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技術 バックテーパ付き歯を有する焼結部品の製造方法

出願人 住友電工焼結合金株式会社
発明者 今村守
出願日 2003年11月14日 (17年1ヶ月経過) 出願番号 2003-385525
公開日 2005年6月9日 (15年6ヶ月経過) 公開番号 2005-146348
状態 特許登録済
技術分野 粉末冶金
主要キーワード 圧入方向前方 サイジング前 矯正面 付与範囲 歯面位置 付け根付近 歯面側 圧縮代
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年6月9日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (9)

課題

焼結部品に形成される歯に、素材き裂を発生させずに生産性に優れるサイジング法でバックテーパを付すことを可能にした焼結部品の製造方法を提供する。

解決手段

圧粉成形後焼結して得られる歯付き焼結部品の素材1Aに、その素材に形成された歯2の歯底サイジング金型から離反させる軸方向に延びた逃げ部4を設ける。この逃げ部4は両端を歯2の歯元側歯面を切欠く位置に至らせ、この逃げ部4を設けた素材1Aを、金型圧入方向に向かって前すぼみの方向に傾いた歯形矯正面を有するサイジング金型でサイジングして部品の歯にバックテーパを付与するようにした。

概要

背景

車両の駆動系などに利用される焼結部品の中に、バックテーパの付いた歯を有するものがある。図8にその部品の一例を示す。

この焼結部品1の歯2に付されたバックテーパθ(図8(c)参照)は、外歯歯車軸方向相対移動によってスムーズに噛み合わせ、かつ、スムーズに離脱させるためのものであって、歯溝3の溝幅Wを歯溝の入口側(外歯歯車が入り込んでくる図8(c)の右側)に向かって大きく(歯厚を小さく)するテーパである。

焼結歯車の製造では、通常、焼結後の素材サイジング処理を施して歯形と歯の寸法を整えるが、前述のバックテーパを、サイジングによって付与しようとすると、下記の問題が発生する。

すなわち、バックテーパの付与量が小さければサイジング金型で素材の歯にバックテーパを付すことができる。ところが、バックテーパの付与量が大きくなるとサイジング時の素材圧縮量が大きくなるため素材1Aに形成された歯2の付け根付近に過大な応力が発生し、その応力により歯2の根元(図8(d)のa部)付近において素材1Aにき裂Cが生じる。

例えば、図8(c)のバックテーパθが約2°の場合、バックテーパの付与範囲Lが8.0mmを越えると素材1Aにき裂Cが生じ易くなる。

このため、バックテーパの付与範囲が大きくて、き裂発生が避けられない焼結部品は、サイジング工程で歯をストレートな形に仕上げ、その後、この歯を切削加工してバックテーパを付ける方法を採らざるを得なかった。

なお、歯を仕上げるサイジング金型については、例えば、下記の特許文献1等に示されるものが提案されているが、これはストレートな歯を仕上げるものであって、素材にき裂を生じさせずにサイジングでバックテーパをつける特許文献は見当たらない。
特開平6−212208号公報

概要

焼結部品に形成される歯に、素材にき裂を発生させずに生産性に優れるサイジング法でバックテーパを付すことを可能にした焼結部品の製造方法を提供する。圧粉成形後に焼結して得られる歯付き焼結部品の素材1Aに、その素材に形成された歯2の歯底をサイジング金型から離反させる軸方向に延びた逃げ部4を設ける。この逃げ部4は両端を歯2の歯元側歯面を切欠く位置に至らせ、この逃げ部4を設けた素材1Aを、金型圧入方向に向かって前すぼみの方向に傾いた歯形矯正面を有するサイジング金型でサイジングして部品の歯にバックテーパを付与するようにした。

目的

歯のバックテーパを機械加工して付与する方法では生産性が高まらない。そこで、この発明は、バックテーパの付与量が大きくても素材にき裂を生じさせずに生産性に優れるサイジング法でバックテーパを付すことを可能となす焼結部品の製造方法と、その方法で得られるバックテーパ付き歯を有する焼結部品を提供することを課題としている。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

圧粉成形後焼結して得られる歯付き焼結部品素材に、その素材に形成された歯の歯底サイジング金型から離反させる軸方向に延びた逃げ部を、その逃げ部の両端を前記歯の歯元側歯面を切欠く位置に至らせて設け、この素材を、金型圧入方向に向かって前すぼみの方向に傾いた歯形矯正面を有するサイジング金型でサイジングして部品の歯にバックテーパを付与する工程を経ることを特徴とするバックテーパ付き歯を有する焼結部品の製造方法。

