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技術 多孔質素材

出願人 旭化成ホームズ株式会社日本ペイントホールディングス株式会社東亜工業株式会社東海産機株式会社
発明者 濱邊敏樹駒坂昇一小池喜寛長副直道内藤隆
出願日 2005年1月26日 (16年4ヶ月経過) 出願番号 2005-018186
公開日 2005年6月30日 (15年11ヶ月経過) 公開番号 2005-170789
状態 特許登録済
技術分野 多孔質人造石または多孔質セラミック製品 人造石、天然石の後処理
主要キーワード 防水性塗料 空気吹付け 吹付室 下塗り被覆 塗装乾燥後 施工主 空気吹 加圧エアー
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年6月30日)のものです。
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図面 (11)

課題

本発明は気泡内に空気溜が存在せず、かつ該気泡の内周面全面に所定厚の塗料膜が形成されている多孔質素材を目的とする。

解決手段

表面と連通する気泡を多数有する多孔質素材に於て、該多数の気泡内に空気溜が存在せず、かつこれ等の気泡の内周面全面に所定厚さの塗料膜が被覆されて形成されていることを特徴とした多孔質素材である。

概要

背景

従来、建物外壁としては、土等を塗った土壁等のように、建築現場施工する外壁が多かったが、最近では、外壁材工場等で生産し、この外壁材を建物の外壁部分に取り付けた外壁が、速く、均質に、しかも、見栄え良く施工できるので広く普及してきている。工場生産される外壁材としては、ALC(Autoclaved Light-weight Concrete)製の外壁材、プレキャストコンクリート製の外壁材、硬質木片セメント板製の外壁材等が多い。

特に、ALC製の外壁材は、外観がプレキャストコンクリート製の外壁材に似ていて、しかも、軽く施工し易いので、多く生産されている。そして、住宅等の建物の外壁材としては、最近彫りの深い凹凸模様を設けたものが、外観が豪華であることから、施工主に好まれている。

このような外壁材では、通常、外観を良くしたり水分を吸収しないようにするために、表面に塗料が塗布される。従来から、このような外壁材の表面に塗料を塗布する塗装方法としては、刷毛塗り方法、スプレー塗装方法、ロールコーターフローコーターディッピング方法等がある。

刷毛塗り方法では、塗料を付着させた刷毛で外壁材の表面を撫でて塗布する方法であり、最も原始的な方法である。この刷毛塗り方法は、刷毛を塗料溜に入れて刷毛に塗料を付着させ、この刷毛を外壁材表面に撫でて塗布するので、少量生産の外壁材や外壁材の塗装面を修理する場合に適しているが、大量生産には適していないため、外壁材の大量生産工程では採用されていない。

これに対して、スプレー塗装方法は、スプレーの先端のノズルから塗料を吹き出させ、この吹き出た塗料を外壁材の表面に吹き付けて塗装する方法であり、エアスプレー方式とエアレススプレー方式とがある。エアスプレー方式は、スプレーガンの先端のノズルに通ずる圧縮空気通路と、塗料溜からこの圧縮空気の通路に通ずる通路とから構成されているものであって、圧縮空気の通路を介してエアガンの先端のノズルに圧縮空気を通過させると、この圧縮空気の通路が減圧になり、この圧縮空気の通路に通ずる通路を通して塗料溜の塗料が吸い込まれ、この吸い込んだ塗料と空気とが一緒になってノズルから出て塗装する方法である。

かつ、エアレススプレー方式とは、塗料溜からスプレーガンの先端のノズルに通ずる通路が設けられていて、塗料溜の中に圧縮空気を導入すると、この圧縮空気の圧力により塗料溜の塗料が通路に押し出され、スプレーガンの先端のノズルから塗料が吹き出て塗装する方法である。このスプレー塗装方法は、塗料を外壁材の表面に吹き付けることができるので、彫りの深い外壁材でも塗装でき、様々な外壁材の塗装に採用されている。

更に、エアレススプレー塗装した後に、空気噴流スリット状にだすエアーナイフ等で余分な塗料を削ぎ落とす方法やスプレー塗装後減圧ブースを通した後に加圧ブースで空気噴流をあてる方法等の組み合わせ塗装が採用されている。

