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技術 CVケーブルの劣化診断方法及び劣化診断装置

出願人 株式会社フジクラ中部電力株式会社
発明者 今博之内田克巳宮島和久
出願日 2003年12月22日 (15年11ヶ月経過) 出願番号 2003-425371
公開日 2005年7月7日 (14年4ヶ月経過) 公開番号 2005-181208
状態 拒絶査定
技術分野 絶縁性に関する試験
主要キーワード 補助ケーブル 所定相 測定対象信号 劣化診断法 残留電荷測定 直流課電 超高圧ケーブル 直流電流成分
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図面 (5)

課題

併設されるケーブルの影響を低減させて正確な劣化診断を行うことができるCVケーブル劣化診断方法及び劣化診断装置を提供する。

解決手段

CVケーブルの第1相を構成する測定対象ケーブル1aに直流電圧課電した後に接地し、その後に交流電圧を課電することにより直流電圧の課電によって蓄積された電荷を放出させて残留電荷量を測定し、測定対象ケーブルの劣化診断する方法において、電荷の放出によって測定対象ケーブル1aに流れる第1電流低周波成分を通過させる第1ローパスフィルタ7aからの第1信号と、CVケーブルの第2相を構成する測定補助ケーブル1bに流れる第2電流の低周波成分を通過させる第2ローパスフィルタ7bからの第2信号との差を差動増幅器8で算出し、算出された信号を残留電荷量を表す信号としてパーソナルコンピュータ10で処理して測定対象ケーブル1aの劣化を診断する。

概要

背景

従来、地中送電用ケーブルとして、優れた電気的特性、作業の容易性を有するCVケーブル(Cross-linked polyethylen insulated polyvinyl-chloride sheathed cable)が用いられている。このCVケーブルには、水が存在する環境で使用されることによって、その絶縁体中水トリーという現象が発生し、絶縁劣化が生じる。

そこで、水トリー発生の有無を診断する技術として残留電荷測定法が検討されている。この残留電荷測定法は、CVケーブルに直流電圧課電し、その後に接地して直流電圧の課電を停止し、続いて交流電圧を課電し、これによりCVケーブルに生じた直流電流成分を検出する。そして、この検出により得られた直流電流成分を積分することにより残留電荷量を計算する。この残留電荷測定法は水トリーによる絶縁劣化の程度や破壊電圧との相関がよく、CVケーブルの劣化診断方法として注目されている。

水トリーにより絶縁劣化した絶縁体残留電荷発生のメカニズムは、例えば特許文献1に説明されている。即ち、絶縁体中に水トリーが存在していると、直流電圧の課電によって水トリー部と健全な絶縁体との界面に空間電荷蓄積される。直流電圧の課電後に接地して直流電圧の課電を停止すると、絶縁体内部には空間電荷が残留しており、この空間電荷は電界によって移動を開始し、最終的には消滅する。

この空間電荷は、接地(短絡)が保たれている場合には、時間と共に指数関数的に移動・減衰し、直流電流(逆吸収電流)として接地回路に流れる。また、接地が開放された場合には、時間とともにある一定値飽和するように直流電圧(残留電圧)が開放された電極間回復してくる。この逆吸収電流と残留電圧の発生は、直流電圧の課電後の接地という急変に対する絶縁体内部の空間電荷の応答遅れに原因している。

この接地の開放後に回復してくる残留電荷は水トリーによる絶縁劣化の判定に利用できる。しかし、空間電荷の移動・消滅に要する時間が著しく長いので、測定回路観測される残留電荷の回復時間が著しく遅くなり、測定時間が短いと大きな信号が得られない。ところが、交流電圧を課電すると、水トリー劣化部に存在していた空間電荷の移動速度が速められて、水トリー劣化に起因する残留電荷を短時間で顕在化できる。これが交流電圧を課電して残留電荷測定をする所以である。

