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技術 車両統合制御システムおよびプログラム

出願人 株式会社デンソー
発明者 沢田護松本平樹田代勉馬渕衛藤井丈仁片岡資章
出願日 2003年12月24日 (17年4ヶ月経過) 出願番号 2003-428160
公開日 2005年7月14日 (15年10ヶ月経過) 公開番号 2005-188324
状態 特許登録済
技術分野 車体懸架装置 車体懸架装置 車両用機関または特定用途機関の制御
主要キーワード 具体的提案 帰還補正 制御対象量 頭部変位 外乱因子 帰還ゲイン 出力駆動力 作動制限装置
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

車両統合制御システムが適用された車両において、車両の駆動系から出力される駆動力の制御を行なうことで車両で発生する振動を好適に抑制できる技術を提供する。

解決手段

駆動系動作指針発生部117では、アクセルペダル開度車体速度に基づき、ドライバ要求発生駆動力値Fwrが算出される。駆動系制振制御部113では、駆動軸に発生するねじり振動を抑制させるべく、FwrがFwrcに補正される。また、乗員制振制御部107では、車両のドライバの頭部の変位を抑制させるべく乗員制振駆動力補正値FCdが算出され、車体制振制御部109では、車体振動バネ上振動)を抑制させるべく車体制振駆動力補正値FCbが算出される。そして、駆動系統括部111では、FwrcをFCdとFCbとで補正してなる目標発生駆動力指針値Fwgが算出され、該Fwgに対応するよう駆動系から出力される駆動力が制御される。

概要

背景

近年、車両を構成する構成要素の増大に伴うシステムの大規模化に対処するため、これら複数の構成要素の個々に設けられた制御要素の間で互いにデータのやりとりができるように構成することにより、車両全体として安定した制御を実現する車両統合制御システムが提案されている。

例えば、特許文献1には、エンジン出力制動力といった制御課題を処理する複数の構成要素制御手段や、これら複数の構成要素制御手段を統括的に制御するマネージャ制御手段の間の重要情報の迅速なやりとりを実現することで、車両挙動を安定に保つことが可能とされた車両統合制御システムが開示されている。
特開2002−36919

概要

車両統合制御システムが適用された車両において、車両の駆動系から出力される駆動力の制御を行なうことで車両で発生する振動を好適に抑制できる技術を提供する。駆動系動作指針発生部117では、アクセルペダル開度車体速度に基づき、ドライバ要求発生駆動力値Fwrが算出される。駆動系制振制御部113では、駆動軸に発生するねじり振動を抑制させるべく、FwrがFwrcに補正される。また、乗員制振制御部107では、車両のドライバの頭部の変位を抑制させるべく乗員制振駆動力補正値FCdが算出され、車体制振制御部109では、車体振動バネ上振動)を抑制させるべく車体制振駆動力補正値FCbが算出される。そして、駆動系統括部111では、FwrcをFCdとFCbとで補正してなる目標発生駆動力指針値Fwgが算出され、該Fwgに対応するよう駆動系から出力される駆動力が制御される。

目的

そこで、本発明は、車両統合制御システムが適用された車両において、車両の駆動系から出力される駆動力の制御を行なうことで車両で発生する振動を好適に抑制できる技術を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

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請求項1

車両の駆動系から出力される駆動力指針値である目標発生駆動力指針値を設定するマネージャ制御手段と、前記マネージャ制御手段が設定した目標発生駆動力指針値に基づき前記駆動系から出力される駆動力を制御する駆動系制御手段と、を備えた車両統合制御システムであって、前記マネージャ制御手段は、前記車両のドライバが入力した前記駆動系の駆動力要求情報に基づき前記駆動系から出力される駆動力に対応するドライバ要求発生駆動力値を設定するドライバ要求値設定手段と、前記ドライバ要求値設定手段により設定されたドライバ要求発生駆動力値に基づき前記駆動系から出力される駆動力が変更された場合に前記車両において発生する振動を抑制させるため、予め定められたプログラムに基づき前記ドライバ要求発生駆動力値の補正を行ない、その補正により得られた値を前記目標発生駆動力指針値として設定する駆動力補正手段と、を備えたことを特徴とする車両統合制御システム。

請求項2

請求項1に記載の車両統合制御システムにおいて、車両の車体速度を検出する車体速度検出手段を備え、前記ドライバ要求値設定手段は、前記駆動力要求情報に加え、前記車体速度検出手段によって検出された車体速度に基づき前記駆動系から出力される駆動力に対応するドライバ要求発生駆動力値を設定することを特徴とする車両統合制御システム。

請求項3

請求項1又は2に記載の車両統合制御システムにおいて、前記マネージャ制御手段は、前記車両の前輪タイヤ接地面に作用している車体前後方向の反力の総和である前輪車体前後力推定値、前記車両の後輪のタイヤ接地面に作用している車体前後方向の反力の総和である後輪車体前後力の推定値の推定を行なう他、前記車両のドライバの頭部位置の上下方向移動量である乗員頭部変位量の推定値と前記車両の車体ピッチ角の推定値とのうちの少なくとも一方の推定を行なう車両状態推定手段を備え、前記駆動力補正手段は、前記車両状態推定手段によって得られた推定値に基づき、前記ドライバ要求発生駆動力値の補正を行ない、その補正により得られた値を前記目標発生駆動力指針値として設定することを特徴とする車両統合制御システム。

請求項4

請求項3に記載の車両統合制御システムにおいて、前記車両の各前輪に作用する横力の総和である前輪横力を推定する前輪横力推定手段と、前記車両の前輪の操舵角を検出する操舵角検出手段と、を備え、前記車両状態推定手段は、前記前輪横力推定手段により推定された前輪横力、前記操舵角検出手段により検出された操舵角を用いて、下記演算式Ffw=Fyf・sinδ(但し、Ffw:前輪車体前後力、Fyf:前輪横力、δ:操舵角)に基づき、前記前輪車体前後力の推定値の推定を行なうことを特徴とする車両統合制御システム。

請求項5

請求項3又は4に記載の車両統合制御システムにおいて、前記車両の各後輪に作用するブレーキトルクの和を検出する後輪ブレーキトルク検出手段を備え、前記車両状態推定手段は、前記後輪ブレーキトルク検出手段により検出された各後輪に作用するブレーキトルクの和、前記ドライバ要求値設定手段により設定されたドライバ要求発生駆動力値を用いて、下記演算式Frw=Fwr−Tb・r−R(但し、Frw:後輪車体前後力、Fwr:ドライバ要求発生駆動力値、Tb:前記車両の各後輪に作用するブレーキトルクの和、r:予め定められた各後輪のタイヤ半径、R:予め定められた各後輪に作用する転がり抵抗力の和)に基づき、前記後輪車体前後力の推定値の推定を行なうことを特徴とする車両統合制御システム。

請求項6

請求項3〜5のいずれかに記載の車両統合制御システムにおいて、前記車両状態推定手段は、前記前輪車体前後力の推定値、前記後輪車体前後力の推定値、前記乗員頭部変位量の推定値の推定を少なくとも行なうものであり、前記車両の前輪に設けられたサスペンション装置サスペンション変位量を検出する前輪サスペンション変位量検出手段と、前記車両の後輪に設けられたサスペンション装置のサスペンション変位量を検出する後輪サスペンション変位量検出手段と、を備え、前記車両状態推定手段は、前記前輪サスペンション変位量検出手段により検出されたサスペンション変位量と前記後輪サスペンション変位量検出手段により検出されたサスペンション変位量を用いて、下記演算式dh=(hsf・Lhr+hsr・Lhf)/(Lhf+Lhr)(但し、dh:乗員頭部変位量、hsf:前記車両の前輪に設けられたサスペンション装置のサスペンション変位量、hsr:前記車両の後輪に設けられたサスペンション装置のサスペンション変位量、Lhf:予め定められた、前記車両のドライバの頭部位置から前記車両の前輪のサスペンション装置の位置までの前後方向距離、Lhr:予め定められた、前記車両のドライバの頭部位置から前記車両の後輪のサスペンション装置の位置までの前後方向距離)に基づき、前記乗員頭部変位量の推定値の推定を行なうことを特徴とする車両統合制御システム。

請求項7

請求項3〜5のいずれかに記載の車両統合制御システムにおいて、前記車両状態推定手段は、前記前輪車体前後力の推定値、前記後輪車体前後力の推定値、前記車体ピッチ角の推定値の推定を少なくとも行なうものであり、前記車両の前輪に設けられたサスペンション装置のサスペンション変位量を検出する前輪サスペンション変位量検出手段と、前記車両の後輪に設けられたサスペンション装置のサスペンション変位量を検出する後輪サスペンション変位量検出手段と、を備え、前記車両状態推定手段は、前記前輪サスペンション変位量検出手段により検出されたサスペンション変位量と前記後輪サスペンション変位量検出手段により検出されたサスペンション変位量を用いて、下記演算式θ=(hsf−hsr)/L(但し、θ:車体ピッチ角、hsf:前記車両の前輪に設けられたサスペンション装置のサスペンション変位量、hsr:前記車両の後輪に設けられたサスペンション装置のサスペンション変位量、L:予め定められた、前記車両の前輪に設けられたサスペンション装置の位置と前記車両の後輪に設けられたサスペンション装置の位置間の長さ)に基づき、前記車体ピッチ角の推定値の推定を行なうことを特徴とする車両統合制御システム。

請求項8

請求項1〜7のいずれかに記載の車両統合制御システムにおいて、前記駆動力補正手段は、前記ドライバ要求値設定手段により設定されたドライバ要求発生駆動力値に基づき前記駆動系から出力される駆動力が変更された場合に発生する前記車両のドライバの頭部の変位を抑制させる、前記ドライバ要求発生駆動力値の補正後の値の推定を行ない、該補正後の値に基づき前記目標発生駆動力指針値の設定を行なうことを特徴とする車両統合制御システム。

請求項9

請求項8に記載の車両統合制御システムにおいて、前記駆動力補正手段は、前記ドライバ要求値設定手段により設定されたドライバ要求発生駆動力値に基づき前記駆動系から出力される駆動力が変更された場合に発生する前記車両のドライバの頭部の変位を抑制させる、前記ドライバ要求発生駆動力値の補正値である乗員制駆動力補正値の推定を行なう乗員制振補正値推定手段を備え、前記駆動力補正手段は、前記乗員制振補正値推定手段により推定された乗員制振駆動力補正値に基づき、前記ドライバ要求発生駆動力値の補正を行なうことを特徴とする車両統合制御システム。

請求項10

請求項3〜6のいずれかに記載の車両統合制御システムにおいて、前記車両状態推定手段は、前記前輪車体前後力の推定値、前記後輪車体前後力の推定値、前記乗員頭部変位量の推定値の推定を少なくとも行なうものであり、前記駆動力補正手段は、前記車両状態推定手段によって得られた前記前輪車体前後力の推定値、前記後輪車体前後力の推定値、前記乗員頭部変位量の推定値を用いて、前記ドライバ要求値設定手段により設定されたドライバ要求発生駆動力値に基づき前記駆動系から出力される駆動力が変更された場合に発生する前記車両のドライバの頭部の変位を抑制させる、前記ドライバ要求発生駆動力値の補正値である乗員制振駆動力補正値の推定を行なう乗員制振補正値推定手段を備え、前記駆動力補正手段は、前記乗員制振補正値推定手段により推定された乗員制振駆動力補正値に基づき、前記ドライバ要求発生駆動力値の補正を行なうことを特徴とする車両統合制御システム。

請求項11

請求項10に記載の車両統合制御システムにおいて、前記乗員制振補正値推定手段は、前記車両状態推定手段によって得られた前記前輪車体前後力の推定値と前記後輪車体前後力の推定値を用いて、前記ドライバ要求値設定手段により設定されたドライバ要求発生駆動力値に基づき前記駆動系から出力される駆動力が変更された場合に発生する前記車両のドライバの頭部の変位を抑制させる、前記ドライバ要求発生駆動力値の補正値である乗員制振駆動力予見補正値の推定を行なう乗員制振予見補正値推定手段と、前記車両状態推定手段によって得られた前記乗員頭部変位量の推定値を用いて、前記乗員制振予見補正値推定手段によって推定された前記乗員制振駆動力予見補正値のフィードバック補正値である乗員制振駆動力帰還補正値の推定を行なう乗員制振帰還補正値推定手段と、前記乗員制振予見補正値推定手段によって推定された前記乗員制振駆動力予見補正値を前記乗員制振帰還補正値推定手段によって推定された前記乗員制振駆動力帰還補正値によって補正することで前記乗員制振駆動力補正値の推定を行なう乗員制振補正値算出手段と、を備えたことを特徴とする車両統合制御システム。

請求項12

請求項1〜11のいずれかに記載の車両統合制御システムにおいて、前記駆動力補正手段は、前記ドライバ要求値設定手段により設定されたドライバ要求発生駆動力値に基づき前記駆動系から出力される駆動力が変更された場合に発生する前記車両の車体振動を抑制させる、前記ドライバ要求発生駆動力値の補正後の値の推定を行ない、該補正後の値に基づき前記目標発生駆動力指針値の設定を行なうことを特徴とする車両統合制御システム。

請求項13

請求項12に記載の車両統合制御システムにおいて、前記駆動力補正手段は、前記ドライバ要求値設定手段により設定されたドライバ要求発生駆動力値に基づき前記駆動系から出力される駆動力が変更された場合に発生する前記車両の車体振動を抑制させる、前記ドライバ要求発生駆動力値の補正値である車体制振駆動力補正値の推定を行なう車体制振補正値推定手段を備え、前記駆動力補正手段は、前記車体制振補正値推定手段により推定された車体制振駆動力補正値に基づき、前記ドライバ要求発生駆動力値の補正を行なうことを特徴とする車両統合制御システム。

