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技術 経済分析装置、経済分析方法、経済分析プログラム、およびこのプログラムを記録した記録媒体

出願人 東京電力ホールディングス株式会社
発明者 田口祥一
出願日 2003年12月19日 (17年0ヶ月経過) 出願番号 2003-423388
公開日 2005年7月7日 (15年5ヶ月経過) 公開番号 2005-182528
状態 拒絶査定
技術分野 特定用途計算機
主要キーワード 傾斜配分 不偏推定量 一般財 原価償却 生産財 マクロ分析 潜在需要 有線電気通信
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年7月7日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (15)

課題

投資主体投資態度を基にして、マクロ経済分析の手法によってその潜在的な財認識の差異を測定する。

解決手段

経済分析装置1は、IT財と一般財との原データセットを取得し最近年までデータセット延長し、前記IT財と前記一般財との投資額変化率有意差検定を行う有意差検定手段11と、前記有意差検定手段により取得した原データセットと最近年まで延長したデータセットとでそれぞれ生産関数を生成する生産関数生成手段12と、生産関数生成手段により生成した生産関数に基づき、前記IT財と前記一般財との調整速度の有意差検定を行なう調整速度有意差検定手段13と、前記調整速度有意差検定手段により検定した前記調整速度から、前記IT財と前記一般財との調整速度の変化率を検定する調整速度変化率有意差検定手段14とを備える。

概要

背景

生産に対するIT関連投資財の効果については、限界生産性、全要素生産性、労働代替性、労働の情報装備率等に基づき、多くのマクロ的な経済分析が行なわれており、その有効性が証明されつつある。また、ミクロ分析の面からも、投資主体のIT関連投資財に対する積極性が明らかにされている。なお、係る従来例に該当する先行文献は特に見つかっていない。

概要

投資主体の投資態度を基にして、マクロ経済分析の手法によってその潜在的な財認識の差異を測定する。経済分析装置1は、IT財と一般財との原データセットを取得し最近年までデータセット延長し、前記IT財と前記一般財との投資額変化率有意差検定を行う有意差検定手段11と、前記有意差検定手段により取得した原データセットと最近年まで延長したデータセットとでそれぞれ生産関数を生成する生産関数生成手段12と、生産関数生成手段により生成した生産関数に基づき、前記IT財と前記一般財との調整速度の有意差検定を行なう調整速度有意差検定手段13と、前記調整速度有意差検定手段により検定した前記調整速度から、前記IT財と前記一般財との調整速度の変化率を検定する調整速度変化率有意差検定手段14とを備える。

目的

本発明の目的は、投資主体の投資態度を基にして、マクロ経済分析における手法によってその潜在的な財認識の差異を測定する技術を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

IT財と一般財との原データセットを取得し最近年までデータセット延長し、前記IT財と前記一般財との投資額変化率有意差検定を行う有意差検定手段と、前記有意差検定手段により取得した原データセットと最近年まで延長したデータセットとでそれぞれ生産関数を生成する生産関数生成手段と、前記生産関数生成手段により生成した生産関数に基づき、前記IT財と前記一般財との調整速度の有意差検定を行なう調整速度有意差検定手段と、前記調整速度有意差検定手段により検定した前記調整速度から、前記IT財と前記一般財との調整速度の変化率を検定する調整速度変化率有意差検定手段と、を備えたことを特徴とする経済分析装置

請求項2

IT財と一般財との原データセットを取得し最近年までデータセットを延長し、前記IT財と前記一般財との投資額変化率の有意差検定を行う有意差検定ステップと、前記有意差検定ステップにおいて取得した原データセットと最近年まで延長したデータセットとでそれぞれ生産関数を生成する生産関数生成ステップと、前記生産関数生成ステップにおいて生成した生産関数に基づき、前記IT財と前記一般財との調整速度の有意差検定を行なう調整速度有意差検定ステップと、前記調整速度有意差検定ステップにおいて検定した前記調整速度から、前記IT財と前記一般財との調整速度の変化率を検定する調整速度変化率有意差検定ステップと、を備えたことを特徴とする経済分析方法

