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技術 非水系電解液二次電池用電解液及び非水系電解液二次電池

出願人 三菱化学株式会社
発明者 島紀子古田土稔木下信一
出願日 2004年1月16日 (16年11ヶ月経過) 出願番号 2004-009443
公開日 2005年7月28日 (15年4ヶ月経過) 公開番号 2005-203265
状態 特許登録済
技術分野 二次電池(その他の蓄電池)
主要キーワード 低電圧電池 フッ素化芳香族化合物 窒化コバルト 適用電圧 含酸素置換基 複合合金 ジシクロヘキシルジスルフィド 使用電圧範囲
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年7月28日)のものです。
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課題

添加剤としてジフルオロアニソール等の含酸素置換基を有するフッ素化芳香族化合物を添加剤として含む非水系電解液を用いた二次電池において、保存特性、特に、高温保存条件における電池性能劣化の問題を改善する。

解決手段

非水溶媒及び電解質を含有する非水系電解液二次電池用電解液において、一般式(I)で表される化合物Iを含有し、かつ一般式(II)で表される化合物IIの含有量が化合物Iに対して500ppm以下である非水系電解液二次電池用電解液。この非水系電解液を用いた非水系電解液二次電池

化7

(R2〜R6のうちの2個以上はフッ素

化8

(R8〜R12のうち1個はフッ素)

概要

背景

近年様々な機器電源として電池に対する高性能化の要請が高まっている。その要請に応えるべく、種々の開発がなされ、携帯電話ノートパソコンなどのいわゆる民生用の電源から自動車用などの駆動用車載電源まで広範な用途に非水系電解液二次電池が実用化されつつある。

非水系電解液二次電池の非水系電解液としては、非水溶媒電解質を溶解したものが通常用いられる。そして、非水系電解液には、二次電池の性能を改善するために、各種の添加剤を存在させることが行われている。

このような添加剤のうちで、フッ素などの所定の置換基が導入されたベンゼン類化合物、例えば、ジフルオロアニソールは、これを非水系電解液に添加することにより、二次電池が過充電状態となった場合にも、速やかに過充電電流遮断されると共に過充電反応が停止し、過充電電流による熱暴走が回避されることが特許文献1に記載されている。
特開平9−50822号公報

概要

添加剤としてジフルオロアニソール等の含酸素置換基を有するフッ素化芳香族化合物を添加剤として含む非水系電解液を用いた二次電池において、保存特性、特に、高温保存条件における電池性能劣化の問題を改善する。非水溶媒及び電解質を含有する非水系電解液二次電池用電解液において、一般式(I)で表される化合物Iを含有し、かつ一般式(II)で表される化合物IIの含有量が化合物Iに対して500ppm以下である非水系電解液二次電池用電解液。この非水系電解液を用いた非水系電解液二次電池。 (R2〜R6のうちの2個以上はフッ素) (R8〜R12のうち1個はフッ素)なし

目的

従って、本発明の目的は、添加剤としてジフルオロアニソール等の含酸素置換基を有するフッ素化芳香族化合物を添加剤として含む非水系電解液を用いた二次電池において、保存特性、特に、高温保存条件における電池性能の劣化の問題を改善することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
1件

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請求項1

非水溶媒及び電解質を含有する非水系電解液二次電池用電解液において、下記一般式(I)で表される化合物Iを含有し、かつ下記一般式(II)で表される化合物IIの含有量が化合物Iに対して500ppm以下であることを特徴とする非水系電解液二次電池用電解液。(一般式(I)中、R1は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、又はフェニル基を表し、各々フッ素置換されていても良い。R2〜R6は、それぞれ独立に、水素置換基を有していても良い炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有していても良い炭素数2〜12のアルケニル基、置換基を有していても良い炭素数3〜12のシクロアルキル基、置換基を有していても良いフェニル基、又はフッ素を表すが、R2〜R6のうちの任意の基が互いに結合して、置換基を有していても良い環を形成していても良い。但し、R2〜R6のうちの2個以上はフッ素である。)(一般式(II)中、R7は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、又はフェニル基を表し、各々フッ素置換されていても良い。R8〜R12は、それぞれ独立に、水素、置換基を有していても良い炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有していても良い炭素数2〜12のアルケニル基、置換基を有していても良い炭素数3〜12のシクロアルキル基、置換基を有していても良いフェニル基、或いは、フッ素又は塩素を表すが、R8〜R12のうちの任意の基が互いに結合して、置換基を有していても良い環を形成していても良い。但し、R8〜R12のうち1個はフッ素である。)

請求項2

請求項1に記載の非水系電解液二次電池用電解液において、化合物Iがジフルオロアニソールを含み、化合物IIがモノフルオロアニソールを含むことを特徴とする非水系電解液二次電池用電解液。

請求項3

請求項1に記載の非水系電解液二次電池用電解液において、化合物Iがトリフルオロアニソールを含み、化合物IIがモノフルオロアニソールを含むことを特徴とする非水系電解液二次電池用電解液。

請求項4

請求項1ないし3に記載の非水系電解液二次電池用電解液において、化合物Iの含有量が0.1〜10重量%であることを特徴とする非水系電解液二次電池用電解液。

請求項5

リチウム吸蔵・放出することが可能な負極及び正極、並びに非水溶媒及びリチウム塩を含有する非水系電解液を有する非水系電解液二次電池において、非水系電解液として、請求項1〜4のいずれかに記載の非水系電解液を用いたことを特徴とする非水系電解液二次電池。

技術分野

0001

本発明は、非水系電解液二次電池用電解液及び非水系電解液二次電池に関する。詳しくは、本発明は、添加剤として含酸素置換基を有するフッ素化芳香族化合物を含有する、保存特性に優れた非水系電解液二次電池用の電解液と、この非水系電解液を用いた非水系電解液二次電池に関する。

