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技術 有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法

出願人 パイオニア株式会社
発明者 吉澤達矢
出願日 2003年11月25日 (15年8ヶ月経過) 出願番号 2003-393686
公開日 2005年6月16日 (14年1ヶ月経過) 公開番号 2005-158393
状態 未査定
技術分野 電場発光光源(EL) エレクトロルミネッセンス光源
主要キーワード 駆動場 直接加熱法 振動摩擦 単層構造体 減圧チャンバ内 ヨウ化水素ガス マイクロ波加熱法 電気損失
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題

発光特性が長時間に亘って安定している有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法を提供する。

解決手段

本発明の有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法は、基板上に陽極層を形成する陽極層形成工程と、該陽極の表面に対して洗浄等の処理を行う表面処理と、該表面処理工程後に該陽極上に有機機能層を形成する有機機能層形成工程と、該有機機能層上に陰極層を形成する陰極層形成工程と、を含む。該表面処理工程は、該陽極層に対して、加熱処理、UV/オゾン処理エキシマ処理のうち少なくとも1つの処理とプラズマ処理とを施す工程である。

概要

背景

有機エレクトロルミネセンス素子(以下有機EL素子と称する)は、エレクトロルミネセンス特性を呈する発光層を含みかつ有機化合物材料からなる有機機能層陽極陰極とによって挟持されて構成されている。該有機機能層は、発光層のみからなる単一層構造体、又は正孔輸送層、発光層および電子輸送層の3層構造体などの積層体である。

かかる構成の有機EL素子の陽極と陰極との間に電圧印加することによって、陽極から正孔が有機機能層に注入され、陰極から電子が有機機能層に注入される。該正孔と該電子は有機機能層内で再結合し、その際にルミネセンス発光が得られるのである。

上記構成の有機EL素子の製造は、まず基板上に陽極を形成することから行われる。該陽極は、ガラス等の基板にインジウム錫酸化物(以下ITOと称する)からなるITO膜スパッタ法等の成膜方法成膜した後、該ITO膜上に所定パターンを有するレジスト等のマスク部材を配して、エッチング処理を施して形成される。次に該陽極上に蒸着法などの成膜方法を用いて有機機能層が形成され、該有機機能層上に蒸着法などの成膜方法を用いてアルミニウムからなる陰極が形成される。こうして、有機EL素子が得られる。

有機EL素子の発光特性の改善を目的として、上述した有機EL素子の製造工程において、陽極が形成された後に、該陽極の表面に対して種々の表面処理が施されている。例えば、陽極表面に、加熱処理(特許文献1参照)、紫外光(UV)/オゾン処理(特許文献2参照)、エキシマランプ処理(特許文献3参照)、プラズマ処理(特許文献4参照)を施すことが提案されている。
特開平7−201467号公報
特開平9−232075号公報
特開平10−261484号公報
特開平7−142168号公報

概要

発光特性が長時間に亘って安定している有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法を提供する。 本発明の有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法は、基板上に陽極層を形成する陽極層形成工程と、該陽極の表面に対して洗浄等の処理を行う表面処理と、該表面処理工程後に該陽極上に有機機能層を形成する有機機能層形成工程と、該有機機能層上に陰極層を形成する陰極層形成工程と、を含む。該表面処理工程は、該陽極層に対して、加熱処理、UV/オゾン処理、エキシマ処理のうち少なくとも1つの処理とプラズマ処理とを施す工程である。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
1件

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請求項1

基板上に陽極層を形成する陽極層形成工程と、前記陽極層に対して、加熱処理、UV/オゾン処理エキシマ処理のうち少なくとも1つの処理とプラズマ処理とからなる表面処理を施す表面処理工程と、前記表面処理工程後にエレクトロルミネセンス特性を呈する発光層を含んでいる有機機能層を前記陽極層上に形成する有機機能層形成工程と、前記有機機能層上に陰極層を形成する陰極層形成工程と、を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。

