図面 (/)

技術 アルミニウム合金欠陥検出装置、アルミニウム合金欠陥検出方法、アルミニウム合金部材の製造方法、およびアルミニウム合金連続鋳造棒の製造方法

出願人 昭和電工株式会社
発明者 小田島康秀
出願日 2004年12月15日 (14年10ヶ月経過) 出願番号 2004-362292
公開日 2005年7月28日 (14年2ヶ月経過) 公開番号 2005-201894
状態 未査定
技術分野 超音波による材料の調査、分析 磁気的手段による材料の調査、分析 連続鋳造 鋳造用とりべ
主要キーワード アルミニウム合金棒 筒状材 ドリルホール 傷検出器 グループパターン 対比試験片 検査周波数 判別ユニット
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年7月28日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (9)

課題

欠陥の種類を判別することができ、安定した品質アルミニウム合金部材を製造できるようにする。

解決手段

この発明のアルミニウム合金欠陥検出装置1、少なくとも一つの渦流探傷検査信号S0でアルミニウム合金部材に渦電流を生じさせ、その渦電流に対応して検出信号を出力する渦流探傷検出手段2と、周波数帯域が互いに異なる2以上のフィルター311,32を有し、その各フィルターに検出信号を分配して通過させ、そのフィルター通過信号S2,S3を信号群として出力するフィルター処理手段3と、フィルター通過信号の各々の波形振り幅を、予め設定した閾値と比較してグループ分けする信号処理判定手段4と、そのグループ分け情報に基づいて、アルミニウム合金部材の欠陥の検出およびその欠陥の種類を判別する欠陥種類判別手段5と、を備えることを特徴としている。

概要

背景

一般的にアルミニウム合金部材は、アルミニウム合金溶湯から、円柱状、角柱状あるいは中空柱状長尺鋳塊鋳造し、その鋳塊からアルミニウム合金棒として製造される。鋳造方法には、気体加圧連続鋳造方法や気体加圧ホットトップ連続鋳造方法、水平連続鋳造方法などがある(例えば、特許文献1参照)。また、鋳造された鋳塊を塑性加工の一例の押出し加工でより細径材に加工しアルミニウム合金棒を製造する場合も有る。
特開昭63−104751号公報

これらのアルミニウム合金棒には鋳造由来欠陥(例えばSi偏析欠陥酸化物欠陥)、ハンドリング時の当て傷、機械加工時や塑性加工時の加工欠陥などの各種欠陥があり、これらの各種欠陥は、その後の機械加工時、鍛造加工時の加工不良の原因となる為に、欠陥の有無を検査し判定して品質を一定のレベルに保つことが必要である。

これらの欠陥の検査方法としては、非破壊検査である必要があり、従来から、超音波を用いた超音波探傷法(例えば非特許文献1参照)や、渦流傷法などが用いられてきた。
超音波技術便覧』日刊工業新聞社、昭和60年12月30日発行、p721〜737

渦流探傷法とは、導電性のある試験体の近くに交流を通じたコイルを接触させ、電磁誘導現象によって試験体に発生した渦電流の変化を抽出して探傷試験を行うものである。交流を流したコイルを試料に近づけると、コイルの周辺に生じた磁界(磁束で示す)が導体である試料に作用し、電磁誘導による起電力が生じる。コイルの磁界は交流によるものであるから、導体を貫く磁束の向きと磁束の数が時間的に変化するので、導体内に発生する起電力は、この導体を貫く磁束の変化を妨げるように生じる。この起電力によって、導体中の磁力線のまわりには、渦電流(交流)が生じる。渦流探傷法ではこの渦電流の変化を抽出して探傷試験を行う。

この渦流探傷法による従来の欠陥検出方法において、検査信号周波数として複数周波数を用いた検査方法が開示されている(例えば非特許文献2)。
非破壊検査技術シリーズ渦流探傷試験II」(社)日本非破壊検査協会 平成13年10月15日発行

また、渦流探傷検出信号のX成分、Y成分の位相差を用いて欠陥の深さ、大きさを判定する方法が開示されている(例えば特許文献2,特許文献3)。
特開平06−018484号公報
特開平11−094805号公報

また、渦流探傷検出信号のX成分、Y成分の位相差を用いて作成したリサージュ図形による検査方法の開示もある。

さらには、渦電流を用いて検査体表面材質判別する方法において、測定対象物を遠ざけたときに変化する検出信号の位相差を用いてその表面材質を判別する方法も開示されている(例えば特許文献4参照)。
特開2000−180415号公報

概要

欠陥の種類を判別することができ、安定した品質のアルミニウム合金部材を製造できるようにする。 この発明のアルミニウム合金欠陥検出装置1、少なくとも一つの渦流探傷検査信号S0でアルミニウム合金部材に渦電流を生じさせ、その渦電流に対応して検出信号を出力する渦流探傷検出手段2と、周波数帯域が互いに異なる2以上のフィルター311,32を有し、その各フィルターに検出信号を分配して通過させ、そのフィルター通過信号S2,S3を信号群として出力するフィルター処理手段3と、フィルター通過信号の各々の波形振り幅を、予め設定した閾値と比較してグループ分けする信号処理判定手段4と、そのグループ分け情報に基づいて、アルミニウム合金部材の欠陥の検出およびその欠陥の種類を判別する欠陥種類判別手段5と、を備えることを特徴としている。

目的

この発明は上記に鑑み提案されたもので、欠陥の種類を判別することができ、またそれによって欠陥がどの製造工程で発生したかを的確に特定することができ、製造工程にフィードバックして安定した品質のアルミニウム合金部材を製造できるようになるアルミニウム合金欠陥検出装置、アルミニウム合金欠陥検出方法、アルミニウム合金部材の製造方法、およびアルミニウム合金連続鋳造棒の製造方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

