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技術 円筒状部材の周面の切削方法、電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体ユニットの製造方法、現像剤担持体の製造方法、現像剤担持体ユニットの製造方法、プロセスカートリッジ、および、電子写真装置

出願人 キヤノン株式会社
発明者 相馬孝夫千葉博司小林順博寺本杏一
出願日 2003年12月26日 (15年6ヶ月経過) 出願番号 2003-434544
公開日 2005年7月14日 (14年0ヶ月経過) 公開番号 2005-186253
状態 未査定
技術分野 電子写真における感光体 電子写真における乾式現像 主軸への把持 旋削加工
主要キーワード 円筒状保持部材 円筒状治具 外周基準 芯出し加工 ガラスビーム 曲面形成 底付き円筒 基準ゲージ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

外周真円度が高い円筒状部材低コストで得るための円筒状部材の周面の切削方法を提供する。

解決手段

円筒状部材601の端部の内側に、中心軸o1を共有し角度が異なる2つのテーパー面6031、6032を形成するテーパー面形成工程と、2つのテーパー面の交線により形成される円形稜線部6033に円筒状部材保持部材604のクランプ面605を当接して押圧することにより該円筒状部材を保持する保持工程と、該保持工程により保持された円筒状部材の周面を切削する工程とを有することを特徴とする円筒状部材の周面の切削方法。

概要

背景

複写機レーザービームプリンターなどの電子写真方式を採用した画像形成装置、いわゆる電子写真装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の周面を帯電するための帯電手段と、帯電された電子写真感光体の周面に静電潜像を形成するための露光手段と、電子写真感光体の周面に形成された静電潜像を現像剤担持体担持された現像剤により現像して現像像を形成するための現像手段と、電子写真感光体の周面に形成された現像像を転写材(紙など)に転写するための転写手段とを有するものが一般的である。

このような電子写真装置において、高画質の画像を得るためには、電子写真感光体と現像剤担持体(現像ローラー現像スリーブなど)との距離が一定に保たれていることが必要条件の1つである。そして、電子写真感光体と現像剤担持体との距離を一定に保つためには、電子写真感光体および現像剤担持体は精度が高くなければならない。

特に、カラー画像を出力する電子写真装置、いわゆるカラー電子写真装置においては、カラー画像を出力するために各色の画像を重ね合わせる必要があり、色ズレ色ムラモワレを防止するため、電子写真感光体や現像剤担持体には、従来以上の高い精度が要求される。

電子写真感光体や現像剤担持体は、一般的に、支持体として円筒状部材を有している。電子写真感光体や現像材担持体が高精度であるためには、この円筒状部材の精度、特に外周の真円度が高くなければならない。

円筒状部材の外周真円度を高めるための方法の1つとして、円筒状部材の周面(外周面、以下同じ)を切削する方法が知られている。

円筒状部材の周面を切削する方法としては、一般的に、
(1)押し出しや引き抜き後に所定の長さに切断して得られる円筒状部材の両端部に、該円筒状部材の周面に対して略直角の端部加工面を形成する(端面加工)。
(2)円筒状部材保持部材によって該円筒状部材を両端保持した状態で、該円筒状部材の周面を所定の精度、面粗さに仕上げる(周面加工)。
という方法が知られている。

周面加工の方法としては、円筒状部材保持部材により保持された円筒状部材を回転させながら、この円筒状部材の周面に切削バイトなどの切削部材を当接し、該切削部材を該円筒状部材の軸と平行に一定速度で移動させながら、該円筒状部材の周面を切削する方法(旋盤加工)が知られている。

旋盤加工する際に、円筒状部材を保持する方法としては、以下の方法が知られている。

すなわち、図1を用いて説明すると、まず、円筒状部材101の両端部に、円筒状部材101の周面に対して略直角の端部加工面102を形成し、次に、円筒状部材保持部材104が有する円筒状治具1041を、円筒状部材101の両端部の内側に押し込み、次に、円筒状部材保持部材104のクランプ面105を、円筒状部材101の端部加工面102に対して円筒状部材101の軸方向に押圧することによって、円筒状部材101を保持するという方法である(特開2002−169421号公報:特許文献1)。

しかしながら、この特開2002−169421号公報に開示された方法では、円筒状部材101の内周の真円度が高くなければならず、また、円筒状部材101の内径と円筒状治具1041の外径とが略同一である必要がある。円筒状部材101の内径が円筒状治具103の外径に対して大きすぎると、円筒状部材101の周面を切削している間にガタが生じる。一方、円筒状部材101の内径が円筒状治具103の外径に対して小さすぎると、円筒状部材101の内側に円筒状治具103を押し込むことによって、円筒状部材101が変形してしまうため、切削後、外周真円度の高い円筒状部材が得られにくい。

また、所望の内周真円度、内径の円筒状部材だけを選別して使用しようとすると、円筒状部材のコストが上昇してしまう。

また、図2に示すように、内周真円度が低い(図2では楕円形)円筒状部材101の内側に、外周の形状が円形の円筒状治具1041を挿入すると、円筒状部材101の内周が押し広げられて、円筒状部材101は変形して、円筒状部材101の内周の形状は、円筒状治具1041の外周の形状と同じく円形となる。

内周が押し広げられたままの円筒状部材101を回転させながら、その周面を切削部材201で切削すると、内側に円筒状治具1041が挿入されたままの状態であれば円筒状部材101の外周の形状は円形であるが、円筒状治具1041を外すと、円筒状部材101の変形が緩和されて元の形状に戻ろうとするため、切削後の円筒状部材の101の外周の形状は、円筒状部材101の内周の形状(楕円形)を反映した形状になってしまう。

この現象スプリングバック現象といい、切削によって外周真円度の高い円筒状部材を得ようとすると、内周真円度が高い円筒状部材が必要となる。

しかしながら、押し出しや引き抜きによって得られる円筒状部材の内周真円度には、バラツキがあるのが現状であるため、所望の内周真円度の円筒状部材だけを選別して使用しようとすると、円筒状部材のコストが上昇してしまう。

旋盤加工する際に、円筒状部材を保持する別の方法としては、以下の方法が知られている。

すなわち、押し出しや引き抜き後に所定の長さに切断して得られる円筒状部材に端面加工を施す際に、円筒状部材の端面に隣接する内周面を所定の幅削り(インロー加工)、そこにコレット方式などの円筒状部材保持部材を挿入し、次に、該円筒状保持部材の外周を拡張することによって、円筒状部材を保持するという方法である(特開平11−160901号公報:特許文献2)。

しかしながら、この特開平11−160901号公報に開示された方法では、外周真円度が比較的高い円筒状部材は得られるものの、インロー加工のコストが高く、また、コレット方式などの円筒状部材保持部材の構造が複雑でありメンテナンスのコストも高いため、円筒状部材のコストが上昇してしまう。

旋盤加工する際に、円筒状部材を保持するさらに別の方法としては、以下の方法が知られている。

すなわち、図3を用いて説明すると、まず、円筒状部材301の端面加工時に、円筒状部材301の端面に隣接する部分にテーパー面303を設けて、次に、テーパー状のクランプ面305を有する円筒状部材保持部材304を、円筒状部材301のテーパー面303と円筒状部材の内周面との交線により形成される稜線部に当接し、次に、円筒状部材保持部材304のクランプ面305を、円筒状部材301に対して円筒状部材301の軸方向に押圧することによって、円筒状部材301を保持するという方法である(特開平09−066401号公報:特許文献3)。

この特開平09−066401号公報に開示された方法では、テーパー面303のみ高精度に形成すればよいため、特開2002−169421号公報に開示された方法や特開平09−066401号公報に開示された方法に比べて、端面加工のコストが低減され、また、円筒状部材保持部材304の構造が単純であるため、特開平09−066401号公報に開示された方法に比べて、メンテナンスのコストも低減される。