請求項2

前記表面処理工程は、前記陽極層に対して加熱処理、UV/オゾン処理、エキシマ処理のうち少なくとも1つの処理を施した後にプラズマ処理を施す工程であることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。

請求項3

前記プラズマ処理は酸素プラズマ処理であることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。

請求項4

前記酸素プラズマ処理は、窒素アルゴンヘリウムネオンキセノンの何れかと酸素との混合ガス、又はハロゲンガスと酸素との混合ガスを用いる処理であることを特徴とする請求項3記載の有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法に関する。

背景技術

0002

有機エレクトロルミネセンス素子(以下有機EL素子と称する)は、エレクトロルミネセンス特性を呈する発光層を含みかつ有機化合物材料からなる有機機能層陽極陰極とによって挟持されて構成されている。該有機機能層は、発光層のみからなる単一層構造体、又は正孔輸送層、発光層および電子輸送層の3層構造体などの積層体である。

0003

かかる構成の有機EL素子の陽極と陰極との間に電圧印加することによって、陽極から正孔が有機機能層に注入され、陰極から電子が有機機能層に注入される。該正孔と該電子は有機機能層内で再結合し、その際にルミネセンス発光が得られるのである。

0004

上記構成の有機EL素子の製造は、まず基板上に陽極を形成することから行われる。該陽極は、ガラス等の基板にインジウム錫酸化物(以下ITOと称する)からなるITO膜スパッタ法等の成膜方法成膜した後、該ITO膜上に所定パターンを有するレジスト等のマスク部材を配して、エッチング処理を施して形成される。次に該陽極上に蒸着法などの成膜方法を用いて有機機能層が形成され、該有機機能層上に蒸着法などの成膜方法を用いてアルミニウムからなる陰極が形成される。こうして、有機EL素子が得られる。

0005

有機EL素子の発光特性の改善を目的として、上述した有機EL素子の製造工程において、陽極が形成された後に、該陽極の表面に対して種々の表面処理が施されている。例えば、陽極表面に、加熱処理(特許文献1参照)、紫外光(UV)/オゾン処理(特許文献2参照)、エキシマランプ処理(特許文献3参照)、プラズマ処理(特許文献4参照)を施すことが提案されている。
特開平7−201467号公報
特開平9−232075号公報
特開平10−261484号公報
特開平7−142168号公報

発明が解決しようとする課題

0006

陽極の表面に対して上記の如き処理を行うことによって、陽極表面に付着した有機物等の汚染物質が除去され、さらに陽極表面が酸化されて改質される。その結果、有機EL素子の発光特性が改善されて、低駆動電圧において発光する高輝度有機EL素子が得られている。ところが、長時間にわたって該有機EL素子を発光せしめる場合、輝度が低下するなど、発光特性が十分に維持されないという問題がある。

0007

本発明が解決しようとする課題には、前述した問題が1例として挙げられる。

課題を解決するための手段

0008

請求項1に記載の有機EL素子の製造方法は、基板上に陽極層を形成する陽極層形成工程と、該陽極層に対して、加熱処理、UV/オゾン処理、エキシマ処理のうち少なくとも1つの処理とプラズマ処理とからなる表面処理を施す表面処理工程と、該表面処理工程後にエレクトロルミネセンス特性を呈する発光層を含んでいる有機機能層を該陽極層上に形成する有機機能層形成工程と、該有機機能層上に陰極層を形成する陰極層形成工程と、を含むことを特徴とする。

発明を実施するための最良の形態

0009

本発明の有機EL素子の製造方法の実施例を、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。

0010

図1(a)に示す如く、ガラスや樹脂等の基板1上に、スパッタ法等の成膜方法を用いて陽極層2が成膜される。陽極層2は、仕事関数が大なる導電性物質からなり、例えばITO、インジウム亜鉛酸化物からなる。

0011

陽極層2が形成された後、所定のパターンを有するレジスト3が配される(図1(b))。その後、レジスト3をマスクとしてエッチング処理が施される(図1(c))。エッチング処理としては、ウエットエッチング処理若しくはドライエッチング処理が適用できる。ウエットエッチング処理において、エッチャントは、塩化第二鉄塩酸溶液、または塩酸シュウ酸ヨウ化水素酸等のハロゲン酸,または王水などが使用できる。