しかしながら、外壁材の表面を塗布する最も効果的な方法と考えられている従来のスプレー塗装方法にあっても、彫りの深いALC製の外壁材を塗装する場合には、多くの問題が生じていた。すなわち、溝等の深い彫りがあると、溝部と非溝部とでは、スプレーによって塗布された塗料の塗布量が異なる等の問題があった。

また、ALC製の外壁材では、製造時、表面に多くの気泡が現れて微細な穴(凹凸)となるので、この表面にスプレー方式で塗料を塗布すると、凹凸の内部まで塗布されず、この凹凸の内部に空気溜を含んだ状態になり、この塗膜形成後に空気溜が破け、その部分が、塗装されていない状態または塗膜の薄い状態になる。又スプレー塗装後のエアーナイフによる塗料削ぎ落としや、減圧ブース+加圧ブースで塗料を均一な薄膜化にする方法では溝部等の塗料溜りは減少するが気泡内部まで塗膜を形成できないという問題がある。

従来の表面に塗膜が形成されたALC板の一部を図式化して例示すると、例えば図8(a)に示す如く、ALC板1の表面に防水塗装装置を用いて塗装を施して塗膜2を形成した場合には、ALC板1の表面に在る多数の気泡3の内部に空気が塗膜2によって密封された状態で空気溜5が形成されていた。

しかし、気泡3の孔径が大きい場合には、図8(b)に示す如く、時間が経過しかつ気圧が変化したような場合には、気泡3内の空気溜5が膨張してはじけて塗膜2にピンホール4が生ずる問題があった。

図9(a)は、ALC板1の表面の顕微鏡写真であって、前述の図8(b)に示すように、塗膜2にピンホール4が生じた状態を示している。図9(b)はALC板1の縦断面の顕微鏡写真であって、ALC板1の表面側に在る気泡3の内部に塗料が押込まれずに、塗膜2が形成されてない状態を示している。

かかる問題点を解決するためのひとつの方策として、塗膜を厚く塗布する方策が考えられるが、このようにすると、多量の塗料(被覆組成物)が必要となり、解決策としては未だ不十分である等の問題があった。図10はALC板1の表面に極めて肉厚の塗膜2を形成した状態を図式化したものである。

概要

本発明は気泡内に空気溜が存在せず、かつ該気泡の内周面全面に所定厚の塗料膜が形成されている多孔質素材を目的とする。 表面と連通する気泡を多数有する多孔質素材に於て、該多数の気泡内に空気溜が存在せず、かつこれ等の気泡の内周面全面に所定厚さの塗料膜が被覆されて形成されていることを特徴とした多孔質素材である。

目的

効果

実績

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請求項1

表面と連通する気泡を多数有する多孔質素材に於て、該多数の気泡内に空気溜が存在せず、かつこれ等の気泡の内周面全面に所定厚さの塗料膜被覆されて形成されていることを特徴とした多孔質素材。

技術分野

0001

本発明は表面に凹凸気泡とがある多孔質素材(例えば軽量気泡コンクリートで、以下単にALC板或はALC製の外壁材ともいう)に係り、特に多数の気泡内に空気溜が存在せず、かつこれ等の気泡の内周面全面に所定厚さの塗料膜被覆されて形成されていることを特徴とした多孔質素材に関するものである。

背景技術

0002

従来、建物外壁としては、土等を塗った土壁等のように、建築現場施工する外壁が多かったが、最近では、外壁材を工場等で生産し、この外壁材を建物の外壁部分に取り付けた外壁が、速く、均質に、しかも、見栄え良く施工できるので広く普及してきている。工場生産される外壁材としては、ALC(Autoclaved Light-weight Concrete)製の外壁材、プレキャストコンクリート製の外壁材、硬質木片セメント板製の外壁材等が多い。

0003

特に、ALC製の外壁材は、外観がプレキャストコンクリート製の外壁材に似ていて、しかも、軽く施工し易いので、多く生産されている。そして、住宅等の建物の外壁材としては、最近彫りの深い凹凸模様を設けたものが、外観が豪華であることから、施工主に好まれている。