しかしながら、この特開平09−066401号公報に開示された方法では、図3に示すように、円筒状部材保持部材304のクランプ面305が円筒状部材301に当接している部位は、円筒状部材301のテーパー面303と円筒状部材の内周面との交線により形成される稜線部である。この稜線部は、円筒状部材301の内周が真円でない場合は、原理上真円にならない。

したがって、特開平09−066401号公報に開示された方法においても、切削後の円筒状部材の外周真円度は、円筒状部材の内周真円度の影響を避けることができない。そのため、所望の内周真円度の円筒状部材だけを選別して使用しようとすると、円筒状部材のコストが上昇してしまう。

さて、電子写真感光体や現像剤担持体の支持体の端部には、軸または軸受部を有する端部係合部材ギアフランジなど)が装着されて、電子写真感光体ユニット現像剤担持体ユニットとして用いられる。

具体的には、図4に示すように、電子写真感光体(または現像剤担持体)401’の支持体401”の端部には、端部係合部材402が取り付けられ、端部係合部材402の軸部403(軸受部の場合も含めて軸部という)を介して電子写真装置に支持される。

このとき、電子写真感光体(または現像剤担持体)401’の支持体401”の外周基準中心軸4011と軸部403の中心軸4031とが一致していないと、電子写真感光体(または現像剤担持体)401’が偏心して回転する(回転精度が低下する)ことになり、高画質の画像を得ることができない。

そこで、電子写真感光体や現像剤担持体の支持体の外周基準中心軸と軸部の中心軸とが一致した、すなわち、回転精度が高い電子写真感光体ユニットや現像剤担持体ユニットを得るために、一般的に、精度が高い支持体や端部係合部材を作製し、さらに精密な接合技術で支持体の端部に端部係合部材を係合させるということが行われている。

また、回転精度が高い電子写真感光体ユニットや現像剤担持体ユニットを得るための別の方法として、支持体の端部に端部係合部材を係合させた後に、端部係合部材の軸部を加工して芯出しを行う方法がある。この方法は、支持体や端部係合部材の精度が比較的低くても、回転精度が高い電子写真感光体ユニットや現像剤担持体ユニットを得ることができる方法である。

具体的には、図5に示すように、画像領域を避けるように配置された複数の支持ローラー502a、502b、503a、503b、504a、504bによって、電子写真感光体ユニット(または現像剤担持体ユニット)401を支持する。次に、支持ローラー504a、504bを駆動することによって、電子写真感光体ユニット(または現像剤担持体ユニット)401を、電子写真感光体(または現像剤担持体)401’の外周基準中心軸4011を中心として回転させる。次に、回転する電子写真感光体ユニット(または現像剤担持体ユニット)401の端部係合部材402の軸部403に切削部材501を押し当てることによって、電子写真感光体(または現像剤担持体)401’の外周基準中心軸4011と同心の中心軸を軸部403に与えることができる(芯出し加工)。なお、図5で示したのは「軸」の加工であるが、「軸受部」の加工も同様にして行うことができる。

この方法は、簡単な装置で、精度測定など高コストな工程を必要とせずに、軸部に芯出し加工を施すことが可能であり、また、芯出し加工中の調整も容易である。

しかしながら、この方法は、複数の支持ローラーを電子写真感光体(または現像剤担持体)401’に当接させて、電子写真感光体ユニット(または現像剤担持体ユニット)401を回転させながら芯出し加工を行う方法であるため、複数の支持ローラーが当接する電子写真感光体(または現像剤担持体)401’の外周真円度が高い必要がある。また、電子写真感光体(または現像剤担持体)401’の外周真円度と、電子写真感光体(または現像剤担持体)401’が有する支持体401”の外周真円度は略同一であるため、円筒状部材である支持体401”の外周真円度も高い必要がある。
特開2002−169421号公報
特開平11−160901号公報
特開平09−066401号公報

概要

外周真円度が高い円筒状部材を低コストで得るための円筒状部材の周面の切削方法を提供する。 円筒状部材601の端部の内側に、中心軸o1を共有し角度が異なる2つのテーパー面6031、6032を形成するテーパー面形成工程と、2つのテーパー面の交線により形成される円形稜線部6033に円筒状部材保持部材604のクランプ面605を当接して押圧することにより該円筒状部材を保持する保持工程と、該保持工程により保持された円筒状部材の周面を切削する工程とを有することを特徴とする円筒状部材の周面の切削方法。

目的

本発明の目的は、上記課題を解決し、外周真円度が高い円筒状部材を低コストで得るための円筒状部材の周面の切削方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
3件

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請求項1

円筒状部材の端部の内側に、中心軸共有し角度が異なる2つのテーパー面を形成するテーパー面形成工程と、該テーパー面形成工程により形成された2つのテーパー面の交線により形成される円形稜線部に円筒状部材保持部材クランプ面を当接して押圧することにより該円筒状部材を保持する保持工程と、該保持工程により保持された円筒状部材の周面を切削する工程とを有することを特徴とする円筒状部材の周面の切削方法

請求項2

前記2つのテーパー面のうち円筒状部材端部側のテーパー面を円筒状部材奥側に延長して形成される円錐頂点の角度をa°とし、前記2つのテーパー面のうち円筒状部材端部側でない側のテーパー面を円筒状部材奥側に延長して形成される円錐の頂点の角度をb°とし、前記円筒状部材保持部材のクランプ面を円筒状部材奥側に延長して形成される円錐の頂点の角度をc°とすると、a<180であり、b+2≦c<a−2である請求項1に記載の円筒状部材の周面の切削方法。

請求項3

前記円筒状部材保持部材のクランプ面を円筒状部材奥側に延長して形成される円錐の頂点の角度をc°とすると、14≦c≦120である請求項1または2に記載の円筒状部材の周面の切削方法。

請求項4

円筒状部材の端部の内側に、円筒状部材と中心軸を共有し円筒状部材保持部材のクランプ面と単一の線で接触する曲面を形成する曲面形成工程と、該曲面形成工程により形成された曲面に該円筒状部材保持部材のクランプ面を当接して押圧することにより該円筒状部材を保持する保持工程と、該保持工程により保持された円筒状部材の周面を切削する工程とを有することを特徴とする円筒状部材の周面の切削方法。

請求項5

支持体上に感光層を有する電子写真感光体の製造方法であって、該支持体の周面を切削する切削工程と、該切削工程により周面が切削された支持体上に感光層を形成する感光層形成工程とを有する電子写真感光体の製造方法において、該支持体が円筒状部材であり、該切削工程が請求項1〜4のいずれかに記載の切削方法により該支持体の周面を切削する工程であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。

請求項6

支持体上に感光層を有する電子写真感光体および該電子写真感光体の支持体の端部に係合された軸または軸受部を有する端部係合部材を有する電子写真感光体ユニットの製造方法であって、該支持体が円筒状部材である電子写真感光体ユニットの製造方法において、該電子写真感光体を請求項5に記載の製造方法により製造する電子写真感光体製造工程と、該電子写真感光体製造工程により製造された電子写真感光体の支持体の端部に該端部係合部材を係合させる係合工程と、該係合工程により端部係合部材が係合された電子写真感光体を、該電子写真感光体の外周基準の中心軸を中心として回転させながら、該軸または該軸受部の芯出し加工を行う芯出し工程とを有することを特徴とする電子写真感光体ユニットの製造方法。

請求項7

少なくとも請求項5に記載の製造方法により製造された電子写真感光体または請求項6に記載の製造方法により製造された電子写真感光体ユニットを有し、電子写真装置本体着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ

請求項8

少なくとも請求項5に記載の製造方法により製造された電子写真感光体または請求項6に記載の製造方法により製造された電子写真感光体ユニットを有することを特徴とする電子写真装置

請求項9

支持体を有する現像剤担持体の製造方法であって、該支持体の周面を切削する切削工程を有する現像剤担持体の製造方法において、該支持体が円筒状部材であり、該切削工程が請求項1〜4のいずれかに記載の切削方法により該支持体の周面を切削する工程であることを特徴とする現像剤担持体の製造方法。

請求項10

支持体を有する現像剤担持体および該現像剤担持体の支持体の端部に係合された軸または軸受部を有する端部係合部材を有する現像剤担持体ユニットの製造方法であって、該支持体が円筒状部材である現像剤担持体ユニットの製造方法において、該現像剤担持体を請求項9に記載の製造方法により製造する現像剤担持体製造工程と、該現像剤担持体製造工程により製造された現像剤担持体の支持体の端部に該端部係合部材を係合させる係合工程と、該係合工程により端部係合部材が係合された現像剤担持体を、該現像剤担持体の外周基準の中心軸を中心として回転させながら、該軸または該軸受部の芯出し加工を行う芯出し工程とを有することを特徴とする現像剤担持体ユニットの製造方法。

請求項11

少なくとも請求項9に記載の製造方法により製造された現像剤担持体または請求項10に記載の製造方法により製造された現像剤担持体ユニットを有し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。

請求項12

少なくとも請求項9に記載の製造方法により製造された現像剤担持体または請求項10に記載の製造方法により製造された現像剤担持体ユニットを有することを特徴とする電子写真装置。

技術分野

0001

本発明は、円筒状部材の周面の切削方法電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体ユニットの製造方法、現像剤担持体の製造方法、現像剤担持体ユニットの製造方法、プロセスカートリッジ、および、電子写真装置に関する。

背景技術

0002

複写機レーザービームプリンターなどの電子写真方式を採用した画像形成装置、いわゆる電子写真装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の周面を帯電するための帯電手段と、帯電された電子写真感光体の周面に静電潜像を形成するための露光手段と、電子写真感光体の周面に形成された静電潜像を現像剤担持体に担持された現像剤により現像して現像像を形成するための現像手段と、電子写真感光体の周面に形成された現像像を転写材(紙など)に転写するための転写手段とを有するものが一般的である。

0003

このような電子写真装置において、高画質の画像を得るためには、電子写真感光体と現像剤担持体(現像ローラー現像スリーブなど)との距離が一定に保たれていることが必要条件の1つである。そして、電子写真感光体と現像剤担持体との距離を一定に保つためには、電子写真感光体および現像剤担持体は精度が高くなければならない。

0004

特に、カラー画像を出力する電子写真装置、いわゆるカラー電子写真装置においては、カラー画像を出力するために各色の画像を重ね合わせる必要があり、色ズレ色ムラモワレを防止するため、電子写真感光体や現像剤担持体には、従来以上の高い精度が要求される。

0005

電子写真感光体や現像剤担持体は、一般的に、支持体として円筒状部材を有している。電子写真感光体や現像材担持体が高精度であるためには、この円筒状部材の精度、特に外周の真円度が高くなければならない。

0006

円筒状部材の外周真円度を高めるための方法の1つとして、円筒状部材の周面(外周面、以下同じ)を切削する方法が知られている。

0007

円筒状部材の周面を切削する方法としては、一般的に、
(1)押し出しや引き抜き後に所定の長さに切断して得られる円筒状部材の両端部に、該円筒状部材の周面に対して略直角の端部加工面を形成する(端面加工)。
(2)円筒状部材保持部材によって該円筒状部材を両端保持した状態で、該円筒状部材の周面を所定の精度、面粗さに仕上げる(周面加工)。
という方法が知られている。

0008

周面加工の方法としては、円筒状部材保持部材により保持された円筒状部材を回転させながら、この円筒状部材の周面に切削バイトなどの切削部材を当接し、該切削部材を該円筒状部材の軸と平行に一定速度で移動させながら、該円筒状部材の周面を切削する方法(旋盤加工)が知られている。

0009

旋盤加工する際に、円筒状部材を保持する方法としては、以下の方法が知られている。

0010

すなわち、図1を用いて説明すると、まず、円筒状部材101の両端部に、円筒状部材101の周面に対して略直角の端部加工面102を形成し、次に、円筒状部材保持部材104が有する円筒状治具1041を、円筒状部材101の両端部の内側に押し込み、次に、円筒状部材保持部材104のクランプ面105を、円筒状部材101の端部加工面102に対して円筒状部材101の軸方向に押圧することによって、円筒状部材101を保持するという方法である(特開2002−169421号公報:特許文献1)。

0011

しかしながら、この特開2002−169421号公報に開示された方法では、円筒状部材101の内周の真円度が高くなければならず、また、円筒状部材101の内径と円筒状治具1041の外径とが略同一である必要がある。円筒状部材101の内径が円筒状治具103の外径に対して大きすぎると、円筒状部材101の周面を切削している間にガタが生じる。一方、円筒状部材101の内径が円筒状治具103の外径に対して小さすぎると、円筒状部材101の内側に円筒状治具103を押し込むことによって、円筒状部材101が変形してしまうため、切削後、外周真円度の高い円筒状部材が得られにくい。

0012

また、所望の内周真円度、内径の円筒状部材だけを選別して使用しようとすると、円筒状部材のコストが上昇してしまう。

0013

また、図2に示すように、内周真円度が低い(図2では楕円形)円筒状部材101の内側に、外周の形状が円形の円筒状治具1041を挿入すると、円筒状部材101の内周が押し広げられて、円筒状部材101は変形して、円筒状部材101の内周の形状は、円筒状治具1041の外周の形状と同じく円形となる。

0014

内周が押し広げられたままの円筒状部材101を回転させながら、その周面を切削部材201で切削すると、内側に円筒状治具1041が挿入されたままの状態であれば円筒状部材101の外周の形状は円形であるが、円筒状治具1041を外すと、円筒状部材101の変形が緩和されて元の形状に戻ろうとするため、切削後の円筒状部材の101の外周の形状は、円筒状部材101の内周の形状(楕円形)を反映した形状になってしまう。

0015

この現象スプリングバック現象といい、切削によって外周真円度の高い円筒状部材を得ようとすると、内周真円度が高い円筒状部材が必要となる。

0016

しかしながら、押し出しや引き抜きによって得られる円筒状部材の内周真円度には、バラツキがあるのが現状であるため、所望の内周真円度の円筒状部材だけを選別して使用しようとすると、円筒状部材のコストが上昇してしまう。

0017

旋盤加工する際に、円筒状部材を保持する別の方法としては、以下の方法が知られている。

0018

すなわち、押し出しや引き抜き後に所定の長さに切断して得られる円筒状部材に端面加工を施す際に、円筒状部材の端面に隣接する内周面を所定の幅削り(インロー加工)、そこにコレット方式などの円筒状部材保持部材を挿入し、次に、該円筒状保持部材の外周を拡張することによって、円筒状部材を保持するという方法である(特開平11−160901号公報:特許文献2)。

0019

しかしながら、この特開平11−160901号公報に開示された方法では、外周真円度が比較的高い円筒状部材は得られるものの、インロー加工のコストが高く、また、コレット方式などの円筒状部材保持部材の構造が複雑でありメンテナンスのコストも高いため、円筒状部材のコストが上昇してしまう。