上述した従来の残留電荷測定法を用いて多芯又は多撚りのCVケーブルの劣化診断を行う場合は、図4に示すように、複数のCVケーブルの中の1つが測定対象ケーブルAとして選択される。そして、残留電荷測定装置50は、選択された測定対象ケーブルAに対して直流電圧の課電、直流電圧の課電の停止及び交流電圧の課電を順次行う。交流電圧の課電によって残留電荷測定装置50から出力される信号は、ローパスフィルタ51で高周波成分が除去された後に増幅器52で増幅され、パーソナルコンピュータ53に送られる。パーソナルコンピュータ53は、増幅器52からの信号を解析することにより、CVケーブルの劣化を診断する。
特開2001−349922号公報

概要

併設されるケーブルの影響を低減させて正確な劣化診断を行うことができるCVケーブルの劣化診断方法及び劣化診断装置を提供する。CVケーブルの第1相を構成する測定対象ケーブル1aに直流電圧を課電した後に接地し、その後に交流電圧を課電することにより直流電圧の課電によって蓄積された電荷を放出させて残留電荷量を測定し、測定対象ケーブルの劣化を診断する方法において、電荷の放出によって測定対象ケーブル1aに流れる第1電流低周波成分を通過させる第1ローパスフィルタ7aからの第1信号と、CVケーブルの第2相を構成する測定補助ケーブル1bに流れる第2電流の低周波成分を通過させる第2ローパスフィルタ7bからの第2信号との差を差動増幅器8で算出し、算出された信号を残留電荷量を表す信号としてパーソナルコンピュータ10で処理して測定対象ケーブル1aの劣化を診断する。

目的

本発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、その課題は、併設されるケーブルの影響を低減させて正確な劣化診断を行うことができるCVケーブルの劣化診断方法及び劣化診断装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

CVケーブル所定相を構成する測定対象ケーブル直流電圧課電した後に接地し、その後に交流電圧を課電することにより前記直流電圧の課電によって蓄積された電荷を放出させて残留電荷量を測定し、前記測定対象ケーブルの劣化診断するCVケーブルの劣化診断方法において、前記電荷の放出によって前記測定対象ケーブルに流れる第1電流低周波成分を抽出し、前記CVケーブルの他の相を構成する測定補助ケーブルに流れる第2電流の低周波成分を抽出し、前記第1電流の低周波成分と前記第2電流の低周波成分との差分を算出し、算出された差分に基づいて残留電荷量を測定し、前記測定対象ケーブルの劣化を診断することを特徴とするCVケーブルの劣化診断方法。

請求項2

CVケーブルの所定相を構成する測定対象ケーブルに直流電圧を課電した後に接地し、その後に交流電圧を課電することにより前記直流電圧の課電によって蓄積された電荷を放出させて残留電荷量を測定し、前記測定対象ケーブルの劣化を診断するCVケーブルの劣化診断装置において、前記電荷の放出によって前記測定対象ケーブルに流れる第1電流の低周波成分を通過させる第1ローパスフィルタと、前記CVケーブルの他の相を構成する測定補助ケーブルに流れる第2電流の低周波成分を通過させる第2ローパスフィルタと、前記第1ローパスフィルタから出力される第1信号と前記第2ローパスフィルタから出力される第2信号との差を算出する差動増幅器と、前記差動増幅器から出力される信号を残留電荷量を表す信号として処理することにより前記測定対象ケーブルの劣化を診断する処理装置と、を備えることを特徴とするCVケーブルの劣化診断装置。

技術分野

0001

本発明は、水トリー劣化したCVケーブル絶縁体残存性能非破壊的診断するCVケーブルの劣化診断法及び劣化診断装置に関する。

背景技術

0002

従来、地中送電用ケーブルとして、優れた電気的特性、作業の容易性を有するCVケーブル(Cross-linked polyethylen insulated polyvinyl-chloride sheathed cable)が用いられている。このCVケーブルには、水が存在する環境で使用されることによって、その絶縁体中水トリーという現象が発生し、絶縁劣化が生じる。