請求項14

請求項3〜5、7、10、11のいずれかに記載の車両統合制御システムにおいて、前記車両状態推定手段は、前記前輪車体前後力の推定値、前記後輪車体前後力の推定値、前記車体ピッチ角の推定値の推定を少なくとも行なうものであり、前記駆動力補正手段は、前記車両状態推定手段によって得られた前記前輪車体前後力の推定値、前記後輪車体前後力の推定値、前記車体ピッチ角の推定値を用いて、前記ドライバ要求値設定手段により設定されたドライバ要求発生駆動力値に基づき前記駆動系から出力される駆動力が変更された場合に発生する前記車両の車体振動を抑制させる、前記ドライバ要求発生駆動力値の補正値である車体制振駆動力補正値の推定を行なう車体制振補正値推定手段を備え、前記駆動力補正手段は、前記車体制振補正値推定手段により推定された車体制振駆動力補正値に基づき、前記ドライバ要求発生駆動力値の補正を行なうことを特徴とする車両統合制御システム。

請求項15

請求項14に記載の車両統合制御システムにおいて、前記車体制振補正値推定手段は、前記車両状態推定手段によって得られた前記前輪車体前後力の推定値と前記後輪車体前後力の推定値を用いて、前記ドライバ要求値設定手段により設定されたドライバ要求発生駆動力値に基づき前記駆動系から出力される駆動力が変更された場合に発生する前記車両の車体振動を抑制させる、前記ドライバ要求発生駆動力値の補正値である車体制振駆動力予見補正値の推定を行なう車体制振予見補正値推定手段と、前記車両状態推定手段によって得られた前記車体ピッチ角の推定値を用いて、前記車体制振予見補正値推定手段によって推定された前記車体制振駆動力予見補正値のフィードバック補正値である車体制振駆動力帰還補正値の推定を行なう車体制振帰還補正値推定手段と、前記車体制振予見補正値推定手段によって推定された前記車体制振駆動力予見補正値を前記車体制振帰還補正値推定手段によって推定された前記車体制振駆動力帰還補正値によって補正することで前記車体制振駆動力補正値の推定を行なう車体制振補正値算出手段と、を備えたことを特徴とする車両統合制御システム。

請求項16

請求項1〜15のいずれかに記載の車両統合制御システムにおいて、前記駆動力補正手段は、前記ドライバ要求値設定手段により設定されたドライバ要求発生駆動力値に基づき前記駆動系から出力される駆動力が変更された場合に、前記車両の駆動力を発生する駆動源の駆動力を前記車両の駆動輪に伝達する駆動軸に発生するねじり振動を抑制させる、前記ドライバ要求発生駆動力値の補正後の値の推定を行ない、該補正後の値に基づき前記目標発生駆動力指針値の設定を行なうことを特徴とする車両統合制御システム。

請求項17

請求項16に記載の車両統合制御システムにおいて、前記車両の各駆動輪の回転速度を夫々検出する駆動輪回転速度検出手段と、前記駆動源の駆動力を前記車両の駆動輪に伝達する駆動軸の回転速度を検出する駆動軸回転速度検出手段と、を備え、前記駆動力補正手段は、前記ドライバ要求値設定手段により設定されたドライバ要求発生駆動力値、前記駆動輪回転速度検出手段によって検出された各駆動輪の回転速度、及び前記駆動軸回転速度検出手段によって検出された駆動軸の回転速度を用いて、前記ドライバ要求値設定手段により設定されたドライバ要求発生駆動力値に基づき前記駆動系から出力される駆動力が変更された場合に、前記駆動源の駆動力を前記車両の駆動輪に伝達する駆動軸に発生するねじり振動を抑制させる、前記ドライバ要求発生駆動力値の補正後の値である駆動系制振補正後ドライバ要求発生駆動力値の推定を行なう駆動系制振補正後値推定手段を備え、前記駆動力補正手段は、前記駆動系制振補正後値推定手段により推定された駆動系制振補正後ドライバ要求発生駆動力値に基づき、前記目標発生駆動力指針値の設定を行なうことを特徴とする車両統合制御システム。

請求項18

請求項17に記載の車両統合制御システムにおいて、前記駆動系制振補正後値推定手段は、前記ドライバ要求値設定手段により設定されたドライバ要求発生駆動力値を用いて、該ドライバ要求発生駆動力値に基づき前記駆動系から出力される駆動力が変更された場合に、前記駆動源の駆動力を前記車両の駆動輪に伝達する駆動軸に発生するねじり振動を抑制させる、前記ドライバ要求発生駆動力値の補正後の値である駆動系制振予見補正後ドライバ要求発生駆動力値の推定を行なう駆動系制振予見補正後値推定手段と、前記駆動輪回転速度検出手段によって検出された前記各駆動輪の回転速度、前記駆動軸回転速度検出手段によって検出された前記駆動軸の回転速度を用いて、前記駆動系制振予見補正後値推定手段によって推定された前記駆動系制振予見補正後ドライバ要求発生駆動力値のフィードバック補正値である駆動系制振駆動力帰還補正値の推定を行なう駆動系制振帰還補正値推定手段と、前記駆動系制振予見補正後値推定手段によって推定された前記駆動系制振予見補正後ドライバ要求発生駆動力値を前記駆動系制振帰還補正値推定手段によって推定された前記駆動系制振駆動力帰還補正値によって補正することで前記駆動系制振補正後ドライバ要求発生駆動力値の推定を行なう駆動系制振補正後ドライバ要求値算出手段と、を備えたことを特徴とする車両統合制御システム。

請求項19

請求項18に記載の車両統合制御システムにおいて、前記駆動系制振帰還補正値推定手段は、前記駆動輪回転速度検出手段によって検出された前記各駆動輪の回転速度、前記駆動軸回転速度検出手段によって検出された前記駆動軸の回転速度を用いて、下記演算式Sc=N3−(Kdiff/2)・(Vwdl+Vwdr)(但し、Sc:前記駆動軸に発生したねじりの程度を表す前記駆動軸のねじり相当値、N3:前記駆動軸の回転速度、Vwdl:前記車両の左駆動輪の回転速度、Vwdr:前記車両の右駆動輪の回転速度、Kdiff:予め定められた、前記車両のディファレンシギヤギヤ比)に基づき、前記駆動軸に発生したねじりの程度を表す前記駆動軸のねじり量相当値の算出を行ない、該ねじり量相当値を用いて、前記駆動系制振駆動力帰還補正値の推定を行なうことを特徴とする車両統合制御システム。

請求項20

請求項1〜19のいずれかに記載の車両統合制御システムにおいて、前記目標発生駆動力指針値は、前記車両の駆動力を発生する駆動源から変速機を介して駆動軸に出力される駆動力に対応する値であり、前記変速機の変速比を検出する変速比検出手段を備え、前記マネージャ制御手段は、前記目標発生駆動力指令値と前記変速比検出手段によって検出された変速比に基づき、前記駆動源が出力する駆動力に対応する駆動源駆動力指令値を推定する駆動源駆動力推定手段を備え、前記駆動系制御手段は、前記駆動源駆動力推定手段によって推定された駆動源駆動力指令値に基づき前記駆動源が出力する駆動力を制御することを特徴とする車両統合制御システム。

請求項21

コンピュータを、請求項1〜20のいずれかに記載の車両統合制御システムにおけるマネージャ制御手段として機能させるためのプログラム。

技術分野

0001

本発明は、車両の駆動系から出力される駆動力の制御を行なう車両統合制御システム等に関する。

背景技術

0002

近年、車両を構成する構成要素の増大に伴うシステムの大規模化に対処するため、これら複数の構成要素の個々に設けられた制御要素の間で互いにデータのやりとりができるように構成することにより、車両全体として安定した制御を実現する車両統合制御システムが提案されている。

0003

例えば、特許文献1には、エンジン出力制動力といった制御課題を処理する複数の構成要素制御手段や、これら複数の構成要素制御手段を統括的に制御するマネージャ制御手段の間の重要情報の迅速なやりとりを実現することで、車両挙動を安定に保つことが可能とされた車両統合制御システムが開示されている。
特開2002−36919

発明が解決しようとする課題

0004

しかし、上記のような車両統合制御システムに関しては、車両で発生する振動を抑制する上で好適な構成につき未だ具体的提案がなされていない。
車両において発生する振動が大きくなると、乗り心地が悪化するのは勿論である。更に、車両振動によって各車輪接地荷重不適切に変化した場合には車両の挙動が不安定になり、車両の操縦定性が著しく低下することさえある。

0005

また、車両において振動が発生する原因としては種々のものが考えられる。例えば、現在の車両の状態に不適切な駆動力が、駆動系(エンジン等として実現される駆動源、該駆動源に変速機を介して接続された駆動軸、該駆動軸にディファレンシャルギヤ等を介して接続された駆動輪を含む系)から出力されることによって車両振動が大きくなる場合がある。

0006

そこで、本発明は、車両統合制御システムが適用された車両において、車両の駆動系から出力される駆動力の制御を行なうことで車両で発生する振動を好適に抑制できる技術を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記目的を達成するためになされた本発明の車両統合制御システムでは、マネージャ制御手段が、車両の駆動系から出力される駆動力の指針値である目標発生駆動力指針値を設定し、駆動系制御手段が、マネージャ制御手段が設定した目標発生駆動力指針値に基づき駆動系から出力される駆動力を制御する。

0008

そして、本発明では、マネージャ制御手段がドライバ要求値設定手段と駆動力補正手段とを備えている。このうち、ドライバ要求値設定手段は、車両のドライバが入力した駆動系の駆動力要求情報に基づき駆動系から出力される駆動力に対応するドライバ要求発生駆動力値を設定する。また、駆動力補正手段は、ドライバ要求値設定手段により設定されたドライバ要求発生駆動力値に基づき駆動系から出力される駆動力が変更された場合に車両において発生する振動を抑制させるため、予め定められたプログラムに基づきドライバ要求発生駆動力値の補正を行ない、その補正により得られた値を目標発生駆動力指針値として設定する。

0009

このように、本発明では、車両において発生する振動を抑制させるという観点で得られた目標発生駆動力指針値に基づき駆動系から出力される駆動力が制御されることになる。
よって、本発明によれば、車両のドライバが入力した駆動力要求情報に対応したドライバ要求発生駆動力値に基づき駆動系から出力される駆動力が直接的に制御される場合に比べ、車両振動が好適に抑制されるという効果が得られる。

0010

ここで、「車両のドライバが入力した駆動力要求情報」は特定のものに限定されない。例えば、車両のドライバのアクセルペダル踏込量を検出するアクセルペダル開度検出手段(アクセルペダル開度検出手段は、例えば、後述実施例中のアクセル開度センサ30として実現される。)を設け、該アクセルペダル開度検出手段の検出値が「車両のドライバが入力した駆動力要求情報」に含まれるよう構成することもできる。

0011

また、駆動力補正手段の補正対象であるドライバ要求発生駆動力値を確実に適切なものとするには、ドライバ要求値設定手段が、「車両のドライバが入力した駆動力要求情報」の他、車両の車体速度を用いて、ドライバ要求発生駆動力値を設定するよう構成することが望ましい。

0012

なお、車体速度に関しては、当該車両統合制御システムに、車両の車体速度を検出する車体速度検出手段を設け、該車体速度検出手段による検出値を用いても良い。
更に、駆動力補正手段による補正処理を確実に適切なものとするには、例えば、車両状態推定手段によって推定された車両挙動に関する種々の推定値に基づき、駆動力補正手段が、ドライバ要求発生駆動力値の補正を行ない、その補正により得られた値を目標発生駆動力指針値として設定するよう構成することが望ましい。

0013

ここで、車両状態推定手段は、例えば、車両の前輪タイヤ接地面に作用している車体前後方向の反力の総和である前輪車体前後力の推定値、車両の後輪のタイヤ接地面に作用している車体前後方向の反力の総和である後輪車体前後力の推定値の推定を行なう他、車両のドライバの頭部位置の上下方向移動量である乗員頭部変位量の推定値と車両の車体ピッチ角の推定値とのうちの少なくとも一方の推定を行なうものであっても良い。

0014

ここで、本発明の車両統合制御システムには、車両の各前輪に作用する横力の総和である前輪横力を推定する前輪横力推定手段と、車両の前輪の操舵角を検出する操舵角検出手段と、が更に設けられていても良い。

0015

そして、この場合には、車両状態推定手段は、前輪横力推定手段により推定された前輪横力、操舵角検出手段により検出された操舵角を用いて、下記演算式
Ffw=Fyf・sinδ
(但し、Ffw:前輪車体前後力、Fyf:前輪横力、δ:操舵角)
に基づき、前輪車体前後力の推定値の推定を行なうものであっても良い。

0016

また、本発明の車両統合制御システムには、車両の各後輪に作用するブレーキトルクの和を検出する後輪ブレーキトルク検出手段が設けられていても良い。
そして、この場合には、車両状態推定手段は、後輪ブレーキトルク検出手段により検出された各後輪に作用するブレーキトルクの和、ドライバ要求値設定手段により設定されたドライバ要求発生駆動力値を用いて、下記演算式
Frw=Fwr−Tb・r−R
(但し、Frw:後輪車体前後力、Fwr:ドライバ要求発生駆動力値、Tb:車両の各後輪に作用するブレーキトルクの和、r:予め定められた後輪のタイヤ半径、R:予め定められた各後輪に作用する転がり抵抗力の和)
に基づき、後輪車体前後力の推定値の推定を行なうものであっても良い。

0017

また、例えば、車両状態推定手段が、前輪車体前後力の推定値、後輪車体前後力の推定値、乗員頭部変位量の推定値の推定を少なくとも行なうものである場合には、本発明の車両統合制御システムは、車両の前輪に設けられたサスペンション装置サスペンション変位量を検出する前輪サスペンション変位量検出手段と、車両の後輪に設けられたサスペンション装置のサスペンション変位量を検出する後輪サスペンション変位量検出手段と、を有していても良い。