0020

旋盤加工する際に、円筒状部材を保持するさらに別の方法としては、以下の方法が知られている。

0021

すなわち、図3を用いて説明すると、まず、円筒状部材301の端面加工時に、円筒状部材301の端面に隣接する部分にテーパー面303を設けて、次に、テーパー状のクランプ面305を有する円筒状部材保持部材304を、円筒状部材301のテーパー面303と円筒状部材の内周面との交線により形成される稜線部に当接し、次に、円筒状部材保持部材304のクランプ面305を、円筒状部材301に対して円筒状部材301の軸方向に押圧することによって、円筒状部材301を保持するという方法である(特開平09−066401号公報:特許文献3)。

0022

この特開平09−066401号公報に開示された方法では、テーパー面303のみ高精度に形成すればよいため、特開2002−169421号公報に開示された方法や特開平09−066401号公報に開示された方法に比べて、端面加工のコストが低減され、また、円筒状部材保持部材304の構造が単純であるため、特開平09−066401号公報に開示された方法に比べて、メンテナンスのコストも低減される。

0023

しかしながら、この特開平09−066401号公報に開示された方法では、図3に示すように、円筒状部材保持部材304のクランプ面305が円筒状部材301に当接している部位は、円筒状部材301のテーパー面303と円筒状部材の内周面との交線により形成される稜線部である。この稜線部は、円筒状部材301の内周が真円でない場合は、原理上真円にならない。

0024

したがって、特開平09−066401号公報に開示された方法においても、切削後の円筒状部材の外周真円度は、円筒状部材の内周真円度の影響を避けることができない。そのため、所望の内周真円度の円筒状部材だけを選別して使用しようとすると、円筒状部材のコストが上昇してしまう。

0025

さて、電子写真感光体や現像剤担持体の支持体の端部には、軸または軸受部を有する端部係合部材ギアフランジなど)が装着されて、電子写真感光体ユニット、現像剤担持体ユニットとして用いられる。

0026

具体的には、図4に示すように、電子写真感光体(または現像剤担持体)401’の支持体401”の端部には、端部係合部材402が取り付けられ、端部係合部材402の軸部403(軸受部の場合も含めて軸部という)を介して電子写真装置に支持される。

0027

このとき、電子写真感光体(または現像剤担持体)401’の支持体401”の外周基準中心軸4011と軸部403の中心軸4031とが一致していないと、電子写真感光体(または現像剤担持体)401’が偏心して回転する(回転精度が低下する)ことになり、高画質の画像を得ることができない。

0028

そこで、電子写真感光体や現像剤担持体の支持体の外周基準中心軸と軸部の中心軸とが一致した、すなわち、回転精度が高い電子写真感光体ユニットや現像剤担持体ユニットを得るために、一般的に、精度が高い支持体や端部係合部材を作製し、さらに精密な接合技術で支持体の端部に端部係合部材を係合させるということが行われている。

0029

また、回転精度が高い電子写真感光体ユニットや現像剤担持体ユニットを得るための別の方法として、支持体の端部に端部係合部材を係合させた後に、端部係合部材の軸部を加工して芯出しを行う方法がある。この方法は、支持体や端部係合部材の精度が比較的低くても、回転精度が高い電子写真感光体ユニットや現像剤担持体ユニットを得ることができる方法である。

0030

具体的には、図5に示すように、画像領域を避けるように配置された複数の支持ローラー502a、502b、503a、503b、504a、504bによって、電子写真感光体ユニット(または現像剤担持体ユニット)401を支持する。次に、支持ローラー504a、504bを駆動することによって、電子写真感光体ユニット(または現像剤担持体ユニット)401を、電子写真感光体(または現像剤担持体)401’の外周基準中心軸4011を中心として回転させる。次に、回転する電子写真感光体ユニット(または現像剤担持体ユニット)401の端部係合部材402の軸部403に切削部材501を押し当てることによって、電子写真感光体(または現像剤担持体)401’の外周基準中心軸4011と同心の中心軸を軸部403に与えることができる(芯出し加工)。なお、図5で示したのは「軸」の加工であるが、「軸受部」の加工も同様にして行うことができる。

0031

この方法は、簡単な装置で、精度測定など高コストな工程を必要とせずに、軸部に芯出し加工を施すことが可能であり、また、芯出し加工中の調整も容易である。

0032

しかしながら、この方法は、複数の支持ローラーを電子写真感光体(または現像剤担持体)401’に当接させて、電子写真感光体ユニット(または現像剤担持体ユニット)401を回転させながら芯出し加工を行う方法であるため、複数の支持ローラーが当接する電子写真感光体(または現像剤担持体)401’の外周真円度が高い必要がある。また、電子写真感光体(または現像剤担持体)401’の外周真円度と、電子写真感光体(または現像剤担持体)401’が有する支持体401”の外周真円度は略同一であるため、円筒状部材である支持体401”の外周真円度も高い必要がある。
特開2002−169421号公報
特開平11−160901号公報
特開平09−066401号公報

発明が解決しようとする課題

0033

本発明の目的は、上記課題を解決し、外周真円度が高い円筒状部材を低コストで得るための円筒状部材の周面の切削方法を提供することにある。

0034

また、本発明の目的は、上記切削方法により周面が切削された円筒状部材を支持体として用いた電子写真感光体および現像剤担持体の製造方法を提供することにある。

0035

また、本発明の目的は、上記電子写真感光体を有する電子写真感光体ユニットおよび上記現像剤担持体を有する現像剤担持体ユニットを提供することにある。

0036

また、本発明の目的は、上記電子写真感光体、上記電子写真感光体ユニット、上記現像剤担持体または上記現像剤担持体ユニットを有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0037

本発明は、円筒状部材の端部の内側に、中心軸を共有し角度が異なる2つのテーパー面を形成するテーパー面形成工程と、
該テーパー面形成工程により形成された2つのテーパー面の交線により形成される円形稜線部に円筒状部材保持部材のクランプ面を当接して押圧することにより該円筒状部材を保持する保持工程と、
該保持工程により保持された円筒状部材の周面を切削する工程と
を有することを特徴とする円筒状部材の周面の切削方法である。

0038

また、本発明は、円筒状部材の端部の内側に、円筒状部材と中心軸を共有し円筒状部材保持部材のクランプ面と単一の線で接触する曲面を形成する曲面形成工程と、
該曲面形成工程により形成された曲面に該円筒状部材保持部材のクランプ面を当接して押圧することにより該円筒状部材を保持する保持工程と、
該保持工程により保持された円筒状部材の周面を切削する工程と
を有することを特徴とする円筒状部材の周面の切削方法である。

0039

また、本発明は、支持体上に感光層を有する電子写真感光体の製造方法であって、該支持体の周面を切削する切削工程と、該切削工程により周面が切削された支持体上に感光層を形成する感光層形成工程とを有する電子写真感光体の製造方法において、
該支持体が円筒状部材であり、該切削工程が上記切削方法により該支持体の周面を切削する工程であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。

0040

また、本発明は、支持体上に感光層を有する電子写真感光体および該電子写真感光体の支持体の端部に係合された軸または軸受部を有する端部係合部材を有する電子写真感光体ユニットの製造方法であって、該支持体が円筒状部材である電子写真感光体ユニットの製造方法において、
該電子写真感光体を上記製造方法により製造する電子写真感光体製造工程と、
該電子写真感光体製造工程により製造された電子写真感光体の支持体の端部に該端部係合部材を係合させる係合工程と、
該係合工程により端部係合部材が係合された電子写真感光体を、該電子写真感光体の外周基準の中心軸を中心として回転させながら、該軸または該軸受部の芯出し加工を行う芯出し工程と
を有することを特徴とする電子写真感光体ユニットの製造方法である。

0041

また、本発明は、少なくとも上記製造方法により製造された電子写真感光体または電子写真感光体ユニットを有し、電子写真装置本体着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジである。

