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技術 信号表現発生の方法および装置

出願人 日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
発明者 近藤仁志小林史典公山邦彦
出願日 2005年2月21日 (15年4ヶ月経過) 出願番号 2005-044052
公開日 2005年6月23日 (15年0ヶ月経過) 公開番号 2005-168061
状態 未査定
技術分野 圧縮、伸長・符号変換及びデコーダ
主要キーワード 各離散値 離散化処理 デジタル実現 平均化動作 傾斜直線 分解動作 エリアシング成分 フーリエ変換関数
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図面 (20)

課題

サンプリングレートのような離散レートによる影響を受けない新規信号表現を提供する。

解決手段

信号表現発生装置は、入力端子に、離散信号または連続信号入力信号を受ける。選択部10は、この入力端子で受けた入力信号から、有限長の信号部分を順次選択する。この有限長信号部分は、所定の複数の離散値を含む離散値列から成る。次の関数推定部12は、この選択した有限長信号部分を、周波数帯域を制限した関数に基づく信号表現に変換する特徴抽出部122を備え、これにより離散信号を表す前記信号表現の列を発生する。

概要

背景

従来、アナログ信号のような連続信号表現する方法として、デジタル表現が一般的に使用されている。このデジタル表現は、元信号の離散的瞬時値または近似的な瞬時値に基づくデジタルデータ列で構成される信号表現である。元信号をそのような離散的な値にする離散化処理には、サンプリング定理に基づき、所定のサンプリングレートでの元信号のサンプリング関与している。したがって、このような離散化処理を通して得られるデジタル・データ列は、サンプリングレートにより支配されている。また、サンプリングによって得られた瞬時値に対しては、デジタル表現のための量子化処理、そして必要な場合には符号化処理が行われる。この符号化処理には、従来、種々の方法が知られており、例えばΔΣ等のPDM変調(Pulse Density Modulation)による符号化などが知られている。

従来のデジタル・データ列からの元信号の復元には、多数の瞬時値から連続状態の元信号を発生することが関与している。このため、従来は、瞬時値と瞬時値との間は、階段状またはこれにほぼ近い形での近似(ある瞬時値から次の瞬時値までは前の瞬時値の値をそのままホールドする形式)を用いていた。この階段状近似には、無限大にまで延びた周波数成分が関係する。すなわち、階段の急峻に変化する波形部分には非常に多くの周波数成分が含まれるため、元信号の周波数成分のみを抽出するためにフィルタの使用が要求される。また、場合によっては、複雑な周波数領域での処理が必要となるため、使用するフィルタの設計が複雑化する。

また、従来のデジタル・データ列は、上記のように、データを得るための離散化処理におけるサンプリングレートにより支配されているため、デジタル・データ列とそのサンプリングレートとは一体のものである。言い換えれば、元信号が同じものであっても、サンプリングレートが異なれば、デジタル・データ列から復元される信号の周波数成分が異なる。具体的には、CD,DAT,MD,DVD等では、サンプリングレートが互いに異なっており、CDは、サンプリングレートが44.1kHzであり、DAT,MDは、48kHz、DVDは96kHzである。したがって、このような記録媒体の1つに記録されたデータを読み出して異なったサンプリングレートの記録媒体に書き込もうとする場合、サンプリングレート変換が必要となる。このため、従来のデジタル・データ列のサンプリングレート変換においては、通常、変換先のサンプリングレートよりも高いサンプリングレートに高めるアップサンプル処理(例:補間処理)と、そして次に変換先のサンプリングレートにサンプリングレートを低くするダウンサンプル処理(例:間引き)とが行われる。このようなアップサンプル処理およびダウンサンプル処理には、周波数領域での処理であるため、時間領域で見た群遅延などの特性に問題を生じる。この問題を最小限にするためには、それら処理に、高い次数のフィルタが要求される。また、この結果、フィルタの設計が複雑となり、また回路規模が大きくなるという問題も生じる。さらに、一般的には、サンプリングレート変換においては、異なる装置間で行われることが多く、それぞれの装置の動作クロックが精度の高いクリスタル発振器を用いても、完全に同じにはできないことから、デジタル伝送ではデータの過不足が生じるなど非同期であることを考慮する必要がある。

以上のように、従来の瞬時値に基づくデジタル・データ列による信号表現は、サンプリングレートに依存するものであり、また、アナログ−デジタル変換、デジタル−アナログ変換、サンプリングレート変換において、場合によっては複雑なフィルタ処理が必要となる、という問題が本質的に存在している。

概要

サンプリングレートのような離散レートによる影響を受けない新規な信号表現を提供する。信号表現発生装置は、入力端子に、離散信号または連続信号の入力信号を受ける。選択部10は、この入力端子で受けた入力信号から、有限長の信号部分を順次選択する。この有限長信号部分は、所定の複数の離散値を含む離散値列から成る。次の関数推定部12は、この選択した有限長信号部分を、周波数帯域を制限した関数に基づく信号表現に変換する特徴抽出部122を備え、これにより離散信号を表す前記信号表現の列を発生する。

目的

したがって、本発明の目的は、標本化された各瞬時値ではなく、瞬時値と瞬時値との間の情報を含んだ形で信号表現することによって、サンプリングレートのような離散レートによる影響を受けない新規な信号表現を提供することである。また、本発明の別の目的は、従来とは異なった、離散レートに独立の信号表現を提供することである。さらに、本発明のさらに別の目的は、異なった離散レートのシステムにおいても使用することが容易な信号表現を提供することである。また、本発明の別の目的は、狭い周波数帯域内で処理を実現できる信号表現を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

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請求項1

有限長の信号を表現する信号表現発生方法であって、前記有限長信号を受けるステップと、受けた前記有限長信号を、周波数帯域を制限した関数に基づく信号表現に変換する変換ステップと、から成る信号表現発生方法。

請求項2

請求項1記載の方法において、前記周波数帯域制限関数に基づく前記信号表現は、使用する関数集合によって前記有限長信号を表すための前記使用関数集合を特徴付け特徴値の集合から成ること、を特徴とする信号表現発生方法。

請求項3

請求項2記載の方法において、前記使用関数集合の特徴値集合は、前記使用関数集合の各関数に関係する係数の値を含む係数値集合から成ること、を特徴とする信号表現発生方法。

請求項4

請求項3記載の方法において、前記変換ステップは、受けた前記有限長信号から、該有限長信号を表す所定の数の複数の離散値を発生するステップと、前記複数の離散値から前記係数値集合を発生する推定ステップと、を含むこと、を特徴とする信号表現発生方法。

請求項5

請求項4記載の方法において、前記推定ステップは、多項式近似および/または離散フーリエ変換による推定を使用すること、を特徴とする信号表現発生方法。

請求項6

請求項1から5のいずれかに記載の方法において、前記周波数帯域制限関数の前記周波数帯域は、前記有限長信号が含まれる信号における前記有限長信号の少なくとも近傍に関する周波数帯域制限を有すること、を特徴とする信号表現発生方法。

請求項7

請求項 1から6のいずれかに記載の方法において、前記有限長信号は、離散信号または連続信号であること、を特徴とする信号表現発生方法。

請求項8

無限長の信号を、有限長の信号部分の組み合わせに分解し、各該有限長信号部分に請求項1から7のいずれかに記載の信号表現発生方法を適用することにより、信号全体について前記信号表現を発生する信号表現発生方法。

請求項9

請求項8記載の方法において、前記有限長信号部分は、少なくとも1つの他の前記有限長信号部分と部分的に重なった部分を有すること、を特徴とする信号表現発生方法。

請求項10

信号に対し請求項8または9に記載の信号表現発生方法を適用することによって発生した前記信号を表す信号表現を記録した信号表現記録媒体

請求項11

第1の離散レートを有する第1の離散信号を、該離散信号が表す連続信号を表す、離散レートに独立の離散レート独立信号表現に変換する変換方法であって、前記第1の離散信号を、複数の有限長の信号部分に分解するステップと、各該有限長信号部分に対し請求項1から7のいずれかに記載の信号表現発生方法を適用することによって、前記第1の離散信号から、これを表す前記信号表現を発生する適用ステップと、から成る変換方法。

請求項12

信号表現を、該信号表現が表す連続信号に変換する信号表現−連続変換方法であって、請求項11記載の変換方法により発生された信号表現を受けるステップと、前記周波数帯域制限関数に、前記信号表現を適用することによって、前記連続信号を発生するステップと、から成る信号表現−連続変換方法。