請求項2

前記逃げ部を、圧粉工程において金型で成形して設ける請求項1に記載のバックテーパ付き歯を有する焼結部品の製造方法。

請求項3

逃げ部による歯の歯元側歯面の切欠き量よりもサイジング金型の圧入方向前方部による素材圧縮代を小、サイジング金型の圧入方向後方部による素材圧縮代を大に設定してサイジングを行う請求項1又は2に記載のバックテーパ付き歯を有する焼結部品の製造方法。

請求項4

前記逃げ部の両端を、歯溝中心線に対して略平行となした請求項1乃至3のいずれかに記載のバックテーパ付き歯を有する焼結部品の製造方法。

請求項5

素材を、外径の1/100以下のしごき代を有する外金型に圧入して外金型で素材の外周を拘束し、この状態下でサイジング金型によるサイジングを行う請求項1乃至4のいずれかに記載のバックテーパ付き歯を有する焼結部品の製造方法。

請求項6

歯底に逃げ部が残存し、その逃げ部が歯溝の入口側から奥端側に向かって漸次大きくなっている請求項1乃至5のいずれかに記載の方法で製造されたバックテーパ付き歯を有する焼結部品。

請求項7

前記逃げ部により、歯の寸法が歯溝の入口側では保証寸法よりも大きく、歯溝の奥端側では保証寸法よりも小さくなっている請求項6に記載のバックテーパ付き歯を有する焼結部品。

技術分野

0001

この発明は、歯にサイジング処理してバックテーパを付けることを可能ならしめた焼結部品の製造方法とその方法で得られるバックテーパ付き歯を有する焼結部品に関する。

背景技術

0002

車両の駆動系などに利用される焼結部品の中に、バックテーパの付いた歯を有するものがある。図8にその部品の一例を示す。

0003

この焼結部品1の歯2に付されたバックテーパθ図8(c)参照)は、外歯歯車軸方向相対移動によってスムーズに噛み合わせ、かつ、スムーズに離脱させるためのものであって、歯溝3の溝幅Wを歯溝の入口側(外歯歯車が入り込んでくる図8(c)の右側)に向かって大きく(歯厚を小さく)するテーパである。

0004

焼結歯車の製造では、通常、焼結後の素材にサイジング処理を施して歯形と歯の寸法を整えるが、前述のバックテーパを、サイジングによって付与しようとすると、下記の問題が発生する。

0005

すなわち、バックテーパの付与量が小さければサイジング金型で素材の歯にバックテーパを付すことができる。ところが、バックテーパの付与量が大きくなるとサイジング時の素材圧縮量が大きくなるため素材1Aに形成された歯2の付け根付近に過大な応力が発生し、その応力により歯2の根元図8(d)のa部)付近において素材1Aにき裂Cが生じる。

0006

例えば、図8(c)のバックテーパθが約2°の場合、バックテーパの付与範囲Lが8.0mmを越えると素材1Aにき裂Cが生じ易くなる。

0007

このため、バックテーパの付与範囲が大きくて、き裂発生が避けられない焼結部品は、サイジング工程で歯をストレートな形に仕上げ、その後、この歯を切削加工してバックテーパを付ける方法を採らざるを得なかった。

0008

なお、歯を仕上げるサイジング金型については、例えば、下記の特許文献1等に示されるものが提案されているが、これはストレートな歯を仕上げるものであって、素材にき裂を生じさせずにサイジングでバックテーパをつける特許文献は見当たらない。
特開平6−212208号公報

発明が解決しようとする課題

0009

歯のバックテーパを機械加工して付与する方法では生産性が高まらない。そこで、この発明は、バックテーパの付与量が大きくても素材にき裂を生じさせずに生産性に優れるサイジング法でバックテーパを付すことを可能となす焼結部品の製造方法と、その方法で得られるバックテーパ付き歯を有する焼結部品を提供することを課題としている。

課題を解決するための手段

0010

上記の課題を解決するため、この発明においては、圧粉成形後に焼結して得られる歯付き焼結部品の素材に、その素材に形成された歯の歯底をサイジング金型から離反させる軸方向に延びた逃げ部を、その逃げ部の両端を前記歯の歯元側歯面を切欠く位置に至らせて設け、この素材を、金型圧入方向に向かって前すぼみの方向に傾いた歯形矯正面を有するサイジング金型でサイジングして部品の歯にバックテーパを付与する。

