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技術 搬送装置の無駆動ロールの回転異常検出方法

出願人 新日鐵住金株式会社
発明者 藤川正雄
出願日 2003年12月18日 (16年11ヶ月経過) 出願番号 2003-421389
公開日 2005年7月7日 (15年4ヶ月経過) 公開番号 2005-181069
状態 未査定
技術分野 機械部品、その他の構造物または装置の試験 圧延のマーキング、インディケータなど
主要キーワード 電流値差 検出値間 ループ装置 無駆動ロール ロール列 ループカー ルーパー装置 形状変動
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

回転駆動手段をもたない無駆動のロール回転異常を的確に且つ効率的に検出する方法を提供する。

解決手段

複数の無駆動ロールを有する搬送装置の無駆動ロールの回転異常を検出する方法であって、ロール上を通過する被搬送物の搬送方向の各位置を所定期間トラッキングし、このトラッキングにより被搬送物の前記各位置に対応してえられるロールのトラッキング回転速度を求め、前記ロールのトラッキング回転速度を前記所定期間について平均してロールのトラッキング平均回転速度を求め、このトラッキング平均回転速度が基準トラッキング平均回転速度以下となった場合、このロールの回転が異常であると判断する。

概要

背景

物体の移動或いは搬送方向に多数のロールを備え、ロールを駆動させることによってロール上にある物体を移動ないしは搬送する装置は、広く用いられている。鉄鋼における鋼板の製造を例にとると、熱間圧延工程においては、加熱炉から圧延素材圧延機に搬送し、圧延した鋼板を冷却ラインまで搬送する過程において、圧延素材や圧延された鋼板はローラーテーブルによって搬送される。また、冷間圧延工程や、表面処理工程においては、冷間圧延された鋼帯は、ループ装置に備えられたローラー群によって搬送、熱処理され、また、メッキ処理などが施されている。

このように多数のロールを備えた搬送装置においては、全てのロールに、例えば、モーターや、モーターと連結駆動されるチェーンのような回転駆動手段が備えられている場合もあるが、多くの場合、上記のような回転駆動手段を備えた駆動ロールと、回転駆動手段を備えていない無駆動ロールが組み合わされて配置されている。無駆動ロールは、鋼板や鋼帯などの被搬送物が、駆動ロールによって搬送され、ロール上を通過する際に、被搬送物とロール表面との間の摩擦力によって駆動される。

したがって、これらのロールの回転に異常が生じると、鋼板や鋼帯などの被搬送物とロールとの間の摩擦抵抗により、接触面に擦り傷が生じ、品質上の問題となる。

このため、ロール搬送装置のロールの回転状況を管理・制御することは、被搬送物の品質を維持しつつ、円滑に搬送する上で極めて重要である。

従来、ロールの回転状況を検出する方法として、例えば、連続鋳造装置において、小径ロールに設けたブラシと、これに摺接する2組の光ファイバーと、反射式光電スイッチを用いた小径ロールの回転検出器や、ロールの端部近傍円周に沿って多数の突起物を設けると共に、ロール回転時にこの突起衝突するリミットスイッチを設けることによって回転を検知する連続鋳造ロールの回転不良を検出する方法、或いは、ロールに磁気発生手段を設けると共に、これに近接して磁気ヘッドを設け、ロールの回転に応じてこの磁気を検知し、回転を検出するする装置などがある(例えば、特許文献1〜3参照)。

また、ロールの回転異常を検出する方法としては、例えば、駆動条件が同一である少なくとも2台のモーターの各負荷電流を検出する電流検出手段と、この電流検出手段による検出値間の差を検出する電流差検出部と、この電流検出部による電流値差が予め設定した基準値を越える状態が一定時間異常続いたか否か判定する判定部とを備えたモーターおよびその駆動対象の異常を検出する装置が提案されており、ホットランテーブルなどでの適用が開示されている(例えば、特許文献4参照)。

また、ローラーテーブルの駆動電動機機械駆動系運転状況低コストで精度良く診断する技術として、ロールの駆動電動機の電流値を捕らえ、電動機の起動時間や平均電流値を、過去の検出値標準偏差から生成した異常判定基準値と比較して異常を判定する技術がある(例えば、特許文献5参照)。

