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技術 光学式情報記録媒体の記録方法、記録装置及び光学式情報記録媒体

出願人 松下電器産業株式会社
発明者 秋山哲也宮川直康
出願日 2004年11月25日 (14年7ヶ月経過) 出願番号 2004-340287
公開日 2005年7月7日 (14年0ヶ月経過) 公開番号 2005-182984
状態 未査定
技術分野 光学的記録再生1 光学的記録再生4(ヘッド自体) 光ヘッド
主要キーワード 最小値近傍 情報記録状態 最大値近傍 レーザ光照射側 信号品質判定 反射光測定 格納回路 反射光レベル
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

複数の記録層をもつ光学式情報記録媒体に対し、記録層のレーザ光透過率情報記録の有無によって異なる場合であっても、各記録層情報記録状態に関わらず、正しいパルス条件を求めてデータを正しく記録することを可能にする。

解決手段

本発明は、暫定パルス条件導出テップ(S502)と、テスト領域反射光測定ステップ(S502)と、最終パルス条件導出ステップ(S503〜S506)と、記録実行ステップ(S506)とを備える。暫定パルス条件導出ステップは、テスト記録層においてテスト記録を行い、暫定パルス条件を導出する。テスト領域反射光測定ステップは、テスト領域反射光レベルを測定する。最終パルス条件導出ステップは、テスト領域反射光レベルに基づいて暫定パルス条件を補正し、最終パルス条件を導出する。記録実行ステップは、最終パルス条件でデータを記録する

概要

背景

大容量で高密度メモリーとして光学式情報記録媒体がある。その内、情報の書換えが可能な消去型光式情報記録媒体の一つとして、基板上にアモルファス状態結晶状態の間で相変化する薄膜記録層として有し、レーザー光照射による熱エネルギーによって情報の記録及び消去を行うものがある。

この記録層用相変化材料としては、Ge、Sb、Te、In等を主成分とする合金膜、例えばGeSbTe合金が知られている。情報の記録は記録層を部分的にアモルファス化して記録マークを形成して行う。情報の消去は、この記録マークを結晶化することによって行う。アモルファス化は記録層を融点以上に加熱した後に急激に冷却することによって行われる。一方、結晶化は記録層を結晶化温度以上、融点以下の温度に加熱することによって行われる。

また、基板上には記録再生時にレーザー光をトラッキングするスパイラル状もしくは同心円状の案内溝グルーブ)を予め設けておくのが一般的である。グルーブとグルーブの間の領域はランドと呼ばれ、グルーブもしくはランドのどちらか一方のみを情報を記録する情報トラックとし、他方は、隣合う情報トラックを分離するためのガードバンドとなっている場合が多い。記録可能型CD(CD−R)やミニディスク(MD)でもこの方法が用いられている。

媒体への情報の記録方式としては、異なる長さのマークを種々のスペースを設けて形成することによって、マークの長さ及びスペースの長さ(つまり、マークの前端及び後端エッジ位置)が情報を担うようにしたマーク長記録方式がある。
このマーク長記録方式では、記録時に、レーザーパルスの強度や発生タイミングなどのパルス条件不適切であれば、マーク前部で発生した熱が後部での昇温を助長して前部が細く後部が太い歪んだマーク形状となったり、マーク形成時に発生する熱が隣接するマークの形成に影響を与え、マークのエッジ位置が変動する等して、信号品質が低下する。

最適なパルス条件は、媒体及び記録再生装置の特性に大きく依存する。従って、記録時に、記録再生装置に媒体を装着し、起動する際に、その都度、最適なパルス条件を求める学習動作が必要となる。この学習動作とは、パルス条件を変化させながらテスト記録を行い、再生した信号の品質を測定した結果をお互いに比較することによって、最適なパルス条件を求めるものである。

従来の光学式情報記録媒体の一例を図6に示す。図6において、光学式情報記録媒体61は、中央に記録再生装置に装着するための中心孔62を備えたポリカーボネートからなる厚さ1.1mmの透明基板上に記録層を設け、厚さ0.1mmの保護層を設けた構造である。光学式情報記録媒体61には、保護層を通してレーザー光が照射され、情報の記録再生が行われる。基板には、記録再生時にレーザー光をトラッキングするトラック66が設けられている。また、光学式情報記録媒体61は、エンボスピット等によって媒体の識別情報等を記録した再生専用リードイン領域63、最適なパルス条件を求める学習動作を行うためのテスト記録領域64、ユーザーデータを記録する情報記録領域65を有している。

一方、最近では、各種情報機器処理能力の向上に伴い、扱われる情報量が大きくなっている。そのために、より大容量かつ高速な記録再生が可能な記録媒体が求められている。この大容量化の手段として、複数の記録層を備え、片側の面からそれぞれの記録層に情報を記録再生することのできる多層記録媒体が提案されている。このような多層記録媒体では、記録時の最適なレーザーパルスの強度などの記録再生特性記録層毎に異なる。したがって、従来の記録再生装置は、各記録層毎に前記学習動作を行っている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−3550号公報

概要

複数の記録層をもつ光学式情報記録媒体に対し、記録層のレーザ光透過率情報記録の有無によって異なる場合であっても、各記録層情報記録状態に関わらず、正しいパルス条件を求めてデータを正しく記録することを可能にする。本発明は、暫定パルス条件導出テップ(S502)と、テスト領域反射光測定ステップ(S502)と、最終パルス条件導出ステップ(S503〜S506)と、記録実行ステップ(S506)とを備える。暫定パルス条件導出ステップは、テスト記録層においてテスト記録を行い、暫定パルス条件を導出する。テスト領域反射光測定ステップは、テスト領域反射光レベルを測定する。最終パルス条件導出ステップは、テスト領域反射光レベルに基づいて暫定パルス条件を補正し、最終パルス条件を導出する。記録実行ステップは、最終パルス条件でデータを記録する

目的

本発明は、上記従来の課題を解決するもので、各記録層における情報の記録状態に関わらず、学習動作によって正しいパルス条件を求めることが出来ると共に、ユーザーデータを正しく記録することが出来る記録方法および記録装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

一方の面からレーザー光照射することによってデータの記録、再生もしくは消去を行う複数の記録層を有する光学式情報記録媒体記録方法であって、前記複数の記録層のうち、少なくとも1つの記録層であるテスト記録層においてテスト記録を行い、レーザー光の強度を含む暫定パルス条件導出する暫定パルス条件導出ステップと、前記テスト記録する領域におけるレーザー光の反射光レベルであるテスト領域反射光レベルを測定するテスト領域反射光測定ステップと、測定された前記テスト領域反射光レベルに基づいて前記暫定パルス条件を補正し、最終パルス条件を導出する最終パルス条件導出ステップと、前記最終パルス条件でデータを記録する記録実行ステップと、を備える記録方法。

請求項2

前記テスト領域反射光測定ステップは、前記テスト記録を行った領域における未記録部、マーク間部または情報消去部のいずれかの反射光レベルを測定する、請求項1に記載の記録方法。

請求項3

前記テスト記録層におけるレーザー光の反射光レベルを測定するステップであって、前記テスト記録層よりも前記レーザー光入射側の記録層においてデータが記録されていない半径位置における反射光レベルである基準反射光レベルを測定する基準反射光レベル測定ステップ、をさらに備え、前記最終パルス条件導出ステップは、前記基準反射光レベルと前記テスト領域反射光レベルとに基づいて前記暫定パルス条件を補正し、前記最終パルス条件を導出する、請求項1または2に記載の記録方法。

請求項4

前記レーザー光入射側の記録層が記録状態にある場合と未記録状態にある場合とにおける前記レーザー光の透過率の違いを表す補正係数を取得する補正係数取得ステップ、をさらに備え、前記最終パルス条件導出ステップは、前記補正係数と前記基準反射光レベルと前記テスト領域反射光レベルとに基づいて前記暫定パルス条件を補正し、前記最終パルス条件を導出する、請求項3に記載の記録方法。

請求項5

前記補正係数取得ステップは、前記光学式情報記録媒体の特定の場所に予め記録された前記補正係数を読み出すことにより前記補正係数を取得する、請求項4に記載の記録方法。

請求項6

前記最終パルス条件導出ステップは、前記基準反射光レベルと前記テスト領域反射光レベルとに基づいて前記暫定パルス条件を補正し、前記レーザ光入射側の記録層が未記録状態にある場合に好適なレーザー光の強度を含む実効パルス条件を導出する実効パルス条件導出ステップと、前記補正係数に基づいて前記実効パルス条件を補正し、前記最終パルス条件を導出する実効パルス条件補正ステップと、から構成されている、請求項4または5に記載の記録方法。

請求項7

既にデータが記録された記録済記録層を特定する記録済記録層情報を前記光学式情報記録媒体から読み出す記録済記録層情報取得ステップ、をさらに備え、前記補正係数取得ステップは、前記光学式情報記録媒体が有する前記複数の記録層のいずれかを特定する目標記録層情報と前記目標記録層情報が示す記録層よりもレーザー光入射側のいずれかの記録層を特定する記録層特定情報とに関連づけられた前記補正係数を前記光学式情報記録媒体から読み出すステップであって、データの記録を行う記録層と一致する目標記録層情報と前記記録済記録層情報と一致する記録層特定情報とに関連づけられた前記補正係数を取得する、請求項4〜6のいずれかに記載の記録方法。

請求項8

前記記録済記録層情報は、前記記録済記録層における記録済領域の位置を示す記録済アドレス情報をさらに含む、請求項7に記載の記録方法。

請求項9

前記補正係数取得ステップは、前記光学式情報記録媒体から読み出した前記記録済アドレス情報から、前記記録済記録層の前記記録済領域の位置を判断し、前記記録済領域の位置とデータの記録を行う位置とに基づいて前記補正係数を選択する、請求項8に記載の記録方法。

請求項10

データを記録する情報記録領域におけるレーザー光の反射光レベルであるユーザー領域反射光レベルを測定するユーザー領域反射光測定ステップ、をさらに備え、前記最終パルス条件導出ステップは、前記ユーザー領域反射光レベルと前記基準反射光レベルと前記テスト領域反射光レベルとに基づいて前記暫定パルス条件を補正し、前記最終パルス条件を導出する、請求項3に記載の記録方法。

請求項11

前記最終パルス条件導出ステップは、前記基準反射光レベルと前記テスト領域反射光レベルとに基づいて前記暫定パルス条件を補正し、前記レーザ光入射側の記録層が未記録状態にある場合に好適なレーザー光の強度を含む実効パルス条件を導出する実効パルス条件導出ステップと、前記ユーザ領域反射光レベルと前記基準反射光レベルとに基づいて前記実効パルス条件を補正し、前記最終パルス条件を導出する実効パルス条件補正ステップと、から構成されている、請求項10に記載の記録方法。

請求項12

前記ユーザー領域反射光測定ステップは、前記ユーザー領域反射光レベルの測定をデータ記録中に所定の時間ごとまたは前記光学式情報記録媒体の所定の半径位置ごとに行う、請求項10または11に記載の記録方法。

請求項13

前記暫定パルス条件導出ステップは、前記テスト記録層において、レーザー光の強度を変えながらテスト記録を行い、前記テスト記録した信号を再生し、前記再生した信号の振幅変調度ジッター値または誤り率のいずれかを測定して、前記再生した信号の品質を評価する信号品質評価ステップと、前記テスト記録層よりもレーザ光入射側の記録層にデータが記録された場合に前記レーザ光入射側の記録層のレーザー光の透過率が低下する媒体に対しては、レーザー光の強度を、前記再生した信号の品質が予め定められた基準を満足する最大値近傍に設定し、透過率が増大する媒体に対しては、レーザー光の強度を、前記再生した信号の品質が予め定められた基準を満足する最小値近傍に設定する暫定パルス条件設定ステップと、から構成されている、請求項3に記載の記録方法。

請求項14

記録層にデータを記録することによって、前記レーザー光の透過率が低下するか増大するかを示す透過率変化情報を前記光学式情報記録媒体から読み出す透過率変化情報取得ステップ、をさらに備え、前記暫定パルス条件設定ステップは、前記透過率変化情報を取得し透過率変化の傾向を判断する、請求項13に記載の記録方法。

請求項15

一方の面からレーザー光を照射することによってデータの記録、再生もしくは消去を行う複数の記録層を有する光学式情報記録媒体の記録方法であって、少なくとも1つの記録層にデータを記録する場合のレーザー光強度の上限値を表す情報または前記上限値を算出するための情報であるレーザー光強度情報を前記光学式情報記録媒体から読み出すレーザー光強度情報取得ステップと、前記レーザー光強度情報から取得される前記上限値よりも小さいレーザー光強度の範囲でテスト記録を行うテスト記録ステップと、前記テスト記録に基づいて決定されるパルス条件でデータを記録する記録実行ステップと、を備える記録方法。