0018

そして、この場合には、車両状態推定手段は、前輪サスペンション変位量検出手段により検出されたサスペンション変位量と後輪サスペンション変位量検出手段により検出されたサスペンション変位量を用いて、下記演算式
dh=(hsf・Lhr+hsr・Lhf)/(Lhf+Lhr)
(但し、dh:乗員頭部変位量、hsf:車両の前輪に設けられたサスペンション装置のサスペンション変位量、hsr:車両の後輪に設けられたサスペンション装置のサスペンション変位量、Lhf:予め定められた、車両のドライバの頭部位置から車両の前輪のサスペンション装置の位置までの前後方向距離、Lhr:予め定められた、車両のドライバの頭部位置から車両の後輪のサスペンション装置の位置までの前後方向距離)
に基づき、乗員頭部変位量の推定値の推定を行なうものであっても良い。

0019

また、車両状態推定手段が、前輪車体前後力の推定値、後輪車体前後力の推定値、車体ピッチ角の推定値の推定を少なくとも行なうものである場合も、本発明の車両統合制御システムは、上記の前輪サスペンション変位量検出手段と後輪サスペンション変位量検出手段とを有していても良い。

0020

そして、この場合には、車両状態推定手段は、前輪サスペンション変位量検出手段により検出されたサスペンション変位量と後輪サスペンション変位量検出手段により検出されたサスペンション変位量を用いて、下記演算式
θ=(hsf−hsr)/L
(但し、θ:車体ピッチ角、hsf:車両の前輪に設けられたサスペンション装置のサスペンション変位量、hsr:車両の後輪に設けられたサスペンション装置のサスペンション変位量、L:予め定められた、車両の前輪に設けられたサスペンション装置の位置と車両の後輪に設けられたサスペンション装置の位置間の長さ)
に基づき、車体ピッチ角の推定値の推定を行なうものであっても良い。

0021

なお、上述した車両の前輪に設けられたサスペンション装置のサスペンション変位量hsfは、例えば、車両の左右の前輪のうち一方に設けられたサスペンション装置のサスペンション変位量であっても良いし、車両の左前輪に設けられたサスペンション装置のサスペンション変位量と右前輪に設けられたサスペンション装置のサスペンション変位量との平均値であっても良い。

0022

また、上述した車両の後輪に設けられたサスペンション装置のサスペンション変位量hsrは、例えば、車両の左右の後輪のうち一方に設けられたサスペンション装置のサスペンション変位量であっても良いし、車両の左後輪に設けられたサスペンション装置のサスペンション変位量と右後輪に設けられたサスペンション装置のサスペンション変位量との平均値であっても良い。

0023

一方、駆動力補正手段に関しては、車両で発生する振動をどのような観点から低減させるべく目標発生駆動力前提値の補正を行なうかに対応して、種々の態様が考えられる。
例えば、駆動力補正手段は、ドライバ要求値設定手段により設定されたドライバ要求発生駆動力値に基づき駆動系から出力される駆動力が変更された場合に発生する車両のドライバの頭部の変位を抑制させる、ドライバ要求発生駆動力値の補正後の値の推定を行ない、該補正後の値に基づき目標発生駆動力指針値の設定を行なうものであっても良い。

0024

この場合においては、駆動系制御手段が、駆動力補正手段が設定した目標発生駆動力指針値に基づき駆動系から出力される駆動力を制御することにより、車両のドライバが入力した駆動力要求情報に対応したドライバ要求発生駆動力値に基づき駆動系から出力される駆動力が直接的に制御される場合に比べ、ドライバの頭部の変位が好適に抑制されるという効果が得られる。

0025

ここで、この場合においては、駆動力補正手段は、例えば、以下に述べる乗員制補正値推定手段を備えていても良い。
この場合、乗員制振補正値推定手段は、ドライバ要求値設定手段により設定されたドライバ要求発生駆動力値に基づき駆動系から出力される駆動力が変更された場合に発生する車両のドライバの頭部の変位を抑制させるべく、ドライバ要求発生駆動力値の補正値である乗員制振駆動力補正値の推定を行なう。また、この場合、駆動力補正手段は、乗員制振駆動力補正値に基づきドライバ要求発生駆動力値の補正を行なう。

0026

よって、この場合においては、駆動系制御手段が、この補正に基づき設定された目標発生駆動力指針値に従って駆動系から出力される駆動力を制御することにより、車両のドライバが入力した駆動力要求情報に対応したドライバ要求発生駆動力値に基づき駆動系から出力される駆動力が直接的に制御される場合に比べ、ドライバの頭部の変位が好適に抑制されるという上記と同様の効果が得られる。

0027

なお、乗員制振補正値推定手段による乗員制振駆動力補正値の推定が適切に行なわれるようにするためには、例えば、上述の車両状態推定手段による推定値を用いて、乗員制振補正値推定手段による推定処理が行なわれるよう構成しても良い。

0028

具体的には、まず、例えば、車両状態推定手段を、前輪車体前後力の推定値、後輪車体前後力の推定値、乗員頭部変位量の推定値の推定を少なくとも行なうものとして構成する。そして、乗員制振補正値推定手段を、車両状態推定手段によって推定されたこれらの推定値に基づき乗員制振駆動力補正値の推定を行なうものとして構成する。

0029

このようにすれば、実際の車両状態に対応したものとして乗員制振駆動力補正値が得られる。そして、この場合は、この乗員制振駆動力補正値に基づき駆動力補正手段が設定した目標発生駆動力指針値に対応するよう駆動系から出力される駆動力が制御されることから、ドライバの頭部の変位がより好適に抑制されるという効果が得られる。

0030

ここで、車両状態推定手段による推定値に基づき信頼性の高い乗員制振駆動力補正値を得るためには、例えば、次のような構成を採用しても良い。
この場合、乗員制振補正値推定手段は、以下に述べる乗員制振予見補正値推定手段と、乗員制振帰還補正値推定手段と、乗員制振補正値算出手段とを備える。

0031

このうち、乗員制振予見補正値推定手段は、車両状態推定手段によって得られた前輪車体前後力の推定値と後輪車体前後力の推定値を用いて、ドライバ要求値設定手段により設定されたドライバ要求発生駆動力値に基づき駆動系から出力される駆動力が変更された場合に発生する車両のドライバの頭部の変位を抑制させる、ドライバ要求発生駆動力値の補正値である乗員制振駆動力予見補正値の推定を行なう。

0032

乗員制振帰還補正値推定手段は、車両状態推定手段によって得られた乗員頭部変位量の推定値を用いて、乗員制振予見補正値推定手段によって推定された乗員制振駆動力予見補正値のフィードバック補正値である乗員制振駆動力帰還補正値の推定を行なう。

0033

また、乗員制振補正値算出手段は、乗員制振予見補正値推定手段によって推定された乗員制振駆動力予見補正値を乗員制振帰還補正値推定手段によって推定された乗員制振駆動力帰還補正値によって補正することで乗員制振駆動力補正値の推定を行なう。

0034

このようにすれば、乗員制振駆動力補正値が実際の車両状態に対応した信頼性の高いものとして得られる。
つまり、この場合においては、乗員制振駆動力予見補正値が、車両状態を示す前輪車体前後力の推定値と後輪車体前後力の推定値に基づき、ドライバの頭部の変位を抑制させるドライバ要求発生駆動力値の補正値として推定される上、該推定値が、抑制を図る制御対象量に相当する乗員頭部変位量の推定値に対応したフィードバック補正値である乗員制振駆動力帰還補正値によって補正された上で乗員制振駆動力補正値とされる。

0035

従って、この場合においては、乗員制振駆動力補正値を、抑制を図る対象量に相当する乗員頭部変位量を含む車両状態を示す数値に対応した非常に信頼性の高いものとして得ることができる。

0036

そして、この場合は、このようにして得た乗員制振駆動力補正値に基づき駆動力補正手段が設定した目標発生駆動力指針値に対応するよう駆動系から出力される駆動力が制御されることから、ドライバの頭部の変位がより一層好適に抑制されるという効果が得られる。

0037

また、一方、駆動力補正手段は、例えば、ドライバ要求値設定手段により設定されたドライバ要求発生駆動力値に基づき駆動系から出力される駆動力が変更された場合に発生する車両の車体振動バネ上振動)を抑制させる、ドライバ要求発生駆動力値の補正後の値の推定を行ない、該補正後の値に基づき目標発生駆動力指針値の設定を行なうものであっても良い。

0038

この場合においては、駆動系制御手段が、駆動力補正手段が設定した目標発生駆動力指針値に基づき駆動系から出力される駆動力を制御することにより、車両のドライバが入力した駆動力要求情報に対応したドライバ要求発生駆動力値に基づき駆動系から出力される駆動力が直接的に制御される場合に比べ、車体振動が好適に抑制されるという効果が得られる。

0039

なお、ここで述べた車体振動とは、車両の駆動輪、従動輪等の振動系(バネ下)にサスペンション装置(サスペンションスプリング等)を介して載置されている系(車体系、バネ上)の振動のことである。

0040

ここで、この場合においては、駆動力補正手段は、例えば、以下に述べる車体制振補正値推定手段を備えていても良い。
この場合、車体制振補正値推定手段は、ドライバ要求値設定手段により設定されたドライバ要求発生駆動力値に基づき駆動系から出力される駆動力が変更された場合に発生する車両の車体振動を抑制させる、ドライバ要求発生駆動力値の補正値である車体制振駆動力補正値の推定を行なう。また、この場合、駆動力補正手段は、車体制振駆動力補正値に基づきドライバ要求発生駆動力値の補正を行なう。

0041

よって、この場合においては、駆動系制御手段が、この補正に基づき設定された目標発生駆動力指針値に従って駆動系から出力される駆動力を制御することにより、車両のドライバが入力した駆動力要求情報に対応したドライバ要求発生駆動力値に基づき駆動系から出力される駆動力が直接的に制御される場合に比べ、車体振動が好適に抑制されるという上記と同様の効果が得られる。

0042

ここで、車体制振補正値推定手段による車体制振駆動力補正値の推定が適切に行なわれるようにするためには、例えば、上述の車両状態推定手段による推定値を用いて、車体制振補正値推定手段による推定処理が行なわれるよう構成しても良い。

0043

具体的には、まず、例えば、車両状態推定手段を、前輪車体前後力の推定値、後輪車体前後力の推定値、車体ピッチ角の推定値の推定を少なくとも行なうものとして構成する。そして、車体制振補正値推定手段を、車両状態推定手段によって推定されたこれらの推定値に基づき車体制振駆動力補正値の推定を行なうものとして構成する。

0044

このようにすれば、実際の車両状態に対応したものとして車体制振駆動力補正値が得られる。そして、この場合は、この車体制振駆動力補正値に基づき駆動力補正手段が設定した目標発生駆動力指針値に対応するよう駆動系から出力される駆動力が制御されることから、車体振動がより好適に抑制されるという効果が得られる。

0045

ここで、車両状態推定手段による推定値に基づき信頼性の高い車体制振駆動力補正値を得るためには、例えば、次のような構成を採用しても良い。
この場合、車体制振補正値推定手段は、以下に述べる車体制振予見補正値推定手段と、車体制振帰還補正値推定手段と、車体制振補正値算出手段とを備える。

0046

このうち、車体制振予見補正値推定手段は、車両状態推定手段によって得られた前輪車体前後力の推定値と後輪車体前後力の推定値を用いて、ドライバ要求値設定手段により設定されたドライバ要求発生駆動力値に基づき駆動系から出力される駆動力が変更された場合に発生する車両の車体振動を抑制させる、ドライバ要求発生駆動力値の補正値である車体制振駆動力予見補正値の推定を行なう。

0047

車体制振帰還補正値推定手段は、車両状態推定手段によって得られた車体ピッチ角の推定値を用いて、車体制振予見補正値推定手段によって推定された車体制振駆動力予見補正値のフィードバック補正値である車体制振駆動力帰還補正値の推定を行なう。

0048

また、車体制振補正値算出手段は、車体制振予見補正値推定手段によって推定された車体制振駆動力予見補正値を車体制振帰還補正値推定手段によって推定された車体制振駆動力帰還補正値によって補正することで車体制振駆動力補正値の推定を行なう。

0049

このようにすれば、車体制振駆動力補正値が実際の車両状態に対応した信頼性の高いものとして得られる。
つまり、この場合においては、車体制振駆動力予見補正値が、車両状態を示す前輪車体前後力の推定値と後輪車体前後力の推定値に基づき、車体振動を抑制させるドライバ要求発生駆動力値の補正値として推定される上、該推定値が、抑制を図る制御対象量に相当する車体ピッチ角の推定値に対応したフィードバック補正値である車体制振駆動力帰還補正値によって補正された上で車体制振駆動力補正値とされる。

0050

従って、この場合においては、車体制振駆動力補正値を、抑制を図る対象量に相当する車体ピッチ角を含む車両状態を示す数値に対応した非常に信頼性の高いものとして得ることができる。

0051

そして、この場合は、このようにして得た車体制振駆動力補正値に基づき駆動力補正手段が設定した目標発生駆動力指針値に対応するよう駆動系から出力される駆動力が制御されることから、車体振動がより一層好適に抑制されるという効果が得られる。

0052

一方、駆動力補正手段は、例えば、ドライバ要求値設定手段により設定されたドライバ要求発生駆動力値に基づき駆動系から出力される駆動力が変更された場合に、車両の駆動力を発生する駆動源の駆動力を車両の駆動輪に伝達する駆動軸に発生するねじり振動を抑制させる、ドライバ要求発生駆動力値の補正後の値の推定を行ない、該補正後の値に基づき前記目標発生駆動力指針値の設定を行なうものであっても良い。

0053

この場合においては、駆動系制御手段が、駆動力補正手段が設定した目標発生駆動力指針値に基づき駆動系から出力される駆動力を制御することにより、車両のドライバが入力した駆動力要求情報に対応したドライバ要求発生駆動力値に基づき駆動系から出力される駆動力が直接的に制御される場合に比べ、駆動軸に発生するねじり振動が好適に抑制されるという効果が得られる。