0004

このような外壁材では、通常、外観を良くしたり水分を吸収しないようにするために、表面に塗料が塗布される。従来から、このような外壁材の表面に塗料を塗布する塗装方法としては、刷毛塗り方法、スプレー塗装方法、ロールコーターフローコーターディッピング方法等がある。

0005

刷毛塗り方法では、塗料を付着させた刷毛で外壁材の表面を撫でて塗布する方法であり、最も原始的な方法である。この刷毛塗り方法は、刷毛を塗料溜に入れて刷毛に塗料を付着させ、この刷毛を外壁材表面に撫でて塗布するので、少量生産の外壁材や外壁材の塗装面を修理する場合に適しているが、大量生産には適していないため、外壁材の大量生産工程では採用されていない。

0006

これに対して、スプレー塗装方法は、スプレーの先端のノズルから塗料を吹き出させ、この吹き出た塗料を外壁材の表面に吹き付けて塗装する方法であり、エアスプレー方式とエアレススプレー方式とがある。エアスプレー方式は、スプレーガンの先端のノズルに通ずる圧縮空気通路と、塗料溜からこの圧縮空気の通路に通ずる通路とから構成されているものであって、圧縮空気の通路を介してエアガンの先端のノズルに圧縮空気を通過させると、この圧縮空気の通路が減圧になり、この圧縮空気の通路に通ずる通路を通して塗料溜の塗料が吸い込まれ、この吸い込んだ塗料と空気とが一緒になってノズルから出て塗装する方法である。

0007

かつ、エアレススプレー方式とは、塗料溜からスプレーガンの先端のノズルに通ずる通路が設けられていて、塗料溜の中に圧縮空気を導入すると、この圧縮空気の圧力により塗料溜の塗料が通路に押し出され、スプレーガンの先端のノズルから塗料が吹き出て塗装する方法である。このスプレー塗装方法は、塗料を外壁材の表面に吹き付けることができるので、彫りの深い外壁材でも塗装でき、様々な外壁材の塗装に採用されている。

0008

更に、エアレススプレー塗装した後に、空気噴流スリット状にだすエアーナイフ等で余分な塗料を削ぎ落とす方法やスプレー塗装後減圧ブースを通した後に加圧ブースで空気噴流をあてる方法等の組み合わせ塗装が採用されている。

0009

しかしながら、外壁材の表面を塗布する最も効果的な方法と考えられている従来のスプレー塗装方法にあっても、彫りの深いALC製の外壁材を塗装する場合には、多くの問題が生じていた。すなわち、溝等の深い彫りがあると、溝部と非溝部とでは、スプレーによって塗布された塗料の塗布量が異なる等の問題があった。

0010

また、ALC製の外壁材では、製造時、表面に多くの気泡が現れて微細な穴(凹凸)となるので、この表面にスプレー方式で塗料を塗布すると、凹凸の内部まで塗布されず、この凹凸の内部に空気溜を含んだ状態になり、この塗膜形成後に空気溜が破け、その部分が、塗装されていない状態または塗膜の薄い状態になる。又スプレー塗装後のエアーナイフによる塗料削ぎ落としや、減圧ブース+加圧ブースで塗料を均一な薄膜化にする方法では溝部等の塗料溜りは減少するが気泡内部まで塗膜を形成できないという問題がある。

0011

従来の表面に塗膜が形成されたALC板の一部を図式化して例示すると、例えば図8(a)に示す如く、ALC板1の表面に防水塗装装置を用いて塗装を施して塗膜2を形成した場合には、ALC板1の表面に在る多数の気泡3の内部に空気が塗膜2によって密封された状態で空気溜5が形成されていた。

0012

しかし、気泡3の孔径が大きい場合には、図8(b)に示す如く、時間が経過しかつ気圧が変化したような場合には、気泡3内の空気溜5が膨張してはじけて塗膜2にピンホール4が生ずる問題があった。

