路から引き出して前記接点に接続していることを特徴とする系統連系用インバータ装置。

請求項2

前記インバータ回路と前記商用電源の間に、接点の開閉によってインバータ回路と商用電源を接続する解列リレーが設けられている時に、前記解列リレーの接点の一つと前記電源部とを接続する前記配線に、前記フィルタ回路を設けていることを特徴とする請求項1に記載の系統連系用インバータ装置。

請求項3

前記キャリア周波数が数kHz以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の系統連系用インバータ装置。

請求項4

前記フィルタ回路を用いて、100kHz〜1MHz、好ましくは2MHz以下の電磁波レベルの抑制を図ることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の系統連系用インバータ装置。

請求項5

前記フィルタ回路に、トロイダルコアを用いて形成され、インダクタンスLが数百mH以下のトロイダルコイルを用いていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の系統連系用インバータ装置。

技術分野

0001

本発明は、太陽電池等の発電手段によって発電した電力商用電源などの系統電源に応じた電力に変換して回生する系統連系用インバータ装置に関する。

背景技術

0002

近年、太陽光エネルギーとして発電した電力を商用電力系統へ回生することが普及しつつある。発電電力を商用電力系統へ回生するときにはインバータ装置(系統連系用インバータ装置)が用いられ、発電した直流電力スイッチング素子オンオフによって商用電力系統の周波数及び電圧に応じた交流電力に変換するようにしている。

0003

このような系統連系用インバータ装置では、例えばスイッチング素子をブリッジ接続するなどして形成したインバータ回路が設けられており、このインバータ回路に入力される直流電力に基づいてスイッチング素子のオン時間(オンデューティ)を設定し、設定したオン時間でスイッチング素子を駆動するPWM制御を行う。これによりより、発電電力に応じた電流の交流電力を発生し、この交流電力を、解列リレー保護継電器等を介して系統電源へ出力(回生)するようにしている。

0004

このようなPWM制御は、キャリア周波数が数kHz以上の高い周波数で行われる。

0005

一方、系統連系用インバータ装置には、発電電力又は商用電源の電力から、スイッチング素子の駆動や各種のセンサ用電源を生成する電源スイッチング電源)が設けられている(例えば、特許文献2参照。)。

0006

また、系統連系用インバータ装置では、装置の作動を制御するコントローラマイクロコンピュータマイコン)が設けられており、このマイコンが解列リレーの開閉を制御する。また、マイコンは、解列リレーの開閉を監視するようにしている。

0007

この解列リレーの開閉の監視は、解列リレーの補助接点に、スイッチング電源から引き出した配線を接続し、所定の電圧が印加されるようにし、この配線の一方に設けたフォトカプラから出力される信号から、解列リレーの開閉を検出して行うようにしている。

0008

ところで、スイッチング素子をオン/オフするインバータ回路では、スイッチング素子の駆動に応じた電磁波が発生しやすい。また、スイッチング素子の駆動用の電力を生成するスイッチング電源も電磁波を発生しやすい。

0009

このために、系統連系用インバータ装置では、インバータ回路やスイッチング電源自体から発生する電磁波を、種々の方法を用いて抑制するようにしている。

0010

電磁波抑制の基準としては、情報処理装置電波障害自主規制協議会(VCCI:Volunatary Control Council for Interference by Information Technology Equipment)で定めている技術基準が多用されている。この技術基準では、商工業地域に適用される規格区分である第1種において、準尖頭値許容値が、150kHz〜500kHzで79dBμv、500kHz〜30MHzで73dBμvとなっている。

0011

一方、図6には、インバータ回路やスイッチング電源等から直接的に発せられる電磁波を抑制した系統連系インバータ装置における電磁波レベル測定結果の一例を示している。

0012

この測定結果においては、VCCIの技術基準の第1種を十分に満たしており、商工業地域においては使用に問題のないレベルとなっている。

0013

しかしながら、近年では、住宅においての太陽光発電装置の普及が望まれているが、VCCIの技術基準では、住宅地域に適用される規格区分である第2種における電磁波レベルの準尖頭値の許容値が、150kHz〜500kHzで66〜56dBμv、500kHz〜5MHzで56dBμv、5MHz〜30MHzで60dBμvとなっている。

0014

このために、図7に示すように、ラジオ放送帯域での電磁波レベルが第1種で許容値であっても、第2種では許容値を越えてしまうことがある。このために、系統連系用インバータ装置から発生した電磁波が起因するノイズラジオノイズとして現れてしまうという問題がある。
特開2003−18750号公報
特開2003−18749号公報