アルミニウム合金部材欠陥を検出するアルミニウム合金欠陥検出装置において、少なくとも一つの渦流探傷検査信号でアルミニウム合金部材に渦電流を生じさせ、その渦電流に対応して検出信号を出力する渦流探傷検出手段と、周波数帯域が互いに異なる2以上のフィルターを有し、その各フィルターに上記渦流探傷検出手段からの検出信号を分配して通過させ、そのフィルター通過信号信号群として出力するフィルター処理手段と、上記フィルター通過信号の各々の波形振り幅を、予め設定した閾値と比較してグループ分けする信号処理判定手段と、上記フィルター通過信号に対するグループ分け情報に基づいて、アルミニウム合金部材の欠陥の検出およびその欠陥の種類を判別する欠陥種類判別手段と、を備えることを特徴とするアルミニウム合金欠陥検出装置。

請求項2

アルミニウム合金部材の欠陥を検出するアルミニウム合金欠陥検出装置において、少なくとも一つの渦流探傷検査信号でアルミニウム合金部材に渦電流を生じさせ、その渦電流に対応して検出信号を出力する渦流探傷検出手段と、周波数帯域が互いに異なる2以上のフィルターを有し、その各フィルターに上記渦流探傷検出手段からの検出信号を分配して通過させ、そのフィルター通過信号を信号群として出力するフィルター処理手段と、入力された各種信号に所定の前処理を施し、その前処理後の信号を信号群として出力する前処理手段と、上記信号群の各信号の波形振り幅を、予め設定した閾値と比較してグループ分けする信号処理判定手段と、上記信号群の各信号に対するグループ分け情報に基づいて、アルミニウム合金部材の欠陥の検出およびその欠陥の種類を判別する欠陥種類判別手段と、を備えることを特徴とするアルミニウム合金欠陥検出装置。

請求項3

上記ファイルター処理手段が2つのフィルターを有し、一方のフィルターの帯域高周波通過帯域バンドパス型とし、他方のフィルターの帯域を低周波通過帯域バンドパス型とする、請求項1または2に記載のアルミニウム合金欠陥検出装置。

請求項4

上記前処理手段は、各フィルター通過信号に位相分別を施してX成分信号とY成分信号とに分解し、そのX成分信号とY成分信号とを用いてリサージュ図形を作成し、そのリサージュ図形の歪み値傾き値を前処理後の信号として信号群に含め出力する、請求項2または3に記載のアルミニウム合金欠陥検出装置。

請求項5

上記前処理手段は、フィルター通過信号と、渦流探傷検査信号とを位相比較して得られた位相差信号を前処理後の信号として信号群に含め出力する、請求項2から4の何れかに記載のアルミニウム合金欠陥検出装置。

請求項6

上記前処理手段は、各フィルター通過信号に位相分別を施してX成分信号とY成分信号とに分解し、そのX成分信号とY成分信号とから得られる位相角度に基づいて導電率を求め、その導電率信号を前処理後の信号として信号群に含め出力する、請求項2から5の何れかに記載のアルミニウム合金欠陥検出装置。

請求項7

アルミニウム合金部材に超音波探傷を施し超音波探傷検出信号を出力する超音波探傷検出手段を備え、上記超音波探傷検出信号を、前処理手段に入力される各種信号の1つとする、請求項2から6の何れかに記載のアルミニウム合金欠陥検出装置。

請求項8

上記欠陥種類判別手段が判別するアルミニウム合金部材の欠陥の種類は、酸化物欠陥、Si偏析欠陥凹状欠陥の何れかである、請求項1から7の何れかに記載のアルミニウム合金欠陥検出装置。

請求項9

上記欠陥種類判別手段で検出された欠陥およびその欠陥の種類に基づいて、当該アルミニウム合金部材の品質合否総合的に判定する総合判定手段を備える、請求項1から8の何れかに記載のアルミニウム合金欠陥検出装置。

請求項10

アルミニウム合金部材の欠陥を検出するアルミニウム合金欠陥検出方法において、少なくとも一つの渦流探傷検査信号でアルミニウム合金部材に生じた渦電流に対応して検出信号を出力し、上記検出信号を周波数帯域が互いに異なる2以上のフィルターに分配し、上記各フィルターを通過したフィルター通過信号を信号群とし、上記信号群の各フィルター通過信号の波形振り幅を、予め設定した閾値と比較してグループ分けし、上記フィルター通過信号に対するグループ分け情報に基づいて、アルミニウム合金部材の欠陥の検出およびその欠陥の種類を判別する、ことを特徴とするアルミニウム合金欠陥検出方法。

請求項11

アルミニウム合金部材の欠陥を検出するアルミニウム合金欠陥検出方法において、少なくとも一つの渦流探傷検査信号でアルミニウム合金部材に生じた渦電流に対応して検出信号を出力し、上記検出信号を周波数帯域が互いに異なる2以上のフィルターに分配し、上記各フィルターを通過したフィルター通過信号を信号群とし、入力された各種信号に所定の前処理を施し、その前処理後の信号を信号群に含め、上記信号群の各信号の波形振り幅を、予め設定した閾値と比較してグループ分けし、上記フィルター通過信号に対するグループ分け情報に基づいて、アルミニウム合金部材の欠陥の検出およびその欠陥の種類を判別する、ことを特徴とするアルミニウム合金欠陥検出方法。

請求項12

請求項10または11に記載のアルミニウム合金欠陥検出方法により検出し判別された欠陥およびその種類と、予め設定した判定基準とを比較して合否を判定する欠陥検査方法を用いる検査工程を有する、ことを特徴とするアルミニウム合金部材の製造方法。

請求項13

アルミニウム合金部材がアルミニウム合金連続鋳造棒であって、請求項10または11に記載のアルミニウム合金欠陥検出方法により検出し判別された欠陥およびその種類と、予め設定した判定基準とを比較した結果を鋳造条件フィードックする、ことを特徴とするアルミニウム合金連続鋳造棒の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、アルミニウム合金部材欠陥を検出するアルミニウム合金欠陥検出装置アルミニウム合金欠陥検出方法、アルミニウム合金部材の製造方法、およびアルミニウム合金連続鋳造棒の製造方法に関するものである。

