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技術 小径テーパねじプラグ、ねじ転造ローラ、テーパタップ、テーパねじリングゲージ、およびテーパねじプラグゲージ

出願人 株式会社互省製作所オーエスジー株式会社
発明者 小澤興一桜井勝治郎椿哲彦斉藤正博小西博明木田秀樹宮路敬一細谷直子三好忠義皆川一光
出願日 2003年11月18日 (17年1ヶ月経過) 出願番号 2003-388236
公開日 2005年6月9日 (15年6ヶ月経過) 公開番号 2005-144516
状態 特許登録済
技術分野 ねじ切り ボルト・ナット・座金 圧力容器、圧力容器の蓋 回転塑性加工
主要キーワード テーパおねじ テーパ比 テーパ円筒 テーパめねじ 基準外径 角度公差 管用テーパねじ 本実施例品
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

基準有効径d2 が7.142mm未満の小径テーパねじプラグにおいて所定の耐密性が得られるとともに、そのねじ穴を加工するためのタップについて実用上満足できる耐久性が得られるようにする。

解決手段

基準有効径d2 ≒5.618mmで基準外径d≒6.175mmであるため、従来の呼びR1/16の場合(基準有効径d2 ≒7.142mm、基準外径d≒7.723mm)に比較して、油圧部品等をコンパクトに設計できるようになるとともに、呼びR1/32(基準有効径d2 ≒4.094mm、基準外径d≒4.548mm)程小径ではないため、ねじ穴を加工するためのタップの寿命が長くなり、実用上満足できる耐久性が得られる。一方、テーパおねじ14のテーパ角度は約4°10′で、従来のテーパ角度(約3°35′)に比較して大きいため、油圧に対して優れた耐密性が得られ、油漏れが抑制される。

概要

背景

油圧部品等の開口穴閉塞するねじプラグ止め栓)として、例えば非特許文献1に記載されている管用テーパねじテーパおねじが多用されている。そして、このような油圧部品等の小型化を図る場合、テーパねじプラグとしても小径のものを用いる必要があり、非特許文献1には、呼びR1/16として、基準有効径d2 が7.142mm、基準外径dが7.723mmのテーパおねじが規定されている。なお、基準有効径d2 および基準外径dは、何れも基準径位置すなわちテーパおねじが螺合されるテーパめねじねじ穴開口端面の位置(基準面)、における径寸法である。
JIS B0203「管用テーパねじ」

概要

基準有効径d2 が7.142mm未満の小径テーパねじプラグにおいて所定の耐密性が得られるとともに、そのねじ穴を加工するためのタップについて実用上満足できる耐久性が得られるようにする。 基準有効径d2 ≒5.618mmで基準外径d≒6.175mmであるため、従来の呼びR1/16の場合(基準有効径d2 ≒7.142mm、基準外径d≒7.723mm)に比較して、油圧部品等をコンパクトに設計できるようになるとともに、呼びR1/32(基準有効径d2 ≒4.094mm、基準外径d≒4.548mm)程小径ではないため、ねじ穴を加工するためのタップの寿命が長くなり、実用上満足できる耐久性が得られる。一方、テーパおねじ14のテーパ角度は約4°10′で、従来のテーパ角度(約3°35′)に比較して大きいため、油圧に対して優れた耐密性が得られ、油漏れが抑制される。

目的

本発明は以上の事情背景として為されたもので、その目的とするところは、基準有効径d2 が7.142mm未満の小径テーパねじプラグにおいても所定の耐密性が得られるようにすることにあり、加えてその小径テーパねじプラグを螺合するねじ穴を加工するためのタップについて実用上満足できる耐久性が得られるようにすることにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

基準有効径d2 が7.142mm未満のテーパおねじ外周面に設けられている小径テーパねじプラグであって、前記テーパおねじのテーパ角度が3°35′よりも大きいことを特徴とする小径テーパねじプラグ。

請求項2

前記テーパ角度は4°10′±25′の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の小径テーパねじプラグ。

請求項3

前記テーパおねじの基準有効径d2 は5.618±0.5mmの範囲内で、基準外径dは6.175±0.5mmの範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の小径テーパねじプラグ。

請求項4

径側端面取付面と略同一となるように基準径位置Reが該大径側端面の近傍に設定されているとともに、軸方向長さは5.5±0.5mmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の小径テーパねじプラグ。