また、電動機の電流信号が予め設定されている固定設定範囲内にあるかどうかを判別し、この範囲から外れている場合は機械設備に異常がある判断する絶対比較検出処理と、上記電流信号がこの電流信号の直近移動平均偏差値とに基づく経時変化実績を基準に設定された変動設定範囲内にあるかどうかを判別し、この範囲から外れている場合は機械設備に異常がある判断する相対比較検出処理を行なう電動機電流による機械設備の診断方法などがある。(例えば、特許文献6参照)。

特開昭63−112059号公報
特開2000−102849号公報
実開昭55−1439544号公報
特開平07−194186号公報
特開平11−326147号公報
特公平06−95059号公報

概要

回転駆動手段をもたない無駆動のロールの回転異常を的確に且つ効率的に検出する方法を提供する。 複数の無駆動ロールを有する搬送装置の無駆動ロールの回転異常を検出する方法であって、ロール上を通過する被搬送物の搬送方向の各位置を所定期間トラッキングし、このトラッキングにより被搬送物の前記各位置に対応してえられるロールのトラッキング回転速度を求め、前記ロールのトラッキング回転速度を前記所定期間について平均してロールのトラッキング平均回転速度を求め、このトラッキング平均回転速度が基準トラッキング平均回転速度以下となった場合、このロールの回転が異常であると判断する。 なし

目的

本発明は、このようなロールによる搬送装置において、無駆動ロールの回転異常を的確に判断する方法を提供するものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

複数の無駆動ロールを有する搬送装置の無駆動ロールの回転異常を検出する方法であって、ロール上を通過する被搬送物の搬送方向の各位置を所定期間トラッキングし、このトラッキングにより被搬送物の前記各位置に対応してえられるロールのトラッキング回転速度を求め、前記ロールのトラッキング回転速度を前記所定期間について平均してロールのトラッキング平均回転速度を求め、このトラッキング平均回転速度が基準トラッキング平均回転速度以下となった場合、このロールの回転が異常であると判断することを特徴とする搬送装置の無駆動ロールの回転異常検出方法

請求項2

前記基準トラッキング平均回転速度が、予め設定した基準ロールのトラッキング平均回転速度であることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置の無駆動ロールの回転異常検出方法。

請求項3

前記基準トラッキング平均回転速度が、複数のロールのトラッキング平均回転速度の平均値であることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置の無駆動ロールの回転異常検出方法。

請求項4

複数の無駆動ロールを有する搬送装置の無駆動ロールの回転異常を検出する方法であって、ロール上を通過する被搬送物の搬送方向の各位置を所定期間トラッキングし、このトラッキングにより被搬送物の前記各位置に対応してえられるロールのトラッキング回転速度を求め、前記ロールのトラッキング回転速度の前記所定期間における最大回転速度トラッキング最大回転速度とし、このトラッキング最大回転速度が、基準トラッキング最大回転速度以下となった場合、このロールの回転が異常であると判断することを特徴とする搬送装置の無駆動ロールの回転異常検出方法。

請求項5

前記基準トラッキング最大回転速度が、予め設定した基準ロールのトラッキング最大回転速度であることを特徴とする請求項4に記載の搬送装置の無駆動ロールの回転異常検出方法。

請求項6

前記基準トラッキング最大回転速度が、複数のロールのトラッキング最大回転速度の平均値であることを特徴とする請求項4に記載の搬送装置の無駆動ロールの回転異常検出方法。

技術分野

0001

本発明は、物体を支持、搬送するための多数のロール列を備えた搬送装置において、ロール列内の駆動手段を備えていない無駆動ロール回転異常を検出するための方法に関する。例えば、ローラーテーブルループ装置などにより、鋼板や、鋼帯などの長尺物帯状物を搬送する設備において、回転駆動手段を備えていない、すなわち、無駆動ロールの回転異常を検出する方法に関する。

背景技術

0002

物体の移動或いは搬送方向に多数のロールを備え、ロールを駆動させることによってロール上にある物体を移動ないしは搬送する装置は、広く用いられている。鉄鋼における鋼板の製造を例にとると、熱間圧延工程においては、加熱炉から圧延素材圧延機に搬送し、圧延した鋼板を冷却ラインまで搬送する過程において、圧延素材や圧延された鋼板はローラーテーブルによって搬送される。また、冷間圧延工程や、表面処理工程においては、冷間圧延された鋼帯は、ループ装置に備えられたローラー群によって搬送、熱処理され、また、メッキ処理などが施されている。