発明が解決しようとする課題

0015

本発明は、上記事実に鑑みてなされたものであり、ラジオノイズのより一層の低減を図った系統連系インバータ装置を提案することを目的とする。

課題を解決するための手段

0016

上記目的を達成するために本発明は、スイッチング素子がスイッチング駆動されることにより直流電力を交流電力に変換するスイッチング回路と、前記スイッチング素子の駆動タイミングを設定するスイッチング信号を生成する生成手段と、所定周波数キャリアで前記スイッチング信号に基づいて前記スイッチング素子を駆動するスイッチング制御部と、前記スイッチング素子及び前記スイッチング制御部を含む駆動電力を生成する電源部と、を含み、直流電力を商用電源に応じた電圧及び周波数に変換して商用電源へ回生する系統連系用インバータ装置であって、前記電源部から引き出されて所定の接点を経て電源部に戻るループが形成される配線に、ストップバンド内に前記キャリア周波数及びキャリアの高調波が含まれるフィルタ回路を設け、前記配線を該フィルタ回路から引き出して前記接点に接続していることを特徴とする。

0017

この発明によれば、電源部から引き出されて、装置内のリレー接点に接続されている配線に、フィルタ回路を設け、このフィルタ回路に接続した配線を装置内の接点に接続する。

0018

一般に高調波は次数が高くなるとレベルが低下するが、キャリアは周波数が高いので、中波放送帯域まで高いレベルの電磁波が発生されてしまう。このときに、キャリア周波数がストップバンドに含まれるフィルタ回路を設ける。

0019

これにより、接点が閉じられたときに配線によって形成されるループがアンテナとなって、配線中に流れ込むキャリア周波数の高調波が電磁波として発せられてしまうのを抑えることができる。

0020

請求項2に係る発明は、前記インバータ回路と前記商用電源の間に、接点の開閉によってインバータ回路と商用電源を接続する解列リレーが設けられている時に、前記解列リレーの接点の一つと前記電源部とを接続する前記配線に、前記フィルタ回路を設けていることを特徴とする。

0021

この発明によれば、解列リレーに設けている補助接点を用いて、解列リレーの開閉を検出するときに、電源部と解列リレーの補助接点とを接続している配線にフィルタ回路を設け、この配線から電磁波が発せられるのを抑えている。

0022

また、解列リレーとの間の配線にキャリア周波数又はキャリア周波数の高調波が流れ込むと、キャリア周波数が起因する電磁波レベルが、インバータ回路の出力電力に応じて高くなるが、このような電磁波の抑制も行うことができる。

0023

このような本発明では、前記キャリア周波数が数kHz以上であることが好ましい。また、本発明は、少なくとも、前記フィルタ回路を用いて、100kHz〜1MHz、好ましくは2MHz以下の電磁波レベルの抑制を図るものでことが好ましい。

0024

このような本発明においては、前記フィルタ回路に、トロイダルコアを用いて形成され、インダクタンスLが数百mH以下のトロイダルコイルを用いていることができ、これにより、低コスト化を図ることが可能となる。

発明の効果

0025

以上説明したように本発明によれば、電源部から引き出されて接点に接続されていることよりループが形成可能な配線に、フィルタ回路を設けることにより、配線からキャリア周波数に応じた電磁波が発せられて、ラジオノイズ等となってしまうのを確実に防止することができるという優れた効果が得られる。

発明を実施するための最良の形態

0026

以下に図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図1には、本実施の形態に係る系統連系インバータ装置を設けた太陽光発電装置10の概略構成を示している。

0027

太陽光発電装置10は、発電ユニット12と系統連系インバータ装置(以下、インバータ装置14とする)を備えている。発電ユニット12には、多数の太陽電池セルを備えた太陽電池アレイによって形成された太陽電池16が設けられており、太陽光を受光することにより、受光量に応じた直流電力を発生する。

0028

この太陽電池16によって発生された発電電力(直流電力)が、インバータ装置14に入力される。なお、本実施の形態では、太陽電池16を用いた発電ユニット12を例に説明するが、これに限らず、インバータ装置14へ直流電力を供給するものであれば、任意の構成の発電装置又は直流電源を用いることができる。

0029

インバータ装置14には、インバータ回路20が設けられ、発電ユニット12で発電された電力が、ノイズフィルタ22及び昇圧回路24等を介してインバータ回路20へ入力される。また、インバータ装置14には、インバータ回路20の出力側に、電流平滑回路26、ノイズフィルタ28、解列リレー30及び保護継電器32が順に設けられており、インバータ回路20から出力された電力は、フィルタ回路26、ノイズフィルタ28、解列リレー30及び保護継電器32を介して商用電力系統18へ出力(回生)される。

