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技術 ハニカム構造体及びその製造方法、並びに接合材

出願人 日本碍子株式会社
発明者 西野智博
出願日 2003年11月26日 (16年4ヶ月経過) 出願番号 2003-395530
公開日 2005年6月16日 (14年9ヶ月経過) 公開番号 2005-154202
状態 特許登録済
技術分野 排気の固体成分の処理 排気の後処理 濾過材 触媒による排ガス処理 ガス中の分散粒子の濾過 セラミックスの接合 触媒 触媒
主要キーワード 所定数値 含有量差 亀裂発生位置 破断モード 単位断面積当り 接合能 セラミックスファイバ ダイヤモンドツール
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課題

複数個ハニカムセグメントどうしが、これらの接合部においてクラック剥離等の接合不具合を生ずることなく確実に接合されてなるハニカム構造体を提供する。

解決手段

多孔質隔壁2によって区画された流体流路となる複数のセル3を有するセル構造体5と、セル構造体5の外周に配設された多孔質の外壁7とを備えたハニカムセグメント12の複数個が、これらの外壁7どうしが接合材で接合されることにより一体化されてなる、セラミックスからなるハニカム構造体1である。接合材が、コロイダルシリカ、及び/又はコロイダルアルミナを含んでなるとともに、乾燥して外壁に接合層8を形成してなり、外壁7どうしが接合層8を介して接合されてなるものである。

概要

背景

内燃機関ボイラー化学反応機器、及び燃料電池用改質器等の触媒作用を利用する触媒用担体、又は排ガス中の微粒子、特にディーゼル微粒子捕集フィルタ(以下、DPFという)等に、セラミックスからなるハニカム構造体が用いられている。

このような目的で使用されるハニカム構造体は、一般に、図2(a)及び図2(b)に示すように、多孔質隔壁24によって区画された流体流路となる複数のセル23を有し、端面が市松模様状を呈するように、隣接するセル23が互いに反対側となる一方の端部で封止された構造を有する。このような構造を有するハニカム構造体21において、被処理流体流入孔側端面25が封止されていないセル23、即ち流出孔側端面26で端部が封止されているセル23に流入し、多孔質の隔壁24を通って隣のセル23、即ち、流入孔側端面25で端部が封止され、流出孔側端面26が封止されていないセル23から排出される。この際、隔壁24がフィルタとなり、例えば、DPFとして使用した場合には、ディーゼルエンジンから排出されるスートスス)等が隔壁24に捕捉され隔壁24上に堆積する。

このように使用されるハニカム構造体21は、排気ガスの急激な温度変化局所的な発熱によってハニカム構造21内の温度分布が不均一となり、ハニカム構造体21にクラックを生ずる等の問題があった。特に、DPFとして使用する場合には、溜まったカーボン微粒子燃焼させて除去し再生することが必要であり、この際に局所的な高温化がおこり、再生温度不均一化による再生効率の低下及び大きな熱応力によるクラックが発生し易いという問題があった。

このため、ハニカム構造体を複数に分割したセグメント接合材により接合する方法が提案されており、具体的には、多数のハニカム体を不連続な接合材で接合するハニカム構造体の製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。

また、セラミックス材料よりなるハニカム構造のマトリックスセグメントを押出し成形し、焼成後その外周部を加工して平滑にした後、その接合部に焼成後の鉱物組成がマトリックスセグメントと実質的に同じで、かつ熱膨張率の差が800℃において0.1%以下となるセラミックス接合材を塗布し、焼成する耐熱衝撃性回転蓄熱式が提案されている(例えば、特許文献2参照)。

更に、コージェライトハニカムセグメントを、同じくコージェライトセメントで接合したセラミックスハニカム構造体が開示されている(例えば、非特許文献1参照)。

このようなハニカムセグメントを接合材を用いて一体化してなるハニカム構造体において、ハニカムセグメントどうし接合強度を確保することは重要な課題であるが、接合層とハニカムセグメントとの熱膨張率や焼成による収縮率の差等に起因して接合層にヒビが入ったり、接合層自体が剥離したりする等の接合欠陥が生ずる場合があった。特に、大型、具体的にはその流路(セル)長が50mm以上のハニカム構造体の場合、接合層とハニカムセグメントとの熱膨張量や焼成による収縮量等の差が顕著に増大するため、大型でありながらも、その接合層(接合部)に何ら接合欠陥の生じていないハニカム構造体を得ることは困難であるという問題があった。
米国特許第4335783号公報
特公昭61−51240号公報
AE論文860008(1986年)

概要

複数個のハニカムセグメントどうしが、これらの接合部においてクラックや剥離等の接合不具合を生ずることなく確実に接合されてなるハニカム構造体を提供する。多孔質の隔壁2によって区画された流体の流路となる複数のセル3を有するセル構造体5と、セル構造体5の外周に配設された多孔質の外壁7とを備えたハニカムセグメント12の複数個が、これらの外壁7どうしが接合材で接合されることにより一体化されてなる、セラミックスからなるハニカム構造体1である。接合材が、コロイダルシリカ、及び/又はコロイダルアルミナを含んでなるとともに、乾燥して外壁に接合層8を形成してなり、外壁7どうしが接合層8を介して接合されてなるものである。

目的

本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数個のハニカムセグメントどうしが、これらの接合部においてクラックや剥離等の接合不具合を生ずることなく確実に接合されてなるハニカム構造体、及びこのような特性を有するハニカム構造体の製造方法、並びに、接合部においてクラックや剥離等の接合不具合を生ずることなく被接合体を接合することが可能な接合材を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
11件
牽制数
8件

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請求項1

多孔質隔壁によって区画された流体流路となる複数のセルを有するセル構造体と、前記セル構造体の外周に配設された多孔質の外壁とを備えたハニカムセグメント複数個が、これらの前記外壁どうし接合材接合されることにより一体化されてなる、セラミックスからなるハニカム構造体であって、前記接合材が、コロイダルシリカ、及び/又はコロイダルアルミナを含んでなるとともに、乾燥して前記外壁に接合層を形成してなり、前記外壁どうしが前記接合層を介して接合されてなるハニカム構造体。

請求項2

前記セルの流路方向と直交する平面で切断したときの断面における最大径が、300mm以上である請求項1に記載のハニカム構造体。

請求項3

各々の前記ハニカムセグメントの前記外壁における、前記接合層が形成された部分の面積が、2500mm2以上である請求項1又は2に記載のハニカム構造体。

請求項4

隣接する二以上の前記ハニカムセグメントの熱膨張率の値が異なる請求項1〜3のいずれか一項に記載のハニカム構造体。

請求項5

前記接合材が、タップかさ密度が1.3g/cm3以上のセラミックス粉末を更に含んでなる請求項1〜4のいずれか一項に記載のハニカム構造体。

請求項6

前記接合材が、平均粒子径が20〜28μmでありかつ粒子径が44μm以上である粉末成分粉末全体に対する含有割合が80質量%以下であるセラミックス粉末、を更に含んでなる請求項1〜5のいずれか一項に記載のハニカム構造体。

請求項7

前記セラミックス粉末が、コージェライト炭化珪素、及びアルミナからなる群より選択される少なくとも一種からなる粉末である請求項5又は6に記載のハニカム構造体。

請求項8

前記ハニカムセグメントの主結晶相が、コージェライト、ムライト、アルミナ、アルミニウムチタネートリチウムアルミニウムシリケート、炭化珪素、及び炭化珪素−金属珪素複合物からなる群より選択される少なくとも一種である請求項1〜7のいずれか一項に記載のハニカム構造体。

請求項9

多孔質の隔壁によって区画された流体の流路となる複数のセルを有するセル構造体と、前記セル構造体の外周に配設された多孔質の外壁とを備えたハニカムセグメントの複数個を、これらの前記外壁どうしを接合材で接合することにより一体化する接合工程を含む、セラミックスからなるハニカム構造体の製造方法であって、前記接合工程において、コロイダルシリカ、及び/又はコロイダルアルミナを含んでなる前記接合材を前記外壁に塗布し、塗布された前記接合材を250℃以下で乾燥して接合層を形成し、前記外壁どうしを前記接合層を介して接合するハニカム構造体の製造方法。