背景技術

0002

近年様々な機器電源として電池に対する高性能化の要請が高まっている。その要請に応えるべく、種々の開発がなされ、携帯電話ノートパソコンなどのいわゆる民生用の電源から自動車用などの駆動用車載電源まで広範な用途に非水系電解液二次電池が実用化されつつある。

0003

非水系電解液二次電池の非水系電解液としては、非水溶媒電解質を溶解したものが通常用いられる。そして、非水系電解液には、二次電池の性能を改善するために、各種の添加剤を存在させることが行われている。

0004

このような添加剤のうちで、フッ素などの所定の置換基が導入されたベンゼン類化合物、例えば、ジフルオロアニソールは、これを非水系電解液に添加することにより、二次電池が過充電状態となった場合にも、速やかに過充電電流遮断されると共に過充電反応が停止し、過充電電流による熱暴走が回避されることが特許文献1に記載されている。
特開平9−50822号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、ジフルオロアニソールを添加剤として含む非水系電解液を用いた二次電池では、保存特性、特に、高温保存条件における劣化の点で問題があった。

0006

従って、本発明の目的は、添加剤としてジフルオロアニソール等の含酸素置換基を有するフッ素化芳香族化合物を添加剤として含む非水系電解液を用いた二次電池において、保存特性、特に、高温保存条件における電池性能の劣化の問題を改善することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明の非水系電解液二次電池用電解液は、非水溶媒及び電解質を含有する非水系電解液二次電池用電解液において、下記一般式(I)で表される化合物Iを含有し、かつ下記一般式(II)で表される化合物IIの含有量が化合物Iに対して500ppm以下であることを特徴とする。

0008

(一般式(I)中、
R1は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、又はフェニル基を表し、各々フッ素置換されていても良い。
R2〜R6は、それぞれ独立に、水素、置換基を有していても良い炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有していても良い炭素数2〜12のアルケニル基、置換基を有していても良い炭素数3〜12のシクロアルキル基、置換基を有していても良いフェニル基、又はフッ素を表すが、R2〜R6のうちの任意の基が互いに結合して、置換基を有していても良い環を形成していても良い。但し、R2〜R6のうちの2個以上はフッ素である。)

0009

(一般式(II)中、
R7は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、又はフェニル基を表し、各々フッ素置換されていても良い。
R8〜R12は、それぞれ独立に、水素、置換基を有していても良い炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有していても良い炭素数2〜12のアルケニル基、置換基を有していても良い炭素数3〜12のシクロアルキル基、置換基を有していても良いフェニル基、或いは、フッ素又は塩素を表すが、R8〜R12のうちの任意の基が互いに結合して、置換基を有していても良い環を形成していても良い。但し、R8〜R12のうち1個はフッ素である。)

0010

本発明の非水系電解液二次電池は、リチウム吸蔵・放出することが可能な負極及び正極、並びに非水溶媒及びリチウム塩を含有する非水系電解液を有する非水系電解液二次電池において、非水系電解液として、このような本発明のいずれかに記載の非水系電解液を用いたことを特徴とする。

0011

本発明者等は、上記課題を解決すべく、まず、添加剤としての含酸素置換基を有するフッ素化芳香族化合物の機能について検討すると共に、添加剤としてこのフッ素化芳香族化合物に同伴されて非水系電解液に含有される成分と、このような非水系電解液を用いた二次電池の保存特性との関係に着目して検討を行った。

0012

芳香族化合物にフッ素が導入されることにより、その化合物は電気化学的に酸化に対して強くなり、酸化電位が高くなるが、この傾向は、導入フッ素数が多くなればなるほどより高くなる。そのため、電解液の設計を行う際に、酸化電位を高めるためにフッ素を添加化合物に導入することは一般的に良く用いられる手法である。

0013

ここで、フッ素導入数は電池の使用電位範囲とも密接な関係を持っており、高電圧電池にはフッ素数が大きい方が有利となり、この場合、より低フッ素数のものが多いと、本来必要な電位範囲を得ることが困難となるため、より低フッ素数のものは少ない方が良い。一方、低電圧電池の場合はフッ素数があまり多すぎると酸化電位が高いために、電池の使用電圧範囲内において期待している効果が十分に得られなくなる。また、高電圧の場合と同様、目的とするフッ素数よりも少ないものが多量に含まれる場合は、必要な電位範囲を得ることが困難となるため、これらのフッ素数の少ない化合物の含有量は少ない方が良い。

0014

ところで、二次電池用非水系電解液において、前記一般式(I)で表されるフッ素導入数が2以上の、含酸素置換基を有するフッ素化芳香族化合物が用いられている場合、下記(1)〜(3)の理由、即ち;
(1) 工業的なフッ素化芳香族化合物の合成は、通常、各種フッ素化触媒を、目的とする芳香族化合物と反応させることによりフッ素を導入する反応が用いられる。
(2) しかし、フッ素化芳香族化合物の合成に際して、芳香族化合物へのフッ素の導入位置の制御は難しい。
(3) しかも、一般に、フッ素化反応は他の合成反応に比較して収率が非常に低い。
により、目的のフッ素を2個以上有するフッ素化芳香族化合物(以下「高次フルオロ芳香族化合物」と称す場合がある。)を合成する際に、フッ素を1個しか有さないフッ素化芳香族化合物(以下「モノフルオロ芳香族化合物」と称す場合がある。)も副生し、このものが製品の高次フッ素化芳香族化合物中に混入するようになる。

0015

一般に、高次フルオロ芳香族化合物の合成工程で副生したモノフルオロ芳香族化合物は、精製によりある程度低減して製品とされているため、合成用試薬等の通常の用途においては、このモノフルオロ芳香族化合物の存在が問題となることはない。しかし、通常、工業的に使用されている含酸素置換基を有する高次フルオロ芳香族化合物には、後述する比較例1からも明らかなように、最終的に、不純物としてフッ素数が所望の高次フルオロ芳香族化合物よりも少ないモノフルオロ芳香族化合物が900ppmを超える量で混入してしまうため、これがそのまま非水系電解液中に含有されることとなる。