0003

そこで、水トリー発生の有無を診断する技術として残留電荷測定法が検討されている。この残留電荷測定法は、CVケーブルに直流電圧課電し、その後に接地して直流電圧の課電を停止し、続いて交流電圧を課電し、これによりCVケーブルに生じた直流電流成分を検出する。そして、この検出により得られた直流電流成分を積分することにより残留電荷量を計算する。この残留電荷測定法は水トリーによる絶縁劣化の程度や破壊電圧との相関がよく、CVケーブルの劣化診断方法として注目されている。

0004

水トリーにより絶縁劣化した絶縁体の残留電荷発生のメカニズムは、例えば特許文献1に説明されている。即ち、絶縁体中に水トリーが存在していると、直流電圧の課電によって水トリー部と健全な絶縁体との界面に空間電荷蓄積される。直流電圧の課電後に接地して直流電圧の課電を停止すると、絶縁体内部には空間電荷が残留しており、この空間電荷は電界によって移動を開始し、最終的には消滅する。

0005

この空間電荷は、接地(短絡)が保たれている場合には、時間と共に指数関数的に移動・減衰し、直流電流(逆吸収電流)として接地回路に流れる。また、接地が開放された場合には、時間とともにある一定値飽和するように直流電圧(残留電圧)が開放された電極間回復してくる。この逆吸収電流と残留電圧の発生は、直流電圧の課電後の接地という急変に対する絶縁体内部の空間電荷の応答遅れに原因している。

0006

この接地の開放後に回復してくる残留電荷は水トリーによる絶縁劣化の判定に利用できる。しかし、空間電荷の移動・消滅に要する時間が著しく長いので、測定回路観測される残留電荷の回復時間が著しく遅くなり、測定時間が短いと大きな信号が得られない。ところが、交流電圧を課電すると、水トリー劣化部に存在していた空間電荷の移動速度が速められて、水トリー劣化に起因する残留電荷を短時間で顕在化できる。これが交流電圧を課電して残留電荷測定をする所以である。

0007

上述した従来の残留電荷測定法を用いて多芯又は多撚りのCVケーブルの劣化診断を行う場合は、図4に示すように、複数のCVケーブルの中の1つが測定対象ケーブルAとして選択される。そして、残留電荷測定装置50は、選択された測定対象ケーブルAに対して直流電圧の課電、直流電圧の課電の停止及び交流電圧の課電を順次行う。交流電圧の課電によって残留電荷測定装置50から出力される信号は、ローパスフィルタ51で高周波成分が除去された後に増幅器52で増幅され、パーソナルコンピュータ53に送られる。パーソナルコンピュータ53は、増幅器52からの信号を解析することにより、CVケーブルの劣化を診断する。
特開2001−349922号公報

発明が解決しようとする課題

0008

ところで、従来の残留電荷測定法を用いてCVケーブルの劣化診断を行う場合は、CVケーブルに併設される他ケーブル誘導によって測定対象ケーブルに起電力が発生する。この起電力によって測定対象信号と同程度の低周波電流誘起され、誘導ノイズとして、交流電圧の課電によって測定対象ケーブルに生じた直流電流成分に重畳される。

0009

その結果、交流電圧を課電して残留電荷を測定する際に、正確な測定値が得られないという問題が生じている。特に、CVケーブルに併設されたケーブルが超高圧ケーブルの場合は、測定対象ケーブルに重畳される誘導ノイズが極めて大きく残留電荷の測定が不可能になる場合がある。

0010

本発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、その課題は、併設されるケーブルの影響を低減させて正確な劣化診断を行うことができるCVケーブルの劣化診断方法及び劣化診断装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