請求項5

請求項1〜4の何れか1項に記載の小径テーパねじプラグのテーパおねじを転造加工するために、該テーパおねじに対応する多数の凸条テーパ外周面に設けられていることを特徴とするねじ転造ローラ

請求項6

請求項1〜4の何れか1項に記載の小径テーパねじプラグが螺合されるテーパめねじ切削加工するために、前記テーパおねじに対応する切れ刃テーパ円筒面上に設けられていることを特徴とするテーパタップ

請求項7

請求項1〜4の何れか1項に記載の小径テーパねじプラグのテーパおねじに螺合されて、該テーパおねじのねじ精度を検査するテーパねじリングゲージ

請求項8

請求項1〜4の何れか1項に記載の小径テーパねじプラグが螺合されるテーパめねじに螺合されて、該テーパめねじのねじ精度を検査するテーパねじプラグゲージ

技術分野

0001

本発明は開口穴閉塞するテーパねじプラグ係り、特に、基準有効径が7.142mm未満の小径のテーパねじプラグ、およびその関連部品に関するものである。

背景技術

0002

油圧部品等の開口穴を閉塞するねじプラグ止め栓)として、例えば非特許文献1に記載されている管用テーパねじテーパおねじが多用されている。そして、このような油圧部品等の小型化を図る場合、テーパねじプラグとしても小径のものを用いる必要があり、非特許文献1には、呼びR1/16として、基準有効径d2 が7.142mm、基準外径dが7.723mmのテーパおねじが規定されている。なお、基準有効径d2 および基準外径dは、何れも基準径位置すなわちテーパおねじが螺合されるテーパめねじねじ穴開口端面の位置(基準面)、における径寸法である。
JIS B0203「管用テーパねじ」

発明が解決しようとする課題

0003

一方、油圧部品等の更なる小型化を図るため、上記JISに規定の最小径のテーパねじよりも更に小さなテーパねじプラグが望まれており、例えば呼びR1/32として、基準有効径d2 ≒4.094mm、基準外径d≒4.548mmのテーパねじプラグが考えられている。

0004

しかしながら、JISに規定のテーパねじは、テーパ比が1/16、すなわちテーパ角度が約3°35′であるため、これをそのまま上記呼びR1/32のような極小のテーパねじプラグに適用すると、油圧に対する耐密性が十分に得られない場合があった。また、呼びR1/32の小径テーパねじプラグの場合、そのねじ穴を加工するためのタップも小径となるため、油圧部品の材質によっては折損等により実用上満足できる耐久性が得られない場合があった。

0005

本発明は以上の事情背景として為されたもので、その目的とするところは、基準有効径d2 が7.142mm未満の小径テーパねじプラグにおいても所定の耐密性が得られるようにすることにあり、加えてその小径テーパねじプラグを螺合するねじ穴を加工するためのタップについて実用上満足できる耐久性が得られるようにすることにある。

課題を解決するための手段

0006

かかる目的を達成するために、第1発明は、基準有効径d2 が7.142mm未満のテーパおねじが外周面に設けられている小径テーパねじプラグであって、前記テーパおねじのテーパ角度が3°35′よりも大きいことを特徴とする。

0007

第2発明は、第1発明の小径テーパねじプラグにおいて、前記テーパ角度は4°10′±25′の範囲内であることを特徴とする。

0008

第3発明は、第1発明または第2発明の小径テーパねじプラグにおいて、前記テーパおねじの基準有効径d2 は5.618±0.5mmの範囲内で、基準外径dは6.175±0.5mmの範囲内であることを特徴とする。

0009

第4発明は、第1発明〜第3発明の何れかの小径テーパねじプラグにおいて、(a) 大径側端面取付面と略同一となるように基準径位置Reがその大径側端面の近傍に設定されているとともに、(b)軸方向長さは5.5±0.5mmの範囲内であることを特徴とする。

0010

第5発明はね転造ローラに関するもので、第1発明〜第4発明の何れかの小径テーパねじプラグのテーパおねじを転造加工するために、そのテーパおねじに対応する多数の凸条テーパ外周面に設けられていることを特徴とする。