0012

ドライエッチング処理は、例えば、CH4、HCl、HBr、HI、C2H5I、Br2、I2等のエッチングガスを用いたプラズマエッチング処理としても良い。プラズマエッチング処理は、例えば平行平板型プラズマエッチング装置を用いて実施される。またドライエッチング処理として、ヨウ化水素ガス等のハロゲン化水素ガスヘリウムガス等の不活性ガスとの混合ガスを用いた反応性イオンエッチングRIE)処理を適用しても良い。

0013

なお、レジストの代わりにメタルマスクを用いても良い。メタルマスクを用いてエッチング処理を行う場合、ドライエッチング処理が行われる。

0014

エッチング処理後に、レジストが除去されて、パターンを有する陽極層2が得られる(図1(d))。続いて、この陽極層2に対して、表面処理が施される。表面処理は、陽極層に対して加熱処理、UV/オゾン処理、エキシマ処理のうち少なくとも1つの処理と、プラズマ処理とを施すことによって行われる。

0015

加熱処理は、陽極層表面を100℃以上の温度で加熱することによって行われる。加熱方法は、例えば、抵抗加熱法誘導加熱法誘電加熱法、マイクロ波加熱法が使用できる。抵抗加熱法は電流を通ずる電気導体による熱の発生を利用する方法であり、ヒータホットプレート)などの加熱手段が使用できる。誘導加熱法は、周波数が数kHz乃至数MHzである交流電源に接続されたコイルからの誘導電流による物質温度上昇を利用する方法である。誘電加熱法は、電気絶縁物の物質を数MHz乃至数10MHz(例えば13.56MHz、27.12MHz、40.68MHz)などの交流電界中においたときにその電気損失誘電損)による物質の温度上昇を利用する方法である。マイクロ波加熱法は、誘電体物質の内部に侵入したマイクロ波(数100MHz乃至数100GHz(例えば2.45GHz、28GHz))の電場によって分子振動が生じて当該振動摩擦による誘電体発熱を利用する方法である。当該加熱により、陽極に内在する水分(含有水分)が除去される。

0016

なお、抵抗加熱法に比べて誘導加熱法、誘電加熱法およびマイクロ波加熱法を利用することが好ましい。これは、抵抗加熱法が電気導体に電流を通ずことによって発生した熱を輻射などによって基板に伝達せしめて加熱する間接加熱法であり、一方誘導加熱法、誘電加熱法およびマイクロ波加熱法は基板および/または陽極層自体が発熱する直接加熱法であることによる。すなわち、間接加熱法に比べて直接加熱法の方が材料の熱伝導に依存せずに短時間で均一な加熱ができて、熱の利用効率が良いのである。なお、加熱処理中に、陽極層の表面に大気中の汚染物質が再付着することを回避するために、減圧下で加熱処理を行うことが好ましい。

0017

UV/オゾン処理は、酸素が存在する下で紫外光を基板に照射することによって行われる。詳細には、例えば、減圧チャンバ内に基板を配した後に該減圧チャンバ内の空気を排気し、更に酸素ガスを供給して基板に紫外光を照射することによって、UV/オゾン処理が実施される。なお、UV/オゾン処理は大気中で行われても良い。紫外光源は、例えば、150nm以上350nm以下の波長を有する紫外光を出射できる水銀ランプ及び重水素ランプが使用できる。紫外光を基板に照射すると、該紫外光により酸素が分解されてオゾンおよび活性酸素が発生し、該オゾン及び活性酸素が陽極層上の有機物等の汚染物質と反応する。該反応によって汚染物質が除去される。また、該オゾン及び活性酸素が陽極材料と反応して、陽極層が酸化されるなどの陽極層の改質も行われる。かかる酸化によって、陽極層のイオン化ポテンシャルが上昇する。