0030

本実施の形態では、一例として単相3線式の商用電力系統18へ交流電力を回生するようにしており、インバータ装置14は、発電ユニット12が発電した直流電力を、この商用電力系統18に応じた位相、周波数及び電圧の交流電力に変換して商用電力系統18へ回生する。また、インバータ装置14には、インバータ装置14の作動を制御するコントローラ34が設けられている。

0031

発電ユニット12(図1参照)によって発電された直流電力は、ノイズフィルタ22を介して昇圧回路24に入力される。昇圧回路24は、平滑コンデンサ36、チョークコイル38、コンデンサ40、スイッチング回路42及びダイオード44を備えており、平滑コンデンサ36によって平滑化された直流電力がチョークコイル38及びスイッチング回路42に入力される。

0032

スイッチング回路42は、スイッチング素子46とダイオード48によって形成されており、スイッチング素子46がコントローラ34によって駆動(オン/オフ)が制御される。このスイッチング素子46としては、パワートランジスタパワーMOSFET又はIGBTなどを用いることができる。

0033

スイッチング回路42は、スイッチング素子46のスイッチング動作(オン/オフ)により、入力電圧を昇圧した電圧をチョークコイル38に発生させる。このとき、コンデンサ40には、チョークコイル38に発生した昇圧電力蓄積され、ダイオード44がこの昇圧電力の逆流を防止している。

0034

また、ノイズフィルタ22と昇圧回路24の間には、発電電圧検出センサ50及び発電電流検出センサ52が設けられており、昇圧回路24には、昇圧電圧検出センサ54が設けられ、発電電圧検出センサ50、発電電流検出センサ52及び昇圧電圧検出センサ54のそれぞれがコントローラ34に接続している。

0035

発電電圧検出センサ50及び昇圧電圧検出センサ54は、例えばアイソレーションアンプを備えており、発電電圧検出センサ50は、発電ユニット12(太陽電池16)によって発電されて昇圧回路24へ入力される電圧(直流電圧)を検出し、昇圧電圧検出センサ54は、昇圧回路24によって昇圧された電圧を検出する。なお、昇圧電圧検出センサ54によって検出される電圧が昇圧回路24から出力される昇圧電圧となる。

0036

発電電流検出センサ52は、例えば変流器(CT)を備えており、発電ユニット12によって発電されて昇圧回路24へ入力される電流(直流電流)を検出する。

0037

コントローラ34は、マイクロコンピュータ(マイコン58、図3参照)を備えており、発電電圧検出センサ50及び発電電流検出センサ52の検出値に基づいて、スイッチング素子46を駆動する。このときに、コントローラ34では、スイッチング素子46のオン時間(オンデューティ)を調整することにより、所定の昇圧電圧が得られるように制御している。

0038

すなわち、商用電力系統18の系統電圧が200Vであるときに、その波高値ピーク値)が約±280Vとなるので、昇圧回路24での昇圧電圧は、商用電力系統18の波高値の絶対値(約280V)以上の電圧が必要となり、コントローラ34は、その電圧が得られるようにスイッチング素子46のオン/オフを制御する。

0039

なお、実際の昇圧回路24における昇圧電圧は、インバータ回路20や電流平滑回路26等での損失を考慮して280Vよりも例えば20〜30V程度高い電圧を発生するようにしている。

0040

また、本実施の形態に適用している太陽光発電装置10には、発電ユニット12とノイズフィルタ22の間に、例えば変流器(CT)を備えた電流センサ56が設けられており、コントローラ34は、この電流センサ56を用いて、発電ユニット12によって発電した電力の地絡を検出するようにしている。

0041

一方、インバータ回路20は、複数のスイッチング素子60が設けられ、スイッチング素子60がブリッジ接続されている。また、インバータ回路20には、スイッチング素子60のそれぞれに対してダイオード(フライホイールダイオード)62が設けられている。

0042

なお、本実施の形態に適用した太陽光発電装置10では、単相3線式の商用電力系統18へ発電電力を出力するようにしており、ここから、4個のスイッチング素子60Xa、60Xb、60Ya、60Yb(以下、総称して「スイッチング素子60」とする)をブリッジ接続している。

0043

このスイッチング素子60としては、パワートランジスタ、パワーMOSFET又はIGBTの任意の半導体素子を用いることができるが、IGBTを用いることがより好ましい。

0044

コントローラ34は、スイッチング素子60のオン/オフを制御することにより、昇圧回路24から入力される直流電力を、商用電力系統18に対応した交流電力に変換する。このときに、コントローラ34は、商用電力系統18の交流電力と一致する位相及び周波数の正弦波で、商用電力系統18の系統電圧に応じた電圧の交流電力に変換するように制御する。

