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技術 濃色化剤、それを用いた濃色化方法、及び該濃色化剤で処理された物品

出願人 DIC株式会社
発明者 村川昭清水邦夫
出願日 2003年12月24日 (17年0ヶ月経過) 出願番号 2003-427395
公開日 2005年7月14日 (15年5ヶ月経過) 公開番号 2005-187957
状態 特許登録済
技術分野 染色 繊維製品の化学的、物理的処理 繊維製品への有機化合物の付着処理
主要キーワード メッシュネット プラスティック製品 天然繊維類 静電気防止性 フッ素含有エチレン性不飽和単量体 シリル基含有重合性単量体 染色繊維 相互貫入網目構造
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年7月14日)のものです。
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課題

印刷された紙、染色された繊維、着色された木、印刷もしくは着色されたプラスティック製品表面の色の濃さ、深み鮮明性を向上させ、且つ優れた制電性耐擦過性を付与できる濃色化剤、該濃色化剤を用いた物品の表面の濃色化方法、及び該濃色化剤で処理して得られる物品を提供する。

解決手段

カチオン性界面活性剤の存在下に、エチレン性不飽和単量体ラジカル重合性させて得られる屈折率が1.50以下の重合体粒子含有水分散体(A)と、両性界面活性剤(B)と、アニオン性静電気防止剤(C)及びシリコーンエマルジョン(D)とからなる濃色化剤であり、前記濃色化剤が前記カチオン性界面活性剤を前記重合体粒子に対して、0.1〜0.5重量%の範囲で含有することを特徴とする。

概要

背景

従来から、繊維製品の濃色化剤及び濃色化方法として、種々のものが提案されてきた。
例えば、ワタトウスライバ、糸、布帛フエルトなどのポリエステル系繊維構造物の表面に、屈折率が1.45以下の含フッ素化合物などの重合体吸着させて、乾熱又は湿熱処理を行う繊維構造物発色性改善法(特許文献1。)が提案されている。
しかしながら、かかる方法で用いられる含フッ素化合物は、高価であるため加工コストの増加を招くという問題があった。

また、繊維製品の濃色化剤として、カチオン性界面活性剤の存在下に、不飽和結合を有する単量体重合させて得られる水性樹脂組成物からなり、該水性樹脂組成物の乾燥皮膜ガラス転移点が20〜110℃の範囲であり、且つ屈折率が1.50以下である濃色化剤(特許文献2。)が提案されている。
しかしながら、かかる濃色化剤は、一般に用いられている静電気防止剤と併用し配合液を調整した場合に、調整後の配合液の安定性が極めて劣り、実用性に乏しいという問題があった。

更に、ポリエステル繊維ポリアミドアクリルトリアセテートレーヨン木綿羊毛等の繊維に用いる濃色化剤であり、カチオン性界面活性剤の存在下に、エチレン性不飽和単量体を重合させて得られる重合体の水性分散体からなり、該重合体が屈折率1.50以下で且つガラス転移点が110℃を越える重合体と、屈折率1.50以下で且つガラス転移点が20℃未満の重合体とからなる濃色化剤(特許文献3。)が提案されている。
しかしながら、かかる濃色化剤においても前記のものと同様に、一般に用いられている静電気防止剤と併用し配合液を調整した場合に、調整後の配合液の安定性が極めて劣り、実用性に乏しいという問題があった。

特に、合成繊維の濃色化加工の場合、繊維の帯電による工程トラブルを防ぐ目的で濃色化剤に静電気防止剤を配合し、濃色化加工と同時に制電加工を行う方法が広く普及している。
従来から行われていたカチオン性重合体エマルジョンに、高級アルコールポリオキシエチレンエーテルのような非イオン性の静電気防止剤や第四級アンモニウム塩のようなカチオン性静電気防止剤を配合する濃色化方法では、濃色化効果が著しく低下してしまうという問題がある。
一方、酸性リン酸エステル塩のようなアニオン性の静電気防止剤を配合する濃色化方法の場合は、配合後数十分でカチオン性重合体エマルジョンが凝集するため、配合液の安定性の点で致命的問題を有していた。

特開昭55−26232号公報(特許請求の範囲〜第3頁左欄19行目
特開昭62−289685号公報(特許請求の範囲〜第5頁右欄上16行目)
特開平9−3774号公報(特許請求の範囲〜第5頁左欄段落0052)

概要

印刷された紙、染色された繊維、着色された木、印刷もしくは着色されたプラスティック製品表面の色の濃さ、深み鮮明性を向上させ、且つ優れた制電性耐擦過性を付与できる濃色化剤、該濃色化剤を用いた物品の表面の濃色化方法、及び該濃色化剤で処理して得られる物品を提供する。カチオン性界面活性剤の存在下に、エチレン性不飽和単量体をラジカル重合性させて得られる屈折率が1.50以下の重合体粒子含有水分散体(A)と、両性界面活性剤(B)と、アニオン性静電気防止剤(C)及びシリコーンエマルジョン(D)とからなる濃色化剤であり、前記濃色化剤が前記カチオン性界面活性剤を前記重合体粒子に対して、0.1〜0.5重量%の範囲で含有することを特徴とする。 なし

