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技術 圧縮機における吸入構造

出願人 株式会社豊田自動織機
発明者 榎島史修太田雅樹深沼哲彦村瀬正和小出達也
出願日 2003年11月13日 (16年7ヶ月経過) 出願番号 2003-384268
公開日 2005年6月9日 (15年0ヶ月経過) 公開番号 2005-146961
状態 未査定
技術分野 圧縮機の細部 圧縮機、真空ポンプ及びそれらの系
主要キーワード カバーハウジング 前後往復運動 スライド支 冷媒ガス流路 開度規制 放出通路 熱抑制 断熱効率
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

ピストン式圧縮機における吸入弁信頼性を低下させることなくピストン式圧縮機の性能を高める。

解決手段

環状凹部27には断熱部材44が挿入されている。断熱部材44は、外周壁48の内壁面482と、端壁49の内壁面491と、区画壁29の外周壁面291とを被覆する室断熱部材441と、吸入通路33を形成する周壁面331を被覆する通路断熱部材442とからなる。断熱部材44の室断熱部材441には吸入流路45が形成されている。吸入ポート141における流路断面積は、吸入流路45における流路断面積よりも大きくしてある。

概要

背景

ピストン式圧縮機(例えば特許文献1,2を参照)において、シリンダに連結されるハウジング内に形成された吸入室内における冷媒ガスは、ハウジングから熱を受け取る。吸入室内の冷媒ガスの温度は、圧縮機の性能に影響を与える。吸入室内の冷媒ガスの温度が高いほど、圧縮室へ導入される冷媒ガスの密度が小さくなるので、圧縮機の性能が低下する。
実開昭52−164709号公報
特開平6−317249号公報

概要

ピストン式圧縮機における吸入弁信頼性を低下させることなくピストン式圧縮機の性能を高める。環状凹部27には断熱部材44が挿入されている。断熱部材44は、外周壁48の内壁面482と、端壁49の内壁面491と、区画壁29の外周壁面291とを被覆する室断熱部材441と、吸入通路33を形成する周壁面331を被覆する通路断熱部材442とからなる。断熱部材44の室断熱部材441には吸入流路45が形成されている。吸入ポート141における流路断面積は、吸入流路45における流路断面積よりも大きくしてある。

目的

本発明は、ピストン式圧縮機における吸入弁の信頼性を低下させることなくピストン式圧縮機の性能を高めることを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

シリンダに形成されたシリンダボアピストンを収容して前記シリンダボア内圧縮室区画し、前記シリンダに連結されたカバーハウジング内に吸入圧領域吐出圧領域とを形成し、回転軸の回転に基づいて前記シリンダボア内で前記ピストンを往復駆動して、前記吸入圧領域から吸入ポートを経由して前記圧縮室へ冷媒ガス吸入するピストン式圧縮機において、前記吸入ポートの流路断面積をこの吸入ポートの直ぐ上流の前記吸入圧領域における流路断面積よりも大きくした圧縮機における吸入構造。

請求項2

前記圧縮機の外部から前記カバーハウジング内へ冷媒ガスを導入するための導入流路を前記吸入圧領域の一部として設け、前記導入流路の下流で前記導入流路に連通すると共に、前記吸入ポートに連通する吸入流路を前記吸入圧領域の一部として設け、前記吸入流路と前記導入流路との接続部から前記吸入流路に沿って下流に向かう途中で、前記吸入流路における流路断面積を小さくなるように変化させた請求項1に記載の圧縮機における吸入構造。

請求項3

前記カバーハウジング内に断熱部材を収容し、前記吸入圧領域を前記断熱部材に形成した請求項1及び請求項2のいずれか1項に記載の圧縮機における吸入構造。

請求項4

前記断熱部材は、合成樹脂製である請求項3に記載の圧縮機における吸入構造。

請求項5

前記吸入圧領域は、前記カバーハウジングの外周側にあって、前記回転軸の軸線周りで前記吐出圧領域を包囲している請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の圧縮機における吸入構造。