0003

このように多数のロールを備えた搬送装置においては、全てのロールに、例えば、モーターや、モーターと連結駆動されるチェーンのような回転駆動手段が備えられている場合もあるが、多くの場合、上記のような回転駆動手段を備えた駆動ロールと、回転駆動手段を備えていない無駆動ロールが組み合わされて配置されている。無駆動ロールは、鋼板や鋼帯などの被搬送物が、駆動ロールによって搬送され、ロール上を通過する際に、被搬送物とロール表面との間の摩擦力によって駆動される。

0004

したがって、これらのロールの回転に異常が生じると、鋼板や鋼帯などの被搬送物とロールとの間の摩擦抵抗により、接触面に擦り傷が生じ、品質上の問題となる。

0005

このため、ロール搬送装置のロールの回転状況を管理・制御することは、被搬送物の品質を維持しつつ、円滑に搬送する上で極めて重要である。

0006

従来、ロールの回転状況を検出する方法として、例えば、連続鋳造装置において、小径ロールに設けたブラシと、これに摺接する2組の光ファイバーと、反射式光電スイッチを用いた小径ロールの回転検出器や、ロールの端部近傍円周に沿って多数の突起物を設けると共に、ロール回転時にこの突起衝突するリミットスイッチを設けることによって回転を検知する連続鋳造ロールの回転不良を検出する方法、或いは、ロールに磁気発生手段を設けると共に、これに近接して磁気ヘッドを設け、ロールの回転に応じてこの磁気を検知し、回転を検出するする装置などがある(例えば、特許文献1〜3参照)。

0007

また、ロールの回転異常を検出する方法としては、例えば、駆動条件が同一である少なくとも2台のモーターの各負荷電流を検出する電流検出手段と、この電流検出手段による検出値間の差を検出する電流差検出部と、この電流検出部による電流値差が予め設定した基準値を越える状態が一定時間異常続いたか否か判定する判定部とを備えたモーターおよびその駆動対象の異常を検出する装置が提案されており、ホットランテーブルなどでの適用が開示されている(例えば、特許文献4参照)。

0008

また、ローラーテーブルの駆動電動機機械駆動系運転状況低コストで精度良く診断する技術として、ロールの駆動電動機の電流値を捕らえ、電動機の起動時間や平均電流値を、過去の検出値標準偏差から生成した異常判定基準値と比較して異常を判定する技術がある(例えば、特許文献5参照)。

0009

また、電動機の電流信号が予め設定されている固定設定範囲内にあるかどうかを判別し、この範囲から外れている場合は機械設備に異常がある判断する絶対比較検出処理と、上記電流信号がこの電流信号の直近移動平均偏差値とに基づく経時変化実績を基準に設定された変動設定範囲内にあるかどうかを判別し、この範囲から外れている場合は機械設備に異常がある判断する相対比較検出処理を行なう電動機電流による機械設備の診断方法などがある。(例えば、特許文献6参照)。

0010

特開昭63−112059号公報
特開2000−102849号公報
実開昭55−1439544号公報
特開平07−194186号公報
特開平11−326147号公報
特公平06−95059号公報

発明が解決しようとする課題

0011

上記の特許文献4〜6ようなロールの回転状況を判定ないし診断する技術は、ロールを回転駆動するモーターの電流値を検出端としており、このような回転駆動手段とは切り離されている無駆動のロールには、これらの方法は適用できない。一方、無駆動ロールに、例えば、特許文献1〜3に開示されているような回転を検知するセンサー手段を設けることにより回転数監視することは可能であるが、これらの無駆動ロールの回転状況が異常どうか判断することは困難である。

0012

すなわち、上述のとおり、無駆動ロールは、ロール上を移動、通過する被搬送物すなわち、鋼帯や鋼板の表面とロール表面との接触摩擦により回転力を与えられ回転するものである。図5は、搬送装置におけるロールと鋼板(被搬送物)の接触状況を示す模式図であるが、図5に示すように、鋼帯や鋼板(被搬送物)の形状は、常に平坦ではなく、上下に波を打っている場合がある(鋼板の場合、波形状ともいう)。