請求項16

一方の面からレーザー光を照射することによってデータの記録、再生もしくは消去を行う複数の記録層を有する光学式情報記録媒体の記録装置であって、前記複数の記録層のうち、少なくとも1つの記録層であるテスト記録層においてテスト記録を行い、レーザー光の強度を含む暫定パルス条件を導出するテスト記録手段と、記録層からのレーザ光の反射光レベルを測定する反射光レベル測定手段と、前記反射光レベル測定手段により測定された前記テスト記録する領域におけるレーザー光の反射光レベルであるテスト領域反射光レベルと、前記反射光レベル測定手段により測定された前記テスト記録層よりも前記レーザー光入射側の記録層においてデータが記録されていない半径位置における反射光レベルである基準反射光レベルとに基づいて、前記テスト記録手段により導出された前記暫定パルス条件を補正し、データの記録に用いられる最終パルス条件を導出する最終パルス条件導出手段と、を備える記録装置。

請求項17

記録層が記録状態の場合と未記録状態の場合でのレーザー光の透過率の違いを表す補正係数を取得する補正係数取得手段、をさらに備え、前記最終パルス条件導出手段は、前記補正係数をさらに用いて前記暫定パルス条件を補正し、前記最終パルス条件を導出する、請求項16に記載の記録装置。

請求項18

既にデータが記録された記録済記録層を特定する記録済記録層情報を取得する記録済記録層取得手段、をさらに備え、前記最終パルス条件導出手段は、前記記録済記録層情報をさらに用いて前記暫定パルス条件を補正し、前記最終パルス条件を導出する、請求項17に記載の記録装置。

請求項19

前記補正係数取得手段は、前記光学式情報記録媒体が有する前記複数の記録層のいずれかを特定する目標記録層情報と前記目標記録層情報が示す記録層よりもレーザー光入射側のいずれかの記録層を特定する記録層特定情報とに関連づけられた前記補正係数を前記光学式情報記録媒体から読み出す手段であって、データの記録を行う記録層と一致する目標記録層情報と前記記録済記録層情報と一致する記録層特定情報とに関連づけられた前記補正係数を取得する、請求項17または18に記載の記録装置。

請求項20

前記記録済記録層情報は、前記記録済記録層における記録済領域の位置を示す記録済アドレス情報をさらに含む、請求項18に記載の記録装置。

請求項21

前記補正係数取得手段は、前記光学式情報記録媒体から読み出した前記記録済アドレス情報から、前記記録済記録層の前記記録済領域の位置を判断し、前記記録済領域の位置とデータの記録を行う位置とに基づいて前記補正係数を選択する、請求項20に記載の記録装置。

請求項22

前記テスト記録手段は、再生した信号の振幅、変調度、ジッター値または誤り率のいずれかを測定して、前記信号の品質を評価する信号品質評価手段を含む、請求項16〜21のいずれかに記載の記録装置。

請求項23

前記最終パルス条件は、レーザー光の強度、パルス長さおよび発生タイミングを含み、記録するマークの長さおよび・または間隔に適応して設定される、請求項16〜22のいずれかに記載の記録装置。

請求項24

前記テスト記録手段は、前記テスト記録層において、レーザー光の強度を変えながらテスト記録を行い、前記テスト記録した信号を再生し、前記再生した信号の品質を評価する信号品質評価手段と、前記テスト記録層よりもレーザ光入射側の記録層にデータが記録された場合に前記レーザ光入射側の記録層のレーザー光の透過率が低下する媒体に対しては、レーザー光の強度を、前記再生した信号の品質が予め定められた基準を満足する最大値近傍に設定し、透過率が増大する媒体に対しては、レーザー光の強度を、前記再生した信号の品質が予め定められた基準を満足する最小値近傍に設定する暫定パルス条件設定手段と、を含む、請求項16に記載の記録装置。

請求項25

前記信号品質評価手段は、前記再生した信号の振幅、変調度、ジッター値または誤り率のいずれかを測定して、前記信号の品質を評価する、請求項24に記載の記録装置。

請求項26

前記最終パルス条件は、レーザー光の強度、パルス長さおよび発生タイミングを含み、記録するマークの長さおよび・または間隔に適応して設定される、請求項24または25に記載の記録装置。

請求項27

記録層にデータを記録することによって、前記レーザー光の透過率が低下するか増大するかを示す透過率変化情報を前記光学式情報記録媒体から読み出す透過率変化情報取得手段、をさらに備え、前記暫定パルス条件設定手段は、前記透過率変化情報を取得し透過率変化の傾向を判断する、請求項24に記載の記録装置。

請求項28

一方の面からレーザー光を照射することによってデータの記録、再生もしくは消去を行う複数の記録層を有する光学式情報記録媒体であって、記録層が記録状態にある場合と未記録状態にある場合とにおける前記レーザー光の透過率の違いを表す補正係数を格納する、光学式情報記録媒体。

請求項29

前記補正係数は、リードイン領域に格納されている、請求項28に記載の光学式情報記録媒体。

請求項30

前記補正係数は、前記光学式情報記録媒体が有する前記複数の記録層のいずれかを特定する目標記録層情報と前記目標記録層情報が示す記録層よりもレーザー光入射側のいずれかの記録層を特定する記録層特定情報とに関連づけられて格納されている、請求項28または29に記載の光学式情報記録媒体。

請求項31

既にデータが記録された記録済記録層を特定する記録済記録層情報をさらに格納する、請求項28〜30のいずれかに記載の光学式情報記録媒体。

請求項32

前記記録済記録層情報は、前記記録済記録層における記録済領域の位置を示す記録済アドレス情報を含む、請求項31に記載の光学式情報記録媒体。

請求項33

一方の面からレーザー光を照射することによってデータの記録、再生もしくは消去を行う複数の記録層を有する光学式情報記録媒体であって、記録層にデータを記録することによって、前記レーザー光の透過率が低下するか増大するかを示す透過率変化情報を格納する、光学式情報記録媒体。

請求項34

一方の面からレーザー光を照射することによってデータの記録、再生もしくは消去を行う複数の記録層を有する光学式情報記録媒体であって、少なくとも1つの記録層にデータを記録する場合のレーザー光強度の上限値を表す情報または前記上限値を算出するための情報であるレーザー光強度情報を格納する、光学式情報記録媒体。

技術分野

0001

本発明は、レーザー光等の照射により情報の記録再生を行う複数の記録層を備えた光学式情報記録媒体記録方法記録装置及び光学式情報記録媒体に関するものである。

背景技術

0002

大容量で高密度メモリーとして光学式情報記録媒体がある。その内、情報の書換えが可能な消去型光式情報記録媒体の一つとして、基板上にアモルファス状態結晶状態の間で相変化する薄膜を記録層として有し、レーザー光の照射による熱エネルギーによって情報の記録及び消去を行うものがある。

0003

この記録層用相変化材料としては、Ge、Sb、Te、In等を主成分とする合金膜、例えばGeSbTe合金が知られている。情報の記録は記録層を部分的にアモルファス化して記録マークを形成して行う。情報の消去は、この記録マークを結晶化することによって行う。アモルファス化は記録層を融点以上に加熱した後に急激に冷却することによって行われる。一方、結晶化は記録層を結晶化温度以上、融点以下の温度に加熱することによって行われる。

0004

また、基板上には記録再生時にレーザー光をトラッキングするスパイラル状もしくは同心円状の案内溝グルーブ)を予め設けておくのが一般的である。グルーブとグルーブの間の領域はランドと呼ばれ、グルーブもしくはランドのどちらか一方のみを情報を記録する情報トラックとし、他方は、隣合う情報トラックを分離するためのガードバンドとなっている場合が多い。記録可能型CD(CD−R)やミニディスク(MD)でもこの方法が用いられている。

0005

媒体への情報の記録方式としては、異なる長さのマークを種々のスペースを設けて形成することによって、マークの長さ及びスペースの長さ(つまり、マークの前端及び後端エッジ位置)が情報を担うようにしたマーク長記録方式がある。
このマーク長記録方式では、記録時に、レーザーパルスの強度や発生タイミングなどのパルス条件不適切であれば、マーク前部で発生した熱が後部での昇温を助長して前部が細く後部が太い歪んだマーク形状となったり、マーク形成時に発生する熱が隣接するマークの形成に影響を与え、マークのエッジ位置が変動する等して、信号品質が低下する。

0006

最適なパルス条件は、媒体及び記録再生装置の特性に大きく依存する。従って、記録時に、記録再生装置に媒体を装着し、起動する際に、その都度、最適なパルス条件を求める学習動作が必要となる。この学習動作とは、パルス条件を変化させながらテスト記録を行い、再生した信号の品質を測定した結果をお互いに比較することによって、最適なパルス条件を求めるものである。

0007

従来の光学式情報記録媒体の一例を図6に示す。図6において、光学式情報記録媒体61は、中央に記録再生装置に装着するための中心孔62を備えたポリカーボネートからなる厚さ1.1mmの透明基板上に記録層を設け、厚さ0.1mmの保護層を設けた構造である。光学式情報記録媒体61には、保護層を通してレーザー光が照射され、情報の記録再生が行われる。基板には、記録再生時にレーザー光をトラッキングするトラック66が設けられている。また、光学式情報記録媒体61は、エンボスピット等によって媒体の識別情報等を記録した再生専用リードイン領域63、最適なパルス条件を求める学習動作を行うためのテスト記録領域64、ユーザーデータを記録する情報記録領域65を有している。

0008

一方、最近では、各種情報機器処理能力の向上に伴い、扱われる情報量が大きくなっている。そのために、より大容量かつ高速な記録再生が可能な記録媒体が求められている。この大容量化の手段として、複数の記録層を備え、片側の面からそれぞれの記録層に情報を記録再生することのできる多層記録媒体が提案されている。このような多層記録媒体では、記録時の最適なレーザーパルスの強度などの記録再生特性記録層毎に異なる。したがって、従来の記録再生装置は、各記録層毎に前記学習動作を行っている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−3550号公報

発明が解決しようとする課題

0009

このような多層記録媒体では、レーザー光照射側から見て最も手前の記録層以外の記録層への記録再生は、レーザ光照射側の記録層を透過したレーザー光によって行われる。ところが、記録層の材料によっては、アモルファス状態と結晶状態での光の透過率が異なるため、各記録層におけるレーザー光の透過率は、情報記録の有無によって異なる。

0010

したがって、実際に情報の記録再生を行う記録層に到達するレーザー光の強度は、手前の記録層の記録状態によって異なるので、従来の方法による学習動作によって求めたパルス条件で記録した場合に、正しくユーザーデータが記録できないという課題がある。
また、学習動作においても、テスト記録を行う際に実際に学習動作を行う記録層に到達するレーザー光の強度は、手前の記録層の記録状態によって異なるため、正しいパルス条件が得られないという課題がある。

0011

本発明は、上記従来の課題を解決するもので、各記録層における情報の記録状態に関わらず、学習動作によって正しいパルス条件を求めることが出来ると共に、ユーザーデータを正しく記録することが出来る記録方法および記録装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

請求項1に記載の記録方法は、一方の面からレーザー光を照射することによってデータの記録、再生もしくは消去を行う複数の記録層を有する光学式情報記録媒体の記録方法であって、暫定パルス条件導出テップと、テスト領域反射光測定ステップと、最終パルス条件導出ステップと、記録実行ステップとを備えている。暫定パルス条件導出ステップは、複数の記録層のうち、少なくとも1つの記録層であるテスト記録層においてテスト記録を行い、レーザー光の強度を含む暫定パルス条件を導出する。テスト領域反射光測定ステップは、テスト記録する領域におけるレーザー光の反射光レベルであるテスト領域反射光レベルを測定する。最終パルス条件導出ステップは、測定されたテスト領域反射光レベルに基づいて暫定パルス条件を補正し、最終パルス条件を導出する。記録実行ステップは、最終パルス条件でデータを記録する。

0013

本発明の記録方法では、テスト記録により導出された暫定パルス条件をテスト領域反射光レベルに基づいて補正し、最終パルス条件を導出する。テスト領域反射光レベルに基づいた補正では、例えば、各記録層における情報の記録状態を補償するように補正が行われる。これにより、各記録層における情報の記録状態に関わらず、学習動作によって正しいパルス条件を求めることが出来ると共に、ユーザーデータを正しく記録することが可能となる。

0014

請求項2に記載の記録方法は、請求項1に記載の記録方法であって、テスト領域反射光測定ステップは、テスト記録を行った領域における未記録部、マーク間部または情報消去部のいずれかの反射光レベルを測定する。
本願出願人の調査により、未記録部、マーク間部または情報消去部では、それぞれほぼ同様の高い反射光レベルの信号が得られることが判明している。

0015

請求項3に記載の記録方法は、請求項1または2に記載の記録方法であって、テスト記録層におけるレーザー光の反射光レベルを測定するステップであって、テスト記録層よりもレーザー光入射側の記録層においてデータが記録されていない半径位置における反射光レベルである基準反射光レベルを測定する基準反射光レベル測定ステップをさらに備えている。最終パルス条件導出ステップは、基準反射光レベルとテスト領域反射光レベルとに基づいて暫定パルス条件を補正し、最終パルス条件を導出する。