0045

すなわち、インバータ回路20では、スイッチング素子60がオン/オフされることにより、昇圧回路24から入力される直流電力をパルス幅変調(PWM)して交流電力に変換する。このときに、コントローラ34は、スイッチング素子60のオン時間を制御して、インバータ回路20から出力される交流電力(交流電圧)の波形が、商用電力系統18における系統電圧の交流電圧波形と一致させるようにしている。

0046

電流平滑回路26は、リアクトル64及びコンデンサ62によって形成されており、インバータ回路20から出力される交流電力の電流を平滑化する。この電流平滑回路26によって電流が平滑化された交流電力が、ノイズフィルタ28、解列リレー30及び保護継電器32を介して商用電力系統18へ出力される。

0047

一方、解列リレー30と保護継電器32の間には、系統電圧を検出する系統電圧センサ68が設けられている。この系統電圧センサ62は、コントローラ34に接続している。なお、インバータ装置14では、二本の電源線のそれぞれと接地線との間に系統電圧センサ68A、68B(以下、総称するときには「系統電圧センサ68」とする)を設けて、系統電圧センサ68A、68Bによって単相3線式の片相ずつの系統電圧を検出するようにしている。

0048

系統電圧センサ68(68A、68B)は、例えばアイソレーションアンプを備えており、商用電力系統18の系統電圧に応じた電圧をコントローラ34へ出力する。

0049

また、インバータ装置14には、電流平滑回路26とノイズフィルタ28の間に、出力電流検出センサ70が設けられている。この出力電流検出センサ70は、例えば変流器を備え、コントローラ34に接続しており、コントローラ34は、インバータ回路20から電流平滑回路26を経て出力される出力電流を検出する。

0050

コントローラ34は、発電電圧検出センサ50及び発電電流検出センサ52によって検出される発電電力と、系統電圧検出センサ72によって検出する系統電圧に基づいて、インバータ回路20に設けているスイッチング素子60の駆動に用いるスイッチング信号のデューティ比(オンデューティ)を制御する。

0051

このときに、コントローラ34は、系統電圧検出センサ68によって検出する系統電圧の変化から、系統電圧の位相(ゼロクロス)に合わせてスイッチング信号を生成するようにしている。また、コントローラ34は、発電電力に基づいて出力電流の目標値を設定し、出力電流検出センサ70の検出する出力電流が目標値となるようにフィードバック制御を行う。

0052

すなわち、図2に示すように、コントローラ34には、PWM理論に基づく正弦波信号を得るためのスイッチング信号を発生するスイッチング制御部72が形成されている。

0053

このスイッチング制御部72には、正弦波電流波形を生成するためのデータ(オン/オフ信号パターン)が予め記憶されているROM74(以下、記憶されているデータを「ROMデータ」という)が設けられている。また、スイッチング制御部72には、目標電流設定部76、信号生成部78が設けられている。

0054

目標電流設定部76は、発電電圧検出センサ50及び発電電流検出センサ52の検出値(発電電力)に基づいて、インバータ装置14から出力する目標電流値を設定する。

0055

信号生成部78は、ROM74からROMデータを読み出し、このROMデータと目標電流設定部76によって設定された目標電流に基づいてスイッチング信号を生成する。このとき、信号生成部78では、系統電圧検出センサ68によって検出する系統電圧及び位相に基づいたスイッチング信号を生成する。

0056

また、コントローラ34には、スイッチング素子60を駆動する駆動回路80が設けられており、信号生成部78で生成されたスイッチング信号が駆動回路80に入力される。

0057

このとき、信号生成部78では、スイッチング信号のキャリア周波数fcが10kHz以上、15kHz〜20kHzであり、本実施の形態では一例としてスイッチング信号のキャリア周波数fcを17.5kHz(fc=17.5kHz)としており、スイッチング素子60が、このキャリア周波数に基づいて生成されたスイッチング信号によって駆動される。

0058

ROMデータは、正弦波などのように直流成分を含まない予め規定された電流波形に基づいて設定されており、信号生成部78は、ROMデータと商用電力系統18(図1参照)の周波数fs(例えばfs=50Hz)に対する位相及び系統電圧に合わせたスイッチング信号を出力する。

0059

また、ROM74には、スイッチング信号の1周期分のROMデータとして、例えば、720個のデータを記憶しており、商用電力系統18の電源周波数fsが50Hzの商用電力系統18に対しては、1周期について例えば220個のデータが読み出されて順にスイッチング信号が生成される。

0060

信号生成部78は、スイッチング素子60の一つ(例えばスイッチング素子60Xa)の駆動に用いるスイッチング信号Xa、このスイッチング信号Xaに対して位相を180°ずらしたスイッチング信号Yaを出力する。