請求項6

環状の区画壁によって前記吸入圧領域と吐出圧領域とを前記カバーハウジング内で区画し、前記カバーハウジングの外周壁の内側に複数のナット部を設けると共に、複数のねじを前記複数のナット部に螺合して前記シリンダと前記カバーハウジングとを連結し、前記外周壁の周方向に隣り合う一対のナット部の間に肉取り凹部を設け、前記肉取り凹部を埋めるように前記断熱部材を前記外周壁と前記区画壁との間に挿入した請求項5に記載の圧縮機における吸入構造。

請求項7

前記冷媒ガスは、二酸化炭素である請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の圧縮機における吸入構造。

技術分野

0001

本発明は、ピストン式圧縮機における吸入構造に関するものである。

背景技術

0002

ピストン式圧縮機(例えば特許文献1,2を参照)において、シリンダに連結されるハウジング内に形成された吸入室内における冷媒ガスは、ハウジングから熱を受け取る。吸入室内の冷媒ガスの温度は、圧縮機の性能に影響を与える。吸入室内の冷媒ガスの温度が高いほど、圧縮室へ導入される冷媒ガスの密度が小さくなるので、圧縮機の性能が低下する。
実開昭52−164709号公報
特開平6−317249号公報

発明が解決しようとする課題

0003

ハウジングから吸入室内の冷媒ガスへの熱伝達を少なくすれば、圧縮室に吸入される冷媒ガスの温度上昇を少なくすることができる。ハウジングから吸入室内の冷媒ガスへの熱伝達を少なくする対策としては、吸入室内の冷媒ガスの流速を速くすることも有効である。吸入室内の冷媒ガスは、吸入室から圧縮室に至る途中の吸入ポート開閉する吸入弁を押し退けて圧縮室に吸入される。冷媒ガスの流速が速過ぎると、吸入弁が衝撃的に開いて損傷し易くなり、ピストン式圧縮機における吸入弁の信頼性が低下する。

0004

本発明は、ピストン式圧縮機における吸入弁の信頼性を低下させることなくピストン式圧縮機の性能を高めることを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

そのために本発明は、シリンダに形成されたシリンダボアピストンを収容して前記シリンダボア内に圧縮室を区画し、前記シリンダに連結されたカバーハウジング内に吸入圧領域吐出圧領域とを形成し、回転軸の回転に基づいて前記シリンダボア内で前記ピストンを往復駆動して、前記吸入圧領域から吸入ポートを経由して前記圧縮室へ冷媒ガスを吸入するピストン式圧縮機を対象とし、請求項1の発明では、前記吸入ポートの流路断面積をこの吸入ポートの直ぐ上流の前記吸入圧領域における流路断面積よりも大きくした。

0006

吸入ポートの上流にある吸入圧領域における流路断面積を小さくすることにより、吸入圧領域内の冷媒ガスの流速を速くすることができ、カバーハウジングから冷媒ガスへの熱伝達が低減される。

0007

吸入ポートにおける流路断面積は、この吸入ポートの直ぐ上流の吸入圧領域における流路断面積よりも大きくしてあるので、吸入圧領域から吸入ポートへ流入する冷媒ガスの流速が減速する。この減速は、吸入ポートを開閉する吸入弁の信頼性低下の回避に寄与する。

0008

請求項2の発明では、請求項1において、前記圧縮機の外部から前記カバーハウジング内へ冷媒ガスを導入するための導入流路を前記吸入圧領域の一部として設け、前記導入流路の下流で前記導入流路に連通すると共に、前記吸入ポートに連通する吸入流路を前記吸入圧領域の一部として設け、前記吸入流路と前記導入流路との接続部から前記吸入流路に沿って下流に向かう途中で、前記吸入流路における流路断面積を小さくなるように変化させた。

0009

吸入流路と導入流路との接続部から吸入流路を下流に向かう途中で、吸入流路における流路断面積を小さくなるように変化させた構成は、吸入流路におけるガス流速の低下の防止に有効である。