0016

本発明の記録方法では、基準反射光レベルとテスト領域反射光レベルとに基づいて、暫定パルス条件を補正する。このため、レーザー光入射側の記録層の記録状態が暫定パルス条件に対して与える影響を補償することが可能となる。
請求項4に記載の記録方法は、請求項3に記載の記録方法であって、レーザー光入射側の記録層が記録状態にある場合と未記録状態にある場合とにおけるレーザー光の透過率の違いを表す補正係数を取得する補正係数取得ステップをさらに備えている。最終パルス条件導出ステップは、補正係数と基準反射光レベルとテスト領域反射光レベルとに基づいて暫定パルス条件を補正し、最終パルス条件を導出する。

0017

本発明の記録方法では、さらに補正係数を用いてパルス条件を補正する。このため、記録時におけるレーザー光入射側の記録層の記録状態の影響を補償することが可能となる。
請求項5に記載の記録方法は、請求項4に記載の記録方法であって、補正係数取得ステップは、光学式情報記録媒体の特定の場所に予め記録された補正係数を読み出すことにより補正係数を取得する。

0018

本発明の記録方法では、補正係数は、光学式情報記録媒体の特定の場所に予め記録されている。このため、光学式情報記録媒体の特性に応じて適切な補正係数を用いてパルス条件を導出することが可能となる。
請求項6に記載の記録方法は、請求項4または5に記載の記録方法であって、最終パルス条件導出ステップは、実効パルス条件導出ステップと、実効パルス条件補正ステップとから構成されている。実効パルス条件導出ステップは、基準反射光レベルとテスト領域反射光レベルとに基づいて暫定パルス条件を補正し、レーザ光入射側の記録層が未記録状態にある場合に好適なレーザー光の強度を含む実効パルス条件を導出する。実効パルス条件補正ステップは、補正係数に基づいて実効パルス条件を補正し、最終パルス条件を導出する。

0019

本発明の記録方法では、レーザー光入射側の記録層の記録状態が暫定パルス条件に対して与える影響を補償した実効パルス条件を導出することが可能となる。さらに、光学式情報記録媒体の特性に応じて適切な補正係数を用いて実効パルス条件を補正し最終パルス条件を導出することが可能となる。

0020

請求項7に記載の記録方法は、請求項4〜6のいずれかに記載の記録方法であって、既にデータが記録された記録済記録層を特定する記録済記録層情報を光学式情報記録媒体から読み出す記録済記録層情報取得ステップをさらに備えている。補正係数取得ステップは、光学式情報記録媒体が有する複数の記録層のいずれかを特定する目標記録層情報と目標記録層情報が示す記録層よりもレーザー光入射側のいずれかの記録層を特定する記録層特定情報とに関連づけられた補正係数を光学式情報記録媒体から読み出すステップであって、データの記録を行う記録層と一致する目標記録層情報と記録済記録層情報と一致する記録層特定情報とに関連づけられた補正係数を取得する。

0021

本発明の記録方法では、ユーザーデータを記録しようとする記録層よりもレーザー光照射側の記録層のうち何層の記録層が記録済であるかを判定する。さらに、その記録状態に適した補正係数を選択する。このため、より最適なパルス条件を求めることができ、より確実なユーザーデータの記録が可能となる。

0022

請求項8に記載の記録方法は、請求項7に記載の記録方法であって、記録済記録層情報は、記録済記録層における記録済領域の位置を示す記録済アドレス情報をさらに含む。
ここで、記録済アドレス情報とは、既に記録済の領域の位置を示すアドレスであってもよいし、記録が記録層上で連続して行われる場合(任意の記録層においてユーザーデータを記録することのできる未使用領域が無くなった場合に、別の記録層に継続して記録するような場合)には、既にユーザーデータを記録した最終位置を特定するアドレスであってもよい。

0023

本発明の記録方法では、新たにユーザーデータを記録する前に記録済アドレス情報を読み出し、記録済領域の位置と、ユーザーデータを記録しようとする位置に基づいて、補正係数を選択することが可能となる。
請求項9に記載の記録方法は、請求項8に記載の記録方法であって、補正係数取得ステップは、光学式情報記録媒体から読み出した記録済アドレス情報から、記録済記録層の記録済領域の位置を判断し、記録済領域の位置とデータの記録を行う位置とに基づいて補正係数を選択する。

0024

請求項10に記載の記録方法は、請求項3に記載の記録方法であって、データを記録する情報記録領域におけるレーザー光の反射光レベルであるユーザー領域反射光レベルを測定するユーザー領域反射光測定ステップをさらに備えている。最終パルス条件導出ステップは、ユーザー領域反射光レベルと基準反射光レベルとテスト領域反射光レベルとに基づいて暫定パルス条件を補正し、最終パルス条件を導出する。

0025

本発明の記録方法では、テスト領域反射光レベルと基準反射光レベルとを用いて補正を行う。このため、例えば、レーザー光入射側の記録層の記録状態が暫定パルス条件に対して与える影響を補償することが可能となる。さらに、ユーザ領域反射光レベルと基準反射光レベルとを用いて補正を行う。このため、例えば、記録時におけるレーザー光入射側の記録層の記録状態の影響を補償することが可能となる。

0026

請求項11に記載の記録方法は、請求項10に記載の記録方法であって、最終パルス条件導出ステップは、実効パルス条件導出ステップと、実効パルス条件補正ステップとから構成されている。実効パルス条件導出ステップは、基準反射光レベルとテスト領域反射光レベルとに基づいて暫定パルス条件を補正し、レーザ光入射側の記録層が未記録状態にある場合に好適なレーザー光の強度を含む実効パルス条件を導出する。実効パルス条件補正ステップは、ユーザ領域反射光レベルと基準反射光レベルとに基づいて実効パルス条件を補正し、最終パルス条件を導出する。

0027

本発明の記録方法では、レーザー光入射側の記録層の記録状態が暫定パルス条件に対して与える影響を補償した実効パルス条件を導出することが可能となる。さらに、記録時におけるレーザー光入射側の記録層の記録状態の影響を補償するように実効パルス条件を補正し最終パルス条件を導出することが可能となる。

0028

請求項12に記載の記録方法は、請求項10または11に記載の記録方法であって、ユーザー領域反射光測定ステップは、ユーザー領域反射光レベルの測定をデータ記録中に所定の時間ごとまたは光学式情報記録媒体の所定の半径位置ごとに行う。
本発明の記録方法では、記録時におけるレーザー光入射側の記録層の記録状態をより適切に補償することが可能となる。

0029

請求項13に記載の記録方法は、請求項3に記載の記録方法であって、暫定パルス条件導出ステップは、信号品質評価ステップと、暫定パルス条件設定ステップから構成されている。信号品質評価ステップは、テスト記録層において、レーザー光の強度を変えながらテスト記録を行い、テスト記録した信号を再生し、再生した信号の振幅変調度ジッター値または誤り率のいずれかを測定して、再生した信号の品質を評価する。暫定パルス条件設定ステップは、テスト記録層よりもレーザ光入射側の記録層にデータが記録された場合にレーザ光入射側の記録層のレーザー光の透過率が低下する媒体に対しては、レーザー光の強度を、再生した信号の品質が予め定められた基準を満足する最大値近傍に設定し、透過率が増大する媒体に対しては、レーザー光の強度を、再生した信号の品質が予め定められた基準を満足する最小値近傍に設定する。

0030

本発明の記録方法では、レーザ光入射側の記録層の記録状態に関わらず再生した信号の品質が予め定められた基準を満足するような暫定パルス条件を導出することが可能となる。
請求項14に記載の記録方法は、請求項13に記載の記録方法であって、記録層にデータを記録することによって、レーザー光の透過率が低下するか増大するかを示す透過率変化情報を光学式情報記録媒体から読み出す透過率変化情報取得ステップをさらに備えている。暫定パルス条件設定ステップは、透過率変化情報を取得し透過率変化の傾向を判断する。

0031

本発明の記録方法では、透過率変化情報は、光学式情報記録媒体に予め記録されている。このため、光学式情報記録媒体の特性に応じて適切な透過率変化情報を用いてパルス条件を導出することが可能となる。
請求項15に記載の記録方法は、一方の面からレーザー光を照射することによってデータの記録、再生もしくは消去を行う複数の記録層を有する光学式情報記録媒体の記録方法であって、レーザー光強度情報取得ステップと、テスト記録ステップと、記録実行ステップとを備えている。レーザー光強度情報取得ステップは、少なくとも1つの記録層にデータを記録する場合のレーザー光強度の上限値を表す情報または上限値を算出するための情報であるレーザー光強度情報を光学式情報記録媒体から読み出す。テスト記録ステップは、レーザー光強度情報から取得される上限値よりも小さいレーザー光強度の範囲でテスト記録を行う。記録実行ステップは、テスト記録に基づいて決定されるパルス条件でデータを記録する。

0032

出願人の調査により、過剰なレーザ光強度で記録を行うと、情報の記録された記録層の透過率の変化が大きくなることが判明している。
本発明の記録方法では、記録層のテスト記録領域における透過率の変動を抑制し、より奥側の記録層の記録に与える影響を小さくすることができる。

0033

請求項16に記載の記録装置は、一方の面からレーザー光を照射することによってデータの記録、再生もしくは消去を行う複数の記録層を有する光学式情報記録媒体の記録装置であって、テスト記録手段と、反射光レベル測定手段と、最終パルス条件導出手段とを備えている。テスト記録手段は、複数の記録層のうち、少なくとも1つの記録層であるテスト記録層においてテスト記録を行い、レーザー光の強度を含む暫定パルス条件を導出する。反射光レベル測定手段は、記録層からのレーザ光の反射光レベルを測定する。最終パルス条件導出手段は、反射光レベル測定手段により測定されたテスト記録する領域におけるレーザー光の反射光レベルであるテスト領域反射光レベルと、反射光レベル測定手段により測定されたテスト記録層よりもレーザー光入射側の記録層においてデータが記録されていない半径位置における反射光レベルである基準反射光レベルとに基づいて、テスト記録手段により導出された暫定パルス条件を補正し、データの記録に用いられる最終パルス条件を導出する。

0034

本発明の記録装置では、テスト記録により導出された暫定パルス条件をテスト領域反射光レベルと基準反射光レベルとに基づいて補正し、最終パルス条件を導出する。このため、レーザー光入射側の記録層の記録状態が暫定パルス条件に対して与える影響を補償することが可能となる。これにより、各記録層における情報の記録状態に関わらず、学習動作によって正しいパルス条件を求めることが出来ると共に、ユーザーデータを正しく記録することが可能となる。

0035

請求項17に記載の記録装置は、請求項16に記載の記録装置であって、記録層が記録状態の場合と未記録状態の場合でのレーザー光の透過率の違いを表す補正係数を取得する補正係数取得手段をさらに備えている。最終パルス条件導出手段は、補正係数をさらに用いて暫定パルス条件を補正し、最終パルス条件を導出する。

0036

本発明の記録装置では、さらに補正係数を用いてパルス条件を補正する。このため、記録時におけるレーザー光入射側の記録層の記録状態の影響を補償することが可能となる。
請求項18に記載の記録装置は、請求項17に記載の記録装置であって、既にデータが記録された記録済記録層を特定する記録済記録層情報を取得する記録済記録層取得手段をさらに備えている。最終パルス条件導出手段は、記録済記録層情報をさらに用いて暫定パルス条件を補正し、最終パルス条件を導出する。

0037

本発明の記録装置では、ユーザーデータを記録しようとする記録層よりもレーザー光照射側の記録層のうち何層の記録層が記録済であるかを判定する。このため、より最適なパルス条件を求めることができ、より確実なユーザーデータの記録が可能となる。
請求項19に記載の記録装置は、請求項17または18に記載の記録装置であって、補正係数取得手段は、光学式情報記録媒体が有する複数の記録層のいずれかを特定する目標記録層情報と目標記録層情報が示す記録層よりもレーザー光入射側のいずれかの記録層を特定する記録層特定情報とに関連づけられた補正係数を光学式情報記録媒体から読み出す手段であって、データの記録を行う記録層と一致する目標記録層情報と記録済記録層情報と一致する記録層特定情報とに関連づけられた補正係数を取得する。

0038

本発明の記録装置では、ユーザーデータを記録しようとする記録層よりもレーザー光照射側の記録層のうち何層の記録層が記録済であるかを判定する。さらに、その記録状態に適した補正係数を選択する。このため、より最適なパルス条件を求めることができ、より確実なユーザーデータの記録が可能となる。

0039

請求項20に記載の記録装置は、請求項18に記載の記録装置であって、記録済記録層情報は、記録済記録層における記録済領域の位置を示す記録済アドレス情報をさらに含む。
請求項21に記載の記録装置は、請求項20に記載の記録装置であって、補正係数取得手段は、光学式情報記録媒体から読み出した記録済アドレス情報から、記録済記録層の記録済領域の位置を判断し、記録済領域の位置とデータの記録を行う位置とに基づいて補正係数を選択する。

0040

本発明の記録装置では、新たにユーザーデータを記録する前に記録済アドレス情報を読み出し、記録済領域の位置と、ユーザーデータを記録しようとする位置に基づいて、補正係数を選択することが可能となる。
請求項22に記載の記録装置は、請求項16〜21のいずれかに記載の記録装置であって、テスト記録手段は、再生した信号の振幅、変調度、ジッター値または誤り率のいずれかを測定して、信号の品質を評価する信号品質評価手段を含む。