0013

図9(a)は、ALC板1の表面の顕微鏡写真であって、前述の図8(b)に示すように、塗膜2にピンホール4が生じた状態を示している。図9(b)はALC板1の縦断面の顕微鏡写真であって、ALC板1の表面側に在る気泡3の内部に塗料が押込まれずに、塗膜2が形成されてない状態を示している。

0014

かかる問題点を解決するためのひとつの方策として、塗膜を厚く塗布する方策が考えられるが、このようにすると、多量の塗料(被覆組成物)が必要となり、解決策としては未だ不十分である等の問題があった。図10はALC板1の表面に極めて肉厚の塗膜2を形成した状態を図式化したものである。

発明が解決しようとする課題

0015

前述の背景技術で詳述したように、従来の表面に塗装が施された多孔質素材は、表面に内在される気泡の入口に塗料膜が形成されるので、気泡内の空気が該塗料膜によって閉じ込められて空気溜が出来、後になってこの空気溜がピンホールの発生の大きな原因となる問題があった。また、前記気泡内の全面に塗料膜が形成されていない場合には、気泡の内周壁面より雨水が多孔質素材内に浸み込む問題もあった。

課題を解決するための手段

0016

本発明に係る多孔質素材は、前述の従来の問題点に鑑み開発された発明であって、その発明の要旨は、表面と連通する気泡を多数有する多孔質素材に於て、該多数の気泡内に空気溜が存在せず、かつこれ等の気泡の内周面全面に所定厚さの塗料膜が被覆されて形成されていることを特徴とした多孔質素材である。

発明の効果

0017

本発明の多孔質素材は、前述のように多数の気泡内に空気溜が存在しないので、後から気泡内の空気溜が膨張破裂して、気泡の入口に被覆されていた防水塗料膜の一部にピンホールが生ずる恐れがない。また、多数の気泡の内周面全面には所定厚の塗料膜が被覆されているので、気泡の内周壁面より雨水が多孔質素材内に浸み込む心配もない。

発明を実施するための最良の形態

0018

本発明に係る多孔質素材の構成を説明するために、その多孔質素材を製造するための塗装方法、塗装装置及びこれ等の塗装方法を実施するために用いられる防水性塗料等について、その実施例を図を用いて具体的に説明する。

0019

図1は塗装方法を実施するための装置の簡略説明図、図2図1の装置に取付けられるフィルタの断面図、図3は塗装の方法を示すフローチャート図、図4(a)、(b)、(c)、(d)は夫々ALC板の表面の気泡内に塗膜が形成される工程を示す断面説明図である。

0020

図5は本発明に係るALC板の要部の断面拡大説明図、図6(a)は本発明に係るALC板の平面の顕微鏡写真図図6(b)は同図の要部の縦断面の顕微鏡写真図、図7(a)、(b)も夫々図6(a)の要部の縦断面の顕微鏡写真図である。

0021

図1により本発明の多孔質素材を製造する方法及び装置について説明すると、次の通りである。図中10は塗装装置全体を示しており、装置対象とするALC板11に対して、ALC板11を予熱するプレヒート部25と、ALC板11の表面に塗料を塗着する塗装部30とを有している。

0022

前述のALC板11は予めプレヒート部25で例えば40〜50℃に熱せられる。次に搬送ローラ72及び73に載せられたALC板11は、搬送ローラ72および73の回転によって図中矢印a方向に送られ、これにより塗装部30による各処理がALC板11に対して順次施されるようになされている。

0023

この塗装装置10には制御部22が設けられており、制御部22は入力されたコマンドに従って塗装装置10の各部を制御する。

0024

前述のようにプレヒート部25において所定温度に加熱されたALC板11は、塗装部30に送られる。塗装部30のALC板11の搬入口近傍には、ALC板11の有無を検出するためのセンサ26が設けられている。このセンサ26は、レーザ光をALC板11の搬入経路照射してその反射光の強度に基づいてALC板11の有無を検出するもの等を用いることが可能である。

0025

制御部22はセンサ26の検出結果を常時監視しており、ALC板11が搬入されたことを検出すると、塗装部30の各部を動作させることにより、当該搬入されたALC板11に対する塗装処理を塗装部30に実行させるようになされている。