目的

本発明の目的は、紙や繊維、木、プラスティックなどの原材料からなる、例えば、印刷された紙面、染色された繊維製品、着色された木質材料製品、印刷もしくは着色されたプラスティック製品における表面の色の濃さ、深み、鮮明性などの意匠性を向上させ、且つ優れた制電性と耐擦過性を付与できる濃色化剤であり、また該濃色化剤を用いたこれら物品の表面の濃色化方法であり、更に該濃色化剤で処理してなる物品を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

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請求項1

カチオン性界面活性剤の存在下に、エチレン性不飽和単量体ラジカル重合させて得られる屈折率が1.50以下の重合体粒子含有水分散体(A)、両性界面活性剤(B)、及びアニオン性静電気防止剤(C)とからなる濃色化剤であり、前記濃色化剤が前記カチオン性界面活性剤を前記重合体粒子に対して、0.1〜0.5重量%の範囲で含有することを特徴とする濃色化剤。

請求項2

カチオン性界面活性剤の存在下に、エチレン性不飽和単量体をラジカル重合させて得られる屈折率が1.50以下の重合体粒子含有水分散体(A)、両性界面活性剤(B)、アニオン性静電気防止剤(C)、及びシリコーンエマルジョン(D)とからなる濃色化剤であり、前記濃色化剤が前記カチオン性界面活性剤を前記重合体粒子に対して、0.1〜0.5重量%の範囲で含有することを特徴とする濃色化剤。

請求項3

前記重合体粒子含有水分散体(A)中の重合体粒子が、少なくとも、ガラス転移温度が110℃以上である重合体層(A−1)、及びガラス転移温度が−20〜20℃の範囲である重合体層(A−2)とから構成される重合体粒子である請求項1又は2記載の濃色化剤。

請求項4

前記重合体層(A−2)が、前記重合体粒子含有水分散体(A)中の重合体粒子の最外郭部に存在する請求項3記載の濃色化剤。

請求項5

前記重合体層(A−1)の水分散体と前記重合体層(A−2)の水分散体との割合が、固形分重量比で5/95〜90/10の範囲である請求項3記載の濃色化剤。

請求項6

前記重合体粒子含有水分散体(A)が、前記重合体層(A−1)と、前記重合体層(A−2)の重合体粒子の水分散体である請求項1又は2記載の濃色化剤。

請求項7

前記濃色化剤が、両性界面活性剤(B)を、前記エチレン性不飽和単量体をラジカル重合させて得られる屈折率が1.50以下の重合体粒子に対し、1〜50重量%の範囲で用いてなるものである請求項1又は2記載の濃色化剤。

請求項8

前記濃色化剤において、アニオン性静電気防止剤(C)が酸性リン酸アルキルエステル塩であり、且つ重合体粒子の水分散体(A)、両性界面活性剤(B)、アニオン性静電気防止剤(C)、及びシリコーンエマルジョン(D)の各々の固形分重量比である、(A)/(B)/(C)/(D)が100/1〜50/1〜100/1〜50の範囲である請求項2記載の濃色化剤。

請求項9

紙、繊維、木、又はプラスティックなどの原材料から選ばれる少なくとも一つを用いた物品の表面の濃色化方法であって、請求項1〜8の何れかに記載の濃色化剤を用いること特徴とする濃色化方法。

請求項10

前記物品が、印刷された紙面、染色された繊維製品、着色された木質材料製品、印刷もしくは着色されたプラスティック製品から選ばれる少なくとも一つであって、請求項1〜8の何れかに記載の濃色化剤を用いて、濃色化加工してなることを特徴とする物品。

技術分野

0001

本発明は、紙や繊維、木、プラスティックなどの原材料からなる、例えば、印刷された紙面、染色された繊維製品、着色された木質材料製品、印刷もしくは着色されたプラスティック製品における表面の色の濃さ、深み鮮明性などの意匠性を向上させる目的で使用する濃色化剤であり、また該濃色化剤を用いたこれら物品の表面の濃色化方法であり、更に該濃色化剤で処理してなる物品に関する。

背景技術

0002

従来から、繊維製品の濃色化剤及び濃色化方法として、種々のものが提案されてきた。
例えば、ワタトウスライバ、糸、布帛フエルトなどのポリエステル系繊維構造物の表面に、屈折率が1.45以下の含フッ素化合物などの重合体吸着させて、乾熱又は湿熱処理を行う繊維構造物発色性改善法(特許文献1。)が提案されている。
しかしながら、かかる方法で用いられる含フッ素化合物は、高価であるため加工コストの増加を招くという問題があった。

0003

また、繊維製品の濃色化剤として、カチオン性界面活性剤の存在下に、不飽和結合を有する単量体重合させて得られる水性樹脂組成物からなり、該水性樹脂組成物の乾燥皮膜ガラス転移点が20〜110℃の範囲であり、且つ屈折率が1.50以下である濃色化剤(特許文献2。)が提案されている。
しかしながら、かかる濃色化剤は、一般に用いられている静電気防止剤と併用し配合液を調整した場合に、調整後の配合液の安定性が極めて劣り、実用性に乏しいという問題があった。