0042

また、本発明は、少なくとも上記製造方法により製造された電子写真感光体または電子写真感光体ユニットを有することを特徴とする電子写真装置である。

0043

また、本発明は、支持体を有する現像剤担持体の製造方法であって、該支持体の周面を切削する切削工程を有する現像剤担持体の製造方法において、
該支持体が円筒状部材であり、該切削工程が上記切削方法により該支持体の周面を切削する工程であることを特徴とする現像剤担持体の製造方法である。

0044

また、本発明は、支持体を有する現像剤担持体および該現像剤担持体の支持体の端部に係合された軸または軸受部を有する端部係合部材を有する現像剤担持体ユニットの製造方法であって、該支持体が円筒状部材である現像剤担持体ユニットの製造方法において、
該現像剤担持体を上記製造方法により製造する現像剤担持体製造工程と、
該現像剤担持体製造工程により製造された現像剤担持体の支持体の端部に該端部係合部材を係合させる係合工程と、
該係合工程により端部係合部材が係合された現像剤担持体を、該現像剤担持体の外周基準の中心軸を中心として回転させながら、該軸または該軸受部の芯出し加工を行う芯出し工程と
を有することを特徴とする現像剤担持体ユニットの製造方法である。

0045

また、本発明は、少なくとも上記製造方法により製造された現像剤担持体または現像剤担持体ユニットを有し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジである。

0046

また、本発明は、少なくとも上記製造方法により製造された現像剤担持体または現像剤担持体ユニットを有することを特徴とする電子写真装置である。

発明の効果

0047

本発明によれば、外周真円度が高い円筒状部材を低コストで得るための円筒状部材の周面の切削方法を提供することができる。

0048

また、本発明によれば、上記切削方法により周面が切削された円筒状部材を支持体として用いた電子写真感光体および現像剤担持体の製造方法を提供することができる。

0049

また、本発明によれば、上記電子写真感光体を有する電子写真感光体ユニットおよび上記現像剤担持体を有する現像剤担持体ユニットを提供することができる。

0050

また、本発明によれば、上記電子写真感光体、上記電子写真感光体ユニット、上記現像剤担持体または上記現像剤担持体ユニットを有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0051

以下、本発明をより詳細に説明する。

0052

まず、図6〜8を参照して、本発明を説明する。図6および7は、円筒状部材保持部材により円筒状部材を保持する様子を示す模式図(正面断面図)であり、図8は、円筒状部材の周面を切削する様子を示す模式図(側面図)である。

0053

本発明は、円筒状部材601の端部の内側に、中心軸o1を共有し角度が異なる2つのテーパー面6031、6032を形成するテーパー面形成工程と、
テーパー面形成工程により形成された2つのテーパー面6031、6032の交線により形成される円形稜線部6033に円筒状部材保持部材604のクランプ面605を当接して押圧することにより円筒状部材601を保持する保持工程と、
保持工程により保持された円筒状部材601の周面を切削する工程と
を有することを特徴とする円筒状部材の周面の切削方法である。

0054

テーパー面6031を円筒状部材奥側に延長して形成される円錐およびテーパー面6032を円筒状部材奥側に延長して形成される円錐を想定するとき、2つの円錐の中心軸(回転体である円錐の回転軸:中心軸o1)が一致すれば、2つの円錐の交線(円形稜線部)6033は真円となる。この交線(円形稜線部)6033に円筒状部材保持部材604のクランプ面605を当接すれば、円筒状部材601を変形させることなく保持することが可能となる。

0055

このようにして変形することなく保持された円筒状部材601を回転させながらその周面を切削すると、切削後の円筒状部材601の周面は真円になる。切削後の円筒状部材601から円筒状部材保持部材604を取り外しても、切削後の円筒状部材601の周面の真円度は変化しない。

0056

このように、本発明によれば、テーパー面6031およびテーパー面6032さえ高精度に形成すれば外周真円度の高い円筒状部材を得ることができる。つまり、本発明によれば、円筒状部材の内周真円度の影響を受けることがなく、所望の内周真円度の円筒状部材だけを選別して使用する必要がないため、円筒状部材のコストの上昇を抑制することができる。

0057

なお、円筒状部材保持部材604のクランプ面605と交線(円形稜線部)6033とは線で当接するため、円筒状部材保持部材604の挿入しやすさの観点や、円筒状部材の内周真円度や内径がばらついている場合であってもガタツキが生じないという観点から、図6および7に示すように、円筒状部材保持部材604のクランプ面605もテーパー面であることが好ましい。

0058

図7に示すように、円筒状部材601のテーパー面6031を円筒状部材奥側に延長して形成される円錐の頂点の角度をa°、円筒状部材601のテーパー面6032を円筒状部材奥側に延長して形成される円錐の頂点の角度をb°、テーパー面である円筒状部材保持部材604のクランプ面605を円筒状部材奥側に延長して形成される円錐の頂点の角度をc°とすると(a、b、cはいずれも正の数であり、b<c<aである)、aは180未満であることが好ましく、160以下であることがより好ましい。また、a、b、cは、b+2≦c<a−2の関係を満たすことが好ましく、b+10≦c<a−10の関係を満たすことがより好ましい。また、cは4以上160以下であることが好ましく、20以上120以下であることがより好ましい。

0059

なお、上述の形態のように、円筒状部材601の端部の内側に2つのテーパー面(テーパー面6031、6032)を形成して円形稜線部6033を得る代わりに、図9に示すように、円筒状部材の端部の内側に円筒状部材601と中心軸o1を共有し円筒状部材保持部材605のクランプ面604と単一の線9033で接触する曲面9031を形成するようにしても、上述の形態と同様の効果が得られる。

0060

本発明に用いられる円筒状部材の材料としては、例えば、アルミニウム,銅、鉄、ニッケルチタンなどの金属やこれらの合金、また、プラスチックセラミックガラスなどに導電性処理をしたものが挙げられる。これらの中でも、JIS3000(Al−Mn)系、JIS5000(Al−Mg)系、JIS6000(Al−Mg−Si)系のアルミニウムまたはアルミニウム合金が好ましい。

0061

テーパー面加工および切削前の円筒状部材(以下、素管ともいう)は、例えば、以下の方法により得られた管材を所定の長さに切断することにより得られる。該管材を得る方法としては、例えば、深絞り加工によってカップ状に加工した後、カップの壁をしごき加工によって伸ばし、底付き円筒の管材を製造する方法(DI法)や、衝撃押し出し加工によってカップ状に加工した後、カップの壁をしごき加工によって伸ばし、底付き円筒の管材を製造する方法(II法)や、押し出し加工によって得られた円筒をしごき加工によって伸ばし、薄肉円筒の管材を製造する方法(EI法)や、押し出し加工の後、さらに引き抜き加工により薄肉円筒の管材を製造する方法(ED法)などが挙げられる。ポートホール方式により押し出し加工された中空パイプを、1段または1段以上の引き抜き加工により精度を高めて管材を製造する方法も挙げられる。

0062

このようにして得られた素管の端部の内側に上記2つのテーパー面を形成する際、素管を保持する方法としては、素管の外周面を保持する方法と素管の内周面を保持する方法とが挙げられるが、どちらにしても、精度の高い2つのテーパー面を得るためには、素管の変形が小さい方法を選択することが重要である。素管の変形が大きすぎると、テーパー面加工後に素管の保持部材を取り外したときに、その変形が緩和されて、テーパー面の精度が低下してしまう場合がある。

0063

次に、本発明の製造方法により製造される電子写真感光体の構成について説明する。

0064

上述のとおり、本発明の製造方法により製造される電子写真感光体は、支持体上に感光層を有する電子写真感光体であり、該支持体は上記切削方法により周面が切削された円筒状部材である。