0026

塗装部30は、筐体31によってその内部の塗装処理空間が外部空間から遮蔽されている。この塗装処理空間は隔壁42、43及び44によって4つの処理空間に分けられている。これら4つの処理空間のうち、ALC板11の搬入口側に設けられている第1の処理空間は、塗料を加圧吹付けする加圧吹付室であって、ALC板11の表面に対して塗料(被覆組成物)12を高圧で叩き付けるための噴射塗装部32があり、ポンプ52から配管51を介して塗料12が噴射ノズル54に供給される。

0027

このとき塗料12は、液圧計53によってその圧力が制御されながら、ALC板11の表面に対する塗装打力が2g/cm2以上(好ましくは10g/cm2以上)となるような圧力でALC板11の表面に吹き付けられる。この結果、ALC板11の表面の微細な穴に塗料がほとんど押し込まれることとなる。因みに、この噴射塗装部32を構成する第1の処理空間内には、ALC板11の搬入口から塗料12が外部に漏れ出さないようにするためのシャッタ41が設けられている。

0028

噴射塗装部32においてその表面に塗料12の塊が高圧噴射によって吹き付けられたALC板11は、搬送ローラ72、73の回転によって第2の処理空間に送り込まれる。この第2の処理空間は、過剰分の塗料を空気吹付けによって除去する空気吹付室であって、ALC板11の表面に盛られた状態の塗料12にエアーを吹き付けることによって、ALC板11の表面から余分な塗料を削ぎ取るためのエアーブロー部33が設けられている。

0029

このエアーブロー部33に設けられたエアーカッタ65に対して、ブロアー部61からエアー分配室62を介してエアーが供給されるようになされており、当該供給されたエアーは、エアーカッタ65の一対のエアーブロー板65A及び65Bに供給され、それらの先端部からALC板11の塗料に対して高圧のエアーが吹き付けられる。

0030

このようにして、ALC板はエアーカッタ65によってエアーが吹き付けられながら搬送ローラ72、73の回転によって矢印a方向に送られることにより、その表面に盛られている塗料のうち、過剰な塗料が除去される。除去された塗料は、ALC板11の両側部から回収タンク46に流れ落ちる。回収タンク46に溜まった塗料12は、ポンプ74によって配管75に送られ、当該配管75の先に設けられているフィルターに供給される。

0031

図2は配管75(図1)の先に設けられているフィルタ90を示す断面図である。この図2に示されるように、フィルタ90は回収タンク46(図1)から排出された塗料12から不純物ALC粉等)を除去するためのものであり、筐体91内に、回収塗料を通過させて濾過するための金網92が設けられている。

0032

金網92を通った回収塗料は不純物が除去されてタンク96に溜められる。タンク96に溜められた濾過済みの塗料は、ポンプ97によって再び塗装装置10(図1)に戻され、図1について上述した場合と同様にして、噴射塗装部32においてALC板11に噴射塗装される。

0033

また、フィルタ90(図2)において回収塗料から除去されたALC粉等の不純物は、廃棄槽95に溜められる。このように、塗装装置10においては、エアーカッタ65で削ぎ落とされる等した余分な塗料が回収タンク46に回収された後、フィルタ90を介して再利用されることにより、塗料の使用効率が高くなるようになされている。

0034

図1に示される塗装装置10のエアーブロー部33において過剰な塗料が除去されたALC板11は、搬送ローラ72、73の回転によって第3の処理空間に送り込まれる。この第3の処理空間は、ALC板11の表面に塗着された塗料液膜表面を減圧させる処理空間であって、ALC板11の表面において塗料12が確実に入りきっていない気泡、つまり塗料液膜の形成によって、残留する気泡内に閉じ込められた空気のある状態の空気溜を膨張破裂させるための減圧室34である。

0035

ブロアー部61によってエアーを引き出すことにより、減圧室34の内部が大気圧よりも1.5KPa以上低い気圧を保つことにより、気泡内の空気溜の空気が膨張するようになされている。この時、エアーブロー部における過剰塗料の除去が少ないと気泡入口上の塗料液膜が厚くなり気泡内の空気の膨張によりはじけることができなくなり塗り残しが発生することとなる。