0013

このような場合は、鋼板Pの表面とロールR(R1〜R10・・・)表面との接触が定常的ではなく、接触および非接触の状態が存在する。これに伴って、鋼板から無駆動ロールに与えられる回転力も変化するので、個々のロールの回転数を連続的に監視していても、その回転数の変化が、ベアリングなどロールの回転異常によるものか、鋼板の形状や摩擦力の変化によるものなのかの判断が困難である。

0014

本発明は、このようなロールによる搬送装置において、無駆動ロールの回転異常を的確に判断する方法を提供するものである。

課題を解決するための手段

0015

本発明は、上記の課題を解決するためになされたものでありその要旨とするところは以下のとおりである。
(1)複数の無駆動ロールを有する搬送装置の無駆動ロールの回転異常を検出する方法であって、ロール上を通過する被搬送物の搬送方向の各位置を所定期間トラッキングし、このトラッキングにより被搬送物の前記各位置に対応してえられるロールのトラッキング回転速度を求め、前記ロールのトラッキング回転速度を前記所定期間について平均してロールのトラッキング平均回転速度を求め、このトラッキング平均回転速度が基準トラッキング平均回転速度以下となった場合、このロールの回転が異常であると判断することを特徴とする搬送装置の無駆動ロールの回転異常検出方法
(2)前記基準トラッキング平均回転速度が、予め設定した基準ロールのトラッキング平均回転速度であることを特徴とする(1)に記載の搬送装置の無駆動ロールの回転異常検出方法。
(3)前記基準トラッキング平均回転速度が、複数のロールのトラッキング平均回転速度の平均値であることを特徴とする(1)に記載の搬送装置の無駆動ロールの回転異常検出方法。
(4)複数の無駆動ロールを有する搬送装置の無駆動ロールの回転異常を検出する方法であって、ロール上を通過する被搬送物の搬送方向の各位置を所定期間トラッキングし、このトラッキングにより被搬送物の前記各位置に対応してえられるロールのトラッキング回転速度を求め、前記ロールのトラッキング回転速度の前記所定期間における最大回転速度トラッキング最大回転速度とし、
このトラッキング最大回転速度が、基準トラッキング最大回転速度以下となった場合、このロールの回転が異常であると判断することを特徴とする搬送装置の無駆動ロールの回転異常検出方法。
(5)前記基準トラッキング最大回転速度が、予め設定した基準ロールのトラッキング最大回転速度であることを特徴とする(4)に記載の搬送装置の無駆動ロールの回転異常検出方法。
(6)前記基準トラッキング最大回転速度が、複数のロールのトラッキング最大回転速度の平均値であることを特徴とする(4)に記載の搬送装置の無駆動ロールの回転異常検出方法。

発明の効果

0016

本発明によれば、回転駆動手段をもたない無駆動のロールについて、回転異常を的確に且つ効率的に検出することができるので、ローラーテーブルやルーパー装置など、無駆動ロールを多数備えた搬送装置におけるロールの回転状況を精度良く監視でき、ロールの回転の異常による被搬送物への影響を抑制することができる。

発明を実施するための最良の形態

0017

発明者らは上記の課題を解決するために、複数の無駆動ロールを備えたローラーテーブル上を張力ないしは駆動ロールの回転によって鋼板が通過移動する場合を想定した。そして、ロール回転のしやすさFと、摩擦により鋼板からロールに与えられる運動量Tとによって無駆動ロールのロールの回転速度V(=F×T)が決まると考え、ロール毎の回転しやすさF、および鋼板の各位置がロールに与える運動量Tを任意に設定して、鋼板の通過移動に伴う無駆動ロールの回転速度の変化についてシミュレーションを行なった。回転しやすさFがすなわち、ロールの回転状況を反映するものであり、運動量Fは、鋼板の形状を反映するものである。表1に、鋼板およびロールの基本条件、およびトラッキングのシミュレーション結果を示す。

0018

0019

表1は、鋼板が当初の位置(t=t0)から、所定時間(Δt)経過した時点、すなわち鋼板が所定距離移動した時点t1=t0+Δt、t2=t1+Δt・・・t4=t3+Δtでの各ロールの回転速度を計算した結果を示している。すなわち、鋼板をトラッキングし、鋼板の各位置に対応する各ロールの回転速度(以下、トラッキング回転速度とも記す)を示している。

