図面 (/)
課題
解決手段
電子カード1のカード基板2には、先端側の縁に平行にダイポールアンテナ素子3a、3bを設けると共に、その下方に使用周波数の約0.1λの間隔でグランド面5を設け、このグランド面5をダイポールアンテナ素子3a、3bの反射器として作用させる。上記電子カード1は、電子機器の金属筐体に設けられたカードスロットに挿入して使用するが、このとき先端部分に位置するダイポールアンテナ素子3a、3bとグランド面5の上端側の一部を金属筐体の外部に位置させる。上記のようにグランド面5を反射器として作用させることにより、ダイポールアンテナ素子3a、3bに対する金属筐体の影響を軽減でき、放射特性の劣化を防止して所期の放射特性とすることができる。
概要
背景
従来、パソコン(パーソナルコンピュータ)やPDA(携帯情報端末)等の電子機器に通信機能を備えた電子カード例えばCFカード(compact flash card)あるいはPCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)カード(以下、PCカードと略称する)などを装着し、無線LAN等の近距離通信を行なう場合がある(例えば、特許文献1参照。)。
上記通信機能を備えたCFカードやPCカードでは、回路部とアンテナ部を同一基板上に構成するような場合、アンテナ部を基板の一端側に設け、パソコンやPDA本体に装着した際に、アンテナ部がパソコン等の金属筐体から外部に突出するように設定して外部と通信できるようにしている。
特開平8−279027号公報
概要
通信機能を備えた電子カードを金属筐体に装着して使用する場合でも、金属筐体による影響を防止して所期の放射特性が得られるようにする。電子カード1のカード基板2には、先端側の縁に平行にダイポールアンテナ素子3a、3bを設けると共に、その下方に使用周波数の約0.1λの間隔でグランド面5を設け、このグランド面5をダイポールアンテナ素子3a、3bの反射器として作用させる。上記電子カード1は、電子機器の金属筐体に設けられたカードスロットに挿入して使用するが、このとき先端部分に位置するダイポールアンテナ素子3a、3bとグランド面5の上端側の一部を金属筐体の外部に位置させる。上記のようにグランド面5を反射器として作用させることにより、ダイポールアンテナ素子3a、3bに対する金属筐体の影響を軽減でき、放射特性の劣化を防止して所期の放射特性とすることができる。
目的
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、電子カードを金属筐体に装着して使用する場合でも、金属筐体による影響をなくし、アンテナの放射特性の劣化を防止でき、良好な通信状態を保持できる通信機能を備えた電子カードを提供することを目的とする。
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 1件
- 牽制数
- 1件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
技術分野
背景技術
0002
従来、パソコン(パーソナルコンピュータ)やPDA(携帯情報端末)等の電子機器に通信機能を備えた電子カード例えばCFカード(compact flash card)あるいはPCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)カード(以下、PCカードと略称する)などを装着し、無線LAN等の近距離通信を行なう場合がある(例えば、特許文献1参照。)。
0003
上記通信機能を備えたCFカードやPCカードでは、回路部とアンテナ部を同一基板上に構成するような場合、アンテナ部を基板の一端側に設け、パソコンやPDA本体に装着した際に、アンテナ部がパソコン等の金属筐体から外部に突出するように設定して外部と通信できるようにしている。
特開平8−279027号公報
発明が解決しようとする課題
0004
上記のように通信機能を備えたCFカードやPCカードは、回路部とアンテナ部が同一基板上に構成されるような場合、パソコンやPDA本体に装着して使用すると、アンテナ部を金属筐体から外部に突出させていても、金属筐体の影響を受け、アンテナの放射特性が劣化するという問題があった。
0005
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、電子カードを金属筐体に装着して使用する場合でも、金属筐体による影響をなくし、アンテナの放射特性の劣化を防止でき、良好な通信状態を保持できる通信機能を備えた電子カードを提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
0006
本発明は、電子機器筐体に装着されて使用される通信機能を備えた電子カードにおいて、カード基板と、前記カード基板の先端部近傍に設けられるアンテナ放射素子と、前記カード基板に装着されるグランド面を備えた回路部とを具備し、前記アンテナ放射素子に対して前記回路部のグランド面を使用周波数の約0.1λの間隔で設け、前記グランド面を反射器として作用させることを特徴とする。
発明の効果
0007
本発明によれば、カード基板の先端側の縁に平行にアンテナ放射部を設けると共に、その下方に使用周波数の約0.1λの間隔でグランド面を設け、このグランド面をアンテナ放射部の反射器として作用させることにより、電子機器筐体に設けられているカードスロットに電子カードを挿入して使用する場合においても、アンテナ放射部に対する電子機器筐体の影響を除去でき、放射特性の劣化を防止して所期の放射特性とすることができる。
発明を実施するための最良の形態
0008