0004

更に、ポリエステル繊維ポリアミドアクリルトリアセテートレーヨン木綿羊毛等の繊維に用いる濃色化剤であり、カチオン性界面活性剤の存在下に、エチレン性不飽和単量体を重合させて得られる重合体の水性分散体からなり、該重合体が屈折率1.50以下で且つガラス転移点が110℃を越える重合体と、屈折率1.50以下で且つガラス転移点が20℃未満の重合体とからなる濃色化剤(特許文献3。)が提案されている。
しかしながら、かかる濃色化剤においても前記のものと同様に、一般に用いられている静電気防止剤と併用し配合液を調整した場合に、調整後の配合液の安定性が極めて劣り、実用性に乏しいという問題があった。

0005

特に、合成繊維の濃色化加工の場合、繊維の帯電による工程トラブルを防ぐ目的で濃色化剤に静電気防止剤を配合し、濃色化加工と同時に制電加工を行う方法が広く普及している。
従来から行われていたカチオン性重合体エマルジョンに、高級アルコールポリオキシエチレンエーテルのような非イオン性の静電気防止剤や第四級アンモニウム塩のようなカチオン性静電気防止剤を配合する濃色化方法では、濃色化効果が著しく低下してしまうという問題がある。
一方、酸性リン酸エステル塩のようなアニオン性の静電気防止剤を配合する濃色化方法の場合は、配合後数十分でカチオン性重合体エマルジョンが凝集するため、配合液の安定性の点で致命的問題を有していた。

0006

特開昭55−26232号公報(特許請求の範囲〜第3頁左欄19行目
特開昭62−289685号公報(特許請求の範囲〜第5頁右欄上16行目)
特開平9−3774号公報(特許請求の範囲〜第5頁左欄段落0052)

発明が解決しようとする課題

0007

本発明の目的は、紙や繊維、木、プラスティックなどの原材料からなる、例えば、印刷された紙面、染色された繊維製品、着色された木質材料製品、印刷もしくは着色されたプラスティック製品における表面の色の濃さ、深み、鮮明性などの意匠性を向上させ、且つ優れた制電性耐擦過性を付与できる濃色化剤であり、また該濃色化剤を用いたこれら物品の表面の濃色化方法であり、更に該濃色化剤で処理してなる物品を提供することである。

課題を解決するための手段

0008

本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、カチオン性界面活性剤の存在下で、特定のエチレン性不飽和単量体をラジカル重合性させて得られる屈折率が1.50以下の重合体粒子含有水分散体と、両性界面活性剤、及びアニオン性静電気防止剤からなる濃色化剤において、前記濃色化剤が前記カチオン性界面活性剤を前記重合体粒子に対し、特定の範囲内で含有することにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、カチオン性界面活性剤の存在下で、特定のエチレン性不飽和単量体をラジカル重合性させて得られる屈折率が1.50以下の重合体粒子含有水分散体と、両性界面活性剤、アニオン性静電気防止剤、及びシリコーンエマルジョンからなる濃色化剤において、前記濃色化剤が前記カチオン性界面活性剤を前記重合体粒子に対し、特定の範囲内で含有することにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。

0009

即ち、本発明は、カチオン性界面活性剤の存在下に、エチレン性不飽和単量体をラジカル重合させて得られる屈折率が1.50以下の重合体粒子含有水分散体(A)、両性界面活性剤(B)、及びアニオン性制電剤(C)とからなる濃色化剤であり、前記カチオン性界面活性剤を前記重合体粒子に対し、0.1〜0.5重量%の範囲で含有することを特徴とする濃色化剤を提供するものである。

0010

また、本発明は、カチオン性界面活性剤の存在下に、エチレン性不飽和単量体をラジカル重合性させて得られる屈折率が1.50以下の重合体粒子含有水分散体(A)、両性界面活性剤(B)、アニオン性制電剤(C)、及びシリコーンエマルジョン(D)とからなる濃色化剤であり、前記カチオン性界面活性剤を前記重合体粒子に対し、0.1〜0.5重量%の範囲で含有することを特徴とする濃色化剤を提供するものである。

0011

また、本発明は、紙、繊維、木、又はプラスティックなどの原材料から選ばれる少なくとも一つを用いた物品の表面の濃色化方法であって、前記本発明の濃色化剤を用いることを特徴とする濃色化方法を提供するものである。

0012

また、本発明は、前記物品が、印刷された紙面、染色された繊維製品、着色された木質材料製品、印刷もしくは着色されたプラスティック製品から選ばれる少なくとも一つであって、前記本発明の濃色化剤を用いて、濃色化加工してなることを特徴とする物品を提供するものである。

発明の効果

0013

本発明の濃色化剤は、紙、繊維、木、又はプラスティックなどの原材料からなる、例えば、印刷された紙面、染色された繊維製品、着色された木質材料製品、印刷もしくは着色されたプラスティック製品などの物品における、表面の色の濃さ、深み、鮮明性などの意匠性を向上させ、且つ優れた制電性と耐擦過性を付与することができる。
また、本発明の濃色化方法は、前記本発明の濃色化剤を用いた前記物品の表面の濃色化方法であり、また、本発明の濃色化剤にて処理してなる物品を提供するものであり、本発明の物品は、表面の色の濃さ、深み、鮮明性、質感などの意匠性に優れる。