0011

第6発明はテーパタップに関するもので、第1発明〜第4発明の何れかの小径テーパねじプラグが螺合されるテーパめねじを切削加工するために、前記テーパおねじに対応する切れ刃テーパ円筒面上に設けられていることを特徴とする。

0012

第7発明はテーパねじリングゲージに関するもので、第1発明〜第4発明の何れかの小径テーパねじプラグのテーパおねじに螺合されて、そのテーパおねじのねじ精度を検査するものである。

0013

第8発明はテーパねじプラグゲージに関するもので、第1発明〜第4発明の何れかの小径テーパねじプラグが螺合されるテーパめねじに螺合されて、そのテーパめねじのねじ精度を検査するものである。

発明の効果

0014

第1発明の小径テーパねじプラグは、基準有効径d2 が7.142mm未満であるが、テーパ角度が3°35′よりも大きいため、油圧に対する耐密性が向上する。これにより、所定の耐密性能を維持しつつテーパねじプラグの小型化を図ることが可能で、油圧部品をよりコンパクトに構成できるようになる。

0015

第2発明では、テーパ角度が4°10′±25′の範囲内であるため、所定の耐密性能が得られるとともに、±合わせて50′の角度誤差許容されるため、要求加工精度が緩和されて製造が容易になる。

0016

第3発明では、テーパおねじの基準有効径d2 が5.618±0.5mmの範囲内で、基準外径dが6.175±0.5mmの範囲内であるため、油圧部品をコンパクトに構成できるとともに、呼びR1/32程小径ではないため、そのテーパねじプラグを螺合するねじ穴を加工するためのタップの寿命が長くなり、広範囲の材質の被削材(油圧部品など)に対して実用上満足できる耐久性が得られるようになる。

0017

第4発明は、大径側端面が取付面と略同一となるレベルシールタイプ(面一型)の小径テーパねじプラグに関するもので、軸方向長さが5.5±0.5mmの範囲内であるため、所定の耐密性能を確保しつつコンパクトに構成される。

0018

第5発明のねじ転造ローラ、第6発明のテーパタップ、第7発明のテーパねじリングゲージ、第8発明のテーパねじプラグゲージは、何れも第1発明〜第4発明の小径テーパねじプラグの関連部品で、これ等の関連部品を用いて加工や検査を行なうことにより第1発明〜第4発明の小径テーパねじプラグの好適な使用が可能となるのであり、実質的に第1発明〜第4発明と同様の効果が得られる。

発明を実施するための最良の形態

0019

本発明の小径テーパねじプラグは、第2発明のようにテーパ角度が4°10′±25′の範囲内、更には4°10′±15′、或いは±5′程度の範囲が設定されるが、角度公差範囲は適宜定められるとともに、テーパ角度は少なくとも3°35′よりも大きければ良い。4°10′は、テーパ比が1/13.714のテーパ角度である。

0020

上記小径テーパねじプラグが螺合されるテーパめねじは、例えばその小径テーパねじプラグのテーパおねじと同じテーパ角度で形成されるが、テーパ角度が4°10′のテーパおねじに対してテーパめねじのテーパ角度を3°35′とするなど、テーパめねじのテーパ角度をテーパおねじのテーパ角度よりも大きくしたり小さくしたりすることも可能である。

0021

第5発明のねじ転造ローラは、転造加工すべきテーパおねじと同じテーパ角度(例えば4°10′)のテーパ外周面に多数の凸条が設けられ、第6発明のテーパタップは、加工すべきテーパめねじと同じテーパ角度(例えば3°35′)のテーパおねじに切れ刃を設ければ良い。また、第7発明のテーパねじリングゲージは、検査するテーパおねじと同じテーパ角度(例えば4°10′)のテーパめねじを有して構成されるが、そのテーパおねじを螺合するテーパめねじのテーパ角度が異なる場合には、そのテーパめねじと同じテーパ角度(例えば3°35′)のテーパめねじを設けることも可能である。第8発明のテーパねじプラグゲージは、検査するテーパめねじと同じテーパ角度(例えば3°35′)のテーパおねじを有して構成されるが、そのテーパめねじに螺合されるテーパおねじのテーパ角度が異なる場合には、そのテーパおねじと同じテーパ角度(例えば4°10′)のテーパおねじを設けることも可能である。これ等のテーパ角度には、それぞれ所定の角度公差範囲が設けられる。