請求項13

第1の離散レートを有する第1の離散信号を第2の離散レートを有する第2の離散信号に変換する離散離散変換方法であって、前記第1離散信号に対し、請求項12記載の離散−連続変換方法を適用することによって、離散レートとは独立の離散レート独立信号表現を発生するステップと、前記離散レート独立信号表現を、前記第2の離散レートで離散化することによって、前記第2離散信号を発生するステップと、から成る離散−離散変換方法。

請求項14

請求項13記載の方法を実行するプログラム

請求項15

信号を表現した信号表現であって、前記信号を推定する周波数帯域制限関数を特徴付ける特徴集合を含むこと、を特徴とする信号表現。

請求項16

信号を表現した信号表現であって前記信号を推定する周波数帯域制限関数を特徴付ける特徴集合から成る信号表現を連続信号に変換する信号表現−連続変換方法であって、前記信号表現を、前記周波数帯域制限関数に適用することによって連続信号を発生するステップ、を含むことを特徴とする信号表現−連続変換方法。

請求項17

離散信号を表現する信号表現発生装置であって、前記離散信号を受ける入力端子と、該入力端子で受けた前記離散信号から、有限長の信号部分を順次選択する選択手段であって、前記有限長信号部分が、所定の複数の離散値を含む離散値列から成る、前記の選択手段と、選択した前記有限長信号部分を、周波数帯域を制限した関数に基づく信号表現に変換する変換手段であって、これにより前記離散信号を表す前記信号表現の列を発生する、前記の変換手段と、から成る信号表現発生装置。

請求項18

信号表現を、該信号表現が表す連続信号に変換する信号表現−連続変換装置であって、請求項17記載の信号表現発生装置により発生された信号表現を受ける入力端子と、前記周波数帯域制限関数に、前記信号表現を適用することによって、前記連続信号を発生する関数発生手段と、から成る信号表現−連続変換装置。

請求項19

第1の離散レートを有する第1の離散信号を第2の離散レートを有する第2の離散信号に変換する離散−離散変換装置であって、前記第1離散信号から、これを表す前記信号表現列を発生する請求項18記載の信号表現−連続変換装置と、前記信号表現−連続変換装置からの前記連続信号を、前記第2の離散レートで離散化することによって、前記第2離散信号を発生する第2離散化手段と、から成る離散−離散変換装置。

請求項20

信号を表現した信号表現であって前記信号を推定する周波数帯域制限関数を特徴付ける特徴集合から成る信号表現を、連続信号に変換する信号表現−連続変換装置であって、前記信号表現を受ける入力端子と、前記信号表現を、前記周波数帯域制限関数に適用することによって連続信号を発生する関数発生手段と、から成る信号表現−連続変換装置。

技術分野

0001

本発明は、例えばアナログ−デジタル変換、デジタルアナログ変換サンプリングレート変換のような離散レート変換に適した信号表現、およびこの信号表現の発生、並びに、この信号表現を使用した連続(又は離散)−信号表現変換、信号表現−連続変換、離散−離散変換のための方法および装置に関するものである。

背景技術

0002

従来、アナログ信号のような連続信号表現する方法として、デジタル表現が一般的に使用されている。このデジタル表現は、元信号の離散的瞬時値または近似的な瞬時値に基づくデジタル・データ列で構成される信号表現である。元信号をそのような離散的な値にする離散化処理には、サンプリング定理に基づき、所定のサンプリングレートでの元信号のサンプリング関与している。したがって、このような離散化処理を通して得られるデジタル・データ列は、サンプリングレートにより支配されている。また、サンプリングによって得られた瞬時値に対しては、デジタル表現のための量子化処理、そして必要な場合には符号化処理が行われる。この符号化処理には、従来、種々の方法が知られており、例えばΔΣ等のPDM変調(Pulse Density Modulation)による符号化などが知られている。

0003

従来のデジタル・データ列からの元信号の復元には、多数の瞬時値から連続状態の元信号を発生することが関与している。このため、従来は、瞬時値と瞬時値との間は、階段状またはこれにほぼ近い形での近似(ある瞬時値から次の瞬時値までは前の瞬時値の値をそのままホールドする形式)を用いていた。この階段状近似には、無限大にまで延びた周波数成分が関係する。すなわち、階段の急峻に変化する波形部分には非常に多くの周波数成分が含まれるため、元信号の周波数成分のみを抽出するためにフィルタの使用が要求される。また、場合によっては、複雑な周波数領域での処理が必要となるため、使用するフィルタの設計が複雑化する。

0004

また、従来のデジタル・データ列は、上記のように、データを得るための離散化処理におけるサンプリングレートにより支配されているため、デジタル・データ列とそのサンプリングレートとは一体のものである。言い換えれば、元信号が同じものであっても、サンプリングレートが異なれば、デジタル・データ列から復元される信号の周波数成分が異なる。具体的には、CD,DAT,MD,DVD等では、サンプリングレートが互いに異なっており、CDは、サンプリングレートが44.1kHzであり、DAT,MDは、48kHz、DVDは96kHzである。したがって、このような記録媒体の1つに記録されたデータを読み出して異なったサンプリングレートの記録媒体に書き込もうとする場合、サンプリングレート変換が必要となる。このため、従来のデジタル・データ列のサンプリングレート変換においては、通常、変換先のサンプリングレートよりも高いサンプリングレートに高めるアップサンプル処理(例:補間処理)と、そして次に変換先のサンプリングレートにサンプリングレートを低くするダウンサンプル処理(例:間引き)とが行われる。このようなアップサンプル処理およびダウンサンプル処理には、周波数領域での処理であるため、時間領域で見た群遅延などの特性に問題を生じる。この問題を最小限にするためには、それら処理に、高い次数のフィルタが要求される。また、この結果、フィルタの設計が複雑となり、また回路規模が大きくなるという問題も生じる。さらに、一般的には、サンプリングレート変換においては、異なる装置間で行われることが多く、それぞれの装置の動作クロックが精度の高いクリスタル発振器を用いても、完全に同じにはできないことから、デジタル伝送ではデータの過不足が生じるなど非同期であることを考慮する必要がある。

0005

以上のように、従来の瞬時値に基づくデジタル・データ列による信号表現は、サンプリングレートに依存するものであり、また、アナログ−デジタル変換、デジタル−アナログ変換、サンプリングレート変換において、場合によっては複雑なフィルタ処理が必要となる、という問題が本質的に存在している。

発明が解決しようとする課題

0006

したがって、本発明の目的は、標本化された各瞬時値ではなく、瞬時値と瞬時値との間の情報を含んだ形で信号表現することによって、サンプリングレートのような離散レートによる影響を受けない新規な信号表現を提供することである。また、本発明の別の目的は、従来とは異なった、離散レートに独立の信号表現を提供することである。さらに、本発明のさらに別の目的は、異なった離散レートのシステムにおいても使用することが容易な信号表現を提供することである。また、本発明の別の目的は、狭い周波数帯域内で処理を実現できる信号表現を提供することである。

0007

また、本発明の目的は、上記の信号表現を発生する発生方法および装置を提供することである。
さらに、本発明の目的は、上記のような信号表現法により表現した信号を記録した記録媒体を提供することである。

0008

また、本発明の目的は、上記のような信号表現を利用した信号表現−連続変換の方法および装置を提供することである。
さらに、本発明の目的は、上記のような信号表現を利用した離散レート変換に利用できる離散−離散変換の方法および装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0009

上記の目的を達成するため、本発明による、有限長の信号を表現する信号表現発生方法は、
前記有限長信号を受けるステップと、受けた前記有限長信号を、周波数帯域を制限した関数に基づく信号表現に変換する変換ステップと、から成る。

0010

本発明によれば、前記周波数帯域制限関数に基づく前記信号表現は、使用する関数集合によって前記有限長信号を表すための前記使用関数集合を特徴付け特徴値の集合から成るようにできる。この場合、前記使用関数集合の特徴値集合は、前記使用関数集合の各関数に関係する係数の値を含む係数値集合から成るようにできる。また、前記信号表現は、前記使用する関数集合の指示を含むようにできる。前記関数集合に含まれる関数は、予め定めた関数とすることができる。

0011

また、本発明によれば、前記変換ステップは、受けた前記有限長信号から、該有限長信号を表す所定の数の複数の離散値を発生するステップと、前記複数の離散値から前記係数値集合を発生する推定ステップと、を含むようにできる。この場合、前記推定ステップは、多項式近似、または離散フーリエ変換による推定を使用することができる。また、前記離散フーリエ変換は、4,8,またはこれ以外の離散値の数で行うようにできる。

