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技術 作業車の走行変速構造

出願人 株式会社クボタ
発明者 前沢清繁中村正
出願日 2003年12月3日 (16年11ヶ月経過) 出願番号 2003-404776
公開日 2005年6月23日 (15年5ヶ月経過) 公開番号 2005-162051
状態 特許登録済
技術分野 変速制御装置の配置,取付け
主要キーワード 側面視直線状 付勢ピン リンク連結軸 揺動限界位置 連動操作機構 傾斜断面 揺動ロッド 矩形部材
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (17)

課題

後進高速側に変速自在な無断変速装置を搭載した作業車において、所望の走行速度を精度よく、操作簡単かつ迅速に現出できるとか、さらにはそのための設定も操作容易に行えるとかの作業車の走行操作構造を提供する。

解決手段

無段変速装置変速操作部10aを前進又は後進の高速側に付勢する付勢機構と、変速操作部10aの前進及び後進の高速側の操作限界を設定するストッパー部18とを備えて、変速操作具13aによりストッパー部18を高速側及び低速側に操作自在に構成し、前後進切換操作具13bにより付勢機構を前進の高速側に付勢する前進状態及び後進の高速側に付勢する後進状態に切換操作自在に構成して、付勢機構及びストッパー部18により無段変速装置の変速操作部10aが所定の操作位置に保持されるように構成してある作業車の走行変速構造。

概要

背景

作業車では、ドーザ作業を行うなど、前進後進との切換えを繰り返しながら作業を行う場合がある。このような場合、手際よく前後進の切換えを行うと同時に、前後進切換え後も同方向についてできるだけ切換え前と同じ走行速度で作業を行いたいという要請がある。

この要請に対しては、変速装置として、入力回転方向と出力回転方向が同一の変速装置を搭載した作業車では、変速装置への入力回転方向を予め切換えることで作業車の前後両方向の駆動力を得ていた。すなわち、前後進切替装置により、一定方向のエンジン回転出力の回転方向を切換えて、変速状態を維持した変速装置の入力とすることで、同一方向について一定の駆動力を繰り返し現出させることができた。

一方、変速装置として、前後進の高速側に変速自在な無段変速装置を搭載した作業車(例えば特許文献1に記載の作業車)は、変速操作部(特許文献1の図3,図4の10b)の操作方向で正回転・逆回転が切換え可能であり、操作レバー(特許文献1の図1,図2の13)の操作方向と操作量という操作感覚的に把握し易い操作方法により、走行方向及び走行速度を設定できる操作性に優れた有用なものである。ところが、先の要請に対しては、変速レバーの往復操作前進側から後進側、後進側から前進側という様に繰り返して行って、作業車の前後進切り換えが行われることになる(特許文献1の図8参照)。このとき、変速レバーを増速操作した際の操作位置を操作感覚によって知るとか、目視によって知ることにより、無段変速装置が所望の速度状態になったか否かを認識するようになっていた。
特開2001−171386号公報

概要

前後進の高速側に変速自在な無断変速装置を搭載した作業車において、所望の走行速度を精度よく、操作簡単かつ迅速に現出できるとか、さらにはそのための設定も操作容易に行えるとかの作業車の走行操作構造を提供する。無段変速装置の変速操作部10aを前進又は後進の高速側に付勢する付勢機構と、変速操作部10aの前進及び後進の高速側の操作限界を設定するストッパー部18とを備えて、変速操作具13aによりストッパー部18を高速側及び低速側に操作自在に構成し、前後進切換操作具13bにより付勢機構を前進の高速側に付勢する前進状態及び後進の高速側に付勢する後進状態に切換操作自在に構成して、付勢機構及びストッパー部18により無段変速装置の変速操作部10aが所定の操作位置に保持されるように構成してある作業車の走行変速構造。

目的

前後進の高速側に変速自在な無断変速装置を搭載した作業車で、前述のような前後進を繰り返して行いながら作業する際、変速装置を高速側に戻し操作しても所望の速度状態が精度よく得られないとか、所望の速度状態を精度よく得るには変速レバーの操作調節や、変速レバーが所定の操作位置になったか否かを見て確認することが必要になり、走行速度が一定にならなくて作業が行いにくくなるとか、所望速度の現出に手間が掛かって作業能率が悪くなることがあった。また、繰り返しの設定操作を伴う変速装置の往復操作の煩わしさもあり、走行操作構造には改善の余地があった。
そこで、本発明は、前後進の高速側に変速自在な無断変速装置を搭載した作業車において、所望の走行速度を精度よく、操作簡単かつ迅速に現出できるとか、さらにはそのための設定も操作容易に行えるとかの作業車の走行操作構造を提供することを目的とした。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

この技術が所属する分野

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請求項1

前進及び後進高速側に変速自在な走行用無段変速装置と、人為的に操作される変速操作具と、人為的に操作される前後進切換操作具とを備えて、前記無段変速装置の変速操作部を前進又は後進の高速側に付勢する付勢機構と、前記無段変速装置の変速操作部の前進及び後進の高速側の操作限界を設定するストッパー部とを備えて、前記変速操作具によりストッパー部を高速側及び低速側に操作自在に構成し、前記前後進切換操作具により付勢機構を前進の高速側に付勢する前進状態及び後進の高速側に付勢する後進状態に切換操作自在に構成して、前記付勢機構及びストッパー部により無段変速装置の変速操作部が所定の操作位置に保持されるように構成してある作業車走行変速構造。

請求項2

前記前後進切換操作具により無段変速装置の変速操作部を中立停止位置に操作可能に構成してある請求項1に記載の作業車の走行変速構造。

技術分野

0001

本発明は、前進及び後進高速側に変速自在な走行用無段変速装置を備えた作業車走行変速構造に関する。

背景技術

0002

作業車では、ドーザ作業を行うなど、前進と後進との切換えを繰り返しながら作業を行う場合がある。このような場合、手際よく前後進の切換えを行うと同時に、前後進切換え後も同方向についてできるだけ切換え前と同じ走行速度で作業を行いたいという要請がある。