請求項3

請求項2の各ステップを実行することを特徴とする経済分析プログラム

請求項4

請求項3に記載のプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体

技術分野

0001

本発明は、IT関連財とその他の一般財との設備投資意欲の違いをマクロ経済分析における手法によって明らかにすることができる経済分析装置、経済分析方法、経済分析プログラム、およびこのプログラムを記録した記録媒体する。

背景技術

0002

生産に対するIT関連投資財の効果については、限界生産性、全要素生産性、労働代替性、労働の情報装備率等に基づき、多くのマクロ的な経済分析が行なわれており、その有効性が証明されつつある。また、ミクロ分析の面からも、投資主体のIT関連投資財に対する積極性が明らかにされている。なお、係る従来例に該当する先行文献は特に見つかっていない。

発明が解決しようとする課題

0003

しかし、従来、ミクロ分析の投資主体の投資態度を、マクロ分析的に実証した技術は提供されていない。したがって、たとえば、各資本ストック蓄積GDPに与える相関度合いを把握することができないという問題があった。

0004

本発明の目的は、投資主体の投資態度を基にして、マクロ経済分析における手法によってその潜在的な財認識の差異を測定する技術を提供することにある。

課題を解決するための手段

0005

本発明の経済分析装置は、IT財と一般財との原データセットを取得し最近年までデータセット延長し、前記IT財と前記一般財との投資額変化率有意差検定を行う有意差検定手段と、前記有意差検定手段により取得した原データセットと最近年まで延長したデータセットとでそれぞれ生産関数を生成する生産関数生成手段と、前記生産関数生成手段により生成した生産関数に基づき、前記IT財と前記一般財との調整速度の有意差検定を行なう調整速度有意差検定手段と、前記調整速度有意差検定手段により検定した前記調整速度から、前記IT財と前記一般財との調整速度の変化率を検定する調整速度変化率有意差検定手段とを備えたことを特徴とする。

0006

本発明の経済分析装置では、有意差検定手段は、取得した原データセットに適宜の加工を加え、最近年までのデータセットの延長を行なうことができ、有意差検定手段によるデータセットの延長には、たとえば、自己回帰移動平均法を用いることができる。

0007

本発明の経済分析装置において、上記の生産関数生成手段はコブダグラス型生産関数、あるいはトランスログ型生産関数を用いることができる。また、上記の調整速度有意差検定手段は生産関数を所定の資本ストックで微分することによって調整速度を計測し、これにより投資主体におけるIT財の理論上の理想値を求め、その理想値と実際の前期までの資本財ストックとの乖離今期の設備投資財がどの程度の割合で埋め合わせを行なっているかを比較分析する。また、上記の調整速度変化率有意差検定手段は、各時点での投資主体の調整速度としての設備投資態度のみならず、連続した一つの流れの中での潜在的、包括的投資態度を明らかにすることができる。

0008

本発明の経済分析方法は、IT財と一般財との原データセットを取得し最近年までデータセットを延長し、前記IT財と前記一般財との投資額変化率の有意差検定を行う有意差検定ステップと、前記有意差検定ステップにおいて取得した原データセットと最近年まで延長したデータセットとでそれぞれ生産関数を生成する生産関数生成ステップと、前記生産関数生成ステップにおいて生成した生産関数に基づき、前記IT財と前記一般財との調整速度の有意差検定を行なう調整速度有意差検定ステップと、前記調整速度有意差検定ステップにおいて検定した前記調整速度から、前記IT財と前記一般財との調整速度の変化率を検定する調整速度変化率有意差検定ステップとを備えたことを特徴とする。
また、本発明の経済分析プログラムは、上記ステップを実行するものであり、これらのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納することができる。

発明の効果

0009

本発明によれば、投資主体の設備投資態度のみならず、潜在的、包括的投資態度を明らかにすることができる。また、組織体の理論上の潜在需要の測定、IT化の進展による消費電力量の増減予測、組織体の部門分割における理論上の最適組織構成提言等が可能となる。

発明を実施するための最良の形態

0010

図1は、本発明の経済分析装置の一実施形態を示すブロック図である。図1において、経済分析装置1は、有意差検定手段11と、生産関数生成手段12と、調整速度有意差検定手段13と、調整速度変化率有意差検定手段14と備えている。