0012

さらに、本発明によれば、前記周波数帯域制限関数の前記周波数帯域は、前記有限長信号が含まれる信号における前記有限長信号の少なくとも近傍に関する周波数帯域制限を有するようにできる。この場合、前記有限長信号の少なくとも近傍は、前記有限長信号が含まれる信号の全体とすることができる。

0013

また、本発明によれば、前記周波数帯域制限関数は、前記有限長信号に対応する有限区間を使用するようにできる。また、前記有限長信号は、時間を含む所定の次元に関する長さを有するようにできる。さらに、前記有限長信号は、離散信号または連続信号とすることができる。前記信号表現は、デジタル形式とすることができる。

0014

また、本発明による無限長信号の信号表現発生方法は、無限長の信号を、有限長の信号部分の組み合わせに分解し、各該有限長信号部分に上述の信号表現発生方法を適用することにより、信号全体について前記信号表現を発生することから成る。

0015

本発明によれば、前記有限長信号部分は、少なくとも1つの他の前記有限長信号部分と部分的に重なった部分を有するようにできる。
また、本発明による信号表現記録媒体は、信号に対し上述の信号表現発生方法を適用することによって発生した前記信号を表す信号表現を記録する。

0016

さらに、本発明による、第1の離散レートを有する第1の離散信号を、該離散信号が表す連続信号を表す、離散レートに独立の離散レート独立信号表現に変換する変換方法は、前記第1の離散信号を、複数の有限長の信号部分に分解するステップと、各該有限長信号部分に対し上述の信号表現発生方法を適用することによって、前記第1の離散信号から、これを表す前記信号表現を発生する適用ステップと、から成る。

0017

また、本発明による、信号表現を、該信号表現が表す連続信号に変換する信号表現−連続変換方法は、上述の変換方法により発生された信号表現を受けるステップと、前記周波数帯域制限関数に、前記信号表現を適用することによって、前記連続信号を発生するステップと、から成る。

0018

また、本発明による、第1の離散レートを有する第1の離散信号を第2の離散レートを有する第2の離散信号に変換する離散−離散変換方法は、前記第1離散信号に対し、上述の離散−連続変換方法を適用することによって、離散レートとは独立の離散レート独立信号表現を発生するステップと、前記離散レート独立信号表現を、前記第2の離散レートで離散化することによって、前記第2離散信号を発生するステップと、から成る。

0019

また、本発明は、上述の方法を実行するプログラムを提供する。
さらに、本発明による、信号を表現した信号表現は、前記信号を推定する周波数帯域制限関数を特徴付ける特徴集合を含むこと、を特徴とする。

0020

また、本発明による、信号表現を連続信号に変換する信号表現−連続変換方法は、
上述の信号表現を、前記周波数帯域制限関数に適用することによって連続信号を発生するステップ、を含むことを特徴とする。

0021

さらに、本発明による、離散信号を表現する信号表現発生装置は、前記離散信号を受ける入力端子と、該入力端子で受けた前記離散信号から、有限長の信号部分を順次選択する選択手段であって、前記有限長信号部分が、所定の複数の離散値を含む離散値列から成る、前記の選択手段と、選択した前記有限長信号部分を、周波数帯域を制限した関数に基づく信号表現に変換する変換手段であって、これにより前記離散信号を表す前記信号表現の列を発生する、前記の変換手段と、から成る。

0022

本発明によれば、前記変換手段は、選択された前記有限長信号部分を、前記周波数帯域制限関数として使用する関数集合で推定する関数推定手段であって、前記使用関数集合によって前記有限長信号部分を表すための前記使用関数集合を特徴付ける特徴値の集合を、前記信号表現として発生する、前記の関数推定手段と、を含むようにできる。この場合、前記関数推定手段は、複数の関数推定器を含み、該複数の関数推定器は、互いに異なった関数集合を使用するようにできる。また、前記複数の関数推定器は、並列に配置することができ、この場合、前記並列に配置した前記複数の関数推定器は、少なくともその1つを選択的に使用可能とすることができる。この場合、前記複数の関数推定器の選択的な使用は、当該信号表現発生装置の内部の信号またはその外部の信号に基づいて行うようにできる。さらに、前記関数推定手段は、前記内部信号または外部信号応答して、前記複数の関数推定器のうちの使用する関数推定器を指定する使用関数指定手段、を含むようにできる。また、本発明によれば、前記複数の関数推定器は、直列に配置することができ、この場合、直列配置の前記複数の関数推定器は、一次関数を使用する第1の関数推定器と、フーリエ変換を使用する第2の関数推定器と、から成るようにできる。また、この場合、前記第1関数推定器は、第2の関数推定器の推定誤差を少なくする目的で、たとえば信号の傾向を推定し、それを前処理することも可能である(トレンド法)。

0023

また、本発明によれば、前記変換手段は、前記周波数帯域制限関数として使用する前記関数集合を指定する関数指定手段、を含むようにできる。またさらに、前記使用関数集合の特徴値集合は、前記使用関数集合の各関数に関係する係数の値を含む係数値集合から成るようにできる。この場合、前記関数推定手段は、離散フーリエ変換手段から成るようにしたり、あるいは、前記関数推定手段は、多項式近似を行う近似手段から成るようにしたりできる。

0024

また、本発明によれば、さらに、連続信号から前記離散信号を発生する離散化手段、を含むようにできる。この場合、前記離散化手段は、前記連続信号を、第1の離散レートで離散化する第1離散化手段を含むようにできる。

0025

さらに、本発明による、第1の離散レートを有する第1の離散信号を、該離散信号が表す連続信号に変換する離散−連続変換装置は、前記第1離散信号から、前記第1離散信号から前記信号表現列を発生する上述の信号表現発生装置と、前記周波数帯域制限関数に、前記信号表現列を適用することによって、前記連続信号を発生する関数発生手段と、から成る。

0026

本発明によれば、前記関数発生手段は、前記周波数帯域制限関数として使用する関数集合に含まれる各関数にそれぞれ対応する少なくとも1つの関数発生器と、前記少なくとも1つの関数発生器からの出力を合成して、前記連続信号を発生する合成手段と、を含むようにできる。

0027

また、本発明によれば、信号表現を、該信号表現が表す連続信号に変換する信号表現−連続変換装置は、上述の変換装置により発生された信号表現を受ける入力端子と、前記周波数帯域制限関数に、前記信号表現を適用することによって、前記連続信号を発生する関数発生手段と、から成る。

0028

また、本発明によれば、第1の離散レートを有する第1の離散信号を第2の離散レートを有する第2の離散信号に変換する離散−離散変換装置は、前記第1離散信号から、これを表す前記信号表現列を発生する上述の離散−連続変換装置と、前記離散−連続変換装置からの前記連続信号を、前記第2の離散レートで離散化することによって、前記第2離散信号を発生する第2離散化手段と、から成る。

0029

さらに、本発明によれば、信号を表現した信号表現であって前記信号を推定する周波数帯域制限関数を特徴付ける特徴集合から成る信号表現を、連続信号に変換する信号表現−連続変換装置は、前記信号表現を受ける入力端子と、前記信号表現を、前記周波数帯域制限関数に適用することによって連続信号を発生する関数発生手段と、から成る。

発明を実施するための最良の形態

0030

次に、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の1実施形態による基本構成の信号表現発生装置1のブロック図である。この信号表現発生装置1は、連続信号あるいは離散信号を入力信号として受け、そしてそれら信号の特徴を表す信号表現を、列として出力するする機能を有する。こうして得られた信号表現は、元の信号の特徴を別の形態で表現したことを意味する。詳細には、信号表現発生装置1は、図示のように、選択部10と、関数推定部12とから構成され、そして、関数推定部12は、使用関数指定部120と特徴抽出部122とから構成されている。詳しくは、選択部10は、連続信号または離散信号の入力信号を順次、有限長の信号部分あるいは微小区間に分解する動作を実行するものであり、そして入力端子に接続した入力を有し、入力端子からの入力信号を受け、そして出力にその分解した有限長信号部分を発生する。関数推定部12は、この選択された有限長信号を、本発明による信号表現に変換する手段として機能するものである。