0010

吸入流路における流路断面積の少なくとも一部は、吸入ポートにおける流路断面積よりも大きくてもよい。例えば、吸入流路と導入流路との接続部の近傍の吸入流路における流路断面積が吸入ポートにおける流路断面積よりも大きくなっていてもよい。

0011

請求項3の発明では、請求項1及び請求項2のいずれか1項において、前記カバーハウジング内に断熱部材を収容し、前記吸入圧領域を前記断熱部材に形成した。
断熱部材は、カバーハウジングから冷媒ガスへの熱伝達を低減する。

0012

請求項4の発明では、請求項3において、前記断熱部材は、合成樹脂製とした。
合成樹脂は、断熱部材として好適であり、圧縮機の重量増の回避にも有利である。
請求項5の発明では、請求項1乃至請求項4のいずれか1項において、前記吸入圧領域は、前記カバーハウジングの外周側にあって、前記回転軸の軸線周りで前記吐出圧領域を包囲しているものとした。

0013

カバーハウジングの外周側(大気に近い側)に吸入圧領域を設けた構成は、吸入圧領域内の冷媒ガスの加熱抑制に関して好ましい。
請求項6の発明では、請求項5において、環状の区画壁によって前記吸入圧領域と吐出圧領域とを前記カバーハウジング内で区画し、前記カバーハウジングの外周壁の内側に複数のナット部を設けると共に、複数のねじを前記複数のナット部に螺合して前記シリンダと前記カバーハウジングとを連結し、前記外周壁の周方向に隣り合う一対のナット部の間に肉取り凹部を設け、前記肉取り凹部を埋めるように前記断熱部材を前記外周壁と前記区画壁との間に挿入した。

0014

隣り合うナット部の間を肉取り凹部とした構成は、カバーハウジング自体の軽量化に有効である。
請求項7の発明では、請求項1乃至請求項6のいずれか1項において、前記冷媒ガスは、二酸化炭素とした。

0015

フロンガスよりも高圧の状態で冷媒として使用される二酸化炭素は、ガス流量が少なくて済む。ガス流量が少ないほど、吸入圧領域における冷媒ガスの加熱防止は、重要である。本発明は、二酸化炭素を冷媒として使用する圧縮機への適用に好適である。

発明の効果

0016

本発明は、ピストン式圧縮機における吸入弁の信頼性を低下させることなくピストン式圧縮機の性能を高めることができるという優れた効果を奏する。

発明を実施するための最良の形態

0017

以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1図5に基づいて説明する。
図1に示すように、アルミニウム製のシリンダ11の前端にはアルミニウム製のフロントハウジング12が接合されている。シリンダ11の後端にはカバーハウジングとしてのアルミニウム製のリヤハウジング13がバルブプレート14、弁形成プレート15を介して接合固定されている。シリンダ11、フロントハウジング12及びリヤハウジング13は、ねじ43によって共締め結合されている。図5に示すように、リヤハウジング13の外周壁48には複数のナット部481が形成されている。ねじ43は、ナット部481に螺合されている。シリンダ11、フロントハウジング12及びリヤハウジング13は、可変容量型ピストン式圧縮機16の全体ハウジングを構成する。

0018

図1に示すように、制御圧室121を形成するフロントハウジング12とシリンダ11とには回転軸18がラジアルベアリング19,20を介して回転可能に支持されている。制御圧室121から外部へ突出する回転軸18は、プーリ(図示略)及びベルト(図示略)を介して外部駆動源である車両エンジン17から駆動力を得る。

0019

回転軸18には回転支持体21が止着されていると共に、斜板22が回転軸18の軸方向へスライド可能かつ傾動可能に支持されている。斜板22には連結片23が止着されており、連結片23にはガイドピン24が止着されている。回転支持体21にはガイド孔211が形成されている。ガイドピン24の頭部は、ガイド孔211にスライド可能に嵌入されている。斜板22は、ガイド孔211とガイドピン24との連係により回転軸18の軸方向へ傾動可能かつ回転軸18と一体的に回転可能である。斜板22の傾動は、ガイド孔211とガイドピン24とのスライドガイド関係、及び回転軸18のスライド支持作用により案内される。