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る通信機能を備えた電子カードのアンテナ構成を示す図、図2は同実施形態におけるケーブル配線状態を示す図、図3は上記電子カードを電子機器の金属筐体に装着した状態を示す図である。
0009
図1において、1は例えばCFカードやPCAカード等の電子カードで、通信機能を備えている。また、2は上記電子カード1を構成する絶縁体によるカード基板で、上端側の一方の面には、先端部近傍にアンテナ放射素子、例えばダイポールアンテナ素子3a、3bが水平方向、すなわち先端側の縁に平行に設けられる。上記ダイポールアンテナ素子3a、3bは、カード基板2上に金属箔を蒸着する等の手段により形成される。
0010
また、上記カード基板2には、回路部として例えば高周波回路4及びグランド面5が設けられる。この場合、グランド面5は、ダイポールアンテナ素子3a、3bの下方に所定の間隔d、すなわち使用周波数の約0.1λ(λ:波長)の間隔dを保って設けられる。上記のように上記ダイポールアンテナ素子3a、3bの下側とグランド面5の上側との間隔dを約0.1λに設定することにより、グランド面5がダイポールアンテナ素子3a、3bの反射器として作用する。
0012
そして、図2に示すように上記ダイポールアンテナ素子3a、3bと高周波回路4との接続に例えば同軸ケーブル等の伝送線路6を使用する場合、伝送線路6はダイポールアンテナ素子3a、3bに対して略垂直に引き出すようにする。すなわち、伝送線路6がダイポールアンテナ素子3a、3bと平行になると、アンテナ・ケーブル間で不要な放射が生じるので、上記したようにダイポールアンテナ素子3a、3bに対して伝送線路6を略垂直に引き出すことにより不要な放射を防止する。この場合、上記ダイポールアンテナ素子3a、3bと伝送線路6との間には、平衡−不平衡変換回路としてバラン7を使用する。
0013
そして、上記のように構成された電子カード1は、図3に示すようにパソコンやPDA等の電子機器11の金属筐体12に設けられたカードスロット13に挿入して使用する。上記電子カード1は、電子機器11のカードスロット13に装着した場合、その挿入先端部に設けられているコネクタがカードスロット13内のコネクタに接続されると共に、ダイポールアンテナ素子3a、3bとグランド面5の上端側の一部が金属筐体12の外部に突出して位置し、外部の機器と相互に通信できるようになっている。
0014
上記電子カード1は、ダイポールアンテナ素子3a、3bとグランド面5との間隔dを約0.1λに設定し、グランド面5がダイポールアンテナ素子3a、3bの反射器として作用するようにしているので、ダイポールアンテナ素子3a、3bに対する金属筐体12の影響をグランド面5の反射器作用により軽減あるいは除去することができる。このためダイポールアンテナ素子3a、3bは、金属筐体12の影響による放射特性の劣化を防止して所期の放射特性とすることができる。
0015
図4は、上記ダイポールアンテナ素子3a、3bとグランド面5との間隔dを変化させて金属筐体12による影響をシミュレーションした場合の特性を示したものである。図4は横軸に周波数(GHz)をとり、縦軸に反射損失(dB)をとって示した。また、ダイポールアンテナ素子3a、3bの使用帯域20を2.449GHz〜2.478GHzとし、その使用帯域20において、反射損失「−12dB」以下を判断基準とした。また、図中に示した特性a〜eはダイポールアンテナ素子3a、3bとグランド面5との間隔dを
a= 2mm
b= 6mm
c= 9mm
d=11mm
e=13mm
に設定した場合の「計算値」を示し、特性Aは上記間隔dを
A=11mm
に設定した場合の「実測値」を示している。
0016
上記図4に示した「計算値」では、間隔dを9mmに設定した特性c、間隔dを11mmに設定した特性d及び間隔dを13mmに設定した特性eが上記判断基準を満たしている。しかし、「実測値」では、特性Aに示したように「計算値」より特性が劣化するので、間隔dは11mmないし13mmに設定することが望ましい。また、間隔dを13mmより大きく設定しても、上記判断基準を満たすことができるが、カード基板2が大きくなるので、電子カード1の小型化を図る場合の障害となる。
0017
上記11mmないし13mmの間隔は、波長に換算すると、約0.1λ前後の値となる。従って、ダイポールアンテナ素子3a、3bとグランド面5との間隔dを約0.1λに設定することにより、電子カード1を電子機器11のカードスロット13に装着して使用する場合に、ダイポールアンテナ素子3a、3bに対する金属筐体12の影響を少なくでき、かつ電子カード1の小型化が可能となる。
0019
また、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できるものである。
図面の簡単な説明
0020
本発明の一実施形態に係る通信機能を備えた電子カードのアンテナ構成を示す図である。
同実施形態における電子カードのケーブル配線状態を示す図である。
同実施形態における電子カードを電子機器の金属筐体に装着した状態を示す図である。
同実施形態において、ダイポールアンテナ素子とグランド面との間隔を変化させて金属筐体による影響をシミュレーションした場合の特性図である。
符号の説明
0021
1…電子カード、2…カード基板、3a、3b…ダイポールアンテナ素子、4…高周波回路、5…グランド面、6…伝送線路、7…バラン、11…電子機器、12…金属筐体、13…カードスロット。
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