0011

有意差検定手段11は、IT財と一般財との原データセットを取得し、最近年までデータセットを延長し(推定し)、IT財と一般財との投資額の変化率の有意差検定を行う。具体的には、有意差検定手段11は、図2に示すように、年・年度、半期、四半期または月等ごとのGDP、労働人口、労働時間利子率原価償却率について、各財の資本ストック額Kiと、各財の投資額Iiとを取得し、これをデータセットとして定義する。

0012

生産関数生成手段12は、有意差検定手段11により取得した原データセットと最近年まで延長したデータセットとでそれぞれ生産関数を生成する。具体的には、生産関数生成手段12は、自己回帰移動平均法により最近年までデータセットを延長する。この場合、コブ・ダグラス型生産関数(投資主体の全期間を通しての生産活動方程式)のパラメータの想定を行なう。

0013

調整速度有意差検定手段13は、生産関数生成手段12により生成した生産関数に基づき、IT財と一般財との調整速度の有意差検定を行なう。

0014

調整速度変化率有意差検定手段14は、調整速度有意差検定手段13により検定した有意差に基づき、IT財と一般財との調整速度の変化率の有意差を検定する。
以下、経済分析装置1の動作を説明する。
生産関数生成手段12は、コブ・ダグラス型生産関数による演算を行なう。コブ・ダグラス型生産関数は、
Y=ALαK1β1K2β2・・・(1)

0015

で表される。ここで、Y:GDP、L:労働人口×労働時間、A:定数項とすることができる。
両辺にログ(ロガリズム)演算を施すと、
ln(GDP)=定数項+αln(労働人口×労働時間)
+β1ln(Ki)+β2ln{ΣK(i-1)} ・・・(2)
となり、これを最小二乗法にて計算する。図3に、最小二乗法による各パラメータの推計の例を示す。

0016

Ki財とΣK(i-1)財の理論上の資本ストック最適値計算を以下のように定義する。なお、Ki財は、判断対象・着目すべき財であり、本実施の形態では例えばIT財である。また、ΣK(i-1)財は、比較対象の財であり、Ki財以外の財つまり、本実施の形態では例えば一般財である。

0017

∂Yt/∂K*it=βi×Yt/K*it=rt+δit ・・・(3)
K*it=(βi×Yt)/(rt+δit) ・・・(3′)

0018

ここで、rt:t期の利子率
δit:t期の減価償却率(δit=(Kit−Iit)/Ki(t-1))
K*it:t期のKi財とΣK(i-1)財の資本ストックの理論上の最適値
Kit:t期のKi財とΣK(i-1)財の資本ストックである。

0019

調整速度有意差検定手段13は、Ki財とΣK(i-1)財の調整速度計算(投資主体の毎期ごとの各財への顕在的投資態度の測定)を行なう。
λit=Iit/(K*it−Ki(t-1)) ・・・(4)

0020

ここで、λit:Ki財とΣK(i-1)財のt期の調整速度(図4参照)、調整速度:顕在的投資態度の尺度で−∞〜∞の正規分布、Iit:Ki財とΣK(i-1)財のt期の投資額、Ki(t-1):Ki財とΣK(i-1)財のt−1期の資本ストックである。

0021

調整速度変化率有意差検定手段14は、Ki財とΣK(i-1)財の調整速度の変化率計算(投資主体の毎期ごとの各財への潜在的投資態度の測定)を行なう。
λit/λi(t-1) ・・・(5)
ここで、λi(t-1):Ki財とΣK(i-1)財のt−1期の調整速度、である。

0022

さらに、Ki財とΣK(i-1)財との調整速度変化率の平均分布有意差検定(投資主体の全期間を通しての財間の潜在的投資態度の測定)を実行する(図5参照)。
すなわち、2組の標本が同じ母集団からのものか否かの検定を行う関数
z=(x1−x2)÷〔σ×(1/n1+1/n2)1/2〕 ・・・(6)
を定義する。

0023

ここで、x1,x2は標本平均値、σは標準偏差である。通常σは不明なので、σの不偏推定量(母集団の標準偏差の推定値)、
〈S〉=〔(n1S12+n2S22)/(n1+n2−2)〕1/2 ・・・(7)
をσに代入した式、
tn1+n2-2=(x1−x2)÷〔σ×(1/n1+1/n2)1/2〕 ・・・(8)
を採用する。