0041

請求項23に記載の記録装置は、請求項16〜22のいずれかに記載の記録装置であって、最終パルス条件は、レーザー光の強度、パルス長さおよび発生タイミングを含み、記録するマークの長さおよび・または間隔に適応して設定される。
請求項24に記載の記録装置は、請求項16に記載の記録装置であって、テスト記録手段は、信号品質評価手段と、暫定パルス条件設定手段とから構成されている。信号品質評価手段は、テスト記録層において、レーザー光の強度を変えながらテスト記録を行い、テスト記録した信号を再生し、再生した信号の品質を評価する。暫定パルス条件設定手段は、テスト記録層よりもレーザ光入射側の記録層にデータが記録された場合にレーザ光入射側の記録層のレーザー光の透過率が低下する媒体に対しては、レーザー光の強度を、再生した信号の品質が予め定められた基準を満足する最大値近傍に設定し、透過率が増大する媒体に対しては、レーザー光の強度を、再生した信号の品質が予め定められた基準を満足する最小値近傍に設定する。

0042

本発明の記録装置では、レーザ光入射側の記録層の記録状態に関わらず再生した信号の品質が予め定められた基準を満足するような暫定パルス条件を導出することが可能となる。
請求項25に記載の記録装置は、請求項24に記載の記録装置であって、信号品質評価手段は、再生した信号の振幅、変調度、ジッター値または誤り率のいずれかを測定して、信号の品質を評価する。

0043

請求項26に記載の記録装置は、請求項24または25に記載の記録装置であって、最終パルス条件は、レーザー光の強度、パルス長さおよび発生タイミングを含み、記録するマークの長さおよび・または間隔に適応して設定される。
請求項27に記載の記録装置は、請求項24に記載の記録装置であって、記録層にデータを記録することによって、レーザー光の透過率が低下するか増大するかを示す透過率変化情報を光学式情報記録媒体から読み出す透過率変化情報取得手段をさらに備えている。暫定パルス条件設定手段は、透過率変化情報を取得し透過率変化の傾向を判断する。

0044

本発明の記録装置では、光学式情報記録媒体に予め記録されている透過率変化情報が取得される。このため、光学式情報記録媒体の特性に応じて適切な透過率変化情報を用いてパルス条件を導出することが可能となる。
請求項28に記載の光学式情報記録媒体は、一方の面からレーザー光を照射することによってデータの記録、再生もしくは消去を行う複数の記録層を有する光学式情報記録媒体であって、記録層が記録状態にある場合と未記録状態にある場合とにおけるレーザー光の透過率の違いを表す補正係数を格納する。

0045

本発明の光学式情報記録媒体では、記録装置に補正係数を与え、記録時におけるレーザー光入射側の記録層の記録状態の影響を補償させることが可能となる。
請求項29に記載の光学式情報記録媒体は、請求項28に記載の光学式情報記録媒体であって、補正係数は、リードイン領域に格納されている。

0046

本発明の光学式情報記録媒体では、補正係数は、リードイン領域に格納されており、ユーザーデータを記録する領域を確保することが可能となる。
請求項30に記載の光学式情報記録媒体は、請求項28または29に記載の光学式情報記録媒体であって、補正係数は、光学式情報記録媒体が有する複数の記録層のいずれかを特定する目標記録層情報と目標記録層情報が示す記録層よりもレーザー光入射側のいずれかの記録層を特定する記録層特定情報とに関連づけられて格納されている。

0047

請求項31に記載の光学式情報記録媒体は、請求項28〜30のいずれかに記載の光学式情報記録媒体であって、既にデータが記録された記録済記録層を特定する記録済記録層情報をさらに格納する。
本発明の光学式情報記録媒体では、記録装置に記録済み記録層情報を与え、記録時におけるレーザー光入射側の記録層の記録状態の影響を補償させることが可能となる。

0048

請求項32に記載の光学式情報記録媒体は、請求項31に記載の光学式情報記録媒体であって、記録済記録層情報は、記録済記録層における記録済領域の位置を示す記録済アドレス情報を含む。
本発明の光学式情報記録媒体は、記録装置に記録済みアドレス情報を与え、新たにユーザーデータを記録する前に記録済アドレス情報を読み出させ、記録済領域の位置と、ユーザーデータを記録しようとする位置に基づいて、補正係数を選択させることが可能となる。

0049

請求項33に記載の光学式情報記録媒体は、一方の面からレーザー光を照射することによってデータの記録、再生もしくは消去を行う複数の記録層を有する光学式情報記録媒体であって、記録層にデータを記録することによって、レーザー光の透過率が低下するか増大するかを示す透過率変化情報を格納する。

0050

本発明の光学式情報記録媒体は、記録装置に透過率変化情報を与え、光学式情報記録媒体の特性に応じて適切な透過率変化情報を用いてパルス条件を導出させることが可能となる。
請求項34に記載の光学式情報記録媒体は、一方の面からレーザー光を照射することによってデータの記録、再生もしくは消去を行う複数の記録層を有する光学式情報記録媒体であって、少なくとも1つの記録層にデータを記録する場合のレーザー光強度の上限値を表す情報または上限値を算出するための情報であるレーザー光強度情報を格納する。

0051

出願人の調査により、過剰なレーザ光強度で記録を行うと、情報の記録された記録層の透過率の変化が大きくなることが判明している。
本発明の光学式情報記録媒体では、記録装置にレーザー光強度の上限値を表す情報または上限値を算出するための情報を与え、記録層の記録状態における透過率の変動を抑制し、より奥側の記録層の記録に与える影響を小さくすることができる。

発明の効果

0052

本発明の記録方法および記録装置によれば、一方の面からレーザー光を照射することによって情報の記録、再生もしくは消去を行う複数の記録層を有する光学式情報記録媒体に対して、記録層におけるレーザー光の透過率が情報記録の有無によって異なる場合であっても、各記録層における情報の記録状態に関わらず、学習動作によって正しいパルス条件を求めることが出来ると共に、ユーザーデータを正しく記録することが可能となる。

発明を実施するための最良の形態

0053

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
〈構成・作用〉
図1は本発明の実施の形態1における記録再生方法を適用する光学式情報記録媒体の一例を示す断面図である。図1において、記録媒体1は、ポリカーボネートからなる厚さ約1.1mmの基板6上に第1の記録層5、厚さ約0.025mmの透明分離層4、厚さ約100nmの半透明層からなる第2の記録層3を順次形成し、その上に厚さ約0.075mmの保護膜2を設けたものであり、記録層3及び5には記録再生時にレーザー光7をトラッキングする深さ約20nm、幅約0.2μmの情報トラック(図示せず)が約0.32μmのピッチで設けられている。レーザー光7は、記録層3側の面から照射される。

0054

記録層3は、情報トラックをウォブリングすることによって媒体の識別情報等を記録した半径約22mmから23mmの位置に設けられた再生専用のリードイン領域101、半径約23mmから24mmの位置に設けられ、最適なパルス条件を求める学習動作を行うためのテスト記録領域102、半径約24mmから58mmの位置に設けられ、ユーザーデータを記録する情報記録領域103を有している。また、記録層5は、記録層3と同様に情報トラックをウォブリングすることによって媒体の識別情報等を記録した半径約22mmから23mmの位置に設けられた再生専用のリードイン領域104、半径約23mmから24mmの位置に設けられ、最適なパルス条件を求める学習動作を行うためのテスト記録領域105、半径約24mmから58mmの位置に設けられ、ユーザーデータを記録する情報記録領域106を有している。

0055

記録媒体1のさらに詳細な構造を図2に示す。図2において、記録層3は、誘電体材料からなる保護層201、SbおよびTeを主成分とする薄膜からなる相変化層202及び誘電体材料からなる保護層203の多層薄膜で構成されている。本実施の形態では、情報の記録により相変化層202が部分的に結晶状態からアモルファス状態に変化することによって、レーザー光7の波長における記録層3の透過率が低下するものとする。

0056

記録層5は、誘電体材料からなる保護層204、SbおよびTeを主成分とする薄膜からなる相変化層205、誘電体材料からなる保護層206及び金属材料からなる反射層207の多層薄膜で構成されている。
図1におけるリードイン領域104には、情報の記録による記録層3の透過率の低下量を表す補正係数αが記録されている。補正係数αは、例えば、未記録の記録層3の透過率をT1、記録後の記録層3の透過率をT2としたときに、
α=T1/T2
関係式で与えられる。

0057

記録媒体1を使用する際に、記録再生装置において、起動時に、リードイン領域104に記録されている補正係数αを読み出すとともに、基準反射光レベルR1を測定する。ここで、基準反射光レベルR1とは、リードイン領域104における反射光レベルであり、第1の記録層5よりもレーザ光入射側の第2の記録層3においてデータが記録されていない半径位置である再生専用のリードイン領域101に対応する第1の記録層5の半径位置における反射光レベルである。

0058

次に、記録層3及び5のテスト記録領域102及び105において、レーザーパルスの強度や長さ、発生タイミングなどのパルス条件を変化させながらテスト記録を行い、これらから再生した信号の品質を測定した結果から、暫定パルス条件を求める学習動作を行う。ここで、暫定パルス条件を求める学習動作は、パルス条件を変化させながらテスト記録を行い、再生した信号の品質を測定した結果をお互いに比較することによって、より適切なパルス条件を求める動作であり、従来手法が用いられてもよい。

0059

また、記録層5における学習動作時に、テスト記録領域105の反射光レベルR2を測定する。図9は、テスト記録領域で得られる反射光レベル信号の波形図である。信号が記録された領域において、記録マーク部では、低い反射光レベルであるRL、マーク間部では、未記録部と略同等の高い反射光レベルであるRHの強度の信号が得られる。

0060

テスト記録領域105の反射光レベルR2は、図9におけるRHを測定することによって得られる。なお、テスト記録領域105における反射光レベルR2の測定は、記録されている情報を消去した後に行っても良い。
記録層3の情報記録領域103にユーザーデータを記録する場合には、テスト記録領域102で求めた暫定パルス条件で記録する。すなわち、暫定パルス条件が最終パルス条件となる。

0061

また、記録層5の情報記録領域106にユーザーデータを記録する場合には、テスト記録領域105で求めた暫定パルス条件のレーザー光強度を、リードイン領域104の基準反射光レベルR1と、テスト記録領域105の反射光レベルR2と、補正係数αとで補正した最終パルス条件で記録する。

0062

より詳しくは、暫定パルス条件のレーザ光レベルをリードイン領域104およびテスト記録領域105の反射光レベルR1、R2で補正し、テスト記録領域102の使用状態による透過率変動の影響を補償した実効パルス条件を求める。さらに実効パルス条件のレーザー光強度を補正係数αで補正して求めた最終パルス条件で記録を行う。

0063

ここで、実効パルス条件とは、記録層3が未記録の状態における記録層5の最適なパルス条件を表している。記録層5における反射光レベルは、記録層3の透過率の2乗に比例する。また、記録層5における最適なレーザー光強度は、記録層3の透過率に反比例する。したがって、テスト記録領域105で求めた暫定パルス条件のレーザー光強度がP0の時、実効パルス条件におけるレーザー光強度は、
P0x(R2/R1)^(1/2)
となる。

0064

さらに、情報記録領域106にユーザーデータを記録するときの最終パルス条件におけるレーザー光強度は、
P0x(R2/R1)^(1/2)xα
となる。

0065

なお、補正係数αは、α=T1/T2で与えられる値に限定されるものではなく、記録層3が未記録状態つまり透過率が大きい状態で、最終パルス条件を用いて記録層5に情報を記録した場合に、その再生信号の品質が一定の基準を満たす範囲となるように定めてもよい。

0066

例えば、図7に示す記録時のレーザーパルスの強度と再生した信号のジッターとの関係のように、ジッター値が最小となるレーザー強度がP1であり、ジッター値が基準値J1以下となる最大のレーザー強度がP2である場合、補正係数αは、
P1xα<P2
となる範囲で定めてもよい。

0067

さらに、最終パルス条件におけるレーザー光強度が、学習動作において再生した信号の品質が一定の条件を満たす実効パルス条件におけるレーザー光強度の上限値よりも大きい場合には、レーザー光強度を、上限値近傍としたパルス条件で、ユーザーデータを記録することが好ましい。

0068

例えば、図8に示す実際の学習動作によって得られた実効パルス条件におけるレーザーパルスの強度と再生した信号のジッターとの関係のように、ジッター値が最小となるレーザー強度がP1であり、ジッター値が基準値J1以下となる最大のレーザー強度がP2であり、最終パルス条件におけるレーザー強度がP2よりも大きい場合、記録時のレーザー強度をP2近傍の値とするのが好ましい。

0069

〈効果〉
以上で説明したように、記録層5のテスト記録領域105における学習動作により得られるパルス条件(暫定パルス条件)のレーザー光強度をリードイン領域104の基準反射光レベルR1とテスト記録領域105の反射光レベルR2とで補正することにより、テスト記録領域102の記録状態と未記録状態での透過率差の影響を受けることなく、常に一定のパルス条件(実効パルス条件)が得られる。