0011

この製造方法は、以下に列挙する内容にすると好ましい。
(1)逃げ部を、圧粉工程において金型で成形して設ける。
(2)逃げ部による歯の歯元側歯面の切欠き量よりもサイジング金型の圧入方向前方部による素材圧縮代を小、サイジング金型の圧入方向後方部による素材圧縮代を大に設定してサイジングを行う。
(3)逃げ部の両端を歯溝の中心線に対して略平行となす。
(4)素材を、外径の1/100以下、より好ましくは5/1000以下のしごき代を有する外金型に圧入して外金型で素材の外周を拘束し、この状態下でサイジング金型によるサイジングを行う。

0012

この発明においては、上記の方法によって得られるバックテーパ付き歯を有する焼結部品も併せて提供する。その焼結部品は、サイジングの条件によっては残存する逃げ部が軸方向に一定した大きさになるが、この発明ではこれは請求範囲から除外し、歯底に残存する逃げ部が歯溝の入口側から奥端側に向かって漸次大きくなっているもの、歯の寸法が歯溝の入口側では保証寸法よりも大きく、歯溝の奥端側では保証寸法よりも小さくなっているものを権利の対象とする。

発明の効果

0013

素材に歯の歯底をサイジング金型から離反させる軸方向に延びた逃げ部を設けると、サイジング金型で歯にバックテーパを付与するときに素材の一部が逃げ部に逃げて素材に発生する応力が逃げ部が無い場合に比べて小さくなり、逃げ部無しでサイジングを行ったときに問題となっていたき裂の発生が防止される。

0014

なお、逃げ部を金型で成形して設けると、逃げ部設置による加工工程の増加をなくせる。

0015

また、上記(2)〜(4)の条件を満足させると、き裂防止の効果が特に顕著に発揮される。

発明を実施するための最良の形態

0016

以下、この発明の製造方法の具体例を図1及び図3に基づいて説明する。図1に示すように、圧粉成形工程と焼結工程を経て得られる焼結部品の素材1Aに、その素材1Aに形成された歯2の歯底をサイジング金型5から離反させる軸方向にストレートに延びた逃げ部4を、圧粉工程において金型で成形して設ける。

0017

この逃げ部4を有する素材1Aを、金型圧入方向に向かって前すぼみの方向に傾いた歯形矯正面を有するサイジング金型5でサイジングして歯2にバックテーパを付与する。

0018

サイジングは、以下のようにして実施する。即ち、先ず、図2に示すように、ダイ6の内部にサイジング金型(コアロッド)5と下パンチ7を入り込ませ、素材1Aを下パンチ7で受け支えてセットする。ダイ6は、内径Dが素材1Aの外径D1よりも小さく、D1とDの差が素材外周のしごき代となるものを用いる。そのしごき代は、素材外径に対して1/100以下、より好ましくは5/1000以下が好ましい。

0019

次に、上パンチ8を下降させてセットされた素材1Aを下パンチ7との間に挟み、以後、下パンチ7と素材1Aを上パンチ8で一緒押し下げ、サイジング金型5も同時に下降させて素材1Aをダイ6の中に押し込んで行く。この過程で素材1Aはダイ6内に圧入され、外周がダイ6によって拘束される。そして、この状態で下降終点に停止したサイジング金型5が図3に示すように素材1Aの内部に押し込まれ、サイジング金型5による歯2のサイジングとその歯2に対するバックテーパの付与がなされる。

0020

この後、下パンチ7で処理済の素材1Aを突き上げてダイ6から抜き出す。以上でバックテーパ同時付与のサイジングが完了する。

0021

なお、逃げ部4は、図1に示すように、両端を歯2の歯元側の歯面2aを切欠く位置に至らせたものにする。両端が歯面2aを切欠く位置まで延びることで十分なき裂防止の効果が得られる。

0022

この逃げ部4は、歯面の切欠き量eが適切なもの、逃げ部4の両端でその延長線L1が歯溝3の中心線CLとほぼ平行になっているものが特に好ましい。歯面の切欠き量eや逃げ部4の両端の形状によってき裂防止の効果に差が生じる。