本発明に係るCVケーブルの劣化診断方法は、上記課題を達成するために、CVケーブルの所定相を構成する測定対象ケーブルに直流電圧を課電した後に接地し、その後に交流電圧を課電することにより前記直流電圧の課電によって蓄積された電荷を放出させて残留電荷量を測定し、前記測定対象ケーブルの劣化を診断するCVケーブルの劣化診断方法において、前記電荷の放出によって前記測定対象ケーブルに流れる第1電流低周波成分を抽出し、前記CVケーブルの他の相を構成する測定補助ケーブルに流れる第2電流の低周波成分を抽出し、前記第1電流の低周波成分と前記第2電流の低周波成分との差分を算出し、算出された差分に基づいて残留電荷量を測定し、前記測定対象ケーブルの劣化を診断することを特徴とする。

0012

このCVケーブルの劣化診断方法によれば、CVケーブルの所定相を構成する測定対象ケーブルを流れる第1電流の低周波成分に、CVケーブルに併設される他ケーブルの誘導によって発生された低周波成分が重畳される場合は、CVケーブルの他の相を構成する測定補助ケーブルを流れる第2電流にも同様の低周波成分が重畳されるという性質を利用し、第1電流の低周波成分と第2電流の低周波成分との差分をとることにより、誘導によって重畳された低周波成分を相殺する。

0013

従って、残留電荷量の測定は、測定対象ケーブルに流れる第1電流の低周波成分のみに基づいて行われるので、測定対象ケーブルに併設されたケーブルの影響を低減させることができ、正確な劣化診断を行うことができる。

0014

また、本発明に係るCVケーブルの劣化診断装置は、CVケーブルの所定相を構成する測定対象ケーブルに直流電圧を課電した後に接地し、その後に交流電圧を課電することにより前記直流電圧の課電によって蓄積された電荷を放出させて残留電荷量を測定し、前記測定対象ケーブルの劣化を診断するCVケーブルの劣化診断装置において、前記電荷の放出によって前記測定対象ケーブルに流れる第1電流の低周波成分を通過させる第1ローパスフィルタと、前記CVケーブルの他の相を構成する測定補助ケーブルに流れる第2電流の低周波成分を通過させる第2ローパスフィルタと、前記第1ローパスフィルタから出力される第1信号と前記第2ローパスフィルタから出力される第2信号との差を算出する差動増幅器と、前記差動増幅器から出力される信号を残留電荷量を表す信号として処理することにより前記測定対象ケーブルの劣化を診断する処理装置とを備えることを特徴とする。

0015

このCVケーブルの劣化診断装置によれば、上述したCVケーブルの劣化診断方法と同様の作用及び効果を奏する。

発明の効果

0016

本発明によれば、CVケーブルの所定相を構成する測定対象ケーブルを流れる第1電流の低周波成分とCVケーブルの他の相を構成する測定補助ケーブルを流れる第2電流の低周波成分との差分をとることにより、誘導によって重畳された低周波成分を相殺し、測定対象ケーブルに流れる第1電流の低周波成分のみに基づいて残留電荷量の測定を行うようにしたので、測定対象ケーブルに併設されたケーブルの影響を低減させることができ、正確な劣化診断を行うことができる。

発明を実施するための最良の形態

0017

以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、3芯のCVケーブルを構成する第1相の導線が測定対象ケーブル1aとして、第2相の導線が測定補助ケーブル1bとしてそれぞれ使用され、第3相の導線は使用されないものとする。

0018

図1は本発明の実施の形態に係るCVケーブルの劣化診断装置の構成を示すブロック図である。このCVケーブルの劣化診断装置は、切り替えスイッチ2、直流課電装置3、交流課電変圧器4、電圧調整装置5、残留電荷検出装置6、第1ローパスフィルタ7a、第2ローパスフィルタ7b、差動増幅器8、増幅器9及びパーソナルコンピュータ(PC)10から構成されている。