0024

ただし、σ=〔(n1S12+n2S22)/(n1+n2−2)〕1/2をも検定値として検定する。

0025

最後に、投資主体の潜在的投資意欲の判定(投資主体の全期間を通しての財間の潜在的投資態度の判定)を行なう。この場合、平均分布有意差検定結果の解釈は以下のようにして行なう。

0026

すなわち、「有意である」ときは、平均分布有意差検定値が信頼限界値に落ちなければ、投資主体の財毎の潜在的な投資意欲は違うという結果(仮説)を棄却する(すなわち、同じものと解釈できる)。「有意でない」ときは、平均分布有意差検定値が信頼限界値に落ちれば、投資主体の財毎の潜在的な投資意欲は違うという結果を棄却できない(すなわち、調整速度(投資態度)の大きい財に顕在的な投資態度のみならず、潜在的な投資意欲も認められると解釈できる)。

0027

以下、本発明をより詳細な実施例により説明する。
《第1ステップ》
本実例では、特徴が異なる3通りのデータセットA(「経済企画調査局(2000)」),B(「平成13年情報通信白書」),C(「内経済社会総合研究所(2002)」)を使用する。

0028

〈データセットA〉
IT関連投資財として「電子計算機本体」,「電子計算機付属装置」,「有線電気通信機器」,「無線電気通信機器」,「その他の電気通信機器」,「電気通信設備建設」,「複写機」,「ワードプロセッサ」,「その他事務用機器」のうち、民間固定資本財形成に計上された金額を定義する。ここでのIT関連資本財は、小売値ではなく、中間投入ベースで、ハードウェア的側面から集計された民間企業設備投資財である。また、減価償却率は、恒久棚卸法により定められる。ここでは、U.S.Department of Commerce(1997)を日本の各財の定義にあてはめたものを使用る。

0029

IT関連資本財,原価償却のデータは、長期時系列自己回帰和分移動平均(autoregressive integrated average)分析におる予測を行なう。具体的には、IT関連投資財とその他一般関連投資財の原価償却の原時系列データを自己回帰、移動平均は2階、和分は1階までの8個の自己相関モデルを想定し、それぞれ最尤推定法に最適な次数AIC(Akaike Information Criterion)基準で、対数最大尤度が最小になるように求めた。

0030

〈データセットB〉
IT関連資本財として「電子計算機」,「電子計算機付属装置」,「有線電気通信機器」,「無線電気通信機器」,「ソフトウェア」の合計値として定義する。ここでのIT関連資本財は小売値である。このデータセットの特徴は、民間企業の設備投資財の中でも、ソフトウェア的な側面から集計されたもので、商業取引全体から見た分析を行なうことができる。また、減価償却率は、恒久棚卸法により定められる。ただし、本実施例では最近年までのデータの延長は行なわないこととする。

0031

〈データセットC〉
IT関連投資財として「電子計算機本体」,「電子計算機付属装置」,「有線電気通信機器」,「無線電気通信機器」,「その他の電気通信機器」,「電気通信設備建設」,「複写機」,「ワードプロセッサ」,「その他事務用機器」のうち、民間固定資本財形成に計上された金額を定義する。ここでのIT関連資本財は、小売値ではなく、中間投入値ベースで、ハードウェア的側面から集計された民間企業設備投資財である。

0032

《第2ステップ》
第2ステップでは、第1ステップでのデータセットを用いて生産関数を推定する。資本ストックは、IT関連財と、その他の財(一般財)とに分離した上で、コブ・ダグラス型生産関数に当てはめて各パラメータを導出する(後述する図12図14,図15のパラメータデータを参照)。

0033

通常、コブ・ダグラス型生産関数を用いる理由は、投入と算出との一次同次性を仮定することで式の展開の簡素化を図ることにあるが、本実施例においては、生産関数の一次同次性の制約条件をつけなくても、後の分析への影響が軽微である。このため、重回帰分析等を含めた最も当てはまりが良い生産関数を想定することにした。