0065

感光層は、電荷輸送物質電荷発生物質を同一の層に含有する単層型感光層であっても、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型機能分離型)感光層であってもよいが、電子写真特性の観点からは積層型感光層が好ましい。また、積層型感光層には、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した順層型感光層と、支持体側から電荷輸送層、電荷発生層の順に積層した逆層型感光層があるが、電子写真特性の観点からは順層型感光層が好ましい。

0066

支持体としては、導電性を有していればよく(導電性支持体)、材料としては上述したとおりである。

0067

支持体の上には、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止や、支持体の傷の被覆を目的とした導電層を設けてもよい。導電層は、カーボンブラック金属粒子などの導電性粒子結着樹脂に分散させて形成することができる。導電層の膜厚は、1〜40μmであることが好ましく、特には2〜20μmであることがより好ましい。

0068

また、支持体または導電層と感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、バリア機能接着機能を有する中間層を設けてもよい。中間層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される。中間層は、カゼインポリビニルアルコールエチルセルロースエチレンアクリル酸コポリマーポリアミド変性ポリアミドポリウレタンゼラチン酸化アルミニウムなどの材料を用いて形成することができる。中間層の膜厚は0.05〜5μmであることが好ましく、特には0.3〜1μmであることがより好ましい。

0069

本発明の電子写真感光体に用いられる電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料や、金属フタロシアニン非金属フタロシアニンなどのフタロシアニン顔料や、インジゴチオインジゴなどのインジゴ顔料や、ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミドなどのペリレン顔料や、アンスラキノンピレンキノンなどの多環キノン顔料や、スクワリリウム色素や、ピリリウム塩およびチアピリリウム塩や、トリフェニルメタン色素や、セレン、セレン−テルルアモルファスシリコンなどの無機物質や、キナクリドン顔料や、アズレニウム塩顔料や、シアニン染料や、キサンテン色素や、キノンイミン色素や、スチリル色素や、硫化カドミウムや、酸化亜鉛などが挙げられる。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。

0071

電荷発生層用塗布液に用いる溶剤は、使用する結着樹脂や電荷発生物質の溶解性や分散安定性から選択されるが、有機溶剤としてはアルコールスルホキシドケトンエーテルエステル脂肪族ハロゲン化炭化水素芳香族化合物などが挙げられる。

0072

電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤と共に分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。分散方法としては、ホモジナイザー、超音波ボールミルサンドミルアトライター、ロールミルなどを用いた方法が挙げられる。電荷発生物質と結着樹脂との割合は、1:0.5〜1:4(質量比)の範囲が好ましい。

0073

電荷発生層用塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬コーティング法(浸漬塗布法)、スプレーコーティング法スピンナーコーティング法ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を用いることができる。

0074

電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.01〜1μmであることがより好ましい。

0075

また、電荷発生層には、種々の増感剤酸化防止剤紫外線吸収剤可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。

0076

本発明の電子写真感光体に用いられる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン化合物ヒドラゾン化合物スチリル化合物スチルベン化合物ピラゾリン化合物オキサゾール化合物チアゾール化合物トリアリールメタン化合物などが挙げられる。これら電荷輸送物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。

0077

感光層が積層型感光層である場合、電荷輸送層に用いる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂ポリフェニレンオキシド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂アルキド樹脂不飽和樹脂などが挙げられる。特には、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリルフタレート樹脂などが好ましい。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。

0078

電荷輸送層は、電荷輸送物質と結着樹脂を溶剤に溶解して得られる電荷輸送層用塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。電荷輸送物質と結着樹脂との割合は、2:1〜1:2(質量比)の範囲が好ましい。

0079

電荷輸送層用塗布液に用いる溶剤としては、アセトンメチルエチルケトンなどのケトン、酢酸メチル酢酸エチルなどのエステル、トルエンキシレンなどの芳香族炭化水素、1,4−ジオキサンテトラヒドロフランなどのエーテル、クロロベンゼンクロロホルム四塩化炭素などのハロゲン原子置換された炭化水素などが用いられる。

0080

電荷輸送層用塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を用いることができる。

0081

電荷輸送層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には10〜25μmであることがより好ましい。

0082

また、電荷輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。

0083

感光層が単層型感光層である場合、該単層型感光層は、上記電荷発生物質および上記電荷輸送物質を上記結着樹脂および上記溶剤と共に分散して得られる単層型感光層用塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。

0084

また、感光層上には、該感光層を保護することを目的とした保護層を設けてもよい。保護層は、上述した各種結着樹脂を溶剤に溶解して得られる保護層用塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。

0085

保護層の膜厚は0.5〜10μmであることが好ましく、特には1〜5μmであることが好ましい。

0086

図10に、本発明のプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。

0087

図10において、1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体1の端部には、軸または軸受部を有する端部係合部材(ギアやフランジなど)が係合されており(不図示)、電子写真感光体1および端部係合部材で電子写真感光体ユニットを構成している。

0088

回転駆動される電子写真感光体1の表面は、帯電手段(一次帯電手段:帯電ローラーなど)3により、正または負の所定電位に均一に帯電され、次いで、スリット露光レーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。

0089

電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5の現像剤担持体に担持された現像剤に含まれるトナーにより現像されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段(転写ローラーなど)6からの転写バイアスによって、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送された転写材(紙など)Pに順次転写されていく。

0090

トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物プリントコピー)として装置外プリントアウトされる。

0091

トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化され、さらに前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図10に示すように、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。

0092

上述の電子写真感光体ユニット、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図10では、電子写真感光体ユニットと、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。

0093

本発明の切削方法により周面が切削された円筒状部材は、電子写真感光体の支持体としてだけでなく、帯電ローラー、現像剤担持体(現像ローラー、現像スリーブ)、転写ローラー、定着ローラー送りローラーなどの様々な円筒状電子写真部材の支持体として用いることができる。

0094

また、本発明の切削方法により周面が切削された円筒状部材の外周真円度が高いため、本発明は、端部に端部係合部材が係合した後、端部係合部材の軸や軸受部の芯出し加工を行って得られる電子写真感光体ユニットや現像剤担持体ユニットに特に好適に適用される。

0095

本発明の製造方法により製造された電子写真感光体ユニットや現像剤担持体ユニットは振れ精度が高いため、電子写真装置に装着した場合に外周が振れることなく回転し、また、現像時および転写時において、画像ムラ画像ズレがなく良好な出力画像が得られる。

0096

本発明の製造方法により製造された電子写真感光体(電子写真感光体ユニット)、現像剤担持体(現像剤担持体ユニット)は、特に高い精度が要求されるカラー電子写真装置にも好適に用いられる。

0097

カラー電子写真装置には様々な方式があり、例えば、1つの電子写真感光体で露光・現像を1色ずつ順次行い、各色のトナー像を中間転写体中間転写ドラム中間転写ベルトなど)上に順次一次転写した後、これを転写材上に一括して二次転写することでカラー画像を形成する中間転写方式や、直列に配置された各色用画像形成部(電子写真感光体・露光手段・現像手段・転写手段などを有する)において各色のトナー像をそれぞれ形成し、これらを転写材搬送部材転写材搬送ベルトなど)によって各画像形成部に順次搬送される転写材上に順次転写することでカラー画像を形成するインライン方式や、1つの電子写真感光体で露光・現像を1色ずつ順次行い、各色のトナー像を転写材担持部材転写ドラムなど)に担持された転写材(紙など)上に順次転写することでカラー画像を形成する多重転写方式などが挙げられる。

0098

以下、カラー電子写真装置の一例として、インライン方式のカラー電子写真装置を挙げて説明する。なお、以下の説明において、4色(イエローマゼンタシアンブラック)の例を挙げたが、本発明における「カラー」とは、4色(いわゆるフルカラー)に限定されるものではなく、多色、すなわち2種以上の色である。