背景技術

0002

一般的にアルミニウム合金部材は、アルミニウム合金溶湯から、円柱状、角柱状あるいは中空柱状長尺鋳塊鋳造し、その鋳塊からアルミニウム合金棒として製造される。鋳造方法には、気体加圧連続鋳造方法や気体加圧ホットトップ連続鋳造方法、水平連続鋳造方法などがある(例えば、特許文献1参照)。また、鋳造された鋳塊を塑性加工の一例の押出し加工でより細径材に加工しアルミニウム合金棒を製造する場合も有る。
特開昭63−104751号公報

0003

これらのアルミニウム合金棒には鋳造由来の欠陥(例えばSi偏析欠陥酸化物欠陥)、ハンドリング時の当て傷、機械加工時や塑性加工時の加工欠陥などの各種欠陥があり、これらの各種欠陥は、その後の機械加工時、鍛造加工時の加工不良の原因となる為に、欠陥の有無を検査し判定して品質を一定のレベルに保つことが必要である。

0004

これらの欠陥の検査方法としては、非破壊検査である必要があり、従来から、超音波を用いた超音波探傷法(例えば非特許文献1参照)や、渦流傷法などが用いられてきた。
超音波技術便覧』日刊工業新聞社、昭和60年12月30日発行、p721〜737

0005

渦流探傷法とは、導電性のある試験体の近くに交流を通じたコイルを接触させ、電磁誘導現象によって試験体に発生した渦電流の変化を抽出して探傷試験を行うものである。交流を流したコイルを試料に近づけると、コイルの周辺に生じた磁界(磁束で示す)が導体である試料に作用し、電磁誘導による起電力が生じる。コイルの磁界は交流によるものであるから、導体を貫く磁束の向きと磁束の数が時間的に変化するので、導体内に発生する起電力は、この導体を貫く磁束の変化を妨げるように生じる。この起電力によって、導体中の磁力線のまわりには、渦電流(交流)が生じる。渦流探傷法ではこの渦電流の変化を抽出して探傷試験を行う。

0006

この渦流探傷法による従来の欠陥検出方法において、検査信号周波数として複数周波数を用いた検査方法が開示されている(例えば非特許文献2)。
非破壊検査技術シリーズ渦流探傷試験II」(社)日本非破壊検査協会 平成13年10月15日発行

0007

また、渦流探傷検出信号のX成分、Y成分の位相差を用いて欠陥の深さ、大きさを判定する方法が開示されている(例えば特許文献2,特許文献3)。
特開平06−018484号公報
特開平11−094805号公報

0008

また、渦流探傷検出信号のX成分、Y成分の位相差を用いて作成したリサージュ図形による検査方法の開示もある。

0009

さらには、渦電流を用いて検査体表面材質判別する方法において、測定対象物を遠ざけたときに変化する検出信号の位相差を用いてその表面材質を判別する方法も開示されている(例えば特許文献4参照)。
特開2000−180415号公報

発明が解決しようとする課題

0010

しかし、上記従来の渦流探傷法では、欠陥の検出およびその大きさ等は判別することができるものの、何れも欠陥の種類を判別することができない。このため欠陥がどの製造工程で発生したかを的確に特定することが難しく、製造工程にフィードバックして欠陥をなくすことにつながらず、したがって、安定した品質のアルミニウム合金部材を製造するのが困難であった。

0011

この発明は上記に鑑み提案されたもので、欠陥の種類を判別することができ、またそれによって欠陥がどの製造工程で発生したかを的確に特定することができ、製造工程にフィードバックして安定した品質のアルミニウム合金部材を製造できるようになるアルミニウム合金欠陥検出装置、アルミニウム合金欠陥検出方法、アルミニウム合金部材の製造方法、およびアルミニウム合金連続鋳造棒の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

1)上記目的を達成するために、第1の発明は、アルミニウム合金部材の欠陥を検出するアルミニウム合金欠陥検出装置において、少なくとも一つの渦流探傷検査信号でアルミニウム合金部材に渦電流を生じさせ、その渦電流に対応して検出信号を出力する渦流探傷検出手段と、周波数帯域が互いに異なる2以上のフィルターを有し、その各フィルターに上記渦流探傷検出手段からの検出信号を分配して通過させ、そのフィルター通過信号信号群として出力するフィルター処理手段と、上記フィルター通過信号の各々の波形振り幅を、予め設定した閾値と比較してグループ分けする信号処理判定手段と、上記フィルター通過信号に対するグループ分け情報に基づいて、アルミニウム合金部材の欠陥の検出およびその欠陥の種類を判別する欠陥種類判別手段と、を備えることを特徴としている。

0013

2)第2の発明は、アルミニウム合金部材の欠陥を検出するアルミニウム合金欠陥検出装置において、少なくとも一つの渦流探傷検査信号でアルミニウム合金部材に渦電流を生じさせ、その渦電流に対応して検出信号を出力する渦流探傷検出手段と、周波数帯域が互いに異なる2以上のフィルターを有し、その各フィルターに上記渦流探傷検出手段からの検出信号を分配して通過させ、そのフィルター通過信号を信号群として出力するフィルター処理手段と、入力された各種信号に所定の前処理を施し、その前処理後の信号を信号群として出力する前処理手段と、上記信号群の各信号の波形振り幅を、予め設定した閾値と比較してグループ分けする信号処理判定手段と、上記信号群の各信号に対するグループ分け情報に基づいて、アルミニウム合金部材の欠陥の検出およびその欠陥の種類を判別する欠陥種類判別手段と、を備えることを特徴としている。

0014

3)第3の発明は、上記した1)項または2)項に記載の発明の構成に加えて、上記ファイルター処理手段が2つのフィルターを有し、一方のフィルターの帯域高周波通過帯域バンドパス型とし、他方のフィルターの帯域を低周波通過帯域バンドパス型とする、ことを特徴としている。

0015

4)第4の発明は、上記した2)項または3)項に記載の発明の構成に加えて、上記前処理手段は、各フィルター通過信号に位相分別を施してX成分信号とY成分信号とに分解し、そのX成分信号とY成分信号とを用いてリサージュ図形を作成し、そのリサージュ図形の歪み値傾き値を前処理後の信号として信号群に含め出力する、ことを特徴としている。