0003

この要請に対しては、変速装置として、入力回転方向と出力回転方向が同一の変速装置を搭載した作業車では、変速装置への入力回転方向を予め切換えることで作業車の前後両方向の駆動力を得ていた。すなわち、前後進切替装置により、一定方向のエンジン回転出力の回転方向を切換えて、変速状態を維持した変速装置の入力とすることで、同一方向について一定の駆動力を繰り返し現出させることができた。

0004

一方、変速装置として、前後進の高速側に変速自在な無段変速装置を搭載した作業車(例えば特許文献1に記載の作業車)は、変速操作部(特許文献1の図3図4の10b)の操作方向で正回転・逆回転が切換え可能であり、操作レバー(特許文献1の図1図2の13)の操作方向と操作量という操作感覚的に把握し易い操作方法により、走行方向及び走行速度を設定できる操作性に優れた有用なものである。ところが、先の要請に対しては、変速レバーの往復操作前進側から後進側、後進側から前進側という様に繰り返して行って、作業車の前後進切り換えが行われることになる(特許文献1の図8参照)。このとき、変速レバーを増速操作した際の操作位置を操作感覚によって知るとか、目視によって知ることにより、無段変速装置が所望の速度状態になったか否かを認識するようになっていた。
特開2001−171386号公報

発明が解決しようとする課題

0005

前後進の高速側に変速自在な無断変速装置を搭載した作業車で、前述のような前後進を繰り返して行いながら作業する際、変速装置を高速側に戻し操作しても所望の速度状態が精度よく得られないとか、所望の速度状態を精度よく得るには変速レバーの操作調節や、変速レバーが所定の操作位置になったか否かを見て確認することが必要になり、走行速度が一定にならなくて作業が行いにくくなるとか、所望速度の現出に手間が掛かって作業能率が悪くなることがあった。また、繰り返しの設定操作を伴う変速装置の往復操作の煩わしさもあり、走行操作構造には改善の余地があった。
そこで、本発明は、前後進の高速側に変速自在な無断変速装置を搭載した作業車において、所望の走行速度を精度よく、操作簡単かつ迅速に現出できるとか、さらにはそのための設定も操作容易に行えるとかの作業車の走行操作構造を提供することを目的とした。

課題を解決するための手段

0006

〔I〕
(構成)
本発明の第1特徴は前進及び後進の高速側に変速自在な走行用の無段変速装置を備えた作業車の走行変速構造において次のように構成することにある。
人為的に操作される変速操作具と、人為的に操作される前後進切換操作具とを備えて、無段変速装置の変速操作部を前進又は後進の高速側に付勢する付勢機構と、無段変速装置の変速操作部の前進及び後進の高速側の操作限界を設定するストッパー部とを備えて、変速操作具によりストッパー部を高速側及び低速側に操作自在に構成し、前後進切換操作具により付勢機構を前進の高速側に付勢する前進状態及び後進の高速側に付勢する後進状態に切換操作自在に構成して、付勢機構及びストッパー部により無段変速装置の変速操作部が所定の操作位置に保持されるように構成してある。

0007

(作用)
本発明の第1特徴によると、変速操作具を適切な位置に操作することで、ストッパー部が操作され、変速操作部の前進及び後進の高速側の操作限界が決定する。
一方、変速操作部を前進又は後進の高速側に付勢する付勢機構は、前後進切換操作具の切換操作により、前進の高速側に付勢する前進状態と後進の高速側に付勢する後進状態とが切換えられる。
したがって、前後進切換操作具を切換操作すると、付勢機構は前進状態から後進状態へ(或いは後進状態から前進状態へ)切り換えられ、付勢機構とストッパー部により所定の操作位置に保持されている変速操作部は、前進側と後進側が切換えられた後の高速側の操作限界まで付勢操作され、再び付勢機構とストッパー部により所定の操作位置に保持された状態になる。ストッパー部が設定維持されていれば、変速操作部の前進及び後進の高速側の操作限界は一定となるので、前進及び後進の高速側の操作限界に付勢された無段変速装置の変速操作部は、前後進切換操作具による切換操作の度に、前進側或いは後進側の所定の操作位置に付勢保持される。
したがって、前後進切換操作具の操作により、同一方向に関して一定の走行速度を繰り返し精度よく再現することができる。
また、前後進切換操作具が前進状態或いは後進状態で維持されているとき、変速操作具によりストッパー部を操作すれば、変速操作部の高速側の操作限界が変更され、付勢機構により高速側に付勢された変速操作部が、変更された操作限界に追従することになる。すなわち、変速操作具の増減速操作と無段変速装置の変速操作部が連動する。
したがって、前進時或いは後進時に変速操作具を操作すれば、作業車の走行速度の変化過程を確認しながら、走行速度を設定することができる。

0008

(発明の効果)
本発明の第1特徴によると、前後進切換操作具の操作により、同一方向に関して一定の走行速度を繰り返し精度よく再現することができるので、前進と後進との切換えを繰り返しながら作業を行う場合に、走行速度を精度よく、操作簡単かつ迅速に現出できる。また、前進時或いは後進時に変速操作具を操作すれば、作業車の走行速度の変化過程を確認しながら、走行速度を設定することができるので、作業状態に応じた希望の走行速度の設定が精度よく、操作簡単かつ迅速に行える。

0009

〔II〕
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の作業車の走行操作構造において次のように構成することにある。
前後進切換操作具により無段変速装置の変速操作部を中立停止位置に操作可能に構成してある。

0010

(作用)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項〔I〕に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第2特徴によると、前後進切換操作具により無段変速装置の変速操作部を中立停止位置に操作可能に構成してあるので、変速操作部の高速側の操作限界の設定を維持したまま、前後進切換操作具により変速操作部を中立停止位置に操作することができ、この状態から、前後進切換操作具により付勢機構を前進状態或いは後進状態に操作すれば、変速操作部は、前後進切換操作具による中立停止位置への操作前に設定されていた操作限界まで前進或いは後進の高速側に再び付勢操作され、前後進切換操作具の操作前における変則操作具の操作位置に再び保持される。要するに、変速操作部は、前後進切換操作具を中立停止位置に操作する前の操作位置に復帰保持されるので、作業車を停止させた後に停止前の走行速度を容易に再現することができる。