0023

例えば、図4に示す形状の逃げ部4A、4B、4Cについて、素材1Aに対するき裂の発生状況を応力のCAEコンピュータ数値シミュレーション解析を兼ねて調査した結果、逃げ部4A、4Cよりも逃げ部4Bの方が、また、逃げ部4Aよりも逃げ部4Cの方がき裂防止の効果が大きかった。その理由は定かでないが、逃げ部4Aは、歯2の切欠き量が小さいためにサイジング金型5による歯2の歯元部の圧縮量が大きくなって発生する応力のピーク値が大きくなり、一方、逃げ部4Cは、サイジング金型5による歯2の歯元部の圧縮量は逃げ部4A、4Bよりも小さいが、逃げ部の両端が歯先2b側に深く入り込み過ぎて応力のピーク位置が別箇所に移って全体としての応力緩和の効果が逃げ部4Bよりも悪くなるのではないかと考えられる。また、逃げ部4Aは両端が円弧形状になっており、このことが逃げ部4Cよりもき裂防止の効果を低下させる一因になっているのではないかと考えられる。

0024

この調査は、逃げ部4Aの内端径=φ86.46mm(歯面切欠き量e1 =約0.51mm)、逃げ部4Bの内端径=φ86.20mm(歯面切欠き量e2 =約0.64mm)、逃げ部4Cの内端径=φ86.00mm(歯面切欠き量e3 =約0.74mm)、素材材質:Fe−Cu−C系合金、歯のバックテーパθ=3°、バックテーパの付与範囲(図8(c)のL)=9mmの条件で行ったが、例示の歯面切欠き量はあくまでも一例に過ぎない。バックテーパの付与条件を考慮して適正な歯面切欠き量を設定する。

0025

歯2にバックテーパを付与すると、歯溝3の入口側では歯面2aが図5のIの位置からIIの位置に、歯溝3の奥端側では図5のIの位置から僅かにII側に寄った位置に移る。図6は、歯2の平面図であって、鎖線はバックテーパθを付す前の歯面位置実線はバックテーパθ付与後の歯面位置を各々表している。

0026

歯2は、サイジング前には図1に示すように歯元側で歯面2aが逃げ部4によって切欠かれた状態になっているが、サイジングを終了すると、図5図7に示すように、少なくとも歯溝3の入口側(図中右側)では歯面2aを切欠く位置に入り込んでいた逃げ部4の両端が消滅して歯たけh方向の全域に歯面2aが形成される。

0027

また、逃げ部4による歯2の歯元側歯面の切欠き量よりもサイジング金型の圧入方向前方部による素材圧縮代を小、サイジング金型の圧入方向後方部による素材圧縮代を大に設定してサイジングを行った場合には、歯溝3の長手途中から奥端部にかけて歯面側に入り込んだ逃げ部4が残り、この部分に、歯溝3の奥端に向かって幅が広がるように切欠かれた歯面2a(図7参照)が形成される。

0028

このように、歯2の歯面2aが部分的に切欠かれて歯溝3の奥端側で歯2の寸法が保証寸法sよりも小さくなっても、歯溝3の入口側で保証寸法s以上の寸法を確保して切欠きによる歯面減少を補えば、必要とされる歯面面積を確保して実用面で支障の無いバックテーパ付き歯を得ることができる。

0029

残存した逃げ部によって歯面2aが部分的に切欠かれる図示の構造は、き裂防止の効果が特に高く、バックテーパの付与範囲Lをより大きくとることが要求される場合にもサイジングによるバックテーパの付与を可能ならしめる。

図面の簡単な説明

0030

この発明の製造方法で素材に設ける逃げ部の拡大正面図
サイジングの開始状態を示す図
サイジングの終了状態を示す図
CAEによる応力解析を行った逃げ部形状を示す図
バックテーパ付与後の歯の正面図
バックテーパ付与後の歯の平面図
バックテーパ付与後の歯の側面図
(a)はバックテーパ付き歯を有する焼結部品の一例を示す正面図、(b)は正面の一部の拡大図、(c)は歯の平面図、(d)はき裂の発生状況を示す図

符号の説明

0031

1焼結部品
1A素材
2 歯
2a 歯面
2b歯先
3歯溝
4、4A〜4C逃げ部
5サイジング金型
6 ダイ
7 下パンチ
8 上パンチ
θ バックテーパ

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