0070

一方、記録層3は記録層5よりもレーザー光照射側にあるため記録層5の記録状態の影響を受けない。したがって、記録層3のテスト記録領域102における学習動作では常に一定のパルス条件が得られる。
また、記録層5の情報記録領域106にユーザーデータを記録する際に、記録層3が記録されていることによる記録層5の記録感度低下を、補正係数αを用いて補償することができ、ユーザーデータを正しく記録することが可能となる。

0071

以上により、記録層におけるレーザー光の透過率が情報記録の有無によって異なる場合であっても、各記録層における情報の記録状態に関わらず、学習動作によって正しいパルス条件を求めることが出来ると共に、ユーザーデータを正しく記録することが可能となる。

0072

〈変形例〉
なお、記録層5の基準反射光レベルの測定は、リードイン領域104とは別に設けた反射率基準領域で行っても良い。この場合、リードイン領域は記録層3または記録層5のどちらか一方のみに設けても良いし、リードイン領域の情報はエンボスピットによって記録しても良い。

0073

さらに、学習動作においては、記録再生条件を変化させながらテスト記録を行い、再生した信号の品質を測定した結果をお互いに比較することによって、最適なパルス条件を求めてもよいし、より簡易な方法を用いて暫定パルス条件を求めてもよい。より簡易な方法とは、例えば、再生した信号の品質を測定した結果を所定の条件と随時比較し、測定結果が所定の条件を満たしたときに、その時点でのパルス条件を暫定パルス条件とする、などといった方法である。このとき、再生信号の品質の測定は、再生信号のジッター値(基準となるクロックに対する再生された信号位置の変動量)、データの誤り率、再生信号の振幅または変調度を測定して行うのが好ましい。

0074

また、本実施の形態では情報の記録によって記録層3の透過率が低下する場合について述べたが、情報の記録によって記録層3の透過率が増大する場合にも同様の効果が得られる。このとき、最終パルス条件におけるレーザー光強度が、学習動作において再生した信号の品質が一定の条件を満たす実効パルス条件におけるレーザー光強度の下限値よりも小さい場合には、レーザー光強度を下限値近傍としたパルス条件でユーザーデータを記録することが好ましい。

0075

さらに、補正係数αの代わりに、記録層3に情報を記録することによって、透過率が低下するか増大するかを示す透過率変化情報を記録媒体上に記録しておいても良い。この透過率変化情報を読み出すことによって、記録層3に情報を記録した場合に透過率が低下するか増大するかを判別することが出来る。

0076

この情報を基に、透過率が低下する媒体では、記録層5にテスト記録された信号の品質が予め定められた基準を満足する最大値近傍にレーザー光の強度を設定した実効パルス条件でユーザーデータを記録し、透過率が増大する媒体では、信号品質が予め定められた基準を満足する最小値近傍にレーザー光の強度を設定した実効パルス条件でユーザーデータを記録する。

0077

これによって、記録層5の情報記録領域106にユーザーデータを記録する際に、記録層3が記録されていることによる記録層5の記録感度の変化を補償し、ユーザーデータを正しく記録することが可能となる。
なお、テスト記録領域の反射光レベルを信号が記録された領域で測定する場合、信号品質が予め定められた判定基準を満たす部分、つまり、適切なパルス条件で記録された部分の反射光レベルを測定することが好ましい。

0078

(実施の形態2)
〈構成・作用〉
図3は本発明の実施の形態2における記録再生方法を適用する光学式情報記録媒体の一例を示す断面図である。図3において、記録媒体11は、ポリカーボネートからなる厚さ約1.1mmの基板18上に第1の記録層17、厚さ約0.02mmの透明分離層16、厚さ約100nmの半透明層からなる第2の記録層15、厚さ約0.02mmの透明分離層14、厚さ約100nmの半透明層からなる第3の記録層13を順次形成し、その上に厚さ約0.06mmの保護膜12を設けたものであり、記録層13、15及び17には記録再生時にレーザー光7をトラッキングする深さ約20nm、幅約0.2μmの情報トラック(図示せず)が約0.32μmのピッチで設けられている。レーザー光7は、記録層13側の面から照射される。

0079

記録層13、15および17には、それぞれ情報トラックをウォブリングすることによって媒体の識別情報等を記録した半径約22mmから23mmの位置に設けられた再生専用のリードイン領域111、114および117、半径約23mmから24mmの位置に設けられ、最適なパルス条件を求める学習動作を行うためのテスト記録領域112、115および118、半径約24mmから58mmの位置に設けられ、ユーザーデータを記録する情報記録領域113、116および119を有している。

0080

記録層13及び15は、図2における記録層3と同様の多層薄膜で構成されており、情報の記録により透過率が低下するものとする。記録層17は、図2における記録層5と同様の多層薄膜で構成されている。
リードイン領域117には、記録層15に情報を記録したときの記録層15の透過率の低下量を表す補正係数α1、記録層13に情報を記録したときの記録層13の透過率の低下量を表す補正係数α2、記録層13及び15の両方に情報を記録したときの記録層13及び15を合わせた透過率の低下量を表す補正係数α3が記録されている。例えば、前記補正係数α1は、未記録の記録層15の透過率をT11、記録後の記録層15の透過率をT12としたときに、
α1=T11/T12
の関係式で与えられる。

0081

補正係数α1及びα2は、それぞれ記録層15及び13を示す記録層特定情報とともに記録され、補正係数α3は、記録層13及び15の両方を示す記録層特定情報とともに記録されている。
記録媒体11にユーザーデータを記録した場合には、記録済の記録層の番号を示す記録済記録層情報を、情報記録領域119の特定の場所に記録する。例えば、記録済記録層情報を3ビットの情報βで表し、記録層17のみ記録済みであればβ=100とし、記録層17と16が記録済みであればβ=110とし、全ての記録層が記録済みであればβ=111とする。

0082

そして、再度記録媒体11に情報を記録する際には、記録再生装置において、起動時に、リードイン領域114および117において基準反射光レベルR11およびR21を測定し、補正係数α1、α2、α3および記録済記録層情報βを読み出す。
また、実施の形態1と同様に、記録層13、15及び17のテスト記録領域112、115及び118において、パルス条件を変化させながらテスト記録を行い、これらから再生した信号の品質を測定した結果から暫定パルス条件を求める学習動作を行う。

0083

また、学習動作時にテスト記録領域115および118の反射光レベルR12およびR22を測定する。
記録層13の情報記録領域113にユーザーデータを記録する場合には、テスト記録領域112で求めた暫定パルス条件で記録する。すなわち、暫定パルス条件が最終パルス条件となる。

0084

記録層15の情報記録領域116にユーザーデータを記録する場合には、テスト記録領域115で求めた暫定パルス条件のレーザー光強度を、リードイン領域114の基準反射光レベルR11と、テスト記録領域115の反射光レベルR12と、必要に応じて補正係数α2とで補正した最終パルス条件で記録する。

0085

より詳しくは、暫定パルス条件のレーザ光レベルを、リードイン領域114およびテスト記録領域115の反射光レベルR11,R12で補正することによりテスト記録領域112の使用状態による透過率変動の影響を補償した実効パルス条件を求める。さらに、記録済記録層情報から記録層13が記録済かどうかを判断する。記録層13が未記録の場合には、テスト記録領域115で求めた実効パルス条件で記録を行う。すなわち、実効パルス条件が最終パルス条件となる。一方、記録層13が記録済みの場合には、実効パルス条件のレーザー光の強度を補正係数α2で補正した最終パルス条件で記録を行う。

0086

ここでの実効パルス条件とは、記録層13が未記録の状態における記録層15の最適なパルス条件を表している。記録層15における反射光レベルは、記録層13の透過率の2乗に比例する。また、記録層15における最適なレーザー光強度は、記録層13の透過率に反比例する。したがって、テスト記録領域115で求めた暫定パルス条件のレーザー光強度がP10の時、実効パルス条件におけるレーザー光強度は、
P10x(R12/R11)^(1/2)
で求めることができる。

0087

また、情報記録領域116にユーザーデータを記録するときの最終パルス条件におけるレーザー光強度は、
P10x(R12/R11)^(1/2)xα2
で求めることができる。

0088

記録層17の情報記録領域119にユーザーデータを記録する場合には、テスト記録領域118で求めた暫定パルス条件のレーザー光強度を、リードイン領域117の基準反射光レベルR21と、テスト記録領域118の反射光レベルR22と、必要に応じて補正係数α1〜α3とで補正した最終パルス条件で記録する。

0089

より詳しくは、暫定パルス条件のレーザ光レベルを、リードイン領域117およびテスト記録領域118の反射光レベルR21、R22で補正することによりテスト記録領域112の使用状態による透過率変動の影響を補償した実効パルス条件を求める。さらに、記録済記録層情報から記録層13及び15が記録済かどうかを判断する。

0090

記録層13及び15がともに未記録の場合には、テスト記録領域118で求めた実効パルス条件で記録を行う。すなわち、実効パルス条件が最終パルス条件となる。ここでの実効パルス条件とは、記録層13および15が未記録の状態における記録層17の最適なパルス条件を表している。テスト記録領域118で求めた暫定パルス条件のレーザー光強度がP20のとき、実効パルス条件におけるレーザー光強度は、
P20x(R22/R21)^(1/2)
で求めることができる。

0091

記録層13のみが記録済みの場合には、実効パルス条件のレーザー光の強度を補正係数α2で補正し、
P20x(R22/R21)^(1/2)xα2
で求められるレーザー光強度の最終パルス条件で記録を行う。

0092

記録層15のみが記録済みの場合には、暫定パルス条件のレーザー光の強度を補正係数α1で補正し、
P20x(R22/R21)^(1/2)xα1
で求められるレーザー光強度の最終パルス条件で記録を行う。

0093

記録層13及び15がともに記録済みの場合には、暫定パルス条件のレーザー光の強度を補正係数α3で補正し、
P20x(R22/R21)^(1/2)xα3
で求められる最終パルス条件で記録を行う。

0094

〈効果〉
以上で説明したように、記録層15のテスト記録領域115における学習動作により得られるパルス条件(暫定パルス条件)のレーザー光強度を、リードイン領域114の基準反射光レベルR11とテスト記録領域115の反射光レベルR12とで補正することにより、テスト記録領域112の記録状態と未記録状態での透過率差の影響を受けることなく、常に一定のパルス条件(実効パルス条件)が得られる。

0095

また、記録層17のテスト記録領域118における学習動作により得られるパルス条件(暫定パルス条件)のレーザー光強度をリードイン領域117の基準反射光レベルR21とテスト記録領域118の反射光レベルR22とで補正することにより、テスト記録領域112および115の記録状態と未記録状態での透過率差の影響を受けることなく、常に一定のパルス条件(実効パルス条件)が得られる。

0096

さらに、記録層15及び17の情報記録領域にユーザーデータを記録する際に、補正係数α1、α2及びα3の中から、記録済記録層情報に対応した補正係数を選択する。これにより、記録層13及び15への情報記録にともなう記録層15及び17の記録感度低下を、補正係数を用いて補償することができ、ユーザーデータを正しく記録することが可能となる。

0097

以上により、記録層におけるレーザー光の透過率が情報記録の有無によって異なる場合であっても、各記録層における情報の記録状態に関わらず、学習動作によって正しいパルス条件を求めることが出来ると共に、ユーザーデータを正しく記録することが可能となる。

0098

〈変形例〉
なお、記録層15および17の基準反射光レベルの測定は、リードイン領域とは別に設けた反射率基準領域で行っても良い。この場合、リードイン領域は何れか1つの記録層のみに設けても良い。また、リードイン領域の情報はエンボスピットによって記録しても良い。

0099

さらに、本実施の形態では記録層の数を3つとしたが2つまたは4つ以上としても、同様の効果が得られることは明らかである。
また、テスト記録領域の反射光レベルを信号が記録された領域で測定する場合、信号品質が予め定められた判定基準を満たす部分、つまり、適切なパルス条件で記録された部分の反射光レベルを測定することが好ましい。

0100

さらに、学習動作においては、記録再生条件を変化させながらテスト記録を行い、再生した信号の品質を測定した結果をお互いに比較することによって、最適なパルス条件を求めてもよいし、より簡易な方法を用いて暫定パルス条件を求めてもよい。より簡易な方法とは、例えば、再生した信号の品質を測定した結果を所定の条件と随時比較し、測定結果が所定の条件を満たしたときに、その時点でのパルス条件を暫定パルス条件とする、などといった方法である。このとき、再生信号の品質の測定は、再生信号のジッター値(基準となるクロックに対する再生された信号位置の変動量)、データの誤り率、再生信号の振幅または変調度を測定して行うのが好ましい。

0101

(実施の形態3)
〈構成〉
図4は、本発明の記録再生装置の一形態の構成を示すブロック図であり、図3に示した複数の記録層を有する光学式情報記録媒体11を装着した状態を示している。