0020

斜板22の中心部が回転支持体21側へ移動すると、斜板22の傾角が増大する。斜板22の最大傾角は回転支持体21と斜板22との当接によって規制される。図1の斜板22の実線位置は、斜板22の最大傾角状態を示す。斜板22の中心部がシリンダ11側へ移動すると、斜板22の傾角が減少する。図1の斜板22の鎖線位置は、斜板22の最小傾角状態を示す。

0021

シリンダ11に貫設された複数のシリンダボア111内にはピストン25が収容されている。斜板22の回転運動は、シュー26を介してピストン25の前後往復運動に変換され、ピストン25がシリンダボア111内を往復駆動される。ピストン25は、シリンダボア111内に圧縮室112を区画する。

0022

図1に示すように、バルブプレート14及び弁形成プレート15には吸入ポート141及び吐出ポート142が形成されている。弁形成プレート15には吸入弁151が形成されており、弁形成プレート30には吐出弁301が形成されている。

0023

図1及び図5に示すように、リヤハウジング13内には環状凹部27及び吐出室28が環状の区画壁29によって区画して形成されている。環状凹部27は、リヤハウジング13の外周側にあって、回転軸18の軸線181の周りで吐出圧領域の一部である吐出室28を包囲している。

0024

図1に示すように、リヤハウジング13の端壁49には吸入通路33及び吐出通路34が形成されている。吐出室28内においてバルブプレート14には弁形成プレート30及びリテーナ31がねじ32の締め付けによって結合されている。

0025

図4(a)に示すように、環状凹部27には断熱部材44が挿入されている。リヤハウジング13内に収容された断熱部材44は、リヤハウジング13の外周壁48の内壁面482と、端壁49の内壁面491と、区画壁29の外周壁面291とを被覆する室断熱部材441と、吸入通路33を形成する周壁面331を被覆する通路断熱部材442とからなる。

0026

リヤハウジング13の外周壁48の内側において隣り合う一対のナット部481の間には肉取り凹部483が形成されている。肉取り凹部483の底面は、外周壁48の内壁面482である。断熱部材44の室断熱部材441は、リヤハウジング13の外周壁48の周方向に隣り合う一対のナット部481の間の肉取り凹部483を埋めるように、外周壁48と区画壁29との間に挿入されている。

0027

図2に示すように、断熱部材44の室断熱部材441には環状の溝形状の吸入流路45が形成されている。環状の吸入流路45は、回転軸18の軸線181を包囲している。吸入流路45の断面形状(四角形状)は、どの箇所でも同形同大であり、吸入流路45における流路断面積は、どの箇所でも同じである。吸入流路45と吸入ポート141とは、直角に接続しており、吸入流路45は、吸入ポート141に連通している。図4(a)に示すように、断熱部材44の通路断熱部材442及び室断熱部材441には内部通路443が形成されている。内部通路443は、吸入流路45に連通している。

0028

図4(b)に示すように、吸入圧領域である吸入流路45の幅Wは、吸入ポート141の径Rよりも小さくしてある。溝形状の吸入流路45の溝深さをH〔図4(a)に図示〕とすると、吸入ポート141における流路断面積π×(R/2)2は、吸入流路45における流路断面積W×Hよりも大きくしてある。つまり、吸入ポート141における流路断面積は、吸入ポート141の直ぐ上流にある吸入流路45における流路断面積よりも大きくしてある。換言すると、吸入流路45から吸入ポート141に至る冷媒ガス流路における流路断面積は、吸入流路45から吸入ポート141へと流路上の位置が変わるときに、増大する。なお、吸入ポート141の直ぐ上流にある吸入流路45とは、冷媒ガスの流路に関して、吸入ポート141から直ぐの所にある吸入圧領域の部分のことである。