0036

減圧室34において塗装部分の気泡内の空気溜がはじけたALC板11は、搬送ローラ72、73の回転によって続く第4の処理空間に送られる。この第4の処理空間は、ALC11の表面に塗着された塗料液膜に空気を吹き付ける加圧室であって、気泡内の空気溜がはじけ入口の開いた気泡内部に塗料を、加圧されたエアーの流れによって流し込むための加圧室35が設けられている。

0037

この加圧室35には、ブロアー部61からエアー分配室62を介して加圧エアーが供給されるようになされている。このような加圧室35から隣接する減圧室34には図中矢印bで示すようなエアーの流れが発生しており、かかるエアーの流れの中をALC板11が送られることにより、その表面の塗装部分が滑らかに伸ばされるとともに気泡内部へも塗料が流れ込むこととなる。

0038

かくして、ALC板11の表面には、気泡内部まで塗装され、塗装されない箇所のないように塗料液膜20が形成されることとなる。

0039

因みに、図3図1について上述した塗装装置10の塗装処理手順を示すフローチャートである。この図2に示されるように、塗装装置10がステップA1から当該処理手順に入ると、塗装対象であるALC板11は、ステップA2に移る。

0040

ステップA2において、塗装装置10は、プレヒート部25によってALC板11を加熱した後、ステップA3に移る。ステップA3からは塗装部30における塗装工程に入り、当該ステップA3において塗装装置10は、噴射塗装部32によってALC板11の表面に塗料の塊を高圧噴射する。

0041

そしてステップA4に移って、エアーブロー部33においてエアカッタ65による余分な塗料の削ぎ取り処理を行い、塗料液膜20を形成する。さらにステップA5に移って、減圧室34によって、ALC板11の表面の塗料が確実に入りきっていない気泡つまり、塗料液膜20の形成によって残留する気泡内に閉じ込められた空気のある状態の、気泡内の空気溜を膨張させることによってはじけさせ、ステップA6に移る。

0042

ステップA6において、塗装装置10は気泡内で空気溜がはじけてピンホールが形成された状態のALC板11を加圧室35に送ることにより、ALC板11の表面に形成された塗料液膜20に空気を吹き付けて塗料液膜20の表面の塗料を気泡内に流し込み前記ピンホールを閉鎖し、かつ塗料液膜20を滑らかに伸ばす。かくして塗装装置10はステップA7において塗料液膜の乾燥及び冷却をしALC11に対する塗装工程を終了する。

0043

次に、図4(a)、(b)、(c)、(d)及び図5に於て、ALC板1の表面に設けられた気泡内に塗膜が形成される状態を工程順に説明する。即ち、ALC板11の表面には、図4(a)の加圧吹付室に於て、多量の塗料12が高圧吹付けによって肉厚に装着される(前記ステップA3)。

0044

その際に、塗料12はALC板11の表面に内在する気泡3内に、その入口より押し込められてその気泡3の奥に空気を閉じ込めて空気溜5を形成する。同図(b)の空気吹付室に於て、ノズルより高圧空気噴出されて、ALC板11の表面に装着された塗料12の内の余分なものが除去されてALC板11の表面には塗料液膜20が形成される(前記ステップA4)。

0045

続いて、図4(c)の減圧室に於て、ALC板11に塗着された塗料液膜20の表面が減圧されるので、前述のように気泡3内に閉じ込められていた空気溜5の空気は膨張して、気泡3内の入口に押し込められていた塗料よりなる塗料液膜20を破裂させて外方に放出される。その空気が放出された塗料液膜20の所定の部分にはピンホール4が形成される(前記ステップA5)。

0046

さらに図4(d)の加圧室に於て、ノズルより高圧空気をALC板11の表面の塗料液膜20に吹き付けることによって、前述のように気泡3内に閉じ込められていた空気が放出された後のピンホール4の周りの塗料液膜20の塗料の一部が、ピンホール4内に流入してピンホール4を閉鎖し、この部分に塗料による塗料液膜20を形成する。同時にこの空気の吹付けによって塗料液膜20の表面を滑らかに伸ばすことが出来る(前記ステップA6)。従って、本発明の方法を実施することによって、図4(d)及び図5に示す如く、気泡3の内部の奥部全面にも塗装されない個所のないように塗料液膜20を形成することが出来る。