0020

図4(a)は、ある時刻t=t0における各ロールの回転速度V(=F×T)、回転しやすさFを示しており、図4(b)は、回転速度V(=F×T)、回転しやすさFとの関係を示すが、回転速度Vと回転しやすさFの程度とは必ずしも対応しておらず、ある時刻の回転速度だけ見ていても、ロールの異常は検出することはできないことがわかる。

0021

次に、鋼板が一定時間移動した間の各ロールの平均回転速度を計算した。

0022

図3は、一定時間における各ロールの回転速度の平均(時間平均)Vave.tとロールの回転しやすさFとの関係を示したものである。この場合でも、ロールの回転速度とロールの回転速度との間には対応関係が見られず、各ロールの時間的な平均回転速度を見ていても、ロールの回転異常の有無を区別できないことが判る。

0023

そこで、鋼板をトラッキングし、鋼板の位置に対応したロール回転速度トラキング回転速度)を各ロール毎に平均してトラキング平均回転速度を求めた。例えば、ロールNo.4では、Vt0〜Vt2 、ロールNo.5では、Vt1〜Vt3 、ロールNo.6では、Vt2〜Vt4 の平均である(ただし、Vtxは、トラッキング時刻tx(x=0,1,2、・・・・n)における各ロールの回転速度である)。

0024

これらのNo.4〜6の各ロールについて、このトラッキング平均回転速度Vave.tr(=Σ(F*T)/3)とロールの回転しやすさFとの関係を図1に示した。この図から、トラッキング平均回転速度Vave.trとロールの回転しやすさFとの間に明確な対応関係が得られており、トラッキング平均回転速度によってロールの回転しやすさ、すなわち無駆動ロールの回転異常の有無を評価できることが判る。

0025

すなわち、トラッキング回転速度、すなわち、所定時間Δt経過毎に測定したロール回転速度は、鋼板のほぼ同じ位置が接触した時の各ロールの回転速度を表しており、トラッキング平均回転速度は、トラッキング回転速度への鋼板の形状変動による影響を複数のロール間についてほぼ同等に評価したものとすることができる。

0026

したがって、当該ロールのトラッキング平均回転速度と他のロールのトラッキング平均回転速度比較することによって、そのロールの回転しやすさを評価できることがわかる。

0027

このようにして求めた各ロールのトラッキング平均回転速度から、各ロールの回転状況が異常かどうかを判断するには、予め基準とするトラッキング平均回転速度(以下、基準トラッキング平均回転速度とも記載する)を設定し、これと各ロールのトラッキング平均回転数とを比較し、各ロールのトラッキング平均回転速度が基準トラッキング平均回転速度より小さい場合に、そのロールの回転が異常であると判断する。

0028

この基準のトラッキング平均回転速度(基準トラッキング平均回転速度)の設定方法は、予め基準となるロールを設定し、上記と同様にトラッキングを行い、基準ロールのトラッキング平均回転数を基準トラッキング平均速度とすればよい。基準ロールについては、十分な整備がなされていることが必要であることは、言うまでもない。また、この場合は、基準ロールは、基準トラッキング回転速度を早期に得るために、鋼板(被搬送物)の進行方向の上流側に設定しておくことが好ましい。

0029

また、この基準トラッキング平均回転数の設定方法は、上記のほかに、トラッキング平均回転速度の大きい任意のロールを複数選択し、それらのトラキング平均回転速度の平均値を基準トラッキング平均回転速度として設定する方法を採用することもできる。基準ロールを含めた複数ロールのトラキング平均回転速度の平均値を基準トラッキング平均回転速度とすることも好ましい。

0030

鋼板をトラッキングする間隔Δtは、鋼板の各位置が各ロールの位置に到達するような時間間隔を設定すればよいので、鋼板の移動速度、ロールの間隔を考慮して決定すればよい。また、トラッキング平均回転速度をうるのに必要な鋼板のトラッキングの対象範囲(鋼板の各位置の設定箇所数)は、鋼板の形状変動の程度などを考慮してきめればよく、鋼板或いは鋼帯の進行方向の先頭部分、中間部分、末尾部分或いは、鋼板全長にわたっても良いが、形状の変動が激しい場合は、対象範囲を多くするのが好ましく、形状変動が少ない場合は、対象範囲を少なくしてもよい。