0018

エキシマ処理は、酸素の存在下でエキシマランプからの光を基板に照射することによって行われる。詳細には、例えば、減圧チャンバ内に基板を配した後に該減圧チャンバ内の空気を排気し、酸素ガスを供給した後にエキシマ光を基板に照射することによって、エキシマ処理が実施される。なお、エキシマ処理は大気中で行われても良い。エキシマランプは、例えば誘電体バリア放電を利用したエキシマランプが使用できる。エキシマランプから出射される光は、310nm以下の波長を有することが好ましい。放電ガスは、例えばKrCl、Xe、XeClが使用できる。特にXeガスを用いたエキシマランプは、172nmに発光中心波長を有する光を発し、該波長の光がオゾンを発生せしめる。したがって、Xeガスを有するエキシマランプを使用することが好ましい。

0019

エキシマランプからの光を基板に照射すると、該光により酸素が分解されてオゾンおよび活性酸素が発生し、該オゾン及び活性酸素が陽極層上の有機物等の汚染物質と反応する。該反応によって汚染物質が除去される。また、該オゾン及び活性酸素が陽極材料と反応して、陽極層が酸化されるなどの陽極層の改質も行われる。かかる酸化によって、陽極層のイオン化ポテンシャルが上昇する。

0020

プラズマ処理は、例えば平行平板型プラズマ装置において実施される酸素プラズマ処理である。酸素プラズマ処理は、窒素アルゴンヘリウムネオンキセノンの何れかと酸素との混合ガス、又はハロゲンガスを含む酸素との混合ガスを雰囲気ガスとして用いて、この雰囲気ガス内にてプラズマ放電を生ぜしめる処理である。具体的には、例えば、基板が配されかつ減圧状態になっているチャンバ内に上記の如き混合ガスが導入され、該チャンバ内に高周波電圧が印加される。その結果、酸素プラズマが発生し、該酸素プラズマが陽極層上の有機物質等の汚染物質と反応し、該汚染物質が除去される。また、該酸素プラズマは陽極層とも反応し、陽極層が改質される。

0021

なお、表面処理は、例えば、加熱処理とプラズマ処理、UV/オゾン処理とプラズマ処理、またはエキシマ処理とプラズマ処理の組合わせからなることとしても良い。また、陽極表面処理は、熱処理とUV/オゾン処理とプラズマ処理などの、プラズマ処理を含む3以上の表面処理が組合わされても良い。

0022

また、加熱処理、UV/オゾン処理、エキシマ処理が減圧下で行われた場合、かかる処理の間又はかかる処理とプラズマ処理との間も減圧状態に維持されることが好ましい。大気からの有機物や水分等による汚染を防止できるからである。

0023

上述の如く、表面処理が、加熱処理、UV/オゾン処理、エキシマ処理のうち少なくとも1つの処理と、プラズマ処理とを組合わせた処理とすることにより、陽極表面に付着した汚染物除去効率が向上する。これは、化学的洗浄手段である加熱処理、UV/オゾン処理、エキシマ処理と、物理的な洗浄手段であるプラズマ処理を組合わせることによって、単独で処理した場合に除去できなかった物質が除去できることによる。すなわち、化学的に分解除去できる物質を化学的な洗浄手段で除去し、化学的に除去できない物質を物理的な洗浄手段で除去することによって、陽極層の表面から汚染物質をより効率良く除去できるのである。

0024

また、化学的な洗浄手段と組合わせることによって、プラズマ処理のみを行う場合に比べてプラズマ処理時間を短縮した場合であっても、陽極層の表面を清浄にすることができる。これは、化学的な洗浄手段によって、汚染物質の1部が除去されるからである。プラズマ処理時間を短くすることによって、プラズマ処理中プラズマ中の荷電粒子が陽極層表面に衝突して発生する陽極層の表面荒れの程度を低く抑えることができる。