0054

なお、ここで述べたねじり振動とは、駆動源が出力するトルクである出力トルクの変動や、駆動輪が岩石等を踏むこと等の外乱因子等により、駆動源と駆動輪との間に介在する駆動軸に発生する駆動軸回転方向のねじり振動のことである。

0055

ここで、本発明の車両統合制御システムには、車両の各駆動輪の回転速度を夫々検出する駆動輪回転速度検出手段と、駆動源の駆動力を車両の駆動輪に伝達する駆動軸の回転速度を検出する駆動軸回転速度検出手段とが設けられていても良い。

0056

そして、この場合においては、駆動力補正手段は、例えば、以下に述べる駆動系制振補正後値推定手段を備えていても良い。
この場合、駆動系制振補正後値推定手段は、ドライバ要求値設定手段により設定されたドライバ要求発生駆動力値の他、上記の駆動輪回転速度検出手段と駆動軸回転速度検出手段による検出値を用いて、ドライバ要求値設定手段により設定されたドライバ要求発生駆動力値に基づき駆動系から出力される駆動力が制御された場合に、駆動源の駆動力を車両の駆動輪に伝達する駆動軸に発生するねじり振動を抑制させる、ドライバ要求発生駆動力値の補正後の値である駆動系制振補正後ドライバ要求発生駆動力値の推定を行なう。また、この場合、駆動力補正手段は、駆動系制振補正後ドライバ要求発生駆動力値に基づき目標発生駆動力指針値の設定を行なう。

0057

このようにすれば、ドライバ要求発生駆動力値の他、車両の各駆動輪の回転速度や、駆動源の駆動力を車両の駆動輪に伝達する駆動軸の回転速度といった実際の車両状態に対応したものとして、駆動軸に発生するねじり振動を抑制させる目標発生駆動力指針値の設定を行なうことができる。そして、この場合は、このように実際の車両状態に対応した目標発生駆動力指針値に対応するよう駆動系から出力される駆動力が制御されることから、駆動軸に発生するねじり振動が一層好適に抑制されるという効果が得られる。

0058

ここで、ドライバ要求値設定手段により設定されたドライバ要求発生駆動力値の他、駆動輪回転速度検出手段と駆動軸回転速度検出手段による検出値を用いて、信頼性の高い駆動系制振補正後ドライバ要求発生駆動力値を得るためには、例えば、次のような構成を採用しても良い。

0059

この場合、駆動系制振補正後値推定手段は、以下に述べる駆動系制振予見補正後値推定手段と、駆動系制振帰還補正値推定手段と、駆動系制振補正後ドライバ要求値算出手段とを備える。

0060

このうち、駆動系制振予見補正後値推定手段は、ドライバ要求値設定手段により設定されたドライバ要求発生駆動力値を用いて、該ドライバ要求発生駆動力値に基づき駆動系から出力される駆動力が変更された場合に駆動源の駆動力を車両の駆動輪に伝達する駆動軸に発生するねじり振動を抑制させる、ドライバ要求発生駆動力値の補正後の値である駆動系制振予見補正後目標発生駆動力前提値の推定を行なう。

0061

駆動系制振帰還補正値推定手段は、駆動輪回転速度検出手段によって検出された各駆動輪の回転速度、駆動軸回転速度検出手段によって検出された駆動軸の回転速度を用いて、駆動系制振予見補正後値推定手段によって推定された駆動系制振予見補正後ドライバ要求発生駆動力値のフィードバック補正値である駆動系制振駆動力帰還補正値の推定を行なう。

0062

また、駆動系制振補正後ドライバ要求値算出手段は、駆動系制振予見補正後値推定手段によって推定された駆動系制振予見補正後ドライバ要求発生駆動力値を駆動系制振帰還補正値推定手段によって推定された駆動系制振駆動力帰還補正値によって補正することで駆動系制振補正後ドライバ要求発生駆動力値の推定を行なう。

0063

このようにすれば、駆動系制振補正後ドライバ要求発生駆動力値が実際の車両状態に対応した信頼性の高いものとして得られる。
つまり、まず、駆動系制振駆動力帰還補正値は、上述したように、駆動輪回転速度検出手段と駆動軸回転速度検出手段による検出値、即ち、各駆動輪の回転速度の検出値と駆動軸の回転速度の検出値、を用いて推定される。従って、駆動系制振駆動力帰還補正値は、このような各駆動輪の回転速度の検出値と駆動軸の回転速度の検出値に対応した値となる。

0064

一方、このような各駆動輪の回転速度の検出値と駆動軸の回転速度の検出値を用いれば、駆動軸に発生したねじりの程度を表す量(以下、「駆動軸のねじり相当値」という。)を得ることが可能である。

0065

ここで、駆動軸のねじり量相当値は、例えば、下記演算式
Sc=N3−(Kdiff/2)・(Vwdl+Vwdr)
(但し、Sc:駆動軸に発生したねじりの程度を表す駆動軸のねじり量相当値、N3:駆動軸の回転速度、Vwdl:車両の左駆動輪の回転速度、Vwdr:車両の右駆動輪の回転速度、Kdiff:予め定められた、車両のディファレンシギヤギヤ比
に基づいて算出できる。

0066

よって、このように駆動系制振駆動力帰還補正値が各駆動輪の回転速度の検出値と駆動軸の回転速度の検出値に対応した値として推定される場合においては、駆動系制振駆動力帰還補正値を駆動軸のねじり量相当値に対応した補正値として推定できる。

0067

従って、この場合においては、駆動軸のねじり振動を抑制させるドライバ要求発生駆動力値の補正値として推定される駆動系制振予見補正後ドライバ要求発生駆動力値を、抑制を図る制御対象量に相当する駆動軸のねじり量相当量に対応したフィードバック補正値である駆動系制振駆動力帰還補正値によって補正したものとして得ることができる。

0068

つまり、この場合においては、駆動系制振補正後ドライバ要求発生駆動力値を、抑制を図る対象量に相当する駆動軸のねじり量相当量(車両状態)に対応した非常に信頼性の高いものとして得ることができる。

0069

そして、この場合は、この駆動系制振補正後ドライバ要求発生駆動力値に基づき設定された目標発生駆動力指針値に対応するよう駆動系から出力される駆動力が制御されることから、駆動軸のねじり振動がより一層好適に抑制されるという効果が得られる。

0070

また、一方、本発明の車両統合制御システムにおいて、目標発生駆動力指針値は、上述のように車両の駆動系から出力される駆動力の指針値である。そして、このうち、駆動系制御手段の制御対象でもある「駆動系から出力される駆動力」に関しては、特定のものに限定されるものではなく、エンジン等として実現される駆動源が発生する駆動力に対応するものであっても良いし、駆動源から変速機を介して駆動軸に出力される駆動力に対応するものであっても良いし、駆動源から駆動軸等を介して駆動輪に伝達される駆動力に対応するものであっても良い。

0071

ここで、目標発生駆動力指針値が、駆動源から変速機を介して駆動軸に出力される駆動力に対応する値である場合には、マネージャ制御手段と駆動源制御手段は、例えば、次のように構成されていても良い。

0072

すなわち、まず、本発明の車両統合制御システムに、変速機の変速比を検出する変速比検出手段を設ける。そして、マネージャ制御手段に、目標発生駆動力指令値と変速比検出手段によって検出された変速比とに基づき、駆動源が出力する駆動力に対応する駆動源駆動力指令値を推定する駆動源駆動力推定手段を設ける。また、駆動系制御手段は、駆動源駆動力推定手段によって推定された駆動源駆動力指令値に基づき駆動源が出力する駆動力を制御するものとして構成する。

0073

このようにすれば、車両において発生する振動を抑制する上で好適な駆動軸への出力駆動力に対応した駆動源の出力駆動力が駆動源から出力され、車両における振動を好適に抑制できる。

0074

なお、上記のうちいずれかの車両統合制御システムにおけるマネージャ制御手段は、コンピュータを機能させるプログラムとして実現できる。
そして、このようなプログラムの場合、例えば、フレキシブルディスク光磁気ディスクCD−ROMハードディスク、ROM、RAM等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータにロードして起動することにより用いることができる。また、ネットワークを介してロードして起動することにより用いることもできる。

発明を実施するための最良の形態

0075

以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々の形態をとり得る。

0076

図1は、実施例の車両統合制御システムの構成が示されたブロック図である。なお、本実施例は、本発明の車両統合制御システムがフロントエンジンリアドライブ(FR)方式の車両に適用された例を示す。

0077

図1に示す如く、この車両では、駆動源としてのエンジン11(内燃機関等)から出力された駆動力が、変速機としての自動変速機13(多段変速機;以下単に「AT」という。)を介して、駆動軸15に出力される。駆動軸15に出力された駆動力は、LSD(Limited Slip Differential;作動制限装置)等のディファレンシャルギヤ17を介して左右の後輪(駆動輪)(左後輪19RL、右後輪19RR)に分配される。

0078

この車両の各車輪(従動輪である左前輪19FLと右前輪19FR、駆動輪である左後輪19RLと右後輪19RR)には、各車輪19FL〜19RRに制動力を付与する油圧式ブレーキ装置21FL、21FR、21RL、21RRが夫々設けられている。

0079

ブレーキ装置21FL〜21RRは、運転者によるブレーキペダル(図示省略)操作やブレーキECU55(後述)からの制御信号に基づき駆動される。これらのブレーキ装置21FL〜21RRには、当該ブレーキ装置が付与する制動力に対応した装置内油圧を検出する制動油圧センサ22FL、22FR、22RL、22RRが夫々設けられている。

0080

また、各車輪19FL〜19RRには、各車輪19FL〜19RRの回転速度を検出するための車輪速度センサ23FL、23FR、23RL、23RRの他、各車輪19FL〜19RRに設けられたサスペンション装置(サスペンションスプリング等)24FL、24FR、24RL、24RR(図9参照)のサスペンション変位量を検出するサスペンションストローク量センサ25FL、25FR、25RL、25RRが夫々設けられている。

0081

この車両には、エンジン11、AT13、ブレーキ装置21FL〜21RRを夫々制御するためのエンジンECU51、ATECU53、ブレーキECU55が設けられている。また、この車両には、ステア角センサ26により検出される、ドライバのステアリング操作時における前輪19FL,19FRの操舵角δや、ステア力センサ(図示省略)により検出される操舵力に基づき、操舵輪である従動輪19FL、19FRの舵角変更時のアシスト力を設定するモータ28にアシスト力変更のための制御信号を出力する(所謂パワーステアリング制御を行なう)ステアリングECU57も設けられている。

0082

このうち、エンジンECU51は、車両のドライバのアクセルペダルの踏込量を検出するアクセル開度センサ30からの検出信号を入力できるよう構成されている。
ATECU53は、運転者が操作するシフトレバー(図示省略)の操作位置シフト位置)を検出するシフトポジションスイッチ(図示省略)からの検出信号を入力できるよう構成されている。また、ATECU53は、AT13の構成要素であるトルクコンバータ入力軸の回転速度を検出する回転速度センサ32、トルクコンバータの出力軸(換言すれば、AT13の構成要素である副変速機の入力軸)の回転速度を検出する回転速度センサ34、副変速機の出力軸(換言すれば、駆動軸15)の回転速度を検出する回転速度センサ36からの検出信号を入力できるようにも構成されている。

0083

ブレーキECU55は、運転者のブレーキペダル操作に応じてブレーキ油を圧送するマスタシリンダ(図示省略)の油圧を検出するマスタシリンダ圧センサ(図示省略)、制動油圧センサ22FL〜22RRの他、車輪速度センサ23FL〜23RR、サスペンションストローク量センサ25FL〜25RR、車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサ38からの検出信号を入力できるよう構成されている。

0084

この車両には、更に、上記のエンジンECU51、ATECU53、ブレーキECU55、ステアリングECU57に対して動作指針情報を送信する車両統括ECU61が設けられている。

0085

そして、この車両では、車両統括ECU61と、車両の各構成要素を制御する他のECU51、53、55、57とが本実施例の車両統合制御システムの主たる構成要素として機能する。

0086

車両統括ECU61は、当該車両統括ECU61以外の各ECU51、53、55、57から当該車両統括ECU61を含む各ECU51、53、55、57、61間を接続する信号ラインLを介して入力される車両状態を特定する各データ(上記の各センサ検出値等)に基づき、車両の各構成要素に対する動作指針情報を統括的に生成し、各ECU51、53、55、57に送出する。この構成により、この車両では、車両全体として最適な制御が実現される。

0087

なお、各ECU51、53、55、57、61は、夫々、マイクロコンピュータを中心に電子制御装置として構成されたものであり、CPU、ROM、RAM等を備えた構成を有している。

0088

次に、これらの各ECU51、53、55、57、61等において実行される制御処理について説明する。
まず、この車両には、上記の各ECU51、53、55、57、61の他にも、車室内空調ボデーエレクトロニクス等に関連する種々のECU(図示省略)が設けられている。