請求項10

前記セルの流路方向と直交する平面で切断したときの断面における最大径が、300mm以上である請求項9に記載のハニカム構造体の製造方法。

請求項11

各々の前記ハニカムセグメントの前記外壁における、前記接合層を形成する部分の面積が、2500mm2以上である請求項9又は10に記載のハニカム構造体の製造方法。

請求項12

隣接する二以上の前記ハニカムセグメントの熱膨張率の値が異なる請求項9〜11のいずれか一項に記載のハニカム構造体の製造方法。

請求項13

前記接合材が、タップかさ密度が1.3g/cm3以上のセラミックス粉末を更に含んでなる請求項9〜12のいずれか一項に記載のハニカム構造体の製造方法。

請求項14

前記接合材が、平均粒子径が20〜28μmでありかつ粒子径が44μm以上である粉末成分の粉末全体に対する含有割合が80質量%以下であるセラミックス粉末、を更に含んでなる請求項9〜13のいずれか一項に記載のハニカム構造体の製造方法。

請求項15

前記セラミックス粉末が、コージェライト、炭化珪素、及びアルミナからなる群より選択される少なくとも一種からなる粉末である請求項13又は14に記載のハニカム構造体の製造方法。

請求項16

前記ハニカムセグメントの主結晶相が、コージェライト、ムライト、アルミナ、アルミニウムチタネート、リチウムアルミニウムシリケート、炭化珪素、窒化珪素、及び炭化珪素−金属珪素複合物からなる群より選択される少なくとも一種である請求項9〜15のいずれか一項に記載のハニカム構造体の製造方法。

請求項17

コロイダルシリカ及び/又はコロイダルアルミナと、タップかさ密度が1.3g/cm3以上であるとともに、平均粒子径が20〜28μmでありかつ粒子径が44μm以下である粉末成分の粉末全体に対する含有割合が80質量%以下であるセラミックス粉末と、を含んでなる接合材。

請求項18

前記セラミックス粉末が、コージェライト、炭化珪素、アルミナからなる群より選択される少なくとも一種からなる粉末である請求項17に記載の接合材。

請求項19

無機繊維を更に含んでなる請求項17又は18に記載の接合材。

請求項20

前記無機繊維が、セラミックスファイバである請求項19に記載の接合材。

請求項21

複数のハニカムセグメントの外壁どうしを接合するために用いられる請求項17〜20のいずれか一項に記載の接合材。

技術分野

0001

本発明は、内燃機関ボイラー化学反応機器及び燃料電池用改質器等の触媒作用を利用する触媒用担体又は排ガス中の微粒子捕集フィルター等に好適に用いることができるハニカム構造体、及びその製造方法、並びに接合材に関し、更に詳しくは、例えば大型でありながらも、複数個ハニカムセグメントどうし接合が確実になされているハニカム構造体、及びその製造方法、並びに当該製造方法に好適に用いることのできる接合材に関する。

背景技術

0002

内燃機関、ボイラー、化学反応機器、及び燃料電池用改質器等の触媒作用を利用する触媒用担体、又は排ガス中の微粒子、特にディーゼル微粒子の捕集フィルタ(以下、DPFという)等に、セラミックスからなるハニカム構造体が用いられている。

0003

このような目的で使用されるハニカム構造体は、一般に、図2(a)及び図2(b)に示すように、多孔質隔壁24によって区画された流体流路となる複数のセル23を有し、端面が市松模様状を呈するように、隣接するセル23が互いに反対側となる一方の端部で封止された構造を有する。このような構造を有するハニカム構造体21において、被処理流体流入孔側端面25が封止されていないセル23、即ち流出孔側端面26で端部が封止されているセル23に流入し、多孔質の隔壁24を通って隣のセル23、即ち、流入孔側端面25で端部が封止され、流出孔側端面26が封止されていないセル23から排出される。この際、隔壁24がフィルタとなり、例えば、DPFとして使用した場合には、ディーゼルエンジンから排出されるスートスス)等が隔壁24に捕捉され隔壁24上に堆積する。

0004

このように使用されるハニカム構造体21は、排気ガスの急激な温度変化局所的な発熱によってハニカム構造21内の温度分布が不均一となり、ハニカム構造体21にクラックを生ずる等の問題があった。特に、DPFとして使用する場合には、溜まったカーボン微粒子燃焼させて除去し再生することが必要であり、この際に局所的な高温化がおこり、再生温度不均一化による再生効率の低下及び大きな熱応力によるクラックが発生し易いという問題があった。

0005

このため、ハニカム構造体を複数に分割したセグメントを接合材により接合する方法が提案されており、具体的には、多数のハニカム体を不連続な接合材で接合するハニカム構造体の製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。

0006

また、セラミックス材料よりなるハニカム構造のマトリックスセグメントを押出し成形し、焼成後その外周部を加工して平滑にした後、その接合部に焼成後の鉱物組成がマトリックスセグメントと実質的に同じで、かつ熱膨張率の差が800℃において0.1%以下となるセラミックス接合材を塗布し、焼成する耐熱衝撃性回転蓄熱式が提案されている(例えば、特許文献2参照)。

0007

更に、コージェライトハニカムセグメントを、同じくコージェライトセメントで接合したセラミックスハニカム構造体が開示されている(例えば、非特許文献1参照)。

0008

このようなハニカムセグメントを接合材を用いて一体化してなるハニカム構造体において、ハニカムセグメントどうしの接合強度を確保することは重要な課題であるが、接合層とハニカムセグメントとの熱膨張率や焼成による収縮率の差等に起因して接合層にヒビが入ったり、接合層自体が剥離したりする等の接合欠陥が生ずる場合があった。特に、大型、具体的にはその流路(セル)長が50mm以上のハニカム構造体の場合、接合層とハニカムセグメントとの熱膨張量や焼成による収縮量等の差が顕著に増大するため、大型でありながらも、その接合層(接合部)に何ら接合欠陥の生じていないハニカム構造体を得ることは困難であるという問題があった。
米国特許第4335783号公報
特公昭61−51240号公報
AE論文860008(1986年)

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数個のハニカムセグメントどうしが、これらの接合部においてクラックや剥離等の接合不具合を生ずることなく確実に接合されてなるハニカム構造体、及びこのような特性を有するハニカム構造体の製造方法、並びに、接合部においてクラックや剥離等の接合不具合を生ずることなく被接合体を接合することが可能な接合材を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

即ち、本発明によれば、多孔質の隔壁によって区画された流体の流路となる複数のセルを有するセル構造体と、前記セル構造体の外周に配設された多孔質の外壁とを備えたハニカムセグメントの複数個が、これらの前記外壁どうしが接合材で接合されることにより一体化されてなる、セラミックスからなるハニカム構造体であって、前記接合材が、コロイダルシリカ、及び/又はコロイダルアルミナを含んでなるとともに、乾燥して前記外壁に接合層を形成してなり、前記外壁どうしが前記接合層を介して接合されてなるハニカム構造体(第一の発明)が提供される。

0011

本発明(第一の発明)においては、セルの流路方向と直交する平面で切断したときの断面における最大径が、300mm以上であることが好ましく、各々のハニカムセグメントの外壁における、接合層が形成された部分の面積が、2500mm2以上であることが好ましい。また、本発明(第一の発明)においては、隣接する二以上のハニカムセグメントの熱膨張率の値が異なることが好ましい。

0012

本発明(第一の発明)においては、接合材が、タップかさ密度が1.3g/cm3以上のセラミックス粉末を更に含んでなることが好ましく、また、接合材が、平均粒子径が20〜28μmでありかつ粒子径が44μm以上である粉末成分粉末全体に対する含有割合が80質量%以下であるセラミックス粉末、を更に含んでなることが好ましい。