0031

使用関数指定部120は、推定に適した関数を選択する動作を行うものであり、関数推定部12で関数推定に使用すべき1つまたはそれ以上の関数を指定する信号を出力に発生する。特徴抽出部122は、実際にその関数で有限長信号部分の特徴を推定する動作を実行するものであり、選択部10からの出力に接続した入力を有し、そしてまた、使用関数指定部120の出力に接続した入力を有して関数指定信号を受け、そして出力に、指定された使用関数の推定における特徴を抽出して発生する。この使用関数の特徴を、元の信号の特徴を構成するものとして用いる。これら使用関数の特徴は、選択有限長信号部分のある推定を表すのに必要なその使用関数集合(1つまたはそれ以上の使用関数の集まりを指す)の特徴値の集合(1つまたはそれ以上の使用関数の各々の特徴値の集まりを指す)である。個々の特徴値は、対応する各関数の一部あるいは全体に関する特徴値である。これら“特徴値信号の列”が、本発明による信号表現を構成する。

0032

さらに、詳細に説明すると、関数推定部12で使用する使用関数は、周波数帯域を制限した関数、すなわちその関数の挙動に含まれる周波数成分が、ある特定の周波数帯域内に制限された関数である。従来の階段状近似において使用される階段状関数は、その急峻な変化部分において、無限大にまで延びた周波数成分を有するのとは対照的である。本発明による周波数帯域制限関数の例としては、1次や2次等の多項式関数、あるいはsin、cos等の三角関数、その他の周波数が制限された関数(たとえば、スプライン関数等)、あるいはこれらを任意に組み合わせた関数である。これら関数は、階段状関数と異なり、滑らかであってある一定の周波数帯域内のものを使用することができる。尚、三角関数は、フーリエ変換において使用する関数である。また、周波数帯域制限関数は、関数推定部12においては、予め定めることによって使用関数指定部120を省略することもできる。特に、三角関数を使用することが前提の離散フーリエ変換等のフーリエ変換を実行する関数推定部では、省略できる。

0033

また、特徴抽出部122で抽出する使用関数の特徴値の例としては、各使用関数の係数値を用いることができる。具体的には、使用関数が2次関数であれば、2次の項の係数と、1次の項の係数と、0次の項の係数すなわち定数とであり、これらが、使用関数が2次関数の場合の係数値集合を構成する。一方、フーリエ変換の場合は、使用関数は、定数項における定数と、sinの項の係数、cosの項の係数であり、これらがフーリエ変換における使用関数の係数値集合を構成する。また、本発明では、これら特徴値集合は、デジタル化することによって、従来と同様にデジタル・データを形成することができる。このようなデジタル化により、従来と同様の記録媒体への読出し、書き込みを行うことができ、また、圧縮技術や伸張技術をはじめとして、従来のデジタル処理技術を用いることができる。

0034

次に、関数推定部12で使用する周波数帯域制限関数について、その周波数帯域制限の内容、例えば上限周波数を決定するためには、関数推定部12が受ける有限長信号部分の少なくとも近傍範囲を用いることができる。有限長信号部分の近傍範囲を用いれば、入力信号のうちの信号表現に変換しようとする有限長信号部分の近傍の周波数帯域に応答して有限長信号部分の推定のための使用関数の周波数制限を動的に決定することができる。この結果、使用関数による推定動作(言い換えれば、特徴値の抽出動作)の速度を速めたり、あるいは推定動作をより単純なものとすることができる。あるいはまた、本装置1が受ける入力信号全体、すなわちその信号自体が持っている周波数帯域制限を受けるようにすることもできる。例えば、CDに関する信号の44.1kHzのサンプリングレートに基づく上限周波数である。

0035

周波数帯域制限と同様に、使用関数指定部120における使用関数指定も、信号表現発生装置1内の内部的信号に基づかせることができる。例えば、入力信号のうちの処理対象の有限長信号を含む近傍部分の特性(たとえば、極値を含むか否か等)に基づき、使用関数を指定するようにもできる。これにより、処理対象をより正確に推定できる関数を使用することができる。あるいはまた、この使用関数指定は、信号表現発生装置1の外部の信号に基づかせることができる。これは、例えば、信号表現発生装置1への入力信号全体が、上記のようにCD信号のような帯域制限を受ける信号である場合に使用することができる。このような場合、特徴抽出部122に、多数の使用関数を設け、これらの中から使用関数を選ぶようにすることができる。また、使用関数は、並列に複数使用したり、あるいは直列に複数使用したりすることができる。

0036

次に、選択部10の動作について説明すると、受ける入力信号が連続信号の場合、この選択部10は、連続信号を離散信号とするための離散化処理、例えばサンプリング処理を行うことにより、選択動作の前に選択が容易な信号形式、すなわち離散値の列にすることもできる。また、入力として受ける離散信号は、離散レート、例えばサンプリングレートは、任意である。ここで、本明細書では、離散レートは、離散値の離散の度合いを示すものとして使用し、サンプリングレートのようなレートも包含するものとする。

0037

次に、選択部10は、離散値列から、本発明による信号表現に変換するための有限長信号部分を選択するが、その選択法には、種々の方法がある。この離散値選択法としては、例えば、互いに隣接する離散値をある一定の数だけ選択する方法、あるいは1つ置き等のように互いに隣接しない離散値を一定の数だけ選択する方法、その他の任意の選択方法が可能である。また、1回の選択とこれに後続する選択との関係、すなわち無限長の信号を有限長の信号に分解する分解法としては、1回の選択で選択する離散値列を、選択毎に、1回の選択で選ぶ離散値数と等しい数だけずらしていく方法がある。この方法では、一定の数の離散値を選んだら、次の選択では、隙間なく後続の隣接離散値から始まる一定の数の離散値を選ぶため、入力信号を単純に分割することに等しい分解方法である。別の分解方法としては、1回の選択で選択する離散値列を、選択毎に、1回の選択で選ぶ離散値数より少ない数(例えば離散値1つ)だけずらしていく分解方法である。この場合、有限長信号部分が部分的に重なりを持ちながら、シフトしていく。この部分的重なりを持つ分解法では、この分解動作自体に平均化動作を含ませることもできるし、推定関数が部分的に誤差を含むような場合には、誤差の少ない場所を選部ことができる利点がある。ここで、本明細書では、無限長という用語は、実質上無限長と考えることができる信号、すなわち連続的に供給される一般的な信号をも包含するものとして使用する。

0038

さらに、一回の選択に含める離散値の数は、推定のための使用関数に応じて任意に選択することができる。例えば、離散フーリエ変換を使用する場合には、離散値数は、4あるいは8、およびその他の数が使用できる。

0039

また、本発明の信号表現を適用する対象としては、時間を次元にもつ信号だけでなく、空間等における距離を次元にもつ信号も含まれる。本発明は、あらゆる信号を、この信号の特徴を反映する別の形態の信号に変換する場合に使用することができるからである。

0040

図1のこの信号表現発生装置1による本発明の信号表現、例えば特徴値ベースのデジタル・データでは、従来の瞬時値ベースのデジタル・データと同様に、あらゆる波形、形式の信号も表現することが可能である。このため、種々の応用が可能である。例えば、従来のA/D変換先のデジタル・データあるいはD/A変換元のデジタル・データとして、また従来のサンプリングレート変換における中間のデジタル・データとして、瞬時値に基づく従来のデジタル信号の代わりに用いることができる。また、信号発生器における信号源デジタル・データとしても用いることができる。この本発明の信号表現を用いることにより、階段状関数とは異なった滑らかな関数を使用できるため、従来必要であったような複雑なフィルタの使用を不要とすることができる、という利点がある。また、これに起因して、信号処理する回路簡単化したり、あるいは回路規模を縮小することができる。

0041

次に、図2を参照して、本発明の別の実施形態による基本構成形態の信号表現−連続変換装置3を説明する。この信号表現−連続変換装置3は、本発明による信号表現を入力信号として受け、そしてこれが表す実際の物理量に相当する元の連続信号を再現する機能を有するものである。上述のように、本装置に入力される信号表現は、連続信号を表す連続関数の特徴を有している。詳細には、関数発生器30と、合成部32とから構成されている。関数発生器30は、例えば、信号表現発生装置1から発生された信号表現を入力端子から受ける入力を備え、また少なくとも1つの使用関数を発生する関数発生器回路を備え、そして出力に、受けた信号表現を、これらが該当する使用関数に適用することによって、個々の関数発生器回路毎に関数出力を発生する。次の合成部32は、関数発生器30からの各関数出力を受ける入力を有し、そして出力に、これら関数出力を合成した結果としての連続信号を発生する。