発明を実施するための最良の形態

0014

本発明を実施するにあたり、必要な事項を以下に述べる。
先ず、本発明の濃色化剤とは、カチオン性界面活性剤の存在下に、エチレン性不飽和単量体をラジカル重合性させて得られる屈折率が1.50以下の重合体粒子含有水分散体(A)と、両性界面活性剤(B)、及びアニオン性静電気防止剤(C)とからなる濃色化剤であり、前記濃色化剤が前記カチオン性界面活性剤を前記重合体粒子に対して、0.1〜0.5重量%の範囲で含有することを特徴とする。

0015

また、本発明の濃色化剤は、カチオン性界面活性剤の存在下に、エチレン性不飽和単量体をラジカル重合性させて得られる屈折率が1.50以下の重合体粒子含有水分散体(A)と、両性界面活性剤(B)と、アニオン性静電気防止剤(C)、及びシリコーンエマルジョン(D)とからなる濃色化剤であり、前記濃色化剤が前記カチオン性界面活性剤を前記重合体粒子に対して、0.1〜0.5重量%の範囲で含有することを特徴とする。

0016

本発明の濃色化剤において、必須成分の一つである前記重合体粒子含有水分散体(A)とは、ガラス転移温度(Tg)が異なる少なくとも2種の重合体層、即ち重合体層(A−1)と重合体層(A−2)から構成されており、特にその層構造を特定するものではないが、通常、重合体層(A−2)をマトリックスとし、重合体層(A−1)が前記マトリックスである重合体層(A−2)内に1つの塊状となり存在し、或いは多数に分散し存在し、また或いは重合体層(A−1)を形成する粒子と重合体層(A−2)を形成する粒子がそれぞれ独立して存在するものである。

0017

更に具体的に、重合体層(A−1)と重合体層(A−2)について説明すると、例えば、次のような構造が例示できる。即ち、
〔a〕重合体層(A−1)をコアとし、重合体層(A−2)をシェルとする「コア−シェル構造」、或いは、
〔b〕重合体層(A−1)が重合体層(A−2)中に多数に分散しており、重合体層(A−2)が重合体層(A−1)を完全に又は不完全カプセル化している構造、或いは、
〔c〕重合体層(A−1)と重合体層(A−2)の重合体が多数の不連続なドメインを形成する相互貫入網目構造などの不均質な構造、或いは、
〔d〕重合体層(A−2)が水性媒体中に溶解ないしは非粒子状態で分散しており、重合体層(A−1)が重合体層(A−2)をマトリックスとして粒子状に分散している状態、或いは、
〔e〕重合体層(A−1)と重合体層(A−2)がそれぞれ独立した粒子を形成している状態、など種々の構造が挙げられる。

0018

前記重合体粒子含有水分散体(A)を構成する重合体層(A−1)のTgは110℃以上が好ましく、且つ重合体層(A−2)のTgは−20〜20℃の範囲であることが好ましい。
前記重合体粒子含有水分散体(A)を構成する重合体層(A−1)と重合体層(A−2)のTgがかかる範囲であれば、耐擦過性に優れる濃色化剤が得られる。

0019

また、本発明の濃色化剤に使用する重合体粒子の水分散体(A)を構成する重合体層(A−1)及び重合体層(A−2)は、Tgが110℃以上の重合体層(A−1)とTgが−20〜20℃の範囲の重合体層(A−2)との混合物が好ましい。

0020

本発明の濃色化剤においては、エチレン性不飽和単量体をラジカル重合させて得られる重合体が、1.50以下の屈折率を有し、且つ特定の範囲のTgを有することが、濃色化に重要であり、特にTgの異なる少なくとも2種の重合体を使用することにより、優れた濃色化性に加えて、更に耐擦過性をも得られることから、従来の濃色化剤では得られなかった濃色化効果の持続性を高めるという効果を得ることが可能となる。

0021

本発明の濃色化剤の製造に使用する各原料について、以下に詳細に述べる。
第一に、本発明の濃色化剤に使用する重合体層(A−1)及び重合体層(A−2)に使用するエチレン性不飽和単量体(a−1)として、以下如き化合物が例示できる。即ち、
CH2=CHCOOCH2C3F7
CF3(CF2)6COOCH=CH2
CH2=CHOCH2C2F5、
などで表されるフッ素含有エチレン性不飽和単量体、あるいは2,2,2−トリフルオロエチルメタアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、β−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート等のフッ素含有エチレン性不飽和単量体、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、等の(メタ)アクリル酸エステル類ビニルアセテートビニルプロピオネートビニル−2−エチルヘキシルエーテル、ビニルヘキシルエーテルビニルエチルエーテル等のビニルエステルビニルエーテル化合物、(メタ)アクリロニトリル等の不飽和カルボン酸ニトリル類イソプレンクロロプレンブタジエンエチレンテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。これらの群から選択される1種または2種以上の単量体が使用される。