0016

5)第5の発明は、上記した2)項から4)項の何れかに記載の発明の構成に加えて、上記前処理手段は、フィルター通過信号と、渦流探傷検査信号とを位相比較して得られた位相差信号を前処理後の信号として信号群に含め出力する、ことを特徴としている。

0017

6)第6の発明は、上記した2)項から5)項の何れかに記載の発明の構成に加えて、上記前処理手段は、各フィルター通過信号に位相分別を施してX成分信号とY成分信号とに分解し、そのX成分信号とY成分信号とから得られる位相角度に基づいて導電率を求め、その導電率信号を前処理後の信号として信号群に含め出力する、ことを特徴としている。

0018

7)第7の発明は、上記した2)項から6)項の何れかに記載の発明の構成に加えて、アルミニウム合金部材に超音波探傷を施し超音波探傷検出信号を出力する超音波探傷検出手段を備え、上記超音波探傷検出信号を、前処理手段に入力される各種信号の1つとする、ことを特徴としている。

0019

8)第8の発明は、上記した1)項から7)項の何れかに記載の発明の構成に加えて、上記欠陥種類判別手段が判別するアルミニウム合金部材の欠陥の種類は、酸化物欠陥、Si偏析欠陥、凹状欠陥の何れかである、ことを特徴としている。

0020

9)第9の発明は、上記した1)項から8)項の何れかに記載の発明の構成に加えて、上記欠陥種類判別手段で検出された欠陥およびその欠陥の種類に基づいて、当該アルミニウム合金部材の品質合否総合的に判定する総合判定手段を備える、ことを特徴としている。

0021

10)第10の発明は、アルミニウム合金部材の欠陥を検出するアルミニウム合金欠陥検出方法において、少なくとも一つの渦流探傷検査信号でアルミニウム合金部材に生じた渦電流に対応して検出信号を出力し、上記検出信号を周波数帯域が互いに異なる2以上のフィルターに分配し、上記各フィルターを通過したフィルター通過信号を信号群とし、上記信号群の各フィルター通過信号の波形振り幅を、予め設定した閾値と比較してグループ分けし、上記フィルター通過信号に対するグループ分け情報に基づいて、アルミニウム合金部材の欠陥の検出およびその欠陥の種類を判別する、ことを特徴としている。

0022

11)第11の発明は、アルミニウム合金部材の欠陥を検出するアルミニウム合金欠陥検出方法において、少なくとも一つの渦流探傷検査信号でアルミニウム合金部材に生じた渦電流に対応して検出信号を出力し、上記検出信号を周波数帯域が互いに異なる2以上のフィルターに分配し、上記各フィルターを通過したフィルター通過信号を信号群とし、入力された各種信号に所定の前処理を施し、その前処理後の信号を信号群に含め、上記信号群の各信号の波形振り幅を、予め設定した閾値と比較してグループ分けし、上記フィルター通過信号に対するグループ分け情報に基づいて、アルミニウム合金部材の欠陥の検出およびその欠陥の種類を判別する、ことを特徴としている。

0023

12)第12の発明は、アルミニウム合金部材の製造方法であって、上記の10)項または11)項に記載のアルミニウム合金欠陥検出方法により検出し判別された欠陥およびその種類と、予め設定した判定基準とを比較して合否を判定する欠陥検査方法を用いる検査工程を有する、ことを特徴としている。

0024

13)第13の発明は、アルミニウム合金連続鋳造棒の製造方法であって、上記の10)項または11)項に記載のアルミニウム合金欠陥検出方法により検出し判別された欠陥およびその種類と、予め設定した判定基準とを比較した結果を鋳造条件フィードックする、ことを特徴としている。

発明の効果

0025

本発明では、少なくとも一つの渦流探傷検出信号を分配して異なる周波数帯域のフィルターを通過させると、欠陥によって信号の振り幅(振幅)に違いが出ることを利用して欠陥の種類を判別分類し、またその違いをパターン化して、登録したパターンと検出結果のパターンを比較し、パターン判別して欠陥種類を判別する。したがって、欠陥の種類判別を容易に行うことができる。またその由来を特定して製造工程へのフィードバックを確実に行うことができる。その結果、Si偏析欠陥、酸化物欠陥などの発生を効率良く抑えることができ、安定した品質のアルミニウム合金部材を製造することができる。

発明を実施するための最良の形態

0026

以下にこの発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。

0027

図1はこの発明の第1の実施形態におけるアルミニウム合金欠陥検出装置の構成を示すブロック図である。図において、この発明のアルミニウム合金欠陥検出装置1は、アルミニウム合金部材の欠陥を検出する検出装置であり、渦流探傷検出手段2、フィルター処理手段3、信号処理判定手段4および欠陥種類判別手段5を備えている。

0028

渦流探傷検出手段2は、少なくとも一つの渦流探傷検査信号S0でアルミニウム合金部材に渦電流を生じさせ、その渦電流に対応して検出信号S1を出力する。

0029

フィルター処理手段3は、周波数帯域が互いに異なる2以上のフィルター31,32,…を有し、その各フィルター31,32,…に渦流探傷検出手段2からの検出信号S0を分配して通過させ、そのフィルター通過信号S2,S3,…を信号群として出力する。

0030

信号処理判定手段4は、フィルター通過信号S2,S3,…の各々の波形振り幅(振幅)を、予め設定した閾値と比較してグループ分けする。例えば信号の波形振り幅をΔD、閾値をM1,M2とし、波形振り幅ΔDが閾値M1以下であればグループA、M1とM2との間の値であればグループB、M2以上であればグループCというようにグループ分けする。