0102

図4に示した記録再生装置は、記録媒体を装着して回転させるスピンドルモーター402、コントローラー403、記録するデータを記録信号に変換する変調器404、記録信号に従って半導体レーザーを駆動するレーザー駆動回路405、半導体レーザーを有し、レーザー光を媒体に集光し、情報の記録を行うと共に、反射光から再生信号を得る光学ヘッド401、再生信号を増幅し、反射光レベル信号406A、情報再生信号406Sおよび406P、フォーカスエラー信号406F、トラッキングエラー信号406Tを生成するプリアンプ406、反射光レベル信号406Aから反射光レベルを測定する反射光レベル測定回路418、測定した反射光レベルを格納する反射光レベル格納回路419、情報再生信号406Pを2値化信号に変換する2値化回路420、2値化信号から識別情報を復調する識別情報復調回路421、情報再生信号406Sを2値化信号に変換する2値化回路407、2値化信号からデータを復調するデータ復調回路408、記録媒体11のテスト記録領域において特定のデータを試験的に記録再生した信号の品質を判定する信号品質判定回路409、学習動作によって得られた最適な記録条件を格納するパルス条件格納回路412、記録媒体11から読み出した記録状態による記録層の透過率差を表す補正係数を格納する補正係数格納回路410、記録媒体11から読み出した記録済記録層情報を格納する記録済記録層情報格納回路411、記録条件、記録済記録層情報及び補正係数に従ってレーザーパルスを制御するパルス条件設定回路413、レーザー光が記録媒体11の目的とする記録層に焦点を合わせるようにフォーカスエラー信号406Fに基づいて光学ヘッド401を制御するフォーカス制御回路414、レーザー光が記録媒体11のトラックを適切に走査するようにトラッキングエラー信号406Tに基づいて光学ヘッド401を制御するトラッキング制御回路415、情報を記録または再生を行う記録層上でのレーザー光の球面収差が最小となるように光学ヘッド401を制御する収差制御回路416、光学ヘッド401を記録媒体11の径方向に移動させる移動手段417を備えている。

0103

ここで、フォーカスエラー信号406Fは、非点収差法と呼ばれる一般的な方法などで生成される。トラッキングエラー信号406Tは、プッシュプル法と呼ばれる一般的な方法などで生成される。
なお、信号は、記録媒体11の記録層13、15、17における相変化層(図示せず)を結晶状態から部分的にアモルファス状態に相変化させてマークを形成することによって記録される。また、記録層13、15、17は、それぞれの相変化層が結晶状態であるときに反射光レベルが高く、相変化層がアモルファス状態であるときに反射光レベルが低いという特性を有しているものとする。

0104

上記構成において、信号品質判定回路409およびコントローラー403により、複数の記録層のうち、少なくとも1つの記録層であるテスト記録層においてテスト記録を行い、レーザー光の強度を含む暫定パルス条件を導出するテスト記録手段が構築される。特に、信号品質判定回路409により、再生した信号の品質を評価する信号品質評価手段が構築され、コントローラー403により、暫定パルス条件設定手段が構築される。また、反射光レベル測定回路418により、記録層からのレーザ光の反射光レベルを測定する反射光レベル測定手段が構築される。また、コントローラー403により、最終パルス条件を導出する最終パルス条件導出手段が構築される。データ復調回路408により、補正係数を取得する補正係数取得手段、記録済記録層情報を取得する記録済記録層取得手段、レーザー光の透過率が低下するか増大するかを示す透過率変化情報を取得する透過率変化情報取得手段などが構築される。

0105

〈記録再生方法〉
図5は、図4の記録再生装置を用いた記録再生方法を示すフローチャートであり、図3と共に説明する。
〈1〉
最初に、S501でコントローラー403は、記録再生装置を起動する。具体的には、スピンドルモーター402に装着された記録媒体11を回転させた後、記録媒体11上に光学ヘッド401によって情報再生用のレーザー光を照射させる。さらに、フォーカス制御回路414、トラッキング制御回路415を駆動させ、記録層17にレーザー光の焦点を合わせ、リードイン領域117にアクセスし、レーザー光を情報トラックにトラッキングさせる。これにより、リードイン領域117に格納されている記録媒体11の識別情報、記録済記録層情報及び補正係数等を読み出す。またさらに、リードイン領域117の基準反射光レベルR21を測定する。

0106

ここで、識別情報等の読み出しは、光学ヘッド401で記録媒体11からの反射光から得られた情報再生信号406Pを2値化回路420で2値化し、2値化した信号を識別情報復調回路421で復調し、コントローラー403に取り込むことにより行われる。基準反射光レベルの測定は、反射光レベル信号406Aの強度を反射光レベル測定回路418で測定し、コントローラー403に取り込むことにより行われる。

0107

また、記録層15におけるリードイン領域114の基準反射光レベルR11は、基準反射光レベルR21と同様にして測定される。
コントローラー403は、記録済記録層情報、補正係数および基準反射光レベルを、それぞれ記録済記録層情報格納回路411、補正係数格納回路410および反射光レベル格納回路419に格納する。

0108

〈2〉
次に、S502で暫定パルス条件を求める学習動作を行う。学習動作は、以下の手順で行われる。
まず、コントローラー403は、光学ヘッド401を移動させて、記録層17のテスト記録領域118にアクセスする。コントローラー403は、パルス条件設定回路413を、予め定められた特定の条件または識別情報で指定された条件に設定する。

0109

次にコントローラー403から出力された学習動作用の特定データ(テスト記録用のデータ)を変調器404でレーザー駆動信号に変換する。レーザー駆動回路405は、レーザー駆動信号に従って光学ヘッド401に設けられた半導体レーザーを駆動する。光学ヘッド401によって半導体レーザーから出射された光は、記録媒体11に集光され、テスト記録領域118にテスト信号の記録を行う。

0110

テスト記録されたデータは、プリアンプ406、2値化回路407により再生処理される。さらに、信号品質判定回路409は、再生信号のジッター値(基準となるクロックに対する再生された信号位置の変動量)を測定し、予め定められた判定基準と比較して、信号品質の判定を行う。

0111

ジッター値が判定基準を満足した場合、学習結果をコントローラー403に送り、学習動作を終了する。
ジッター値が判定基準を満足しなかった場合、コントローラー403は、パルス条件設定回路413のパルス条件を順次変化させて、特定データのテスト記録及びテスト記録されたデータの信号品質の判定を行う。この作業をジッター値が判定基準を満足するまで繰り返すことによって、テスト記録領域118における最適な記録条件である暫定パルス条件が求められる。

0112

また、反射光レベル測定回路418は、テスト記録領域118の反射光レベルR22を測定し、測定結果は、反射光レベル格納回路419に格納される。図9は、テスト記録領域で得られる反射光レベル信号の波形図である。信号が記録された領域では、記録マーク部では低い反射光レベルであるRL、マーク間部では未記録部と略同等で高い反射光レベルであるRHの強度の信号が得られる。テスト記録領域118の反射光レベルR22は、図9におけるRHを測定することによって得られる。

0113

記録層15及び13についても同様の手順で最適な記録条件および反射光レベルを求める。
〈3〉
次に、S503では、S502の学習動作によって得られた暫定パルス条件のレーザー光強度をリードイン領域およびテスト記録領域の反射光レベルで補正した実効パルス条件を求める。ここでの実効パルス条件とは、よりレーザー光入射側にある記録層のテスト記録領域が未記録の状態における最適なパルス条件を表す。

0114

例えば、記録層15における実効パルス条件を求める場合、記録層15における反射光レベルは、記録層13の透過率の2乗に比例する。また、記録層15における最適なレーザー光強度は記録層13の透過率に反比例する。したがって、暫定パルス条件のレーザー光強度をP10、基準反射光レベルをR11、テスト記録領域115の反射光レベルをR12とすると、実効パルス条件におけるレーザー光強度は、
P10x(R12/R11)^(1/2)
で求めることができる。

0115

〈4〉
次に、S504では、S503でコントローラー403により求められた実効パルス条件をパルス条件格納回路412に格納する。
〈5〉
次に、S505では、コントローラー403は、ユーザーデータを記録しようとする記録層を特定する目標記録層情報及び記録済記録層情報に基づいて補正係数の中から対応する補正係数を選択する。

0116

例えば、記録層17にユーザーデータを記録する場合には、S501で記録媒体11から読み出された補正係数α1〜α3(補正係数α1は、記録層15に情報を記録したときの記録層15の透過率の低下量を表す。補正係数α2は、記録層13に情報を記録したときの記録層13の透過率の低下量を表す。補正係数α3は、記録層13及び15の両方に情報を記録したときの記録層13及び15を合わせた透過率の低下量を表す。)に対して、記録済記録層情報から記録層13及び15が記録済かどうかが判断される。記録層13及び15がともに未記録の場合には、補正係数は用いず、記録層13のみが記録済みの場合には、補正係数α2が選択され、記録層15のみが記録済みの場合には補正係数α1が選択され、記録層13及び15がともに記録済みの場合には補正係数α3が選択される。

0117

〈6〉
次に、S506では、コントローラー403は、実効パルス条件および補正係数に基づいて最終パルス条件を導出し、パルス条件設定回路413に設定し、ユーザーデータを情報記録領域に記録する。ここで、最終パルス条件は、レーザーパルスの強度、長さ及び発生タイミングを含み、記録するマークの長さ及び間隔に適応して設定される。なお、最終パルス条件の詳しい内容は、上記実施の形態で説明したため、ここでは説明を省略する。

0118

〈7〉
さらに、S507では、コントローラー403は、最新の記録済記録層情報を、記録媒体11の特定の領域に、あるいは記録済記録層情報格納回路411に記録する。
〈効果〉
以上により、記録層13及び15へのユーザーデータの記録にともなう記録層15及び17の記録感度低下を補正係数を用いて補償することができ、ユーザーデータを正しく記録することが可能となる。

0119

〈変形例〉
なお、記録済記録層情報に、ユーザーデータを記録した記録済領域の位置を特定する記録済アドレス情報を含ませても良い。この場合、新たにユーザーデータを記録する前に記録済アドレス情報を読み出し、記録済領域の位置と、ユーザーデータを記録しようとする位置を基に、補正係数を選択することが可能となる。

0120

例えば、記録層17にユーザーデータを記録する場合、S501で読み出された記録済記録層情報に含まれた記録済アドレス情報から、記録層15が全領域に記録済であり、記録層13が途中まで記録済であることが判断できたとする。この場合、S505では、情報を記録しようとする記録層17上の位置が、記録層15の記録済領域の位置に当たる場合には、補正係数α3が選択され、記録層15の未記録領域の位置に当たる場合には、補正係数α1が選択される。

0121

これによって、手前側の記録層が途中まで記録されている場合でも、記録済領域の位置と記録しようとする位置関係に基づき、手前側の記録層へのユーザーデータの記録にともなう記録感度低下を確実に補償することが出来る。
また、本実施の形態では、学習動作において、テスト記録されたデータを再生し、再生した信号のジッター値を測定してパルス条件を決定するものとしたが、データの誤り率、再生信号の振幅または変調度を測定してパルス条件を決定してもよい。なお、再生信号の振幅または変調度を測定する場合には、2値化していない情報再生信号406Sを用いるのが好ましい。

0122

また、本実施の形態で図5を用いて説明した記録再生方法の各処理は、必ずしも説明した順序で行われなくてもよく、一部の処理を前後して行うことが可能である。
例えば、S501における基準反射光レベルの測定や、S502における反射光レベルの測定は、S503において実効パルス条件を導出する直前に測定されてもよい。

0123

また、図4に示したブロック図の各ブロックや、ハードウェア構成は、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されても良いし、一部又は全てを含むように1チップ化されても良い。
例えば、図4におけるコントローラーは、1チップ化されていてもよいし、その他の要素とともに1チップ化されていても良い。

0124

ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSIスーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブルプロセッサーを利用しても良い。

0125

さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロック集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
(実施の形態4)
〈構成・作用〉
本発明の実施の形態4における記録再生方法を、図3に示した光学式情報記録媒体に対して適用した場合について説明する。

0126

図3における記録媒体11に情報を記録する場合、記録再生装置は、起動時に、リードイン領域114および117において基準反射光レベルR11およびR21を測定する。
次に、実施の形態2と同様に、学習動作を行う。すなわち、記録再生装置は、記録層13、15及び17のテスト記録領域112、115及び118において、パルス条件を変化させながらテスト記録を行う。さらに、テスト記録された信号を再生し、再生した信号の品質を測定し、その測定結果から暫定パルス条件を求める。さらに、学習動作時に、テスト記録領域115および118の反射光レベルR12およびR22を測定する。

0127

記録層13の情報記録領域113にユーザーデータを記録する場合には、テスト記録領域112で求めた暫定パルス条件で記録する。
記録層15の情報記録領域116にユーザーデータを記録する場合には、まず、テスト記録領域115で求めた暫定パルス条件のレーザー光強度をリードイン領域114およびテスト記録領域115の反射光レベルR11、R12で補正することにより、テスト記録領域112の使用状態による透過率変動の影響を補償した実効パルス条件を求める。ここでの実効パルス条件とは、記録層13が未記録の状態における記録層15の最適なパルス条件を表し、実施の形態2と同様の方法で決定される。次に、情報記録領域116における反射光レベルR13を測定し、実効パルス条件のレーザー光強度を反射光レベルR11、R13で補正することにより、情報記録領域113の使用状態による透過率変動の影響を補償した最終パルス条件を求め、最終パルス条件でユーザーデータを記録する。