0011

(発明の効果)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項〔I〕に記載の「発明の効
果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、作業車を停止させた後に停止前の走行速度を容易に再現することができる。したがって、作業に適した走行速度設定を作業車の停止の度に設定し直す必要がなく、再発進の度に先に設定した走行速度に精度よく復帰するので、作業性が向上する。

発明を実施するための最良の形態

0012

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、左右一対操向操作及び駆動自在な前車輪1、左右一対の駆動自在な後車輪2、エンジン3やエンジン冷却用ラジエータ4などが備えられている原動部、この原動部の後方に位置するステアリングハンドル5や運転座席6などが備えられている運転部を有する車体の後部を形成しているミッションケース7の後部に、ロータリ耕耘装置などの各種作業装置昇降操作自在に連結するリフトアーム8、及び、連結した作業装置にエンジン3からの回動力を伝達する動力取り出し軸9を設けて、作業車の一例としての農用トラクターを構成してある。

0013

図1に示すように、前記ミッションケース7の前部に走行用の無段変速装置10を取り付けてある。この無段変速装置10は、エンジン3の回転出力クラッチ11及び回転伝動軸12を介して入力するプランジャ形可変吐出ポンプと、このポンプからの圧油によって駆動される油圧モータとで成る静油圧式の無段変速装置に構成してある。前記油圧モータは、これの回転出力をミッションケース7の内部に設けてあるギヤ式の走行用ミッションの入力部に伝達する。これにより、無段変速装置10は、エンジン3からの回転動力を前進側や後進側の回動力として、かつ、前進側においても後進側においても無段階に変速して走行用ミッションを介して前後輪1,2に伝達したり、この動力伝達を停止したりする。

0014

無段変速装置10を変速操作する変速操作装置は、運転座席6の横側に位置する操作レバーとしての変速レバー13a(本発明の変速操作具に相当)及び前後進切換レバー13b(本発明の前後進切換操作具に相当)を備え、変速レバー13aは前進側及び後進側での走行変速、前後進切換レバー13bはトラクターの走行方向の前後切り換えと走行停止操作を行うようにしてある。

0015

変速操作装置は、図2図4に示すような構成になっており、操作限界設定機構連動操作機構とを有しており、付勢機構により両機構の作用が連係するように構成されている。以下に各機構とそれらの連係について説明する。

0016

操作限界設定機構は、図2及び図3に示すように、変速レバー13a、変速レバー13aと後述の係止保持機構を介して接続されている変速操作ロッド19、後述の連動操作機構の操作限界を設定するスライドカム18(本発明のストッパー部に相当)、変速操作ロッド19とスライドカム18を連動させるリンク機構20、スライドカム18をその左右端で上下摺動自在に保持する一対のガイドレール21とで構成している。屈曲成形を施した矩形部材19aがボス部19bを介してレバ揺動軸芯周り揺動回転自在に設けられており、操作ロッド19の下端固定連結されている。操作ロッド19と矩形部材19aとの連結箇所付近リンク連結軸20aを介して揺動リンク機構20が連結されている。揺動リンク機構20は、回動支点20b周りに揺動可能に取り付けられており、リンク出力点20cが長穴18aを介してスライドカム18と連動連結されている。

0017

上記のような構成により、変速レバー13aを機体の前後方向に変速操作するのに伴い、スライドカム18はガイドレール21に沿って上下摺動することになる。即ち、変速レバー13aを車両前方向に増速操作すると、スライドカム18は揺動リンク機構20のリンク出力点20cにより押し下げられ、ガイドレール21に沿って下方にスライドすることになる。同様に変速レバー13aを車両後方向減速操作すると、スライドカム18は揺動リンク機構20のリンク出力点20cにより押し上げられ、ガイドレール21に沿って上方にスライドすることになる。変速レバー13aの操作を停止し、後述するノッチ式係止保持機構により位置保持すると、スライドカム18も操作位置に係止する。変速レバー13aを変速ガイド溝15a(図4参照)の経路に沿って最高速位置すなわち図4に示す「8」の位置に操作した時は、スライドカム18はガイドレール21に沿った上下摺動範囲の最下端に位置決めされ、変速レバー13aを最低速位置すなわち図4に示す「N」の位置に操作した時は、スライドカム18は上下摺動範囲の最上端に位置決めされる。

0018

図4及び図5に示すように、後輪フェンダー14には変速レバー13aの操作経路に対応した変速ガイド溝15aが設けられており、変速レバー13aと変速操作ロッド19との接続部分には、これらの位置保持を行うノッチ式係止保持機構が設けられている。ノッチ式係止保持機構は、係止ピン25a、変速ガイド溝15aの横側位置に後輪フェンダー14の内面に沿って湾曲して設けてあるL字レール25b、上端部に傾斜断面25fを有し、下部に係止ピン25aを軸方向に垂直に貫設してある内芯25e、内芯25eを押上付勢している押上付勢バネ25c、内芯25eと押上付勢バネ25cを内部に有する外筒25d、傾斜断面25fを介して内芯25eを押し下げる押下凸部25g、押出付勢バネ25hの付勢に抗して凸部25gを操作グリップ25jの内部方向に押し込むリリースボタン25iとで構成されている。

0019

変速レバー13aを操作しない非操作状態では、押上付勢バネ25cの押上作用により内芯25eが上方へ付勢されており、内芯25eと一体に上下摺動する係止ピン25aが、L字レール25bに多数設けられた任意の凹部25kに係合することになり、変速レバー13aは位置保持される。変速レバー13aを操作する時は、リリースボタン25iを押し込み操作することで、押下凸部25gが傾斜断面25fを介して押上付勢バネ25cの付勢に抗して内芯25eを押し下げるので、内芯25eと一体に上下摺動する係止ピン25aは下方に移動し、凹部25kとの係合が外れ、変速レバー13aは変速ガイド溝15aに沿って前後操作可能な操作状態となる。