0016

そして、本発明者らは、非水系電解液中のこのような微量成分の存在が、電池用途においては、性能、特に保存特性に大きな影響をもたらすことを知見し、この知見に基いて、このようなモノフルオロ芳香族化合物をいかなるレベルに制御すれば、上記の問題を解決できるかを検討し、非水系電解液へのモノフルオロ芳香族化合物の導入を厳しく制限することによって、保存特性に優れた非水系電解液二次電池が得られることを見出し、本発明を完成した。

0017

本発明において、非水系電解液中のモノフルオロ芳香族化合物の量を低減させることにより、非水系電解液二次電池の保存特性が良くなる理由は、モノフルオロ芳香族化合物の耐酸化性が高次フルオロ芳香族化合物に比べて低く、その耐酸化性の低さが二次電池の保存特性に悪影響を及ぼしていること、従って、非水系電解液中のモノフルオロ芳香族化合物量を所定量以下に制限することにより、二次電池の保存特性を向上させることができることによると推定される。

0018

なお、本発明においては、非水系電解液中の前記一般式(II)で表される化合物IIの含有量を規定しているが、本発明の非水系電解液中の一般式(II)で表される化合物IIは、前記一般式(I)で表される化合物に対して500ppm以下であれば良く、本発明は、一般式(II)で表される化合物IIを実質的に含まないものをも包含する。

0019

本発明において、例えば、化合物Iはジフルオロアニソール又はトリフルオロアニソールであり、化合物IIはモノフルオロアニソールを含む。本発明の非水系電解液中の化合物Iの含有量は0.1〜10重量%であることが好ましい。

発明の効果

0020

本発明によれば、含酸素置換基を有する高次フッ素化芳香族化合物を添加剤として含む非水系電解液を用いた二次電池の保存特性を改善することができ、保存特性に優れ、特に高温保存条件における電池性能の劣化の問題のない非水系電解液二次電池が提供される。

発明を実施するための最良の形態

0021

以下に本発明を詳細に説明する。

0022

本発明の非水系電解液二次電池用電解液は、非水溶媒及び電解質を含有する非水系電解液二次電池用電解液であって、下記一般式(I)で表される化合物Iを含有し、かつ下記一般式(II)で表される化合物IIの含有量が化合物Iに対して500ppm以下であることを特徴とする。

0023

(一般式(I)中、
R1は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、又はフェニル基を表し、各々フッ素置換されていても良い。
R2〜R6は、それぞれ独立に、水素、置換基を有していても良い炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有していても良い炭素数2〜12のアルケニル基、置換基を有していても良い炭素数3〜12のシクロアルキル基、置換基を有していても良いフェニル基、又はフッ素を表すが、R2〜R6のうちの任意の基が互いに結合して、置換基を有していても良い環を形成していても良い。但し、R2〜R6のうちの2個以上はフッ素である。)

0024

(一般式(II)中、
R7は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、又はフェニル基を表し、各々フッ素置換されていても良い。
R8〜R12は、それぞれ独立に、水素、置換基を有していても良い炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有していても良い炭素数2〜12のアルケニル基、置換基を有していても良い炭素数3〜12のシクロアルキル基、置換基を有していても良いフェニル基、或いは、フッ素又は塩素を表すが、R8〜R12のうちの任意の基が互いに結合して、置換基を有していても良い環を形成していても良い。但し、R8〜R12のうち1個はフッ素である。)

0025

まず、前記一般式(I)で表される化合物Iについて説明する。この化合物Iは、本発明の非水系電解液に電池性能向上のために添加される添加剤である。

0026

前記一般式(I)において、R1における炭素数1〜12のアルキル基としては、メチル基エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。なかでも、炭素数4以下のものが好ましい。炭素数3〜12のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。なかでも炭素数3以上、6以下のものが好ましい。R1はまたフェニル基であっても良い。

0027

R1のアルキル基、シクロアルキル基又はフェニル基がフッ素置換されている場合、その置換位置には特に制限はなく、また、置換数についても、後述の化合物Iの好適な分子量の上限を超えない範囲において、特に制限はない。

0028

R2〜R6における炭素数1〜12のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。なかでも、炭素数4以下のものが好ましい。炭素数2〜12のアルケニル基としては、ビニル基プロペニル基等が挙げられるが、特に炭素数2〜4のものが好ましい。炭素数3〜12のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。なかでも炭素数3以上、6以下のものが好ましい。R2〜R6はまた、水素、フェニル基又はフッ素であっても良く、R2〜R6のうち2個以上はフッ素である。フッ素以外のR2〜R6としては、特に水素が好ましい。

0029

R2〜R6は、これらのうちの任意の基が互いに結合して一般式(I)のベンゼン環縮合する環を形成していても良い。この場合、形成される環としてはインダンインデンテトラリンナフタレン構造等が挙げられ、これらのうち、特にインダン、ナフタレン構造等が好ましい。

0030

R2〜R6、或いはこれらが結合して形成する環が更に置換基を有する場合、その置換基としては、フッ素;メチル基、エチル基等の、通常炭素数1以上、4以下のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の、通常炭素数3以上、10以下のシクロアルキル基;ビニル基、プロペニル基等の通常炭素数2以上、4以下のアルケニル基;メトキシ基エトキシ基等の、通常炭素数1以上、4以下のアルコキシ基等が挙げられる。これらの置換基の置換位置には特に制限はなく、また、置換数についても、後述の化合物Iの好適な分子量の上限を超えない範囲において、特に制限はない。