0025

図1(e)に示す如く、上記の如き表面処理が施された陽極層2上に、例えば、正孔注入層4と、正孔注入層5と、発光層6と、電子注入輸送層7と、が蒸着法等の成膜方法を用いて順次成膜されて、有機機能層8が形成される。なお、有機機能層は、上記の如き4層構造体に限定されない。例えば、有機機能層は、発光層のみからなる単層構造体、正孔輸送層と発光層からなる2層構造体、さらにこれらの適切な層間に電子或いは正孔の注入層輸送層、さらにキャリアブロック層などが挿入されている積層体としても良い。

0026

有機機能層8が形成された後に蒸着法等の成膜方法を用いて、仕事関数が小なる導電性物質からなる陰極層9が形成される(図2(a))。陰極層の材料としては、マグネシウム等のアルカリ土類金属リチウム等のアルカリ金属、アルミニウム、インジウム、銀又は各々の合金等が使用できる。陰極層9が形成された積層体は、有機EL素子10となる。

0027

図2(b)に示す如く、有機EL素子10は、水分等の気体が通過できない特性、すなわちガスバリア性を有する封止膜11によって覆われて封止される。封止膜11は、プラズマCVD法等の成膜方法を用いて形成される。封止膜11は、窒化物酸化物及び窒化酸化物等の無機材料からなることとしても良い。例えば、窒化シリコン酸化シリコン若しくは窒化酸化シリコンが封止膜の材料として使用できる。なお、封止膜11の代替として、封止缶が用いられても良い。

0028

上記の如く、表面処理が、加熱処理、UV/オゾン処理、エキシマ処理のうち少なくとも1つの処理と、プラズマ処理とを組合わせて実施されることにより、陽極層表面に付着した汚染物を効率よく除去することができる。換言すれば、化学的洗浄を単独に用いる場合では、化学的に除去できない物質、すなわち活性酸素等に対して分解され難い有機物を除去することは困難であるものの、物理的洗浄を用いることによって陽極表面を洗浄することができる。陽極層の表面が清浄になることによって、陽極層から有機機能層への正孔注入効率が上昇する。また、陽極層上に汚染物質がある場合において有機EL素子を長時間駆動せしめると、電極上の汚染物質と有機機能層材料との化学反応によって発生する有機機能層の劣化、すなわち輝度の低下が発生するものの、上記の如き陽極表面処理を用いることによって該輝度の低下を防止することができる。

0029

変形例として、表面処理においては、陽極層に対して加熱処理、UV/オゾン処理、エキシマ処理のうち少なくとも1つの処理を施した後にプラズマ処理を施すこととしても良い。

0030

例えば、表面処理工程は、加熱処理を行った後にプラズマ処理を行う工程としても良い。化学的に除去できる物質を加熱処理等の化学的洗浄手段により除去した後、陽極材料と化学結合している物質などの化学的に陽極表面から除去できない物質をプラズマ処理で物理的に除去することによって、陽極層表面を清浄にすることができる。
(実施例1)
スパッタ法を用いてガラス基板にITO膜を成膜した後、当該ITO膜上に所定のパターンを有するレジストを設けて、該レジストをマスクとしてドライエッチングを行った。該レジストを除去してITOからなる陽極層を得た後、当該ガラス基板を減圧下(10Pa)において陽極を100℃以上の温度で数10分間加熱して、加熱処理を行った。加熱処理後、減圧状態を維持したまま、陽極が設けられた基板を平行平板型プラズマ処理装置プラズマ処理チャンバ内に配し、該チャンバ内に酸素とアルゴンの混合ガス(O2/Ar)を供給して数10Paの圧力とした。該混合ガスが導入されたチャンバ内に高周波電圧を印加して、酸素プラズマを発生させた。この酸素プラズマを陽極に照射するプラズマ処理を数10分間行った。

0031

プラズマ処理後、当該陽極層上に正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子注入輸送層を順に成膜した。該正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子注入輸送層からなる有機機能層上にアルミニウムからなる陰極層を蒸着せしめて、有機EL素子を形成した。