0020

連動操作機構は、図2及び図3に示すように、前後進切換レバー13b、切換ガイド溝15bの下方において前後進切換レバー13bの下端に切換レバー連結部16を介して連結されている前後進切換ロッド22、レバー揺動軸芯Q周りにボス部22bを介して揺動回転自在な連動アーム22a、連動アーム22aの上端部と前後進切換ロッド22の下端部とで両部材側面視直線状に連結する連動ピン23、無段変速装置10の回転操作軸10a(本発明の変速操作部に相当)、回転操作軸10aの角軸部において固定されて回転操作軸10aと一体回転する操作アーム10b、振動緩衝部17aを有する連結ロッド17とで構成している。

0021

図5に示すように切換レバー連結部16には付勢バネ16aが設けてあり、前後進切換レバー13bは操作経路である切換ガイド溝15b内において機体外側方向に付勢されている。したがって、切換ガイド溝15bに設けた中立保持凹部15cに前後進切換レバー13bを係止保持できるようになっている。上記の構成により、前後進切換レバー13a、前後進切換ロッド22、連動ピン23、連動アーム22aはボス部22bを介してレバー揺動軸芯周りに一体揺動可能である。また、連結ロッド17により連動ピン23と操作アーム10bが連係連結されているので、連動ピン23の位置により無段変速装置10の回転操作軸10aが設定操作されることになる。

0022

付勢機構はトグルスプリング26がトグル支点軸26aと連動ピン23に亘って張設して構成されている。トグル支点軸26aが前後進切換ロッド22のレバー揺動軸芯Qよりも下方に位置しているので、レバー揺動軸芯Q周りに揺動運動する連動ピン23はスライドカム18の前進側カム面18F或いは後進側カム面18Rに当て付け付勢される。スライドカム18の前進側カム面18F,後進側カム面18Rによって連動ピン23の揺動範囲が制限され、制限された範囲内で変位が最大となる位置に付勢機構により連動ピン23が当接して位置決めされる。

0023

これまで述べてきた各機構、すなわち、ノッチ式系止保持機構を備えた操作限界設定機構、無段変速装置10の回転操作軸10aを操作する連動操作機構、及びトグルスプリング26を有する付勢機構の連係は以下の通りである。変速レバー13aの操作位置により、揺動リンク機構を介してスライドカム18の上下摺動位置が設定されるので、ノッチ式係止保持機構により変速レバー13aが設定位置に保持されるとスライドカム18の上下位置が保持される。このとき、スライドカム18の前進側カム面18F或いは後進側カム面18Rの形状により連動ピン23の揺動可能範囲が設定される。この状態において付勢機構が作用すると、連動ピン23が前進側カム面18F或いは後進側カム面18Rに当接して揺動限界位置に位置する。連動ピン23が揺動限界位置に位置すると、連動操作機構により、連結ロッド17と操作アーム10bによって連動連結された無段変速装置10の回転操作軸10aは、変速レバー13aの操作位置に対応した操作位置に位置決めされることになる。このような機構を有する走行変速構造を、操作方法の観点から以下に詳説する。

0024

変速レバー13aをノッチ式係止保持機構により所定の操作位置(例えば図6において実線で示す変速レバー13aの位置)に保持しておけば、スライドカム18のカム面の位置は保持される。スライドカム18が位置保持された状態で、前後進切換レバー13bを例えば前進側から後進側に切換操作(図6において前後進切換レバー13bを実線で示す位置から仮想線で示す位置に移動させる操作)すると、付勢機構により前進側カム面18Fに当接していた連動ピン23は、付勢方向が切り替えられた付勢機構により後進側カム面18Rに当接するまで揺動する。回転操作軸10aは連動ピン23と連動させてあるので、連動ピン23の揺動に同調して所定の操作位置に設定される。前後進切換レバー13bを後進側から前進側に切換操作しても同様の作用により回転操作軸10aが操作され、所定の操作位置に設定される。

0025

また、トグルスプリング26を有する付勢機構の作用により、前後進切換レバー13bは切換ガイド溝15bの操作経路上の不安定な箇所におていは位置設定されず、前進側或いは後進側のいずれかの操作限界に到達するまで、即ち、連動ピン23が前進側カム面18F或いは後進側カム面18Rと当接するまでトグルスプリング26の付勢力によって操作される。したがって、前後進切換レバー13bを切換操作する際には、操作限界に到達するまでの継続した人為的操作力は必要とせず、フィンガータッチによる比較的短時間の軽い操作力で済むので、前後進の切換操作の操作性が良い。

0026

前後進切換レバー13bの切換ガイド溝15bに沿った操作経路において、中立位置保持凹部15cに係入する操作位置では、トグルスプリング26による前進側或いは後進側への付勢力が最も大きく作用するので、切換レバー連結部16に設けた付勢バネ16aによる切換ガイド溝15bに沿った機体外側への付勢力を小さくしておけば、前進側或いは後進側への前後進切換操作時に前後進切換レバー13bが中立位置保持凹部15cに引っ掛かることがなく、前後進切換レバー13bの前後進切換操作時の操作容易性は損なわれない。

0027

また、変速レバー13aはノッチ式係止保持機構により位置保持されているので、同一走行方向に切換復帰後の設定走行速度は前後進切換操作前と同じある。したがって、同一走行方向に関して同一速度で作業を行いたい場合に、走行方向切換の度に走行速度を調整し直す必要がないので、速度設定操作の手間が省け、作業効率が向上する。また、同一速度の再現精度が、人為的な速度調節によって同一速度を再現する場合より比較的正確なので、作業品質の向上が図れる。