0022

第二に、本発明の濃色化剤に使用する重合体層(A−1)及び重合体層(A−2)に使用する官能基を有するエチレン性不飽和単量体(a−2)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有重合性単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のメチロールアミド基及びそのアルコキシ化含有重合性単量体グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有重合性単量体アミノエチル(メタ)アクリレート、N−モノアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有重合性単量体;ビニルトリクロロシランビニルトリメトキシシランビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩、2−(3、4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のシリル基含有重合性単量体;2−アジリジニルエチル(メタ)アクリレート等のアジリジニル基含有重合性単量体;2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有重合性単量体;(メタ)アクリルアミド、N−モノアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有重合性単量体;ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等のシクロペンテニル基含有重合性単量体;アクロレインジアセトン(メタ)アクリルアミド等のカルボニル基含有重合性単量体;アセトアセトキシエチルアクリレートアセトアセトキシエチルメタクリレート、アセトアセトキシエチルクロトナート、アセトアセトキシプロピルアクリレート、アセトアセトキシプロピルメタクリレート、アセトアセトキシプロピルクロトナート、2−シアノアセトアセトキシエチルメタクリレート、N−(2−アセトアセトキシエチル)アクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)メタクリルアミドアセト酢酸アリルアセト酢酸ビニルなどのアセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体;(メタ)アクリロイルイソシアナート、(メタ)アクリロイルイソシアナートエチルのフェノール或いはメチルエチルケトオキシム付加物等のイソシアナート基及び/またはブロック化イソシアナート基含有重合性単量体等が挙げられる。これらの群から選択される1種または2種以上の単量体が使用される。

0023

本発明の濃色化剤で、重合体粒子含有水分散体(A)において、重合体層(A−1)及び重合体層(A−2)に用いるエチレン性不飽和単量体(a−1)及び官能基を有するエチレン性不飽和単量体(a−2)との使用割合は、(a−1)/(a−2)=65〜99.9/0.1〜35重量%の範囲が好ましい。エチレン性不飽和単量体(a−1)及び官能基を有するエチレン性不飽和単量体(a−2)との使用割合がかかる範囲であれば、濃色化効果の耐擦過性に優れる濃色化剤が得られる。

0024

本発明の濃色化剤で用いる、カチオン性界面活性剤の存在下に、エチレン性不飽和単量体をラジカル重合させて得られる屈折率が1.50以下の重合体粒子含有水分散体(A)は、公知慣用の方法で製造することができ、特に限定しない。
かかる製造法としては、例えば、均質重合体を水性媒体中で製造する方法としては、
〔a〕水、重合性単量体混合物重合開始剤、(必要に応じて乳化剤及び/又は分散安定剤などを用いてもよい。)を一括混合して重合する方法、或いは、
〔b〕水、重合性単量体、乳化剤を予め混合したものを滴下する所謂プレエマルジョン法、或いは、
〔c〕モノマー滴下法等、種々の方法により製造することができ、
また、不均質重合体を水性媒体中で製造する方法としては、
〔d〕前記製造方法等により重合体層(A−1)と重合体層(A−2)とを別々に製造し、これらを一旦混合した後に水性媒体中に分散させて重合体粒子含有水分散体(A)を得る方法、或いは、
〔e〕重合体層(A−1)を製造し、これを水性媒体中に溶解、或いは分散させた後、該水性媒体中で重合体層(A−2)を製造して重合体粒子含有水分散体(A)を得る方法、或いは、
〔f〕重合体層(A−2)を製造し、これを水性媒体中に溶解、或いは分散させた後、該水性媒体中で重合体層(A−1)を製造して重合体粒子含有水分散体(A)を得る方法などが挙げられる。

0025

本発明の濃色化剤に使用する重合体粒子含有水分散体(A)に使用されるカチオン性界面活性剤は、特に限定されるものではなく、公知慣用のものが何れも使用可能であるが、特に代表的なカチオン性界面活性剤を例示すると以下のようなものが挙げられる。

0026

前記カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル第4級アンモニウム塩

0027

0028

或いはアルキル基の一部がエステル結合アミド結合を含む一価有機基によって置換された第4級アンモニウム塩、

0029

0030

或いはアルキルヒドロキシエチル第4級アンモニウム塩、

0031

0032

或いはアルキルベンジル第4級アンモニウム塩、

0033

0035

0037

0038

或いはアルキルモルホリニウム塩、

0039

0040

或いは1級アミン塩

0041

0042

或いは2級アミン塩、

0043

0044

或いは3級アミン塩として、

0045

0046

及び、

0047

0048

及び、

0049

0050

及び、

0051

0052

の如き、カチオン性基含有エチレン性不飽和単量体を挙げることができる。
尚、上記一連一般式において、R1、R2、R3、及びR4は炭素数1〜22の範囲のアルキル基、R5は炭素数1〜22の範囲のアルキレン基であり、OH基を有していてもよく、例えば−CH2−CH(OH)−CH2−や−CH2−CH2−CH(OH)−CH2−などが挙げられ、XはCl、Br、I、CH3SO4、C2H5SO4、NO3、ClO4、HOCH2COO等の一価陰イオン性基を表す。

0054

前記重合体粒子含有水分散体(A)に用いるカチオン性界面活性剤の重合体粒子に対する使用比率は、重合体粒子の重量に対して、0.1〜0.5重量%の範囲が好ましい。重合体粒子の水分散体(A)に用いるカチオン性界面活性剤の重合体粒子に対する使用比率がかかる範囲であれば、濃色効果と安定性に優れた濃色化剤が得られる。

0055

前記重合体粒子含有水分散体(A)の重合開始源は、特に制限しないが、例えば、アゾ化合物有機過酸化物の如き各種重合開始剤、更には、紫外線あるいはγ線などの電離性放射線などが採用され得る。
フロック或いは沈殿物のない安定な水分散体を得るためには、重合開始源として、例えば、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩等の水溶性アゾ化合物を使用することが好ましい。