0042

より詳細には、関数発生器30は、受ける信号表現に使用された少なくとも1つの推定使用関数に対応する関数発生器回路を備えている。関数発生器において用いる関数は、1つに限る必要はなく、たとえ推定使用関数が1つであったとしても、関数発生における関数は、物理的に構成しやすい複数の関数で構成することも可能である。例えば、推定使用関数が1次関数の場合、1次の項を発生する関数発生器回路と、0次の項を発生する関数発生器回路とで構成することができる。また、フーリエ変換の場合には、sin関数発生器とcos関数発生器とであり、またこれら三角関数の場合は、周波数が異なる場合には、個々の周波数についての三角関数発生回路を設ける。さらに、関数発生器に使用する関数は、関数推定器における推定使用関数と全く同じものである必要はなく、推定使用関数に相当する簡便な関数とすることもできる。また、推定使用関数が並列にある場合には、関数発生器回路も並列に設け、そして推定使用関数が直列にある場合には、関数発生器回路も直列に設けることができる。

0043

本発明のこの信号表現−連続変換装置3は、種々の用途に使用することができる。例えば、オーディオビデオ等に関するデジタル記録媒体に記録された本発明の信号表現の再生装置として使用することができ、したがって従来のD/A変換装置に相当するものとして使用できる。

0044

次に、図3を参照して、本発明の1実施形態による基本構成の離散−離散変換装置5を説明する。この装置5は、ある形態の離散信号を別の形態の離散信号へ変換する機能、例えばあるサンプリングレートの離散信号を別のサンプリングレートの離散信号に変換する機能を有する。離散信号の特徴は、1)信号の大きさ(この大きさの表現はデジタル量でもアナログ量でもかまわない)、2)信号のサンプリング間隔、の2つの状態で表される。詳細には、この装置5は、信号表現発生部50と、関数発生部52と、離散化部54とから構成されている。信号表現発生部50は、図1の信号表現発生装置1と同様の構成のものであって、入力に受けた離散信号を本発明の信号表現、例えば特徴値信号に変換して出力するように機能する。次の関数発生部52は、図2の信号表現−連続変換装置3と同様の構成のものであって、入力に受けた本発明の信号表現から連続信号を出力に発生するように機能する。次のサンプリング部54は、入力が関数発生部52の出力に接続して連続信号を受け、そして変換先の離散レートで離散化を行う機能を有し、そしてその結果の離散信号を出力に発生する。

0045

信号表現発生部50と関数発生部52とは、上述の構成と同様であるので、説明を省略し、離散化部54について説明する。離散化部54は、変換先の離散信号に連続信号を変換するため、関数発生部52とは別個に設けたサンプリング手段で実現することができる。あるいはまた、この離散化部54は、関数発生部52と一体化させることもできる。本装置の場合、出力が連続信号ではなく離散信号であって離散化部54の離間した点上の値だけが必要であり、したがって離散点点間の情報が必要ないことから、全ての連続信号を計算する必要がない。このため、関数発生部52は、連続信号を生成せず、直接変換先の離散信号を生成するように動作させることもできる。このようなことが行えるのが、関数を直接使う方法の特徴の一つであり、これによって、著しく装置の複雑度下げられるという効果がある。

0046

本発明のこの離散−離散変換装置5は、異なったサンプリングレートの離散信号の変換装置として、様々な分野において用途がある。例えば、CD信号とMD信号との変換、CD信号とDVD信号との変換等に使用することができる。また、本装置5は、多様な記録形式間での変換を行うオーディオ機器ビデオ機器、あるいはコンピュータ等に設けることができる。

0047

以上の説明した本発明の各装置、ハードウェア構成で説明したが、同様の機能を実行するソフトウェアでも実現することができる。特に実時間動作が要求されない状況においては、もちろんのこと(オフライン処理)、高速動作が可能な処理環境の下では、ソフトウェアのみを用いても実時間処理を行うことが可能で、したがって、離散-離散変換装置5をソフトウェアのみで実現することができる。また、一部の機能をハードウェア化して(たとえば、アナログ実現された関数発生部をハードウェア化すれば)、信号表現-連続変換装置3をソフトウェアで実現することも可能である。

0048

次に、図4図31を参照して、本発明の上記実施形態をさらに具体化した実施形態を詳細に説明する。
図4は、図1の装置1における選択部10の1実施形態の選択部100を示すブロック図である。図示のように、選択部100は、4つの記憶装置102〜108の直列接続から構成する。この選択部100は、左端の記憶装置102で入力信号である離散信号x(k)を受け、そして各記憶装置は、この離散信号のサンプリングレートのような離散レートに相当する周波数で、順次右にシフトするよう動作し、これによって、記憶装置102〜108は、それぞれ離散値x(k−1)〜x(k−4)を発生する。このため、一番右にある離散値x(k−4)が一番古いもので、左に行く程順番新しく到着したものとなる。ここで、各記憶装置102〜108は、デジタル表現もしくはアナログ表現のいずれを記憶するものでもよく、そして1例として遅延器で構成することができる。これら記憶装置の段数は、処理対象の有限長信号部分の長さに対応している。この選択部100は、離散値x(k)〜x(k−4)を次段の関数推定部12(図1参照)に供給する。この場合、供給の仕方は、上述のように、複数の有限長信号部分が部分的に重なりをもつようにする分解方法では、毎サンプリング周期にてシフトさせる。また、別の供給方法として、2以上のサンプリング周期に等しい一定の期間をおいて関数推定部12に供給することもできる。このようにした場合、関数推定部12に供給する有限長信号部分の部分的な重なりが少なくなり、4つのサンプリング周期に等しい期間をおいて供給する場合には、全く重なりのない分割状態となる。この場合、例えば、x(k)〜x(k−4)を供給した後は、4回のシフトを記憶装置102〜108で行った後に、その結果である離散値x(k+4)〜x(k+1)を関数推定部12に供給することになる。

0049

次に、図5は、図1の関数推定部12をより具体化した1実施形態の信号表現発生装置1Aを示している。尚、この図では、選択部10の部分は、図示を省略している。図示のように、信号表現発生装置1Aが備える関数推定部12aは、並列配置の関数推定器と、内部信号に基づく使用関数指定との組み合わせ例を示している。詳細には、関数推定部12aは、2つの並列に設けた関数推定器1(1220a)と関数推定器2(1222a)とを備えている。これら関数推定器1および2は、スイッチSW1,SW2を介して関数推定部12aの入力と出力との間に接続することによって、そのいずれかの関数推定器を選択する。この選択のためのスイッチの切換信号は、使用関数指示器1202aが供給する。この指示器は、内部的な信号である部分有限長信号を入力として受ける極値検出器1200aの出力に応答する。すなわち、検出器1200aが、有限長信号における極値の有無を示す信号を発生する。この極値の有無の判断は、有限長信号を構成する離散値が単調増加もしくは単調減少でないことで判断できる。この信号を受けた指示器1202aは、極値がない場合には、例えば関数推定器1を選択し、そして極値がある場合には関数推定器2の方を選択するための使用関数指示信号を発生する。この場合、関数推定器1における関数としては、2次関数を使用することができる。関数推定器2における関数としては、離散フーリエ変換の関数を用いることができる。このように、選択的に推定使用関数を用いることにより、より最適な関数推定を行うことができ、推定に伴う歪を低減することができる。

0050

次に、図6を参照して、図1の関数推定部12をより具体化した別の実施形態の信号表現発生装置1Bを示している。尚、この図でも、選択部10の部分は、図示を省略している。この発生装置1Bは、図5の装置1Aと類似しており、異なっている点は、使用関数指示器1202bが、外部からの信号を受けるように構成している点である。この実施形態は、装置外部から切り替えタイミング情報を与えることができる場合に適している。

0051

また、図5および図6の実施形態においては、関数推定器の択一的選択の例を示したが、多数の関数推定器を並列に設け、そしてそのうちの複数の関数発生器を同時に選択することによって多重処理を行わせることもできる。これにより、信号表現を処理する他の装置の複雑度を軽減できる場合もある。例えば、実時間処理を要求する装置において、どの関数が最適であるかを別の間接的手法で推測できない場合には、複数の推定器並列処理し、その結果を用いて選択することで選択部を直接的に簡単化することが脳になる。また、複雑で高速な推定器を用いる必要がなくなる。