0028

変速レバー13aが所定の操作位置にあり、前後進切換レバー13bが前進側或いは後進側のいずれかの走行方向に切り替えられた状態を維持して走行している場合、前後進切換レバー13bは操作されないので、付勢機構の付勢方向は変化しない。したがって、連動ピン23はスライドカム18の前進側カム面18F或いは後進側カム面18Rのいずれかのカム面に継続して当接しており、前後進切換レバー13bの切換方向に対応した走行方向及び変速レバー13aの操作位置に対応した走行速度を維持して走行していることになる。

0029

この状態で、変速レバー13aを高速側或いは低速側に操作して設定変更すれば、揺動リンク機構20を介してスライドカム18がガイドレール21に沿って下降或いは上昇し、前進側カム面18F及び後進側カム面18Rが下降或いは上昇する。このとき、前進側カム面18F或いは後進側カム面18Rに当接している連動ピン23は、付勢機構により付勢作用を受けているので、スライドカム18の上下方向の摺動に追従するように前進側カム面18F或いは後進側カム面18Rとの当接状態を維持しながら揺動する。尚、連動ピン23の揺動に伴い、レバー揺動軸芯Q周りに連動アーム22a,前後進切換ロッド22,前後進切換レバー13bも一体揺動することになる。以上のように、スライドカム18の摺動に追従して連動ピン23が揺動することにより、連結ロッド17,操作アーム10bを介して回転操作軸10aが変速操作される。

0030

つまり、走行作業中に走行速度を変更したいときは、変速レバー13aを高速側或いは低速側に操作することで、変速レバー13aの操作に追従して無段変速装置10の回転操作軸10aが変速操作され、作業車の走行速度が変更される。したがって、変速レバー13aの操作中も作業車の設定速度の変更は随時反映され、作業速度の設定操作を行う際、設定速度による実際の走行速度を体感しながら行うことができるので、所望の速度の設定が容易に行え、作業性が向上する。

0031

上述の走行速度の変更により作業車を停止させることも可能である。すなわち、変速レバー13aを低速側に操作して、図4の変速ガイド溝15a横側に表示された「N」の位置まで設定操作すれば、揺動リンク機構20を介してスライドカム18は最上位置までガイドレール21に沿って摺動し、付勢機構により前進側カム面18F或いは後進側カム面18Rに当接している連動ピン23は、スライドカム18に設けられた中立保持凹部18Nに係入する。連動ピン23が連結ロッド17,操作アーム10bを介して回転操作軸10aを操作して、無段変速装置10は中立停止位置に操作され、作業車が停止することになる。

0032

尚、前後進切換レバー13bを操作しても、無段変速装置10の回転操作軸10aを中立停止位置に操作して作業車を停止させることができる。すなわち、変速レバー13aを設定位置で保持したまま前後進切換レバー13bを操作して、図4に示す中立位置保持凹部15cに係止保持させると、連動ピン23は付勢機構の付勢方向が切り換わる位置で保持されることになり、連動ロッド17,操作アーム10bを介して,回転操作軸10aは中立停止位置に操作され、作業車が停止することになる。

0033

〔発明の実施の第1別形態
前述の〔発明を実施するための最良の形態〕の変速操作装置は、図2図3,及び図4に示す構成に代えて、図7図8,及び図10に示すように構成してもよい。図7及び図8示す変速操作装置は前述の〔発明を実施するための最良の形態〕と同様に操作限界設定機構と連動操作機構を有しており、付勢機構により両機構が連係するように構成されているが、付勢機構と連動操作機構の構成内容が〔発明を実施するための最良の形態〕とは異なっている。以下に連動操作機構及び付勢機構の構成を示し、操作限界設定機構との関連を説明する。

0034

図7及び図8に示すように、連係操作機構は、前後進切換レバー13b、前後進切換レバー13bと切換レバー連結部16で連結されレバー揺動軸芯Q周りにボス部27aを介して揺動回転する前後進切換ロッド27、レバー揺動軸芯Q周りにボス部28aを介して揺動回転する揺動アーム28、揺動アーム28の先端に貫設された連動ピン23、無段変速装置10の回転操作軸10a、回転操作軸10aの角軸部において固定されて回転操作軸10aと一体回転する操作アーム10b、連動ピン23及び揺動軸芯Pにその両端を揺動可能に連結されて、揺動アーム28及び操作アーム10bを連係揺動可能にしている連結ロッド17、で構成している。

0035

付勢機構は、前後進切換ロッド27の中間箇所において車体内側方向に突設したバネ掛け部30と、揺動アーム28が連結されている側の連動ピン23の端部とを、板バネ29を介して連結して構成してある。バネ掛け部30は図9に示すように、円筒状の回転先端部30bと取付部30cとで構成されている。回転先端部30bは、前後進切換ロッド27に固設された取付部30cに対して相対回転自在に構成されており、板バネ29を回転先端部30bの直径方向に摺動可能に係止する係止孔30aを備えている。

0036

変速レバー13aが所定の操作位置(例えば図7において仮想線で示す位置)に操作されており、かつ、前後進切換レバー13bが図10に示す中立位置保持凹部15cに保持されている状態では、連動ピン23は、変速レバー13aの設定位置により位置決めされるスライドカム18の対抗するカム面の間において揺動可能範囲を有するが、前後進切換レバー13bが中立位置保持凹部15cに係止されているので連動ピン23は中立位置であり、前進側にも後進側にも揺動していない。これに対応して無段変速装置10も中立停止状態になっている。したがって、作業車は停止状態である。

0037

この状態から、作業車を前進走行或いは後進走行させる場合は、前後進切換レバー13bを、前進保持凹部15d或いは後進保持凹部15eに係止できる位置まで切換ガイド溝15bに沿って揺動操作する。この時、切換レバー連結部16に備えた付勢バネ16aの作用により前後進切換レバー13bは中立位置保持凹部15cにおいて、機体外側に付勢されているので、この付勢に抗して機体内側へ操作すれば、前後進切換レバー13bの切換操作が可能な状態となる。前後進切換レバー13bを前進保持凹部15d或いは後進保持凹部15eまで揺動操作すれば、再び切換レバー連結部16の付勢バネ16aの作用により前進保持凹部15d或いは後進保持凹部15eにおいて安定保持される。