0013

本発明(第一の発明)においては、セラミックス粉末が、コージェライト、炭化珪素、及びアルミナからなる群より選択される少なくとも一種からなる粉末であることが好ましく、ハニカムセグメントの主結晶相が、コージェライト、ムライト、アルミナ、アルミニウムチタネートリチウムアルミニウムシリケート、炭化珪素、窒化珪素、及び炭化珪素−金属珪素複合物からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。

0014

また、本発明によれば、多孔質の隔壁によって区画された流体の流路となる複数のセルを有するセル構造体と、前記セル構造体の外周に配設された多孔質の外壁とを備えたハニカムセグメントの複数個を、これらの前記外壁どうしを接合材で接合することにより一体化する接合工程を含む、セラミックスからなるハニカム構造体の製造方法であって、前記接合工程において、コロイダルシリカ、及び/又はコロイダルアルミナを含んでなる前記接合材を前記外壁に塗布し、塗布された前記接合材を250℃以下で乾燥して接合層を形成し、前記外壁どうしを前記接合層を介して接合するハニカム構造体の製造方法(第二の発明)が提供される。

0015

本発明(第二の発明)においては、セルの流路方向と直交する平面で切断したときの断面における最大径が、300mm以上であることが好ましく、各々のハニカムセグメントの外壁における、接合層を形成する部分の面積が、2500mm2以上であることが好ましい。本発明(第二の発明)においては、隣接する二以上のハニカムセグメントの熱膨張率の値が異なることが好ましい。

0016

本発明(第二の発明)においては、接合材が、タップかさ密度が1.3g/cm3以上のセラミックス粉末を更に含んでなることが好ましく、また、接合材が、平均粒子径が20〜28μmでありかつ粒子径が44μm以上である粉末成分の粉末全体に対する含有割合が80質量%以下であるセラミックス粉末、を更に含んでなることが好ましい。

0017

本発明(第二の発明)においては、セラミックス粉末が、コージェライト、炭化珪素、及びアルミナからなる群より選択される少なくとも一種からなる粉末であることが好ましく、ハニカムセグメントの主結晶相が、コージェライト、ムライト、アルミナ、アルミニウムチタネート、リチウムアルミニウムシリケート、炭化珪素、窒化珪素、及び炭化珪素−金属珪素複合物からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。

0018

また、本発明によれば、コロイダルシリカ及び/又はコロイダルアルミナと、タップかさ密度が1.3g/cm3以上であるとともに、平均粒子径が20〜28μmでありかつ粒子径が44μm以下である粉末成分の粉末全体に対する含有割合が80質量%以下であるセラミックス粉末と、を含んでなる接合材(第三の発明)が提供される。

0019

本発明(第三の発明)においては、セラミックス粉末が、コージェライト、炭化珪素、アルミナからなる群より選択される少なくとも一種からなる粉末であることが好ましい。本発明(第三の発明)においては、無機繊維を更に含んでなることが好ましく、無機繊維が、セラミックスファイバであることが好ましい。

0020

本発明(第三の発明)の接合材は、複数のハニカムセグメントの外壁どうしを接合するために好適に用いられる。

発明の効果

0021

本発明のセラミックスハニカム構造体(第一の発明)は、所定の成分を含んでなる接合材を乾燥して接合層を形成し、この接合層を介して外壁どうしを接合したものであるため、ハニカムセグメントどうしが接合部においてクラックや剥離等の接合不具合を生ずることなく確実に接合されてなるものであるという効果を奏する。

0022

また、本発明のセラミックスハニカム構造体の製造方法(第二の発明)によれば、接合工程において、所定の成分を含んでなる接合材をハニカムセグメントの外壁に塗布し、これを実質的に焼成しない温度で乾燥して接合層を形成し、外壁どうしをこの接合層を介して接合するため、接合部においてクラックや剥離等の接合不具合を生ずることなく、ハニカムセグメントどうしを確実に接合することができるという効果を奏する。

0023

本発明の接合材(第三の発明)は、コロイダルシリカ及び/又はコロイダルアルミナと、タップかさ密度が1.3g/cm3以上であるとともに、平均粒子径が20〜28μmでありかつ粒子径が44μm以下である粉末成分の粉末全体に対する含有割合が80質量%以下であるセラミックス粉末と、を含んでなるものであるため、接合部においてクラックや剥離等の接合不具合を生ずることなく被接合体を接合することが可能であるという効果を奏する。

発明を実施するための最良の形態

0024

以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜、設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。

0025

図1は、本発明のハニカム構造体(第一の発明)の一実施形態を説明する図面であり、図1(a)はハニカムセグメントの斜視図、図1(b)はハニカム構造体の斜視図、図1(c)はハニカム構造体を上面図を示す。本実施形態のハニカム構造体1は、多孔質の隔壁2によって区画された流体の流路となる複数のセル3を有するセル構造体5と、セル構造体5の外周に配設された多孔質の外壁7とを備えたハニカムセグメント12の複数個が、これらの外壁7どうしが接合材で接合されることにより一体化されてなるものであり、接合材が、コロイダルシリカ、及び/又はコロイダルアルミナを含んでなるとともに、乾燥して外壁7に接合層8を形成してなり、外壁7どうしが接合層8を介して接合されてなるものである。

0026

本実施形態のハニカム構造体1を製造するために用いられる接合材は、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナの少なくともいずれかを含んでなるものであり、この接合材を用いて複数のハニカムセグメント12の外壁7どうしが接合されるに際しては、外壁7に塗布された接合材が乾燥されることにより接合層8が形成される。ここで、本発明(第一〜第三の発明)にいう、接合材を「乾燥する」とは、接合材に含まれる成分が溶融等することのない温度、即ち、実質的に焼成しない温度で液体成分を蒸発させて固化ゲル化)させることを意味する。即ち、本実施形態のハニカム構造体1は、接合材が焼成されることなく、乾燥するのみで接合層が形成されてハニカムセグメント12の外壁7どうしが接合されてなるものであるため、接合層8とハニカムセグメント12との熱膨張率や収縮率の差等に起因して接合層8にヒビが入ったり、接合層8自体が剥離したりする等の接合欠陥が生じ難いものである。

0027

また、本実施形態のハニカム構造体1は、接合材が焼成されることなく、乾燥するのみで接合層が形成されてハニカムセグメント12の外壁7どうしが接合されるため、特に大型のハニカム構造体である場合に、接合欠陥が生じ難いといった効果が顕著に発揮される。即ち、第一の発明においては、セルの流路方向と直交する平面で切断したときの断面における最大径が、300mm以上であることが好ましく、330mm以上であることが更に好ましく、350mm以上であることが特に好ましい。なお、第一の発明においては、前記最大径の上限値については特に限定されないが、実質的な製造可能性等の観点からは500mm以下であればよい。

0028

なお、第一の発明において、「セルの流路方向と直交する平面で切断したときの断面における最大径」とは、ハニカム構造体をセルの流路方向と直交する平面で切断したときの断面の中で(流路に沿って形成される任意の断面の中で)、その値が最大になるような断面のその径(最大径)をいう。断面形状が円の場合は円の直径、断面形状が楕円長円の場合は長軸の長さ、断面形状が多角形の場合は最も長い対角線の長さ、断面形状がその他不定形の場合は断面形状の外周上の2点をとったときに、最も長くなる2点間の距離である。

0029

また、第一の発明においては、各々のハニカムセグメントの外壁における、接合層が形成された部分の面積が、2500mm2以上であることが好ましく、10000mm2以上であることが更に好ましく、15000mm2以上であることが特に好ましい。なお、第一の発明においては、各々のハニカムセグメントの外壁における、接合層が形成された部分の面積の上限値については特に限定されないが、実質的な製造可能性等の観点からは90000mm2以下であればよい。