0052

次に、図7には、図1の関数推定部12をより具体化したさらに別の実施形態の信号表現発生装置1Cを示している。この実施形態では、図5および図6のものと異なり、複数の関数推定器12c−1〜12c−2を直列配置で接続している。図示例では、2つの関数推定器のみを示しているが、これより多い関数推定器を直列接続で配置することもできる。詳細には、最初の関数推定器12c−1は、中間の信号表現を発生し、そしてこの中間信号表現を次の関数推定器12c−2が最終的な信号表現に変換する。図7のこの実施形態では、出力として発生する信号表現を処理する他の装置の複雑度を軽減できる場合もある。

0053

図8は、図7の信号表現発生装置1Cのさらに具体化した1実施形態の信号表現発生装置1Dを示している。この実施形態では、2つの関数推定器を直列配置で使用している、すなわち、1次関数の関数推定器12d−1とこれに後続する離散フーリエ変換の関数推定器12d−2である。

0054

次に、図9信号波形を参照して、図8の信号表現発生装置1Dによる推定動作、あるいは特徴抽出動作について、詳細に説明する。図9においては、選択部100に入力される信号は、連続信号(実線で示す)を離散化した結果の離散値x(k)〜x(k−4)…から成る離散信号とし、そして選択部100は、1度に5つの離散値、例えば離散値x(k)〜x(k−4)を関数推定部12d内の最初の関数推定器12d−1に供給する。

0055

図10は、1実施形態の関数推定器12d−1を示している。ここで、1次関数の一形態であるトレンド関数を使用するものとする。このトレンド関数の関数推定部12d−1は、図9に示したように、離散値列の有限長信号の傾きを信号表現として算出する。まず、傾きa'は、一番初めのデータx(k−4)と最後のデータx(k)の差から次の式によって計算することができる。

0056

0057

尚、Tは、選択部100により切り出された有限長信号部分の幅である。ここで、厳密な意味では傾きではないが、a=a'TとおくことでTを無視(一般化)することができる。したがって、ここでの信号表現は、このトレンドaを利用して、各離散値から特徴値c0〜c3を次のように表す。

0058

0059

すなわち、図9に示したように、離散値x(k−4)を通る傾斜aの直線(点線で示す)を考える。このトレンド関数で推定したとき、c0は、離散値x(k−4)そのものであり、そしてまたaは、x(k)とx(k−4)との差であるため、c1、c2,c3は、傾斜直線からの距離で表せる。このようにして、関数推定器12d−1は、離散値入力x(k)〜x(k−4)から、トレンドa、値c0,c1,c2,c3の特徴値集合を、中間の信号表現SE1として出力する。図11には、トレンド関数によって傾きゼロの直線に置き換えたときの離散信号c0〜c3を示している。

0060

図12は、関数推定器12d−1の1実施形態である関数推定器120d−1の詳細を示す信号フローである。すなわち、この推定器120d−1は、わずか5個の加算器A1〜A5と、2つの1/2倍の乗算器M1,M2により、式(2)の演算を実行する。ここで、式(2)における1/4は、2ビットのシフトで実現できるので、整数実現での回路規模はゼロである(配線つなぐ位置のみの問題)。また、式(2)における1/2倍も、1ビットのシフトで実現でき、また3/4倍は、1/2倍と1/4倍の和で計算できるので、3倍は1つの加算器とほぼ同じ大きさで実現できる。したがって、本実施形態では、回路規模の大きな乗算器は不要である。

0061

詳細には、加算器A1は、一方の入力にx(k)を受け、そして他方の負入力にx(k−4)を受けることによって、出力にトレンドaを発生する。尚、特徴値c0は、x(k−4)そのものであるため、単に入力から出力へと通過させている。また、加算器A2は、一方の入力にx(k−3)を受け、そして他方の負入力に乗算器M2の出力であるa/4を受け、そして出力に特徴値c1を発生する。同様にして、加算器A3は、一方の入力にx(k−2)を受け、そして他方の負入力に乗算器M1の出力であるa/2を受け、そして出力に特徴値c2を発生する。加算器A4は、一方の入力に乗算器M1の出力であるa/2を受け、他方の入力に乗算器M2の出力であるa/4を受け、そして出力に3a/4を発生する。最後の加算器A5は、一方の入力にx(k−1)を受け、そして他方の負入力に加算器A4の出力である3a/4を受け、そして出力に特徴値c3を発生する。以上のようにして、中間の信号表現を構成する特徴値a,c0〜c3を簡単に計算することができる。

0062

次に、図13に示した後続の関数推定器12d−2は、上記の関数推定器12d−1が発した中間信号表現SE1を離散入力として受け、そしてこれに対し、離散フーリエ変換による推定を行うことにより、特徴値a、R0、R2,R1,I1から成る信号表現SE2を発生する。ここで、離散フーリエ変換は、トレンドaを除くc0〜c3の4点に対して行う。尚、以下の例では、4点で説明するが、8点、あるいはその他の点数で行うこともできる。よく知られているように、関数推定器12d−2で実行する離散フーリエ変換は、以下の式で与えられる。

0063

0064

すなわち、離散信号c(k)を離散フーリエ変換してスペクトルC(k)を得ることができる。この例では、4点の離散信号c0,c1,c2,c3を用いて計算することになるので、式(2)は、以下のように展開される。

0065

0066

したがって、

0067

0068

ここで、スペクトルC(1)とC(3)は、複素共役の同じ情報を表している。これは、物理的にサンプリング周波数の半分の周期ナイキスト周波数)成分以上の周波数成分の情報がナイキスト周波数を越えて含むことができないことを意味しており、そしてこれによりナイキスト周波数を鏡面に複素共役となるためである。したがって、ここでは、スペクトルC(0)とC(1)およびC(2)が有効なデータである。また、スペクトルC(0)とC(2)は実数であるが、C(1)は複素数であり、その実数と虚数をそれぞれ、Re(C(1))およびIm(C(1))とすると、以下の4つの式により、元の数列、すなわち中間信号表現SE1の特徴を十分に表すことができる。

0069

0070

図14は、関数推定器12d−2の1実施形態の関数推定器回路120d−2の詳細を示す信号フロー図である。図示のように、この関数推定器回路120d−2は、わずか6個の加算器A10〜A15だけで、離散フーリエ変換による関数推定を実現している。すなわち、加算器A10は、一方の入力に特徴値c0を受け、他方の入力に特徴値c2を受け、そしてその出力に加算結果(c0+c2)を発生する。この出力を一方の入力に受ける加算器A11は、他方の入力に加算器A12の出力を受ける。尚、この加算器A12は、一方の入力にc1を受けそして他方の入力にc3を受けてその出力にその和(c1+c3)を出力するものである。このため、加算器A11は、加算器A10とA12の出力の和である(c0+c2+c1+c3)を発生し、これによって特徴値R0を形成する。尚、1/4の係数は、スケーリングの問題として簡単に処理できる。同様に、加算器A13は、一方の入力に加算器A10の出力を受けそして他方の負入力にA12の出力を受け、そしてその加算結果である((c0+c2)−(c1+c3))を出力し、これによって特徴値R2を形成する。次に、加算器A14は、一方の入力に特徴値c0を受け、そして他方の負入力にc2を受け、そしてその和(c0−c2)を発生して特徴値R1を形成する。最後に、加算器A15は、一方の入力にc1を受け他方の負入力にc3を受けて、その和(c1−c3)により特徴値I1を形成する。尚、トレンドaは、離散フーリエ変換の対象としないので、そのまま通過させる。このようにして、特徴値の集合から成る信号表現SE2が発生される。

0071

図15は、部分有限長信号に相当する連続信号の幅Tをサンプリング周波数fsで標本化した場合の信号スペクトルと、その部分有限長信号を構成する離散値に対し4点離散フーリエ変換を行った場合のフーリエ係数を示す。本来fsで標本化した信号のアナログスペクトルは実線で表されるが、4点のみでこの信号を表した場合、離散フーリエ変換の係数(離散スペクトル)は、図の4点0〜3となる。

0072

次に、図16を参照して、図2の信号表現−連続変換装置3をより具体化した実施形態の信号表現−連続変換装置3Aについて説明する。図示のように、この装置3Aは、関数発生器30aとして、複数の並列に配置した関数発生器回路30a−1〜kの関数発生器回路群から構成されている。この構成は、信号表現発生装置が図5または図6のような並列形態のの場合に、それに対応して使用するのに適している。また、この構成は、1つの関数が複数の関数の和に分解できる場合に使用するのにも適している。例えば、フーリエ変換であれば、個々の周波数毎にsin関数、cos関数を設けることができる。動作については、関数発生器30aは、信号表現を構成する特徴値集合内の関係する特徴値のみを受け、そして対応する関数出力を発生した後に、それら関数出力を並列で次の合成部32aに供給する。