0022

第3発明は、基準有効径d2 が5.618±0.5mmの範囲内で、基準外径dが6.175±0.5mmの範囲内であり、前記呼びR1/32と呼びR1/16との中間的な大きさで、例えば呼びR1/24として定義できるものであるが、他の発明の実施に際しては、従来の呼びR1/16よりも小径、すなわち基準有効径d2 が7.142mm未満で基準外径dが7.723mm未満の種々の径寸法の小径テーパねじプラグに適用可能で、例えば前記呼びR1/32の基準有効径d2 ≒4.094mm、基準外径d≒4.548mmの小径テーパねじプラグなどにも適用され得る。公差範囲は必ずしも±0.5mmである必要はなく、±0.1mm或いは±0.2mmなど適宜定められる。

0023

第4発明は、レベルシールタイプ(面一型)の小径テーパねじプラグで、軸方向長さが5.5±0.5mmの範囲内であるが、他の発明の実施に際しては、軸方向長さを適宜変更できるとともに、大径側端部が取付穴から突き出すタイプのテーパねじプラグにも適用され得る。公差範囲は必ずしも±0.5mmである必要はなく、±0.1mm或いは±0.2mmなど適宜定められる。また、レベルシールタイプの小径テーパねじプラグは、一般に大径側端面に六角穴等の工具係止穴が設けられるが、他の発明では、工具係止用係合頭部が大径側端面から突設して設けられても良いなど種々の態様が可能である。

0024

また、本発明の小径テーパねじプラグの他の諸元について説明すると、1インチ当りねじ山の数nは例えば32(1ピッチP=25.4/32=0.79375mm)、山角θ=60°、山頂および谷底の丸みR1=R2=0.065mm、ねじ山の高さH=0.866025P=0.6874mm、h=0.70224P=0.5574mm、寸法Tc=Tr=0.065mm等に設定される。但し、山角θを55°としたり、山頂を平坦円筒面)にしたりすることもできるなど、種々の態様が可能で、各部の寸法も適宜設定できる。

0025

前記レベルシールタイプでは、大径側端面が取付面と略同一となるように基準径位置Reが大径側端面の近傍に設定されるが、具体的には、例えば大径側端面からねじ山の1ピッチP以内に設定され、1/2・P(上例では約0.4mm)程度だけ下がった位置を基準径位置Reとすることが望ましい。また、その公差は、例えば+1.2〜−0mmが適当である。

0026

また、レベルシールタイプの軸方向長さをねじ山のピッチPで規定すると、完全ねじ山数は5山を確保することが望ましく、軸方向の両端に冷間自然形状などによる面取りダレをそれぞれ1ピッチ分要するとして、7ピッチ(7山)程度とすることが適当であり、例えば前記ねじ山数n=32の場合、0.79375×7≒5.5mmとなる。

0027

本発明の小径テーパねじプラグのテーパおねじは、第5発明のねじ転造ローラを用いて転造加工することが望ましく、その小径テーパねじプラグが螺合されるテーパめねじは、第6発明のテーパタップ用いて切削加工することが望ましいが、例えばダイスフライスなどを用いてテーパおねじを切削加工することもできるなど、他の加工手段を採用することもできる。

0028

以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例であるレベルシールタイプの小径テーパねじプラグ10を説明する図で、(a) は大径側端面12を示す端面図、(b) は軸心と直角方向から見た一部(上半分)を切り欠いた正面図、(c) はテーパ角度(テーパ比)を説明する図、(d)はねじ山の拡大断面図である。この小径テーパねじプラグ10は、SCM435(HRC32〜42)にて構成されており、全体としてテーパ形状を成していて、そのテーパ形状の外周面にテーパおねじ14が設けられているとともに、大径側端面12には六角形の工具係止穴16が設けられている。また、小径側の先端外周部には約45°で面取り18が施されているとともに、大径側の大径側端面12の外周部20は冷間自然形状(面取り形状)を成している。