0031

なお、R2〜R6のうちの2個以上はフッ素である。化合物IにおけるR2〜R6の最適なフッ素導入数(以下「n」と記す。nは2〜5の整数である。)は、電池の使用電位範囲と密接な関係を持っており、前述の如く、高電圧電池にはフッ素数が大きい方が有利となり、低電圧電池の場合は、フッ素数があまり多すぎると酸化電位が高いため、電池の使用電圧範囲内において期待している効果が十分に得られなくなる。

0032

このようなことから、化合物Iのフッ素導入数は、2〜5の範囲で非水系電解液の使用目的(即ち、この非水系電解液を用いた二次電池の適用電圧)に応じて適宜好適範囲があるが、より高次の(フッ素導入数の多い)フッ素化物を用いる場合は、より低次の(フッ素導入数の少ない)フッ素化物が少ない方が好ましい。その理由としては、目的とするフッ素数よりも少ないものが多量に含まれる場合は必要な電位範囲を得ることが困難となるためだからである。

0033

従って、例えば、n=5の化合物Iを用いる場合、n=5の化合物Iに対するn=2〜4の化合物Iの比率モル比)は、上限が、通常、0.5以下、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.1以下であるのが良い。また、n=4〜5の化合物Iに対するn=2〜3の化合物Iの比率(モル比)は、上限が、通常0.5以下、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.1以下であるのが良く、n=3〜5の化合物Iに対するn=2の化合物Iの比率(モル比)は、上限が、通常0.5以下、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.1以下であるのが良い。

0034

前記一般式(I)で表される化合物Iの分子量は、下限値として、通常144以上、上限値として、通常500以下、なかでも250以下であることが好ましい。これは、この上限値を超えると電解液への溶解性が著しく低下するためである。

0035

前記一般式(I)で表される化合物Iの具体例としては、例えば、R1がメチル基である化合物として、2,3−ジフルオロアニソール、2,4−ジフルオロアニソール、2,5−ジフルオロアニソール、2,6−ジフルオロアニソール、3,4−ジフルオロアニソール、3,5−ジフルオロアニソール、2,3,4−トリフルオロアニソール、2,3,5−トリフルオロアニソール、2,3,6−トリフルオロアニソール、3,4,5−トリフルオロアニソール、2,4,5−トリフルオロアニソール、2,3,4,5−テトラフルオロアニソール、2,3,5,6−テトラフルオロアニソール、2,3,4,6−テトラフルオロアニソール、2,3,4,5,6−ペンタフルオロアニソール、5,7−ジフルオロ−4−メトキシインダン、6,8−ジフルオロ−5−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン等が挙げられる。

0036

R1がエチル基である化合物の具体例としては、例えば、2,3−ジフルオロフェネトール、2,4−ジフルオロフェネトール、2,5−ジフルオロフェネトール、2,6−ジフルオロフェネトール、3,4−ジフルオロフェネトール、3,5−ジフルオロフェネトール、2,3,4−トリフルオロフェネトール、2,3,5−トリフルオロフェネトール、2,3,6−トリフルオロフェネトール、3,4,5−トリフルオロフェネトール、2,4,5−トリフルオロフェネトール、2,3,4,5−テトラフルオロフェネトール、2,3,5,6−テトラフルオロフェネトール、2,3,4,6−テトラフルオロフェネトール、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェネトール等が挙げられる。

0037

R1がトリフルオロメチル基である化合物の具体例としては、例えば、2,3−ジフルオロ−トリフルオロメトキシベンゼン、2,4−ジフルオロ−トリフルオロメトキシベンゼン、2,5−ジフルオロ−トリフルオロメトキシベンゼン、2,6−ジフルオロ−トリフルオロメトキシベンゼン、3,4−ジフルオロ−トリフルオロメトキシベンゼン、3,5−ジフルオロ−トリフルオロメトキシベンゼン、2,3,4−トリフルオロ−トリフルオロメトキシベンゼン等が挙げられる。

0038

R1がシクロアルキル基である化合物の具体例としては、例えば、2,3−ジフルオロ−1−シクロペンチルオキシベンゼン、2,4−ジフルオロ−1−シクロペンチルオキシベンゼン、2,3−ジフルオロ−1−シクロヘキシルオキシベンゼン、2,4−ジフルオロ−1−シクロヘキシルオキシベンゼン等が挙げられる。

0039

R1がフェニル基である化合物の具体例としては、例えば、2,3−ジフルオロジフェニルエーテル、2,4−ジフルオロジフェニルエーテル等が挙げられる。

0040

化合物Iとしては、これらの1種を単独で用いても良く、2種以上を併用して用いても良いが、前述の如く、より高次のフッ化物を用いる場合にはより低次のフッ化物の併用を制限することが好ましい。

0041

これらの中で4V級の二次電池に用いる場合、化合物Iとしては、2,3−ジフルオロアニソール、2,4−ジフルオロアニソール、2,5−ジフルオロアニソール、2,6−ジフルオロアニソール、3,4−ジフルオロアニソール、3,5−ジフルオロアニソールのジフルオロアニソール類や、2,3,4−トリフルオロアニソール、2,3,5−トリフルオロアニソール、2,3,6−トリフルオロアニソール、3,4,5−トリフルオロアニソール、2,4,5−トリフルオロアニソールのトリフルオロアニソール類である場合が好ましく、特に2,4−ジフルオロアニソールが好ましい。

0042

本発明の非水系電解液中の化合物Iの含有率(化合物Iの2種以上を併用する場合はその合計の含有率)は、下限値として、通常0.1重量%以上、好ましくは0.2重量%以上、上限値としては、通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下、更に好ましくは3重量%以下である。これは、この上限値を超えると、高温で保存した場合の電池の保存特性が低下する傾向にあり、下限値を下回るとその効果が発揮されなくなるためである。