0061

駆動回路80には、このスイッチング信号Xa、Yaと共に、インバータ82によってスイッチング信号Xa、Yaのそれぞれを反転させたスイッチング信号Xb、Ybが入力される。駆動回路80は、このスイッチング信号Xa、Xb、Ya、Ybに基づいて、ブリッジ接続されたスイッチング素子60(60Xa、60Xb、60Ya、60Yb)のそれぞれを駆動する。

0062

これにより、インバータ回路20から商用電力系統18の周波数、位相及び電圧に合わせた交流電力が出力されるようにしている。

0063

一方、スイッチング制御部72には、補正部84と共に出力電流積算部86が設けられており、目標電流設定部76で設定された目標電流は、補正部84を介して信号生成部78へ入力されるようになっている。

0064

出力電流積算部86には、出力電流検出センサ70によって検出される出力電流が入力されるようになっており、出力電流積算部86では、所定のサンプリングタイムで、この出力電流を読み込んで、1周期分(例えば、系統電圧の1周期分)の出力電流を積算する。

0065

補正部84では、出力電流積算部86によって積算した1周期分の出力電流の積算値を読み込んで、出力電流検出センサ70によって検出される出力電流に直流成分が含まれているか否かを判断し、出力電流に直流成分が含まれているときには、出力電流の積算値に基づいてスイッチング信号を補正する。

0066

例えば、出力電流に正の直流成分が含まれているときには、積算値が正の値となるので、正の電流成分が減少するように目標電流を補正するか又はROMデータが補正されるようにし、出力電流に負の直流成分が含まれているときには、積算値が負の値となるので、負の電流成分が減少するように目標電流を補正するか又はROMデータが補正されるようにして、直流成分を含んだ電力がインバータ装置14から出力されるのを防止するようにしている。

0067

また、スイッチング制御部72には、電流差演算部88が設けられている。この電流差演算部88には、出力電流検出センサ74によって検出された出力電流(出力電流の瞬時値)が入力されるようになっており、電流差演算部88では、目標電流の瞬時値と出力電流の瞬時値の差(以下、「目標電流と出力電流の差」とする)を演算し、演算結果を補正部84へ出力する。このとき、電流差演算部88では、周波数fsが50Hzの商用電力系統18に対して、例えば200回/secのサンプリングを行いながら電流差を演算する。

0068

補正部84では、目標電流と出力電流の差に基づいて、目標電流を補正する。これにより、インバータ装置14の出力電流が目標電流となるように出力電流のフィードバック制御が行われ、出力電力から高調波成分の除去が図られる。すなわち、出力電流に高調波成分が含まれると、目標電流と出力電流の差が大きくなる。このときの目標電流と出力電流の差を減少させることにより、出力電流からの高調波成分の除去が図られる。

0069

なお、目標電流設定部76では、発電電力の変化に追従して目標電流(目標電流値)を更新するようになっており、これにより、発電ユニット12の発電電力が定格電力に満たないときにも、出力効率が最も高くなるようにしている(最大電力追従制御MPPT制御)。また、このようなPWM制御は、従来公知の方法を適用しており、ここでは詳細な説明を省略する。

0070

一方、図1に示すように、コントローラ34には、解列リレー30が接続しており、コントローラ34は、太陽電池16(発電ユニット12)による発電電力が少ないか発電されていないときには、インバータ装置14を停止させると共に、解列リレー30によってインバータ装置14を商用電力系統18から切り離す

0071

また、コントローラ34は、発電ユニット12での発電電力が所定値を越えて、インバータ装置14を作動させるときには、解列リレー30を閉じてインバータ装置14を商用電力系統18へ接続するようにしている。

0072

さらに、コントローラ34は、系統電圧検出センサ68を用いて商用電力系統18の電圧上昇、電圧低下、周波数上昇、周波数低下を検出すると、解列リレー30を開いて、インバータ装置14を商用電力系統18から切り離す系統連系保護を行うようになっている。

0073

なお、コントローラ34には、系統連系保護を行うために予め設定されている整定値が記憶されており、この整定値に基づいて系統連系保護を行うようにしている。また、コントローラ34(スイッチング制御部72)では、系統電圧検出センサ72によって系統電圧を監視して、系統電圧に上昇が生じると、出力電流の目標値である目標電流値を下げ絞り込みを行う。このときに、目標電流が所定値になるまで絞り込んでも系統電圧の電圧上昇が解消しなければ、スイッチング素子60の駆動を停止するなどの方法を用いることができる。

0074

ところで、インバータ装置14には、スイッチング電源90が設けられており、このスイッチング電源90からコントローラ34のマイコン58、各種のセンサ、スイッチング素子42、60等へ駆動用の電力が供給される。