0029

この小径テーパねじプラグ10は、呼びR1/24×5.5として規定されたもので、1インチ当りのねじ山数n=32で、1ピッチP=25.4/32=0.79375mmであるとともに、大径側端面12の近傍、厳密には寸法A≒0.4mm(≒1/2・P)だけ隔てた位置が基準径位置Reとして定められ、その基準径位置Reにおける基準有効径d2 ≒5.618mm、基準外径d≒6.175mmとされている。また、テーパ角度は約4°10′で、テーパ比としては(c) に示すように1/13.714であり、軸方向長さLは約5.5mmすなわち約7Pで、完全ねじ山として5山が確保されるようになっている。上記寸法Aの公差は、+1.2〜−0mmで、基準有効径d2 、基準外径dの寸法公差は何れも±0.5mmで、テーパ角度の角度公差は±25′で、軸方向長さLの寸法公差は+0〜−0.4mmである。

0030

また、テーパおねじ14のねじ山の山角θ=60°、山頂および谷底の丸みR1=R2=0.065mm、ねじ山の高さH=0.866025P=0.6874mm、h=0.70224P=0.5574mm、寸法Tc=Tr=0.065mmで、それ等の公差は適宜定められる。

0031

そして、このような小径テーパねじプラグ10は、その外周面のテーパおねじ14にシールテープ所定回数(例えば2〜3回)巻き付けた状態で、図2(a) に示すように所定の油圧部品30の油路32の開口部に設けられたテーパねじ穴34に螺合され、大径側端面12が油圧部品30の上面36と略面一となる状態で装着されて、その油路32の開口部を油密に閉塞する。油圧部品30の上面36は取付面で、テーパねじ穴34すなわちテーパめねじの基準面に相当する。なお、テーパねじ穴34のテーパ角度は3°35′で、テーパおねじ14のテーパ角度(≒4°10′)よりも小さい。

0032

ここで、上記テーパねじ穴34と他の穴との間の肉厚aやテーパねじ穴34同士の間の肉厚b、その心間距離cは、油圧などを考慮して所定の強度が得られるように適宜定められ、例えば図2(b) に示すように、本実施例の小径テーパねじプラグ10すなわち呼びR1/24の場合(基準有効径d2 ≒5.618mm、基準外径d≒6.175mm)には、a≒6mm、b≒8mm、c≒14.2mmとなる。これに対し、従来の呼びR1/16の場合(基準有効径d2 ≒7.142mm、基準外径d≒7.723mm)はa≒6mm、b≒9mm、c≒16.8mmで、肉厚a、bは殆ど同じであるが、心間距離cについては、本実施例の方が15%程度小さくなり、その分だけ油圧部品30をコンパクトに設計できるようになる。

0033

また、本実施例よりも小径の呼びR1/32の場合(基準有効径d2 ≒4.094mm、基準外径d≒4.548mm)は、a≒6mm、b≒6mm、c≒10.6mmで、従来品(呼びR1/16)に比べて肉厚aは同じであるが、肉厚bは2/3で、心間距離cは約37%小さくなり、更なるコンパクト設計が可能となる。しかし、このような呼びR1/32の小径テーパねじプラグの場合、それに合わせてテーパねじ穴34を小径とする必要があるため、そのテーパねじ穴34を切削加工するためのテーパタップも小径となり、被削材の材質によっては折損し易くなって耐久性が著しく損なわれる場合があった。

0034

一方、本実施例の小径テーパねじプラグ10はテーパ角度が約4°10′で、従来のテーパ角度(約3°35′)に比較して大きいため、油圧に対して優れた耐密性が得られ、油漏れが抑制される。例えば、テーパ角度が約4°10′(テーパ比1/13.714)の本実施例品と、テーパ角度が約3°35′(テーパ比1/16)の比較品(他の諸元は本実施例品と同じ)とを用意して、図3の(a) に示すように70MPaの動圧波形周期的に油圧を印加して油漏れを測定したところ、図3(b) に示す結果が得られた。めねじ部材の材質はS10Cで、シールテープの巻回数は2.5回、締付トルクは300〜550N・cm、油温は30〜35℃である。また、ねじ穴のテーパ角度は、試験したテーパねじプラグのテーパ角度とは関係なく、何れも3°35′である。

0035

図3(b) の試験結果から明らかなように、締付トルクが400N・cm以上では、何れの場合も油圧を100万回印加しても油漏れは発生しないが、締付トルクが350N・cm、300N・cmでは、テーパ角度が約3°35′(テーパ比1/16)の比較品において、約85万〜90万回の油圧印加で油漏れが発生した。これに対し、テーパ角度が約4°10′(テーパ比1/13.714)の本実施例品では、締付トルクが300〜350N・cmでも油漏れが認められず、テーパ角度を大きくすることによって耐密性能が高くなることが分かる。