0089

これらの全てのECUを主な構成要素とする本実施例の車両統合制御システムにおいては、機能的には図2に示すような構成で制御処理が実行される。すなわち、車両の電子制御車両運動、駆動、車室内空調、ボデーエレクトロニクス、電気エネルギ等の機能を実現するドメイン図2中の車両運動ドメイン73、駆動系ドメイン75等)に分け、その中にコンポーネントとしてエンジンコンポーネント91、トランスミッションコンポーネント(本実施例では、ATコンポーネント93)、ブレーキコンポーネント95、ステアリングコンポーネント97などの各制御システムが配置されている構成となっている。これらは、図2に示す接続関係に対応してその動作が規定される。従って、例えば、ブレーキ装置21FL〜21RRを制御するブレーキコンポーネント95中のブレーキ制御95a(図3参照)が直接エンジン11の動作を調整することは許可されない。つまり、例えば、ブレーキ装置21FL〜21RRの動作状態(制動油圧センサ22FL〜22RRの検出値等)に応じて車両運動コーディネータ81、車両制御コーディネータ71、駆動系コーディネータ83での処理を経た上で、必要であれば、エンジン11の動作が調整されることとなる。但し、図2中に矢印で示された経路で伝達されるのは、各コンポーネントの動作を規定するための情報に限定されており、例えば、エンジン回転速度や各車輪19FL〜19RRの回転速度等の車両制御における一般的な情報(上記の各センサによる検出値等)は、図2に示す接続関係に束縛されることなく、その情報を算出するコンポーネントとその情報を必要とするコンポーネント間で自由に共有される。これらの一般的な情報は、その情報と密接な関係を持つコンポーネントで算出される。例えば、エンジン回転速度はエンジンコンポーネント91(エンジン11、エンジン制御91aを含む)で算出され、各車輪19FL〜19RRの回転速度はブレーキコンポーネント95(ブレーキ装置21FL〜21RR、ブレーキ制御95aを含む)で算出され、エンジン11、AT13等の全ての動作に関係する駆動系トルクは駆動系コーディネータ83にて算出される。

0090

図2に示されたものの中で本実施例に特に関連するのは、図3に示す車両制御コーディネータ71、車両運動コーディネータ81、駆動系コーディネータ83、駆動系動作指針生コンポーネント85、エンジン制御91a(エンジンコンポーネント91の構成要素)、ステアリング制御97a(ステアリングコンポーネント97の構成要素)、ブレーキ制御95a(ブレーキコンポーネント95の構成要素)である。本実施例における車両走行のための基本的な発生駆動力を設定する機能が駆動系動作指針発生コンポーネント85に配置され、ここで設定された駆動系発生駆動力を状況に応じて調整する機能は駆動系コーディネータ83、車両制御コーディネータ71、車両運動コーディネータ81に適切に分散されて配置されている。そして、これらの調整の結果設定される実現すべき駆動源発生駆動力(エンジン駆動力)がエンジンコンポーネント91に出力され、エンジンコンポーネント91がその駆動源発生駆動力を実現するためのアクチュエータ駆動を実施する。また、制動装置操舵装置は、ブレーキコンポーネント95(ブレーキ制御95aを含む)とステアリングコンポーネント97(ステアリング制御97aを含む)によって操作される。これらは車両運動コーディネータ81と接続しており、これらのコンポーネントからの情報を基に適切な駆動源発生駆動力が設定される。

0091

次に、図3を用いて、図2に示された各要素のうち、エンジン11が出力する駆動力の制御を行なうことで車両で発生する振動を好適に抑制させる本実施例の車両統合制御システムに特に関係があるものと、図1に示された各ECU51、53、55、57、61との関係について説明する。

0092

図3は、各ECU51、53、55、57、61において実行される制御処理を機能ブロックで表すブロック図である。同図に示すように、本実施例では、エンジンコンポーネント91に含まれるエンジン制御91aとしての機能(エンジン11を制御する機能)がエンジンECU51に、ブレーキコンポーネント95に含まれるブレーキ制御95aとしての機能(ブレーキ装置21FL〜21RRを制御する機能)がブレーキECU55に、ステアリングコンポーネント97に含まれるステアリング制御97aとしての機能(モータ28を制御する機能)がステアリングECU57に、駆動系動作指針発生コンポーネント85、駆動系コーディネータ83、車両制御コーディネータ71、車両運動コーディネータ81の各機能が車両統括ECU61に搭載されている。これらのシステムは、ネットワークにより接続されている。このネットワーク上には、ATコンポーネント93(トランスミッションコンポーネント)に含まれるAT制御93aとしての機能(AT13を制御する機能)が搭載されたATECU53等の他のECUも接続されている。

0093

この構成においては、各制御91a、93a、95a、97aで検出された車両制御のための情報が車両統括ECU61に入力され、該情報を必要とする車両統括ECU61内の各構成要素間で共有される。

0094

車両制御のための情報は、例えば、次のようにして各制御から送出され車両統括ECU61に入力される。
まず、エンジン制御91aは、アクセル開度センサ30からの検出信号に基づき、アクセルペダルの踏込量(アクセルペダル開度α)を算出し、これを車両統括ECU61に送出する。

0095

AT制御93aは、回転速度センサ32、34、36からの検出信号に基づき、これらの回転速度センサの検出対象である軸の回転速度N1、N2、N3を算出し、これらを車両統括ECU61に送出する。なお、AT制御93aは、シフトポジションスイッチからの検出信号等に基づき、AT13による変速比を算出し、これを車両統括ECU61に送出しても良い。

0096

ブレーキ制御95aは、制動油圧センサ22FL〜22RR、車輪速度センサ23FL〜23RRからの検出信号に基づき、ブレーキ装置21FL〜21RR内油圧Pfl、Pfr、Prl、Prr、各車輪19FL〜19RRの回転速度Vwsl、Vwsr、Vwdl、Vwdrを算出し、これらの情報を車両統括ECU61に送出する。

0097

また、ステアリング制御97aは、ステア角センサ26からの検出信号に基づきドライバのステアリング操作による操舵角δを算出し、これを車両統括ECU61に送出する。
なお、車両制御のための情報のうち、サスペンション装置24FL〜24RRの変位量Hsfl、Hsfr、Hsrl、Hsrrや、車両のヨーレートγについては、サスペンションストローク量センサ25FL〜25RR、ヨーレートセンサ38からの検出信号に基づき、
車両統括ECU61内で算出される。

0098

車両統括ECU61では、車両制御コーディネータ71が、上記の各制御91a、93a、95a、97aからの情報や、当該車両統括ECU61内で算出して得た情報を用いて、車両運動コーディネータ81と駆動系コーディネータ83とを用いた制御処理を行なう。そして、後述のように、この制御処理により、車両における振動を抑制させる上で好適なエンジン11の駆動力に関する動作指針情報(指針値)としてエンジン制御91aに出力すべきエンジン駆動力指令値が設定される。次いで、エンジン制御91aは、このエンジン駆動力指令値に基づき、エンジン11の駆動力を制御する。

0099

次に、図4を用いて、上記の制御処理の概略的内容につき説明する。
図4は、車両統括ECU61において実行される制御処理をより詳細な機能ブロックで表したブロック図である。前述した通り、車両統括ECU61内には、車両制御コーディネータ71、車両運動コーディネータ81、駆動系コーディネータ83、駆動系動作指針発生コンポーネント85が存在している。そして、図4に示すように、本実施例では、車両制御コーディネータ71内に車両制御統括部101が配置されている。また、車両運動コーディネータ81内には、車両運動統括部103と、車両状態算出部105と、乗員制振制御部107と、車体制振制御部109とが配置されている。また、駆動系コーディネータ83内には、駆動系統括部111と、駆動系制振制御部113と、駆動源動作指針算出部115とが配置されている。更に、駆動系動作指針発生コンポーネント85内には駆動系動作指針発生部117が配置されている。

0100

上記のうち、車両制御コーディネータ71内の車両制御統括部101は、車両運動コーディネータ81内の車両運動統括部103、駆動系コーディネータ83内の駆動系統括部111と接続しており、車両運動の視点を含めて駆動系の発生駆動力を設定するため、車両運動コーディネータ81内の各部と駆動系コーディネータ83内の各部との間の情報のやり取りを管理する。

0101

車両運動コーディネータ81内の車両運動統括部103は、ドライバによるアクセルペダル操作に応じた駆動系の発生駆動力指針値であるドライバ要求発生駆動力値の車両運動の視点に基づいた補正値を算出するために車両運動コーディネータ81外部と車両運動コーディネータ81内の車両状態算出部105、乗員制振制御部107、車体制振制御部109との間の情報のやり取りを管理する。車両状態算出部105は、ステアリングやブレーキ装置21FL〜21RRの操作信号やその他の操作信号、上述の各種センサ検出値に応じて、車両の運動状態や車両各部にかかる力を示す数値等の算出を行なう。乗員制振制御部107は、ドライバが不快になるのを防ぐためドライバの頭部の変位を抑制させる、ドライバ要求発生駆動力値の補正値を算出する。また、車体制振制御部109は、各車輪での接地荷重が変動して車両挙動が不安定にならないようにするため、ドライバ要求発生駆動力値の補正値を算出する。

0102

駆動系コーディネータ83内の駆動系統括部111は、ドライバ要求発生駆動力値を車両運動の視点を含めて適切な値に設定するために、駆動系コーディネータ83外部にある車両制御コーディネータ71、駆動系動作指針発生部117と、駆動系コーディネータ83内の駆動系制振制御部113、駆動源動作指針算出部115との間の情報のやり取りを管理する。駆動系制振制御部113は、駆動軸15に発生するねじり振動を抑制させたり、外部から車輪を通して作用する外乱等による駆動力変動を防止するため、ドライバ要求発生駆動力値の補正値(補正後の値)を算出する。また、駆動源動作指針算出部115は、上記の各種補正値が反映されたドライバ要求発生駆動力値の補正後の値(目標発生駆動力指令値)に基づき、トランスミッション(AT13)等の他の駆動系構成要素の動作状態に応じてエンジン11から出力すべき駆動力に対応する指針値であるエンジン駆動力指令値を算出する。

0103

また、駆動系動作指針発生コンポーネント85内の駆動系動作指針発生部117は、ドライバによるアクセルペダル操作に応じて、適切なドライバ要求発生駆動力値を設定する。

0104

次に、車両統括ECU61の構成要素であるCPUが当該ECU61中のROMに格納されたプログラムに基づいて車両走行時に繰り返し実行する制御処理のうちの1つである駆動系駆動力制御処理につき、図5図20を用いて詳細に説明する。

0105

図5は、図4に示された各構成要素間で受け渡しされる情報の内容を示した説明図である。まず、この図5と、図6に示されたフローチャートとに基づき、車両制御統括部101にて実行される処理につき説明する。

0106

図6に示すように、車両制御統括部101では、まず、S110にて、ドライバ要求発生駆動力値Fwrを取得する。ここでは、後述のように駆動系動作指針発生部117での処理(S820)にて算出されたドライバ要求発生駆動力値Fwrを駆動系統括部111を介して取得する(図5参照)。

0107

続くS120では、車両運動統括部103に車両運動制振駆動力補正値FCm(後述)の算出を指示する。具体的には、例えば、S110で取得したドライバ要求発生駆動力値Fwrを車両運動統括部103に送信することで、当該ドライバ要求発生駆動力値Fwrに対応した車両運動制振駆動力補正値FCmの算出を指示する(図5参照)。

0108

次に、S130では、S120で行なった算出指示に対する回答として、車両運動統括部103から車両運動制振駆動力補正値FCmを取得する(図5参照)。
そして、次のS140では、S130で取得した車両運動制振駆動力補正値FCmを駆動系統括部111に送信することで(図5参照)、駆動系統括部111に車両運動制振駆動力補正値FCmを反映した駆動系の制御を行なうよう指示し、当該車両制御統括部101での処理を一旦終了する。

0109

次に、図5と、図7に示されたフローチャートとに基づき、車両運動統括部103にて実行される処理につき説明する。
図7に示すように、車両運動統括部103では、まず、S210にて、車両制御統括部101からの車両運動制振駆動力補正値FCmの算出指示として、車両制御統括部101よりドライバ要求発生駆動力値Fwrを取得する。また、S210では、車両状態算出部105に対する車両状態情報の算出指示として、このドライバ要求発生駆動力値Fwrを車両状態算出部105に出力する(図5参照)。

0110

次に、S220では、車両状態算出部105で算出された車両状態情報(後述の乗員頭部変位量dh、車体ピッチ角θ、前輪車体前後力Ffw、後輪車体前後力Frw)を車両状態算出部105より取得する。

0111

次いで、S230では、乗員制振制御部107に乗員制振駆動力補正値FCd(後述)の算出を指示する。具体的には、S220で取得した車両状態情報のうち乗員頭部変位量dh、前輪車体前後力Ffw、後輪車体前後力Frwを乗員制振制御部107に送出することで(図5参照)、これらの送出情報に対応した乗員制振駆動力補正値FCdの算出を指示する。

0112

また、S240では、車体制振制御部109に車体制振駆動力補正値FCb(後述)の算出を指示する。具体的には、S220で取得した車両状態情報のうち車体ピッチ角θ、前輪車体前後力Ffw、後輪車体前後力Frwを車体制振制御部109に送出することで(図5参照)、これらの送出情報に対応した車体制振駆動力補正値FCbの算出を指示する。

0113

次に、S250では、S230で行なった算出指示に対する回答として、乗員制振制御部107から乗員制振駆動力補正値FCdを取得する(図5参照)。また、S260では、S240で行なった算出指示に対する回答として、車体制振制御部109から車体制振駆動力補正値FCbを取得する(図5参照)。

0114

次に、S270では、S250で取得した乗員制振駆動力補正値FCdとS260で取得した車体制振駆動力補正値FCbとを下記式(1)に示すように足すことで、車両運動制振駆動力補正値FCmを算出する。

0115

FCm=FCd+FCb…(1)
そして、続くS280では、S270で算出された車両運動制振駆動力補正値FCmを車両制御統括部101に出力することで(図5参照)、当該車両運動統括部103での処理を一旦終了する。

0116

次に、図5と、図8に示されたフローチャートと、図9、10に基づき、車両状態算出部105にて実行される処理につき説明する。
図8に示すように、車両状態算出部105では、まず、S310にて、前輪のサスペンションストローク量hsf、後輪のサスペンションストローク量hsr、車両のヨーレートγ、車体速度Vd、操舵角δ、後輪2輪19RL,19RRに作用するブレーキトルクの和Tbを検出すると共に、ドライバ要求発生駆動力値Fwrを取得する。