0128

ここで、実効パルス条件におけるレーザー光強度をP11とすると、最終パルス条件におけるレーザー光強度は、
P11x(R11/R13)^(1/2)
で求めることができる。

0129

記録層17の情報記録領域119にユーザーデータを記録する場合には、まず、テスト記録領域118で求めた暫定パルス条件のレーザー光強度をリードイン領域117およびテスト記録領域118の反射光レベルR21、R22で補正することにより、テスト記録領域112の使用状態による透過率変動の影響を補償した実効パルス条件を求める。ここでの実効パルス条件とは、記録層13および15が未記録の状態における記録層17の最適なパルス条件を表し、実施の形態2と同様の方法で決定される。次に、情報記録領域119における反射光レベルR23を測定し、実効パルス条件のレーザー光強度を反射光レベルR21、R23で補正することにより、情報記録領域113および115の使用状態による透過率変動の影響を補償した最終パルス条件を求め、最終パルス条件でユーザーデータを記録する。

0130

ここで、実効パルス条件におけるレーザー光強度をP21とすると、最終パルス条件におけるレーザー光強度は、
P21x(R21/R23)^(1/2)
で求めることができる。

0131

なお、テスト記録領域および情報記録領域の反射光レベルは、図9で説明したように、信号が記録された領域のマーク間部または未記録部の反射光レベルRHを測定することによって得られる。
〈効果〉
以上で説明したように、記録層15のテスト記録領域115における学習動作により得られるパルス条件(暫定パルス条件)のレーザー光強度をリードイン領域114の基準反射光レベルR11とテスト記録領域115の反射光レベルR12とで補正することにより、テスト記録領域112の記録状態と未記録状態での透過率差の影響を受けることなく、常に一定のパルス条件(実効パルス条件)が得られる。

0132

また、情報記録領域116にユーザーデータを記録する際に、レーザー光強度をリードイン領域114および情報記録領域116の反射光レベルR11、R13で補正することにより、記録層13への情報記録にともなう記録層15の記録感度低下を補正係数を用いて補償し、ユーザーデータを正しく記録することが可能となる。

0133

また、記録層17のテスト記録領域118における学習動作により得られるパルス条件(暫定パルス条件)のレーザー光強度をリードイン領域117の基準反射光レベルR21とテスト記録領域118の反射光レベルR22とで補正することにより、テスト記録領域112および115の記録状態と未記録状態での透過率差の影響を受けることなく、常に一定のパルス条件(実効パルス条件)が得られる。

0134

また、情報記録領域119にユーザーデータを記録する際に、レーザー光強度をリードイン領域117および情報記録領域119の反射光レベルR21、R23で補正することにより、記録層13および15への情報記録にともなう記録層17の記録感度低下を補正係数を用いて補償し、ユーザーデータを正しく記録することが可能となる。

0135

〈変形例〉
なお、記録層15および17の基準反射光レベルの測定は、リードイン領域とは別に設けた反射率基準領域で行っても良い。この場合、リードイン領域は何れか1つの記録層のみに設けても良い。また、リードイン領域の情報はエンボスピットによって記録しても良い。

0136

さらに、本実施の形態では記録層の数を3つとしたが2つまたは4つ以上としても、同様の効果が得られることは明らかである。
また、テスト記録領域の反射光レベルを信号が記録された領域で測定する場合、信号品質が予め定められた判定基準を満たす部分、つまり、適切なパルス条件で記録された部分の反射光レベルを測定することが好ましい。

0137

また、テスト記録領域および情報記録領域の反射光レベルの測定は、記録されている信号を消去した後に行っても良い。
また、情報記録領域の反射光レベルの測定は、ユーザーデータ記録中に所定の時間間隔または所定の半径位置ごとに行うか、ユーザーデータ記録前に所定の半径位置ごとに行うことが好ましい。

0138

(実施の形態5)
〈構成・作用〉
本発明の実施の形態5における記録再生方法を、図1および図2に示した光学式情報記録媒体に対して適用した場合について説明する。

0139

図1におけるリードイン領域104には、情報の記録による記録層3に情報を記録する場合のレーザー光強度の上限値を予め記録しておく。レーザー光強度の上限値は、情報の記録による記録層3の透過率の変化量が一定値以下となるように選ぶ。
記録媒体1を使用する場合、記録再生装置において、起動時に、リードイン領域104に記録されているレーザー光強度の上限値を読み出す。次に、記録層5のテスト記録領域105において、レーザーパルスの強度や長さ、発生タイミングなどのパルス条件を変化させながらテスト記録を行い、これらから再生した信号の品質を測定した結果から、最適なパルス条件を求める学習動作を行う。また、記録層3のテスト記録領域102において、レーザー光強度の上限値を超えない範囲で、学習動作を行う。

0140

記録層3の情報記録領域103および記録層5の情報記録領域106にユーザーデータを記録する場合には、それぞれ、テスト記録領域102で求めたパルス条件およびテスト記録領域105で求めたパルス条件で記録を行う。
〈効果〉
記録層3の透過率は、図2における相変化層202の結晶部分アモルファス部分の面
積比に対応して変化する。つまり、記録マークが大きくなるほど未記録状態と情報記録状態の透過率差は大きくなる。

0141

したがって、記録時のレーザー光強度を一定値以下とすることで、記録マークが過剰に大きくなることによる透過率変化を抑制し、記録層5での記録再生に与える影響を小さくすることができる。
例えば、相変化層202が全て結晶状態の場合の記録層3の透過率が50%であり、相変化層202が全てアモルファス状態の場合の記録層3の透過率が40%であるとする。記録マークの幅と半径方向のマーク間の幅とが略同一であり、マーク長記録方式で適切なパルス条件で情報を記録した場合にアモルファス状態の領域の面積は全体の約1/4であるとすると、記録層3の透過率は、
40%x1/4 + 50%x3/4 = 47.5%
となる。つまり、適切なパルス条件で情報を記録した時、記録層3の透過率の低下量は、
50% − 47.5% = 2.5%
である。

0142

これに対して、適切なパルス条件の1.6倍のレーザー光強度で記録した場合、アモルファス状態の領域の面積は、適切なパルス条件で記録した場合の約1.6倍となるとすると、全体の面積の約1.6/4を占めることになる。したがって、このときの記録層3の透過率は、
40%x1.6/4 + 50%x2.4/4 = 46%
となる。つまり、適切なパルス条件で情報を記録したとき、記録層3の透過率の低下量は、
50% − 46% = 4%
である。

0143

したがって、記録層5で良好に情報の記録再生を行うために許容される記録層3の透過率の低下量が4%の場合、記録時のレーザー光強度の上限値は適切なレーザー光強度の1.6倍に設定する。
〈変形例〉
なお、本実施の形態ではテスト記録領域102の半径位置での記録層5にテスト記録領域を配置したが、再生専用領域または情報記録領域を配置しても同様の効果が得られる。また、記録層の数を3つ以上としても良い。

0144

また、情報を記録する場合のレーザー光強度の上限値のかわりに、上限値を算出するための情報を記録媒体の特定の領域に予め記録しておき、この情報とテスト記録の結果とから上限値を算出しても良い。この上限値の決定方法は特に限定されるものではない。例えば、テスト記録において再生信号の強度が所定の値となるレーザー光強度に一定の係数掛けて上限値を算出する方法や、レーザー光強度に対する再生信号の強度の変化率が所定の値となるレーザー光強度に一定の係数を掛けて上限値を算出する方法などがある。

0145

また、実施の形態1から5において、結晶状態の記録層を部分的にアモルファス化して記録マークを形成しても良いし、アモルファス状態の記録層を部分的に結晶化して記録マークを形成しても良い。さらに、記録媒体は、情報の書き換えが可能な消去型に限られるものではなく、1回だけ記録が可能な追記形の記録媒体であっても良い。

0146

(付記)
《付記の内容》
(付記1)
一方の面からレーザー光を照射することによって情報の記録、再生もしくは消去を行う複数の記録層を有する光学式情報記録媒体の記録再生方法であって、
少なくとも1つの記録層に関して、前記記録層よりも前記レーザー光入射側の記録層の記録状態と未記録状態での前記レーザー光の透過率の違いを表す補正係数を前記光学式情報記録媒体の特定の場所に予め記録しておき、
前記少なくとも1つの記録層では、テスト記録によりレーザーパルスの強度を含む暫定パルス条件を決定し、前記テスト記録を行った領域の未記録部、マーク間部または情報消去部の何れかの反射光レベルを測定し、前記記録層よりも前記レーザー光入射側の記録層においてテスト記録または情報記録を行う領域とは異なる半径位置で基準反射光レベルを測定し、前記暫定パルス条件と前記テスト記録を行った領域の反射光レベルおよび前記基準反射光レベルから実効パルス条件を算出し、前記実効パルス条件と前記補正係数を用いて、最終パルス条件を決定し、前記最終パルス条件でユーザーデータを記録することを特徴とする記録再生方法。

0147

(付記2)
ユーザーデータを記録する際には、任意の記録層において前記ユーザーデータを記録することのできる未使用領域が無くなった場合に、別の記録層に継続して記録するものとし、補正係数を用いてユーザーデータの記録を行う記録層を特定する目標記録層情報及び、前記目標記録層情報が示す記録層よりもレーザー光入射側の何れかの記録層を特定する記録層特定情報を、前記補正係数とともに、光学式情報記録媒体の特定の場所に予め記録しておき、
既にユーザーデータを記録した記録層を特定する記録済記録層情報を前記光学式情報記録媒体の特定の場所に記録し、新たにユーザーデータを記録する前に前記記録済記録層情報を読み出し、記録しようとする記録層と一致する目標記録層情報及び前記記録済記録層情報と一致する記録層特定情報とともに記録されている補正係数を選択し、実効パルス条件と前記選択された補正係数を用いて最終パルス条件を決定することを特徴とする付記1記載の記録再生方法。

0148

(付記3)
光学式情報記録媒体から読み出した記録済記録層情報によって、ユーザーデータを記録しようとする記録層よりもレーザー光入射側の各記録層が記録済かどうかを判別し、記録済の記録層に応じた補正係数を選択することを特徴とする付記2記載の記録再生方法。

0149

(付記4)
補正係数を用いてユーザーデータの記録を行う記録層を特定する目標記録層情報及び、前記目標記録層情報が示す記録層よりもレーザー光入射側の何れかの記録層を特定する記録層特定情報を、前記補正係数とともに、光学式情報記録媒体の特定の場所に予め記録しておき、
既にユーザーデータを記録した記録層を特定するとともに前記記録層における記録済領域の位置を示す記録済アドレス情報を含む記録済記録層情報を前記光学式情報記録媒体の特定の場所に記録し、新たにユーザーデータを記録する前に前記記録済記録層情報を読み出し、記録しようとする記録層と一致する目標記録層情報及び前記記録済記録層情報と一致する記録層特定情報とともに記録されている補正係数を選択し、実効パルス条件と前記選択された補正係数を用いて最終パルス条件を決定することを特徴とする付記1記載の記録再生方法。

0150

(付記5)
記録媒体から読み出した記録済アドレス情報から、記録層の記録済領域の位置を判断し、前記記録済領域の位置と、新たにユーザーデータを記録しようとする位置を基に、補正係数を選択することを特徴とする付記4記載の記録再生方法。

0151

(付記6)
一方の面からレーザー光を照射することによって情報の記録、再生もしくは消去を行う複数の記録層を有する光学式情報記録媒体の記録再生方法であって、
少なくとも1つの記録層では、テスト記録によりレーザーパルスの強度を含む暫定パルス条件を決定し、前記テスト記録を行った領域の未記録部、マーク間部または情報消去部の何れかの反射光レベルを測定し、前記記録層よりも前記レーザー光入射側の記録層においてテスト記録または情報記録を行う領域とは異なる半径位置で基準反射光レベルを測定し、前記暫定パルス条件と前記テスト記録を行った領域の反射光レベルおよび前記基準反射光レベルから実効パルス条件を算出し、
ユーザーデータを記録する情報記録領域の反射光レベルを測定し、前記実効パルス条件と前記情報記録領域の反射光レベルおよび前記基準反射光レベルから最終パルス条件を決定し、前記最終パルス条件でユーザーデータを記録することを特徴とする記録再生方法。