0043

次に、前記一般式(II)で表される化合物IIについて説明する。化合物IIは本発明の非水系電解液において、保存特性の向上のためにその含有量を制限するものである。

0044

前記一般式(II)において、R7における炭素数1〜12のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。なかでも、炭素数4以下のものが好ましい。炭素数3〜12のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。なかでも炭素数3以上、6以下のものが好ましい。R7はまたフェニル基であっても良い。

0045

R7のアルキル基、シクロアルキル基又はフェニル基がフッ素置換されている場合、その置換位置には特に制限はなく、また、置換数についても、後述の化合物IIの好適な分子量の上限を超えない範囲において、特に制限はない。

0046

R8〜R12における炭素数1〜12のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。なかでも、炭素数4以下のものが好ましい。炭素数2〜12のアルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基等が挙げられるが、特に炭素数2〜4のものが好ましい。炭素数3〜12のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。なかでも炭素数3以上、6以下のものが好ましい。R8〜R12はまた、水素、フェニル基、フッ素又は塩素であっても良く、R8〜R12のうち1個はフッ素である。フッ素以外のR8〜R12としては、特に水素が好ましい。

0047

R8〜R12は、これらのうちの任意の基が互いに結合して一般式(II)のベンゼン環に縮合する環を形成していても良い。この場合、形成される環としてはインダン、インデン、テトラリン、ナフタレン構造等が挙げられ、これらのうち、特にインダン、ナフタレン構造等が好ましい。

0048

R8〜R12、或いはこれらが結合して形成する環が更に置換基を有する場合、その置換基としては、フッ素;メチル基、エチル基等の、通常炭素数1以上、4以下のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の、通常炭素数3以上、10以下のシクロアルキル基;ビニル基、プロペニル基等の通常炭素数2以上、4以下のアルケニル基;メトキシ基、エトキシ基等の、通常炭素数1以上、4以下のアルコキシ基等が挙げられる。これらの置換基の置換位置には特に制限はなく、また、置換数についても、後述の化合物IIの好適な分子量の上限を超えない範囲において、特に制限はない。

0049

前記一般式(II)で表される化合物IIの分子量は、下限値として、通常126以上、上限値として、通常500以下、なかでも250以下であることが好ましい。

0050

前記一般式(II)で表される化合物IIの具体例としては、例えば、R7がメチル基である化合物として、2−フルオロアニソール、3−フルオロアニソール、4−フルオロアニソール、3−クロロ−2−フルオロアニソール、4−クロロ−2−フルオロアニソール、5−クロロ−2−フルオロアニソール、6−クロロ−2−フルオロアニソール、2−クロロ−3−フルオロアニソール、4−クロロ−3−フルオロアニソール、5−クロロ−3−フルオロアニソール、6−クロロ−3−フルオロアニソール、2−クロロ−4−フルオロアニソール、3−クロロ−4−フルオロアニソール等のフルオロアニソール類;5−フルオロ−4−メトキシインダン、7−フルオロ−4−メトキシインダン、6−フルオロ−5−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、8−フルオロ−5−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン等が挙げられる。

0051

R7がエチル基である化合物として、例えば、2−フルオロフェネトール、3−フルオロフェネトール、4−フルオロフェネトール、3−クロロ−2−フルオロフェネトール、4−クロロ−2−フルオロフェネトール、5−クロロ−2−フルオロフェネトール、6−クロロ−2−フルオロフェネトール、2−クロロ−3−フルオロフェネトール、4−クロロ−3−フルオロフェネトール、5−クロロ−3−フルオロフェネトール、6−クロロ−3−フルオロフェネトール、2−クロロ−4−フルオロフェネトール、3−クロロ−4−フルオロフェネトール等が挙げられる。

0052

R7がトリフルオロメチル基である化合物として、例えば、2−フルオロ−トリフルオロメトキシベンゼン、3−フルオロ−トリフルオロメトキシベンゼン、4−フルオロ−トリフルオロメトキシベンゼン等が挙げられる。

0053

R7がシクロアルキル基である化合物として、例えば、4−フルオロ−1−シクロヘキシルオキシベンゼン等が挙げられる
R7がフェニル基である化合物としては、例えば、2−フルオロジフェニルエーテル、4−フルオロジフェニルエーテル等が挙げられる。

0054

本発明の非水系電解液中には、一般式(II)で表される化合物IIとして1種の化合物が含まれる場合に限らず、2種以上の化合物が含まれる場合もある。化合物IIとして最も一般的なものはモノフルオロアニソール等のフルオロアニソール類である。

0055

本発明の非水系電解液では、前記一般式(I)で表される含酸素高次フルオロ芳香族化合物である化合物I(化合物Iとして2種類以上の化合物を含む場合はその合計)に対する、前記一般式(II)で表される含酸素モノフルオロ芳香族化合物である化合物II(化合物IIとして2種類以上の化合物を含む場合はその合計)の割合(以下、この割合を「化合物II/化合物I割合」と称す場合がある。)の上限値が500ppm以下、好ましくは300ppm以下、より好ましくは200ppm以下、最も好ましくは100ppm以下とする。この上限値を超えると、二次電池の保存特性に影響を及ぼし、高温保存条件における劣化等の問題を生じる。

0056

なお、前述の如く、本発明において、化合物IIを実質的に含有しない場合をも包含し得るが、化合物II/化合物I割合の下限値は通常1ppm程度である。この下限値を下回ることは含酸素高次フルオロ芳香族化合物の合成上、精製等に困難を伴い実現が難しく、また上記上限値を下回っていれば、電池性能において影響を及ぼすことはない。

0057

本発明の非水系電解液において、化合物II/化合物I割合を500ppm以下とするためには、例えば、工業的に入手される含酸素高次フルオロ芳香族化合物を、高度な精密蒸留により精製して純度を高め、含酸素モノフルオロ芳香族化合物量を低減させる方法が挙げられる。その精密蒸留の条件としては、蒸留塔段数が下限値として、通常20以上、好ましくは30以上、上限値としては、精密であるほど良いが、生産性と保存特性への寄与のバランスを考えると、70以下程度で良い。