0019

切り替えスイッチ2は、共通端子Tの接続を3つの接点2a、2b及び2cに切り替えることができるスイッチである。この切り替えスイッチ2の共通端子Tには測定対象ケーブル1aの一端が接続される。切り替えスイッチ2の接点2aは、直流課電装置3に接続されている。直流課電装置3は、直流電圧VDCを発生する。切り替えスイッチ2の接点2bは、保護抵抗Rを介して接地されている。切り替えスイッチ2の接点2cは、交流課電変圧器4の二次巻線の一方の端子Uに接続されている。

0020

交流課電変圧器4は、電圧調整装置5から供給される交流電圧を変圧して二次巻線に出力する。この交流課電変圧器4の二次巻線の一方の端子Uは、上述したように切り替えスイッチ2の接点2cに接続され、他方の端子Vは残留電荷検出装置6の入力端子に接続されている。また、交流課電変圧器4の一次巻線は、電圧調整装置5の出力端子に接続されている。電圧調整装置5の入力端子は交流電源に接続されている。この電圧調整装置5は、交流電源からの交流電圧値を変化させて交流課電変圧器4に供給する。これにより、交流課電変圧器4の二次側の出力電圧をゼロから所定電圧VACまで変化させることができる。

0021

残留電荷検出装置6は、交流課電変圧器4とグランドとの間に設けられている。具体的には、残留電荷検出装置6の一方の端子は、交流課電変圧器4の端子Vに接続され、他方の端子は接地されている。この残留電荷検出装置6は、上記2つの端子間に並列に接続された、2つの端子間を短絡するためのスイッチSW、交流バイパス用のコンデンサCd及び検出抵抗Rdから構成されている。残留電荷検出装置6は、上記2つの端子間に生じた信号を第1ローパスフィルタ7aに送る。

0022

第1ローパスフィルタ7aは、残留電荷検出装置6から入力された信号の低周波成分(直流成分)を通過させ、差動増幅器8に送る。第2ローパスフィルタ7bの入力側には測定補助ケーブル1bの一端が接続されている。第2ローパスフィルタ7bは、測定補助ケーブル1bに流れる信号の低周波成分(直流成分)を通過させ、差動増幅器8に送る。

0023

差動増幅器8は、第1ローパスフィルタ7aからの信号と第2ローパスフィルタ7bからの信号との差を算出して増幅する。この差動増幅器8の出力は、増幅器9に送られる。増幅器9は、差動増幅器8のから出力される信号を増幅し、残留電荷量を表す信号としてパーソナルコンピュータ10に送る。

0024

パーソナルコンピュータ10は、増幅器9から受け取った残留電荷量を表す信号に基づいてCVケーブルの劣化の有無や程度を診断する。

0025

次に、このように構成された本発明の実施の形態に係るCVケーブルの劣化診断装置の動作を説明する。

0026

最初に、残留電荷量を測定する動作を、図2に示した課電パターンを参照しながら説明する。残留電荷量を測定する場合、まず、切り替えスイッチ2の共通端子Tが接点2aに接続され、測定対象ケーブル1aに直流課電装置3からの直流電圧VDCが所定時間だけ印加される。

0027

次に、切り替えスイッチ2の共通端子Tの接続が接点2bに切り替えられる。これにより、測定対象ケーブル1aが保護抵抗Rを介して時間t1(接地時間t1)だけ接地される。次に、切り替えスイッチ2の共通端子Tの接続が接点2cに切り替えられる。これにより、測定対象ケーブル1aが交流課電変圧器4に接続され、残留電荷測定が可能な状態にされる。

0028

この状態で、電圧調整装置5が調整され、交流課電変圧器4の二次側から交流課電電圧がV1→V2→V3→V4→・・・(V1<V2<V3<V4<・・・)とステップ状に出力される。同時に、各ステップの交流課電電圧V1、V2、V3、V4、・・・毎に残留電荷検出装置6で残留電荷量が検出され、第1ローパスフィルタ7aに送られる。