0075

インバータ装置14では、このスイッチング電源90の一次側(電源側)が、昇圧回路24に設けているコンデンサ40の両端に接続している。

0076

これにより、発電ユニット12が発電状態では、発電ユニット12から入力されて昇圧回路24で昇圧された所定電圧の電力が、インバータ電源90に供給されるようになっている。

0077

また、発電ユニット12の発電電力が所定値に満たないときには、スイッチング素子46、60の駆動が停止されることにより、商用電力系統18から入力される交流電力が、インバータ回路20のダイオード62によって全波整流されてコンデンサ40に蓄積されることにより平滑化される。これにより、スイッチング電源90には、商用電力系統18から供給される電力が入力される。

0078

なお、本実施の形態では、一例として、スイッチング電源90に昇圧回路24から発電ユニット12の発電電力又は商用電力系統18から電力が供給されるようにしているが、これに限らず、商用電力系統18に接続されて、商用電力系統18からのみ電力の供給を受けるものであっても良い。

0079

インバータ電源90は、入力された電力を安定化して、各種のリレーの駆動用に用いる電源(例えば±12Vの電源)、各種のセンサの作動用の電源(例えば±5Vの電源)、コントローラ34に設けているマイコン58の電源(例えば+5Vの電源)、スイッチング素子46、60の駆動用の電源(例えば±12Vの電源)等を出力するようになっている(図3参照)。

0080

一方、図3に示すように、解列リレー30には、コイル92が設けられており、このコイル92が励磁されることにより、接点30A、30B、30Cが閉じられ、インバータ装置14が商用電力系統18が接続される。

0081

インバータ装置14では、解列リレー30のコイル92を作動する電力を商用電力系統18から受けるようになっており、コイル92がソリッドステートリレーSSR94)等のリレーを介して商用電力系統18に接続している。なお、本実施の形態では、一例として解列リレー30のコイル92がAC200Vで作動するようにしている。

0082

また、コントローラ34には、リレー駆動回路96が設けられており、このリレー駆動回路96がマイコン58の出力端子58Aに接続している。マイコン58は、出力端子58Aからリレー駆動回路96へ解列リレー30の開閉信号を出力する。リレー駆動回路96は、この開閉信号に基づいてSSR94をオン/オフ駆動して解列リレー30の接点30A〜30Cを一体で開閉する。

0083

一方、解列リレー30には、接点30A〜30Cと一体で開閉される補助接点30Dが設けられており、マイコン58は、この補助接点30Dを用いて、解列リレー30の動作状態を確認するようにしている。

0084

解列リレー30の補助接点30Dには、配線98が接続している。この配線98の一方(配線98A)は、スイッチング電源90に接続し、他方(配線B)は、抵抗R1及びフォトカプラ100を介して、スイッチング電源90に接続している。

0085

これにより、解列リレー30の補助接点30Dが閉じられることにより、抵抗R1とフォトカプラ100のA(アノード端子−K(カソード)端子間に所定の電圧が印加され、フォトカプラ100がオンする。

0086

このフォトカプラ100は、C(コレクタ)端子がマイコン58の入力端子58Bに接続しており、フォトカプラ100がオンすることにより、入力端子58Bへの入力電圧が変化する(例えば約5Vから約0V)。

0087

これにより、マイコン58は、入力端子58Bの電圧又は電圧変化から解列リレー30が接点30A〜30Dを閉じているか否かの判定、すなわち、解列リレー30が、出力端子58Aから出力する開閉信号に応じて適正に作動しているか否かの判定が可能となっている。

0088

一方、インバータ装置14では、解列リレー30の補助接点30Dに接続している配線98にフィルタ回路102を設けている。すなわち、配線98は、フィルタ回路102から引き出されて解列リレー30の補助接点30Dに接続している。

0089

このとき、配線98A、98Bがフィルタ回路102の端子102A、102Bに接続している。また、フィルタ回路102の端子102Cは、インバータ電源90の端子90Aに接続し、端子102Bが抵抗R1に接続して、抵抗R1及びフォトカプラ100を介して、端子90Bに接続している。

0090

図4には、フィルタ回路102の一例を示している。このフィルタ回路102は、トロイダルコイル104とコンデンサ106を用いた簡単な構成となっている。

0091

トロイダルコイル104は、アモルファスフェライト等の磁性材料によって形成したトロイダルコア108を用いて、所定のインダクタンスLとなるように形成されている。また、コンデンサ106としては、所定のキャパシタンスCで、耐圧が2000Vのものを用いている。