0038

前後進切換レバー13bが前進側(図7において実線で示した位置)或いは後進側(図7において仮想線で示した位置)に安定保持されている状態では、バネ掛け部30に係止された板バネ29と前後進切換ロッド27とを介して前後進切換レバー13bと連係する連動ピン23には、レバー揺動軸芯Q周りの揺動操作力が作用する。一方、変速レバー13aの操作位置により位置設定されるスライドカム18の前進側カム面18F或いは後進側カム面18Rにより連動ピン23の揺動範囲が規制されている。したがって、前述の揺動操作力により揺動する連動ピン23は、前進側カム面18F或いは後進側カム面18Rに当接するまで揺動する。このとき、前後進切換レバー13bの揺動量と連動ピン23の揺動量の差を吸収するように、板バネ29が湾曲し、板バネ29の復元力により高速側に付勢を受けた状態で連動ピン23は位置決めされる。このように位置決めされた連動ピン23により連結ロッド17,操作アーム10bを介して無段変速装置10の回転操作軸10aが設定操作され、変速レバー13aの設定位置に対応した走行速度及び前後進切換レバー13bの設定に対応した走行方向が現出される。

0039

以上のような走行状態において走行速度を変更したいときは、変速レバー13aを高速側或いは低速側に操作して設定変更すればよい。変速レバー13aを設定変更すれば揺動リンク機構20を介してスライドカム18がガイドレール21に沿って下降或いは上昇し、前進側カム面18F及び後進側カム面18Rが下降或いは上昇する。前進側カム面18F或いは後進側カム面18Rに当接している連動ピン23は、付勢機構により付勢作用を受けているので、スライドカム18の上下方向の摺動に追従するように前進側カム面18F或いは後進側カム面18Rとの当接状態を維持しながら、レバー揺動軸芯Q周りに揺動アーム28を介して揺動する。以上のようなスライドカム18の摺動に追従した連動ピン23の揺動により連結ロッド17,操作アーム10bを介して無段変速装置10の回転操作軸10aが変速操作される。

0040

つまり、走行作業中に変速レバー13aを高速側或いは低速側に操作することで、変速レバー13aの操作に追従して無段変速装置10の回転操作軸10aが変速操作され、作業車の走行速度が変更される。したがって、変速レバー13aの操作中も作業車の設定速度の変更は随時反映され、作業速度の設定操作を行う際、設定速度による実際の走行速度を体感しながら行うことができるので、所望の速度の設定が容易に行え、作用性が向上する。

0041

上述の走行速度の変更により作業車を停止させることも可能である。すなわち、前進或いは後進走行中に変速レバー13aを低速側に操作して、図10の変速ガイド溝15a横側に表示された「N」の位置まで設定操作すれば、揺動リンク機構20を介してスライドカム18は、最上位置までガイドレール21に沿って摺動する。この時、付勢機構により前進側カム面18F或いは後進側カム面18Rに当接している連動ピン23は、板バネ29を徐々に湾曲させて付勢力を増加させながら、スライドカム18に設けられた中立保持凹部18Nに係入する。このように、連動ピン23が中立位置に揺動するので、連結ロッド17,操作アーム10bを介して連動ピン23が回転操作軸10aを操作して、無段変速装置10が中立停止状態になる。以上のように、変速レバー13aを変速ガイド溝15a横側に表示された「N」の位置まで設定操作して作業車を停止させることができる。

0042

尚、前後進切換レバー13bを操作しても、無段変速装置10の回転操作軸10aを中立停止位置に操作でき、もって作業車を停止させることができる。すなわち、変速レバー13aを設定位置で保持したまま前後進切換レバー13bを操作して、図10に示す中立位置保持凹部15cに係止保持させると、前後進切換ロッド27,バネ掛け部30,板バネ29,を介して揺動アーム28と一体に連動ピン23がレバー揺動軸芯Q周りに揺動操作され、板バネ29の湾曲が解消した状態となり、スライドカム18の前進側カム面18F,後進側カム面18Rの位置に拘わらず中立状態で保持されることになる。このとき、連動ロッド17,操作アーム10bを介して,回転操作軸10aは中立停止位置に操作されるので、作業車が停止することになる。

0043

〔発明の実施の第2別形態〕
前述の〔発明を実施するための最良の形態〕の変速操作装置は、図12及び図13のように構成してもよい。図12及び図13に示す変速操作装置は、前述の実施例と同様にノッチ式係止保持機構を有した変速レバー13a、変速レバー13aの下部と一体連結されている第1ロッド31a、第1ロッド31aと取り付け位置調整可能にボルト連結されている第2ロッド31b、ボス部32を介してレバー揺動軸芯Q周りに第2ロッド31bと一体揺動する連動揺動ロッド31c、連動揺動ロッド31cの機体内方向の側面に立設している一対の前進側規制ピン33F,後進側規制ピン33R(本発明のストッパー部に相当)、無段変速装置10の回転操作軸10aを揺動軸芯として、前進側規制ピン33F,後進側規制ピン33Rに挟まれる範囲で揺動可能な揺動カム34、揺動カム34に設けた長穴34aで係合した付勢ピン35aを介して揺動カム34を揺動回転させる油圧シリンダ35、油圧シリンダ35に作用する油圧経路を切換設定する方向切換弁37、方向切換弁37を切換操作する前後進切換レバー38(本発明の前後進切換操作具に相当)、で構成されている。