0036

このように本実施例の小径テーパねじプラグ10は、基準有効径d2 ≒5.618mmで基準外径d≒6.175mmであるため、従来の呼びR1/16の場合(基準有効径d2 ≒7.142mm、基準外径d≒7.723mm)に比較して、前記心間距離cを小さくできるなど、油圧部品30をコンパクトに設計できるようになる。

0037

また、呼びR1/32(基準有効径d2 ≒4.094mm、基準外径d≒4.548mm)程小径ではないため、その小径テーパねじプラグ10を螺合するテーパねじ穴34等のテーパめねじを切削加工するためのタップの寿命が長くなり、広範囲の材質の被削材(油圧部品など)に対して実用上満足できる耐久性が得られる。

0038

一方、本実施例の小径テーパねじプラグ10は、テーパ角度が約4°10′で、従来のテーパ角度(約3°35′)に比較して大きいため、油圧に対して優れた耐密性が得られ、油漏れが抑制される。しかも、テーパ角度は±合わせて50′の角度誤差が許容されるため、要求加工精度が緩和されて製造が容易になる。

0039

また、本実施例は大径側端面12が上面36と略同一となるレベルシールタイプであるが、軸方向長さLが約5.5mmで完全ねじ山数が5山以上であるため、所定の耐密性能を確保しつつコンパクトに構成される。

0040

次に、このような小径テーパねじプラグ10の関連部品を説明する。
図4は、小径テーパねじプラグ10のテーパおねじ14を転造加工するためのねじ転造ローラ40を説明する図で、(a) は軸心方向から見た正面図、(b) は(a) におけるB−B断面図である。このねじ転造ローラ40は、約30mmの軸方向長さを有するとともに、軸方向の中央部分が最も大径の約96.6mmで、両端側へ向かうに従ってそれぞれテーパおねじ14と同じテーパ角度、すなわち約4°10′(傾斜角度α≒2°05′)で小径となる一対のテーパ外周面を備えており、それ等のテーパ外周面にはそれぞれテーパおねじ14と同じピッチPで反対の左方向へリード角約2°35′で捩じれたテーパおねじ42、44が設けられている。テーパおねじ42、44は、テーパおねじ14に対応する多数の凸条に相当するもので、リード角は径寸法に応じて設定される。また、そのねじ山の断面形状はテーパおねじ14の溝形状に対応しており、一対のねじ転造ローラ40を互いに平行に配置してねじ素材を両側から挟圧して転造加工を行なうことにより、前記小径テーパねじプラグ10のテーパおねじ14を転造成形することができる。このねじ転造ローラ50の材質はSKDで、硬さは58HRC〜である。

0041

なお、上記ねじ転造ローラ40は一対のテーパおねじ42、44を備えているが、何れか一方のテーパおねじ42または44を設けるだけでも良い。

0042

図5は、前記テーパねじ穴34等のテーパめねじを切削加工するためのテーパタップ50を示す図で、(a) は軸心と直角方向から見た正面図、(b) は(a) の右側面図である。このテーパタップ50は、シャンク52および刃部54を軸方向に一体に備えており、刃部54には、加工すべきテーパめねじと同じテーパ角度、すなわち3°35′でテーパおねじが設けられているとともに、軸方向に3本のストレート溝56が設けられてそのテーパおねじが分断されることにより、それ等の周方向の端部にすくい角が約6°の切れ刃58が形成されている。このテーパおねじの基準径位置Reにおける基準有効径d2 および基準外径dは前記テーパおねじ14と同じで、それぞれ約5.618mm、6.175mmであり、テーパ角度は約3°35′、ねじ部全長B≒15mm、食付き先端から基準径位置Reまでの長さB1 ≒9.5mmで、食付き部のねじ山数は2.5山である。また、材質は粉末ハイスで、刃部54の硬さは64〜67HRCであり、表面には硬質被膜としてTiNコーティングが施されている。そして、予めテーパ角度が約3°35′で設けられたテーパ形状の下穴内にねじ込まれることにより、3枚の切れ刃58によりテーパめねじが切削加工される。