0030

また、第一の発明においては、隣接する二以上のハニカムセグメントの熱膨張率の値が異なることが好ましい。即ち、第一の発明のハニカム構造体は、接合材を焼成することなく、乾燥するのみで接合層が形成されてハニカムセグメントの外壁どうしが接合されてなるものであるため、熱膨張率の相違する材料からなるハニカムセグメントどうしを接合してなる場合であっても、形成された接合層にヒビが入ったり、接合層自体が剥離したりする等の接合欠陥が生じ難いものである。

0031

第一の発明においては、接合材が、タップかさ密度が1.3g/cm3以上のセラミックス粉末を更に含んでなることが好ましい。多孔質の外壁に、このようなセラミックス粉末を更に含んでなる接合材が塗布されると、接合材が外壁に接触して、まず塗工層が形成される。この塗工層が形成された直後、これに含まれる液体(水分)の一部が多孔質の外壁に吸収されるが、それに伴って塗工層に含まれるセラミックス粉末のうちの微細な成分(微粒子)により、塗工層に接した外壁表面の極近傍に、薄い緻密層が形成される。

0032

形成された緻密層は、外壁への更なる水分の吸収を抑制するため、接合材により形成された塗工層内の急激な水分移動が抑制され、塗布された接合材により形成された塗工層内の各部位で液体(水分)含有量差が発生し難くなる。また、形成された緻密層が、外壁による液体(水分)の吸収を抑制するため、接合材の粘度の急激な上昇に伴う塗工性の悪化を抑え、良好な塗工性を保った状態で接合材が塗布されている。この結果、その後の乾燥工程における塗工層内の各部位での収縮差が生じ難くなり、塗工層が乾燥して形成された接合層にクラックや剥離等が生じ難くなる。従って、この接合材を用いた第一の発明のハニカム構造体は、接合部におけるクラックや剥離等の接合不具合が更に生じ難いものである。

0033

なお、セラミックス粉末のタップかさ密度が1.3g/cm3未満であると、セラミックス粉末を更に含ませることにより得られる効果が十分に発揮され難くなるため、接合部におけるクラックや剥離等の接合不具合の発生がより効果的に抑制されるといった観点からは、セラミックス粉末のタップかさ密度は1.34g/cm3以上であることが好ましく、1.39g/cm3以上であることが更に好ましい。なお、タップかさ密度の上限値については特に限定されないが、実質的な取扱い性等を考慮すると1.50g/cm3以下であることが好ましい。ここで、本発明(第一〜第三の発明)にいう「タップかさ密度」の値は、JIS R 1628−1997「ファインセラミックス粉末のかさ密度測定方法」の定容積測定法に従って測定して得た値をいう。

0034

また、接合材に含まれる、タップかさ密度が所定数値以上のセラミックス粉末の量は、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることが更に好ましく、65質量%以上であることが特に好ましい。50質量%未満であると、セラミックス粉末を更に含ませることにより得られる効果が十分に発揮され難くなるからである。なお、接合材に含まれる、タップかさ密度が所定数値以上のセラミックス粉末の量の上限値については特に限定されないが、80質量%超であると、接合時の圧着性が低下してしまうために好ましくない。

0035

また、第一の発明においては、接合材が、平均粒子径が20〜28μmでありかつ粒子径が44μm以上である粉末成分の粉末全体に対する含有割合(以下、「小粒径粉末成分割合」と記す)が80質量%以下であるセラミックス粉末、を更に含んでなることが好ましく、平均粒子径が21〜27μmでありかつ小粒径粉末成分割合が80質量%以下であるセラミックス粉末、を更に含んでなることが更に好ましく、平均粒子径が22〜27μmでありかつ小粒径粉末成分割合が78質量%以下であるセラミックス粉末、を更に含んでなることが特に好ましい。このようなセラミックス粉末が、接合材に更に含まれることにより、この接合材が塗布された外壁への水分の吸収が更に効果的に抑制され、その後の乾燥工程における塗工層内の各部位での収縮差が更に生じ難くなり、塗工層が乾燥して形成された接合層にクラックや剥離等が生じ難くなる。従って、この接合材を用いた第一の発明のハニカム構造体は、接合部におけるクラックや剥離等の接合不具合が更に生じ難いものである。

0036

セラミックス粉末の平均粒子径が20μm未満であると、接合材の粘性が高くなり塗工性が悪化したり、接合材の粘性を低下させるために水分量を多くする必要が生じたりするために好ましくなく、28μm超であると、接合材乾燥後に、接合層に「」が発生し易くなるために好ましくない。「巣」とは、水分飛散後に気孔の状態で残る部分をいい、セラミックス粉末の粒子が粗いと乾燥収縮時にセラミックス粉末の流動性が悪くなり、「巣」の発生の要因となるものと考えられる。なお、この「巣」が多数発生すると接合強度の低下につながるために好ましくない。また、小粒径粉末成分割合が80質量%超であると、接合部におけるクラックや剥離等の接合不具合が生じ易くなるために好ましくない。なお、小粒径粉末成分割合の下限値については特に限定されないが、概ね50質量%以上であることが好ましい。ここで、本発明(第一〜第三の発明)にいう「平均粒子径が20〜28μmでありかつ粒子径が44μm以上である粉末成分の粉末全体に対する含有割合(小粒径粉末成分割合)」の値は、JIS R 1629−1997「ファインセラミックス原料レーザ回折散乱法による粒子径分布測定方法」に従って測定して得た値をいう。

0037

第一の発明において用いられるセラミックス粉末としては、コージェライト、炭化珪素、窒化珪素、アルミナ、ムライト、ジルコニア燐酸ジルコニウム、アルミニウムチタネート、若しくはチタニア等のセラミックスからなる粉末、又はこれらの2種以上を組み合わせてなる粉末を挙げることができ、接合材が塗布されるハニカムセグメントの材質(セラミックスの種類)に合わせて適宜選択することで接合材の親和性を向上させることができるが、特に、コージェライトからなる粉末(コージェライト粉末)が好適に用いられる。コージェライト粉末は熱膨張係数が小さいため、耐熱衝撃性や機械的強度に優れた接合層を形成することができるために好ましい。

0038

第一の発明において、ハニカムセグメントの主結晶相は、強度、耐熱性等の観点からコージェライト、ムライト、アルミナ、アルミニウムチタネート、リチウムアルミニウムシリケート、炭化珪素、窒化珪素、及び炭化珪素−金属珪素複合物からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましいが、第一の発明のハニカム構造体をDPFに用いる場合には、耐熱性が高いという点で、炭化珪素、又は炭化珪素−金属珪素系複合物を主結晶相とすることが特に好ましく、また、熱膨張係数が低く、良好な耐熱衝撃性を示すことからコージェライトを主結晶相とすることも特に好ましい。ここで、「主結晶相」とは、ハニカムセグメントを形成する成分における結晶相中の50質量%以上、好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上を構成する結晶相を意味する。また、第一の発明において、ハニカムセグメントが金属珪素(Si)と炭化珪素(SiC)とからなる場合、ハニカムセグメントの(Si)/(Si+SiC)で規定される金属珪素(Si)含有量が少なすぎると金属珪素(Si)添加の効果が得られないため強度が弱く、50質量%を超えると炭化珪素(SiC)の特徴である耐熱性、高熱伝導性の効果が得られない。金属珪素(Si)含有量は、5〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることが更に好ましい。

0039

第一の発明においては、接合層の厚さに特に制限はないが、厚すぎると排気ガス通過時の圧力損失が大きくなりすぎ、薄すぎると接合材が十分な接合能を発揮し得なくなるために好ましくない。接合層の好ましい厚さの範囲は、0.1〜3.0mmである。