0029

第1ローパスフィルタ7aは、残留電荷検出装置6から送られてくる信号の低周波成分(直流成分)を通過させて差動増幅器8に送る。この一連の動作中に、CVケーブルに併設される他ケーブル(図示しない)の誘導によって低周波成分が誘起され、誘導ノイズとして、測定対象ケーブル1aに流れる信号に重畳される。従って、第1ローパスフィルタ7aは、本来は放出された残留電荷が検出抵抗Rdを流れることによって発生される直流電圧信号のみを出力すべきところ、図3に示すように、誘導ノイズが重畳されることにより歪んだ波形の信号S1を出力する。

0030

上記動作と並行して、第2ローパスフィルタ7bは、測定補助ケーブル1bからの信号の低周波成分(直流成分)を通過させて差動増幅器8に送る。この際、CVケーブルに併設される他ケーブルの誘導によって低周波成分が誘起され、誘導ノイズとして、測定補助ケーブル1bに流れる信号に重畳される。従って、第2ローパスフィルタ7bは、本来はグランドレベルの直流電圧信号のみを出力すべきところ、図3に示すように、誘導ノイズが重畳されることにより歪んだ波形の信号S2を出力する。

0031

CVケーブルに併設される他ケーブルの誘導は、測定対象ケーブル1a及び測定補助ケーブル1bに同様に作用する。従って、第1ローパスフィルタ7aから出力される信号S1の波形と第2ローパスフィルタ7bから出力される信号S2の波形とは、図3に示すように、電圧レベルが異なることを除けば、略同一の形状を有する。

0032

差動増幅器8は、第1ローパスフィルタ7aからの信号S1と第2ローパスフィルタ7bからの信号S2との差分を算出する。この際、第1ローパスフィルタ7aから出力される信号S1の波形と第2ローパスフィルタ7bから出力される信号S2の波形とは略同一の形状を有するので、差分が算出されることにより誘導ノイズが相殺される。

0033

従って、差動増幅器8は、図3に示すように、誘導ノイズが存在しない場合に残留電荷が検出抵抗Rdを流れることによって発生される直流電圧信号と同等の信号S3を出力する。この信号S3が、残留電荷量を表す信号としてパーソナルコンピュータ10に送られる。パーソナルコンピュータ10は、増幅器9から送られてくる残留電荷量を表す信号に基づいて測定対象ケーブル1aの劣化を診断する。

0034

以上説明したように、本発明の実施の形態に係るCVケーブルの劣化診断装置によれば、CVケーブルの第1相を構成する測定対象ケーブル1aを流れる第1電流の低周波成分に、CVケーブルに併設される他ケーブルの誘導によって発生された低周波成分が重畳される場合は、CVケーブルの第2相を構成する測定補助ケーブル1bを流れる第2電流にも同様の低周波成分が重畳されるという性質を使用し、第1電流の低周波成分と第2電流の低周波成分との差分をとることにより、誘導によって重畳された低周波成分を相殺する。従って、残留電荷量の測定は、測定対象ケーブル1aに流れる第1電流の低周波成分のみに基づいて行われるので、測定対象ケーブル1aに併設されたケーブルの影響を低減させることができ、正確な劣化診断を行うことができる。

図面の簡単な説明

0035

本発明の実施の形態に係るCVケーブルの劣化診断装置の構成を示す回路図である。
本発明の実施の形態に係るCVケーブルの劣化診断装置の動作を説明するための課電パターンを示す図である。
本発明の実施の形態に係るCVケーブルの劣化診断装置において、測定対象ケーブルに重畳された誘導ノイズと測定補助ケーブルに重畳された誘導ノイズが相殺される状態を示す波形図である。
従来の劣化診断方法を説明するための図である。

符号の説明

0036

1a測定対象ケーブル
1b 測定補助ケーブル
2切り替えスイッチ
3直流課電装置
4交流課電変圧器
5電圧調整装置
6残留電荷検出装置
7a 第1ローパスフィルタ
7b 第2ローパスフィルタ
8差動増幅器
9増幅器
10 パーソナルコンピュータ

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