0092

また、フィルタ回路102は、コーナー周波数fが、スイッチング信号のキャリア周波数fc(本実施の形態では一例としてfc=17.5kHz)より低くなるように(f<fc)、インダクタンスL及びキャパシタンスCが設定されている。

0093

すなわち、パスバンドがスイッチング信号のキャリア周波数fcより低い周波数であり、ストップバンド内にキャリア周波数fcが含まれるようにしている。

0094

これにより、インバータ装置14では、スイッチング電源90と解列リレー30の補助接点30Dを接続する配線98に、キャリア信号及びキャリア信号の高調波が流れ込むのを抑えるようにしている。

0095

このとき、本実施の形態に適用したインバータ装置14では、17.5kHzのキャリア周波数fcに対して、コーナー周波数fを数十〜数百Hz程度とするようにしている。

0096

また、フィルタ回路102では、このコーナー周波数fを得るために、インダクタンスLが10mH〜数百mH、キャパシタンスCが100pF〜10000pFの範囲で設定するようにし、インダクタンスLを数百mH以下とすることにより、トロイダルコイル104のコストが上昇するのを抑えるようにしている。また、流れる電流が数十mA程であるため、トロイダルコイル104を作るコモンモードリアクトルは、小型で安価となる。すなわち、フィルタ回路102の簡略化と共に低コスト化を図るようにしている。

0097

このように構成されたインバータ装置14を備えた太陽光発電装置10では、太陽電池16による発電が開始され、発電ユニット12の発電電力が所定値を越えると、インバータ装置14の作動が開始される。

0098

インバータ装置14は、発電ユニット12の発電電力が所定値を越えると、解列リレー30の接点を閉じて、インバータ装置14を商用電源系統18に接続すると共に、昇圧回路24に設けているスイッチング素子46のスイッチング及びインバータ回路20に設けているスイッチング素子60(60Xa、60Xb、60Ya、60Yb)のスイッチングを開始する。

0099

これにより、発電ユニット12からインバータ装置14に入力される直流電圧が、所定の昇圧電圧に昇圧された後に、インバータ回路20へ入力され、スイッチング素子60がスイッチングされることにより交流電力に変換され、解列リレー30を介して商用電力系統18へ回生される。

0100

一方、インバータ装置14では、マイコン58にによって解列リレー30の開閉を制御している。また、マイコン58では、解列リレー30が適正に開閉されているかの確認を行うようになっている。

0101

このとき、インバータ装置14では、スイッチング電源90によって生成した所定の直流電圧を、配線98を介して解列リレー30の補助接点30Dへ印加し、補助接点30Dの開閉に応じて作動するフォトカプラ100を介して、マイコン58が解列リレー30の開閉状態を検出するようになっている。

0102

ところで、スイッチング電源90と解列リレー30の補助接点30Dを接続する配線98は、補助接点が閉じられることにより、スイッチング電源90の端子90Aと、端子90Bの間でループを形成する。このために、配線98がアンテナとして機能して電磁波を発生する。

0103

一方、インバータ装置14では、スイッチング素子60の駆動に用いるスイッチング信号のキャリア周波数fcが17.5kHzとなっており、このキャリア周波数fc又はキャリア周波数fcの高調波が配線98に流れ込むと、ラジオ放送の周波数帯域で強度の高いノイズを発生させてしまう。このノイズはラジオノイズとなって現れてしまう。

0104

ここから、インバータ装置14では、トロイダルコイル104とコンデンサ106を用いて形成したフィルタ回路102を用い、このフィルタ回路102を介して、配線98がインバータ電源90に接続されるようにしている。

0105

このフィルタ回路102は、コーナー周波数fがキャリア周波数fcより低くなっており、これにより、配線98に流れ込むキャリア周波数fcの信号及びキャリア周波数fcの高調波を抑えるようにしている。

0106

したがって、解列リレー30の補助接点30Dが閉じられたときに、スイッチング電源90と解列リレー30の間を接続する配線98によってループが形成されても、このループによってキャリア周波数fc及びキャリア周波数fcの高調波が電磁波となって発せられるのを確実に抑えることができる。

0107

図5には、フィルタ回路102を設けているインバータ装置14での、ラジオ放送(中波放送)帯域を含む、150kHz〜30MHzの周波数域での電磁波レベルの測定結果を示している。なお、図6には、比較対象(従来例)として、フィルタ回路102を設けていない状態での電磁波レベルを示している。

0108

図5及び図6では、情報処理装置電波障害自主規制協議会(VCCI)で設定している自主規制の技術基準を合わせて示している。この技術基準では、商工業地域に適用される規格区分である第1種の準尖頭値の許容値が、破線で示すように、150kHz〜500kHzで79dBμv、500kHz〜30MHzで73dBμvとなっている。