0034

マクロ経済学における各種実証研究から、生産にとって労働投入が最も多くの分配率を有し、かつ最大波及原因であること、すなわち生産主体は、資本財の量を調整するよりも、労働者、あるいは労働時間を柔軟に変更することで、その需要量対処する傾向があることが証明されている。したがって、本実施例では、資本財は労働投入を含めた3財とする。
コブ・ダグラス型生産関数は、(9)で表される。

0035

Y=ALαK1β1K2β2・・・(9)
また、αと、β1と、β2との間には(10)式の関係があり、(9)式には一次同次の制約が課せられる。

0036

α+β1+β2=1 ・・・(10)
ここで、L:労働投入、K1:IT資本ストック、K2:一般資本ストックである。

0037

以上のコブ・ダグラス型生産関数を各ストックで偏微分することにより限界生産物を求めることができる。
∂Y/∂K1=β1ALαK1β1K2β2/K1 ・・・(11)

0038

コブ・ダグラス型生産関数は、不均一分散の影響を除去する目的でログ変換したうえで、最小二乗法にて各パラメータの導出を行い、これらの結果から制約条件の有用性F検定を行なう。そして、不均一分散の除去が行なわれたことを確認する意味で、Breusch−Pagan hel.テストと、自己相関の次数を確認する意味で、Durbin−Watson検定と、Ljung−Box統計量の計算を行なう。

0039

想定するコブ・ダグラス型生産関数として、一次同次性の条件の成立が疑わしい場合には、自己相関のバイアスを考慮し、回帰分析式の変数として新たに、トレンド回帰を加えたもの((12)式)と、誤差項に1階の相関を仮定したもの((13)式)、その両者を含む関数形のもの((14)式)を導入し、それぞれのパラメータを推定する。

0040

ln(Y)=c+α×ln(L)+β1×ln(K1)+β2×(K2)+time ・・・(12)
ln(Y)=c+α×ln(L)+β1×ln(K1)+β2×(K2)+ρ×ut-1 ・・・(13)
ln(Y)=c+α×ln(L)+β1×ln(K1)+β2×(K2)+time+ρ×ut-1 ・・・(14)

0041

この場合、誤差項の自己相関を仮定することに起因するバイアスを回避するために、Prais−Winsten transformation により時系列データセット自体の正規化を行なった後、最小二乗法にてパラメータの推定を行なう。

0042

また、コブ・ダグラス型生産関数は、各投入財間の影響は偏相関係数におる一定の値しか取り得ないものであるが、トランス・ログ型関数では、その値を任意に変化させることが可能な関数形となっている。すなわち、IT関連投資財がその他の一般財に与える影響を、毎年値が違う値に想定することが可能である。したがって、IT関連投資を増やすことによって、よりフレキシブル非線形の関数形としてトランス・ログ型生産関数((15)式)を併せて想定する。

0043

ln(Y)=α0+αl×ln(Xl)+αi×ln(Xi)+αh×ln(Xh)
+(1/2)×βlj×ln(Xl)ln(Xj)+(1/2)×βlh×ln(Xl)ln(Xh)
+(1/2)×βil×ln(Xi)ln(Xl)+(1/2)×βih×ln(Xi)ln(Xh)
+(1/2)×βhl×ln(Xh)ln(Xl)+(1/2)×βhi×ln(Xh)ln(Xi)
+(1/2)×βll×〔ln(Xl)〕2+(1/2)×βii×〔ln(Xi)〕2
+(1/2)×βhh×〔ln(Xh)〕2 ・・・(15)
Xl:労働投入
Xi:IT関連資本財ストック
Xh:一般資本財ストック

0044

なお、トランス・ログ型生産関数に関しては、トランス・ログ型費用関数とは異なり、シェア方程式が設定できない。このため、あえて一次同次の仮定を行なわずに対称性の仮定についてのみ採用する。よって、誘導方程式体系に配慮して推定はSUR(Seemingly Unrelated Regressoin)を使用する。P検定値の「1」に近いものは排除したうえで分析を行なう。

0045

また、関数形選定の際には平均分布有意差検定を用いるが、生産関数については分析の主要な要因を導き出すための基礎であることから、多くの選択の余地を検討するために、5%の有意水準を採用する。