0029

内部通路443における流路断面積は、吸入流路45における流路断面積よりも大きくしてある。
図4(a)に示すように、吐出室28には断熱部材46が挿入されている。リヤハウジング13内に収容された断熱部材46は、端壁49の内壁面492と、区画壁29の内周壁面292とを被覆する室断熱部材461と、吐出通路34を形成する周壁面341を被覆する通路断熱部材462とからなる。つまり、断熱部材46は、吐出室28及び吐出通路34からなる吐出圧領域を形成する形成壁面(内壁面492,内周壁面292及び周壁面341)を被覆する。

0030

吸入流路45内のガス状の冷媒は、ピストン25の復動動作図1において右側から左側への移動)により吸入ポート141から吸入弁151を押し退けて圧縮室112内へ吸入される。吸入弁151は、位置規制凹部113の底に当接して開度規制される。圧縮室112内へ吸入されたガス状の冷媒は、ピストン25の往動動作(図1において左側から右側への移動)により吐出ポート142から吐出弁301を押し退けて吐出室28へ吐出される。吐出弁301は、リテーナ31に当接して開度規制される。

0031

図1に示すように、吸入流路45へガス状の冷媒を導入する吸入通路33と、吐出室28からガス状の冷媒を排出する吐出通路34とは、外部冷媒回路35で接続されている。外部冷媒回路35上には、冷媒から熱を奪うための熱交換器36、固定絞り37、周囲の熱を冷媒に移すための熱交換器38及びアキュームレータ39が介在されている。アキュームレータ39は、ガス状の冷媒のみを圧縮機に送るためのものである。吐出室28の冷媒は、吐出通路34、熱交換器36、固定絞り37、熱交換器38及びアキュームレータ39及び吸入通路33(内部通路443)を経由して吸入流路45に流入する。内部通路443内と吸入流路45との接続部444から吸入流路45に流入する冷媒ガスは、図3において接続部444から右側と左側とに二手に分かれる。

0032

内部通路443は、可変容量型ピストン式圧縮機16の外部からリヤハウジング13内へ冷媒ガスを導入するための導入流路である。吸入流路45は、吸入圧領域の一部として設けられた導入流路としての内部通路443の下流にあって吸入ポート141に連なっている。内部通路443における流路断面積は、吸入圧領域の一部として設けられた吸入流路45における流路断面積よりも大きくしてある。内部通路443における流路断面積は、上流側から下流側に向かう途中から徐々に小さくなってゆくようにしてある。

0033

吐出室28と制御圧室121とは、供給通路40で接続されている。又、制御圧室121と吸入流路45とは、放出通路41で接続されている。制御圧室121内の冷媒は、放出通路41を介して吸入流路45へ流出する。

0034

供給通路40上には電磁式容量制御弁42が介在されている。容量制御弁42は、消磁状態では冷媒が流通不能な弁閉状態になっており、吐出室28から供給通路40を経由した制御圧室121への冷媒供給は行われない。制御圧室121内の冷媒は、放出通路41を介して吸入流路45へ流出しているため、制御圧室121内の圧力が下がる。従って、斜板22の傾角が増大して吐出容量が増える。容量制御弁42は、励磁によって冷媒が流通可能な弁開状態となり、吐出室28から供給通路40を経由した制御圧室121への冷媒供給が行われる。従って、制御圧室121内の圧力が上がり、斜板22の傾角が減少して吐出容量が減る。

0035

本実施形態では、断熱部材44,46は、合成樹脂製である。又、冷媒として二酸化炭素が用いられている。
第1の実施形態では以下の効果が得られる。

0036

(1−1)可変容量型ピストン式圧縮機16の運転に伴い、圧縮された冷媒ガスが存在する吐出室28内及び吐出通路34内が高温になり、リヤハウジング13やバルブプレート14の温度が上昇する。断熱部材44が環状凹部27に収容されていないとすると、外部冷媒回路35からリヤハウジング13に導入される冷媒ガスは、従来の吸入室(例えば特許文献1,2参照)に相当する環状凹部27に流入することになる。環状凹部27における流路断面積は、吸入通路33における流路断面積よりも大きいので、吸入通路33から環状凹部27へ流入した冷媒ガスは、減速する。そのため、リヤハウジング13やバルブプレート14から環状凹部27内の冷媒ガスへ熱が伝わり易く、環状凹部27内の冷媒ガスが加熱しやすい。