0040

第一の発明において、ハニカムセグメントのセル密度(流路と直交する単位断面積当りのセルの数)は、特に制限はないが、セル密度が小さすぎると、幾何学的表面積不足し、大きすぎると圧力損失が大きくなりすぎて好ましくない。セル密度は、0.9〜310セル/cm2(6〜2000セル/平方インチ)であることが好ましい。また、セルの断面(流路と直交する断面)形状にも特に制限はなく、三角形四角形、及び六角形等の多角形、円形楕円形、又はコルゲート等のあらゆる形状とすることができるが、製作上の観点から、三角形、四角形、又は六角形であることが好ましい。また、隔壁の厚さにも特に制限はなが、隔壁の厚さが薄すぎるとハニカムセグメントとしての強度が不足し、厚すぎると圧力損失が大きくなりすぎて好ましくない。隔壁の厚さは、50〜2000μmの範囲であることが好ましい。

0041

また、ハニカムセグメントの形状にも特に制限はなく、あらゆる形状とすることができる。例えば、図1(a)に示すような四角柱基本形状として、これを図1(b)に示すように接合一体化させるとともに、ハニカム構造体1の最外周面を構成するハニカムセグメント12の形状を、ハニカム構造体1の外周形状に合わせることが好ましい。また、各ハニカムセグメントの、流路と直交する断面の形状を扇形状とすることもできる。

0042

また、ハニカム構造体の、流路と直交する断面の形状に特に制限はなく、真円形、楕円形、長円形等の円形や、三角形、四角形、五角形等の多角形、又は無定形等のあらゆる形状とすることができる。更に、第一の発明のハニカム構造体を、内燃機関、ボイラー、化学反応機器、燃料電池用改質器等に組み込まれる触媒担体として用いる場合には、ハニカム構造体に触媒能を有する金属を担持することも好ましい。触媒能を有する金属の代表的なものとしては、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rd)等を挙げることができ、これらのうちの少なくとも一種をハニカム構造体に担持することが好ましい。

0043

一方、第一の発明のハニカム構造体を、DPF等の、排気ガス中に含まれる粒子状物質を捕集除去するためのフィルタとして用いる場合、所定のセルの開口部が一の端面において目封じされ、残余のセルの開口部が他の端面において目封じされており、端面が市松模様状を呈するように、隣接するセルが互いに反対側となる一方の端部で目封じされていることが好ましい。このように目封じされていることにより、例えば、ハニカム構造体の一の端面側から流入した、粒子状物質を含む排気ガスは隔壁を通って他の端面側から流出するが、排気ガスが隔壁を通る際に多孔質の隔壁がフィルタの役目をはたし、粒子状部質を捕集することができる。なお、捕集された粒子状物質が隔壁上に堆積してくると圧力損失が上昇するためにエンジンに負担がかかり、燃費ドライバビリティが低下するので、定期的にヒーター等の加熱手段によって粒子状物質を燃焼除去し、フィルタ機能を再生させるようにする。この再生時における燃焼を促進させるため、ハニカム構造体に、触媒能を有する前述の金属を担持してもよい。

0044

次に、本発明のハニカム構造体の製造方法(第二の発明)について説明する。第二の発明のハニカム構造体の製造方法は、図1(a)〜図1(c)に示すように、多孔質の隔壁2によって区画された流体の流路となる複数のセル3を有するセル構造体5と、セル構造体5の外周に配設された多孔質の外壁7とを備えたハニカムセグメント12の複数個を、これらの外壁7どうしを接合材で接合することにより一体化する接合工程を含む、セラミックスからなるハニカム構造体1の製造方法であり、前述の接合工程において、コロイダルシリカ、及び/又はコロイダルアルミナを含んでなる接合材を外壁7に塗布し、塗布された接合材を250℃以下で乾燥して接合層8を形成し、外壁7どうしを接合層8を介して接合する。以下、その詳細について説明する。

0045

第二の発明においては、ハニカムセグメントを製造する方法については特に制限はなく、一般的にハニカム構造を有するもの(ハニカム体)を製造する方法を採用することができるが、例えば以下に示す工程により製造することができる。

0046

原料として、例えば、炭化珪素や、炭化珪素−金属珪素複合物を形成するための炭化珪素粉及び金属珪素粉、その他のセラミックス原料に、メチルセルロースヒドロキシプロポキシメチルセルロース等のバインダー界面活性剤、水等を添加し、これを混練して可塑性坏土を形成する。次に、得られた坏土を成形工程において押出成形することにより、隔壁によって区画された流体の流路となる複数のセルを有するハニカム形状成形体成形する。押出成形にはプランジャ型の押出機二軸スクリュー型の連続押出機などを用いることができる。二軸スクリュー型の連続押出機を用いると、坏土化工程と成形工程を連続的に行うことができる。得られたハニカム成形体30を、例えばマイクロ波誘電及び/又は熱風等で乾燥した後、焼成して、図3(a)に示すようなハニカム焼成体30を得ることができる。

0047

得られたハニカム焼成体を、所定形状のハニカムセグメントとなるように、必要に応じて形状加工する。例えば、図3(a)に示すような円筒状のハニカム焼成体30の外周部をバンドソーメタルソー等の手段を用いて加工することにより、図3(b)に示すような、接合面32を有する四角柱状のハニカムセグメント12を得ることができる。

0048

第二の発明では、得られたハニカムセグメントを、接合工程において接合してハニカム構造体を形成する。この接合工程においては、図3(c)に示すように、ハニカムセグメント12どうしの接合されるべき外壁(接合面32)の一方、好ましくは両方に、所定の接合材を塗布する。塗布する接合材は、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナの少なくともいずれかを含んでなるものであり、更に、メチルセルロース、ヒドロキシプロポキシメチルセルロース等の有機バインダー等を含んでもよい。また、接合材を塗布する方法に特に制限はなく、例えばスプレー法ハケ等により塗布する方法、ディッピング法等を採用することができる。

0049

なお、ハニカムセグメントの外壁(接合面)に接合材を塗布するに際しては、図3(c)に示すように、ハニカムセグメント12のセル開口端面33に接合材が付着することを防止すべく、所定サイズのマスキングテープ34をセル開口端面33の一部に貼着することが好ましい。塗布する接合材の平均厚みは、1〜5mmとすればよい。

0050

なお、形成される接合層に巣が発生すること等を回避すべく、ハニカムセグメント12どうしを揺動させながら適度な圧力をかけて接合する(図3(c))。ここで、最終的な接合材の平均厚みを1〜3mmとすることが、十分な接着力を発揮させるとともに接合材の収縮応力を軽減させる観点から好ましい。なお、接合面32から溢れ出した余剰の接合材35は拭い取る等して除去するが、その後の乾燥による接合材の収縮を考慮し、適当な量が残るように余剰の接合材35を除去することが好ましい。

0051

その後、外壁上に塗布された接合材を、実質的に焼成することのない温度、具体的には250℃以下の温度で乾燥して接合層を形成し、外壁どうしを形成された接合層を介して接合する。即ち、第二の発明では、その接合工程において、前述の接合材をハニカムセグメントの外壁に塗布し、この接合材を実質的に焼成することなく、所定の温度以下で乾燥することにより接合層を形成するため、接合層とハニカムセグメントとの熱膨張率や収縮率の差等に起因して接合層にヒビが入ったり、接合層自体が剥離したりする等の接合欠陥が生じ難いといった効果を奏する。

0052

また、接合欠陥の発生をより効果的に回避する等の観点からは、接合層を乾燥する温度は150℃以下であることが好ましく、110℃以下であることが更に好ましい。なお、第二の発明においては乾燥温度の下限値については特に限定されないが、乾燥に要する時間等を案すれば、概ね50℃以上であればよい。また、10時間以上の自然乾燥(10〜50℃)の後、約2時間の熱風乾燥(100〜250℃)を行うことも好ましい。