0056

本発明の濃色化剤に使用する重合体粒子含有水分散体(A)を構成する重合体粒子の屈折率は、1.50以下であることが好ましく、前記重合体粒子の屈折率がかかる範囲であれば濃色化効果に優れる濃色化剤を得ることができる。

0057

本発明において得られる重合体粒子の屈折率は、下記の計算式により推定値として求めることができる。
[重合体の屈折率の計算式]
n=Σ〔W(i)n(i)〕
式中、W(i)は「重合体粒子を構成する単量体(i)の重量分率」を表し、n(i)は「重合体粒子を構成する単量体(i)の単独重合体の屈折率」を表す。

0058

また、本発明でいう重合体粒子のガラス転移温度(Tg)は、示差熱分析法DSC法)により実測できる。

0059

本発明の濃色化剤において、Tgが110℃以上の重合体層(A−1)とTgが20〜−20℃の範囲である重合体層(A−2)との使用比率は、特に制限はないが、固形分重量比で、(A−1)/(A−2)=5/95〜90/10の範囲が好ましく、10/90〜90/10の範囲がより好ましい。濃色化剤における重合体層(A−1)と重合体層(A−2)との使用比率がかかる範囲であれば、優れた濃色化効果と耐擦過性を発現できる。

0060

次に、本発明の濃色化剤の第2の必須成分である両性界面活性剤(B)としては、例えば、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルイミダゾリニウム酢酸ベタインアルキルアミノカルボン酸等が挙げられる。

0061

本発明の濃色化剤において、重合体粒子含有水分散体(A)と両性界面活性剤(B)との使用割合は、固形分重量比で、両性界面活性剤(B)を重合体粒子含有水分散体(A)に対して、1〜50重量%の範囲(即ち(A)/(B)=100/1〜50固形分重量比)であることが好ましい。重合体粒子の水分散体(A)と両性界面活性剤(B)との使用割合がかかる範囲であれば、(A)〜(D)の各成分からなる濃色化加工用組成物混和安定性に優れ、且つ加工工程での泡立ち抑制効果、埃付着防止効果、加工効果の耐久性などに優れる。

0062

更に、本発明の濃色化剤は、濃色化水準度合いを維持させながら、静電気防止性の付与を目的で、第3の必須成分であるアニオン性静電気防止剤(C)を添加してなる。
かかるアニオン性静電気防止剤(C)としては、公知慣用のものが使用可能であり、例えば、モノメチル及び/又はジメチル燐酸エステル、モノブチル及び/又はジブチル燐酸エステル等のモノ及び/又はジ低級アルキル燐酸エステル類のナトリウム塩などのアルカリ金属塩アンモニウム塩酸性燐酸エステル塩、更には、グルコン酸グリコール酸乳酸酪酸リンゴ酸等のヒドロキシカルボン酸類のナトリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましいが、これらの中では、酸性燐酸エステル塩が特に好ましい。

0063

前記アニオン性制電剤(C)の使用量は、濃色化剤の安定性の点から、重合体層(A−1)及び重合体層(A−2)の合計量に対し、〔(A−1)+(A−2)〕/アニオン性制電剤(C)=20/1〜1/1の範囲が好ましい。

0064

更に、本発明の濃色化剤は、耐擦過性を向上せしめる目的で、第4の成分であるシリコーンエマルジョン(D)を添加することができる。
かかるシリコーンエマルジョン(D)としては、公知慣用のものが使用可能であり、例えば、ポリジメチルシロキサン、アミノ変性シリコーンカルボキシ変性シリコーンカルビノール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーンポリエーテル変性シリコーンなどの乳化物が使用できる。これらの中で、特に濃色化効果の維持に極めて有効に作用し濃色化効果の低下を抑制し、且つ耐擦過性を向上させる点から、カチオン性界面活性剤及び/又は非イオン性界面活性剤により乳化分散されたシリコーンエマルジョンが好ましく、この場合シリコーン樹脂に対するカチオン性界面活性剤及び/又は非イオン性界面活性剤の使用比率は15重量%以下であることが好ましい。

0065

前記カチオン性界面活性剤及び/又は非イオン性界面活性剤により乳化分散されたシリコーンエマルジョンとは、例えば、ディクシリコンフナー300(大日本インキ化学工業(株)社製)、ディックシリコンソフナー300CS(大日本インキ化学工業(株)社製)ディックシリコンソフナーS(大日本インキ化学工業(株)社製)、ディックシリコンソフナーH−KK(大日本インキ化学工業(株)社製)、ディックシリコンソフナーA−900(大日本インキ化学工業(株)社製)、ディックシリコンソフナー320(大日本インキ化学工業(株)社製)、ディックシリコンソフナーA−195(大日本インキ化学工業(株)社製)、ディックシリコンソフナー200(大日本インキ化学工業(株)社製)、ディックシリコンソフナー600(大日本インキ化学工業(株)社製)等が挙げられる。

0066

以上のように、本発明の濃色化剤は、少なくとも、重合体粒子含有水分散体(A)と両性界面活性剤(B)及びアニオン性静電気防止剤(C)、あるいは重合体粒子含有水分散体(A)と両性界面活性剤(B)とアニオン性静電気防止剤(C)及びシリコーンエマルジョン(D)からなり、各々の必須成分の固形分重量比が、(A)/(B)/(C)=100/1〜50/1〜100、あるいは(A)/(B)/(C)/(D)=100/1〜50/1〜100/1〜50の範囲であることが好ましい。