0037

本実施形態では、環状凹部27に収容された断熱部材44に吸入流路45及び内部通路443を設け、吸入ポート141に至る吸入流路45における流路断面積を従来の吸入室における流路断面積よりも小さくしている。吸入圧領域である吸入流路45における流路断面積を小さくすることにより、吸入流路45内の冷媒ガスの流速が速くなる。そのため、リヤハウジング13やバルブプレート14から冷媒ガスへの熱伝達が低減され、圧縮機の性能が向上する。

0038

吸入ポート141内における冷媒ガスの流速が過大であるとすると、吸入ポート141を開閉する吸入弁151が衝撃的に開いて位置規制凹部113の底に激突する。そうすると、吸入弁151が損傷し易くなり、吸入弁151の信頼性が低下する。

0039

吸入ポート141における流路断面積π×(R/2)2は、吸入流路45における流路断面積W×Hよりも大きくしてある。つまり、吸入ポート141の流路断面積は、この吸入ポート141の直ぐ上流の吸入流路45における流路断面積よりも大きくしてあるので、吸入流路45から吸入ポート141へ流入する冷媒ガスの流速が減速する。吸入ポート141内における冷媒ガスの減速は、吸入弁151が衝撃的に開くのを防止する上で有効であり、吸入弁151が損傷し難くなる。つまり、吸入ポート141における流路断面積を吸入流路45における流路断面積よりも大きくした構成は、吸入弁151の信頼性の低下の回避に有効である。

0040

(1−2)導入流路としての内部通路443における流路断面積を吸入流路45における流路断面積よりも大きくしたので、内部通路443を通ってきた冷媒ガスの流速を吸入流路45において増速することが可能である。内部通路443における流路断面積は、上流側から下流側に向かう途中から徐々に小さくなってゆくようにしてある。内部通路443における流路断面積を徐々に変化させた構成は、内部通路443から吸入流路45への冷媒ガスの流入の円滑化に寄与する。

0041

(1−3)断熱部材44は、熱伝導率の小さい合成樹脂製である。断熱部材44は、熱伝導率の大きいアルミニウム製のリヤハウジング13から吸入圧領域である吸入流路45内の冷媒ガスへの熱伝達を低減する。そのため、吸入流路45における断熱効率が高く、圧縮機の性能が向上する。

0042

(1−4)合成樹脂は、断熱部材44の材質として好適である。又、リヤハウジング13に吸入流路45を直接形成する場合に比べ、断熱部材44に吸入流路45を形成した構成は、可変容量型ピストン式圧縮機16の重量増の回避に有利である。

0043

(1−5)吸入圧領域である吸入流路45は、リヤハウジング13の外周側にあり、吐出室28は、回転軸18の軸線181の周りで吸入流路45によって包囲されている。リヤハウジング13の外周側(大気に近い側)に吸入流路45を設けた構成は、吸入流路45内の冷媒ガスの加熱抑制に関して好ましい。

0044

(1−6)隣り合うナット部481の間を肉取り凹部483とした構成は、カバーハウジングとしてのリヤハウジング13自体の軽量化に有効である。肉取り凹部483を埋めるように環状凹部27に収容された断熱部材44は、合成樹脂製であって、可変容量型ピストン式圧縮機16の重量増の回避に有利である。

0045

(1−7)フロンガスよりも高圧の状態で冷媒として使用される二酸化炭素は、ガス流量が少なくて済む。ガス流量が少ないほど、吸入圧領域における冷媒ガスの加熱防止は、重要である。二酸化炭素を冷媒として使用する可変容量型ピストン式圧縮機16は、本発明の適用対象として好適である。