0099

図11に、インライン方式のカラー電子写真装置の概略構成の一例を示す。インライン方式の場合、転写手段は主に転写材搬送部材、転写部材から構成される。

0100

図11において、1Y、1M、1C、1Kは円筒状の電子写真感光体(第1色〜第4色用電子写真感光体)であり、それぞれ軸2Y、2M、2C、2Kを中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体1Y、1M、1C、1Kの端部には、それぞれ、軸または軸受部を有する端部係合部材(ギアやフランジなど)が係合されており(不図示)、電子写真感光体1Yおよび端部係合部材で第1色用電子写真感光体ユニットを構成しており、電子写真感光体1Mおよび端部係合部材で第2色用電子写真感光体ユニットを構成しており、電子写真感光体1Cおよび端部係合部材で第3色用電子写真感光体ユニットを構成しており、電子写真感光体1Kおよび端部係合部材で第4色用電子写真感光体ユニットを構成している。

0101

回転駆動される第1色用電子写真感光体1Yの表面は、第1色用帯電手段(第1色用一次帯電手段:帯電ローラーなど)3Yにより、正または負の所定電位に均一に帯電され、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)4Yを受ける。露光光4Yは、目的のカラー画像の第1色成分像(例えばイエロー成分像)に対応した露光光である。こうして第1色用電子写真感光体1Yの表面に、目的のカラー画像の第1色成分像に対応した第1色成分静電潜像(イエロー成分静電潜像)が順次形成されていく。

0102

張架ローラー12によって張架された転写材搬送部材(転写材搬送ベルト)14は、矢印方向に第1色〜第4色用電子写真感光体1Y、1M、1C、1Kとほぼ同じ周速度(例えば第1色〜第4色用電子写真感光体1Y、1M、1C、1Kの周速度に対して97〜103%)で回転駆動される。また、転写材供給手段(不図示)から給送された転写材(紙など)Pは、転写材搬送部材14に静電的に担持(吸着)され、第1色〜第4色用電子写真感光体1Y、1M、1C、1Kと転写材搬送部材との間(当接部)に順次搬送される。

0103

第1色用電子写真感光体1Yの表面に形成された第1色成分静電潜像は、第1色用現像手段5Yの現像剤担持体に担持された現像剤に含まれる第1色トナーにより現像されて第1色トナー像イエロートナー像)となる。次いで、第1色用電子写真感光体1Yの表面に形成担持されている第1色トナー像が、第1色用転写部材(第1色用転写ローラー)6Yからの転写バイアスによって、第1色用電子写真感光体1Yと第1色用転写部材6Yとの間を通過する転写材搬送部材14に担持された転写材Pに順次転写されていく。

0104

第1色トナー像転写後の第1色用電子写真感光体1Yの表面は、第1色用クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7Yによって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化された後、繰り返し第1色トナー像形成に使用される。

0105

第1色用電子写真感光体1Y、第1色用帯電手段3Y、第1色用露光手段、第1色用現像手段5Y、第1色用転写部材6Yをまとめて第1色用画像形成部と称する。

0106

第2色用電子写真感光体1M、第2色用帯電手段3M、第2色用露光手段、第2色用現像手段5M、第2色用転写部材6Mを有する第2色用画像形成部、第3色用電子写真感光体1C、第3色用帯電手段3C、第3色用露光手段、第3色用現像手段5C、第3色用転写部材6Cを有する第3色用画像形成部、第4色用電子写真感光体1K、第4色用帯電手段3K、第4色用露光手段、第4色用現像手段5K、第4色用転写部材6Kを有する第4色用画像形成部の動作は、第1色用画像形成部の動作と同様であり、転写材搬送部材14に担持され、第1色トナー像が転写された転写材Pに、第2色トナー像(マゼンタトナー像)、第3色トナー像(シアントナー像)、第4色トナー像(ブラックトナー像)が順次転写されていく。こうして転写材搬送部材14に担持された転写材Pに目的のカラー画像に対応した合成トナー像が形成される。

0107

合成トナー像が形成された転写材Pは、転写材搬送部材14の表面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることによりカラー画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。

0108

また、第1色〜第4色用クリーニング手段7Y、7M、7C、7Kによる転写残りの現像剤(トナー)除去後の第1色〜第4色用電子写真感光体1Y、1M、1C、1Kの表面を、前露光手段からの前露光光により除電処理してもよいが、図11に示すように、第1色〜第4色用帯電手段3Y、3M、3C、3Kが帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。

0109

なお、図11中、15は転写材搬送部材に転写材を吸着させるための吸着ローラーであり、16は転写材搬送部材から転写材を分離するための分離帯電器である。

0110

また、図11に示される構成のカラー電子写真装置においても、図10に示される構成の電子写真装置と同様、電子写真感光体ユニット、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。

0111

以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。また、実施例中の精度測定公差の定義はJIS−B0021、JIS−B0621による。

0112

(実施例1)
押し出し引き抜き加工により製造された中空パイプ(アルミニウム合金JIS−A3003)を切断して外径60.4mm、内径58.6mm、長さ364mmの円筒状部材(素管)を1000本得た。円筒状部材(素管)の内周真円度および外周真円度は、ともに平均で15μm、最大30μmの正規分布であった。

0113

次に、円筒状部材(素管)の内周を保持して両端部を切削加工により削り、全長を360mm、端面直角度を50μm以下、端面平行度10μm以下に仕上げた。さらに、図7における角度a°が90°となる円筒状部材端部側のテーパー面を形成し、次いで、図7における角度b°が20°となる円筒状部材端部側でない側のテーパー面を形成した。この一連の端部加工は、円筒状部材(素管)を保持したまま連続して行った。

0114

次に、旋盤加工装置(商品名:RL−700、エグロ(株)製)を用いて、上記円筒状部材(素管)の外周面を切削加工した。加工条件としては、円筒状部材保持部材のクランプ面がテーパー形状であり、該クランプ面(テーパー面)を円筒状部材奥側に延長して形成される円錐の頂点の角度、すなわち図7における角度c°が30°であり、円筒状部材(素管)の回転速度が3000rpmであり、円筒状部材(素管)1回転あたりの送りピッチが0.08mm/revである。

0115

まず初めに、R0.2の焼結ダイヤモンドバイトで切り込み量0.2mmとして荒切削を行った。次に、R4の焼結ダイヤモンド製バイトで切り込み量0.03mmとして仕上げ加工を行った。

0116

このようにして得られた円筒状部材を電子写真感光体の支持体として用いた。

0117

得られた円筒状部材は、外径φ59.94mm、長さ360.0mmであった。表面粗さRzは0.54μmであった。表面粗さRzは(株)小坂研究所製表面粗さ計サーフコーダーSE3500を用いて、カットオフを0.8mm、測定長さを8mmとして測定した。

0118

また、(株)ミツトヨ製真円度計RA—662を用いて、得られた円筒状部材の外周面端部より上下7mm部分の真円度、上端より180mm(=中心部)の真円度、端部より10mmより350mmまでの円筒度を測定し、得られた円筒状部材1000本のうち測定値の最も大きかったサンプルの値を表1に示した。

0119

また、外周面端部より上下7mm部分の真円度15μ以下かつ円筒度20μ以下のサンプルを良品とした場合の収率を求め、表1に示した。

0120

次に、SnO2コート処理硫酸バリウム10部、酸化チタン4部、フェノール樹脂6部、メタノール4部、メトキシプロパノール22部を、直径1mmのガラスビームを用いたサンドミル装置で2時間分散して、導電層用塗布液を調製した。

0121

この導電層用塗布液を、支持体上に浸漬塗布し、150℃で30分間熱硬化して、膜厚が13μmの導電層を形成した。

0122

次に、ポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)10部、および、メトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学(株)製)10部を、メタノール300部/n−ブタノール250部の混合溶媒で溶解して、中間層用塗布液を調製した。