0031

欠陥種類判別手段5は、フィルター通過信号S2,S3,…に対するグループ分け情報に基づいて、アルミニウム合金部材の欠陥の検出およびその欠陥の種類を判別する。例えば、上記の例で、フィルター通過信号S2のグループがAで、フィルター通過信号S3のグループがBであれば、この信号群S2,S3から得られるグループパターンは(A,B)となる。そして、この欠陥種類判別手段5には、予め例えばグループパターンが(A,B)であれば酸化物欠陥、(B,C)であればSi偏析欠陥、(C,D)であれば凹状欠陥であるというように設定登録されており、今回のフィルター通過信号S2,S3のグループパターンが例えば(A,B)であれば、アルミニウム合金部材に酸化物欠陥が存在すると判定する。

0032

図2はこの発明の第2の実施形態におけるアルミニウム合金欠陥検出装置の構成を示すブロック図である。この第2の実施形態におけるアルミニウム合金欠陥検出装置10が上記第1の実施形態と異なる点は、超音波探傷検出手段6、前処理手段7および総合判定手段8を設けた点である。

0033

超音波探傷検出手段6は、アルミニウム合金部材に超音波探傷を施し超音波探傷検出信号を前処理手段7に出力する。また、前処理手段7は、入力された各種信号に所定の前処理を施し、その前処理後の信号を信号群として出力するものである。また総合判定手段8は、欠陥種類判別手段5で検出された欠陥およびその欠陥の種類に基づいて、当該アルミニウム合金部材の品質合否を総合的に判定するものである。

0034

上記の前処理手段7には、各種信号が入力される。すなわち、検査信号、フィルター処理手段3からのフィルター通過信号S2,S3,…、渦流探傷検出手段2からの渦流探傷検出信号、および超音波探傷検出手段6からの超音波探傷検出信号が入力される。そして、この前処理手段7は、これらの各種信号に所定の前処理を施し、その前処理後の信号を信号群として出力する。

0035

例えば、前処理手段7は、各フィルター通過信号S2,S3,…に位相分別を施してX成分信号とY成分信号とに分解し、そのX成分信号とY成分信号とを用いてリサージュ図形を作成し、そのリサージュ図形の歪み値と傾き値を前処理後の信号として信号群に含め出力する。また、フィルター通過信号S2,S3,…と、渦流探傷検査信号とを位相比較して得られた位相差信号を前処理後の信号として信号群に含め出力する。さらに、各フィルター通過信号S2,S3,…に位相分別を施してX成分信号とY成分信号とに分解し、そのX成分信号とY成分信号とから得られる位相角度に基づいて導電率を求め、その導電率信号を前処理後の信号として信号群に含め出力する。

0036

これらの信号群に含まれる各信号は、上記のフィルター通過信号S2,S3,…と同様に、信号処理判定手段4に出力され、信号処理判定手段4では、その各信号の波形振り幅を、予め設定した閾値と比較してグループ分けする。

0037

次に、本発明を図3を用いてより具体的に説明する。

0038

図3のアルミニウム合金欠陥検出装置100は、渦電流を検出するETプローブ(渦流探傷検出器)12、UTプローブ(超音波探傷検出器)16、ETプローブ12の検出信号を少なくとも2つ以上に分配しそれぞれを異なる周波数帯域を有するフィルター131,132を通過させるフィルタユニット13、入力された各種信号からなる信号群に対して演算処理や信号の振り幅を予め設定した閾値と比較判定処理を行う信号処理判定ユニット14、フィルター131,132を通過させた信号をX成分信号Y成分信号に分解する位相分別器171、位相分別器171からの出力信号からリサージュ図形を描きその形状を判別するリサージュ判定処理ユニット172、信号処理判定ユニット14の結果から欠陥位置を検出する欠陥位置検出ユニット141、信号処理判定ユニット14とリサージュ判定処理ユニット172の結果から欠陥種類を判別する欠陥種類判別ユニット15、欠陥位置検出ユニット141と欠陥種類判別ユニット15からの情報を基に合否判定をする総合判定ユニット18、各判定ユニットへ予め判定条件を設定するための制御ユニット20、および判定条件等のデータベースユニット30を有している。なお、位相分別器171,リサージュ判定処理ユニット172および信号処理判定ユニット14は、図2では前処理手段7と信号処理判定手段4とを合わせた機能に相当する。

0039

渦流探傷検出器12には従来公知のものを使用することができ、例えば鉄心コア)に励磁コイル検出コイルとが併設されたものを使用する。そしてこの励磁コイルに渦流探傷検査信号として所定の周波数の励磁電圧を供給し、導電体からなる試料(アルミニウム合金部材)の表面部又は表層部に渦電流を生じさせる。検出コイルではその渦電流の変動を検出するものである。この誘導電流は、試料が完全に均質であれば励磁電圧の周波数と同一の周波数で且つ該励磁電圧に対して所定の位相差を有する信号となるが、実際には、試料中の欠陥の存在により測定検出されたものには振幅変動と位相差の変化が共存するものとなる。導体に生じる渦電流の大きさ、分布は、周波数、導体の導電率、透磁率、試料の寸法、形状、コイルの形状寸法電流、導体との距離、さらに試料の有するキズによって変わる。

0040

したがって、試験体(アルミニウム合金部材)を流れる渦電流の変化を検出することによって、試料のキズの有無、材質などの試験が可能となる。図4にキズを検出した場合の過電流の状態を模式的に示した。

0041

フィルタユニット13について説明する。フィルタユニット13は少なくとも2つのフィルター131,132を有していて、それぞれ異なる周波数帯域を有する。周波数帯域は、高周波通過帯域バンドパス型、低周波通過帯域バンドパス型とするのが好ましい。例えば棒状の試料を回転させる場合、それらの中心周波数次式を満たすフィルターを用いる。

0042

fa0=(1/A)×(D・R/60)、fb0=(1/B)×(D・R/60)
ここで、D:試料直径[mm]、R:試料と検出器の相対回転数[rpm]である。A,Bについては、センサーの型、試料状態など測定条件によって調整する。例えばA:200〜400、B:10〜30とできる。バンドパス型の帯fsは中心周波数f0の0.5〜2倍とするのが好ましい。フィルターの帯域の設定例を図5に示す。