0046

(1−8)アキュームレータ39は、吸入脈動を抑制するので、吸入脈動を抑制するための吸入室をリヤハウジング13内に設ける必要がない。リヤハウジング13内における吸入流路45における流路断面積を小さくしたい本発明では、外部冷媒回路35上にアキュームレータ39を配設した冷凍回路の一部として用いるピストン式圧縮機は、本発明の適用対象として好適である。

0047

(1−9)吐出圧領域を形成する形成壁面(内壁面492、内周壁面292及び周壁面341)を被覆する合成樹脂製の断熱部材46は、吐出圧領域(吐出室28及び吐出通路34)内の冷媒ガスからリヤハウジング13への熱伝達を低減する。吐出圧領域内の冷媒ガスからリヤハウジング13への熱伝達の低減は、リヤハウジング13から吸入圧領域内の冷媒ガスへの熱伝達の抑制に繋がる。

0048

次に、図6(a),(b)の第2の実施形態を説明する。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符号が用いてある。
吸入流路45Aの幅Waは、吸入ポート141の径Rよりも大きくしてあるが、環状凹部27Aにおける流路断面積Wa×Ha(Haは吸入流路45Aの溝深さ)は、吸入ポート141の流路断面積π×(R/2)2よりも小さい。

0049

第2の実施形態でも第1の実施形態と同じ効果が得られる。
次に、図7の第3の実施形態を説明する。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符号が用いてある。

0050

室断熱部材441及び通路断熱部材442からなる断熱部材44と、バルブプレート14との間には平板形状の断熱部材47が介在されている。合成樹脂製の断熱部材47には円錐形状の接続孔471が吸入ポート141に対応するように形成されている。円錐形状の接続孔471の最大径側が吸入ポート141に連なっており、接続孔471の最小径側が吸入流路45に連なっている。吸入流路45は、接続孔471を介して吸入ポート141に連通している。円錐形状の接続孔471の最大径は、吸入ポート141の径Rに一致させてあり、接続孔471の最小径部における流路断面積は、吸入流路45における流路断面積に一致させてある。

0051

第3の実施形態では、合成樹脂製の断熱部材47がバルブプレート14から吸入流路45内の冷媒ガスへの熱伝達を抑制し、吸入流路45における断熱効率が第1の実施形態の場合よりも更に向上する。

0052

次に、図8(a),(b)の第4の実施形態を説明する。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符号が用いてある。
図8(b)に示すように、吸入流路45Bは、ラインLよりも上側の流路451と、ラインLよりも下側の流路452とからなり、下側の流路452の幅Wb2は、上側の流路451の幅Wb1よりも小さくしてある。上側の流路451と下側の流路452との溝深さは、同じにしてあるので、下側の流路452における流路断面積は、上側の流路451における流路断面積よりも小さい。つまり、吸入流路45Bにおける流路断面積は、導入流路としての内部通路443と吸入流路45Bとの接続部444から吸入流路45Bに沿って下流に向かう途中で、小さくなるように変化する。

0053

ラインLよりも上側の吸入ポート141には流路451から冷媒ガスが流入するので、上側の流路451における流路断面積と下側の流路452における流路断面積とを同じにすると、下側の流路452における冷媒ガスの流速が上側の流路451における冷媒ガスの流速よりも遅くなる。

0054

本実施形態では、下側の流路452における流路断面積は、下側の流路452における冷媒ガスの流速が上側の流路451における冷媒ガスの流速と同じ程度になるように、上側の流路451における流路断面積よりも小さくしてある。従って、リヤハウジング13やバルブプレート14から下側の流路452内の冷媒ガスへの熱伝達は、リヤハウジング13やバルブプレート14から上側の流路451内の冷媒ガスへの熱伝達と同程度となる。流路451,452における流路断面積に差を付けた構成は、リヤハウジング13やバルブプレート14から吸入流路45B内の冷媒ガスへの熱伝達抑制に関して好ましい。