0067

次に、本発明の繊維の濃色化加工方法について説明する。
上記で得られた本発明の濃色化剤は、被処理物である紙、繊維、木、又はプラスティックなどの原材料から選ばれる少なくとも一つを用いてなる物品(構造物)の種類または調整形態などに応じて、任意の方法で物品に適応され得る。例えば、必要に応じて希釈を行ない浸漬塗布あるいはスプレー等の如き被覆加工既知の方法で被処理物の表面に付着させ熱処理する方法が採用される。

0068

かかる熱処理方法としては、特に限定しないが、例えば、本発明の濃色化剤固形分を0.5〜5.0%になるよう軟水で希釈し、ポリエステル織物含浸させ、マングル含浸率80〜100%に絞り、次いで熱風循環乾燥機中で100〜120℃にて2〜3分間予備乾燥した後、150〜160℃にて30秒〜1分間キュアリングする方法が挙げられる。
上記の熱処理の際の条件は特に限定されるものではなく、通常の熱処理条件、例えば加熱オーブン中80〜120℃×30秒〜3分で予備乾燥した後130〜180℃×30秒〜3分キュアリングする条件が採用され得る。

0069

本発明の物品とは、印刷された紙面、染色された繊維製品、着色された木質材料製品、印刷もしくは着色されたプラスティック製品から選ばれる少なくとも一つであって、前記濃色化剤を使用して表面の濃色化方法により濃色化加工を行ったことを特徴とする物品である。
これら物品は単一素材からなるものであってもよく、複数の素材複合化されたものであってもよく、特に制限しない。

0070

本発明の物品の中で、繊維製品としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、アクリル等の合成繊維類、ジアセテート、トリアセテート、レーヨン等の化学繊維類、絹、木綿、羊毛等の天然繊維類染色繊維等が挙げられる。
前記繊維製品の形態としては、例えば、織物編物、不織布、綿、長繊維糸状、短繊維糸状等が挙げられる。これらの繊維製品に本発明の濃色化剤を被覆することにより、極めて深みのある濃色と優れた耐擦過性を有する濃色化効果が得られる。

0071

本発明の物品の中で、紙製品あるいは紙面としては、特に限定しないが、例えば、ポスターカレンダー、壁紙、カタログちらしカード類遊具類等が挙げられる。
また、本発明の物品の中で、木質材料製品としては、特に限定しないが、例えば、椅子等の家具家庭用品玩具等が挙げられる。
また、本発明の物品の中で、プラスティック製品としては、特に限定しないが、例えば、電化製品部品、家庭用品、玩具等が挙げられる。

0072

以下、本発明を実施例により一層具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例のみに限定されるものではない。以下において、特に断りがない限り、「%」は重量%、「部」は重量部をそれぞれ示すものとする。本発明で用いた測定方法及び評価方法は以下の通りである。

0073

[ガラス転移温度(Tg)の測定方法]
合成例の水分散体を60℃で減圧乾燥して得られた固形分をDSC法[セイコーインストルメント(株)製、機種名;DSC6200、解析ソフトエクスター6000]にて測定した。

0074

[濃色化加工布作製方法
実施例又は比較例に示した配合で調整した濃色化剤を含む処理液黒色染ポリエステルサテンを含浸させ、マングルで含浸率100%に絞り、次いで熱風循環乾燥機中で110℃にて3分間予備乾燥した後、160℃にて1分間熱処理した。

0075

[濃色化効果の評価方法]
上記と同様の方法で加工した試料布の明度(以下、L値という)を分光式色差計SE2000[日本電色工業(株)製]で測定した。尚、L値が小さいほど濃色であることを示し、原布と加工布のL値の差が3以上の場合を適格(○)とした。

0076

[加工効果の耐久性の評価方法]
学振型摩擦堅牢度試験機[スガ試験機(株)製]を用いて、試料布面同士を荷重50gで100回擦過した後、上記の分光式色差計でL値を測定した。擦過前後のL値の差が小さいほど加工効果の耐久性に優れることを示す。擦過前後のL値の差が1以内を適格(○)とした。

0077

[静電気防止性の評価方法]
上記と同様の方法で加工した試料布を20℃、相対湿度60%で48時間調湿した後、摩擦帯電圧(KV)を京大化研ロータリースタチックテスターRST301[(株)興亜商会]を用いて測定した。摩擦帯電圧が低いほど静電傷害が少なく、1KV以下を適格(○)とした。

0078

[配合液の安定性の評価方法]
配合液の安定性は、下記の方法で測定したエマルジョンの凝集物生成率で評価した。
表2及び表3の配合液1リットルを直径12cm、高さ20cmの透明容器に入れて、6枚タービン羽(直径4cm、幅7mm)、800rpm[特殊機化工(株)製、TKホモディスパーDHL型]で5分間撹拌した後、320メッシュネット濾過し、濾取した凝集物乾燥重量(S)を量し、次式で凝集物生成率(%)を算出した。
凝集物生成率(%)=(S÷SX)×(12500÷1000)×100
但し、上式中のSXは表2及び表3に記載の重合体粒子(A)の部数を示す
配合液の安定性の判定
○:凝集物生成率0%の場合。
△:凝集物生成率0.2%未満の場合。
×:凝集物生成率0.2%以上の場合。