0073

同様に、図17は、図2の信号表現−連続変換装置3をより具体化した実施形態の信号表現−連続変換装置3Bを示している。この実施形態では、関数発生器30bは、直列に配置接続した複数の関数発生器回路30b−1〜kから成る関数発生器回路群から構成されている。この回路構成は、信号表現発生装置が図7および図8のような直列構成の場合に、それに対応して使用するのに適している。1例として、関数推定が、トレンド関数とフーリエ変換による関数である場合に、関数発生も、それと同じ関数の組み合わせを使用する。最初の関数発生器回路30b−1が信号表現の入力を受け、そしてこの信号表現に対し一連の処理を順番に実行することにより、最後の関数発生器回路30b−kが最終的な関数出力を発生する。これら関数出力が並列に複数ある場合は、次の合成部32bがそれら並列の関数出力を互いに組み合わせて、最終的な連続信号を復元する。

0074

図18は、図17の装置3Bをより具体化した1実施形態の信号表現−連続変換装置3Cを示している。この実施形態では、図8の信号表現発生装置1Dで用いた推定使用関数に対応する関数発生器を備えたものである。すなわち、関数発生器30cは、最初のフーリエ変換による関数発生器回路30c−1と、トレンド関数による関数発生器回路30c−2とから構成されている。以下の説明では、このような構成の信号表現−連続変換装置3Cは、入力として、図14で説明した特徴値a,R0,R2,R1,I1から成る信号表現を受けるものとする。

0075

図19は、フーリエ変換による関数発生器回路30c−1の1例の回路300c−1を示している。図示のように、関数発生器回路300c−1は、上記信号表現の特徴値から関数出力a,tr0,tr2,tr1,ti1を発生する。この関数発生器回路では、離散フーリエ係数R0,R2,R1,I1を用いて連続フーリエ級数を発生する。
離散フーリエ変換の値は、上記の式(3)の通りとなるが、離散フーリエ変換の数列を、連続時間で表したフーリエ変換の係数として考えると、以下のように連続の式で表すことができる。

0076

0077

したがって、これを係数とする連続の式でフーリエ逆変換すれば、図20に示したように、元の特徴値c0,c1,c2,c3を通る滑らかな曲線でそれら点をつないだことに等しくなる。上記一般式を、特徴値の数が4点の例で表すと、連続の式は以下のような、時刻tの関数になる。

0078

0079

図21は、このフーリエ逆変換を実行するための1実施形態の関数発生器回路3000c−1の詳細を示す信号フロー図である。すなわち、図示のように、トレンドaと離散フーリエ係数R0とは、そのまま出力に通過させる。係数R1を受けるcos関数発生器F1は、時刻tを受ける入力を有し、これによって、時間の関数として2π/Tの角速度のcos関数を発生するとともに、これに係数R1を乗算したものを関数出力tr1として発生する。同様に、係数R2を受けるcos関数発生器F2も、時刻tを受ける入力を有し、そして時間の関数として、4π/Tの角速度のcos関数を発生するとともに、これに係数R2を乗算したものを関数出力tr2として発生する。さらに、係数I1を受けるsin関数発生器F3もまた、時間の関数として2π/Tの角速度のsin関数を発生するとともに、これに係数I1を乗算したものを関数出力ti1として発生する。以上のようにして、関数出力a,tr0,tr2,tr1,ti1を発生する。

0080

図22は、図18の信号表現−連続変換装置3Cの回路30c−2の1実施形態の関数発生器回路300c−2を示している。この関数発生器は、上記の回路300c−1からの関数出力a,tr0,tr2,tr1,ti1を受けて、これに対し、トレンド関数を適用することにより、次に関数出力at,tr0,tr2,tr1,ti1を発生する。

0081

図23は、さらに関数発生器回路300c−2を具体化した1実施形態の回路3000c−2を示す信号フローである。図示のように、この回路は、トレンドaを受ける積分器I20を1つ備えており、この積分器は、時刻tを受ける入力も有して、その出力に、図24に示した関数atを発生する。この関数atは、図9の離散値x(k−4)を通ることになる。残りの関数出力は、そのまま出力に通過させる。尚、この積分器は、加算器で構成することもできる。

0082

次に、図25は、図18の合成部22cの1実施形態である加算器320を示している。この加算器320は、図22のトレンド関数の関数発生器回路300c−2からの関数出力at,tr0,tr2,tr1,ti1を並列で受け、そしてこれら関数出力を互いに加算することによってその和で構成される連続信号を発生する。このように、関数発生部300c−2から供給される連続信号を全て加算すれば、図26に示したように、信号表現−連続変換装置に入ってきた離散信号を、これらを通る滑らかな曲線で結ぶことができる。こうして、本発明により、離散信号を連続したアナログ信号に変換することができる。

0083

次に、図27を参照して、図3に示した本発明による離散−離散変換装置5の1実施形態のサンプリングレート変換装置5Aについて説明する。この図では、離散化部54に対応するサンプリング部54aのみを示しており、信号表現発生部50、関数発生部52に対応する部分は、上述したものと同様であるため、図示を省略している。本発明のこの装置5Aによれば、上述のような信号表現−連続変換装置によって得られた連続信号を、信号表現−連続変換装置に入力された離散信号とは異なるサンプリングレートでサンプリングし直すことで、サンプリングレート変換を実現することができる。詳しくは、サンプリング部54aは、積分器とスイッチング技術を応用したサンプリング/ホールド回路540aと、サンプリング周期発生器542aとから構成されおり、そしてサンプリング/ホールド回路540aは、さらに、サンプリング・スイッチSWと記憶装置との直列接続から構成されている。サンプリング・スイッチSWは、サンプリング周期発生器542aからのサンプリング制御信号によりオンオフされ、そしてサンプリングされた信号が後段の記憶装置でホールドされ出力されることにより、異なったサンプリングレートの離散信号を発生される。尚、本実施形態で使用するサンプリング周期は、離散入力信号のサンプリング周期に独立な周期であり、したがって、非同期サンプルレートコンバータと呼ばれるものを構成する。

0084

図28は、図3に示した本発明による離散−離散変換装置5の別の実施形態のサンプリングレート変換装置5Bを示している。この実施形態では、図27の示したようなサンプリング部54aは設けていない。その代わり、前段の関数発生部52内の関数発生器回路への時刻信号を発生する回路を、サンプリング周期発生器542aに相当するサンプリング周期発生器542bで置換している。尚、図28では、関数発生器回路は、図18に示した構成に対応して、フーリエ変換による関数発生器回路52b−1と、これに直列のトレンド関数による関数発生器回路52b−2とで構成している。このような構成により、関数発生器回路52b−1,52b−2が離散時間動作するため、上記のようなサンプリング部を省略することができる。これは、関数発生器回路において発生する信号が関数表現されていることから、ある時刻tの値を直接計算することができることによる。この結果、図27に示したサンプリング部54aにおけるサンプリング周期発生器542aの時刻情報と同じ時刻情報を、関数発生器に入力することによって、直接必要な離散信号を計算することができる。これにより、回路構成が簡単になるという利点が生ずる。

0085

次に、図29図31周波数スペクトラムを参照して、図28に示したサンプリングレート変換装置5Bの性能について、フーリエ変換のみによる関数発生と、フーリエ変換による関数発生とトレンド関数による関数発生とを組み合わせたものを比較して説明する。図29は、1kHzの入力信号を44.1kHzから48kHzにサンプリングレート変換する場合のその変換前後の周波数スペクトラムを示している。尚、44.1kの離散スペクトルは、上側の図のように44.1kHzの繰り返しとなる一方、48kの離散スペクトルは、下側の図下に示すように、48kHz間隔での繰り返しとなる。上側の図は、44.1kHzのサンプリングレートにおける1kHz信号のエリアシングを示しており、44.1kHzの上下1kHzのところ、すなわち45.1kHzと43.1kHzの位置に虚像が現れる。このような周波数スペクトラムの信号を48kHzにサンプリングレート変換した場合、下側の図に示すように、48kHzと変換前の45.1kHzとの周波数差2.9kHzに等しい周波数に虚像が現れる。同様に、48kHzと変換前の43.1kHzとの周波数差である4.9kHzにも虚像が現れる。すなわち、44.1kHzのレートの場合は、1kHzの信号を入れると、1kHzの他に−1kHzを始め43.1kHzや45.1kHzにも虚像を発生する。この虚像を48kHzのレートで再サンプリングすると、2.9kHzと4.9kHzに虚像ができる。従来は、これを避けるために、サンプリング周期の1/2の周波数をカットオフとする急峻なフィルタを用いて、上位の周波数成分をカットした後、48kHzで再サンプリングすることでこれを起こさないようにしている。