0053

第二の発明においては、セルの流路方向と直交する平面で切断したときの断面における最大径が、300mm以上であることが好ましく、330mm以上であることが更に好ましく、350mm以上であることが特に好ましい。また、第二の発明においては、各々のハニカムセグメントの外壁における、接合層が形成された部分の面積が、2500mm2以上であることが好ましく、10000mm2以上であることが更に好ましく、15000mm2以上であることが特に好ましい。即ち、特に大型のハニカム構造体を製造する場合において、接合欠陥が生じ難いといった効果が顕著に発揮される。なお、前記最大径の上限値については特に限定されないが、実質的な製造可能性等の観点からは500mm以下であればよい。また、各々のハニカムセグメントの外壁における、接合層が形成された部分の面積の上限値については特に限定されないが、実質的な製造可能性等の観点からは90000mm2以下であればよい。

0054

また、第二の発明においては、隣接する二以上のハニカムセグメントの熱膨張率の値が異なることが好ましい。即ち、第二の発明では、接合材を焼成することなく、乾燥するのみで接合層を形成してハニカムセグメントの外壁どうしを接合するため、熱膨張率の相違する材料からなるハニカムセグメントどうしを接合する場合であっても、形成された接合層にヒビが入ったり、接合層自体が剥離したりする等の接合欠陥を生じさせることなく、十分な機械的強度を有するハニカム構造体を製造することができる。

0055

第二の発明においては、接合材が、タップかさ密度が1.3g/cm3以上のセラミックス粉末を更に含んでなることが好ましい。多孔質の外壁に、このようなセラミックス粉末を更に含んでなる接合材を塗布すると、接合材が外壁に接触して、まず塗工層が形成される。この塗工層が形成された直後、これに含まれる液体(水分)の一部が多孔質の外壁に吸収されるが、それに伴って塗工層に含まれるセラミックス粉末のうちの微細な成分(微粒子)により、塗工層に接した外壁表面の極近傍に、薄い緻密層が形成される。

0056

形成された緻密層は、外壁への更なる水分の吸収を抑制するため、接合材により形成された塗工層内の急激な水分移動が抑制され、塗布された接合材により形成された塗工層内の各部位で液体(水分)含有量差が発生し難くなる。また、形成された緻密層が、外壁による液体(水分)の吸収を抑制するため、接合材の粘度の急激な上昇に伴う塗工性の悪化を抑え、良好な塗工性を保った状態で接合材を塗布することができる。この結果、その後の乾燥工程における塗工層内の各部位での収縮差が生じ難くなり、塗工層が乾燥して形成された接合層にクラックや剥離等が生じ難くなる。従って、この接合材を用いると、接合部におけるクラックや剥離等の接合不具合が更に生じ難いハニカム構造体を製造することができる。

0057

なお、セラミックス粉末のタップかさ密度が1.3g/cm3未満であると、セラミックス粉末を更に含ませることにより得られる効果が十分に発揮され難くなるため、接合部におけるクラックや剥離等の接合不具合の発生がより効果的に抑制されるといった観点からは、セラミックス粉末のタップかさ密度は1.34g/cm3以上であることが好ましく、1.39g/cm3以上であることが更に好ましい。なお、タップかさ密度の上限値については特に限定されないが、実質的な取扱い性等を考慮すると1.50g/cm3以下であることが好ましい。

0058

また、接合材に含まれる、タップかさ密度が所定数値以上のセラミックス粉末の量は、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることが更に好ましく、65質量%以上であることが特に好ましい。50質量%未満であると、セラミックス粉末を更に含ませることにより得られる効果が十分に発揮され難くなるからである。なお、接合材に含まれる、タップかさ密度が所定数値以上のセラミックス粉末の量の上限値については特に限定されないが、80質量%超であると、接合時の圧着性が低下してしまうために好ましくない。

0059

また、第二の発明においては、接合材が、平均粒子径が20〜28μmでありかつ小粒径粉末成分割合が80質量%以下であるセラミックス粉末を更に含んでなることが好ましく、平均粒子径が21〜27μmでありかつ小粒径粉末成分割合が80質量%以下であるセラミックス粉末を更に含んでなることが更に好ましく、平均粒子径が22〜27μmでありかつ小粒径粉末成分割合が78質量%以下であるセラミックス粉末を更に含んでなることが特に好ましい。このようなセラミックス粉末を含んでなる接合材を外壁に塗布すると、外壁への水分の吸収が更に効果的に抑制され、その後の乾燥工程における塗工層内の各部位での収縮差が更に生じ難くなり、塗工層が乾燥して形成された接合層にクラックや剥離等が生じ難くなる。従って、この接合材を用いると、接合部におけるクラックや剥離等の接合不具合が更に生じ難いハニカム構造体を製造することができる。

0060

セラミックス粉末の平均粒子径が20μm未満であると、接合材の粘性が高くなり塗工性が悪化したり、接合材の粘性を低下させるために水分量を多くする必要が生じたりするために好ましくなく、28μm超であると、接合材乾燥後に、接合層に「巣」が発生し易くなるために好ましくない。また、小粒径粉末成分割合が80質量%超であると、接合部におけるクラックや剥離等の接合不具合が生じ易くなるために好ましくない。なお、小粒径粉末成分割合の下限値については特に限定されないが、概ね50質量%以上であることが好ましい。

0061

第二の発明において、接合材に更に含まれるセラミックス粉末としては、コージェライト、炭化珪素、窒化珪素、アルミナ、ムライト、ジルコニア、燐酸ジルコニウム、アルミニウムチタネート、若しくはチタニア等のセラミックスからなる粉末、又はこれらの2種以上を組み合わせてなる粉末を挙げることができ、接合材が塗布されるハニカムセグメントの材質(セラミックスの種類)に合わせて適宜選択することで接合材の親和性を向上させることができるが、特に、コージェライトからなる粉末(コージェライト粉末)が好適に用いられる。コージェライト粉末は熱膨張係数が小さいため、耐熱衝撃性や機械的強度に優れた接合層を形成することができるために好ましい。

0062

また、第二の発明においては、ハニカムセグメントの主結晶相が、コージェライト、ムライト、アルミナ、アルミニウムチタネート、リチウムアルミニウムシリケート、炭化珪素、及び炭化珪素−金属珪素複合物からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましいが、DPFとして用いるハニカム構造体を製造する場合には、耐熱性が高いという点で、炭化珪素、又は炭化珪素−金属珪素系複合物を主結晶相とすることが特に好ましく、また、熱膨張係数が低く、良好な耐熱衝撃性を示すことからコージェライトを主結晶相とすることも特に好ましい。

0063

なお、第二の発明により製造されたハニカム構造体をフィルタ、特にDPF等に用いる場合には、所定のセルの開口部を一の端面において目封じ材により目封じするとともに、残余のセルの開口部を他の端面において目封じ材により目封じし、端面が市松模様状を呈するように、隣接するセルが互いに反対側となる一方の端部を交互に目封じすることが好ましい。目封じ材による目封じは、目封じをしないセルをマスキングし、スラリー状等の目封じ材をハニカムセグメントの開口端面から所定の深さまで浸漬し、乾燥後焼成することにより行うことができる。用いる目封じ材の材料は、前述のハニカムセグメントの好ましいものとして挙げたセラミックス原料の中から任意に選ぶことができるが、ハニカムセグメントに用いるセラミックス原料と同じセラミックス原料を用いることが好ましい。

0064

また、第二の発明において、ハニカム構造体に触媒を担持させてもよい。この方法は、当業者が通常行う方法でよく、例えば触媒スラリーウォッシュコートして乾燥、焼成することにより触媒を担持させることができる。この工程もハニカムセグメントの成形後であればどの時点で行ってもよい。

0065

なお、ハニカムセグメントを接合して形成したハニカム構造体(接合体)の外周の少なくとも一部を、必要に応じて除去してもよい。具体的には図3(d)に示すように、例えば最外周から2セル分以上のセル3を除去することが好ましく、2〜4セル分のセル3を除去することが更に好ましい。ここで、セルを除去するとは、そのセルを形成する隔壁の少なくとも一部を除去して、隔壁により四方が完全に囲繞されていない状態とすることを意味する。除去は、例えば接合体36をその外周から、ダイヤモンドツール42等の研削手段を用いて研削し、複数のセル3を含む除去部41を取り除くことにより行うことができる。