0043

図6は、前記小径テーパねじプラグ10のテーパおねじ14に螺合されて、そのテーパおねじ14のねじ精度を検査するテーパねじリングゲージ60を示す図で、(a) は軸心と直角方向から見た一部(上半分)を切り欠いた正面図、(b) は(a) の右側面図である。このテーパねじリングゲージ60は、軸方向長さBが約6.7mmで、軸心にはテーパおねじ14に対応してテーパ角度が4°10′のテーパめねじ62が設けられているとともに、その基準径位置Reにおける基準有効径d2 は5.618mmで、基準径位置Reから小径側端面64までの寸法B1 は5.1mmである。また、その小径側端面64には、寸法C=1.2mmで約半周に亘って切欠66が設けられており、前記小径テーパねじプラグ10をテーパめねじ62に螺合した時に、その先端位置が切欠66内、すなわち小径側端面64から寸法Cまでの範囲内に位置しているか否かにより、テーパおねじ14のねじ精度を検査できる。このテーパねじリングゲージ60の材質はSKS31で、硬さは63〜65HRCである。なお、寸法B1 は、検査する小径テーパねじプラグ10の基準長さ(基準径位置Reから小径端までの距離)に応じて定められる。

0044

図7は、前記テーパねじ穴34など前記小径テーパねじプラグ10が螺合されるテーパめねじに螺合されて、そのテーパめねじのねじ精度を検査するテーパねじプラグゲージ70を示す図で、軸心と直角方向から見た正面図であり、六角柱形状ハンドル72およびゲージ部74を軸方向に一体に備えている。ゲージ部74の軸方向長さBは約6.7mmで、外周部には検査するテーパめねじに対応してテーパ角度が3°35′のテーパおねじ76が設けられているとともに、その基準径位置Reにおける基準有効径d2 =5.618mm、基準外径d=6.175mmで、基準径位置Reから大径側端面78までの寸法Cは1.2mmである。そして、その大径側端面78から寸法Cの範囲には部分的に切欠80が設けられており、前記小径テーパねじプラグ10が螺合される前記テーパねじ穴34等の検査すべきテーパめねじにそのゲージ部74を螺合した時に、前記上面36等の開口端面(基準面)が切欠80内、すなわち大径側端面78から寸法Cまでの範囲内に位置しているか否かにより、テーパめねじのねじ精度を検査できる。このテーパねじプラグゲージ70の材質はSKS31で、硬さは63〜65HRCである。なお、軸方向長さBは、検査するテーパめねじの長さ(深さ)寸法に応じて定められる。

0045

以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、例えば材質や硬質被膜の有無、種類などは適宜変更できるなど、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。

図面の簡単な説明

0046

本発明の一実施例である小径テーパねじプラグを説明する図で、(a) は大径側端面図、(b) は一部を切り欠いた正面図、(c) はテーパ角度を説明する図、(d)はねじ山の断面図である。
(a) は図1の小径テーパねじプラグの使用態様を説明する図で、(b) は径寸法(呼び)が異なる3種類のテーパねじプラグを使用した場合の各部の必要寸法を比較して示す図である。
図1の小径テーパねじプラグの耐圧試験を説明する図で、(a) は印加する油圧の動圧波形を示す図、(b) は試験結果を示す図である。
図1の小径テーパねじプラグを転造加工するねじ転造ローラの一例を示す図で、(a) は正面図、(b) は(a) におけるB−B断面図である。
図1の小径テーパねじプラグが螺合されるテーパめねじを切削加工するテーパタップの一例を示す図で、(a) は正面図、(b) は(a) の右側面図である。
図1の小径テーパねじプラグのテーパおねじを検査するテーパねじリングゲージの一例を示す図で、(a) は一部を切り欠いた正面図、(b) は(a) の右側面図である。
図1の小径テーパねじプラグが螺合されるテーパめねじを検査するテーパねじプラグゲージの一例を示す正面図である。

符号の説明

0047

10:小径テーパねじプラグ12:大径側端面14:テーパおねじ34:テーパねじ穴(テーパめねじ) 36:上面(取付面) 40:ねじ転造ローラ42、44:テーパおねじ(凸条) 50:テーパタップ58:切れ刃60:テーパねじリングゲージ70:テーパねじプラグゲージRe:基準径位置d:基準外径d2 :基準有効径

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