0046

(15)式で表されるトランス・ログ型生産関数を採用することで、IT財自身による生産の効率化と、その他の一般財を効率化する作用との両者を含めた形での投資主体のIT関連投資財に対する投資態度を考察することが可能となる。

0047

《第3ステップ》
〈データセットAについての有意差検定〉
データセットAにより導かれる結果は、生産関数型の想定は、コブ・ダグラス型生産関数に一次同次の制約をおかないものと、一次同次の制約をおいたものとで、その制約条件の妥当性検定値はF=8.19383、有意水準1%8.285420には落ちないので、一次同次性は一応構成されるがLjung−Box統計量も次数が高くなって一次同次を仮定することでその度合いが強まっていること等から考察すると、回帰分析が妥当であると判断できる。

0048

重回帰分析の結果からはデータセット自体の対数変換を行なっているのでBreusch−Pagan hel.テストは棄却域には落ちず、不均一分散は検出されないが、Ljung−Box統計量が、次数を重ねてもなかなか芳しくならず、またDurbin−Watson比も、自己相関の疑いを示していることから、さらにトレンド回帰を加えたもの((12)式)と、誤差項の自己相関を仮定したモデル((13)式)、そして、その両者を含む関数形((14)式)を推定した。

0049

結果は、タイムトレンドの制約条件の妥当性検定値は対重回帰分析でF=3.02355で、有意水準1%8.399740の棄却域に落ちないので、その優位性は薄いと判断される。対誤差項に1階の自己相関を仮定したものはF=4.72379、有意水準5%4.451322に落ちる。
また、上記した両者を仮定したものの検定値は、F=1.40400なので、有意水準に落ちない。

0050

以上のことから、最近年までの延長形をしないデータセットでの最適な生産関数形としては、回帰分析の変数として誤差項に1階の自己相関を仮定したモデル((13)式)が妥当であると考察される。

0051

また、原データセットにおけるIT関連投資額と、一般投資投資額との変化率と、最近年まで延長したデータセットにおける投資額の変化率はともに平均分布有意差検定でT=2.64347、5%有意水準2.024394、T=2.96969、5%有意水準2.006647に落ちる。すなわち、投資主体は投資額の面からは財の違いを認識していることになる。

0052

しかし、この関数型から求められたパラメータを基にしてIT関連投資額と、一般投資投資額との設備投資の調整速度を平均分布有意差検定にかけた結果は、それぞれT=7.66370、5%有意水準2.021075と、T=2.59097、5%有意水準2.042272と、T=6.33534、5%有意水準2.006647に落ちる。
すなわち、投資主体は、図6に示すように、設備投資計画の調整速度でも財の違いを認識していることになる。

0053

なお、上記分析をオリジナルな生産関数に考察した結果も、同じくF=12.11463、5%有意水準2.0201075に落ちるので、投資主体は設備投資計画の調整速度での財の違いを認識していることになる。

0054

設備投資の調整速度の変化率を平均分布有意差検定にかけた結果は、それぞれT=1.20302、5%有意水準2.04393と、T=1.73293、5%有意水準2.048407と、T=1.31826、5%有意水準2.021075で、これらは棄却域に落ちない。つまり、図7に示すように、投資主体は設備投資計画の調整速度の変化率については財の違いを認識していなかったことになる。同様に、オリジナルな生産関数にて考察した結果も同じくT=1.47390、5%有意水準2.0201075に落ちない。

0055

〈データセットBについての有意差検定〉
データセットBにより導かれる結果は、コブ・ダグラス型生産関数に一次同次の制約をおかないものと、一次同次の制約をおいたものとで、その制約条件の妥当性検定値はF=14.72118、5%有意水準4.493998に落ちるので、一次同次性は否定される。また、データセットAについての有意差検定におけると同様に関数径の検討を行なうと、タイムトレンドの制約条件の妥当性検定値は、対重回帰分析で、F=12.55983、5%有意水準4.543077の棄却域に落ちるので、その優位性は高いと考察される。

0056

対誤差項に1階の自己相関を仮定したものも、F=17.19425、5%有意水準4.493998に落ちる。
また、上記した両者を仮定したものの検定値はF=1.78438なので、有意水準5%有意水準4.543077に落ちない。