0044

油圧シリンダ35は、図14に示すように、無段変速装置10の左側面に機体前後方向に並べて設けられたロッド固定具36F,ロッド支持具36Rによりピストンロッド35cの両端を軸支して機体前後方向に沿って設けてある。ロッド支持具36Rはピストンロッド35cの後端側をスライド可能に支持しており、ロッド固定具36Fの両側面に設けた中立位置調整ネジ39a、39bによりピストンロッド35cの前端側を固定し、取り付け位置を機体前後方向に調整可能に構成してある。また、油圧シリンダ35は正面視で無段変速装置10の側面と揺動カム34の間に設けてあり、シリンダチューブ35b上で機体外方向に突設した付勢ピン35aが長穴34aと係合している。無段変速装置10の左側面上でロッド固定具36Fを介して固定されているピストンロッド35cに対し、ピストン35dが環設されており、これらを外装するシリンダチューブ35bとで複動形の油圧シリンダを構成している。ピストン35dで区切られたシリンダチューブ35bの内部空間には、中立復帰用中立復帰バネ35eが各々の空間に押し縮められた状態で封入されており、後述する方向切換弁37が中立位置に操作されて、ピストン35dに油圧が作用していない状態では、両バネの反発力平衡する位置に油圧シリンダ35が位置保持されるように構成されている。

0045

方向切換弁37は、3位置あるスプールの作動位置を切換えて油圧経路を設定する直線形の4ポート3位置切換スプール弁である。方向切換弁37の切換は前後進切換レバー38によって操作される。前後進切換レバー38を前進位置「F」或いは後進位置「R」に切換操作すると、方向切換弁37が前進付勢状態或いは後進付勢状態に切換えられ、別に構成された油圧回路により、油圧シリンダ35が中立復帰バネ35eに抗して機体前方或いは機体後方摺動操作される。前後進切換レバー38を中立位置「N」に操作すると、方向切換弁37が中立状態に切換えられ、油圧シリンダ35は油圧による負荷から開放されるので、2本の中立復帰バネ35eが平衡する位置まで復帰摺動する。

0046

前後進切換レバー38の切換え操作によって決定された方向に油圧シリンダ35が機体前後方向に摺動するので、油圧シリンダ35に係合する揺動カム34が付勢ピン35a,長穴34aを介して揺動する。揺動カム34の揺動範囲は変速レバー13aの設定操作によって位置決めされた前進側規制ピン33F,後進側規制ピン33Rで制限されている。すなわち、前進側規制ピン33F或いは後進側規制ピン33Rに前進側カム面34F或いは後進側カム面34Rが当接することで揺動カム34の揺動は制限され、揺動カム34の位置が保持される。この状態では、揺動カム34は、当接している側の規制ピンに向かって油圧シリンダ35によって付勢されているので、変速レバー13aの操作で前進側規制ピン33F及び後進側規制ピン33Rがレバー揺動軸芯Q周りに揺動すれば、揺動カム34は、規制ピンに当接した状態を維持しながら規制ピンの揺動に追従して揺動し、回転操作軸10aが操作される。

0047

変速レバー13aの操作起点(図15の「N」の表示がある位置)からの操作量に応じて揺動カム34の揺動可能範囲が大きくなるように、前進側カム面34F及び後進側カム面34Rが構成されている。揺動カム34の形状と変速レバー13aの操作量の関係について以下に説明する。

0048

無断変速装置10が中立停止状態であるときの揺動カム34の姿勢における前進側カム面34Fの任意の箇所と、前進側規制ピン33Fの揺動中心Qとの平面視での距離を前進側カム面特性距離Lfとすると(図12参照)、変速レバー13aが増速側に操作されるのに伴って前進側規制ピン33Fが揺動移動する方向に関して、Lfは次第に短くなるような変化をする。このLfの減少変化変化率は、前進走行時において変速レバー13aを増速或いは減速操作したときの変速レバー13aの操作量に対する走行速度の変化率に対応する。したがって、前進側カム面34Fの形状により、変速レバー13aを増速操作したときの操作量に対する走行速度の変化率を決定することができる。揺動カム34の前進側カム面34Fは、Lfの減少変化の負の変化率が一定になるように構成してあり、変速レバー13aの増速側への操作量と現出する前進走行速度とは略線形関係になる。

0049

一方、無断変速装置10が中立停止状態であるときの揺動カム34の姿勢における後進側カム面34Rの任意の箇所と、後進側規制ピン33Rの揺動中心Qとの平面視での距離を後進側カム面特性距離Lrとすると(図12参照)、後進側カム面特性距離Lrは、後進側規制ピン33Rが揺動移動する方向に関して、次第に長くなるような変化をする。このLrの増加変化の正の変化率が一定になるように後進側カム面34Rを構成すると、13aの増速側への操作量と現出する後進走行速度は略線形関係になる。

0050

また、前述のLf及びLrの変化率の絶対値が同じになるように前進側カム面34F及び後進側カム面34Rの曲面を構成すると、前進走行時と後進走行時とで、変速レバー13aの操作をしたときの車速の増減速感覚が同一のものとすることができる。後進時と前進時とで変速レバー13aによる増減速効果に違いを設けたい場合、例えば、変速レバー13aの操作量が同じでも、後進時は前進時ほどの速度変化をさせたくないときは、後進側カム面特性距離Lrの正の変化率を前進側カム面特性距離Lfの負の変化率より絶対値において小さくなるように揺動カム34を成形すればよい。

0051

変速レバー13aが所定の操作位置(例えば図16で示す位置)に操作されており、かつ、前後進切換レバー38が中立位置「N」に保持されている状態であれば、揺動カム34は油圧シリンダ35の中立復帰作用により中立位置に操作されており、作業車は停止している。この状態から作業車を前進走行或いは後進走行させる場合は、前後進切換レバー38を前進位置「F」或いは後進位置「R」に切換え操作する。前後進切換レバー38を操作すれば方向切換弁37を介して油圧シリンダ35に摺動操作力が作用する。一方、変速レバー13aの操作位置に応じて位置設定される連動揺動ロッド31cに設けた前進側規制ピン33F或いは後進側規制ピン33Rにより揺動カム34の揺動範囲が規制されている。したがって、油圧シリンダ35の摺動とともに、揺動カム34が前進側規制ピン33F或いは後進側規制ピン33Rに当接するまで揺動し、油圧シリンダ35による付勢を受けた状態で揺動カム34は位置決めされる。このように前後進切換レバー38を操作するだけで、予め位置決めされた変速レバー13aの設定位置に対応して無段変速装置10の回転操作軸10aが設定操作され、所定の速度が現出される。