0117

具体的には、前輪のサスペンションストローク量hsfに関しては、例えば、サスペンションストローク量センサ25FL,25FRから入力される検出信号に基づいて車両統括ECU61内で算出された、左前輪19FLに設けられたサスペンション装置24FLのサスペンション変位量Hsflと、右前輪19FRに設けられたサスペンション装置24FRのサスペンション変位量Hsfrとの平均値を前輪のサスペンションストローク量hsfとして算出することで検出される。

0118

また、後輪のサスペンションストローク量hsrに関しては、例えば、サスペンションストローク量センサ25RL,25RRから入力される検出信号に基づいて車両統括ECU61内で算出された、左後輪19RLに設けられたサスペンション装置24RLの変位量Hsrlと、右後輪19RRに設けられたサスペンション装置24RRの変位量Hsrrとの平均値を後輪のサスペンションストローク量hsrとして算出することで検出される。

0119

車両のヨーレートγに関しては、ヨーレートセンサ38から入力される検出信号に基づいた車両統括ECU61内での算出により検出される。
車体速度Vdに関しては、例えば、ブレーキECU55(ブレーキ制御95a)から右側従動輪19FRの回転速度Vwsrと左側従動輪19FLの回転速度Vwslを入力し、これらの回転速度Vwsr、Vwslの平均値を車体速度Vdとして算出することで検出される。

0120

操舵角δに関しては、ステアリングECU57(ステアリング制御97a)から当該操舵角δを入力することで検出される。
後輪2輪19RL,19RRに作用するブレーキトルクの和Tbに関しては、ブレーキECU55(ブレーキ制御95a)から、左後輪19RLに制動力を付与するブレーキ装置21RL内油圧Prl、右後輪19RRに制動力を付与するブレーキ装置21RR内油圧Prrを入力し、これらの油圧Prl、Prrに基づき後輪2輪19RL,19RRにブレーキ装置21RL,21RRにより作用するブレーキトルクの和Tbを算出することで検出される。このブレーキトルクの和Tbの算出は、例えば、予め車両統括ECU61のROMに登録された、油圧Prl、Prrとブレーキトルクの和Tbとの関係を示したマップデータに基づいて行なっても良い。

0121

そして、ドライバ要求発生駆動力値Fwrに関しては、後述のように駆動系動作指針発生部117で算出されたドライバ要求発生駆動力値Fwrを、駆動系統括部111、車両制御統括部101、車両運動統括部103を経て入力することで取得される(図5参照)。

0122

次に、S320では、S310で検出された前後輪のサスペンションストローク量hsf、hsrに基づき、車両のドライバの頭部位置の上下方向移動量である乗員頭部変位量dhを算出する。

0123

具体的には、例えば、予め定められた平均的な人の座高シート位置とを用いて設定されたモデル図9参照)に従った下記式(2)に基づき、乗員頭部変位量dhが算出される。

0124

dh=(hsf・Lhr+hsr・Lhf)/(Lhf+Lhr) …(2)
(但し、Lhf、Lhrは予め定められた定数であり、Lhfは、ドライバの頭部位置から前輪19FL,19FRのサスペンション装置24FL,24FRの位置までの前後方向距離、Lhrは、ドライバの頭部位置から後輪19RL,19RRのサスペンション装置24RL,24RRの位置までの前後方向距離)
次に、S330では、S310で検出された前後輪のサスペンションストローク量hsf、hsrに基づき、車体ピッチ角θを算出する。

0125

具体的には、例えば、車体ピッチ角θは、当該車体ピッチ角θが微小角であるとの仮定の下、下記式(3)に基づき算出される(図10参照)。
θ=(hsf−hsr)/L …(3)
(但し、Lは、予め定められた、前輪19FL,19FRに設けられたサスペンション装置24FL,24FRの位置と後輪19RL,19RRに設けられたサスペンション装置24RL,24RRの位置間の長さ(定数))
次に、S340では、車両の前輪19FL,19FRのタイヤ接地面に作用している車体前後方向の反力の総和である前輪車体前後力Ffwと、車両の後輪19RL,19RRのタイヤ接地面に作用している車体前後方向の反力の総和である後輪車体前後力Frwの算出を行なう。

0126

この算出は、例えば、車両重心点横滑り角βや各車輪の横滑り角が微小であるといった仮定に基づく下記式(4)〜(9)に基づき行なわれる。
具体的には、この算出を行なうに当たっては、まず、S310で検出されたヨーレートγ、車体速度Vdを用いて下記式(4)に基づき車両重心点横滑り角速度dβ/dtの算出を行なう。

0127

dβ/dt=(Fyf(n-1)+Fyr(n-1))/(M・Vd)−γ …(4)
(但し、M:予め定められた車両重量、Fyf(n-1):各前輪19FL、19FRに作用する横力の総和である前輪横力、Fyr(n-1):各後輪19RL、19RRに作用する横力の総和である後輪横力、なお、Fyf(n-1),Fyr(n-1)中の(n-1)は前回演算タイミングで(換言すれば前回フローのS340の処理の際に)算出した値を意味する。)
次に、上記のように算出された車両重心点横滑り角速度dβ/dtを用いた下記式(5)に基づき車両重心点横滑り角βを算出する。

0128

β=β(n-1)+dβ/dt・Ts …(5)
(但し、β(n-1):前回の演算タイミングで(換言すれば前回フローのS340の処理の際に)算出した車両重心点横滑り角、Ts:演算周期(つまり、前回フローのS340で式(5)に基づく演算を行なってから今回フローのS340で式(5)に基づく演算を行なうまでの時間))
次に、上記式(5)にて算出された車両重心点横滑り角β、S310で検出されたヨーレートγ、車体速度Vd、操舵角δを用いた下記式(6)に基づき、各前輪19FL、19FRに作用する横力の総和である前輪横力Fyfを算出する。

0129

Fyf=−Kf・(β+Lhf・γ/Vd−δ) …(6)
(但し、Kf:前輪19FL,19FRのタイヤ横滑り角に応じて前輪19FL,19FRに発生する力を算出するため予め定められたコーナリングパワー係数)、Lhf:予め定められた、ドライバの頭部位置から前輪19FL,19FRのサスペンション装置24FL,24FRの位置までの前後方向距離(図9参照))
また、上記式(5)にて算出された車両重心点横滑り角β、S310で検出されたヨーレートγ、車体速度Vdを用いた下記式(7)に基づき、各後輪19RL、19RRに作用する横力の総和である後輪横力Fyrを算出する。

0130

Fyr=−Kr・(β−Lhr・γ/Vd) …(7)
(但し、Kr:後輪のタイヤ横滑り角に応じて後輪に発生する力を算出するため予め定められたコーナリングパワー(係数)、Lhr:予め定められた、ドライバの頭部位置から後輪19RL,19RRのサスペンション装置24RL,24RRの位置までの前後方向距離(図9参照))
そして、上記式(6)にて算出された前輪横力Fyf、S310で検出された前輪19FL、19FRの操舵角δを用いた下記式(8)に基づき、前輪車体前後力Ffwを算出する。

0131

Ffw=Fyf・sinδ …(8)
また、ドライバ要求発生駆動力値Fwr、S310で検出された後輪2輪19RL,19RRに作用するブレーキトルクの和Tbを用いた下記式(9)に基づき、後輪車体前後力Frwを算出する。

0132

Frw=Fwr−Tb・r−R …(9)
(但し、r:予め定められた後輪19RL,19RRのタイヤ半径、R:予め定められた各後輪19RL,19RRに作用する転がり抵抗力の和)
そして、続くS350では、S320で算出された乗員頭部変位量dh、S330で算出された車体ピッチ角θ、S340で算出された前輪車体前後力Ffw、後輪車体前後力Frwといった車両状態情報を車両運動統括部103に出力することで(図5参照)、当該車両状態算出部105での処理を一旦終了する。

0133

次に、図5と、図11に示されたフローチャートと、図12とに基づき、乗員制振制御部107にて実行される処理につき説明する。
図11に示すように、乗員制振制御部107では、まず、S410にて、車両運動統括部103より車両状態情報(乗員頭部変位量dh、前輪車体前後力Ffw、後輪車体前後力Frw)を取得する(図5参照)。

0134

次に、S420では、S410で取得した情報に基づき、乗員制振駆動力補正値FCdの算出を行なう。ここで、乗員制振駆動力補正値FCdは、ドライバ要求発生駆動力値Fwrに基づき駆動系から出力される駆動力(延いては、前輪および後輪に作用する車体前後力)が変更された場合に発生する車両のドライバの頭部の変位を抑制させるものとして設定される、ドライバ要求発生駆動力値Fwrの補正値である。

0135

このS420の処理に関しては、図12に示された乗員制振制御部107の制御ブロック図を用いて説明する。
図12に示されているように、本実施例のS420では、まず、前輪車体前後力Ffwと後輪車体前後力Frwとを入力とする制御ブロックPh、Khにより、ドライバ要求発生駆動力値Fwrに基づき駆動系から出力される駆動力が変更された場合に発生する車両のドライバの頭部の変位を抑制させる、ドライバ要求発生駆動力値Fwrのフィードフォワード的な補正値である乗員制振駆動力予見補正値FCdffを算出する。

0136

ここで、図12中の制御ブロックPh,Khを有する乗員制振駆動力予見補正値FCdffの算出モデルは、サスペンション装置24FL〜24RRの動特性車体形状等の個々の車両に応じた物理的特性に応じた振動モデルを含む。このうち、制御ブロックPhは、前輪車体前後力Ffwと後輪車体前後力Frwとを入力とし、車体の各部位の変位量を状態変数として車両のドライバの頭部位置を算出(出力)する予め定められたモデルで構成される制御ブロックである。また、制御ブロックKhは、上記モデルの状態変数に対する定数ゲインであり、ここでは、制御ブロックPhにより算出されたドライバの頭部位置をドライバ要求発生駆動力値Fwrの補正値である乗員制振駆動力予見補正値FCdffに換算するため予め定められた定数ゲインで構成される制御ブロックである。

0137

また、S420では、図12に示すように、乗員頭部変位量dhを入力とする制御ブロックKhbにより、乗員制振駆動力予見補正値FCdffのフィードバック補正値である乗員制振駆動力帰還補正値FCdfbを算出する。図12中の制御ブロックKhbは、乗員頭部変位量dhを乗員制振駆動力帰還補正値FCdfbに換算するため予め定められた定数ゲインで構成される制御ブロックである。

0138

そして、S420では、上記のように算出された乗員制振駆動力予見補正値FCdffを乗員制振駆動力帰還補正値FCdfbで補正することで乗員制振駆動力補正値FCdを算出する。具体的には、例えば、図12に示すように、乗員制振駆動力予見補正値FCdffと乗員制振駆動力帰還補正値FCdfbとの和を乗員制振駆動力補正値FCdとして算出する。

0139

なお、S420の処理に関しては、乗員頭部変位量dh、前輪車体前後力Ffw、後輪車体前後力Frwに基づき乗員制振駆動力補正値FCdを算出するものであれば良く、図12に示した構成によるものに限定されることはない。例えば、乗員頭部変位量dh、前輪車体前後力Ffw、後輪車体前後力Frwと、乗員制振駆動力補正値FCdとの関係を実車でのフィーリング評価等を経て予め設定されたマップデータとして車両統括ECU61のROMに登録しておき、このマップデータに基づいて乗員制振駆動力補正値FCdの算出を行なっても良い。

0140

そして、続くS430では、S420で算出された乗員制振駆動力補正値FCdを車両運動統括部103に出力することで(図5参照)、当該乗員制振制御部107での処理を一旦終了する。

0141

次に、図5と、図13に示されたフローチャートと、図14とに基づき、車体制振制御部109にて実行される処理につき説明する。
図13に示すように、車体制振制御部109では、まず、S510にて、車両運動統括部103より車両状態情報(車体ピッチ角θ、前輪車体前後力Ffw、後輪車体前後力Frw)を取得する(図5参照)。

0142

次に、S520では、S510で取得した情報に基づき、車体制振駆動力補正値FCbの算出を行なう。ここで、車体制振駆動力補正値FCbは、ドライバ要求発生駆動力値Fwrに基づき駆動系から出力される駆動力が変更された場合に発生する車両の車体振動(バネ上振動)を抑制させるものとして設定される、ドライバ要求発生駆動力値Fwrの補正値である。

0143

このS520の処理に関しては、図14に示された車体制振制御部109の制御ブロック図を用いて説明する。
図14に示されているように、S520では、まず、前輪車体前後力Ffwと後輪車体前後力Frwとを入力とする制御ブロックPp、Kpにより、ドライバ要求発生駆動力値Fwrに基づき駆動系から出力される駆動力が変更された場合に発生する車両の車体振動を抑制させる、ドライバ要求発生駆動力値Fwrのフィードフォワード的な補正値である車体制振駆動力予見補正値FCbffを算出する。

0144

ここで、図14中の制御ブロックPp,Kpを有する車体制振駆動力予見補正値FCbffの算出モデルは、サスペンション装置24FL〜24RRの動特性や車体形状等の個々の車両に応じた物理的特性に応じた振動モデルを含む。このうち、制御ブロックPpは、前輪車体前後力Ffwと後輪車体前後力Frwとを入力とし、車体の各部位の変位量を状態変数として車両の車体ピッチ角を算出(出力)する予め定められたモデルで構成される制御ブロックである。また、制御ブロックKpは、上記モデルの状態変数に対する定数ゲインであり、ここでは、制御ブロックPpにより算出された車体ピッチ角をドライバ要求発生駆動力値Fwrの補正値である車体制振駆動力予見補正値FCbffに換算するため予め定められた定数ゲインで構成される制御ブロックである。

0145

また、S520では、図14に示すように、車両運動統括部103から入力された車体ピッチ角θを入力とする制御ブロックKpbにより、車体制振駆動力予見補正値FCbffのフィードバック補正値である車体制振駆動力帰還補正値FCbfbを算出する。図14中の制御ブロックKpbは、車体ピッチ角θを車体制振駆動力帰還補正値FCbfbに換算するため予め定められた定数ゲインで構成される制御ブロックである。