0066

前述の接合体36の外周の少なくとも一部を除去した場合には、図3(e)、図3(f)に示すように、その部分にコーティング材43を塗布して、ハニカム構造体1の外周壁50を形成する。コーティング材43は、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、セラミックス繊維、及びセラミックス粒子の中の少なくとも一種を含むものであることが好ましい。セラミックス粒子としては、例えば、炭化珪素等を挙げることができる。

0067

コーティング材の塗布に際しては、図3(e)に示すような外周コート機48を使用することにより、均一な壁厚を有する外周壁を形成することができる。具体的には、外周の一部を除去した接合体36の両端面を、ナイロン塩化ビニル等からなる押当て治具47でマスキングするとともに、その一端に回転用ハンドル46が取り付けられたシャフト45で接合体36を保持・固定する。次いで、ハンドル46を回転させるとともに、接合体36の外周に、均し板44で均一にコーティング材43を塗布することができる。なお、形成される外周壁の厚みは、接合体36のサイズに対する押当て部材47のサイズを適宜調整することにより設定することができる。

0068

コーティング材には、セラミックス粒子に加えて、コロイダルシリカ及び/又はコロイダルアルミナを含むことが好ましく、更にセラミックス繊維を含むことが更に好ましく、更に無機バインダーを含むことが特に好ましく、更に有機バインダーを含むことが最もより好ましい。これらの原料に、水などの液体成分を加えてスラリー状とし、これをコーティング材として塗布することが好ましい。コーティング材を塗布した後、自然乾燥、又は加熱乾燥等することにより、図3(f)に示すようなハニカム構造体1を得ることができる。

0069

なお、図3(a)〜図3(f)においては、最終製品の形状が円筒状のハニカム構造体1である場合の実施形態について説明しているが、第二の発明においては、製造するハニカム構造体の形状、特にセルの流路方向と直交する平面で切断したときの断面形状は特に限定されるものではなく、円形の他、楕円・長円形、多角形、その他不定形等であっても、上述した実施形態に準じてハニカム構造体を製造することができる。

0070

次に、本発明の接合材(第三の発明)について説明する。第三の発明の接合材は、コロイダルシリカ及び/又はコロイダルアルミナと、タップかさ密度が1.3g/cm3以上であるとともに、平均粒子径が20〜28μmでありかつ粒子径が44μm以下である粉末成分の粉末全体に対する含有割合が80質量%以下であるセラミックス粉末と、を含んでなるものである。以下、その詳細について説明する。

0071

第三の発明の接合材は、コロイダルシリカ及び/又はコロイダルアルミナを含んでなるものであるため、これを用いて、例えばセラミックスからなる被接合体どうしを接合するに際して、接合材を乾燥することにより接合層が形成される。ここで、接合材を「乾燥する」とは、既述の如く、接合材に含まれる成分が溶融等することのない温度、即ち、実質的に焼成しない温度で液体成分を蒸発させて固化(ゲル化)させることを意味する。即ち、第三の発明の接合材は、焼成せずに乾燥するのみで接合層を形成し、被接合体を接合することができるものであるため、例えば異なる材質からなる被接合体どうしを接合する場合を想定すると、これらの熱膨張率や収縮率の差等に起因して接合層にヒビが入ったり、接合層自体が剥離したりする等の接合欠陥が生じ難いという効果を奏する。

0072

また、第三の発明の接合材は、焼成することなく、乾燥するのみで接合層が形成されて被接合体どうしを接合することができるるため、特に被接合体が大型(接合材の塗布面積が大きい)である場合に、接合欠陥が生じ難いといった効果が顕著に発揮される。

0073

また、第三の発明の接合材は、前述のコロイダルシリカ及び/又はコロイダルアルミナと一緒に、タップかさ密度が1.3g/cm3以上であるとともに、平均粒子径が20〜28μmでありかつ粒子径が44μm以下である粉末成分の粉末全体に対する含有割合(小粒径粉末成分割合)が80質量%以下であるセラミックス粉末を含んでいる。被接合体が多孔質体である場合に、その接合面に第三の発明の接合材が塗布されると、まず塗工層が形成される。この塗工層が形成された直後、これに含まれる液体(水分)の一部が多孔質の接合面に吸収されるが、それに伴って塗工層に含まれるセラミックス粉末のうちの微細な成分(微粒子)により、塗工層に接した接合面の極近傍に、薄い緻密層が形成される。形成された緻密層は、多孔質体への更なる水分の吸収を抑制するため、形成された塗工層内の急激な水分移動が抑制され、塗工層内の各部位で液体(水分)含有量差が発生し難くなる。また、形成された緻密層が、多孔質体による液体(水分)の吸収を抑制するため、接合材の粘度の急激な上昇に伴う塗工性の悪化を抑え、良好な塗工性を保った状態で塗布することができる。この結果、その後の乾燥工程における塗工層内の各部位での収縮差が生じ難くなり、塗工層が乾燥して形成された接合層にクラックや剥離等が生じ難くなる。従って、第三の発明の接合材を用いると、接合部におけるクラックや剥離等の接合不具合が生じ難く、確実な状態で被接合体どうしを接合することができる。

0074

なお、セラミックス粉末のタップかさ密度が1.3g/cm3未満であると、セラミックス粉末を更に含ませることにより得られる効果が十分に発揮され難くなるため、接合部におけるクラックや剥離等の接合不具合の発生がより効果的に抑制されるといった観点からは、セラミックス粉末のタップかさ密度は1.34g/cm3以上であることが好ましく、1.39g/cm3以上であることが更に好ましい。なお、タップかさ密度の上限値については特に限定されないが、実質的な取扱い性等を考慮すると1.50g/cm3以下であることが好ましい。

0075

また、セラミックス粉末の平均粒子径が20μm未満であると、接合材の粘性が高くなり塗工性が悪化したり、粘性を低下させるために水分量を多くする必要が生じたりするために好ましくなく、28μm超であると、乾燥後に、接合層に「巣」が発生し易くなる場合があるために好ましくない。「巣」とは、水分飛散後に気孔の状態で残る部分をいい、セラミックス粉末の粒子が粗いと乾燥収縮時にセラミックス粉末の流動性が悪くなり、「巣」の発生の要因となるものと考えられる。なお、この「巣」が多数発生すると接合強度の低下につながるために好ましくない。また、小粒径粉末成分割合が80質量%超であると、接合部におけるクラックや剥離等の接合不具合が生じ易くなる場合があるために好ましくない。なお、小粒径粉末成分割合の下限値については特に限定されないが、概ね50質量%以上であることが好ましい。

0076

なお、乾燥して形成された接合層に、よりクラックや剥離等を生じ難くするといった観点からは、第三の発明の接合材は、平均粒子径が21〜27μmでありかつ小粒径粉末成分割合が80質量%以下であるセラミックス粉末を含んでなることが好ましく、平均粒子径が22〜27μmでありかつ小粒径粉末成分割合が78質量%以下であるセラミックス粉末を更に含んでなることが更に好ましい。

0077

第三の発明の接合材に含まれるセラミックス粉末としては、コージェライト、炭化珪素、窒化珪素、アルミナ、ムライト、ジルコニア、燐酸ジルコニウム、アルミニウムチタネート、若しくはチタニア等のセラミックスからなる粉末、又はこれらの2種以上を組み合わせてなる粉末を挙げることができ、接合材が塗布される被接合体の材質(例えば、セラミックスの種類)に合わせて適宜選択することで接合材の親和性を向上させることができ、特に、コージェライトからなる粉末(コージェライト粉末)が好適に用いられる。コージェライト粉末は熱膨張係数が小さいため、耐熱衝撃性や機械的強度に優れた接合層を形成することができるために好ましい。