0057

以上のことから、データセットBでの最適な生産関数の候補としては、回帰分析式の変数として新たに、トレンド回帰を加えたもの((12)式参照)、または誤差項に1階の自己相関を仮定したもの((14)式)の何れかが妥当であるといえる。Ljung−Box統計量については両関数とも有意義であるが、Durbin−Watson検定については誤差項に1階の自己相関を仮定したモデルは棄却域に落ち、トレンドを加えたモデルでは採用も棄却もできない域に存在するので、情報量基準では逆の採用を示唆するが、誤差項に1階の自己相関を仮定したモデルが妥当であると判断する。

0058

また、原データセットにおけるIT関連投資額と、一般投資投資額との変化率は平均分布有意差検定で、T=2.29910、5%有意水準2.028094に落ちるので、投資主体は投資額の面で財の違いを認識していることになる。

0059

しかし、この関数形から求められたパラメータを基にしてIT関連投資額と、一般投資投資額との設備投資の調整速度を平均分布有意差検定にかけた結果は、図8に示すようにT=5.74513、5%有意水準2.028094に落ちる。すなわち、投資主体は、設備投資計画の調整速度でも、財の違いを認識していることになる。

0060

最後に、設備投資の調整速度の変化率を平均分布有意差検定にかけた結果は、それぞれT=1.97362、5%有意水準2.032245とT=1.54865、5%有意水準2.032245で、ともに棄却域に落ちない。つまり、図9に示されるように、投資主体は設備投資計画の調整速度の変化率については財の違いを認識していなかったことになる。

0061

〈データセットCについての有意差検定〉
データセットCに導かれる結果は、コブ・ダグラス型生産関数に一次同次の制約をおかないものと、一次同次の制約をおいたものとで、その制約条件の妥当性検定値はF=−17.03926、5%有意水準4.413073に落ちるので、データセットBの場合と同様、一次同次性は否定される。

0062

また、データセットCは名目値であるので、誤差項の自己相関を仮定することから起こるバイアスを回避するために、Prais−Winsten transformation により時系列データセット自体の正規化を行なった後、最小二乗法にてパラメータの推定を行なうと、タイムトレンドの制約条件有りのコブ・ダグラス型生産関数の妥当性検定値は対重回帰分析でF=8.20091で、5%有意水準4.451322の棄却域に落ちるので、その有用性は高いと考察される。しかし、この関数形においては、Ljung−Box統計量がその制約条件なしの重回帰式に比べてやや高いため、制約条件有りの関数は採用しない。

0063

誤差項に1階の自己相関を仮定したコブ・ダグラス型生産関数は、F=1.04390で、5%有意水準4.451322の棄却域に落ちなので、誤差項の1階の自己相関の有用性は高いと判断される。
また、上記の両者を仮定したものも同様である。
以上のことから、データセットCでの最適な関数形は、もっとも基礎的な重回帰分析の関数((9)式)であるといえる。

0064

より高いフレキシブル性を持つトランス・ログ型の生産関数((15)式)の違いを考察する。
一次同次性や対称性の条件は、全てデータセットBの場合と同一である。原データセットにおけるIT関連投資額と、一般投資投資額との変化率は、平均分布有意差検定でT=2.73369で、5%有意水準2.021075に落ちるので、投資主体は投資額の面で財の違いを認識していることになる。

0065

つぎに、想定した両生産関数形の、コブ・ダグラス型生産関数におけるパラメータを基にしてIT関連投資額と、一般投資投資額との設備投資の調整速度を平均分布有意差検定にかけた結果は、図10に示すように、T=7.57978、5%有意水準2.021075に落ちるので、投資主体は調整速度に関しても財の違いを認識していたことになる。

0066

また、同様にトランス・ログ型生産関数におけるパラメータを基にした同分析結果も、T=12.29521、5%有意水準2.036933に落ちる。ただし、トランス・ログ型生産関数についての注意点はデータセットBの場合と同様である。