0058

本発明の非水系電解液に用いられる非水溶媒としては、エチレンカーボネートプロピレンカーボネート等の、通常、炭素数3以上、9以下程度の環状カーボネート類ジメチルカーボネートエチルメチルカーボネートジエチルカーボネート等の、通常、炭素数3以上、9以下程度の鎖状カーボネート類γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の、通常、炭素数4以上、9以下程度の環状カルボン酸エステル類;酢酸メチル酢酸エチル酢酸プロピルプロピオン酸メチルプロピオン酸エチルプロピオン酸プロピル等の、通常、炭素数3以上、9以下程度の鎖状カルボン酸エステル類;ジメトキシエタンジエトキシエタンテトラヒドロフラン等の、通常、炭素数4以上、9以下程度のエーテル類が挙げられる。

0059

これらは単独で用いても、2種類以上を併用しても良いが、2種以上の溶媒を併用するのが好ましい。例えば、環状カーボネートや環状カルボン酸エステル等の高誘電率溶媒と、鎖状カーボネートや鎖状カルボン酸エステル等の低粘度溶媒とを併用するのが好ましい。

0060

非水溶媒の好ましい組合せの一つは、環状カーボネートと鎖状カーボネートを主体とする組合せである。なかでも、非水溶媒に占める環状カーボネートと鎖状カーボネートとの合計が、85容量%以上、好ましくは90容量%以上であり、かつ環状カーボネートと鎖状カーボネートとの容量比が10:90〜45:55のものである。環状カーボネートと鎖状カーボネートの好ましい組み合わせの具体例としては、エチレンカーボネートとジメチルカーボネート、エチレンカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート等が挙げられる。これらのエチレンカーボネートと鎖状カーボネートとの組み合わせに、更にプロピレンカーボネートを加えた組み合わせも、好ましい組み合わせとして挙げられる。これらの中で、非対称鎖状カーボネートであるエチルメチルカーボネートを含有するものが更に好ましく、特に、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート等のように、エチレンカーボネートと対称鎖状カーボネートと非対称鎖状カーボネートとを含有するものが好ましい。これらの混合溶媒に電解質と前記一般式(I)で表される化合物Iを含有させた非水系電解液を用いると、二次電池のサイクル特性大電流放電特性のバランスがよくなるので好ましい。

0061

非水溶媒の中で、好ましいものの他の一つとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン及びγ−バレロラクトンよりなる群から選ばれた有機溶媒を60容量%以上含有するものである。この非水溶媒に電解質と前記一般式(I)で表される化合物Iを含有させた非水系電解液は、高温で使用しても溶媒の蒸発液漏れが少なくなる。なかでも、非水溶媒に占めるエチレンカーボネートとγ−ブチロラクトンとの合計が、80容量%以上、好ましくは90容量%以上であり、かつエチレンカーボネートとγ−ブチロラクトンとの容量比が5:95〜45:55であるもの、又は非水溶媒に占めるエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとの合計が、80容量%以上、好ましくは90容量%以上であり、かつエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートの容量比が30:70〜60:40であるものが好ましい。この混合溶媒に電解質と前記一般式(I)で表される化合物Iを含有させた非水系電解液を用いると、高温で使用しても溶媒の蒸発や液漏れが少なく、電池のサイクル特性と大電流放電特性等のバランスがよくなるので好ましい。

0062

本発明の非水系電解液に用いられる電解質としては、六フッ化リン酸リチウム過塩素酸リチウムホウフッ化リチウム等の無機リチウム塩、リチウムトリフレートリチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド、リチウムビスペンタフルオロエチルスルホニルイミド等の有機リチウム塩が挙げられる。これらの中でも、電池特性が良好なことから、六フッ化リン酸リチウム、ホウフッ化リチウム、リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミドが好ましい。また、これらの任意の塩を任意の比率にて混合して用いても良い。これらのリチウム塩の非水系電解液中の濃度の下限値としては、通常0.5mol/l以上、なかでも0.75mol/l以上、上限値としては、通常2mol/l以下、なかでも1.5mol/l以下である。リチウム塩の濃度がこの上限値を超えると非水系電解液の粘度が高くなり、電気伝導率も低下する。また、下限値を下回ると電気伝導率が低くなるので、上記濃度範囲内で非水系電解液を調製することが好ましい。

0063

なお、本発明の非水系電解液には、必要に応じて他の成分、例えば従来公知の過充電防止剤脱水剤脱酸剤高温保存後容量維持特性やサイクル特性を改善するための助剤等の各種の添加剤を含有させても良い。

0064

過充電防止剤としては、ビフェニルアルキルビフェニルターフェニル、ターフェニルの部分水素化体、シクロヘキシルベンゼン、t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼン等の芳香族化合物などが挙げられる。非水系電解液がこれらの過充電防止剤を含有する場合、その濃度は、通常0.1〜5重量%である。非水系電解液にこれらの過充電防止剤を含有させることは、過充電による電池の破裂発火を更に抑制することができ、電池の安全性が向上するので好ましい。

0065

高温保存後の容量維持特性やサイクル特性を改善するための助剤としては、ビニレンカーボネートビニルエチレンカーボネートフルオロエチレンカーボネートトリフルオロプロピレンカーボネートフェニルエチレンカーボネートエリスリタンカーボネート、スピロビスジメチレンカーボネート等のカーボネート化合物無水コハク酸無水グルタル酸無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水イタコン酸無水ジグリコール酸シクロヘキサンジカルボン酸無水物シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物フェニルコハク酸無水物等のカルボン酸無水物エチレンサルファイト、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトンメタンスルホン酸メチルブスルファンスルホランスルホレンジメチルスルホンジフェニルスルホンメチルフェニルスルホンジブチルジスルフィドジシクロヘキシルジスルフィドテトラメチルチウラムモノスルフィド、N,N−ジメチルメタンスルホンアミド、N,N−ジエチルメタンスルホンアミド等の含硫黄化合物;1−メチル−2−ピロリジノン、1−メチル−2−ピペリドン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルスクシイミド等の含窒素化合物ヘプタンオクタンシクロヘプタン等の炭化水素化合物などが挙げられる。非水系電解液がこれらの助剤を含有する場合、その濃度は、通常0.1〜5重量%である。