0043

検出信号を帯域の異なるフィルタを通過させることができる。例えば、試料と渦流探傷検出器12との相対速度を0.1〜10m/s(好ましくは0.5〜5m/s)とし、帯域の中心周波数が30〜500Hzであるフィルター131と、帯域の中心周波数が1000〜2500Hzであるフィルター132との少なくとも2つのフィルターを用いることが好ましい。実用的な範囲での条件設定ができるからである。

0044

相対速度を大きくするために試料の移動速度を上げると試料のぶれにより、渦流探傷検出器12との空間の変動が大きくなり、測定上のノイズとなり精度が悪くなる。その場合には、試料の搬送装置に試料のぶれを抑える手段、例えば図6に示すように、ガイドレールを設けることが好ましい。または、渦流探傷検出器12側の移動を速くして相対速度を上げることも可能である。例えば、鋳造棒のように円柱状のものであれば、スパイラル状に総体運動させることで相対速度を上げることができる。

0045

またフィルターの帯域は上記範囲でノイズ成分が低減されるように選択することが好ましい。

0046

信号処理判定ユニット14に入力される信号群としては、フィルタユニット13からの出力信号、位相差信号、リサージュ図形の傾き値信号等を挙げることが出きる。

0047

フィルター131,132を通過させた信号をそれぞれ位相分別器171によって分解したX成分信号とY成分信号とを、信号群に含ませることが好ましい。成分に分けることによりノイズ低減などの信号処理を施すことができ、より精度良く欠陥の種別識別できる。例えば、図7に示すように、位相差を調整することによりノイズの低減を図ることができる。位相の調整は50〜90degreeに設定することができる。

0048

X成分信号、Y成分信号によるリサージュ図形の傾き値信号を、信号群に含ませることが好ましい。位相差の状態をダイナミックに観察することができる。さらにこの図形情報を処理することにより、位相情報の変化を検出することができ、その結果を判別のための信号群に加えることが好ましい。

0049

通過させた信号と渦流探傷検出器ヘ供給される渦流探傷検査信号とを位相比較した位相差信号を、信号群に含ませることが好ましい。直接位相差を求める信号処理はリサージュ図形を信号処理するより簡便な処理となるので、簡便な装置とすることができるので好ましい。

0050

渦流探傷検査信号から算出した導電率算出信号を、信号群に含ませることが好ましい。渦流探傷検査信号により材質の変化などの状態を検出することができるからである。

0051

アルミニウム合金試料に超音波探傷を施しその検出信号を、信号群に含ませることが好ましい。超音波探傷検査(UT)信号の乱れ状態を検出することによって内部の結晶粒子バラツキの状態を検出できるからである。

0052

検出器、信号処理において、信号処理に適したSN比を得るための信号増幅器を設けることができる。

0053

信号処理ユニットで行う演算処理としては、信号間の振り幅比算出、位相差算出、位相差算出手段から得られる位相角度から試料の導電率を算出する導電率算出、を挙げることができる。

0054

その他の信号処理の一例を示す。

0055

同期検波回路には従来公知のものを使用することができ、検出器によって検出された誘導電流に対して、前記励磁電圧の周波数と同一の周波数で且つ該励磁電圧に対して所定の位相差を有する基準周波数信号を発生し、この基準周波数信号からなる同期信号に対して実際の誘導電流の振幅と位相差を探傷信号として得るものである。例えば、前記励磁電圧と同じ位相,及び該励磁電圧と90°位相のずれた信号で同期検波し、夫々の出力信号をX軸信号,Y軸信号として得ることができる。

0056

このX軸及びY軸信号は必要に応じて、図8に示すようなオシロスコープ観察波形(リサージュ図形)によって監視される。さらに、交番電流信号として得られるX軸信号及びY軸信号を正側に全波整流して出力し判定処理に供することもできる。リサージュ図形の傾きを算出して判定処理に供することもできる。

0057

一方、渦電流密度JはMaxwellの方程式から一般的に式(1)となる。

0058

ここで、J0は式(2)で与えられる。

0059

ここで、J:渦電流密度(A/m2)、H:磁界(A/m)、H0:x=0の時の磁界強度、x:距離(m)、f:周波数(1/s)、μ:透磁率(H/m)、σ:導電率(S/m)である。

0060

一方、式(1)は、式(3)に変形される。



ここで、式(3)の右辺の、第1の指数関数は導体表面からの距離に対する渦電流の減衰を意味し、第2の指数関数は渦電流の位相遅れを意味している。従って、位相遅れは、式(4)で表せる。

0061

これによって、試料の導電率を測定する場合は、予め作製した基準試料を測定し、位相差算出ユニットから得られた位相角度を用いて、式(4)に基づいて、導電率算出ユニットにて導電率を算出することができる。

0062

算出された導電率は、試料の内部品質を反映することになる。他の欠陥情報と合わせて判定する、すなわち信号群に含ませることにより、欠陥種別の精度が良くなる。

0063

以上述べた信号処理は、アナログ処理でもディジタル処理でも良い。

0064

本装置を実際の現場実装する場合には、検査信号を付与する励磁コイルと渦電流を検出する検出コイルとからなる検出器と導電物質からなる試料とを所定の空隙間距離を保持しながら相対移動させながら検出器を試料の表面を走査させる移送装置、搬送装置が含まれる。図6に一例を示す。

0065

図6において、送り装置を持つ探傷装置では、管、棒などの試験品振動あるいは偏心がなくコイルを通過するよう、送り装置のローラ高さ、動作機構を調整する。普通「心出し」という。送りガタ、振動は雑音の原因となり、また偏心はきずの位置による指示の変化を生じ、試験結果の信頼性を損なう。

0066

送り装置の調整は、送りローラの高さの調整などの粗調整の後、対比試験片を用いて探傷し微調整を行う。ガイドレール、ガイドロールのレベルおよび動作の調整は、先ず標準試料手動あるいは低速送り試験コイルに挿入し、ガタがないことを確認した後、試験速度で搬送し、振動、偏心が十分小さくなるようにする。