0067

つぎに、コブ・ダグラス型生産関数のパラメータを基にしてIT関連投資額と、一般投資投資額との設備投資の調整速度の変化率を平均分布有意差検定にかけた結果は、図11に示すようにT=1.62838、5%有意水準2.024394に落ちず、またトランス・ログ生産関数におけるパラメータを基にした同分析結果も、T=0.84139、5%有意水準2.042272に落ちず、ともに投資主体は設備投資計画の調整速度の変化率については、財の違いを認識していなかったと判断できる。

0068

《第4ステップ》
調整速度とは投資主体における各投入財の前期までの理想値と、実際値との乖離の、今期での埋め合わせ速度であるので、今期の投資態度と等しく、またその変化率とは投資主体の潜在的な投資意欲(潜在的包括的投資態度)と等しいと考えることができる。

0069

各データセットA,B,Cにおける結果の解釈としては、データセットAについては、投資主体は特にいわゆるバブル期に顕著であるが、過去IT関連投資よりも一般投資の方に、より積極的な投資態度をもっており、また最近年においてはIT財に対する調整速度が、一般財に対するものよりも積極化しており、最近のIT関連財に対する社会の関心の高まりと整合することがわかる。

0070

データセットBについては、投資主体は、生産財に対する効果を、一般投資よりもIT関連投資により積極的な設備投資態度を示してきたことがわかる。特に、データセットAにおける場合と比べて、投資主体は、ソフトウェアや流通マージンに対する投資意欲が顕著である。

0071

データCについては、公的企業を含めると、各財間の投資態度としての調整速度の乖離が大きくなることから、公的企業のもつ公平性の原則から、どの財に対してもより均一的になるような分配が行なわれ、民間企業のIT関連投資と、一般投資とに対する投資態度を平準化するような投資がなされてきたのではなく、全体としてピークをより高める作用を施していたことになり、いわば財間の投資設備における傾斜配分がIT関連財についても実証されたことになる。

0072

特徴が異なるデータセットA,B,Cから導かれる共通の結果として、投資主体は、IT関連投資と一般投資との投資態度には有意な違いを示しながらも、その潜在的な投資意欲には,有意な違いは示していない。つまり、現在、活発に行なわれているIT関連財投資でさえ、多少の揺らぎはあるものの、あくまでも投資主体の潜在的な投資意欲の方向に収束してゆくものであることがわかる。

0073

以上、投資主体のIT関連投資に対する潜在的投資態度を把握する手段を検討するべく、生産に対するマクロ経済効果実証分析を行なったが、本発明ではマクロのみならず、ミクロとして各組織対の潜在的投資意欲を明らかにすることもできる。なお、図12図13図14に経済企画庁データ,情報通信白書データ,内閣府データのコブ・ダグラス型生産関数のパラメータを示す。

図面の簡単な説明

0074

本発明の経済分析装置の一実施形態を示すブロック図である。
有意差検定手段が取得したデータセットを示す図である。
最小二乗法による各パラメータ推計する場合の当該パラメータの例を示す図である。
Ki財とΣK(i-1)財のt期の調整速度を示す図である。
平均分布有意差検定を行なう場合のパラメータを示す図である。
データセットA(経済企画庁データ)のコブ・ダグラス型生産関数に基づくIT財と一般財の調整速度を示す図である。
データセットA(経済企画庁データ)のコブ・ダグラス型生産関数に基づくIT財と一般財の調整速度変化率を示す図である。
データセットB(情報通信白書データ)のコブ・ダグラス型生産関数に基づくIT財と一般財の調整速度を示す図である。
データセットB(情報通信白書データ)のコブ・ダグラス型生産関数に基づくIT財と一般財の調整速度変化率を示す図である。
データセットC(内閣府データ)のコブ・ダグラス型生産関数に基づくIT財と一般財の調整速度を示す図である。
データセットC(内閣府データ)のコブ・ダグラス型生産関数に基づくIT財と一般財の調整速度変化率を示す図である。
経済企画庁データに基づくコブ・ダグラス型生産関数のパラメータを示す図である。
情報通信白書データに基づくコブ・ダグラス型生産関数のパラメータを示す図である。
内閣府データに基づくコブ・ダグラス型生産関数のパラメータを示す図である。

符号の説明

0075

1経済分析装置
11有意差検定手段
12生産関数生成手段
13調整速度有意差検定手段
14 調整速度変化率有意差検定手段

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