0079

窒素導入管滴下ロート環流冷却管撹拌装置を備えた1500mlの4つ口フラスコイオン交換水450.0部、表1のエチレン性不飽和単量体混合物乳化液〔重合体層(A−2)〕60.0部を仕込み撹拌下系内を窒素置換しながら75℃に昇温し、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩の1%イオン交換水溶液(以下重合開始剤水溶液)20.0部を添加して重合を開始した。更に、75℃に保ちながら重合体層(A−2)の残量を90分にわたり滴下した。重合体層(A−2)滴下終了とともに重合開始剤水溶液8.0部を添加し、75℃で2時間熟成後、表1のエチレン性不飽和単量体混合物〔重合体層(A−1)〕60部と重合開始剤水溶液12.0部を75℃で90分かけて滴下した。重合体層(A−1)及び重合開始剤水溶液滴下終了とともに重合開始剤水溶液2.0部を添加2時間熟成後、冷却しイオン交換水を加えて表1に示す固形分20.0%の重合体粒子含有水分散体(A)を得た。

0080

[合成例2]、[合成例3]、及び[合成例6]
合成例1と同様の操作で、合成例2、合成例3、及び合成例6を表1に示す配合で行った結果、固形分20.0%の重合体粒子含有水分散体(A)を得た。

0081

[合成例4]
窒素導入管、滴下ロート、環流冷却管、撹拌装置を備えた1500mlの4つ口フラスコにイオン交換水450.0部、表1のエチレン性不飽和単量体混合物の乳化液〔重合体層(A−1)〕60.0部を仕込み、撹拌下系内を窒素置換しながら75℃に昇温し、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩の1%イオン交換水溶液(以下重合開始剤水溶液)20.0部を添加して重合を開始した。更に、75℃に保ちながら重合体層(A−1)の残量を120分にわたり滴下した。重合体層(A−1)滴下終了とともに重合開始剤水溶液16.0部を添加し、75℃で2時間熟成後、冷却しイオン交換水を加えて表1に示す固形分20.0%の重合体粒子含有水分散体(A)を得た。但し、合成例4では、重合体層(A−2)は使用していない。

0082

[合成例5]
窒素導入管、滴下ロート、環流冷却管、撹拌装置を備えた1500mlの4つ口フラスコにイオン交換水450.0部、表1のエチレン性不飽和単量体混合物の乳化液〔重合体層(A−2)〕60.0部を仕込み、撹拌下系内を窒素置換しながら75℃に昇温し、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩の1%イオン交換水溶液(以下重合開始剤水溶液)20.0部を添加して重合を開始した。更に、75℃に保ちながら重合体層(A−2)の残量を120分にわたり滴下した。重合体層(A−2)滴下終了とともに重合開始剤水溶液16.0部を添加し、75℃で2時間熟成後、冷却しイオン交換水を加えて表1に示す固形分20.0%の重合体粒子含有水分散体(A)を得た。

0083

0084

[実施例1]
合成例1で得た重合体粒子含有水分散体(A)を固形分換算で100部と、両性界面活性剤(B)としてラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインを固形分換算で10部と、アニオン性制電剤(C)としてパーマスタットWF−18〔大日本インキ化学工業(株)製〕を固形分換算で30部と、シリコーンエマルジョン(D)としてディックシリコーン320〔大日本インキ化学工業(株)製〕を固形分換算で10部、及び水12350部を含む処理浴、全量12500部を調整した。
この処理浴にポリエステルサテン黒色染色布を浸漬し、原布重量に対する処理液の含浸量が100%になるようにマングルで絞り、110℃で3分間乾燥し、更に160℃で1分間熱処理を行った。
得られた処理布の濃色化効果、加工効果の耐久性、静電気防止性は、前述の評価方法を用い評価した。
評価結果を表2に示した。

0085

[実施例2〜5]
表2に示した配合に従い、実施例1と同様の方法で行った評価結果を表2に示す。

0086

[比較例1〜7]
表3に示した配合に従い、実施例1と同様の方法で行った評価結果を表3に示す。
何れの場合も充分な性能は発現できなかった。

0087

尚、本発明に記載の表及び本文中の略称の化合物名は下記の通りである。
MMA ;メチルメタクリレート
IBMA ;イソ−ブチルメタクリレート
TBMA ;ターシャリ−ブチルメタクリレート
IBA ;イソ−ブチルアクリレート
MAM ;メタアクリルアミド
N−MAM;N−メチロールアクリルアミド
アーカード16−50(ライオン(株)製);塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム

0088

0089

0090

本発明は、紙や繊維、木、プラスティックなどの原材料からなる、例えば、印刷された紙面、染色された繊維製品、着色された木質材料製品、印刷もしくは着色されたプラスティック製品における表面の色の濃さ、深み、鮮明性などの意匠性を向上させ、且つ優れた制電性と耐擦過性を付与する目的で使用する濃色化剤であり、また該濃色化剤を用いたこれら物品の表面の濃色化方法であり、更に該濃色化剤で処理してなる物品の表面の質感の向上に極めて有効である。

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