0066

本発明の非水系電解液二次電池用電解液は、前述の非水溶媒に電解質、前記一般式Iで表される化合物I及び必要に応じて用いられるその他の添加剤を添加混合して非水系電解液を調製する際に、前述の如く、化合物II/化合物I割合が500ppm以下となるように、高度に精製した化合物Iを用いて調製することができる。

0067

このような本発明の非水系電解液は、二次電池、特にリチウム二次電池の電解液として用いるのに好適である。

0068

以下にこのような本発明の非水系電解液を用いた本発明の非水系電解液二次電池について説明する。

0069

本発明の非水系電解液二次電池は、非水系電解液として本発明の非水系電解液を用いること以外は従来公知のリチウム二次電池と同様に構成され、通常、正極と負極とが、本発明の非水系電解液が含浸された多孔膜を介して、ケース収納された構造を有している。従って、本発明の二次電池の形状は任意であり、例えば、円筒型、角型、ラミネート型コイン型等のいずれであっても良く、また、小型、大型のいずれであっても良い。

0070

負極を構成する負極活物質としては、リチウムを吸蔵・放出可能な炭素質材料酸化錫酸化アンチモン錫、一酸化珪素酸化バナジウム等のリチウムを吸蔵・放出可能な金属酸化物リチウム金属アルミニウム珪素、錫、アンチモン、鉛、ヒ素亜鉛ビスマス、銅、カドミウム、銀、金、白金パラジウムマグネシウムナトリウムカリウム等のリチウムと合金化可能な金属;前記金属を含む合金金属間化合物を含む);リチウムと合金化可能な金属及び該金属を含む合金とリチウムとの複合合金化合物;窒化コバルトリチウム等の窒化金属リチウムなどを挙げることができる。これらは1種を単独で用いても、複数を併用しても良い。

0071

負極活物質として、なかでも好ましいものは、炭素質材料、特に、黒鉛や黒鉛の表面を黒鉛に比べて非晶質の炭素被覆したものである。

0072

黒鉛は、学振法によるX線回折で求めた格子面(002面)のd値(層間距離)が0.335〜0.338nm、特に0.335〜0.337nmであるものが好ましい。また、学振法によるX線回折で求めた結晶子サイズ(Lc)は、30nm以上であるのが好ましく、50nm以上、特に100nm以上であるのが更に好ましい。灰分は、通常1重量%以下であるのが好ましく、0.5重量%以下、特に0.1重量%以下であるのが更に好ましい。

0073

黒鉛の表面を非晶質の炭素で被覆したものとして好ましいのは、X線回折における格子面(002面)のd値が0.335〜0.338nmである黒鉛を核材とし、その表面に該核材よりもX線回折における格子面(002面)のd値が大きい炭素質材料が付着しており、かつ核材と核材よりもX線回折における格子面(002面)のd値が大きい炭素質材料との割合が重量比で99/1〜80/20であるものである。このようなものを用いると、高い容量で、かつ電解液と反応しにくい負極を製造することができる。

0074

炭素質材料の粒径は、レーザー回折・散乱法によるメジアン径で、1μm以上であるのが好ましく、3μm以上、特に5μm以上であれば更に好ましく、最も好ましいのは7μm以上である。また、上限値は、100μm以下が好ましく、50μm以下、特に40μm以下であれば更に好ましく、最も好ましいのは30μm以下である。

0075

炭素質材料のBET法による比表面積は、0.3m2/g以上であるのが好ましく、0.5m2/g以上、特に0.7m2/g以上であれば更に好ましく、最も好ましいのは0.8m2/g以上である。また、上限値は25.0m2/g以下が好ましく、20.0m2/g以下、特に15.0m2/g以下であるのが更に好ましく、最も好ましいのは10.0m2/g以下である。

0076

また、炭素質材料は、アルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析したときに、1570〜1620cm−1の範囲にあるピークPAのピーク強度IAと、1300〜1400cm−1の範囲にあるピークPBのピーク強度IBとの比で表されるR値(=IB/IA)が、0.01〜0.7の範囲であるものが好ましい。また、1570〜1620cm−1の範囲にあるピークの半値幅が、26cm−1以下、特に25cm−1以下であるものが好ましい。

0077

正極を構成する正極活物質としては、リチウムコバルト酸化物リチウムニッケル酸化物リチウムマンガン酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物材料などのリチウムを吸蔵・放出可能な材料が挙げられる。

0078

活物質結着する結着剤としては、電極製造時に使用する溶媒や電解液に対して安定な材料であれば良く、任意のものを使用することができる。例えば、ポリフッ化ビニリデンポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂ポリエチレンポリプロピレン等のポリオレフィンスチレンブタジエンゴムイソプレンゴム、ブタジエンゴム等の不飽和結合を有するポリマー及びその共重合体エチレンアクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等のアクリル酸系ポリマー及びその共重合体などが挙げられる。

0079

電極中には、機械的強度電気伝導度を高めるために増粘剤導電材充填剤などを含有させても良い。

0081

導電材としては、銅又はニッケル等の金属材料グラファイト又はカーボンブラック等の炭素材料などが挙げられる。

0082

電極の製造は、常法によれば良い。例えば、負極又は正極活物質に、結着剤、増粘剤、導電材、溶媒等を加えてスラリー化し、これを集電体に塗布、乾燥した後に、プレスすることによって形成することができる。