0052

さらに、以上の状態から、前後進切換レバー38を切換操作して油圧シリンダ35に作用している付勢力の付勢方向を切り替えると、油圧シリンダ35が、前後進切換レバー38の切換操作前に作用していた付勢力の付勢方向とは反対の方向に摺動する。これに連動して揺動カム34が、前後進切換レバー38の切換操作前に当接していた規制ピンとは反対側の規制ピンに当接するまで揺動し、当接した位置において付勢力により位置決めされる。以上のような揺動カム34の揺動により回転操作軸10aが中立位置を経て所定の操作位置まで操作され、走行方向が切り替わった所定の走行速度が現出する。このように、前後進切換レバー38を切換操作するだけで、所定の走行速度の再現しながら作業車の走行方向の前後進切換をすることができる。

0053

尚、変速レバー13aが予め操作起点(図15の「N」の位置)に設定されている場合は、両規制ピン33F,33Rにより、揺動カム34の揺動は許容されないので、上述のような前後進切換レバー38の切換操作により油圧シリンダ35に油圧による摺動操作力が作用しても、揺動カム34は揺動しない。したがって、回転操作軸10aは操作されず、作業車は停止状態である。

0054

次に、図16に示すように、前後進切換レバー38が前進側(図16におけるレバー位置「F」)或いは後進側(図16におけるレバー位置「R」)に操作されており、かつ、変速レバー13aが所定の操作位置(図15の「N」も含む)に設定されている状態における変速操作について説明する。

0055

変速レバー13aを高速側或いは低速側に操作して設定変更すれば、第1ロッド31a,第2ロッド31bを介して連動揺動ロッド31cがレバー揺動軸芯Q周りに揺動し、前進側規制ピン33F及び後進側規制ピン33Rが位置決めされる。前進側規制ピン33F或いは後進側規制ピン33Rに当接している揺動カム34は、付勢機構により付勢作用を受けているので、前述のように、連動揺動ロッド31cの揺動に追従するように前進側規制ピン33F或いは後進側規制ピン33Rとの当接状態を維持しながら回転操作軸10aと一体揺動する。以上のような連動揺動ロッド31cの揺動に追従した揺動カム34の揺動により無段変速装置10の回転操作軸10aが変速操作される。

0056

つまり、走行作業中に走行速度を変更したいときは、変速レバー13aを高速側或いは低速側に操作することで、変速レバー13aの操作に追従して無段変速装置10の回転操作軸10aが変速操作され、作業車の走行速度が変更される。したがって、変速レバー13aの操作中も作業車の設定速度の変更は随時反映され、作業速度の設定操作を行う際、設定速度による実際の走行速度を体感しながら行うことができるので、所望の速度の設定が容易に行え、作業性が向上する。

0057

上述の走行速度の変更により作業車を停止させることも可能である。すなわち、前進或いは後進走行中に変速レバー13aを低速側に操作して、図15の変速ガイド溝15aの横側に表示された「N」の位置まで設定操作すれば、連動揺動ロッド31cを介して前進側規制ピン33F,後進側規制ピン33Rは最上位置までレバー揺動軸芯Q周りに揺動し、付勢機構により前進側規制ピン33F或いは後進側規制ピン33Rに当接している揺動カム34は、中立位置において揺動不能な状態となる。揺動カム34により回転操作軸10aが操作され、無段変速装置10は中立停止状態となり、作業車が停止することになる。

0058

尚、前後進切換レバー38を操作しても、無段変速装置10の回転操作軸10aを中立停止位置に操作して作業車を停止させることができる。すなわち、変速レバー13aを設定位置で保持したまま前後進切換レバー38を操作して、図12に示す中立位置「N」に切換え操作すると、油圧シリンダ35は油圧による負荷から開放されるので、中立復帰バネ35eの作用で中立復帰する。油圧シリンダ35が中立復帰すると、揺動カム34は連動揺動ロッド31cの前進側規制ピン33F,後進側規制ピン33Rの位置に拘わらず中立位置で保持されることになる。したがって、回転操作軸10aは中立停止位置に操作され、作業車が停止することになる。

0059

油圧シリンダ35の取り付け位置は、中立位置調整ネジ39a,39bによって機体前後方向で調整可能である。したがって、油圧シリンダ35に油圧による摺動操作力が働かずに、中立復帰バネ35eが平衡状態になって中立復帰しているときに、回転操作軸10aが中立停止位置に位置するように、油圧シリンダ35の取り付け位置を調整することができる。

0060

本実施例では付勢機構を油圧で制御するので、前後進切換レバー38と油圧シリンダ35をリンク部材で結合する必要がなく、前後進切換レバー38の配置は制約を受けにくい。したがって、設計上の制約が減少し、省スペースの実現や、運転座席6の横側やステアリングハンドル5の下側等、操作性の向上を図った配置が容易となる。

図面の簡単な説明

0061

農用トラクターの全体側面図
変速操作構造の側面図
変速操作構造の正面図
操作レバーガイドの平面図
変速レバーが備えるノッチ式係止保持機構の縦断正面図
変速レバーを最高速に設定操作した状態の変速操作構造の側面図
発明の実施の第1別形態における変速操作構造の側面図
発明の実施の第1別形態における変速操作構造の正面図
バネ掛け部の斜視図
発明の実施の第1別形態における操作レバーガイドの平面図
発明の実施の第1別形態において変速レバーを所定位置に操作した状態での変速操作構造の側面図
発明の実施の第2別形態における停止状態での変速操作構造の側面図
発明の実施の第2別形態における変速操作構造の正面図
発明の実施の第2別形態における油圧シリンダの内部構造を示す側面図
発明の実施の第2別形態における操作レバーガイドの平面図
発明の実施の第2別形態において変速レバーを所定位置に操作した状態での変速操作構造の側面図

符号の説明

0062

10:無段変速装置
10a:変速操作部
13a:変速操作具
13b,38:前後進切換操作具
18,33F,33R:ストッパー部

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