0078

また、第三の発明の接合材は、無機繊維を更に含んでなることが、この無機繊維が、形成される接合層に靭性を好適に付与する補強材として機能するために好ましい。無機繊維としては、シリカ、ムライト、アルミナ、シリカ−アルミナ等のセラミックスファイバを好適例として挙げることができる。

0079

第三の発明の接合材を、被接合体が多孔質体である場合においてその接合面に塗布すると、形成された接合層内の各部位での収縮差が生じ難くなり、接合層におけるクラックの発生や剥離等の不具合が生じ難くなるといった効果を奏するものである。従って、このような効果を奏するという特徴を生かし、多孔質体であるセラミックスからなる複数のハニカムセグメントの接合面(外壁)どうしを接合するために好適に用いられる。多孔質体を構成するセラミックスとしては、例えば、コージェライト、炭化珪素、窒化珪素、アルミナ、ムライト、ジルコニア、燐酸ジルコニウム、アルミニウムチタネート、又はチタニア等を挙げることができる。

0080

以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。

0081

(接合材の調製)
コージェライト粉末、コロイダルシリカ、セラミックスファイバー分散材有機バインダ防腐剤コージェライト化原料、及び水の各成分を、表1に示す調合割合(質量%)で調合することにより、試料1〜5の接合材を調製した。なお、用いたコージェライト粉末のタップかさ密度(g/cm3)の測定方法を以下に示す。

0082

[タップかさ密度]:JIS R 1628−1997「ファインセラミックス粉末のかさ密度測定方法」の定容積測定法に従って測定した。

0083

0084

(実施例1〜5)
1.ハニカムセグメントの製造
タルクカオリン、アルミナ、シリカ等を、焼成後の組成がコージェライトの理論組成(2MgO・2Al2O3・5SiO2)となるように混合したコージェライト原料粉末に、成形助剤造孔剤、及び水を加え、混合・混練して可塑性の坏土を作製した。この坏土を押出成形し、マイクロ波及び熱風で乾燥した。次いで、これを大気雰囲気中で加熱脱脂及び焼成した後、形状加工を施すことにより図1(a)に示すような四角柱状(縦170mm×横170mm×高さ170mm)のハニカムセグメント12を製造した。なお、このハニカムセグメントの隔壁厚さは127μm、セルピッチは1.47mmであった。

0085

2.ハニカム構造体の製造
図3(c)に示すように、得られたハニカムセグメント12の4個を用意し、これらのセル開口端面33の一部にマスキングテープ34を貼着した。次いで、接合面32に、前述の試料1〜3の接合材を所定の厚みとなるように塗布するとともに貼り合わせ、105℃、3時間乾燥することにより、1〜3mmの厚みを有する接合層8を形成して接合体36を得た。

0086

次いで、図3(d)〜図3(f)に示すように、得られた接合体36の最外周から約5mm分のセル3を、マシニングセンターにてダイヤモンドツール42を用いて研削して除去した後、メタルソーを用いて端面を(所定高さ寸法に)加工した後、外周コート機48を使用して、接合体36の外周を被覆するように所定のコーティング材を塗布した後、25℃、10時間乾燥することにより、塗布したコーティング材を硬化させて外周壁50を形成し、所定寸法のハニカム構造体(外径320mm×長さ150mm、外周壁厚3mm)を製造した(実施例1〜5)。

0087

(比較例1〜3)
接合材として、試料4,5の接合材を用いるとともに、ハニカムセグメントを貼り合わせて乾燥した後、1430℃、50時間焼成すること以外は、前述した実施例1〜5の場合と同様の方法により、所定寸法のハニカム構造体外径320mm×長さ150mm、外周壁厚3mm)を製造した(比較例1,2)。

0088

(接合材・接合層、及びハニカム構造体の評価)
試料1〜5の接合材を、試料1〜3については乾燥することにより、試料4,5については焼成することにより得られた接合層の物理特性評価の結果を表2に示す。また、各接合材を用いて得られたハニカム構造体(実施例1〜5、比較例1,2)についての、抗折強度(4点曲げ)の測定結果、及び抗折強度(4点曲げ)の測定試験における亀裂発生位置の評価結果を表3に示す。なお、接合していないハニカムセグメント(比較例3)についての抗折強度(4点曲げ)の測定結果を併せて表3に示す。各種物性値の測定方法、及び各評価方法を以下に示す。

0089

[抗折強度(4点曲げ)]:JIS R 1601、及びJIS R 1624に記載の測定方法に従って、室温での強度を測定した。

0090

熱拡散率熱伝導率比熱容量]:JIS R 1611に記載の測定方法に従って、レーザーフラッシュ法にて測定した。

0091

密度]:JIS R 1634に記載の測定方法に従って、接合材を乾燥したものを室温にて測定した。

0092

弾性率]:JIS R 1602に記載の測定方法に従って、室温での弾性率を測定した。

0093

[亀裂発生位置の評価]:抗折強度(4点曲げ)の測定試験における破断モードについて、以下に示す方法により評価した。即ち、図4に示すテストピース60を用いて4点曲げ試験を実施した結果、ハニカム構造部61で亀裂が発生した場合を「○」、接合面62で剥離、又は接合層63で破断した場合を「×」と評価し、分母試験回数(10回)、分子を「×」評価数とする分数で表す評価結果を表3に示す。

0094

0095

0096

(結果)
表2,3に示す結果から、実施例1〜5のハニカム構造体を製造するために用いられる試料1〜3の接合材からなる接合層の抗折強度は、ハニカム構造部の抗折強度よりも大きいことが判明した。また、試料1〜3の接合材からなる接合層の弾性率は、一般的に用いられている試料4,5からなる従来の接合層の弾性率よりも高いことも明らかとなった。更に、試料1〜3の接合材からなる接合層の熱拡散率は、従来の接合層よりも明らかに低いものであった。

0097

更に、接合材に含まれるコージェライト粉末に着目すると、亀裂発生位置の評価結果(表3)から明らかなように、タップかさ密度が1.3g/cm3以上であると、その接合材を用いたハニカム構造体は、接合層がハニカム構造部よりもその抗折強度が高いために接合層での破断が発生し難く、非接合担体である比較例3のハニカムセグメントと同等以上のアイソスタティック強度を有するものであることが判明した。

0098

本発明のハニカム構造体は、複数個のハニカムセグメントどうしが、これらの接合部においてクラックや剥離等の接合不具合を生ずることなく確実に接合されてなるものであるため、内燃機関、ボイラー、化学反応機器及び燃料電池用改質器等の触媒作用を利用する触媒用担体又は排ガス中の微粒子捕集フィルター等に好適に用いることができる。

図面の簡単な説明

0099

本発明のハニカム構造体(第一の発明)の一実施形態を説明する図面であり、図1(a)はハニカムセグメントの斜視図、図1(b)はハニカム構造体の斜視図、図1(c)はハニカム構造体を上面図を示す。
一般的なハニカム構造体を説明する図面であり、図2(a)はハニカム構造体の斜視図、図2(b)はハニカム構造体の端面の一部拡大平面図を示す。
図3(a)〜図3(f)は本発明のハニカム構造体の製造方法(第二の発明)の一実施形態を模式的に示す説明図である。
亀裂発生位置の評価に用いるテストピースを示す斜視図である。

符号の説明

0100

1…ハニカム構造体、2…隔壁、3…セル、5…セル構造体、7…外壁、8…接合層、12…ハニカムセグメント、21…ハニカム構造体、23…セル、24…隔壁、25…流入孔側端面、26…流出孔側端面、30…ハニカム焼成体、31,41…除去部、32…接合面、33…セル開口端面、34…マスキングテープ、35…余剰の接合材、36…接合体、42…ダイヤモンドツール、43…コーティング材、44…均し板、45…シャフト、46…ハンドル、47…押当て治具、48…外周コート機、50…外周壁、60…テストピース、61…ハニカム構造部、62…接合面、63…接合層。

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