0067

本発明の検出方法の一例について、図3に沿って説明する。
[信号処理の流れ、検出判定の方法]
(1)ETプローブ12からの検出信号は、分配されて異なる周波数特性を有するフィルター131,132を通過処理される。通過した信号をS2、S3とする。
(2)S2、S3を閾値と比較して、欠陥に由来すると思われる信号を検出する。
(3)S2、S3の検出結果が予め設定した検出結果の組み合わせになった時を欠陥検出と判定する。
(4)ここでS2、S3に加えて、他の信号例えばUTからの信号S4からの検出結果を組み合わせても良い。
(5)一方、S2、S3の信号からリサージュ図形を観察する。
(6)欠陥が検出されたタイミングで、リサージュ図形の状態を判定する。
(7)さらに、(3)、(4)、(6)から選ぶ任意の組み合わせの結果のパターンから総合的に欠陥種別を判別して、例えば欠陥がSi偏析か酸化物欠陥かまたは単なる凹状欠陥かを判定する。

0068

これらの信号処理において、必要に応じて、時間的タイミングを合わせるために遅延回路を挿入して、検出精度を向上させることが好ましい。

0069

これらの判定条件や、閾値は制御ユニット20から予め設定される。また、制御ユニット20には、データベースユニット30が設けられているのが好ましい。例えば、フィルタユニット13へ設定する周波数帯域、各判定ユニットへ設定する判定閾値、パターンの条件を試料別にテーブルの形で保持していて、必要に応じて制御ユニット20から呼び出して設定できるからである。また、過去の検査結果のデータを蓄積して、その結果でテーブルを更新する機能を有していることが好ましい。

0070

欠陥種類判別ユニット15で行なわれる欠陥を種別するための判定パターンについて説明する。

0071

信号の組み合わせによる欠陥の検出と欠陥の種類の判定が、各信号の振り幅を予め設定した閾値と比較して少なくとも2つ以上にクラス分けした後、クラス分けのパターンによって判定処理することが好ましい。

0072

信号の組み合わせによる欠陥の検出と欠陥の種類の判定が、各信号の振り幅の大きさの比率を予め設定した閾値と比較して少なくとも2つ以上にクラス分けした後、クラス分けのパターンによって判定処理することが好ましい。

0073

欠陥の種類が、酸化物欠陥、Si偏析欠陥、凹状欠陥からなる群から選ばれる2つ以上の組み合わせとするのが好ましい。本発明で検出する欠陥は、例えば、凹状欠陥でその大きさが、直径0.5〜1mm、深さ0.2〜0.7mm、し偏析欠陥でその大きさが直径0.5〜1mm、酸化物欠陥でその大きさが0.8〜1.5mm程度であり、外観検査的に大きさの観点からは分別が困難である。なおこれらの欠陥の大きさの検出感度は、設定条件の変更により調整することが可能である。

0074

以下これらの欠陥を判別する方法について説明する。

0075

例えば以下の様に設定して説明する。周波数帯域が低周波通過帯域であるものをフィルタfa、周波数帯域が高周波帯域であるものをfbとする。信号の振り幅の観点からの分類を、1:第1閾値未満以下、2:第1閾値〜第2閾値、3:第2閾値超、とする。

0076

faフィルタ通過後の信号の振り幅が中間値であり、fbフィルタ通過後の信号の振り幅が中間値である組み合わせをパターン(2、2)と設定し、その欠陥を酸化物と定義しておくことで、検出結果が(2、2)と一致した場合にその欠陥の種類を酸化物欠陥と分類することができる。

0077

faフィルタ通過後の信号の振り幅が閾値未満であり、fbフィルタ通過後の信号の振り幅が閾値超である組み合わせをパターン(1、3)と設定しその欠陥をSi偏析欠陥と定義しておくことで、検出結果が(1、3)と一致した場合にその欠陥の種類をSi偏析欠陥と分類することができる。

0078

faフィルタ通過後の信号の振り幅が閾値超であり、fbフィルタ通過後の信号の振り幅が閾値未満である組み合わせをパターン(3、1)と設定しその欠陥を凹状欠陥と定義しておくことで、検出結果が(3、1)と一致した場合にその欠陥の種類を凹状欠陥と分類することができる。

0079

このようにパターン化して判定することにより、判別条件の設定が容易で、またパターン判別であるので判定処理が高速に実現できる。パターンをデータベースの形で蓄積するとともに、それを削除修正する機能を有していることが好ましい。データを蓄積することにより判別できる欠陥の種類を容易に増やすことができる。また、検出実績によりデータベースを修正することにより、常に最新の情報を反映させることができる。

0080

以上の例示以外に、組み合わせて判定処理する際の、判定パターンを、データベースに登録しておくことにより、凸状欠陥、空洞状欠陥などを分類する判定処理を実現することができる。

0081

今まで述べた判定パターンは、例えば予め各欠陥の標準試料の測定結果を蓄積しておくことで設定できる。

0082

判別パターンの信号の組み合わせによる欠陥の検出と欠陥の種類の判定が、各信号の振り幅の大きさの比率を予め設定した閾値と比較して少なくとも2つ以上にクラス分けした後、クラス分けのパターンによって判定処理することを特徴とする方式であるのが好ましい。

0083

本発明の欠陥検査方法について説明する。前述した検出方法により得られた各種の欠陥の個数と、予め設定した判定基準とを比較して合否を判定することで欠陥を検査することができる。

0084

検査工程は、前述した検出方法により得られた各種の欠陥の個数と、予め設定した判定基準とを比較して合否を判定することを特徴とする欠陥検査方法を採用している。総合的な品質が良好なアルミニウム合金部材を容易に製造できる。

0085

ここで、欠陥検出工程は、前述した検出方法により得られた各種の欠陥の個数と、予め設定した判定基準とを比較してその結果を出力している。その結果は、鋳造条件にフィードバックされている。例えば、凹部の欠陥情報は鋳造速度の制御にフィードバックする、Si偏析の欠陥情報は鋳造機鋳型状態、潤滑材状態の制御にフィードバックする、また酸化物の欠陥情報はGBF(Gas Bubbling Flux)、溶湯中不純物の状態の制御にフィードバックする、などを挙げることができる。その結果、総合的な品質が良好なアルミニウム合金連続鋳造棒を安定的に製造できる。