0031

このように、トラッキングの開始(位置)、トラッキングの対象範囲(箇所数)などは、上記のように任意に選択してよいが、通常、長尺の鋼板や鋼帯は、その先頭部分や末尾部分は、形状が安定していないことが多いので、この場合は、トラッキング対象範囲を多くしてトラキング平均回転速度を得るか、あるいは形状の安定した中間部分に設定することが好ましい。

0032

ロール回転速度の把握は、各無駆動ロールに、例えば光センサー磁気センサーなど、公知の回転速度検出装置を設けることによって行なうことができる。

0033

ところで、図2は、表1に示したシミュレーションの結果における各ロールのトラッキング回転速度の最大値(Vmax(t=t0〜t4)、以下、トラッキング最大回転速度とも記す)と、ロールの回転しやすさFとの関係を示したものである。この場合においても、トラッキング最大回転速度とロールの回転しやすさとの間に対応関係が認められることが判る。

0034

すなわち、表1において、鋼板がロールに与える運動量が大きい位置(時点)に対応した時に最大回転速度が多く得られており、トラッキングにおいてこのような鋼板位置での回転速度はロールの回転しやすさにほぼ対応すると見なせるためである。

0035

このトラッキング最大回転速度は、トラッキング対象範囲の鋼板形状の全てを反映したとものとはいえないが、少なくとも鋼板とロールとの接触が比較的円滑に行なわれた部分での回転状況を反映していると考えられるので、迅速な方法として好ましい検出方法である。

0036

このトラッキング最大回転速度を用いて異常判断を行なう方法も、上述のトラッキング平均回転速度を用いて行なう場合とほぼ同様であり、予め基準のトラッキング最大回転速度(以下、基準トラッキング最大回転速度とも記す)を設定し、この基準トラッキング最大回転速度と上記各ロールのトラッキング最大回転速度とを比較し、各ロールのトラッキング最大回転速度が基準トラッキング最大回転速度以下であれば、ロールの回転状況に異常があったと判断する。

0037

基準トラッキング最大回転速度は、基準トラッキング平均回転速度と同様に、予め基準ロールを設定し、この基準ロールのトラッキング最大回転速度を基準トラッキング最大回転速度としても良いし、トラッキング最大回転速度の大きい複数のロールのトラッキング最大回転速度の平均値を基準トラッキング最大回転速度としても良く、また、基準ロールを含めた複数ロールのトラッキング最大回転速度の平均値を基準トラッキング最大回転速度として設定しても良い。

0038

本発明において、被搬送物を鋼板或いは鋼帯を例とし、また、無駆動ロールを備えた搬送装置をローラーテーブルを例として説明したが、これに限るものではない。

0039

また、例えば、熱延板トップボトムの約20m長さ部で著しい形状不良のある鋼板がラインを通過することが当初から予想できる場合には、その部位をトラッキングの対象範囲とすると、トラッキング平均回転数が落ちるので、正常なロールのトラッキング平均回転数と異常なロールのトラッキング平均回転数との差が小さくなり、判別が難しくなることが想定される場合がありうる。しかし、この場合のように、形状不良の位置が『熱延板のトップ、ボトムの約20m長さ』と予め特定できる場合には、この鋼板の位置をトラッキング対象から除外することを、オペレータの判断でインプットするようにシステムを設定することが可能である。なお、ロール回転異常の検出は、このような形状不良部を除外したとしても、その時間は長くても40秒程度であり、コイルの全体から見ると5%程度にすぎないので、他の95%の形状安定部でロール異常を検出でき、ロール異常検知役割を果たすことについて問題はない。

0040

本発明の方法を用いて連続冷間圧延ラインのルーパー内における無駆動ロールの回転状況を監視した。このルーパー内には200本の無駆動ロールが設けられており、各無駆動ロールの端面に金属製のターゲットを設置し、近接センサーによりその回転数を検出した。なお、このラインを通板させた鋼板は、幅が700〜2000mm、厚さがルーパー入側で2〜3mm程度であり、通板速度はルーパーの入側で30〜100mpmであった。

0041

メジャーリングロールによる鋼板の通過長さとループカーの位置とから、各ロール位置を鋼板のある位置が通過する時間を求め、各ロールの回転速度のトラッキングを開始した。

0042

実施例1
トラッキング時間を20秒間とて各ロールの回転数を測定し、本発明の方法によって各ロールのトラッキング平均回転速度を計算した。一方、オペレーターが正常に回転していることを予め確認したロールについて、基準トラキング平均回転速度を設定した。