0055

次に、図9(a),(b)の第5の実施形態を説明する。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符号が用いてある。
前記各実施形態では、リヤハウジング13の外周壁48の内側に肉取り凹部483を形成したが、第5の実施形態では、外周壁48の外側に肉取り凹部484が形成されている。又、シリンダ11の外面にも肉取り凹部114が形成されている。

0056

肉取り凹部484の存在は、リヤハウジング13の軽量化をもたらし、肉取り凹部114は、シリンダ11の軽量化をもたらす。又、環状凹部27Dの容積が第1の実施形態の環状凹部27の容積よりも小さくなるので、断熱部材44Dの体積も第1の実施形態における断熱部材44よりも小さくなる。肉取り凹部484,114の存在は、可変容量型ピストン式圧縮機16全体の軽量化に寄与する。

0057

本発明では以下のような実施形態も可能である。
(1)断熱部材44,46の材質として、硬質ゴムを用いてもよい。
(2)第4の実施形態において、上側の流路451の幅と下側の流路452の幅とを同じにし、下側の流路452の溝深さを上側の流路451の溝深さよりも小さくするようにしてもよい。

0058

(3)第4の実施形態では、吸入流路45Bにおける流路断面積が2段階に変化するようにしたが、吸入流路における流路断面積を3段階以上に変化するようにしてもよい。この場合の流路断面積の変化は、内部通路443と吸入流路45Bとの接続部444から吸入流路に沿って下流側に向かって遠ざかるにつれて段階的に小さくなるようにすればよい。

0059

あるいは、内部通路443と吸入流路45Bとの接続部444から吸入流路に沿って下流側に向かって遠ざかるにつれて、吸入流路における流路断面積が徐々に小さくなってゆくようにしてもよい。

0060

(4)第1の実施形態において、接続部444の近傍の吸入流路45における流路断面積を吸入ポート141における流路断面積よりも大きくしてもよい。
(5)リヤハウジング13に吸入流路45を直接形成してもよい。

0061

(6)リヤハウジング13の外周側に吐出圧領域を設け、回転軸18の軸線181の周りで吸入圧領域を吐出圧領域によって包囲するピストン式圧縮機に本発明を適用してもよい。

0062

(7)固定容量型のピストン式圧縮機に本発明を適用してもよい。
(8)二酸化炭素以外の冷媒を用いた圧縮機に本発明を適用してもよい。
前記した実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。

0063

〔1〕前記ピストン式圧縮機は、前記回転軸の軸線の周りに複数のシリンダボアを備え、前記回転軸の軸線を包囲する環状の吸入流路を前記吸入圧領域の一部として形成し、前記複数のシリンダボアに通じるそれぞれの吸入ポートに前記環状の吸入通路を連通した請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のピストン式圧縮機における吸入構造。

0064

〔2〕前記吸入流路と前記吸入ポートとは、直角に接続している前記〔1〕項に記載のピストン式圧縮機における吸入構造。

図面の簡単な説明

0065

第1の実施形態を示す圧縮機全体の側断面図。
図1のA−A線断面図。
図2のB−B線断面図。
(a)は要部拡大側断面図。(b)は、(a)のC−C線断面図。
分解斜視図。
第2の実施形態を示し、(a)は要部側断面図。(b)は、(a)のD−D線断面図。
第3の実施形態を示す要部側断面図。
第4の実施形態を示し、(a)は要部側断面図。(b)は、(a)のE−E線断面図。
第5の実施形態を示し、(a)は要部側断面図。(b)は、(a)のF−F線断面図。

符号の説明

0066

11…シリンダ。111…シリンダボア。112…圧縮室。13…カバーハウジングとしてのリヤハウジング。141…吸入ポート。151…吸入弁。16…可変容量型ピストン式圧縮機。18…回転軸。181…軸線。25…ピストン。28…吐出圧領域となる吐出室。29…区画壁。43…ねじ。44,44D,47…断熱部材。443…導入流路としての内部通路。444…接続部。45…吸入圧領域である吸入流路。48…外周壁。481…ナット部。483…肉取り凹部。

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