0123

この中間層用塗布液を、導電層上に浸漬塗布し、100℃で10分間熱風乾燥して、膜厚が1.0μmの中間層を形成した。

0124

次に、下記式で示される構造を有するアゾ顔料(電荷発生物質)10部、

0125

0126

ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部、および、シクロヘキサノン70部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で8時間分散し、次に、エチルアセテート100部を加えて電荷発生層用塗布液を調製した。

0127

この電荷発生層用塗布液を、中間層上に浸漬塗布し、90℃で10分間乾燥して、膜厚が0.25μmの電荷発生層を形成した。

0128

次に、下記式で示される構造を有するアミン化合物(電荷輸送物質)8部、

0129

0130

下記式で示される構造を有するアミン化合物(電荷輸送物質)4部、

0131

0132

および、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ−200、三菱ガス化学(株)製)10部を、モノクロロベンゼン80部/ジメトキシメタン20部の混合溶媒で溶解して、電荷輸送層用塗布液を調製した。

0133

この電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布し、130℃で1時間乾燥して、膜厚が17μmの電荷輸送層を形成した。

0134

このようにして、電荷輸送層が表面層である円筒状の電子写真感光体を作製した。

0135

次に、成型加工により作製したポリカーボネート(三菱ガス化学(株)製)製の端部係合部材(軸受部を有する)を、上述のとおり作製した電子写真感光体の支持体(円筒状部材)の両端部に装着し、シアノアクリレート系接着剤(商品名:アロンアルファ、東亞合成(株)製)を用いて固定することで、電子写真感光体ユニットとした。

0136

次に、図5に示す構成の加工装置を用いて、端部係合部材の軸受部について、不要部(図12斜線部)を切削により除去し、軸受部の内径が17.0mm(公差:−0/+30μm以内)、フランジ部よりの張り出た軸受部の長さ33mm(公差:−0/+0.1m以内)となるように加工した(図12参照)。なお、支持ローラーはそれぞれ支持体(円筒状部材)の端部から7mmの位置に当接した。

0137

このようにして加工した電子写真感光体ユニットの精度を、真円度計で測定した結果、軸受部の内径が17.008mm、フランジ部よりの張り出た軸受部の長さ33.05mmであった。

0138

両端部計2つの軸受部の内径にぴったり嵌まるように作製した貫通軸を作製し、これを加工後の電子写真感光体ユニットに貫通させて、この電子写真感光体ユニットを固定し、レーザー振れ測定機を用いて精度測定した。用いたレーザー振れ測定機は、真直度3μm以下の基準ゲージと円筒状部材外周面との距離を分解能1μmで測定するレーザー測長機((株)シンコウ製)であり、電子写真感光体ユニットを母線方向に10点、周方向に10点計100点の電子写真感光体ユニットの表面変位を測定し、データ処理により振れ精度を算出するものである。

0139

作製した計1000本の電子写真感光体ユニットを、円筒状部材の両端部より10mm部分を除いた340mm部分の外周面振れ円筒振れ回り精度を測定し、1000本の電子写真感光体ユニットのうち、測定値の最も大きかったサンプルの値を表1に示す。測定値が40μm以下のものを良品とした場合の収率を表1に示す。

0140

また、このようにして作製した電子写真感光体ユニットを、インライン方式のカラー複写機(商品名:カラーレーザーコピア5000、キヤノン(株)製)に装着して画像を出力し、色ズレ、ハーフトーン画像ムラの評価を行った。ハーフトーン画像は有効線1本と白線2本分が交互に連続しているものであり、縦方向、横方向にそれぞれ走査したものを使用した。

0141

出力画像を評価したところ、色ズレやハーフトーン画像ムラは生じていなかった。

0142

(実施例2〜9)
実施例1において、テーパー面に関して表1に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体、電子写真感光体ユニットを作製し、評価した。評価結果を表1に示す。実施例1と同様にして出力画像を評価したところ、色ズレやハーフトーン画像ムラは生じていなかった。

0143

(実施例10)
実施例1において、テーパー面を図9に示す曲面に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体、電子写真感光体ユニットを作製し、評価した。評価結果を表1に示す。実施例1と同様にして出力画像を評価したところ、色ズレやハーフトーン画像ムラは生じていなかった。

0144

(比較例1)
実施例1において、円筒状部材を保持する方法として上述の特開2002−169421号公報(特許文献1)に記載の方法を採用した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体、電子写真感光体ユニットを作製し、評価した。評価結果を表1に示す。実施例1と同様にして出力画像を評価したところ、2割の電子写真感光体ユニットでは画像ムラが発生した。

0145

(比較例2)
実施例1において、円筒状部材を保持する方法として上述の特開平11−160901号公報(特許文献2)に記載の方法を採用した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体、電子写真感光体ユニットを作製し、評価した。評価結果を表1に示す。実施例1と同様にして出力画像を評価したところ、1割5分の電子写真感光体ユニットでは画像ムラが発生した。

0146

(比較例3)
実施例1において、円筒状部材を保持する方法として上述の特開平09−066401号公報(特許文献3)に記載の方法を採用した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体、電子写真感光体ユニットを作製し、評価した。評価結果を表1に示す。実施例1と同様にして出力画像を評価したところ、1割2分の電子写真感光体ユニットでは画像ムラが発生した。

0147

図面の簡単な説明

0148

従来の円筒状部材を保持する方法を説明する図である。
スプリングバック現象を説明する図である。
従来の円筒状部材を保持する方法を説明する図である。
電子写真感光体および端部係合部材を示す図である。
端部係合部材の軸部を加工して芯出しを行う方法を説明する図である。
円筒状部材保持部材により円筒状部材を保持する様子を示す模式図である。
円筒状部材保持部材により円筒状部材を保持する様子を示す模式図である。
円筒状部材の周面を切削する様子を示す模式図(側面図)である。
円筒状部材保持部材により円筒状部材を保持する様子を示す模式図である。
プロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
インライン方式のカラー電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
端部係合部材の軸受部について不要部を切削により除去した図である。

符号の説明

0149

101円筒状部材
102端部加工面
103円筒状治具
104円筒状部材保持部材
1041 円筒状治具
105クランプ面
201切削部材
301 円筒状部材
303テーパー面
304 円筒状部材保持部材
305 クランプ面
401電子写真感光体ユニット
401’電子写真感光体
401”支持体
4011外周基準中心軸
402端部係合部材
403 軸部
4031 中心軸
501 切削部材
502a支持ローラー
502b 支持ローラー
503a 支持ローラー
503b 支持ローラー
504a 支持ローラー
504b 支持ローラー
601 円筒状部材
o1 中心軸
6031 テーパー面
6032 テーパー面
6033円形稜線部
604 円筒状部材保持部材
605 クランプ面
9033 線
9031曲面
1 電子写真感光体
2 軸
3帯電手段
4露光光
5現像手段
6転写手段
7クリーニング手段
8定着手段
9プロセスカートリッジ
10 案内手段
1Y 電子写真感光体
1M 電子写真感光体
1C 電子写真感光体
1K 電子写真感光体
2Y 軸
2M 軸
2C 軸
2K 軸
3Y 帯電手段
3M 帯電手段
3C 帯電手段
3K 帯電手段
4Y 露光光
4M 露光光
4C 露光光
4K 露光光
5Y 現像手段
5M 現像手段
5C 現像手段
5K 現像手段
6Y転写部材
6M 転写部材
6C 転写部材
6K 転写部材
7Y クリーニング手段
7M クリーニング手段
7C クリーニング手段
7K クリーニング手段
12張架ローラー
14転写材搬送部材
15吸着ローラー
16 分離帯電器

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