0043

各ロールのトラッキング平均回転速度と基準トラッキング平均回転速度とを比較し、基準トラッキング平均回転速度の30%以下の平均回転速度となったロールに対して警報を出した。また、基準トラッキング平均回転速度の5%以下の平均回転速度となったロールに対しては重大警報を出し、この状態が継続する場合はオペレーターの判断でラインを停止した。

0044

実施例2
実施例2は、比較的平坦な形状の第一の鋼板を通板した後、耳波を有する形状の第二の鋼板を通板した場合の例である。

0045

この場合、第一の鋼板が通過した時点の回転速度に比べ、第二の鋼板を通板した時点から全ての無駆動ロールの回転速度が低下する状況となる。このような状況下でトラッキング時間を20秒として各ロールのトラッキング回転速度を測定し、本発明の方法によってトラッキング時間内の平均回転速度すなわち、トラッキング平均回転速度を求めた。一方、200本の無駆動ロールのうち、同じトラッキング時間内で回転速度の大きい10本のロールの平均トラッキング回転速度を基準トラッキング平均回転速度として設定した。

0046

各ロールのトラッキング平均回転速度とこの基準トラッキング平均回転速度とを比較し、基準トラッキング平均回転速度の30%以下の平均回転速度となったロールに対して警報を出した。また、基準トラッキング平均回転速度の5%以下の平均回転速度となったロールに対しては重大警報を出し、この状態が継続する場合はオペレーターの判断でラインを停止した。

0047

単にロールの回転速度の時間平均値のみで監視していた従来の方法においては、上述のように第二の鋼板の通過において全てのロールの回転速度が低下したことにより、全無駆動ロールに対して警報が出る結果となる。

0048

実施例3
実施例3は、鋼板の先端から10mおよび後端から10mの範囲、特に圧延張力がなくなる後端部近傍、では、それ以外の部分に比べて波形状発生しやすく形状が劣ることが多く、このような状況での例である。

0049

このような状況下でトラッキング時間を20秒として各ロールのトラッキング回転速度を測定し、本発明の方法によってトラッキング時間内の平均回転速度すなわち、トラッキング平均回転速度を求めた。一方、200本の無駆動ロールのうち、同じトラッキング時間内で平均トラッキング回転速度の大きい10本のロールの平均回転速度を基準トラッキング平均回転速度として設定した。

0050

各ロールの平均トラッキング回転速度と、この基準トラキング平均回転速度とを比較し、基準トラッキング平均回転速度の30%以下の平均回転速度となったロールに対して警報を出した。また、基準トラッキング平均回転速度の5%以下の平均回転速度となったロールに対しては重大警報を出し、この状態が継続する場合はオペレーターの判断でラインを停止した。

0051

単にロールの回転速度の時間平均値のみで監視していた従来の方法においては、数十秒間、回転速度が低下し、誤検出ではあるが回転異常が継続した後、正常状態復帰するといった状態となり、オペレーターにとっては判断し難い警報が出る結果となる。

0052

本発明によれば、回転駆動手段をもたない無駆動のロールについて、回転異常を的確かつ効率的に検出することができるので、ローラーテーブルや、ルーパー装置など、無駆動ロールを多数備えた搬送装置におけるロールの回転状況を精度良く監視でき、ロールの回転異常による被搬送物への影響を低減できる。

0053

これにより、被搬送物の品質を損なうことなく、効率的な搬送が可能となり、また、ロールの保守も的確かつ効率的に行なうことができる。

図面の簡単な説明

0054

無駆動ロールのトラッキング平均回転速度とロールの回転しやすさとの関係を示す図。
無駆動ロールのトラッキング最大回転速度とロールの回転しやすさとの関係を示す図。
無駆動ロールの回転速度の時間平均値とロールの回転しやすさとの関係を示す図。
無駆動ロールの回転速度とロールの回転しやすさとの関係を示す図であり、(a)は、各ロール毎の、(b)は、全ロールの場合をそれぞれ示す。
搬送装置におけるロールと鋼板(被搬送物)の接触状況を示す模式図。

符号の説明

0055

P…鋼板(被搬送物)
R、R1〜R10…ロール(無駆動)

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