0146

そして、S520では、上記のように算出された車体制振駆動力予見補正値FCbffを車体制振駆動力帰還補正値FCbfbで補正することで車体制振駆動力補正値FCbを算出する。具体的には、例えば、図14に示すように、車体制振駆動力予見補正値FCbffと車体制振駆動力帰還補正値FCbfbとの和を車体制振駆動力補正値FCbとして算出する。

0147

なお、S520の処理に関しては、車体ピッチ角θ、前輪車体前後力Ffw、後輪車体前後力Frwに基づき車体制振駆動力補正値FCbを算出するものであれば良く、図14に示した構成によるものに限定されることはない。例えば、車体ピッチ角θ、前輪車体前後力Ffw、後輪車体前後力Frwと、車体制振駆動力補正値FCbとの関係を実車でのフィーリング評価等を経て予め設定されたマップデータとして車両統括ECU61のROMに登録しておき、このマップデータに基づいて車体制振駆動力補正値FCbの算出を行なっても良い。

0148

そして、続くS530では、S520で算出された車体制振駆動力補正値FCbを車両運動統括部103に出力することで(図5参照)、当該車体制振制御部109での処理を一旦終了する。

0149

次に、図5と、図15に示されたフローチャートとに基づき、駆動系統括部111にて実行される処理につき説明する。
図15に示すように、駆動系統括部111では、まず、S610にて、駆動系動作指針発生部117よりドライバ要求発生駆動力値Fwrを取得する(図5参照)。

0150

次に、S620では、S610で取得したドライバ要求発生駆動力値Fwrを車両制御統括部101に出力する(図5参照)。
次いで、S630では、駆動系制振制御部113に駆動系制振補正後ドライバ要求発生駆動力値Fwrc(後述)の算出を指示する。具体的には、S610で取得したドライバ要求発生駆動力値Fwrを駆動系制振制御部113に送出することで(図5参照)、当該ドライバ要求発生駆動力値Fwrに対応した駆動系制振補正後ドライバ要求発生駆動力値Fwrcの算出を指示する。ここで、駆動系制振補正後ドライバ要求発生駆動力値Fwrcは、ドライバ要求発生駆動力値Fwrに基づき駆動系から出力される駆動力が変更された場合に駆動軸15に発生するねじり振動を抑制させるものとして設定される、ドライバ要求発生駆動力値Fwrの補正後の値であり、本実施例では、後述のS720(図16、17参照)の処理に基づき算出される。

0151

続くS640では、車両制御統括部101からの車両運動制振駆動力補正値FCmに対応した駆動系の制御を行なう旨の指示として、車両制御統括部101より車両運動制振駆動力補正値FCmを取得する(図5参照)。

0152

次に、S650では、S630で行なった算出指示に対する回答として、駆動系制振制御部113から駆動系制振補正後ドライバ要求発生駆動力値Fwrcを取得する(図5参照)。

0153

そして、続くS660では、S650で取得した駆動系制振補正後ドライバ要求発生駆動力値FwrcをS640で取得した車両運動制振駆動力補正値FCmで補正することにより、駆動系駆動力制御処理によりエンジン11からAT13を介して駆動軸15に出力される最終的な駆動力に対応する目標発生駆動力指針値Fwgを算出する。

0154

具体的には、例えば、駆動系制振補正後ドライバ要求発生駆動力値Fwrcと車両運動制振駆動力補正値FCmとを下記式(10)に示すように足すことで、目標発生駆動力指針値Fwgを算出する。

0155

Fwg=Fwrc+FCm …(10)
次に、S670では、駆動源動作指針算出部115にエンジン駆動力指令値Fwe(後述)の算出を指示する。具体的には、例えば、S660で算出した目標発生駆動力指針値Fwgを駆動源動作指針算出部115に送信することで、目標発生駆動力指針値Fwg(駆動系(本実施例では、駆動軸15)に出力される駆動力に相当)に対応した、エンジン駆動力指令値Fwe(エンジン11から出力される駆動力に相当)の算出を指示する(図5参照)。

0156

次いで、S680では、S670で行なった算出指示に対する回答として、駆動源動作指針算出部115からエンジン駆動力指令値Fweを取得する(図5参照)。
次に、続くS690では、S680で取得したエンジン駆動力指令値FweをエンジンECU51(エンジン制御91a)に出力する。

0157

この場合、このエンジン駆動力指令値Fweに基づいたエンジンECU51によるエンジン11の駆動力制御により、エンジン11の駆動力がエンジン駆動力指令値Fweに対応したものに制御される。具体的には、例えば、エンジンECU51は、エンジン11への吸入空気量、燃料供給量等を変化させること等によりエンジン11の駆動力をエンジン駆動力指令値Fweに対応したものに制御する。

0158

そして、このようにしてS690の処理が行なわれると、当該駆動系統括部111での処理が一旦終了される。
次に、図5と、図16に示されたフローチャートと、図17とに基づき、駆動系制振制御部113にて実行される処理につき説明する。

0159

図16に示すように、駆動系制振制御部113では、まず、S710にて、駆動系統括部111よりドライバ要求発生駆動力値Fwrを取得する(図5参照)。また、S710では、駆動軸15の回転速度N3、左駆動輪19RLの回転速度Vwdl、右駆動輪19RRの回転速度Vwdrの検出も行なう。具体的には、駆動軸15の回転速度N3に関しては、例えば、ATECU53(AT制御93a)から、当該回転速度N3を入力することで検出される。また、左駆動輪19RLの回転速度Vwdl、右駆動輪19RRの回転速度Vwdrに関しては、ブレーキECU55(ブレーキ制御95a)から、これらの回転速度Vwdl、Vwdrを入力することで検出される。

0160

次に、S720では、S710で取得した情報に基づき、駆動系制振補正後ドライバ要求発生駆動力値Fwrcの算出を行なう。このS720の算出処理に関しては、図17に示された駆動系制振制御部113の制御ブロック図を用いて説明する。

0161

本実施例のS720では、まず、ドライバ要求発生駆動力値Fwrを予め定められた漸化式に代入することで、ドライバ要求発生駆動力値Fwrに基づき駆動系から出力される駆動力が変更された場合に駆動軸15に発生するねじり振動を抑制させる、ドライバ要求発生駆動力値Fwrのフィードフォワード的な補正後の値である駆動系制振予見補正後ドライバ要求発生駆動力値Fwrcffを算出する。

0162

ここで述べた漸化式は、所謂パルス伝達関数であり、例えば、図17に示すように、エンジン11で発生したトルクが駆動輪19RL,19RRまで伝達する際の特性を記載したものとして位置付けられる予め定められたモデルPptと、エンジン11で発生したトルクが駆動輪19RL,19RRまで望ましい形式で伝達する際の特性を記載したものとして位置付けられる予め定められたモデルPptrとを用いたPptr/Pptとドライバ要求発生駆動力値Fwrとの積として算出するものと等価である。

0163

また、S720では、図17に示すように、駆動軸15の回転速度N3、左駆動輪19RLの回転速度Vwdl、右駆動輪19RRの回転速度Vwdrを入力とする制御ブロックKdiff/2、Kptfbにより、駆動系制振予見補正後ドライバ要求発生駆動力値Fwrcffのフィードバック補正値である駆動系制振駆動力帰還補正値Fwrcfbを算出する。

0164

ここで、図17中の制御ブロックKdiff/2は、予め定められたディファレンシャルギヤ17のギヤ比Kdiffと1/2との積である定数ゲインとして構成された制御ブロックである。よって、本実施例では、図17中の制御ブロックKptfbに入力されるのは、下記式(11)により算出される駆動軸15に発生したねじりの程度を表す量Sc(以下、「駆動軸15のねじり量相当値Sc」ともいう。)となる。

0165

Sc=N3−(Kdiff/2)・(Vwdl+Vwdr) …(11)
また、図17中の制御ブロックKptfbは、上記式(11)にて算出された駆動軸15のねじり量相当値Scを駆動系制振駆動力帰還補正値Fwrcfbに換算するため予め定められた定数ゲイン(駆動系制振帰還ゲイン)として構成された制御ブロックである。

0166

つまり、本実施例では、駆動系制振駆動力帰還補正値Fwrcfbは、下記式(12)により算出される値に等価となる。
Fwrcfb=Kptfb・(N3−(Kdiff/2)・(Vwdl+Vwdr))
=Kptfb・Sc …(12)
そして、S720では、上記のように算出された駆動系制振予見補正後ドライバ要求発生駆動力値Fwrcffを駆動系制振駆動力帰還補正値Fwrcfbで補正することで駆動系制振補正後目標発生駆動力前提値Fwrcを算出する。具体的には、例えば、図17に示すように、駆動系制振予見補正後ドライバ要求発生駆動力値Fwrcffと駆動系制振駆動力帰還補正値Fwrcfbとの和を駆動系制振補正後ドライバ要求発生駆動力値Fwrcとして算出する。

0167

なお、S720の処理は、ドライバ要求発生駆動力値Fwr、駆動軸15の回転速度N3、左駆動輪19RLの回転速度Vwdl、右駆動輪19RRの回転速度Vwdrに基づき駆動系制振補正後ドライバ要求発生駆動力値Fwrcを算出するものであれば、図17に示した構成によるものに限定されることはない。例えば、ドライバ要求発生駆動力値Fwr、駆動軸15の回転速度N3、左駆動輪19RLの回転速度Vwdl、右駆動輪19RRの回転速度Vwdrと、駆動系制振補正後ドライバ要求発生駆動力値Fwrcとの関係を実車でのフィーリング評価等を経て予め設定されたマップデータとして車両統括ECU61のROMに登録しておき、このマップデータに基づいて駆動系制振補正後ドライバ要求発生駆動力値Fwrcの算出を行なっても良い。

0168

そして、続くS730では、S720で算出された駆動系制振補正後ドライバ要求発生駆動力値Fwrcを駆動系統括部111に出力することで(図5参照)、当該駆動系制振制御部113での処理を一旦終了する。

0169

次に、図5と、図18に示されたフローチャートと、図19とに基づき、駆動系動作指針発生部117にて実行される処理につき説明する。
図18に示すように、駆動系動作指針発生部117では、まず、S810にて、アクセルペダル開度αと車体速度Vdの検出を行なう。

0170

具体的には、アクセルペダル開度αに関しては、エンジンECU51(エンジン制御91a)から当該アクセルペダル開度αを入力することで検出される。
また、車体速度Vdに関しては、例えば、ブレーキECU55(ブレーキ制御95a)から右側従動輪19FRの回転速度Vwsrと左側従動輪19FLの回転速度Vwslを入力し、これらの回転速度Vwsr、Vwslの平均値を車体速度Vdとして算出することで検出される。

0171

次に、S820では、S810で検出されたアクセルペダル開度αと車体速度Vdに基づき駆動系から出力される駆動力(本実施例では、エンジン11からAT13を介して駆動軸15に出力される駆動力)に対応するドライバ要求発生駆動力値Fwrを算出する。この算出は、例えば、予め車両統括ECU61のROMに登録された、アクセルペダル開度α、車体速度Vdと、ドライバ要求発生駆動力値Fwrとの関係を示したマップデータ(図19参照)に基づいて行なっても良い。

0172

なお、この処理では、アクセルペダル開度αだけに基づき実車でのフィーリング評価等を経て設定された演算式等を用いてドライバ要求発生駆動力値Fwrを設定しても良いが、精度の観点から、上記のようにアクセルペダル開度αと車体速度Vdに基づきドライバ要求発生駆動力値Fwrを算出する構成とするのが好ましい。

0173

そして、続くS830では、S820で算出されたドライバ要求発生駆動力値Fwrを駆動系統括部111に出力することで(図5参照)、当該駆動系動作指針発生部117での処理を一旦終了する。

0174

次に、図5と、図20に示されたフローチャートとに基づき、駆動源動作指針算出部115にて実行される処理につき説明する。
図20に示すように、駆動源動作指針算出部115では、まず、S910にて、駆動系統括部111より目標発生駆動力指針値Fwgを取得する(図5参照)。また、S910では、AT13による変速比RATの検出も行なう。具体的には、例えば、AT13の構成要素であるトルクコンバータによるトルク増幅比Raと、AT13の他の構成要素である副変速機による変速比Rtとを検出し、RaとRtの乗算値をAT13による変速比RATとして検出しても良い。

0175

ここで、トルクコンバータによるトルク増幅比Raに関しては、例えば、ATECU53(AT制御93a)から、トルクコンバータの入力軸の回転速度N1と同トルクコンバータの出力軸の回転速度N2とを入力し、これらの回転速度N1、N2から、回転速度N1、N2とトルク増幅比Raとの関係を示すものとして車両統括ECU61のROMに予め登録されたマップデータに基づき、トルク増幅比Raを算出することで検出を行なっても良い。

0176

また、副変速機による変速比Rtに関しては、例えば、ATECU53(AT制御93a)から、副変速機の入力軸の回転速度N2と同副変速機の出力軸の回転速度N3とを入力し、これらの回転速度N2、N3の比として変速比Rtを算出することで検出を行なっても良い。

0177

なお、AT13による変速比RATに関しては、ATECU53(AT制御93a)がシフトポジションスイッチからの検出信号に基づき検出したAT13による変速比RATを入力することで検出しても勿論良い。

0178

次に、S920では、S910で取得した情報に基づき、目標発生駆動力指針値Fwgに対応するエンジン駆動力の指針値であるエンジン駆動力指令値Fweを算出する。具体的には、下記式(13)に基づきエンジン駆動力指令値Fweの算出を行なう。

0179

Fwe=Fwg/RAT=Fwg/(Ra・Rt) …(13)
そして、続くS930では、S920で算出されたエンジン駆動力指令値Fweを駆動系統括部111に出力することで(図5参照)、当該駆動源動作指針算出部115での処理を一旦終了する。