0047

前述のように本発明の方法を実施して製造したALC板の表面を顕微鏡写真で撮影した状態が、図6(a)に示すものである。この写真でも明らかな如く、ALC板の表面に内在する多数の気泡内全面に塗料が充填されると共に、その気泡の内周壁に続く内壁にも塗料が深く浸透されていることが明らかである。

0048

図6(b)及び図7(a)、(b)は、それぞれALC板を縦方向に切断したものを撮影した顕微鏡写真であるが、この写真によってALC板の表面にある気泡の内周壁面全面に塗膜が形成されていることが明らかである。特に、ALC板の表面より離れた、即ちALC板の内部に存在する内側気泡に於ても、この内側気泡が表面側の気泡に連通している場合には、この内側気泡の内部全面にも塗料が侵入して塗膜が形成されていることが明らかである。

0049

前述の塗装方法を実施するために使用される塗料について説明すると次の通りである。即ち、本実施の形態に用いる下塗り被覆組成物である水性塗料は、樹脂顔料=1/10〜6/10(固形分重量比)であり、塗装時における不揮発分が50%以上、#4フォードカップによる粘度が10〜50秒/25で、ラメラ長が3mm以下である下塗り被覆組成物である。そのためには(A)樹脂、(B)顔料及び(C)溶媒に分散するものであり、樹脂としてアクリルエマルション樹脂が好ましいものとして構成される。

0050

樹脂塗膜を形成する樹脂としては、例えばアクリル樹脂シリコン変性アクリル樹脂等の水溶性水分散エマルション)型の水性樹脂が挙げられ、特に、アクリル樹脂又はシリコン変性アクリル樹脂のエマルション樹脂が好ましく用いられる。ヒドラジドグリシジルメタアクリレートシラノールオキサゾリン酸化金属等の架橋材と混合して使用することも出来る。また、これらの樹脂は、1種に限らず2種以上を組み合わせて使用することが出来る。

0051

本実施の形態の下塗り被覆組成物は、ラメラ長が3mm以下であることが好ましい。ラメラ長とは、塗料等の液状膜における液切れの程度を示すもので、測定値が小さいほど塗料の液膜切れやすく、空気吹付けによる過剰塗料の除去がしやすい。ラメラ長が3mmを超えると、塗料の液膜の液切れが良くなく、空気吹付けによる過剰塗料の除去が困難となる傾向がある。より好ましくは、0.1〜2mmである。

0052

因みに、防水用塗料組成物としてアクリルエマルション系シーラー(オーデータイト155、日本ペイント社製)を用いて塗布量と透水量の対比を行った。本発明の方法により加圧吹付けシャワーとエアーナイフとを使用した場合(2回処理)、シーラーの塗布量が750〜850g/m2で透水量が2cc/24時間以下であった。一方、従来法である一般的なスプレーの2度塗りでは、シーラーの塗布量を2100g/m2にしても透水量が4cc/24時間以下になる程度であった。なお、透水量を測定する方法として、ロートを逆さにしてALC表面に立て、ロート円周部をシーラーで止め水を注入する方法を用いた。

0053

さらに本発明の塗装方法の動作について説明すると、次の通りである。即ち、上述のような機能、構成を有する塗装装置10においては、その塗装部30において、ALC板11の表面に高圧で叩き付けられた塗料のうち、余分な塗料をエアーカッタ65によって削ぎ落とす。ここにおいては、ALC板11の表面には塗料(被覆組成物)が本来有する防水性等の特性を発揮するために必要十分な厚みの塗料液膜20が確保される。これは、従来のように、塗装乾燥後に塗料液膜下にある気泡が破けて膜厚が薄くなったり、塗り残しが発生することに対応して余分な厚みを確保する場合に比べて、一段と薄い膜厚となっている。