0086

本発明のアルミニウム合金部材の製造方法には、合金から鋳塊を得る鋳造工程、鋳塊から部材へ加工する工程、加工された部材を検査する工程が含まれる。検査工程に投入される試料としては、連続鋳造棒、鋳造棒に出し加工および/または引抜き加工したもの、これらに熱処理を施したもの、ピーリング工程で表面を切削加工したものが挙げられる。

0087

ここで、検査工程は、前述した検出方法により検出し判別された欠陥およびその種類と、予め設定した判定基準とを比較して合否を判定する欠陥検査方法を採用している。総合的な品質が良好なアルミニウム合金部材を容易に製造できる。

0088

本発明のアルミニウム合金連続鋳造棒の製造方法には、合金から鋳塊を得る鋳造工程、鋳塊から部材へ加工する工程、加工された部材の欠陥を検出るする工程、検出結果を鋳造工程にフィードバックする工程が含まれる。欠陥検出工程に投入される試料としては、連続鋳造棒、鋳造棒に出し加工およびまたは引抜き加工したもの、これらに熱処理を施したもの、ピーリング工程で表面を切削加工したものが挙げられる。

0089

ここで、欠陥検出工程は、前述した検出方法により検出し判別された欠陥およびその種類と、予め設定した判定基準とを比較してその結果を出力している。その結果は、鋳造条件にフィードバックされている。例えば、凹部の欠陥情報は鋳造速度の制御にフィードバックする、Si偏析の欠陥情報は鋳造機の鋳型状態、潤滑材状態の制御にフィードバックする、酸化物の欠陥情報はGBF(Gas Bubbling Flux)、溶湯中の不純物の状態の制御にフィードバックする、などを挙げることができる。その結果、総合的な品質が良好なアルミニウム合金連続鋳造棒を安定的に製造できる。

0090

なお、本発明に用いるアルミニウム合金は特に限定されないが、過共晶のAl−Si系合金を好適に用いることができる。製造時にSi偏析が発生しやすく、また偏析状態が不定であるものが有効に検出できるからである。

0091

また、アルミニウム合金の連続鋳造棒について説明したが、試料は棒状材に限らず、板状材筒状材でも用いることができる。

0092

また、ETプローブとしては、従来公知のものを用いることができるが、試料の形状に合わせて適切なものを選択できる。

0093

[ETプローブ] φ2型(径2mm)
[試料]アルミニウム合金連続鋳造棒(直径80mm)の表面にドリルホール(直径0.7mm/深さ0.5mm)を設けた。
[設定条件]検査周波数512kHz、試料移動速度:棒回転460rpm、送り0.5mm/回転
[フィルタ]fa:30〜200Hz、fb:1000〜2500Hz
測定手順]予めドリルホールを有する校正試料により判定閾値(振り幅値の3dBを第1閾値、振り幅値の5dBを第2閾値とした)を設定した後に、試料を検査した。
[測定判定結果]測定結果、及び検出箇所の欠陥を観察した結果を表1に示す。

0094

0095

従来のフィルタ(帯域が(fa+fb):30〜2500Hz)では判別が不充分であった欠陥1,2,3が、本発明の方法によりフィルタfa、fb通過後の信号の判定の組み合わせを用いることで判別することができた。リサージュ図形の判別結果も併記した。

図面の簡単な説明

0096

この発明の第1の実施形態におけるアルミニウム合金欠陥検出装置の構成を示すブロック図である。
この発明の第2の実施形態におけるアルミニウム合金欠陥検出装置の構成を示すブロック図である。
この発明のアルミニウム合金欠陥検出装置のより具体的な構成を示す図である。
導体内にきずが存在するときの過電流分布を示す図である。
フィルターの帯域の設定例を示す図である。
送り装置を持つ渦流探傷検出手段(渦流探傷検出器)の一例を示す図である。
渦流探傷検出信号からノイズを除去するための位相設定法の説明図である。
オシロスコープ観察波形(リサージュ図形)を示す図である。

符号の説明

0097

1,10,100アルミニウム合金欠陥検出装置
2渦流探傷検出手段
3フィルター処理手段
31フィルター
32 フィルター
4信号処理判定手段
5欠陥種類判別手段
6超音波探傷検出手段
7 前処理手段
8総合判定手段
12 ETプローブ(渦流探傷検出器)
13フィルタユニット
14 信号処理判定ユニット
15 欠陥種類判別ユニット
16UTプローブ(超音波探傷検出器)
18 総合判定ユニット
20制御ユニット
30データベースユニット
131 フィルター
132 フィルター
141欠陥位置検出ユニット
171位相分別器
172リサージュ判定処理ユニット

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社豊田中央研究所の「 凝固物の製造方法および製造装置」が 公開されました。( 2019/08/15)

    【課題】鋳型を用いずに鋳造等を行える凝固物の製造方法を提供する。【解決手段】本発明は、波動を送出して溶融物(m)の表面上に溶融物の暫定的な盛り上りからなる基礎部を描出する描出工程と、基礎部の頂部に冷却... 詳細

  • 長瀬フィルター株式会社の「 検査装置及び検査方法」が 公開されました。( 2019/08/15)

    【課題】 検査対象物を破壊することなく、線材により形成された検査対象部に脱落が生じた可能性があるか否かを検出可能な検査装置を提供する。【解決手段】 本発明の検査装置10は、超音波探触子11と、気層... 詳細

  • 日本製鉄株式会社の「 溶融金属保持容器及び押えレンガ」が 公開されました。( 2019/08/15)

    【課題】レンガ層のレンガの脱落を防止して、湯漏れの危険性を解消する。【解決手段】溶融金属保持容器10は、鉄皮12の開口部の内側に設けられ、レンガ層14を上側から押える押えレンガ16を備える。押えレンガ... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