0180

上述したように、本実施例では、車両のドライバによるアクセルペダル踏込量(アクセルペダル開度α)と車体速度Vdに基づき、駆動系から出力される駆動力に対応するドライバ要求発生駆動力値Fwrが算出される。

0181

しかし、本実施例では、この算出されたドライバ要求発生駆動力値Fwrに直接的に対応したエンジン駆動力の制御が行なわれることはない。
つまり、本実施例では、車両において発生する振動を抑制させるという観点でこのドライバ要求発生駆動力値Fwrを補正した上、該補正後の値である目標発生駆動力指針値Fwg(具体的には、駆動軸15での出力駆動力に対応する目標発生駆動力指針値Fwgをエンジン11の出力駆動力に対応するものに換算してなるエンジン駆動力指令値Fwe)に対応するようエンジン11の駆動力が制御される。

0182

よって、本実施例によれば、車両のドライバによるアクセルペダル踏込量等に対応したドライバ要求発生駆動力値Fwrに基づきエンジン駆動力が直接的に制御される場合に比べ、車両振動が好適に抑制される。

0183

具体的には、本実施例では、ドライバ要求発生駆動力値Fwrに基づき駆動系から出力される駆動力が変更された場合に駆動軸15に発生するねじり振動を抑制させるべく、ドライバ要求発生駆動力値Fwrが駆動系制振補正後ドライバ要求発生駆動力値Fwrcに補正される(S720)。

0184

また、本実施例では、ドライバ要求発生駆動力値Fwrに基づき駆動系から出力される駆動力が変更された場合に発生する車両のドライバの頭部の変位を抑制させる、ドライバ要求発生駆動力値Fwrの補正値である乗員制振駆動力補正値FCdが算出される(S420)。

0185

更に、本実施例では、ドライバ要求発生駆動力値Fwrに基づき駆動系から出力される駆動力が変更された場合に発生する車両の車体振動(バネ上振動)を抑制させる、ドライバ要求発生駆動力値Fwrの補正値である車体制振駆動力補正値FCbが算出される(S520)。

0186

そして、本実施例では、駆動系制振補正後ドライバ要求発生駆動力値Fwrcが乗員制振駆動力補正値FCdと車体制振駆動力補正値FCbにより補正されることで目標発生駆動力指針値Fwgが得られ(上記式(1)、(10)参照)、該目標発生駆動力指針値Fwg(エンジン駆動力指令値Fwe)に対応するようエンジン11の駆動力が制御される(S690)。

0187

よって、本実施例によれば、車両のドライバによるアクセルペダル踏込量等に対応したドライバ要求発生駆動力値Fwrに基づきエンジン駆動力が直接的に制御される場合に比べ、駆動軸15に発生するねじり振動、ドライバの頭部の変位、車体振動(バネ上振動)の全てが好適に抑制されるという効果が得られる。

0188

ここで、本実施例においては、エンジンECU51(エンジン制御91a)が駆動系制御手段に相当し、駆動系動作指針発生部117がドライバ要求値設定手段に相当し、車両制御統括部101、車両運動統括部103、乗員制振制御部107、車体制振制御部109、駆動系統括部111及び駆動系制振制御部113が駆動力補正手段に相当する。また、車両状態算出部105が車両状態推定手段に相当し、乗員制振制御部107が乗員制振補正値推定手段に相当し、車体制振制御部109が車体制振補正値推定手段に相当し、駆動系制振制御部113が駆動系制振補正後値推定手段に相当する。また、ステア角センサ26が操舵角検出手段に相当し、駆動輪19RL、19RR用の車輪速度センサ23RL、23RRは、駆動輪回転速度検出手段に相当し、駆動軸15の回転速度を検出する回転速度センサ36は駆動軸回転速度検出手段に相当する。また、S810中の車体速度Vdを検出する処理が車体速度検出手段としての処理に相当し、S310中の前輪のサスペンションストローク量hsfを検出する処理が前輪サスペンション変位量検出手段としての処理に相当し、S310中の後輪のサスペンションストローク量hsrを検出する処理が後輪サスペンション変位量検出手段としての処理に相当し、S310中の後輪2輪19RL,19RRに作用するブレーキトルクの和Tbを検出する処理が後輪ブレーキトルク検出手段としての処理に相当し、S340中の前輪横力Fyfを算出する処理が前輪横力推定手段としての処理に相当し、S910中のAT13による変速比RATを検出する処理が変速比検出手段としての処理に相当し、S920が駆動源駆動力推定手段としての処理に相当する。また、S420中の乗員制振駆動力予見補正値FCdffを算出する処理が乗員制振予見補正値推定手段としての処理に相当し、S420中の乗員制振駆動力帰還補正値FCdfbを算出する処理が乗員制振帰還補正値推定手段としての処理に相当し、S420中の乗員制振駆動力予見補正値FCdffを乗員制振駆動力帰還補正値FCdfbで補正する処理が乗員制振補正値算出手段としての処理に相当する。また、S520中の車体制振駆動力予見補正値FCbffを算出する処理が車体制振予見補正値推定手段としての処理に相当し、S520中の車体制振駆動力帰還補正値FCbfbを算出する処理が車体制振帰還補正値推定手段としての処理に相当し、S520中の車体制振駆動力予見補正値FCbffを車体制振駆動力帰還補正値FCbfbで補正する処理が車体制振補正値算出手段としての処理に相当する。また、S720中の駆動系制振予見補正後ドライバ要求発生駆動力値Fwrcffを算出する処理が駆動系制振予見補正後値推定手段としての処理に相当し、S720中の駆動系制振駆動力帰還補正値Fwrcfbを算出する処理が駆動系制振帰還補正値推定手段としての処理に相当し、S720中の駆動系制振予見補正後ドライバ要求発生駆動力値Fwrcffを駆動系制振駆動力帰還補正値Fwrcfbで補正する処理が駆動系制振補正後ドライバ要求値算出手段としての処理に相当する。また、エンジン駆動力指令値Fweは駆動源駆動力指令値に相当する。

0189

なお、上記実施例では、エンジン駆動力指令値Fweが入力されたエンジンECU51が、例えば、エンジン11への吸入空気量、燃料供給量等を変化させること等によりエンジン11の駆動力をエンジン駆動力指令値Fweに対応したものに制御する旨説明した。

0190

しかし、エンジン11の出力トルクの一部を用いて車載バッテリ充電を行なうオルタネータが設けられている車両の場合には、オルタネータを制御する機能を有するオルタネータ制御(オルタネータ制御は、例えば、別途設けたオルタネータ制御用のオルタネータECU、あるいは、エンジンECU51等に搭載される。)がこのオルタネータの制御を行なうことにより、エンジン11の駆動力をエンジン駆動力指令値Fweに対応したものに制御しても良い。このように構成した場合は、オルタネータ制御が駆動系制御手段に相当する。

0191

つまり、この場合は、まず、例えば、駆動系ドメイン75(図2)内にオルタネータコンポーネント(オルタネータと、オルタネータ制御とを含む)を存在させる。そして、駆動源動作指針算出部115が、駆動系コンポーネント動作指針算出部として、駆動系ドメイン75内のコンポーネントであるエンジンコンポーネント91やオルタネータコンポーネントの動作指針を算出するものとして構成されていても良い。

0192

そして、例えば、オルタネータによる車載バッテリの充電がなされているという条件下で、エンジン駆動力をエンジン駆動力指令値Fweに対応したものに制御するためにはエンジン11の駆動力を増加させる必要がある場合には、駆動源動作指針算出部115が算出した動作指針に基づき、オルタネータ制御が、オルタネータによる充電量を現状よりも小さくする旨の制御信号をオルタネータに出力することで、エンジン11の駆動力をエンジン駆動力指令値Fweに対応したものに制御しても良い。

0193

また、オルタネータによる車載バッテリの充電がなされていない、あるいは、オルタネータによる車載バッテリの充電量が比較的小さいという条件下で、エンジン駆動力をエンジン駆動力指令値Fweに対応したものに制御するためにはエンジン11の駆動力を減少させる必要がある場合には、駆動源動作指針算出部115が算出した動作指針に基づき、オルタネータ制御が、オルタネータによる充電量を現状よりも大きくする旨の制御信号をオルタネータに出力することで、エンジン11の駆動力をエンジン駆動力指令値Fweに対応したものに制御しても良い。

0194

また、上記実施例では、エンジンECU51が、目標発生駆動力指針値Fwg(エンジン駆動力指令値Fwe)に対応するよう駆動系(エンジン11等)の駆動力を制御することで、車両において発生する振動を抑制させた。

0195

しかし、例えば、AT13が上記実施例の場合と異なり無段変速機CVT;Continuously Variable Transmission)である場合には、FwgあるいはFweの入力を受けた無段変速機を制御する機能を有するCVT制御(CVT制御は、例えば、上記実施例のATECU53の代わりに設けられたCVT制御用のECU等に搭載される。)が、無段変速機の変速比を制御することで、Fwg(Fwe)に対応するよう駆動系(エンジン11等)の駆動力を制御しても良い。このように構成した場合には、CVT制御が駆動系制御手段に相当する。

0196

そして、この場合は、駆動源動作指針算出部115が、駆動系コンポーネント動作指針算出部として、エンジンコンポーネント91の動作指針に加え、駆動系ドメイン75(図2)内に上記実施例のATコンポーネント93の代わりに設けられたCVTコンポーネントの動作指針を算出するものとして構成されていても良い。

0197

また、Fwg(Fwe)の入力を受けた、エンジン制御91aによるエンジン11の制御、オルタネータ制御によるオルタネータの制御、CVT制御による無段変速機13の変速比制御のうち、少なくとも2つを予め定められた優先順位等に基づき組み合わせることで、Fwg(Fwe)に対応するよう駆動系(エンジン11等)の駆動力を制御しても良い。

0198

この場合においては、例えば、駆動源動作指針算出部115が、駆動系コンポーネント動作指針算出部として、駆動系ドメイン75内のコンポーネントであるエンジンコンポーネント91、オルタネータコンポーネント、無段変速機コンポーネントの動作指針を算出するものとして構成される。

0199

そして、このように構成した場合には、エンジン制御91a、オルタネータ制御、およびCVT制御が駆動系制御手段に相当する。
また、上記実施例では、ECUをハード的にエンジンECU51、ATECU53、ブレーキECU55、ステアリングECU57、車両統括ECU61に分割されているものとして説明したが、他の分割態様であっても良く、また、これら全てがハード的に1つのECUとして実現されていても良いのは勿論である。

0200

また、上記実施例では、本発明をFR方式の車両に適用した場合について説明したが、FF、RR、MR等の他の方式の車両に適用しても良く、これらの場合も上記実施例と同様の効果が得られる。

図面の簡単な説明

0201

実施例の車両統合制御システムの構成が示されたブロック図である。
実施例の車両統合制御システムの機能的構成が示されたブロック図である。
実施例の車両統合制御システムを構成する各ECUにおいて実行される制御処理を機能ブロックで表すブロック図である。
実施例の車両統合制御システムの構成要素である車両統括ECUにおいて実行される処理を機能ブロックで表すブロック図である。
図4に示された各構成要素と当該各構成要素間で受け渡しされる情報の内容との関係を示した説明図である。
実施例の車両制御統括部が実行する処理を表すフローチャートである。
実施例の車両運動統括部が実行する処理を表すフローチャートである。
実施例の車両状態算出部が実行する処理を表すフローチャートである。
実施例における前後輪のサスペンションストローク量と乗員頭部変位量との関係を示す説明図である。
実施例における前後輪のサスペンションストローク量と車体ピッチ角との関係を示す説明図である。
実施例の乗員制振制御部が実行する処理を表すフローチャートである。
実施例の乗員制振制御部の構成要素を制御ブロックで示すブロック図である。
実施例の車体制振制御部が実行する処理を表すフローチャートである。
実施例の車体制振制御部の構成要素を制御ブロックで示すブロック図である。
実施例の駆動系統括部が実行する処理を表すフローチャートである。
実施例の駆動系制振制御部が実行する処理を表すフローチャートである。
実施例の駆動系制振制御部の構成要素を制御ブロックで示すブロック図である。
実施例の駆動系動作指針発生部が実行する処理を表すフローチャートである。
アクセルペダル開度、車体速度と、ドライバ要求発生駆動力値との関係を示したマップデータの一例を示す説明図である。
実施例の駆動源動作指針算出部が実行する処理を表すフローチャートである。

符号の説明

0202

11…エンジン、13…AT、15…駆動軸、17…ディファレンシャルギヤ、19FL,19FR,19RL,19RR…車輪、21FL,21FR,21RL,21RR…ブレーキ装置、22FL,22FR,22RL,22RR…制動油圧センサ、23FL,23FR,23RL,23RR…車輪速度センサ、24FL,24FR,24RL,24RR…サスペンション装置、25FL,25FR,25RL,25RR…サスペンションストローク量センサ、26…ステア角センサ、30…アクセル開度センサ、32,34,36…回転速度センサ、38…ヨーレートセンサ、51…エンジンECU、53…ATECU、55…ブレーキECU、57…ステアリングECU、61…車両統括ECU、71…車両制御コーディネータ、73…車両運動ドメイン、75…駆動系ドメイン、81…車両運動コーディネータ、83…駆動系コーディネータ、85…駆動系動作指針発生コンポーネント、91…エンジンコンポーネント、91a…エンジン制御、93…ATコンポーネント、93a…AT制御、95…ブレーキコンポーネント、95a…ブレーキ制御、97…ステアリングコンポーネント、97a…ステアリング制御、101…車両制御統括部、103…車両運動統括部、105…車両状態算出部、107…乗員制振制御部、109…車体制振制御部、111…駆動系統括部、113…駆動系制振制御部、115…駆動源動作指針算出部、117…駆動系動作指針発生部

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