0054

このような厚みで形成された塗料液膜は、その下に多孔質素材表面の気泡の内に塗料が完全に入っていない気泡が生じている状態となっているが、塗装装置10は、当該気泡が生じている塗料液膜を形成してなるALC板11を減圧室34に入れることにより、気泡3の内部の気圧が減圧室34の気圧よりも高くなって、気泡3内に閉じ込められている空気溜5の空気が膨張してはじけることとなる。

0055

このように空気溜5がはじけた塗料液膜20の表面は、はじけた部分においてピンホール4等の凹凸を有する状態となっているが、かかる塗膜は未だ硬化していない状態であり、このような状態において続く加圧室35に入ることにより、空気を吹き付けることによって加圧エアーの流れによって塗料液膜20の表面がならされ、気泡内に塗料が流れ込み、塗り残しのない塗料液膜20となる。かくして、ALC板11の表面にはその凹凸(微細な穴)に十分に行き渡った塗り残した気泡3がなくかつ必要十分な厚みの塗膜が形成されることとなる。

0056

なお上述の実施形態においては、減圧室34によって気泡3の空気溜5がはじけた状態で、当該塗料液膜20が形成されたALC板11を加圧室35に入れ、加圧室35から減圧室34に流れる空気によって塗料液膜20を伸ばすようにしたが、これに限らず、例えば噴射ノズルを用いて塗料液膜20の表面に空気を吹き付けるようにしてもよく、要は、塗料液膜20の表面を空気の流れにさらすようにすればよい。

0057

また上述の実施形態においては、図2に示した構成のフィルタ90を用いて回収塗料を濾過する場合について述べたが、これに限らず、回収塗料を攪拌しながら濾過するフィルタや、濾過前に回収塗料に加水を行い濾過をしやすくするフィルタ等、他の種々の構成のフィルタを用いるようにしてもよい。

0058

また上述の実施形態においては、加圧室35から減圧室34にエアーの流れを生じさせて、塗料液膜20の表面を均一に伸ばすようにしたが、本発明はこれに限らず、加圧室35を設けることなく、減圧室34に対して外部空間からエアーが流れ込むようにすることによって、当該流れ込むエアーによって塗料の表面を伸ばすようにしてもよい。

0059

本発明に係る多孔質素材は、ALC板のみならず、他の軽量気泡コンクリート製の外壁材にも用いることが出来る。

図面の簡単な説明

0060

塗装方法を実施するための装置の簡略説明図である。
図1の装置に取付けられるフィルタの断面図である。
塗装の方法を示すフローチャート図である。
図4(a)、(b)、(c)、(d)は夫々ALC板の表面の気泡内に塗膜が形成される工程を示す断面説明図である。
本発明に係るALC板の要部の断面拡大説明図である。
図6(a)は本発明に係るALC板の平面の顕微鏡写真図、図6(b)は同図の要部の縦断面の顕微鏡写真図である。
図7(a)、(b)は夫々図6(a)の要部の縦断面の顕微鏡写真図である。
従来例の塗装されたALC板の表面の縦断面拡大図である。
図9(a)は従来例の塗装されたALC板の表面の顕微鏡写真である。図9(b)は従来例の塗装されたALC板の表面側の縦断面の顕微鏡写真である。
従来例の塗装されたALC板であって、表面に多量の塗料が塗着された状態の縦断面拡大説明図である。

符号の説明

0061

1 …ALC板
2 …塗膜
3 …気泡
4 …ピンホール
5 …空気溜
10 …塗装装置
11 …ALC板
12 …塗料
20 …塗料液膜
22 …制御部
25 …プレヒート部
26 …センサ
30 …塗装部
32 …噴射塗装部
33 …エアーブロー部
34 …減圧室
35 …加圧室
41 …シャッタ
42 …隔壁
43 …隔壁
44 …隔壁
46 …回収タンク
51 …配管
52 …ポンプ
53 …液圧計
54 …噴射ノズル
61 …ブロアー部
62 …エアー分配室
65 …エアーカッタ
72 …搬送ローラ
73 …搬送ローラ
90 …フィルタ
91 …筐体
92 …金網
95 …廃棄槽
96 …タンク

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