0152

(付記7)
情報記録領域の反射光レベルを、ユーザーデータ記録中に所定の時間または所定の半径位置ごとに行うことを特徴とする付記6記載の記録再生方法。
(付記8)
一方の面からレーザー光を照射することによって情報の記録、再生もしくは消去を行う複数の記録層を有し、少なくとも1つの記録層が情報を記録することによって前記レーザー光の透過率が低下または増大する光学式情報記録媒体の記録再生方法であって、
少なくとも前記記録層よりもレーザー光入射側から見て奥側の記録層において、レーザー光の強度を変えながらテスト記録を行い、前記テスト記録した信号を再生し、前記再生した信号の振幅、変調度、ジッター値または誤り率の何れかを測定して、前記再生した信号の品質を評価し、
前記透過率が低下する媒体では、暫定パルス条件のレーザー光の強度を、前記信号品質が予め定められた基準を満足する最大値近傍に設定し、
前記透過率が増大する媒体では、暫定パルス条件のレーザー光の強度を、前記信号品質が予め定められた基準を満足する最小値近傍に設定し、
前記テスト記録を行った領域の未記録部、マーク間部または情報消去部の何れかの反射光レベルを測定し、前記記録層よりも前記レーザー光入射側の記録層においてテスト記録または情報記録を行う領域とは異なる半径位置で基準反射光レベルを測定し、前記暫定パルス条件と前記テスト記録を行った領域の反射光レベルおよび前記基準反射光レベルから最終パルス条件を決定し、前記最終パルス条件でユーザーデータを記録することを特徴とする記録再生方法。

0153

(付記9)
記録層に情報を記録することによって、前記記録層の透過率が低下するか増大するかを示す透過率変化情報を予め記録媒体上に記録しておき、前記透過率変化情報を読み出して、前記記録層に情報を記録することによる透過率変化の方向を判断することを特徴とする付記8記載の記録再生方法。

0154

(付記10)
一方の面からレーザー光を照射することによって情報の記録、再生もしくは消去を行う複数の記録層を有し、少なくとも1つの記録層が情報を記録することによって前記レーザー光の透過率が低下または増大する光学式情報記録媒体の記録再生方法であって、
前記少なくとも1つの記録層に情報を記録する場合のレーザー光強度の上限値を表す情報または前記上限値を算出するための情報を前記光学式情報記録媒体の特定の場所に予め記録しておき、前記上限値よりも小さいレーザー光強度の範囲でテスト記録を行い、前記テスト記録によって決定したパルス条件でユーザーデータを記録することを特徴とする記録再生方法。

0155

(付記11)
一方の面からレーザー光を照射することによって情報の記録、再生もしくは消去を行う複数の記録層を有する光学式情報記録媒体の記録再生装置であって、
記録層からの反射光レベルを測定する反射光レベル測定手段と、測定した前記反射光レベルを格納する反射光レベル格納手段と、記録層が記録状態の場合と未記録状態の場合でのレーザー光の透過率の違いを表す補正係数を格納する補正係数格納手段と、既にユーザーデータを記録した記録層を特定する記録済記録層情報を格納する記録済記録層情報格納手段と、情報を記録する際のレーザー光強度を含むパルス条件を制御するパルス条件設定手段と、再生した信号の品質を判定する信号品質判定器と、装置全体を制御するコントローラーを含み、前記コントローラーは、テスト記録の結果と前記テスト記録を行った領域の反射光レベルと基準となる反射光レベルと前記記録済記録層情報および前記補正係数を用いて、ユーザーデータを記録するパルス条件を決定することを特徴とする記録再生装置。

0156

(付記12)
コントローラーは、複数の係数の中から、記録しようとする記録層と一致する目標記録層情報及び記録済記録層情報と一致する記録層特定情報とともに記録されている補正係数を選択し、前記選択された補正係数を用いて、ユーザーデータを記録するパルス条件を決定することを特徴とする付記11記載の記録再生装置。

0157

(付記13)
コントローラーは、光学式情報記録媒体から読み出した記録済記録層情報によって、ユーザーデータを記録しようとする記録層よりもレーザー光入射側の各記録層が記録済かどうかを判別し、記録済の記録層に応じた補正係数を選択することを特徴とする付記11記載の記録再生装置。

0158

(付記14)
記録済記録層情報が、記録層における記録済領域の位置を示す記録済アドレス情報を含むことを特徴とする付記11記載の記録再生装置。
(付記15)
コントローラーは、記録媒体から読み出した記録済アドレス情報から、記録層の記録済領域の位置を判断し、前記記録済領域の位置と、新たにユーザーデータを記録しようとする位置を基に、補正係数を選択することを特徴とする付記14記載の記録再生装置。

0159

(付記16)
信号品質判定器は再生した信号の振幅、変調度、ジッター値または誤り率の何れかを測定して、前記信号の品質を評価することを特徴とする付記11記載の記録再生装置。
(付記17)
パルス条件は、レーザーパルスの強度、長さ及び発生タイミングを含み、記録するマークの長さ及び、または間隔に適応して設定されることを特徴とする付記11記載の記録再生装置。

0160

(付記18)
一方の面からレーザー光を照射することによって情報の記録、再生もしくは消去を行う複数の記録層を有する光学式情報記録媒体の記録再生装置であって、
記録層からの反射光レベルを測定する反射光レベル測定手段と、測定した前記反射光レベルを格納する反射光レベル格納手段と、情報を記録する際のレーザー光強度を含むパルス条件を制御するパルス条件設定手段と、再生した信号の品質を判定する信号品質判定器と、装置全体を制御するコントローラーを含み、
前記コントローラーは、レーザー光の強度を変えながらテスト記録を行い、前記テスト記録した信号を再生し、前記再生した信号の品質を評価し、前記記録層よりもレーザー光入射側の記録層の透過率が情報を記録することによって低下する媒体では、暫定パルス条件のレーザー光の強度を、前記信号品質が予め定められた基準を満足する最大値近傍に設定し、前記レーザー光入射側の記録層の透過率が情報を記録することによって増大する媒体では、暫定パルス条件のレーザー光の強度を、前記信号品質が予め定められた基準を満足する最小値近傍に設定し、
前記テスト記録を行った領域の反射光レベルを測定し、前記記録層よりも前記レーザー光入射側の記録層においてテスト記録または情報記録を行う領域とは異なる半径位置で基準反射光レベルを測定し、前記暫定パルス条件と前記テスト記録を行った領域の反射光レベルおよび前記基準反射光レベルから最終パルス条件を決定し、前記最終パルス条件でユーザーデータを記録することを特徴とする記録再生装置。

0161

(付記19)
信号品質判定器は再生した信号の振幅、変調度、ジッター値または誤り率の何れかを測定して、前記信号の品質を評価することを特徴とする付記18記載の記録再生装置。
(付記20)
パルス条件は、レーザーパルスの強度、長さ及び発生タイミングを含み、記録するマークの長さ及び、または間隔に適応して設定されることを特徴とする付記18記載の記録再生装置。

0162

(付記21)
コントローラーは、記録層に情報を記録することによって前記記録層の透過率が低下するか増大するかを示す透過率変化情報を記録媒体から読み出し、前記記録層に情報を記録することによる透過率変化の方向を判断することを特徴とする付記18記載の記録再生装置。

0163

《付記の説明》
上記目的を達成するために本発明の第1の記録再生方法は、一方の面からレーザー光を照射することによって情報の記録、再生もしくは消去を行う複数の記録層を有する光学式情報記録媒体の記録再生方法であって、少なくとも1つの記録層に関して、前記記録層よりも前記レーザー光入射側の記録層の記録状態と未記録状態での前記レーザー光の透過率の違いを表す補正係数を前記光学式情報記録媒体の特定の場所に予め記録しておき、前記少なくとも1つの記録層では、テスト記録によりレーザーパルスの強度を含む暫定パルス条件を決定し、前記テスト記録を行った領域の反射光レベルを測定し、前記記録層よりも前記レーザー光入射側の記録層においてテスト記録または情報記録を行う領域とは異なる半径位置で基準反射光レベルを測定し、前記暫定パルス条件と前記テスト記録を行った領域の反射光レベルおよび前記基準反射光レベルから実効パルス条件を算出し、前記実効パルス条件と前記補正係数を用いて、最終パルス条件を決定し、前記最終パルス条件でユーザーデータを記録することを特徴とする。

0164

これによって、各記録層における情報の記録状態に関わらず、学習動作によって正しいパルス条件を求めることが出来ると共に、ユーザーデータを正しく記録することが可能となる。
なお、レーザー光入射側の記録層の透過率が、情報の記録によって低下する媒体では、レーザー光の強度を、テスト記録した信号の品質が予め定められた基準を満足する最大値を越えない範囲で、なおかつ前記信号品質が最も良好となる値よりも大きく設定し、ユーザーデータを記録してもよい。

0165

また、レーザー光入射側の記録層の透過率が、情報の記録によって増大する媒体では、レーザー光の強度を、テスト記録した信号の品質が予め定められた基準を満足する最小値を下回らない範囲で、なおかつ前記信号品質が最も良好となる値よりも小さく設定し、ユーザーデータを記録しても良い。

0166

本発明の第2の記録再生方法は、補正係数を用いてユーザーデータの記録を行う記録層を特定する目標記録層情報及び、前記目標記録層情報が示す記録層よりもレーザー光入射側の何れかの記録層を特定する記録層特定情報を、前記補正係数とともに、光学式情報記録媒体の特定の場所に予め記録しておき、既にユーザーデータを記録した記録層を特定する記録済記録層情報を前記光学式情報記録媒体の特定の場所に記録し、新たにユーザーデータを記録する前に前記記録済記録層情報を読み出し、記録しようとする記録層と一致する目標記録層情報及び前記記録済記録層情報と一致する記録層特定情報とともに記録されている補正係数を選択し、テスト記録の結果と前記選択された補正係数を用いて最終パルス条件を決定することを特徴とする。

0167

これによって、ユーザーデータを記録しようとする記録層よりもレーザー光照射側の記録層のうち何層の記録層が記録済であるかを判定し、その記録状態に適した前記補正係数を選択することがでるため、より最適なパルス条件を求めることができる。したがって、より確実なユーザーデータの記録が可能となる。

0168

また、前記記録済記録層情報の代わりに、既にユーザーデータを記録した最終位置を特定する記録済アドレス情報を用いても良い。
本発明の第3の記録再生方法は、少なくとも1つの記録層で、テスト記録によりレーザーパルスの強度を含む暫定パルス条件を決定し、前記テスト記録を行った領域の反射光レベルを測定し、前記記録層よりも前記レーザー光入射側の記録層においてテスト記録または情報記録を行う領域とは異なる半径位置で基準反射光レベルを測定し、前記暫定パルス条件と前記テスト記録を行った領域の反射光レベルおよび前記基準反射光レベルから実効パルス条件を算出し、ユーザーデータを記録する情報記録領域の反射光レベルを測定し、前記実効パルス条件と前記情報記録領域の反射光レベルおよび前記基準反射光レベルから最終パルス条件を決定し、前記最終パルス条件でユーザーデータを記録することを特徴とする。

0169

これによって、各記録層における情報の記録状態に関わらず、学習動作によって正しいパルス条件を求めることが出来ると共に、ユーザーデータを正しく記録することが可能となる。
また、記録層に情報を記録する場合のレーザー光強度の上限値を光学式情報記録媒体の特定の場所に予め記録しておき、前記上限値よりも小さいレーザー光強度の範囲でテスト記録を行い、前記テスト記録によって決定したパルス条件でユーザーデータを記録することにより、前記記録層のテスト記録領域における透過率の変動を抑制し、より奥側の記録層での記録再生に与える影響を小さくすることができる。

0170

本発明にかかる記録再生方法および記録再生装置は、一方の面からレーザー光を照射することによって情報の記録、再生もしくは消去を行う複数の記録層を有する光学式情報記録媒体に対して、記録層におけるレーザー光の透過率が情報記録の有無によって異なる場合であっても、各記録層における情報の記録状態に関わらず、学習動作によって正しいパルス条件を求めることが出来るとともに、ユーザーデータを正しく記録することが出来るという効果を有し、大きな記録容量を必要とする情報記録装置等に有用である。

図面の簡単な説明

0171

本発明の実施の形態1における記録再生方法を適用する光学式情報記録媒体の一例を示す断面図
本発明の実施の形態1における記録再生方法を適用する光学式情報記録媒体の一例の要部を示す断面図
本発明の実施の形態2における記録再生方法を適用する光学式情報記録媒体の一例を示す断面図
本発明の記録再生装置の一実施の形態の構成を示すブロック図
本発明の記録再生方法の一実施の形態を示すフローチャート
従来の光学式情報記録媒体を示す斜視図
本発明の記録再生方法においてテスト記録した信号の品質を示す特性図
本発明の記録再生方法においてテスト記録した信号の品質を示す特性図
本発明の記録再生装置における反射光レベル信号の波形図

符号の説明

0172

1,11光学式情報記録媒体
2,12 保護膜
3,5,13,15,17記録層
4,14,16 透明分離層
6,18基板
101,104,111,114,117リードイン領域
102,105,112,115,118テスト記録領域
103,106,113,116,119情報記録領域
201,203,204,206 保護層
202,205相変化層
207反射層
401光学ヘッド
403コントローラー
410補正係数格納回路
411記録済記録層情報格納回路
412パルス条件格納回路
413 パルス条件設定回路
418反射光レベル測定回路
419 反射光レベル格納回路

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