0086

ここで、本発明の装置のシミュレーション結果を示す図30および図31を参照する。尚、このシミュレーションは、サンプリングレート変換装置をC言語記述し、コンピュータを用いて評価したものである。図30には、トレンド関数を使わずフーリエ変換のみを使用した場合の本発明によるサンプリングレート変換結果の周波数スペクトラムを示している(32768点FFT,Blackman−Harris)。これから分かるように、トレンド関数を用いない場合には、窓関数がないことにより離散フーリエ変換に発生する誤差は、エリアシングとなって2.9kHzと4.9kHzに虚像を結んでいる。その虚像のレベルは、−100dB程度である。一方、図31は、トレンド関数を付加してサンプリングレート変換をした結果の周波数スペクトラムを示している。これから分かるように、−140dB程度までさらに虚像が押さえ込まれている。入力信号が10kHzの場合でも、上記と同様の結果が得られた。また、44.1kHzから96kHz、48kHzから44.1kHz、96kHzから44.1kHzへのサンプリングレート変換においても、同様の結果が得られた。

0087

以上のように、本発明の手法では、フーリエ関数推定することによってエリアシング成分を発生しないメカニズムを提案しているが、本来繰り返し信号を入力とするフーリエ変換を用いることによって、このエリアシング成分を発生することになる。これをトレンド手法を用いることで回避して、サンプル点間を滑らかにつなぐ曲線を推定することによってこれを起こさないようにすることができた。図31は、このトレンド法を併用した場合のスペクトルである。図から分かるように、問題となるエリアシングは3次、5次といった計算誤差による歪成分とほぼ同程度まで減少し、実用上問題ないレベルに達していることが分かる。

0088

従来の信号表現連続変換器では、ゼロ次ホールドなどの安易に実現できる手法により、階段状信号を作成した後、フィルタを用いてこれを滑らかな信号に変換するという、いわば余分な情報を付加したのちに、乗算器など膨大な計算量を必要とするフィルタによって、これを削除するという方法がとられていた。ここでは、関数推定法を用いるアプローチによってこのフィルタリング操作を不要とした。キーポイントは、関数推定に用いる推定関数がフーリエ変換などの帯域制限された関数を用いている点であり、最初から余分な情報を付加しないため、これを除去する回路が不要になっていることにある。

0089

さらに、フーリエ変換関数を用いる場合、フーリエ変換関数を、有限部分信号しぼり、4点の離散フーリエ変換(DFT)を使うことによって、乗算器を全く使わないサンプルレート・コンバータを実現できたことは、デジタル実現における回路規模の縮小にきわめて有効である。尚、このような少ない点のDFTを用いる手法は、周期信号を扱うフーリエ変換関数にとって誤差の要因となり、従来は、窓関数を用いるなどして、非周期信号をフーリエ変換することで誤差を減らす手法がとられていた。しかし、本発明では、トレンドの概念を用いることによって、有限部分信号の最初の点と最後の点の値を同じ値に変換した後にフーリエ変換し、窓関数をかけたと同じ効果を得ることができる。また、このトレンドの概念も乗算器を使わない形で構成することができ、きわめてゲート規模の小さいサンプルレート変換器を実現できた。実際にVHDLを用いてこれを記述し、FPGAにインプリメントしてその動作を実際に確認し、回路規模は従来法の1/10以下で実現できることが確認できた。
[発明の効果]

0090

以上に詳細に述べた本発明によれば、従来とは異なった信号表現を提供することができ、離散的な瞬時値に基づく信号表現ではなく、信号を推定する関数に基づく信号表現を提供することができる。この離散的な瞬時値ではなく、関数による表現を用いることにより、サンプリングレートとは無関係の信号表現を提供でき、これにより、異なったサンプリングレートの系で使用も容易となる。また、関数での近似あるいは推定は、従来の瞬時値による近似あるいは推定とは異なり、狭い周波数帯域で処理が可能となる。また、回路規模は、従来のような周波数領域での処理に比して1桁小さくすることができる。本発明は時間領域での処理であるため、時間的な特性(例えば、群遅延)において優れているという利点がある。さらにまた、サンプリングレート変換において、入力クロック出力クロックを非同期できるという利点もある。

図面の簡単な説明

0091

図1は、本発明の1実施形態による基本構成の信号表現発生装置1のブロック図
図2は、本発明の別の実施形態による基本構成形態の信号表現−連続変換装置3を示すブロック図。
図3は、本発明の1実施形態による基本構成の離散−離散変換装置5を示すブロック図。
図4は、図1の装置1における選択部10の1実施形態の選択部100を示すブロック図。
図5は、図1の関数推定部12をより具体化した1実施形態の信号表現発生装置1Aを示すブロック図。
図6は、図1の関数推定部12をより具体化した別の実施形態の信号表現発生装置1Bを示すブロック図。
図7は、図1の関数推定部12をより具体化したさらに別の実施形態の信号表現発生装置1Cを示すブロック図。
図8は、図7の信号表現発生装置1Cのさらに具体化した1実施形態の信号表現発生装置1Dを示すブロック図。
図9は、図8の信号表現発生装置1Dによる推定動作、あるいは特徴抽出動作を説明するための信号波形図。
図10は、図8の1次関数の関数推定器の1実施形態のトレンド関数による関数推定器を示す図。
図11は、トレンド関数によって離散信号列を傾きゼロの直線に置き換えたときの各値c0〜c3を示す図。
図12は、図10の関数推定器の1実施形態である関数推定器120d−1の詳細を示す信号フローの図。
図13は、図8のフーリエ変換の関数推定器の1実施形態の関数推定器を示す図。
図14は、図13の関数推定器の1実施形態の関数推定器回路120d−2の詳細を示す信号フロー図。
図15は、部分有限長信号に相当する連続信号の区間Tをサンプリング周波数fsで標本化した場合の信号スペクトルと、その部分有限長信号を構成する離散値に対し4点離散フーリエ変換を行った場合のフーリエ係数を示す周波数スペクトル図。
図16は、図2の信号表現−連続変換装置3をより具体化した実施形態の信号表現−連続変換装置3Aを示す図。
図17は、図2の信号表現−連続変換装置3をより具体化した実施形態の信号表現−連続変換装置3Bを示す図。
図18は、図17の装置3Bをより具体化した1実施形態の信号表現−連続変換装置3Cを示す図。
図19は、フーリエ変換による関数発生器回路30c−1の1例の回路300c−1を示す図。
図20は、元の特徴値c0,c1,c2,c3を滑らかな曲線で推定した様子を示す図。
図21は、フーリエ逆変換を実行するための1実施形態の関数発生器回路3000c−1の詳細を示す信号フロー図。
図22は、図18の信号表現−連続変換装置3Cの回路30c−2の1実施形態の関数発生器回路300c−2を示す図。
図23は、さらに関数発生器回路300c−2を具体化した1実施形態の回路3000c−2を示す信号フロー図。
図24は、トレンド関数atを示すグラフ
図25は、図18の合成部22cの1実施形態である加算器320を示す図。
図26は、信号表現−連続変換装置に入ってきた離散信号を、関数合成によってこれらを通る滑らかな曲線で結ぶ様子を示す図。
図27は、図3に示した本発明による離散−離散変換装置5の1実施形態のサンプリングレート変換装置5Aを示す図。
図28は、図3に示した本発明による離散−離散変換装置5の別の実施形態のサンプリングレート変換装置5Bを示す図。
図29は、1kHzの入力信号を44.1kHzから48kHzにサンプリングレート変換する場合の、その変換前後の周波数スペクトラムを示す図であり、上側は変換前、下側は変換後のものを示す。
図30は、トレンド関数を使わずフーリエ変換関数のみを使用した場合の本発明によるサンプリングレート変換結果の周波数スペクトラムを示す図。
図31は、フーリエ変換関数に加えてトレンド関数を付加してサンプリングレート変換をした結果の周波数スペクトラムを示す図。

符号の説明

0092

1信号表現発生装置
3信号表現−連続変換装置
5離散−離散変換装置
10 選択部
12関数推定部
30関数発生器
32 合成部
50 信号表現発生部
52関数発生部
54離散化部

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