0083

負極活物質層の乾燥、プレス後密度は、通常1.45g/cm3以上であり、好ましくは1.55g/cm3以上、特に好ましくは1.60g/cm3以上である。負極活物質層の密度が高いほど電池の容量が増加するので好ましい。また、正極物質層の乾燥、プレス後の密度は、通常3.0g/cm3以上である。正極活物質層の密度が低すぎると電池の容量が不十分となる。

0084

集電体としては各種のものが用いることができるが、通常は金属や合金が用いられる。負極の集電体としては、銅、ニッケル、ステンレス等が挙げられ、好ましいのは銅である。また、正極の集電体としては、アルミニウム、チタンタンタル等の金属又はその合金が挙げられ、好ましいのはアルミニウム又はその合金である。

0085

正極と負極の間には、短絡を防止するために通常は多孔膜を介在させる。この場合、電解液は多孔膜に含浸させて用いる。多孔膜の材質や形状は、電解液に安定であり、かつ保液性に優れていれば特に制限はなく、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを原料とする多孔性シート又は不織布等が好ましい。

0086

本発明に係る電池に使用する電池の外装体の材質も任意であり、ニッケルメッキを施した鉄、ステンレス、アルミニウム又はその合金、ニッケル、チタン等が用いられる。

0087

以下に、実験例、調製例、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。

0088

実験例1
以下の2種類の2,4−ジフルオロアニソール(以下「24DFA」と略記する)について、化合物II/化合物I割合の分析を行った。
市販品:ダイキン社製24DFA
蒸留精製品A:上記市販24DFAの精密蒸留品

0089

なお、蒸留精製品Aは、市販品のダイキン社製24DFAを、常圧下、理論段数60段の蒸留塔を用いて、環流比10にて抜き出し、50ml毎に以下のGC分析を実施し、不純物量を確認しながら分取する精密蒸留により得た。

0090

上記2種類の24DFAについてガスクロマトグラフィーGC)分析と、GC/MSによるGCにより分離した各成分の量質分析を実施した。それぞれの測定条件は下記の通りである。
〔GC分析〕
島津製作所製、GC−17Aを用いた。カラムはTC−1を使用。カラムオーブン温度:60℃保持、試料気化室温度:250℃、検出器温度:250℃の温度条件にて測定を実施した。不純物の含有量の数値面積百分率にて表示。
〔GC/MS分析
GCの条件は以下の通り。
カラム:DB−5、30m×0.25mmφ×0.25μのものを使用。温度条件は、カラムオーブン温度:40℃でスタート後、1分当たり10℃のレートにて280℃まで昇温、試料気化室温度:200℃にて測定を実施した。

0091

これらの分析結果は下記表1に示す通りであり、24DFAの不純物で、前記一般式IIで表される化合物IIとしては、下記表に示すようなものが検出された。

0092

0093

調製例1
実験例1の結果をもとに、蒸留精製品Aを得る際の精密蒸留における蒸留条件(蒸留塔の理論段数、還流比)を変更することにより、下記表2に示す蒸留精製品B〜Dを得た。

0094

これらの蒸留精製品B〜Dも化合物IIとしてクロロフルオロアニソールとモノフルオロアニソールを含むものであった。

0095

0096

実施例1〜3、比較例1,2
下記の方法により、24DFAを用いて非水系電解液を調製し、この非水系電解液を用いてコイン型電池を作製してその保存試験を行った。
〔非水系電解液の調製〕
乾燥アルゴン雰囲気下で、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)を容量比2:4:4にて混合した溶液に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1mol/lの割合で溶解させた。その後、表3に示す24DFAを2重量%、ビニレンカーボネート(VC)を2重量%となるように添加して電解液を調製した。
〔正極の作製〕
正極活物質としてLiCoO2(85重量部)にカーボンブラック(6重量部)、ポリフッ化ビニリデン(9重量部)を加えて混合し、N−メチル−2−ピロリドンで分散し、スラリー状としたものを正極集電体である厚さ20μmのアルミニウム箔上に均一に塗布し、乾燥後、所定の形状に打ち抜いて正極(密度3g/cm3)とした。
〔負極の作製〕
負極活物質として、X線回折における格子面(002面)のd値が0.336nmである人造黒鉛粉末KS−44(ティカル社製、商品名)(94重量部)にポリフッ化ビニリデン(6重量部)を混合し、N−メチル−2−ピロリドンで分散させスラリー状としたものを負極集電体である厚さ18μmの銅箔上に均一に塗布し、乾燥後、所定の形状に打ち抜いて負極(密度1.5g/cm3)とした。
〔コイン型電池の作製〕
上記電解液、正極、負極、を用いて、乾燥アルゴン雰囲気下で、正極導電体を兼ねるステンレス鋼製の缶体に正極を収容し、その上に電解液を含浸させたセパレータ(ポリプロピレンの微孔性フィルム)を介して負極を裁置した。この缶体と負極導電体を兼ねる封口板とを、絶縁用のガスケットを介してかしめて密封し、コイン型電池を作製した。
〔保存試験〕
作製した電池を用いて25℃において、0.5mAの定電流で充電終止電圧4.2V、放電終止電圧3Vで充放電試験を行い初期容量を求めた。その後、充電状態で85℃、3日間の保存試験を実施した後、再度25℃において、0.5mAの定電流で3Vとなるまで放電させ、保存後の残存容量を求めた。初期の容量を100とした場合の残存容量の百分率は下記表3に示す通りとなった。

0097

0098

表3より、24DFAのような含酸素高次フルオロ芳香族化合物を添加剤として用いた場合、本発明に従って、含酸素モノフルオロ芳香族化合物量を低減することにより、保存特性を向上させることができることが分かる。

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