0109

図5及び図6に示すように、インバータ装置14は、フィルタ回路102の有無にかかわらず、第1種の許容値範囲ないとなっており、太陽光発電装置10の商工業地域での設置が可能となっている。

0110

しかし、上記技術基準において住宅地域に適用される規格区分である第2種の準尖頭値の許容値は、図5及び図6で一点鎖線で示すように、150kHz〜500kHzで66〜56dBμv、500kHz〜5MHzで56dBμv、5MHz〜30MHzで60dBμvとなっている。なお、同技術基準では、150kHzから500kHzの周波数域で許容値が66dBμvから56dBμvまで直線的に変化するように定めている。

0111

このため、図6に示すように、フィルタ回路102を設けていないインバータ装置では、150kHz〜1MHz近傍の周波数域で、第2種の許容値を上回るレベルの電磁波が発生している。すなわち、スイッチング信号のキャリア周波数fcが高いので、500kHzを越える周波数域まで、このキャリア周波数fcの高調波の電磁波レベルが高くなっている。

0112

一方、フィルタ回路102は、ストップバンドにキャリア周波数fcを含んでいるために、キャリア周波数fcの信号や、高調波信号が配線98に乗ってしまうのを抑えることができる。

0113

これにより、図5に示すように、2MHz以下の周波数域、特に100kHz〜1MHzの周波数域の電磁波レベルを大きく下げることができ、電磁波レベルが第2種の許容値を越えてしまうのを抑えることができる。

0114

したがって、フィルタ回路102を設けることにより、このインバータ装置14を備えた太陽光発電装置10を住宅地域に設置することも可能となる。

0115

なお、以上説明した本実施の形態は、本発明の構成を限定するものではない。例えば、本実施の形態では、フィルタ回路102を例に説明したが、本発明では、ストップバンドにスイッチング信号のキャリア周波数fcを含むものであれば任意の構成のフィルタ回路を用いることができる。

0116

また、本実施の形態では、インバータ電源90と解列リレー30の補助接点30Dとを接続する配線98にフィルタ回路102を設けて説明したが、本発明は、これに限らず、スイッチング電源90等から引き出される配線で、ループを形成する配線に設けることができ、また、設けることが好ましい。

0117

さらに、本実施の形態では、太陽光発電装置10に設けたインバータ装置14を例に説明したが、太陽光発電装置に限らず、直流電力を交流電力に変換する任意の構成の電源装置に設けるインバータ装置に適用することができる。

図面の簡単な説明

0118

本実施の形態に適用した太陽光発電装置の概略構成図である。
インバータ装置に設けているスイッチング制御部の概略構成を示す機能ブロック図である。
本実施の形態に適用した解列リレーとスイッチング電源の接続を示す概略回路図である
フィルタ回路の一例を示す回路図である。
インバータ電源と解列リレーの補助接点の間にフィルタ回路を設けた本実施の形態のインバータ装置の電磁波レベルの計測結果を示す線図である。
インバータ電源と解列リレーの補助接点の間にフィルタ回路を設けていない従来例の電磁波レベルの計測結果を示す線図である。

符号の説明

0119

10太陽光発電装置
12発電ユニット
14インバータ装置(系統連系用インバータ装置)
18商用電力系統(系統電源)
20インバータ回路
30解列リレー
30D補助接点(接点)
34コントローラ(生成手段、スイッチング制御部)
58マイコン(生成手段、スイッチング制御部)
60スイッチング素子
90スイッチング電源(電源部)
98(98A、98B)配線
100フォトカプラ
102フィルタ回路
104トロイダルコイル
106コンデンサ
108 トロイダルコア

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 東芝ライテック株式会社の「 蓄電システムおよび制御方法」が 公開されました。( 2020/04/09)

    【課題】サービス従事者が蓄電池装置の保守点検を簡単、且つ安全に実施することができる蓄電システムおよび蓄電システムの制御方法を提供すること。【解決手段】実施形態に係る蓄電システムは、電力変換部と、第1開... 詳細

  • 大和ハウス工業株式会社の「 電力供給システム」が 公開されました。( 2020/04/09)

    【課題】停電時における専有部の住人の利便性を確保することが可能な電力供給システムを提供する。【解決手段】共用部K1及び専有部S1を有する建物の負荷へ電力を供給可能な蓄電池42を具備する電力供給システム... 詳細

  • 大和ハウス工業株式会社の「 電力供給システム」が 公開されました。( 2020/04/09)

    【課題】一般電気事業者からの電力の購入を極力回避することが可能な電力供給システムを提供する。【解決手段】所定の事業者の電力消費施設Aに設けられ、当該事業者の電力供給施設Bから再生可能エネルギーに由来す... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