0032

最後に、プラズマCVD装置を用いて、該有機EL素子を覆うように窒化リコン膜を成膜して、有機EL素子を封止した。
(比較例1)
スパッタ法を用いてガラス基板にITO膜を成膜した後、当該ITO膜上に所定のパターンを有するレジストを設けて、該レジストをマスクとしてドライエッチングを行った。該レジストを除去してITOからなる陽極層を得た後、該陽極層が設けられた基板を平行平板型プラズマ処理装置のプラズマ処理チャンバ内に配し、一旦10Paまで減圧した後、該チャンバ内に酸素とアルゴンの混合ガス(O2/Ar)を供給して数10Paの圧力とした。該混合ガスが導入されたチャンバ内に高周波電圧を印加して、酸素プラズマを発生させた。この酸素プラズマを陽極に照射するプラズマ処理を数10分間行った。

0033

プラズマ処理後は上述の(実施例1)と同一の方法で有機EL素子を形成し、プラズマCVD装置を用いて該有機EL素子を覆うように窒化リコン膜を成膜して、該有機EL素子を封止した。
(比較例2)
スパッタ法を用いてガラス基板にITO膜を成膜した後、当該ITO膜上に所定のパターンを有するレジストを設けて、該レジストをマスクとしてドライエッチングを行った。該レジストを除去してITOからなる陽極層を得た後、該ガラス基板を減圧下(10Pa)において陽極を100℃以上の温度で数10分間加熱して、加熱処理を行った。

0034

加熱処理後は上述の(実施例1)と同一の方法で有機EL素子を形成し、プラズマCVD装置を用いて該有機EL素子を覆うように窒化リコン膜を成膜して、該有機EL素子を封止した。
(評価)
評価は、高温保存の前後における有機EL素子の輝度の変化を用いて行った。ここで高温保存とは、有機EL素子を80℃で数100時間保存することをいう。実施例1において作製した有機EL素子と、比較例1及び2にて作成した有機EL素子について、高温保存前後の輝度を、図3に示す。

0035

図3グラフに示されるように、高温保存前において、実施例1の有機EL素子は、8Vにおいて1540cd/m2であるのに対して、比較例1の有機EL素子は8Vにおいて1130cd/m2であり、比較例2の有機EL素子は8Vにおいて2180cd/m2であった。すなわち、本発明の製造方法によって、低電圧で高輝度の有機EL素子が得られることが確認された。

0036

また、高温保存前後を比較すると、実施例1の有機EL素子は8Vにおいて、輝度が1540cd/m2から1380cd/m2へ略10%低下した。一方比較例1の有機EL素子は8Vにおいて、輝度が1130cd/m2から530cd/m2へ略53%低下した。また比較例2の有機EL素子は8Vにおいて、輝度が2180cd/m2から980cd/m2へ略55%低下した。かかる結果から、表面処理をプラズマ処理と加熱処理とを組合わせることによって、長時間安定して表示ができる有機EL素子が得られることが確認された。

0037

基板上に陽極層を形成する陽極層形成工程と、該陽極層に対して、加熱処理、UV/オゾン処理、エキシマ処理のうち少なくとも1つの処理とプラズマ処理とからなる表面処理を施す表面処理工程と、該表面処理工程後にエレクトロルミネセンス特性を呈する発光層を含んでいる有機機能層を該陽極層上に形成する有機機能層形成工程と、該有機機能層上に陰極層を形成する陰極層形成工程と、を含むことを特徴とする本発明による有機EL素子の製造方法によれば、化学的洗浄手段である加熱処理、UV/オゾン処理、エキシマ処理と、物理的洗浄手段であるプラズマ処理とを組合わせることによって、陽極層形成後に陽極層表面に付着している汚染物が効果的に除去することができる故、該有機EL素子を長時間駆動場合においても汚染物質による有機機能層の劣化を防止することができる。

図面の簡単な説明

0038

本発明による有機EL素子の製造手順を示す断面図である。
図1による有機EL素子の製造手順の続きを示す断面図である。
本発明による有機EL素子と比較例による有機EL素子の高温保存前後における輝度特性を示すグラフである。

符号の説明

0039

1基板
2陽極層
8有機機能層
9陰極層
10 有機EL素子

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